阪神(★3対5☆)巨人 =リーグ戦25回戦(2023.09.21)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:赤星 優志(4勝5敗0S)
(セーブ:中川 皓太(1勝3敗13S))
敗戦投手:青柳 晃洋(8勝5敗0S)

本塁打
【巨人】大城 卓三(16号・6回表満塁)
【阪神】ミエセス(5号・9回裏ソロ),佐藤 輝明(21号・9回裏2ラン)

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◆巨人は0-0で迎えた6回表、2死一二塁から丸が適時打を放ち先制する。なおも続く好機で、代打・大城卓のグランドスラムが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・赤星が8回無失点の快投で今季4勝目。敗れた阪神は、9回に追い上げを見せるも、反撃が遅かった。

◆スタメンが発表され、阪神は直近4試合無安打の森下翔太外野手(23)がスタメン外となった。「3番右翼」には小野寺暖外野手(25)が入る。森下はリーグ優勝翌日の15日広島戦(マツダスタジアム)を最後に、現在20打席連続無安打。8月19日DeNA戦(横浜)以来、25試合ぶりのベンチスタートとなった。

◆阪神岩貞祐太投手(32)と伊藤将司投手(27)が、出場選手登録を抹消された。岩貞は今季中継ぎとして2年連続50試合に登板し、1勝0敗、自己最多の24ホールド、防御率2・70とブルペン陣を引っ張った。岡田監督は「休養や。背中もちょっと張っとるみたいやな」と説明した。伊藤将は前日20日の巨人戦に先発し、7回途中3失点と力投。自身初の規定投球回に到達し、自己最多タイの10勝(5敗)を挙げ、防御率は2・39。先発ローテーションの一角としてリーグ優勝に貢献した。代わって阪神渡辺諒内野手(28)と岡留英貴投手(23)が、出場選手登録された。

◆/これで単独トップに\近本光司はこれが通算768安打目入団5年目までのプロ野球記録を更新???#プロ野球(2023/9/21)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/M2Uwzq3VQo

◆阪神近本光司外野手(28)が、新人から5年間の通算安打数のプロ野球記録を更新した。「1番中堅」で出場し、初回。カウント2-2から右腕赤星の147キロ直球を右翼前に運び出塁した。この安打で、通算安打数は768安打。巨人長野が打ち立てた同記録767安打を、9年ぶりに更新した。

◆今季最後の伝統の一戦は、大雨により一時中断となった。阪神先発は「雨柳さん」の愛称で知られる青柳晃洋投手(29)。3回を無失点で抑えた直後だった。試合中に降り始めた霧雨状の雨が強まり、一時中断が宣言された。すぐさま阪神園芸が出動し、マウンド上とホームベースにシートが用意された。約8分ほどで雨脚は弱まり、シートは再び撤去。10分間の中断後、午後6時47分に再び試合が再開された。

◆/ぶち込め大城\代打・大城卓三がグランドスラム??初球を振り抜いた打球はポール際へ16号満塁弾で突き放す!?#プロ野球(2023/9/21)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #giants pic.twitter.com/iJXly5Fp1A

◆阪神先発青柳晃洋投手(29)が痛恨の満塁弾を浴び、降板した。6回に先制点を許し、なおも2死満塁。代打大城への初球134キロ変化球を捉えられた。打球はぎりぎり右翼フェンスを越える満塁弾。右飛を予感した阪神ファンの歓声が、一瞬で静まった。5回まで1安打無失点の中、まさかの大量失点。直後に2番手及川への交代が告げられ、6回途中5安打5失点で降板となった。

◆甲子園に激レアな登場曲が流れた。8回から岡留英貴投手(23)が登板。テレビアニメ「ダンベル何キロ持てる?」のオープニングテーマ曲「お願いマッスル」が球場に響いた。岡留はORANGE RANGEのチャンピオーネを登場曲に選んでいるが、青柳晃洋投手(29)が登板時のみという縛りを設け「お願いマッスル」を採用。この日、先発が青柳だったため、初めて「お願いマッスル」が流された。筋トレをテーマにしたアニメにふさわしい歌詞とともに右腕が登場した。

◆今季最後の伝統の一戦で巨人が意地を見せた。敵地甲子園で5試合ぶりに白星を挙げ、CS進出へ望みをつないだ。先発赤星優志投手が粘った。1回には1死一、三塁で4番大山を迎えるも、118キロのカーブでタイミングを狂わせて捕邪飛に打ち取った。続く佐藤輝にも121キロカーブで空振り三振。先制点を与えなかった。以降も持ち前の制球力と緩急を駆使した投球で0を重ね、8回6安打無失点7奪三振で4勝目を挙げた。6回に打線が赤星の粘投に応えた。2死一、二塁から丸が左前適時打で先制すると、2死満塁として代打大城卓三捕手が右翼ポール際へ16号グランドスラム。一挙5点でリードを広げた。前夜の20日には逆転負けで阪神戦のワーストを更新する18敗目喫した巨人が甲子園で奮起。王者阪神を相手に最終戦で一矢報いた。これで3位DeNAと3ゲーム差とした。

◆阪神が今季ラストの「伝統の一戦」の最終回に意地を見せた。5点ビハインドの9回、巨人大勢からヨハン・ミエセス外野手(28)が代打5号ソロ。佐藤輝明内野手(24)が21号2ランで2点差にまで迫った。勝利とはならなかったが、ゼロ封負け目前の連弾で虎党を喜ばせた。佐藤輝はキャリアハイの85打点に到達した。阪神は今季の巨人戦を18勝6敗1分けで終了した。このカードの年間18勝、貯金12はいずれも球団最多。なお球界全体の巨人戦でのシーズン最多勝利は、97年ヤクルトの19勝(8敗)。阪神はわずかに及ばなかった。

◆阪神が今季ラストの「伝統の一戦」の最終回に意地を見せた。5点ビハインドの9回、巨人大勢からヨハン・ミエセス外野手(28)が代打5号ソロ。佐藤輝明内野手(24)が21号2ランで2点差にまで迫った。勝利とはならなかったが、ゼロ封負け目前の連弾で虎党を喜ばせた。佐藤輝はキャリアハイの85打点に到達した。阪神の満塁本塁打被弾は、22年8月24日京セラドーム大阪のDeNA戦で、桑原から伊藤将が打たれて以来。巨人戦では、22年4月3日に東京ドームで中田にガンケルが喫して以来。甲子園の巨人戦に限ると、07年9月19日ゴンザレスにボーグルソンが打たれて以来。なお甲子園で巨人の日本人選手に打たれたのは、91年4月10日に篠塚利夫(後に和典)に渡辺伸彦が許して以来、33年ぶりとなった。

◆阪神近本光司外野手が、新人から5年間通算安打数のプロ野球記録を塗り替えた。「1番中堅」での初回。カウント2-2から右腕赤星の147キロ直球を右翼前にはじき返した。プロ通算768本目の安打。並んでいた敵陣ベンチの巨人長野を抜いて記録を更新した。近本は「大きい離脱もなくここまで来た所が評価できるのかなと思う。そういった所をこれからも、むしろこれからの方が難しくなってくると思うので。続けて安定して出せたら」。赤星との対戦はリーグ優勝を決めた14日巨人戦以来。その際も右前打を決めており、対戦2試合連続の安打となった。3年目、4年目までの安打数でも歴代トップを更新。巨人長嶋が持つ6年目までの通算安打記録926本にはあと158本だ。「いや~そこまでは考えてないっすね」。そうつぶやいたが、さらなる期待も膨らむ新記録樹立となった。

◆阪神が巨人に敗れ、今季ラストの伝統の一戦を白星で飾ることができなかった。前日20日に勝利し球団最多記録となる巨人戦シーズン18勝を手にしたが、記録更新とはならなかった。3年連続2桁を目指した先発青柳晃洋投手(29)が、1発に泣いた。初回、4回と先頭に四球を与えながらも、5回途中まで無安打無失点投球を披露。ただ、6回2死一、二塁から丸に外角低めのツーシームを狙われ、左前への適時打で先制点を許すと、なおも2死満塁から代打大城に右翼ポール際に飛び込む満塁弾を食らい、降板となった。自身の連勝は「5」でストップし、巨人戦の連勝も「7」で止まった。打線も巨人先発赤星の前に沈黙した。初回先頭の近本が右前打で出塁。通算768安打目で、新人から5年間の通算安打数のプロ野球記録を更新した。小野寺が右前打でつないで1死一、三塁としたが、得点につながらず。4回も1死から大山が左中間への二塁打を放ったが、無得点に終わった。5点を追う9回は先頭の代打ミエセスがバックスクリーン左への5号ソロで反撃ののろしをあげ、佐藤輝も右越えの21号2ランで2点差まで追い上げたが、届かなかった。

◆阪神が9回に3点を奪う粘りを見せたが、今季今季ラストの伝統の一戦を白星で飾ることができなかった。先発青柳晃洋投手(29)は6回に満塁弾を浴びるなど5失点で崩れた。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-最後はミエセスの1発から3点「えぇ? なあ(笑い)。まあ、5点(差)やからのお」-簡単に終わらなかったことは、これからも考えると大事「そうやなあ。まあ向こう、(先発の)赤星よかったからなあ。2人、昨日(山崎伊)、今日。一番いいんちゃうか? 今な、巨人で」-佐藤輝は最後に2ラン。それまでの打席と最後の打席では違う姿を「まあ佐藤の話て、今日は青柳やろ? いきなり佐藤出ても、お前」-結果的には、大城卓の満塁弾がなければ「そうやなあ。なあ、やっぱりな、勝ち投手にならなアカンかったからのお。まあ、何とか1点、2点ぐらいやったらなんとかなりそうな感じやったけどな、後半」-内容については「最初は良かったと思うよ。おーん。まあな、(6回も)2アウトからやからな」-10勝がなくなった。次回は?「いやいや、もういい、もういい、もうええわ」-CSに向けて「うん。またちょっとな、投げさせるピッチャーはおるからな」-2番手の及川は昨日に続いていいイメージができたのでは「ああ、及川は今いい感じで投げているよ。まあ最後は、これ、今人数、結構抹消とかしてるからなあ。人数多いからなあ。絞らなあかんからなあ。まあそういうことやな、ブルペンはな。こんなぎょうさん入れられへんからな」-打つ方は渡辺諒が上がってきた。ベンチ入り争いは今後も「そうやなあ、あとそんなおらんからなあ。あと植田ぐらいやろ、なあ、(今2軍で)ずっと1軍戦力でやってたいうたらなあ」-今季の巨人戦が終了。18勝6敗1分けと結果的にお得意様になった「こんな勝ってるとは思わんかったけどなあ。まあ、別になあ、何勝何敗とかそういう計算はないし、1戦1戦やった結果やと思うよ、それは。まあ、それはどこのチームも一緒やけどなあ。巨人だけじゃないしに、他のチームも、他のみんなに勝ち越したのは大きいけどな、まんべんなく、まあお得意さん作るっていうかなあ、それじゃないとなかなか貯金は増えんけど、どっかに負け越してるチームは大体出るもんやけどなあ、みんなに勝ち越したというのは、そっちの方が大きいよな。まあ、目の前の試合をな、1つ1つの積み重ねやから、そんななあ、3連戦を2勝1敗でいくって、計算してやってないから、それは積み重ねやん結局は。まあ、勝ち星もそうやしな、トータル的にはなあ」

◆今季最後の伝統の一戦で巨人が意地を見せた。敵地甲子園で5試合ぶりに白星を挙げ、CS進出へ望みをつないだ。巨人原監督(今季の阪神戦は6勝18敗1分けで終え)「数字としてはやっぱり忘れてはいけない数字になった。しかし未来永劫(えいごう)、阪神戦というのはあるわけですから、しっかり肝に銘じて、つなげてということは大事なことだと思います」

◆ミエちゃんがCSアピール弾だ。9回先頭で代打出場した阪神ヨハン・ミエセス外野手が巨人大勢の152キロの直球をバックスクリーン左に運んだ。6月7日楽天戦以来となる5号ソロ。ホームを踏むとベンチ前では最後に待っていた糸原と小島よしおの右手を額に当てる「ピーヤ」ポーズから抱擁した。虎のムードメーカーは「いつもみんなに刺激をもらっている。自分にチャンスが来たら、それをしっかり生かしていこう(と思った)」と笑顔だ。仲良しの糸原も「(今日は)ミエちゃんに聞いたってよ。1時間ぐらい聞いたって」と喜んでいた。

◆阪神大山悠輔内野手が最終回の一打で反撃ムードをつなげた。ミエセスの1発で4点差に追い上げた9回無死。巨人大勢の152キロ直球を逆方向にはじき返した。右翼手が飛び込むも捕球できない二塁打で出塁。この日3本目の安打を決めた。「バッティング守備走塁、まだまだレベルアップしないといけない。個人じゃなくてチームとしてもすごく大事な試合になってくる。無駄にしないようにやっていきたい」。7戦連続安打で、出塁率は4割5厘。セ・リーグトップを走っている。

◆この日昇格した阪神渡辺諒内野手(28)が8回に代打で登場した。赤星に3球連続カーブを投げられ、捕邪飛に倒れた。1軍の打席は8月13日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来。「代打だったり、そういうひとつの打席でしっかり結果を出せるように。少ないチャンスでしっかりCSに向けてアピールできるようにやっていきたい」。右の代打、内野の控えとして、CSのベンチ入り争いはまだ続く。

◆/甲子園が揺れた\馬場、ミエセスが作った流れに応える佐藤輝明の21号2ランで2点差に???#プロ野球(2023/9/21)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/aqFMuw2Onn

◆阪神が今季ラストの「伝統の一戦」の最終回に意地を見せた。5点ビハインドの9回、巨人大勢からヨハン・ミエセス外野手(28)が代打5号ソロ。佐藤輝明内野手(24)が21号2ランで2点差にまで迫った。勝利とはならなかったが、ゼロ封負け目前の連弾で虎党を喜ばせた。佐藤輝はキャリアハイの85打点に到達した。ひょっとしたら...。5点ビハインドの9回でも、そんな空気にさせるのが今季の阪神だ。ミエセスが代打ソロ。そして無死一塁から佐藤輝がかっ飛ばした。大勢の低め142キロをすくい上げ右翼ポール際へ。スタンド最前列に飛び込む1発に、甲子園は劣勢を感じさせない狂喜乱舞だ。「いや~ギリギリっすね。危なかったっす」とホッとしたような表情を見せた。優勝を決めた14日の巨人戦以来となる6試合ぶりの21号2ラン。2点差まで追い上げる意地を見せ、最後まで虎党を沸かせた。1学年下で同じ兵庫県出身の右腕を捉え「もちろんいいピッチャーなんで、うれしいです」とうなずいた。今季85打点に達した。昨季の84打点を上回るキャリアハイの成績に「まだ残りがあるんで、積み上げられるように頑張ります」。DeNA牧、巨人岡本和に次ぐリーグ3位の数字も、大器には通過点に過ぎない。85年以来、36年ぶりとなる日本一を目指す岡田阪神のポイントゲッターとして、突き進むだけだ。月間22打点は23年5月に並ぶ自己最多。9月は打率3割6分9厘、6本塁打と打ちまくる。勢いを保ってレギュラーシーズンをフィニッシュし、ポストシーズンへはずみをつける。これで今季レギュラシーズンでの巨人戦が終了。前日20日に勝利し球団最多記録となる巨人戦シーズン18勝を手にしたが、記録更新とはならなかった。とはいえ、ライバルに圧倒的な強さを見せつけた23年。岡田監督は「こんな勝ってるとは思わんかったけどなあ」。さらに「まあお得意さん作るっていうかなあ。どっかに負け越してるチームは出るもんやけどなあ。みんなに勝ち越したというのは、そっちの方が大きいよな」と、セ全球団に勝ち越しを決めた完全制覇の1年を振り返った。負けてもなお底力を見せつけ、猛虎はシーズン最終盤を進む。【中野椋】阪神は今季の巨人戦を18勝6敗1分けで終了した。このカードの年間18勝、貯金12はいずれも球団最多。なお球界全体の巨人戦でのシーズン最多勝利は、97年ヤクルトの19勝(8敗)。阪神はわずかに及ばなかった。阪神の満塁本塁打被弾は、22年8月24日京セラドーム大阪のDeNA戦で、桑原から伊藤将が打たれて以来。巨人戦では、22年4月3日に東京ドームで中田にガンケルが喫して以来。甲子園の巨人戦に限ると、07年9月19日ゴンザレスにボーグルソンが打たれて以来。なお甲子園で巨人の日本人選手に打たれたのは、91年4月10日に篠塚利夫(後に和典)に渡辺伸彦が許して以来、33年ぶりとなった。▽阪神馬場(9回に登板しすべて落ちる球で3者連続空振り三振)「力感なくしっかり投げたんで、感触はよかった。今日みたいにリズムよく投げたい」

◆阪神2番手及川雅貴投手は1回1/3を無失点と踏ん張り、傷口を広げなかった。青柳が満塁弾を浴びた直後の6回2死で登板し、吉川をスライダーで空振り三振。7回は1四球はあったが3三振と、4つのアウト全てを三振で奪った。3勝目がついた前日20日に続く好投で、岡田監督も「及川は今いい感じで投げているよ」とたたえた。左腕は「昨日より感覚良く投げられた。いらない球があるので修正できるように」と反省を忘れなかった。

◆阪神小幡竜平内野手は悔しい誕生日になった。23歳を迎え、7回に代打で登場すると、応援団からバースデーソングで祝福された。「年下が増えてきて高卒で入ったときが懐かしい。役割を把握しながらいい結果が出せるように」と気合十分で臨んだ一戦。だが、巨人赤星にカーブで空振り三振に倒れるなど2三振。チームも敗れ、ほろ苦い夜になった。

◆巨人大勢投手が1死も取れずにKOされた。5点リードの9回、右上肢のコンディション不良から復帰2戦目のマウンドへ。代打ミエセスに152キロ直球を被弾すると、続く大山に152キロ直球を右中間への二塁打とされる。無死二塁から佐藤輝にフォークを右翼席に運ばれて3連打で3失点。原辰徳監督は「いろんなものを呼び戻すというかね。そこだと思いますよ」と守護神の復調を期待した。

◆阪神青柳晃洋投手(29)の3年連続2桁勝利の可能性が消滅した。自身7連勝中と得意の巨人打線が相手だったが、両軍無得点の6回2死一、二塁から丸に左前適時打を許し先制点を献上。なおも満塁から代打大城卓に右翼ポール際へのグランドスラムを被弾した。マウンド上で苦笑いした右腕は「入るとは思わなかった。本当にいいバッターです」と悔やんだ。6回途中5失点で今季5敗目。自身の連勝も5で止まった。中盤まではチーム屈指の雨男"雨柳さん"のペースだった。2~3回は霧雨と強風が吹き荒れる中でのマウンドだったが、いずれも3者凡退。「そのタイミングで抑えていたので、何とも言えないですけど...」。その後雨がやんで、6回の1発に泣いた。甲子園で巨人の日本人選手に満塁本塁打を打たれたのは、91年4月10日に篠塚利夫(後に和典)に渡辺伸彦が許して以来、32年ぶりとなった。9勝目を挙げ2桁に王手をかけたいところだった。岡田監督は「最初は良かったと思うよ」と評価しつつ、「勝ち投手にならなアカンかったからのお。1点、2点ぐらいやったらなんとかなりそうな感じやったけどな」と渋い表情。次回については「いやいや、もういい、もういい、もうええわ。投げさせるピッチャーはおるからな」と22日にも出場選手登録が抹消される見込みとなった。シーズン最後の登板は悔しい形で終わった。10月18日からのCSファイナルSに気持ちを切り替えるしかない。【古財稜明】

◆右翼ポールへ描いたグランドスラムが、危機脱出への最短ルートだった。巨人ベンチ裏でスイングしていた大城卓三捕手(30)が、名前を呼ばれた。1点リードの6回2死満塁の絶好機。代打で打席に入った初球、阪神青柳の内角カットボールを振り抜いた。浜風に戻された打球は、虎党の待つ右翼ポール際へ飛び込む16号は、今季2本目の満塁弾。「奇跡っすね。何で切れなかったのか不思議」と敵地の風を味方につけた。負ければ自力CS消滅の危機的状況で、一矢報いる1発だった。今季最後の伝統の一戦。優勝の余韻が残る甲子園では今季、10敗と屈辱を味わい続けていた。リードはわずか1点。前夜もその1点を守り切れずにひっくり返されていた。原監督は「非常に難しい選択ではあったんですけど」と、先発マスクをかぶり赤星を無失点投球に導く一方で、2打数無安打の岸田に代えて代打を決断。ベンチ裏では亀井打撃コーチが準備をさせ、それを見た阿部ヘッドから「行きましょう」と後押しを受け、積極采配が功を奏した。阪神戦は借金12。ただ、この1勝で3位DeNAと3ゲーム差に詰め寄った。23日広島戦をはさんで、24日から敵地横浜で直接対決3連戦が待ち受ける。原監督は「(借金12という)数字としては忘れてはいけない数字になりました。まあしかし、未来永劫(えいごう)巨人阪神戦というのはあるわけですから、しっかり肝に銘じて、つなげていくことが大事なことだと思います」。残り8試合。遠回りはもうしない。攻めの姿勢で突き進む。【小早川宗一郎】大城卓が6回に代打満塁本塁打。今季の巨人では丸も6月8日オリックス戦で代打満塁弾を打っているが、巨人がシーズン2本の代打満塁本塁打は、11年の矢野と長野以来4度目。また、チームの代打本塁打は今季10本目で、84年、03年に記録した11本の球団記録にあと1本とした。巨人の選手が甲子園で満塁本塁打を打ったのは07年ゴンザレス以来で、日本人選手では91年篠塚以来32年ぶり。そのうち代打満塁弾は67年吉田勝、88年篠塚に次いで3人目。▽巨人原監督(今季の阪神戦は6勝18敗1分けで終え)「数字としてはやっぱり忘れてはいけない数字になった。しかし未来永劫(えいごう)、阪神戦というのはあるわけですから、しっかり肝に銘じて、つなげてということは大事なことだと思います」▽巨人丸(6回2死一、二塁から先制の左前適時打)「優志(赤星)が無失点で好投していたので、なんとか援護したかった」

◆2年目の巨人赤星優志投手が、阪神青柳との投げ合いを制した。1回には1死一、三塁のピンチを招くも、阪神大山、佐藤輝をカーブで打ち取った。緩急と持ち前の制球力を武器に阪神打線を封じ自己最長の8回6安打無失点、無死四球、7奪三振と快投。「1軍に戻ってからはカーブに助けられている。スタミナ的にはまだまだいけたので、続けられればいいなと思います」と大きな勝利をもたらした。

◆阪神の渡辺諒内野手(28)と岡留英貴投手(23)が21日、出場選手登録された。渡辺諒は今季1軍で73打数13安打で打率・178、10打点2本塁打の成績。8月14日に登録抹消されて以来の昇格に「少ないチャンスの中でしっかりCSに向けてアピールできるようにやっていきたい」と力を込めた。岡留は11日の抹消後、今季2度目の登録。7月4日の広島戦でプロ初登板を果たすと4試合に登板し無失点で防御率は0.00。降格後も2軍戦で3試合連続無失点と安定した投球を見せている。「チャンスもらったからにはCSとかで投げさせてもらえるぐらい、任せられたところを必死にゼロで抑えます」と意気込んだ。代わって20日に自身初めての規定投球回を達成した伊藤将司投手(27)と岩貞祐太投手(32)が抹消された。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は「1番・中堅」で近本光司外野手(28)が入った。今季は137安打を放って通算767安打。巨人・長野と並んでいる入団5年目以内までの安打数の新記録がかかる。先発は3年連続2桁勝利を目指す青柳晃洋投手(29)。現在8勝(4敗)の右腕が2021年5月14日から負けなしの巨人相手に勝ち星をあげ、自身の記録に王手をかける。また、森下翔太外野手(23)は8月19日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン落ち。代わって「3番・右翼」に小野寺暖外野手(25)が入った。

◆阪神・近本光司外野手(28)がまた球史に名を刻んだ。一回先頭。赤星の147キロ直球を引っ張った。一、二塁間を破る右前打。プロ通算768安打とし、巨人・長野と並んでいた入団5年目までの安打数で新記録を樹立した。近本は2019年ドラフト1位で阪神に入団。同年のルーキーイヤーでセ・リーグの新人安打記録となる159安打を放つと、20年は139安打。21年は178安打で最多安打のタイトルに輝いた。22年も154安打を放ち、この日の1本が今季の138安打目。セ・リーグ屈指のリードオフマンに成長した男がまた新たな勲章を手にした。

◆三回表終了時から雨脚が強まり、試合は一時中断した。試合は阪神先発の青柳が三回まで無安打に抑える好投。打線は一回1死一、三塁の好機を作るも大山が捕邪飛。佐藤輝が三振で無得点。約10分後に再開され、両軍無得点で四回終了。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)が六回に先制点を献上した。六回1死。門脇に右前打を浴びるも、坂本を遊ゴロで2死一塁。しかし岡本和に左前にはじき返され、一、二塁のピンチを背負った。打席には丸。カウント1-2から5球目、142キロツーシームを左前に運ばれた。先制点を奪われた右腕は秋広に四球で満塁。代打・大城卓に初球カットボールを捉えられ、満塁弾を浴びて降板した。5回2/3を投げ5安打5失点。先制点を奪われた青柳だが、四回まではヒットを許さない好投。五回2死で吉川に右前打を浴び、この日初めてヒットを許したが、赤星を空振り三振に仕留め、安定感あふれる投球を続けていただけに、六回は悔しいイニングとなった。

◆巨人・大城卓三捕手(30)が代打満塁本塁打をマークした。0-0で迎えた六回。打線は丸が2死一、二塁から左前適時打を放って先制。さらに2死満塁となり、代打・大城卓が阪神の先発・青柳の初球、甘く入ったカットボールを右翼ポール際へ運んだ。8月27日以来の一発となる16号グランドスラムで、青柳をマウンドから引きずり下ろした。

◆二度、同じ相手にはやられない。2週連続で甲子園での先発登板となった巨人・赤星優志投手(24)が粘りの投球を披露した。前回14日の同戦は、五回まで無失点に封じる投球を見せたが、六回に佐藤輝に2ランを被弾するなど3失点。試合は敗れ、阪神に2005年以来、18年ぶりのリーグ優勝を決められ、目の前で胴上げを見せつけられる屈辱を味わった。「前回、負けているのでリベンジできるようにしたい」20日に気合十分で意気込んでいた右腕は、この日は持ち味の打たせて取る投球で要所を締めた。一回から1死一、三塁と得点圏に走者を背負ったが、4番・大山、5番・佐藤輝の上位打線に自分のスイングをさせず無失点に切り抜けた。三回表が終わったところで雨脚が強まり、試合が一時中断。10分間の中断を挟んだが、安定感は崩れなかった。二回以降も150キロの直球と110キロ台のカーブ、カットボールをコーナーにちりばめ、阪神打線に付け入る隙を与えなかった。六回には打線もつながり、丸の先制打、大城卓の代打満塁本塁打などで一挙5得点。援護を受けた右腕は、前回登板でやられた〝鬼門〟の六回もあっさりと無失点。リベンジに燃えていた2年目右腕が、8回無失点と好投し、4勝目をマーク。堂々たる投球で先発として役割を果たした。(樋口航)

◆阪神は先発の青柳晃洋投手(29)が四回まで無安打投球も、六回に丸に適時打、代打の大城卓に満塁弾を浴び、5回2/3を5失点と試合を作れなかった。 打線は一回に1死一、三塁の好機を作ったが、大山が捕邪飛、佐藤輝が三振で無得点。巨人先発・赤星の前に走者を出しながらもホームが遠い。それでも、九回にミエセスが大勢から5号ソロを放って勢いをつけると、なおも無死二塁から佐藤輝が21号2ラン。佐藤輝は昨季の打点数(84打点)を超えて、これでキャリアハイの85打点とした。

◆巨人は赤星が8回6安打無失点と好投し、今季4勝目を挙げた。打線は六回に丸の適時打、代打大城卓の16号満塁本塁打で5得点。阪神の青柳は五回まで被安打1だったが、六回に崩れ5敗目。九回に2本塁打で反撃したが遅かった。

◆阪神が1997年のヤクルト以来、2球団目の巨人戦年間19勝を逃した。六回、青柳晃洋投手(29)が丸佳浩外野手(34)に先制打、代打の大城卓三捕手(30)に満塁弾を許した。九回、ヨハン・ミエセス外野手(28)の6月7日の楽天戦(楽天モバ)以来の5号本塁打と佐藤輝明内野手(24)の21号2ランで2点差に迫ったが、後続を断たれた。2021年4月21日(東京D)以来のG戦黒星を喫した青柳は3年連続2桁勝利が遠のく5敗目(8勝)。近本光司外野手(28)は一回の右前打で新人から5年以内で768安打とし、巨人・長野久義(10ー14年)の持つ記録を更新した。佐藤輝はキャリアハイの85打点。24試合連続スタメンのD1位・森下翔太外野手(23)=中大=は九回に代打で二ゴロに倒れた。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=82勝48敗4分、観衆=4万2619人)。ーー最後はミエセスの一発から「えぇ? なあ(笑)。5点やからのお」ーー簡単に終わらなかったことは大事「赤星よかったからな。一番いいんちゃうか? 今な、巨人で」ーー佐藤輝はそれまでの打席と最後の打席では違う姿を「佐藤の話て、今日は青柳やろ? いきなり佐藤出ても、お前」ーー結果的に満塁弾がなければ「勝ち投手にならなアカンかったからの。1点、2点ぐらいやったら、何とかなりそうな感じやったけどな、後半」ーー内容は「最初は良かったと思うよ。おーん。まあな、2アウトからやからな」ーー10勝がなくなった。次回は?「もういい、もういい。もうエエわ」ーーCSに向けて「また投げさせるピッチャーはおるからな」ーー及川は20日に続いて、いいイメージが出来た「及川は今いい感じで投げているよ。結構抹消とかしてるからな。人数多いからな。絞らなアカンからな。そういうことやな、ブルペンは。こんな、ぎょうさん入れられへんからな」ーー打つ方は渡辺諒が上がってきた。ベンチ入り争いは今後も「あとそんなおらんからな。植田ぐらいやろ。ずっと1軍で戦力でやってたいうたらなあ」ーー今季の巨人戦が終了。結果的にお得意様になった「振り返って、こんな勝ってるとは思わんかったけどな。何勝何敗とか、そういう計算はないし、一戦一戦やった結果やと思うよ。どこのチームも一緒。巨人だけじゃなしに、他のみんなに勝ち越したのは大きいけどな。お得意さん作るっていうかなあ、それじゃないと、なかなか貯金は増えんけど。どっかに負け越してるチームは大体出るもんやけどな。みんなに勝ち越したというのは、そっちの方が大きいよな。目の前の試合を1つ1つの積み重ねやから、3連戦を2勝1敗で行くって、計算してやってないから。積み重ねやん結局は。勝ち星もそうやしな、トータル的にはな」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は六回途中5失点で降板した阪神・青柳晃洋投手(29)に言及した。青柳は六回の秋広に与えた四球と代打・大城卓への初球に尽きる。1点を取られたあとの2死一、三塁、次に大城卓が代打で控えているのがわかっている中で、簡単に秋広を歩かせてしまった。そして、大城卓への初球は甘いカットボール。四球の直後は相手もストライクを取りにくると思って初球を狙ってくる。あそこはツーシームやシンカーといった外へ沈む球から入るのが原理原則だ。青柳は手探りな感じがして、思い切りのよさがなかった。勝てば9勝目。10勝にも手が届く状況となる中で、一回と四回に先頭打者へ四球を与え、大事にいきたい気持ちが強すぎたように感じる。調子が今一つでも打たせて取るのが青柳。持ち味が出せていただけに、六回に大量失点したことは捕手の坂本も含めてバッテリーで配球を考えていかなければならない。10月18日のCSファイナルステージまでは1カ月ある。ローテに関しては、対戦相手との相性や調子を見て、岡田監督が決めるが、青柳は調子を上げてくるだろうし、五回までのピッチングができるなら、問題ない。

◆0―5の六回2死から2番手で登板した阪神・及川が好救援した。「きのう(20日)よりも感覚よく投げられた」。まず吉川を空振り三振に斬ると、続投した七回も赤星、重信からも連続奪三振。四球を挟んで坂本にはスライダーを振らせ、連投の疲れも見せず4つのアウトを全て三振で奪った。それでも「まだ毎回いらない四球がある。しっかりと修正していきたい」と反省を忘れなかった。

◆虎のリードオフマンが新たな勲章を手にした。阪神・近本光司外野手(28)が入団5年目で通算768安打とし、日本選手として日本新記録を樹立。並んでいた長野久義(巨人)を抜いた。「どれだけホームランを打ったとしてもシングル(ヒット)であっても1本は1本。それの積み重ねで3年、4年、5年で打ってきた中で、大きい離脱もなく、ここまできた。そういったところは評価できるかな」金字塔の瞬間はすぐにやってきた。20日にトップタイとなり、この日の一回先頭。「何が来るか分からないので、どう対応するか」と赤星の直球を仕留め、強烈な打球で一、二塁間を抜いた。大記録達成にもいつも通り淡々とした表情だった。2019年ドラフト1位で阪神に入団。新人年で159安打を放ってセ・リーグの新人安打記録を打ち立てると、20年は139安打、21年は178安打、22年も154安打と積み重ね、この日の今季138安打目で、球史に名を刻んだ。選手会長を務めているようにチームの大黒柱になった。今季は18年ぶりのリーグ優勝に貢献。死球により右肋骨を骨折した時期もあったが、長期離脱することなく「1番・中堅」を守り続ける。6年目以内の日本記録は長嶋茂雄(巨人)の926本。知らされた近本は「じゃあ来年158(本)打てばいいってこと? 難しいね」としながらも「そこまでは考えないですね。結果なので。積み重ねです。頑張ります」と先を見据えた。名プレーヤーに記録はつきもの。球界最高のヒットマンがさらなる栄冠を目指す。(中屋友那)

◆関西ダービーも任せろ! 阪神は巨人との今季最終戦に3-5で敗れたが、九回に佐藤輝明内野手(24)が21号2ラン。14日のリーグ優勝決定日以来となる一発で、3年目でキャリアハイの85打点とした。試合前にはオリックスとの日本シリーズをイメージし、打倒・山本由伸を宣言。1964年の阪神-南海以来59年ぶりの関西対決へ号砲を鳴らした!吹き荒れる浜風に押し戻されることなく、白球は右翼席に吸い込まれた。雨上がりの甲子園にアーチが架かる。宿敵に敗れても風に勝ち、積み重ねたのは今季85打点目。佐藤輝が最後の最後に虎党を沸かせた。「いやー(風の影響で)ギリギリっすね。危なかったです。最後に一本出てよかった」0-5の九回。ミエセスのソロで一矢報い、なおも無死二塁で打席に立った。この日は降雨による一時中断もあり、強烈な浜風が上空を襲う。それでも、自慢のパワーにかかれば関係ない。大勢の142キロフォークを右翼席に運んだ。

◆阪神・森下は3―5の九回に代打で出場したが、二ゴロに倒れた。「いいコースに2球決められたので、何とか食らいついていこうと思っていたんですが...」。2ストライクから外角シュートに合わせて二遊間へはじき返すも、破ることはできなかった。この日は8月19日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン落ち。重いバットを試すなど試行錯誤しているが、21打席連続無安打となった。

◆描かれた放物線が右翼ポール際に吸い込まれる。二塁を踏ませないゼロ行進から一転、青柳に魔の六回が待っていた。「あのホームランも入るとは思わなかった。本当にいいバッターだなという感じ」四球を与えながらも四回まで無安打投球。五回まで0―0の投手戦を演じていた。しかし、初めて得点圏に走者を背負った六回に丸の適時打で先制を許すと、なおも2死満塁で代打・大城に初球を一閃された。プロ8年目で初となる満弾被弾。5回2/3を5安打5失点でマウンドを去り、2カ月ぶりの黒星を喫した。今季8勝を挙げていたが次回登板について岡田監督は「もういい」と話し、22日に出場選手登録を抹消される見込みだが、指揮官は「CSに向けて」と問われると「うん」とうなずいた。3年連続の2桁勝利も絶望的となったが、ポストシーズンでは貴重な戦力だ。大事な短期決戦。豊富な経験がモノをいう。それまでに状態を上げる。(須藤佳裕)?...阪神投手が満塁本塁打を浴びたのは昨年8月24日のDeNA戦(京セラ)で伊藤将が桑原に許して以来。甲子園で巨人の日本選手に打たれたのは1991年4月10日に渡辺伸彦が篠塚利夫(後に和典)に許して以来

◆リーグ4位の巨人は21日、負ければ自力でのクライマックスシリーズ進出の可能性が消えた阪神最終戦(甲子園)に5-3で勝った。赤星優志投手(24)が自己最長の8回を投げ、6安打無失点で4勝目をマーク。故野村克也さんの名言『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』を心に刻む右腕が、チームを救った。CS圏内の3位DeNAとは3ゲーム差。1日の休養日を経て23日に広島戦(東京ドーム)、24日からはDeNAとの3連戦(横浜)に臨む。勝つべくして勝った。赤星が2週連続で甲子園のマウンドに立ち、自己最長の8回を投げて無失点。14日に目の前でリーグ優勝を決められた雪辱を果たした。「リベンジができるように(と意識していた)。序盤はチームの力になることができなかったので、後半戦で勝ちが付いているのがうれしい」一回1死一、三塁のピンチで大山、佐藤輝の中軸を抑えて自らのペースに持ち込んだ。四回2死三塁では速球で内角を突き、ノイジーを一直に仕留めた。雨と風をものともせず、最速150キロの直球とカーブをコーナーに制球。負ければ自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消える一戦で、無四球の好投を披露した。「真っすぐをいいところに投げられたので他の球種が生きた」日大から入団2年目の今季は開幕ローテーションを勝ち取ったが、6試合で白星がなく自身4連敗。もがき苦しむ中、一筋の光をともしてくれたのは、故野村克也さんが残した名言だった。『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』元は江戸時代後期の剣術書から引用された言葉だが、2020年に84歳で死去した野村さんが度々口にし「負け試合には必ず原因がある。理由を分析すれば成長につながる」という意味だ。赤星に負けが続くと、母の笑子さんが東京都内の自宅にこの言葉が書かれた紙を貼ったという。赤星はオフに実家に戻った際に名言を心に刻み、レベルアップを図った。

◆阪神・大山は3安打で7試合連続安打。四回に左中間二塁打、六回に左前打、九回には右中間二塁打を放って5試合ぶりの猛打賞を記録した。それでも「初回のチャンスで打てていない。しっかり自分の中で整理して、また明日やっていきたい」と一回1死一、三塁での凡退を反省。リーグトップの出塁率(・405)で貢献を続ける4番は「(残りも)大事な試合になってくると思うので、無駄にしないようにやっていきたい」と力を込めた。

◆5試合ぶりにスタメンで出場した阪神・小野寺が期待に応えた。「一本出たことはよかった」。一回1死一塁で右前打。ランエンドヒットを成功させ、好機を一、三塁に拡大した。ただ、この日は九回に自身の代打・ミエセスがソロ弾。「ライバルはいますけど、自分のやることは変わらない。自分ができることを(試合に)出たときにできるように、結果を残せるように準備していきたい」とアピールを続けていく。

◆八回に登板した阪神・岡留は1回無失点だった。「少し力んでしまった。変なコースにいくこともあったので、しっかりと反省して、自分の持ち味を生かしていけるようにします」。痛烈な打球を飛ばされる場面も目立ったが、1死から安打を許した後を粘った。7月にプロ初登板を果たし、今回が甲子園デビュー戦。5試合連続無失点と結果を積み重ねている。

◆思い切り振り抜いた打球は、どでかい放物線を描きながら外野フェンスの向こう側へと消えた。阪神のヨハン・ミエセス外野手(28)が敗戦ムードの甲子園の空気を一変させるソロを放ち、出場機会増へ猛アピール。岡田監督の〝イジリ〟に発奮?した。この日見せたとんでもないパワーは、短期決戦に必要不可欠だ。「感触が良かったですし、いい打席でした。いつも通り、準備はしっかりすることを心がけて打席には入りました」限られたチャンスで結果を残し、胸を張った。0-5の九回。巨人は守護神・大勢を送り込み、代打・M砲が登場。カウント2-1から外角152キロ直球を中堅左へと運び去り、その後大山の長打、佐藤輝の2ランが飛び出した。「今日は負けたけど、いつもみんなに刺激もらっている。僕もきょうは刺激をもらえました」チーム一丸での反撃にうなずいた。クライマックスシリーズ(CS)でも劣勢をはね返す場面で打席に立てば、持ち前の長打力を爆発させる。6月7日の楽天戦(楽天モバイルパーク)以来となる今季5号ソロは指揮官のアノ発言後、初アーチだ。18年ぶりのリーグ優勝を決めた9月14日のビールかけ会場。最前列で盛り上がるミエセスは、壇上の岡田監督から「ミエちゃん、成績にちなんだ暴れ方をしてください」とハッパをかけられた。

◆オリックスのリーグ3連覇から一夜明け、近鉄百貨店で優勝セールが始まった。テレビのニュースでは、大勢のお客さんがここぞとばかりに買い込む姿が流れていた。一方、阪神の〝アレ〟から21日でちょうど1週間。15日から始まった阪神百貨店の優勝セールは最終日を迎えた。つまり「9・21」は両百貨店で優勝セールが行われるという〝奇跡の一日〟になったわけだ。なにしろ関西の球団がセ・パ両リーグで優勝するのは59年ぶり。もしかしたら、今回は史上初の〝優勝セール競演〟だったのかもしれない。関西人としてはクライマックスシリーズ(CS)も両チームに勝ち抜いてもらって、日本シリーズでの関西ダービー実現を願っている。そして、岡田監督と中嶋監督、どちらの指揮官が再び胴上げされるのか楽しみではある。胴上げといえば、1年前の「9・21」を思い出す。甲子園で行われた糸井嘉男の引退試合。代打で登場し、通算1755安打目を放った〝超人〟は試合後の引退セレモニーで、仲間たちの手によって背番号と同じ7度、宙を舞った。そして、スピーチではこんなことをスタンドを埋めつくした虎党に向けて話していた。

◆遅い、遅い、遅~い!! 九回にミエちゃんの代打ホームランや佐藤輝の2ランで3点は奪ったけど、八回まで赤星に無得点って...。森下のアレロスが感染したんやないかー!!本日は大事な試合なんよ!! 既に2桁勝利を上げている村上、大竹、伊藤将に加え、ここまで8勝の青柳、才木があと2つ白星を挙げれば『2桁勝利カルテット(四重奏)』も夢じゃない!? その青柳のマウンドだったのに...。五回まで1安打の力投を演じてくれたのに...。シクシクシク、何で毎回のチャンスに凡打の山を積み重ねとんねん(怒)。いや、カルテットの話だけじゃなくて、こーいう大事な試合に一丸になれなかったらこの先の短期決戦、ましてや38年ぶりの日本一なんて達成できるかー!! 消化試合だろうが気持ちは抜くな!! ここからヤクルト、中日戦が6試合続くので、全勝したときに日本一が近くにやってくる!! そのくらいの気持ちで戦わないと、日本一は糸の切れたたこになるわー!!

◆今の巨人にはどんな勝ち方であれ、結果がすべて。3位になる望みがある以上、そこは理解できる。ただ、投手出身者の個人的な感覚としては、すっきりしない。8回を6安打、無四死球で無失点。投球数も106と完封ペースだった赤星に代えて、九回に大勢を投入したことだ。先発投手にとっての最高の瞬間は、シャットアウトでゲームを締めくくり、ナインと握手して、スタンドの歓声を浴びながらベンチへ帰るとき。赤星にもそれを経験してもらいたかった。完封は何より、自信にも直結するからだ。ベンチの本当の意図は、わからない。大勢は1軍復帰2度目のマウンド。得点差のある楽な状況で本来の感触を取り戻させたい、という親心かもしれない。残り試合と、クライマックスシリーズまでを見据えたら、それもまた理解できる。逆に、大勢に課題が残ったことが、本人にもチームにとっても、ある意味、収穫といえるか...。とにかく巨人は、すべてを前向きにとらえ、明日につなげるしかないだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
82484 0.631
(↓0.005)
優勝
(-)
9527
(+3)
395
(+5)
76
(+2)
71
(-)
0.248
(-)
2.640
(↓0.02)
2
(-)
広島
71624 0.534
(-)
12.5
(↑0.5)
6475
(-)
491
(-)
90
(-)
75
(-)
0.246
(-)
3.240
(-)
3
(-)
DeNA
69623 0.527
(-)
13.5
(↑0.5)
9499
(-)
469
(-)
104
(-)
29
(-)
0.248
(-)
3.210
(-)
4
(-)
巨人
67662 0.504
(↑0.004)
16.5
(↑1)
8508
(+5)
495
(+3)
161
(+1)
46
(-)
0.254
(↓0.001)
3.500
(-)
5
(-)
ヤクルト
54793 0.406
(↓0.003)
29.5
(-)
7510
(+8)
543
(+9)
119
(+2)
61
(-)
0.240
(↑0.001)
3.710
(↓0.04)
6
(-)
中日
51794 0.392
(↑0.004)
31
(↑1)
9370
(+9)
481
(+8)
67
(+1)
33
(-)
0.237
(↑0.001)
3.170
(↓0.03)