オリックス(☆6対2★)ロッテ =リーグ戦22回戦(2023.09.20)・京セラドーム大阪=
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ロッテ
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ORIX
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勝利投手:小木田 敦也(4勝0敗0S)
敗戦投手:横山 陸人(2勝2敗1S)
  DAZN
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◆オリックスが逆転勝利でリーグ3連覇を果たした。オリックスは2点を追う7回裏、5本の適時打が飛び出すなど打者一巡の猛攻で6点を挙げ、試合をひっくり返す。投げては、2番手・小木田が2回1/3を無失点に抑えて今季4勝目。敗れたロッテは、3番手・横山が踏ん張れなかった。

◆オリックス山崎福也がプロ入り9年目で初の2桁勝利を目指す。オリックスはすでに山本が14勝、宮城が10勝を挙げている。オリックスで2桁勝利が3人になれば11年の寺原12勝、金子千10勝、西10勝以来で、左腕の2桁勝利コンビが誕生すれば星野が11勝、金田が11勝した99年以来、24年ぶりとなる。

◆オリックスT-岡田外野手(35)が優勝決定目前に1軍本隊の練習に合流した。今季は2軍で50試合に出場するベテランは、こんがりと焼けた肌でグラウンドに現れ、早出で打撃練習も実施。元気にノックを受ける姿もあった。T-岡田は5月13日に今季初めて1軍昇格を果たし9試合に出場。打率は1割3分3厘、打点は3。同17日に出場選手登録抹消後、再び7月2日に登録され、7月27日に同抹消されていた。同じく野手最年長の安達了一内野手(35)は前日19日のロッテ戦(京セラドーム大阪)でも「2番二塁」で先発。チームを支えてきたベテラン野手コンビが、本拠地の大一番を前にそろい、2人で内野ノックを受け、汗を流す姿もあった。

◆オリックスは2位ロッテに勝てば3年連続リーグ制覇を達成する。先制点に注目だ。オリックスは先制点を奪えば12球団トップの勝率を誇る。試合前時点での8割1分7厘は12球団唯一の勝率8割超えだ。すでにセ・リーグで圧倒して優勝を決めた阪神も上回る。19日のロッテ戦でも2点を先制してリードを保って逃げ切った。ロッテ先発のルイス・カスティーヨ投手(28)とは過去2度対戦し、いずれも初回に先制。2試合ともに勝利を挙げている。先制逃げ切りのパターンで、勝利をたぐり寄せるか。オリックスは勝てば「がんばろうKOBE」を合言葉に2連覇した95、96年を超え、オリックスとしては初めて3連覇となる。

◆19日のロッテ戦(京セラドーム大阪)で右膝に自打球を当て、途中交代したオリックス宗佑磨内野手(27)がテーピングとサポーター姿で練習に参加した。この日は打撃や守備練習を行った。打撃練習後にはケージ横で1分ほど中嶋監督と立ち話をする場面も見られた。前日、6回の第3打席に右膝に自打球が直撃し、その場に倒れ込んだ。用意された担架には乗らず自力でベンチに戻ったが、プレー続行は難しく、約5分後に代打が告げられた。試合後には右足を引きずり、「痛いです。明日も出る気でいます」とパリーグ3連覇に王手をかける一戦へ、出場の意思を示した。

◆オリックスの3連覇に王手がかかる決戦前、京セラドーム大阪内のグッズショップは大勢のファンでにぎわった。試合開始2時間前の午後4時ごろ、グッズを求め、大勢のファンが駆けつけた。23年シーズンのファイナルスパートプロジェクト「全員で勝つ!」のタオルや缶バッジなど一部商品はすでに完売するほどの盛況ぶり。選手が試合前練習で着用したTシャツにも使われているロゴは、やはり人気のようだ。同ショップ店員も「普段より多い」とファンの数に驚いた。96年以来27年ぶりの本拠地Vへ、ファンの熱気も最高潮だ。

◆7月26日以来に出場選手登録された、オリックスT-岡田外野手(35)が優勝への大一番に「7番一塁」で出場した。先発出場は、7月23日の日本ハム戦(ほっともっと神戸)以来。SNSでは「Tさんスタメン」がトレンド入りし、バファローズファンたちの喜びの声があふれかえった。「この日にTさんスタメンに入れてくれる中嶋監督素晴らしい」「優勝がかかっている試合でこれは激アツ」「今日はおいしいところ持って行ってください」。拍手の中、迎えた1打席目は、自身を応援する藤原丈一郎(27)が所属するなにわ男子の「青春ラプソディ」で打席に向かった。初球は、大きなスイングで空振り。二ゴロに倒れた。野手最年長のT-岡田へファンの熱いメッセージが集まった。この日で今季の1軍出場は10試合目。打率は1割台と不調で、持ち味の長打はなく、7月27日に出場選手登録が抹消されていた。2軍で50試合に出場し、こんがりと焼けた肌でグラウンドに現れた。初めてのリーグ制覇目前に本拠地で迎えた一戦で、さらにファンを沸かせたい。

◆オリックス山崎福也投手(31)が5回途中でマウンドを降りた。優勝マジック2で迎えた大一番で先発。立ち上がりから走者を背負い、3回は荻野と岡の連打で無死一、三塁とされ、ブロッソーの二ゴロで1点を失った。4回は3人で抑えたが、5回は2死無走者から岡、ブロッソーの連打でロッテに2点目を奪われた。続く山口を歩かせたところで、中嶋監督が小木田への交代を告げた。山崎福は8月19日の日本ハム戦で9勝目。プロ入り9年目で初の2桁勝利に王手をかけながら、これで4試合連続で足踏みとなった。「大事なゲームという中で、役割を果たせなかったことが悔しいです」と登板を振り返った。

◆オリックス西野真弘内野手(33)の折れたバットがカメラマン席に飛ぶハプニングが起こった。2-0の6回2死、ロッテ坂本の150キロの直球を振り抜くと、バットが真っ二つ。打球は三飛になり、バットのヘッドは一塁側ベンチの隣にあるカメラマン席に飛び込んだ。幸い、カメラマンにケガはなし。一様に驚いた様子だった。

◆オリックス森友哉捕手(28)が、発熱を伴う体調不良で離脱中の頓宮裕真捕手(26)の登場曲で第1打席に入り、ファンから大きな拍手が送られた。X(旧ツイッター)でも「頓宮の登場曲」がトレンド入りし、オリ党からは「頓宮の登場曲で泣いた」「この心意気、仲間への気遣い!最高です」など感動の声が集まった。森は18日の楽天戦(京セラドーム大阪)のお立ち台でも「頓宮がいなくてちょっとさみしい」と明かすなど、リーグ3連覇に王手がかかるこの日も粋な演出で仲間を思いやった。

◆オリックスが杉本裕太郎外野手(32)の適時打で球場の雰囲気を一変させた。2点ビハインドの7回。2死からゴンザレスが死球で出塁すると、二塁からラオウこと杉本がロッテ横山の133キロを中前に運んだ。二塁走者のゴンザレスが生還し、1点差。今季初の4試合連続適時打に一塁上では喜びの表情を見せ、満員の観客からは大歓声が注がれた。さらに、2死一、二塁と好機を広げて紅林弘太郎内野手(21)が右前打。本塁はクロスプレーとなったが、セーフ判定に。ロッテがリクエストを要求したが、覆らず同点が認められた。観客からは大歓声が注がれ押せ押せムードが広がった。

◆勝てばリーグ3連覇が決まる一戦で、オリックス野口智哉内野手(24)が、誕生日の大仕事を果たした。2点ビハインドで迎えた7回。杉本、紅林の適時打で同点に追いつきなおも2死一、二塁。野口がロッテ横山の2球目、内角151キロ直球をはじき返し、勝ち越しの右前適時打を放った。3万5619人が集まった京セラドーム大阪の熱気に押されたような大きな一打。ベンチの中嶋聡監督(54)もうれしそうに、つい表情を緩めた。野口はこの日が24歳の誕生日。第1打席では応援席からバースデーソングでお祝いされ、だれもがうれしい誕生日となった。

◆/紅球必打の集中力\本拠地に鳴り止まぬ大歓声紅林弘太郎の同点タイムリー???プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/fOhYZEMuff

◆/まさに本日の主役 Happy Birthday\ラッキー7 最高の形での逆転劇??野口智哉の勝ち越しタイムリー?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/zEPdEjZBIq

◆オリックスがリーグ3連覇を達成した。4点差の9回に登板した山崎颯一郎投手(25)が空振り三振を奪い、捕手の森友哉(28)と思い切り抱き合った。中嶋聡監督(54)はベンチで両手を握りしめ、叫んだ。コーチらとがっちりハグをかわし、選手らが待つマウンドへ。笑顔で5回、宙を舞った。3度目の優勝だが本拠地のファンの前で決めたのは初めて。最高の瞬間だった。続いて選手会長の杉本裕太郎外野手(32)も胴上げされた。オリックスの勢いがそのまま出た。マジック2で迎えた2位ロッテとの直接対決。勝てば優勝の一番だった。0-2と打線が振るわず、劣勢を強いられたが、やはり底力が違った。7回。杉本、紅林弘太郎内野手(21)の適時打でまず同点。さらに野口智哉内野手(24)の右前打で勝ち越すと、満員観衆のボルテージは最高潮になった。大歓声に乗せられるように、続く中川圭太内野手(27)は右中間への2点三塁打。これでとどめと思われたが、西野真弘内野手(33)の右前打で1点を加えて6点。1四球をはさんで5連続適時打という一気呵成(かせい)の攻撃だった。

◆/覇を唱えるラオウの一打\3戦連続ヒーローの復活男?杉本裕太郎のタイムリーで反撃開始?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/71LpT3Yr0d

◆/「全員で勝つ」を体現した一年\優勝の立役者たちが京セラドームに集結大歓声の中、中嶋聡監督が5回宙を舞う???プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/q5Nmrc59md

◆オリックスが2位ロッテとの直接対決を制して、3年連続パ・リーグ優勝を果たした。3連覇は「がんばろうKOBE」を合言葉に2連覇した95、96年を超えて、オリックスとしては初めてだ。2点差の7回に打者11人で一挙6点を奪って逆転に成功した。地元での胴上げとなり、満員のファンに見守られながら中嶋聡監督(54)は5度宙を舞った。ホームでの胴上げ。前日19日の試合後に、「勝ったら決まるので、マジック1のようなもの。しっかり決めたいと思います」と優勝宣言していた。この言葉を思い出しながら、優勝インタビューで「7回まではさすがにうそついたかなと思ったが、選手が逆転してくれた」と笑わせた。パ・リーグの3連覇は90年代の西武5連覇までさかのぼるが、中嶋監督は「とてつもない数字だが、チャレンジできるチームだと思う」と意欲を燃やした。今季は1軍登板のなかった山下舜平大投手(21)を開幕投手に抜てき。山下に勝ち星こそつかなかったが、延長戦で宗佑磨内野手(27)に決勝ソロが飛び出して2年連続の開幕星をつかんだ。エース山本由伸投手(25)もより存在感を大きくした。WBC戦士が開幕から不調が多かった中、白星を積み重ねた。9月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)では自身2度目のノーヒットノーランを達成。2年連続は戦後初の偉業。NPB史上初の2年連続投手4冠をさらに更新する3年連続を目前に控える。昨オフにFAで加入した森友哉捕手(28)も攻守に貢献。捕手としては若月健矢捕手(27)と投手陣を支えた。バットではリーグトップの勝利打点を稼ぎ、本塁打と打点は19日時点でチームトップ。入れ替わりでチームを去った吉田正尚(現レッドソックス)の穴を埋めた。野手陣では頓宮裕真捕手(26)が主に一塁を守り、バットでは3割超えで首位打者争いを繰り広げている。クリーンアップには欠かせない存在だ。杉本裕太郎外野手(32)も3度の出場選手登録抹消がありながら持ち前の長打力が光る。中嶋聡監督(54)は、今季も打順を固定しないフレキシブル打線で個々の調子を見極めた。オリックスでは、阪急からオリックスとなった1989年(平元)以降で3連覇は初めて。中嶋監督がレギュラーとして導いた95、96年の2連覇を超える。阪急時代でも西本幸雄監督時代の67~69年の3連覇、上田利治監督時代の75~78年の4連覇以来、球団3度目の3連覇だ。21年は全日程終了後に優勝が決まり無観客の京セラドーム大阪で。22年は敵地・楽天戦で勝利して胴上げ。3連覇の今年は京セラドーム大阪で地元ファンの前で優勝を決めた。

◆オリックスがパ・リーグ優勝を飾り、セの阪神と合わせて関西の2球団が両リーグの覇者となった。1950年(昭25)の2リーグ分立後、64年のセ阪神、パ南海(現ソフトバンク)以来、59年ぶり2度目の快挙達成だ。64年の阪神は、急成長を遂げた外国人投手バッキーが29勝を挙げる大活躍。22勝の村山実とともにチームをけん引し、トレードで大毎(現ロッテ)へ去った小山正明の穴を埋めた。小山との交換で加わった山内一弘も、31本塁打と本領を発揮した。一方の南海は、スタンカ26勝、杉浦忠20勝と両輪がフル回転。打っては広瀬叔功が6月末まで4割を超える打率を維持し、41本塁打の野村克也とともに打線を引っ張った。なお阪神は9月30日に甲子園での中日戦ダブルヘッダー第1試合に優勝を決めたが、南海は試合のなかった9月19日に阪急が敗れてのV決定だった。このため、史上初めて関西のセ・パ球団がともに本拠地で胴上げとなった。初の関西対決となった日本シリーズでは、南海が4勝3敗で阪神を下し、日本一に輝いた。

◆/3連覇 念願の本拠地V\オリックスが3年連続15度目の優勝??山﨑颯一郎が歓喜の瞬間を届けた?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/5BSqN5xY9M

◆オリックスが3連覇を達成した。2点差の7回に打者11人で一挙6点を奪って逆転に成功した。地元での胴上げとなり、満員のファンに見守られながら中嶋聡監督(54)は5度宙を舞った。ホームでの胴上げ。前日19日の試合後に、「勝ったら決まるので、マジック1のようなもの。しっかり決めたいと思います」と優勝宣言していた。この言葉を思い出しながら、優勝インタビューで「7回まではさすがにうそついたかなと思ったが選手が逆転してくれた」と笑わせた。

◆/最高です!\360°ファンに囲まれる中で中嶋聡監督の優勝監督インタビュー(1)?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/WaIG3gGwDQ

◆心を1つにする、2度目の円陣-。リーグ3連覇を果たしたオリックス。試合前に1度目の円陣を終えると、中嶋聡監督(54)がメンバー表交換を終えた後にもう1度、円陣を作っていました。4月中旬に指揮官の声出しから自然と始まった、気合を入れる"儀式"。一丸で戦ったチームの楽しげな雰囲気が伝わってきます。指揮官とナインによる「2度目の円陣」をまとめました。8月26日 ロッテ戦(京セラドーム大阪)0-0中嶋監督「さぁいきまっせ。マジックつけたろやないかい。トン!」頓宮裕真「キャプテンということで。(笑い)。今日も頑張りましょう。さぁ行こう!」8月27日 ロッテ戦(京セラドーム大阪)○5-2中嶋監督「さて、この(夏の陣)ユニホームも今日で最後やし。勝って締めようや。オッケー? トン!」頓宮裕真「来週から(キャプテンの)Cマーク付くんでお願いします。うそ。さぁ行こう!」9月1日 日本ハム戦(エスコンフィールド)●0-3中嶋監督「さぁ9月入ったで。ここからが本当の最後の戦い。この月、全力でいくで。全員ファーストでいくで。さぁ行こう!」9月2日 日本ハム戦(エスコンフィールド)○2-0水本ヘッド「さぁ行こうぜ~。さぁ行こうぜ~。」中嶋監督「キャプテン(頓宮)。行こうぜ。責任追い過ぎんなよ。みんながみんなガチガチってわけじゃないんで。それをおまえらに求めていないから。責任とったるわ。勝ち負けあるけど、負けたら俺らの責任やから。やることやれよ。トン!」頓宮裕真「昨日は昨日じゃ~。いくぞー、さぁ行こう!」9月3日 日本ハム戦(エスコンフィールド)○3-1中嶋監督「天気もいいし、明るくな。ベンチ全員で元気にいこか。オッケー? トン!」頓宮裕真「イヤァー!(右手でアルファベットのCでキャプテンマークを作って天にかかげながら)」〈ラオウ杉本1軍復帰後〉9月5日 西武戦(ほっともっと神戸)●0-3ナイン「ラオウさん。ラオウさん」中嶋監督「(ラオウの方向を向きながら)さぁ神戸の試合ももう2試合。これしかないからね。2試合打つよ。勝って声援に応えましょう。トン!」頓宮裕真「選手会長帰ってきたんで、キャプテンやめます。うそじゃ、いけー!」9月10日 ロッテ戦(ZOZOマリン)○2-0中嶋監督「昨日の勢いそのままに行くで。だっち!」安達了一「おっしゃー! 今日勝つんだー。さぁ行こう!」。ナイン「オイオイ。オイオイ。もういっちょ。もういっちょ」安達了一「なになに。今日は本当にまかせてください。絶対に勝ちに行きましょう。お願いします。今日は勝ちましょう。さぁ行こう!」9月19日 ロッテ戦(京セラドーム大阪)○3-2中嶋監督「さぁここまできたね。なんとか決められるように今日勝とう!ワイワイね。明るくね! トモ!」森友哉「明日のことは考えず、今日全力で楽しみましょう。勝つぞ。さぁ行こう!」

◆/はっきり言いたくないですけど...\この先のCS、日本シリーズへの想いも中嶋聡監督の優勝監督インタビュー(2)?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/daGzVNH5CE

◆監督に就任した21年からリーグ3連覇を達成したオリックス中嶋聡監督(54)は今度は2年連続の「アレ」を目指す。昨年はチーム26年ぶりに日本シリーズを制覇。場内での優勝監督インタビューの最後に「次のクライマックス(シリーズ)をしっかり勝って、日本シリーズに行って。はっきりとは言いたくないですけど......日本一を目指して頑張りたいと思います」と照れながら「日本一」を口にすると、察したオリックスファンから笑いと大きな歓声が起きた。「はっきりとは言いたくない」のところは、阪神岡田彰布監督(65)がシーズン中、優勝の2文字を封印して「アレ」と表現したのと同じだろう。迷いながらも「日本一」と言ったが、その重みを知る中嶋監督らしい思いがにじんでいた。

◆オリックス中川圭太内野手が2点適時三塁打で突き放した。7回に野口の適時打で勝ち越し、なお2死一、三塁で捉えて右中間を破った。「腹をくくって打席に入っていましたし、いい打球が飛んでくれました!」。昨年はソフトバンクとのCSファイナルシリーズで日本シリーズ進出を決めるサヨナラ打。今年も大一番で貢献した。

◆オリックスの宮城大弥投手(22)は体調不良のため、優勝セレモニーを欠席した。宮城は19日に特例2023で抹消となった。それでもナインとの集合写真では西野真弘内野手(33)と黒木優太投手(29)が宮城のユニホームを持って参加。スタッフも合わせてチーム全員での集合写真の際には、紅林弘太郎内野手(21)の手にユニホームが渡り、時折ユニホームを隠したり、顔の真横に持ってくるなど、"相方"をいじった。

◆オリックスの3連覇決定後のグラウンドで"シャンパンファイト"が行われた。センターの巨大スクリーンにレッドソックス吉田正が登場。「おめでとうございます。日本一2連覇へ向けて、CS、日本シリーズと続きますが、頑張って戦って下さい。最後に頓宮選手、ズル休みしないで首位打者獲って下さい」と激励し、頓宮が手を振った。その後、杉本選手会長が「みなさんお疲れさまです。みなさんの応援のおかげで3連覇することができました。クライマックスシリーズも全員で勝つ!」で締め、巨大なシャンパンの栓を抜いた。中から金色のテープが飛び出し、お祝いムードに花を添えた。

◆ロッテはオリックスに逆転負けを喫し、目の前での胴上げを許した。2-0の7回2死、3番手横山のゴンザレスへの死球を皮切りに6安打を集中され、一挙6失点。吉井監督は「完全にあのデッドボールから球場の雰囲気にのまれたのでね。ファンには申し訳ないですけど、横山にとってはすごい経験。これを生かして欲しいですね」と振り返った。

◆3連覇の中心には、やはり大エース、山本由伸投手(25)がいた。この日はロッカールームで待機し、歓喜のマウンドへ。「すごくうれしい気持ちが込み上げてきました。負ける試合ももちろんありますけど、いいところもたくさん出たと思う。またこの優勝を自分の成長につなげて頑張っていきたい」。リーグトップ14勝を積み重ね、前人未到の3年連続4冠にも手が届く無双ぶりだった。左足をあまり上げない新フォームに挑戦した今季。変化を恐れず進化を求めた。模索の中で聞こえる周囲の声にも、ぶれなかった。それは5年前も同じ。17年のプロ1年目は2軍で2勝0敗、防御率0・27。順調に成績を残しながら、オフに大幅なフォーム変更に踏み切った。テイクバックを大きくした現在につながる姿。「変える必要あるの?」。チームの先輩を始め、春季キャンプでブルペンに入った瞬間から、否定的な声ばかりが聞こえた。自分の感覚を貫いた。1軍の打者を全力で抑える中で感じていた限界。「とてもじゃないけど、これじゃ体がもたない」。将来のために、進化を求めた選択だった。「いつ完成するの? 完成するまで2軍にいたほうがいいんじゃない?」とコーチから言われても「いや、僕は1軍にいながらやり続けます」と言い切った。ブリッジや、やり投げのようなトレーニング。小さなバーを立てて行う踏み出しの練習。先駆者のいない道を歩いてきた。信じられたのはぶれない目標があったから。まだ1軍に定着していない頃から口にしていたのは「メジャー」の夢。夢を追う姿が、歩みが間違っていないことを証明した。【磯綾乃】

◆山足達也内野手(29)がお決まりのクラッカーをフライングした。選手会長の杉本裕太郎外野手(32)が巨大なクラッカーを手にして音頭を取っていたが、山足がフライング。もはやお決まりとなった出来事にSNSでは「毎年恒例」「フライング山足」「お約束」と盛り上がりを見せた。

◆オリックスが3連覇を達成した。2点差の7回に打者11人で一挙6点を奪って逆転に成功した。地元での胴上げとなり、満員のファンに見守られながら中嶋聡監督(54)は5度宙を舞った。中嶋監督の一問一答は以下の通り-ファンに迎えられて最高です。-大観衆前に選手たちが宙に上げてくれたがいや、本当になんとかここで胴上げしたいと思ってましたので、本当にうれしいです。ありがとうございます。-昨日の試合後、監督が「今日をしっかり決める」ということを明言されて、実際にそれを果たしてホームでの胴上げというのはえー、7回までは(リードを奪われて)うそついてました。さすがに、ちょっとうそついたかなというのを思ってたんですけれども、なんとか逆転してくれて、選手がすごいなと思いました。-今日の試合について言えば、失点を粘って、終盤に一気にたたみかける、何か、今シーズンを象徴する戦いでしたがいやーあの、もっと楽な展開があると思うんですけど(笑い)。-去年、一昨年は最後の最後に大接戦でしたが、優勝までの道のりは去年との違いはいや、あのー、ゲーム差とか、そういうのも全く関係なく自分たちの内容を追求していったんですけれども、まだまだ、そういうチームです。そこは考えていなかったですね。-今季はマジック点灯してそれを減らしていく戦いだったんですがそうですね。あのー、マジックはあのついたり消えたり、いろいろしますので、その数はあまり気にしなそうですね。-夏場から一気に抜け出す戦いぶりでした。勝負どころでこうした強さを出せたというのはピッチャー陣が変わりましたし、野手陣も非常にいい守備をしていいところで打って本当に勝利に貢献して、それが勝利につながったと思います。-3連覇だが、今季チャンスをつかんだ選手も多くそうした選手もいての3連覇でした。こうしたチームの構成は本当に調子いい選手、楽しみな選手、いろんな選手がいますので使って、なんとか花開いて欲しいと思いましたし、戦力になったことがよかったと思います。-3連覇といいますと、90年代の西武ライオンズ(最大5連覇した)までさかのぼります。監督はこの時代の印象をいや、本当に強いチームでしたので、とてつもない数字だと思ってますけれども、そこにチャレンジできるチームである思いますので。-最後にひとこと素晴らしい応援ありがとうございます。次のクライマックスしっかり勝って、日本シリーズ行って、あんまり言いたくないですけど、日本一目指して頑張りたいと思います。

◆ロッテが逆転負けを喫し、オリックスに目の前での胴上げを許した。2-0とリードの7回2死、3番手横山がゴンザレスに与えた死球をきっかけに、一挙6点を奪われた。試合後の吉井理人監督の主な一問一答は以下の通り-試合を振り返って吉井監督 横山は大事な場面で登板で、今日は完全にあのデッドボールから、球場の雰囲気にのまれちゃったんでね。ああいうところ越えていかないと、やっぱり大事なところで投げられないので。今日は本当に、負けて応援してくれるファンには申し訳ないけども、横山にとっては、すごい経験になったと思うんで。これを生かして欲しいですね。-横山にはそれだけの期待がある吉井監督 もちろんそうです。7回、8回、これから大事なところで彼には投げて欲しいと思っているので。それで登板してもらったし、彼ならいけると思って投げさせました。-相手の胴上げを見る形に。まだこれからもあるが今後に向けて吉井監督 正直な話、やっぱりチームの力の差は昨日と今日で感じました。ただパ・リーグ優勝は逃しましたけど、まだまだやり返すチャンスはあるので。気持ち切り替えて、やっつけたいと思ってます。-若い選手も多いが、どういうことを感じて欲しいか吉井監督 悔しさですね。今日、あえて優勝のマウンドでの輪、喜びの音、そういうのを見てもらったり、聞いてもらったりしたんですけども。あれが我々が目指す「勝者の音」なんでね。今度はそれが出来るように。ああいう音がいつか出せるように、頑張ってもらいたいと思います。-あらためて今年のオリックスの印象は?吉井監督 投手陣がすごく強力で、なかなか点を取らせてもらえなかった。こっちも守り勝たなきゃいけなかったんですけども。マリーンズの投手陣はまだ、プレッシャーかかるところでは、彼らには、及ばないかな。少し足りないかなと感じてます。-オリックスの先発陣はプレッシャーのかかる中でも抑えていけると感じた吉井監督 そうですね。ジャパンの選手が(先発で)2人(山本、宮城)入ってますし、リリーバーにも2人(宇田川、山崎颯)いますから。こっちは(佐々木)朗希だけなんでね。これからは本当に、日本を代表するような投手になれるように、みんな若い子たちには、今日の悔しさをエネルギーに変えて頑張って欲しいなと思います。

◆オリックスのエース山本由伸投手(25)は3連覇に安堵(あんど)の表情を見せた。終盤の戦いを「ゲーム差はありましたけど、1試合1試合緊迫した試合が続いていたので、すごくうれしい気持ちとホッとした気持ちです」と振り返った。今季は2年連続となるノーノーも達成。「運も良く達成できた」と謙虚だった。リーグ3連覇が決まり、山本はすでに先を見据えた。「何とかチームが優勝できて良かった。この勢いに乗ってクライマックス、日本シリーズと勝ち抜いて、もう1度監督を胴上げできるように頑張りたいと思います」。2年連続の日本一を誓った。

◆オリックスの森友哉捕手(28)はFA加入1年目での優勝に笑顔を見せた。西武時代にも優勝の経験はあるが、オリックスでも優勝へと貢献。「気持ちいい。西武時代とちょっと違った感覚はありますが、うれしさは一緒」と久々のリーグ制覇を喜んだ。最後までマスクを被り、胴上げ投手となった抑えの山崎颯一郎投手(25)の元へかけよって抱きついた。「もう抱きつこうと決めていた。思いっきり飛ぼう」とバッテリーで真っ先に歓喜した。勝利打点はリーグトップと勝負強さを発揮。「毎打席集中はするんですけど、得点圏とかチャンスはより集中して、絶対に決めてやるという気持ちは常に持ちながら打席に立っている」と振り返った。吉田正尚(現レッドソックス)の穴を埋める活躍も、本人は「1人で穴を埋めれるわけがないと思ったので、全員で穴を埋めようと」と謙虚だった。西武時代は優勝もCSで2度とも敗退。「2回とも日本シリーズに行けてないので、今回は勝って日本一になりたい」と宣言した。

◆オリックス山崎颯一郎投手(25)が胴上げ投手になった。4点差の9回に登板し、無失点で締めると、グラブを放り投げ捕手の森を持ち上げるように抱き合った。3月のWBCに追加招集されたが登板なし。「悔しかったけどその経験を生かすシーズンにしたかった。まだ完走していませんが、最初からずっと1軍にいられたのがよかった」。防御率1・05の怪腕は「僕はまだまだ伸びます」と成長を誓った。

◆オリックス選手会長の杉本裕太郎外野手(32)は7回の4試合連続適時打の場面で観客に感謝した。2点ビハインドの7回。2死二塁からロッテ横山の133キロを中前に運んだ。二塁走者のゴンザレスが生還し、1点差。「声援が大きくて、あの打席に関してはめちゃめちゃ大きい声が耳に入ってきて、普段打てる気がしないんですけど、あの打席は打てる気がしました」と声援が後押ししたことを明かした。試合後には中嶋監督に続いて3度胴上げされた。これには杉本も「最後、まさか胴上げしてもらえるとは思わなくて。胴上げしてもらった瞬間、幸せすぎて、『我が生涯に一片の悔い無し!』と思いました」と会場を笑わせた。

◆ビールかけのあいさつでは湊通夫球団社長と中嶋聡監督の優勝旅行に関する掛け合いに盛り上がった。湊球団社長が「今年こそハワイ旅行行きましょう」とあいさつすると、中嶋監督が「今、ハワイとありましたがラスベガスまで行きましょう!」とかぶせて会場を盛り上げた。ビールは事前に昨年の日本シリーズと同様の3000本を用意。選手会長の杉本裕太郎外野手(32)は人気漫画「北斗の拳」のラオウの姿で登場して沸かせた。乾杯のあいさつでは「ひとまず、3連覇おめでとうございます。まだCS、日本シリーズと続くので、またビールかけできるように頑張りましょう!」と話し、「今日は暴れたり!」の声とともにビールかけが始まった。

◆オリックス宇田川優希投手が充実感に浸った。WBC侍ジャパンに抜てきされたがWBC球やコンディション調整に苦慮。「悔しさとうれしさの両方あった。オリックスに戻って優勝に貢献できるようにと思っていたので本当にうれしい」。苦難の幕開けだったが、41試合で防御率1・77と昨年に続く活躍。この日は8回の1イニングを無失点。「点が入って勢いが来たので、もっと勢いづけたいと思って気合を入れました」と喜んだ。

◆オリックス杉本裕太郎外野手(32)が今季初の4試合連続打点と打ちまくってラストスパートを演出した。7回、猛打の口火を切る適時中前打。「ボールの見え方がよくなっている」とうなずいた。レッドソックス吉田から選手会長を引き継いだが、5月に左ふくらはぎ肉離れによる離脱で苦しんだ。筋トレ量を増やし後半戦に復活。優勝会見で中嶋監督に「何で選手会長なのか分からない」といじられたが「僕も分かりません!」と返して爆笑をさらった。

◆頂点へ向かう最初のマウンドに立ったのは、まっさらな高卒3年目の剛腕だった。オリックス山下舜平大投手(21)はのびのびと、規格外の成長曲線を描いた。「自分がしないといけないことは、しっかりしたので今があると思う。遠回り、時間は少しかかったかもしれないですけど、自分はあまりそう感じることもなく、来ていると思います」。プロ初登板&初先発で開幕投手を任されると無傷の5連勝。8月まで9勝3敗、防御率1・61の活躍で、首位への推進力となった。「大事にしなきゃいけない。育てていかなきゃいけない」。今春の宮崎キャンプ。未完だった大器を見つめながら、中嶋監督はそう語っていたという。球界の宝になる逸材だからこそ、焦らず長い目で育てる。指揮官の親心に、山下は成長意欲で応えた。中10日から登板間隔が短くなる時はトレーナー任せではなく、自分のやりたいことや意図を伝えて、一緒にトレーニング方法を組み立てた。「いろいろな情報交換が飛び交っていて、常に勉強しています」。練習では先輩たちの話に熱心に耳を傾けた。「経験値としていろいろなことを吸収しながら、自分に合っているものを」。腰の張りの影響で、8月26日のロッテ戦を最後にマウンドから遠ざかっているが、ぶれない考え方と向上心で、周囲の想像を超える成長を遂げた。【磯綾乃】

◆オリックス中嶋聡監督(54)が、「今どき」の選手たちとともに歴史を変えた。優勝マジック「2」で迎えた20日の2位ロッテとの直接対決を制し、オリックスとして初のリーグ3連覇を成し遂げた。「がんばろうKOBE」を合言葉にリーグ2連覇を達成した95、96年を超える快挙。田口壮外野守備走塁コーチ(53)は、中嶋監督らとともに当時と今を知る1人。「今どきの選手は緊張していないのかなと思う。見ていて、淡々とこなせる強さがある」。95年はプロ4年目と若手だった田口コーチ。阪神・淡路大震災で傷ついた町、人を勇気づけようと仰木監督のもと、イチローらとともに必死に頂点を目指した。「当時は、僕は若かったので、がむしゃらにいった思いがあって、連覇した時は冷静さもあった。熱さと冷静さを両方持っていた。よく声も出していたし。今の子は、燃えてないわけじゃないけど、落ち着いているなあと」。かつてのようにベンチから「オラー!」という、いかつい声は聞こえない。ともすればライバルになる味方を、活躍すれば心からの笑顔で喜ぶ今のオリックスの選手たち。「不思議なチームです。仲いいなあって。でも彼らにとっては、それがいい方向にいっているかもしれないですね」。少し不思議そうに首をかしげながらも、のびのびとプレーする姿に目を細める。3連覇を成し遂げたチームの強みは「みんなで勝てるところ」。田口コーチは1軍の選手だけを指しているわけではない。「ベンチにいるメンバーだけじゃなく、ファームも含めて、いる選手全部で勝てるような気がする」。それが「不思議な」強さにつながっているのかもしれない。「今どき」の選手たちも、燃えていないわけではない。「話をしてみると、内心はめちゃめちゃ燃えている。中身はすごいガッツがあるという感じはしますよ。『出せよ』って言いますけど『出ないんですよ~』って(笑い)」。淡々と、仲が良く、そして熱い選手たち。まとめたのは他でもない中嶋監督だ。「仰木さんもそうだったけど、めちゃくちゃ考えてますね。今日どうするか、明日、明後日、1カ月どうなるか。もっと先も見ている」。中嶋監督について田口コーチは「完全にキャッチャーです」と断言する。当時は試合後、コーチに呼ばれ「あの打席の何球目は?」と聞かれることが当たり前。記憶する癖も、考える癖も自然と身についている。「仰木監督も先まで読んでいましたね」。27年前と選手も、空気も違う。それでも変わらず、受け継がれているものもあるはずだ。【磯綾乃】

◆オリックスが圧倒の3連覇を成し遂げた。ペナントを逃したパ5球団の監督たちがコメントした。▽ロッテ吉井監督 正直、チームの力の差は感じました。まだまだやり返すチャンスはあるので気持ちを切り替えてやっつけたい。若い子たちには今日の悔しさをエネルギーに変えて頑張って欲しいと思います。▽ソフトバンク藤本監督 素晴らしい投手陣だからそう簡単に打ち崩せなかった。先発でしっかりゲームをつくれるし、点は取られない。それだけで貯金ができている。やっぱり強いですよね。▽楽天石井監督 ディフェンスからしっかりしたチーム。強力な投手陣の中で、攻撃もリズムをつかめていて、手ごわかったです。しつこい打線だと思いましたし、まさにチーム一丸という感じでした。▽西武松井監督 勝負どころと言いますか、ここというところでその1点を取られた。先発、中継ぎ、抑えと、非常に投手陣はバッテリーを含めて(よかった)。若い選手が出てきて、結果も出していますからね。▽日本ハム新庄監督 なんで選手、打順、ポジションを変えて、こんな早く優勝できるのか不思議。中嶋監督の頭の良さや経験が3連覇を物語っている。チャンスやピンチでの起用法は勉強させてもらっています。

◆オリックスが2位ロッテとの直接対決を制して、3年連続15度目のパ・リーグ優勝を果たした。3連覇は阪急時代の75~78年の4連覇以来、オリックスとしては「がんばろうKOBE」を合言葉に連覇した95、96年を超えて、初めてだ。中嶋聡監督(54)は「負けない野球」を目指し、卓越したマネジメント力を発揮。本拠地の京セラドーム大阪で、5度、宙に舞った。今季のペナントレースは、18年ぶりに優勝した阪神と関西2球団がセ・パを制した。照れ笑いする中嶋監督の周りに、自然と大きな輪が出来た。次々に集まる選手たちの手で大きく5度、宙を舞った。「最高です。奇跡のようなつながり方で、そこまで打てるとは思わなかった。全員でつないだと思います」。1年の歩みが凝縮されたような1試合だった。最後まで結末の分からなかった過去2年とは違う。就任後初のマジック点灯から首位を走り続けた。昨年の連覇、そして日本一。「こうすれば勝てる」。勝つことを追求し、たどり着いた頂点。3連覇へ向かう今年は、中嶋監督の周囲への話し方が少し変わったという。「こうすれば負けない」。シーズンは143試合。負けない野球を貫いた。 監督室には大きなホワイトボード2枚が置かれていた。ひとつには、1年の試合スケジュールがびっしりと書かれている。対戦相手、遠征、休日...。細かい文字で埋め尽くされ、中嶋監督は思いを巡らせる。反対側に置かれた、もう1枚の白板。記されているのは、全選手の背番号だ。「1軍」「2軍」に分かれて並ぶ、見慣れた愛着のある数字たち。ひと目でチームの今を把握する。今季、出場選手登録を抹消された選手はのべ127人(特例抹消含む)。両リーグ最多の入れ替え数だ。監督室やグラウンドで指揮官が自ら考えを伝える。非情さを表す数字にも見えるが、決して降格への恐怖心は与えない。9度の昇降格を繰り返した西野には、その度に声をかけた。「まだ序盤だから、もう1回しっかりやってきてくれ」。実践できれば、昇格のチャンスが巡ってくる。今月2軍落ちした阿部は「疲れてるやろ?」と声をかけられた。「普通に実力で打たれたと思う。そこは(監督の)優しさですよね」。心配りが胸にしみ、最短10日で戻ると心に決めた。夏場に2戦連続で被弾し、ベンチでいら立ちを見せた宇田川には「そんな顔するなら出ていけ」と突き放した。その後、ビジターの監督室に呼び「このままだったら終わるぞ」と静かに言った。強烈な一言は愛情の裏返し。不振にあえぐ右腕を目覚めさせた。硬軟自在に言葉を選び、選手を奮い立たせた。2軍の試合映像は監督室とコーチ室に常に流れ、育成試合に至るまで担当コーチがリポートを書いて共有する。全選手の情報を徹底的に頭に入れ、素早く判断。昇格したばかりの選手を迷わず使う。今季の1点差ゲームは26勝12敗。12球団トップの勝率だ。チーム全員が戦力。「ナカジマジック」のタネは、選手との強い信頼関係にあった。希代のモチベーターは、今季新たな行動に出た。メンバー表の交換後に行う「2度目の円陣」。4月中旬から自然と、中嶋監督の声出しが始まった。3連覇をつかんだ最後の円陣。「硬くなる? 必要もないし楽しもう。ワイワイいこうよ。!」と送り出した。95、96年の連覇を知る指揮官が、もう1つ先の景色を見た。次は90年代に西武が成し遂げた5連覇へ。「とてつもない数字だが、チャレンジできるチームだと思う」。教え子たちとなら、きっと実現できる。【磯綾乃】

◆オリックスがパ・リーグ3連覇を達成し、19日に体調不良で登録抹消された宮城大弥投手(22)がインスタグラムのストーリーズを更新した。今季10勝を挙げ、リーグ優勝に大きく貢献した左腕だが、この日は体調不良のため、胴上げやビールかけに参加できなかった。ストーリーズでは「優勝」の文字とともに、「ベニボウズ」とも言われる同学年の仲良し、紅林弘太郎内野手(21)が自身の缶バッジを胸につけている球団投稿写真を引用した。優勝決定時には黒木優太投手(29)と西野真弘内野手(33)が背番号「13」のユニホームを持ち、歓喜の輪に"参加"していた。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】オリックスがまさしくラッキー7の7回2死からの大逆転で3連覇を達成。地元胴上げで歓喜のナイン。良い写真が多かったのでビール掛けはまた明日っ!!

◆/3連覇 念願の本拠地V\オリックスが3年連続15度目の優勝??山﨑颯一郎が歓喜の瞬間を届けた?プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/5BSqN5xY9M

◆/宮城くんも一緒に\記念撮影で西野真弘と黒木優太の手には...発熱で抹消中の宮城大弥のユニフォームが???プロ野球(2023/9/20)??オリックス×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/KANAMnJPpq

◆勝てばリーグ優勝が決まる大一番のオリックス。T-岡田外野手(35)が出場選手登録され、1軍に合流した。T-岡田は、7月26日以来の表舞台。練習でも落ち着いた雰囲気で汗を流した。また、前日に右膝に自打球を受けた宗佑磨内野手(27)も、患部にサポーターを施しながらも練習を消化。来るべき決戦に備えた。プロ初の2桁勝利を狙う山崎福也投手(31)も登録され、渡部遼人外野手(24)が抹消された。チケットは完売。本拠地で中嶋監督の胴上げはなるか。運命の一戦が刻一刻と迫っている。

◆優勝マジック「2」のオリックスは、勝てば3連覇が決まる大一番の先発にキャリア初の2桁勝利を狙う山崎福也投手(31)。7月26日以来の1軍のT-岡田外野手(35)も「7番・一塁」で抜擢された。ロッテは目の前の胴上げを阻止すべく左腕に対し、右打者8人をズラリと並べた。

◆勝てば、リーグ3連覇が決まるオリックスは三回に先制点を献上した。0-0の三回、先発の山崎福が先頭の荻野に左翼フェンス直撃の二塁打を打たれた。続く岡の右前打で一、三塁と好機を広げられ3番・ブロッソーの二ゴロで先行を許した。先制すれば、58勝13敗2分けと圧倒的な成績のオリックスだが、三回終了時にビハインドの場合は6勝27敗と劣勢。

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(32)の強肩が炸裂(さくれつ)した。0-1の五回1死。荻野の左翼線の打球を処理すると素早く二塁へ送球し、二塁を狙った荻野を余裕を持って刺した。これには先発の山崎福也投手(31)もガッツポーズで喜んだ。喜びもつかの間。続く岡に左翼線二塁打、ブロッソーに左前打を許して2点目を失った。4番・山口に四球を与えたところで2番手・小木田と交代した。山崎福は4回2/3を69球、8安打2失点だった。

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(32)の強肩が炸裂(さくれつ)した。0-1の五回1死。荻野の左翼線の打球を処理すると素早く二塁へ送球し、二塁を狙った荻野を余裕を持って刺した。これには先発の山崎福也投手(31)もガッツポーズで喜んだ。喜びもつかの間。続く岡に左翼線二塁打、ブロッソーに左前打を許して2点目を失った。4番・山口に四球を与えたところで小木田と交代した。山崎福は4回2/3を69球、8安打2失点だった。「大事なゲームという中で、役割を果たせなかったことが悔しいです」と広報を通じてコメントした。

◆優勝マジック「2」のオリックスが2位ロッテと直接対決。2点を追う七回2死無走者から死球と暴投で二塁の好機から杉本裕太郎外野手(32)が中前適時打。1死二塁から紅林弘太郎内野手(21)の右前打で同点。野口智哉内野手(24)も右前打で続いて、勝ち越し。さらに1死一、三塁から中川圭太外野手(27)の2点三塁打、西野真弘内野手(33)も右前適時打で続いて、6点を奪取。2死から8人連続出塁の怒涛の攻撃で一気に逆転した。反撃の適時打を放った杉本は「打ったのはスライダーです。なんとか食らいついていくことだけ、それだけを考えて打ちました!」とコメントした。

◆長い腕を目いっぱいサイドに伸ばし、白球を繰り出す。変則右腕がオリックス打線を苦しめた。ロッテの助っ人、ルイス・カスティーヨ投手(28)が六回途中3安打無失点と好投。敗れれば目の前でオリックスのリーグ3連覇が決まる一戦で、気迫のこもった投球を見せた。「いつも通り強い気持ちで投球することができました。みんなが取ってくれた点を守ることができてよかったよ」とコメント。走者を出しても危なげなかった。三回1死から紅林にこの日初安打となる三塁への内野安打を浴びた。2死二塁となったが、1番・中川圭の鋭い投手ライナーに反応。自身の好プレーも飛び出し無失点で切り抜けた。四回は2死からセデーニョに中越え二塁打を浴びたが、続くゴンザレスを落ちる球で空振り三振。五回は1死からT-岡田に中前打を許したが、続く紅林を三ゴロ併殺打に打ち取った。オリックス戦の今季対戦成績は試合前時点で、防御率2・70。相性の良さを存分に発揮した。ドミニカ共和国出身の来日1年目。シーズン途中に中継ぎから先発に転向したが、10日のオリックス戦では左脇腹の肉離れからの復帰登板となった佐々木朗の後を受け、四回から2番手でロングリリーフした。4回3安打1失点に抑え、吉井監督は「2番手でのロングができるのが分かったので、これから選択肢は増える。短期決戦になったらベンチに入るかもしれない」と示唆した。カスティーヨが今後のCS争い、ポストシーズンのキーマンになることを証明したが、試合は2―0の七回に救援陣が崩れた。2死無走者から6安打と2四死球で一挙6失点。オリックスの3連覇を許し、目の前の胴上げを阻止することはできなかった。

◆オリックスが3年連続15度目(前身の阪急時代の10度を含む)のリーグ制覇を達成した。パ3連覇は21世紀初で1990年から5年連続制覇の西武以来。球団では75年から4連覇を成し遂げた阪急以来。2020年の監督代行を経て、翌年から指揮官に就任した中嶋聡監督(54)は3年連続の優勝で、初めて有観客の本拠地で宙に舞った。試合は2点を追う七回2死無走者から死球と暴投で二塁の好機から杉本裕太郎外野手(32)が中前適時打。1死二塁から紅林弘太郎内野手(21)の右前打で同点。野口智哉内野手(24)も右前打で続いて、勝ち越し。さらに1死一、三塁から中川圭太外野手(27)の2点三塁打、西野真弘内野手(33)も右前適時打で続いて、6点を奪取。2死から8人連続出塁の怒涛の攻撃で一気に逆転した。チームは18日からのCSファイナルステージで、リーグ2位と3位の勝者と対決する。

◆優勝を果たし、胴上げされるオリックス・中嶋聡監督=京セラドーム大阪(渡辺大樹撮影)

◆オリックスが3年連続15度目(前身の阪急時代の10度を含む)のリーグ制覇を達成した。パ3連覇は1990年から4年連続制覇の西武以来で、球団では75年から4連覇を成し遂げた阪急以来。2020年の監督代行を経て、翌年から指揮官に就任した中嶋聡監督(54)は3年連続の優勝で、初めて有観客の本拠地で宙に舞った。以下、中嶋監督の一問一答。ーー今の気持ちは「最高です! なんとかここで胴上げしたいと思っていたので、本当にうれしいです。ありがとうございます」ーーホームで決めると明言していた「七回までは『嘘をついてました』と。さすがに嘘をついたなと思いましたが、なんとか逆転してくれて、選手がすごいなと思いました」ーー終盤にたたみかける今シーズンを象徴するような戦い「もっと楽な展開があるはずなので...」ーー去年とおととしは最後まで接戦だったが、今季は2位と14・5ゲーム差「ゲーム差とかは関係なく、自分たちの内容を追求していた。まだまだ強くなれるチームなのでそこは考えてなかった」ーーマジックを減らしていく戦いへの意識は「マジックはついたり消えたりいろいろするので、そこはあまり気にしていなかった」ーー夏場から一気に抜け出した「本当に投手陣が頑張りましたし、だいぶ助けてもらいました。野手陣も非常にいい守備をして、いいところで打って勝利に貢献した。それが勝利につながったと思う」ーー今季初めて1軍出場した選手や今季初めて出場機会をつかんだ選手を使っての3連覇「調子いい選手、楽しみな選手といろいろいますので、使ってなんとか花開いて欲しいと思っていましたし、それがしっかり戦力になったのが大きい」ーーパ3連覇は90年代(90-94のV5)の西武以来「本当に強いチームでしたので、その数字はとてつもない数字だと思っている。その数字にチャレンジできるチームだと思っています」ーーホームでの胴上げをファンも待ちわびていた「本当に素晴らしい応援ありがとうございます。次のCSしっかり勝って、日本シリーズ行って...、あんまりはっきり言いたくはないけど、日本一目指して頑張りたいと思います。本当にありがとうございました」

◆宮内義彦氏の後を受け、今年1月1日付で就任したオリックス・井上亮オーナー(70)が試合後、コメントを寄せた。「リーグ3連覇を達成し、まずファンの皆様の応援に感謝申し上げたいと思います。今シーズンはホーム球場だけでなくビジター球場にも本当に多くのファンの方が応援に来てくださりチームにとっても大きな支えになりました。どのような状況にあっても、チームの力を結集し勝利を積み重ね、3連覇へと導いた中嶋監督の手腕に敬意を表すると共に、それを実現せしめた選手達の努力、コーチ陣、チームスタッフのサポートにも賛辞を贈りたいと思います。ここからは短期決戦、日頃のチーム力を思う存分発揮して日本シリーズ連覇を達成することを願っています」

◆?オリックスが2021年から3年連続通算15度目(前身を含む)のリーグ優勝を達成した。優勝回数(前身を含む)は巨人の47度(1リーグ時代の9度を含む)、西武の23度、ソフトバンクの21度(同2度を含む)に次いで4番目。?21年のリーグ優勝は全日程終了後にロッテの結果待ちでの優勝。昨年はリーグ最終日に前日まで2位だったオリックスが勝ち、1位だったソフトバンクが負けたことで勝率が同率で並び、当該対戦勝率で逆転優勝と過去2度は他力優勝。3連覇目にして初めて自力での優勝を決めた。?リーグ3連覇以上した球団は16-18年の広島(3連覇)以来5年ぶり15度目(5球団)。パでは1990-94年の西武(5連覇)以来29年ぶり8度目(3球団)。オリックス(前身を含む)は67-69年(3連覇)、75-78年(4連覇)に次いで45年ぶり3度目。?2020年は最下位。最下位の翌年からリーグ連覇したのは1976-77年の巨人、2021-22年のヤクルトとオリックスの3球団。巨人とヤクルトは3連覇を逃し、3連覇したのはオリックスがプロ野球初。?セ・リーグは14日に阪神がリーグ優勝。セ・パ両リーグともに関西の球団が優勝したのは、1964年の阪神と南海以来59年ぶり2度目。?オリックスが本拠地で優勝を決めたのは、96年のグリーンスタジアム神戸(9月23日の日本ハム戦=スコア6-6の延長十回にイチローがサヨナラ二塁打)以来27年ぶりで、京セラドームでは初めて。同球場で優勝を決めたのは、2001年の近鉄以来22年ぶり2度目。9月26日のオリックス戦でスコア2-5の九回無死満塁から北川博敏が代打逆転サヨナラ満塁本塁打で優勝を決めた。?中嶋監督は就任1年目から3連覇。新人監督から3年連続でリーグ優勝に導いたのは1986-88年の西武・森祇晶に次いで35年ぶり2人目で、ともに現役時代のポジションは捕手。オリックスの監督で3連覇以上したのは67-69年の西本幸雄(3連覇)、75-78年の上田利治(4連覇)に次いで45年ぶり3人目。

◆3連覇を決めたオリックスナインが優勝Tシャツに着替えた後、再びグラウンドで整列すると、京セラドームのスクリーンには、海の向こうからメッセージが届いた。今季、オリックスから米大リーグ・レッドソックスへ移籍した吉田正尚外野手(30)がスクリーンに映し出されると、大歓声が飛んだ。「頓宮選手、ズル休みしないで、首位打者獲ってください」とコメントには、笑いの渦が起こり、言われた頓宮も笑顔を見せた。

◆オリックスが3連覇。一気に6点を奪った七回2死一、二塁で同点打を放った紅林弘太郎内野手(21)は「打ったのは真っすぐです。なんとか同点のタイムリーになってくれてよかったです!」とコメント。さらに勝ち越し打を放った野口智哉内野手(24)は「いい当たりではなかったんですが、なんとかいいところに打球が飛んでくれました」と話した。

◆体調不良により16日に「特例2023」で抹消されたオリックス・頓宮裕真捕手(26)もグラウンドに駆け付けた。打率・307で首位打者に座る男は試合後、喜びの表情でコメントした。頓宮の一問一答は以下の通り。ーー優勝に関して「体調は良くなったので、今日大阪で決めてくれたので良かったです」ーー今季を振り返って「やることだけを一生懸命やろうと決めていたので、それがいい方向にいったと思う 。毎日同じ練習をして、同じ意識でバッティングしていたので、それが波のなさにつながった。率も残って長打も残って最高です」ーータイトルについて「ゴールデングラブですか?(笑)」ーー首位打者です「全然気づいていなくてすみません。1位ですか? 嬉しいですね」ーー今後の抱負「この勢いに乗ってクライマックス勝って日本一をとりたいです」

◆西武からFAでオリックスに移籍した森友哉捕手(28)は試合後の会見で1年目を振り返った。ーー優勝した心境「気持ちいいです」ーー西武時代と気持ちの変化は「うれしさは一緒。両方ともうれしいです」ーー試合後は山崎颯一郎に抱きついていたが「抱きつこうと決めていました」ーー今季を振り返って「満足いく結果ではなかったが、移籍して1年目でチームに貢献できたのはよかった」ーー得点圏での活躍が目立った「毎打席集中はする。得点圏ではより集中をして、絶対に決めてやるという気持ちで臨んでいた」ーー今季は吉田正尚選手が抜けた「自分一人で埋められるわけはない。全員で正尚さんの穴を埋めようとやっていた」ーー捕手としてもチームを支えた「若(若月)と2人で引っ張っていけた」ーー今後の戦いについ「まだ考えていない」ーー西武時代にもクライマックスを経験「2回とも日本シリーズに行けていないので、勝って日本シリーズにいきたい」

◆ロッテは2点のリードを守り切れず、目の前での胴上げ阻止はかなわなかった。2-0の七回、3番手で登板した横山がつかまった。2死からゴンザレスに死球を与えて乱調。3安打2四死球、2暴投で5失点した。吉井監督は「死球から球場の雰囲気にのまれた」と指摘。今季飛躍を遂げた高卒4年目のリリーバーに期待を込め、「横山にとってすごくいい経験になった。これを生かしてほしい」と願った。

◆七回に反撃の適時打を放ったオリックス・杉本裕太郎外野手(32)はナインの胴上げに感謝しきり。試合後の会見での主なトークは以下の通り。ーー今季を振り返って「個人的に苦しんだシーズン。まさか胴上げしてもらえるとは思っていなくて、我が生涯に一片の悔いなしと思った。宙に浮いている瞬間はすごく気持ちよかった」ーー本拠地で決めた「オリックスファンがいる前で決めたいと、みんなが思っていたのでよかった」ーーオリックスの強さについて「みんな野球がうまいなと思った」ーー苦しいシーズン「けがもあったし、不振で2軍もあった。最後こうして終われてよかった」ーータイムリーを振り返って「負けていたんで、何とか1点取ろうという気持ちで必死に食らいついて行きました」ーー歓声がすごかった「声援がすごい大きくて。普段あまり声援が大きいと打席で感じないが、あの打席は聞こえてきて。あの打席はなぜか打てる気がしました」ーー状態は上がってきたか「中盤当たりが全然だめだったので。チームに迷惑をかけたので、後半はチームのためにと思ってやっていたのでよかったです」ーー短期決戦に強いが「どこが来ても強い相手。油断せずに一戦一戦戦って行きたい」ーーファンに一言「全然打てていない時も声援を送ってくれてありがとうございます。そのおかげで最後打つことができました。これからもよろしくお願いします」

◆1度。2度。3度。体重104キロの新選手会長も宙に舞った。いつも笑顔のラオウ杉本が、MAXのスマイルを見せていた。「まさか胴上げしてもらえるとは思っていなくて、わが生涯に一片の悔いなしと思った。宙に浮いている瞬間はすごく気持ちよかった」2点を追う七回2死からの、怒濤(どとう)の大逆転。オリックス打線に点火したのは、杉本のバットだった。2死二塁から中前タイムリー。粘りに粘った9球目を仕留めた。この得点「1」が猛牛打線を目覚めさせ、さらに二塁から激走の同点ホームイン。イッキ6点の猛攻を呼んだ。「母校の徳島商は甲子園に出ましたし、青学大も優勝したし、何か縁起がいいなと思ってシーズンを戦ってました」優勝へのカウントダウンの音が大きくなった最終盤に、これで4試合連続タイムリー。2年前のホームラン王は、一番大事な時期にようやく勝負強さを取り戻した。絶対的な主砲・吉田正尚(レッドソックス)から引き継いだ選手会長のポジション。青学大の後輩であり、ドラフトの同期生だが、学ぶべきことが多い2歳下は、偉大なチームリーダーだった。実は大役が重くのしかかっていた。リーダーであり、同時に打撃の結果を残さなければいけない。そう考えると、ふがいないシーズンだった。4月は月間8本塁打と好調だったが、その後に信じられないトンネルに突入。あれほどファンを魅了したフルスイングに〝らしさ〟がなくなり、振り返ってみれば、3度も2軍落ちを経験した。ドーム球場の主砲には不似合い?の夏場の猛烈な日焼けが、今年のラオウを象徴している。「まだまだ熱い戦いが続きますが、引き続き、応援、お願いします。クライマックスシリーズも全員で勝つ!」満員御礼のスタンドに向かって約束した。視線の先にはあるのは日本シリーズ、そして2年連続の日本一だけだ。

◆オリックス・山本由伸投手(25)は「ゲーム差はあったが緊迫した試合が続いていた。ホッとした」と試合後の会見でコメント。今後に向けて「このまま勢いに乗ってクライマックスと日本シリーズで監督をもう一度胴上げできるように頑張りたい」と話した。

◆5度宙を舞いながら、過去2年にはなかった大歓声を全身に浴びた。本拠地の京セラドームで、オリックスファンの前での胴上げだ。球場にあふれる笑顔と涙-。ぐるりと見渡した中嶋聡監督(54)が喜びをかみしめた。「何とかここで胴上げと思っていたので、本当にうれしいです。何とか逆転してくれて、選手はすごいなと思いました」3連覇に挑んだ就任3年目。「本当に難しいことだと思う」偉業に、これまで以上に信念を貫いてタクトを振った。チームだけではなく、野球界全体のことも考えながら。前年V監督としてパ・リーグを率いたオールスターゲーム。監督推薦で選出した14人に、3月のワールド・ベースボール・クラシックで日の丸を背負った選手は一人もいなかった。自軍では山本、宮城が出場せず、賛否両論が巻き起こった。それでも「彼らもロボットじゃない。いろいろ言われるだろうけど、責任は俺が取る」と受け止めた。球宴の日程にも「どう考えても4日で2試合というのはおかしい。俺が何言われてもいい」。選手を守るためなら、悪役もいとわなかった。実績よりも、調子を重視する日替わり打線も貫いた。3連覇を決めた130試合目は今季122パターン目のオーダー。その分、旬の選手を見極めることに心血を注いだ。自身が1軍を率いるようになってから、監督を除いてコーチの肩書に1、2軍の垣根をなくし、全員で目を光らせてきた。選手の特徴、性格などへの理解度が高まる中でその精度も磨かれてきた。自身も欠かさずに2軍戦をチェックしつつ、首脳陣からの推薦を積極的に受け入れた。今季の開幕投手には3年目でプロ初登板の山下を抜てき。育成ドラフト4位のルーキー茶野も8番・右翼で起用した。打線の中軸を担っていた森が故障で離脱すると、育成出身のセデーニョをクリーンアップに据えた。7月は7本塁打、23打点をマーク。ベネズエラ出身の助っ人砲が夏に強いことは、もちろん頭に入っていた。水本ヘッドコーチは「間違ってるかもしれないが、まずはトライさせてくれるのがすごい」とうなる。風通しのよさが〝ナカジマジック〟につながっている。厳しくも温かい〝目〟が張り巡らされていることが、若手にはモチベーションに、主力組には危機感になる。自然とチーム内の競争力が上がり、選手個々の底上げにもつながった。昨年までの連覇の原動力で今季から米大リーグ、レッドソックスに移籍した吉田正尚の穴は全員で埋めた。終盤戦は日替わりヒーローが誕生し、1点差ゲームでは26勝12敗。23勝20敗だった昨年よりも勝負強いチームを作り上げた。一昨年は全日程終了後、昨年は最終戦での優勝。今年は2位ロッテに14・5ゲーム差と圧倒した。「次のCSしっかり勝って、日本シリーズ行って、あんまりはっきり言いたくはないけど...日本一目指して頑張りたいと思います」新人監督から3年連続でリーグ優勝に導いたのは1986-88年の西武・森祇晶に次ぐ2人目だ。令和の名将は、まだまだ手綱を緩めない。(北池良輔)

◆胴上げ投手となったオリックス・山崎颯一郎投手(25)は、九回1死から安打を許したが、最後はブロッソーを空振り三振。WBC優勝時の大谷(エンゼルス)のようにグラブをほうり投げ、捕手の森と抱き合った。「絶対決めてやるというぐらいの気持ちでいきました」。この日はベンチを外れた守護神・平野佳に代わった若武者は「気持ち良かったです。すごく」と余韻に浸った。

◆10勝を挙げて3年連続の2桁勝利を達成した宮城は、19日に発熱を伴う体調不良のため、特例対象選手として登録を抹消された。この日も球場に姿がなかったが、山岡が宮城のユニホームを手に胴上げに加わった。22歳の左腕は「チームのみんなと、この瞬間に一緒に居られなくて、正直、とてもさみしいです。次の目標は2年連続での日本一なので、体調回復に努め、早く復帰できるようにがんばります」コメントした。

◆シン令和の怪物だ!! プロ3年目の開幕戦で初登板し、9勝を挙げてブレークしたオリックス・山下舜平大投手(21)が、1995、96年の連覇時のエースで通算176勝を挙げた星野伸之氏(57)=サンケイスポーツ専属評論家=と特別対談。覚醒につながったマインドセットや、自己最速の160キロをマークした剛速球への可能性などを明かした。(取材構成=北池良輔)星野氏(以下、星野) チームは3連覇だけど、山下君にとっては〝初優勝〟だよね。今年が初登板とは思えない...。忘れられないのが、春季キャンプの第1クール。テレビの解説をしていたんだけど、ブルペンに入って軽く投げて154キロを出したでしょ?山下 はい。最初のブルペンでしたが、球速は思った以上に出ているなと思いました。星野 その衝撃がすごくてね。次のクールで他球団に行ったら、評論家がそろって「オリックスの山下舜平大、見た?」って話題になっていたよ。山下 そうだったんですか。星野 そこから始まって、WBCで山本と宮城もいなくて、開幕投手(注1)を任された。中嶋監督にはいつ言われたの?山下 ちょうど1週間前ぐらいですね。「次、金曜日」と言われて、頑張れよ、みたいな感じでした。開幕にはあまりこだわっていなくて、オープン戦の延長という感じで投げました。星野 めっちゃ緊張しなかった?山下 あんまり...。去年、けがをしたときに大谷(翔平、エンゼルス)さんとか、メジャーの試合を見る機会が多くあって。緊張しているようには見えないんですよね。本当のところは分からないですけど。好きなことを好きなだけやっているイメージで。確かに好きなことやっているのに、緊張して自滅するのはもったいないなと思ったんです。それをオープン戦とかで試せて、そこから吹っ切ったというか、緊張しなくなりました。星野 そう思って、それをできるのがすごい。山下 緊張することもありますけど、試合に入ると勝ちだけしか見ていないので。星野 自分の球に対する自信もあった?山下 自分の投球をすれば、いい試合になるんじゃないかと。打者の方がどうにかしてくれるんじゃないかと思っていました。(注1)3月31日の西武戦(ベルーナ)で5回1/3を4安打1失点で勝ち負けつかず

◆オリックスが3年連続でパ・リーグ優勝を飾った。前身の阪急時代に1975年から78年まで4連覇して以来の3連覇で、15度目の優勝。絶対的エースとして3年連続のMVP最有力の山本由伸投手(25)が、手記を寄せた。セ・リーグは阪神が制しており、関西勢の両リーグ制覇は64年の阪神と南海(現ソフトバンク)以来59年ぶり。クライマックスシリーズ(CS)には10月18日開始のファイナルステージから出場し、昨年に続く日本一を目指す。本拠地の京セラドームで、パ・リーグ3連覇を達成することができました。しびれる雰囲気でした。優勝が決まった瞬間は、森(友哉)さんと(山崎)颯一郎を狙って水をかけに行きました。うれしい気持ちとほっとした気持ちがありますね。シーズンを通してチームに貢献できたことが良かったです。すごく満足できる試合は一年で数試合しかないですが、ちょっと悪くてもすごく落ちることはなく、逆にすごく気持ち的に上がることもなく。ずっと一定の感じで、できたことが良かったかなと思います。

◆俺たちがむてっぺき!! オリックス・中川圭太内野手(27)、宗佑磨内野手(27)の同級生コンビが、特別対談で主力として成し遂げた3連覇を振り返った。互いの今季の印象的なプレーを挙げ、選手も驚く〝ナカジマジック〟のすごさを証言した。(取材構成=北池良輔)中川圭 チームとしては3連覇だけど、1年通して最初から1軍にいるのは初めてで、いい時もあれば、悪い時もあった。その中でうまく乗り切っているときもあるし、いい雰囲気で、全員でカバーしながら戦えたかなと思うね。宗 他球団もそうだけど、1軍の同世代が結構増えてきて、試合に出ている以上は責任を持ってプレーしている。ただ、ここ2年と比べて個人としては良くなくて、印象的なことがあまりない...中川圭 1個だけあるのが、先月下旬のロッテとの初戦で、種市投手から逆転した回の先頭で四球をとったのは、めっちゃ価値があると思うよ(注1)。宗 その試合でいうと、勝負強いバッティングが圭太のすごいところ。僕が先頭で出て、同点になって、圭太が勝ち越し打。あれだけ抑えられていて、一気にあの回で逆転できた。ああいうとこで初球から打てるのはすごい。あれは結構、衝撃的だった。圭太からはいろんなバッティングのヒントをもらっている。ベンチの席がずっと隣で、ありがたい。中川圭 試合中は基本的にそのピッチャーに対しての話、どういう球筋とかはよく話してるね。宗 圭太に聞くことの方が多い。すごくいい感じで打ってるのが、毎回見えるから。ヒントをもらっているばっかりで、僕から伝えることは全然ないね(笑)。僕は打順は上位を打ったり、下位を打ったりしているけど、上位の時は(圭太がすぐ後ろにいるので)信頼して打っているよ。中川圭 凡退とかしたらすごく悔しがって、ヒットを打ったらすごく喜ぶ。野球に対して、ガッと入る。負けず嫌いで、勝負どころの集中力はすごいなと思うよ。宗 圭太は野球をすごく分かっている。僕は初球からバンバン振っちゃうタイプだけど、圭太は場面に応じて自分の役割を理解しているところもある。野球をするのがうまい。中川圭 そう思ってくれてるのは、うれしいね。宗 守備でもめっちゃいいプレーしているよね。中川圭 交流戦の阪神戦の九回のセンターの守備は、覚えてるね(注2)。宗 そうそう、圭太が(中堅フェンスに)突き刺さったやつね。中川圭 でもそれくらいで、あとは記憶にないかなあ。(注1)8月25日のロッテ戦(京セラ)。1―3の六回に先頭の宗が四球を選んで口火を切り、渡部の犠飛と西野の適時打で同点に追い付く。続く中川圭は中前適時打を放って勝ち越し、種市をKOした(注2)6月13日の阪神戦(甲子園)。2点リードの九回無死一塁で、大山が放った大飛球を中堅フェンスに激突しながら好捕。聖地は虎党のため息に包まれ、そのまま2―0で勝利した

◆20日のロッテ戦は優勝を飾るにふさわしい、典型的なオリックスのゲームだった。先発・山崎福が五回2死で降板すると、2番手・小木田が七回まで抑え、打線は七回2死走者なしから、つないでつないで6得点。防御力に裏打ちされた勝利のもぎ取り方、といえる。投手陣は年々、力をつけている。山本、宮城を軸とした先発はもちろんのこと、救援の充実ぶりにも目を見張るものがある。前日19日に八、九回を締めた阿部と平野佳が、この日は〝上がり〟でベンチに入らず。リリーフでもローテーションを組める強みがある。無理のない起用が、安定して戦えた大きな要因だ。吉田正が抜けた打線は、さすがに厳しいとみていたが、それぞれが役割を果たした。核となるような抜きんでた打者はいない。そこが、17-20年に4年連続日本一となったソフトバンクと、趣の異なるところ。中嶋監督のシビアさも目立った。結果の出ない選手はすぐに外し、2軍で再調整させるなど、遠慮のない采配。また、それに応える選手たち。結論として、3連覇は「組織力の勝利」だ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ギャハハハハハ~!! 別に巨人に恨みがあるわけじゃないけど、対巨人シーズン最多の18勝で巨人のCS進出を遠ざける勝ち星に天にも昇る気分やー!! 子供の頃から虎一筋の俺が王・長嶋を始めどんだけ煮え湯を飲まされたと思ってんだァ!! ざまあみろー!! 読売ジャイアンツ!!(スミマセン! めちゃくちゃ恨みもってました)いきなりですが、オリックスのパ・リーグ優勝オメデトウございます!! こーなったら何が何でも日本シリーズは関西決戦や!! ちゅ~か、両リーグとも2位と10ゲーム以上離れているのにCSいります? 両リーグの2位、3位はCS放棄するのもスポーツマンシップじゃねーの!? ま、プロ野球は商売だから、そーもいかないのも分かるけど(クソ~! そんなこと分かる大人になりたくなかったわ!!)それはさておき、残り10試合で現在8勝の青柳と才木が10勝して、村上、大竹、伊藤将との2桁勝利クインテットは誕生するのか? 中野の最多安打は? などなどアレ(優勝)には副賞がたんまりついてきそうでニヤニヤニヤ...なのだ。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
79474 0.627
(↑0.003)
優勝
(-)
13466
(+6)
374
(+2)
99
(-)
42
(-)
0.249
(-)
2.630
(↑0.01)
2
(-)
ロッテ
63605 0.512
(↓0.004)
14.5
(↓1)
15449
(+2)
462
(+6)
91
(-)
65
(-)
0.239
(↑0.001
3.350
(↓0.02)
3
(-)
ソフトバンク
64652 0.496
(↓0.004)
16.5
(↓1)
12488
(+1)
473
(+6)
95
(-)
63
(+1)
0.247
(-)
3.310
(↓0.02)
4
(-)
楽天
63651 0.492
(↑0.004)
17
(-)
14459
(+6)
504
(+1)
98
(-)
95
(+3)
0.244
(-)
3.530
(↑0.02)
5
(-)
西武
60711 0.458
(↑0.004)
21.5
(-)
11400
(+4)
435
(+1)
84
(+2)
71
(+1)
0.235
(-)
2.940
(↑0.01)
6
(-)
日本ハム
56751 0.427
(↓0.004)
25.5
(↓1)
11431
(+1)
460
(+4)
93
(+1)
68
(-)
0.233
(↓0.001)
3.080
(↓0.01)