西武(★1対2☆)ロッテ =リーグ戦20回戦(2023.09.18)・ベルーナドーム=
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ロッテ
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西武
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勝利投手:横山 陸人(2勝1敗1S)
(セーブ:澤村 拓一(4勝3敗3S))
敗戦投手:ボー・タカハシ(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆ロッテは1点を追う9回表、安田の適時打で同点とする。そのまま迎えた延長12回には、2死三塁から相手の暴投の間に走者が生還し、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・横山が今季2勝目。敗れた西武は11回に一打サヨナラの好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆女優の松本若菜(39)がセレモニアルピッチで場内をわかせた。この日は株式会社オージオ(埼玉・上尾市)が販売する「ビューティーオープナー」のイメージキャラクターとして登場。自身の描いたイラスト付きユニホームで投じた球は、ワンバウンド投球となったものの、コースはストライクゾーンに収まった。大役を終えると、球団公式SNSで「正直な話、ほぼ記憶がないです(笑い)。それくらい緊張しちゃいましたけどもう皆さん、ファンの方たち、すごく優しい方たちで、声援でとても救われました。ありがとうございました」と感謝を口にしていた。

◆白星こそつかなかったものの、西武高橋光成投手(26)が7回を無失点で投げきった。3回、4回と2者連続で出塁させるイニングが続いたものの、要所をしっかり力強く封じた。「一番良かったと思う点は、テンポよく投げられたことです」と自己評価。「(捕手の)柘植が自分のいいところを引き出してくれました」と感謝した。初回に中村の適時打で先制し、終盤まで1-0が続く緊迫の展開。「本当は最後まで投げきりたかったのですが、最低限の仕事はできたかなと思います」と振り返った。8回は平井克典投手(31)が無失点で抑えたものの、9回に抑えのブルックス・クリスキー投手(29)が2試合連続の失点で、同点に。高橋の今季11勝目は次回にお預けとなった。

◆/これぞエース??\両先発の至高の投手戦でみせた意地高橋光成が7回零封の好投でお役御免回数:7失点:0安打:5三振:7四球:1球数:106?プロ野球(2023/9/18)??西武×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#seibulions pic.twitter.com/z9mDArfNFm

◆/おかえりなさい??\12回 暴投で勝ち越し沢村拓一が4月19日以来の3セーブ?プロ野球(2023/9/18)??西武×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球#chibalotte pic.twitter.com/sE5owHKkUH

◆ロッテ沢村拓一投手が「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」から復帰後、初セーブを挙げた。1点を勝ち越して迎えた12回に5番手で登板。西武外崎、渡部、古市を9球で無安打1三振に抑えてゲームを締めた。「役割があるので、目の前の瞬間、物事に集中するようにしてます。勝つことがすべて。それ以上でも以下でもない」と話した。

◆延長12回の末に敗れ、西武の今季の勝ち越しはなくなった。3時間43分の試合と、直後のミーティングが終わる。選手たちが次々引き上げる中、古市尊捕手(21)の姿がない。ベンチ裏で頭を抱え、1人だけの時間を過ごしていた。延長12回2死三塁、ロッテ藤原に対してカウントは1-2。あと1歩で負けはなくなる。ボー・タカハシ投手(26)に内角へのスライダーを要求した。しかしスライダーは外に抜け、古市も止められず。記録は暴投。決勝点を許した。1度ロッカールームへ引き上げた野田浩輔バッテリーコーチ(45)が「明日も試合あるんだよ」と苦笑いしながら戻ってきた。古市のところへ。20分以上、感情を整理して、古市が立ち上がった。もちろん明るいはずはない。「やっぱ悔しいです。あれで負けたので...」と言葉を絞り出す。それだけ勝負球に集中していたのか。「スライダーが、ワンバンの方に気持ちが...」と振り返った。野田コーチが補足した。「あのケースで次の打者も頭に入れたら、捕手はひっかけのワンバウンドを予想して、ブロッキングに意識が」。抜けたスライダーは決して捕球不可能なゾーンではなかったが、とっさの反応は及ばない。古市は「...頑張ります」と最後も絞り出した。野田コーチは言う。「でもやっぱり、捕手としては投げた球は全部捕りたいし。みんな泣くんですよ。古賀も。捕手は143試合、その連続だと。どれだけ悔しい思いをしても、次の日に試合あるんだと。悔しいなら、その気持ちをずっと忘れずにやってくれと」そう願う。古市は春に育成選手から支配下登録されたばかりで、キャリアも浅い。「まだ2年目ですよね。彼がこれからずっと野球をやって、最後に振り返る時に『あれがあったから』って思えるように頑張って行ってくれれば」野田コーチは「また明日、です」と前を向いて、球場をあとにした。【金子真仁】

◆西武は延長12回の末に敗れ、シーズン勝ち越しがなくなった。9回に同点にされ、打線は9回、10回、11回と走者を返せず、走者三塁の12回にボーの抜けたスライダーを捕手古市が捕球できず(記録は暴投)、決勝点になった。古市尊捕手は試合後、ベンチ裏で涙。松井監督は「こちらが使っているので思い切ってやってもらえれば。こういうこともある。責任を感じなくていいと思います」とかばった。

◆ロッテが0封負け目前から食らいつき、延長12回の末に逆転勝ちした。0-1の9回2死二塁、安田尚憲内野手が同点打を放った。西武クリスキーの直球を一、二塁間に転がす。猛チャージからの送球の間、和田が大激走のヘッドスライディングで本塁を陥れた。安田は「何とか西野さんに負けを付けないように。気持ちで打ちました」。8回1失点と力投した右腕の負けを消し、5カードぶりの勝ち越しを呼んだ。結婚していたことを11日に発表後、初の安打となった。不振が続き、3試合欠場する間に打撃コーチと特訓。好調だった今季前半の映像を見て感覚を探った。「久々のスタメン。しっかりアピールしなきゃいけない」と、同じく12日以来の先発だった藤原とともに安打を記録した。吉井監督は「追試ですね。あんなもんじゃないです、彼らは」と満足しなかったが、勝負に出た指揮官に選手が応えての逆転劇だった。代走の和田と友杉はともに積極走塁で生還。「あそこで1点取らないと引き分けか負け。バントの方が確率が高い」と延長12回に安田の代打に立った柿沼も、きっちり犠打を成功させた。19日からは敵地でオリックス2連戦。連敗なら優勝が決まる。一戦必勝で、胴上げを阻止する。【鎌田良美】▽ロッテ西野(9勝目は付かなかったが8回1失点の好投)「ブルペンから調子がよくなくて、どうなるかなと思ってたんですけど、しっかり立て直してゲームをつくれたのはよかった」▽ロッテ横山(延長11回に登板。2死二、三塁のピンチを切り抜けて2勝目)「おとといふがいない投球をしたので、今回は抑えてやろうって気持ちで投げました」▽ロッテ小島(19日のオリックス戦に先発)「ビジター6連戦で移動も続き、シーズン終盤戦で皆さんの疲れもたまってきていると思うので、1回でも1人でも多く投げられるように頑張ります!」

◆西武中村剛也内野手(40)はサヨナラのヒーローになれなかった。延長11回2死三塁、ロッテベンチは迷わず、4番中村に申告敬遠を選択した。一塁へ歩き、もちろん二塁封殺を防ぐためにすぐに二塁へと走る(盗塁の記録は付かず)。今季は守りにつくことはないものの、打つこと走ることの充実ぶりは目立つ。16日には内野安打もあった。松井稼頭央監督(47)も「盛り上がりますよね」とそのプレー1つ1つに脱帽している。この日、元チームメートの日本ハム木村文紀外野手(35)が現役引退を発表した。会見では中村らへの感謝も口にした。西武在籍時には自主トレをともにした間柄。そんな日に、中村は初回にひと振りで先制適時打。「打てて良かったです」とコメントはいつも通りでも、日々のグラウンドは充実している。昨オフも源田や柘植、滝沢らベテラン、中堅、若手入り交じっての自主トレに参加した。「なんかいきなり動けるし、あの子たち、すっげぇなと。マネできないなと思ってます」。そう笑いながらもシーズンでは結局、後輩たち以上の打棒で打線の中心にいる。40歳になった。「節目と思っていないので」と何度か口にした。複数年契約も今年までになる。成績を見れば、バットをしまうのはまだ先のことだろう。そういうことを、どこまで考えているのか。夏のある日、今後の現役生活への思いを尋ねた。「あぁ、うーん...何も考えてないですかね。本当に。そういうことへの考えとかが全然出てきてない」最後は少し笑って話した。今ある立場で全力を尽くしながら己のペースは崩さない。残り30本に迫っている通算500本塁打には「まだまあまあ先の話」と言及する。目が向くのはシーズンオフよりも今、そして来季以降。栗山巧外野手(40)にしてもそうだ。ファンたちは「いつまでプレーしてくれるんだろう?」と気をもむ。「まぁまぁまぁ」と多くを語らない。それでもプロ23年目を迎える来季への意欲は誰に問われるまでもなく、周囲が騒ぐこともまるで関係なく、ごく当たり前のように中村剛也の中に存在している。そもそも今年の打撃成績は、若手の多いチームにおいて実に頼もしい数字だ。「あれ、いま、何本でしたっけ?」結果はそんなに深く突き詰めない。代名詞の本塁打数は、ちゃんと覚えているようでそうでない時もある。今季はここまで16本。「あと4本か...20本は打ちたいなぁ」20日の日本ハム戦(ベルーナドーム)は木村の引退試合にもなる。大事な後輩にはなむけを飛ばしたい。【金子真仁】

◆西武の岸潤一郎外野手(26)が2試合連続で1番打者を任され、2試合連続でマルチ安打を放った。この日は低めへのコントロールが信条のロッテ西野から2安打。「スライダーもめちゃいいし、三振もしてますからね」としながら「高山コーチとかと改善してきている成果も出ていると思います」と手応えを話した。前日17日にも佐々木朗からも含め、2安打した。打率は2割前後にいて、最後にもう少し上げたいところ。「前までは結果を出したいというのが強くて、無理やりフェアゾーンに入れようとしたのもあったんですけど、昨日の佐々木朗希くらいから『難しい球はファウルでもいいや』と楽に考えるようになったのもいいのかもしれません」と岸。6月中旬に1軍に合流し、しっかり終盤まで食らいついている。

◆「4番・DH」で先発した西武・中村剛也内野手(40)が先制適時打を放った。一回2死二塁からロッテ・西野のシュートを捉えて、左前に強烈な打球を運び「ランナーかえせて良かったです」と振り返った。この日を含め直近出場5試合中4試合で安打を記録するなど9月はこの日まで打率・267、3本塁打、5打点をマークしている。

◆先発した西武髙高橋光成投手(26)は7回5安打無失点、7奪三振の好投も11勝目はならなかった。立ち上がりからテンポのいい投球でスコアボードにゼロを並べた。前回10日の日本ハム戦(ベルーナ)に続いて2試合連続無失点の投球に「今日のピッチングで一番良かったと思う点はテンポよく投げられたこと。(キャッチャーの)柘植が、自分のいいところを引き出してくれました」と振り返った。1点リードの場面で勝ち投手の権利を持って降板したが、九回にチームが追いつかれ勝ち星はつかなかった。

◆ロッテが延長戦を制し、西武戦の3年連続勝ち越しを決めた。0―1の九回に安田の適時打で追い付き、十二回2死三塁から暴投で勝ち越した。横山が2勝目、沢村が3セーブ目。西武は高橋の好投を生かせなかった。

◆西武は1―0の九回に追い付かれ、延長十二回2死三塁からボーの暴投で勝ち越し点を献上して競り負けた。九回は2死二塁から抑えのクリスキーが安田に右前打され、代走の和田に間一髪のタイミングでの本塁生還を許した。外野手は前進守備を敷いていなかった。松井監督は「こちらの判断で(定位置で)守らせたから。こちらのミスだと思う」と唇をかんだ。

◆1-1の十二回2死三塁から西武の6番手・ボーが暴投で決勝点を許し、3時間43分に及んだ接戦に敗れた。先発・高橋は7回を5安打無失点、7奪三振。走者を出しながらも要所を締める粘りの投球で2試合連続無失点とし「テンポよく投げられた。最低限の仕事はできたかなと思う」と振り返った。松井監督は「スピードも精度も非常によかった」とエースをたたえた。

◆〝代走の切り札〟が九回に同点に追いつく好走塁を見せた。ロッテ・和田康士朗外野手(24)は、九回に代走で登場。先頭のポランコが右前打で出塁し、一走に起用されると、次打者の2球目で二盗に成功。2死二塁から安田の右前適時打で同点のホームを踏んだ。際どいタイミングだったが、迷わず本塁へ。捕手のタッチをかいくぐって、ヘッドスライディングで生還した。延長戦に持ち込む好走塁を披露し、逆転勝ちを呼んだ。和田の一問一答は以下の通り。ーー九回に代走で出場し、すぐに二盗を決めた「相手ピッチャーのクイックタイムが勝負できるタイムだった。それで、スタートを切れるなら(いこう)ということで、あそこでスタートを切りました」ーー本塁生還はヘッドスライディングで「ライト前(への打球)だったので、(自分の目で見えるため)何となく送球の感じが分かる。どんぴしゃ(なタイミング)だなと思ったので、うまく(タッチを)よけながらという感じでした」ーー西武の外野手は下がっていた「そうですね。見た感じ、外野がみんな下がっていたので、抜けたらいけると思った。(スピードを)緩めずにという感じですね」ーーシーズン終盤戦でこの勝ちは大きい「(代走は)僕の役割でもあるので。追いついたら、後は友杉が代走で勝ち越しのホームを踏んでくれると思うので、後半戦も頑張りたいと思います」ーーまずは和田で、次に友杉と「そうですね。九回で負けていたら僕という感じだったので。同点だったら、友杉もいくこともありますし。そこは二人で会話するようにしています」ーーリクエストになったが、自信はあったか「もう普通に。絶対にセーフだなと思ったので」ーー捕手のタッチをかいくぐるコツは「キャッチャーは結構、体にタッチにいくことが多いと思うので、体をよけながら、手だけ(ホームベースに)出すという感じのイメージはあります」

◆ロッテが延長戦を制し、西武戦の3年連続勝ち越しを決めた。延長十二回に代走で登場したドラフト2位・友杉篤輝内野手(22)=天理大=の好走塁が決勝点を呼び込んだ。延長十二回1死二塁で山口に代わって二走に起用された友杉。8番・佐藤都の左中間への飛球は浅かったが、「(捕球の)体勢が悪かったので、いけると思った。三塁コーチャー(大塚コーチ)にも声を出してもらっていた」と三塁へのタッチアップを決断した。左利きの左翼手、ペイトンの捕球後の投げにくい体勢を見越してスタートを切って進塁。チャンスを拡大させた。続く藤原への暴投の間にヘッドスライディングで勝ち越し生還を決め、「(勝つためには)もう点を取るしかない場面だったので、しっかり走れてよかったです。次の塁、次の塁を狙うことを期待されて、勝負どころで出してもらっている。消極的にならずに積極的にという思いだった」と笑顔で振り返った。友杉の進塁打が決勝点を呼び込み、吉井監督は「よく走ってくれた」と目を細めた。

◆沢村が強い頭痛などの症状が出る「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」から復帰後初セーブをマークした。2-1の延長十二回に5番手で登板。7番・渡部を空振り三振に斬るなど三者凡退で締め、雄たけびを上げた。4月19日以来となる今季3セーブ目を挙げ、「チームが勝つことが全て。それだけを考えてやっている」と力強かった。

◆野手17人中16人をつぎ込んだ総力戦を制した。タクトがさえたロッテ・吉井理人監督(58)は起用に応える活躍を見せた選手をたたえた。「こっちは勝負をかけて代走を出している。選手はそれを分かってくれていて、しっかり走ってくれた」勝負の〝二手〟がはまった。一手目は0-1の九回。ポランコが出塁すると、代走の切り札である和田を送った。次打者の2球目で二盗に成功。2死二塁から安田の右前打で同点のホームを踏んだ。際どいタイミングだったが、迷わずホームへ。ヘッドスライディングで生還し、延長へ持ち込んだ。二手目は延長十二回。1死二塁で山口に代わって、二走に友杉を起用した。佐藤都の左中間への飛球は浅かったが、左利きの左翼手、ペイトンの捕球後の投げにくい体勢を見越して三塁へタッチアップ。吉井監督が「よく走ってくれた」と話す好走塁でチャンスを広げ、続く藤原への暴投の間に勝ち越しのホームを踏んだ。友杉の進塁が呼び込んだ決勝点だった。クライマックスシリーズ進出争いは2~4位までが4・5ゲーム差の混戦。シーズン終盤で負けられない戦いが続く中、こだわってきた先の塁を狙う走塁が、貴重な1勝を生んだ。(武田千怜)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
77474 0.621
(↑0.003)
M4
(↑1)
15457
(+6)
370
(+3)
99
(+1)
41
(+1)
0.249
(↑0.001)
2.640
(-)
2
(-)
ロッテ
63585 0.521
(↑0.004)
12.5
(-)
17445
(+2)
453
(+1)
90
(-)
65
(+1)
0.239
(-)
3.330
(↑0.03)
3
(-)
ソフトバンク
64632 0.504
(↑0.004)
14.5
(-)
14485
(+3)
464
(+1)
95
(-)
62
(+1)
0.248
(-)
3.290
(↑0.02)
4
(-)
楽天
61651 0.484
(↓0.004)
17
(↓1)
16450
(+3)
501
(+6)
98
(-)
92
(-)
0.244
(-)
3.570
(↓0.02)
5
(-)
西武
58711 0.450
(↓0.003)
21.5
(↓1)
13389
(+1)
430
(+2)
81
(-)
70
(-)
0.234
(↓0.001)
2.950
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
56731 0.434
(↓0.004)
23.5
(↓1)
13426
(+1)
449
(+3)
91
(+1)
67
(-)
0.234
(↓0.001)
3.040
(-)