阪神(★0対1☆)DeNA =リーグ戦23回戦(2023.09.17)・阪神甲子園球場=
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DeNA
00000000111101
阪神
0000000000310
勝利投手:ウェンデルケン(2勝2敗0S)
(セーブ:森原 康平(2勝1敗14S))
敗戦投手:ブルワー(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】大田 泰示(4号・9回表ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは両軍無得点で迎えた9回表、代打・大田のソロで試合の均衡を破る。投げては、先発・濱口が6回無失点7奪三振の好投。その後は3投手の継投で完封リレーを展開し、3番手・ウェンデルケンが今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・村上が好投するも、打線が3安打と沈黙した。

◆今季のDeNA牧秀悟は甲子園球場で7試合出場して5本塁打をマーク。阪神以外の選手が甲子園球場でシーズン6本塁打以上打てば昨年の村上(ヤクルト)に続く。DeNAの選手では50年門前、18年ソトの6本塁打に並ぶ最多記録となる。現在甲子園球場で5戦連発中と抜群の相性を見せる牧だが、勢いのまま球団記録に並ぶ1発を打てるか。

◆DeNA三嶋一輝投手(33)、ルーキー林琢真内野手(23)、石川達也投手(25)が17日、阪神戦(甲子園)に臨む1軍に合流した。三嶋は今季、開幕1軍入りし、25試合で3勝1敗、防御率3・98。6月30日に抹消され、ファームで調整を続けた。9月は4試合に登板し、防御率0・00と状態を上げ、山崎康晃投手(30)と入れ替わる形で合流が決まった。林は、特例2023の対象選手で6日に抹消。15日のイースタン・リーグ巨人戦で実戦復帰し、16日の同戦にも出場した。今季は53試合に出場し、打率1割8分4厘、0本塁打、8打点、4盗塁。

◆阪神ファンが、18年ぶりVに輝いたナインをシートノックから祝福の声を送った。午後5時25分頃に各自定位置につき、シートノックが開始。ファンはリーグ制覇を達成した選手に大歓声と拍手。優勝後、本拠地最初の試合もあって盛り上がりが続いていた。

◆お疲れモードか...。阪神打線が5回終了時点でわずか2安打に抑えられている。DeNA浜口に対し、安打を放ったのは2回のノイジーの中前打と5回の村上が放った左前打のみ。前日16日の広島戦(マツダスタジアム)では16安打と猛虎打線が爆発していたが、この日は快音が続かない。先発村上頌樹投手(25)は5回終了時点で5回4安打無失点と好投を続けている。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)の折れたバットが観客席に飛ぶハプニングがあった。0-0の6回無死一塁。DeNA浜口の内角142キロの直球にフルスイングもバットが真っ二つ。ヘッドの部分が三塁側の内野席にまで飛び、場内もザワついた。その後、警備員が回収していた。森下はその打席で空振り三振となった。

◆阪神村上頌樹投手(25)が6回5安打無失点無四球の快投を見せた。防御率は堂々の1・68。リーグ2位の東(2・17)を大きく引き離し、トップを快走している。これで12試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以内)と安定感抜群だ。強力DeNA打線をゼロに抑え、7回に石井大智投手(26)が送られ、84球でマウンドを降りた。初回に佐野に右前打を許すも、4番牧を空振り三振。4回にも佐野に左前打を打たれるも、4番牧を投併殺で逃げ切った。チームは2回1死満塁で8番木浪聖也内野手(29)が三直と三塁走者の佐藤輝明内野手(24)が塁を飛び出し、ダブルプレーでチャンスをつぶした。

◆レーザービームさく裂! 阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)が先制の走者を刺す好返球で相手の先制点を阻止した。0-0で迎えた7回2死一、二塁。DeNA代打宮崎の右前打をすかさず処理し、本塁へ送球。バウンドはしたものの、捕手坂本の正面へと送る好送球。DeNA二走大和を本塁で完璧にタッチアウトとした。球場は森下のプレーに拍手喝采。守備でもり立てた。

◆新助っ人の阪神コルテン・ブルワー投手(30)が来日初めて本塁打を被弾した。0-0で迎えた9回からマウンドへ。DeNA先頭で代打大田に150キロカットボールを捉えられ、左翼フェンス付近を越えるソロを浴びた。右腕は前日16日の広島戦(マツダスタジアム)では、味方の失策も響いて、0回1/3 3安打3失点(自責1)で降板していた。

◆阪神が、CSで対戦する可能性がある3位DeNAに競り負けた。先発の村上頌樹投手(25)は6回を投げ5安打無失点と安定した投球を見せた。DeNA浜口から阪神打線は点を奪えず、0-0のまま降板したため11勝目はならなかったが、リーグトップを独走する防御率は1・68まで下げた。7回からは両軍継投に入り、必死の防戦。9回に4番手で登板したブルワーが、代打大田に決勝ソロを浴び、来日初黒星を喫した。

◆DeNA大田泰示外野手(33)が、一振りでチームを勝利に導いた。0-0の9回無死から代打で出場。「ストレートを完璧にとらえられた」と阪神ブルワーの初球の150キロを弾丸ライナーで左翼席にぶち込んだ。「自分自身でもビックリしてるんですけど、最高の結果になってくれて良かったです」。球団史上初の代打本塁打での1-0の勝利を決め、三浦監督から「最高の仕事をしてくれた」と絶賛された。2位広島、4位巨人とCS争いを繰り広げる中、阪神相手に大きな1勝を挙げた。ともにデーゲームで勝利した広島とは3差、巨人とは2・5差で変わらず。大田は「阪神の優勝は決まりましたけど、僕たちの戦いはまだ続いてますし、最後の最後まで上の順位を目指して、横浜でCS(ファーストステージ)を開催できるように頑張ります」と決意を込めた。残りは11試合。あきらめず、チーム一丸で2位を目指す。大田が9回に代打本塁打を放ち、DeNAが1-0勝利。代打本塁打での1-0勝利は、22年5月22日中日戦の堂林(広島)以来4度目で、DeNAでは初めて。今回のように0-0の9回に代打のソロ本塁打で決まったのは、49年6月18日南海戦で代打サヨナラ弾の藤本(巨人)以来74年ぶりで、2リーグ制後では初となった。▽DeNA浜口(6回無失点の好投)「全体的にストライクゾーンで勝負できました。反省点としては、球数が多くなってしまったことです」

◆阪神が今季13度目の0封負けを喫した。先発の村上頌樹投手(25)は6回を投げ5安打無失点で交代。11勝目はならなかったが、リーグトップを独走する防御率は1・68まで下げた。シーズンの規定投球回数にあと3回2/3と迫っている。試合後には甲子園での負け試合で初めて試合後ベンチ前に整列しあいさつした。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-村上は安定している「そやな。どっちみち、もう1回投げなあかんからな」-規定まであと1度投げれば「あと3回ちょい(3回2/3)やろ?」-6回で降板したのもタイトルを意識して「そうそうそう。100球いく必要ないしな」-この時期で防御率1点台は「いやいや、そらすごいやろ」-1年間変わらず、好投している「そやなあ。1年間言うても、最初からのローテの中ではなかったからなあ」-次も球数も投げさせず「いやいや、もう今度は、4回くらいでええやろ。そんな、投げさす必要ないやろ(笑い) 勝ち星っていうかな、そんなあれはもう、2桁いったから」-CSへ向け休息を優先「そやな。そっちや。そっち優先や。初めてこんな投げたわけやからなあ。この1年間で」-3番手の桐敷も安定している。CSはシーズンより重要な位置になりそうか「そうやなあ。今の、ちょっと中継ぎなあ。昨日あんなんなったから(前日16日広島戦では失策も絡み3失点の)ブルワーも投げさしたんやお前、日本の野球もうちょっと勉強せなあかんなあ。あんな初球簡単になあ。そういうちょっと、もうちょっとなあ、まあ昨日なんか点数開いてるけど今日なんかでもなあ、いくとしたら初球の入り方とかなあ」-逆にこういう試合で経験した方がいい「こんな緊迫してたん初めてちゃうか、なあ、別になあ、(セーブも)何も付けへんのに岩崎に投げさす必要ないしなあ。だから、まあ、及川とかいこかなとも思たけど、昨日ちょっとあんななったからなあ。ブルワーなあ、初めての連投やし」-7回2死一、二塁の守りでは右翼森下の好返球もあった「ああ、あれバックホーム態勢してなかったんやで、別にええって。一、二塁やったから、複数ランナーやったからな」-試合後ベンチから出てあいさつをしたが「いやいや、今日は、もう最後、甲子園は勝っても負けても最後いこうと。お客さんいっぱい入ってるから。そらもう試合前から言っといたから」-開幕時は負けたらあいさつには行かないと「おお。いや、もう(優勝が)決まったんやから別に(笑い)。もうそれも試合前に近本にもみんな言うてたから。まあ、最後、あと5試合か。まあ、それもお客さんいっぱい入るし。もう勝ち負けなあ、もう関係なしでいこうと」-ファンも喜んだ「なあ。先に切符も売れてるわけやからな。いっぱいになるのは分かってるから」-打線は3安打無得点。相手が良かった「いや、(浜口は今季)初めてやろ。オープン戦で当たったんやな。去年はけっこう投げとったみたいやけど、4試合くらい。全然タイミング合わんかったな、みんな。チェンジアップかなんか。まあ当たっといてよかったかも分からんけどな。だから、投げたなと思ってたらオープン戦やったんや。シーズンは今日初めてやったから。成績調べてもなかったから、あれと思ったら」-甲子園のDeNA戦はあすが最後「ん? 別に関係ないやろ、甲子園のDeNAは。まあ明日はビーズリーやから、また」(歩きながら)-ブルワーはまた接戦で「もうちょっと投げさせなあかんな。日本の野球なめたらあかんよ。簡単にストライクは取られへん、あのくらいのイニングになったら」

◆阪神桐敷拓馬投手が1回1安打無失点で8試合連続無失点の好投を見せた。8回から登板。2死からDeNA佐野に左前打を許したが、4番牧をフォークで右飛に仕留めた。試合後は「まっすぐもスライダーも良かった」と納得顔だ。リーグ優勝後も安定した投球が光っており「また次もしっかり調整して、ランナーを出してもゼロで抑えたい」と頼れる2年目が緊張感を保って腕を振る。

◆阪神コルテン・ブルワー投手(30)が来日初被弾&初黒星を喫した。0-0の9回に登板したが、代打大田に初球を左翼席へ運ばれた。「初球を不用意に入ってしまったというか、あれで試合を決定してしまったので悔しい1球になった」と助っ人は肩を落とした。岡田監督も「日本の野球をなめたらあかんよ。簡単にストライクは取られへん、あのくらいのイニングになったら」と初球の甘さを指摘した。ただ、連投も同点での登板も来日初だった。指揮官は「もうちょっと投げさせなあかんな」と、ポストシーズンへ向け、今後も接戦で起用して力量を見極めるつもりだ。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)が強肩で両親が見守る甲子園を沸かせた。0-0で迎えた7回2死一、二塁。DeNA代打宮崎の右前打をすかさず処理し、本塁へ送球。ボールはワンバウンドで捕手坂本の構えたミットに収まる好返球だった。二走大和を本塁で完璧にタッチアウト。首脳陣はバックホーム体制を指示していなかったが、見事に刺した。「チャージもしっかりできたし、いい形で捕れた。あとはもうホームに向かって投げるだけだったので、アウトになってよかった」球場は好プレーに拍手喝采。「守備は100%目指せると思う。そこを目指してやっていきたい」と気を緩めない。両親も感無量だった。父善文さん、母ゆりさんが念願の甲子園初観戦。タテジマのユニホームで躍動する姿に2人は笑顔だった。父善文さんは「満員の甲子園でプレーしている姿に感動した。完璧なレーザービームが見られただけでおなかいっぱいです。楽しそうに野球をする姿をこれからもたくさん見せてほしい」と喜んだ。親孝行プレーを見せた背番号1は「これからも何回も見に来てもらって楽しんでもらえれば」。感謝の気持ちを込めながら、照れくさく笑った。【三宅ひとみ】

◆今季初めて負け試合後に阪神ナインがベンチを出てきて整列し、スタンドのファンにあいさつした。岡田彰布監督が発案者で「勝っても負けてもいこうと。お客さんいっぱい入ってるから。もう(優勝が)決まったんやから別に(笑い)。先に切符も売れているわけやからな」と説明した。14日に球団最短のリーグ優勝を決めたが、この日も優勝決定を期待してチケットを購入した満員のファンが後押ししてくれた恩返しだった。甲子園での残り5試合も続ける。昨季まで負けてもあいさつしていたが、岡田監督が「悔しいから」と負け試合は廃止していた。

◆阪神村上頌樹投手(25)が今季未勝利のDeNAを相手に6回5安打無失点、無四球の快投を演じた。これでリーグトップの防御率は1・68まで上昇。セ界制覇ならずも、最優秀防御率のタイトルはほぼ「当確」だ。岡田彰布監督(65)もタイトル獲得のアシストを明言した。シーズン防御率2点未満を記録すれば、阪神の生え抜きでは70年村山実以来。レジェンド級の大活躍シーズンになる。村上が甲子園のマウンド上で仁王立ちした。リーグ優勝後初登板でも「いつも通り結構緊張しながら、変わらずいい感覚で上がれました」と精密機械のように坂本のミット目がけてボールを投じ、5回まで二塁を踏ませず。6回は2死三塁でチームの対戦打率3割超え、7本塁打を食らっている4番牧を迎えたが、追い込んでから外角スローカーブで遊ゴロに料理。右拳でガッツポーズを決めた。「あそこでカーブで打ち取れたのはこれからも自信になりますし、引き出しが増えたなと思います」6回を投げ散発5安打の無失点投球で、防御率を1・68まで良化させた。規定投球回を満たして防御率2点未満なら、球団生え抜きでは70年村山実の0・98以来53年ぶりの快挙となる。1点台フィニッシュについては「そこまでは意識してないですけど、取れる時に取りたいなと。チャンスはなかなかないと思うので」と、手中に収めつつある最優秀防御率賞のタイトル奪取に目をギラつかせた。師匠からの「約束の贈り物」が、さらなる活躍の原動力となった。村上は8日の広島戦(甲子園)で勝利投手となり、目標の2桁勝利を達成。オフの合同自主トレで多くの金言を授かった青柳に、シーズン序盤に「2桁勝ったら何か買ってください」とおねだり。約束通り「いいバックをいただきました」と高級バックをプレゼントされた。5月ごろから「絶対2桁勝てる」と予想していた青柳は「もともとすごい。このままタイトルも取ってくれたら一番いい」と期待。栄冠を手にすれば、さらなるご褒美もあるかもしれない。岡田監督はシーズン終盤での防御率1点台については「いやいや、そらすごいやろ」と目を細めた。規定投球回まで残り3回2/3の右腕の次戦について「もう今度は4回くらいでええやろ。そんな投げさす必要ないやろ。2桁(勝利)いったから」とニヤリ。「そっち優先や」と10月中旬のクライマックスシリーズ(CS)での登板も見据えて休息を与えながら、タイトル獲得をアシストする。大本命の新人王との「Wタイトル」獲得。さらに虎のレジェンドに迫る数字を残す可能性が出て来た。【古財稜明】村上が6回無失点の好投で、今季の防御率を1・68とした。2リーグ分立後の阪神で規定投球回を満たし、防御率2点未満なら、75年安仁屋宗八(前広島)1・91以来、48年ぶり。生え抜き投手に限ると、70年村山実0・98以来53年ぶりだ。村上の今季投球回は139イニング1/3で、シーズン規定投球回数143まであと3イニング2/3まで近づいている。セ防御率部門で村上は、2位東(DeNA)2・17に大差をつけ首位を快走。前年まで未勝利だった投手がこのタイトルを取れば、71年藤本和宏(広島)1・71、79年山口哲治(近鉄)2・49、00年戎信行(オリックス)3・27以来、プロ野球4人目の快挙だ。

◆阪神・馬場皐輔投手(28)が1軍選手登録された。今季は6月下旬に1軍初昇格し、15試合の登板で2勝1敗2ホールド、防御率2・25。8月中旬の2軍降格後は8試合の登板をこなし、「自分の中で投球のリズムだったり、投球の幅だったり、そういうところを本来の形に戻す作業をしていた。残り試合は少ないので、投げられるときに自分の投球をするだけ」とアピールを誓った。16日には浜地真澄投手(25)が1軍選手登録を抹消されており、代わる形で救援陣に加わる。また15日の広島戦(マツダ)でプロ初登板を果たした新人左腕の門別啓人投手(19)は登録抹消。この日の甲子園での試合前練習には参加し、「1年目でいい経験ができました。また次のチャンスをもらえるように頑張りたい」と話した。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(27)が試合前練習に参加し、18日の24回戦に向けて、ダッシュなどで調整した。「欲を言えば9回を投げ切るイメージを描いていたので、それができると思っている。それができればプレーオフ(ポストシーズン)に向けた重要なピースになれると思っているし、それを証明すべく、しっかりと投げたい。4万人の前で投げられるということが楽しみで仕方がないよ」1軍登板は8月17日の広島戦(マツダ)以来1カ月ぶり。チームの優勝は決定したが、クライマックスシリーズ、日本シリーズでの出番を勝ち取るためのアピールの登板となるだけに、気持ちは高ぶっていた。14日のビールかけは「子どものようにはしゃいでしまったし、野球以外のことで童心に帰ったように、あれだけ楽しめた瞬間というのは、なかなか思いつかないぐらい楽しかった」。チームの雰囲気がさらに明るくなった中で、今度は甲子園での1勝を手にして笑う。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は村上頌樹投手(25)が先発する。ここまで防御率1・76でトップを堅持する右腕は、年間の規定投球回まであと9回2/3に迫る。リーグ優勝後初の登板で11勝目を目指す。野手では「1番・中堅」の近本光司外野手(28)が、プロ入り後5年以内の安打数で1位の長野久義(巨人)まであと1本に迫る766本としており、更新に期待が懸かる。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)は6回5安打無失点だった。リーグ制覇後の初登板でも、精密機械の本領を発揮した。同学年の4番・牧とは3打席とも走者を背負った状態での対戦だったが、空振り三振、投ゴロ併殺、遊ゴロと完璧に封じ込めた。直球、変化球とも制球抜群で、これで登板3試合連続無四球。防御率は登板前の1・76から、1・68に良化し、最優秀防御率のタイトル獲得に向けてひた走る。

◆「特例2023」適用で出場選手登録を抹消されていたDeNAのD3位・林琢真内野手(23)=駒大=が1軍に復帰し、「8番・三塁」で即スタメン出場。五回の第2打席で復帰後初安打をマークした。50メートル5秒7の俊足が武器のルーキーは今季、オープン戦で12球団3位にランクする打率・296をマーク。打席では粘り強く食らいつき、四球をもぎとり出塁するしぶとさを見せ、同チームトップの4盗塁と猛アピールし、「2番・三塁」で開幕スタメンの座をつかんだ。投手のレベルが格段に高いプロの壁にぶつかりながら、4月11日のヤクルト戦(神宮)のプロ23打席目で待望の初安打となる左前打をマーク。6月に右母趾の骨折で離脱するアクシデントに見舞われたが、8月に1軍に復帰。代走や本職ではない三塁など、限られた出場機会の中でも必死に食らいついてきた。その矢先、広島遠征中だった6日に体調不良を訴え、出場選手登録を抹消された。1年目から度重なるアクシデントも乗り越え、再び1軍の舞台に戻ってきたこの日、防御率リーグトップの阪神・村上に対し、追い込まれてから低めのフォークに食らいつき、しぶとく左前に落とした。背番号00のルーキーは泥臭く、プロの世界で生き抜いていく。(浜浦日向)

◆阪神は七回、森下翔太外野手(23)の好返球で失点のピンチを防いだ。黄金ルーキーが失点を食い止めた。2死一、二塁で代打・宮崎の打球は右前へ。森下はダッシュでボールに近づき、本塁へワンバウンド返球。寸分の狂いもないストライク返球で本塁を狙った走者をアウトにし、0―0のゲームを引き締めた。六回まで3安打と打線が低調ななか、守備で奮起した背番号1に向けてファンの「森下コール」が起こった。

◆阪神は打線が沈黙し、セ・リーグ優勝後初の本拠地甲子園での試合に敗れた。 先発・村上頌樹投手(25)は6回5安打無失点。同学年の4番・牧とは3打席とも走者を背負った状態での対戦だったが、空振り三振、投ゴロ併殺、遊ゴロと完璧に封じ込め、リーグ制覇後の初登板でも本領を発揮した。防御率は登板前の1・76から1・68に良化し、最優秀防御率のタイトル獲得にまた1歩近づいた。 打線は3安打と、DeNAの継投の前に好機を作ることができず。九回に4番手で登板したブルワーが先頭の代打・大田にソロ本塁打を浴び、これが決勝点になった。

◆DeNAは0―0の九回に代打大田が4号ソロを放って決勝点を挙げた。3番手のウェンデルケンが2勝目、森原が14セーブ目。阪神は村上が6回無失点と好投したが、4番手のブルワーが打たれた。打線は3安打で無得点に終わった。

◆阪神が今季13度目の零敗。九回に登板したコルテン・ブルワー投手(30)が大田泰示外野手(33)に決勝ソロを浴び、初黒星を喫した。「0ー1敗戦」は今季2度目。打線は3安打で、最多安打を目指す中野拓夢内野手(27)、自身最長の5試合連続打点に「あと1」としていた佐藤輝明内野手(24)はいずれも無安打に終わった。6回無失点の村上頌樹投手(25)の防御率はトップを堅持する1・68。規定投球回数まで3回2/3とした。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=81勝46敗4分、観衆=4万2640人)。ーー村上は安定「そうやな。どっちみち、もう一回投げなアカンからな」ーー規定まであと1試合投げれば「あと3回ちょいやろ?」ーー六回降板もタイトルを意識して「そうそうそう。100球行く必要ないしな」ーーこの時期で防御率1点台は「そらすごいやろ」ーー1年間変わらず、好投している「1年間ゆうても、最初からローテの中では、なかったからなあ」ーー次も球数も投げさせず「今度は4回くらいでエエやろ。投げさす必要ないやろ(笑)。もう、2桁行ったから」ーーCSへの休息を優先「そっちや。そっち優先や。初めてこんな投げたわけやからなあ。この1年間で」ーー桐敷は安定している。シーズンより重要な位置になりそうか「そうやなあ。今のアレ、中継ぎな。おーん、どんなんかなあ、昨日あんなんなったからブルワーも投げさしたんや(16日の広島戦で1/3回を投げて3失点で自責1)。日本の野球もうちょっと勉強せなアカンな。あんな初球簡単にな。もうちょっとな。昨日なんか点数開いてるけど今日なんかでもな、行くとしたら初球の入り方とかな」ーーこういう試合で経験した方がいい「こんな緊迫してたん初めてちゃうか。何も付けへんのに岩崎に投げさす必要ないしな。及川とか行こかなとも思たけど、昨日ちょっとあんななったからなあ。ブルワーなあ、初めての連投やし」ーー森下の好返球もあった「アレ、バックホーム態勢してなかったんやで、別にエエって。一、二塁やったから、複数ランナーやったからな」ーー試合後ベンチから出てあいさつに「今日は、甲子園は勝っても負けても最後(あいさつに)行こうと。お客さんいっぱい入ってるから。試合前から言っといたから」ーー開幕時は負けたらあいさつには行かないと「おお。いや、もう(優勝が)決まったんやから別に(笑い)。試合前に近本にもみんな言うてたから。あと5試合か。それもお客さんいっぱい入るし。もう勝ち負け関係なしで行こうと」ーーファンも喜んだ「先に切符も売れてるわけやからな。いっぱいになるのは分かってるから」ーー打線は相手が良かった「(浜口とは)初めてやろ。オープン戦で当たったんやな。去年は結構投げとったみたいやけど、4試合くらい。全然タイミング合わんかったな。チェンジアップかなんか。まあ当たっといてよかったかも分からんけどな。シーズンは今日初めてやったから。成績調べてもなかったから、アレと思ったら」ーー甲子園のDeNAは18日が最後「ん? 別に関係ないやろ、甲子園のDeNAは。まあ明日はビーズリーやから、また」(歩きながら)ーーブルワーはまた接戦で「もうちょっと投げさせなアカンな。日本の野球なめたらアカンよ。簡単にストライクは取られへん、あのくらいのイニングになったら」

◆この日のDeNA・浜口は出来がよかった。ストライクゾーンに入ってくる球は、六回に森下のバットを折ったように内角もうまく使い、甘いボールがあまりなかった。彼にストライクゾーンに投げられたら、そう簡単には打てない。打とう打とうとしてボール球を追いかけていくと深みにもはまる。四球で勝手に崩れていく投手なので、ゾーン外を打たないように我慢できるか、そこが対策ポイントになる。阪神打線は3安打無得点に抑えられたが、心配はいらない。ベンチはクライマックスシリーズに勝ち上がってくる可能性のあるDeNAと巨人、広島が、投打を含めてどういう攻め方、仕掛け方をしてくるのか調査し、それを受けて繰り出す作戦を探っているのだろう。順位争いもなく、先を見すえた余裕のある戦いができるのは優勝チームのみ。ものすごく有利なのだ。打てなかった理由には、連戦やそれに伴う移動の疲れもある。浜口のデータも知ることができたわけだから、CSで対戦することになっても勝てる要素はある。今回の結果も気にしなくていい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆今季40試合目の登板となった阪神・石井は2番手として七回を1回無失点。先頭のソトに二塁打を許したが、続く大和が試みたバントで好フィールディングを見せ、二走を三塁アウトとした。2死一、二塁のピンチでは代打・宮崎に右前打を許したが森下が本塁で刺し、連続試合無失点は18に。「(40試合は)キリのいい数字。まだまだ頑張ります」。3年目右腕は優勝しても変わらず、ゼロを刻み続ける。

◆阪神・桐敷は0-0の八回に3番手で登板。2死から佐野を安打で出塁させたが、牧を右飛に打ち取って8試合連続無失点とした。「今日は内容も良かった。ゼロで抑えられたので次もしっかり調整してゼロで抑えられるように」。防御率は1・89と安定感抜群の左腕は自信を深めて次の出番に備える。

◆阪神の新外国人、ブルワー(前ヤンキース3A)は0―0の九回、先頭の代打・大田に初球を左翼に運ばれ来日初黒星。「不用意に入ってしまい試合が決定してしまった。悔しい1球になった」と嘆いた。初失点を喫した16日の広島戦(マツダ)から来日初の連投で連日の失点。岡田監督は「もうちょっと投げさせなあかんな。日本の野球なめたらあかんよ。簡単にストライクは取られへん、あのくらいのイニングになったら」と厳しかった。

◆ミットにピタリと収まる阪神・森下の返球に、甲子園がこの日一番の歓声を上げた。レーザービームでピンチを防ぎ、リーグ制覇後初めてのホームゲームを盛り上げた。「チャージもしっかりできて、送球までの体勢もいい形で取れた。あとはホームに向かって投げるだけでした」0―0の七回2死一、二塁で見せ場がやってきた。代打・宮崎が放った右前への当たりに駆け寄りバックホーム。ボールはワンバウンドで坂本が構えていた場所にスパンと届いた。本塁を狙った大和を悠々アウトにし、スタンドから「森下コール」が響いた。春季キャンプ途中から筒井外野守備走塁コーチのマンツーマン指導を受け、基本のステップや追い方から何度も反復。みるみるレベルアップし、「(筒井)壮さんに指導してもらったことが正しいというのも、試合でしか証明できない」と並々ならぬ意気込みを語ったこともあった。7月8日のヤクルト戦(甲子園)でも三塁へノーバウンド返球でアウトを奪うなど、補殺はこれで4つ目。いまや攻守両面で欠かせない活躍に、筒井コーチも「やっぱり彼の持ち味はああいう投げっぷりの良さ。これからも続けていってほしいですね」と目を細めた。この日は父・善文さんと母・ゆりさんが初めて甲子園で公式戦を観戦。横浜から駆けつけた両親の前で、無安打ながらもたくましい姿を示した。無抵抗で敗戦を喫したチームを照らす光のようなワンプレーに、手応え十分の口ぶりで語った。「練習の成果が出たかな。守備は100%を目指せるところなので」来るべきポストシーズンの大一番に向け、さらに自身を磨いていく。(邨田直人)

◆阪神・大山は二回に四球を選ぶと、六回には右前打を放って4試合連続安打と快音を継続させた。この日も超満員のファンが詰めかけたが勝利には一歩届かず「優勝は決まったけど、まだ先がある。まだまだチームとしても成長していかないといけない。1試合1試合、もっと言えば一球一球、大事にやっていかないといけない」と気を引き締めた。

◆千両役者だ。DeNA・大田泰示外野手(33)が0―0の九回先頭、代打で初球を迷わずに振り抜き、決勝の4号ソロ。球団の阪神戦通算800勝目を華々しく飾った。「なかなか代打で本塁打は難しいので、自分でもびっくりした。思い切っていくことしかできないので、最高の結果になってくれてよかった」両チーム、スコアレスの九回。初対戦の4番手ブルワーを一振りで仕留めた。150キロの速球を捉えた打球は浜風に乗って左翼席へ。九回に代打本塁打が飛び出してのスコア1-0勝利は、1949年の巨人以来74年ぶり2度目となった。プロ15年目の今季は開幕から打撃不振に陥り、7月に2軍再調整となった。1軍を離れた期間で「前半はいろいろ考えすぎてしまっていた。もう一回シンプルに、無駄な動きをせずに球を捉えられるかを考えた」と意識を改革。後半戦の再昇格後は思い切りの良さを取り戻し、この日もファーストストライクをしっかりと捉えた。2位広島と3ゲーム差、4位巨人とは2・5ゲーム差。クライマックスシリーズ(CS)出場を懸けた争いが激しさ増す最終盤へ「勝ちに貪欲になるしかない。気持ちでめげていたら足をすくわれてしまう。去年の悔しさもあるので、ハマスタでCSを勝ち切って、ここ(甲子園)に帰ってくるのが一番」と、2年連続のCS本拠地開催へ強い意欲を示した。(浜浦日向)

◆ふ~っ、いわゆる消化試合だから、そこまで勝敗にこだわるわけじゃないけれど...と言いつつ、個人タイトル争いがあるので、正直アレ(優勝)以前と虎党の精神的疲労って変わりまへ~ん!!阪神先発の村上は防御率1位と新人王を狙うマウンド。俺なんか『0』を重ねる村上を応援しつつ相手投手の浜口に「君の好投に村上が対抗心を燃やすんや!! 頑張ってくれー!!」と叫んだと思えば、最多安打を競っている中野の打席ではヒットを願い、最高出塁率を争う大山の打席では「浜口~! 四球でもええから出塁させて~!!」と、もう支離滅裂、理解不能の人となっていたのだ。さてさて、試合の方ですが、村上をはじめ4投手で11安打を許しながら、結果的に大田の一発の1点だけってのは優勝が決まっても阪神投手王国は健在なり!! を証明する悪くない試合だったのだ!! さあ、シーズン残り12試合。この先に向けてさらに戦力アップを。短期決戦用の秘密兵器...、例えば高山俊の出現なんてのは欲が深過ぎます!?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
81464 0.638
(↓0.005)
優勝
(-)
12518
(-)
384
(+1)
73
(-)
69
(-)
0.248
(↓0.001)
2.620
(↑0.01)
2
(-)
広島
71604 0.542
(↑0.004)
12
(↑1)
8467
(+3)
480
(-)
90
(-)
74
(+2)
0.247
(-)
3.210
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
67623 0.519
(↑0.003)
15
(↑1)
11493
(+1)
466
(-)
103
(+1)
28
(+1)
0.248
(-)
3.250
(↑0.03)
4
(-)
巨人
65652 0.500
(↑0.004)
17.5
(↑1)
11496
(+3)
485
(+2)
158
(+2)
46
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.520
(↑0.01)
5
(-)
ヤクルト
53773 0.408
(↓0.003)
29.5
(-)
10493
(+2)
525
(+3)
115
(+1)
60
(+1)
0.239
(↓0.001)
3.660
(↑0.01)
6
(-)
中日
49784 0.386
(↓0.003)
32
(-)
12348
(-)
460
(+3)
63
(-)
32
(-)
0.236
(↓0.001)
3.150
(-)