1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 5 | 11 | 1 | 0 |
広島 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | X | 6 | 14 | 1 | 0 |
勝利投手:島内 颯太郎(2勝3敗2S) (セーブ:栗林 良吏(3勝7敗15S)) 敗戦投手:加治屋 蓮(1勝4敗1S) |

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◆広島は4-5で迎えた7回裏、小園のこの日2本目となる適時打が飛び出し、試合を振り出しに戻す。続く8回には代打・松山が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・島内が今季2勝目。敗れた阪神は、再三リードを奪うも、救援陣が振るわなかった。
◆優勝から一夜明け、阪神岡田彰布監督(65)が球場入りした。マツダスタジアムにバスで到着し、報道陣に「寝られたか」と問われると「寝た、寝た」。前夜は深夜まで歓喜のビールかけを行い、テレビ各局へ出演。この日も午前中の新幹線で移動したが、体調に問題はないようだ。選手も続々と球場入り。この日は今季初の「ブルペンデー」で及川が先発、ドラフト2位門別がロングリリーフする予定だ。
◆18年ぶりの優勝を決めた翌日、阪神岡田彰布監督(65)が若虎を起用した。栄枝裕貴捕手(25)が、プロ3年目で初スタメン。「7番捕手」で出場する。梅野隆太郎捕手(32)が骨折離脱後に1軍昇格し、控え捕手としてベンチで待機。今季の出場は8月19日DeNA戦で代打犠打を決めた以来、2度目で、プロ通算3試合目の出場となる。佐藤輝明内野手(24)らと同期入団。「20年黄金ドラフト」の1人が、貴重なチャンスをものにできるか。スタメンを張り続けてきた坂本誠志郎捕手(29)は、約1カ月ぶりのベンチスタートとなった。また、この日はチーム今季初の「ブルペンデー」。及川将貴投手(22)がプロ初先発し、ドラフト2位門別啓人投手(19)がプロ初登板でロングリリーフする予定だ。前夜のスタメン組ではシェルドン・ノイジー外野手(28)、木浪聖也内野手(29)がベンチスタートとなった。
◆阪神岡田彰布監督(65)が、広島新井監督とガッチリと握手した。試合前のメンバー表後半で顔を合わせ、相手指揮官から言葉をかけられると笑顔になった。18年ぶりのリーグ優勝を決め、引導を渡した相手。ベンチへ戻る際にも声をかけられ、岡田監督は笑いながら自軍へと歩いた。
◆65歳、ビールかけ翌日も元気だ。阪神岡田彰布監督(65)は、この日の午前11時過ぎに新大阪から広島行きの新幹線に乗車した。18年ぶりの優勝を決めた前夜、ビールかけ会場は大阪府内で、そのまま同地のホテルに宿泊。この日はチームバスで移動し、新大阪駅内のホームでは、警備員に囲まれながら新幹線に乗り込む特別待遇だった。午後1時30分ごろに広島駅に到着。そのままチーム宿舎に入り、休息した。チームバスでマツダスタジアムに到着したのが午後3時30分前。球場入りの際、「寝られたか」と問われると「寝た、寝た」と返答。試合前練習は主にベンチで見守り、大好きなパインアメを口に運ぶシーンもあった。いつも通りの姿だった。ゲームでは若手の栄枝裕貴捕手(25)を「7番捕手」でプロ初スタメン起用。坂本誠志郎捕手(29)、シェルドン・ノイジー外野手(28)、木浪聖也内野手(29)と主力をベンチスタートさせた。
◆虎に二日酔いは関係ない? 阪神が優勝から一夜明けの一戦で、Vチームの勢いを見せつけた。初回、佐藤輝明内野手(24)が右前適時打を放ち先制。佐藤輝はこれで直近3試合で7打点と好調だ。この日スタメン起用された6番小野寺暖外野手(25)も適時打で続き、初回に2点先取。前夜は深夜までビールかけを行っていたが、「アレ」を成し遂げたチームは元気だ。
◆広島野間峻祥外野手(30)が3回に同点2点二塁打を打った直後に足を痛めて途中交代した。2点を追う3回、1死二、三塁から阪神2番手門別の真っすぐを左中間に打ち返し、二塁を狙って最後は勢いよく滑り込んだ。直後にベンチ裏に引き上げ処置を受けるも、代わって大盛が代走で出場した。広島は西川、菊池、上本の主力3選手が負傷離脱しており、右ふくらはぎ痛から1軍復帰したばかりの秋山は2試合連続で先発から外れている。多くの主力を欠く中で2割8分6厘の確実性と粘り強さで広島打線を支えてきた野間が離脱となれば、2位死守を目指すチームにとっては大打撃となる。
◆阪神ドラフト2位の門別啓人投手(19)の右足首付近に打球が直撃した。3回からプロ初登板。1点ビハインドの4回2死一塁、広島田村の痛烈な打球が右足首上付近に直撃した。打球をそのまま追いかけたが、安藤投手コーチとトレーナーが駆けつけ確認した。すぐに試合は再開。失点のピンチを招いたが、後続を切った。
◆阪神佐藤輝明内野手(24)が2年連続で80打点に到達し、キャリアハイ更新に迫った。3-3で迎えた5回1死一、二塁だった。広島床田の直球を初球打ちし、勝ち越しの右前適時打を記録。80打点に到達した。自身キャリアハイは昨季の84打点。18年ぶりVで「アレ」を達成した一夜明けでも、抜かりない打撃を披露している。
◆阪神近本光司外野手(28)が途中交代した。6回に左飛に倒れ、4打席に立った後の守備からベンチに退いた。代わって中堅には島田海吏外野手(27)が入った。この日、主力組では坂本誠志郎捕手(29)、シェルドン・ノイジー外野手(28)、木浪聖也内野手(29)がベンチスタート。18年ぶりの優勝から一夜明け、岡田彰布監督(65)は一部の選手に休養を与えている。
◆阪神ドラフト2位門別啓人投手(19)のプロ初登板は、3回6安打3失点で降板となった。18年ぶりのアレから一夜明け、ブルペンデーのこの日。先発及川の後を受け、2点リードの3回から2番手で登板した。マウンドに上がった直後に四球や安打などで1死二、三塁のピンチ。野間の2点二塁打で同点とされ、さらには小園の適時打で勝ち越しを許した。その後2イニングは走者を出しながらも無失点。5回に再び味方が2点を奪い返し、1点リードのまま代打が送られた。試合は6回に1点リードを追いつかれ、プロ初登板初勝利はならなかった。
◆前夜にビールかけを行った阪神打線が、初回に2点を先制した。3回に逆転されるも5回、7回と得点。2桁安打を記録した活発な打線にX(旧ツイッター)では「二日酔い打線」がトレンド入りした。「二日酔い打線普通に強くて草」「粘り強い二日酔い打線」「二日酔い打線素晴らしい」などとコメントが集まっていた。
◆甲子園Vでよかった~。阪神の18年ぶりリーグ制覇の「Xデー」候補だったこの日、マツダスタジアムの内野席の大部分は、赤いグッズを身にまとった広島ファンで埋められた。黄色の阪神のユニホームは数えるほどだった。一方で、三塁側内野席の真上に独立しているビジターパフォーマンス席は、びっしりと黄色に埋まっていた。ただ、いくら熱狂的な阪神ファンとはいえ、圧倒的多数の広島ファンに押され気味なのは否めない。優勝マジックを1とした13日の試合後、岡田監督は「いやあ、そら広島(での胴上げ)はイヤやし。広島はなんかなあ、スタンドのファンがな、何か物足りんていうか、少ないし、(ビジター席がグラウンドから)遠いからなあ」と語っていた。仮に15日のこの日に優勝となっていれば、岡田監督の言う通り、完全アウェーの中での胴上げだったかもしれない。
◆18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神は、一夜明けたこの日、初先発となる左腕及川を起用。及川は2回で降板し、2番手でドラフト2位左腕の門別啓人投手(19)がプロ初登板。門別は3失点はしたものの、3回を投げた。いったん逆転を許したが、味方が5回に逆転したため勝ち投手になる可能性があった。しかし6回に同点に追いつかれたため初登板初勝利はならなかった。勝ち投手の決定方法は公認野球規則9・17に規定されている。(a)ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。ただし、次の場合はこの限りではない。(1)その投手が先発投手で、本条(b)が適用された場合。(2)本条(c)が適用された場合。【原注】試合の途中どこででも同点になれば、勝投手の決定に関しては、そのときから新たに試合が始まったものとして扱う。相手チームが1度リードしたならば、その間に投球した投手はすべて勝投手の決定からは除外される。ただし、リードしている相手チームに対して投球している間に、自チームが逆転して再びリードを取り戻し、それを最後まで維持したときは、その投手に勝の記録が与えられる。(b)先発投手は、次の回数を完了しなければ勝投手の記録は与えられない。(1)勝チームの守備が6回以上の試合では5回(2)勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回。先発投手が本項を満たさないために救援投手に勝投手の記録が与えられる場合は、救援投手が1人だけであればその投手に、2人以上の救援投手が出場したのであれば、勝利をもたらすのに最も効果的な投球を行ったと記録員が判断した1人の救援投手に、勝投手の記録を与える。【原注】救援投手が勝投手として記録されるには、その投手が最低1イニングを投球するか、試合の流れ(スコアも含む)の中で試合を決定づけるアウトを奪うこと、というのが本項の趣旨である。最初の救援投手が効果的な投球をしたからといって、ただちにその投手に勝を与えるべきではない。なぜなら、勝投手は、最も効果的な投球をした投手に与えられるものであり、続く救援投手が最も効果的な投球を行うかもしれないからである。どの救援投手に勝を与えるかを決定するには、失点、自責点、得点させた走者数、試合の流れを考慮しなければならない。もし2人以上の投手が同程度に効果的な投球を行った場合は、先に登板した投手に勝を与えるべきである。(c)救援投手が少しの間投げただけで、しかもその投球が効果的でなかったときに、続いて登板した救援投手の中にリードを保つのに十分に効果的な投球をした投手がいた場合は、前者に勝の記録を与えないで、続いて登板した救援投手の中で最も効果的な投球をしたと記録員が判断した投手に勝を与える。【原注】救援投手が1イニングも投げずに2点以上の得点(それが前任投手の失点であっても)を許した場合は、効果的な投球とはいえず、かつ少しの間しか投げなかったと一般的にはみなすべきであるが、必ずそうみなすというわけではない。複数の救援投手から勝投手を選ぶ際には、本条(b)の【原注】が参考となる。(d)自己の責任による失点が相手チームにリードを許し、相手チームが最後までそのリードを保ったとき、その投手に敗投手の記録を与える。【原注】試合の途中どこででも同点になれば、敗投手の決定に関しては、そのときから新たに試合が始まったものとして扱う。(e)選手権試合でないオールスターゲームのような場合には、本条(b)は適用されない。このような試合の勝投手の記録は、勝チームが試合の最後までリードを保ったときは、そのリードを奪った当時投球していた投手(先発あるいは救援)に与える。ただし、勝チームが決定的リードを奪った後でも、その投手がノックアウトされ、むしろ救援投手が勝投手としての資格があると考えられるときは、この限りではない。
◆阪神の連勝記録が「11」で止まった。18年ぶりのリーグ優勝から一夜明け。8月30日DeNA戦(甲子園)以来、9月では初の黒星。球団では46年以来77年ぶりの12連勝を逃した。今季初のブルペンデーとして戦い、先発では及川を起用。2-0の3回からはドラフト2位門別啓人投手(19)がプロ初登板。3回6安打3失点で降板した。その後5-5の同点の8回に4番手加治屋が代打松山の中前適時打を浴び、決勝点となった。1点を追う9回表は無死一、三塁の好機で1本が出なかった。「7番捕手」で栄枝裕貴捕手(25)がプロ初先発するなど、前日14日巨人戦(甲子園)からは大幅にスタメンを入れ替えた。木浪、坂本、ノイジーらがスタメン外。1点リードの6回には不動のリードオフマン近本も島田に交代した。一部主力組に休養を与えた一戦だが、勝利とはならなかった。
◆阪神の守備に珍しいシーンがあった。同点の8回1死二塁。加治屋蓮投手(31)が代打松山への投球が暴投となり、ボールは大きくはね、長坂拳弥捕手(29)の左後方へ。長坂はこれを見失っていたが、本塁カバーに走った加治屋が勢いそのままボールを拾い、二塁走者を三進だけにとどめた。投手が自ら暴投を取りにいく珍しいシーンだった。ただ、その後、松山には中前適時打を浴び、勝ち越しの得点を許した。
◆優勝から一夜明けても、阪神佐藤輝明内野手(24)の勢いは止まらなかった。初回2死一、三塁で広島床田から右翼へ先制適時打。同点となった5回1死一、二塁では、再び床田から一時勝ち越しとなる右前適時打を放った。「みんながつないでいい雰囲気でしたし、積極的にいこうと思っていました」。初球の内角143キロ直球を捉えた一撃。3試合連続の複数打点で、2年連続80打点に到達した。キャリアハイの84打点まで、あと「4」。リーグ制覇を果たした虎の勝負強い5番は健在だ。前夜は午後11時40分ごろから歓喜のビールかけを楽しんだ。岡田監督に、先輩に、後輩に...。容赦なくビールを降り注いだ。テレビ各局に出演すると、ホテルでベッドに入ったのは「4時前くらい」。疲れは「ご想像にお任せします」と不敵に笑ったが、睡眠不足は否めないだろう。そんな中で快音を連発。CSファイナルステージで対戦の可能性もある左腕床田から2安打したこともプラスになったはずだ。13日巨人戦では優勝マジック「1」に導く満塁弾。前日14日は2ランで「アレ」を決定づけた。この3試合で12打数7安打、2本塁打、8打点の大暴れ。9月は月間打率3割6分4厘と乗りに乗っている。この日、一部主力を休ませた岡田監督だが、「そらもうずっと出す」と4番大山や5番佐藤輝は残り試合でも起用し続ける方針。「やることしっかりやって、打てればいいかなと思います」。CS突破、そして日本一のためにも、自信を確信に変える秋にする。【中野椋】
◆阪神4年目及川雅貴投手がプロ初先発で仕事を果たした。ブルペンデーで2回を2安打無失点。「トップで投げただけで中継ぎの気持ちで投げました。ゴロを打たせて粘ることができましたが、2イニングとも先頭を出してしまったことが課題、反省点」。1軍では8月23日中日戦(京セラドーム大阪)以来で、登板8試合連続の無失点。ポストシーズンに向け「生き残っていけるようにアピールしていきたい」と誓いを立てた。
◆広島野間峻祥外野手(30)が15日、阪神22回戦(マツダスタジアム)3回に2点二塁打を打った走塁中に左太もも裏を痛め、途中交代した。新井監督は「本人は大丈夫と言っていたけど、大丈夫しか言わない男なのでね。こちらからやめておけと言いました」と説明。16日以降は当日の様子を見て判断される。チームは現在、西川、菊池、上本と主力野手3選手が負傷離脱している。
◆阪神小野寺暖外野手(25)がCS外野レギュラー争い生き残りへ、マルチ安打を決めた。優勝一夜明けでレギュラー組の一部休養。「6番左翼」でスタメン出場し、いきなり結果を出した。佐藤輝が先制打を放った直後の初回2死一、二塁。広島先発床田の変化球を捉え、右前適時打で2点目を追加した。「久しぶりのスタメン。自分にとってはアピールのチャンスなので(佐藤)テルに続きたかった。追加点を取ることができてよかったです」前夜は悲願の18年ぶりVでビールかけにも参加。それでも背番号60には感じるものがあった。「多少の悔しさもあります」。今季は3番に起用されるなど、1軍に帯同する期間は長かった。一方で試合前時点で先発出場はわずか11試合にとどまっていた。「優勝してめちゃくちゃうれしかったけど、大事な試合でベンチで見ているだけだった」。CSメンバー生き残りのためにもアピールは必須。6日の中日戦(バンテリンドーム)以来のスタメンに1打席1打席集中した。7回にも一時は勝ち越し打となる右翼フェンス直撃の適時二塁打。優勝明けの試合でまずは2安打2打点だ。それでも「チャンスで2回凡退してしまった」と5回、9回の打席を悔しがった。レギュラーシーズンは残り14試合。「こういうチャンスでアピールできればなと思います」。日本一メンバーになるためにも、休む暇はない。【三宅ひとみ】
◆広島は前日に優勝を決めた阪神に逆転勝利し、18年以来のシーズン勝ち越しを決めた。シーソーゲームの展開から同点の8回。1死二塁から相手の暴投で1死三塁と好機を広げると、代打松山の高く弾んだ当たりが中堅に抜けて決勝点をもぎとった。殊勲打の松山は「何とか前に飛ばせば、何か起きると思った」と振り返った。連日の総力戦で勝利し、3位DeNAとのゲーム差を維持した。
◆阪神ドラフト2位門別啓人投手のデビュー戦は3回6安打3失点だった。2-0の3回。ブルペンデーに2番手としてプロ初登板。先頭を四球で出し、3安打でこの回3点を失ったが、その後は走者を出しながら粘った。「これは通用するんだというところもあったし、逆に全然まだまだだという反省もすごくあった。すごく収穫のある登板だった」今季ファームでは11試合で2勝2敗2セーブ、防御率3・12。武器の直球はこの日も最速150キロを計測したが、痛打も浴びた。それでもスライダーなど変化球も交えて修正。「スライダーだったり、真っすぐがいいとこに決まれば全然詰まったり、ファウル取れたりもした。もっと真っすぐで勝負したかったですけど、次につなげていきたい」。5回に打線が一時逆転し、3イニング目のその裏を抑え、門別が勝ち投手になる可能性があった。岡田監督は「勝ち投手、行ったなと思うたんよ。0点に抑えたらと思うとったんやけど。まあしゃあないわなあ」と評価。貴重な経験を次戦につなげる。
◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、約1カ月ぶりに欠場した。8月11日ヤクルト戦から27試合連続で出場していた。梅野が同13日に死球を受け骨折で離脱してからは全試合スタメンマスク。優勝一夜明けは休養日となり、ベンチから試合を見守った。岡田監督は「そんなんもう別に使う必要ないやろ」と話した一方、「明日は大竹やから使うけど」と大竹耕太郎投手(28)が先発する16日の広島戦にはスタメン復帰させる方針を示した。
◆阪神大山悠輔内野手が18試合ぶりの猛打賞で復調の兆しを見せた。1点を追う5回。中野、森下が連打で1死一、二塁を演出。初球ファウルの1ストライクから、左腕床田の126キロチェンジアップを左翼に運んだ。「いい流れで回ってきたので、初球から打ちにいくことができました」。8日広島戦以来、6試合22打席ぶりの適時打となった。初回、9回にも安打を放ち、8月22日中日戦以来、今季10度目の3安打をマークした。優勝一夜明けに主力組が一部休養する中、大山は変わらず「4番一塁」でフル出場。開幕から全試合出場を続けている。「いろいろ自分の中で、今やれることをしっかりとやりたいと思っている」。9月は16打席連続無安打など苦しみもあったが、優勝を決めた前日14日の巨人戦では決勝犠飛で主役を張った。2戦連続の安打とし、実りの秋に復活の気配を漂わせている。
◆阪神中野拓夢内野手(27)が今季45度目のマルチ安打で、リーグ最多152安打のDeNA牧まで2本差に迫った。初回、5回に安打を放ち、中日岡林と並んでリーグ2位の150安打。「今狙えるとしたら安打くらい。ヒットを多く打つことを心がけてやっていきたい」。アレの次は個人でもタイトルを狙う。
◆前日に優勝を決めた阪神との接戦は、同点の8回に勝ち越した広島が勝利した。先発床田は1回に2点を先制されると、1点リードの5回にも2点を失った。3回野間が負傷交代するアクシデントがありながら、打線は2度ビハインドを追いつき、8回は1死三塁から代打松山の中前適時打で決勝点を奪った。10試合を残して18年以来のシーズン勝ち越しが決まった。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-昨日に続いて終盤の得点で勝利新井監督 こういう僅差の展開をモノにできるというのはチームは成長しますし、若い選手はいい経験になる。相手はチャンピオンチームですから。-8回は代走、代打と起用した選手が応えた新井監督 もちろんスタメンもそうなんですけど、あとから入っていく選手が各自しっかりと自分の役割をこなしてくれるので、こちらもありがたいです。-松山選手は阪神戦の代打成績がいい新井監督 もちろん頼もしいですよ、"松山さん"は。"松山さん"はいつも頼もしいです。僅差の展開で、終盤に"松山さん"がいるって、もし逆だったら自分でも嫌だもん。-3回に負傷交代した野間が心配新井監督 ちょっとピリッときたと。また明日の報告を受けたいなと。本人は"大丈夫"と言っていたけど、大丈夫しか言わない男なのでね。まだあるんだからと、こちらからやめておけと言いました。-阪神が優勝。広島の選手に変わったところは新井監督 いや全然ないですね。今日の試合を見てもらっても、そんなのみじんも感じないんじゃないですか。僕も何も変わらないですし、振り返ってる暇はない。たぶんガクッとなっていてたら、こういう試合をモノにできなかったと思います。-床田は連続して立ち上がりに失点新井監督 立ち上がりというよりも、彼も1年間ローテを守るということが初めて。初めてのことで未知の経験をしていると思う。本当に残り10試合になって疲れって間違いなくあると思うし、自分の思うようにパフォーマンスできない疲れがあると思う。これも初めての経験で、来年再来年の勝ち星につなげてもらいたい。そういう中でも、粘って投げてくれたと思います。-シーズン勝ち越しが決まった新井監督 私はそういう数字のことはまったく気にしていない。それも選手が頑張ってくれているから、そういう数字になってると思うし、今こういう位置にいると思う。選手が頑張ってくれているからです。-プレーボール前、メンバー交換時に笑い合っていた岡田監督とやりとりは新井監督 そりゃあ2人だけの秘密だよ。
◆阪神栄枝裕貴捕手(25)が「7番捕手」でプロ初スタメン出場し、4回に中前に今季初安打を運んだ。守っては若手の及川とプロ初登板のルーキー門別をリード。優勝を決めた14日には昼に2軍戦に出場しており「親子ゲームに出たので、いい緊張感で入れた」と納得顔だ。坂本の休養日で回ってきたチャンスでアピールした。
◆お疲れ黒星にも指揮官ニヤリ。阪神が18年ぶりの優勝から一夜明け、球団77年ぶりの12連勝を逃した。岡田彰布監督(65)や一部選手たちは前夜、深夜2時過ぎまでテレビ局巡り。この日は新幹線、ホテル入りで警備員に誘導される"特別待遇"を受けたが、2位広島に惜敗した。それでも主力選手の一部を休ませた「二日酔い打線」で11安打を記録し、9回には4番大山に盗塁させて広島の作戦もチェック。CSに向け、したたかに準備を進める。優勝の次は日本一やんか-。岡田監督は18年ぶりの歓喜から一夜明け、早速したたかに準備を始めた。1点を追う9回1死一、三塁。打者小野寺の2球目に一塁走者大山が二盗を試み、あっさり刺された。1点差での大胆な作戦には、実は理由があった。「あの場面でどこ投げるかな思たら、(捕手が)セカンド投げたなあ。これは大収穫やな」とニヤリ。「そらちょっと試してみたいこともあるしな。(CSで)当たるチームはな。一、三塁で初めて走ったからな」。前進気味の守備隊形でどう動くか。まだ1カ月以上先のCSファイナルステージでぶつかる可能性のある広島の作戦を試した。「(この日2打点の)小野寺にはちょっと悪かったけどな。延長になったら投手を使わなあかんかったからな。(9回で)勝ちか負けか勝負せないかんかった」。中継ぎ陣の見極めの意味もあったブルペンデーのこの日、ベンチに残った勝ちパターンの投手は使いたくない事情もあった。18年ぶりのリーグ優勝を果たした昨夜は日付が変わる頃にビールかけを終えた。監督、主力選手は午前2時30分ごろまでテレビ出演。この日は大阪府内のホテルからバスで新大阪へ移動した後、安全なども考慮され、警備員に誘導されながら新幹線に乗り込んだ。駅のホームが岡田一行に騒然とする中、午前11時ごろに乗車。広島駅に到着後、普段は改札を通ってホテルへ入るが、再び警備員に誘導されて人目につくことなく宿舎に着いた。優勝チームの特別待遇を受け、大きな混乱はなし。お疲れモードの中でも決して「捨て試合」にはしなかった。坂本、木浪、ノイジーを休ませ、近本も途中交代。7番捕手で栄枝をプロ初スタメン起用し、途中から長坂にもマスクをかぶらせた。そんな「二日酔い打線」でも11安打で広島と競り合った。46年以来77年ぶりの12連勝とはならず、9月初黒星も指揮官の表情は明るい。レギュラーシーズンは残り14試合。「記録とかある選手には、どんどん狙ってええと言うたけどな。今の感じじゃ消化試合にはならんよ」。アレはリーグ優勝で終わり。85年以来2度目の日本一へ、準備を着々と整えていく。【石橋隆雄】
◆18年ぶりのリーグ優勝から一夜明けた阪神の連勝記録が「11」で止まった。9月初の黒星となった。「消化試合にはならんよ」と岡田彰布監督(65)はクライマックス・シリーズへ向け、着々と準備を進めた。試合後の一問一答は以下の通り。-優勝一夜明け、あまり寝てない選手もいると思うが打線が11安打5得点と活発だった「いやあ、別にそんなん関係ないやろう。まあ、いや、今日は中継ぎの見極めを。そういうゲームみたいなもんやったけど。うーん。まあ、これからな。クライマックス(CS)とか、うーん。そういうので。見極めていかなあかんからなあ」-そういう意味では中継ぎ陣が失点してしまった「浜地はあんまりよくないな、なんか肩の方もあんまりよくないみたいやなあ。抹消すると思うけど。やっぱりボールもいってないもんなあ」-2番手門別はプロ初登板「そうやん。いや、勝ち投手いったなあと思うたんよ。3イングな。(6回以降をリリーフ陣が)0点に抑えたらと思うとったんやけど。まあ、しゃあないわなあ」-門別は、なかなかいい投げっぷり「そうやなあ。最初ちょっとスリーワンから真っすぐをまともに打たれたり、もうちょっとなリードを考えたら、抑えとるよ。まともにいきすぎやなあ。全部変化球でええわけやからな、決まりごとやないんやから、1人のバッターに絶対に真っすぐを投げなあかんとか、そんなんないわけやから。ビックリしたわ。お前、(3回の)小園に真っすぐいくから。『おいっ』言うたよ。変化球を投げといたらな。そうやろ? こっちがビックリしたよ。真っすぐで」-坂本を休ませた「そんなんもう別に使う必要ないやろ。明日は(先発が)大竹やから使うけど」-野手の主力はゲームに出続けた「中野のな、ヒット(最多安打)とかあるからな。近本は一回休んでるし、もう別になあ。近本も『どっちでもいいですよ』って言うとったから(笑い)」-優勝翌日もいつも通り「いやいつも通りやったよなあ、こっちはピッチャーの使い方がなあ、全然違っただけであって、まあちょっとなあ、最後試してみたんやけどなあ。(相手捕手が)どこ投げるかな、一、三塁でな。初めてちょっとな、あの場面でな、どこ投げるかな思たらセカンド投げたなあ、これは大収穫やな。延長なったら(ベンチに残る勝ちパターンの)ピッチャー使わなあかんかったからな。勝ちか負けるかでどっちかで勝負せないかんかったな。(二盗成功させて)二、三塁でな」-そういうことも含めて今後の試合は「そらちょっと試してみることもあるしな。(CSで)当たるチームはな。一、三塁で初めて走ったからな」-大山、佐藤輝はこれからも使う「そらもうずっと出す」-島本を抹消した「ちょっと休ませるよ。10日ほど」-6番スタメン起用の小野寺が2適時打、2打点といいアピールを「そや。小野寺にはちょっと悪かったけどな、最後の。(9回)一、三塁やったら打っとるかもわからんけど、得意の一、二塁間に。まあ、ちょっとこっちもなあ。まあいろいろ事情があるから」-ミーティングで何か言ったか「いやいやもう、あれや。(この日も含めて優勝決定後に)まだ15試合あるからな。選手には記録とかある者はそれをどんどん狙ってええと言うたけどな」-単純な消化試合にはしない「そうそうそう。やっぱ、なんか目的というかな。でも今の感じなら消化試合にはならんよ。まあ今日はちょっとな、ピッチャーの方もな、(優勝が決まるか)どうなるか分からんかったから。予告先発やってるなら、(ブルペンデーの)そういう感じでいかな、しゃあないからな。予告先発と違ったら別に(優勝するかどうかで決められるけど)」
◆阪神・門別啓人投手(19)が15日、広島で1軍本隊に合流した。東海大札幌高からドラフト2位で入団。ルーキーイヤーの今季はウエスタンで11試合に登板し、2勝2敗。防御率3・12。岡田監督も「(フレッシュ)オールスターで言うとったからなあ、『見てますか』って」とかねてから注目していた若虎だ。この日の広島戦(マツダ)で2番手以降に登板し、1軍デビューを飾る見込み。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。14日に18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神は及川雅貴投手(22)が1軍初先発する。今季は中継ぎとして26試合に登板し、防御率2・51。また2番手以降で高卒ルーキー左腕の門別啓人投手(19)が登板する見込みだ。打線は5番までは変わらず。6番に小野寺、「7番」に栄枝裕貴捕手(25)、8番に小幡が入った。
◆阪神が一回に集中打で先制。佐藤輝明内野手(24)が右前適時打を放った。1死から中野が左前に運ぶと、2死から大山が中前にポトリと落とすヒットで一、三塁。佐藤輝が床田のスライダーに泳ぎながらもバットを振り抜き、右前打を放った。なおも2死一、二塁の好機で、6日の中日戦(バンテリンドーム)以来のスタメンとなった小野寺が右前適時打。3連打を含む4安打で一気に2点を先行した。14日には18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げ、佐藤輝ら主力メンバーは深夜遅くまでテレビ出演をこなした。そんな疲れも見せず、〝アレ〟の勢いそのままに阪神打線が活発に動いた。
◆広島・森下暢仁投手(26)が試合前練習に参加し、先発する16日の23回戦に向けてキャッチボールなどで調整した。今季阪神戦4試合で0勝3敗、防御率2・88の右腕は「(今季阪神に対して)一度も勝っていないんで勝てるようにしたい」と気合十分。前回登板の9日の阪神戦(甲子園)は5回8安打5失点(自責4)で4敗目。ここまで8勝(4敗)を挙げており「チャンスがあるんで頑張りたい」と自身3度目の2桁勝利に意欲を示した。
◆阪神が一回に集中打で先制。佐藤輝明内野手(24)が右前適時打を放った。1死から中野が左前に運ぶと、2死から大山が中前にポトリと落とすヒットで一、三塁。佐藤輝が床田のスライダーに泳ぎながらもバットを振り抜き、右前打を放った。なおも2死一、二塁の好機で、6日の中日戦(バンテリンドーム)以来のスタメンとなった小野寺が右前適時打。3連打を含む4安打で一気に2点を先行した。14日には18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げ、佐藤輝ら主力メンバーは深夜遅くまでテレビ出演をこなした。そんな疲れも見せず、〝アレ〟の勢いそのままに阪神打線が活発に動いた。佐藤輝は「打ったのはスライダー。チャンスだったのでランナーを還したっかったです。追い込まれてしまったあとしっかり対応することができてよかったです」とコメント。小野寺は「打ったのはパーム。久しぶりのスタメンで自分にとってはアピールのチャンスなのでテルに続きたかったです。追加点を取ることができてよかったです」と話した。
◆14日に18年ぶりのリーグ優勝を決めた阪神が一回に佐藤輝明内野手(24)の適時打などで2点を先制した。佐藤輝ら主力メンバーは祝勝会を経て、深夜遅くまでテレビ出演をこなし、この日は広島への移動ゲーム。SNSの虎党もこの日ばかりはナインは二日酔いと思っていたようで「優勝特番に深夜3時まで出演して、次の日に先制してるのすごすぎる」「二日酔いなのに阪神強い」と驚きの声が上がった。
◆阪神のドラフト2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=が2-0の三回から登板。1軍デビューした。先頭のマクブルームには4球連続ボールで四球。続く田村に中前打を浴びると、床田は犠打で1死二、三塁のピンチを背負った。打席には1番・野間。147キロ直球を左中間にはじき返され、同点とされた。代走の大盛に三盗を許し、1死三塁と再びピンチを背負った左腕だが、羽月は125キロスライダーで空振り三振。しかし、小園にこの日最速の150キロ直球を左前にはじき返された。堂林は二ゴロに仕留めた。この回3安打を許して3失点を喫した。
◆阪神が逆転した。2-3の五回1死一、二塁で大山が左前適時打を放って同点に追いつくと、なおも1死一、二塁の好機で佐藤輝が床田の143キロ直球を捉えた。一、二塁間を鋭く破るタイムリー。佐藤輝は一回にも先制の右前適時打を放つなど、2安打2打点と躍動。クライマックス・シリーズで対戦する可能性もある床田に苦手意識を植え付けた。
◆阪神D2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=がプロ初登板し、3回6安打3失点と力投した。2―0の三回に登板すると、四球と安打などで1死二、三塁のピンチを招き、野間に2点二塁打で同点とされた。直後にも小園に勝ち越し打を浴びた。それでも2イニング目以降は持ち直し、走者を背負いながらも無失点でしのいだ。打線は五回に4連打と奮起し、再逆転に成功。門別の打席で代打が送られて交代となり、初登板初勝利の権利を保持してマウンドを降りた。しかし、六回に登板した浜地が同点打を浴びて、試合は振り出しに戻った。門別は東海大札幌高からドラフト2位で入団。1年目の今季、ウエスタンでは11試合に登板し、2勝2敗、2セーブ、防御率3・12と経験を積み、この日が1軍デビューだった。
◆20年ぶりのダブルパレードへ-。14日に18年ぶり6度目のリーグ優勝を果たした阪神は15日、新大阪駅から移動。広島戦(マツダ)に臨んだ。大阪府の吉村洋文知事(48)、兵庫県の斎藤元彦知事(45)はそれぞれ取材に応じ、11月に大阪市と神戸市で優勝パレードを行いたいことを明言。御堂筋&神戸で実現すれば2003年以来。球団史上最速で〝アレ〟を達成した虎フィーバーはまだまだ続く!18年ぶりのセ・リーグ制覇から一夜明け、岡田監督を先頭にV戦士が新大阪に到着した。電光掲示板には「大阪に元気と活気をありがとう! JR東海 新大阪駅駅員一同」と粋なメッセージが流れ、祝福ムードがあふれた。JR関係者に導かれながら、ホームへ。広島行きの新幹線に乗り込んだ。「9・14」の熱狂が冷めない中、岡田阪神のVパレード開催へ、着々と計画は進んでいた。大阪府の吉村知事は定例の記者会見で開口一番、優勝を喜んだ。「本当におめでたい。優勝パレードは、ファンの皆さん、大阪のみなさんと一緒にお祝いできれば。その準備に取りかかります」と明言した。11月にも大阪市内でパレードを実施し、メインストリートの御堂筋での開催案が浮上している。2003年、05年の御堂筋パレードは大阪市役所―長堀通新橋交差点のコースで行われた。全国から駆けつけた虎党の歓声を浴びながらチームが祝福された光景が再現となる。もちろん、阪神のホームである兵庫県の斎藤知事も、同日の記者会見で「待ちに待ったアレの実現をうれしく思う。優勝パレードは神戸市で開催したい。阪神は兵庫の球団」と意向を示した。兵庫県でのパレードは大丸神戸店―東遊園地のコースで行われた03年以来となる。阪神・百北球団社長はマツダスタジアムで報道陣に対応。「我々は兵庫県の地域の球団ですので。お声掛けいただくということになると、本当にありがたい話でございます」と頭を下げた。
◆阪神は4―4の七回、小野寺暖外野手(25)の適時打で勝ち越した。あと少しでスタンドインの大飛球をかっ飛ばした。2死一塁で矢崎の147キロ直球を捉え、打球は右翼フェンスまで一直線。大山が一塁から一気に生還して勝ち越した。6日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる先発で一回に続く適時打を放ち、リーグ制覇直後のチームでアピールした。
◆広島が競り勝った。4―5の七回に小園の適時打で同点。八回に代打松山の適時打で勝ち越した。3番手の島内が今季2勝目、栗林が15セーブ目。阪神は2番手以降がいずれも失点。連勝が11で止まった。
◆阪神はリーグ優勝直後の試合で広島に敗れ、1リーグ時代の1946年以来、77年ぶりの12連勝を逃した。 打線は14日夜の疲れを感じさせなかった。一回に佐藤輝明内野手(24)、小野寺暖外野手(25)の適時打で2点を先制。佐藤輝は五回、小野寺は七回に2本目の適時打を放ち、効果的に得点を重ねた。 順番通りなら先発だった村上の登板日を変え、この日は中継ぎの及川が先発。2回無失点で投げ切ると、三回からはドラフト2位ルーキーの門別啓人投手(19)が1軍初登板を果たした。三回は野間、小園に適時打を浴び3失点。四回、五回は無失点で3回3失点ピッチングとなった。六回以降後を受けた浜地、加治屋も失点し、2度のリードを吐き出して逆転された。
◆阪神が9月初黒星。1946年の14連勝以来、2リーグ制では球団初の12連勝を逃した。八回、加治屋蓮投手(31)が決勝点を献上した。D2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=が2番手で3回3失点ながら初登板勝利の権利を得て降板後、浜地真澄投手(25)が同点を許した。佐藤輝明内野手(24)が2本の適時打で2年連続の80打点に到達し、昨季の自己最多の「84」の更新が視界に入った。24試合連続スタメンの坂本誠志郎捕手(29)が外れ、栄枝裕貴捕手(25)が初先発。六回からは長坂拳弥捕手(29)が守備に就いた。「6番・左翼」の小野寺暖外野手(25)は2安打2打点。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=80勝45敗4分、観衆=3万1203人)。ーーあまり寝てない選手もいると思うが打線が活発だった「別にそんなん関係ないやろう。今日は中継ぎの見極め。そういうゲームみたいなもんやったけど。これからクライマックスとか。見極めて行かなアカンからな」ーーそういう意味では失点してしまった「浜地はあんまりよくないな、肩の方もあんまりよくないみたいやなあ。抹消すると思うけど。ボールも行ってないもんなあ」ーー門別は初登板「そうやん。勝ち投手行ったなと思うたんよ。3イングな。0点に抑えたらと思うとったんやけど。まあしゃあないわな」ーーいい投げっぷり「そうやなあ。最初ちょっとスリーワンから真っすぐをまともに打たれたり、リードを考えたら、抑えとるよ。まともに行き過ぎやなあ。全部変化球でエエわけやからな。決まり事やないんやから。1人のバッターに絶対に真っすぐを投げなアカンとか、そんなんないわけやから。ビックリしたわ。お前。小園に真っすぐ行くから。変化球を投げといたらな。そうやろ? こっちがビックリしたよ。真っすぐで」ーー坂本を休ませた「別に使う必要ないやろ。明日は大竹やから使うけど」ーー野手の主力はゲームに出た「中野のな、ヒットとかあるからな、近本は一回休んでるし、もう別になあ。近本もどっちでもいいですよって言うとったから(笑)」ーー優勝翌日もいつも通り「いつも通りやったよな。こっちはピッチャーの使い方が全然違っただけであって、まあちょっとなあ、最後試してみたんやけどなあ。どこ投げるかな、一、三塁でな(1点を追う九回1死一、三塁、小野寺の打席で大山が二盗失敗)。初めて、あの場面でな。どこ投げるかな思たらセカンド投げたな、これは大収穫やな」ーーそういうことも含めて今後の試合は「ちょっと試してみることもあるしな。(CSで)当たるチームはな。一、三塁で初めて走ったからな」ーー大山、佐藤輝は使う「そらもうずっと出す」ーー島本を抹消した「ちょっと休ませるよ。10日ほど」ーー小野寺がいいアピールを「小野寺にはちょっと悪かったけどな、最後の。一、三塁やったら打っとるかもわからんけど、得意の一、二塁間に。ちょっとこっちもな、事情があるから」ーーミーティングで何か言ったか「もう、アレや。まだ15試合あるからな。選手には記録とかある者はそれをどんどん狙ってエエと言うたけどな」ーー単純な消化試合にはしない「そうそうそう。何か目的というかな。でも今の感じなら消化試合にはならんよ」
◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は1軍初登板で3回3失点の投球を見せた阪神のD2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=に言及した。門別は早く1軍に出てこないかなと思っていた投手。優勝が決まったからとはいえチャンスをもらえるのは、首脳陣が期待してくれている証拠だ。印象的だったのは四回に右足に打球が直撃した場面。スタッフがマウンドに駆け寄ってきたが、〝いけます!!〟という表情を見せていた。プロは根性がないとやっていけない世界。ハートの強さがしっかりとある投手だ。投球面では真っすぐはそんなに切れがあったわけではないが、140キロ中盤でも力があり、ボールもしっかりと指にかかっていた。効いたのはそこで投げる緩いカーブ。打者のタイミングを外し、非常に邪魔な球種となっていた。最初の三回こそ3点を失ったが、プロ初登板という緊張感があるなかでこれだけ投げられれば十分だ。素材のよさは誰もが認めるところで、技術に磨きをかければ来年の飛躍も大いに期待できる。権利のあった白星は逃したが、いい経験をさせてもらったと胸を張って、次は自分の力でつかみ取ってほしい。
◆広島の島内が最優秀中継ぎ投手のタイトルへ前進した。八回に登板し、無失点。直後の勝ち越し点への流れをつくって今季2勝目を手にした。「僕は勝ち運がないのでうれしい」と喜んだ。38ホールドポイントでリーグトップ。「チームが2位になって、なおかつ僕がタイトルを取れればそれが一番」と意欲を示した。
◆広島の野間が左太もも裏を痛めて途中交代した。三回に2点二塁打を放った後に代走を送られた。新井監督は「ちょっとぴりっときた。まだ(試合は)あるから、こちらから止めた」と話した。
◆広島が競り勝ち2連勝した。3度のビハインドを追いつき、5─5の八回に代打・松山の適時打で勝ち越し。3位・DeNAとのゲーム差は3のまま。試合後の新井貴浩監督(46)の主な一問一答は次の通り──終盤に逆転勝利「チームは成長しますし、若い選手はいい経験になる。相手はチャンピオンチームですから」──八回は代走と代打で勝負を仕掛けた「もちろん、スタメンもそうなんですけど、後から入っていく選手がしっかり自分の役割をこなしてくれる。こちらもありがたいです」──松山が決めた。阪神戦の相性が良い「松山さんはいつも頼もしいですよ。僅差の展開で、終盤に松山さんがいるってもし逆だったら自分でも嫌」──小園が3安打2打点、田村がプロ初のマルチ安打。ともに素晴らしい活躍をした「小園はずっと頑張っていますし、結果を出している。田村もいろいろが初めての経験だと思う。左ピッチャーを苦にしていないんで楽しみです」──床田は6回9安打4失点。立ち上がりが課題「立ち上がりっていうより、彼は1年間ローテを守るのが初めてのことなので未知の経験をしていると思う。本当に残り10試合になってきて疲れって間違いなくあると思う。これを来年、再来年の勝ち星につなげてもらいたい。そういうなかでも粘って投げてくれたと思います」──三回の攻撃で途中交代した野間が心配「(左太もも裏が)ピリッときた。彼は『大丈夫』しか言わない男。こちらから『やめとけ、まだあるんだから』と止めました」──阪神が優勝。監督や選手に変化は「いや全然ない。今日の試合を見てもらってもそんなのみじんも感じないんじゃないですか。僕も何も変わらないですし自分たちのチームは振り返る暇はない。ガクッてきてたら、今日のこういう試合をものにできなかったと思いますよ」─シーズン勝ち越しが決定「わたしはそういう数字のことはまったく気にしていない。選手が頑張ってくれているから、今そういう数字になってると思うし、今こういう位置にいると思う」──阪神・岡田監督とやり取りは「そりゃ2人だけの秘密だよ(笑い)」
◆ブルペンデーでプロ初先発した高卒4年目の及川は2回を無得点に抑えた。「比較的いい感覚で投げられた」。ともに先頭打者に安打を許したが、それぞれ併殺を奪って好機を作らせなかった。ポストシーズンに向けて「いい場面で投げたい。アピールするしかないと思うので継続していきたい」と意気込んだ。
◆浜地は2回2失点でリードを守れなかった。4―3の六回に登板も、マクブルームに同点打を許すと、勝ち越した直後の七回にも小園にタイムリーを浴びて、追いつかれた。今月1日に再昇格したばかりの右腕について岡田監督は「あんまりよくないな。なんか肩もあんまりよくないみたいやな。抹消すると思う」と2軍降格を明言した。
◆初舞台をかみしめた。阪神D2位・門別啓人投手(19)が1軍デビュー。3回3失点の投球にも手応えを口にした。「真っすぐがいいところに決まれば全然、詰まったりファウルを取れたりした」マウンドに上がった三回は制球が定まらず走者を許した。2本の適時打を浴びて3失点。「先輩方がすごく声をかけてくれて、緊張もほぐれた」北海道から駆けつけた父・竜也さんは「結果はどうでもいい。投げるのを見られるだけで」と目を細める。五回に打線が逆転。白星なら球団では2リーグ分立後初の高卒新人初登板初勝利だったが、幻となった。「思っていたよりも早く1軍の舞台で投げられたので。すごくいい経験になった」肌で感じた貴重な感覚を持ち帰り、レベルアップにつなげる。(邨田直人)
◆中野が2試合連続の複数安打。「あまり満足のいくヒットは出ていない。打つべき球をしっかりと打てるようになっていければ」。一回の左前打、五回の内野安打はともに得点につながった。今季150安打とし、トップの牧(DeNA)に2差。「初球からいくべきところはしっかりといきながら、なんとか安打を多く打てるように頑張っていきたい」とタイトル奪取へ気合を入れた。
◆18年ぶり6度目のセ・リーグ優勝から一夜明けた阪神は広島に5-6で敗れた。連勝は11で止まったが、佐藤輝明内野手(24)は5番でフル出場。2本の適時打を放ち、2年連続でシーズン80打点に到達した。疲れていても、バットの勢いは止まらない。優勝の余韻に浸りながら乗り込んだマツダスタジアム。試合開始とともに、佐藤輝の目が光った。「これからもやることをしっかりやって打てればいいかなと思います」一回2死一、三塁の好機。防御率のタイトル争いを繰り広げる床田の137キロスライダーにバットを合わせた。白球はあっという間に右前へ。先制の適時打に塁上でうなずいた。さらに、逆転されても追いついた直後の五回1死一、二塁。今度は143キロ直球をはじき返して、一時勝ち越しの右前適時打。3試合連続の打点で2年連続のシーズン80打点に到達した。「改めて実感...。優勝しました!」14日は優勝の美酒に酔った。待ち望んだビールかけを堪能し、息つく間もなくテレビ出演。日付をまたいで深夜になってもファンへ喜びの声を届けた。ベッドに入ったのは午前4時。この日の午前中には新幹線で広島に移動した。「(疲れは)ご想像にお任せします。(眠気は)それもご想像にお任せします」
◆当番デスクだった阿部祐亮は、出社時にいつも大阪・福島区の阪神電鉄本社前を通りかかる。球団の18年ぶりの歓喜から一夜明け、さて本社はどんなようすなのかと興味本位でチラッと1階ロビーをのぞき込んだ。「いや~、びっくりしましたよ! なんと岡田監督のパネルが設置されていて、その周りにはお祝いの胡蝶蘭がズラッと並んでいました!!」ちなみに阿部は大盛況の阪神百貨店梅田本店にもちょっぴり寄り道したらしい。朝も昼も、夕方になってもテレビの情報番組は阪神一色。街を歩けば優勝セール。スゴいことが起きたのだと、時間が経ってもまだまだ感じさせられる。「本社に出入りする阪神電鉄の社員の方々も皆さんニコニコで、心なしか胸を張って堂々とされているような気がしましたヨ」そんなことを言いながら上機嫌で出社した阿部らに、来客があった。2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が、この日から始まった一般参加催事の募集をPRするため編集局を訪れたのだ。赤と青で、目玉のようなモノがたくさんついている不思議な生き物だが、近くで見ると思っていたより愛らしい。阿部ら編集局員はこぞって握手を求めたり、前夜の阪神優勝の特別号外を手に一緒に写真におさまったりして大盛り上がりとなった。一つの「アレ」は最高の形で過ぎてしまったけど、大阪には2年後にも「アレ(=万博)」がある。ミャクミャクさんにはぜひ、岡田監督のように関西中を巻き込んでアレまで突っ走っていってほしい。
◆ウヒョ~! 前夜18年ぶりのアレ(優勝)を決めてビールかけでヘロヘロヘロ~。ある意味、消化試合なのに「この日をアレと期待してプラチナチケットを入手してくれたスタンドの虎党に楽しんでもらおうやないかー!!」と、二転、三転の好ゲームをお見せした阪神タイガースは千両役者やの~!!1点ビハインドの九回1死一、三塁、本日2安打2打点と当たっている小野寺の打席で2盗を企ててアウトになった大山は、さすがチームのことを考える虎の中心選手! 「ヤベ~小野寺打ちそうだぞ...。同点で延長に入って終わってみれば十二回までとか...イヤだ~! まだ昨夜のビールの臭いがプンプンしてるのに...もうこれ以上はムリ~!! ならば!!」という気遣いだった? 連勝止まったけど許せちゃ~う!!(あくまでこれは俺の妄想ですよ~)祝杯が残る試合で、プロ初スタメンマスクの栄枝やプロ初登板のD2位ルーキーの門別のほろ苦デビューさえ、未来の希望に見えた。2人ともガンバレー!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
80 | 45 | 4 | 0.640 (↓0.005) | 優勝 (-) |
14 | 509 (+5) | 380 (+6) | 71 (-) | 69 (-) |
0.248 (↑0.001) | 2.640 (↓0.03) |
2 (-) |
広島 |
70 | 59 | 4 | 0.543 (↑0.004) | 12 (↑1) |
10 | 461 (+6) | 471 (+5) | 90 (-) | 72 (+1) |
0.247 (↑0.001) | 3.190 (↓0.01) |
3 (-) |
DeNA |
66 | 61 | 3 | 0.520 (↑0.004) | 15 (↑1) |
13 | 489 (+3) | 460 (+1) | 102 (+2) | 27 (-) |
0.248 (-) | 3.250 (↑0.02) |
4 (-) |
巨人 |
64 | 64 | 2 | 0.500 (↑0.004) | 17.5 (↑1) |
13 | 493 (+7) | 482 (-) | 156 (+4) | 44 (-) |
0.255 (-) | 3.540 (↑0.03) |
5 (-) |
ヤクルト |
52 | 76 | 3 | 0.406 (↓0.003) | 29.5 (-) |
12 | 485 (+1) | 519 (+3) | 110 (-) | 59 (+1) |
0.239 (↓0.001) | 3.670 (↑0.01) |
6 (-) |
中日 |
48 | 77 | 4 | 0.384 (↓0.003) | 32 (-) |
14 | 347 (-) | 457 (+7) | 62 (-) | 32 (-) |
0.237 (↓0.001) | 3.180 (↓0.03) |
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