阪神(☆4対0★)巨人 =リーグ戦22回戦(2023.09.13)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(8勝4敗0S)
敗戦投手:横川 凱(4勝8敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(19号・3回裏満塁)

  DAZN
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◆阪神が破竹の10連勝。阪神は3回裏、佐藤輝のグランドスラムで先制する。投げては、先発・青柳が6回無失点の好投。その後はブルワー、桐敷、石井の継投で完封リレーを展開し、青柳は今季8勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が6安打無得点とつながりを欠いた。

◆阪神先発の青柳晃洋は巨人戦で通算8勝9敗。20年まで2勝8敗と苦手にしていたが、21年からは6勝1敗と成績を逆転させ、同年5月14日から現在6連勝中。阪神の投手が巨人戦で7連勝すれば、09~11年に8連勝の能見以来で、右投手では79年に8連勝した小林以来だが、連勝を伸ばせるか。

◆阪神近本光司外野手(28)が、初回に巨人横川から中前打を放った。入団5年目までの安打数を762本とし、歴代2位の長嶋茂雄にあと1本に迫った。歴代1位の巨人長野久義にも、あと5本に迫った。

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が死球を受け、甲子園は騒然とした。2回1死三塁。巨人横川の変化球が左足に当たった。トレーナーがベンチから駆けだしたが、坂本はすぐに一塁へ向かい、大事には至らなかったもよう。チームは梅野隆太郎捕手(32)を死球による骨折で欠く状況。ベンチには長坂、栄枝の両捕手が控えているが、坂本が仮に離脱となれば一大事だ。そんな事情もあってか、甲子園は死球にざわついた。

◆阪神がミラクルな併殺を決めた。両軍無得点の2回1死一、二塁。巨人岡田の強烈なライナーは青柳晃洋投手(29)のグラブに当たった。そのままノーバウンドで二塁中野拓夢内野手(27)がキャッチ。二直と記録され、飛び出していた二塁走者は帰塁できずにダブルプレーに。青柳が立ち上がりにラッキーな形でピンチを脱出した。

◆阪神近本光司外野手(28)が、ミスターに並んだ。初回に巨人横川から中前打。3回にも中前打を放った。入団5年目までの安打数を763本とし、歴代2位の長嶋茂雄に並んだ。歴代1位の巨人長野久義にも、あと4本に迫った。

◆/最高の場面で 今度はフェンスを越えた\これが佐藤輝明のパワー??AREに近づく先制の満塁ホームラン???プロ野球(2023/9/13)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/DlyY4EravQ

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、今季2本目となる満塁本塁打をたたき込んだ。3回1死満塁、巨人松井から中堅右に19号アーチで先制に成功した。入団から3年連続となる20発に王手をかけた。大砲の一撃に甲子園はしばらくどよめきが収まらなかった。最短14日の「アレ」へ、最高の先制パンチを食らわせた。

◆阪神-巨人戦が行われる甲子園では3回裏終了時点で、他球団速報がビジョンに映し出された。神宮で行われているヤクルト広島戦は、3-1でヤクルトがリード。優勝マジックの対象になる2位広島がビハインドの展開に、甲子園の虎党は歓喜の声を上げた。阪神は3回に佐藤輝明内野手(24)が満塁弾を放ち、4点先取。阪神勝利、広島敗戦で優勝マジックが「1」となり最短14日の「アレ(=優勝)」にグッと近づくことになる。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、3回に19号満塁弾を放ち、先制に成功した。大砲の強烈な一撃で大量4点を先取し、虎党も大喜びだ。X(=旧Twitter)では「もう今日アレでええやん」「今日はもうアレよ」と、最短14日の「アレ(=優勝)」を前に、興奮が収まらない様子のファンの声もあった。

◆阪神の佐藤輝明内野手(24)が、5月14日のDeNA戦に続き今季2本目の満塁本塁打を放った。佐藤輝のシーズン2満塁本塁打はプロ初。阪神の選手では、大山悠輔の20年2本以来。甲子園で満塁本塁打を年間2本は、13年新井良太2本以来。左打者に限ると、81年藤田平の2本以来、42年ぶりとなった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、今季出場116試合目で初の猛打賞を決めた。2回に二塁打、3回に19号先制満塁弾、そして8回の第4打席で中前打を決めた。これで9月は打率3割4分3厘。アレ目前、大砲が大暴れした。

◆ついにアレ王手だ!! 阪神が宿敵巨人を破り、今季最長タイで球団初となるシーズン2度目の10連勝を飾った。4カード連続の勝ち越しで貯金は今季最大35とし、広島がヤクルトに敗れ、優勝マジックは1。14日巨人戦での球団史上最速Vが現実味を帯びてきた。主砲の打棒が火を噴いた。3回1死満塁から5番佐藤輝明内野手(24)が、巨人2番手松井の甘い変化球を捉え、右中間スタンドへ先制の19号満塁弾。今季2本目、自身3本目のグランドスラムで勝機をグイッと引き寄せた。球団の左打者が甲子園で満塁本塁打をシーズン2本以上を放つのは、81年藤田平の2本以来、42年ぶりの快挙だ。エース青柳晃洋投手(29)も先発としての役割を全うした。6回を投げ4安打に封じ、今季初の無失点投球。自身5連勝で8勝目をもぎ取った。先発投手に全て白星がついて10連勝は阪神では11連勝した63年以来60年ぶり。投打がかみ合い、ついに18年ぶりの「アレ」が目前に迫った。阪神が10連勝でマジックを1とした。阪神の2桁連勝は今年の8月3~13日の10連勝に次いで12度目。シーズン2度の2桁連勝は球団史上初めてで、76年の巨人と阪急以来14度目のプロ野球タイ記録。この日も先発の青柳が白星を挙げ、10試合以上続けて先発勝利は05年4月19~5月4日ロッテの12試合以来で、阪神では63年9月29日~10月10日の11試合以来、60年ぶり。今日の巨人戦も勝てば、13連勝で決めた58年西鉄以来2度目の2桁連勝Vで、2リーグ制後では90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に次いで3番目に早いV決定日となる。

◆巨人が2戦連続、今季12度目となる0封負けで勝率5割に逆戻りとなった。これで10日中日戦の6回から21イニング連続無得点となった。またも阪神投手陣の前に打線が沈黙した。青柳に6回4安打無失点に封じられ、ブルワー、桐敷、石井とつながれた。1回は先頭門脇が出塁も、5月5日中日戦以来の2番に据えた秋広が遊ゴロ併殺。2回は1死一、二塁から岡田の強烈なライナーが先発青柳にグラブに当たり、二塁・中野のグラブにノーバウンドで収まった。運にも見放され、飛び出していた二走・坂本もアウトとなった。二塁も踏めなかった前夜に続き、今夜もホームが遠かった。投げては先発横川がリズムに乗りきれず。2回0/3を4安打2四死球。3回無死満塁とし、降板となった。代わった松井が1死を奪った後、佐藤輝にグランドスラムを浴びた。以降は無失点で耐えたが、この4点が最後まで重すぎた。前夜に3年連続のV逸が決定し、迎えた一戦だった。優勝目前に迫る阪神の勢いに屈し、今季の伝統の一戦の成績は5勝16敗1分けとなった。

◆/ついにAREが目前に\タイガースが10連勝??まずはマジックを自力で2に明日にも甲子園で決めるか???プロ野球(2023/9/13)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/ufogevca17

◆首位独走の阪神が巨人に連勝し、2位広島が敗れたため、優勝へのマジックナンバーは1となった。9月に入って負けなしの10連勝で貯金は35、2位とは13ゲーム差となった。王手をかけた阪神は最短で14日に18年ぶりの優勝が決まる。前回優勝した05年も甲子園での巨人戦で王手をかけ、藤川球児が"前夜祭"で「涙の準備はできています。みなさんよろしいでしょうか」とファンに呼びかけた。阪神は翌日に優勝を決めた。前回の「優勝王手」05年9月28日巨人戦(甲子園)7-5初回に巨人・高橋尚成の出はなをくじき、赤星憲広、鳥谷敬、シーツ、金本知憲、今岡真の5連打などで打者11人で6点を先制。巨人の追い上げを2点差で振り切り、中日が敗れたため「M1」となった。ヒーローインタビューで「今の状態を好きな将棋にたとえると?」と聞かれた今岡は「王手!」と名回答。「最高の気持ちで今、野球をやってます。優勝は甲子園で勝って決めます」とファンに予告した。「JFK」の藤川は8回に登板し、これが当時のプロ野球シーズン最多登板記録並ぶ78試合目。打者3人で片付け、抑えの久保田につないだ。こちらはお立ち台で「涙の準備はできています。みなさんよろしいでしょうか」と呼びかけた。試合後、岡田監督は「途中経過を気にしとったけど、やっと中日も負けたな」と笑わせ、「これで相手関係なしにいける。勝てばエエんや。みんなそういう気持ちでいてる。甲子園でできるのはラストチャンスかもしれんけど、今日みたいに自分たちの野球をしていい形で勝って終わりたいな」と語った。翌29日も巨人に勝ち、2年ぶり5度目のリーグ優勝。岡田監督が宙に舞った。2リーグ制後の阪神V王手62年 9月30日に首位阪神が国鉄とのダブルヘッダーに連勝、2位大洋が巨人とのダブルヘッダーに連敗。29日時点で残り試合(阪神3、大洋6)の関係から大洋がM6の状態だったが、逆転で阪神にM1。阪神は10月1、2日と試合がなく、最終戦の3日広島戦(甲子園)に勝ち優勝。64年 優勝を争っていた大洋がすでに全日程を終了。残り3試合の阪神は9月29日国鉄戦でバッキーが完投勝利を挙げ首位に立ち、優勝へあと1勝。翌30日の中日とのダブルヘッダー第1試合(甲子園)で12-3と勝ち優勝を決めた。85年 10月14日、2位広島との直接対決にバース、岡田の本塁打で7-3と逆転勝ち。マジックを3から1に減らし王手。15日は阪神、広島とも試合がなく、16日ヤクルト戦(神宮)で延長10回、5-5の引き分けで優勝した。03年 9月11日ヤクルト戦(神宮)に引き分けてM2。12日中日戦(ナゴヤドーム)は負けたが、翌13日にマジック対象チームのヤクルト、広島の試合があるため王手がかかった。15日のデーゲームで広島に勝ち、約2時間後にヤクルトが横浜に負け、星野監督が宙に舞った。

◆優勝前夜祭や! 阪神-巨人戦が行われる甲子園で試合終了後、多くのファンが「M1」に歓喜の声を上げた。神宮で行われているヤクルト広島戦が阪神戦終了後、5-1でヤクルトが勝利。優勝マジックの対象になる2位広島が敗戦し、マジックがついに「1」となった。結果を知った瞬間、右翼席へ残った多くの虎党が歓喜の声を上げた。その後、ナインの応援歌を歌うなど優勝「前夜祭」ばりの大盛り上がりだった。

◆阪神が完封リレーで、18年ぶりの「アレ」へ王手をかけた。お立ち台には6回無失点で8勝目を挙げた青柳晃洋投手(29)、3回に決勝19号満塁弾で勝負を決めた、佐藤輝明内野手(24)が選出された。この日広島がヤクルトに敗れ、マジックは1に減少。青柳は「来る時が来たと思っているので。最後ファンの方と一緒に笑えるように」。佐藤輝は「明日も絶対勝ちます!バモス!」と、甲子園での悲願達成を誓った。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。【青柳】-ナイスピッチング「ありがとうございます」-どんな気持ち「負けるわけにはいかなかった。ファンの声援を聞いて絶対に負けられないと思いました」-内容は「内容とかどうでもいいので、チームが勝った、それだけでいい」。-佐藤輝について「テル最高と思ってました」-うれし悔しから5連勝「純粋にチームが強いので、勝たせていただいてます」-先発で10連勝「そうですね。本当にピッチャーすごいので。僕も負けないように頑張ります」【佐藤輝】-この歓声「サイコーです!」-3回満塁。準備や気持ちは「いや、もう絶好のチャンスだったので。積極的に振っていこうと思って打席に入りました」-最初の二塁打は悔しそうだった。打ち直したようなホームラン。「そうですね。1打席目は風に負けたので。2打席目は負けないように頑張りました」-アレ間近。チームの雰囲気、ファンの歓声は「日に日にファンのみなさんの声援が大きくなるのを感じてプレーしています」-虎打線は「線になっていい攻撃ができていると思います」-いよいよ明日にも。アレに向けて一言青柳 そうですね、もう来る時が来たと思っているので。最後ファンの方と一緒に笑えるように頑張りたいと思います。佐藤輝 明日も絶対勝ちます!バモス!

◆巨人が2試合連続の完封負けに沈んだ。打線は散発6安打も三塁すら踏めなかった。本塁が遠い。一方で先発横川凱投手は3回無死満塁のピンチでKO。2番手松井颯投手が1死後、佐藤輝に浮いた変化球を右中間席に放り込まれた。痛恨のグランドスラムを浴びて、首位阪神に押し切られた。原辰徳監督は言った。優勝を目前にしたライバルにやりたいようにやられ「やっぱり今必要なのは負けん気だよね。負けん気。理屈じゃない部分のね」と気持ちの部分を指摘した。下を向いても始まらない。指揮官は「多少、催してはいますけど、なかなか好転してくれないというところですね」と絞り出した。欠乏しているあと1本が、きっかけの1点につながる。今季の甲子園は10戦目で8敗。大きく負け越しても意地だけは示したい。同一カード3連敗となれば最悪のシナリオが待つ。目の前でアレだけは避けたい。【為田聡史】▽巨人松井(3回1死満塁から阪神佐藤輝に満塁弾を浴びる)「ストレートを制球できなかった。自分のピッチングができなかったので、次はやり返したい」

◆最後を締めたのは阪神石井大智投手だった。9回に4番手で登板。1死から丸に中前打を打たれたが、岡本和を三ゴロ併殺に打ち取り、青柳、ブルワー、桐敷がつないだ無失点リレーを完結させた。7月13日DeNA戦の1失点を最後に15試合連続無失点を続ける右腕は「結果がゼロでよかったです。明日、甲子園で決められるようにみんなで戦っていきたいです」とアレの瞬間を待ちわびた。

◆阪神桐敷拓馬投手が1回を無失点で抑え、完封リレーに貢献した。4点リードの8回に3番手として登板。北村拓、長野と2者連続での代打攻勢を仕掛けられる中、1安打0封で流れを渡さなかった。「ヤギさん(青柳)とかもいい流れをつくっていた。そこの流れに乗っていけるように」。平常心で投げきり、8月30日DeNA戦(甲子園)から、6試合連続の無失点投球となった。

◆甲子園で決めるで! 阪神が球団初となる2度目の10連勝でマジックを「1」とし、18年ぶりの「アレ」に王手をかけた。3回に佐藤輝明内野手(24)がシーズン2本目となる先制の19号満塁本塁打を放ち、これが決勝打になった。14日の巨人戦に勝てば無条件で、アレが決定。岡田彰布監督(65)が本拠地で宙に舞う舞台が整った。阪神が10連勝でマジックを1とした。阪神の2桁連勝は今年の8月3~13日の10連勝に次いで12度目。シーズン2度の2桁連勝は球団史上初めてで、76年の巨人と阪急以来14度目のプロ野球タイ記録。この日も先発の青柳が白星を挙げ、10試合以上続けて先発勝利は05年4月19~5月4日ロッテの12試合以来で、阪神では63年9月29日~10月10日の11試合以来、60年ぶり。14日の巨人戦も勝てば、13連勝で決めた58年西鉄以来2度目の2桁連勝Vで、2リーグ制後では90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に次いで3番目に早いV決定日となる。

◆ミスターに並んだ! 阪神近本光司外野手(28)がマルチ安打を記録。入団5年目までの安打数を763本とし、歴代2位の巨人長嶋茂雄に並んだ。初回に先発横川から中前打を放つと、直後に盗塁にも成功。3回にも左腕から121キロカーブを中前打で出塁し、この時点でミスターに肩を並べた。「とても光栄なことだと思います。これからも精進して頑張っていきたいと思います」直後の1死満塁で佐藤輝が満塁弾を決め、先制。リードオフマンとして勝利の流れをつくった。5試合ぶりのマルチ安打も記録。本塁で佐藤輝を笑顔で迎え入れた近本は「しっかり点に絡んだ」と納得顔だ。「アレ」へのイメージもばっちりだ。ついに「マジック1」。背番号5は、甲子園に駆けつけた満員のファンの前で決めるという思いが強い。「明日決まればいいなと。(甲子園の)4万5000人の前でするほうが、18年ぶりなので。ビールかけの発声をどうしようか、試合中に考えていましたけど(笑い)」。歓喜のビールかけで、頭の中に浮かべた音頭をとるのも、もう目前だ。【三宅ひとみ】

◆ついにアレ王手だ! 阪神が宿敵巨人を破り、今季最長タイで球団初となるシーズン2度目の10連勝を飾った。4カード連続の勝ち越しで貯金は今季最大35とし、広島がヤクルトに敗れ、優勝マジックは1。14日巨人戦での球団史上最速Vが現実味を帯びてきた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-満塁ホームランが序盤に出て完封リレーをどう振り返るか「いや、ちょっとね、不安定な青柳、立ち上がるりだったんですけど、うまくゲッツーというか、ラッキーゲッツーもあったんですけど。まあねえ。早い回にね。まあ4点は大きいですよね」-佐藤輝が満塁ホームラン「いやいや、ピッチャーが右に変わったんでね。まあ、その前もいい感じでね、1打席目も振っていたんで、まあね。きょうの風をみるとホームランはないかな、まあヒットは出るかなあ、という感じはあったですけどね」-きょうの青柳は「うまくゲッツーを取って、ちょっとボール球も多かったですけどね。まあ自分でぶざまなピッチングはできないでしょうからね」-ちょっと早めの交代だった?「いやいや、昨日もリリーフ投げていないし、まあ2日空いていたんで。ちょうど打順的にも回ってきたんで代えましたけど、はい」-近本、中野が走り、ゲーム的にもいい流れで進んだのでは「うん、まあ久しぶりに早いカウントで走ることができたんで。あれも、まあ攻めてる感じというか、おーん。点は入らなかったですけど、流れ的にはすごくよかったですね」-ここにきて10連勝「いやいや、1試合1試合マジックが点灯してからはねえ。まあ相手もあるんですけど、目の前の試合のね、ひとつひとつの積み重ねが、こういう形になったと思いますけどね」-マジック1であすへ行ける可能性が出てきた。「相手を見るよりもね、それより自力でね、それの方がわかりやすいんで」-漢字2文字を使わずにアレと言い続けた。あすへ向けて。「もうおまえ、明日は誰だ。才木か。おーーん。まあ力み倒すだろうな。それはもうしょうがないし。まあ行けるところまで思い切り全力でいってほしいですね」-アレを期待しています。「ありがとうございます」

◆阪神コルテン・ブルワー投手が3者凡退で先発青柳からのバトンをつないだ。7回に登板。先頭の4番岡本和と5番坂本を2者連続三振、続く大城卓を一ゴロで無失点に抑えた。来日初登板の8月15日広島戦(マツダスタジアム)から、6試合連続無失点。「まだ優勝してないから緊張感はあるけど楽しめているよ」と頼もしさ全開だ。

◆阪神岡田監督が、満塁弾で勝利に導いた佐藤輝明内野手(24)を称賛した。中堅フェンス直撃の二塁打だった第1打席と合わせ「今日の1打席目もなあ、あれも風がなければ(スタンドに)行ってると思うけどな」。さらに「だから、姿がいいやんか。よくなってきたよな。ボールを見逃す姿っていうかな。それは打つ姿やなしにな、ボールを見送る姿も見極め方というかな、そういう姿がよくなってきてるということはね、ちゃんと間ができて、で、ストライクに対応するというかな、そういう形になってるんやろうな」と分析した。意外にも今季初猛打賞。指揮官も「えっ、初めて、今年!? あっ、そう! おーん。それで何か喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで(笑い)。あっ、そう初めてなんや! 猛打賞は。あっ、そう、ふーん」と驚き、「今日は別に、あと打つ必要なかったやん(笑い)。今日はあの満塁の1発でもう、それはもう仕事終わりでもよかったんやけどなあ」とニンマリだった。

◆ついにアレ王手だ! 阪神が宿敵巨人を破り、今季最長タイで球団初となるシーズン2度目の10連勝を飾った。4カード連続の勝ち越しで貯金は今季最大35とし、広島がヤクルトに敗れ、優勝マジックは1。14日巨人戦での球団史上最速Vが現実味を帯びてきた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。(囲み取材)-青柳「ブルペンでめちゃくちゃ緊張してるって言うて、安藤が。大丈夫か? って言うたんやけど」-1軍に上がってからはだいぶ「いやそれは、開幕終わって悪いときは2軍ね、あのときに比べたら全然いいと思うけど。本人はまだやっぱりな、ボール球とかカウントを悪くするとか、本人が納得してないんやろな。あれな、結局。ボールボールで2ボールっていう形になるからな」-才木はすごく重圧がかかりそう「でもお前、1試合ぐらい勝つやろ、10何試合やったら(笑い)」-連勝中は先発ピッチャー全員に白星「まあ、ましてやみんな、最少ねえ、最少点やからなあ、0、1やろ? ずっと、うーん、まあ、だから、そういうなあ、分かりやすい、そういうゲーム展開にできるからさ、はっきり言うて。だから打つ方もね、ホント1点ずつね、そういう、おーん、そういう戦い方になったらこっちのペースになると思うし、そういう流れ的にはすごくいいよなあ、やっぱりな。もうこらは先発ピッチャーの踏ん張りやで、でも」-監督が忙しい試合は少ない。「おう、全然今日なんか、まあ今日はちょっと仕事したけどな(笑い)」-佐藤輝は状態がいい「おーん、3本なんて久しぶりちゃうか?」-初めて「えっ、初めて、今年!? あっ、そう! おーん、それで何か喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで(笑い)。あっ、そう初めてなんや! 猛打賞は。あっ、そう、ふーん」-佐藤輝はずっと1本出て2本目、3本目が出ないと監督も指摘していたが「まあ、今日は別、あと打つ必要なかったやん(笑い)今日はあの満塁の1発でもう、それはもう仕事終わりでもよかったんやけどなあ」-結果だけでなく内容は「今日の1打席目もなあ、あれも風がなければ(スタンドに)行ってると思うけどな。だから、姿がいいやんか。よくなってきたよな。ボールを見逃す姿っていうかな。それは打つ姿やなしにな、ボールを見送る姿も見極め方というかな、そういう姿がよくなってきてるということはね、ちゃんと間ができて、で、ストライクに対応するというかな、そういう形になってるんやろうな」

◆ついにアレ王手だ! 阪神が宿敵巨人を破り、今季最長タイで球団初となるシーズン2度目の10連勝を飾った。4カード連続の勝ち越しで貯金は今季最大35とし、広島がヤクルトに敗れ、優勝マジックは1。14日巨人戦での球団史上最速Vが現実味を帯びてきた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-大山が打ってないが目立っていない「大山はな、波が大きいからな。今、打たんほうがええけど。関係ない時に打たん方がええ。大事な時にまた打つように、また調子上げていって」-序盤は足をつかった攻撃「いやいや、ほんと久しぶりやろ、早いカウントでな。初球とかでも、久しぶりちゃうか。近本にしてもなあ」-なかなかサイン出してもスタートを切れないケースもあったが「うん。まあ、そらけん制とかいろんなあれがあるけど。まあ、今日はもう出たら、最初から走るつもりやったからな」-巨人相手にこれだけ圧倒するシーズンもない「まあ、そうやなあ。まあ、あんまり向こうな、東京ドーム行っても、なんか涼しいしなあ(笑い)。こっちに比べて。なんか、ラクやわなあ。やっぱりな」-18年前と同じ甲子園の巨人戦で決められる「ああ、まあ、もうこれでな、広島はわからんけど、ほとんど相手みんとな、自分らでいけるから、おーん」-明日はドキドキする「俺なにも、俺、ベンチ座ってるだけやんか、別に」-甲子園で、というのは大きい「いやあ、そら広島(での胴上げ)はイヤやし。広島はなんかなあ、スタンドのファンがな、何か物足りんていうか、少ないし、(ビジター席がグラウンドから)遠いからなあ」-明日は梅野も来るのか「来る来る。7、8人来ると思うよ」

◆阪神のオール先発星10連勝をリードで支える坂本誠志郎捕手が、投手陣の奮闘を喜んだ。「先発に勝ちがつくのが一番だと思いますし、先発も中継ぎも頑張っているし」。青柳については「4点取ってくれたので、そこからはなんとか追いつかれないというか、1人ずつ粘って投げてくれた」と粘投に目を細めた。14日の巨人戦に向け「終わったときに、ああ良かったなと思えるように。明日、勝つことしか考えていないので、勝ってからいろいろ考えたいなと思います」と語った。

◆阪神岡田彰布監督(65)が大山悠輔内野手の不調にも、余裕の表情を見せた。開幕から全試合で4番先発出場を続ける主砲だが、直近4試合は無安打。この日も4打席凡退に倒れた。「大山はな、波が大きいからな。今、打たん方がええけど。関係ない時に打たん方がええ。大事な時にまた打つように、また調子上げていって」「アレ」の先を見据えた復調を期待した。

◆左尺骨骨折で離脱中の阪神梅野隆太郎捕手が、14日の巨人戦(甲子園)でアレの瞬間を見届ける。岡田監督が「来る来る。(梅野だけでなく)7、8人来ると思うよ」と明かした。今季は72試合に出場しながらも、8月13日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)で死球を受け骨折。前日12日からギプスを外し着脱式の装具に切り替えるなど、順調なリハビリを続けてきた。この日は兵庫・西宮市の鳴尾浜で軽めのダッシュなどを行った。

◆阪神中野拓夢内野手が「珍併殺プレー」でピンチを救った。2回1死一、二塁。巨人岡田の強烈なライナーが青柳のグラブに当たったが、そのままノーバウンドで中野がキャッチ。二直と記録され、飛び出していた二塁走者は帰塁できずに併殺が成立した。「普通にカバーしたところに飛んだので、そこでしっかりアウトにできたことはよかったです。明日も勝つことだけを考えていきたい」と気を引き締めていた。

◆甲子園で決めるで!阪神が球団初となる2度目の10連勝でマジックを「1」とし、18年ぶりの「アレ」に王手をかけた。3回に佐藤輝明内野手(24)がシーズン2本目となる先制の19号満塁本塁打を放ち、これが決勝打になった。14日の巨人戦に勝てば無条件で、アレが決定。岡田彰布監督(65)が本拠地で宙に舞う舞台が整った。満塁本塁打の4点のみによる完封勝利は、阪神では70年7月29日ヤクルト戦以来、53年ぶり2度目。池田純一が松岡弘から放った満弾を、鈴木皖武から村山実へのリレーで守った。

◆エースが意地をみせた。阪神青柳晃洋投手(29)が6回を投げ今季初の無失点投球で、自身5連勝の8勝目をもぎ取った。巨人戦は「そんなに勝ってるんですか?」と本人も驚きの7連勝で、球団右腕では小林繁以来44年ぶりの快挙だ。Gキラーぶりを発揮し、優勝マジック1で「アレ」王手に導いた。「ファンの声援を聞いて、絶対に負けられないと思いました。内容とかどうでもいい。チームが勝てば何でもよかったです」ピンチでも動じなかった。中10日で迎えた伝統の一戦。キレのある直球とカットボールで押し込み、フライアウトを計9つ奪った。2回には1死一、二塁から岡田のライナーに左手を伸ばし、「ラッキー。飛んだところがよかった」と華麗な"グラブトス"で二塁手中野がノーバウンドで捕球し、二塁封殺。ミラクル併殺で流れを呼び込んだ。プレッシャーをはねのけた。前日12日までの9連勝はいずれも先発による白星で、「前日に(西勇が)完封勝利するし、監督に『一番心配なピッチャー』って言われるし、いろんな意味で味方からのプレッシャーがあったので、なんとか勝ててよかったです」とニンマリ。先発白星による10連勝は60年ぶりだ。今季は不振から2軍落ちを経験するなど、苦境からはい上がってきた右腕は「チームに貢献できている実感がある。何よりも今年苦しかったですけど、終盤でチームに貢献できているというのは一番よかった」と胸をなで下ろした。3年連続2桁勝利の可能性も出てきただけに「投げた試合は全部勝ちたい」と意欲十分。シーズン終盤戦で「強い大黒柱」が戻ってきた。【古財稜明】

◆甲子園で決めるで! 阪神が球団初となる2度目の10連勝でマジックを「1」とし、18年ぶりの「アレ」に王手をかけた。3回に佐藤輝明内野手(24)がシーズン2本目となる先制の19号満塁本塁打を放ち、これが決勝打になった。14日の巨人戦に勝てば無条件で、アレが決定。岡田彰布監督(65)が本拠地で宙に舞う舞台が整った。虎党の夢を乗せた白球が、右中間最前列に飛び込んだ。一塁ベースを蹴った佐藤輝は右手親指、ひとさし指、小指を立てる「アイラブユーポーズ」で喜びをかみしめた。フィリーズの大砲ハーパーらも行うパフォーマンス。メジャー好きの男は、ファンに愛を込めてダイヤモンドを1周した。「1打席目は風に負けたので、2打席目は負けないように。完璧な当たりだったと思います」18年ぶりの「アレ(=優勝)」を目前に引き寄せる一撃は、3回1死満塁。巨人松井から、今季2本目のグランドスラムとなる19号を決めた。2回は中堅フェンス直撃の二塁打も、今度はオーバーフェンス。先制&決勝の122メートル弾に大歓声が響く。「日に日にファンのみなさんの声援が大きくなる」と4万2621人を熱狂させた。オフの自主トレは兵庫・淡路島で行った。そこに、少年野球「甲東ブルーサンダース」、甲陵中時代のチームメートが打撃投手として来てくれた。「うれしいっすけど、コントロール悪いんで(笑い)」。照れ笑いで注文も忘れない。地元の仲間のボールを打ち込んで始まった23年。その勝負どころで西宮生まれ西宮育ちの「宮っ子」が、地元甲子園で暴れまくった。8回には中前打。今季出場116試合目で初猛打賞に「一番うれしい。(猛打賞ゼロは)めちゃくちゃ気にしてました」と笑顔。岡田監督も「初めて、今年!? それで喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで」とニヤリ。さらに「姿がいいやんか。ボールを見逃す姿っていうかな。ちゃんと間ができて、ストライクに対応する形になってる」と称賛した。今季はすでに自己最多52四球。好球必打が、9月打率3割4分3厘と好調の秘訣(ひけつ)だ。広島が敗れ優勝マジックは、ついに「1」。球団初となるシーズン2度目の10連勝で、18年ぶりの「アレ」へ王手をかけた。14日巨人戦、球団史上最速Vへ-。背番号8は「明日も勝ちます!」とお立ち台で宣言し「甲子園でなんとか決めたい」とも言った。勝てば「アレ」だ。分かりやすい。胴上げに、ビールかけ、聖地の虎党は18年分の歓喜を待っている。【中野椋】阪神が10連勝でマジックを1とした。阪神の2桁連勝は今年の8月3~13日の10連勝に次いで12度目。シーズン2度の2桁連勝は球団史上初めてで、76年の巨人と阪急以来14度目のプロ野球タイ記録。この日も先発の青柳が白星を挙げ、10試合以上続けて先発勝利は05年4月19~5月4日ロッテの12試合以来で、阪神では63年9月29日~10月10日の11試合以来、60年ぶり。14日の巨人戦も勝てば、13連勝で決めた58年西鉄以来2度目の2桁連勝Vで、2リーグ制後では90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に次いで3番目に早いV決定日となる。佐藤輝のシーズン2満塁本塁打はプロ初。阪神の選手では、大山の20年2本以来。甲子園で満塁本塁打を年間2本は、13年新井良太2本以来。左打者に限ると、81年藤田平の2本以来、42年ぶりとなった。満塁本塁打の4点のみによる完封勝利は、阪神では70年7月29日ヤクルト戦以来、53年ぶり2度目。池田純一が松岡弘から放った満弾を、鈴木皖武から村山実へのリレーで守った。

◆アレを決めるのに、最高の舞台が整った。宿敵巨人との伝統の一戦に、勝てば胴上げだ。他力は必要ない。岡田彰布監督(65)は「これでな、ほとんど相手見んとな、自分らでいけるから」と、自力優勝を宣言した。持ち越しとなれば15日からはマツダスタジアムでの広島2連戦となる。「いやあ、そら広島での(胴上げは)嫌やし。スタンドの(阪神)ファンがな、何か物足りんっていうか、少ないし(ビジター応援席がグラウンドから)遠いからなあ」と苦笑い。18年ぶりの胴上げはチケット完売、超満員の甲子園で決めたい気持ちを隠さなかった。11連勝でゴールを切れば、セ・リーグでは初の2桁連勝V達成となる。05年と同じく巨人を相手に本拠地で舞うつもりだ。前夜は1-0完封勝利で、指揮官が采配を振る場面はなかった。この日も巨人に快勝。「おう、今日はちょっと仕事したけどな(笑い)」。先発横川に対し早いカウントで3盗塁を決め、足で揺さぶった。昨季までのグリーンライト(選手が自分の判断で盗塁できる権利)を廃止した。指揮官が責任を持ってサインを出し、リーグ2位の69盗塁を決めている。今季2度目の10連勝はすべて先発に白星がついた。「やっぱり先発の踏ん張りやで」。連勝中は最大で3点しか奪われていない先発陣の安定ぶりで、少ない得点でも勝ち続けている要因だ。打線では大山はこの10連勝中の打率は1割2分1厘。ここ4試合、13打数無安打と音なしだが「大山はな、波が大きいから。大事な時にまた打つように、また調子を上げていって」と、不振が目立たないほどの強さだ。明日はドキドキするかとの問いに指揮官は「オレ、ベンチに座ってるだけやんか」と笑った。若いチームは2位に13ゲーム差をつけ独走するまでに成長した。セ界を席巻した岡田阪神が最高のフィナーレを迎える。【石橋隆雄】

◆マジック1で勝てば「アレ」の大一番を前に、阪神OB会長の川藤幸三氏(74)が球場のボルテージを高めた。試合前のイベント「出張川藤部屋」で、球場内に登場。熱気高まるファンに向け、「みんな!マジック1やぞ! 18年間待ったやろ。今日はな、しっかり遊んでくれよ。楽しめよ!わしも楽しむぞ!」と、球場を沸かせていた。

◆阪神才木浩人投手(24)がヒヤリの一打を浴びた。0-0の2回、坂本に投じた高めの150キロ直球が左翼へ高く上がった。球場は左翼方向への浜風も吹いていたが、フェンスまであと1歩伸びず左飛となった。この日は巨人3連戦のカード最終戦。ここまで2戦で完封勝利を収めており、本塁打となれば同カードでの初失点となっていた。

◆大一番で阪神才木浩人投手(24)が7回3安打1失点、5奪三振と先発の仕事を果たした。優勝マジック1で迎えた一戦。試合前から球場のボルテージは最高潮。熱気に応えるかのように初回から直球で押し込み、2三振を奪った。「立ち上がりから飛ばしていきましたし、最後ホームランを打たれてしまいましたが、中盤まで0点で投げることができてよかったと思います。こういう優勝がかかった特別な試合を楽しみながら投げることができました」7回先頭の4番岡本和にソロ本塁打を浴びたが、これが唯一の失点。2点リードのまま直後の攻撃で代打が送られ、自己最多を更新する8勝目の権利を持ってマウンドを降りた。

◆阪神が18年ぶりのリーグ制覇を果たし、岡田彰布監督(65)が「アレ」を封印した。優勝監督インタビューで「まさかここまでね、すごい人気じゃないけども、みんなに浸透すると思わなかったので。一応、今日で『アレ』はみんなで封印して。みんなで『優勝』をね」と語った。就任当初から「優勝」の2文字を封印。チームスローガンが「A.R.E」となるほど浸透したフレーズを、封印した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は青柳晃洋投手(29)が先発する。前回登板した2日のヤクルト戦(神宮)では5回2/3を投げ3失点で今季7勝目(4敗)をマーク。自身3連勝中だ。チームは9月全勝中で今季3度目の9連勝と勢いに乗る。〝アレ〟(優勝)へのマジックは「3」。最短14日のリーグ優勝へ、虎の開幕投手が快投をみせる。

◆前日12日にリーグ優勝の可能性が消滅した巨人は、ドラフト4位・門脇誠内野手(22)=創価大=がプロ初の1番、秋広優人内野手(20)が2番に座る新オーダーを組んだ。門脇は9月に入って打率.324、OPS0.891と高い数値で貢献している。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)が運を味方に、珍プレーでピンチを脱した。0-0の二回。1死から坂本に四球、大城卓に右前打で一、二塁のピンチを背負う。打席には岡田。フルカウントから8球目だった。痛烈な打球が青柳を襲う。グラブを差し出した右腕。白球はそのグラブにあたって、ノーバウンドのまま、二塁・中野のグラブの中へ。二走・坂本は飛び出しており、中野が二塁を踏んでそのままダブルプレーが成立した。9連勝中の勢いと、甲子園の雰囲気が虎に流れを持ってきている。

◆阪神・近本光司外野手(28)が三回先頭の第2打席で中前打を放ち、プロ通算763安打目をマークした。横川の121キロカーブを中前へ。これで入団5年で763安打とし、NPB記録2位の長嶋茂雄(巨人)に並んだ。NPB記録は長野久義の767安打。残り4安打と迫り、記録更新はほぼ確実となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回1死満塁の好機でバックスクリーン右へ先制の19号満塁ホームランを放った。先頭の近本が中前打から今季26盗塁目。中野が二塁内野安打でつなぎ、こちらも今季18盗塁目で無死二、三塁と好機を演出すると、森下が四球で満塁の好機を作った。ここで巨人は横川から松井にスイッチ。大山が空振り三振に倒れ、1死満塁と甲子園からため息が漏れたが、ひと振りでそのため息をかき消した。カウント1-1から123キロシンカーを一閃。8日の広島戦(甲子園)以来の19号は、5月14日のDeNA戦(甲子園)で三嶋から放って以来のグランドスラム。右翼席の虎党に向かって、右手を突き上げた。佐藤は「打ったのはチェンジアップ。チャンスの場面でしたし、強く振っていくイメージで打席に立ちました。しっかりワンスイングでしとめることができてよかったです」とコメントした。

◆巨人・赤星優志投手(24)が14日の阪神戦に先発する。前回7日のヤクルト戦(神宮)では6回2失点で3勝目をマーク。勝ち星に恵まれずファーム落ちも経験したが、再昇格後は3連勝中と勢いに乗っている。今季初対戦となる阪神打線から4勝目を目指す右腕は「CSがかかっているので、そこに向けて頑張りたい」と気合を入れた。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)は6回4安打無失点で降板した。一回先頭の門脇に中前打を浴びたが、続く秋広を遊ゴロ併殺に仕留めて無失点の立ち上がり。二回は1死一、二塁のピンチを背負うも、岡田の打球が青柳のグラブを直撃し、そのままノーバウンドで二塁・中野のグラブへ。二走・坂本が飛び出しており、併殺を完成させるなど運も味方した。五回無死一塁では岡田の打球が今度は大山のミットを弾き、中野の前へ。二ゴロでピンチを広げず、この回も無失点とスコアボードにゼロを並べた。青柳は六回の打席で代打を送られて降板。自身8勝目、虎先発陣10連勝の権利を持って中継ぎ陣に後を託した。

◆3度の育成落ちを経た巨人・高木京介投手(34)が今季初登板を果たした。0-4の五回、3番手として起用され、最速144㌔の直球とカーブなどで2回1安打無失点。これが通算247試合目の登板となった。育成契約で再出発した今季は、7月末に18年、21年に続き、異例の3度目となる支配下への〝再々々昇格〟をつかんだ。ここまでイースタン・リーグ26試合に投げ、0勝3敗、防御率2.39をマークし、9月6日に今季初めて出場選手登録されていた。

◆2005年以来、18年ぶりの〝アレ〟(優勝)へと突き進む虎の勢いに飲まれた。先発した巨人・横川凱投手(23)が三回途中4安打3失点。9連勝中と好調の阪神打線にノックアウトされた。「粘り切れずに、マウンドを降りることになり悔しい」走者を背負いながらの投球だったが、一、二回は要所を締めて無失点。三回先頭の近本、中野に連打を許し、無死一、三塁とされると、続く森下には四球。無死満塁のピンチを招いたところで原監督から交代を告げられた。2番手で上がったルーキーの松井が、佐藤輝にバックスクリーン右への満塁本塁打を被弾。痛恨の一発を浴び、先制点を献上した。横川は前回2日のDeNA戦(横浜)では、1回5安打3失点で降板。自身3連敗を喫した。先発では5月18日のヤクルト戦(神宮)以来、4カ月ぶりの白星に向け、12日には「ずっと思うような投球ができていないので、しっかりと結果で表したい」と意気込んでいたが、またも白星をつかみ取ることができなかった。12日にも西勇の前に零封負けを喫した打線は、阪神先発の青柳の前に六回まで散発4安打と沈黙。3年連続でリーグ優勝の可能性が消滅し、原監督が「もう少し選手も開き直って、思い切って暴れてもらいたい」と奮起を促していたが、この日も本塁が遠かった。(樋口航)

◆興奮を抑えきれなかった。お立ち台の最後、満員の虎党に向かって佐藤輝が叫んだ。「あしたも絶対勝ちます。バモス!!」放った打球は、栄光まで続くアーチを描いた。バックスクリーン右に着弾したその瞬間、甲子園が大歓声に包まれた。走者3人をかえし、ゆっくりホームベースを踏んで大騒ぎのベンチへ。先制のグランドスラムで、大きな、大きな4点のリードを奪った。「チャンスの場面でしたし、強く振っていくイメージで打席に立ちました。しっかりワンスイングで仕留めることができてよかった」三回、斬り込み隊長の近本が先頭で中前打を放って出塁。一回の中前打と合わせて2安打目で、プロ入り後5年間の通算安打数で2位・長嶋茂雄の763本に並んだ。1位の長野久義まであと4本と迫る一打で塁に出ると、中野が二塁への内野安打、森下が四球で無死満塁。先発・横川がここでマウンドを降りた。2番手・松井との対戦となった大山は、フルカウントから低めの変化球を空振り三振。ため息に包まれた聖地を、続く佐藤輝が一変させた。高めに浮いた3球目のチェンジアップを捉え、ボールはスタンドまで一直線。3年連続の20本塁打にあと1本と迫る、19号満塁本塁打をぶち込んだ。「勝負は秋」と言い続けた指揮官の思い結実し、優勝へのマジックナンバーを一気に減らして「3」で迎えた巨人との3連戦の2戦目。野手は2位広島との直接対決初戦から5戦連続同じスタメンで、今季の〝完成形〟と言ってもいい打順に落ち着いた。その中で5番に収まる佐藤輝が止まらない。8月は打率・300、3本塁打の活躍で同月18勝に貢献。続く9月もこの試合の前までで打率・281、3本塁打と好調をキープする。この日は二回の第1打席でも、もう少しでスタンドインの打球を中堅に放っており、アレへ向けた最終局面で手が付けられない打者になっている。今季初の3安打とし、試合終了時点で優勝へのマジックナンバーを「2」とした。広島が敗れ、ついに「1」になった。14日にも本拠地甲子園での優勝が決まる。大事な一戦で飛び出した左の主砲の一発。秋の夜風が吹く聖地に熱気を届け、今季2度目の10連勝。アレはもう目の前だ。(邨田直人)

◆割れんばかりの歓声が甲子園を包み込み、力強く虎の背中を押す。そのパワーを受け、戦士たちは〝アレ〟に向けた次の一歩を踏み出そうと戦った。マウンド上の阪神・青柳はいつも通りに冷静沈着。かえって強さを示すような表情を浮かべ、腕を振った。「(優勝が)決まる試合でもないですし、そういったプレッシャーもない。やってきたこと、できることをやるだけかなと思います」一回は先頭に安打を浴びるも、2番・秋広を遊ゴロ併殺に斬るなどし、三者凡退発進。二回は1死から四球と安打が続いて一、二塁を背負ったが、ここでビッグプレーが飛び出した。岡田の二遊間を破ろうかという鋭い打球に、青柳がグラブを差し出した。そこに当たったボールは軌道が変わり、二塁方向へ。これを中野がノーバウンドで捕球すると、すでに三塁方向へ走り出していたため戻れなかった二走・坂本より先に二塁ベースを踏み、変則ゲッツーで難を断った。〝アレ〟に近づくチームの雰囲気を問われると「悪いわけがないでしょ」と笑い、「これだけ強いチームなので、普通にやれば普通に〝そのとき〟がくると思う」と仲間の頼もしさを口にする。佳境の9月でチームは負けなしの9連勝。この間の勝利は全て先発が白星を手にしているという流れで青柳にバトンが巡ってきた。岡田監督は「一人取り残されるなあ。変なピッチングしたら(あかん)というのはあると思う」と、開幕投手を託した右腕に心配にも似た期待を寄せたが、しっかりとゲームメークするのはさすが青柳だ。7月29日の広島戦(甲子園)から登板6試合で負けなしの4連勝と粘り続けており、さらに巨人戦は2021年5月14日から6連勝中という好相性だった。この日は佐藤輝が三回に放った先制満塁弾が大きな援護。走者を出しながらしっかりとアウトを積み重ね、6回無失点、89球で余力を残して降板した。8勝目を手にした青柳は「ここまでのチームの良い流れに自分も乗ることができてよかったです。長いイニングを投げることはできませんでしたが、自分の内容どうこうよりチームが勝つことが大事だと思うので、今日は任されたイニングを0点で抑えることができたことが一番だと思います」と胸を張り、佐藤輝とともにお立ち台に上がった。(須藤佳裕)

◆巨人は、首位・阪神に2試合連続で零封負け。原辰徳監督(65)は「あと1本、あるいはつながりという部分ですよね。やはり0点ではいけませんね」と振り返った。阪神先発の青柳の前に六回まで散発4安打と沈黙。七回以降もリリーフ陣に抑え込まれ、2試合連続でスコアボードに得点を刻むことができなかった。14日に敗れれば、阪神の2005年以来、18年ぶりの優勝が目の前で決定する。指揮官は「やっぱり、今必要なのは負けん気。理屈じゃない部分のそこでしょう」と話し、球場を後にした。

◆阪神が10連勝で優勝マジックを「1」とした。三回1死、佐藤輝明内野手(24)が5月14日のDeNA戦(甲子園)以来、通算3本目の満塁本塁打を中堅右に運んだ。佐藤輝は二回の二塁打、八回の中前打で開幕127試合目にして初の1試合3安打を記録した。6回無失点の青柳晃洋投手(29)は8月以降6戦5勝で8勝目(4敗)を挙げ、21年5月14日(東京D)からのG戦連勝を「7」とした。チームは2試合連続で今季17度目のゼロ封勝利。18年ぶりのセ界制覇に王手をかけ、球団最速の「9・14胴上げ」を目指す岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=79勝44敗4分、観衆=4万2621人)。ーー青柳は?「ブルペンでめちゃくちゃ緊張してるって言うて、安藤が。大丈夫か?って言うたんやけど」ーー1軍に上がってからは「悪い時は2軍ね、あの時に比べたら全然いいと思うけど。本人はまだやっぱりな、ボール球とかカウントを悪くするとか、本人が納得してないんやろな、結局。ボールボールで2ボールっていう形になるからな」ーー14日先発の才木は重圧がかかる「でもお前、1試合ぐらい勝つやろ、10何試合やったら(笑)」ーー連勝中は先発投手全員に白星「みんな最少点やからなあ、0、1やろ? ずっと。分かりやすい、そういうゲーム展開に出来るからさ、はっきり言うて。だから打つ方もね、ホント1点ずつね。そういう戦い方になったら、こっちのペースになると思うし、流れ的にはすごくいいよな。もう先発ピッチャーの踏ん張りやで」ーー監督が忙しい試合は少ない「おう、全然今日なんか、まあ今日はちょっと仕事したけどな(笑)」ーー佐藤輝は状態がいい「3本なんて久しぶりちゃうか?」ーー初めて「えっ、初めて、今年! あっ、そう! おーん、それで喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで(笑)。あっ、そう初めてなんや! 猛打賞は。あっ、そう、ふーん」ーー1本出るが、2本目、3本目が出ないと指摘していたが「今日は別、あと打つ必要なかったやん(笑)。今日はあの満塁の一発でもう仕事終わりでもよかったんやけどなあ」ーー結果だけでなく内容は「今日の1打席目もなあ、アレも風がなければ(スタンドに)行ってると思うけどな。だから姿がいいやんか。よくなってきたよな。ボールを見逃す姿っていうかな。打つ姿やなしにな。ボールを見送る姿も見極め方というかな、そういう姿がよくなってきてるということは、ちゃんと間が出来て。で、ストライクに対応するというかな、そういう形になってるんやろうな」ーー大山が打ってないが目立っていない「大山はな、波が大きいからな。今、打たん方がエエけど。関係ない時に打たん方がエエ。大事な時にまた打つように、また調子上げていって」ーー序盤は足をつかった攻撃「ほんと久しぶりやろ、早いカウントでな。初球とかでも、久しぶりちゃうか。近本にしてもなあ」ーーサイン出してもスタートを切れないケースもあったが「けん制とかいろんなアレがあるけど。今日はもう出たら、最初から走るつもりやったからな」ーー巨人相手にこれだけ圧倒するシーズンもない「そうやなあ。まあ、あんまり向こうな、東京ドーム行っても、なんか涼しいしなあ(笑)。こっちに比べて。なんか、楽やわなあ。やっぱりな」ーー18年前と同じ甲子園の巨人戦で決められる「これでな、広島はわからんけど、ほとんど相手見んとな、自分らで行けるから、おーん」ーー明日はドキドキする「俺なにも、俺、ベンチ座ってるだけやんか、別に」ーー甲子園で、というのは大きい「いやあ、そら広島(での胴上げ)はイヤやし。広島はなんかなあ、スタンドのファンがな、何か物足りんていうか、少ないし、(ビジター席がグラウンドから)遠いからなあ」ーー明日は梅野も来るのか「来る来る。7、8人来ると思うよ」

◆阪神がマジック1としたことを受け、ニッポン放送で特別番組『ショウアップタイガー ~18年振りのアレ~』を緊急編成することが決まった。18日午後3時半からの生放送を予定(優勝が決定していなかった場合は未定)。50年以上にわたる阪神ファンのディレクターが熱い企画書を提出し、実現の運びとなった。パーソナリティーを飯田浩司アナ、松村邦洋が務め、ゲストとして本紙連載「虎の通信簿」でおなじみのダンカンら虎党の著名人が登場する。

◆巨人は2試合続けての零敗で、阪神に勢いの差を見せつけられた。投打に振るわず、原監督は「今必要なのは負けん気。理屈じゃない」と奮起を求めた。二回1死一、二塁で岡田が中堅に抜けそうな当たりを放ったが、投手のグラブをはじいた打球を直接二塁手に捕られ、二塁走者が戻れずに併殺に。五回は吉川の鋭い当たりが野手の正面に飛んで一直に倒れた。運にも見放され、監督は「なかなか好転してくれない。0点ではいけない」と嘆いた。先発の横川は、三回無死満塁で降板。救援した松井が満塁本塁打を浴びた。8敗目を喫した横川は「粘りきれずにマウンドを降りることになり悔しい」と責任をかぶった。(甲子園)

◆阪神のヨハン・ミエセス外野手(28)が試合後、ベンチから引き揚げる際に黒色の競泳用ゴーグルを着用。最短で14日にも達成される〝アレ〟とその後のビールかけへ万全の準備をみせた。この日は六回に代打で出場し、粘りをみせるも7球目を空振り三振だった。

◆栄光を目前にしても、虎のリードオフマンが止まらない。阪神・近本光司外野手(28)が白球を的確に捉えて2度中前に運び、臆せずスタートを切って2盗塁。つないできた安打の軌跡で、ミスターに肩を並べた。「自分のやることって言ったらあれですけど、しっかり点に絡んだのがよかったですね」一回先頭で中前に運ぶと、中野の2球目で二盗を成功。これは得点にならなかったが、三回も中前打を放ち、今度は中野の初球で二盗を決めた。佐藤輝の満塁弾を呼び込む働きで、リーグ断トツの26盗塁に伸ばした。岡田監督も「久しぶりに早いカウントで走ることができた。攻めてる感じというか、流れ的にはすごくよかった」とたたえた。この日の2安打で、入団5年での通算安打で長嶋茂雄(巨人)の763安打に並んだ。ルーキーイヤーの2019年は、同じく長嶋の153安打を超えるセ・リーグ新人最多記録の159安打。昨季は球団記録に並ぶ30試合連続安打を達成するなど、積み重ねた1本1本の束が大記録になった。「とても光栄なことなので、これからも精進して頑張っていきたい」チームは今季2度目の10連勝で2位広島とのゲーム差は13。マジック1となり、「別に気負うこともない」と言えるところまで来た。あとは「その日」を、どこでどう迎えるか。背番号5は最短14日の〝本拠地アレ〟を見据えた。「勝ったら優勝というのは決まってますけど。まあ広島でするよりは、こっち(甲子園)で(優勝)する方がいいし。18年ぶりですしね」歓喜の瞬間は、熱い声援を送り続けてくれた甲子園の虎党の前で―。そのための突破口も、きっと近本が切り開いてくれる。(邨田直人)?...阪神・近本が2安打し、2019年の入団から5年で通算763安打に到達。1位の長野久義(巨人)に4本差と迫り、2位の長嶋茂雄(巨人)に並んだ

◆応援してくれるファンのためにも甲子園で決めるよ!! また勝った。今季2度目の10連勝。優勝マジックはついに「1」。強すぎる。14日の巨人戦で勝てば、18年ぶりのアレ。試合後、岡田監督は「自力」で決めることを宣言した。「相手を見るよりもね、それよりも自力でね。それの方が分かりやすいんで」前回リーグ制覇した2005年、岡田監督が宙に舞ったのも巨人戦、舞台も同じ甲子園だった。あの感動をもう一度味わいたい-。このVチャンスを逃すと、15日からは敵地マツダスタジアムでの広島2連戦。次に甲子園に戻ってくるのは17日のDeNA戦となり、本拠地胴上げの可能性は低くなる。岡田監督は「そら広島(での胴上げ)はなんかなあ、スタンドのファンがな、何か物足りんていうか、少ないし」と正直な思いを明かした。マツダのビジター応援席は左翼と三塁側内野席の上段だけに限られるが、甲子園なら4万を超す虎党の祝福を受けられる。指揮官は大一番の先発を託す才木に「おーん。まあ、力み倒すだろうな。それはもうしようがないし。まあ行けるところまで、思い切り全力でいってほしい」とエールを送った。

◆甲子園の大声援が力を与えてくれる。酸いも甘いもかみ分けてきた阪神・青柳には怖いものはない。重圧でさえも力に変え、8勝目をつかんだ。「チームが勝てばなんでもよかった。ゼロで帰ればチームが勝つ可能性があるかなと思ったので、1イニング1イニング丁寧に投げられた」大きな拍手に包まれながら一回のマウンドに上がると、いつも以上に気合が入った。「甲子園に出てきたとき、ファンの声援を聞いて絶対に負けられないと思った」。二回に1死から一、二塁のピンチを招き、岡田の打球に青柳は左手を伸ばすも、グラブではじく形に。打球の方向が変わったが、二塁手・中野がダイレクトキャッチし、二塁ベースを踏んで併殺完成。運も味方し、危機を脱した。走者を背負いながらも粘りの投球で6回4安打無失点。これで巨人戦は2021年から7連勝とし、右腕では1979年に8連勝した小林繁以来の快挙を達成した。「前日に完封する人(西勇)もいるし、監督に『一番心配なピッチャー』って言われるし。いろんなところからのプレッシャーがあったのでなんとか勝ててよかった」と自虐的に笑いつつも喜びをにじませた。〝アレ〟まであと一つ。夢にまで見た歓喜の瞬間まで今年一番の笑顔は取っておく。(織原祥平)?...阪神・青柳は2021年5月14日から巨人戦で7連勝。09-11年に8連勝した能見篤史以来で、右腕では1979年に8連勝した小林繁以来?...阪神は9月1日からの10連勝ですべて先発投手が勝利投手になっている。10試合連続先発勝利は、球団では1937年秋の11連勝(9月17日-10月4日=西村幸、御園生各4勝、若林3勝)、63年の11連勝(9月29日-10月10日=小山、村山、バッキー各2勝、中井、石川緑、本間、森光、渡辺省各1勝)以来、60年ぶり3度目

◆阪神の18年ぶりのリーグ優勝までマジック1となった。警察当局はファンが歓喜に沸くあまり不測の事態が起きかねないとして、万全の警備態勢で臨む方針だ。韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で昨年10月に150人以上が死亡した雑踏事故があったばかり。道頓堀川に架かる大阪・ミナミの戎橋では、人の流れが停滞すれば、同様の事故につながる可能性も。大阪府警は約1300人を投入する厳戒態勢を敷く。ハロウィーンや年末のカウントダウン、サッカーW杯の日本代表戦でも若者らが集う戎橋だが、阪神優勝となれば、待ちわびたファンの熱狂ぶりは想像に難くない。2003年のリーグ優勝時には、戎橋から約5300人が飛び込んだとされ、1人が亡くなった。再び優勝した05年は、大阪市が橋に防止壁を設置したこともあり、55人にとどまった。それでも、窃盗や器物損壊などの犯罪行為も起きており、両年で摘発されたのは計20人に上った。現在の戎橋は中央に膨らみを持たせた広場に沿ってスロープ(幅約2メートル~3・6メートル)が備わる。大阪府警は機動隊員らを配置し、御堂筋に架かる道頓堀橋と戎橋の間にある水辺の遊歩道(とんぼりリバーウォーク)を状況次第で一時通行止めとする予定だ。戎橋のような限られた空間に人が密集すれば、群衆事故のリスクが高まる。そのため、「声の警備」とも呼ばれる「DJポリス」も出動し、歩行者の誘導を図る。府警警備1課の大下智士調査官は「人の流れを見極め、通行に大きく支障が出る場合は、戎橋の一時封鎖も検討する」と緊張感を漂わせる。

◆阪神がマジック1としたことを受け、ニッポン放送で特別番組『ショウアップタイガー ~18年振りのアレ~』を緊急編成することが決まった。18日午後3時半からの生放送を予定(優勝が決定していなかった場合は未定)。50年以上にわたる阪神ファンのディレクターが熱い企画書を提出し、実現の運びとなった。パーソナリティーを飯田浩司アナ、松村邦洋が務め、ゲストとしてサンケイスポーツ連載「虎の通信簿」でおなじみのダンカンら虎党の著名人が登場する。

◆アレへ王手をかけた! セ・リーグ首位の阪神は佐藤輝明内野手(24)の19号満塁本塁打が飛び出し、4-0で巨人に快勝。2位の広島が敗れたため、優勝へのマジックナンバーは2つ減って「1」となった。連勝は10に伸び、14日にも18年ぶり6度目のリーグ制覇が決まる。本拠地・甲子園で決めるで!甲子園の夜空を彩るグランドスラムが最後のカウントダウンを告げた。〝アレ〟まで1。風を切り裂く白球を見つめ、佐藤輝が走り出す。大歓声に包まれた右翼席に向け、右手をグッと突き上げた。「最高でーす! 1打席目は風に負けたので、2打席目は負けないように頑張りました」三回無死満塁の好機。4番・大山が空振り三振に倒れ、場内をため息が包んだ。しかし、虎には佐藤輝がいる。松井の123キロチェンジアップを振り抜いた。バックスクリーン右に運んだ19号満塁弾に「完璧な当たりだった」。自画自賛の一発は9月負けなし、破竹の10連勝をもたらした。二回は横川のカーブを捉えるも、逆風に押し戻され中堅フェンス直撃の二塁打。惜しい当たりに悔しさをにじませた。それでも、続く打席でしっかりとスタンドインさせ、八回は詰まりながらも中前に運んで今季初の3安打。岡田監督は「えっ(猛打賞は)初めて、今年?! あっ、そう! おーん。それで何か喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで」と笑い、輝も「めちゃくちゃ気にしていましたね。一番うれしいです」とホッと息を吐いた。「しっかり練習して、それが形になっていると思います」

◆今年の阪神の2位以下を寄せ付けない強さは、先発陣の柱の安定にある。大竹、村上、伊藤将がすでに10勝し、この日投げた青柳も本調子ではないが、6回無失点と試合を作った。中継ぎ陣も計算できる。打撃面では近本、中野の1、2番コンビの出塁率が高く、8番・木浪からのつながりもある。12球団の中でも四球の多さは群を抜いていて攻撃に隙がない。本塁打数はリーグ最多の巨人の半分以下だが、得点数は阪神が上回っている。見事に投打がかみ合っている。メンバーを固定して戦えているから、それぞれの選手が安定して自分の役割に専念することができている。どの監督もそうしたいものだが、結局はうまくいかずに選手を入れ替えながら戦っているのが実情だ。早い段階で優勝することで、クライマックスシリーズ・ファイナルステージ(10月18日開幕)への調整期間が長くなることを不安視する声が聞こえてきそうだが、私は心配ないとみている。優勝チームに与えられる日程、1勝のアドバンテージは大きい。そこに盤石の投手陣がいれば問題ないはずだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神の〝アレ〟ウイークに入り、グラウンド外も盛り上がってきた。13日にエイチ・ツー・オー リテイリング株式会社、株式会社阪急阪神百貨店、株式会社エイチ・ツー・オー食品グループから、『祝・リーグ優勝 阪神タイガースご声援感謝セール』開催のお知らせが届いた。まずは阪神百貨店。阪神梅田本店をはじめ、阪神・にしのみや、阪神・御影、あまがさき阪神の4店舗で、セ・リーグ〝アレ〟決定翌日から7日間の日程で行われる。お楽しみ袋や記念特価品が多数用意されているそうだ。梅田本店では、試合がなかった11日の開店時に通常の5倍となる30人が球団オフィシャルショップに来店。18勝7敗で首位を快走した8月の売り上げは、例年の2倍だったそう。チームが破竹の勢いで勝ち進んでいるぶん、各所とも急ピッチでの準備に追われているのは想像に難くない。それでも、18年ぶりの〝アレ〟セールに向けて、現場の熱を伝える担当者の声は弾んでいた。「百貨店はちょっと遠いなあ...」と思ったアナタにも朗報だ。食品スーパーでも〝アレ〟セールがある。阪急オアシス77店舗、イズミヤ73店舗、カナート17店舗では、〝アレ〟決定翌日から7日間の『阪神タイガースご声援感謝セール』を行う。また関西スーパーマーケット63店舗では、〝アレ〟決定日に関係なく、9月18―24日に『感動ありがとうセール』を開催予定。日程は違えど、どちらも福袋や特別お買い得品を多数用意しているとのことだ。

◆全国の虎党の皆さ~ん! いよいよ! マジック1!! 18年ぶりの『アレ』(優勝)の時が来ましたー!!何ちゅ~う強さやねん阪神タイガース!! てか、神懸かっていると思いません? マジックが点灯して、プレッシャーがかかるこの9月に負けなしの10連勝ってのもスゲ~けど、本日の二回1死一、二塁から巨人・岡田のセンターへ抜けたと思った打球。青柳が出したグラブにわずかに触れ、失速したハーフライナーが中野の正面に...。直接捕球で二塁に送り、飛び出していた坂本もアウトでゲッツー完成!! あんな奇跡的なシーンなんてもはや『阪神Tigers2023年アレの軌跡!!』DVD優勝記念販売のためだけに野球の神様がサービスしてるだけやんかー!!ドカ~ン!! 勝利を決める佐藤輝の19号満塁弾が、アレの前祝いで夜空に舞い上がった打ち上げ花火に見えたのだ!! さ、甲子園で胴上げ花火10連発や!! 「たまや~」「かぎや~」いや「アレやー!!」。既に涙が止まらんわ!!

◆阪神ベンチは粘って投げていた青柳を代え、七回から継投に入った。4―0だったが、一発のある巨人打線が相手なら勝敗の行方はまだ分からない。岡本和から始まる七回は交代させてもよいタイミング。流れを見定め、それが悪ければすぐに断ち切ろうとする岡田監督らしい采配だった。マジックも1となり、優勝はもう目の前だ。今季の戦いを振り返れば、岡田監督が施した改革は「見極め」と「軸・核の固定」といえる。「見極め」でいえば、一つはボールの見極めで、顕著な四球の増加は得点アップにつながった。もう一つは選手の見極め。シーズン中盤までは競争も促し、終盤に向けてメンバーを固めていった。ただ、開幕から「軸・核」は一貫していた。野手でいえば「一塁・大山」と「三塁・佐藤輝」は基本的に不動。打線も1番・近本、2番・中野、4番・大山、8番・木浪と打順を確立したことで〝線〟として機能することができた。それは投手でも同じで、守護神に抜てきするはずだった湯浅が離脱しても、岩崎にその役割を任命。ほかの救援陣も、走者を置いて次が左打者なら島本を起用したように、それぞれが役割を把握したうえでゲームに臨めていた。精神的にもプラスに働くし、強さを裏付ける選手起用だったと感じる。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
79444 0.642
(↑0.003)
M1
(↑2)
16500
(+4)
371
(-)
70
(+1)
69
(+3)
0.247
(-)
2.610
(↑0.02)
2
(-)
広島
68594 0.535
(↓0.005)
13
(↓1)
12449
(+1)
461
(+5)
89
(+1)
71
(-)
0.246
(-)
3.160
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
64613 0.512
(↓0.004)
16
(↓1)
15478
(+1)
456
(+2)
96
(+1)
27
(-)
0.248
(↓0.001)
3.270
(↑0.02)
4
(-)
巨人
63632 0.500
(↓0.004)
17.5
(↓1)
15483
(-)
478
(+4)
150
(-)
44
(-)
0.255
(-)
3.570
(-)
5
(-)
ヤクルト
52743 0.413
(↑0.005)
28.5
(-)
14479
(+5)
510
(+1)
108
(+2)
58
(-)
0.240
(↓0.001)
3.660
(↑0.02)
6
(-)
中日
48754 0.390
(↑0.005)
31
(-)
16344
(+2)
442
(+1)
60
(+1)
32
(-)
0.238
(-)
3.110
(↑0.02)