阪神(☆1対0★)巨人 =リーグ戦21回戦(2023.09.12)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0000000000200
阪神
01000000X1300
勝利投手:西 勇輝(7勝5敗0S)
敗戦投手:山﨑 伊織(9勝4敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 巨人戦チケット予約
◆投手戦を制した阪神が9連勝。阪神は2回裏、1死一三塁から木浪の犠飛が飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・西勇が9回2安打無失点。今季初完封で7勝目を挙げた。敗れた巨人は、山崎伊が8回1失点8奪三振の力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆阪神加治屋蓮投手(31)が1軍本隊に合流した。調子を落として8月31日に出場選手登録を抹消されて以降、2軍戦では2試合に登板し、いずれも無失点。この日から練習に参加となった。今季、中継ぎとして47試合に登板する右腕は、ソフトバンク時代の18年に中継ぎとして72試合に登板し、2位から日本一となったチームに貢献した。「凡事徹底で、当たり前のことを当たり前にできるチームが最後にチャンピオンフラッグを取ってきた。今年のタイガースは、攻撃と守りの反対側のやりたいことと、やっちゃいけないことが明確にできている。そういうチームが最後頂点に立つ」と頼もしくアレへ貢献する。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が先制の犠牲フライを放った。両軍無得点の2回1死一、三塁。巨人山崎伊から右翼後方への大きな飛球を放ち、三塁走者ノイジーが悠々と生還した。甲子園は六甲おろしの大合唱。「そーれいけいけ!」のコールも響いた。

◆巨人の3年連続でのV逸が決まった。首位を独走する阪神に敵地で完敗。4年ぶりのリーグ優勝はならなかった。監督通算17年目の原辰徳監督(65)の政権下では3年連続のV逸は初となった。この日は先発山崎伊が8回1失点と好投するも打線が沈黙。阪神西勇の前に3回の岡田の左前打、9回の代打秋広の右前打の2安打に抑えられた。9回2死一塁からは代走重信が二盗を狙ったが、阪神バッテリーに刺されて試合は終わった。今季11度目の完封負けで甲子園では2度目。ここまで127試合を消化し、63勝62敗2分けとなった。指揮官はV逸に「いや、現実は現実でしょうね。現実と受け止めて、ただだからと言って、ということがあるんでね。もう少しなんというか、選手も開き直って思い切って暴れてもらいたいと思いますね」と結果を受け止め、ナインの奮起を促した。CS争いに向けて「いやいや、まあ可能性のある限りね」と話した。

◆完封勝利でマジック減らした!阪神西勇輝投手(32)が9回を2安打に抑え、今季初の完封勝利で7勝目を挙げた。4月18日の広島戦(甲子園)の完投勝利以来、9回を1人で投げきった。初回から巨人打線をねじ伏せた。初回から3者凡退。2回は岡本和に四球を与えるも、続く坂本には、内角をえぐる球で投併殺打に仕留め、先制のチャンスをつぶした。7回には門脇に四球を与え、1死一塁も追いついた投球を披露。丸には144キロ直球で見逃し三振。最後は岡本を二ゴロで仕留めて、グラブを大きくたたいた。右腕は今季巨人戦では、2試合で0勝2敗。最高の形でリベンジを果たした。

◆超速ゲームだ。阪神西勇と巨人山崎伊の投げ合いが続く「伝統の一戦」は、試合開始から1時間半の午後7時30分時点で7回表を迎えた。さらに9回表の時点では同8時前。西勇が最後を締め、阪神が1-0で勝利し、優勝へのマジックを自力で1つ減らした。試合時間は今季チーム最速2時間6分。午後8時7分に試合が終了した。

◆阪神西勇輝投手(32)が、13年連続でシーズン100イニング投球を達成した。7回2死を取り終えた時点で到達した。FAで阪神に移籍し5年目。今季は2軍調整の期間もあったが、チーム屈指のイニングイーターが、今季も節目の数字に到達した。

◆巨人が、敵地甲子園で勢いに乗る阪神に屈した。先発の山崎伊織投手(24)が8回3安打8奪三振で1失点と好投したが、打線が阪神西勇に2安打に封じられ、今季11度目の完封負け。2回、3回と無死から走者を出したが、得点を奪うことができなかった。この日の敗戦で、3年連続でリーグ優勝を逃すことが決まった。巨人の3年連続V逸が決まった。4年ぶりのリーグ優勝はならなかった。監督通算17年目の原監督の政権下では3年連続のV逸は初となった。打線が突破口を見いだせなかった。コーナーをていねいに攻める阪神先発の西勇を打ちあぐねた。2回は先頭岡本和が四球、3回は先頭岡田が左前打で出塁した。しかし、ともに無死一塁の場面で、併殺でチャンスをつぶした。6回まで打者18人で片付けられた。7回は1死から門脇が四球で出塁も、続く丸が見逃し三振、岡本和が二ゴロで好機を広げられなかった。好投を続ける山崎伊を援護できなかった。最後まで打線が沈黙。二塁を踏むこともできず、2安打で今季11度目の完封負けを喫した。先発の山崎伊は気迫の投球を続けた。2回に連打で1死一、三塁とされ、木浪に右翼への犠飛で1点を与えた。先制点を許してからギアが入った。3回から8回までは走者すら許さない。6イニング連続で3者凡退。140キロ台後半の直球を軸にシュート、カットボール、フォークを効果的に織り交ぜた。追加点を許さず、猛虎打線を沈黙させた。8回を3安打1失点で投げきった。今季2度目の阪神戦の登板だった。前回登板の4月27日は甲子園で悪夢を見た。2回1/3を8安打8失点。軸になる球を作れず、何を投げても打ち返された。「前と同じ展開にならないように頑張りたい。ランナーを背負った時にどれだけギアを上げて、ていねいかつ大胆にしっかり投げられるかだと思う」とリベンジに燃えて、マウンドに立った。打たれた後に修正し、崩れなかった。4位に甘んじる中で、3位DeNAとは1・5ゲーム差、2位広島とは4・5ゲーム差で阪神戦を迎えた。引き分けを挟み3連勝で敵地甲子園に乗り込んだが、虎の勢いに屈した。【上田悠太】

◆阪神が今季の3位以内を確定させ、クライマックスシリーズ(CS)へ初の両リーグ一番乗りを決めた。21年10月6日にセで最初に進出を決めたが、このときはヤクルトと同日だった。セ・リーグでは07年に採用されたCSに、阪神は過去10度出場を果たしている。14年には2位で臨み、ファーストステージで広島、ファイナルステージで巨人を下し、ソフトバンクとの日本シリーズに進んでいる。

◆阪神が伝統の一戦を制し、球団史上初となる1シーズンで3度目の9連勝をもぎ取った。今季16度目のゼロ封勝ちで、貯金は第1次政権を含め、岡田監督史上最多で03年以来20年ぶりの「34」まで積み重ねた。2位広島がヤクルトに敗れたため、優勝マジックは2つ減って「3」。悲願の「アレ」へ大きく前進した。先発した西勇輝投手(32)が健闘した。両サイド、低めを丁寧に突く持ち味の投球で巨人打線を圧倒。2、3回と先頭打者の出塁を許すも、ともに併殺に打ち取り二塁を踏ませず。2巡目の4~6回まではパーフェクトに抑えた。9回まで投げ抜き、今季初完封で7勝目。先発白星による9連勝は阪神では68年8月以来55年ぶりの快挙だ。打線は2回、1死からノイジー、坂本が連打でつなぎ、木浪が右翼フェンス際への大飛球を放ち、右犠飛で1点を先制。3回以降は沈黙したが、1点を守り抜いた。

◆阪神西勇輝投手(32)が2安打完封で勝利に貢献し、お立ち台で感謝を叫んだ。先制犠飛の木浪とともにヒーローに選出。9回のマウンドに上がる際は球場からは万雷の「西コール」が起こった。「坂本といつも通りに話し合って、自分たちの形通りにできましたし、最後まで誠志郎が引っ張ってくれたおかげで、長いイニングを投げることができた。9回マウンドに上がっているとき、本当に歓声がすごくて泣きそうになりました。まだ勝っていないのに」。広島が敗戦したため、優勝マジックは3に減少。最後はファンに向け、「明日からもたくさんの応援をしていただき、チームにいい雰囲気を持ってきてください!バモース!」と、感謝の言葉で締めくくった。

◆/AREへの執念、圧巻の投球\西勇輝が9回完封??"虎"の子の1点を守り切った坂本誠志郎とのバッテリー回数:9球数:117安打:2三振:6四球:2失点:0?プロ野球(2023/9/12)??阪神×巨人??Live on #DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/ccAisrDVYp

◆阪神が1日ヤクルト戦から9連勝。今季の9連勝以上は5月20~30日の9連勝、8月3~13日の10連勝に次いで3度目となり、シーズンに9連勝以上を3度は55年巨人(13連勝、10連勝、9連勝)90年巨人(9連勝3度)に次いで3度目。阪神は47年に8連勝以上を3度やっているが、9連勝以上を3度は球団史上初めてだ。今回の9連勝はすべて先発投手が白星。9試合以上続けて先発が勝利投手は11年9月30日~10月13日ソフトバンク以来で、阪神では68年8月18~31日以来、55年ぶり。阪神は37年と63年に11試合連続先発勝利を記録しているが、今回はどこまで続くか。

◆巨人岡本和真内野手(27)はV逸が決まり、逆転でCS出場に目を向けた。阪神西勇の前に3打数無安打と沈黙。4番に座りながら、主将としてチームを束ねる岡本和は「今日は僕らが打ちあぐねたというところ。残り試合もまだある。CS、Aクラスになれるように頑張っていきたい」と切り替えた。

◆巨人は3年連続のV逸が決まった。首位を独走し、18年ぶりの優勝まで秒読み段階に入った阪神に惜敗。今季11度目の完封負けで、4年ぶりのリーグ優勝が完全消滅した。監督通算17年目の原辰徳監督(65)の政権下では、3年連続のV逸は初めてとなった。試合後、原監督は「いや、現実は現実でしょうね。現実と受け止めて。ただ、だからといってということがあるんでね」と気持ちを静めるように話した。同時に「もう少し、選手も開き直って、思い切って暴れてもらいたいと思いますね」ととも言った。ここまで不動の4番で主将の岡本和を軸に戦ってきた。高卒3年目の秋広、ルーキー門脇といった若い芽も出てきた。8月18日広島戦では、高卒ドラフト1位の浅野がプロ1号。7日ヤクルト戦からは遊撃の名手坂本を三塁にコンバートし、変化を恐れない積極采配で最善策への妥協はない。残り16試合。2位広島とは4・5ゲーム差、3位DeNAを1・5ゲーム差で追う。CSからの大逆転日本一の道のりは閉ざされていない。「可能性のある限りね」と指揮官。戦いは、まだまだ続く。【為田聡史】▽巨人山崎伊(8回3安打1失点の好投も4敗目)「フォームを変えながらタイミングを合わせて投げた。力みが取れて、脱力して投げられたので、長い回を投げられたのだと思う」

◆熱狂的阪神ファンの俳優渡辺謙(63)が、今季初の甲子園観戦で快勝を見届けた。試合は今季最短の2時間6分で「勝ってうれしいけど、ちょっと拍子抜けかな。もうちょっとベンチが動く試合を見たかったですけどね」とぜいたくな感想。「西くんがヒーロー。勝ち切る今年の象徴的なゲームだった」と満足そうにうなずいた。今季のMVPは「個人的にはブルペン陣」を挙げ「ここまでのチームになるとは予想がつかなった」と笑顔。「大竹くんは(キャンプ時から)2桁いくんちゃうん? と言っていた。村上くんはここまでとは思わなかった」とたたえた。すでに日本シリーズの宿はすべて抑えているという。「スケジュールは抑えて、あとはチケットを何とか入手するだけ」。阪神は直近2度の日本シリーズでともに敗れている。「ソフトバンクの時もロッテの時も悔しい思いをしてきた。今年も相手は強敵だと思うけど、しびれる試合をしてほしい」。アレを超えた85年以来の日本一へ期待を込めた。

◆阪神ノイジーが先制劇の口火を切った。2回1死の第1打席。カウント2-2から山崎伊の148キロ速球を打ち返し、中前打に運んだ。「2ストライク追い込まれていたので、なんとか前に飛ばす意識だったよ」。ヒットエンドランがかかっていた坂本の三塁強襲安打では、一塁から一気に三塁を陥れた。木浪の犠飛で悠々、先制決勝のホームを踏んだ。

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、始球式に登場した武豊騎手(54)との交流に喜んだ。かねてから競馬好きの坂本。武との交流を持つ阪神OBで現オリオールズの藤浪晋太郎(29)へ事前に連絡を入れていたといい、武の投球後には「いつもお世話になってます」と声をかけた。「かっこいいっすね(笑い)。晋太郎から(武へ)連絡してもらったみたいで。投げた後にあいさつしたら『晋太郎から聞きました』って会話ができて」。大スターとの会話に笑みがはじけ「今日一番テンションが上がっちゃいました」と、白い歯を見せた。この日の阪神-巨人戦は「JRA阪神競馬場デー」として行われ、JRA通算4453勝の武騎手が来場。中央競馬G1通算80勝と、岡田監督のファンであることを掛け合わせた背番号80のユニホームでマウンドに上がった。【中島麗】

◆阪神木浪聖也内野手(29)が決勝犠飛を放ち、チームを9連勝に導いた。両軍無得点の2回、1死からノイジー、坂本が連打でつなぎ、一、三塁のチャンスで迎えた打席。「初球から行くと決めていた」と、巨人山崎伊の内角149キロ直球を強振。右翼フェンス手前まで飛ぶ大飛球で、三走ノイジーが悠々と本塁へ生還。惜しくも3年ぶりの甲子園でのアーチとはならなかったが、「越えたら自分らしくないので、あれでいいと思います」と笑った。下位打線ながら抜群の勝負強さを発揮し続けている。得点圏打率は3割3分8厘。これまでチャンスでは「決める」と「つなぐ」で使い分けていたというが、「最近は『決める』でいってるので、それがいい方向にいってるんじゃないかな」と自己分析。勝利打点はチームトップ12の4番大山に続き、森下と並ぶ2位の「8」。犠飛数も7本の大山に次ぐ2位の「6」で貢献度が際立っている。「恐怖の8番」としてキャリアハイを更新し続けている木浪に、岡田監督は「得点圏の打率もすごくいいし、だから逆に8番を外せないんじゃないですか」と評価。チームの犠飛は12球団トップの「43」だ。指揮官は「犠牲フライいうことは(走者が)三塁にいってるいうことやからな。チャンスを広げてるいうことやろうな」とうなずいた。優勝マジックが3に減り、「アレ」が手の届くところまできた。お立ち台では「最近、アレに近づいてすごい鳥肌が立っているので、あと少し鳥肌がたつように応援よろしくお願いします!」と呼び掛けた。14日の最短Vへ、背番号0もラストスパートをかける。【古財稜明】

◆阪神が伝統の一戦を制し、球団史上初となる1シーズンで3度目の9連勝をもぎ取った。今季16度目のゼロ封勝ちで、貯金は第1次政権を含め、岡田彰布監督史上最多で03年以来20年ぶりの「34」まで積み重ねた。2位広島がヤクルトに敗れたため、優勝マジックは2つ減って「3」。悲願の「アレ」へ大きく前進した。指揮官の一問一答は以下の通り。(テレビ)-1-0の完封勝利について「いやいや、今日は西勇につきますね」-今日はどこがよかったか「いやいや、もうね、コントロールというか、ねえ。2球ぐらいじゃないかな、ちょっと危ない球があったんですけど。ほんと低め低めでコントロールがよかったし、まあ今年一番のピッチングじゃないですかね」-最後まで西勇でいくつもりだったか「いやあ、もう9回というか、球数もちょうどいい感じでいってたんで。9回までは行かすつもりだったです。はい」-これで西勇は1軍再昇格後、4戦2勝負けなしに「調子いいですね、ずっと」-走者を出しても2併殺。内野陣も今年セ・リーグでダブルプレーの成功率が一番高い「ああ、そうですか。(安定感について?)いやいや、これはピッチャーも低めに投げて、ゴロを打たすというのをね、心がけていると思うし。まあ内野手もね。ずっとキャンプからね、そういうのに取り組んできたので、そういう成果が出てるんじゃないですかね」-打線は木浪の犠牲フライ。大きかった先制点になった「あの時点ではね。おーん。なんとか追加点という感じだったんですけど、尻上がりにね。あのう、山崎(伊)というピッチャーですか、よかったんでね。これはなかなか点が取れないと思ってましたけどね、はい」-木浪は自己最多打点を更新し続けているが、8番木浪の活躍をどう見ているか「いやいや、あのー得点圏の打率もすごくいいし、だから、逆に8番を外せないんじゃないですか」-9連勝で貯金も03年以来の34「これはもうね、これからはそういうねいくつというのじゃなしに、目の前の1試合1試合をやっていくだけなんで。そういうのは全然気にしてないです」-マジック減って3。明日以降にむけて。「これは相手もあることなんでね、とにかくこっちはやる以上は1つずつでも減らしていけるように、また明日頑張ります」(囲み)-2時間6分「なあ。いやいやこれ早いから延長になるでって言うとったんや。だいたいそんなもんやもんな」-西勇は良かった「良かったなあ。初回からなあ。ブルペンではあんまりいいことないでって言うてたんよ。だから、ちょっと心配してたけど、初回見てなあ、『あ、ええやんか』って言うたんや、安藤に。じゃあ、何ででしょうねって」-西も意地をみせた「だから途中で、ぶざまなピッチングはこうなったらできんわな言うとったんやけどな。自分のな、先発陣としてな」-今日は最後まで「まあまあ9回なあ、まあ同点までは西に行かすつもりやったし、まあでも最後で(安打)2本やろ、なあ。まあゼロでいくやろうという感じやったけどなあ」-9連勝中は全て先発陣に白星。安定して試合を運べているか「そうや、計算できるしなあ。だからいい刺激になってるいうのは確かやで、先発のピッチャーていつか、先発陣のな。だから1人取り残されるなあ、やっぱりそら、変なピッチングしたらというのはあると思う」-坂本のところはランエンドヒット?「エンドランや。ノイジーにランエンドヒットなんか出せへんやん」-武豊さんが来てたが、親交は「だって京都岡田会のメンバーやもん。ずっと、それだけのことやん」-逃げ馬のサイレンススズカみたいと言っていた「何馬身あんの?」-え?「知らんのに、そんな馬の名前出すな。何馬身で勝ったいうことや、お前」-犠牲フライで勝ち「あの時点ではな。次の1点言ってたけど、まあ、ランナーもそう出そうにないしな。山崎よかったよ。ストレート力あったんやろうな、みんなさし込まれてたからな」-チームの犠飛が43とトップ「あっ、そう。まあ、だから、あの犠牲フライいうことは三塁にいってるいうことやからな。チャンスを広げてるいうことやろうな」-最後は盗塁を刺して試合終了「うん。真っすぐ来とったらセーフやと木浪も言うとったな」-今日も普通の野球ができた「今日は何もしてないな(笑い)。今日は何もしてないやん。2回からサインも、ランナーも出てないんやから何にもしてないやん。何にもない。ただ、西9回まで完封やなあって。それが采配や。そういうことや」-ある意味では理想「なあ。何もせんと勝つのが一番ええわな、楽やし」-14日の最速Vも「こっちは14日とか、そうじゃなしに、明日、明後日のな。明日も一番心配なピッチャーやけどなあ。奮起はするやろ」-青柳もこれじゃ終われないという感じに「それは本人に聞かんと分からん。俺が判断してもあかんけど、それでな。ずっと先発が勝ち星ついて、先発のイニングとか失点とか見てるやろうし、変なピッチングはできんというのを本人が一番な、感じてあして投げるやろうな」-来週は「抹消する。空いてるからなあ。無理せんでいいから」-巨人原監督と会話は「そんなおもろないわ」

◆阪神西勇輝投手(32)はゲームセットの瞬間、両手を突き上げた。散発2安打で今季初完封。自身2連勝で7勝目を挙げた。2時間6分は今季の両リーグ最速試合。チーム今季16度目のゼロ封勝ちで、1-0勝ちに限れば6度目だ。7連戦の頭を1人で投げ切り、優勝マジック「3」。会心の117球だった。「9回のマウンドに上がっている時、本当に歓声がすごくて泣きそうになりました」虎党が背中を押してくれた。8回2死の打席で1度もバットを振ることなく見逃し三振。ベンチに戻ると大きな拍手が起こり「西コール」が響いた。「拍手が背中から...体感したことない」と未体験の感覚に包まれ、最後までマウンドに立った。巨人打線に二塁すら踏ませず、13年連続となるシーズン100イニング投球に到達した。まだシーズンが始まって間もない頃、鳴尾浜での残留練習で制球に悩む鈴木にキャッチボールのコツを聞かれた。説いたのはテンポとイメージの大切さ。「どこらへんに投げたら相手の胸にいくか考えながら、リズムよくした方が絶対によくなるよ」。後輩は今、2軍の先発ローテーションに定着。その一挙手一投足がお手本となっている。打ち込まれる日々が続き、7月上旬から約1カ月半の2軍生活。今度は「後輩を応援したい」気持ちを打ち消した。「バチバチしながらという、自分の気持ちを取り戻すことができた。自分中心にもう1回頑張ろうと」。8月下旬に再昇格後は4戦2勝。頼れる背番号16が帰ってきた。岡田監督は「今年一番のピッチング」と称賛。「(試合が)早いから延長なるでって言うとったんや」という指揮官の予想を右腕が覆してみせた。ローテーション通りなら19日火曜日は試合がないため、1度出場選手登録を抹消される予定。「早くアレをして、みんなでビールかけしたい」。プロ15年目。いよいよ美酒を味わう時がやって来る。【中野椋】

◆阪神が優勝マジックを3に減らし、14日にも岡田彰布監督(65)が甲子園で18年ぶりに宙を舞う。巨人3連戦の初戦は、2回に木浪の犠飛で挙げた虎の子の1点を先発西勇輝が守り、散発2安打で1-0完封。貯金34は通算6年の岡田政権最多、年間3度の9連勝は球団初と勢いが止まらない。阪神過去5度の最速リーグ優勝は大フィーバーを起こした03年の9月15日。伝説の星野監督超えで、歓喜を迎えようとしている。わずか2時間6分で巨人を倒した。1-0でも全く危なげなし。岡田監督は左うちわだった。「今日は西勇に尽きる。今日(俺は)何もしてないやん。2回からサインも。(3回から)ランナーも出してないんやから。ただ西が完封やなあって。それが采配や。そういうことや。何もせんと勝つのが一番ええわな、楽やし」2位広島がヤクルトに敗れ、優勝マジックは2つ減って3。14日のまま変わらない最短Vが、いよいよ明日に迫ってきた。05年と同じ甲子園、ライバル巨人の前での岡田監督の胴上げが、ぐっと現実味を帯びてきた。9・14なら03年星野阪神の9・15より1日早い球団最速V。指揮官は「相手もあることなんで。ひとつずつでも減らしていけるように。14日とか、そういうのじゃなしに」と色めく報道陣を制すように言った。貯金34は岡田政権6年目の最多で、球団では03年以来20年ぶり。年間3度の9連勝はNPB最多タイで球団初と、最終盤に来て強さが際立つ。その歴史的快進撃に岡田監督の人心掌握術は不可欠だ。この日のヒーロー西勇は前半戦は期待を裏切り、防御率4・83で7月上旬から約1カ月半の2軍再調整を命じた。8月末1軍復帰戦を前にしても「(結果次第で次は)ない、ない」と突き放した。他にも投手はおるよ。実績十分の右腕のプライドを刺激し、西勇もはい上がった。再昇格後は4戦2勝負けなしで防御率1・26。7勝に積み上げた姿に、岡田監督も「調子いいですね、ずっと」と目尻を下げた。それでも手綱は緩めない。「明日も一番心配なピッチャー(青柳)やけどなあ。奮起はするやろ。ずっと先発に(9試合連続)勝ち星がついて、変なピッチングはできんのを、本人が一番感じて投げるやろうな」13日の先発は、同じく前半戦は不調で苦しんだ開幕投手の青柳。2年連続最多勝右腕にも2軍落ちを命じてプライドをくすぐり、再昇格した7月以降は4連勝を含む5勝1敗と安定感を取り戻させた。今度はその青柳が、アレに王手をかける投球でエースの意地を見せてほしい。決して勢い任せではない。ナイン1人1人の機微をつかみながら、ゴールテープを切る。【石橋隆雄】阪神がクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。12球団最速は、07年にセ・リーグもCSを採用して以降初めて。21年は10月6日にセ・リーグ最速で出場を決めたが、ヤクルトと同日だった。阪神は巨人戦の対戦成績を15勝5敗1分けとし、現時点での貯金を10に伸ばした。同カードの勝利数、貯金とも最多は79年で、17勝(9敗)貯金8。今季は更新の期待がかかる。阪神の年間6度の1-0勝利は、12年の6度以来11年ぶり。1-0完封勝利投手は、16年5月27日巨人戦の岩貞祐太以来。国内移籍投手では、下柳剛(前日本ハム)の09年5月12日広島戦以来。巨人戦に限ると、伊藤幸男(前近鉄)が71年7月30日に達成して以来、52年ぶり。木浪の犠飛が決勝打となった。阪神の今季の犠飛43は両リーグ最多。球団のシーズン最多は08年の46犠飛で、あと3と迫った。

◆阪神近本光司外野手(28)が初回に三塁内野安打を放ち、入団5年目以内の安打数761本とし、歴代2位の長嶋茂雄にあと2本に迫った。初回先頭で、巨人先発山崎伊から三遊間に放ったゴロが三塁手坂本のグラブをはじいた。打線を鼓舞した。迫るミスターの記録に「いや、まだ2本あるので」とクールに答えた。歴代1位の巨人長野の767安打にもあと6本に迫った。

◆阪神が優勝マジックを3に減らし、明日14日にも岡田彰布監督(65)が甲子園で18年ぶりに宙を舞う。巨人3連戦の初戦は、2回に木浪の犠飛で挙げた虎の子の1点を先発西勇が守り、散発2安打で1-0完封。貯金34は通算6年の岡田政権最多、年間3度の9連勝は球団初と勢いが止まらない。阪神過去5度の最速リーグ優勝は大フィーバーを起こした03年の9月15日。伝説の星野監督超えで、歓喜を迎えようとしている。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神タイガースがマジック「3」!木浪聖也の2回先制犠飛の1点を、先発西勇輝が巨人打線を抑え完封勝利! いよいよアレも目の前です!

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が13日の巨人戦先発登板に向けてダッシュなどで調整した。「前回(8月26日、東京D)は丸さんに(ホームランなどを)打たれている。そういう人の前にランナーを出さないように頑張っていけたらいいかなと思います」ローテ再編のため、前回登板だったヤクルト戦(神宮)の翌3日に1軍選手登録を抹消されており、中10日でのマウンドとなる。チームは10日の広島戦(甲子園)までで9月負けなしの8連勝と波に乗り、破竹の勢いで優勝マジックを減らしている。11日時点で「5」となっており、場合によっては〝アレ〟に王手をかける可能性もある一戦。それでも右腕は「これだけ強いチームなので、普通にやれば普通に〝そのとき〟がくると思う。僕にできることは限られているというか、いつも通り投げることだと思うので、どんな試合でもいつも通り投げて、チームが勝てばベスト」と平常心を貫き、チームをさらに加速させる。

◆両軍のオーダーが発表され、阪神は西勇輝投手(32)が先発する。右腕は今季、巨人戦2試合に登板し、2敗、防御率6・52ではあるが、直近2試合では1勝0敗、同1・29と調子を上げている。チームは現在、8連勝中ですべてで先発投手に白星がついており、この試合で西勇が白星をマークしてチームも勝利となれば、1968年以来、55年ぶり。野手は10日の広島戦(甲子園)と同じメンバーで臨む。

◆試合前に競馬の武豊騎手(54)が始球式を行った。岡田監督の背番号であり、自身のJRA・GI勝利数と同じ背番号「80」のユニホームで登場。ノーバン投球を披露した。大の阪神ファンである武豊は「ずっと子どものころから阪神ファンなのですごくうれしいし、今年はついに、アレするのかなと」と独走の今季を喜んだ。8月には岡田監督がチームを「逃げ馬」と表現したが、武豊も「全然ペースが落ちないから。自分が乗っていた馬で言うとサイレンススズカみたいな感じですよね。今シーズンはね。このままいきそうな感じですよね」と名馬にたとえた。さらに「実は岡田監督の後援会に入ってまして。昔から。ほとんど顔は出せていないんですけど。子どもの時から大好きだった選手なので」と指揮官との関係も語り、「これだけ今盛り上がっている中で始球式させてもらって、光栄です」と感謝した。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)が先制点を挙げた。二回1死でノイジーが中前打で出塁し、坂本はフルカウントまで粘った後、三塁強襲の安打で一、三塁と好機を作った。ここで木浪が巨人先発・山崎伊の初球の直球を強振し、打球は右翼の後方へ。飛距離十分の犠飛で先制点を生み出した。「打ったのはストレート。しっかり初球から振っていく準備ができていました。最低限の仕事ですが、先に点を取ることができてよかったです」8月26日の巨人戦(東京ドーム)では満塁弾を含む3安打6打点の活躍を見せた〝恐怖の8番〟がこの日もバットで結果を残した。

◆巨人・横川凱投手(23)が13日の阪神戦(甲子園)に先発する。前回2日のDeNA戦(横浜)では、立ち上がりを狙われ、1回5安打3失点。自身3連敗で7敗目を喫した。この日は、ブルペンでの軽めの投球練習で調整。5勝目を目指す左腕は「ここ最近ずっと思うような投球ができていないので、しっかりと結果で表したい」と意気込んだ。

◆目先の勝利のために腕を振る。巨人・山崎伊織投手(24)が首位・阪神との3連戦初戦のマウンドに上がった。「目の前で(優勝を)見たくないから勝ってやろうっていう気持ちは別にない。それよりも簡単に負けられない試合が続くので、そのために投げようと思う」敵地での登板に向け泰然自若を貫いた。今季最短となる2回?を8安打8失点でKOされた4月27日以来となる甲子園での登板。「前と同じ展開ならないように」と雪辱を期していた右腕が、気迫のこもった投球を披露した。一回から150キロに迫る直球と90キロ台のスローカーブ、切れ味抜群のカットボールをコーナーに投げ分けた。二回1死から連打を浴び、一、三塁で木浪の右犠飛で先取点こそ献上したが、三回以降は、八回まで一人の走者も許さない完全投球。8連勝中と〝アレ〟に向かって突き進む阪神打線の前に立ちはだかった。8月12日のDeNA戦(東京ドーム)で9勝目を挙げてから、3試合連続で白星から遠ざかっている。自身初の2桁勝利に四度目の挑戦となったが、打線が阪神先発・西勇の前に八回まででわずか1安打と沈黙。打線の援護がない中でも、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出を目指すチームを鼓舞する力投を見せたが、散発2安打で二塁さえ踏めず敗れた。(樋口航)

◆阪神は巨人に零封勝ちし、今季3度目の9連勝。貯金は最多を更新する「34」とし、広島がヤクルトに敗れ優勝へのマジックナンバーを「3」とした。阪神は二回にノイジー、坂本の連打でチャンスを作り、木浪の犠飛で先制。先発の西勇は9回を2安打に封じ、今季初の完封勝利となった。9試合連続で先発投手に白星がついて9連勝となるのは1968年以来、55年ぶり。また、球団の1シーズン3度の9連勝は1937年以来となった。

◆熱気の充満する甲子園の真ん中に君臨し、ボルテージをその右腕でさらに高めた。ついに幕を開けた〝アレウイーク〟。これまでと何ひとつ表情を変えない西勇が、7連戦の先陣を切った。「(岡田)監督も普段から『普通通り』って言っているし、普段通りやっていけばみんなの力は出るんじゃないかな」優勝マジックが「5」まで減っても、栄冠をまだ確実につかみ取ったわけではないのであれば、直視するのはあくまでも足もと。気持ちを波立たせることなくマウンドへと向かっていった。一回は多彩な変化球を自在に操って三者凡退スタート。二回は先頭の4番・岡本和を四球で出したが、続く坂本は武器のシュートで内角をエグって投ゴロ併殺に斬ってガッツポーズを作った。続けて岡田の左前打で先頭を出塁させた三回も吉川を外角に逃げていくシュートで遊ゴロ併殺と導き出したのは最高の結果。序盤3回をいずれも3人攻撃に退けて発進すると、さらにペースアップして中盤の3回はパーフェクト投球と、二回にもらった1点をガッチリと守った。「若い子が頑張ってくれて、野手のみんなが大量得点を取っていい流れで勝っている。この一年は自分のなかで良い期間だなと思っています」投手陣では3年目の村上が台頭し、現役ドラフトで移籍加入した大竹は才能が開花。頼みの左腕・伊藤将も安定感を示し、この3人は8―10日の広島3連戦(甲子園)でそろってシーズン10勝を達成した。〝チーム最年長〟というのは周囲に言われるだけで意識はしないが、同じ先発ローテの一角として戦っている後輩たちの活躍は、32歳のまがいなき刺激だ。1日のヤクルト戦(神宮)での村上から、8連勝中は全て先発投手に白星がついており、いい流れで渡ってきたバトンを加速させて青柳に渡すために奮投した。オリックスからFA移籍して今季が5年目。待ち望んだ歓喜のテープに身を委ねたとき、最高の笑顔はようやく輝く。(須藤佳裕)

◆リーグ4位の巨人は、首位・阪神に2安打零封負けを喫し、4年ぶりのリーグ優勝の可能性が消滅した。試合後、原辰徳監督(65)は「まあ、現実は現実。現実と受け止めて」と神妙な面持ちで話した。先発の山崎伊織投手(24)が二回に木浪の犠飛で先制点こそ許したが、三回以降は一人の走者も出さない完全投球を披露。それでも打線が、阪神・西勇の前にわずか2安打と沈黙し、二塁すら踏めなかった。残り16試合。優勝の可能性はなくなったが、クラマックスシリーズ進出(CS)への望みはまだ残っている。指揮官は「もう少し何ていうかな、選手も開き直って思い切って暴れてもらいたい」と奮起を促した。

◆阪神が2時間6分の試合を制して9連勝。2位広島が敗れたため、優勝マジックは「3」となった。二回1死一、三塁から木浪聖也内野手(29)の右犠飛で挙げた1点が決勝点となった。2安打117球で二塁を踏ませなかった西勇輝投手(32)は2022年8月17日の巨人戦(東京D)以来の完封で7勝目(5敗)をマークした。チームは4試合を残してG戦15勝で、球団最多17勝(1979、2003、04年)も視界に入って来た。「オール先発白星」の9連勝は68年8月以来。03年以来の「貯金34」で自身最多とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=78勝44敗1分、観衆=4万2631人)。ーー2時間6分の試合「これ早いから延長になるでって言うとったんや。大体、そんなもんやもんな」ーー西勇は良かった「良かったなあ。初回からなあ。ブルペンではあんまりいいことないでって言うてたんよ。ちょっと心配してたけど、初回見てな、エエやんかって言うたんや、(投手コーチの)安藤に。何ででしょうねって」ーー意地を見せた「途中で、無様なピッチングはこうなったら出来んわな言うとったんやけどな。自分のな、先発陣としてな」ーー最後まで「九回な同点までは西に行かすつもりやったし、最後で(安打は)2本やろ。ゼロで行くやろうという感じやったけどな」ーー9連勝は全て先発陣に白星「計算できるしな。いい刺激になってるいうのは確かやで。だから1人取り残されるから、変なピッチングしたらというのはあると思う」ーー坂本のところはランエンドヒット(二回1死一塁から三塁強襲安打で一、三塁に)「エンドランや。(一走の)ノイジーにランエンドヒットなんか出せへんやん」ーー始球式で武豊。親交は「京都岡田会のメンバーやもん。ずっと、それだけのことやん」ーー逃げ馬のサイレンススズカみたいと言っていた(全然ペースが落ちないから。自分が乗っていた馬で言うとサイレンススズカみたいな感じですよねーと発言)「何馬身あんの?」ーー...「知らんのに、そんな馬の名前出すな。何馬身で勝ったいうことや、お前」ーー犠牲フライが決勝点「あの時点で次の1点言ってたけど、ランナーもそう出そうにないしな。山﨑良かった。ストレートに力あったんやろうな、差し込まれてたからな」ーーチームの犠飛が43とトップ「あっ、そう。犠牲フライいうことは三塁に行ってるいうことやからな。チャンスを広げてるいうことやろうな」ーー最後は盗塁を刺して試合終了(九回2死一塁で坂本が二盗阻止)「うん。真っすぐ来とったらセーフやと木浪も言うとったな」ーー普通の野球ができた「今日は何もしてないな(笑い)。今日は何もしてないやん。二回からサインも、ランナーも出てないんやから何にもしてないやん。何にもない。ただ西九回まで完封やなあって。それが采配や。そういうことや」ーーある意味では理想「何もせんと勝つのが一番エエわな、楽やし」ーー最短優勝は14日「こっちは14日とか、そうじゃなしに、明日明後日のな。明日も一番心配なピッチャーやけどなあ。奮起はするやろ」ーー青柳もこれじゃ終われない「それは本人に聞かんと分からん。俺が判断してもアカンけど、ずっと先発が勝ち星ついて、先発のイニングとか失点とか見てるやろうし、変なピッチングはできんというのを本人が一番感じて投げるやろうな」ーー来週は「抹消する。空いてるからなあ。無理せんでいいから」ーー原さんと会話は「そんなおもろないわ」

◆阪神が2時間6分の今季最短試合を制して9連勝。2位広島が敗れ、マジックは3となった。2安打完封で7勝目の西勇輝投手(32)と、二回に先制犠飛を放った木浪聖也内野手(29)がお立ち台に上がった。ーーナイスピッチング西勇「ありがとうございます!」ーー2安打完封、二塁を踏ませず西勇「そうですね。坂本といつも通り、話し合って自分たちの形ができたし、ほんとに(坂本)誠志郎が最後まで引っ張ってくれたおかげで、こういう長いイニングを投げることができたし、みんなの守備もいいリズムでいくことできて。ほんとに九回、マウンドに上がってる時、歓声すごくて、泣きそうになりました。まだ勝ってないのに」ーー今日のマウンドはどんな思いで西勇「前半からみんなに、失敗ばっかりして迷惑かけて、チームにすごく足を引っ張っている自分がいましたし、ファンもこういう時期までほんとに優勝の体感っていうか。自分が体験してない雰囲気を感じることができない1カ月半(2軍調整)があって、悔しい思いをしながら、結果でしかこの世界って示すことしかできないですし、自分が1カ月半、仲間やいろんなサポートがあって、周りの方々のおかげでまたこうやってマウンドに上がることができて、たくさんの方々にたくさんの応援をしていただいて、ほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」--今季最短の2時間6分西勇「ほんとにこの7連戦ね、先発が1人でも多く、長いイニングほうるということはね、練習前からみんなで話してましたし、7連戦の頭をしっかり投げることができて良かったです。ありがとうございます」ーー二、三回は併殺で西勇「みなさんのリズムが良かったので本当に助かってます」ーー木浪選手が守ってくれてのダブルプレー西勇「木浪はいつも試合中に声かけてくれて、ロッカーのとこでも気さくに声かけてくれて。マウンドでもロッカーでも変わらない姿が頼もしいです」ーー木浪さんは?木浪「嬉しいです」ーーあの打席(二回1死一、三塁)はどんな思いで木浪「初球いくって決めてたんで、思いっきり振った結果、甲子園だったのでまあ十分かなと思いました」ーー西勇の投球は木浪「ほんとにテンポいいですし、守りやすいので、今日も西さんを助けられる守備、できてよかったです」ーーマジックも4(試合終了時点で)。この歓声は木浪「最後までこの歓声でお願いします!」ーー9連勝木浪「みんな試合に入っていますし、すごいいい雰囲気でできているので、このままいきたいと思います」ーーチケットは完売。満員が予想、ファンの歓声は木浪「最近、アレに近づいて、すごい鳥肌が立っているので、あと少し鳥肌が立つような応援よろしくお願いします」ーー明日に向かって木浪「明日も絶対勝ちます。応援よろしくお願いします」西勇「明日からも、たくさんの応援をしていただき、チームにいい雰囲気を持ってきてくださいっ!バモース!!」

◆阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は完封勝利の西勇輝投手(32)を絶賛すると同時にシェルドン・ノイジー外野手(28)の走塁を評価した。西勇にとって大きかったのは二、三回の2つのダブルプレーだ。特に二回は坂本を内角のシュートで詰まらせての投ゴロ併殺。先頭の岡本和を四球で出塁させる嫌な流れで迎えた場面だっただけに、あの1球が大きかった。岡本和に3ボールからでも内角へ投げたように、右打者にはシュートが主体だった。左打者にも有効的で、外角からのカットボール、スライダーも含めてコントロールが良かったことで、巨人打線を苦しめることができた。山崎伊の好投につられた部分もあるとは思うが、何よりも西勇自身が、チームが勝つこと、自分の投球をするということに集中できていた結果の完封だ。二回の1点は、一塁から坂本の三塁強襲安打で三進したノイジーの走塁が見事だった。打席でも内角球をしっかりとセンター前にはじき返した。基本のセンター返しという日本の野球に合わせた打撃ができている。守備でも堅実さを見せているし、こういうことを外国人がやってくれるとチームにとっても非常に大きい。2位以下を引き離し、首位として独走態勢に入った8月下旬から、選手は自分の役割を果たすことができている。木浪も相手にとってはイヤな8番打者だ。チャンスの場面で犠飛という形で役割を果たし、つなぎの打撃を示した。チームが試合を重ねて強くなっていく中で、それぞれが求められる仕事をできているからこその連勝である。

◆阪神・坂本が攻守で仕事をこなし、僅差の勝利を演出した。打撃では0-0の二回1死一塁、フルカウントから三塁内野安打を放ち、一、三塁とチャンスメークして直後の木浪の先制犠飛につなげた。「木浪がいつもランナーをかえしてくれる。どんな形でもランナーを前に進めるのが大事」。リードでも西勇を完封に導いた。

◆手も足も出なかった。4位・巨人は今季11度目の零封負けで、3年ぶりのリーグ優勝の可能性が完全消滅した。通算17年目の指揮を執る原辰徳監督(65)は政権下では初となる3年連続のV逸となったが、懸命に気持ちを切り替えた。「現実は現実と受け止めて。ただ、だからといって、ということもある。もう少し選手も開き直って、思い切って暴れてもらいたいなと思いますね」阪神・西勇の前にわずか2安打で無得点。二塁すら踏めないまま、8回1失点で完投した山崎伊を見殺しにした。「何とかしなきゃいけませんね。なかなか言葉が出ないね」と指揮官。今季最短となる2時間6分で、優勝目前のライバルに蹴散らされた。今季はチーム防御率がリーグ5位の3・57に対し、チーム打率・255、150本塁打はともに12球団トップ。打線は爆発力を秘めるが、この日のように沈黙する展開も珍しくない。大久保打撃チーフコーチは「対策を練っていくんだけど、同じ打ち取られ方をするのは反省しないと。俺の責任」と悔しがった。ただ、下を向いてはいられない。残り16試合で2年ぶりのクライマックスシリーズ進出をかけ、3位・DeNAを1・5ゲーム差で追う。4位に沈んだ昨季に続く2年連続のBクラスは許されない。伝統球団の意地で巻き返しを図る。(谷川直之)

◆九回のマウンドに上がると、登場曲の「always」が流れ始める。同時に沸き起こる万雷の拍手に鳥肌が立ち、感情がこみ上げてきた。27個目のアウトが成立し、阪神・西勇輝投手(32)は女房役の坂本と抱き合う。この瞬間を待っていた。晴れ晴れとした表情でお立ち台に上がった。「(坂本)誠志郎が最後まで引っ張ってくれたおかげで長いイニングを投げることができた。九回のマウンドに上がっている時の歓声すごくて、泣きそうになりました」高ぶる感情を落ち着かせて臨んだ九回は1死で代打・秋広に右前に落とされたが、梶谷を一直、続く門脇の打席で一走・重信が盗塁死となりゲームセット。散発2安打で今季初の完封勝利で7勝目をつかんだ。先発投手全員に白星がついての9連勝は1968年以来、55年ぶり。岡田監督を「今年一番のピッチング」といわしめた。7月5日に虎移籍後初となる不振による2軍落ちを経験。ローテーションを守り続けて13年目で、先発投手としてのエゴや危機感を忘れかけ「後輩を応援する気持ちがより強くなった」という。そんなとき、あるOBに言葉をかけられた。

◆手応えはアノ名馬のよう-。阪神は巨人に1-0で勝利。球団初の同一シーズン3度目の9連勝で優勝マジックを3と減らした。試合時間は今季両リーグ最短の2時間6分。木浪の犠飛&西勇の完封で貯金34とした岡田彰布監督(65)は「きょうは何もしていない」と笑った。始球式を務めた中央競馬の武豊騎手(54)=栗・フリー=は今季の虎を大逃げの戦法でGⅠ宝塚記念など9勝を挙げた「サイレンススズカ」にたとえた。14日にもリーグ優勝が決まる。ムチを打たなくてもいい。わずか3安打。適時打が出なくても負けない。スイスイとハナに立ち、逃げ切れる。1-0という点差以上の強さ。テンよし中よし、終いよし。ゴールライン目前。岡田監督は馬なりならぬ虎なりで9連勝とした。「きょうは何もしてないやん。何もせんと勝つのが一番ええわな、楽やし」12球団で今季最短となる2時間6分で巨人から今季15個目の白星をもぎとった。「山崎(伊)がよかったんでね。なかなか点が取れないと思ってました」と相手右腕の奮闘を認めながら接戦を覚悟。二回1死からノイジーが中前に運び、続く坂本の三塁内野安打で一、三塁を作り、木浪の右犠飛で挙げた1点のみ。それを西勇が今季初完封で彩った。「二回からサインも出していない。西(勇)が九回まで完封やなあって。それが采配や」。同一シーズンで3度の9連勝は球団史上初。2005年以来18年ぶりのリーグ優勝を託された指揮官はほとんど動かずして巨人を退けた。手綱をしごくことなく、勝てる。試合前、始球式に登場した競馬界のレジェンドジョッキー、武豊が今季の虎の戦い方を「サイレンススズカ」とたとえていた。「全然ペースが落ちないから。自分が乗っていた馬でいうとサイレンススズカみたいな感じですよね。このままいきそうな感じですよね」

◆阪神・ノイジーが好走塁で勝利に貢献した。0-0の2回1死から中前打で出塁し、続く坂本の三塁線への打球を坂本が弾いて白球がファウルゾーンを転々とする間に三進。チャンスを拡大し、木浪の右犠飛で生還した。「2ストライクと追い込まれていたので、何とか塁に出たい気持ちだった」と振り返り「今はチームとして、1試合1試合、勝っている。勝つだけだ」と気合を入れた。

◆打った瞬間、主導権を握ったことを確信した。息が詰まるような1―0のゲーム。「アレ」にまた一つ近づく1点を生んだのは〝恐怖の8番〟木浪の犠飛だった。「初球からいくって決めていた。思いっきり振った結果、まあ(飛距離は)十分かなと思いました」二回1死からノイジー、坂本の連打で作った両軍唯一のチャンスをモノにした。山崎伊の直球を一振り。「早めに仕掛けて外野に打ちたいと思っていた」という思惑通り、高々と右翼後方に打ち上げた。わずか1球。「(外野の頭を)越えたら自分らしくないと思うので、あれでいい」と笑ったが、〝虎の子の1点〟をもぎ取った。木浪は今季6つ目の犠飛。43犠飛でリーグトップを走るチームでも、4番・大山に次いで2番目の数字だ。「チャンスの場面は『決める』というときと『つなげる』というイメージで行っているんですけど、最近は『決める』で行っている。それがいい感じに出てるんじゃないかな」8番を打つ木浪の後ろは投手が入る。少しでも投手を楽にしようと、自らの手で得点を奪いに行く姿勢で稼いだ打点は40に到達。岡田監督も「得点圏の打率もすごくいいし、だから、逆に8番を外せないんじゃないですか」と話し、得点圏打率・338の勝負強さを発揮する背番号0に目を細めた。「甲子園で(アレを)決めた方が皆さんもうれしいですし、自分もホームグラウンドで決めたい。でも1試合1試合、必死に勝つだけだと思います」渇望する頂がすぐそこになってなお、木浪が見据えるのは目の前の一戦。活躍の先に甲子園での胴上げが待っている。(中屋友那)

◆競り負け? 惜しい? いやいや、0-1敗戦こそ、巨人に力のない証拠だよ。阪神・西勇は確かに、両サイドへピタピタと精密に投げ分けた。そこへもってきて巨人打線は、1番から8番まで同じバッティング。打順も状況も関係なく、パカパカ打つだけで、工夫がない。ピタピタとパカパカ!! これほどマッチしたら、当然の結果。巨人打線はもはや、直らないね。といって、ここで終わると切ないので、大収穫も挙げる。山崎伊。この内容でこそ、インタビューで「ゲームをつくれました」と答える資格があるというものだ。8回を投げて四球0というのが素晴らしい。西勇に負けず、コントロールがいい。外角へのストレートで、しっかりストライクを取れる。ピッチングの基本だ。スタミナがあることも十分、分かった。来季のエース候補になれるよ。あ、そうそう、まだクライマックスシリーズ争いがあった。来季の前に今季の残り試合も、精いっぱいいこう。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆「誰がチーム最年長のベテランや~!! オレはまだまだ牙をむく若虎やー!!」と言わんばかりの巨人に二塁さえ踏ませない炎の完封劇!! 西勇輝、アレ(優勝)週間に大仕事ありがとう!!本日はもう何はなくとも西勇輝!! 『うまい』(投球が)『安い』『早い』(2時間6分)。おい、おい! それは牛丼の吉野家のキャッチコピーやんけェ!!(笑)。野球って生きものだから、流れってのが確実にあるのだ。八回まで1安打に封じてきた西勇...。しかし、その裏の阪神の攻撃の先頭坂本の三塁線を抜けて二塁打になる打球を、巨人の坂本が超ファインプレーで三ゴロ。続く木浪の三遊間の当たりを門脇がこれまた飛び込んでの芸術的美技!! こーいうプレーが出ると、必ず勝利の女神が寝返えっちゃうのが野球なんです!!しかし、本日の西勇はさえ渡るその右腕で女神までも抱き込んでしまったのだ!! よっ、男前!! マジック3!! よーし、14日。宿敵巨人の前でアレを決めたれー!!

◆騎手の武豊が甲子園にやってきて始球式を行うと聞きつけ、現場のトラ番記者も編集局も色めき立っていた。中でも特に強い思い入れを示していたのは、当番デスクの阿部祐亮だ。「2006年に武豊さんが始球式に来られたときは僕が取材をさせてもらったんです。ただ、とんでもない勘違いをした質問をしてしまって...」2006年7月19日。阿部がまだピヨピヨ記者だった頃のこと。前日まで2日連続で中止になるなど甲子園は連日のグズついた空模様だったが、スター騎手が登場するとパッと雨が上がった。そして見事なノーバウンド投球を披露したのち、報道陣の囲み取材に応じてくれた。競馬大好きの阿部は「馬場状態はいかがでしたか?」と投げかけた。武豊は「重馬場でした」とニヤリ。さらに阿部は〝知ったような顔〟で「ディープインパクトのときの菊花賞もそうでしたよね?」とたたみかけた。だが、それが勘違い。ディープインパクトが無敗でクラシック三冠を達成した05年10月23日の京都競馬場は「良馬場」だったのだ-。「絶対に間違っていると気づいていたはずなのに『う~ん、どうだったかな』とはぐらかしてくれたんです。後で気づいて、ブワッーと嫌な汗が噴き出しました...」名手は続けて、当時首位の中日を1・5ゲーム差で追っていた阪神へ「ディープと同じようにここから追い込みを決めてほしいですね!」とエールを送ってくれた。阿部が聞き出そうとしていたコメントを、聞き出されるまでもなく答えてくれたのだった。さて、この日の武豊騎手はどんなコメントを残したのか-。気になる詳細記事は1面でごらんください。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
78444 0.639
(↑0.003)
M3
(↑2)
17496
(+1)
371
(-)
69
(-)
66
(-)
0.247
(↓0.001)
2.630
(↑0.02)
2
(-)
広島
68584 0.540
(↓0.004)
12
(↓1)
13448
(+1)
456
(+2)
88
(+1)
71
(-)
0.246
(-)
3.150
(-)
3
(-)
DeNA
64603 0.516
(↓0.004)
15
(↓1)
16477
(+1)
454
(+3)
95
(-)
27
(-)
0.249
(-)
3.290
(-)
4
(-)
巨人
63622 0.504
(↓0.004)
16.5
(↓1)
16483
(-)
474
(+1)
150
(-)
44
(-)
0.255
(↓0.001)
3.570
(↑0.01)
5
(-)
ヤクルト
51743 0.408
(↑0.005)
28.5
(-)
15474
(+2)
509
(+1)
106
(+1)
58
(-)
0.241
(↑0.001)
3.680
(↑0.02)
6
(-)
中日
47754 0.385
(↑0.005)
31
(-)
17342
(+3)
441
(+1)
59
(+2)
32
(-)
0.238
(↓0.001)
3.130
(↑0.01)