阪神(☆5対1★)広島 =リーグ戦20回戦(2023.09.09)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:大竹 耕太郎(10勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝2敗31S))
敗戦投手:森下 暢仁(8勝4敗0S)
  DAZN
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◆投打のかみ合った阪神が7連勝。阪神は2回裏にノイジー、大竹、近本の適時打で一挙4点を先制する。投げては、先発・大竹が7回途中1失点の好投。その後は3投手が無失点リレーを展開し、大竹は今季10勝目を挙げた。敗れた広島は、先発・森下が試合をつくれなかった。

◆阪神が優勝マジック一気の「3」減へ、先制に成功した。2回先頭、佐藤輝明内野手(24)が右中間への二塁打で出塁。続くシェルドン・ノイジー外野手(28)がしぶとく右前打を放ち、1点を奪った。セ・リーグの規定では勝率が並んだ場合、(1)勝利数(2)当該球団間の対戦成績(3)交流戦を除いたリーグ内勝率で上位を決める。現在阪神は広島戦11勝7敗1分けで、この日勝てば広島戦の五分以上が確定。(1)と(2)で広島と並んでも(3)で広島を上回るため、マジックが一気に3減る。

◆/手堅くバント──ではない。\綺麗なバスター大竹耕太郎がプロ初の長打?プロ野球(2023/9/9)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/hw4p9BWdTP

◆何をやってもうまくいく! 阪神大竹耕太郎投手(28)が、プロ初長打となる適時二塁打を放った。2回、ノイジーの適時打で1点を先制し、なおも1死一、三塁。バントの構えから3球見逃し、2ボール1ストライクとなった場面。広島森下の高め145キロ直球を「バスター」で打ち返すと、左翼越えの二塁打となった。大竹はプロ通算40打席目で初の長打で、初のタイムリー。二塁ベース上では両手を上げてガッツポーズした。さらに1死二、三塁で1番近本光司外野手(28)が、内角148キロ直球にどん詰まりながらも、左翼前へポトリと落とす2点適時二塁打。広島森下も1イニング4失点にぼう然とした様子だった。

◆自身初の2桁勝利がかかる阪神先発大竹耕太郎投手(28)が、7回途中5安打1失点(自責点0)で救援陣にバトンを託した。6回までは得点圏にすら進塁を許さない快投。7回、味方の失策から初めて2死二塁のピンチを背負うと、7番田中に左翼手、遊撃手の間に落ちる適時打で1失点を喫した。直後に2番手石井へ交代が告げられたが、降板時にファンからは割れるような拍手でたたえられた。すでに9勝を記録。4点リードのまま、自身初となる10勝目の権利を得てマウンドを降りた。

◆8回の広島の攻撃中、ポリ袋とみられる浮遊物を一塁塁審の福家審判員がキャッチした。ジャンプしてつかんだ。この"ナイスプレー"に甲子園のファンは拍手。プレーが一瞬止まったが、聖地は和やかなムードに包まれた。

◆阪神が広島に連勝し、今季4度目の7連勝で、優勝マジックを一挙に「3」減らして「7」とした。序盤から阪神ペース。先発の大竹耕太郎投手(28)が、5回まで無失点と試合を作ると、2回に打線が呼応。先頭の佐藤輝明内野手(24)が右中間への二塁打で口火を切る。続くシェルドン・ノイジー外野手(28)が右前へ先制適時打。さらに1死一、三塁から投手の大竹が、左翼へプロ初の長打&適時打となる二塁打を放ち1点を追加。なお二、三塁の好機に近本光司外野手(28)が左へ2点タイムリー二塁打でこの回4点を先制した。5回にも内野ゴロの間に1点を加え、広島森下をKOした。7回に1点を失ったところで大竹は石井と交代したが、6回2/3を5安打1失点(自責0)と上々の投球で、育成ドラフト出身では史上4人目の2桁勝利に到達した。投打ががっちりかみ合ったチームは、これで貯金が今季最多の32。マジックが1ケタとなり、念願の「アレ」へ向け、カウントダウンが一気に加速した。阪神が2位広島に10差をつけた。2位球団に2桁ゲーム差をつけての首位は、08年7月26日に2位巨人に10・5差として以来15年ぶり。また、今季このカード12勝7敗1分けとし、5試合を残して5割以上が確定。既に他のセ4球団には勝ち越しを決めており、交流戦を除いて全球団に勝ち越す完全優勝に王手をかけた。阪神は9月1日から今季4度目の7連勝。今季最長は、8月3日中日戦~同13日ヤクルト戦の10連勝。阪神は76勝44敗4分けで貯金を32とした。前回の岡田監督時代の最多は33で、05年に2度記録しており、あと1と迫った。なお2リーグ分立後の球団最多は03年の40(同年中に7度記録)。球団最多は、1リーグ時代の47年11月12日に79勝37敗3分けとした貯金42。阪神は今季デーゲームで16勝8敗1分け、勝率6割6分2厘。甲子園では11勝2敗1分け、8割4分6厘の好成績を収めている。

◆阪神先発の大竹耕太郎投手(28)が、自身初の2桁勝利を達成した。序盤からテンポよく投げ込んだ。6回までは得点圏にすら進塁を許さない快投。だが、味方の失策で唯一招いた7回2死二塁に、7番田中から左翼手と遊撃手の間に落ちる適時打で初失点を喫した。直後に交代が告げられ、7回途中5安打1失点(自責点0)。マウンドを降りる左腕には、球場からは大きな拍手が送られた。その後は救援陣がリードを守り切って勝利。今季防御率0・64と好相性の広島から節目の1勝となった。17年育成ドラフト4位で、ソフトバンクでプロ野球のキャリアをスタート。プロ6年目で初の大台到達となった。育成出身選手としては千賀、石川(ともにソフトバンク)、山口(巨人)以来、4人目の2桁勝利だ。直近2年は勝ち星から遠ざかっていた中、昨年12月の現役ドラフトで阪神に移籍。現役ドラフトでの移籍選手では初、阪神移籍1年目では19年の西勇以来、歴代8人目の2桁勝利となった。前日8日の広島戦(甲子園)でも、先発村上頌樹投手(25)がプロ入り初の2桁勝利を達成。2日連続の10勝投手誕生となった。

◆阪神が優勝マジックを一気に3減らし、「7」とする異例の事態となった。首位チームの勝ち対象チームが敗れれば、一般的ににマジックは「2」しか減らない。今回は(1)10日以降の試合で阪神が7勝(12敗)、広島が15戦全勝すれば、最終成績はともに83勝56敗4分けで勝率5割9分7厘。両軍の対戦成績も12勝12敗1分けで、全くの五分に(2)セ・リーグではこの状況の場合、「交流戦を除いた、セ球団同士でのリーグ戦上位」を優勝球団とすると規定(3)9日現在のセ球団同士のリーグ戦成績に前述の結果を反映すると、阪神は76勝46敗3分けの勝率6割2分3厘、広島は74勝47敗4分けで6割1分2厘。こうして阪神が上位となることが確定するため。なお、10日は勝ってもマジックは2で減で「5」となる。優勝マジックが一気に3減少 近年には、巨人が20年9月16日に38から35に、楽天が13年9月11日に18から15に、西武が93年9月29日に9から6へそれぞれ減らした例がある。

◆阪神木浪聖也内野手(29)にヒヤリとするシーンがあった。5点リードの7回2死二塁。広島田中の遊撃後方への飛球を懸命に追い、最後はダイブ。惜しくもキャッチはならず、この間に1点を返された。木浪は飛び込んだ際に地面に体を強く打ちつけた模様で、しばらく倒れ込んだ。その後、チームトレーナーが駆け寄ったが、起き上がってプレー再開に向かった。直後の投手交代のタイミングで1度ベンチに下がって治療を受けると、ダッシュでグラウンドに登場。遊撃でプレーを続行した。

◆阪神が広島に連勝し、今季4度目の7連勝で、優勝マジックを一挙に「3」減らして「7」とした。試合後、甲子園ライトスタンドを中心に「アレ! アレ! タイガース!」とコールが響いた。この日勝利し、優勝マジックは一気に3つ減って7に。最短Vは14日巨人戦(甲子園)。虎党は「アレ」を確信したのか、試合後も大盛り上がりだった。

◆阪神が広島に連勝し、今季4度目の7連勝で、優勝マジックを一挙に3減らして「7」とした。岡田彰布監督は試合後、「3っていうのは俺も分からんけど、新聞で見ただけやけどな。引き分けの数か? 何あれ」と不思議そうに返答。「カウントダウンはまだやろ。やっぱりシングルでも片手以下やろ。なあ、8とか9は弱いで。片手にならんとやっぱり強ないもんな、ゴルフでも。そういうことやろ。8とか9は弱い」と岡田節で試合後のインタビューを締めた。序盤から阪神ペースだった。先発の大竹耕太郎投手(28)が、5回まで無失点と試合を作ると、2回に打線が呼応。先頭の佐藤輝明内野手(24)が右中間への二塁打で口火を切る。続くシェルドン・ノイジー外野手(28)が右前へ先制適時打。さらに1死一、三塁から投手の大竹が、左翼へプロ初の長打&適時打となる二塁打を放ち1点を追加。なお二、三塁の好機に近本光司外野手(28)が左へ2点タイムリー二塁打でこの回4点を先制した。5回にも内野ゴロの間に1点を加え、広島森下をKOした。7回に1点を失ったところで大竹は石井と交代したが、6回2/3を5安打1失点(自責0)と上々の投球で、育成ドラフト出身では史上4人目の2桁勝利に到達した。投打ががっちりかみ合ったチームは、これで貯金が今季最多の32。マジックが1ケタとなり、念願の「アレ」へ向け、カウントダウンが一気に加速した。

◆阪神岩崎優投手(32)が自己最多を更新する31セーブ目を挙げ、セ・リーグ単独トップに立った。初の最多セーブのタイトルも見えてきた。4点リードの9回、3番手桐敷が2死一、二塁としたところで登板。デビッドソンを二ゴロに打ち取り、わずか2球で試合を締めた。岡田監督は「3点差やったら(9回の頭から)いかしとったけどな。あのままやったから、よう出しよったわ、うまいこと桐敷も。あれでセーブがついたわけやからな」とセーブシチュエーションを"演出"した桐敷に笑顔。「そらあ、狙えるところにおったらな、そらとらせたらなあかんから。2人、2人(出ろ)言うとったんや」とにんまりだった。

◆阪神のマジックが10から7に減った。セ・リーグでは、2チームが勝率で並んだ場合は(1)勝利数(2)当該球団間の対戦成績(3)交流戦を除いたリーグ内勝率の順で順位を決める。この日で阪神は広島戦に12勝7敗1分けとなり、広島戦の勝率5割以上が決定。交流戦は広島が9勝9敗、阪神が7勝10敗1分けで、両チームが並んだ場合のリーグ内勝率は阪神が必ず上回る。よって、阪神は広島と勝率、勝利数が同じでも優勝が決まるため、マジックが前日から3減った。1日でマジックが3減ったのは20年9月16日の巨人以来になる。巨人はM対象だった阪神戦の負け越しがなくなったため、15日の38から35に減った。13年9月11日には楽天がM対象のロッテ戦の勝ち越しを決め、18から15に減っている。これらは規則によって減った例だが、引き分け数に差がある場合も3減ることがある。93年9月29日に西武のマジックが9から6、84年9月22日には阪急のマジックが4から1に減った。

◆阪神近本光司外野手(28)が、お立ち台で珍しく絶叫した。ヒーローインタビューの最後にマイクを振られ「バモーーーーーーース!」と叫んだ。ヒーローインタビューでの大竹、ノイジー、近本の一問一答は以下の通り。-10勝目を挙げた大竹 野手のみなさん、誠志郎さんのリードに助けられてここまできたので、感謝の気持ちでいっぱいです。-立ち上がりは速球多め大竹 前回大事なところだ牧選手にホームランを打たれて、そこで遊び心がなかったというか。今日はピンチでも遊び心を持ってやりたいと思っていました。-内野ゴロが多い大竹 フォームの緩急もうまく使えましたし、打者との駆け引きがうまくできました。-バスターで適時打も大竹 ゲッツーだけは打たないように、外野フライでいいやくらいで打ちました。-プロ初長打大竹 最高の気持ちよさでした。-優勝争い大竹 ほんとに最後まで、ちゃんと1軍で投げる経験がないので、今年は意地でも、「アレ」するまだ1軍にい続けるという思いでやっています。-決意を大竹 昨日、村上のいいピッチングを見て刺激受けましたし、明日は将司(伊藤)が10勝してくれると思う。また「アレ」に向けて頑張っていきましょう!(続いてノイジーが返答)-先制打の場面、どんな意識でノイジー まずはランナーを進塁させることを思っていました。坂本選手につなごうと思っていたところ、間を抜けてくれて得点につながってよかったです。-満員の甲子園はノイジー 最高ですね。楽しんでますし、今までプレーした中で一番のファンだと思っています。-優勝争い、決意はノイジー チームとして試合を勝ち続けていきたい。攻撃面で仕事ができてないので、もっと打てるように、引き続き自分たちの野球をしたいです。(最後に近本が返答)-目の前で大竹のタイムリーあった近本 サイン見てたんで、「ここ打つんや」と思いながら、どうなるんやろうと思っていたら、最高の結果だったので。シェルドン、大竹が打ってくれてたんで、気楽に入ることができました。-打線がつながって近本 どんな形でも2人帰ってきてくれたんで、大竹のランニングもすごくよかったと思うので、ありがとうございます。-昨日から復帰、歓声を聞いて近本 最高でーす!-今日勝ってマジック3つ減った近本 僕たちは1戦1戦、自分たちの野球やるだけなので、みなさんも全力で応援よろしくお願いします!ありがとうございます!-最後に力強い言葉を近本 バモーーース!

◆/今日は一気に3つ減る!\アレヘのマジックは7阪神が首位攻防戦2連勝?プロ野球(2023/9/9)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/VEHjanyxUv

◆阪神が広島に連勝し、今季4度目の7連勝で、優勝マジックを一挙に3減らして「7」とした。貯金が今季最多の32。先発の大竹耕太郎投手(28)は6回2/3を1失点でプロ初の10勝を挙げた。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(囲み)-大竹の打球はよく伸びた「ああ、そう、だから打った瞬間、見づらかった、オレも、みんなウォー言うたからさ、おーん」-サインが分からなかったのは2ボールから「そうや、うん」-手を挙げてもう1度確認していた「あの時分からんかったんや」-バントの雰囲気から結果的に見逃したのが「違う、違う、違う。だから、(広島の守備が)ゲッツー態勢入ったからな、バントさしたんや。ホントはツーアウト2塁、3塁でな、近本でええと思たからな。バントの構えで前来たからさ、それでバスターに変えたんや。バスターやったらゲッツーならんやんか、その守備体系のおかげやろな、あのバスターはな」-投球は対戦を重ねている広島だが「いやいやいや、広島に関してはな。(対大竹は)左バッターの方が打率がええから、なあ、昨日よりも多かったよな。ちゃんと投げたらていうたらおかしいけどな、やっぱりコントロール間違いしなかったら、やっぱり打たれないいうことやろな。そら、向こうも対策練ってると思うけど。練ってるから、左バッターでな。そら堂林とかな、当たってるから、今日、末包も来るかなと思ったけど」-最近投げているスローボールも「うーん。まあ、バッターからしたら嫌やろなあ。まあ、だから、それも余裕があるからやで」-ローテを配置転換して大竹を広島戦にまわしたことも「そうやなあ。開幕当初は、オレは去年の成績をほとんど見ないって言ってたけど。そんな相性とかね。その、また偏ってしまうから。でも、まあ、今年1年やって、やっぱり、あんだけローテーションで投げてたら、相性とか出てくるからさ、数字に。それやったらこの時期になったらな、自分の得意なところに行かせてやらんとな。まあ、間隔もな、ちょうど。中6でずっといっとったんを、ちょっと空けれてよかったんちゃうかな。リフレッシュしてな」-最後は岩崎をいかせた「いやいや、セーブ。3点差やったら(9回の頭から)いかしとったけどな。あのままやったから、よう出しよったわ。うまいこと桐敷も。あれでセーブがついたわけやからな」-タイトルも狙える「そらあ、狙えるところにおったらな、そら取らせたらなあかんから。(桐敷に走者)2人、2人(出ろ)言うとったんや(笑い)」-復帰した近本も得点に絡んでいる「うん。いやいや、もう普通やろ、それが。まあ普通にやったら、最低外野フライでもうまいこと点が入るっていう打ち方するもんな、やっぱり」-一気にマジック3減は「3っていうのはオレも分からんけど、新聞で見ただけやけどな。引き分けの数か? 何あれ」-直接対決などの兼ね合い。広島戦の負け越しがなくなったことも関わってくる「ああ、そう。まあそんなん関係ないけどな」-1ケタになると、カウントダウンというイメージ「いやいや。カウントダウンはまだやろ。やっぱり(ゴルフの)シングル(プレーヤーのハンディ)でも片手以下やろ。なあ、8とか9は弱いで。片手にならんとやっぱり強ないもんな、ゴルフでも。そういうことやろ。8とか9は弱い」

◆阪神が広島に連勝し、今季4度目の7連勝で、優勝マジックを一挙に3減らして「7」とした。貯金が今季最多の32。先発の大竹耕太郎投手(28)は6回2/3を1失点でプロ初の10勝を挙げた。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-序盤に先制し快勝「そうですね。やっぱり、2回は大きかったですね」-大竹はバントの構えからヒッティング。あの場面は「いやいや、狙いというか。(広島の守備が)前に来たからね。で、変えたんですよ」-大きな一打だった「いやいや、あそこまで飛ばしたのは初めてじゃないですか? 大竹。最長飛距離ですね(笑い)」-2ボール1ストライクから。最初はバントで進めるサインだった「そうそう。バント、バント」-サインを変えるタイミングはさすがの嗅覚「いやいや、その前、サインわからへんかった。2回目のサインで、やっとわかった。あのカウントで」-2回は打線もつながった「いつも、何ていうか、坂本にバントしてね、あんまり期待してない打順なんで。点入らん...、まあ1点入って、ね。木浪も打たないで、そういう感じでもよかった。まあ、1点先行したらね、いいと思ってたんが、木浪も打ったし、(大竹の)バスターも、うまく成功したんで。1点でいいと思ってた回を、4点とれたんで。それは大きかったですね。やっぱりね」-投手・大竹は今日もいい内容「けっこうね、ストレートで最初から飛ばしていたみたいで。今日は7回で替えようかなと思ったけど、まああそこ1点ね、エラーからだけど、あとのピッチャーも全然元気なので、まあそこでスパッと代えることにしましたね」-今日も四球なし「どうだろう、昨日の刺激もあるのかな。村上に先に、先に10勝っていってもそんな先、後の問題じゃないんだけど、昨日も無四球でいっているしね、そういう意味でも、コントロールがいいのでそんなに連打を食わないので、フォアボールが絡まなかったら、そんな大量失点にはならないので、そのへんはやっぱり安定感というか、そういうのはありますね」-マジックが7。ファンはカウントダウンという心境「やっぱり、うーん、これは試合をしたら、明日も広島ですけど、なんとか勝っていけば減っていくんで。まあ、もう少し、楽しみに(笑い)、ゲームやっていきます、はい」

◆2位広島が3連敗し、首位阪神とのゲーム差は最大10に広がった。相手先発は今季ここまで5戦4敗の大竹耕太郎投手(28)。右打者の被打率2割2分2厘より左打者の被打率が2割9分2厘と高いデータもあり、7人の左打者を先発オーダーに並べたが、敵失がらみの1点どまり。田中広輔内野手(34)が猛打賞と気を吐き、チーム唯一の適時打をマークも「試合に勝たないと意味がないので。個人的には3本打てましたけど、もっともっとチームが勝てるように」と厳しい表情だった。先発森下暢仁投手(26)は、今季ワースト5失点(自責4)で5回降板した。2回に5安打を浴び、大竹にも適時二塁打を許した。「いつも通り入れたんですけど、つながってしまったり止められなかって感じですね。(大竹の適時打は)自分たちの注意不足ですね」と振り返り、阪神に連勝を許した結果には「もう申し訳ないです」と悔やんだ。甲子園の阪神戦は、これで1分けをはさんで6連敗。同カードの今季勝ち越しはなくなった。8日阪神戦(甲子園)から1軍複軌した秋山翔吾外野手(35)のバットから快音は聞かれず、右脇腹に張りを抱える西川龍馬外野手(28)も無安打。左翼守備では、失点につながる失策もあった。新井貴浩監督(46)は「ちょっと以前やってた脇がね、タイトになってきたから。龍馬も秋山も実戦から遠ざかっていて、実戦に来ましたってなってパンパン打てるほど甘いわけじゃない。彼らは試合に出ていく中で微調整、調整して上げていってもらえれば」と完全復活を待つ。10ゲーム差がついた状況にも「また明日の試合にしっかり備えたい。その繰り返しなので」とまずは全力で連敗を止める。

◆阪神近本光司外野手(28)がお立ち台で叫んだ。締めの言葉を求められ「バモーーース!」。同僚原口の決めぜりふを拝借し、甲子園を盛り上げた。2回に一挙4得点のトリを飾る2点適時二塁打。3日のヤクルト戦で死球を受けた影響で2試合続けてベンチを外れていたが、前日8日にスタメンに戻った。これで7試合連続安打。周囲も安心だ。「サインを見てたんで、『ここ打つんや』と思いながら。最高の結果だったので、気楽に(打席に)入ることができました」2回の打席の直前、大竹へのバスターのサインに、そんなことを思っていた。1死二、三塁で捉えたのは森下の内角148キロ。どん詰まりで左前に落とした。「イメージの中ではこうなったらこうなるっていうのはあったので、別に意図してないわけでもない」と決してきれいではない一打を分析。岡田監督は「もう普通やろ。最低外野フライでもうまいこと点が入るっていう打ち方するもんな、やっぱり」と、リードオフマンの技術をたたえた。1番打者として今季52打点は、69年藤田平に並び球団歴代6位タイ。入団5年目以内の安打数は760とし歴代1位の巨人長野久義に7本、同長嶋茂雄に3本と迫った。「あと16本くらいあるんかなと思ってた」と驚くと「こだわりはない」ときっぱり。3つ減り「7」となった優勝マジックについては「意識しないわけないでしょ。でもやることは一緒。CSがあるし、1戦1戦頑張ります」と前を向いた。【中野椋】

◆阪神大竹耕太郎投手(28)がプロ6年目で初の10勝を挙げ、チームを7連勝に導いた。無傷4勝だった好相性を買われて中9日で2位広島との直接対決に先発し、7回途中1失点(自責点0)。打っては2回にバスターを決め、プロ初長打となる初適時打で自身を援護した。10勝は育成入団選手では4人目の快挙だ。チームの優勝マジックは一気に3減って1桁の「7」。現役ドラフトで新加入した孝行左腕が、最短14日のアレへさらに勢いづけた。大竹マジックが広島打線を手玉に取った。2位との直接対決ながら「遊び心持ってやりたい」と臨んだ一戦。初回は全て速球。一転、時には80キロ台のチェンジアップで打者を翻弄(ほんろう)した。超遅球のたびに甲子園を沸かせ「160キロで沸くのはありがち。80キロで沸くのは気持ちよかったです」とにやり。6回までは二塁も踏ませず、7回に初失点の適時打を許して降板したが、惜しみない拍手に包まれた。プロ6年目、初の10勝目をつかんだ。投げるだけではない。1点リードの2回1死一、三塁では広島森下からバスターで左翼越えの適時二塁打も決めた。プロ初長打で初タイムリー。岡田監督は「ゲッツー態勢入ったからバントさしたんや。バントの構えで前来たから、バスターに変えたんや」と作戦ズバリににっこりだ。森下は早大時代にもバスターで安打を放った相手で、プロ初ヒットも決めた相手。「(大学時代)がよみがえってフラッシュバックした。体現できました」と笑った。17年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団し、昨年12月の現役ドラフトで阪神に移籍。育成入団選手では千賀、石川、山口らに次ぎ史上4人目、阪神移籍1年目の左腕では03年下柳以来2人目の2桁勝利となった。「支配下になって、僕でも(10勝)いけるんじゃないかという気持ちにさせてくれたコーチや監督さん。いい勘違いをさせてもらいました」と感謝した。シンデレラボーイに他球団も対策を進める中、自身も研究を止めなかった。時に岡田監督に直接助言を仰ぎ、時に早大の後輩ロッテ小島にも助言をもらった。この日も小島からの「データに頼らず、その日のバッターをちゃんと見る」という言葉を生かして投球した。YouTubeも活用し、元DeNA監督ラミレス氏のチャンネルを参考にしたこともある。自身への対策として「右打者は右翼へ単打を狙うべき」という内容。実際にそういった打撃を実感する場面もあり、「これはラミちゃん打法だと思うこともありました」と振り返った。貪欲な姿勢がこの日につながっている。チームは7連勝で優勝マジックは一気に3減って7になった。「今日良かったから野球人生終えるわけでもない。もっといいピッチャーになれるように」。新天地での進化を止めず、アレに導く。【波部俊之介】

◆阪神大竹耕太郎投手(28)がプロ6年目で初の10勝を挙げ、チームを7連勝に導いた。無傷4勝だった好相性を買われて中9日で2位広島との直接対決に先発し、7回途中1失点(自責点0)。打っては2回にバスターを決め、プロ初長打となる初適時打で自身を援護した。10勝は育成入団選手では4人目の快挙だ。チームの優勝マジックは一気に3減って1桁の「7」。現役ドラフトで新加入した孝行左腕が、最短14日のアレへさらに勢いづけた。〇..."勝利の女神"だ。岡田監督の陽子夫人も親戚とともに、ネット裏から7連勝を見届けた。今季2度目の甲子園観戦で連勝。「年に何度も来ることはできませんが、実は前に負けたのを覚えてないくらい負けてないんです」。試合後に出くわした同じV戦士の真弓明信氏(日刊スポーツ評論家)から「じゃあ毎日来ないといけませんね」とエールを送られて盛り上がった。

◆阪神の岩崎優投手(32)が31セーブ目を挙げ、セ1位に浮上した。ところで、岩崎が登板したのは、阪神が5-1と4点リードした場面。通常ならセーブは3点差以内を守った場合に記録される場合がほとんどだ。なのになぜ?実はセーブ投手となるには、複数の条件がある。勝利した試合の最後を投げきり、勝ち投手とならなかった投手を対象とする。そして以下の条件のいずれかを満たすと、セーブが与えられる。(1)リードが3点以内の場面で登板し、1イニング以上投げた場合(2)2者連続本塁打を許すと同点とされる、または逆転される場面で投げた場合(3)3イニング以上を投げた場合。このとき、点差は無関係。今回の岩崎は、4点リードの9回2死一、二塁で登板した。仮に2者連続で本塁打を打たれていたら、3ランで1点差、続くソロで同点に追いつかれる。その場面を抑えたために、点差が4点ありながらセーブを記録することができたのだった。【記録室=高野勲】

◆阪神大竹耕太郎投手(28)がプロ6年目で初の10勝を挙げ、チームを7連勝に導いた。阪神に移籍していなければ、大竹耕太郎投手は今季限りでユニホームを脱いでいたかもしれない。ソフトバンクの巨大戦力に埋もれていた昨年、ぬるま湯につかっていた。「練習するには(ファーム施設の)筑後は最高ですから。設備も最新のものだし、広いし充実している。年俸もほかの若手よりはもらっている。(熊本の)実家も近くてすぐ行ける...。このままの生活がずっと続けばいいなっていう自分がいたのも確かですね」当時のことを正直に、恥ずかしそうに明かす。だが、そんな甘い考えでは長くプレーできないことも分かっていた。転機はやはり、現役ドラフトでの阪神移籍だった。0からの出発で気持ちを入れ替え、注目度の高い球団という刺激的な環境に置かれたことで、再び眠っていた闘志に火がついた。「移籍先が阪神でよかった」。早大の先輩、岡田監督が就任した縁にも導かれた。ニュー大竹は感謝を胸に腕を振り続ける。【阪神担当=石橋隆雄】

◆阪神先発の大竹耕太郎投手(28)が、自身初の2桁勝利を達成した。▽ソフトバンク和田毅(合同自主トレを行う大竹の10勝に)「10勝しましたね! 本当に素晴らしいピッチングを続けての10勝なので、すごいですし、まだまだこれからも何年も続けて、2桁勝てる投手になっていってほしいです」

◆強い。強い。強すぎる。阪神岡田彰布監督(65)が"余裕のタクト"で2位広島を連倒し、最大10ゲーム差をつけて優勝マジックを7に減らした。過去5度の優勝までを振り返る。62年 夏場から大洋(現DeNA)とマッチレースの様相に。8月下旬に5差をつけ独走態勢に入ったが、9月半ばの6連敗などで首位から陥落した。大洋の自滅にも助けられ、村山実、小山正明のフル回転で終盤戦に首位を奪還。初のセ・リーグ優勝を飾った。64年 大洋とのリターンマッチ。7月後半に首位に6・5差をつけられ、窮地に立った。8月下旬から毎日のように首位が入れ替わる大混戦に突入。9月20日からの大洋との4連戦に、バッキーが3勝する大活躍。球団史上最大の逆転優勝を飾った。85年 前年覇者の広島とつばぜり合いを演じた。前半戦最後の直接対決3連戦に2敗した後、最終戦に勝ち踏みとどまる。長期ロード中に6連敗を喫し、正念場を迎えた。9月以降に21勝10敗2分けの勝率6割7分7厘とスパートを掛け、粘る広島を振り切った。03年 76試合目の7月8日に優勝マジック点灯と、難なくゴールインと思われた。ところが長期ロード中に4勝11敗と大ブレーキ。9月には5連敗と4連敗が各1度。優勝を決めた9月15日に、星野仙一監督は「あー、しんどかった」と心境を言い表した。05年 7月中旬には2位に8差と独走。球宴明けに失速し、落合博満監督率いる中日との神経戦が始まった。負ければ1差接近の9月7日直接対決。あわや没収試合の大乱戦を制し、再びVロードを歩んだ。就任2年目の岡田監督が、初めてセの頂点に立った。

◆阪神近本光司外野手(28)がお立ち台で叫んだ。締めの言葉を求められ「バモーーース!」。同僚原口の決めぜりふを拝借し、甲子園を盛り上げた。2回に一挙4得点のトリを飾る2点適時二塁打。3日のヤクルト戦で死球を受けた影響で2試合続けてベンチを外れていたが、前日8日にスタメンに戻った。これで7試合連続安打。周囲も安心だ。「『ここ打つんや』と思いながら。最高の結果だったので、気楽に(打席に)入ることができました」2回の打席の直前、大竹へのバスターのサインに、そんなことを思っていた。1死二、三塁で捉えたのは森下の内角148キロ。どん詰まりで左前に落とした。「イメージの中ではこうなったらこうなるっていうのはあったので、別に意図してないわけでもない」と決してきれいではない一打を分析。岡田監督は「もう普通やろ。最低外野フライでもうまいこと点が入るっていう打ち方するもんな、やっぱり」と、リードオフマンの技術をたたえた。1番打者として今季52打点は、69年藤田平に並び球団歴代6位タイ。入団5年目以内の安打数は760とし歴代1位の巨人長野久義に7本、同2位長嶋茂雄に3本と迫った。「あと16本くらいあるんかなと思ってた」と驚くと「こだわりはない」ときっぱり。3つ減り「7」となった優勝マジックについては「意識しないわけないでしょ。でもやることは一緒。CSがあるし、1戦1戦頑張ります」と前を向いた。【中野椋】決勝打はノイジーだ。甲子園では5月28日巨人戦以来、3度目のお立ち台。満員のスタンドを見渡し「最高ですね。楽しんでますし、今までプレーした中で一番のファンだと思っています」と話して喝采を浴びた。2回無死二塁で広島先発の森下から右前へ先制適時打。自身の背番号7と同じ7連勝でマジックも7。「子どものころ、一番の親友のお気に入り番号が7だったので、それを着てプレーするのはいいことかな」と会心だった。前日8日広島戦の守備中に頭部に打球が当たり途中交代した森下が「3番右翼」でフル出場した。「大丈夫です。打撲的な痛みだけ」。5回広島森下から左翼へ安打を放ち、5戦連続安打。森下からは今季2本目で「全然打てていなかったんで、なんとか今日1本出てよかった」と笑顔だった。佐藤輝が猛攻の口火を切った。2回先頭で広島森下から右中間二塁打。ノイジーの適時打で先制決勝のホームを踏み、この回4得点に貢献。打率3割と好調だった8月に続き、9月も3本塁打を放つなど好調を維持している。優勝マジック7について「まあ落ち着いていきましょうよ。(あえてそう意識?)いや、これはいつも自分の中で言ってることで、普通に」。アレの瞬間まで平常心で突き進む。

◆強い。強い。強すぎる。阪神岡田彰布監督(65)が"余裕のタクト"で2位広島を連倒し、最大10ゲーム差をつけて優勝マジックを7に減らした。マジックが一気に3も減る珍現象に「3っていうのはオレも分からんけど。何あれ?」と不思議そうに笑った。驚いたのは4点リードの9回だ。イニングまたぎの桐敷がプロ初セーブかと思われた。だが、2死から2人目の走者を出すと、守護神岩崎を投入。左腕はデビッドソンを二ゴロに仕留め、リーグ単独トップに立つ31セーブを挙げた。指揮官はにんまりだ。「よう(走者を2人)出しよったわ。桐敷も。(タイトルを)狙えるところにおったらな、そら取らせたらなあかんから。2人、2人(走者出ろとベンチで)言うとったんや」。9回は走者2人を置いて登板すればセーブのシチュエーション。ピンチつくれと願っていたと明かし、見事"珍ゲキ"に応えた桐敷をたたえた。18年ぶりのアレはほぼ確実ながら、優勝が未決定の時点でタイトルを念頭に置いた采配は余裕のたまもの。功労者岩崎に報いたい親心を感じさせた。今季の虎の安定した戦いは、過去5度のリーグ優勝とひと味もふた味も違う。3位は4月21日の1度だけで首位につけられた最大のゲーム差は3。5月13日にDeNAと同率首位に立って以降、2度首位陥落してもすぐに次の試合で首位に返り咲くなど、9割以上首位にいる。残り19試合で2位に10ゲーム差をつけた。初Vの62年、64年はともに逆転優勝。85年は広島と05年は中日と最後まで競り合った。独走だった03年も後半戦は負け越すなど、星野監督は「ああ、しんどかった」と名言を残している。ゴールテープが迫ってきた。それでも岡田監督は首を振った。「いやいや、カウントダウンはまだやろ。やっぱり(ゴルフの)シングル(プレーヤーのハンディ)でも片手以下やろ。片手以下にならんとやっぱり強ないもんな」。大好きなゴルフにたとえて笑顔。10日も広島に勝てば優勝マジックは5まで減る。次はどんなマジックがさく裂するのか。ゲームセットまで岡田采配からも目が離せない。【石橋隆雄】岩崎がリーグ単独トップの31セーブを挙げた。岡田監督のアシストを受け、4点リードの9回2死一、二塁で桐敷を救援してデビッドソンを仕留めた。「キリ(桐敷)が2アウトを取ってくれていたのでよかったです」と汗を拭った。甲子園のデーゲームは9回に3失点して逆転負けした6月17日のソフトバンク戦以来だったが、しっかりリベンジ。並んでいた中日マルティネス、ヤクルト田口を引き離した。「勝てるように頑張ります」。静かな闘志で積み上げていく。○...阪神石井(7回途中から2番手で登板し1回を無失点)「(2位)と直接対決ですし、ゼロに抑えられてよかった。80%の気持ちでマウンドに上がって、試合になって100%になるくらいで上がっています」○...阪神桐敷(3番手で1回無失点)「0でいけたのはよかった。いつも通り普段通りに投げることを、まあランナー出しても0でというところを意識しました」○...阪神坂本(大竹の10勝を好リードでアシスト)「同じ相手にも何回も勝てるのはリーグ戦やっていて大事なこと。1年間通してやるのは難しい。すごいなと思います」

◆阪神・伊藤将司投手(27)が先発予定の10日の広島戦に向けてショートダッシュなどで調整した。「ここまで来たので、(対戦相手とかは関係なく)試合に勝つだけだと思っています」。今季は左肩の違和感で出遅れるも、ここまで19試合に登板し、9勝5敗、防御率2・38。1年目の2021年以来、2年ぶり2度目の2桁勝利へ「あと1勝なので頑張って達成できたら」と気合が入る。広島戦は7月30日(甲子園)に八回途中2失点(自責1)で白星を挙げており、「(8日に先発した村上)頌樹がいい流れを持ってきてくれたので、それに続いて投げるだけ」と意気込んだ。

◆阪神D1位・森下翔太外野手(23)が試合前練習に参加し、フリー打撃などを行った。前日8日は八回の守備でフェンスに当たった打球が跳ね返り、頭を直撃。そのまま途中交代していた。「打撲的な痛みはありますけど、特に脳に異常があるとかはないですね」と改めて無事を強調した。この日も球団別打率・326と最も相性のいい広島が相手。広島の先発は森下と〝森下対決〟にも注目だ。5月20日の対戦(甲子園)では、その森下からプロ初のサヨナラ打を放って試合を決めた。好調のドライチが広島との首位攻防第2ラウンドで再び快音を響かせる。

◆阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。今季はここまで9勝(2敗)。自身初の2桁勝利をかけた前回登板の8月30日、DeNA戦(甲子園)では5回2/3を投げ6安打4失点で2敗目を喫した。広島に対しては今季5試合の先発で、4勝0敗、対戦防御率0・76と好相性。8日の首位攻防第1ラウンドで一足先に10勝に到達した村上に続き、首位攻防第2ラウンドでチームの連勝を導く。

◆2位広島との直接対決第2ラウンドも阪神が先制に成功した。二回の先頭で5番・佐藤輝が直球を右中間にはじき返して二塁打としてチャンスを作ると、ノイジーが外角のカットボールを逆らわずに右前へ。二塁走者の佐藤輝が三塁を蹴って一気に生還し、連日の先制点を挙げた。「打ったのはカットボールかな。最低でもランナーを進めることをイメージしながら、後ろに繋ぐ気持ちだったよ。結果的に抜けてくれて、タイムリーになってよかったね。」と先制打を振り返った。なおも1死一、三塁からは大竹の意表を突くバスターで放った打球が左翼手の頭を越え、今季初の長打で2点目。続く近本も1死二、三塁からレフトの前にポトリと落ちる当たりを放って2者が生還。近本は「打ったのはストレート。みんなが作ってくれたいい流れに乗ることができました。展開的にも良い追加点を取ることができてよかったです。」と語った。プロ初めての2桁勝利を狙う大竹を助ける、大量4点のリードを奪った。

◆阪神が4-0の五回に追加点を挙げた。1死から中野が15試合連続出塁となる中前打で出塁。続く広島戦打率・326(試合前まで)の鯉キラー森下も5試合連続安打となる左前へはじきかえす。失策が絡んで1死二、三塁とすると大山がしっかり三塁にゴロを転がし、三塁走者の中野が好スタートで生還。中押しとなる、貴重な追加点を挙げてリードを5点に広げた。

◆広島・森下暢仁投手(26)が優勝へのマジックナンバー10を灯している首位・阪神との直接対決2戦目に先発したが、5回8安打5失点(自責4)で降板した。 一回こそ無失点に抑えたが、二回には先頭・佐藤輝に右中間二塁打に浴びると、ノイジーにカットボールを右前へしぶとく運ばれて先制点を許した。その後3本の長短打を浴び3失点。五回にも失策がらみで1点を失い、六回の打席で代打が送られ、不完全燃焼で降板となった。2位のチームは8日の初戦を託した床田が5回5安打3失点でまさかの黒星を喫した。2戦目に先発した森下にかかる期待は大きかったが、18年ぶりの頂点へ向かって駆け上がる猛虎の勢いに飲み込まれた。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)がアクシデントに見舞われた。七回2死二塁で田中の飛球を背走し、体を投げ出してダイビングキャッチを試みるも、白球はグラブをかすめて左翼の芝生に弾んだ。木浪は倒れ込んだまま動けず、トレーナーと藤本内野守備走塁コーチが駆け寄って状態を確認。しばらくして起き上がると、虎党からは「頑張れ!木浪」コールが送られた。このタイミングで阪神ベンチが動いて、先発の大竹から2番手・石井にスイッチ。投球練習の間に治療のためベンチに下がっていた木浪だったが、グラウンドに戻り、プレーを続行した。

◆自身プロ入り初の10勝を目指して先発した大竹が、6回?を投げて1失点(自責点0)。得意の広島を相手に好投を見せた。立ち上がりからテンポの良い投球を続け、5安打に抑える。最遅82キロのチェンジアップなど緩急を使った投球で凡打の山を築いた。また、バットでも活躍。1-0の二回1死一、三塁での1打席目では、バスターで左翼の頭を越える二塁打。プロ初となる長打を放ち、自らを助ける追加点を挙げた。七回に失策から2死二塁のピンチを招き、この日初めて二塁に走者を背負う。田中に打ち取った当たりを左前にポトリと落とされ1点を失い、石井と代わってマウンドを降りた。ベンチに下がる際には満員の虎党から大きな拍手を浴びた。石井は代打・デビッドソンを空振り三振に仕留めて火消しの仕事を果たした。

◆阪神が2位・広島との直接対決に連勝し、9月に入って負けなしの7連勝。優勝へのマジックナンバーを一気に3つ減らして「7」とした。二回に佐藤輝の二塁打でチャンスを作ると、ノイジーの適時打、大竹の適時二塁打、さらに近本の2点二塁打で一挙4点を先制。五回にも内野ゴロの間に中押しの追加点を挙げた。先発の大竹は6回2/3を投げて1失点(自責点0)で8日の村上に続き、自身初の2桁10勝目(2敗)をマーク。石井、桐敷とつなぎ、最後は岩崎が九回途中から登板し、自身が持つ球団左腕投手のセーブ記録を「31」に更新した。この勝利で2020年以来3年ぶりに広島戦のシーズン負け越しなしが決定した。

◆7連勝の阪神が優勝マジックを「7」とした。6回2/3を投げ、1失点(自責0)の大竹耕太郎投手(28)が8日の村上頌樹投手(25)に続いて、自身初の2桁勝利(2敗)を挙げた。打線は二回、シェルドン・ノイジー外野手(28)、大竹、近本光司外野手(28)の3本の適時打で一気に4得点。五回には大山悠輔内野手(28)の三ゴロの間に5点目を追加した。九回2死一、二塁で登板した岩崎優投手(32)が31セーブ目。規定などによりマジックは3減の「7」。広島戦は20戦12勝で、1962年以来の全球団勝ち越しも視界に入って来た。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=76勝44敗4分、観衆=4万2639人)。★テレビインタビュー編ーー大竹はバントの構えからヒッティング(二回1死一、三塁からのバスターが左翼線への二塁打に)「狙いというか。前に来たからね。で、変えたんですよ」ーー大きな一打だった「あそこまで飛ばしたのは初めてじゃないですか? 大竹。最長飛距離ですね(笑)」ーー2ボール1ストライクから、その前はバントで進めるサインだった「バント、バント」ーーサインを変えるタイミングは嗅覚「その前、サインわからへんかった。2回目のサインで、やっとわかった。あのカウントで」★囲み編ーー大竹の打球はよく伸びた「打った瞬間、見辛かった。俺も、みんなウォー言うたからさ」ーーサインが分からなかったのは2ボールから「そうや、あの時分からんかったんや」ーーバントの雰囲気から結果的に見逃した「違う違う違う、ゲッツー態勢入ったからな、バントさしたんや。ホントはツーアウト2塁、3塁でな、近本でエエと思たからな。バントの構えで前来たからさ、それでバスターに変えたんや。バスターやったらゲッツーならんやんか、その守備隊形のお陰やろな、あのバスターはな」ーー対戦を重ねている広島だが「広島に関しては左バッターの方が打率がエエから。昨日よりも多かったよな。ちゃんと投げたらて言うたらおかしいけどな、コントロール間違いしなかったら、打たれない、いうことやろな。向こうも対策練ってると思うけど。練ってるから、左バッターでな。そら堂林とかな、当たってるから、末包も来るかなと思ったけど」ーー最近投げているスローボールも「バッターからしたら嫌やろなあ。余裕があるからやで」ーーローテ再編で大竹を広島戦に回した「開幕当初、俺は去年の成績をほとんど見ないって言ってたけど。相性とかね。また偏ってしまうから。今年1年やって、ローテーションで投げてたら、相性とか出てくるからさ、数字に。この時期になったらな、自分の得意なところに行かせてやらんとな。間隔もな、ちょうど。中6でずっと行っとったんを、空けられてよかったんちゃうかな。リフレッシュしてな」ーー最後は岩崎「3点差やったら(九回の頭から)行かしとったけどな。あのままやったから、よう(走者を)出しよったわ。うまいこと桐敷も。あれでセーブがついたわけやからな」ーータイトルも狙える「狙えるところにおったらな、獲らせたらなアカンから。2人、2人(出ろ)言うとったんや」ーー復帰した近本も得点に絡んでいる「もう普通やろ。最低外野フライでも、うまいこと点が入るっていう打ち方するもんな、やっぱり」ーー一気にマジック3減は「3っていうのは俺も分からんけど、新聞で見ただけやけどな。引き分けの数か? 何アレ」ーー直接対決などの兼ね合い。広島戦の負け越しがなくなったことも関わってくる「まあそんなん関係ないけどな」ーー1桁になるとカウントダウンというイメージ「いやいや。カウントダウンはまだやろ。やっぱりシングルでもなあ、8とか9は弱いで。ゴルフでも。そういうことやろ。8とか9は弱い」

◆広島は序盤の失点が響き、首位・阪神との直接対決で2連敗を喫した。チームは3連敗で首位とのゲーム差は今季最大の10に拡大。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。──大竹に今季6試合で5勝目を献上「前回(8月16日)マツダで対戦(5回?7安打3得点)した時に左打者の方が反応が良かったから左打者を(7人)使った。良い投手で今日も良い投球をされた」──豊富な球種に苦戦した「豊富な球種とモーションが一つずつ違う。奥行きをうまく使われているように感じる」──ローテ通りなら来週も対戦する「今日の映像を見て、バッティングコーチとミーティングをしてやっていく」──森下は5回8安打5失点で4敗目(8勝)「こういう日はありますし、差し込んだ(打球が守備の)間に落ちたりした。次また頑張ってもらいます」──秋山が六回に退いた「アクシデントではない。ブルペンの状態を見た。次の投手にはイニングをまたいでいってほしかった」──西川の守備、打撃がらしくないように見える「(西川)龍馬も秋山も実戦から遠ざかっている。実戦に戻って(すぐに)パンパン打てるほど甘くない。(相手の大竹は)良い投手。彼らは試合に出ていく中で状態を上げてもらいたい」──甲子園6連敗。相手の応援が大きくてプレーするのが難しい「難しくない。ベンチにいても選手にしても周りの雰囲気を見ても重苦しい雰囲気はない」──首位とのゲーム差が広がった「また明日の試合にしっかり備えたい。その繰り返し」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は10勝目を挙げた阪神・大竹耕太郎投手(28)を絶賛した。大竹は、武田翔太(ソフトバンク)、ケムナ誠(広島)らと一緒に自主トレをしている羽曳野のグラウンドを、先輩の誘いで見に行って以来、ずっと注目してきた。前回登板(8月30日、DeNA戦)のマジメすぎる投球を評論で指摘させてもらったが、次の登板ですぐに修正してきたのは見事だ。投手は、立ち上がりやピンチになると無意識に力が入ってしまうものだが、この日は持ち前の変化球を多く交えた脱力投法で、自分のペースで投げられていた。特に一回の投球を見て「ハイピッチ投法」と名付けたぐらい、テンポよく、抜群の制球で投げ込んだ。圧巻は二回。わずか6球での三者凡退。その裏の阪神の先制の4得点を呼んだのは、この二回表の大竹だと思っている。というのも、6球で終わるというのは、時間にして2分程度。相手投手はたまったものではない。ベンチに戻ってタオルで汗を拭いたら、もう次のマウンド、という感じになるのだ。森下が二回に崩れた背景に、大竹のハイピッチ投法ありだ。七回途中まで投げての安定感もさすが。変にマジメになって力勝負さえしなければ、MVP級の活躍をフルシーズン続けることになるだろう。この先の短期決戦でも柱になれる。「投の大竹」も素晴らしかったが、「打の大竹」には驚かされた。二回のバスターは、まさか...だった。岡田監督の采配の冴えと表現するしかない。大竹の交代のタイミングも、岡田監督に唸らされた。七回に失策とポテンヒットで1点を返されると、スパッと石井にスイッチした。嫌な流れを感じ取ったら、瞬時に行動に移すのが岡田流。佐藤輝の失策、木浪は捕球の際に転倒してベンチに治療で戻った。明らかに流れは悪かったが、「きょうの大竹なら七回を投げ切るまで」と考えても不思議ではない。そこで交代に踏み切る決断力、次の投手の準備、ブルペンのモチベーション。すべて揃ってこそだが、岡田采配のスゴさを見せつけられた試合だった。七回途中登板の石井を八回2死で交代させ、救援の桐敷も九回2死で交代。結果的な面もあるが、2人の投球回数はともに「1」。この区切りの良さは、投げる投手にとって、意外に気分がよく、次の試合に向かえたりする。私が在籍したサンフランシスコ・ジャイアンツの監督で、後にチームをワールドシリーズ制覇に導いた名将ボウチーが、この考え方の推進者だった。「なるほど、こういう発想もあるのか」とすごく勉強になった。岡田監督が意図したかどうか別にして、見ごたえのある継投だった。そして、守護神・岩崎が打者1人を抑えるだけでセーブが付く状況で登板させたのも、拍手だ。2球でのおいしいセーブ。一番喜んだのは岩崎だろう。

◆虎の背中がかすんだ。広島が甲子園6連敗を喫した。新井貴浩監督(46)は大竹に脱帽するしかなかった。「豊富な球種とモーションが一つずつ違う。奥行きをうまく使われているように感じる」対左打者の被打率・292(試合前まで。対右は・222)が高いことを狙って左打者を7人並べたが、得点は七回の田中の適時打のみ。今季5個目の白星を献上した。先発の森下は二回の4失点が響き、5回8安打5失点(自責4)で4敗目と投打がかみ合わない。チームは7日の3位DeNA戦から3連敗となり虎とのゲーム差は今季最大の10。指揮官は「明日の試合にしっかり備えたい。その繰り返し」と前を向くが、残り15試合で逆転は厳しい。5年ぶりの頂点は風前のともしびとなっている。(柏村翔)

◆10日の広島戦(甲子園)に先発する伊藤将司投手(27)は「ここまで来たので、(対戦相手関係なく)試合に勝つだけ」と必勝を誓った。キャッチボールなどで調整し、登板に備えた。優勝マジックも「7」まで減り、アレが近づく状況だが「考えないようにしている。いつも通りやればいい」と冷静。1年目の2021年以来、2年ぶりの2桁勝利に王手をかけているだけに「頑張って達成できたら」と力を込めた。

◆阪神・石井大智投手(26)は大竹が失点した直後の七回2死一塁で登板。代打・デビッドソンを空振り三振に取って流れを切ると、八回も末包を空振り三振、代打・堂林を右飛に仕留め、広島の好調な右打者を完全に抑えた。これで14試合連続無失点。「直接対決で、本当に勝っていくしかない。ゼロに抑えられてよかった」と強い気持ちを口にした。

◆阪神・桐敷拓馬投手(24)が八回2死から3番手でマウンドへ。野間に四球を与えたが、小園を空振り三振に斬った。九回も登板したが2死一、二塁のピンチを背負って岩崎にバトン。「勝ってよかった」と振り返った。結果的にこれが岩崎のセーブにつながり、岡田監督は「よう(走者)出しよったわ。うまいこと桐敷も。あれで(岩崎に)セーブがついたわけやからな」と独特な言い回しでフォローした。

◆大竹と全試合バッテリーを組み、プロ初の10勝をアシストした阪神・坂本誠志郎捕手(29)は「大竹がすごいから、10勝したと思う。常にもっと良くなりたいって思いを持ってマウンドで投げていることが、1年間つながっているんじゃないかな」と左腕をたたえた。自身も9月2日のヤクルト戦(神宮)以来となるマルチ安打。得点には結びつかなかったが、バットでも大竹を引っ張った。

◆二回無死二塁から先制の右前適時打を放った阪神・シェルドン・ノイジー外野手(28)は「打球としては弱かったけど、間を抜いて点につながったのでよかった」と3試合ぶりの打点に満足げだった。進塁も頭に入れながら森下のカットボールを逆方向へ狙いすまし、一、二塁間を破った。お立ち台では「今まででプレーしたなかで一番のファン。これからも応援よろしくお願いします」と呼びかけ、満員の虎党を沸かせた。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)は9月3日のヤクルト戦(神宮)以来となる複数安打を記録。「タイミングだけ意識していけたので、ああいう形で2本打てたのが大きかった」とうなずいた。六回には今季21本目の二塁打を放ち、キャリアハイを更新。七回の守備では田中の後方への打球に飛びついた際に肩を負傷し、一度ベンチに退くも最後までプレー。「全然問題ないです。何の問題も」と笑顔で球場を後にした。

◆阪神・森下翔太外野手(23)は五回に左前打を放って5試合連続安打。1打席目に攻められたカットボールをマークして食らいつき、貴重な追加点につなげた。「森下暢仁さんからは全然打ててなかったので、なんとか1本出てよかった」。先制弾を放った前夜は、八回の守備でフェンスに跳ね返ったボールが頭に当たって途中交代したが、「打撲的な痛みだけで、特に問題はなかったんで大丈夫です」と心配いらず。はつらつとしたプレーで勝利に貢献した。

◆鋭く放たれた白球が猛虎打線に火をつける。青空の甲子園。虎党のボルテージは最高潮だ。佐藤輝が怒濤(どとう)の先制劇の口火を切った。「真っすぐをしっかり振りにいきました」二回先頭。森下の147キロ直球を振り抜いた。右中間への一打で一気に二塁へ到達。続くノイジーの右前打で先制のホームを踏んだ。打線はこの回、5安打を集中させて一挙4得点。「いやー、まあまあ。どうなんですかね、それは」と笑ったが、輝が甲子園を盛りあげ、猛虎打線に勢いをつけたことは間違いない。6試合連続安打とし、9月は月間打率・346と好調だ。ただ、当の本人は「落ち着いていきましょうよ」といたって平常心。アレというゴールが見え、色めきだつ周囲をよそに、最近の口癖は「普通にいきましょう」と冷静そのもの。勝負の終盤戦に突入したから、あえて〝普通〟を意識しているわけでもない。「普通にやるだけです。これはいつも自分の中で言っていることなので。変わらずに、普通に。明日も頑張ります」開幕から一貫してきた〝不変〟の精神で普通にやるべきことをやる。打線に火をつけた佐藤輝は静かに心を燃やしていた。(原田遼太郎)

◆しっかりとスイングできているから、どんな打球でもヒットゾーンに落ちていく。高く上がった打球は浜風にも押されて左翼前方の芝生に弾んだ。近本が復帰後初タイムリーとなる2点二塁打で4得点の猛攻を締めくくった。「なんとかもう1点というところで、(木浪)聖也が三塁ランナーだったのでなんとか外野までというのはあった」二回、大竹の適時二塁打で2点にリードを広げ、なおも1死二、三塁で打席に入った。広島・森下の内角の直球に差し込まれながらも最後まで振り切り、左翼手前にポトリと落とした。会心の当たりではなかったが「イメージの中ではこうなったらこうなる、というのがあった。飛んだ方向が良かった」とうなずいた。3日のヤクルト戦(神宮)で右脇腹に死球を受けて打撲。2試合の欠場を経て復帰戦となった8日はいきなり1安打1四球の活躍を見せれば、この日は2打点を稼いで勝利に貢献した。頼れる1番打者の帰還に岡田監督も「普通にやったら、最低外野フライでもうまいこと点が入る打ち方をするもんな」と納得の表情だ。どんな時も泰然自若。その言葉が近本にはよく似合う。スポーツには「流れ」という言葉が使われることが多いが、選手会長は「流れなんて目には見えないもの。結局印象だと思うんです」とケロリと話す。その心は「失策したら点をとられるとか、みんながそう思うからそうなってしまう。これから起こることは何も分からないのに、起こった後に結果を見てそれを流れだとかいう」と説明する。あくまで「流れ」というのは集団心理にすぎない。「ただいつも通りやるだけ」と語る近本だから、どんな状況でも流されずに自分の仕事に集中できる。「まだ19試合残っている。その先もCSがあるので、一戦一戦頑張ります」近本はお立ち台の最後に「バモーーース!」と叫んで虎党を沸かせた。冷静に先を見据える切り込み隊長がいれば視界良好だ。(織原祥平)

◆ついに1桁!! 阪神は2位広島との直接対決を5-1で制し、9月負けなしの7連勝。優勝へのマジックナンバーを一気に3つ減らして「7」とした。先発した大竹耕太郎投手(28)が七回途中1失点(自責0)で自身初となる10勝到達。打っては二回に適時二塁打を放ち、投打で躍動した。現役ドラフトで加入して1年目。〝アレの使者〟がラストスパート開始の鐘を力強く鳴らした。甲子園の上に広がる澄み渡った青空のように、アレへの視界はまた一段と明るくなった。鯉連倒で優勝マジックを一気に3つも減らし、ついに1桁の「7」。大竹が投打にわたる大活躍で勝利を呼び込み、初の2桁勝利に酔いしれた。「野手のみなさん、(坂本)誠志郎さんのリードに助けられて、ここ(2桁勝利)まで来ている。それに対する感謝の気持ちが大きいです」序盤は広島打線がコンタクトしきれていないと判断した直球で攻めた。内野ゴロの山を築き、四回までは外野への打球を一本も許さない。次第に変化球も織り交ぜ、六回までは二塁すら踏ませなかった。5―0の七回は2死から味方の失策で得点圏に走者を背負い、適時打で1点を返されて交代となったが、6回?、5安打1失点(自責0)で白星ゲット。10勝のうちの5勝は広島戦というキラーぶりを発揮した。「前回の登板では大事なところで牧選手にホームランを打たれてしまって、遊び心がなかった。今日はピンチを作ってもそういう遊び心を持って投げたいと思っていた」

◆わずか2球で仕事をこなし、虎のマジックを一気に3も減らした。守護神・岩崎が九回途中から登場すると、打者1人を片付けて今季31セーブ目を記録。僅差の試合で虎を何度も救ってきた男が、ついにセ界のセーブ王争いで単独トップに立った。「キリ(桐敷)が2アウトを取ってくれていたので、良かったです」試合後は開口一番、後輩左腕をねぎらい、ブルペン陣の中心としての責任感をにじませた。5-1の九回。桐敷が2死一、二塁のピンチを招いた場面でマウンドを任され、デビッドソンを2球目のチェンジアップで二ゴロに仕留めた。4点差だったが、走者を置いた場面で登板し、2者連続本塁打を許すと同点か逆転される状況というセーブ条件を満たした。セーブ数で並んでいた中日・マルティネス、ヤクルト・田口はこの日セーブ機会がなく、虎の守護神が頭一つ抜け出した。岡田監督は3点差なら九回先頭から任せていたことを明かし、「あれでセーブがついたわけやからな。狙えるところにおったらな、そら獲らせたらなあかん。2人、2人(出ろ)言うとったんや」と声を弾ませた。阪神投手が最多セーブ投手に輝けば、2021年のスアレス(42セーブ)以来。アレに突き進むチームを支える岩崎は、「勝てるように頑張ります」と短い言葉に熱い決意を込めた。(新里公章)

◆早大時代に阪神・大竹耕太郎投手(28)とバッテリーを組んでいた小藤翼さん(26)=JR東日本=が9日、2学年先輩の初めてとなる2桁勝利達成を祝福。当時の思い出や、大竹の活躍から受けている刺激を語った。大竹さん、初の2桁勝利おめでとうございます!! 自宅のテレビで見ていました。相変わらず投球術のうまい大竹さんらしい投球、カッコよかったです。2つ上の先輩でしたが、「気になったことがあったら言ってきて」と言ってくださって、グラウンド内だけでなくても何でも言える仲でした。当時から感情を表には出さないですが、内に秘めた思いというのは強い投手。すごく強い気持ちを持って野球をやっていたと思います。「投手ってこだわりが強いのかな」というのは大竹さんを見て感じた部分でもあります。私は普段から投手によってミットの構え方を変えたり、しっかりと投手に寄り添うようにしていますが、それは大竹さんと接して学んだこととして、いまでも心がけています。一番印象に残っている出来事は高3の8月に行われた早大での練習会。大竹さんが覚えているかは分からないですが、そのときに直接、リーグ戦で登板している映像がまとめられたDVDを渡されて、「これで配球とかを見ておいてほしい」と言われました。当時から大竹さんのことはめちゃくちゃ知っていたので、『まじか』と思いましたし、〝入学後にバッテリーを組もう〟というメッセージだったとも思っています。うれしかったですし、あの時の驚きははっきりと覚えています。社会人とプロで世界は違いますが、野球をやっている者として知っている人が活躍しているのは、大きな刺激として自分の力になっています。これからは阪神のエース、球界を代表するような投手になってほしいですね。応援しています。(JR東日本捕手)

◆ライバル紙の大先輩記者が「こんな急激にマジックナンバーが減ったら、余韻を味わうこともできひんやないか」と、何ともぜいたくなボヤキを口にしていた。気が付けば「7」になっている。「7」ということは、きょう広島に勝ったら「5」。火曜日からも勝って、2つずつ減っていけば...。あっという間に「アレの日」が来るではないか。わが社のトラ番たちよ、優勝紙面の準備を急げ! 間に合わなかったら、一世一代の失態となるぞ!そんな話をしていたら、本日の紙面の評論担当、藪恵壹氏が「もっと焦っているヤツがいるかもしれませんよ」と教えてくれた。それは、今シーズン、何度もチームの勝利に貢献しながら、今は再調整や体調面の事情により今は2軍にいる選手たちだという。「やっぱり、アレの日には1軍ベンチにいたいですからねぇ」藪氏は2003年のリーグ優勝目前に2軍落ち。気配りの名参謀、当時ヘッドコーチ島野育夫が「おまえも来い!」と呼ばれて、感動の9月15日の輪に加わることができた経験を持つ。急激なマジック減らしは、虎党を感激させている裏で、予期せぬ波紋(?)も広げているようで...。「連勝中だったでしょ。ボクが来て、負けたら嫌だと思っていたので、ホッとしました」笑顔を見せたのは嶋尾康史氏。1980年代後半から90年代前半にタテジマ在籍したOB。懐かしい顔だった。でも今は、現在放送中のNHKの朝ドラ「らんまん」に出演中。俳優として活躍している姿を認識している読者のほうが多いかも。

◆涙、涙の土曜日の昼!!本日わが阪神の先発は、プロ野球史上初の現役ドラフトで阪神にやってきた苦労人、大竹の10勝目を目指すマウンド。一方、その同時刻に東京・丸の内の東京會舘では俺の長女・美つきの結婚式が同時進行していたのだ!!(もちろん、一球一球チェックしていました)。ソフトバンクでは能力がありながら光を浴びなかった大竹に二回、披露宴(試合)に出席した猛虎軍団の祝福5安打集中の先制4得点(自らのタイムリーもあり)の援護を受けると6回?を5安打、1失点でプロ野球界に現役ドラフト成功をしらしめたのだ!!それはうれしいけど、問題は本当の披露宴! 娘を嫁にやると一度は承諾したものの、実は真弥くんは広島出身のカープ崇拝者...。いや、新郎一人ならともかく、その友人が広島から多数やってきたー!!さあ、どうする? 娘を嫁に出す花嫁の父心で広島ファンにこびるか? はたまた「えーい! やっぱりカープに娘はやれんけんね!!」と逆上してウエディングケーキに体当たりするのか? 結果は阪神の勝利と広島人の人の良さのダブル祝杯にベロベロになって、勝ってマジック8が、7という幻覚を見てしまったのでした。

◆阪神は伊藤将司投手(27)が10勝目を懸けて先発する。8日に村上が、9日に大竹がそれぞれ勝利して10勝を達成。2人に続いて2年ぶりの2桁勝利を目指す。9月7戦7勝のチームは勝てばマジック「5」となる一戦で8連勝を狙う。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が0-0の五回2死からマクブルームに先制の6号ソロを浴びた。初球の142キロ直球を左翼席に運ばれた。伊藤将は三回まで一人の走者すら許さない完璧な投球。四回に堂林に左前打を浴びたが、落ち着いて後続を断ち、安定した投球を続けていた。阪神は広島との直接対決3戦目で初めて先制点を献上。打線は広島の先発・九里の前に、五回まで無安打と抑えられている。

◆阪神は1―1の七回、満塁のチャンスを作るも勝ち越しはできなかった。1死からノイジーの平凡な打球を田中が送球ミスし、1死二塁へ。続く坂本の遊ゴロも一塁送球がワンバウンドし、1死二、三塁とした。木浪が申告敬遠され、満塁で先発・伊藤将がそのまま打席へ。結果は三ゴロ併殺となり、勝ち越しを逃した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
76444 0.633
(↑0.003)
M7
(↑3)
19490
(+5)
370
(+1)
69
(-)
66
(-)
0.248
(-)
2.670
(↑0.02)
2
(-)
広島
68564 0.548
(↓0.005)
10
(↓1)
15446
(+1)
449
(+5)
86
(-)
71
(-)
0.247
(-)
3.140
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
63593 0.516
(↓0.005)
14
(↓1)
18470
(+1)
447
(+13)
95
(-)
27
(-)
0.249
(↓0.001)
3.280
(↓0.07)
4
(-)
巨人
62612 0.504
(↑0.004)
15.5
(-)
18481
(+5)
472
(-)
149
(+2)
42
(-)
0.257
(-)
3.610
(↑0.02)
5
(-)
ヤクルト
50733 0.407
(↑0.005)
27.5
(-)
17468
(+13)
502
(+1)
104
(+1)
58
(+1)
0.240
(↑0.002)
3.680
(↑0.02)
6
(-)
中日
46744 0.383
(↓0.004)
30
(↓1)
19338
(-)
438
(+5)
57
(-)
32
(-)
0.239
(-)
3.150
(↓0.02)