◆巨人は2点を追う5回表、梶谷の適時打で1点差とする。その後は、8回に丸の犠飛で追いつくと、続く9回には重信の内野ゴロの間に1点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、好救援の4番手・船迫が今季2勝目。敗れたヤクルトは、先発・サイスニードが投打に活躍を見せるも、痛い逆転負けを喫した。

◆巨人岡本和真は1日DeNA戦から3試合連続で本塁打を記録中。今季同選手の3戦連発は5月21～24日、8月5～8日に次ぎ3度目だが、4戦連発を狙った過去2試合を見ると、5月25日DeNA戦は4打数0安打、8月9日阪神戦は4打数1安打。計8打数1安打、1割2分5厘の低打率で本塁打を打てず。3度目の挑戦で昨年4月以来となる4戦連発なるか。

◆巨人坂本勇人内野手（34）が体調不良のため、特例2023で出場選手登録を抹消された。ヤクルト戦を予定している神宮球場での試合前練習に姿を見せなかった。1日のDeNA戦前に中田翔内野手（34）が同様に体調不良のため抹消されており、3位浮上を目指すチームにとって痛い主軸の離脱。代わりに若林晃弘内野手（30）が登録された。

◆ミュージカル「コードギアス　反逆のルルーシュ　正道に准ずる騎士」に出演する俳優の赤澤遼太郎（26）、小南光司（28）、小山璃奈（20）が来場し、赤澤が始球式を行った。「コードギアス」で演じる枢木スザクの舞台衣装でマウンドに上がると、力強く投じたボールはワンバウンドして捕手のミットに収まった。小学校から高校まで野球経験があり、この日も来場前に小南とキャッチボールをして臨んだという。ノーバン投球とはいかなかったが「誰もケガしなかったので100点かなって思ってます。いろいろピッチングとか教わってたんですけど、いざあそこに立つと真っ白というか。すごいドキドキしましたね」と振り返った。野球と演劇、業種は違えど「エンターテインメントっていう意味では一緒かもしれないので、力をもらって、しっかり舞台をこなせたら」と話した。同ミュージカルは9月に京都、東京で上演される。

◆ヤクルト・サイスニード投手（30）が1号2ランで自身を援護した。1－1の同点に追い付かれた直後の4回、2死一塁から巨人山崎伊の内寄り真っすぐを左翼席に放り込み、2点を勝ち越した。来日3年目で初の本塁打となった。投げては6回を6安打2失点にまとめて降板。「18歳以来のホームランを打つことができてうれしいです。練習してきて、指導してくれた選手、コーチに感謝したい。ピッチングはクオリティースタートができてまずまずの内容だったが、次回はもっといいピッチングをできるようにしていきたい」とコメントした。

◆／衝撃のジエンゴ弾＼サイスニードが勝ち越しの2ランこれが来日3年目で初のホームラン???#プロ野球(2023/9/5)??ヤクルト×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #swallows pic.twitter.com/VwLEq3ZPhw

◆巨人山崎伊織投手が思わぬ1発を浴び、自身初の2ケタ10勝目はまたしてもお預けとなった。1日からのDeNA3連戦（横浜スタジアム）では戸郷、横川、井上の先発投手が5回を投げきれず。登板前日4日に「火曜日、週頭なので粘って粘っていきたいと思います」と誓った右腕が宣言通りの投球を見せたが、思わぬ落とし穴にはまった。2回、死球と安打で1死一、二塁とされ、ヤクルト8番古賀に直球を右前に運ばれ先制を許す。しかし続く1死一、三塁で9番サイスニードのセーフティースクイズを冷静に捕手大城卓へグラブトスし、三塁走者を補殺。追加点を与えなかった。だが、同点で迎えた4回。2死一塁からサイスニードに対し、初球の149キロ直球を来日初アーチとされた。予想外の一撃に、表情を崩さず粘投してきた山崎伊もベンチで眉間にしわを寄せた。5回の攻撃では1死一、二塁で打席に。バントも警戒される中、初球からフルスイング。2球目の151キロに詰まり、遊ゴロに倒れるも、1番梶谷が1点差に迫る右前適時打を放った。打線の粘りを受けた直後のマウンドでは立ち直った。1死から山田に中前打を浴び、暴投で走者を二塁に進めるも、4番村上をカットボールで三邪飛、5番サンタナを141キロフォークで三振に仕留めピンチを脱した。6回を3失点にまとめるも、7回の打席で代打岡田悠が送られ、降板となった。【黒須亮】

◆巨人ドラフト5位ルーキーの船迫大雅投手がプロ2勝目を挙げた。同点の8回2死一、三塁でオスナを迎えマウンドへ。2球目に146キロ直球を内角に投げ込む強気な攻めを見せ、カウント2－2からは外角スライダーで一ゴロに仕留めた。直後に打線が勝ち越し2勝目が転がりこんだ。しびれる場面での登板を「デッドボール当ててもいいくらいの気持ちで投げました。冷静にいきました」と大粒の汗を拭いながら振り返った。

◆巨人梶谷隆幸外野手が猛打賞でリードオフマンの役割を全うし、逆転劇を呼び込んだ。1点を追う4回先頭の打席、中前打で出塁すると、犠打と丸の適時内野安打で一時同点の走者となった。再び1点を追う8回には。この日3安打目となる中前打。ここでも丸の同点犠飛で生還した。1週間ぶりのスタメン起用に「体が違和感なかったから大丈夫でした」。8月2日以来約1カ月ぶりの3安打で2得点をマークし、2試合連続の9回勝ち越しをもたらした。4番とともに直近2カード、戦線から離脱した。事態が急変したのは8月29日の朝だった。39度の発熱に「かなりやばかった。何も食えなかった」。岡本和と特例による出場選手登録抹消を余儀なくされた。その日は食事をとることさえできず、体重は2キロ減。横浜スタジアムで1軍再合流した9月1日、「技術の感覚は大丈夫。あとは体だけ」と打撃感覚を擦り合わせた。試合前には大黒柱の坂本が体調不良で離脱する事態を、バットで救った。帰ってきたリードオフマンは「僕は基本的には塁に出ることしか考えていない。もちろん長打も打ちたいですけど、欲を出すと率は下がるので、今の状態のまま長打が出てくれれば」と、さらなる存在感を発揮していく。【栗田成芳】▽巨人中川（9回を3者凡退で締めて4年ぶりの2ケタ10セーブ目をマーク）「普段、やり慣れているポジションではないので緊張感を持って臨みました」

◆ヤクルトはミスの連続で逆転されて4連敗を喫し、3年ぶりのシーズン負け越しが決まった。1点リードの8回無死一塁では村上の犠打失策でピンチを拡大し、犠飛で同点に追い付かれた。9回は石山のけん制悪送球が絡んで勝ち越しを許した。高津監督は「終盤で競っている時に取れるアウトを取れない、勝手に進塁させてしまうと失点につながる。競ったゲームでは絶対にあってはならない」。今季の巨人戦の負け越しも決まった。▽ヤクルト・サイスニード（投げては6回2失点、打っては来日初本塁打で2打点も逆転負け）「まずまずの投球でした。18歳以来のホームランだったので、すごく打ててよかったです」▽ヤクルト清水（1点リードの8回に登板して0／3回を1失点、自責0。4年連続の50試合登板）「勝たなきゃ意味ないと思うので、できるだけ勝ちを多くしたい。もっと準備して結果を出せるように頑張りたい」

◆巨人にまたも主力の離脱者が出た。坂本勇人内野手（３４）が特例２０２３の対象指名選手として出場選手登録を抹消された。体調不良のため。代わって若林晃弘内野手（３０）が登録された。チーム内で体調不良者が相次いでいる。８月２９日に岡本和、梶谷が発熱のため抹消。岡本和が復帰した９月１日には中田翔が体調不良で抹消となっていた。１７年目の坂本は今季９５試合に出場し、打率・２８９、１６本塁打、４５打点。岡本和の不在時には４番も務めた正遊撃手の離脱は痛恨だ。

◆ヤクルトはＤ３位・沢井廉外野手（２３）＝中京大＝が８月２４日の巨人戦（東京ドーム）以来のスタメンに名を連ねた。

◆２桁の壁を打ち破る。３年目右腕の巨人・山崎伊織投手（２４）が自身初の１０勝目をかけて、今季４度目となるヤクルト戦のマウンドに上がった。「週の頭なので、粘っていきたい。（神宮は）ホームランがたくさん出るイメージがあるので、外国人の打者には丁寧に投げていけたら」。前回８月２９日の広島戦（京セラ）では、６回２失点の力投も勝敗はつかず。同１２日に９勝目を挙げて以降は、２試合続けて白星から遠ざかっている。三度目の正直で、２桁の大台到達を狙ったが、燕打線が立ちはだかった。０－０の二回。死球と安打で１死一、二塁のピンチを招くと、８番・古賀に高めに浮いた直球を右前にはじき返され、先制点を献上。さらに、１－１とした直後の四回には、２死一塁で投手のサイスニードに真ん中に入った直球を完璧に捉えられ、痛恨の２ランを被弾した。一発を警戒していた村上、サンタナを無安打に封じるなど、１５０キロ前後の直球と９０キロ台のカーブを駆使。しかし、投手のサイスニードに被弾した２ランは重く、６回８安打３失点でマウンドを降りた。この日、正遊撃手の坂本が体調不良のため「特例２０２３」で出場選手登録を抹消された。中田翔に続き、チームの主軸を欠く厳しいチーム状況だっただけに、９勝を挙げている右腕にかかる期待は大きかったが、試合の主導権をつかむことはできなかった。

◆投打にわたってハッスルした。先発したヤクルト・サイスニード投手（３０）が投げては６回６安打２失点（自責点１）、打っては勝ち越し２ランを放り込んだ。常々「自分の持ち味を出していつも通りの投球をしたい」と意気込む右腕。本職の投球はもちろん、バットでも魅せたのは１―１と追いつかれた直後の四回だ。２死一塁で打席に入り初球の１４９キロの直球を振り抜いた。高々と上がった打球は左翼席に着弾。来日３年目での初アーチは、値千金の勝ち越し弾に。颯爽とダイヤモンドを一周し、雄たけびを上げた。投手練習では懸命にマシンと向き合い、打撃練習にも汗を流していた右腕。ここぞの場面で実を結んだ。今季は試合前まで１９試合に先発し、６勝７敗、防御率３・５９。対巨人は来日１年目の２０２１年１０月６日（神宮）に５回５安打無失点で白星を挙げて以降、昨季からは４試合で０勝２敗、防御率５・６８と苦戦をしいられてきた。この日は１５０キロを超える直球を力強く投げ込み、走者を出しながらも最少失点でしのいだ。３―２の六回の好機で代打が送られて交代となったが、先発の役割を十分に果たした。しかし、救援陣が八回に同点に追いつかれ、今季７勝目はならなかった。

◆６日の巨人戦（神宮）に先発するヤクルト・小沢怜史投手（２５）は５日、試合前の練習でキャッチボールなどで調整した。６月に先発転向後、ローテーションを守り５勝４敗、防御率３・１６。だが、８月６日の中日戦から勝ち星がなく「先制点を簡単に取られすぎている」と自己分析。優勝の可能性は消滅したが「ファンの人も応援に来てくれますし、チームが勝てるように、しっかりピッチングしたい」と意気込んだ。（神宮外苑）

◆巨人が競り勝った。２―３の八回に丸の犠飛で同点。九回は石山のけん制悪投に乗じて１死三塁とし、重信の二ゴロで勝ち越した。好救援の船迫が２勝目、中川は１０セーブ目。逆転負けのヤクルトは４連敗で、シーズン負け越しが決定。

◆ヤクルト・清水昇投手（２６）が３―２の八回に登板し、４年連続５０試合登板を達成した。ただ「勝たなきゃ意味がないと思う。もっともっと準備して、マウンドで結果を出せるように頑張りたいです」と口元を引き締めた。この日は先頭・梶谷にファウルで粘って７球目を中前打され、続く門脇の犠打を三塁手・村上が一塁へ悪送球。無死一、三塁となったところで交代が告げられた。その後に登板した山本が丸に左犠飛を許して同点に追いつかれ、１点のリードを守ることができず。清水は「先頭を出したのが一番だと思います」と悔しさをにじませた。５２試合に登板したプロ２年目の２０２０年から、これで４年連続での５０試合登板。今季は球団記録の通算１２７ホールドを塗り替えるなど、数字を積み重ねてきた。シーズンの残り２１試合に向け「できるだけ（チームの）勝ちを多くしたい」と力を込めた。

◆ヤクルトは先発のサイスニード投手（３０）が６回２失点と好投し、打っては四回に来日初本塁打となる左越え２ランを放つなど投打に活躍。だが、八回は三塁手・村上の悪送球、九回は投手・石山の牽制（けんせい）悪送球がそれぞれ失点につながって逆転負けを喫した。高津臣吾監督（５４）の主なコメントは以下の通り。――終盤にミスが連続した「取れるアウトを取りたかったですね。まあ、石山の牽制（けんせい）悪送球は取れるアウトではないですけど。勝手に進塁させてしまったので、非常に大きな八回も、九回もワンプレーですね」――投手陣が粘り強くつないでいただけに終盤のミスは大きい「まあ、ミスはどの場面でも痛いんですけど、終盤で競っているときに取れるアウトを取れない、勝手に進塁させてしまうというところは、失点につながっていきますよね。それは競ったゲームでは絶対にやってはならないことだと思いますね」――サイスニードの投球はどうだった「あのピッチングはすごくよかったです。バッティングもね、びっくりしたんですけど、なかなか彼の時は援護点がないので。ないので打ったわけではないでしょうけど、いい形でゲームは進められたんですけどね。それ以降はなかなか得点圏に行っても１本が出なかったですね」――得点圏で１本が出ないことは通年の課題「そうですね。スコアリング行くと、なんなんですかね。バットが出ないというか、１本出ないというか、何かあると思いますね」――八回は清水が安打に犠打と失策が絡んで無死一、三塁となった場面で交代させた。今の状態を考慮して交代「岡本選手であったり、その前の丸であったり、いろいろなケースは考えていました。ちょっとああなるとは思わなかったですけど」――巨人戦負け越し。明日から切り替え「そうですね。今日みたいなゲームをしないといけないでしょうね。神宮のジャイアンツ戦はいつも打ち合いになってね、乱打戦というか、そういう形になってしまうんですけど。きょうみたいにピッチャーでゲームを作っていく、引っ張っていく、そういう展開に持って行きたいですね。きょうは終盤にひっくり返されましたけど、こういう展開にしなきゃいけないと思いますね」――サイスニードは打撃練習も真面目に取り組む。その姿勢は「彼はチームに溶け込むところから、練習態度であったり、練習量であったり、言うことない男なので。いい結果を出してあげたかったですけどね。残念ですね」

◆巨人は２試合連続の逆転勝利を飾った。同点の八回２死一、三塁で登板したドラフト５位・船迫大雅投手（２６）＝西濃運輸＝が見事に火消しに成功。高梨雄平投手（３１）が招いたピンチを救い、原辰徳監督（６５）は「お兄ちゃんを助けたね。お兄ちゃん、もうちょっとしっかりしてくれ！とね」とルーキーをたたえた。巨人は同点に追いついた直後の八回、今季５３試合目の登板となった左腕、高梨が２死から連打を浴び、一、三塁とされたところで船迫にスイッチ。船迫はオスナを得意のスライダーで一ゴロに打ち取り、九回の勝ち越しへの流れを呼び込んだ。船迫は６試合連続無失点で２勝目を挙げた。

◆自滅したヤクルトは３年ぶりのシーズン負け越しが決まった。３―２の八回無死一塁で三前の犠打を村上が一塁へ悪送球。続く丸の犠飛で追い付かれた。九回１死一塁では石山がけん制悪投で三進され、内野ゴロで勝ち越し点を許したとあって、４連敗の高津監督は「競ったゲームで絶対にあってはならないこと」と厳しい口調だった。今季の巨人戦の負け越しも決定。監督は「投手でゲームをつくっていく展開に持っていきたい」と反省を込め、今後の狙いを口にした。

◆巨人・中川皓太投手（２９）が九回を三者凡退で締め、４年ぶり２度目の１０セーブを記録した。右上肢の状態不良で離脱した大勢に代わって抑えを任される２９歳の左腕は「（九回は）普段やり慣れているポジションではないので、緊張感を持って臨みました。（セーブ数は）全然、気にしていない。良かったなという一言です」と必死の表情だった。

◆巨人は５日、ヤクルト２０回戦（神宮）に４－３で逆転勝利を収めた。ドラフト５位・船迫大雅投手（２６）＝西濃運輸＝が３－３の八回２死一、三塁のピンチで登板し、オスナを一ゴロに仕留める好リリーフ。九回の勝ち越し劇を呼び、２勝目を挙げた。ヘビが好きだというルーキーが、負ければ自力でのクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出の可能性が消えた一戦で役割を果たした。心は熱く、頭は冷静に立ち向かった。船迫が３－３の八回２死一、三塁で４番手として登板。２安打を放っていたオスナを一ゴロに封じ、拳を握った。逆転を呼び込む価値ある好救援。ヒーローインタビューで脚光を浴びた。「絶対に打たせないという気持ちで上がった。緊張しながらも、冷静を保ちながら投げることができた」〝罠〟を仕掛けた。１ストライクから投じた２球目。右打者のオスナの懐をえぐるように１４６キロの直球を投げ込み、体をのけ反らせた。「すごくいい反応をしてくれた。（内角への意識付けは）１００点だと思った」。計算通りの配球で、決め球の外角へのスライダーで打ち取り、６試合連続無失点。試合の流れを左右する正念場を乗り切り、九回の勝ち越し劇を呼び込んだ。燕の巣を好物とするヘビのように〝襲い掛かった〟。幼少期から爬虫（はちゅう）類や熱帯魚が好きだといい、かつてオレンジ色のジャイアンツカラーのコーンスネーク（別名アカダイショウ）を３万円で購入。餌の冷凍マウスを与えながら大事に飼育していた。愛するヘビのようにヤクルトの〝燕の巣〟である神宮で牙をむいた。主力に体調不良が相次ぎ、この日は坂本が出場選手登録を外れた。負ければ自力でのＣＳ進出の可能性が消える状況で勝ち、ＣＳ進出圏内の３位ＤｅＮＡとのゲーム差を２に縮めた。先輩の高梨が招いたピンチを断った船迫について、原監督は「お兄ちゃんを助けたね。お兄ちゃんはもう少し、しっかりしてくれとね」と奮起を求めた。２６歳でプロ入りしたオールドルーキーがスポットライトに照らされた。（樋口航）

◆ミスで追いつかれ、追い越された。ヤクルトは終盤に出た２つの悪送球が失点につながり、逆転負け。２０２０年以来３年ぶりのシーズン負け越しが決まった。高津臣吾監督（５４）は敗戦に直結した失策を嘆いた。「終盤で競っているときに取れるアウトを取れない。勝手に進塁させてしまうというところは、失点につながっていく。競ったゲームでは絶対にやってはならないこと」。１点リードの八回には無死一塁から、三塁前の犠打を村上が一塁悪送球（記録は犠打失策）。一、三塁とされると丸の左犠飛で同点とされた。九回は１死一塁から石山が牽制悪送球で三進を許し、二ゴロの間に決勝点を献上した。２年連続で巨人戦の負け越しも決定。投手が少ない失点でつないでいく展開は〝高津野球〟の理想形。「そういう展開に持って行きたい」。残り２１試合。少しでも体現したい。（赤尾裕希）

◆巨人・梶谷隆幸外野手（３５）が適時打を含む３安打１打点で打線を勢いづけた。８月２９日に発熱を訴え、出場選手登録を外れた。３９度を超える高熱で「しんどくて何も食べられなかった」と、体重は２キロ落ちたという。今月２日に復帰してから初めてのスタメン起用に応えた。「僕は基本的には塁に出ることしか考えていない」と復活をアピールした。

◆巨人で楽しみな戦力が目についた。坂本に代わり遊撃を守った２番・門脇。８番で２安打１得点の中山。八回２死一、三塁で〝緊急〟登板し、オスナを一ゴロに仕留めた船迫。力のある若手だ。中でも門脇は、１年目とは思えないプレーを見せている。守備は抜群にうまい。この日は送りバントを２つ決めた。しかし打率は・２４８と高くない。そのため、守りと小技の職人というイメージがあるかもしれない。実のところ本当の魅力は、しっかりとしたスイングにある。打撃練習で強く振れるのは、プロならば当たり前。実戦で投手が、打たせまいと投げてくるボールに、タイミングがとれて、対応できている。それが、しっかりとしたスイングと表現するゆえん。しかもそれこそが、長打力も秘めていることを物語る。打率も長打力もアップという、大きな伸びしろを感じるのだ。スタメン出場を続けている秋広らも含め、ペナントレース最終盤での若手陣に注目したい。（サンケイスポーツ専属評論家）