ヤクルト(★1対7☆)阪神 =リーグ戦22回戦(2023.09.03)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:伊藤 将司(9勝5敗0S)
敗戦投手:吉村 貢司郎(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(17号・1回表3ラン),森下 翔太(9号・6回表ソロ)
【ヤクルト】赤羽 由紘(1号・9回裏ソロ)

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◆阪神は初回、佐藤輝の3ランなどで4点を先制する。続く2回表には、中野とノイジーの連続適時打で2点を加え、試合を優位に進めた。投げては、先発・伊藤将が9回1失点の快投。今季3度目の完投で9勝目を挙げた。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆阪神青柳晃洋投手(29)が、出場選手登録を抹消された。先発した前日2日のヤクルト戦(神宮)では6回途中3失点と粘投し、自身4連勝で7勝目を挙げていた。試合後、右腕の今後について岡田監督は「それは分からん、まだ。明日天気悪いとかなあ。まあちょっと明日次第かも分からんけどな。ちょっと分からんまだ」と話していた。この日は神宮での試合前練習に姿をみせ、キャッチボールなど通常メニューをこなしていた。

◆半世紀以上ぶりの快挙だ! 阪神近本光司外野手(28)が、今季10本目の三塁打をマークした。初回、先頭でヤクルト先発吉村の直球を捉え、右方向へ。右翼手サンタナがスライディングキャッチを試みたが後ろにそらし、三塁まで激走。2番中野が四球で出塁し、3番ノイジーの内野ゴロによる三失の間に生還した。阪神の2桁三塁打は、67年藤田平の10三塁打以来、56年ぶり12度目の快挙だ。また、これでプロ通算30本目の三塁打となった。勢いは止まらない。6点リード4回、2死から吉村の外角直球を捉え、今度は左中間オーバーの三塁打を記録。1試合2三塁打は4月19日の広島戦(甲子園)以来今季2度目で、今度は56年田宮謙次郎(12本)以来67年ぶりの記録となった。三塁打は2位岡林に2本差をつけ、リーグ単独トップに立った。近本が今季の三塁打を11に伸ばした。阪神選手の年間2桁三塁打は、67年藤田平の10三塁打以来、56年ぶり7人、13度目。なおプロ野球シーズン最多は、51年金田正泰(阪神)の18三塁打。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、2試合連発となる17号3ランを放った。1点を先制した直後の初回、1死二、三塁からヤクルト吉村の初球だ。甘く入ったカットボールを捉え、打球は右翼スタンドへ一直線。今季初の2試合連続アーチで同期の先発伊藤将に3点の援護点を追加した。「チャンスだったので積極的に打ちにいくことを心がけていました。1点でも多くと思っていましたし、最高の結果になってくれました」前日2日の同戦ではファウルゾーンから風に戻され右翼ポールに直撃する本人もビックリの仰天弾をマーク。この日は打った瞬間に確信する1発となり、得意の神宮で持ち前のパワーを発揮した。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、今カード3発目となる9号ソロを放った。6点リードの6回先頭で、ヤクルト先発吉村の142キロを強振。打球は虎党が埋め尽くす左翼スタンドに吸い込まれた。2試合ぶりの1発で2桁本塁打に王手をかけた。「少しこすって上がりすぎたかなと思いましたが、スタンドまで届いてくれました。2回以降取れていなかった追加点を取ることができてよかったです」13打席連続無安打で乗り込んだ神宮では、1日の試合前に佐藤輝から「入れてみたら」とプロ入り後初めて入れたアイブラックの効果もあってか、プロ初の1試合2発を放ち勝利に大きく貢献。2日は無安打に終わったが、3日連続でアイブラックを取り入れ、この日は「逆ハの字」の外はねタイプを試した。初回に3ランを放った佐藤輝とのアベック弾は初めて。"アイブラック兄弟"が敵地でアーチ共演を決めた。

◆/最高のアイブラック兄弟\神宮の夜空にアベックアーチ森下翔太の9号ソロHR???プロ野球(2023/9/3)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/YTBGTjkA4w

◆西の空がまだ夕焼けで真っ赤に染まる時間に、ヤクルトが大量失点した。ドラフト1位吉村貢司郎投手(25)の3カ月ぶりの復帰戦は初回の守備から乱れた。先頭の阪神近本が放った右前打に、右翼サンタナが突っ込み後逸。単打だったはずが三塁打にした。2番中野を四球で歩かせ無死一、三塁。3番ノイジーは三ゴロに仕留めたと思われたが、捕球した村上が二塁へ悪送球し、オールセーフで近本の生還を許した。1死二、三塁で迎えた佐藤輝には2夜連続アーチとなる17号3ランを許し、初回に4点を奪われた。ルーキーイヤーの今季は開幕ローテ入りを果たし、離脱前最後の登板となった5月24日阪神戦(神宮)まで8試合に先発し、2勝1敗。2勝はいずれも阪神戦だった。しかし右前腕を痛め、5月25日に出場選手登録を抹消。3カ月以上の間、ファーム生活を送った。「この期間休んでいたわけではない。やってきたことをしっかりと出せれば」と復帰戦2日前、意気込んでいたが、優勝マジックが点灯する首位阪神の勢いが上回った。6回にはドラ1対決で森下に9号ソロを浴びた。6回8安打7失点で降板。久々の1軍戦、悔しさを胸にマウンドを降りた。【三須一紀】

◆阪神が前半の猛攻でマジックを「15」に減らした。初回から先頭近本光司外野手(28)の三塁打などで無死一、三塁を作ると、三塁手の悪送球で先制点を奪った。その後、佐藤輝明内野手(24)の2戦連発となる17号3ランなどで4点先取となった。その後の回も、ノイジーの適時二塁打や、森下の2戦ぶり9号ソロなどで追加点。先発の伊藤将司投手(27)を大量得点で後押しした。今季5度目の対戦となったヤクルト先発吉村に、初の黒星をつける大勝。今季9度目の同一カード3連勝を決めた。2位広島はこの日のデーゲームで中日に0-3の敗戦。7・5ゲーム差に開き、今季初めてマジックを2つ減らした。貯金は今季最多タイの28に伸ばし、着実に「アレ」へのカウントダウンを進めた。

◆阪神近本光司外野手(28)が右脇腹付近に死球を受け、途中交代した。9回先頭、左腕山本の内角球が直撃。近本はその場に倒れ込み、しばらく動くことができなかった。近本は7月2日にも巨人戦の7回に左腕高梨から右脇腹に死球を受け「右肋骨(ろっこつ)骨折」と診断され、離脱した。同22日のヤクルト戦で復帰し、ここまでプレーしていたが、またも同箇所に死球を受けた。神宮のファンはざわつき、異様なムードとなった。試合後のハイタッチには姿を見せ、笑顔もあった。患部について「いや、何ともないです、分からないです」と返答。「当たってたら痛いですよね。それは。あんまり何もなかったらいいと思います、僕は」と気丈に話した。岡田監督は「情けないのお。2年連続で優勝したチームやのにのお」と激怒。「まあ、あきれるよなあ。おらんかったもん。高津。ベンチに。(試合後は)探したけど」とあきれるように言った。▽阪神平田ヘッドコーチ(死球を受けた近本について)「この前(骨折)やったところと同じような箇所なので、ちょっと心配やね。明日の状態を見てからやね」

◆阪神中野拓夢が同期入団の伊藤将司を援護した。2回2死二塁。カウント2-1から、ヤクルト吉村の直球を左中間へはじき返す適時打。「(伊藤)将司も頑張っているので早めに追加点を取ってあげたかった。しっかりランナーをかえすことができてよかった」。二塁守備でも9回に村上の安打性のゴロを難なくさばくなど左腕を攻守でもり立てた。

◆ヤクルト高津臣吾監督(54)が9回先頭の阪神近本光司外野手に出した死球について「あれはちょっと申し訳なかった」と謝意を示した。この回から登板した左腕山本大貴投手が投じた2球目が、近本の右脇腹付近に当たり死球。その場にうずくまりしばらく起き上がれなかった。高津監督は「もちろんぶつけようと思ってぶつけているわけではないんですけど。持ち球がシュートなので、そこに行ってしまったというところですね」と話した。

◆阪神近本光司外野手(28)が右脇腹付近に死球を受け、途中交代した。9回先頭、左腕山本の内角球が直撃。近本はその場に倒れ込み、しばらく動くことができなかった。試合後のハイタッチには姿を見せ、笑顔もあった。患部について「いや、何ともないです、分からないです」と返答。「当たってたら痛いですよね。それは。あんまり何もなかったらいいと思います、僕は」と気丈に話した。病院での診察については「分かんないです」とした。近本は7月2日の巨人戦でも7回に左腕高梨から右脇腹に死球を受け「右肋骨(ろっこつ)骨折」と診断され、離脱した。同22日のヤクルト戦で復帰し、ここまでプレーしていたが、またも同箇所へ死球を受けた。神宮のファンはざわつき、異様なムードとなった。試合後、スタンドからは「頑張れ! 頑張れ! 近本」とコールが響いた。

◆阪神岡田彰布監督(65)は試合後、ジッとヤクルトベンチを見つめた。その表情は険しかった。9回に近本光司外野手(28)がヤクルト山本から死球を受け途中交代。指揮官は「まあ、どうや、ええ、なあ、あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」と、試合後の動きについてコメント。「情けないのう。え。2年連続優勝したチームやしのう」と怒りは収まらない様子だった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、ヤクルトに激怒した。7-0の快勝ムードで迎えた9回、先頭近本がヤクルト山本から右脇腹付近に死球を受け、途中交代。7月2日にも巨人戦の7回に左腕高梨から右脇腹に死球を受け「右肋骨(ろっこつ)骨折」と診断され、長期離脱。8月13日にはヤクルト今野から受けた死球で梅野が「左尺骨骨折」を受けただけに、勝利の喜びよりも怒りが先行した。指揮官の一問一答は以下の通り。-近本が最後に死球  「え? 情けないのう。え。2年連続優勝したチームやしのう」-状況を考えたら「状況を考えたらってお前、もう...。普通に考えたら分かるやないか」-前は梅野がやられた「そういうチームなんやろ」-腹部を痛める様子だったが「この前と同じようなところみたいやけど」-病院にいって診断を待つ形か「そらそやろ」-相手が目標を失っているチームとはいえ「まあ、どうや、ええ、なあ、あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」-伊藤将もマダックスできそうないい投球「おお、球数もなあ」▽阪神平田ヘッドコーチ(死球を受けた近本について)「この前(骨折)やったところと同じような箇所なので、ちょっと心配やね。明日の状態を見てからやね」

◆阪神伊藤将司投手(27)が、今季3度目の完投で9勝目を手にした。8回まで無失点投球を続けたが、9回先頭の代打赤羽にプロ1号ソロを被弾し、100球未満での完封を意味する「マダックス」の達成こそ逃したが、わずか90球で1人で最後まで投げ抜いた。3完投はリーグトップタイだ。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。-完封は惜しかったが90球完投「まあ最後はホームラン打たれちゃったんですけど。そこは残念ですけど、しっかり9回まで投げられて良かったです」-投球数少なくての完投勝利「そうですね。球数少なく投げることはいいこと打と思うので。継続してできたらいいなと思います」-何が一番良かった「ストレートも良かったですし、(坂本)誠志郎さんの配球が良かったです」-4番村上との対戦「ちょっと逃げたら痛い目に合いそうだったので。攻めた結果ああやって三振が取れたのは良かったです」-高いレベルでの安定した投球が目立つ「ファンのみなさんのおかげです」-マジックも減って15に「そこが本当にホッとしています」-選手の中ではどう感じているか「チームの雰囲気もとてもいいので。ここからもどんどん勝って、アレをできるように頑張ります」-ルーキーイヤーの10勝を上回るペース「そうですね、1年目以上にいい成績を残せるように頑張ります!」

◆アイブラック兄弟弾! 阪神佐藤輝明内野手(24)と森下翔太外野手(23)が、初のアベック弾を決めた。まずは兄貴分の背番号8が手本を示した。1点を先制した初回。なおも1死二、三塁でヤクルト吉村の初球を引っ張り右翼席へ運んだ。今季初の2試合連発となる17号3ランで初回4得点の猛攻撃を演出した。佐藤輝 チャンスだったので積極的に打ちにいくことを心がけていました。最高の結果になってくれた。打った瞬間に確信する一撃だった。新人から3年間で61本塁打は、田淵幸一に並び球団歴代最多タイ。猛虎史でも最高ペースで量産し、最低目標に掲げる3年連続20発にも近づいた。弟分森下も続いた。6点リードの6回に2試合ぶりの9号ソロでダメ押し。1日の試合前から佐藤輝が森下の目の下に「アイブラック」を仕込んでおり、そこから3戦3発だ。吉村に5度目の対戦で初めて黒星をつけ「なんとか1本出てよかった」と笑顔を見せた。おまじない? も効いた。この日、森下のアイブラックは前日までの「ハの字」のようなデザインを逆向きにした「上がり目」模様だった。前日2日、無安打に終わっており糸原から「上に上げとけ」と指令が出たという。「下がってたんで、上げていけって」と佐藤輝がアシスト。森下は「変化を加えた方が打てた」と先輩たちに感謝した。8月下旬には佐藤輝から「(本塁打)10本打たなかったら返せ」という約束でプラダのバッグをプレゼントされた。先輩との約束達成まで、あと1本。背番号1は「2桁は確実にいきたい。(佐藤輝とのアベック弾も)これからどんどん打っていきたい」と意気込んだ。77年9月3日、巨人王が通算756号を放ち、ハンク・アーロンの世界記録を破った日として知られる「ホームラン記念日」にTM砲が躍動。2人には豪快なアーチがよく似合う。【中野椋】

◆阪神伊藤将司投手(27)が5安打1失点完投で9勝目を挙げた。完投3度はリーグトップタイだ。「最後はホームラン打たれちゃったんですけど。そこは残念ですけど、しっかり9回まで投げられて良かったです」。大量援護を受けながらも「1人ずつ投げようと思っていました」と、目の前の打者に集中。8回を78球で投げ終え無失点。球団2年ぶりとなる、9回を投げきった「マダックス」(100球未満での完封)は目前だった。だが、1死から代打赤羽にまさかのソロを被弾。それでも直後の内山を空振り三振に切り、最後は2死一塁から村上を二ゴロ。90球で試合を締めた。7回1死三塁のピンチでは「なるべくランナーためずに回せたら」と警戒していた4番村上と対峙(たいじ)した。3球ファウルで粘られた末、8球目145キロ内角直球で見逃し三振。「ちょっと逃げたら痛い目に合いそうだった。攻めた結果三振が取れたのは良かった」。試合前まで被打率4割6分2厘と苦手としていた相手を、4打席無安打に抑え込んだ。これでルーキーイヤーの21年以来の10勝に王手。お立ち台では「1年目以上にいい成績を残せるように頑張ります!」と宣言した。ウイニングボールはフェンスに駆け寄った観客にプレゼント。虎党悲願の「アレ」にまた1歩近づいた。【波部俊之介】伊藤将がチーム最多の9勝を挙げ、村上、大竹と並んだ。これで3人が10勝に王手。阪神で2桁勝利が3人以上となれば、21年の青柳13勝、秋山10勝、伊藤将10勝の3人以来2年ぶり。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、ヤクルトにブチ切れた。7-0の快勝ムードで迎えた9回、先頭近本光司外野手(28)が左腕山本から右脇腹付近に死球を受けて場内騒然となった。これに指揮官も「あきれるよなぁ」と怒り心頭。試合後は相手ベンチに乗り込む姿勢まで見せた。2位広島が敗れたため、一気に優勝マジックは15。「アレ」に向けてカウントダウンを加速させたが、神宮の杜(もり)には不穏な空気が漂った。怒っていた。選手と勝利のハイタッチを終えた岡田監督は、その場を動かず一塁側のヤクルトベンチをにらんだ。そこからクラブへ戻ろうとしたが、怒りは収まらない。振り返ってヤクルトベンチを再びにらんだ。「情けないのう。2年連続優勝したチームやしのう。あきれるよなあ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」。65歳の指揮官が相手ベンチに乗り込む1歩手前だった。7点差の9回、ヤクルト左腕山本のすっぽ抜けた直球系の球が近本の右脇腹をえぐった。近本はその場にうずくまりしばらく苦しそうな表情で動けなかった。8月13日の京セラドーム大阪では今野から死球を受け梅野が左尺骨を骨折し今季絶望となっている。指揮官は「状況を考えたらって、もう...。普通に考えたら分かるやないか。そういうチームなんやろ」と、厳しい攻めをする場面ではないのにと理解に苦しんだ。岡田監督が「この前と同じようなところみたいやけど」と話すように、近本が死球を受けた場所は7月2日巨人戦で高梨から食らった死球と似たような場所。前回は「右肋骨(ろっこつ)骨折」で約3週間離脱した。代走小野寺と代わり途中交代した近本は試合後「分からないです。あんまり何もなかったらいいと思います。僕は」と話し、バスへ乗り込んだ。4日に病院で診断を受けるが、再び離脱となればチームにとっても痛すぎる。この日も初回、4回と2本の三塁打を放ちチャンスをつくった。1試合2本の三塁打は今季2度目。今季11本目の三塁打となり、阪神のシーズン11三塁打は、56年田宮謙次郎(12本)以来67年ぶりの記録をつくったばかりだった。2位広島が敗れマジックは2つ減り15となった。今季9度目の同一カード3連勝で貯金は最多タイの28個。そして、9月3日は86年に亡くなった父勇郎さん(享年55)の命日だった。命日はこれで監督通算6勝1敗。岡田監督の猛虎愛にも多大な影響を与えた父に、現場復帰1年目の今年も白星を届けた。だが、大勝ムードも何もかもすべて近本の死球で吹っ飛んだ。球場に漂ったのは後味の悪さ。今は近本が軽傷であることを祈るしかない。【石橋隆雄】

◆阪神中野が同期入団の伊藤将を援護した。2回2死二塁。カウント2-1から、ヤクルト吉村の直球を左中間へはじき返す適時打。「(伊藤)将司も頑張っているので早めに追加点を取ってあげたかった。しっかりランナーをかえすことができてよかった」。二塁守備でも9回に村上の安打性のゴロを難なくさばくなど左腕を攻守でもり立てた。

◆阪神木浪がマルチ安打をマークし、プロ5年目で初めて年間100安打に到達した。「8番遊撃」で2試合ぶりに先発。2回は先頭で中前打を放ち、中野、ノイジーの連続適時打につなげた。8回も2死一塁から右前打で大台に乗せた。球団の先発8番で年間100安打は、03年藤本敦士(現1軍内野守備・走塁コーチ)以来20年ぶりで、2リーグ制後では2人目の快挙だ。

◆阪神ノイジーが1安打2打点で3試合ぶりの先発起用に応えた。3番は7月23日以来、6週間ぶり。初回無死一、三塁で三塁へ放ったゴロが村上の悪送球を誘い、先制点となる打点がついた。2回2死一塁では中堅への適時二塁打でリードを6点に拡大。「久しぶりにファストボールを自分のスイングで捉えることができた。ランナーが中野で助かったよ」と一塁から生還した中野に感謝した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神はシェルドン・ノイジー外野手(28)が「3番・左翼」で3試合ぶりに先発復帰した。ここ2試合はいずれもベンチスタート。3番での先発は7月23日のヤクルト戦(神宮)以来。阪神はヤクルト3連戦の第1戦はミエセス、第2戦は小野寺とすべてで3番を入れ替えた。また木浪聖也内野手(29)も「8番・遊撃」でスタメン復帰。2位の広島がデーゲームで敗れたため、試合前時点で優勝マジックは「16」で勝てば「15」となる。

◆ヤクルト・松本直樹捕手(29)が今季初のスタメン入りを果たした。先発は5月24日の阪神戦(神宮)以来の1軍登板となる、D1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝。

◆阪神が試合開始からわずか7分で先制した。一回先頭の近本がファウルでタイミングを合わせ、吉村の6球目を右翼へ鋭い当たり。この打球をオスナが後逸し、三塁打が記録された。中野が四球でつないで無死一、三塁。3試合ぶりに先発復帰したノイジーが三塁線にボテボテの打球を放った。これを三塁・村上が二塁へ悪送球。電光石火の攻撃で先制した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が2試合連続の17号3ランを放った。相手のミスも絡んで1点を先制し、なおも1死二、三塁の好機で迎えた一回の第1打席。吉村の初球、カットボールを完璧にとらえた。打った瞬間、スタンドインを確信。白球はあっという間に右翼席で弾んだ。「打ったのはスライダー。チャンスだったので積極的に打ちにいくことを心掛けていました。1点でも多くと思っていましたし、最高の結果になってくれました」2日の一戦は右翼ポール直撃の3ラン。2試合連続弾で4-0とリードを大きく広げた。

◆阪神の選手たちが試合前のシートノックの最後、きっちり〝整列〟して三塁ライン上に並んだ。笑顔を浮かべながらノッカーが打ち上げたキャッチャーフライを一斉に見上げ、打球を目で追った。高校野球のようなワンシーンにはミエセス、ノイジーらの外国人選手らも参加。チームの〝連係〟の良さを表す一幕になった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が六回先頭で左中間スタンドに9号ソロを放った。カウント2-0から吉村の直球を一閃。プロ初の1試合2本塁打を放った1日以来、2試合ぶりの一発で2桁本塁打に王手をかけた。一回には佐藤輝が17号3ランを放つなど、ドライチコンビの活躍で7-0と大きくリードを広げた。森下は広報を通じて「打ったのはストレート。少しこすって上がりすぎたかなと思いましたがスタンドまで届いてくれました。2回以降取れていなかった追加点を取ることができてよかったです」とコメントした。

◆102日ぶりの1軍マウンドも、快投とはいかなかった。先発したヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=は6回8安打7失点。白星をつかむことはできなかった。5月24日の阪神戦(神宮)で4回6安打2失点として以来の1軍マウンド。「ファームでやってきたことを上でもできるように。自分のできるボールをしっかりと一球一球投げられれば」と意気込んでいたが、悔しい投球となった。味方のミスもあり、リズムに乗れなかった。一回先頭近本の右翼への当たりを、スライディングキャッチを試みたサンタナが後逸。結果は三塁打となり、いきなりピンチを背負うと、続く中野には四球。無死一、三塁ではノイジーを三塁へのゴロに打ち取り、「5―4―3」の併殺完成かと思われたが、今度は三塁・村上が二塁へ悪送球。1点を先制され、なお無死一、二塁となってしまった。1死後、佐藤輝に右越えの3点本塁打を献上。一回から4失点と苦しい立ち上がりとなった。プロ1年目の今季は開幕ローテーション入りを果たし、4月30日の阪神戦(神宮)で初勝利を挙げるなど8試合で2勝1敗、防御率4・54。上半身のコンディション不良で5月25日に出場選手登録を抹消されてからは、2軍でノースロー調整の期間を経て復帰。ようやくこぎつけた1軍マウンドだったが、会心の投球とはいかなかった。(箭内桃子)

◆阪神に再び激震が走った。九回先頭の近本光司外野手(28)が、死球。山本のすっぽ抜けた球が右脇腹付近を直撃し、苦悶の表情を浮かべてグラウンドに倒れ込んだ。近本は7月2日の巨人戦(東京ドーム)で同箇所に死球を受け、右肋骨の骨折と診断。約3週間の離脱を強いられていた。近本は自力でベンチへと戻ったものの、代走の小野寺がコールされ、途中交代。首位をひた走る虎に、暗雲が垂れ込めた。

◆試合前、薄暮の状態でのシートノックで打球を確認する阪神ナイン=神宮球場(撮影・今野顕)

◆ヤクルト・高津臣吾監督(54)が、阪神・近本への死球について言及した。九回に3番手左腕・山本の速球が、近本の脇腹付近に直撃。近本はその場で倒れ込んだあと、トレーナーとともにベンチに下がって交代した。高津監督は試合後、「あれは申し訳なかった。もちろんぶつけようと思ってぶつけているわけではないんですけど、持ち球がシュートなので、そこにいってしまった」と説明。もちろん故意ではなく、山本も即座に帽子を取った。

◆阪神が快勝。8月16日に点灯した優勝マジックを初めて2減らして、「15」とした。敵失で先制後の一回1死二、三塁で佐藤輝明内野手(24)が右翼席へ17号3ランを放ち、二回2死から中野拓夢内野手(27)、シェルドン・ノイジー外野手(28)の連続適時打で序盤で6点を奪った。六回はD1位・森下翔太外野手(23)=中大=が9号ソロを左翼席に運んだ。佐藤輝の2戦連発は21年6月19、20日の巨人戦(甲子園)以来、5度目。森下とのアベック弾は初。9回90球1失点の伊藤将司投手(28)は2年ぶりの2桁勝利まで、あと1とした。1967年の藤田平以来の年間2桁三塁打をマークした近本光司外野手(28)は九回に右脇腹付近に死球を受けて途中交代した。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=72勝44敗4分、観衆=2万9092人)。ーー近本が最後に死球(7点リードの九回先頭で、3番手の27歳左腕・山本大貴投手から右脇腹付近に死球)「え? 情けないのう。え。2年連続優勝したチームやしのう」ーー状況を考えたら「状況を考えたらってお前、もう...。普通に考えたら分かるやないか」ーー前は梅野がやられた(8月13日の一戦では梅野が死球を受けて左尺骨骨折)「そういうチームなんやろ」ーー様子は「この前と同じようなところみたいやけど」ーー病院で診断を待つ形か「そらそやろ」ーー相手が目標を失っているチームとはいえ「まあ、どうや、ええ、なあ、あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」ーー伊藤将もマダックス(100球未満の完封)できそうないい投球「おお、球数もなあ」

◆ヤクルトは阪神に投打に力負けし、今季11度目の同一カード3連敗を喫した。5月24日の阪神戦(神宮)以来の1軍先発となったD1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=が6回8安打7失点と試合をつくれず。打線も阪神先発・伊藤将に1失点完投を許し、反撃できなかった。高津臣吾監督(54)は「完璧にやられた。こういう試合を作っちゃいけない」と険しい表情だった。試合後の指揮官の主な一問一答は以下の通り。――吉村が久々の1軍先発「一、二回は苦しかったでしょうね。真っすぐ自体はそんなに悪いと思わなかったんですけど、少し制球に苦しむところ、フォアボールも1つだけだっけ? ですけど、また(一回無死三塁での)中野のフォアボールが痛いですね、その1つが」――このタイミングで1軍で投げさせた。期待は「いろんな人の状態と彼の状態を照らし合わせて今日になったんですけど、まあでも変な意味じゃなくてちょっと期待できるかなっては思いました」――三回以降は立ち直った「投げる球自体はそんなに悪いと思わないんですけど、やっぱりピッチングとか配球とかはまだまだ勉強が必要ですね」――打線も阪神先発・伊藤将からチャンス作れず「いろいろ対策は練ったんですけど、うまくいかなかったですね。まあうまくいかなかったから、こういう結果になったんですけど」

◆ヤクルトの23歳、赤羽が九回に代打で出場し、プロ初本塁打を放った。伊藤将の外寄りの球を思い切り良く振り抜き左翼席へ放り込んだ。「率直にうれしい。これからもこういう一打席を大事にしていきたい」と笑顔だった。長野県出身。2021年に育成ドラフト2位で入団し、昨年7月に支配下登録された右打者。経験を積むため、この日はイースタン・リーグに出場して本塁打を打ってから1軍の試合に臨んでいた。「2軍の試合に出て、いいイメージで入ることができた」と喜んだ。

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は完封勝利を逃したものの阪神・伊藤将司投手(28)を絶賛した。伊藤将は90球で1失点完投。マダックス(100球未満で完封勝利)を逃したのはもったいなかったが、「年に一回の」という素晴らしい投球だった。7―0の七回1死三塁で迎えた村上との勝負は失点しても、大きく響く展開ではなかったが、見せたのは徹底した内角攻め。ラストの3球は、ほぼ同じコースにきっちりと投げて手を出させず、見事な見逃し三振だった。全体的には真っすぐと沈むツーシームを低めに決め、失投は九回に赤羽にホームランを打たれた1球のみと、ほぼ完ぺきな投球。大竹、村上と合わせて9勝を挙げている3人には、残りの戦いで、ぜひ2桁勝利を達成してもらいたい。序盤に大量点を取って先発がこれだけの投球をすれば、言うことのない試合だ。一方でヤクルトは一回に村上がしっかりと併殺を取って1点で、しのいでおけば展開は分からなかった。近本が右前に運んだ打球もシングルでいいのだから、サンタナが無理に前進して捕りにいく必要はなく、試合を決めたのはミスだ。首位阪神と5位ヤクルト。目標の違いも結果に大きく表れた一戦だった。

◆中野は4-0の二回2死二塁で左前に落ちるタイムリー。ルーキーイヤーの2021年に記録した自己最多を更新するシーズン37打点目を挙げた。「(伊藤)将司も頑張っているので早めに追加点を取ってあげたかった。しっかり走者をかえすことができてよかった」。九回の守備では最後の打者・村上の鋭いゴロを華麗にさばき、攻守で同期入団の左腕をもり立てた。

◆阪神はヤクルトに7―1で快勝。今季9度目の同一カード3連勝で優勝マジックを15とした。一回に佐藤輝明内野手(24)が2戦連続の17号3ランを放つなど一挙4得点。今季最多の貯金28とし、2位広島とのゲーム差を7・5に広げた。シーズン終盤を迎えて上り調子の大砲が勢いづかせ、猛虎の〝アレ〟モードがいよいよ高まってきた。2夜連続の快音が神宮に響き渡る。打った瞬間、右翼・サンタナは後ろを向き、追うのを諦めた。〝アレ〟に向け、佐藤輝はもう止まらない。スタンドまで描いた放物線を見届け、さっそうと走り出した。「チャンスだったので、初球で最高の結果になって良かったです」相手の失策が絡んで先制し、なおも1死二、三塁で迎えた一回の好機。吉村の投じたスライダーを振り抜いた。風と声援を味方につけて放った2日のミラクル弾に続く17号3ランで、初回で試合を決めた。神宮の杜に架けた、新人年の2021年以来、通算5度目の2試合連続アーチ。この場所は佐藤輝にとって、いわば〝パワースポット〟だ。公式戦初出場、初本塁打もここ。「相性のいい球場にしていきたいですね」と誓った地にくれば、不思議と力が湧いてくる。

◆ノイジーは7月23日のヤクルト戦以来の3番起用にバットで応えた。一回無死一、三塁で三遊間へのゴロ(記録は三失)を放って先制点を挙げると、5-0の二回2死一塁では中越え適時二塁打。2打点をマークした助っ人は「気持ちよかった。しっかりと捉えられていい打撃ができたし、中野選手が一塁走者でよかった。助かった」と納得の表情。2日に2打点の小野寺に続き、岡田監督が起用した〝日替わり3番〟が気を吐いた。

◆岡田監督の笑顔が、一瞬にして怒りの表情に変わった。死球を受けた近本がバッターボックスで右脇腹付近を押さえてひざまずき、苦悶(くもん)の表情を浮かべて動かない...。2カ月前のVTRを見ているかのようだった。「情けないのう。2年連続優勝したチームやしのう。状況を考えたらってもう...。普通に考えたら分かるやないか」7-0とリードした九回先頭の打席だった。左腕山本のツーシームがすっぽ抜けて、近本の右脇腹付近を直撃。猛虎の斬り込み隊長は、両膝とヘルメットを地面につけてうずくまった。神宮の左翼席を陣取った虎党からは悲鳴と怒号が飛び交う。数分後、立ち上がった近本はトレーナーに支えられてベンチに引き揚げ、代走が送られた。この日のデーゲームで2位広島が敗れ、ナイターでは燕を投打で圧倒。一気に優勝マジックを2つ減らして15としたが、岡田監督は「まあ、どうや、ええ、なあ、あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」と、試合の話はそっちのけで敵将への怒りをぶちまけた。8月13日の対戦では、梅野が今野から左手首に死球を受けた。左尺骨骨折と診断され、今季は絶望的。悪夢から1カ月もたっていない中、扇の要に続いて近本までも...。岡田監督の怒りは当然だ。近本は7月2日の巨人戦(東京ドーム)で右脇腹付近に死球を受け、右肋骨(ろっこつ)骨折を負って離脱を余儀なくされた。同22日に1軍復帰後は走攻守すべてでチームを引っ張り、8月快進撃の立役者に。この日も一回の先頭で、右前に強烈なライナー性の打球を放ち、右翼手・サンタナが後ろにそらす間に三塁へ(記録は三塁打)。先制攻撃の口火を切ると、四回には右中間に今季11本目となる三塁打。阪神のシーズン2桁三塁打は、1967年の藤田平以来56年ぶりだった。「まあ(ボールが)当たっているんで。痛いですよね。そりゃ。(状態は)わからないです」近本は試合後、多くは語らず宿舎行きのバスに乗り込んだ。きょう4日にも東京都内の病院で診察を受ける予定だ。岡田監督は「この前と同じようなところみたいやけど」と顔を曇らせた。残り23試合。〝アレ〟に向かうラストスパート態勢で、近本が不在となれば、一大事だ。(三木建次)

◆なすすべがなく3連敗を喫した。リーグ5位のヤクルトは首位阪神に完敗。伊藤将の前に5安打1得点に終わり、高津臣吾監督(54)は脱帽した。「いろいろ対策は練ったんですけど、うまくいかなかった。完璧にやられた。こういう試合をつくっちゃいけない」前日にリーグ3連覇の可能性が完全に消滅。この日は約4カ月ぶりに1軍で登板したドラフト1位・吉村(東芝)が一回に失策が絡んで4点を失うと、二回にも2失点。高津監督は「一、二回は苦しかった。球自体はそんなに悪いと思わないけど、ピッチングとか配球とかは、まだまだ勉強が必要」と成長を求めた。打線は一回と七回に先頭が出塁したが、得点に結びつかず。残り22試合で借金は今季最多の22となり、シーズン勝ち越しがなくなった。(赤尾裕希)

◆木浪は2安打を放って勝利に貢献した。4―0の二回先頭では中前打で出塁し、中野の左前打で5点目の生還。八回にも好機演出の右前打で、出場5試合ぶりとなる複数安打をマークした。これで5年目で初となるシーズン100安打に到達。遊撃レギュラーとして存在感を示し続ける男がうれしい節目を通過点に、これからも快音を響かせていく。

◆高々と舞い上がった打球は勢いを失わず、左翼スタンドへ着弾した。森下〝らしくない〟高弾道の一打で、兄貴分の佐藤輝と初のアベック弾。ベンチの背番号8へ人さし指を立て、2桁本塁打まで「あと1本」とアピールした。「風はきのうよりなかったので、入るか不安でしたけど。ちょっとだけ上がりすぎたぶん、(風に)乗る時間はあったのかなと思います」六回の先頭で打席に立ち、吉村の直球が真ん中付近にきたのを見逃さずに振り抜いた。ライナー性の当たりを持ち味とするルーキーが大飛球で7点目を加え、何度もガッツポーズ。3連戦ですっかりトレードマークになったアイブラックをこの日は上向きに伸ばし、上へ上へと高い放物線を描いた。9号ソロで2桁本塁打に王手をかけた。開幕前には20本塁打以上を目標に掲げており、「本来の目標よりも全然打ってないですけど」とまだまだ物足りない様子。それでも、ここ3試合で3発と9月に入って調子は上向きだ。佐藤輝が一回に放った3ランに「決める人が決めるとチームも盛り上がる」と刺激を受けた一発。さらなる連弾にも意欲を示した。「一つの目安として、2桁(本塁打)は確実にいきたい。(アベック弾は)意識していなかったですけど、これからどんどん打っていきたい」森下が力を込めた。アレへ向かう終盤戦で個人ノルマもクリアする豪快な一発を放ち、チームを勝利に導く。(邨田直人)

◆『アカツキジャパン』の快挙の興奮は、一夜明けても冷めていなかった。朝から情報番組ではバスケットボール男子日本代表の48年ぶりとなる自力での五輪切符獲得のニュースが取り上げられ、ビヤ樽こと虎番キャップ三木建次も「こんなにバスケが日本で盛り上がっているのは初めてちゃうかな。僕の記憶にはないわ」と驚いていた。ビヤ樽はヤクルト戦の取材のため東京に出張中。日本代表がカボベルデを破った歴史的瞬間は、神宮球場で原稿を執筆していたためテレビの生中継を見ることができなかったが、深夜にホテルに戻ってからスポーツニュースで何度もハイライト映像を見た。「スリーポイントをめっちゃ決めていた選手。あれ、かまいたちの山内に似てるな」試合の感想をたずねると開口一番、そんな答えが返ってきた。実際、カボベルデ戦でスリーポイントシュートを8本中6本も決めるなど22得点を挙げた富永啓生は、素晴らしいプレー以外でも、ネット上ではお笑いコンビ・かまいたちの山内健司、女芸人のやすこに顔が似ていると話題になっている。パリ五輪前の特番などで3人の共演が見られるかもしれない。さて、9月3日は「ホームランの日」だった。46年前の1977年、王貞治(巨人)がハンク・アーロンを超える通算756本塁打の世界記録を樹立した日だ。後楽園球場でのヤクルト戦で鈴木康二朗から右翼席に大きな放物線を描き、バンザイしながら走り出す王さんの姿はあまりにも有名。その王さんでもできなかった、新人から2年連続で20本以上を打っている唯一の左打者が、われらが阪神・佐藤輝明であることを忘れてはならない。

◆楽々と9回まで投げて、しかも100球以内で終わらせる。阪神・伊藤将は近年まれにみる安定した投手だよ。サッと有利なカウント、1-2に持ち込み、あっさり打ち取る。そうなると打者は、追い込まれる前に打って出るしかなくなる。奪三振は3個だけで、凡打の山。ピッチングに流れをつくり、ゲームの流れを支配した。おかげで投打のバランスも上向く。打線は安心感を持つから、得点を重ねるのも、わかる。ふと思い出した。エモトの阪神での現役時代だ。ヤクルトの安田、梶間といった左腕に、打線がコロッとひねられた。そんな試合に先発するときは、敗戦覚悟だったものよ。その図式が逆になるとは、少々感慨。いずれにしても、伊藤将のように軸となる投手がいるだけで、チームが大崩れすることはない。というわけで岡田監督、いつまでも「アレ」ではなく、もう「優勝」と口にしたらどうかな。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆よっしゃア!! 1日に優勝マジックを2つ減らして15やでェ。一回、近本の三塁打に始まり、相手のエラー、佐藤輝の3ランで計4点!! 試合開始から、わずか10分で勝利の予感にほほ笑み、二回に飛び出した中野、ノイジーのタイムリーで確信へと変わったのだ!!伊藤将は九回に代打・赤羽にプロ1号となるアーチを許したけど、90球の完投で9勝目を挙げてくれた(赤羽選手、オメデトウ!! 東京都北区の赤羽には林家ペー、パー子夫妻が住んでいるので打たれても憎めない)。本日の虎党はシアワセ~?と終わりたいところなのに...。九回、近本が右の脇腹に死球を受けて交代したことが、どえらく心配や~!中国の「史記・南越伝」から取られた言葉に、「幸せと災いは縄をより合わせるように交互にくる」という意味の『禍福は糾(あざな)える縄の如し』がある。阪神は『アレ(優勝)』と『アイブラック』と『パインアメ』くらいで動いているんだから、中国の古典とか難しいことは近づかんといて~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
72444 0.621
(↑0.004)
M15
(↑2)
23472
(+7)
366
(+1)
67
(+2)
65
(-)
0.247
(-)
2.730
(↑0.01)
2
(-)
広島
66534 0.555
(↓0.004)
7.5
(↓1)
20433
(-)
429
(+3)
84
(-)
68
(-)
0.245
(-)
3.130
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
61563 0.521
(↓0.005)
11.5
(↓1)
23456
(+7)
422
(+8)
89
(+1)
26
(+1)
0.251
(-)
3.220
(↓0.03)
4
(-)
巨人
59601 0.496
(↑0.004)
14.5
(-)
23465
(+8)
463
(+7)
145
(+2)
41
(-)
0.258
(↑0.001)
3.700
(↓0.03)
5
(-)
ヤクルト
48703 0.407
(↓0.003)
25
(↓1)
22445
(+1)
488
(+7)
100
(+1)
56
(+1)
0.238
(-)
3.740
(↓0.02)
6
(-)
中日
46713 0.393
(↑0.005)
26.5
(-)
23336
(+3)
424
(-)
56
(-)
32
(-)
0.241
(↑0.001)
3.150
(↑0.03)