オリックス(★0対3☆)西武 =リーグ戦21回戦(2023.09.05)・ほっともっとフィールド神戸=
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西武
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ORIX
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勝利投手:田村 伊知郎(1勝0敗0S)
(セーブ:クリスキー(0勝0敗2S))
敗戦投手:阿部 翔太(2勝4敗1S)

本塁打
【西武】渡部 健人(5号・8回表2ラン)

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◆西武は両軍無得点のまま迎えた8回表、2死一塁から蛭間の適時二塁打で先制する。なおも続く好機で渡部の2ランが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、2番手・田村が2年ぶりの白星。敗れたオリックスは、先発・曽谷が試合をつくるも、打線が援護できなかった。

◆オリックス杉本裕太郎外野手(32)が、出場選手登録された。8月19日に抹消されて以来の1軍となった。ウエスタン・リーグでは、2日の阪神戦(杉本商事BS)で猛打賞の活躍を見せ、3日の同戦では第1打席にソロ本塁打をマークするなど、状態を上げている。代わって、マーウィン・ゴンザレス内野手(34)が出場選手登録を抹消された。

◆オリックスは3試合ぶりの完封負けで、優勝マジックは「16」のまま足踏みとなった。打線は西武先発松本に、6回まで2安打に抑え込まれ無得点。守備では3失策し、決勝点に絡んだが、中嶋監督は責めることはなかった。「野球にエラーはありますからね。ただそこを、頑張って抑えるか抑えないか。野手とピッチャーの共同作業になってくると思う。今日のところは、ちょっと抑えきれなかった」と助け合いを求めた。

◆オリックス・ドラフト1位の曽谷龍平投手は、プロ4度目の先発で5回1安打無失点と好投したが、初勝利はまたもお預けとなった。力強い直球にスライダーやツーシームなど変化球を織り交ぜ5奪三振。「全体的にテンポよくしっかりとゾーンに強いボールを投げ込めてた。自分の役割は果たせたのかなと思います」。中嶋監督は「続けていけるように、長く投げられるようにいけたらチームの戦力だと思う」とさらなる成長を願った。

◆西武は4番渡部健人内野手(24)のひと振りで、オリックス戦の連敗を5で止めた。8回2死一塁から3番のルーキー蛭間の適時二塁打で先制した直後、滞空時間の長い5号2ランを左翼席へ落とした。「俺も打たなきゃと。初めて3三振してからのホームランだったのでいい仕事ができたかなと思います」と笑顔。山川の今季公式戦復帰は事実上なく、残り23試合も主砲としての経験を積む。

◆オリックスが3試合ぶりの完封負けを喫し、連勝は2で止まった。2位ロッテも勝利したため、優勝マジックは「16」のままとなった。先発したドラフト1位左腕の曽谷龍平投手(22)は5回1安打無失点。許したのは4回先頭の蛭間の中前打のみと好投するも、味方の援護に恵まれず、プロ4度目の先発も初白星は次戦に持ち越し。中嶋聡監督(54)は「本当に持っているもの、持っているボールはやっぱりいいんですけども、これから続けていけるように、長く投げられるようにいけたら、チームの戦力だと思います」とさらなる成長を願った。試合は0-0のまま迎えた8回。4番手の阿部が、味方の失策で出塁を許すと、2死一塁で蛭間に左翼への適時二塁打を浴び先制点を献上。さらに続く渡部に2ランを浴び、3点を失った。ここまで防御率2・03と安定した成績を残してきた右腕にとって、今季初の3失点となった。打線は西武先発の松本を前に、6回まで2安打に抑え込まれ無得点。守備では3失策し、決勝点に絡んだが、中嶋聡監督(54)は全員野球を強調。「野球にエラーはありますからね。ただそこを、頑張って抑えるか抑えないか。野手とピッチャーの共同作業になってくると思う。今日のところは、ちょっと抑えきれなかった」と話した。

◆白星こそつかなかったものの、西武松本航投手(26)が勝利に貢献した。直球の球速こそ140キロ台前半だったものの、4回2死までは無安打投球。6回で109球かかったものの、しっかり「0」を6つ並べ、リリーフ陣に託した。「一度ファームに落ちた時に基礎の見直しをしました。それがマウンド上でも意識できていることで、落ち着いてプレーでき、良い状態を保てています」と好投を振り返る。8月29日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では5回1死まで無安打投球。最終的に8回2失点で投げきるなど、調子を上げている。「残り試合、全て勝ちたいので、自分の仕事を全うしたいと思います」と頼もしく話した。

◆西武のルーキー蛭間拓哉外野手(22)が貴重な先制打を放った。0-0の8回2死一塁。オリックス阿部の落ちる球を左翼線に強くはじき返し、一塁走者の源田を生還させた。開幕こそ2軍で迎えたドラフト1位ルーキーも、このところ中軸での起用が多い。「まさかこんなに試合に出たり、安打を打てると思っていなかったので。出させていただいている経験をしっかり生かして、明日からもやりたいです」と次戦を見据えていた。

◆左翼応援席の「チャンステーマ4」が歓声で途切れた。4番に座る西武渡部健人内野手(24)が、夜空に高々とかっ飛ばした。1点を先制した8回、なおも2死二塁。渡部はこの日、すでに3打席連続で空振り三振を喫していた。「3打席同じ感じの三振をしてしまったので、逆に気持ち切り替えてっていうか。どうせ三振するんだったら、三振するんだろうから」くよくよせず割り切って振る。白球が舞い上がる。約6・5秒。スラッガーらしい高弾道を描き、5号2ランが左翼席でポーンと跳ねた。「中村さんとか山川さんとかも、ああいう弾道でホームラン打ってるんで。なんか気持ちいい、全力で走らずに...いやいや、走るんすけど(笑い)」3三振後の本塁打は自身初。天敵オリックスに勝利を決めただけに、1発の価値は大きかった。チームの成績は苦しい。でも愛称"ベッケン"は明るく朗らかだ。8月末の仙台遠征中、髪をばっさり短くした。「髪の毛長くなってきて、中途半端になっちゃったんで、そこで気合入れようと思って」仙台市内の有名な理髪店に足を運んだ。サイドを刈り込み、トップは短いパンチパーマに。「なんか、バズニグロっていう髪形らしいです」。そんな斬新な短髪に汗を浮かべながら、ますますの活躍を誓う。「1発っていうのはチームの雰囲気も試合の流れも変わると思うので。そういったところでまた打てるようにやっていきたいなと思います」山川の次代を担う4番候補と期待されてきた。プロ3年目、思いもよらぬ事態にはなったが、渡部にとっては大チャンス。華のある1発は前途洋々な未来を感じさせる。【金子真仁】

◆西武田村伊知郎投手(28)が2年ぶりの白星を挙げた。プロ通算2勝目となる。この日は6回無失点と好投した松本航投手(26)からバトンを受け、2番手として0-0の7回に登板。連打を許したものの、直球とチェンジアップのコンビネーションで無失点で切り抜けた。8回に味方が3点取り、勝利投手になった。神戸市出身でこの日は里帰り登板。「小さい頃から何度も観戦に来たこの球場で勝利することができて感慨深いですし、チームの皆さんに感謝したいです」としみじみ話した。報徳学園(兵庫)では1年夏から甲子園4強進出に貢献し「スーパー1年生」と話題になった。今夏の甲子園の期間中、これまたしみじみと当時の思い出を話していた。「高校は自宅からの通いでした。めっちゃ遠かったです。電車を乗り継いで、片道1時間半くらい。朝5時半起きで朝練に一番乗りで行って」授業が終われば、夜8時まで練習があった。「だから帰るのも遅くなって、食事してすぐ寝て、また5時半に起きて。もうできないです。いくら積まれてもできないです」1、2軍合わせて今季はこれで48試合に登板。いろいろな局面でタフに投げ、高校時代とはまた違った存在感を見せている。【金子真仁】

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(32)が出場選手登録され、「6番・左翼」でスタメンに名を連ねた。8月19日に不振のため、今季3度目の抹消。ここまで74試合に出場し、打率・230、12本塁打、26打点の成績。3日のウエスタン・阪神戦(富田林)では本塁打を放つなど、状態を上げ、帰ってきた。また予告先発の曽谷龍平投手(22)も出場選手登録。ここまで6試合に登板し、2敗。プロ4度目の先発で、念願の初白星を狙う。代わって、マーウィン・ゴンザレス内野手(34)が抹消された。

◆8月22日に国内フリーエージェント(FA)権を取得したオリックス・若月健矢捕手(27)が取材に応じ、残留する意向を表明した。若月は2014年ドラフト3位で埼玉・花咲徳栄高から入団し、今季で10年目。「ちょっとは悩みましたけど」と前置きはしつつ、「愛着のあるこの球団で、あとは大型契約を勝ち取れるように頑張ります」と愛を語った。今季はFAで加入した森との併用も、チーム最多の70試合にマスクをかぶり、打率・267とバットでも奮闘している。この日は「9番」で出場。「残留が決まったからと気にせず、3連覇を目指してとりあえずやるだけ」とシーズンに集中する。

◆6日の22回戦(ほっと神戸)で先発するオリックス・黒木優太投手(29)がキャッチボールなどで登板に備えた。5月11日楽天戦(楽天モバイルパーク)以来の先発。プロ7年目の今季は先発へ転向し、スタートするも2度の機会にいずれも黒星。約4カ月ぶりの先発にも「そこまで気負わずに、ほんとに中継ぎで投げたときのような感じで行きたいと思ってるんで」と意気込んだ。8月27日に出場選手登録され、29日のソフトバンク戦(長崎)では、4回2/3を投げ無失点と長いイニングには準備万端。「とりあえず一人一人しっかり抑えていきたいと思ってます」と力を込めた。

◆オリックスのD1位・曽谷龍平投手(22)=白?大=が4度目の先発で初勝利を目指して奮投したが、念願の白星には届かなかった。立ち上がりから150キロ超の速球を軸に西武打線と真っ向勝負。走者を背負っても真っすぐで押した。四回1死一塁では栗山、五回1死一塁では柘植を、いずれも初球の真っすぐで三ゴロ併殺打に打ち取った。しかし打線の援護はなく、両軍無得点の状態で5回67球で降板。打者17人に対し、被安打1、5三振1四球の文句なしの投球で、次回の登板に望みをつなげた。

◆凱旋(がいせん)登板で粘りの投球を披露した。西武・松本航投手(26)は立ち上がり制球に苦しみながらも得点を与えず試合を作った。生まれ育った兵庫のほっともっと神戸で行われたこの日のオリックス戦。中6日でマウンドに上がった右腕は一回、先頭から四球、犠打、四球でいきなり1死一、二塁のピンチを背負ったが、冷静に後続を断って無失点で切り抜けた。二回以降は立ち直ると、持ち前の真っすぐを武器にオリックス打線から次々とアウトの山を築いた。兵庫・明石商高から日体大を経て、2019年ドラフト1位で入団。1年目から7勝をマークすると、21年には初の2桁となる10勝(8敗)を挙げ先発陣の大事な一角に成長した。今季はこの日まで4勝8敗、防御率3・83。開幕からローテーション入りも不振で7月10日に登録を抹消された。2軍での調整を経て約1カ月ぶりの登板となった8月12日のロッテ戦(ZOZOマリン)で8回1失点と好投すると、前回8月29日の楽天戦は敗戦投手となったが8回2失点の力投を披露。「調子もよかったし、テンポよく初回から投げられた」と手応えを口にし、完全復活を印象付けた。試合は両軍譲らず、スコアボードにゼロが並ぶ展開に。松本は6回2安打無失点ながら5勝目はならず。それでも地元ファンの声援を背に腕を振り続けた。

◆西武が接戦を制した。0―0の八回に蛭間が均衡を破る適時二塁打を放ち、渡部の5号2ランで加点した。松本が6回2安打無失点と好投し、2番手の田村が2年ぶりの白星を挙げた。オリックスは打線が沈黙。3失策と守備も乱れた。

◆西武のD1位・蛭間拓哉外野手(22)=早大=が0―0の八回2死一塁から先制二塁打。阿部の初球、外角低めの落ちる球を逆らわずに左翼線へはじき返した。「「逆方向(の打撃)を意識した。イメージ通りいけたかな」とうなずいた。8月29日から7戦連続でクリーンアップを任され、そのうち6試合で安打をマーク。松井監督は「結果も出しているし、いい内容」とたたえた。

◆無敵だったはずのほっともっと神戸で、オリックスは今季6戦目で初黒星。今季13度目の零封負けを喫したが、先発の曽谷が5回1安打無失点の好投。完敗の中でドライチルーキーがキラリと光った。「全体的にはテンポ良く、しっかりとゾーンに強いボールを投げ込めていたと思いますし、自分の役割という部分は果たせたのかなと思います」 一回から最速151キロの切れのある速球を軸に相手をねじ伏せた。四回に相手ドライチの蛭間に中前打を浴びたが、許した安打はこの1本のみ。自己最長の5回も無失点、67球で投げ切った。打線の援護がなく、初白星はお預けも存在感を示した。ウエスタン戦では84三振(5日現在)で奪三振王。この日も自己最多タイの5三振を奪った。これで8月13日の楽天戦(楽天モバイルパーク)から8回連続無失点。中嶋監督は「持っているボールは本当にいい。それを長く投げられるようになったら十分戦力だと思う」とうなずいた。3連勝を逃し、2位ロッテが勝利したため、優勝マジックは16のまま。それでもルーキーの好投は、3連覇に突き進む中で明るい材料だ。(北池良輔)

◆4番打者の意地を見せた。プロ3年目の西武・渡部健人内野手(24)が7月1日以来の一発となる5号2ラン。チームの連敗ストップに貢献し、115キロの巨漢選手は声を弾ませた。「初めて3三振してからのホームランだったので、ああいう場面で打ててよかった」。3打席連続三振を喫して迎えた1-0の八回。直球を強振した打球は高々と舞い上がり、ほっともっとフィールド神戸の左中間席に吸い込まれた。桐蔭横浜大から2021年にドラフト1位で入団。昨季は1軍で出場なしに終わったが、今季はこれで出場41試合で打率・245、5本塁打、20打点をマーク。7月に左脚の違和感で出場選手登録を抹消されたが、8月17日に復帰を果たすと同25日から4番を任されている。見た目のインパクトでも注目を集める。1軍復帰に際し、頭髪のサイドを反り上げ、「ぬれたときにいい感じになる」というパンチパーマ風の髪形、通称「ぬれパン」にイメチェン。一度、見たら目に焼き付く強烈なスタイルに「気合を入れようと。気に入っています」と笑った。「一発はチームの雰囲気も流れも変わる。また打てるように」。大砲候補が覚醒の予感だ。(石井孝尚)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
71444 0.617
(↓0.006)
M16
(-)
24423
(-)
350
(+3)
93
(-)
38
(-)
0.250
(-)
2.700
(↑0.02)
2
(-)
ロッテ
60525 0.536
(↑0.004)
9.5
(↑1)
26425
(+7)
424
(+1)
86
(+2)
62
(-)
0.243
(↑0.001)
3.360
(↑0.02)
3
(-)
ソフトバンク
58582 0.500
(↓0.004)
13.5
(-)
25434
(+1)
424
(+7)
88
(-)
53
(-)
0.247
(-)
3.310
(↓0.02)
4
(-)
楽天
57601 0.487
(-)
15
(↑0.5)
25416
(-)
461
(-)
96
(-)
84
(-)
0.243
(-)
3.550
(-)
5
(-)
日本ハム
53681 0.438
(-)
21
(↑0.5)
21408
(-)
411
(-)
88
(-)
65
(-)
0.236
(-)
2.980
(-)
6
(-)
西武
52671 0.437
(↑0.005)
21
(↑1)
23346
(+3)
397
(-)
75
(+1)
68
(-)
0.233
(-)
2.960
(↑0.03)