ヤクルト(★5対6☆)阪神 =リーグ戦21回戦(2023.09.02)・明治神宮野球場=
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阪神
0060000006601
ヤクルト
2001000205911
勝利投手:青柳 晃洋(7勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝2敗28S))
敗戦投手:ピーターズ(6勝5敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(16号・3回表3ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(25号・1回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は2点を追う3回表、近本と小野寺の適時打で3点を挙げ、逆転に成功する。なおも続く好機で佐藤輝が3ランを放ち、リードを広げた。投げては、先発・青柳が6回途中3失点で今季7勝目。敗れたヤクルトは、打線が終盤に追い上げを見せるも及ばなかった。

◆ヤクルトのピーターズはビジターで0勝3敗、防御率3・40だが、神宮球場では8試合先発して6勝1敗、防御率2・08。7月1日広島戦から4連勝中で、最近3試合は1失点以下と、本拠地では別人のような好投を見せている。この球場で許した本塁打は7月15日巨人戦で吉川から打たれた1本のみ。今季神宮球場で40回以上を投げて被本塁打1本以下はピーターズだけだ。

◆阪神は1日に再点灯した優勝へのマジックナンバーは18。この日のデーゲームで広島が勝ったため、ヤクルトとのナイターに勝つか引き分けるとマジックは1つ減って17となる。ただし、もし阪神が敗れると、マジックは消滅する。8月29日にも1度消えているが、阪神と広島の直接対決が7試合残っており、広島の自力優勝が再び復活するためだ。ナイターで阪神が負けると仮定すると、阪神が広島との直接対決7試合に全敗し、他球団に全勝すると最終成績は87勝52敗4分けの勝率6割2分6厘。広島は残り試合に全勝すると87勝52敗4分けで、同じ成績で並ぶことになる。セ・リーグはアグリーメントで年度優勝球団の決定方法を以下のように定めている。(1)レギュラーシーズン勝率第1位球団(2)勝率1位が2球団以上となった場合は、その中で最も勝利数の多い球団(3)勝率1位でかつ勝利数も同じ球団が2球団となった場合は(1)シーズン中の当該球団間の勝率が高い球団(2)当該球団間の勝率が同じ場合は、リーグ内対戦成績(交流戦を除いた125試合)の勝率が高い球団(3)上記2つの勝率が並んだ場合は、前年度順位が上位の球団(※3球団以上が同勝率、同勝利数になったケースは割愛)今回のケースでは(3)の(1)にあたる。阪神と広島は同勝率で並ぶため当該球団間の直接対決で勝率が高い球団が優勝となる。阪神は2日現在で広島に10勝7敗1分けで勝ち越しているが、残りの7試合を全敗する前提のため、最終的には10勝14敗1分けで負け越すことになる。広島が直接対決で上回り、自力優勝が可能となるため阪神のマジックが消える。もちろん、勝って減らしていけば問題ないが、ついたり消えたりするのが"マジック"ナンバーでもある。阪神ファンにとってはしばらくやきもきする日々が続きそうだ。

◆阪神小野寺暖外野手(25)が、「3番左翼」に名を連ねた。前日は同位置にミエセスを起用。ノイジーが2試合連続でベンチスタートとなった。また、「8番遊撃」には小幡竜平内野手(22)が入り、8月19日DeNA戦以来のスタメン出場となった。広島がデーゲームで中日に勝利したため、阪神は引き分け以上で優勝マジックが18→17に減少。また、敗れた場合はマジックが再び消滅する。

◆アイブラック継続! 阪神森下翔太外野手(23)が、プロ初の2発を放った前日1日に続き、目の下に「アイブラック」を仕込んだ。「ハの字」のような独特なデザインで、前夜の試合後には佐藤輝明内野手(24)が仕掛け人だったことが判明。佐藤輝が「明日からも書きたいと思います」と予告していた通り、幸運のアイブラックは継続だ。

◆/確信の放物線\8月17日以来の25号村上宗隆が先制ホームラン?プロ野球(2023/9/2)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#swallows pic.twitter.com/0QN0kjizFN

◆村上宗隆内野手(23)が11試合ぶりとなる25号2ランを放ちヤクルトが先制した。初回2死二塁、阪神先発青柳から右翼席中段に、8月17日DeNA戦(神宮)以来となるアーチをかけた。「打ったのはカットボール。2ボールと有利なカウントだったので思い切って打ちにいきました。先制できて良かったです」と語った。村上は同18日に体調不良のため特例2023の対象選手として出場選手登録を抹消された。同22日巨人戦(東京ドーム)から復帰したが、それ以降、本塁打はなかった。この日、デーゲームで広島が勝利したため、2連覇中だったヤクルトのリーグ優勝が完全に消滅した。苦しいシーズンの終盤だが、主砲が首位阪神から意地の先制弾を放った。

◆阪神近本光司外野手(28)が、キャリアハイとなる今季51打点目を挙げた。2点ビハインドの3回2死二塁、左腕ピーターズから右前適時打を放ち、20年にマークした50打点を超えた。51打点は大山、佐藤輝に次ぐチーム3位。得点圏打率4割超えで、1番打者ながらポイントゲッターの役割も担っている。

◆阪神小野寺暖外野手(25)が、今季10度目のスタメン起用に応える逆転打を放った。1点ビハインドの3回2死一、二塁。左腕ピーターズを相手に粘り、9球目を右翼線に落とす2点適時三塁打とした。前回スタメンだった8月19日DeNA戦に続く適時三塁打。神宮の虎党はお祭り騒ぎで、まるで本拠地かのような大声援だった。その後、5番佐藤輝に3ランが飛び出し、この回一挙6得点の猛攻となった。

◆/猛虎は止まらない\豪快なフォロースルー佐藤輝明が3ランホームラン?プロ野球(2023/9/2)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/N5BD2YfUM8

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、自身も驚きの16号3ランを放った。1点リードを奪った3回。なおも2死一、三塁で左腕ピーターズの内角速球をかち上げた。 打った瞬間、ファウルと思ったのか、佐藤輝は走り出さず歩きながら打球のゆくえを確認。高い弾道の当たりは風に押され、最終的に右翼ポールを直撃する3ランとなった。本塁打を確認したのは、まだ一塁ベース手前。虎党の大歓声が響くと、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。大ファウルと思われた打球が一転、風のアシストも受けての"変態弾"となった。8月26日以来、自身22日ぶりのアーチ。「打ったのはストレート。みんながつないでくれたチャンスでいいスイングができました。打った瞬間ファウルかなと思いながら打球を見ていましたがホームランになってくれてよかったです」とコメントした。

◆小児がんと闘う大阪府の中学3年、小谷侑生(ゆうき)さん(15)が始球式のマウンドに立った。現在は東京と大阪を行き来し、治療を続けている。ヤクルトとNPO法人キャンサーネットジャパンは「世界小児がん啓発月間」の9月に合わせ、患者とその家族を試合に招待する「ゴールドリボンナイター」を開催。小谷さんは大観衆の神宮でそのマウンドに上がった。5歳から野球を始めたが幼稚園の頃、小児がんが見つかった。それでも治療と野球を両立してきた。初めての神宮のマウンドから投じた球は見事に低めのストライク。大歓声が小谷さんを包んだ。「神宮球場に初めて来て最初は不安だったんですけど声援が後押ししてくれて、やってやるぞという気持ちになった。良いボールが投げられたと思います。ありがとうございます」と笑顔を見せた。大阪が地元ということもあり好きなチームはオリックス。「ホームランバッターが好き」とT-岡田外野手(35)とヤクルト村上宗隆内野手(23)の共通点である背番号55のユニホームを選び始球式に臨んだ。その村上は、小児がん啓発をPRする「ゴールドリストバンド」を着け、初回に25号2ランを右翼席へ運んだ。小谷さんは村上を見た感想を「とてもうれしかったです。初めて生で見たので」と笑った。治療と野球の両立では「やっぱり期間が空いたりすると筋肉が落ちるので、戻すのがとても大変でした」と振り返る。それでも野球が大好きで、入院中にプレーできない時でも「自分にとって生活の一部。やっぱり野球を見ないと楽しみがなかったので(始球式ができて)とてもうれしかったです。これからも野球を好きでいたいと思います」と語った。将来の夢についても「ずっと野球に関わる仕事がしたいと思っています」と話した。小谷さんは始球式のマウンドを通じ伝えたいことがある。「病気になっても諦めずに頑張っていれば必ず楽しいことがあるので頑張って生きてみてください。これを通じていろいろな人が病気のことに関心を持ってくれたら良いと思います」「100点満点」と話した神宮の投球が、病気の啓発へ大きな力となった。

◆阪神が逆転勝ちで2連勝を飾り、優勝マジックを1つ減らして「17」とした。2位広島とのゲーム差は6・5のまま。2カードぶりの勝ち越しで、チームの貯金は27に膨らんだ。2点を追う3回表、運も味方につけて一挙6点を奪った。2死二塁から1番近本光司外野手(28)の右前適時打で1点差に。なおも2死一、二塁で3番小野寺暖外野手(25)が右翼線に打ち上げると、フラフラと上がった飛球は一塁後方にポトリ。これが2点三塁打となり、一気に試合をひっくり返した。さらに2死一、三塁、今度は5番佐藤輝明内野手(24)の右翼ポール際への大飛球が風に押し戻されてポールに直撃。16号3ランでリードを大きく広げた。先発の青柳晃洋投手(29)は初回に4番村上の特大2ランで先制されたが、2回以降は粘って試合を作った。5回2/3を3失点で自身4連勝となる今季7勝目(4敗)。救援陣もリードを守り切り、「アレ」へまた1歩前進した。

◆デーゲームで広島が勝利し、ヤクルトのリーグ優勝が消滅した。直後の阪神戦で、村上が11試合ぶりとなる25号先制2ランを放つも逆転負けし、空砲に終わった。球団史上初の3連覇の夢がついえ、高津監督は「大きな目標を立ててスタートしたわけですから、結果的にできなかったのは非常に悔しく思います」と現実を受け止めた。CSの可能性は残る中「1勝でも多く勝ちたい」と前を向いた。▽ヤクルト村上(阪神青柳から初回に25号先制2ランもリーグ優勝の可能性が消滅し)「たくさん応援してくださるファンが神宮球場に足を運んでくれるので、期待に応えられるプレーをしていきたい」

◆阪神近本光司外野手(28)の勝負強さが、ビッグイニングを呼び込んだ。2点を追う3回2死二塁。左腕ピーターズに2ボール2ストライクと追い込まれながら、外寄りに甘く曲がったスライダーを丁寧にミートした。ライナーで右前に運び、1点差に迫る適時打をマーク。打線はリードオフマンの一打からつながりが増し、この回一挙6得点で流れを一変させた。「なんとか1点っていう場面だった。その後の結果はその後の人たちが頑張ってくれた結果。僕は僕のやることをしっかりやりました」。当の本人は冷静に振り返ったが、選手会長の一打が空気を変えたのは間違いない。まだ残り24試合あるが、早くも5年目でキャリアハイとなる51打点目だ。下位打線から好機をつくり、上位打線でかえす。新生岡田阪神の象徴となっており、指揮官も「ずうっとあの感じで点を取ってきたわけやからな」と納得顔だ。リーグトップを走る得点圏打率も4割2厘までアップした。「下位からつくったチャンスをしっかり1点ずつ取ることが、僕は結構大事かなと思っているんで」。1打席1打席を大切にした結果の数字は、もはやイメージ通りなのかもしれない。チームはヤクルト打線の追い上げを振り切り、優勝マジックをまた1つ減らした。「どんな9月になるのか楽しみなんで」と表現した背番号5。今や、その存在なくして虎は語れない。【佐井陽介】阪神近本が3回に適時打を放ち、今季通算51打点とし、シーズン自己最多を更新した。近本は今季出場108試合中、107試合で1番打者を務めている。他球団で今季1番で100試合以上先発した選手は他におらず、次に多いのは広島菊地の92試合。近本の安定感が光っている。近本は1番での打点も50を記録(2番で1打点)。阪神の1番打者でシーズン50打点以上をマークしたのは85年の真弓明信84打点を筆頭に5人、9度目になる。

◆球団史上初となる3連覇を目指した今季のヤクルトだったが、リーグ優勝の可能性が消滅した。高津臣吾監督(54)は「やっぱり3連覇を目指してスタートして結果的にできなかったのは非常に悔しく思います。まだ(シーズンは)終わったわけじゃないですけども、大きな目標を立ててスタートしたわけですから、繰り返しになりますが悔しいですね」とはっきりと感情を示した。優勝を逃した要因について問われると「要因はね。ちょっと心の中に秘めておきます」とシーズン中での明言は避けた。ケガに泣いた。昨季の2連覇において切り込み隊長だったリードオフマン塩見泰隆外野手(30)が下半身のコンディション不良で開幕に間に合わず。5月4日に1軍に合流するも、その後2度、離脱を余儀なくされた。同じく主に2番打者として昨季優勝に貢献した山崎晃大朗外野手(30)も開幕に間に合わず、復帰後も2度離脱。そしてキャプテン山田哲人内野手(31)も下半身のコンディション不良で2度離脱し、主力選手がケガに見舞われるシーズンだった。その影響もあってか4番につながる1~3番がなかなか固定できなかった。先月22日に体調不良から復帰して以来初アーチとなる、11試合ぶりの25号先制2ランを放った村上宗隆内野手(23)は優勝の可能性が消滅したことについて「たくさん応援してくださるファンが神宮球場に足を運んでくれるので、期待に応えられるようなプレーをしていきたいと思います」と前を向いた。【三須一紀】

◆3番抜てきの阪神小野寺暖外野手(25)が、値千金の逆転三塁打で2連勝に導いた。1点ビハインドの3回2死一、二塁。ヤクルト先発左腕ピーターズ相手に、ファウルで粘った9球目だった。高めのスライダーに食らいついた飛球は右翼線に上がり、追いすがる一塁手オスナらをかわしてポトリ。ファウルゾーンを転々とする間に2人の走者が生還。ラッキーパンチが今季2度目のV打となった。「泥臭さというか、ああいう汚さも持ち味。汚いヒットでしたけど最高の形になったのでよかったです」スタメンは8月19日DeNA戦以来今季10度目。当たりは会心ではなかったが、5度目の3番起用に最高の結果で応えた。「毎回チャンスだと思って気合を入れています」。スタメンは3試合連続ヒットで打率は3割3分3厘で好調キープ。得点圏打率は4割2分1厘の勝負強さを発揮した。勝負の4年目は、「原点回帰」の打撃が成功している。昨季は32試合に出場。4月21日のDeNA戦で代打逆転満塁弾を放って脚光を浴びたが、打率は1割3分6厘と低迷。もう1度自分自身と向き合い、「1発狙い」の考えを捨てた。「どういうバッターになろうかと考えた時に、人と違うところを伸ばそうと思って。打率だったり、塁に出ることを一番に考えて。もともとの形を見直そうと思ってやってきました」大商大時代は打率重視のスタイルでプロへの道を切り開いた。その感覚を思い起こすことで、打席の中でも落ち着きを取り戻せた。ボールの見極めにもつながり「技術というよりも、気持ちの持ちようが変わってると思います」。心は熱く、頭は冷静に。自信を持ってゲームに臨めている。「日替わり3番」の起用に応えた背番号60に、岡田監督は「まあ、あの1本で十分やな、はっきり言うて」とにやり。3番の意図は「え? 打つからや。三塁打打つからや」と笑った。小野寺は「毎試合毎試合、自分のやることを思い切ってやるだけです」と意欲十分。持ってる男が、少ないチャンスをモノにし、優勝マジックのカウントダウンに貢献した。【古財稜明】

◆阪神7番坂本誠志郎捕手が3回打者10人6点のビッグイニングの口火を切った。2点を追う3回、先頭で打席に入ると、内角へ食い込むカットボールを左前へはじき返した。「序盤からピーターズが飛ばしていたので、バテるだろうなと思っていた」と捕手らしく冷静に観察。受けては2試合続けてリリーフ陣が綱渡りとなり「反省しないといけないところもたくさんある」と頭を整理する。

◆阪神が逆転勝ちで2連勝を飾り、優勝マジックを1つ減らして「17」とした。2位広島とのゲーム差は6・5のまま。チームの貯金は27に膨らんだ。2点を追う3回は打者10人で6点を奪い逆転した。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-今日もすんなりとはいかなかった「まあなあ。追加点取れへんからなあ、おーん」-でもリードを守り切った「いやいや、勝ってるんやからなあ」-9月は勝つことがすべて「いやあ。もうそんな内容も書けへんやん、新聞(笑いながら)。勝った負けたになってくるやろう」-9回、打球を左手に当てた岩崎は大丈夫か「ああ、大丈夫大丈夫。なんか自分で(次の打者も)いかせてください、言ったらしいな。なんか手のひらかな。なんか、当たったみたいやけど」-今日は2点先行されたが「それはまあ全然。そんな、全然関係なかったよ」-小野寺は結果を出した「まあ、あの1本で十分やな、はっきり言うて」-3番起用の意図は「え? 打つからや。三塁打打つからや」-昨日の時点で「そうそう、小幡もな」-3回は四球が絡んだ「流れはな。点が入る時はだいたいフォアボールが絡んでとかな。ビッグイニングになるのはな。風もちょっと味方したよな」-佐藤輝の3ランはファウルと思ったか「打った瞬間はな。小野寺のもあれや、だいぶ(風で)戻ってきたもんな」-下位打線からチャンスをつくって四球を絡めて2死から点を取るのは阪神らしい攻撃だった「まあ、最後がホームランやからな。そら一番効果的やろなあ」-個人個人が役割を果たしている「そうやなあ、絶対な、フォアボールを絡めるっていうか、うまくな」-1点目の近本は自己最多の51打点目「うん。まあピッチャーはバントやからなあ。でも、何ていうかなあ、つながりっていうかな、ずうっとあの感じで点を取ってきたわけやから、そこの役割やろうな、やっぱりな」-青柳は6回までは投げきって欲しかったのでは「(6回は)3人やったらな。まあ(内山の)二塁打も余分やったけど」-岩貞は何とかこれからもしのげれば「どうやろう。しのげるか。ふふふ」-石井がリードを保って断ち切ってくれた「先攻やから1点でもリードしていけばな、と思ってたけどね。あそこはしゃあない。あんな厳しいところばっかりいっているわけやから」-青柳はちょっと間隔を空けるか「それは分からん。まだ。ちょっと投げるの、明日が天気悪いとかなあ。まあちょっと明日次第かも分からんけどな。ちょっと分からんまだ」

◆阪神の守護神岩崎優投手がアクシデントを乗り越え、自己最多タイの28セーブを挙げた。1点リードの9回に登板。先頭の代打松本直の二遊間方向への打球は、伸ばした左手に当てながら二ゴロに料理。問題なしをアピールして続投を志願すると、オスナを遊ゴロ、最後は村上を内角から切れ込むスライダーで見逃し三振に斬った。左手については「以後気をつけます」と引き締めた。自身が昨季記録した球団左腕の最多セーブにも並んだが「まだ残り試合があるので、頑張ります」と話すにとどめた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が今季25号を放ち、先発4番で通算150本目の本塁打。4番で150本以上は37人目となり、ヤクルトではバレンティンの192本に次いで2人目。村上の23歳7カ月で4番150号は、92年清原(西武)の25歳0カ月を抜く最年少記録。

◆阪神石井大智投手が苦しみながらも12戦連続無失点とし、15ホールド目を挙げた。3点差に迫られた8回1死二、三塁で登板。7番内山に左前適時打を浴び、なお1死一、三塁で代打青木に左犠飛。1点差とされ、続く代打山田の左前打で2死一、二塁とされたが、最後は浜田から内角直球で見逃し三振を奪った。「乗り切れたか分からないけど...。もっと確実性を持って抑えられるようにしたい」。今後も完璧を追い求める。▽阪神桐敷(7回に3番手で登板し1回無失点で9ホールド目)「自分の投球ができたかなと思います。自分はゼロで抑えるだけなので、また頑張ります」

◆阪神、広島ともに勝ち、首位阪神の優勝マジックは「17」となった。しかし、3日のヤクルト戦で敗れ、広島が中日戦に勝つと、再びマジックが消える。広島が残り20試合に全勝すると最終成績は87勝52敗4分けとなり、阪神が広島との直接対決7試合に全敗し、それ以外の16試合に全勝すると87勝52敗4分けで同じになる。この場合は直接対決の勝敗で順位が決まる。阪神は現在、広島戦に10勝7敗1分けだが、残り7戦は全敗の計算なので10勝14敗1分けになり、広島が上回る。広島の自力優勝が復活するため阪神のマジックは消滅することになる。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が"神風"の援護を受けた3ランで2連勝を導いた。3番小野寺が右翼線に落とす幸運の逆転三塁打で1点をリードした3回。なお2人の走者を置いて右翼ポール直撃の16号だ。打った瞬間、佐藤輝はファウルと思って歩き出したが、強い風でフェアゾーンに戻される1発になった。チームはこの回ラッキー2連発で一挙6点を挙げて逃げ切り。優勝マジックを17に減らし、カウントダウンを進める。打った本人も分かっていなかった。豪快にフォロースルーを決めた佐藤輝は一瞬、バットをつえのようにグラウンドについた。あぁファウルか...。1歩、2歩、歩みを進めたところで打球は右翼ポールの右側上部に直撃。えっ!? ここで本塁打と知ると、目を見開いた。バンザイする筒井一塁コーチのもとへ、控えめに両手を広げて走り出した。「風じゃないっすか。分かんないっす(笑い)。ファウルかなと思ったけど、戻って。最後まで入ると思わなかった。結果、ホームランになってよかった」近本の適時打で1点差に迫り、小野寺のラッキーな2点三塁打で逆転した3回、なお2死一、三塁の場面。左腕ピーターズの内角直球をすくい上げた。打った瞬間は右翼方向へ大ファウルの軌道。ところが、右翼から左翼方向へ吹く"神風"に押され、インフィールドに戻ってきた。岡田監督も「打った瞬間はな(ファウルかと思った)」と仰天するミラクル3ランで、この回一挙6得点。リードを4点に拡大した。誰よりも近くで目撃したヤクルトの右翼手サンタナも驚きの証言をした。「ファウルゾーンから戻ってきた」。一塁手のオスナも同意した。「1度はファウルゾーンに行き、戻ってきた」。相手の度肝を抜く5試合22打席ぶりの1発は、チーム最多の16号3ラン。「66」の打点と合わせ、岡田阪神の打撃2冠を走る。8回には中前打で今季26度目のマルチ安打。今季、打率3割5分1厘を誇る好相性の神宮で9月も暴れた。この日、母校近大が関西学生リーグの開幕戦で白星発進を決めた。今秋限りで退任する田中秀昌監督(66)の最後の秋になる。「勝つことで喜んでくれると思うので、頑張ります」。恩師なくして、夢のプロ入りは難しかった。フルスイングで結果を残し続けることが何よりの恩返しになる。2位広島が勝利したが、自力で優勝マジックを「17」に減らした。9月連勝発進で2カードぶりの勝ち越し。「マジックは気にせず、目の前の試合に集中することを心がけていました。一戦必勝で頑張ります!」。スタンドから「アレ! アレ! タイガース!」の声が響く中、慢心なく前を向いた。【中野椋】▽阪神筒井一塁コーチ(一佐藤輝の本塁打について)「風の影響はめっちゃ受けたと思いますよ、ファウルから(中に)入って来たから。ホームランはすごかったですね、初めて見ましたよ、あんなの。(同じ3回に右翼線に落とした)小野寺の打球は、こすってるから、普通右にスライスするんだけど、それがこっちにきましたもんね。ちょっと風が吹いてたんでね」▽ヤクルト内山(捕手の位置から見た佐藤輝の本塁打について)「ファウルゾーンから戻ってきた。(強い回転がかかっていたのか?の問いに)分からないですけど、無回転だったのかもしれません」○...「アイブラック兄弟」の今後は? 佐藤輝は前日1日、目の下の「アイブラック」を仕込んだ森下が2発を放つと「明日(2日)もやります」と笑顔で描き込みを約束。ただこの日、自身は本塁打を放ったが、弟分の森下は3打数無安打。ヒーローインタビューでは「アイツ、今日打てなかったんで、明日どうするか、このあと考えます」とコメントし、スタンドの笑いを誘った。3日の同戦も目の下に注目だ。

◆阪神青柳晃洋投手(29)が7勝目を挙げ、3年連続2桁勝利に望みをつないだ。課題の初回に4番村上に大の先制2ランを被弾。逆転してくれた3回6得点の大量援護に感謝した。「調子自体もいいとは言えない感覚でしたが、味方が逆転してくれてそのリードをなんとか守って、粘り強く投げることができたのかなと思います」2回以外は毎回走者を出しながらも5回2/3、3失点と粘った。「結果的にチームが勝ったんで」。村上には二塁打も許し、打率4割4分4厘、2本塁打、4打点と打ち込まれるなど課題も残した。だが、7月に1軍ローテに戻ってからの8試合は自身4連勝、5勝1敗と白星を重ねている。岡田監督は今後について「分からん。まだ。明日天気悪いとかなあ。明日次第かも」と言葉を濁した。残り試合で3先発して3連勝すれば2桁にも届く。青柳は「状態もですが内容的にもしっかりとした投球ができるように頑張ります」と前を向く。勝ち運も戻ってきたエースの完全復活が待たれる。【石橋隆雄】

◆ヤクルト・中村悠平捕手(33)が特例2023により出場選手登録を抹消された。正捕手の中村は今季92試合に出場し、打率・230、4本塁打、31打点としていた。1日の阪神戦にも八回に代打から出場し、守備にも就いていたが、この日は試合前練習に姿を現していなかった。代替指名選手として、松本直樹捕手(29)が1軍に昇格した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は小幡竜平内野手(22)が「8番・遊撃」で先発出場する。スタメン出場は8月19日のDeNA戦(横浜)以来。今季はここまで打率・316(57打数18安打)と結果を残している。また「3番・左翼」には小野寺暖外野手(25)が入った。小野寺も8月19日以来のスタメンで、今季打率・333(45打数15安打)と好調だ。若い力が〝アレ〟への勢いを加速させていく。

◆阪神・伊藤将司投手(27)が先発する3日のヤクルト戦に向けてキャッチボールやショートダッシュなどで調整した。「(村上)頌樹が(昨日)いい投球してくれたので、それに乗っかって勝てたら」今季はヤクルト戦5試合に登板し、2勝1敗、防御率3・06。燕には7月23日から登板2試合連続で白星を挙げているが、村上に対しては被打率・462(13打数6安打)と苦手としており、「なるべくランナーをためずに村上に回せたら」と気を引き締めた。前回登板の8月27日の巨人戦(東京ドーム)では八回途中4失点で黒星。2被弾を喫していただけに「もうちょっと丁寧に低めに警戒していけたらいいなと思う」と話した。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(31)がスタメンを外れた。「1番・二塁」には武岡龍世内野手(22)が入った。また、体調不良のため特例2023で中村が出場選手登録を抹消された中、スタメンマスクは内山が抜てきされた。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)が一回にいきなり先制点を被弾した。先頭の武岡に中前打を許すと、続く宮本は犠打。オスナを遊ゴロに抑え、2死二塁で燕の4番を迎えた。カウント2-0として3球目、甘く入ったスライダーを振り抜かれると、打った瞬間、スタンドインと分かる特大弾。右翼席上段に運ばれる先制の25号2ランにガックリと肩を落とした。これで青柳は今季15度目の先発で、いずれも失点。一回に失点するのは今季7度目と課題の立ち上がりに不安を残した。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が一回に先制の25号2ランを放った。「ツーボールと有利なカウントだったので思い切って打ちにいきました。先制できて良かったです」一回2死二塁、阪神先発・青柳に対し、2ボールからの3球目カットボールをフルスイングした。打った瞬間本塁打を確信するような大きな当たりは右翼席上段に着弾。8月17日のDeNA戦(神宮)以来14試合ぶりの一発で、先制に成功した。

◆阪神・近本光司外野手(28)が反撃の右前適時打を放った。0-2の三回。先頭の坂本が左前打で出塁すると、小幡は投ゴロ。併殺崩れで走者が入れ替わり、青柳の犠打で2死二塁の好機を作った。打席には試合前の時点でセ・リーグトップの得点圏打率(・395)を誇る近本。カウント2-2から6球目、ピーターズのカットボールを捉えた。右前に運ぶ適時打。頼もしい選手会長の一打で1点差に迫った。「打ったのはスライダー。ヤギさんが送ってチャンスを作ってくれたので、ランナーを還せたらいいなと繋ぐ意識で打席に入りました。まず1点返すことができてよかったです」とコメントした。

◆阪神・小野寺暖外野手(25)が三回に逆転の2点三塁打を放った。近本の適時打で1-2とし、なおも2死一、二塁の好機で打席へ。フルカウントから粘って9球目、高めに浮いたピーターズのカットボールにバットを合わせた。フラフラっと舞い上がった白球は、右翼ライン際へ。スライディングキャッチを試みた一塁手・オスナのミットをすり抜け、フェアゾーンにポトリと落ちた。この一打で走者2人が生還し、一気に逆転。「打ったのはスライダー。ファウルで粘りながら、何とかしたいという気持ちでした。きれいなヒットではないですけど落ちてくれてよかったです」と振り返った。小野寺はこの日、「3番・左翼」で8月19日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン出場。岡田監督の起用に執念の一打で応えた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回に16号3ランを放った。小野寺の一打で3-2と逆転し、なおも2死一、三塁の好機。ピーターズの直球を捉えた。打ち出した瞬間は、右翼方向へファウルの軌道。佐藤輝も打球の行方をじっと見つめる。高々と舞い上がった白球は風に乗ったのか、回転がかかっていたのか、フェアゾーンへと軌道を変え、そのまま右翼スタンドへ。驚きの一撃に神宮からどよめきが沸き起こった。「打ったのはストレート。みんなが繋いでくれたチャンスでいいスイングができました。打った瞬間、ファウルかなと思いながら打球を見ていましたがホームランになってくれてよかったです」と振り返った。8月26日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で、この回一挙6得点。試合をひっくり返した。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)は六回途中3失点で降板した。一回、村上に2ランを被弾し先制点を献上したが、その後は粘りの投球でヤクルト打線を抑えた。三回に味方が一挙6得点で逆転。四回に丸山和に適時打を浴び、3点差とされたが、続くピンチでは代打・沢井を空振り三振に斬った。五回は2死一、二塁のピンチでサンタナを二直。六回1死から二塁打を許したが、丸山和を三振。代打・川端がコールされたところで投手交代が告げられた。5回2/3を投げ、6安打3失点。今季7勝目の権利を手にした。「調子自体もいいとは言えない感覚でしたが、味方が逆転してくれてそのリードをなんとか守って、粘り強く投げることができたのかなと思います。状態もですが内容的にもしっかりとした投球ができるように頑張ります」と振り返った。青柳からバトンを託された島本は代打・川端を二ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。

◆つまずき、崩れそうになってもマウンドで歯を食いしばって踏ん張り続けた。課題とする立ち上がりにいきなり2ランを浴びた青柳晃洋投手(29)だったが、味方の援護に背中を押され、尻上がりに調子を上げた。「チームが勝つ可能性があるように、1点でも少なく投げられたら」前日1日の練習後に右腕はそう意気込んでいた。一回、ヤクルト先頭の武岡の中前打と宮本の犠打で1死二塁。オスナは遊ゴロに打ち取ったが、4番・村上に甘く入ったカットボールを右翼席中段に運ばれて2点を奪われた。これで今季14試合目の登板で一回での失点数は「16」となった。それでも二回は三者凡退、味方打線が逆転に成功した直後の三回は2死から四球を許すも、無失点で乗り切った。前回対戦した7月22日(神宮)は自らの牽制悪送球でピンチを広げて失点するなど、5回5失点(自責4)で黒星を喫しており「ふがいないピッチングだったので、そういうことがないように。当たり前のことは当たり前にできるようにやっていけたら」と挽回を期していた右腕は先制されてからは安定感を取り戻し、立て直した。自身初の開幕投手を務めた今季は本来の力を発揮できず、5月20日に2軍降格。1カ月半の再調整期間を経て1軍の舞台に戻ってきた。青柳は現在3連勝中と白星に恵まれているが、登板3試合連続でクオリティスタート(先発で6回以上を投げて自責3以内)をクリアできていない状況ということもあり「今年に関しては結果が出てないので、毎回ラストチャンスだと思って投げている」と背水の覚悟で試合に臨んでいる。6―2の四回には村上の二塁打と長岡への死球で2死一、二塁。丸山和に中前へ適時打を許して1点を返されたが、続く代打のルーキー・沢井は空振り三振。五回もピンチを招きながらも無失点で乗り切りった。5回2/3を投げ、6安打3失点。今季7勝目の権利を手にした。(織原祥平)

◆勝利をぐっと引き寄せるミラクルショットを2発決め、阪神打線が三回途中で先発・ピーターズをマウンドから引きずり下ろした。決定打となった佐藤輝明内野手(24)の一打は、ファウルゾーンに外れかかりながらもグングン伸びて右翼ポールの外側を直撃。16号3ランで、この回一挙6点のビッグイニングを演出した。「みんながつないでくれたチャンスでいいスイングができました。打った瞬間ファウルかなと思いながら打球を見ていましたが、ホームランになってくれてよかった」0―2から3点を加えて逆転した三回、なお2死一、二塁でこの日2度目の打席に入った。内角低めの直球をフルスイング。ファウルかと思った打球がなかなか切れず、佐藤輝は驚きながら打球に目をこらした。ポールに当たる打球を見届け、ゆっくりとベースを一周。序盤で試合の流れを決定づけた。衝撃の本塁打につながるもう一つのミラクル打は、この日3番に入った小野寺から生まれた。1―2のの三回2死一、二塁から9球目を振り抜くと、打球はフラフラと上がって右翼線の近くへ。打ち取られたかに見えたが、これがスライディングキャッチを試みた一塁手オスナのグラブのわずか先に落ちた。走者2人が生還し、小野寺も三塁まで進む逆転打。「ファウルで粘りながら、なんとかしたいという気持ちでした。きれいなヒットではないですけど落ちてくれてよかった」とチームを勢いづけた。9月に入って2夜連続の〝岡田マジック〟が決まった。「何試合かは日替わり(打線)でもいいから、もう一回最後に向けて、みんなでやっていこうか」と語っていた通り、1日は3番から6番に打順を下げた森下が2本塁打の活躍。その森下を6番に据え置き、この日はミエセスに代えて小野寺を「3番・左翼」で先発起用した。8月19日のDeNA戦(横浜)以来のスタメンに入った小野寺が期待に応える逆転打で、将もしてやったりの笑顔を浮かべた。1日の勝利で連敗を3で止め、優勝へのマジックナンバー「18」が再点灯。18年ぶりのアレに向けた運命の9月で、この日も序盤から試合を優位に進めた。(邨田直人)

◆久しぶりの感触をかみしめて走り出した。一回1死二塁。ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が、8月17日のDeNA戦以来、11試合ぶりの本塁打となる25号2ランを放った。「2ボールと有利なカウントだったので、思い切って打ちにいきました」阪神先発、青柳の内角高めカットボールを一閃。豪快に振りぬくと右翼席上段へ一直線に飛んでいった。この日は小児がん治療の重要性を啓発する「ゴールドリボンナイター」として開催されており、ヤクルトの選手はゴールドのリストバンドを着用。主砲はベンチに戻ると、リストバンドを指さして啓発活動を行った。苦しんでいた。村上は体調不良で8月18日に特例2023の対象選手として出場選手登録を抹消された。同22日に戦列に戻るも、復帰後の10試合は打率・139(36打数5安打)と結果を残せずにいた(成績は1日現在)。その中で四回にも二塁打を放ち、ようやく復調の気配を漂わせた。チームはこの日、2位広島が中日に勝利したため、残り試合に全勝しても首位阪神と2位広島のどちらかを上回ることはできず、優勝の可能性が完全に消滅。球団史上初のリーグ3連覇の夢はついえたが、意地をみせるべく主砲がどでかい一発を放った。(森祥太郎)

◆6-3の七回に3番手でマウンドに上がった阪神・桐敷拓馬投手(24)が圧巻の投球だ。先頭の代打・浜田は鋭く落ちるフォークで3球三振。さらに宮本はスライダーで3球三振に斬った。最後はオスナを3球で遊ゴロ。付け入るスキのない投球でヤクルトのラッキーセブンを抑えた。

◆阪神は逆転勝ちで2連勝。優勝マジックは1つ減らして「17」とした。一回に先発の青柳が村上に2ランを浴び、チームとして7試合ぶりに先制点を献上した。しかし、助っ人左腕・ピーターズを相手に、打線が三回に爆発。まずは近本がキャリアハイを更新するシーズン51打点目となる右前適時打で1点を返すと、中野の四球を挟み、8月19日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン出場となった小野寺は右翼線ギリギリに落とす2点三塁打を放って逆転した。さらに大山の四球を挟んで佐藤輝は右翼ポール直撃の16号3ランを放ち、5月14日のDeNA戦(甲子園)以来となる1イニング6得点。2死から6者連続出塁と襲い掛かる攻撃で主導権を奪い返した。一回に被弾した青柳はその後も得点圏に走者を背負うシーンが目立ったものの、粘って5回2/3を6安打2失点。六回2死からは継投策に転じ、八回には2点を取られて1点差に迫られたが、逆転の走者を置いた2死一、二塁では5番手・石井が浜田を見逃し三振に抑えて同点は許さず。九回は守護神・岩崎が2番からの好打順相手に無失点で締め、勝利した。8月3勝負けなしだった青柳は4連勝で7勝目。チームもヤクルト戦は7月23日(神宮)から6連勝とした。

◆負ければマジック再消滅だった阪神が逆転勝ちで、優勝へのナンバーを「17」とした。2点を追う三回、打者10人の猛攻で一挙6得点を奪った。2死からの攻撃で近本光司外野手(28)が右前打でキャリアハイの51打点をマークすると、「3番」に起用された小野寺暖外野手(25)の2点三塁打で逆転。最後は佐藤輝明内野手(24)が右翼ポール直撃の16号3ランを放った。六回途中3失点の青柳晃洋投手(29)は自身4連勝で7勝目(4敗)。1点差の九回は岩崎優投手(32)が締めて、2年連続の28セーブで自己最多に並んだ。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=71勝44敗4分、観衆=2万9766人)。ーーすんなりとは行かない「追加点取れへんからなあ、おーん」ーーリードを守り切った「いやいや、勝ってるんやからなあ」ーー9月は勝つことがすべて「もうそんな内容も書けへんやん、新聞(笑いながら)。勝った負けたになってくるやろう」ーー岩崎は大丈夫か(九回、松本のハーフライナーを左手に当て、勢いを止めて、最後は二ゴロ)「大丈夫大丈夫。なんか自分で(次の打者も)行かせてくださいと言ったらしいな。手のひらかな。当たったみたいやけど」ーー2点を先取された「全然関係なかったよ」ーー小野寺は粘りながら結果を出した「あの一本で十分やな、はっきり言うて」ーー3番起用の意図は?「え? 打つからや。三塁打、打つからや」ーー1日の時点で「そうそう、(8番・遊撃の)小幡もな」ーー三回の攻撃は四球が絡んだ「流れはな。点が入る時はフォアボールが絡んでとかな。ビッグイニングになるのはな。風もちょっと味方したよな」ーー風が味方したと思った「打った瞬間はな。小野寺のもアレや、だいぶ戻ってきたもんな」ーー下位打線からチャンスを作って四球絡みで2死からの得点は阪神らしい「最後がホームランやからな。そら一番効果的やろなあ」ーー個人個人が役割を果たしている「絶対、フォアボールを絡めるっていうか、うまくな」ーー近本は自己最多の51打点目「ピッチャーはバントやからなあ。何て言うかな、つながりって言うかな、ずっと、あの感じで点を取って来たわけやから、そこの役割やろうな、やっぱりな」ーー青柳は六回までは投げ切ってほしかった「3人やったらな。まあ見ていても読みよったりとか」ーー岩貞はこれからもしのげれば(八回に登板も1/3回を投げて2失点)「どうやろう。しのげるか。ふふふ」ーー石井が断ち切った「先攻やから1点でもリードして行けばな、と思ってたけどね。あそこはしゃあない。あんな厳しいところばっかり行っているわけやから」ーー青柳は間隔を空けるか「それは分からん。まだ。ちょっと投げるの、明日が天気悪いとかなあ。明日次第かも分からんけどな。ちょっと分からんまだ」

◆球団史上初のリーグ3連覇を目指したヤクルトだったが、今季120試合目で優勝可能性が消滅した。デーゲームの広島―中日戦(マツダ)で広島が勝利したことで、ナイターの阪神戦前にV逸が確定。高津臣吾監督(54)は「やっぱり3連覇を目指してスタートして、結果的にできなかったのは非常に悔しく思います」と言葉を絞り出した。試合は一回に幸先よく村上の25号2ランで先制したが、三回にピーターズが6失点と崩れ、ビハインドを跳ね返せなかった。試合後の指揮官の主な一問一答は以下の通り。――1点差まで追い上げたが、競り負ける展開「初回にムネ(村上)まで回していい形で先制することはできたんですけど、あのビッグイニング(三回)がやっぱりなかなかね。よく1点差まで来ましたけど、大きな失点でしたね」――先発ピーターズが三回に6失点。打球が右翼線に落ちたり、ポール際の本塁打など、不運な当たりも「まあ中野のフォアボールでしょうね。あれがすべてだと思いますね。あそこで勝負してほしかった」――リリーフ陣はつないで無失点。追い上げる展開につながった「そうですね。ちょっと登板過多のリリーフピッチャーもいますけど、よく頑張ってくれていると思います。こういう展開になったのもリリーフのおかげだと思います」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は九回、ヤクルトの代打・松本直樹捕手(29)へのハーフライナーに左手を出して、打球の勢いを止めた岩崎優投手(32)に苦言を呈した。九回は岩崎が3人で抑えて試合を締めくくったが、ハーフライナーに左手を出し、打球が当たるシーンがあった。投手はアウトを取ろうと本能的に打球に手や足を出してしまう。仕方のないことなのだが、利き手は特にNGだ。結果は二ゴロに終わったものの、リリーフ陣だけでなく、チーム全体にとって岩崎は大黒柱。万が一、けがで離脱になれば、これからさらに大事な戦いが続く中でチームは崩れてしまう。極力避けてもらいたい。打線では三回にビッグイニングが生まれたが、勝負を決めたのは3番に起用された小野寺だ。逆転の2点三塁打は追い込まれてもファウルで粘りに粘り、気迫で打った。投手としては根負けするような攻めだったし、淡泊な外国人にとっては、なおさら大きなダメージになる。ピーターズの表情にもいらだちのようなものが出ていた。タイムリーを放って出塁し、警戒させてリズムを乱した近本と、いやらしい攻めをした小野寺。佐藤輝のホームランも、この2人の貢献があって生まれた。走者がきっちりと仕事をしたことは忘れてはいけない。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が一回2死二塁で8月17日のDeNA戦以来11試合ぶりとなる25号2ランを放つなど3打数2安打2四球とチームは敗れたが、意地を見せた。球団初となるリーグ3連覇の可能性は消滅。それでも「たくさんの応援してくれるファンが球場に足を運んでくれる。期待に応えられるようなプレーをしていきたい」と前を向いた。村上は体調不良で8月18日に特例2023の対象選手として出場選手登録を抹消。同22日に戦列に戻るも、試合前時点で復帰後10試合は打率・139(36打数5安打)と結果を残せずにいた。復調の気配を漂わせる一発に「しっかりと明日も打てるように(バットを)振り込んでいきたい」意気込んだ。

◆バットをグッと握り直し、振り抜いた打球が二塁手の頭上を破った。近本が右前適時打で自己最多を更新する51打点目を挙げ、この回6得点の逆転劇を呼び込んだ。「なんとか1点という場面だったので。その後の結果は、後の人たちが頑張ったところなので。僕は僕のやることをしっかりやって、はい」0―2で迎えた三回、1死一塁から投手の青柳が送りバントを決め、2死二塁。近本はピーターズのカットボールをきっちり捉えた。下位で走者を出し、投手が進めて、近本がかえす。今シーズンの〝黄金パターン〟がピタリとはまり、岡田監督も「ずっとあの感じで点を取ってきたわけやから、そこの役割やろうな、やっぱりな」と納得の表情だ。この適時打で、2021年の50打点を上回る51打点に到達。24試合を残して自己ベストを更新した。チームでも主軸の佐藤輝、大山に次ぐ数字だ。クリーンアップの3番なども担当した過去4年と違って、今季は1番と2番のみで打点を稼ぎ、「打点よりも大事。意識します」とシーズン序盤に語っていた得点圏打率も・402(87打数35安打)と、規定打席到達者では両リーグで唯一の4割超えだ。開幕からチャンスをものにし続けるリードオフマンは「下位から作ったチャンスで、1点ずつですけど、1点ずつ取ることが大事」と積み重ねの意義を強調する。その言葉通り、近本の適時打から好機を続けて6得点のビッグイニングを演出した。命運分ける9月で2連勝スタート。虎党の歓声を浴びながら、勝負の1カ月に向けてつぶやいた。「どんな9月になるのか、楽しみ」歓喜を自力でつかめる位置まで来たシーズン終盤。積み重ねた一打の先に待つアレへ、着実に近付いていく。(邨田直人)

◆キレてないですよ。入ってます。阪神は6-5でヤクルトに連勝。優勝へのマジックナンバーを「17」に減らした。2点先制されるも、三回に一挙6得点で逆転。佐藤輝明内野手(24)が右翼ポール直撃の16号3ランでとどめを刺した。〝アレ〟へのカウントダウンが進む中、虎の長距離砲が頼もしい!神宮の夜空に白球が舞う。キレるか-。いや、キレてない! 虎党の願いが届いた。〝アレ〟への追い風に吹かれ、右翼ポールを直撃したミラクル弾。打球のゆくえを確認すると、佐藤輝はゆっくりとダイヤモンドを回った。「最初、ファウルかなと思ったんですけど、(風で)戻ってきました。最後まで入ると思わなかったです」本人も驚きの一発は三回、3-2と逆転してなお2死一、三塁で迎えた第2打席。ピーターズの直球を捉えた。打ち出した瞬間は右翼方向へファウルの軌道。だが、空高く舞った白球は左翼方向へ吹く風でフェアゾーンにとどまり、右翼ポールの右端ギリギリに当たった。「結果ホームランになってよかったです。最高でした!」5試合ぶりの一発はチーム単独トップの16号。3ランで今季66打点とし、大山(64打点)を抜いて、虎の打点王にも躍り出た。この回一挙6得点の逆転劇を締めた驚弾に岡田監督も「風もちょっと味方したよな。最後がホームランやからな。そら、一番効果的やろ」とたたえた。

◆起用してくれた岡田監督に応えたい。執念で、フルスイングした打球を右翼線に落とした。「3番・左翼」で10試合ぶりに先発出場した小野寺が三回、逆転の2点三塁打で、虎の9月連勝スタートを呼び込んだ。「きれいなヒットではない。汚いヒットでしたけど、落ちてくれてよかった」0-2の三回、近本の適時打で1点をかえして、なおも2死一、二塁。ファウルで粘ってフルカウントからの9球目。ピーターズの投じた高めのカットボールを強振。打球は一塁後方にフラフラと舞い上がる。一塁手オスナがスライディングキャッチを試みたが、その先に打球は落ち、2者が生還。小野寺は三塁に到達するとガッツポーズだ。その姿を見た岡田監督はベンチで思わず白い歯を見せた。「まあ、(今日の仕事は)あの1本で十分やな、はっきり言うて」と、2日続きの采配的中に、してやったりの表情だ。

◆球団史上初の3連覇への道は断たれた。ヤクルトは120試合目にしてリーグ優勝の可能性が消滅。高津臣吾監督(54)は険しい表情で言葉を絞り出した。「3連覇を目指してスタートして、結果的にできなかったのは非常に悔しく思います」この日、デーゲームで2位広島が勝利したため、ナイターの阪神戦の試合開始前に優勝の可能性が消滅。それでも、一回に村上が11試合ぶりとなる25号2ランを放って先制したが、先発のピーターズが三回に6失点と崩れた。道のりは険しかった。故障者や体調不良による離脱者が続出し、チーム打率・238、防御率3・72はともにリーグワースト。5月5日に3位に浮上したのを最後に、以降はBクラスに沈んだ。5月中旬から1分けを挟んで12連敗を喫するなど失速し、上位との差を縮められなかった。今季も残すところ23試合。クライマックスシリーズ進出の可能性はわずかに残している。来季続投が決まっている指揮官は「当たり前ですけど、負けることに対してすごく悔しく思っている。1勝でも2勝でも多く勝ちたい」と一戦必勝を誓った。(箭内桃子)

◆勝負の9月、ヒリヒリする戦いの毎日に突入してもビヤ樽ことわが社のトラ番キャップ、三木建次は元気いっぱいだ。「今回、僕が泊まっているホテルが〝守られている感じ〟がすごいんや。遅く帰っても安心やし、すごくよく眠れる」どういうことかと詳しく聞くと「永田町の首相官邸から近いんや」という。そして、1日の深夜に神宮球場から帰った際にも「バリケードのところに警察の人らが何人も立っていて頼もしかったで」と...。なんと幸せで単純なのだろうか。その方たちが守ろうとしているのは決してビヤ樽ではない。岸田首相だ。むしろ怪しい人物じゃないかジーッと見張られているのではないかと思ってしまうが、そんなこちらの心配をよそに、ビヤ樽はすっかり〝VIP気分〟でこの日も神宮の杜へ向かったのだった。岡田監督も9月に入ってますます気分上々らしい。1日の試合前練習では、グラウンド内に入れないビヤ樽ら各社キャップ陣が「監督と雑談できればなぁ...」という感じでベンチ横のスタンド最前列から視線を送っていると、さすがの視野の広さで気づいてくれたという。そして、あっちへ行けというようなそぶりを見せながらも「風、涼しいなぁ」なんて何気ないやりとりをしてくれたらしい。まだまだ日中は暑いが、たしかに関西でも日陰では心地よい風を感じるときがある。本物の秋も、虎の実りの秋ももうすぐそこ。ここからは1勝ずつを積み上げていくだけだ!そして、〝そのとき〟に向けて、わが社にも頼もしい男を見つけた。トラ番の邨田直人だ。1日のヤクルト戦後、神宮名物の三塁側ファウルグラウンドでの取材で、ヒーローの森下に懸命にぶら下がる姿に光るモノを見た。虎党の大歓声の中でもしっかりと声が聞こえるよう、スタンドと選手との間に見事に入り込んでいるようすに、社内で中継を見つめていた運動部長の堀啓介も「邨田はいい位置で取材しているなぁ」と感心しきりだった。

◆ひゃ~、阪神が逃げきっての~、優勝マジック17!! だけど、最後まで冷や汗タラタラもんなのだ。八回に1点差まで詰め寄られたのもあるけど、それよりヒヤッとしたのは九回、岩崎が先頭の松本直の打球を素手で止めにいき、あわや大惨事になるところ...。ダメダメ、絶対にそれはダメー!! 1985年、虎が日本一に輝いたシーズン終盤、左腕の山本和行さんがアキレス腱断裂でギプス姿での胴上げとなったけどさ、そこまではまねをするなー!!あ、ギプス姿での胴上げってことで、岡田はんに俺からリクエスト! 〝アレ〟の日に梅ちゃん(梅野)をベンチ入りさせたってくれー!! 猛虎一丸で勝ち取る18年ぶりの〝アレ〟を全員で喜び合いたいやないかー!!さて、本日の青柳は粘投での白星...ということにしといたるわ(次は七回まで放ってくれ)。テル(佐藤輝)とダンくん(小野寺暖)の大活躍を、阪神ファンだけが分かるノイジーのヒッティングマーチの替え歌でたたえるよ~♪ ラララ~、レッツゴー~、テルダン(×2)、GOtoビクトリー~、テルダンの意地~!!

◆嫌な流れも、痛みにも負けない。阪神・岩崎優投手(32)は左手に打球を当てるアクシデントにも動揺せず、気迫の3人斬りで試合を締めた。「勝てたので、よかったんじゃないですか」八回に岩貞と石井が打たれて1点差とされた展開で九回にマウンドへ。先頭の代打・松本直のライナーに左手を伸ばすも、はじく形となった(結果は二ゴロ)。痛めるしぐさを見せ、利き手だけに心配されたが、投球練習で状態を確認した後、続投。オスナ、村上をテンポよく打ち取って28セーブ目を挙げ、リーグトップの中日・マルティネス、ヤクルト・田口に1差とした。救援陣が打たれ、追い上げられる展開にも岩崎は「(きょう打たれたリリーフ陣は)また次、頑張ってくれると思います」と冷静。岡田監督は左腕の患部の状態について「大丈夫。自分で『(次の打者も)いかせてください』と言ったらしいな」と明かした。アレへ向け、虎の守護神が心強い。(織原祥平)

◆6―3の八回1死二、三塁で岩貞を救援した阪神の5番手・石井大智投手(26)がなんとかしのいだ。適時打と犠飛で1点差に詰め寄られ、さらに安打を許して一、二塁。逆転の走者まで背負ったが、浜田を内角低めいっぱいへの149キロで見逃し三振に仕留め、リードを保った。「もっと確実性をもってああいう場面が抑えられるように頑張ります」と反省したものの、今季15ホールド目。連続試合無失点も「12」に伸ばした。

◆先発の阪神・青柳晃洋投手(29)は一回に村上に先制2ランを被弾するなど六回途中まで6安打3失点。ピリッとしなかったが、打線の援護もあって自身4連勝で7勝目を挙げた。「打たれはしたが、本塁打を打たれた後に点を取ってくれた」と打撃陣に感謝。3四死球を与えながらも「打たれても前に飛んだらいい守備陣がいる」とバックを信じた粘りの投球が実った。

◆七回に登板した阪神の3番手・桐敷拓馬投手(24)が1回パーフェクトと好救援し、9ホールド目を挙げた。「自分の投球ができたと思う」。代打・浜田と宮本を連続で三球三振に抑えると、オスナもカウント1―1から遊ゴロを打たせ、見事な9球斬り。リードする展開での出番が増えている中でも「ありがたいことだが、自分はゼロで抑えることだけ」と頼もしく次回登板を見すえた。

◆阪神は投打が噛み合い、ヤクルト戦では2015年以来8年ぶりとなる7連勝。デーゲームで2位広島が敗れており、優勝マジックを2つ減らして「15」とした。一回に相手失策により1点を先制すると、1死二、三塁では佐藤輝が、新人年の2021年6月19日、20日の巨人戦(甲子園)以来2年ぶりの2試合連続本塁打となる右翼への17号3ランを放ち、いきなり4点を先制。二回には中野&ノイジーの連続タイムリーで2点を加え、今季2勝を献上していた相手先発の吉村を攻略した。六回には森下も2試合ぶりの一発となる左中間への9号ソロを放った。投げては大量援護をもらった先発の伊藤将が、ヤクルト打線相手に緩急を巧みに操った打たせて取る投球で寄せつけず、圧倒。七回には先頭・内山に左中間フェンス直撃の二塁打を許したが、山田を右飛、村上を見逃し三振、サンタナを遊ゴロに打ち取ってホームを踏ませなかった。八回を三者凡退に抑えた時点で球数はわずか78球。「マダックス(100球未満での完封勝利)」も射程圏だったなかで1死から代打・赤羽に左翼ソロを浴びて逃しはしたものの、この1点のみにしのいで90球で9回5安打1失点完投。チームでは大竹、村上に並ぶ今季9勝目を手にした。

◆九回に右脇腹付近に死球を受けた阪神・近本光司外野手(28)はほかの選手と同様、歩いて球場から引き揚げた。患部の状態について「いや、なんともない・・・なんとも、わかんないです」と苦笑いを浮かべ、「まあ当たってるんで、当たってたら痛いですよね、そりゃ」と語った。近本は7月2日の巨人戦(東京ドーム)で同箇所に死球を受け、右肋骨の骨折と診断。約3週間の離脱を強いられていた。近本は自力でベンチへと戻り、代走の小野寺がコールされ、途中交代した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
71444 0.617
(↑0.003)
M17
(↑1)
24465
(+6)
365
(+5)
65
(+1)
65
(-)
0.247
(↓0.001)
2.740
(↓0.01)
2
(-)
広島
66524 0.559
(↑0.003)
6.5
(-)
21433
(+3)
426
(+1)
84
(-)
68
(-)
0.245
(-)
3.140
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
61553 0.526
(↑0.004)
10.5
(-)
24449
(+13)
414
(+4)
88
(+3)
25
(+1)
0.251
(↑0.001)
3.190
(↓0.01)
4
(-)
巨人
58601 0.492
(↓0.004)
14.5
(↓1)
24457
(+4)
456
(+13)
143
(+2)
41
(-)
0.257
(-)
3.670
(↓0.07)
5
(-)
ヤクルト
48693 0.410
(↓0.004)
24
(↓1)
23444
(+5)
481
(+6)
99
(+1)
55
(-)
0.238
(-)
3.720
(↓0.02)
6
(-)
中日
45713 0.388
(↓0.003)
26.5
(↓1)
24333
(+1)
424
(+3)
56
(+1)
32
(-)
0.240
(↓0.001)
3.180
(↑0.02)