中日(★1対6☆)ヤクルト =リーグ戦23回戦(2023.08.31)・バンテリンドーム=
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ヤクルト
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中日
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勝利投手:小川 泰弘(7勝8敗0S)
敗戦投手:梅津 晃大(0勝1敗0S)

本塁打
【中日】木下 拓哉(4号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトは2回表、丸山和の適時打で1点を先制する。その後2-0となって迎えた8回には、長岡の適時打などで3点を加え、リードを広げた。投げては、先発・小川が8回1失点の力投で今季7勝目。敗れた中日は、先発・梅津が試合をつくるも、打線が援護できなかった。

◆ヤクルトのエース小川泰弘投手が、今季最長の8回を4安打1失点で7勝目を挙げ、NPB通算100勝に王手をかけた。1-0の7回には2点目をたたき出す貴重な中前適時打を放ち、投打に存在感を発揮。今季バンテリンドーム最終戦で、チームの連敗を7で止め、「悪い流れを断ち切りたいとマウンドに上がりました。中村がしっかりリードしてくれて、自分のピッチングが出せたと思います」とうなずいた。初回先頭の岡林にいきなり右前打を浴びたが、その後は最速140キロ台中盤の直球を軸に、カットボール、チェンジアップなどを交え、テンポよく打たせて取った。7回2死三塁の打席では祖父江の初球、内角シュートを捉え、自らを援護する貴重なタイムリー。「まぐれですけれど、しっかり練習してきてよかった」と喜ぶと、その裏無死二塁のピンチで石川昂、宇佐見、大島の中軸を抑えて切り抜け、「気持ちの面で受けることなく、しっかり攻めの姿勢で投げ切れた」と胸を張った。プロ11年目、あと「1」に迫った通算100勝については、「積み重ねですし、やることは変わらない。次の試合にしっかり切り替えていい準備をしたい」。いつも通り淡々と、節目の白星を目指していく。【鈴木正章】▽ヤクルト高津監督(7回の小川の適時打に)「あれが一番よかったね。シュート。素晴らしいバッティングをしてくれた。非常に大きな2点目だったと思いますね」

◆中日の梅津晃大投手(26)が右肘手術から2年ぶりにマウンドに帰ってきた。本拠地バンテリンドームでファンの温かい拍手を浴びながら、5回77球2安打1失点(自責0)。チームに勝利を届けられず黒星がついたが「最初に大きな声援をいただき、投げやすくなり、うれしかった」。本拠地での復帰戦を応援してくれたファンへの感謝が、真っ先に口をついた。21年6月5日オリックス戦以来の1軍登板。初球、先頭内山には152キロ直球。内山、オスナを内野フライに打ち取り、宮本には死球を与えたが、自己最速を2キロ更新する155キロをマーク。「全体的に150キロを超えて、直球で押せた。ストレートのパワーがついた」と振り返った。18年に東洋大からドラフト2位で入団し、20年までに6勝を挙げた。21年は3試合に投げた後、2軍に降格。右肘の違和感が残り、昨年3月に靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、1年以上のリハビリを過ごした。キャッチボール再開後には、故障再発防止のために映像を毎日確認。「感覚とのずれを調整」し続けた。ウエートトレも継続し、7~8キロ増の100キロの肉体を作り上げ、パワー増へつなげた。今年5月11日に2軍で実戦復帰。2軍で8試合に投げ、1勝3敗、防御率3・86の数字を残し、1軍に戻ってきた。この日は2回に自らの悪送球から失点。「落合コーチに『きょうはよくやった』と言われました。今後は悪いことがあったら、指摘されるような生活になる」。少年時代から憧れ、松坂大輔氏(野球評論家)が中日在籍時につけた背番号18を継承するエース候補が、再出発に身を引き締めた。【伊東大介】

◆ヤクルト・丸山和郁外野手(24)が「8番・中堅」で先発し、二回1死三塁で先制の右前適時打を放った。中日先発・梅津の内角スライダーをしぶとく運び「前進守備だったので、バットを短く持っていきました。いいところに落ちてくれました」とうなずいた。

◆ヤクルトに7月に加入したロドリゲス投手(25)が、9月1日の阪神戦(神宮)に先発する。今季は3試合に登板し1勝2敗、防御率3・38。中7日での登板を前に遠征先の広島では休養日に宮島観光をして日本の文化などを体感した。首位・阪神とは初対戦で「順位は関係なく、しっかりと一人一人の打者に対して、自分の攻める投球をしていきたい」と力を込めた。

◆チャンスを逃すわけにはいかない。ヤクルト・丸山和郁外野手(24)が2試合ぶりに「8番・中堅」で先発出場すると、二回1死三塁で先制となる右前適時打を放った。「前進守備だったのでバットを短く持っていきました。いいところに落ちてくれた」思い切って振りぬいた。中日先発、梅津の初球内角スライダーを捉えると前進守備していた二塁手・村松の頭上をふわりと越していった。試合前時点で今季の打率は・178だが、直近の出場5試合では打率・263(19打数5安打)と状態を上げている大卒2年目の若武者が存在感をみせた。チームの外野手は右翼手のサンタナがいるが、塩見は腰を痛めた影響で2軍調整中。山崎や並木もコンディション不良で離脱しており、丸山和にとってはアピールするチャンスとなっている。19日の中日戦(神宮)では「8番・中堅」で先発すると2安打1打点と活躍し、高津監督は「すごくいい働きをしてくれた。(離脱している選手も多いが)チャンスだと思って頑張る選手が出てくると、いいチームになってくる」と評価した。昨季は新人史上初のリーグ優勝を決めるサヨナラ打を放つなど、勝負強さが持ち味。定位置奪取に向けて丸山和は「あまりそういうのは考えずに一戦一戦を全力で戦うだけ」と意気込む。がむしゃらに食らいついた先に、明るい未来がある。(森祥太郎)

◆ヤクルト・小川泰弘投手(33)が今季最長となる8回107球を投げ、4安打1失点と好投した。常時140キロ台前半の直球に、多彩な変化球を織り交ぜながら両サイドに制球。八回先頭で木下に左越えソロを浴びるまで三塁を踏ませない圧倒的な投球だった。登板前日には「攻撃にリズムを作れるように意識してやっていきたいですし、回の先頭にしっかりと集中して一球一球を投げていきたい」と意気込んでいた小川。七回には先頭の細川を二塁打で出塁させたが、後続を断った。

◆ヤクルトは先発の小川泰弘投手(33)が8回1失点の好投で7勝目(8敗)を挙げ、チームの連敗を7で止めた。打撃でも1点リードの七回に中前適時打を放ち自らのバットでリードを広げた。以下、小川のヒーローインタビュー。--ピッチングを振り返って「悪い流れをしっかり断ち切りたいとマウンドに上がりました。キャッチャーの中村がしっかりリードしてくれて、自分のピッチングが出せたと思います」--よかったところは「ドラゴンズ相手に悔しい思いをしてきたので、自分の出せる力を精いっぱい出そうと思ってましたし、バッターのタイミングを外して勝負したいと思っていたのでそれができてよかったです」--七回に無死二塁のピンチ「気持ちの面でしっかり攻めの姿勢で投げきれた。長いイニングを投げきれてよかったです」--貴重なタイムリーヒット「まぐれですけど、練習してきてよかったです」--チームは連敗ストップ「シーズン終盤ですけど、気持ちを新たに頑張っていきたい」--次回登板に向けて「一試合一試合、しっかり成長していけるように、そしてチームの勝利に貢献できるように頑張っていきます」

◆ヤクルトが1分けを挟んだ連敗を7で止めた。二回に丸山和の適時打で先制し、七回に小川の適時打で2点目。八回は長岡の2点打などで3点を加えた。小川は8回を1失点の好投で7勝目。中日は4連勝を逃し、リーグ最速の70敗目。

◆ヤクルトは先発の小川泰弘投手(33)が今季最長となる8回107球を投げ、4安打1失点と好投。7勝目を挙げ、チームの1分けを挟んだ連敗を「7」で止めた。打っても七回に中前適時打を放つなど攻守にわたって勝利に貢献。高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――小川の投球はどうだった「よかったんじゃないですか。ちょっと横からだったのであれですけど、真っすぐのコントロールがすごくよく見えました。カウント球にも、決め球で見逃し三振とったりね。そういうことができるのは、ちゃんと制球されている証拠かなと思って横から見ていましたけど」――前回は七回に崩れたが、今回はそこを越えて8回を投げた「きょうもちょっとヘロヘロだったよ(笑)。100球前後でああなっちゃあれだけど。でも、連敗中というのもあっただろうし、他にいろんなプレッシャーがあっただろうし、その中であそこまで1点で、ホームラン1本でいったわけですから。よく頑張ったと思います」――九回先頭で打席が回ってきて代打を送った。完投させる考えはあったか「点取られてなかったら、打席に立たせていると思う。あのイニング、変化球がちょっと浮いたり、真っすぐの力がなくなってきたように見えたので、ホームラン打たれたのもそうですけど、代えようと思いました」――しぶとい適時打もあったが「あれが一番良かったね。素晴らしいバッティングをしてくれた。あの1点はすごく大きかったかな。1―0で結構緊迫した感じで進んでいたので、もちろん緩むことはないんだろうけど、次の1点の大きさというのは、それを自分が取ったというのは非常に大きな2点目だったと思いますね」――連敗が続く中で意地を見せた「いつもこうあってほしいなというのが正直なところですけど、人間がやることなので。ただ、こういう状況の中でね、こういうピッチングをしてくれたというのは今日に関しては頼もしく見えました。そういっておきます」――攻撃ではスタメンを入れ替えた。相手のミスを突いて加点した「相手のミスのことはあまり言うとあれかもしれないですけど、そういうのも野球の一部なので。点を取るための手段というとおかしいですけど、勝つための一部だと思っているので、それを生かせたのはよかったのかなと思います」――梅津に対してどういうアプローチ「あそこまで投げるとは思っていなくて、あそこまで投げられるんだと。逆にびっくりしました。でも、ケガする前のね、彼のすごい球というのも何度か見ましたし、また厄介なピッチャーが帰ってきたんだという感じはします。いい球投げていたなと思います」――山田がスタメン落ち「今日はお休みです。明日は出します」――小川がずっとエースといわれている。小川を脅かしてほしいとか、いつまでも小川がエースと呼ばれていることはどう感じる「うーん。そうですね。別に悪いことではないと思いますよ。その地位を守り続けるというのはすごく難しいことで、年を重ねていくと余計難しいことだと思うのですけど、またこうやってからは32か、33になっても出てこないのはちょっとさみしいですけど、この地位にいるというのは本人の努力があってのことだと思うので、すごく難しいところを、こう頑張っているんじゃないかなと思います」――連敗を止めて、明日から本拠地に戻る「長かったね。僕がそんなこと言っちゃあれだけど、勝てない時って気持ちがなかなか前向きにならなかったり、下向きがちだけど、これで明日の元気というかね、そういう1勝になってほしいと思いますけど」

◆中日はリーグ最速で70敗目に到達し、今季の勝ち越しがなくなった。前日に他球団の勝敗に絡んでリーグ優勝の可能性が消滅していて、立浪監督は「何とか(来季に)つながっていくところを見せないと」と厳しい口調で話した。12年連続で優勝から遠ざかる。苦しいシーズンに、監督は「オールスター戦明けから非常に厳しい成績だったので難しかった。残り試合は必死になって戦いたい」と言葉を振り絞った。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
69444 0.611
(-)
-
(-)
26455
(-)
358
(-)
62
(-)
62
(-)
0.248
(-)
2.740
(-)
2
(-)
広島
65514 0.560
(↓0.005)
5.5
(↓0.5)
23427
(-)
420
(+2)
83
(-)
67
(-)
0.246
(↑0.001)
3.140
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
59553 0.518
(-)
10.5
(-)
26427
(-)
407
(-)
82
(-)
24
(-)
0.249
(-)
3.190
(-)
4
(-)
巨人
58581 0.500
(↑0.004)
12.5
(↑0.5)
26450
(+2)
434
(-)
139
(-)
41
(-)
0.257
(-)
3.550
(↑0.03)
5
(-)
ヤクルト
48673 0.417
(↑0.005)
22
(↑0.5)
25437
(+6)
471
(+1)
98
(-)
55
(-)
0.239
(-)
3.720
(↑0.02)
6
(-)
中日
44703 0.386
(↓0.003)
25.5
(↓0.5)
26327
(+1)
418
(+6)
52
(+1)
32
(+1)
0.241
(-)
3.200
(↑0.01)