阪神(★2対4☆)DeNA =リーグ戦22回戦(2023.08.30)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
0100010002401
勝利投手:上茶谷 大河(3勝2敗0S)
(セーブ:森原 康平(2勝1敗11S))
敗戦投手:大竹 耕太郎(9勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】牧 秀悟(24号・6回表3ラン)
【阪神】ノイジー(6号・2回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは1点を追う4回表、佐野の併殺打の間に同点とする。そのまま迎えた6回には牧の3ランが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・上茶谷が2回2/3を1失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・大竹が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆阪神は30日、馬場敏史内野守備走塁コーチ(58)が体調不良になったと発表した。このため、この日のDeNA戦のベンチメンバーから外れる。代役コーチの昇格はない。阪神では、今岡真訪打撃コーチ(48)も体調不良のため、29日からベンチを外れている。内野手へのノッカーを担当している馬場コーチに代わり、この日は平田勝男ヘッドコーチ(64)が「代役ノッカー」に。2軍監督時代などは打撃投手なども務めただけに「ノックバット見ると血が騒ぐなあ」。ひと仕事を終え「(左の)ヒザが痛いわ」と言いつつ「いい汗かいたよ。燃えるね、やっぱり」と笑顔だった。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)が143打席ぶりの1発で先制点を呼び込んだ。「最近、長打が打てていなかったので、久しぶりに打つことができて気持ち良かったよ。カウント的にも有利な状況だったし、いいスイングができたと思うね」2回2死走者なしの場面から、バウアーの154キロ直球を強振した。左翼席に飛び込む、推定飛距離127メートルの6号ソロ。7月4日広島戦(マツダスタジアム)以来、出場38試合ぶりとなる1発となった。直前には無死一塁をつくっていたが、三振ゲッツーで2死走者なしとなった場面。重い空気が流れかけた球場の雰囲気を一変させた。

◆/スタンドが沸いた\マジック再点灯へノイジーが先制ホームラン?プロ野球(2023/8/30)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/F1M8Gnf34V

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、ポケモンのキャラクター「プリン」と刺しゅうされたピンク色のグラブで先発のマウンドに上がった。前回登板の25日の中日戦では、水色のグラブを使用したが、審判から注意を受け、3回から水色からピンク色のグラブに変更。ヒーローインタビューでは「審判の方からかっこよすぎるんじゃないか、他の選手がうらやましがっちゃうので、変えてくれないかと言われて、というのは冗談です」とジョークを交えた。試合後は「おそらくですけど、グラブのレースの部分が光って見えるというところから、そういう指摘をしたんじゃないかなと思います」と説明した。28日の練習では水色のグラブも使用したが、この日はピンク色のグラブを使用した。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、3回2安打1失点で降板した。3回1死一塁から、近本の投ゴロをスライディングキャッチし、跳び上がるように一塁に送球した際に体を強打した。1死二、三塁のピンチはギアチェンジし、抑え込んだが、4回のマウンドには上がらず、2番手で上茶谷が起用された。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が痛恨の1発を浴びた。1-1で同点の6回だった。桑原、佐野に安打を許して迎えた2死一、三塁のピンチ。前夜、岩崎から決勝弾を放った4番牧に、2戦連続となる右中間への勝ち越し3ランを被弾した。大竹はぼうぜんと立ち尽くし、打球を見送った。5回までは好投を続けてきた中での被弾。2番手加治屋に交代が告げられ、6回途中6安打4失点で降板となった。自身初の2ケタ勝利はお預けとなった。

◆DeNA牧秀悟内野手(25)が、2試合連続の24号3ランを放ち、勝ち越した。同点の6回2死一、三塁、阪神大竹の140キロの低めの速球を右中間席に運んだ。甲子園では5月14日の阪神戦から、5試合連続アーチを放った。「チャンスを前の打者が作ってくれたので、ランナーをかえすことができてよかったです。しっかり捉えられましたが、まさか本塁打になるとは思わなかったです」打点を85とし、83打点の巨人岡本和を抜き、リーグトップに浮上した。

◆/これぞのあたり\打球は右中間スタンドへ牧秀悟が勝ち越し3ラン?プロ野球(2023/8/30)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars pic.twitter.com/fSh8ZhsB5h

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、今季最長を更新する10試合連続安打をタイムリーで決めた。3点を追う6回2死一、二塁。ワンポイントで登板した左腕石川達也との対戦。カウント1-1から、149キロ直球を三遊間へはじき返した。対石川は今季7打席目での初安打となった。第1打席は三振併殺、第2打席は二ゴロ併殺。第3打席で意地を見せ、反撃ムードを高めた。

◆阪神が8月初の3連敗を喫し、29日に消滅した優勝マジック再点灯はならなかった。2回に、シェルドン・ノイジー外野手(28)がDeNAバウアーから6号ソロを左翼席へ運んで先制したが、先発大竹耕太郎投手(28)が4回に同点に追いつかれ、6回は2死一、三塁から牧に中堅右への24号3ランを浴びて勝ち越しを許した。6回に佐藤輝の適時打で1点は返したが、反撃はDeNAの継投策にかわされた。大竹はこれがセ・リーグ球団相手に通算17試合目に喫した初黒星だった。育成出身4人目となる2桁勝利も次回以降にお預けとなった。

◆DeNA牧秀悟内野手(25)が、2試合連続の24号3ランを放ち、チームを連勝に導いた。同点の6回2死一、三塁、阪神大竹から右中間への決勝3ランを放ち、本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を決めた。先発バウアーが3回降板。緊急リリーフの上茶谷が好投する中、バットで応えた。甲子園では5月14日の阪神戦から、5試合連続アーチ。打点を85とし、83打点の巨人岡本和を抜き、リーグトップに浮上した。首位阪神との差を10・5ゲームに縮め、4位巨人との差を2・5ゲームに広げた。牧が前日に続いて決勝本塁打。牧の勝利打点は岡本和(巨人)に並びリーグ最多の今季16度目、肩書付きの殊勲安打は岡本和の29本を抜いてリーグ最多の30本となった。これで牧は甲子園球場で5月14日から5試合連続本塁打。2リーグ制後、阪神選手以外が甲子園球場で5戦連発は初めてだ。甲子園球場で通算66本打った王(巨人)や通算41本の長嶋(巨人)も5戦連発はできなかった。

◆緊急登板のDeNA上茶谷大河投手が、好リリーフで勝利に貢献した。バウアーが3回1失点で負傷降板し、同点の4回から登板。2回2/3を1安打1失点と好投した。2点差に迫られた6回2死一、二塁では伊勢がピンチを脱出。7回以降は山崎、ウェンデルケン、森原がリードを守った。三浦監督は「上茶谷がよく投げてくれた。伊勢もカバーしてくれたし、リリーフ陣がよく踏ん張った」と評価した。

◆阪神の優勝マジック再点灯は最短で9月1日。条件は9月1日阪神○なら、8月31日から広島△●または●●、同じ時期に阪神△なら広島●●。いずれもM18となる。なお現日程での優勝決定は最短9月12日。

◆阪神の新助っ人のコルテン・ブルワー投手が甲子園デビュー戦を1回無失点で飾った。2点ビハインドの8回に登板。牧に右中間への二塁打を浴びるなどして2死一、三塁のピンチを招いたが、最後は伊藤を外角低めへの落差の大きい変化球で空振り三振に仕留めた。初の本拠地での登板に「声援もすごいなと思いましたし、その中で投げられるのは光栄。球場の雰囲気すべて含めて最高でしたね」。これで来日から4試合連続無失点とした。

◆アクシデントによるバウアー降板のピンチを、主砲の一振りで救った。DeNA牧秀悟内野手(25)が、2試合連続となる決勝の24号3ランを放ち、首位阪神に連勝。甲子園では5月14日の阪神戦から5試合連続のアーチで、阪神以外の選手では史上初だった。打点を85とし、リーグトップに浮上。首位阪神との差を10・5とし、4位巨人との差を2・5に広げた。甲子園に快音が響いた。同点の6回2死一、三塁。牧が右中間にはじき返した弾丸ライナーは、スタンドで大きくはずんだ。「しっかり捉えられましたが、まさか本塁打になるとは思わなかったです」と自身も目を丸くさせる2試合連続の決勝アーチ。一瞬、静寂に包まれたグラウンドで、はずむようにダイヤモンドを1周した。バウアー降板のピンチを救った。3試合連続中4日で先発したバウアーが、3回で負傷降板。緊急登板の上茶谷が好投する中、バットで応えた。「なかなかマウンドを降りることがない投手ですけど、ああいうふうに代わっても、ピッチャー陣が粘ってくれた」。好機を演出した桑原、佐野の2人をホームにかえし、本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を叫んだ。球史に名を刻む1発だった。「勢いはありますけど、自分は結構好き」と話した甲子園では、5月14日から5試合連続のアーチ。「ビックリしてます」と振り返った記録は、阪神以外の選手では史上初の快挙だった。25日の中日戦では史上初の新人から3年連続の30二塁打を達成。「ハマの記録男」は新たな記録に「うれしいです」と笑った。真夏にグンと状態を上げた。15日のヤクルト戦から14試合連続安打で、今月は打率3割6分2厘、7本塁打、26打点と大暴れ。24本塁打はキャリアハイに並び、85打点でリーグトップに浮上した。首位阪神との差を10・5ゲームに縮め、4位巨人との差は2・5に拡大。「残り1カ月、何が起こるかわからないと思うので、最後の最後まで戦い抜きたいなと思います」と決意を込めた。【久保賢吾】牧が前日に続いて決勝本塁打。牧の勝利打点は岡本和(巨人)に並びリーグ最多の今季16度目、肩書付きの殊勲安打は岡本和の29本を抜いてリーグ最多の30本となった。これで牧は甲子園球場で5月14日から5試合連続本塁打。2リーグ制後、阪神選手以外が甲子園球場で5戦連発は初めてだ。甲子園球場で通算66本打った王(巨人)や通算41本の長嶋(巨人)も5戦連発はできなかった。▽DeNA三浦監督(牧の2試合連続決勝弾に)「4番として、勝負強いバッティングをしてくれた」

◆阪神が8月初の3連敗を喫し、29日に消滅した優勝マジック再点灯はならなかった。先発の大竹耕太郎投手(28)はセ・リーグ球団相手に通算17試合目にして初黒星となった。4カードぶりの負け越しで、2位広島とのゲーム差は5に縮まった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-同じ打者にやられすぎと「おぉ、牧1人にやられとるよなあ。ほんとに」-原因は「いやいや、原因て、なあ。そら今、宮崎いてないから、まだマシやけど。ずうっとやろ。1年間」-大竹も直前にコーチがいったが「いやいやちょっとなあ、やっぱり、お前。最初、2打席目なあ、打ち取っても、その後いかれるやろ?」-あの低めの球をホームランは「いやいや、ホームランはないと思ってたからなあ。もうヒットでも代えるつもりやったからなあ。あそこは」-DeNA戦はあと3試合あるが、キーポイントになる「そうやなあ。いやいや、他のチームは抑えてるんやで。それを見いって言うてるんやけどな。ずっとやもんな1年間」-練習中の坂本と話をしたのはリード面についてか「違う違う違う。その話は関係ない」-打線はノイジーの本塁打で先制した「ノイジーのホームランってそらお前のう、ボール、ボールでお前、ストレートをだから、チャンスになるとそういうのは来ないっていうことやんか」-3回は惜しいところだった「そら惜しいよ。そら、あそこはなあ」-打線は長期ロードを頑張った分の疲れがあるのか「いや、そんなんはないやろ。巡り合わせが悪いわな、流れがな、打順の」-中継ぎは無失点「無失点て、そらもう、しのぎ、しのぎやん。そんなんを無失点て言えへんで」-バウアーには球数を投げさせた「いやいや、嫌な予感したよ、交代したからなあ。悪かったからなあ、こないだも変化球多いしな、今日も変化球多かったしなあ。もう捉えそうやったからなあ、次の回ぐらいはなあ」-久しぶりの3連敗になったが、引きずるようなものではないか「まあ、だって、原因ていうか、はっきりしとるからなあ。まあ今日でも2点なあ、3イニングあって、当然チャンスあるけど」-5ゲーム差つけて残り26試合。勝負の9月に「まあ、当然、勝負は9月とずっと言ってたけど。まあ、だから、なあ、自分とこのチームを立て直すていうかな。まあ、ちょっとな、ずっといい流れできとったからな、メンバーも変えんとやっとったけど、ちょっとそれは変えなあかんな。ちょっとあかんな、この流れ的にはな。これからはな、大事な試合になってくるから1試合1試合」-大竹も5回までなどの起用になるのか「まあ、ホームランだけなあ、あそこはなあ。まあヒットでしゃあないかなというような感覚やったけどな」-入れ替えなど下から「いやいや、そんなん。まだ終わったばかりやから」(自ら)「森下、応援歌できてあかんなあ」

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が30日、阪神22回戦(甲子園)で右股関節付近の違和感を訴え、3回2安打1失点で降板した。3回1死一塁、近本の投ゴロをスライディングキャッチ。跳び上がるように一塁に送球し、着地した際に体を強打した。1死二、三塁のピンチはギアチェンジし、抑え込んだが、4回のマウンドには上がらず、2番手で上茶谷が登板。試合後は自力で歩行し、バスに乗り込んだ。三浦監督は「右股関節付近の違和感がちょっと出たので、あの回で代えた。(病院には)明日以降、行く予定はしています」と説明した。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が、バウアーキラーぶりを発揮した。両軍無得点の2回2死から、外寄り高めの154キロを芯で捉え、左翼席まで運んだ。7月4日の敵地広島戦以来の出場38試合ぶりの1発となる6号ソロ。また、同14試合ぶりの長打となった。「最近、長打が打てていなかったので、久しぶりに打つことができて気持ち良かったよ。いいスイングができたと思うね」と振り返った。元同僚のサイ・ヤング賞右腕をお得意様としている。チームとして4度目の対戦となるが、ノイジーは全試合でヒットをマーク。対戦成績は9打数4安打、打率4割4分4厘だ。21年にはドジャースで「春にちょっとだけ」とチームメートだったバウアーを異国の地で攻略。ただ、その後3打席は凡退に終わっただけに「他にもっと仕事をするべき場面でできなかったので、そっちの悔しい方が強いです」と笑顔はなかった。

◆DeNAは、8月最終戦だった30日の阪神戦を牧秀悟内野手(25)の2戦連発の決勝3ランで勝利し、今月は13勝12敗1分けで終了した。8月は4連勝を1度、3連勝を1度記録した一方で、4連敗も2度で、浮き沈みが激しかった。首位阪神とは10・5ゲーム差、2位広島とは5・5ゲーム差で4位巨人には2・5ゲーム差をつけた。三浦大輔監督(49)は「よくはなかったと思いますけど、よく踏ん張ったと思います。本当はもっと貯金を作っていかないといけなかったですけど」と振り返った。30日終了時点で、59勝55敗3分け(ホームは30勝23敗2分け、ビジターは29勝32敗1分け)。DeNAの月間成績は以下の通り。月間成績3月=0勝1敗4月=16勝6敗5月=9勝13敗1分け6月=13勝10敗7月=8勝13敗1分け8月=13勝12敗1分け

◆阪神はDeNAに逆転負けを喫し、今季4度目の3連敗で2位広島とのゲーム差は「5」に縮まった。岡田彰布監督(65)は「自分のチームを立て直す」と下降気配が漂ってきた打線のてこ入れを示唆。指揮官が繰り返してきた「勝負は9月」にいよいよ突入。「アレ」に向けて、岡田阪神がラストスパートに入る。勢いに乗った猛虎の8月はまさかの3連敗で終わった。アレへのマジックは再点灯ならず、2位広島が5ゲーム差と近づいてきた。ペナントレースも残り26試合。岡田監督は言った。「まあ、当然、勝負は9月と言ってたけど」。勝負どころの時期を、この日の試合後も繰り返した。18年ぶりの悲願達成へ、勝負の9月に突入する。勝負師の眼光は鋭くなった。約1カ月ぶりに帰ってきた甲子園で1勝もできず、4度目の3連敗を喫した。同点の6回に大竹が決勝の3ランを浴びる。指揮官は「牧ひとりにやられとるよなあ。ほんとに。ホームランはないと思ってたからなあ」と嘆いた。「ずっとやろ。1年間」。牧の対阪神戦は打率3割4分9厘、7本塁打、20打点といずれも対セで一番打ち込まれている。好調だった打線はこの3試合、いずれも2点しか奪えていない。長期ロードの疲れかと問われると「いや、そんなんはないやろ。巡り合わせが悪いわな。打順の」と話し、「まあ、だって原因ははっきりとしてるからなあ」と、打線のテコ入れを示唆した。「自分のチームを立て直すというかな。ずっといい流れできとったからな、メンバーも変えんとやっとったけど、それは変えなあかんな。流れ的にな」。ほぼ固定してきた打順やメンバーに変化をつける考えだ。会見の最後には自ら「森下、応援歌できてあかんなあ」とつぶやいた。今回のDeNA戦から個人応援歌ができたが、9打席立ち快音を響かせることはできなかった。8月中にもいきなり3番に小野寺を抜てきしたが、今後は調子を見極めた起用になってくる。この日、無失点リレーだった中継ぎ陣も「そらもう、しのぎ、しのぎやん」と、ベストの状態ではないと感じている。虎党にとって思い出したくない08年のV逸。2位に最大13ゲーム差をつけていたが、117試合消化時点では貯金24のマジック22で、2位巨人とは4・5ゲーム差だった。今季は貯金25で、2位広島とは5差。似たような状況となってきた。まだ広島との直接対決は7試合も残っている。岡田監督は、08年を知らない若いチームで、勝負の9月に挑む。「ここからは大事な試合になってくるからな。1試合1試合」。チームを再び勢いづけるタクトが飛び出すか。ここからラストスパートを見せる。【石橋隆雄】

◆勝負の9月はテルが引っ張る! 阪神佐藤輝明内野手(24)が左前適時打で反撃ムードをかき立てた。DeNA牧に勝ち越し3ランを浴びた直後、6回の3打席目。安打と四球でつくった、2死一、二塁の場面だった。マウンドには今季6打席無安打に倒れていた、左腕石川がワンポイント救援で登板した。「しっかりスコアラーの人と話して」。いったんベンチに戻り、対策を練って打席へ向かった。「つないでくれたチャンスだったので」と、カウント1-1からの149キロ直球を逆方向の三遊間へはじき返した。打球は左翼へ抜け、二塁走者は悠々生還。それまでの2打席は連続で併殺に倒れていた。鬱憤(うっぷん)を晴らす一打で、今季自己最長を更新する10試合連続安打を記録。22年に記録した、自己最長11試合まであと「1」に迫った。長期ロード期間となった8月は尻上がりに調子を上げた。9日巨人戦(東京ドーム)から、14打席無安打。16日広島戦では後半戦初の欠場も経験した。だが、18日DeNA戦(横浜)でスタメン復帰すると、この日まで連続安打を継続。終わってみると、月間成績は打率3割、3本塁打、16打点。今季の通算打点も「63」に伸ばし、4番大山に並んでチーム最多となった。「ここからが大事なので頑張ります」。復調を果たし、打線をけん引した8月。首位で9月を迎えることへの心境についても「開幕の時から変わっていないんじゃないですかね」と、アレへの思いは変わらない。打撃浮上の佐藤輝が勝負の9月に爆発する。【波部俊之介】

◆阪神大竹が、セ・リーグ球団相手に初黒星を喫した。立ち上がりは完璧だった。3回まで完全投球。4回に併殺の間に同点に追いつかれたが、90キロを切る超遅球を駆使するなど5回まで3安打1失点。だが、6回に暗転する。2死一、三塁のピンチに、DeNA牧に痛恨の勝ち越し3ランを浴びた。直後に交代を告げられ、厳しい表情でマウンドを降りた。大竹はソフトバンク時代から通算して、セ・リーグ相手には12勝無敗だった。17戦目にして、初めてつけられた黒星だった。「6回がターニングポイントでしたし、自分でも投げていてその自覚があったので、なんとか抑えたかったです」と、悔しさをにじませた。牧に被弾したことには「(牧に)回してしまったのもミスだし、そこで抑えきれない自分の、単純に力不足というか。やっぱり、ああいうバッターも抑えていかないと、もう1個上にはいけないと思います」と反省した。また、育成出身者4人目の2ケタ勝利到達もお預けとなった。勝ち投手になっていれば、ソフトバンク時代の同僚、千賀(現メッツ)や石川、巨人山口に次いで4人目の育成出身2桁星となっていたが、次回以降に持ち越しとなった。■石井0封火消し阪神石井が見事な火消しを果たした。2点ビハインドの7回に加治屋が連打を浴び、島本が代打楠本に四球を許した1死満塁の大ピンチで登板。桑原を低めのフォークで空振り三振に斬ると、蝦名にはフルカウントから内角150キロ直球で詰まらせ、二飛に打ち取った。「次は勝ってるところで、こういうピッチングができるように頑張ります」。10試合連続無失点で防御率は0・89に良化。抜群の安定感をみせつけた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は大竹耕太郎投手(28)が今季10勝目のかかるマウンドに立つ。現役ドラフトで加入した大竹はここまで16試合に登板し、9勝1敗、防御率2・04。安定した投球を続ける左腕が、DeNA・バウアーとの投げ合いで自身初の大台に挑む。

◆阪神の馬場内野守備走塁コーチがベンチを外れた。球団によると体調不良で、試合前練習にも参加しなかった。(甲子園)

◆阪神は二回、ノイジーの6号ソロ本塁打で先制した。チャンスがついえたかに見えた直後、ノイジーが試合を動かした。バウアーが3球目に投じた154キロ直球を振り抜くと、勢いづいた打球はそのまま左翼スタンドへ。スコアボードに貴重な「1」を刻んだ。出場38試合、143打席ぶりの一発。この回は先頭の大山が四球で出塁したが、続く佐藤輝が見逃し三振。スタートを切った大山も二塁でアウトとなり、2死になった直後の一発だった。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は1―0の四回に1点を失った。三回まで無安打投球を続けていたが、四回先頭の桑原に左前打を浴び、初めてランナーを許す。続く蝦名の左前打で無死一、三塁のピンチ。佐野の二ゴロ併殺の間に三走が生還し、1―1の同点とされた。大竹は7月26日の巨人戦以来となる甲子園でのマウンドで、今季の10勝目を懸けて登板。四回は続く牧を中飛で打ち取り、最少失点にとどめた。

◆DeNAのトレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=が3登板連続の中4日で先発したが、3回2安打1失点、55球で降板した。何らかのアクシデントが起こったとみられる。三回、1死から9番の大竹に四球を与え、続く近本のボテボテの三塁方向へのゴロを処理する際に滑り込み、一塁へ悪送球でさらに進塁を許した。直後、斎藤投手コーチがトレーナーとともにマウンドに駆け寄り、数分間話し込んだ後に続投。中野を左飛、森下を空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けたが、四回から2番手・上茶谷が登板した。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は1―1の六回、牧に3ランを浴び、ここで交代となった。淡々とアウトを重ねていたが、強烈な一撃に沈んだ。2死一、三塁で牧と対戦。2球目に投じた低めの140キロ直球を捉えられ、打球はライナーでそのままバックスクリーン右に着弾した。一気に3点差をされ、ここで岡田監督が交代を決断。加治屋が2番手としてマウンドに上がった。

◆阪神は1―4の六回、佐藤輝明内野手(24)の左前適時打で1点を返した。直前で代わってマウンドに上がった3番手・石川の3球目、外角の直球を逆らわず捉えた。打球は三遊間を鋭く破り、二塁から中野が生還。2点差に詰め寄った。ここまでの2打席はいずれも一塁に走者を置き、見逃し三振と二ゴロ併殺に倒れていたが、意地の一打をみせ、10試合連続安打とした。

◆広い甲子園の右中間深くへとたたきこんだ。DeNAの4番、牧秀悟内野手(25)が同点の六回に2試合連発、昨季に並ぶ自己最多の24号3ランを放った。「しっかり捉えられたが、まさか本塁打になるとは。前の打者がチャンスをつくってくれたので、走者をかえすことができてよかった」1―1の六回。打ちあぐねていた阪神先発の大竹から桑原と佐野が安打を放ち2死一、三塁の好機をつくった。前の2打席で凡退していた牧の3打席目。1ボールからの2球目、低めの140キロ直球を完璧に捉えた。快音を残した打球はスタンドへ一直線。静まり返る敵地の中、ダイヤモンドを一周した。この一発が今季、甲子園では5本目の本塁打。12球団の本拠地の中でも広く、本塁打が出にくいとされている同球場で、なんと5月14日の試合から5試合連続で本塁打を記録した。長野・松本第一高時代は、仲間と目指し続けたが届かなかった甲子園。中大を経て、プロとしてプレーがかなった舞台で、牧が輝きを放っている。声出し応援が解禁となった今季から、ファンとともに叫ぶようになった右肘を突き出し拳を握る本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を2日続けて披露。先発のバウアーが3回55球で緊急降板するチームのピンチで、4番のバットが火をふいた。(浜浦日向)

◆阪神・石井大智投手(26)が好リリーフで逆転への望みをつないだ。2-4の七回1死満塁の大ピンチでマウンドへ。まずは桑原を空振り三振で2死。続いて蝦名と対峙した。6球目のフォークを見逃され、フルカウントとなったところで阪神ファンは大きな拍手で石井を鼓舞。続く7球目、150キロ直球で二飛に仕留めると、球場は大歓声に包まれた。

◆阪神はDeNAに連敗を喫し、7月13日から16日以来、約1か月半ぶりの3連敗を喫した。先発の大竹耕太郎投手(28)が一発に沈んだ。五回まで1失点で抑えていた六回、2死一、三塁で牧と対戦。2球目に投じた低めの140キロ直球を捉えられ、打球はライナーで中堅右のスタンドに飛び込む3ラン。ここで降板となり、10勝目を手にすることができなかった。打線は二回にシェルドン・ノイジー外野手(28)の6号ソロ本塁打で先制。1―4とされた六回には2死一、二塁で佐藤輝明内野手(24)が左前適時打を放つも、2点差に詰め寄るのがやっとだった。チームは29日のマジック消滅から巻き返しを狙ったが振るわず、後半戦初の3連敗となった。

◆DeNAは0―1の四回に併殺打の間の得点で追い付き、六回に牧の2試合連発となる24号3ランで勝ち越した。バウアーに代わり四回から2回?を投げた上茶谷が今季3勝目、森原が11セーブ目。阪神は4安打に終わり3連敗。

◆DeNAのトレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=が3登板連続の中4日で先発したが、3回2安打1失点、55球で降板した。三浦監督は試合後に「(近本選手の)打球を処理したときに、右脚股関節付近の違和感を訴えたので交代した。明日以降、横浜に戻ってから病院へ行く予定をしています」と説明した。三回1死一塁、近本のボテボテの三塁方向へのゴロを処理する際に滑り込み、反転し一塁へ悪送球。直後、斎藤投手コーチがトレーナーとともにマウンドに駆け寄り、数分間話し込んだ後に続投した。二、三塁で中野を左飛、森下を空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けたが、四回から2番手・上茶谷が登板した。

◆阪神が今季4度目の3連敗。同点の六回2死一、三塁、10勝目を目指す大竹耕太郎投手(28)が牧秀悟内野手(25)に浴びた右中間への24号3ランが決勝点となった。シェルドン・ノイジー外野手(28)が一回、7月4日の広島戦(マツダ)以来、自身出場38試合&143打席ぶりの本塁打。六回2死一、二塁では佐藤輝明内野手(24)が10試合連続安打を左前適時打でマークしたが、得点は2点のみ。優勝マジック再点灯を逃した。1分挟む4連勝の2位広島とは5差。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=69勝44敗4分、観衆=4万2623人)。ーー同じ打者にやられ過ぎ「牧一人にやられとるよなあ。ホントに」ーー原因は「原因て、なあ。今、宮崎いてないから、まだマシやけど。ずうっとやろ。1年間」ーー大竹も直前にコーチが行ったが「最初、2打席目なあ、打ち取っても、その後いかれるやろ?」ーーあの低めの球をホームランは「ホームランはないと思ってたからなあ。ヒットでも代えるつもりやったからなあ。あそこは」ーーDeNA戦は残り3試合。キーポイントになる「他のチームは抑えてるんやで。ずっと、やもんな1年間」ーー練習中に坂本と話をしたのはリード面についてか「違う違う違う。その話は関係ない」ーーノイジーの本塁打で先制「ノイジーのホームランって、ボール、ボールでストレートをだから、チャンスになるとそういうのは来ないっていうことやんか」ーー打線は長期ロードの疲れがあるのか「そんなんはないやろ。巡り合わせが悪いわな、流れがな、打順の」ーー中継ぎは無失点「無失点て、そらもう、しのぎ、しのぎやん。そんなんを無失点て言えへんで」ーーバウアーには球数を投げさせた「嫌な予感したよ、(三回で)交代したからなあ。悪かったからな。今日も変化球多かったしなあ。とらえそうやったからなあ、次の回ぐらいはなあ」ーー久しぶりの3連敗。引きずるようなモノではない「原因ていうか、はっきりしとるからなあ。今日でも2点なあ、3イニングあって、当然チャンスあるけど、おーん」ーー5ゲーム差で残り26試合。勝負の9月に「勝負は9月とずっと言ってたけど。自分とこのチームを立て直すていうかな。ずっといい流れで来とったからな、メンバーも代えんとやっとったけど、ちょっと代えなアカンな。流れ的にはな。これからはな、大事な試合になってくるから1試合1試合」ーー大竹も五回までの起用になるのか「ホームランだけなあ、あそこはなあ。ヒットでしゃあないかなというような感覚やったけどな」ーー入れ替えなどは「そんなん。まだ終わったばかりやから」(自ら)「森下、応援歌出来てアカンなあ」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は阪神・大竹耕太郎投手(28)がDeNA・牧秀悟内野手(25)に決勝3ランを浴びた場面にスポットライトを当てて、分析した。六回2死一、三塁から牧に決勝3ランを浴びたシーンに尽きる試合だ。一番警戒すべき打者に対して、直前に投手コーチがマウンドにまで行っている。ベンチの指示が「勝負」だったのか、バッテリーに判断させたのか。定かではないが、二塁ベースが空いている状況を生かしてもらいたかった。今季の広島は警戒すべき打者を徹底的に避ける野球をしている。極端なケースでは一、二塁で打者を歩かせたこともある。カープをマネする必要はないが、牧との勝負をあえて選択する必要はなかったのでは。真っすぐで勝負したことも悔いが残る。それまでの大竹はスローカーブ、チェンジアップを駆使して、打者を翻弄する投球をしていた。マジメではない投球だ。投手と打者との距離を短く見せたり、長く見せたりできる「空間の支配者」の本領を発揮していた。痛恨のシーンも同じ気持ちで超スローボールを投げても面白いのに、真っすぐ勝負は悔やまれる。あの場面で遅い球は怖さはあるが、大竹ならその球種で勝負してもいい。ところが、マジメすぎる性格が出てしまうのだろうか。抑えたい、ピンチを早く切り抜けたい、勝ちたい...欲が空間の支配者を普通のマジメな投手に変えてしまった気がする。「意欲」は大事だが「欲」が前面に出ると、結果は良くない。またしても六回途中での交代になった。「また六回か」という壁は作らないように。ここまで、MVP級の投球をしてきた投手だから、あと少し、踏ん張ってもらいたい。優勝へ向けての試合もCSも日本シリーズも投げなくてはいけない投手なのだから。

◆DeNAは0―1の四回に併殺打の間の得点で追い付き、六回に牧秀悟内野手(25)の2試合連発となる24号3ランで勝ち越した。?DeNA・牧が昨季に並ぶ自身最多の24号本塁打。この日は3打点を挙げて8月は26打点。昨年5月の25打点を抜いて自身月間最多打点となった。DeNAの選手で月間26打点以上は2020年9月のソト(26打点)以来3年ぶり。日本選手では2016年7月の筒香嘉智(31打点=球団タイ記録)以来7年ぶり。?甲子園では5月14日から5試合連続本塁打。2リーグ制(1950年)以降、甲子園でシーズン5試合続けて放ったのは、阪神の選手では60年の藤本勝巳、86年のバースがいるが、阪神以外の球団の選手では初めて。これまでは80年の広島・衣笠祥雄、87年の巨人・山倉和博、18年のDeNA・ソトらの4試合連続が最多だった。?勝利打点は今季16度目で、巨人・岡本和真と並ぶ両リーグ最多回数。DeNAの選手でシーズン16度以上マークしたのは、16年の筒香とロペス(16度)以来7年ぶり。

◆阪神はDeNAに2-4で逆転負け。今季4度目で後半戦初の3連敗となり、4連勝した2位広島に5ゲーム差に迫られた。優勝マジック再点灯も逃したが、同日昼に大阪・野田の阪神電鉄本社で行われた定例オーナー報告会後には、杉山健博オーナー(64)が「本当に岡田監督の功績だと思います、ここまで持ってきたのは」と虎将の手腕を激賞。絶大な信頼に背中を押され、勝負の9月へ突き進む。全身にまとわりつく湿気と蒸し暑さによる不快指数が、一発に泣いての逆転負けでさらに上昇した。阪神がDeNAに敗れ後半戦初の3連敗だ。2位広島には3週間ぶりに5ゲーム差まで接近された。それでも、岡田監督の戦い方は変わらない。だから、杉山オーナーの信頼も揺るがない。一枚岩となり、苦境を打破する。「だって、原因ていうか、はっきりしとるからなあ。まあきょうでも2点(取ったけど)なあ。当然チャンスあるけど」散発4安打に終わり、中継ぎ陣も無失点投球でしのいだが快進撃は〝小休止〟となった。優勝マジックの再点灯も逃したが、この日の試合前、オーナー報告が行われた大阪・野田の電鉄本社で対応した杉山オーナーは、首位を走って9月決戦へ踏み出す虎将に、絶大な信頼感を示していた。

◆4番が連夜の殊勲打!! セ・リーグ3位のDeNAは30日、阪神22回戦(甲子園)に4―2で逆転勝利。牧秀悟内野手(25)が六回、2試合連続の決勝弾となる24号3ランを放った。阪神の選手以外で甲子園での5試合連発は初めて。早くも昨季の自己最多本塁打数に並び、今季85打点でリーグ単独トップに再浮上。トレバー・バウアー投手(32)が緊急降板したチームのピンチを主砲が救った。一振りで、またも敵地を静まり返らせた。同点の六回2死一、三塁。快音を残した牧の打球は、低弾道のままグングン伸びて広い甲子園の右中間深く、スタンドに突き刺さった。衝撃の一発。マウンドであぜんとする阪神大竹をよそに、悠々とダイヤモンドを回った。「チャンスだったので、何とか勝ち越せるようにと。抜けるとは思ったけど、まさか入るとは思わなかった」2打席目まで打ち取られていた技巧派左腕に対し、1ボールからの2球目、低めの140キロ直球を完璧に捉えた。滞空時間、およそ4秒。力強い打球はあっという間にスタンドまで届いた。九回に佐野との2者連発で2点差を逆転した前夜に続き、4番が2試合連続の決勝アーチ。今季16度目の勝利打点は、岡本和(巨人)と並びリーグトップとなった。プロ入りから昨季まで2年間、甲子園では一本も本塁打を打てなかった。長野・松本第一高では届かなかった聖地。「(相手の)勢いもあるけど、雰囲気は好き。3年目でようやく、打席での景色とかに慣れたことが大きい」。今季は5月14日に初本塁打を記録すると、そこから驚異の5試合連続本塁打。阪神の選手以外では2リーグ制(1950年)以降初となる偉業を成し遂げた。先発のバウアーが右脚股関節付近の違和感を訴え、三回で緊急降板するアクシデント。チームのピンチを4番がバットで救った。24本塁打は今季117試合目で早くも昨季記録した自己最多に並んだ。目標とする打点王へ、85打点として巨人・岡本和を逆転、リーグ単独トップに再浮上した。打率も3割目前の・299まで上昇。シーズン終盤に勢いを上げてきた。苦戦が続いた甲子園で首位阪神に大きな2連勝。2年連続のクライマックスシリーズ(CS)出場のために重要な4位巨人とのゲーム差も2・5に広げた。「残り1カ月、何が起こるか分からないと思うので、最後の最後まで戦い抜きたい」と牧。プロ3年目の頼れる主砲が、チームを押し上げていく。(浜浦日向)

◆久々の好感触でDeNAの先発、バウアーに先制パンチをたたき込んだ。阪神・ノイジーが自身143打席ぶりとなる6号ソロで先制したが、空砲に終わった。「長打が打てていなかったので、久しぶりに打つことができて気持ち良かった。いいスイングができたと思う」二回2死の第1打席から魅せた。154キロ直球を芯で捉え、打球は左翼スタンドに一直線。この回は先頭の大山が四球で出塁するも、続く佐藤輝が見逃し三振。二盗を試みた大山も憤死する嫌な流れだったが、一振りで吹き飛ばした。7月4日の広島戦(マツダ)以来約2カ月ぶりとなるアーチを架け、これで対バウアーは打率・444(9打数4安打)、1本塁打と相性抜群だ。佐藤輝の適時打で2―4と迫った六回は、なお2死一、二塁で打席に入るも投ゴロで凡退。本塁打のあとは3打席無安打で、チームを勝利に導くことはできなかった。「他にもっと仕事をするべき場面で、できなかった。それが悔しいほうが強いです」。一発の手応えよりも好機で打てなかった反省をにじませ、球場を後にした。(邨田直人)

◆快音を残し、白球は三遊間を抜けていく。どよめきをかき消し、再び上を向くための挽回打。阪神・佐藤輝がDeNAに一矢報いて、8月を締めた。「つないでくれたチャンスだったので、打ててよかったです」牧の驚弾で1-4と勝ち越された直後、六回2死一、二塁の好機で打席に立った。DeNAは上茶谷から、左のワンポイントで石川を投入。3球目、149キロ直球にバットを合わせた。それまでは、二回無死一塁の第1打席で三振ゲッツー、再び無死一塁で迎えた四回の第2打席は二ゴロ併殺と散々な内容だった。それでも、第3打席で左前適時打を放ち、今季最長をまた更新する10試合連続安打と意地をみせた。8月は月間打率・300(90打数27安打)、3本塁打、16打点。ルーキーイヤーの2021年5月(同・301)以来の月間3割に到達した。21年は同・222、22年は同・228と課題だった8月。「しっかり練習するしかないですね。あとは、しっかり体調整えて頑張ります」と誓っていた男は、夏の暑さに負けず黙々と汗を流してバットを振ってきた。〝アレ〟への足踏みとなった甲子園での連敗。ただ、佐藤輝がやられっぱなしではなく、上を向いて終われたことは大きい。「(アレへの気持ちは)開幕のときから変わっていない。ここからが大事なんで。頑張ります」月は替わり、舞台は最終局面に突入する。巻き起こした上昇気流に乗って、アレへ-。9月は勝利の快音を響かせていく。(原田遼太郎)

◆浜風の甲子園で右打者が右中間スタンドに放り込む弾道は、そうそう見られない。牧の一撃は、素直に脱帽しよう。ただ、カープがまた勝ったらしい。マジック再点灯はお預けに。ちょっと焦り始めているのは、虎ソナだけ?!昼間。車を運転する人にとっては、阪神のマジックが点灯したり、消滅したりするより、はるかに衝撃のニュースが飛び込んできた。ガソリンの平均価格が1リットルあたり185・6円で過去最高の数値を更新したという。資源エネルギー庁が発表していた。15週連続の値上がりで、前週比較で1・9円上昇。う~ん、困る。比較可能な1990年以降で最高値は、2008年8月の185・1円を15年ぶりに上回ってしまった。「ボクは原付しか運転しませんが、それでもこの異常な値上げは、家計を直撃しています」腕組みしながらシブい表情だったのは、トラ番サブキャップ新里公章だった。新里家の家計がどのようなものか、知る由もないが、日本国民、たまったものではない。2008年8月以来のガソリン問題、ということで、悪いことを言うヤツがいる。岡田阪神が球史に残る大逆転V逸をした15年前。失速が始まったのが8月だった。それ以来の〝ガス欠〟。だから、ことしも...。おっと、それ以上は、とても書けない。書いてはいけない。ガス欠したのは世の中であって、決して阪神ではない。さあ、重苦しいムードを変えるのはスターの役目だ。出てこい、スーパースター!

◆う~む...。ついに、きましたかァ...。優勝マジックが点灯してもなお衰えない8月の快進撃に「おや? ひょっとしてアレ(優勝)への産みの苦しみと無関係なチーム?」と希望的観測をしたけど...。そう甘くはいかなんだで、ヘナヘナヘナ~の3連敗。にしても、負け方が悪いわー!! 巨人戦は2ホーマーで追いつかれて敗れ、前日は九回に逆転の2ホーマーを食らった。そして本日も牧の決勝3ランて、全てホームランでやられとるやんかー!! DeNAとの2試合は甲子園に1カ月ぶりに戻ってきてだから、悲しいやら腹が立つやら!!梅野の欠場である意味、全責任を背負った坂本に疲れが出てきたのか? 打線も一時の爆発力がなくなっているし...。分かったァ!! 全員、アレが近付いたことで考え過ぎなんじゃない?(プレッシャーを感じてる気配はないし)考え過ぎのときは糖分をとるべし!! じゃ、どーするか? そんなもん、決まっとるやろ! 岡田はんが愛してやまない「パインあめ」を猛虎ナインが全員で奪い取り、なめまくったれ!! もしくは次に対戦するヤクルトを飲みまくりでもええよー!!

◆新外国人のブルワーが2点ビハインドの八回に甲子園初登板を果たした。「ファンの声援はすごいと思ったし、その中で投げられるのは本当に光栄」と力を受け、2死一、三塁のピンチは招いたが伊藤を空振り三振に抑えて1回無失点と粘った。これで来日初登板から4試合連続無失点。「どんなシチュエーションでも投げる準備をしている。チームに貢献していきたい」と今後も結果を積み重ねていく。

◆七回1死満塁から4番手として登板した石井が火消しに成功。10試合連続無失点とした。まずはこの日2安打の桑原をフォークで三振。ここで捕手の坂本に「絶対に抑えられるから思い切って来い」と声をかけられ、蝦名もフルカウントから直球で二飛に打ち取った。「(坂本を)信頼してフォークも落とせた。次は勝っているところでそういうピッチングができるように頑張りたい」と満足せず先を見据えた。

◆森下は3試合連続の無安打に終わった。三回の2死二、三塁のチャンスではバウアーのカーブに空振り三振を喫し、「いつもと変わらず打つのは難しいピッチャーかなと感じた」と唇をかんだ。26日の巨人戦(東京ドーム)で安打以来、快音がない。それでも「打てないときもあるので、それは仕方ない」と前を向き、切り替えて次戦に臨む。

◆大竹は5回?を6安打4失点で2敗目(9勝)。甲子園でのプロ入り後初黒星を喫した。同点の六回に牧に中堅右への決勝3ランを浴び、「あそこで(牧に)回してしまったのもミスだし、単純にそこで抑えきれない自分の力不足。ああいう打者を抑えられないと、もう一個上にはいけない」と猛省。被弾直後に交代となり、登板5試合連続で6回を投げきれずに降板する形となってしまった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
69444 0.611
(↓0.005)
-
(-)
26455
(+2)
358
(+4)
62
(+1)
62
(-)
0.248
(↓0.001)
2.740
(↓0.01)
2
(-)
広島
65504 0.565
(↑0.004)
5
(↑1)
24427
(+2)
418
(+1)
83
(+1)
67
(-)
0.245
(↓0.001)
3.160
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
59553 0.518
(↑0.005)
10.5
(↑1)
26427
(+4)
407
(+2)
82
(+1)
24
(-)
0.249
(-)
3.190
(↑0.01)
4
(-)
巨人
57581 0.496
(↓0.004)
13
(-)
27448
(+1)
434
(+2)
139
(+1)
41
(-)
0.257
(-)
3.580
(↑0.02)
5
(-)
ヤクルト
47673 0.412
(↓0.004)
22.5
(-)
26431
(+2)
470
(+3)
98
(-)
55
(-)
0.239
(-)
3.740
(-)
6
(-)
中日
44693 0.389
(↑0.005)
25
(↑1)
27326
(+3)
412
(+2)
51
(-)
31
(-)
0.241
(-)
3.210
(↑0.01)