巨人(★4対5☆)広島 =リーグ戦22回戦(2023.08.29)・京セラドーム大阪=
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広島
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巨人
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勝利投手:アドゥワ 誠(1勝0敗0S)
(セーブ:矢崎 拓也(4勝2敗23S))
敗戦投手:高梨 雄平(2勝1敗0S)

本塁打
【広島】デビッドソン(18号・6回表ソロ),末包 昇大(6号・8回表3ラン)
【巨人】長野 久義(5号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島が逆転勝ち。広島は1点リードの6回表、デビッドソンのソロで追加点を挙げる。その後逆転を許すも、8回に代打・末包の3ランが飛び出し、試合をひっくり返した。投げては、2番手・アドゥワが今季初勝利。敗れた巨人は、3番手・高梨が痛恨の一発を浴びた。

◆巨人の4番に今季初めて坂本勇人内野手(34)が起用された。今季全試合4番だった岡本和真内野手(27)と、直近2カードでおもに1番に入っていた梶谷隆幸外野手(35)が、体調不良のため特例2023で出場選手登録を抹消。主砲が不在の中、坂本が昨季4月15日以来501日ぶりに、4番を託された。抹消された2人に代わり、松田宣浩内野手(40)と2年目の岡田悠希外野手(23)が1軍合流。今季7勝14敗と劣勢を強いられている2位広島との3連戦を前に、思わぬ事態に見舞われた。

◆巨人が"サカチョー"で反撃に出た。2点を追う6回1死、長野久義外野手が広島九里から5号ソロを放ち1点差に迫った。「打ったのはスライダーです。ミスでチームに迷惑をかけていたので何とかしたいと思っていました。ホームランになって良かったです」とコメント。5回の適時失策を取り返す一打でチームに活気をもたらした。門脇、秋広が連続安打でつなぎ、今季初めて4番に入った坂本勇人内野手が左翼線への適時二塁打で試合を振り出しに戻した。「打ったのはシュートです。みんながつないでくれたチャンスだったので何とかしたかった。いい結果になって良かったです」と振り返った。坂本は、この二塁打で金本知憲に並ぶ歴代4位440本目となった。さらに、丸が申告敬遠でなお1死満塁で中田翔の右犠飛で1点を勝ち越した。中田翔は「打ったのはストレートです。最低限の仕事は出来たと思います。次の打席も頑張ります」とコメントした。

◆巨人先発の山崎伊織投手(24)が、10勝目の権利を得ながら、目前で大台到達が消えた。5回に適時失策で先制点を献上し、6回には"Gキラー"のデビッドソンに今季チームとして9本目のソロ弾を浴び、6回7安打2失点でマウンドを降りた。直後の攻撃で試合をひっくり返し、勝利投手の権利を得た山崎伊は「何とか粘りながらの投球が出来ていたが、先に点を与えてしまったことは、しっかり反省したい。野手の方がしっかり守ってくれて、逆転してくれて、本当に感謝です」と振り返った。だが8回に3番手の高梨が末包昇大に逆転3ランを浴び、戸郷に続く2ケタ勝利はお預けとなった。

◆/一振りで再び試合をひっくり返した\代打・末包昇大が大仕事??このパンチ力が魅力、見事な逆転3ランホームラン???プロ野球(2023/8/29)??巨人×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/seAiKIRJxi

◆広島が代打末包昇大外野手の逆転3ランで巨人との接戦をものにした。2点ビハインドの8回。左腕高梨に対し、1死一塁から坂倉に代打堂林を送るなど攻めに転じると、2死一、二塁から代打末包が左翼席へ特大の3ランを放った。打線はまず5回に小園の二塁打と相手の失策で先制し、6回にはデビッドソンの18号ソロで加点。自身巨人戦9本目となる1発に「イニングの先頭打者だったので、積極的に行きました」と振り返った。先発九里は5回まで2安打無失点も、6回に暗転。長野にソロを浴びると、さらに3連打で追いつかれた。1死満塁から中田の犠飛で勝ち越しを許すと、7回にも1点を失い降板となった。再逆転した8回は島内が無失点で切り、9回は1軍に復帰したばかりの矢崎が締めて23セーブ目を挙げた。阪神が敗れたため、自力優勝が復活した。

◆巨人が逆転負けを喫し、3位DeNAと1・5ゲーム差に広がった。5回まで無得点に抑えられた広島先発の九里を、2点を追う6回に捕まえた。長野久義外野手が5号ソロ弾を放ち、一、二塁のチャンスで今季初めて4番に入った坂本勇人内野手が適時二塁打で同点。さらに1死満塁で中田翔内野手が右犠飛で勝ち越しに成功した。試合前に岡本和真内野手と梶谷隆幸外野手が体調不良のため、特例2023で出場選手登録を抹消される事態に、打線が奮起した。しかし3番手で登板した高梨雄平投手が8回に逆転3ランを浴び、敗れた。先発した山崎伊織投手は自身初の2桁となる10勝目を逃した。チームは貯金を掃き出し、3位DeNAが阪神に勝ったため、1・5ゲーム差に広がった。

◆巨人の40歳松田宣浩内野手が一打同点の好機で一飛に打ち取られた。1点を追う9回2死一、二塁で代打で登場。2球目の高め直球を打ちにいき、打球は内野に舞い上がった。4月14日に出場選手登録を抹消されて以来、約4カ月半ぶりに1軍に合流。東京から移動し、球場入りは試合開始2時間前だった。「5カ月、下(2軍)でやってきたことを出そうと思ったけど」と悔しさをにじませた。▽巨人高梨(2点リードの8回に登板し逆転3ランを打たれ今季初黒星)「やられることが今年多いので。またしっかり反省して次そういう場面で仕事をできるようにしたい」▽巨人山崎伊織(6回7安打2失点で10勝目逃す)「何とか粘りながらの投球が出来ていたが、先に点を与えてしまったことは、しっかり反省したい」

◆巨人高梨雄平投手がうなだれた。2点リードの8回から今季50試合目のマウンドに向かった。慎重になりすぎたか2四球で2死一、二塁と得点圏に走者を背負った。今季初対戦の代打末包にカウント2-1からの甘く入ったスライダーを左翼ポール際に運ばれた。阪神岩崎に並び12球団最多登板の左腕が痛恨の逆転3ランを浴びて今季初黒星を喫した。岡本和、梶谷を体調不良で欠く戦いを強いられた。4番に今季初めて坂本、1番には長野を据えた。2点を追う6回1死、長野が5号ソロで反撃の口火を切った。なお、1死一、二塁からは坂本が通算440本目の二塁打で二走の秋広を本塁に迎え入れ、一時同点とした。勝ち越し、追加点で優勢を奪うも、勝ちには結びつかず。3位DeNAと1・5ゲーム差に広がった。原監督は「全員で戦うということでスタートしているのでね」と言った。次の1勝だけを見据えて進む。

◆広島は1軍に復帰したばかりの矢崎拓也投手(28)が23セーブ目を挙げた。1点リードの9回。先頭に右前打を許すなど1死一、二塁とするも、後続を切った。「(最短)10日で上げてもらった時に投げさせてもらった時点ですごい大きな報酬だと思う。その体験自体はしっかり楽しめたんじゃないかなと思います」。独特な表現で11日ぶりの登板を振り返った。新井監督は今後もストッパーは栗林と明言も「連投が重なると矢崎にも9回行ってもらうことはある」とダブルストッパーを期待した。▽広島アドゥワ(7回1死一、二塁から登板して中軸を抑え今季初勝利)「チームが勝ったのはうれしいですけど、個人的に付くのは何も思わないです。監督に行けと言われたところで行くだけなので」

◆諦めないん弾。広島末包昇大外野手(27)が2点を追う8回2死一、二塁で、自身2戦連発となる代打逆転3ランを放った。巨人高梨の内角スライダーをすくい上げて京セラドーム大阪の左翼席上段に運んだ。チームを3連勝に導き、16日に消滅した自力優勝の可能性も復活した。初球、空を切ったスライダーを今度は捉えた。2点を追う8回2死一、二塁。代打末包は左腕高梨の4球目、内角スライダーをすくい上げた。左翼ポール際に高々と舞い上がった飛球は、ファウルゾーンではなく、赤く染まった左翼席上段に吸い込まれた。「絶対、どこかでもう1球(内角が)来るなと思ったので、来た時にしっかり振れるようにと」16日にともった阪神のマジックを消し、自力優勝の可能性が復活した。土俵際に追い詰められながら踏みとどまるチームのように、末包も土俵際から浮上した。18日まで16打席無安打と、2軍降格の危機を感じていた19日巨人戦で3号ソロを含む2長打を記録した。そこから9試合で4本塁打と量産態勢。「自分の生きる道。チームのためになるのが長打」。スタメンから外れるも、自身2戦連発に胸を張る。8回1死一塁で、対左投手にも打率2割6分4厘と苦にしない坂倉にも代打を送るなど、攻撃的な采配のベンチに応えた。指揮官は「"末包さん"は素晴らしいホームランだった。(ファウルゾーンに)切れずにあそこがホームランになるのは彼の技術的にも成長してきている」と賛辞を惜しまなかった。9回は13戦連続無失点中の栗林を休ませ、1軍に復帰したばかりの矢崎を中10日で送り出した。ピンチを招きながら試合を締め、安定感ある中継ぎ陣にまた1枚加わった。大胆な起用で勝利をたぐり寄せた新井監督は「全員で戦って、全員で勝ちをもぎ取るのがカーブの野球。(阪神の結果は)自分たちでコントロールできない。自分たちができるのは1戦1戦戦って、勝ちをもぎ取ることだけ」と、劇勝にも、真っすぐ前だけを見つめた。【前原淳】○...デビッドソンがまた巨人戦で1発を見舞った。6回に先発山崎伊の145キロをとらえ、18号ソロを左翼席に運んだ。巨人戦は9本目となり、山崎伊からは3本目。「8月過ぎてからの対戦も多いし、そういうところで彼の球を見ている。自分のスイングも良くなっているというのも重なっていると思います」。8月だけで9本塁打と、大事なシーズン終盤に助っ人が調子を上げている。▽広島島内(リーグトップタイ34ホールド)「マウンドに上がったら試合に集中できているので、あまり変なことは考えないようにしている。本当に1つずつと、自分に言い聞かせています」

◆広島が代打末包昇大の逆転弾で巨人との接戦をものにした。2点ビハインドの8回。左腕高梨に対し、1死一塁から坂倉に代打堂林を送るなど攻めに転じると、2死一、二塁から代打末包が左翼席へ特大の6号3ランを放った。先発九里は5回まで2安打無失点も、6回に暗転。長野にソロを浴びると、一気に逆転を許した。再逆転した8回は島内が無失点で切り、9回は1軍に復帰したばかりの矢崎が締めて23セーブ目を挙げた。阪神が敗れたため、自力優勝が復活した。試合後の広島新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-代打末包の大きなホームラン新井監督 "末包さん"は素晴らしいホームランでしたね。(内角スライダーを)見送ったらインサイドのいいところ。(ファウルゾーンに)切れずにホームランになるのは、技術的にも成長している。本当に素晴らしい"末包さん"のホームランでした。-末包選手の打席を楽しそうに見つめていた新井監督 末包に限らず、起用してる選手は期待して送り出しています。そういう顔だったのかも知れないね。-8回は左投手にも打率2割6分4厘(右に2割6分6厘)の坂倉選手にも代打策を取った新井監督 高梨くんは左バッターは難しい。数字としても極端に出てた。(対高梨の坂倉の結果が)15の1と出てた。相手が嫌なのは(何か)と、考えた。-9回は10日間、再調整していた矢崎投手を起用してセーブ新井監督 栗林はアクシデントではなく、今日はリカバリーにあてたかった。矢崎も久しぶりの登板。リフレッシュで抹消して、実戦で投げずに(1軍に)来て、それで1発目がこういう展開。9回で1点差...、彼に任せた。よく抑えてくれた。-今後、栗林投手と矢崎投手はどのように起用するのか新井監督 基本的には栗林を9回(抑え)という形。連投が重なると、矢崎にも9回を行ってもらうことはある。そう、彼にも伝えている。経験者なので、登板数とか、球数とか、その日その日でベストを探していきたい。-連日、総力戦での勝利新井監督 全員で戦って、全員で勝ちをもぎ取るのがカープの野球、戦い方だからね。-自力優勝の可能性が復活した新井監督 消えたり、ついたりするもの。自分たちでコントロールできない。自分たちができるのは1戦1戦戦って、勝ちをもぎ取ることだけ。-上本選手の合流が見送られた新井監督 万全にして戻ってきて欲しいから。彼のスタイル的に全力でやりたがるし、ポジションも(いろいろある)。中途半端で帰ってきてケガして(再び)離脱は一番嫌。「万全にして戦える状況で戻ってきて」と伝えている。

◆巨人・岡本和真内野手(27)と梶谷隆幸外野手(35)が特例2023の対象指名選手として出場選手登録を抹消された。発熱の症状があるという。代わって松田宣浩内野手(40)、岡田悠希外野手(23)が出場選手登録された。4番の岡本和はここまで全114試合に4番で先発し、打率・298、34本塁打、83打点。8月は打率・318、12本塁打、25打点と絶好調。梶谷も月間打率・338で上位打線に座っていただけに、チームにとっては痛い報せとなった。

◆巨人・坂本勇人内野手(34)が「4番・遊撃」で先発出場する。体調不良のため「特例2023」で抹消された岡本和真内野手(27)に代わって2022年4月15日の阪神戦(甲子園)以来に4番に座った。

◆巨人・菅野智之投手(33)が30日の広島戦に先発する。前回23日のヤクルト戦(東京ドーム)は7回3失点の力投。志願して上がった緊急登板で先発の役割をきっちり果たした。今季初対戦となる2位・広島から4勝目を狙うエースは「順調にいけばCSでも当たる可能性のある相手。そこでの何か解決策というか、そういうものが明確になればいい」と気合を入れた。

◆巨人・坂本勇人内野手(34)がプロ野球歴代4位の金本知憲に並ぶ通算440二塁打をマークした。発熱のため離脱した岡本和に代わって4番に座った坂本は、1点を追う六回1死一、二塁で九里から左翼線へ適時二塁打を放った。金本が2578試合、8915打数で残した二塁打数に、坂本は2075試合、7890打数で並んだ。通算二塁打の歴代最多は立浪和義の「487」。2位は福本豊の「449」、3位は山内和弘の「449」と続く。

◆巨人・長野久義外野手(38)が六回、左翼席へ5号ソロをほうり込み、逆転劇を演出した。「1番・右翼」で先発したベテランは、2点を追う六回1死で九里のスライダーを引っ張った。今季5本塁打中4本が今月にマークしたもので、〝夏男〟の本領を発揮。この日は右翼守備で失点を招く失策を犯していただけに、「ミスでチームに迷惑をかけていたので何とかしたいと思っていました」と語った。打線はこの後ドラフト4位・門脇(創価大)、秋広が連打で続き、4番・坂本の左翼線二塁打で同点。丸が申告敬遠で出塁し、続く中田翔の右犠飛で3-2と逆転に成功した。

◆先発のマウンドに上がった巨人・山崎伊織投手(24)が6回7安打2失点の力投。打線が六回に3点を奪い勝ち越し、自身初の10勝目の権利をもってマウンドを降りた。28日に川崎市のジャイアンツ球場でキャッチボールで調整した右腕は「とにかく上位のチームには負けないように。主導権をしっかり握っていけるような投球をしていきたい」と意気込んでいたが、なかなか流れをつかめなかった。好投手・九里との投げ合い。今季9勝を挙げている右腕は、最速154キロの直球とフォークボールなど変化球を駆使し、四回までスコアボードにゼロを並べた。だが、球数が80球に差し掛かった中盤につかまり、五回2死一塁で小園に右中間を破る二塁打を許し、先制点を献上。さらに六回にはデビッドソンにチーム9被弾目となる痛恨の18号ソロを浴びた。6回までで115球を費やし、六回の打席で代打を告げられて降板。自身初の2桁勝利はお預けとなったかと思われたが、六回1死から1番・長野の反撃の5号ソロを皮切りに、1死一、二塁で岡本和の代役4番に座る坂本が同点の適時二塁打、中田翔の右犠飛で3点を奪い勝ち越し。味方の援護もあり勝ち投手の権利を得た。ここまで全試合に4番で出場し、リーグトップの34本塁打、83打点を挙げていた巨人・岡本和が体調不良のため「特例2023」で出場選手登録を外れた。不動の4番を欠く緊急事態に見舞われたが、1年ぶりに4番に座った坂本を中心に主砲が抜けた穴を全員でカバーした。(樋口航)

◆広島が逆転で3連勝。2―4の八回に末包がプロ初の代打本塁打となる3ランを放った。2番手アドゥワが4年ぶりの白星。巨人は2点を追う六回に長野のソロなどで3点を挙げリードを奪ったが、3番手の高梨が痛打された。

◆広島の4番・西川が第1打席で右翼へ二塁打を放った。一回、2死一塁で山崎伊の甘く入った150キロを打ち返して二、三塁にチャンスを拡大。続くデビッドソンが空振り三振に倒れて得点はならなかったが、チャンスメークで存在感を示した。「取り返さないといけない。打たないといけない」打線の中軸、4番の責任を感じて毎日戦っている。開幕から主に5番を打ってきたが、4番だったマクブルームが右太もも肉離れで長期離脱した影響もあり、6月18日の巨人戦(マツダスタジアム)から4番を任されるようになった。この日の試合前で4番では40試合出場で153打数51安打で打率・333、3本塁打、27打点。遠くへ運ぶ一発の魅力ではマクブルームやデビッドソン(前アスレチックス)ら外国人の助っ人に劣るが、新井監督の「相手も(西川が)4番にいたら嫌だと思う」との狙いどおり、役割を立派に果たしている。7月に右脇腹の肉離れで約1カ月、戦列離脱。だが実はそこからチームは10連勝するなど、不在の間には13勝4敗1分けと好調だった。それでも、上本がヒーローインタビューのお立ち台上で「西川龍馬、早く帰ってきてくれ、頼む!君がいないと本当にやばい」と呼びかけ、復帰を待ち望んでいたのは、チームでの信頼の高さの証し。打線は0-0の五回2死一塁で小園の右翼への二塁打に敵失が絡んで先制に成功したが、先発した九里は六回、巨人打線につかまった。試合は七回終了時で2-4とリードを許したが、八回に2死一、二塁から末包の3ランで逆転に成功。そのまま逃げ切った。(上阪正人)

◆巨人は一時逆転に成功したが、2点リードの八回に3番手の高梨が広島・末包に逆転3ランを浴びた。主砲の岡本和真内野手(27)、梶谷隆幸外野手(35)が発熱のため、特例2023を適用して出場選手登録を抹消して臨んだ。原辰徳監督(65)の一問一答は以下の通り。――打線はいい形で逆転したが「そうですね。(六回に)いい形で粘りながら逆転しましたね」――高梨が逆転弾を浴びた「あのイニングは何とか(捕手の)大城卓と高梨に託したというところですね」――(発熱で抹消となった)岡本和を欠いた中、坂本を4番に起用「いいところで(坂本に)1本出ましたね」――山崎伊は6回2失点「本人がどういうふうに感じているかね。頑張ってきた先発ピッチャーですから、(逆転して)あのまま勝ち星をつけてあげたいというのはどこかにありましたけどね。まあやっぱり1つ勝つというのはそうそう簡単なことではないということですね」――門脇が岡本和の代役として三塁でスタメン「ナイスですね。いいところが出ましたね、守備においてもね」―しばらく主砲とリードオフマン(同じく発熱で抹消の梶谷)を欠く戦いに「それは明日になってみないと何とも言えないけどね。全員で戦うということがスタートしているわけですから、変わりはないですね」

◆巨人は広島に逆転負けを喫した。4|2の八回に3番手として登板した高梨雄平投手(31)が2四球で走者を背負うと、2死一、二塁で代打・末包に甘く入ったスライダーを捉えられ、痛恨の逆転3ランを被弾。チームトップの50試合に登板する左腕は「ランナーのたまり方がよくなかった。伊織の10勝目もかかっていましたし、よくなかった。しっかり反省して、明日そういう場面がきたら仕事ができるようにやるだけです」と前を向いた。

◆巨人・松田宣浩内野手(40)が4月13日の阪神戦(東京ドーム)以来の1軍出場を果たした。特例2023の対象指名選手として出場選手登録を抹消された岡本和の代替指名選手として昇格。昼すぎに昇格を伝えられたといい、試合開始1時間前の午後5時に京セラドーム大阪に到着した。1点を追う九回2死一、二塁のサヨナラの好機で代打で出場。広島・矢崎の前に一飛に倒れたベテランは「下(ファーム)でやっていたことを出そうと思っていた。次(チャンスを)もらったときに打てるようにやっていきたい」と話した。

◆27歳の長距離砲の豪快な一発だ。広島は2―4の八回2死一、二塁で大盛の代打・末包(すえかね)が左翼ポール際へ特大の3ランを放ってチームを勝利に導いた。「最後(ファウルゾーンへ)切れそうだったので怖かったけど、ああやって打てたのは打ち方がよかったのかなと思います」自画自賛するほど豪快なアーチだった。カウント2-1から高梨の内角スライダーをたたき、高々と舞い上がった打球が上段席へ着弾した。自身初の代打弾。27日のヤクルト戦(マツダ)で球団史上初の新人2年連続満塁弾を放っており、京セラドームで開催された巨人の主催試合となっても2戦連発のアーチで、チームを3連勝に導いた。8月15日以来、14日ぶりに自力優勝の可能性が復活。「僕たちは勝ち続けるしかないので。これからどんどん勝っていって(首位阪神の)背中を追っていきたいと思います」と力を込めた。社会人・大阪ガスからプロ入りして2年目の長距離砲。社会人時代は京セラドームのすぐそばにあるオフィスが職場だった。「社会人時代はここでやった日本選手権で一回も負けたことがないので、いい思い出しかなかった」という大好きな舞台で躍動した。采配がズバリ的中した新井監督も会心の表情。「末包〝さん〟は素晴らしいホームランだったね。見送ったらインサイドのいいところ。あそこが切れずにホームランになるのは彼の技術的にも成長してきている」と絶賛した。阪神の優勝マジックは消したが、指揮官は「(自力優勝の可能性は)消えたり、ついたりするもので、自分たちでコントロールできない。自分たちができるのは一戦一戦戦って、勝ちをもぎ取ることだけ」と気持ちは揺るがない。若い力の躍動で再び勢いが出てきたチームは、さらなる浮上を目指すのみだ。(上阪正人)

◆主砲・岡本和の代役として1年ぶりに4番に座った坂本がプロ野球歴代4位の金本知憲に並ぶ通算440二塁打をマークした。1点を追う六回1死一、二塁で九里から左翼線へ適時二塁打を放ち「みんながつないでくれたチャンスだったので、何とかしたかった」とうなずいた。試合は逆転負けを喫したが、正遊撃手がまた記録を塗り替えた。

◆主砲離脱の不安を吹き飛ばすことはできなかった。4位・巨人は主砲の岡本和と梶谷が「特例2023」で抹消された中、逆転負けで勝率5割に逆戻り。原辰徳監督(65)は唇をかんだ。「あのイニング(八回)は大城卓と高梨(のバッテリー)に託した。1つ勝つのは、そうそう簡単なことではないということですね」0-2の六回に長野の5号ソロ、「代役4番」坂本の適時二塁打などで逆転。だが、八回にチーム最多50試合目の登板となった高梨が四球でピンチを招き、代打の末包に3ランを献上した。「全員で戦う。変わりはない」と指揮官。大阪での主催カードの初戦を落とし、3位・DeNAとのゲーム差は1・5に広がった。(谷川直之)

◆ずっと言い続けてきた。どうしたって巨人は、七回以降の投手陣が泣きどころ。それも、もはや、投げる順番とか、誰が打たれたとか、配球うんぬんとかの問題ではなく、技術的に無理。悲しいかな、そう評せざるをえない。ここまできたら、 破れかぶれ...ではなく、概念を変えることだね。たとえば、以前にも提言したように、菅野だ。30日は先発? それもいいけど、リリーフもやってもらおう。勝ち頭の戸郷にも、先発とリリーフの両方で、勝ち星とセーブを稼ぎまくって、ますますチームを引っ張ってもらおう。エモトも現役時代、まだセーブというシステムがないときから、先発とリリーフで回転していた。残り試合が少なくなり、総力戦となれば、当然の仕事と受け止めていた。しかも、優勝以外は2位も最下位も同じ...といわれた時代と違って、今はクライマックスシリーズがあり、3位と4位では大きな差がある。ここで総力を注ぎ込まずに、いつ、やるの?! (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
69434 0.616
(↓0.006)
-
(-)
27453
(+2)
354
(+3)
61
(-)
62
(+1)
0.249
(-)
2.730
(-)
2
(-)
広島
64504 0.561
(↑0.003)
6
(↑1)
25425
(+5)
417
(+4)
82
(+2)
67
(-)
0.246
(-)
3.180
(-)
3
(-)
DeNA
58553 0.513
(↑0.004)
11.5
(↑1)
27423
(+3)
405
(+2)
81
(+2)
24
(-)
0.249
(-)
3.200
(↑0.01)
4
(-)
巨人
57571 0.500
(↓0.004)
13
(-)
28447
(+4)
432
(+5)
138
(+1)
41
(-)
0.257
(-)
3.600
(↓0.01)
5
(-)
ヤクルト
47663 0.416
(↓0.004)
22.5
(-)
27429
(-)
467
(+3)
98
(-)
55
(-)
0.239
(-)
3.740
(↑0.01)
6
(-)
中日
43693 0.384
(↑0.006)
26
(↑1)
28323
(+3)
410
(-)
51
(+1)
31
(+1)
0.241
(↑0.001)
3.220
(↑0.03)