広島(☆7対6★)ヤクルト =リーグ戦20回戦(2023.08.26)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
20301000061000
広島
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勝利投手:アンダーソン(4勝1敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(3勝7敗13S))
敗戦投手:ピーターズ(6勝4敗0S)

本塁打
【広島】デビッドソン(16号・2回裏ソロ),デビッドソン(17号・5回裏2ラン)

  DAZN
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◆広島は4点ビハインドの4回裏、末包と野間の適時打で4点を挙げ、試合を振り出しに戻す。直後に1点の勝ち越しを許すも、5回にはデビッドソンの2ランが飛び出し、リードを奪った。投げては、3番手以降の4投手が無失点リレーを展開。敗れたヤクルトは、先発・ピーターズが振るわなかった。

◆広島マット・デビッドソン内野手(32)が、本拠地マツダスタジアムでは4試合連続となる16号アーチをかけた。2点を追う2回、先頭でヤクルト先発のピーターズの145キロ直球を捉えて左翼スタンドへ。同球場では12本目の本塁打で「いろいろとタイミングを変えてくるピッチャーなので、とにかく高めに甘く来た球をしっかり捉えられるように準備していた。2ストライクだったし、コンパクトに打つことができました」と、自信にあふれたスイングを見せた。さらに5-6と1点を追う5回1死一塁で、ピーターズの変化球を17号の逆転2ランに。1試合2発は初で、本拠地での強さを見せつけた。

◆ヤクルトは今季5度目の5連敗で借金18、マツダスタジアムで11連敗となった。打線は先制、中押しと奮起したが、先発ピーターズが打ち込まれた。広島デビッドソンに2発を浴びるなど5回9安打7失点でKO。広島との対戦が6度目だったこともあり、中盤以降に攻略された。高津監督は「逆球の真っすぐと変化しなかった変化球で2発やられた。先発なので5回で降りられると大変」と語った。

◆広島が、マット・デビッドソン内野手(32)の初の1試合2アーチでヤクルトに連勝した。2点を追う2回、先頭でヤクルト先発のピーターズの145キロ直球を捉えて左翼スタンドへ。さらに5-6と1点を追った5回1死一塁で、ピーターズのフォークを17号の逆転2ランに。マツダスタジアムでは4戦連発で、1試合2発は初。初めての猛打賞もマークした。本拠地でのアーチは13本目で、デビッドソンがマツダで本塁打をかければ負け知らず。お立ち台に上がったデビッドソンは「マツダスタジアム大好きです。ここでホームランを打てるというのは、本当にいいことだと思う」と笑って真っ赤なスタンドを喜ばせた。その後は首脳陣への感謝を繰り返した。「苦しい時期でもチャンスを与えてくれていた新井監督を始めコーチ陣には、感謝をしてもしきれない。そんな気持ちでいっぱい。何もできていない時期にスタメンの機会を与えてくれたり、ピンチヒッターの機会を与えてくれたりして自分を信頼してくれていた。それに応えようと一生懸命だった」と生真面目な助っ人らしい思いを明かした。新井貴浩監督(46)も「ね。ホームランっていいですね。彼の努力のたまものだと思いますよ。あとは打撃コーチのサポート。彼の野球に対する姿勢というのは、まわりが何とかしてあげたいという。それも日頃の頑張り」と応じた。デビッドソンのひたむきさを首脳陣が受け止め、ペナントレースの終盤での好結果で実らせている。先発の森下暢仁(26)が今季最短の4回5失点で降板。ヤクルトに傾いていた流れを、打撃陣が押し戻した。逆転後は中継ぎ陣が好投のバトンでつなぎ、8回を3人で抑えた島内颯太郎投手(26)は日本人投手で今季のチーム単独1位となる32ホールドをマーク。個人の記録も生まれる中、本拠地でのヤクルト戦は無敗の11連勝となった。▽広島島内(日本人投手でチーム単独1位となる32ホールド)「1試合1試合の積み重ねがここまで来たと思うので。自分ではここまで来ると思ってなかったので、うれしいです」▽広島森下(今季ワーストの5失点で、今季最短4回で降板)「チームが勝ってくれたので、また準備して頑張るだけです」

◆ヤクルトは今季5度目の5連敗で借金18、マツダスタジアムで11連敗となった。打線は先制、中押しと奮起したが、先発ピーターズが打ち込まれた。 広島デビッドソンに2発を浴びるなど5回9安打7失点でKO。ヤクルト村上宗隆が初回に内野ゴロで打点を挙げて通算500打点をマーク。村上はプロ6年目で23歳6カ月。通算500打点は235人目だが、プロ6年目で到達は08年村田(横浜)以来6人目のタイ記録(外国人選手を除く)となり、23歳6カ月は91年清原(西武)の24歳1カ月を抜く最年少記録。

◆ヤクルトが一回に2点を先制した。1死二、三塁で村上宗隆内野手(23)の遊ゴロで1点を先制。なおも2死三塁でドミンゴ・サンタナ外野手(31)が右前適時打を放ち、追加点を挙げた。「先に(村上が)先制してくれたので気持ち的に楽な状態で打席に入りました。追加点を取れて良かったです」広島先発・森下に対し、サンタナは初球外角150キロを捉えて右前へ。9打席ぶりの安打が値千金の適時打となった。

◆広島・黒原拓未投手(23)が試合前練習に参加し、先発する27日の21回戦に向けてキャッチボールなどで汗を流した。「この時期に呼んでいただいてすごくうれしい。気合も入っている。全力で投げていきたい」。前回の1軍登板は6月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、そのときは4回?を6安打5失点でプロ初黒星を喫した。2022年にドラフト1位で入団した左腕が今季3度目の先発チャンスでプロ初勝利を狙う。

◆ヤクルト・高橋奎二投手(26)が試合前に短距離ダッシュなどを行い、先発する27日の広島戦(マツダ)に向けて調整した。今季は15試合に登板して4勝7敗、防御率4・12。思うような成績を残せていないが、5勝目を目指し、マウンドに上がる。「疲れ自体もありますけど、それ以上に結果が出ていないので、何とかしっかり結果を出せればいいと思っています」調整の中で大きな変更はないというが、もう一度制球力を磨くために取り組んできた。シーズンも終盤。なかなか状態が上がってこない中で「もうすぐ終わっちゃうので、何とか今年のこういう結果を受け止めて、しっかり今できることを勉強して、来年につなげていけばいいかなと。今こういう結果になっていますけど、そこでまだ得られることってあると思うので、そこを大事にしながら今投げていますね」と思いを明かした。高校球児にも刺激をもらった。「高校野球が好き」という高橋は、今夏の甲子園大会も随時テレビで観戦。印象に残っている試合は大会1日目の8月6日に行われた仙台育英(宮城)と浦和学院(埼玉)の1回戦だといい「点差は開きましたけど(仙台育英が19―9で勝利)、ああいういいピッチャーの中、浦和学院さんも9点取るという諦めない姿というのは強豪校だなとは感じた」と振り返った。「(高校野球は)結構熱いものを感じるので、別に涙もろくはないですけど、見ていて『いいな』と思いますし、初心に戻れるというか、やっぱり全力でやっている姿は僕自身も好きなので、自分もこうやってやらないといけないなと。再確認ではないですけど、そういった意味を込めて見たりしています」熱い戦いで日本中を盛り上げた高校野球に負けないよう、熱い戦いを見せる。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(30)が三回2死満塁で右前適時打を放った。「前の打席の2人のカバーをしたかったです。タイムリーになって良かった」三回、広島・森下に対し、連続安打と四球で無死満塁の好機をつくったが、村上とサンタナがそろって空振り三振に倒れた。2死満塁で打席に入り、カウント1―1から高め150キロを捉え、右前へ。打球を処理した相手右翼手・末包の悪送球も絡み、走者が全員本塁に生還。5―1と点差を広げた。

◆ヤクルトが5連敗を喫した。三回までに5―1とリードしたが、四回に追いつかれた。五回に同点としたものの六回に再び勝ち越しを許し、そのまま反撃に転じられなかった。これで今季マツダでは未勝利の11連敗となった。試合後の高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――先発ピーターズは広島戦6試合目の登板。攻略された「まぁそうですね。逆球の真っすぐと、変化しなかった変化球というので、一発。(デビッドソンの)その2本が非常に効いたゲームでしたね」――同じ相手に2発食らうのは痛い「ホームランがあるバッターに対して狙ったところにいかなかった、変化しなかったというのは、そういう結果になりがちでしょうね」――打線は組み替えた1、2番が出塁「クリーンアップの前にランナーをためて、ということは昨日はなかなかできなかったので今日に関しては非常にいい1、2番だったと思いますね」――一方で4番村上が打てなかった「ランナーを置いて、前に飛ばしてほしいなというところの、三振はね。もちろん本人もわかっているとは思うんですけど。なんとかしてほしかったなというのはありますね」――中継ぎは六回以降ゼロでつないだ「よく粘れたとは思います」――青木は13試合ぶりのスタメンで2安打と即結果「やっぱりアグレッシブですよ。積極的ですよ。どんどん仕掛けていくし、ちょっと1アウト満塁のところはね、丁寧にいきすぎたかなと思ったんですけど。そういうところはね。みんな見習わなきゃいけない部分かなと思います」

◆広島が今季最多15安打を放ち、競り勝った。5―6と勝ち越された直後の五回にデビッドソンのこの試合2本塁打目となる2ランで逆転した。森下が4回5失点で降板したが、救援陣が奮戦。ピーターズが崩れたヤクルトは5連敗。

◆先発したヤクルトのピーターズ投手(30)は5回9安打7失点で4敗目を喫した。「(コメントは)何もありません」。5―1の四回に4失点して追いつかれると、打線が勝ち越した直後の五回にも2失点で勝ち越しを許し、粘れなかった。「できるだけ長いイニングを投げられるように、自分のベストを尽くすだけ」と臨んだが、白星をつかむ快投とはいかなかった。

◆広島・島内颯太郎投手(26)が今季32ホールド目を挙げ、2009年の横山竜士(現1軍投手コーチ)を抜いて球団のシーズンホールド数ランキングで歴代3位に浮上した。「うれしいですけどあまり意識しないようにしている。最初からこの記録を目指しているわけではない。1試合1試合積み重ねていきたい」7─6の八回に登板し1回を三者凡退に抑えホールドを記録。球団1位は16年のジェイ・ジャクソンの37、2位は09年のマイク・シュルツの35でどちらも射程圏内に捉える。ちなみにNPBの歴代トップは21年の清水昇(ヤクルト)の50となっている。

◆広島は最大4点差をひっくり返し4カード連続の3連戦勝ち越し。5─6の五回にデビッドソンがこの試合2本塁打目となる2ランで逆転すると、六回以降は中継ぎ陣が踏ん張り1点差で逃げ切った。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。──打線が15安打7得点で逆転勝ち「序盤、4点差ありましたけど、まだまだここからいくぞ、と。ベンチはそういう雰囲気でした」──4点を追う四回の攻撃では末包の2点二塁打、野間の2点打で追いついた「各自が粘り強く、後ろの打者へと。私たちカープの持ち味。良かったと思います」──野間が同点2点打を含む猛打賞「頼りになりますね、野間さん。打って良しですね。守って良し、走って良し、(野間)たかよし(峻祥)ですか(笑い)。何も言うことございません。彼はいつも、チャンスで俺に回してくれ、と言っていますから。本当に頼りになる選手」──デビッドソンのこの試合2本目が逆転弾「ずっと彼は頑張っている。ホームランはベンチも助かりますし、これも彼の日頃の努力と打撃コーチのサポートのたまものだと思います」─―アンダーソン、中崎、大道、島内、栗林のリリーフ陣「毎回毎回ブルペンには助けてもらっていますし、今日も本当に助かりました。ナイスピッチングだったと思います」──島内が球団歴代3位の32ホールド「驚きはない。元々彼の投げているボールは素晴らしいものがありましたし、最初から期待していました。彼が自分自身の力で殻を破ってくれたと思います。マウンドでも自信満々じゃないですか。表情にしても所作にしても、自信であふれていますよ。彼と話していても、自信がほとばしっていますね。頼もしい限りです」─―森下は4回6安打5失点で降板「いつもいつも、いい投球ができるわけじゃない。前回は素晴らしいピッチングだったし、そういう日もある。彼ぐらいのレベルになったら、自分を客観的に見て反省して修正できる。次の登板に期待しています」─―駒大の後輩の中日・大島が2000安打を達成「すごい。今は敵チームの監督と選手ですけど大学の後輩としてすごくうれしい。また彼は社会人を経由している。この2000安打というのはすごい。心からおめでとうございます。大学の後輩として、まだまだ頑張ってもらいたい」

◆また、白星をつかめなかった。ヤクルトは逆転負けを喫し、マツダスタジアムでは2016年から17年にかけて記録した球団ワーストに並ぶ11連敗。敵地で今季全敗となる中、「2番・左翼」でスタメンに復帰した青木宣親外野手(41)の活躍が光明だった。「(先発は)結構遠ざかっていたので、とにかく1打席ずつ、状況を考えながらアプローチはしていました」一回に右前打を放つと、三回も強烈な打球を右前に運び、ともに後続の安打で生還。右飛に倒れた九回は、あと少しで本塁打という打球を放った。2安打で健在ぶりを示し、日米通算2700安打(日本1926本、米国774本)とした。高津監督は「やっぱりアグレッシブですよ。積極的ですよ。どんどん仕掛けていくし、そういうところはみんな見習わなきゃいけない部分」と姿勢を高く評価。青木の背中を見て、何とか負の流れを止めたい。(赤尾裕希)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
69414 0.627
(↑0.003)
M21
(↑1)
29449
(+9)
347
(+6)
61
(+2)
60
(-)
0.250
(↑0.001)
2.710
(↓0.03)
2
(-)
広島
63503 0.558
(↑0.004)
7.5
(-)
27413
(+7)
406
(+6)
79
(+2)
66
(-)
0.246
(↑0.002
3.150
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
57543 0.514
(↑0.005)
12.5
(-)
29419
(+2)
401
(-)
79
(-)
23
(+2)
0.250
(-)
3.230
(↑0.03)
4
(-)
巨人
56561 0.500
(↓0.005)
14
(↓1)
30439
(+6)
425
(+9)
135
(+1)
40
(-)
0.257
(-)
3.620
(↓0.05)
5
(-)
ヤクルト
47652 0.420
(↓0.003)
23
(↓1)
29422
(+6)
457
(+7)
97
(-)
55
(-)
0.239
(↑0.001
3.740
(↓0.03)
6
(-)
中日
41693 0.373
(↓0.003)
28
(↓1)
30318
(-)
409
(+2)
50
(-)
30
(-)
0.240
(-)
3.280
(↑0.02)