阪神(☆7対2★)中日 =リーグ戦20回戦(2023.08.23)・京セラドーム大阪=
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中日
01010000021011
阪神
00012103X71102
勝利投手:大竹 耕太郎(9勝1敗0S)
敗戦投手:小笠原 慎之介(6勝9敗0S)

本塁打
【中日】木下 拓哉(3号・4回表ソロ)
【阪神】佐藤 輝明(14号・4回裏ソロ),近本 光司(7号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が4連勝。阪神は1点ビハインドの5回裏、佐藤輝の適時打と木浪の犠飛で2点を奪い、逆転に成功する。続く6回には近本のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・大竹が5回2失点の投球で今季9勝目。敗れた中日は、投打ともに振るわなかった。

◆中日大島洋平外野手(37)がスタメンを3試合ぶりに外れた。大島は通算2000安打まであと2本。前日22日に敗れた阪神戦は延長10回までフル出場し、4打数1安打1四球だった。18日からのヤクルト戦2試合は背中の張りでスタメンを外れていた。

◆阪神木浪聖也内野手(29)のライナー性の打球がフェア判定となり、珍しい形での「センターゴロ」が生まれた。1死一塁の第1打席。左腕小笠原から放った打球は、左中間寄りのセンターへライナーで飛んだ。際どい打球に対して、中堅手の中日岡林はスライディングキャッチ。ノーバウンドのダイレクト捕球したかに見えたが、審判の判定は違った。捕球を確認し、飛び出していた一塁走者坂本も、慌てて帰塁した。岡林は一塁へ送球し、一塁手が坂本へタッチすると、木浪と走者が入れ替わる形となった。珍しい形での中ゴロとなった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が反撃の14号ソロを放った。2点を追う4回の先頭。カウント1ボールから、先発左腕小笠原の125キロチェンジアップを振り抜いた。力強く引っ張った打球は右翼フェンスを越えた。1日中日戦(バンテリンドーム)以来となる、出場18試合、76打席ぶりのアーチとなった。「浮いてきた甘い変化球に対して、しっかりと自分のスイングができました。できるだけ早く追いつけるように、このあとも頑張ります」。さらに5回1死一、三塁から右前適時打を放った。2打席連続の打点を挙げ、2点ビハインドを同点とした。

◆阪神近本光司外野手(28)が中日先発小笠原をマウンドから引きずり下ろす、7号ソロを放った。1点リードの6回先頭。カウント2-0から左腕の143キロ直球を右翼スタンドに放り込んだ。10日巨人戦(東京ドーム)以来のアーチとなった。近本の1発は貴重な追加点となり、小笠原をKOした。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、5回8安打2失点で試合をつくった。2回に先制打を浴び、4回に木下のソロ本塁打で2点目を失点。4回までは毎回走者を出しながらの投球。2つの併殺やノイジーの二塁補殺が生まれるなど、味方の好守にも支えられながら要所を締めた。「自分自身でもボールに力がないのも感じていましたし、この状態のなかでどう抑えていくかを考えながら投げていました。ダブルプレーやノイジーの補殺、本当に守備に助けてもらったおかげでなんとか試合を作ることができました。次はもっと長いイニングを投げたいですし、安心してみてもらえる内容の投球ができるように準備します」。5回に味方が1点を勝ち越し、追加点を狙う場面で代打が送られた。9勝目の権利を持っての降板となった。

◆阪神の新助っ人右腕コルテン・ブルワー投手(30)が今季2戦目のマウンドで来日最速の155キロを計測した。2点を追加し、1点を勝ち越した直後の6回に登板。2死走者なしから木下への初球で計測した。ボールとなったが、球場からはどよめきも起こっていた。この回は3番細川から始まる中軸との対戦だったが、危なげなく3人斬り。ベンチでは岡田監督も笑顔を見せ、拍手を送っていた。

◆中日が逆転負けを喫し、敵地14連敗となり球団ワーストを更新した。これまで敵地での連敗は59年の13が最長で、64年ぶりの更新となった。先発小笠原慎之介投手(25)が佐藤輝、近本に被弾するなど6回途中9安打4失点でKO。打線は阪神先発大竹から2回に村松の適時打で先制、4回には木下がソロを放って2点を専攻したが、その後は勢いをなくした。今季2度目の6連敗の泥沼で、借金も最大35まで膨らんだ95年以来、今季最多の26となった。

◆阪神が中日を逆転で下し、京セラドーム大阪8連勝で球団初の同球場シーズン全勝を達成した。先手を取ったのは、前日22日に続いて中日。2回に1点を先制された。さらに4回、先頭の木下拓哉捕手(31)に3号ソロが飛び出し、差は2点に開いた。阪神は中盤から反撃開始。4回裏に佐藤輝明内野手(24)が右翼へ14号ソロ。1点差に迫り、5回には敵失から好機が生まれた。無死一塁で大山悠輔内野手(28)の打球を処理した先発の小笠原慎之介投手(25)が、二塁へ悪送球。一、二塁ともにセーフとなり、1死一、三塁から佐藤輝が右前へ同点打。なおも1死満塁と好機は続き、木浪聖也内野手(29)が左翼へ犠飛を放って3-2と勝ち越した。6回には先頭の近本光司外野手(28)が7号ソロを放ち、小笠原をKO。終盤は継投で中日の反撃を封じた。2カード連続勝ち越しで、対中日は4年連続勝ち越しとなった。

◆阪神木浪聖也内野手が決勝点をたたき出した。1点を追う5回、佐藤輝の適時打で追いつき、なおも1死満塁で中日小笠原から左翼へ勝ち越し犠飛。「とにかく外野に運ぼうと思っていたので、(大山)悠輔には感謝しています」と力走の三塁走者・大山をねぎらった。前日22日は2安打1打点をマークしながら、遊撃守備で失点につながるエラーにうなだれた。この日は2併殺を成立させるなど、守備でもしっかり貢献した。「昨日はミスしてしまったんですけど、それを倍返しできるように1日1日頑張っていきます」と力を込めた。

◆阪神が中日を逆転で下し4連勝を飾り、京セラドーム大阪8連勝で球団初の同球場シーズン全勝を達成した。貯金は今季最大26で、優勝マジックを24に減らした。2カード連続勝ち越しで、対中日は4年連続勝ち越しとなった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-今日は見事な逆転勝利。ベンチからどうご覧になっていたか「いやいや、ちょっとねえ。今年一番悪かったんじゃないか、大竹がねえ。まあ、でもヒットを打たれながら、まあ2点。まあ、もう1回ぐらいね、行こうかなと思ったんだけど、あそこチャンスだったんでね。まあ、でもいつも7回ぐらい、いいピッチングをしても勝ちがつかいないときもあるし、きょうみたいなこともあるんでね。まあ、大竹に勝ち星がついてよかったですね」-リリーフ陣もよく頑張った。ブルワー投手も見事な投球だったが「いやいや、もう練習の時からねえ...。まだ1回しか、広島の時から投げてないんで...。ブルペンでも、ものすごくいいという報告を受けていたんで、きょうは、とにかく先にブルワーでいこうと、そういう話をしていたんで。ちょうど、いいとこで今日はいけたですね」-打線では佐藤輝。どうご覧になっていたか「いやいや、きょうは小笠原がね、まあ、ねえ。なんかストレートで飛ばしているというかね。だから。まあ、あのぐらいで、まああのホームランで(チームは)勢いがついたですね」-近本の本塁打も大きかった「いやいや、予想してなかったんで、それは大きいですよ。あのホームランも大きいし、8回の追加点も大きいし。はい」-打線の流れをどう感じているか「ずっといじらないで同じ流れっていうか同じ打順で来ているので、その回の役割というか、そういうのもしっかりできているので、ピッチャーのバントにしてもいい流れで流れているので、追加点とか得点も取れると思いますね」-京セラドームでは8戦全勝になった。「いやいや、涼しいんでね。やっぱりいいですね」-ビジターは25日からの巨人3連戦で一区切り。その後に甲子園が待つ。ホームでの戦いについて「でも(甲子園で)2試合やってまた出るでしょ。でもね。まあそれは甲子園帰るのは楽しみですけど、ドームで3つあるので、そこでもうちょっとがんばりますね、はい」-マジックも1つ減って、関西中心に機運も高まっている。ファンへひと言「いやいや、まだまだ試合あるんで、1試合1試合ね、このままいい流れっていうか、いい勝ち方できていると思うんで、これを続けていきたいと思いますね」(ペン囲み)-ブルワーは勝ちパターンでもいけるという手応えは「いや、だから広島はちょっとね、試運転というか、2軍でも1試合しか投げてなかったからね、なかなか投げる機会なかったんでね、どっかでね、やっぱり実戦ていうかね、投げさそうと思ってたんで、今日は何て言うか、右3人しか入れてないんでね、今日は石井より先にね、そういうチャンスがあれば、練習の時にね、ピッチングコーチと今日はブルワーいく言うと話してたからね。報告も良かったからよ。悪かったらそんなんいけへんやろ、あんな勝ってる展開でね、おーん。コントロールもええしね、スライダー、カットもいいからっていうのもあったから」-中軸に対して寄せ付けなかった。これからの起用方法は「それはまだわからんけど、まあいつでもいけるんじゃないそれは、起用方法というかね、勝ちゲームでね」-うまいことリリーフ陣を休ませられる「うーん、まあ休ませられるというか、まあでも5試合でね、今週も次の週もその次もそうだし、試合ない時に休めるから、それは別に気にしてない」-佐藤輝はスタメン復帰してから5試合連続安打、どこがよくなった「いやいや、そんなよくないんちゃう(笑い)。よくないっちゅうか、ちょっと極端な部分もあるな、最後にしてもな。だから、そのへんやけど、いい時にああいう形で出ればな、打席の中でな」-ノイジーも上がってきそうか「どうやろう。分からん。分からんと見てる。5番6番は。まあ、あの辺は打ったら、そらあ大量点になるよ。はっきり言うて」-森下の内容は「森下はあれからよおなったな、昨日のな。3打席目のフォアボールからやわな。ゲームの中で一つのきっかけよな、やっぱりな。そういう打席があったら何かタイミングが合うようになるとかな。そういうのをゲームの中でな、試合出てるわけやから、ゲームの中で覚えていかなあかんわな」-阪神監督3位タイの460勝「いやいや、そんなん計算してないから分からへんよ、全然。まあ1つ1つの積みかさねやからね、それは

◆通算2000安打まであと2本の中日大島洋平外野手は足踏みした。3試合ぶりに先発を外れ、2点を追う7回1死一塁で代打で出て桐敷の前に遊ゴロ。6連敗となり「チームがこういう状態なので、とにかく勝てるように、打てるように頑張ります」と足早に帰りのバスに乗り込んだ。史上55人目の大記録は25日からの地元DeNA3連戦(バンテリンドーム)に先延ばしになった。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、5回8安打2失点と踏ん張ってチームトップの9勝目を挙げた。2回、8番村松に先制打を浴び、4回には5番木下の左越えソロで2点目を許した。4回までは毎回走者を出しながらのヒヤヒヤ投球だったが、「自分自身でもボールに力がないのも感じていた。気持ちでは負けないようにと意識していた」。92キロの超スローボールを投じるなど工夫を凝らし、なんとか白星をつかみ取った。ナインに感謝しきりだ。2回、3回は2つの併殺でピンチを脱出。4回にはノイジーの二塁補殺が生まれるなど、味方の好守にも支えられた。5回に打線が奮起して1点を勝ち越し。大竹自身は追加点を狙う場面で代打が送られたが、白星の権利を得た。試合後も「本当に守備に助けてもらったおかげでなんとか試合をつくることができた」と神妙な表情だ。体調不良による離脱もあったが、自身3連勝で初の2桁勝利にも王手をかけた。今季唯一の黒星は6月10日の日本ハム戦で喫した1敗のみ。セ・リーグ不敗神話は継続中だ。真面目な左腕は「勝敗に関しては僕のコントロールできない部分。次はもっと長いイニングを投げたいですし、安心して見てもらえる内容の投球ができるように準備します」と、次回登板を見据えた。【桝井聡】

◆その名前がコールされると、「おぉー」と球場にどよめきが起きた。阪神新助っ人コルテン・ブルワー投手(30)がホーム初の1軍戦で、あいさつ代わりの「3人斬り」を見せた。「最高だね。あれだけの大声援のなかで投げることは本当気持ちよかったですし。これ以上の経験はないと思うよ」1点を勝ち越した直後の6回に登板。3番から始まる中軸との勝負を任された。先頭細川を三ゴロに打ち取ると、4番宇佐見は「16年ごろから自然と身についた」という勝負球の151キロの高速カットボールで二ゴロ。5番木下の初球では、来日最速となる155キロを計測した。内野ゴロ3つで3者凡退に打ち取り、来日初ホールドを記録。「本当にいい投球ができたと思う。弱いゴロで多く打ちとれている時は調子がいい」と、納得顔で振り返った。4日に来日し、13日に2軍広島戦で来日実戦初登板。1軍戦では15日広島戦(マツダスタジアム)以来、2試合目で勝ちパターンの登板は初めてとなった。岡田監督も「悪かったらそんなんいけへんやろ、あんな勝ってる展開でね。コントロールもええしね、スライダー、カットもいいからっていうのもあったから」と絶賛の内容。「まあ、いつでもいけるんじゃない、それは。起用方法というかね、勝ちゲームでね」と信頼を勝ち取った。家族も来場する中での登板。「来てもらった中で、最初のホールドをあげられた。自分にも家族にとってもいい時間になったよ」。初めてのお立ち台では「ガンバルゼー!」とファームで教わった日本語で、意気込みを語った。盤石のブルペン陣で、新助っ人が存在感を高めた。【波部俊之介】▽阪神大竹(5回8安打2失点と踏ん張ってチームトップの9勝目)「自分自身でもボールに力がないのも感じていた。気持ちでは負けないようにと意識していた」

◆阪神岡田彰布監督の勝利数が通算460勝に達し、球団の監督歴代3位タイに浮上した。1位の藤本定義(514勝)、2位の吉田義男(484勝)に続き、松木謙治郎と並んだ。指揮官は「いやいや、そんなん計算してないから分からへんよ、全然。まあ1つ1つの積みかさねやからね、それは」と話すにとどめた。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が約半世紀ぶりの快挙を成し遂げた。1点を追加された直後の4回無死走者なしで、カリステの打球が三塁手佐藤輝を強襲し、左前へ転がった。カリステは二塁進塁を試みたが、左翼手ノイジーが二塁へワンバウンドのストライク送球でタッチアウト。リプレー検証でも覆らず、これで球団の外国人外野手では69年のカークランド(14補殺)以来、54年ぶりの2桁補殺に到達した。打撃でもみせた。第3打席までは得点圏で回ってきたが、いずれも凡退。7回先頭でも遊飛に倒れ、8回は3点にリードを広げた2死満塁から、6試合連続ヒットとなるダメ押しの2点適時打をマーク。助っ人は「最近自分の仕事ができていなくて、最後の場面でそういうチャンスが来てね、チームに追加点をあげることができたので、そこはよかったところかなと思う」と振り返った。

◆そら涼しいよ-。阪神が4連勝で優勝マジックを「24」とした。佐藤輝明内野手(24)が反撃の14号ソロ&同点タイムリーを放つなど2打点の活躍で勝利に貢献した。これで今季の京セラドーム大阪では8連勝で、球団初の全勝フィニッシュだ。岡田監督は「いやいや、涼しいんでね。やっぱりいいですね」とご満悦だ。岡田監督は中日2連戦を前に今季京セラドーム大阪で負けなしの話題に触れ、「普通にやったら、負けへんなあと思ってるけどな」と発言。さらに「ドームは涼しいしな」と話していた。その言葉どおりに白星を重ねて見せた。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手が好相性の中日小笠原から6試合ぶりにマルチ安打を放った。左腕は東海大相模の3学年先輩。初回2死から直球を中前打にすると、5回の先頭打席でも左前打でチャンスメークした。これで、小笠原との対戦成績は驚異の打率8割。好投手からマルチ安打に「データを頭に入れていたので、うまく対応できていました」と手応えをつかんでいた。

◆阪神近本光司外野手が中押しの7号ソロを放った。3-2で迎えた6回、先頭で中日小笠原のストレートを捉えた。「(2ボールと)カウント的に有利だったので、なんとか出たいなと思ったんで。まっすぐをしっかり振りに行った感じです」。10日巨人戦以来11試合ぶりの1発で、リードを2点に広げた。8回2死からも四球を選び、そこからダメ押しの3点につなげた。夏休み終盤で、スタンドに大勢の子どもたちが詰めかけた中で「チームが勝てばいいので」と攻守に躍動した。

◆中日が2試合連続の逆転負けで敵地14連敗となり、64年ぶりに球団ワーストを更新した。これまでは59年の13連敗だった。先発小笠原慎之介投手(25)が粘れなかった。2-1の5回無死一塁。大山を投手へのゴロに打ち取ったが、二塁へ悪送球して一転ピンチに。佐藤輝に適時打、木浪に犠飛を浴びて2点を失い、逆転された。6回は先頭近本にソロを浴びてKOされた。立浪和義監督(54)は「ミスからこういう結果になった。あそこで我慢していれば、追加点も入る可能性もあった。小笠原が一番反省している」と左腕に奮起を促した。打線は2回に4安打を集めながら1点にとどまり、4回に木下に3号ソロが出た後は、阪神の継投の前に勢いが止まった。指揮官は「点が取れるようなオーダーではないが、(追い)越されると淡泊になる。この1球を仕留める、見極めることをチームでやっていかないと、ずっと同じような結果になる」とがっくり。左翼の応援団席からは「気合を入れろ」のコールも飛び、「当たり前のように(試合を)消化しているようでは、プロの集団として情けない。しっかり受け止めてほしい」と選手たちが真摯(しんし)に受け止めることを望んだ。今季2度目の6連敗で、借金は最大35まで膨らんだ95年以来、今季最多の26となった。【伊東大介】

◆前日のサヨナラ打のヒーロー阪神大山悠輔内野手が、安打と四球で連日勝利に貢献した。17日広島戦から6試合連続で安打を放ち、19日DeNA戦から4試合連続マルチ安打。4-2の8回2死満塁では押し出しの四球を選び、リードを3点に広げた。冷静な選球も光り、「勝ってよかったです。これからも1つ1つ全員で戦って」とチーム一丸を強調した。

◆疑惑の判定が生まれた。2回の1死一塁。阪神木浪聖也内野手が左中間寄りに放ったセンターライナーを、中堅手の中日岡林はスライディングで好捕。ノーバウンドでダイレクト捕球したかに見えた。飛び出していた一塁走者坂本も捕球を確認し、慌てて帰塁。岡林も一塁へ送球した。しかし審判はダイレクト捕球と見なさず、すでに塁上に達した坂本に一塁手がタッチすると、アウトの判定。走者が入れ替わる形での「中ゴロ」となった。

◆逆転の虎や! 阪神が4連勝を飾り、優勝へのマジックを「24」とした。佐藤輝明内野手(24)が反撃の14号ソロ&同点タイムリーを放つなど2打点の活躍で勝利に貢献した。今季の逆転勝ちは両リーグ最多の27度目。これで今季の京セラドーム大阪では8連勝で、球団初の全勝フィニッシュ。中日戦の4年連続勝ち越しも決めた。劣勢の中、佐藤輝が一振りで空気を一変させた。2点ビハインドの4回、カウント1-0から中日小笠原の125キロチェンジアップを強振。打球はぐんぐん伸び、右翼席下段の看板に直撃した。「浮いてきた甘い変化球に対して、しっかりと自分のスイングができた。まずは1点という形でホームランが出てよかった」1日中日戦で放った13号3ラン以来、出場18試合76打席ぶりの本塁打。ビハインドの展開も吹き飛ばす一打に、超満員のファンも歓喜に沸いた。勝ち越し劇も佐藤輝が口火を切った。1点を追う5回1死一、三塁で今度は左腕の直球を捉え、同点の右前適時打。一塁上で手をたたいて闘志をむき出しにした。これで5試合連続安打。今季、京セラドーム大阪では打率3割1分。直後に木浪が犠飛で勝ち越しに成功し、徐々に小笠原をのみ込んだ。16日広島戦(マツダスタジアム)から2試合連続でスタメンを外れ、小野寺に三塁を明け渡していた。練習前から早出特打で打ち込み、打撃修正に励む日々。「バッティングが良くなるように、頑張ります」。この日、自らも待ち望んだ1発をかみしめながらダイヤモンドを1周。「(復調の理由は)わからないですけど...打ちたい気持ちが結果に結びついた」と久しぶりの好感触に笑顔だった。岡田監督も「あのホームランで(チームは)勢いがついた」と言いつつ「そんなよくないんちゃう(笑い)。よくないっちゅうか、ちょっと極端な部分もあるな」と打席内容にさらなる期待を込めた。チームは12球団最多の今季27度目の逆転勝ち。京セラドーム大阪8連勝で球団初の全勝フィニッシュだ。4年連続で中日に勝ち越しも決め、貯金も今季最大の26。2カード連続勝ち越しで優勝マジックも「24」と自力で減らした。「一番打ちたいのはホームラン。また打ちたい」。背番号8が残り試合でも打ちまくる。【三宅ひとみ】

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は森下翔太外野手(23)が「3番・右翼」で3試合連続の先発出場。22日の同戦では20打席ぶりの安打を同点打で飾った。東海大相模高の先輩でもある中日先発・小笠原とは1日に対戦(バンテリンドーム)し、3打数2安打1打点。快音を取り戻したルーキーが今季5度目の4連勝に貢献し、優勝へのマジック「25」を減らす。2000安打まで残り2本としている中日・大島洋平外野手(37)はベンチスタートとなった。

◆阪神が不運な形で好機を作れなかった。0-1の二回、先頭の佐藤輝は右翼・細川がフェンスに激突しながら白球をつかむ好プレーに阻まれて右飛。続く坂本は死球で1死一塁とした。打席には木浪。小笠原の3球目、148キロをはじき返すと、鋭い打球が左中間を襲う。中堅・岡林がスライディングキャッチ。ハーフウェイから慌てて一塁へと戻った坂本だったが、塁審は両手を広げて、ワンバウンドを宣告した。一塁へと白球が戻り、坂本はタッチアウト。記録上は木浪の中ゴロとなった。この回はツキにも恵まれなかった。

◆阪神、シェルドン・ノイジー外野手(28)が2打席連続の好機で凡退した。一回は2死から3番・森下、4番・大山の連打で一、二塁の好機を作るも、小笠原の148キロ直球に詰まらされて中飛。三回も2死から森下が死球、大山が左前打でつなぎ、一、二塁の好機でまたもノイジーに打席が巡ってきたが、147キロ直球に一飛に倒れた。直後の四回に大竹耕太郎投手(28)が先頭の木下に3号ソロを被弾。ノイジーの頭上を越える一発だった。続くカリステの左前打では二塁を狙ったカリステを強肩でタッチアウトに仕留めるなど守備で魅せたノイジーだが、2点差と重苦しい展開が続いている。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が0-2の四回に14号ソロを放った。カウント1-0から小笠原の125キロチェンジアップを一閃。打った瞬間、スタンドインを確信した打球は弾丸ライナーで右翼席へと突き刺さった。佐藤輝は1日の中日戦'(バンテリンドーム)以来、出場18試合ぶりの一発。重苦しい展開をぶち破り、反撃ののろしをあげた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が同点の右前適時打を放った。1-2で迎えた五回。先頭の森下が左前打を放つと、大山の投ゴロを、小笠原が二塁へ悪送球。ノイジーの右飛で1死一、三塁とし、佐藤輝が打席に向かった。フッと息を吐いて構え、4球目。小笠原の148キロ直球を捉え、一、二塁間を破る右前打。四回には14号ソロを放って反撃ののろしをあげた大砲が再びバットでチームを鼓舞した。阪神は続く坂本が左前打を放って1死満塁。木浪がしっかりと左犠飛を放って3ー2と逆転した。

◆先発した阪神・大竹耕太郎投手(28)は5回8安打2失点だった。序盤から安打を重ねられたが、粘った。二回は無死一、二塁のピンチで鵜飼を遊ゴロ併殺に抑えたが、続く村松に左前適時打を浴びて先制を許す。続く投手の小笠原に安打を許したが、2死一、三塁で岡林を空振り三振。四回は先頭の木下に左翼へソロ本塁打を浴びて2点差とされたが、打線が四回に佐藤輝のソロ本塁打で、五回に佐藤輝の適時打と木浪の犠飛で逆転した。大竹はこの回代打を送られて降板。8安打を浴びながらなんとか2失点で投げ、勝利投手の権利を得た。

◆阪神・近本光司外野手(28)が3-2で迎えた六回先頭で右翼席へ7号ソロを放った。カウント2-0から小笠原の143キロ直球を振り切った。高々と舞い上がった白球は虎党の待つ右翼席へ。8月10日の巨人戦(東京ドーム)以来の7号で、小笠原をノックアウトした。中日は2番手で藤嶋がマウンドへ。次打者・中野は中飛に倒れた。中野はこれで自己ワーストの25打席連続無安打となった。

◆3試合ぶりにベンチスタートとなった大島洋平外野手(37)は七回2死一塁で投手・藤嶋の代打で打席に立ち、遊ゴロに倒れた。プロ野球史上55人目の通算2000本安打まで「2」。25日からはDeNAとの3連戦(バンテリン)が控え、本拠地のファンの前での偉業達成の可能性が大きく広がった。

◆与えられたチャンスを生かし、ここぞとばかりにアピールした。「8番・二塁」で先発した中日のD2位・村松開人内野手(22)=明大=が気合の先制打だ。0―0の二回、一、二塁から鵜飼が遊ゴロ併殺打に倒れた直後の2死三塁。大竹の投じた140キロ内角直球を逆方向に打ち返し、左前適時打とした。「好投手からまずは先制することができてよかったです」22日の阪神戦(京セラ)で二回無死満塁から二ゴロで先制点をあげたのに続き、2試合連続で打点をマーク。着実に仕事をこなしている。プロ入りした今季は試合前まで83試合に出場し、打率・202(233打数47安打)。プロの投手の投げる球に対応するのに必死の日々だ。昨オフに楽天に移籍した大学の先輩で、尊敬する阿部の背番号「5」を引き継いだ。昨年まで攻守にチームの中心として引っ張った阿部の後釜が務まるのか-。竜党からそんな心配の声も聞こえてきた。それでも村松は「心配されているのも期待の表れ。そういった言葉も自分の中では原動力やエネルギーに変わる」と発奮材料にしている。遊撃定着を狙うのならば3年目の龍空と、二塁定着を狙うのならば同期入団のD7位・福永(日本新薬)とポジションを争うことになる。「自分はどちらかといえばチャンスメークする方と思っている」というルーキー。この日のように走者をかえす働きもみせられれば、定位置奪取のチャンスは大きく広がる。(上阪正人)

◆阪神が逆転勝ち。0-2の四回に佐藤輝が14号ソロを放って反撃ののろしをあげると、五回に再び佐藤輝が右前適時打を放って同点。木浪の犠飛で勝ち越した。六回には近本がソロを放って突き放した。先発の大竹は5回8安打2失点の粘投で、チームトップの9勝目(1敗)をマーク。ブルワー、石井、桐敷、岩貞、及川の継投で逃げ切った。阪神は今季の中日戦の対戦成績を13勝7敗とし、4年連続の勝ち越しが決定。優勝マジックは「24」となり、今季5度目の4連勝で、岡田監督は松木謙治郎氏に並び、球団歴代3位の阪神監督通算460勝を飾った。

◆阪神が1997年開場の京セラで8戦8勝を記録し、球団初のシーズン全勝を達成した。四回に出場18試合&76打席ぶりの本塁打を放った佐藤輝明内野手(24)が五回に右前へ同点打。さらに木浪聖也内野手(29)の犠飛で勝ち越した。六回には近本光司外野手(28)が7号ソロ、八回には3点を加えた。5回2失点の大竹耕太郎投手(28)が3連勝で9勝目(1敗)。優勝マジックは1減の「24」。中日戦は4年連続勝ち越し。4連勝で球団歴代3位に並ぶ460勝(348敗22分=1位は藤本定義の514勝)とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=67勝41敗4分、観衆=3万6082人)。★テレビインタビュー編ーー見事な逆転勝利「今年一番悪かったんじゃないか、大竹がね。いつも七回ぐらい、いいピッチングをしても勝ちがつかいない時もあるし、今日みたいなこともあるんでね。大竹に勝ち星がついてよかったですね」――打線の流れをどう感じているか「ずっとイジらないで同じ打順で来ているので、その回の役割というか、しっかりできているので、ピッチャーのバントにしてもいい流れで流れているので、追加点とか得点も取れると思いますね」ーー京セラドームでは8戦全勝になった「涼しいんでね。やっぱりいいですね」★囲み編ーーブルワーへの手応えは「だから広島はちょっと試運転というか、2軍でも1試合しか投げてなかったからね、なかなか投げる機会なかったんで、どっかで投げさそうと思ってた。今日は何て言うか、右3人(ブルワー、石井、岡留で加治屋はベンチ外)しか入れてないんでね、石井より先にチャンスがあれば、練習の時にピッチングコーチとブルワー行くと話してたからね。報告も良かったからよ。悪かったらそんなん行けへんやろ、勝ってる展開で。コントロールもエエしね、スライダー、カットもいいからっていうのもあったから」ーーこれからの起用方法は「わからんけど、まあいつでも行けるんじゃない? 起用方法というか勝ちゲームで」ーーリリーフ陣を休ませることができる「休ませるというか、5試合でね、今週も次の週もその次もそうだし、試合ない時に休めるから、それは別に気にしてない」ーー佐藤輝はスタメン復帰後5試合連続安打、どこがよくなった「そんなよくないんちゃう(笑い)。よくないっちゅうか、ちょっと極端な部分もあるな。最後(八回2死一、三塁で空振り三振)にしてもな。だから、そのへんやけど、いい時にああいう形で出ればな、打席の中でな」ーーノイジーも上がってきそうか「どうやろう。分からん。分からんと見てる。5番、6番は。あの辺は打ったら大量点になるよ。はっきり言うて」ーー森下の内容は「森下はアレからよおなったな、昨日の3打席目のフォアボールからやわな。ゲームの中で一つのきっかけよな。そういう打席があったら何かタイミングが合うようになるとかな。そういうのをゲームの中で。試合出てるわけやから、ゲームの中で覚えて行かなアカンわな」ーー3位タイの460勝「いやいや、そんなん計算してないから分からへんよ、全然。まあ一つ一つの積み重ねやからね、それは」

◆先発の阪神・大竹は五回の攻撃で代打が送られて降板したが、チームは勝ち越しに成功。5回2失点でチーム単独トップの9勝目を挙げた。四回に木下に一発を浴び「置きにいくような感じで投げてしまった」と反省も、再三のピンチをしのぎ「悪い時でもどうにか試合を作っていくことが大事。野手に助けられた部分も大きい」と感謝。岡田監督は「今年一番悪かったんじゃないか。でもヒットを打たれながら2点。勝ち星がついてよかった」と目を細めた。

◆スタンドインを確信し、バットを振り上げたままゆっくりと歩き出した。ヒットだけでなく、近本には一発がある。7号ソロでリードを広げ、勝利に貢献した。「カウント的に有利だったので何とか(塁に)出たいなというのはあった。2ボールだったから、真っすぐをしっかり振りにいこうと思っていた」1点リードの六回に先頭で打席に立ち、小笠原の変化球を冷静に見極める。そして3球目の高めの直球を狙い澄ましたかのようにフルスイングし、右翼席に運んだ。「試合の展開的にもいい追加点が取れてよかった」。10日の巨人戦(東京ドーム)以来、11試合ぶりの一発を記録した。今季48打点目で、31試合を残して2021年にマークした自己最多の50まであと2とした。得点圏打率・398(83打数33安打)の勝負強さを見せ、走者がいなければ出塁もできて長打も打てる頼もしい男。岡田監督は「予想してなかったんで、大きいですよ」とえびす顔だ。八回には2死から四球を選んで出塁し、そこから打線がつながって3点を追加した。「自分が打たなくても1点入ればいいし、チームが勝てばいいと思っているので」最優先はチームの勝利。どんな形でも貢献し、試合の最後にみんなで笑えればそれでいい。(織原祥平)

◆阪神・中野が八回2死一塁で26打席ぶりの安打(中前打)を放った。「(安打が)出る出ないで次の戦いに向けても、自分の気持ちとしても違う。出てよかった」。8月は5戦連続マルチ安打などで打率を一時3割に乗せたが、ここ4戦は快音を残せず。自己ワーストの25打席連続無安打に考え込む時間もあったが「来た球を打つくらいでいこう」というシンプルな意識が功を奏し「ここからもっと大事な試合が続いていく。それに合わせて上げていければ」と最終盤の活躍を誓った。

◆阪神・木浪の一打が試合の決まり手だ。狙いすました打撃で、勝ち越しの犠飛を左翼に放った。「ゴロを打ちたくなかったので、とにかく外野に持っていこうと。(大山)悠輔がしっかり走ってくれてああいう形になりました」佐藤輝の同点適時打に球場が沸いた五回、続く坂本もつないで1死満塁で打席へ。高めのツーシームにバットを合わせ、三走の大山を迎え入れて役割を果たした。遊撃の守備でも三回に難しいバウンドを処理して遊ゴロ併殺を完成。先発の大竹を助け、一時逆転につながった22日の失策を取り返した。「きょうは特に守備はすごく意識していた。やってしまったのでやり返す意識は強かったですし、投手を助けられてよかった」。プレーで借りを返し、4連勝に貢献した。(邨田直人)

◆優勝マジックを順調に減らしている岡田監督も考えていなかった〝新たな勲章〟だ。阪神監督として、通算460勝となり、松木謙治郎に並ぶ歴代3位となった。「いやいや、そんなん計算してないから分からへんよ。全然。まあ一つ一つの積み重ねやからね、それは」通算6年目のシーズン。前回2004年からの5年間で80勝以上が3度。今季もここまで白星は67。残り31試合で80勝を大きく上回るのは確実だが、それよりも18年ぶりの〝アレ〟へ、確かな手応えをつかんだことのほうが収穫だった。来日2試合目の登板だった新外国人ブルワーが、勝ちパターンの中継ぎで使えると確信できた。先発した大竹が5回2失点で投げ終わったところであっさり代打を送った。1点リードの六回にはブルワーを指名した。細川を三ゴロ、宇佐見をニゴロ、最後の木下は投ゴロで3人斬り。直球は来日最速となる155キロを計測。変化球でも翻弄した。指揮官は「まだわからんけど、まあいつでもいけるんじゃない。起用方法というかね、勝ちゲームでね」と飛びっきりの笑顔でうなずいた。この日は加治屋をベンチ入りメンバーから外し、「右を3人しか入れてなかった」。ブルワーだけでない。七回以降に登板した石井、桐敷、岩貞、及川も無失点リレーでアピール。打線の援護もあって守護神の岩崎を温存できた。「9月は本当の勝負。だからリリーフ陣はできる限り無理はさせたくない」と話していただけに笑いが止まらない。

◆試合中は負けていた仙台育英ナインに笑顔があって、試合が終わると勝った慶応ナインも涙を流していた。心の底から野球を楽しむ両校がぶつかった決勝戦という感じで、虎ソナの心の中にも爽やかな風が吹き抜けた感じがした。酷暑の中の戦い、クーリングタイムや球児の髪形なども話題となり、見どころに満ちた夏だった。毎年、この日は「終わってしまったなぁ...」というとんでもない寂しさに襲われる。さあ、何とか気持ちを切り替えて阪神のナイター中継にチャンネルを合わせるか...と思っていると、文化報道部長の大澤謙一郎が、戦いを終えた球児のようにすがすがしい表情で編集局へ引き揚げてきた。生涯学習のNPO法人「新いちょう大学校」の夏休み特別講座に招かれ、会社からほど近い大阪市浪速区のOCATビル内で、知的関心に満ちた約30人の方々を前に講演したという。テーマは「阪神タイガースの現状」だったが、この時期だけに詰めかけた皆さんのご興味も当然「阪神はアレできる?」という一点だった。大澤は「99・9999%優勝です」と力強く言い切り、さらに続けた。「最大13ゲーム差をひっくり返された2008年の世紀のV逸の当時、僕は虎番キャップでしたが、あのときは巨人が強かった。ことしはそんなチームはありません!」昨年6月以来の登壇だったが、ご存じの通りそのときのタイガースは低迷していて「阪神は一体どうなっているんだ!?」というお題になってしまったらしい。さすがの大澤も「しゃべることがなかった...」と困り果てた苦い記憶が残っているが、わずか1年後に真逆の状況になった。話したいことがあふれ過ぎて、くだけた話から、さらにくだけた話まで〝クーリングタイム〟(普通の休憩)を挟んで約2時間にわたってしゃべりまくったらしい。「阪神のことだから100%とは言い切れんかった...」とヨケイなひと言も付け加えていたが、代わりに虎ソナが断言しよう。大丈夫。100%、アレ間違いなしだ!

◆強い京セラでまた、勝った~!! 京セラで8戦全勝って、スゴすぎるわ!! てか、中日は本日の敗戦でビジター14連敗の球団ワースト記録だってんだから...。高校野球に甲子園を受け渡したかつての『死のロード』が中日に乗り移ったんじゃないの? とオレがつぶやいたその時、わが次男、虎太郎(とらたろう)が絶叫した!!「ど、どうした?」「京セラを味方につけたってことは...。パ・リーグはおそらく日本シリーズにオリックスが出てくるだろうし...。となると戦いの場は...」「京セラ!! やんかー!! 阪神日本一のアレ決定バンザーイ!! バンザーイ!!」の夜だったのだ。しかし、阪神は掛け値なしに強し!! 何が強いって...。戦っていないもの!! 五回に大山の投ゴロゲッツーと思ったら悪送球で、そこから逆転。佐藤輝にも一発を打たせてくれるわ♪ KO! KO! 中日が勝手にKO!(慶応高に便乗しちゃいました) 無言の圧力、これぞ強さの証しなのだ!!

◆佐藤輝は、四回に難しい高めのチェンジアップをホームランにし、五回は低めの真っすぐをしっかりと振り切ってヒットにした。この2打席を見れば80~85点はあげられる。100点満点ではないのは八回の最後の打席の空振り三振。ボール球の変化球の見極めができればよかった。投手目線では一発が怖いから、追い込んでからは変化球を投げたくなる。ホームランと天秤にかければ「四球でもいいんだ」とボールゾーンに投げていく。佐藤輝が打率を上げようとするならば、改めてだが、そのゾーンを見極められるかどうかだ。ただ、三振した表情は非常に悔しそうだった。本来、ホームランを含む2安打2打点なら御の字の結果。それでもあの表情を見せるのは、佐藤輝が〝凡人〟ではないということだ。良いところは良いと認め、悪いところは反省をすればいい。143試合は、その繰り返し。試合を通してこの日のスイングはよかった。いい感覚を忘れないようにしてくれたら、またノってくると思う。週末の巨人戦でも頑張ってもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆大山は1、2打席目に快音を響かせ、4試合連続の複数安打をマーク。4―2の八回2死満塁では押し出し四球で打点ももぎ取り「チーム一丸となって勝てたのでよかった」と喜んだ。22日にはサヨナラ打を放ち、存在感たっぷり。G倒に向けて「明日(24日)一日あくので、いい時間にしたいですし、一つ一つ全員で戦っていきたい」と意気込んだ。

◆森下がつなぎの3番として貢献した。五回の先頭で左前打を放ち、佐藤輝の適時打で生還。八回には2死一、二塁で四球を選び、ノイジーの適時打でホームを踏んだ。「大山さんの状態がいい中で、なんとか大山さんにつなごうと思った結果がいい方に向いた」。一回の中前打、三回の死球と合わせ4出塁。東海大相模高の先輩である小笠原との対戦成績を5打数4安打とし「うまく対応できた」と胸を張った。

◆新助っ人のブルワー(前ヤンキース3A)が1点リードの六回のマウンドに上がった。本拠地初登板は最速155キロで1回無安打無失点。「弱いゴロ3つ打たせて、素早くアウトが取れたのは本当にいい投球ができた」と胸を張った。来日2度目の登板で初ホールドをマークした助っ人は、初めてのお立ち台へ。虎党に向かって、日本語で「ガンバルゼ!」と宣言した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
67414 0.620
(↑0.003)
M24
(↑1)
31432
(+7)
340
(+2)
57
(+2)
58
(-)
0.249
(↑0.001
2.710
(-)
2
(-)
広島
61493 0.555
(↑0.005)
7
(-)
30401
(+5)
394
(+2)
76
(-)
65
(+1)
0.245
(-)
3.130
(↑0.01)
3
(1↑)
巨人
55541 0.505
(↑0.005)
12.5
(-)
33427
(+4)
405
(+3)
132
(-)
39
(+1)
0.258
(-)
3.540
(↑0.01)
4
(1↓)
DeNA
54543 0.500
(↓0.005)
13
(↓1)
32396
(+2)
398
(+5)
78
(+1)
21
(-)
0.247
(↓0.001)
3.300
(-)
5
(-)
ヤクルト
47622 0.431
(↓0.004)
20.5
(↓1)
32410
(+3)
441
(+4)
96
(+1)
55
(-)
0.238
(-)
3.690
(↑0.02)
6
(-)
中日
41673 0.380
(↓0.003)
26
(↓1)
32316
(+2)
389
(+7)
50
(+1)
30
(-)
0.241
(↑0.001
3.180
(↓0.02)