DeNA(★2対6☆)阪神 =リーグ戦19回戦(2023.08.19)・横浜スタジアム=
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阪神
00000212161301
DeNA
1000001002900
勝利投手:青柳 晃洋(5勝4敗0S)
敗戦投手:上茶谷 大河(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(14号・9回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う6回表、小野寺の適時打と大山の犠飛で2点を挙げ、逆転に成功する。その後は、7回に近本が適時打を放つと、8回には坂本と小幡の連続適時打でリードを広げた。投げては、先発・青柳が5回1失点で今季5勝目。敗れたDeNAは救援陣が振るわず、打線もつながりを欠いた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が前日18日の9回猛抗議から一夜明け、球場入りした。黒いサングラスをかけてバスから降りた指揮官。報道陣から猛抗議の要因となった二盗リクエスト判定について質問が飛ぶと、「しらんがな」と一言だけ言い残してグラウンドに向かった。前日18日のDeNA戦では1点を追う9回1死一塁。代走熊谷が二盗を仕掛け、間一髪のタイミングがリクエスト判定の末にセーフからアウトに覆った。その際、ワンバウンド送球を捕球した京田が左足で二塁ベースをブロックし、熊谷のベースタッチを防ぐような形となっていた。敷田責任審判は「セカンドベースのところで、走者と野手が接触していますが、妨害とはいたしません。よってアウトです」と場内マイクで説明。納得できない岡田監督はその後、約5分間にわたって猛抗議していた。審判陣に判定についての説明を求めたが、最後はしぶい表情でベンチに引き下がっていた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が9回に約5分間の猛抗議を行った一夜明け。2連敗中のチームは打線を組み替えた。12打席連続無安打の森下翔太外野手(23)をスタメンから外し、代わって「3番右翼」に小野寺暖外野手(25)を入れた。4番大山悠輔内野手(28)、5番シェルドン・ノイジー外野手(28)、6番佐藤輝明内野手(24)の布陣で今季対戦成績2勝1敗のDeNA先発石田撃ちに臨む。先発は今季4勝すべてをDeNA戦で挙げている"ベイキラー"青柳晃洋投手(29)が務め、5勝目を狙う。 阪神の優勝マジックは「28」。アレへ向けて順調に数字を減らせるか。阪神が負け、2位広島が勝つか引き分けた場合はマジックが消滅する。

◆阪神ファンが、DeNA京田陽太内野手(29)と今試合で二塁塁審を務める敷田審判員にブーイングを浴びせた。試合前のスタメン発表時、京田の名前が呼ばれたタイミングと敷田審判員の名前が呼ばれた際に「ブー」と左翼スタンドを中心に声が飛んだ。前日18日の9回、二塁での阪神走者熊谷と遊撃京田のクロスプレーに関して、岡田彰布監督(65)が約5分にわたる猛抗議をした。責任審判を務めていた敷田審判員が対応し、試合後の取材にも対応していた。この日の試合前、メンバー交換の際には、岡田監督は審判団と握手することなく、いたずらっぽく笑みを浮かべるシーンもあった。試合後、岡田監督は「いや、だからもう、球団の方から連盟に連絡して、もうあとは任せてあるから。まだ返事とか来てないらしいけどな。何かの回答はあるやろ。それは任せてあるから、別にお前」とコメント。球団はこの日午後、日本野球機構(NPB)に意見書を提出しており、一任する意向を示した。

◆阪神ファンが、DeNA京田陽太内野手(29)と今試合で二塁塁審を務める敷田審判員にブーイングを浴びせた。試合前のスタメン発表時、京田の名前が呼ばれたタイミングと敷田審判員の名前が呼ばれた際に「ブー」と左翼スタンドを中心に声が飛んだ。前日18日の9回、二塁での阪神走者熊谷と遊撃京田のクロスプレーに関して、岡田彰布監督(65)が約5分にわたる猛抗議をした。責任審判を務めていた敷田審判員が対応し、試合後の取材にも対応していた。この日の試合前、メンバー交換の際には、岡田監督は審判団と握手することなく、いたずらっぽく笑みを浮かべるシーンもあった。

◆阪神近本光司外野手(28)に、ヒヤリとするシーンがあった。初回3ボール1ストライク。DeNA左腕石田の145キロ直球が、右脇腹付近に直撃する死球を受けた。7月2日巨人戦で高梨から死球を受け、右肋骨(ろっこつ)骨折につながった箇所と似たようなところにボールが当たった。すぐさま一塁へ走り出すと、一塁コーチャーの筒井外野守備走塁コーチが、三塁側ベンチへOKサインを出した。トレーナーが駆け寄ることもなく、問題なさそうにプレー続行。近本はこれで24試合連続出塁となった。

◆"日本一長い始球式"が戻ってきた。タレントの柳沢慎吾(61)がセレモニアルピッチに登場。開催中の「横濱漢祭(よこはまおとこまつり)」のスペシャルゲストとして、4年ぶり7回目の登板となった。15年の登板時と同じく、自ら脚本、演出、主演。夏の甲子園決勝、横浜対PL学園、3-2で横浜1点リードの9回裏2死二、三塁から舞台は始まった。PL学園の打者役は知野、横浜の捕手は山本が務めた。柳沢は横浜の投手役としてマウンドへ。同時にPL学園のチアや応援団の役も務め、マウンド後方でボードを取り出し盛り上げた。優勝まで、あと1人の場面。ここで柳沢がDeNAベンチに座る三浦監督に言葉をかけると、三浦監督は打者を申告敬遠。満塁となる。さらに、センター後方バックスクリーンの映像が切り替わり、DeNA石川の姿が映った。横浜高出身の石川が自校紹介。甲子園中継でおなじみの映像を仕込んでいた。柳沢は、まだ投げない。タイムをかけると、ベンチからその石川が伝令役で登場。水分補給用にクリームソーダー、さらにスイカを持って現れた。水分をとって、ようやく投球。知野を空振り三振に仕留め、横浜が優勝だ。知野、山本、石川とともにホーム付近で整列して、同校の校歌を歌う。その後、マウンドに1人で戻った柳沢は「いい夢、見ろよ。あばよ!」と、決めぜりふで締めた。5分以内に収めるよう言われていたというが、マウンドに上がってから全てを終えるまで9分ほど。間違いなく「日本一長い始球式」だった。ちなみに、阪神ベンチにはPL学園OBの今岡コーチが座っていた。大役を終えた柳沢は「本当に楽しかったですね。4年ぶりに帰ってきて横浜DeNAベイスターズのファンの皆さんや阪神タイガースのファンの皆さんからも大きな拍手をいただきました。出るタイミングが少し遅かったなど、試合が終わったら反省会をします。でもいいものを見せられたと思いますので、これからも横浜DeNAベイスターズの皆さん、頑張ってください!」と話した。

◆阪神ファンがDeNA京田陽太内野手(29)の打席でブーイングした。2回先頭、京田が打席に入ると、「ブー」と浴びせた。二ゴロに倒れると、今度は歓声が響いた。前日18日の9回、二塁での阪神走者熊谷と遊撃京田のクロスプレーに関して、岡田彰布監督(65)が約5分にわたる猛抗議をしていた。

◆阪神岡田彰布監督(65)の起用が、ズバリと的中した。1点ビハインドの6回1死二塁。この日、ルーキー森下に代わり3番右翼に抜てきした小野寺暖外野手(25)が、右越え適時三塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。さらに1死三塁から4番大山悠輔内野手(28)が中犠飛を放ち勝ち越しに成功。オフには自主トレもともにする師弟コンビが試合をひっくり返した。

◆阪神青柳晃洋投手(29)にアクシデントがあった。1点リードをもらった直後の6回裏。投球練習中に何かしらの違和感を訴え、1度自らベンチに下がった。「治療中のためしばらくお待ちください」とアナウンスが流れ、しばらくすると再びマウンドへ。投球練習で1球投げたところで、再びベンチに下がり、桐敷拓馬投手(24)への交代が告げられた。右太もも付近を気にするシーンもあった。5回89球、6安打、3奪三振、1失点。勝ち投手の権利を持って降板した。青柳はベンチ裏に下がったが、その後はベンチに戻り、2番手桐敷に声援を送った。その後、球団を通じて「ランナーを出しても守備に助けてもらいながら粘り強く投げることができました。アクシデントで降板することになってしまい、桐敷や中継ぎのみんなに負担をかけてしまい申し訳ないです」とコメントした。

◆阪神桐敷拓馬投手(24)が、スクランブル登板にも動じなかった。先発阪神青柳晃洋投手(29)が、6回の投球練習中に何かしらの違和感を訴え降板。急きょ2番手としてマウンドに上がり、4番牧から始まるDeNA打線を3者凡退無失点に封じた。登板後は三塁ベンチ前の青柳に迎えられるシーンもあった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)の"秘打"がさく裂した。1点リードの8回1死一塁。DeNA伊勢のフォークをバットの先端付近で捉えると、ボールに不規則な回転がかかり、三塁前へ転がった。ボテボテの当たりに佐藤輝は猛ダッシュ。三塁宮崎が送球できず、内野安打でチャンスを拡大した。佐藤輝は前日18日にスタメン復帰し、これで2試合連続安打となった。

◆阪神が連敗を2でストップし、優勝マジックを初めて自力で「27」に減らした。攻撃では岡田采配が的中した。「3番右翼」に起用された小野寺暖外野手(25)が6回1死二塁でDeNA上茶谷から同点の右越え三塁打を放った。続く、大山悠輔内野手(28)が勝ち越しの中犠飛を打ち上げこれが決勝点だ。だが7回、DeNAに1点差に詰め寄られた。それでも8回1死一、二塁で坂本誠志郎捕手(29)が貴重な左前適時打を放つと、小幡竜平内野手(22)も中前適時打を放ち猛打賞と打線も終盤で強烈に援護した。阪神先発青柳晃洋投手(29)が5回6安打1失点の粘投で5勝目を挙げた。初回に先制点を献上。だが、2回と5回には三塁に走者を背負う場面もあったが、なんとか強力打線を抑えた。6回には一度マウンドに立ったが、投球練習中に足を気にするそぶりを見せて89球で交代。リリーフ陣も奮闘し、なんとか逃げ切った。前日18日の同戦の9回のクロスプレーの判定に岡田監督が約5分間の猛抗議。一夜明け、猛虎打線でいやな雰囲気を断ち切った。

◆リクエストに泣いたゲームから一夜明け、阪神はリクエストに失敗した。9回1死、3番小野寺は遊撃へゴロを放ち、猛ダッシュ。最後は一塁にヘッドスライディングしたが、判定はアウトだった。岡田監督はすかさずリクエストを要求するも判定は覆らなかった。ただ、直後に4番大山が右翼へ14号ソロ。主砲がリクエスト失敗を帳消しにする一打を放った。

◆DeNAは積極継投が裏目に出てしまった。3安打無失点に抑えていた先発の石田健大投手(30)を5回限りで降板させた。ところが、代わった石川が6回先頭の近本に四球。送られて1死二塁となって3番手で上茶谷が上がったが、小野寺に同点の適時三塁打を打たれた。さらに大山の犠飛で逆転された。三浦大輔監督(49)は石田の交代について「今日は内容が、あまり良くなかったので5回で」と説明した。初回、いきなり先頭の近本に死球を与えるなど、立ち上がりから不安定だった。2回も先頭ノイジーに中前打。5回は2死から安打を打たれ、続く青柳にも強い当たりを許したが、三塁宮崎の好守に救われた。この内容に、三浦監督は「よく踏ん張っていたと思います。変化球も軸になるボールがなかなか見つからず、コントロールもボール先行してカウントを作れていなかった。その中で、なんとかしのいで0で踏ん張ったかなと思います」と評価。だが、リリーフ陣に託した途端に逆転されるという結果となった。特に悔やまれるのが、6回の小野寺に打たれた場面だ。右打者になったところで、左腕石川から右腕の上茶谷へのスイッチは予定通り。その上茶谷は小野寺を2球で追い込んだが、3球目の144キロを捉えられた。三浦監督は「追い込むまでは良かったですけど、追い込んでからの1球の意味というか。大きな1球になりましたから、その辺はしっかり確認してやらないといけないと思います」と指摘した。結局、石川、上茶谷、田中健、伊勢、エスコバーと登板したリリーフ5人全員が失点した。三浦監督は「6、7、8回と先頭打者を出してたので苦しい展開でした」。打線は7回に代打攻勢が実り、大和の適時打で1点を返したが、6回から9回まで毎回失点では勝機は遠かった。

◆阪神岡田彰布監督(65)は、優勝マジックを27に減らした試合後、前日18日にリクエスト判定に猛抗議した一連の動きについて「いや、だからもう、球団の方から連盟に連絡して、もうあとは任せてあるから。まだ返事とか来てないらしいけどな。何かの回答はあるやろ。それは任せてあるから、別にお前」とコメントした。球団はこの日午後、日本野球機構(NPB)に意見書を提出していた。

◆阪神が連敗を2でストップし、優勝マジックを初めて自力で「27」に減らした。「3番右翼」で起用した小野寺暖外野手(25)が6回1死二塁でDeNA上茶谷から同点の右越え三塁打と岡田采配が的中。続く、大山悠輔内野手(28)が決勝点となる中犠飛を打ち上げた。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-小野寺がいい活躍「そうやね。森下が調子悪かったからなあ」-小野寺の3番起用は左にも強いという理由?「いやまあ左やしなあ。森下は、ちょっと崩れてるというか。だからまあ、ね。今の小野寺なら打てそうな感じだし。左やったらね」-8番の小幡が出塁すると流れがいい「いやいや、こんなんで(小幡を)外したら、お前。こんなん、何のために昨日出たのか分からへんやんか。使わんと。俺だけやったけどな、(この日のスタメンも)小幡でいくゆうたのは。他はみんな、木浪やったけどな。そんなもん、小幡を殺してしまうやないか。きょう外したら。まだまだ使わなあかんのに。そんなもん」-7回は1点ほしいところで代打の栄枝に犠打「それはやっぱり、まあ普通やろ。あと1点...あれは1点かえされた後やったんかな。まあここの球場やったら1点よりも2点、2点よりも3点の方が。そういう球場やからな。やっぱり」-9回はセーブ機会でない状況で岩崎を出した「もうあと点入っていたらな、ブルワーを行っていたけど。4点やったら、もう(岩崎が)準備しているから、そこでまた変えるいうのもアレやと思って。あと点が入っていたら、変えてたけどな」-8回の坂本の打席でのエンドランも決まった「普通に打たせたらゲッツーになる可能性の方が高かったからな」-攻めあぐねたDeNA先発の石田が5回で代わったのは大きかったか「いやいや、ようなってきたなと話しとったんよ。でも6回な、この回やな言うとったら代わったからな。別に何となくそろそろ(打てる)っていう感じはあったけどな。中5やからひょっとしたらいうのはあったけどな」-5回に(代打ではなくそのまま)石田が送りバントした後に代えてくるのは想定していた「いやいや、ちょっと分からんかったから。何かな、リリーフカーが来とったから、あれ思ったけどな」-先発の青柳が6回の投球練習で降板「いやいや、何かふくらはぎつったとかいうて、お前。右のふくらはぎやからあかんわな、あの投げ方で右のふくらはぎはそんなもん、重心乗る方やから、そらきついわな」-状態はそんなに「重ないやろ」-青柳は安打を許しながらも四球はなく粘った「うん。まあ、あと1回行ってくれたらなと思とったからな。まあ、この暑さとかいろいろ考えると6回投げきってくれたらなと思ったけど」-足に問題なければ次も「そうそうそう。ちょっと様子見てやけどな。そんなひどいことはないと思うよ。うん」-2番手桐敷は急ピッチでマウンドへ「いやいや。もう用意しとったよ。もう7回くらいから桐敷やからな。順番的にな」-桐敷は回またぎもできるし、アクシデント時にも緊急登板できる「そら、まあオールマイティーやろ。今はスペードのエースやろ。あれ」-昨日は9回に猛抗議。ああいう後味の悪さがあったが「いや、だからもう、球団の方から連盟に連絡して、もうあとは任せてあるから。まだ返事とか来てないらしいけどな。何かの回答はあるやろ。それは任せてあるから、別にお前」-それよりも連敗を止める「いやいや、今日のゲームは普通にやるだけやんか。連敗しとったからなあ。まあ、1つ勝っとけば、明日また普通にできるやんか」

◆阪神近本光司外野手(28)が、貴重な適時打でDeNAを突き放した。1点リードの7回1死二塁。2ボール2ストライクから、左腕田中健の6球目スライダーを引っ張った。右翼への適時二塁打で、2試合連続安打。これで新人から5年目までの通算安打を745本とし、同744本のヤクルト青木を抜いてNPB歴代単独3位に浮上した。小幡の右前打、今季初出場の代打栄枝の犠打から生まれたチャンスを逃さない。「小幡のヒット、栄枝のバントと良い形でチャンスメークしてくれた。どんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでした」と先輩の貫禄を示した。初回は石田の145キロ直球が右脇腹付近に直撃する死球。24試合連続出塁としたものの、7月2日巨人戦で高梨から死球を受け右肋骨(ろっこつ)骨折につながった箇所と似たようなところにボールが当たった。痛みについては「まあまあまあまあ、それを答えることはないかな」とプレー続行。6回には四球で出塁し逆転劇にも一役買った。8月は打率3割5分2厘。絶好調の1番が虎の先頭を走る。【中野椋】

◆鬼の猛抗議一夜明け、鬼のタクトで優勝マジックを27に減らした。阪神岡田彰布監督(65)が12打席無安打だった森下を外し、3番に好調の小野寺を据える信賞必罰起用。1点を追う6回、小野寺が同点適時打&ヘッドスライディングの逆転生還で応えた。指揮官は前日18日の9回、熊谷の二盗憤死に納得いかず、約5分に及ぶ猛抗議。この日は売り出し中のドラフト1位を外して勝利への執念を体現し、連敗を2で止めた。鬼抗議翌日はベンチで何度も白い歯がこぼれた。岡田監督の鬼タクトがズバリ的中。「まあ1つ勝っとけば明日また普通にできるやんか」。痛快過ぎる逆転勝ちに喜びを隠せなかった。1点を追う6回だ。3番に抜てきした小野寺が応えた。先頭近本が四球、2番中野の犠打で1死二塁。DeNAは3番手で上茶谷を投入したが、小野寺が2ストライクから外角高め直球に食らいつき、右翼フェンス直撃の同点適時三塁打を決めた。続く大山の犠飛で小野寺がヘッドスライディングで逆転の生還。阪神ベンチが沸きに沸き返った。森下は32試合連続でスタメン起用し、22試合連続で中軸も任せてきた。だが12打席連続無安打の結果でスパッと外した。岡田監督は「調子悪かったからな。ちょっと崩れている。左やし今の小野寺なら打てそうやし」と説明。さらに続けた。「オレだけやったけどな、小幡でいく言うたのは」。コーチ陣が木浪を推す中、2試合続けて起用した小幡は猛打賞で8回には5点目となる適時打も放った。前日18日は9回の熊谷の二盗憤死を巡り、「走塁妨害では」と制限時間5分に迫る猛抗議を見せた。「しゃべることないわ」と会見に応じず、この日の球場入り時も「知らんがな」と一言。試合開始直前のメンバー交換の際にも、表情はいたずらっぽく笑っていたが審判団と珍しく握手をかわさなかった。スタンドからも接触相手の京田や審判にブーイングが起きるなど、騒然とした空気は続いた。それでも試合後に指揮官は「球団から連盟に連絡して、あとは任せてあるから。何かの回答はあるやろ。今日のゲームは普通にやるだけやんか。連敗しとったからなあ」と、切り替えて臨んでいたことを明かした。大山のソロで4点差がついた9回はセーブ機会でなくとも岩崎を投入。「もう準備しているから」と勝利への執念を体現。守護神が21試合連続無失点で締め、連敗を2で止めた。優勝マジックは1つ減って27。8月は13勝4敗で、残り8戦を残し2カ月連続での月間勝ち越しも決めた。鬼の岡田はブレない。【石橋隆雄】■阪神、意見書を提出阪神嶌村聡球団本部長(55)は19日、前日18日のDeNA18回戦(横浜)での判定を不服とし、日本野球機構(NPB)に意見書を提出したことを明かした。阪神は1-2の9回1死一塁で一塁走者の熊谷が二盗を試み、1度はセーフの判定もリクエストによるリプレー検証でアウトに覆った。映像ではベースカバーに入った遊撃手京田の足が二塁をふさぐ走塁妨害のようにも見えたが、審判団は「故意ではなく走塁妨害には当たらない」と判断。岡田監督は5分近く猛抗議した。嶌村本部長は詳細は明かさなかったが「意見書を出すということは、昨日の判定に関して違う意見を持っている」と説明した。

◆これぞ4番だ。阪神大山悠輔内野手(28)が勝ち越しの決勝犠飛&トドメの14号ソロを放ち、連敗ストップに貢献した。3番起用の小野寺が同点のタイムリー三塁打を放った直後の6回1死。DeNA上茶谷の初球128キロのスライダーをとらえ、中堅へ飛ばした。三塁走者小野寺がヘッドスライディングで生還。オフには自主トレで衣食住をともに過ごした師弟コンビで、試合をひっくり返した。「初回のチャンスを(併殺打で)つぶしたので、なんとかして勝ち越し点をと考えていました。ヒットではなかったけど、しっかり勝ち越すことができてよかったです」64勝のうち、約5分の1を稼ぐ決勝打はチームトップの12個目。セ・リーグでも全体4位と勝負強い男がまたも底力を発揮した。1点差に詰め寄られた直後の8回は、先頭で左前打を放ってチャンスメーク。坂本らの適時打で突き放す2得点に一役買った。まだ終わらない。3点リードの9回2死、今度はエスコバーの初球153キロをガツン。今季初めて逆方向の右翼席へ放り込む、自身12試合ぶりのアーチでダメを押した。14号もチームトップ。前日苦い敗戦を喫したDeNAに最後まで隙を見せなかった。猛暑にも屈しない男だ。夏場にあまり体重は落ちないタイプと自認。特に注力しているのは体のキレだ。「暑くなっているときこそ、ダッシュなどのメニューで汗をかいています。キレがなくなるのが一番いやなので、意識しています」。長期ロードでも、スタミナ抜群の戦闘ボディーに万全のケアを施し、4番としての結果につなげている。チームは連敗を2で止め、優勝マジックも自力で「27」に減らした。「しっかり勝てたっていうところが一番だと思います。また明日も良い準備をして迎えたい」。虎の主砲が頼もしくV打点を積み上げ、カウントダウンを進めていく。【三宅ひとみ】

◆ベイキラーの本領発揮だ! 阪神青柳晃洋投手(29)が5回6安打1失点の力投で、またもやDeNAから白星をゲットした。今季5勝目で、勝ち星はすべてDeNA戦。だが右腕は「DeNAしか勝ててなくて、全然貢献できていないので、これから他のチームも勝てるように頑張ります」と笑顔は見せなかった。苦しい立ち上がりから粘りを見せた。初回先頭の佐野に左翼線付近に落ちる二塁打を許し、2死三塁から牧に三塁線を突破する適時二塁打で先制点を献上した。2回は1死二、三塁から後続を断ち無失点。5回も先頭林に左翼線二塁打を浴びたが、追加点は許さなかった。「ランナーを出しても守備に助けてもらいながら粘り強く投げることができました」と振り返った。突然のアクシデントも、チームにカバーしてもらった。6回に打線が逆転に成功。その裏もマウンドに上がったが、投球練習を途中で切り上げ1度ベンチに下がった。その後、再びマウンドに向かったが、1球投げたところで再びベンチに戻り、無念の降板となった。緊急登板した桐敷に1回3人斬りで勝利のバトンをつないでもらい、「桐敷や中継ぎのみんなに負担をかけてしまい申し訳ないです」と頭を下げた。岡田監督は右ふくらはぎがつったことを明かし、「あの投げ方で重心が乗る方やから、そらきついわな」と説明。今後については「ちょっと様子見てやけどな。そんなひどいことはないと思うよ」と軽傷を強調した。青柳の奮闘も光り、優勝マジックは1つ減って27。「アレ」達成に、エースの完全復活は欠かせない。【古財稜明】■「8回の男」1回ぴしゃり阪神石井が「8回の男」を務め、1回ぴしゃりで仕事を果たした。3点リードの8回に登板。4番牧を見逃し三振に仕留めるなど、中軸を3人で片付けた。2度の体調不良から復活後、初のホールド。それでも「反省するところしかないので、次に生かしたい」と満足せず。貪欲にレベルアップを目指す。

◆阪神近本が、新人から5年目までの通算安打を745本とし、同744本のヤクルト青木を抜いてNPB歴代単独3位に浮上した。1点リードの7回1死二塁。左腕田中健の6球目スライダーを右翼に運ぶ適時二塁打で貴重な追加点を入れ、青木超えを飾った。「どんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでした」。初回は石田の145キロ直球が右脇腹付近に直撃する死球。24試合連続出塁としたが、7月2日巨人戦で高梨から死球を受け、右肋骨(ろっこつ)骨折につながった悪夢がよぎった。それでも問題なくプレーを続行。6回には四球出塁し、逆転劇にも一役買った。■2戦連続スタメン2試合連続でスタメン起用された阪神小幡が、3月31日の開幕戦以来となる猛打賞で期待に応えた。8番遊撃で出場し、5、7、8回に単打をマーク。7回は近本の中押し適時打につなげ、8回にはセンターへの適時打で3点差に広げた。「結果的に3本打てたので、すごいよかったかなと思います。常に結果がほしいので、もっともっと結果を出して(スタメンに)定着できるように」。遊撃レギュラーの木浪に負けず、存在感を発揮した。■ガッツ適時打阪神坂本がバットでDeNAに傾き掛けた流れを断ち切った。1点差に詰め寄られた直後の8回1死一、二塁。フルカウントから伊勢のフォークに食らいついて左前にタイムリーを放ち、一塁上でガッツポーズを決めた。再び2点差に広げたタイムリーは自身5試合ぶり。エンドランで決めたことに指揮官は「普通に打たせたらゲッツーになる可能性の方が高かったからな」と振り返った。■プロ初犠打プロ3年目の阪神栄枝が、今季初出場でプロ初犠打を決めた。1点リードの7回無死一塁で代打で登場。2球目を捕手前に転がすバントを決めると、近本の適時打で中押し点につなげた。「最高っす。ワンチャン(出番が)あると思っていた。近本さんに感謝です」。代打バントの采配に岡田監督は「まあ普通やろ。この球場やったら1点よりも2点、2点よりも3点の方がそれはおまえ、そういう球場やからな」と説明。「3番手捕手」として待機する男が仕事を果たした。

◆阪神2番手の桐敷拓馬投手(24)が緊急登板にも動じず、1回をぴしゃりと抑えた。先発青柳が右ふくらはぎをつるアクシデントで6回の投球練習後に降板。急きょマウンドに上がり、4番牧から始まる打線を13球で3人で片付けた。5試合連続無失点で5ホールド目。岡田監督は「もう用意しとったよ。7回くらいから桐敷やからな、順番的にな。そらオールマイティーやろ、今はスペードのエースやろ、あれ」と、切り札的存在であることを強調。ユーモアたっぷりに若武者の奮闘をたたえた。日に日に存在感が増す背番号47は、すでにブルペンでキャッチボールを開始していたという。「(本格的に準備を)始めようかなくらいで連絡がきた」と素早く肩をつくった。「自分は自分の役割を、後ろのザキさん(岩崎)とかにつなぐっていうことだけなので」。冷静に役割を果たし、勝利に欠かせないスパイスとなった。【中野椋】

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は小野寺暖外野手(25)が「3番・右翼」で8月17日の広島戦(マツダ)以来、2試合ぶりにスタメンに復帰した。先発は青柳晃洋投手(29)で、今季はDeNA戦5試合に先発し、4勝1敗、防御率3・52と好相性。自身の5勝目とチームの連敗ストップを目指し、マウンドに上がる。

◆試合前のスタメン発表で、DeNA・京田に対し、虎党からブーイングが沸き起こる事態となった。18日のDeNA戦の九回に一走の阪神・熊谷が二盗を試み、二塁ベースで捕球した遊撃手・京田の左足が熊谷のスライディングをブロックした形となり、リプレー検証の結果、セーフから盗塁死の判定に覆った。これに対して岡田監督が走塁妨害を主張して審判に猛抗議。虎党も試合中から試合後に渡ってブーイングを送るなど騒然とした雰囲気になった。そんな前日の出来事もあり、「6番・一塁」で先発する京田の名前が場内でアナウンスされると、左翼席の虎党からは大きなブーイングが沸き起こった。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(29)が一回に失点した。先頭の佐野に左翼線に落とされて二塁打とされると、その後2死三塁とピンチを広げて打席に牧を迎えた。試合前時点での対戦打率が・615(13打数8安打)と苦戦しているハマの4番に三塁線を破られて先制の適時二塁打を食らった。これで青柳は今季、一回の失点が「14」になった。

◆2試合ぶりにスタメン復帰した阪神・小野寺暖外野手(25)が六回に起用に応える同点タイムリーを放ち、大山悠輔内野手(28)の犠飛で勝ち越しに成功した。先頭の近本が四球で出塁し、中野が犠打で1死二塁の好機を作る。ここでDeNAベンチは2番手・石川から上茶谷にスイッチ。小野寺が打席に立つと、高めの直球をとらえ、打球は右翼へ。浜風にも乗って打球が伸びると、右翼手・楠本が伸ばしたグラブを越えてフェンスに直撃した。同点の三塁打で試合を振り出しに戻すと、続く4番・大山は初球のスライダーに反応して中堅へはじき返し、勝ち越しの犠飛とした。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が思わぬ形で降板となった。六回の投球練習中に異変を感じ、トレーナーを呼び、そのまま治療のためベンチへ。数分後、再びマウンドに戻り、投球練習で1球を投げたが、首をかしげてもう一度ベンチに帰り、5回6安打1失点で緊急降板。勝利投手の権利を保持したまま2番手・桐敷にマウンドを託したが、チームが勝ち越した直後でのアクシデントだっただけに不安が残る交代となった。

◆阪神・近本光司外野手(28)が勝負強い打撃でリードを広げた。2-1の七回だ。先頭の小幡が右翼フェンス直撃の安打で出塁し、代打・栄枝の犠打で1死二塁。近本が4番手・田中の甘く入ったスライダーを右翼線にはじき返して3点目を奪った。試合前時点で得点圏打率・392と無類の勝負強さが光る近本がこの日もチャンスで大きな仕事を果たした。

◆悪夢を払拭する粘投だった。DeNA先発の石田健大投手(30)は5回69球を投げ3安打無失点と好投。一回に牧が放った適時二塁打の1点リードを守って救援陣に託した。一回、先頭の近本に死球を与え、1死一、三塁のピンチを背負ったが、大山を内角高めのカットボールで詰まらせて三ゴロ併殺打。二回も先頭のノイジーに中前打を許したが、後続を抑えた。三、四回は3者凡退。五回も走者を許しながらゼロをスコアボードに刻んだ。目を覆いたくなる一戦から中5日での登板だった。13日の巨人戦(東京ドーム)で二回途中7安打6失点でノックアウト。今季最短での降板に「コースも高さも全部が甘かった」と三浦監督もバッサリ。それでも、今季開幕投手を務めた左腕をローテーションから外さず、間隔を詰めて雪辱のマウンドに送った。「ゾーン内で勝負していくのは変わらない。気持ち的にもっと向かっていかないといけない。ボールがいっている中で打たれるのは仕方ない」と強打を恐れずに、腕を振る決意を示していた石田。言葉通り、無四球で阪神打線を退けた。しかし、1―0で降板した六回に暗転した。2番手・石川が先頭の近本に死球を与えると、1死二塁からは3番手・上茶谷が小野寺に右翼へ適時三塁打を浴びて同点、さらに大山の中犠飛で1―2と勝ち越しを許した。今季4勝目は舞い込まなかったが、石田にとっては自らを取り戻す投球となった。

◆阪神打線は試合終盤も勢いが止まらず、2点を追加した。3-2の八回、先頭の大山が左前打で出塁。その後、佐藤輝が三塁線へボテボテのゴロに全力疾走し、内野安打でチャンスを広げた。そして坂本がフルカウントまで粘って左前へ適時打、小幡も中前適時打で続いて2点を追加した。

◆阪神がDeNAに逆転勝利。2位・広島も勝利したため、優勝マジックは1つ減り、「27」とした。 0-1の六回に小野寺の同点打で追いつくと、続く大山の犠飛で勝ち越しに成功。六回には近本がタイムリーを放ってリードを広げ、八回も小幡と坂本が連続タイムリー、九回には大山が右翼へ14号ソロを放って試合を決定づけた。 青柳は六回の投球練習中に異変を訴えて5回1失点で緊急降板したが、5勝目を挙げた。 チームの連敗はストップし、これで8月は8試合を残して13勝4敗で勝ち越しを決めた。

◆阪神が連敗を「2」で止め、優勝マジックを「27」とした。六回、小野寺暖外野手(25)の同点三塁打と大山悠輔内野手(28)の犠飛で逆転し、七回には近本光司外野手(28)の二塁打で加点。1点差に迫られた八回は坂本誠志郎捕手(29)、小幡竜平内野手(22)の連続適時打で突き放し、九回の大山の5日のDeNA戦(横浜)以来、12試合&60打席ぶりの14号本塁打がダメ押しとなった。六回の投球練習で右ふくらはぎに違和感を訴えて降板した青柳晃洋投手(29)は勝ち星のすべてがDeNA戦で5勝目(4敗)。7月8日のヤクルト戦(神宮)から32試合連続してスタメンに入ったD1位・森下翔太外野手(23)=中大=がベンチスタートで出番はなかった。13勝4敗で、8試合を残して8月勝ち越しを決めた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=64勝41敗4分、観衆=3万3222人)ーー小野寺がいい活躍「そうやね。森下が調子悪かったからなあ(12打席連続無安打)」ーー小野寺は左にも強いという理由が「左やしなあ。森下はちょっと崩れてるというか。今の小野寺なら打てそうな感じだし。左やったらね」ーー8番の小幡が出塁すると流れがいい「こんなんで外したら、お前。何のために昨日出たのかわからへんやんか(18日もスタメンで2打数無安打)。使わんと。俺だけやったけどな、小幡で行く言うたのは。他はみんな、木浪やったけどな。そんなもん、小幡を殺してしまうやないか。今日外したら。まだまだ使わなアカンのに。そんなもん」ーー七回無死一塁で代打・栄枝に犠打「普通やろ。1点返された後やったんかな。この球場やったら1点よりも2点、2点よりも3点の方が...そういう球場やからな」ーーセーブ機会でない状況で岩崎を出した「点入っていたらブルワーを行っていたけど。4点やったら、準備しているから、また代えるいうのもアレやと思って。点が入っていたら、代えてたけどな」ーー坂本の打席でのエンドランも決まった「普通に打たせたらゲッツーになる可能性の方が高かったからな」ーー石田の五回降板は大きかったか「ようなって来たなと話しとったんよ、六回な、この回やな言うとったら代わったからな。別に何となくそろそろ(打てる)っていう感じはあったけどな。中5やからひょっとしたらいうのはあったけどな」ーー五回無死一塁で石田が犠打成功後に交代は想定していたか「ちょっと分からんかったから。リリーフカーが来とったから、アレ思ったけどな」ーー青柳は「ふくらはぎつったとか言うて。右のふくらはぎやからアカンわな、あの投げ方で右のふくらはぎはそんなもん、重心乗る方やから、そらきついわな」ーー状態はそんなに「重ないやろ」ーー青柳は安打を許しながらも無四球「あと1回行ってくれたらなと思とったからな。この暑さとか、いろいろ考えると六回投げ切ってくれたらなと思ったけど」ーー足に問題なければ次も「そうそうそう。様子見てやけどな。そんなひどいことはないと思うよ」ーー桐敷は急ピッチでマウンドへ「もう用意しとったよ。七回くらいから桐敷やからな。順番的にな」ーー桐敷は回またぎもできる「オールマイティやろ。今はスペードのエースやろ。あれ」ーー18日は後味の悪さがあったが「球団の方から連盟に連絡(意見書提出)して、あとは任せてあるから。まだ返事とか来てないらしいけどな。何かの回答はあるやろ。それは任せてあるから、別に」ーーまずは連敗を止めた「今日のゲームは普通にやるだけやんか。連敗しとったからなあ。1つ勝っとけば、明日また普通にできるやんか」

◆DeNAは継投策がことごとく裏目に出た。三浦監督は、無失点で粘っていた石田を「軸になる球が見つからず、制球面でもボールが先行していた」と5回69球で交代。1―0の六回から小刻みにリレーしたが、5人の救援が全員失点の誤算で勝機を手放した。セットアッパー伊勢の不調が痛い。1点差に追い上げた後の八回に、4安打を浴びて2失点。ここ5試合で失点するのは4度目だ。疲労の影響かと問われた監督は「この時期に疲れていない選手はいない。救援だけでなく野手もそう。でもやるしかない」とハッパを掛けた。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(79)は小野寺暖外野手(25)と小幡竜平内野手(22)の代役を評価すると同時に、大山悠輔内野手(28)の4番としての成長を絶賛した。岡田監督の適材適所の采配が的中した。3番・小野寺と8番・小幡が素晴らしい打撃を披露した。評価したいのは必死さ。結果を残さなければスタメンから外される危機感が打席から伝わってきた。同時にベンチで眺めている森下、木浪も刺激を受けているはずだ。代役が活躍し、層が厚くなったチームは2年、3年と強さを維持できて、常勝チームに近づく。固定メンバーでも1年だけの優勝はできるが、活躍した選手の中には「その年だけ」のタイプがいる。複数のバックアップがいるチームは戦力が落ちない。今の勝ち方を見ていると「常勝」の2文字を感じる。脇役の活躍が目立ったが4番がしっかりしているからこそ。大山が4番に座って結果を出していることが、阪神の強さの象徴でもある。評価したいのは六回の勝ち越しの中犠飛。詰まってもいいという気持ちのゆとりがあるから、バットを遅れ気味に出して、反対方向へうまく押し込めている。好調のバロメーターとして12球団トップの7本の犠飛を挙げたい。簡単なように言う人もいるが、犠牲フライは実は難しい。そんな詰まってもいいという気持ちが、九回のホームランにつながった。日々、「4番らしい4番」「優勝チームにふさわしい4番」に成長している。

◆阪神はDeNAに6―2で逆転勝ちし、連敗を2で止めた。小野寺暖外野手(25)が六回に同点の適時三塁打をかっ飛ばし、3番起用にバットで応えた。13日のヤクルト戦(京セラ)で決勝打を放ったラッキーボーイがまたも躍動し、優勝マジックを27とした。8月の月間勝ち越しを決めた猛虎が、アレに向けてもっともっと熱い夏にする。俺が勝たせる―。思いの乗った小野寺の打球が風に押され、横浜の空をぐんぐん伸びていく。ボールは右翼手がグラブを出したその上、フェンスまで届いた。将の起用に応える同点の適時三塁打で、ベンチに向かってガッツポーズした。「ライトの追い方を見て、『抜けてくれ』と思いながら走ってました。追い込まれてから結構対応できている。いい結果につながっていると思います」0―1で迎えた六回1死二塁。目の前で左腕の石川から右腕の上茶谷に代わると、後ろを打つ大山に助言を求めた。「僕は対戦したことないので。いい結果につながったので、(助言が)生きた」主砲から聞いた球種や球筋などをインプット。2球で追い込まれたが、3球目に外角高めの直球を捉えた。右翼フェンス直撃の打球がグラウンドを転々する間に二走の近本が生還し、自身も一気に三塁まで到達した。7月8日のヤクルト戦(甲子園)からスタメンが続いていた森下に代わって「3番・右翼」で先発に名を連ね、一振りで起用に応えた。岡田監督は「まあ(先発が)左やしなあ。森下はちょっと崩れてるというか。今の小野寺なら打てそうな感じだし。左やったらね」と意図を説明。小野寺は一回に先発の左腕・石田からも左前打を放ってチャンスを演出した。これで先発時は打率・333。ラッキーボーイ的な活躍で、大的中の一手になった。

◆右ふくらはぎがつって緊急降板となったが、5回1失点で今季5勝目をつかみ取った。さすがはDeNAキラー・青柳。驚異の粘りに、勝利の女神はほほえんだ。「ランナーを出しても、守備に助けてもらいながら粘り強く投げることができました」一回に牧の三塁線を破る二塁打で先制点を献上したが、崩れなかった。二回は連打で招いた1死二、三塁を断ち、五回1死三塁でも佐野に一ゴロを打たせて三走を本塁憤死に。追加点を阻み続ける粘りで、六回の逆転劇を呼んだ。だが、リードする展開に変わった六回にアクシデントに襲われた。登板前の投球練習で悲鳴をあげたのは右ふくらはぎ。一度ベンチに下がって治療を受けたのち、再びマウンドに姿を見せるも、1球投じて続投を諦めた。ここで無念の降板となり、首をかしげながらベンチへ引き揚げた。降板後は患部にアイシングを施して戦況を見守り、試合後は自らの足で歩いて球場をあとにした。岡田監督は「あの投げ方で右のふくらはぎはそんなもん、重心乗る方やから、そらキツいわな」と振り返ったが、状態には「重ないやろ」と明かし、青柳も「別に、痛めたというほどでもない」と説明した。「桐敷や中継ぎのみんなに負担をかけてしまい、申し訳ないです」元気な体を取り戻して臨むこれからの試合では、救援陣への恩返しの思いも込めて腕を振る。(須藤佳裕)

◆DeNA・石田が5回69球を投げ3安打無失点と好投。「二回以降は要所で踏ん張り、無失点に抑えることができよかった」と、納得の表情だった。前回登板だった13日の巨人戦(東京ドーム)で二回途中7安打6失点を喫していただけに、悪夢払拭となる投球。救援投手が逆転を許し、勝利投手とはなれなかったが、先発ローテーションに踏みとどまった。

◆4点リードの九回に登板した阪神・岩崎が危なげない投球で21試合連続無失点とした。桑原と山本を遊ゴロに打ち取ると、代打・ソトには左前打を浴びたが、続く大和を三飛に抑えて試合終了。セーブ機会ではなかったが最後をきっちり締め、「よかったですね」と控えめに喜んだ。リーグトップタイの47試合目の登板。タフな左腕がこれからもチームのために腕を振る。

◆阪神・坂本は5投手を好リード。緊急登板した桐敷には「牧くんから始まるキツいところで、しっかりと抑えてくれたのが大きかった」と賛辞を贈った。打っては八回に明大の後輩・伊勢から、リードを2点に広げる左前適時打を放ったが、「みんながバントだと分かっているところでバントをひとつ決めるってめちゃくちゃ難しい。きょうは栄枝がヒーローじゃないですか」と、七回に貴重な小技を決めた後輩捕手をたたえた。

◆得点圏での頼もしさはチーム随一だ。2-1の七回。阪神・近本が1死二塁で右翼線への適時二塁打を放ち、貴重な追加点をたたき出した。「スライダーが甘く入ったので、よかったです」左腕・田中健の高め128キロのスライダーを捉えた。価値ある1安打1打点で得点圏打率・395と驚異の勝負強さを発揮し、連敗ストップに貢献した。一回先頭では石田の145キロ直球が右脇腹付近に当たり、死球で出塁。7月2日の巨人戦(東京ドーム)では高梨から右脇腹付近に受けた死球で右肋骨(ろっこつ)の骨折を負い、1軍を離脱した。ヒヤリとしたが、「それを答えるつもりはないです」。弱みを見せない〝得点圏の鬼〟が、走攻守で岡田阪神を引っ張る。

◆ゆとりある男の打席での落ち着きは半端じゃない。小幡が快音を奏でるたび、チームがどんどん勢いづいていく。3安打で打線に火をつけた若虎が勝利の立役者だ。「結果的に3本打てたのですごくよかった」1点を返されて3―2とされた直後の八回だ。坂本のタイムリーでリードを広げ、なおも1死一、二塁で打席に立った。「低めだけ振らないように(ストライク)ゾーンを上げるように意識していた」。5番手・伊勢の外角のスライダーを捉え、中前へ華麗にはじき返した。五回に右前打を放てば、七回には先頭で右翼への安打でチャンスメークし、近本のタイムリーにつなげた。3月31日のDeNAとの開幕戦(京セラ)以来となる今季2度目の猛打賞をマークし、2打数無安打だった18日の悔しさを晴らした。2試合連続で先発起用した岡田監督は「俺だけやったけどな、小幡でいくゆうたのは。他(の首脳陣は)はみんな、木浪やったけどな。そんなもん、小幡を殺してしまうやないか。きょう外したら」と説明。信じ、託してくれた指揮官の思いに応えた。心の余裕が好循環を生んでいる。長期ロード中、チームは疲労軽減を目的に練習の終了時間を早めてシートノックも前倒し。通常よりも10分程度、試合前にできた空き時間を小幡はプラスに転換させている。「基本的に急ぐのが好きではない」と話す22歳は特別な準備はしない。いつも通り、シャワーを浴びるなどしてゆっくり試合に備える。むしろ、練習時間が短くなったことで集中力が研ぎ澄まされるようになったという。「短期集中な感じなので。逆に(練習で)1球も無駄にできないなと余計思うようになったし、いい練習、いい準備ができている」。心のゆとりと、密度の濃い練習ができているからこそ、試合で最高のパフォーマンスを発揮できる。「やっぱり常に結果がほしいので。もっと結果を出して定着できるように頑張ります」満足はしない。結果を残し続け、遊撃の定位置もチームのアレも貪欲につかみにいく。(織原祥平)?...阪神は今季、先発した8番打者の打率が・292で2番打者の・296に次いで2番目に高い。その内訳は木浪が94試合で・290(310打数90安打)で、小幡は13試合で・310(42打数13安打)。あとは各1試合の梅野が・333(3打数1安打)で島田が・250(4打数1安打)

◆DeNAは首位・阪神に地力の差を見せつけられた。終盤に失点を重ね逆転負けを喫し、三浦大輔監督(49)は「石田はあまり内容が良くなかったので5回までにしました。六、七、八回は先頭が出て苦しくなった」と振り返った。先発の石田が五回無失点と好投したが、救援した石川、上茶谷、田中健、伊勢、エスコバーがそれぞれ失点。中盤までロースコアの展開に持ち込んだが、12球団トップの得点力を誇る阪神打線に抜け目ない攻撃で各投手が攻略された。4位・巨人も敗れたため、1・5ゲーム差は維持。クライマックスシリーズ圏内は死守したいDeNA。「(20日先発の)バウアー一人に任せるわけではないが、先に点を取って進められるように」と指揮官。20日に2カード連続の勝ち越しを決めて勢いに乗りたい。(横山尚杜)

◆阪神・大山が勝負どころで4番の存在感を発揮した。1-1の六回1死三塁から中犠飛を放って、勝ち越しに成功。直前に小野寺が同点の適時三塁打を放っており、「目の前で(小野寺)暖が打ってくれたので、その勢いでいけるようにしっかり準備して入れた」と声を弾ませた。5-2の九回2死ではエスコバーの153キロのツーシームを右翼席へほうり込む今季14号ソロ。2安打2打点で5年連続60打点を超えた。主砲は「この球場は何点あってもわからない。追加点が取れたのはチームのみんなの力。投手が粘り強く投げてくれた」と仲間に感謝した。

◆阪神・石井は5-2の八回に4番手で登板。いずれも直球で先頭の宮崎を二飛、牧は見逃し三振、楠本は右飛と、クリーンアップを三者凡退に片付けた。「(牧の見逃し三振は)ど真ん中なので(笑)。反省する点しかなかった。しっかり修正して次に臨みたい」と気合を入れ直した。強力ブルペン陣を支え、プロ初の10ホールドに到達した。

◆勝ちに不思議な勝ちあり!! 五回までDeNA先発の石田に3安打無得点だった沈黙の虎が、六回以降は10安打、毎回得点のお祭り騒ぎでマジックを27に減らす快勝!! 五回までとそれ以降は本当に同じ阪神タイガースだったんやろうか!? DeNAの三浦監督はなんで五回まで阪神打線を嫌なムードに封じていた石田をあっさりと交代させたのだろう? 不思議だけどアレ(優勝)を成し遂げるチームにはそういう「?」は必ずあるのがプロ野球なのだ!!同様にアレに必要不可欠な新ヒーローの出現! 同点の三塁打を放った小野寺、3安打1打点の小幡、七回に3点目を狙う大事な場面でプロ初の送りバントをキッチリと決めた栄枝(すげ~緊張だったろうなあ)。若虎はたくましいー!!そして勝ち越し犠飛に一発も放った虎の大真打ち、大山の存在感はもちろんだけど、俺は本日の真のヒーローは先発で苦しみながら5回1失点と耐えた青柳だと思う!! 5度の3ボールがありながら四球は一つも与えていない。15アウト中、実に10個がゴロアウト!! これがエースの意地ってやつですかー、感服!!

◆京田が打席に入っただけで、虎党が陣取る左翼スタンドから大ブーイング。対するDeNAファンは「キョーダ」コールで負けていない。騒動は一夜明けても沈静化していなかった。むしろ、ファンを巻き込んで、ヒートアップだ。試合前、横浜スタジアムのトラ番サブキャップ・新里公章が緊張の面持ちで織原祥平、邨田直人両トラ番記者に指示を出す。「嶌村さんと監督の入りが重なったらアレなのでカバーよろしく」〝翻訳〟するとこうなる。「昨夜、岡田監督が抗議したジャッジに対して、球団としてのコメントを嶌村球団本部長が発表するけれど、球場に到着する時間帯が岡田監督の到着と重なる可能性があるので、その時は新里サブキャップは監督を密着する。トラ番2人で本部長の取材をしっかり頼む」まあ、こういうケースで関係者がペラペラしゃべることのほうがレア。それでもマークは外せない。取材ターゲットを囲むトラ番の表情もこわばってみえる。この雰囲気を遠めに眺めるだけで、異様さは伝わってくる。抗議の権利がないのに抗議する-。そこからして、虎ソナはワクワクしている。すぐ正論を振りかざす人、嫌いだ。ルールなんて分かっているが、文句を言わずにおれない。指揮官のその思いはくんであげたい。だって、当該プレーに対しては、ファン、記者だけでなく、専門家のプロ野球OBですら賛否両論だ。ああでもない、こうでもない、で論争するのもプロ野球(であってほしいと願っている)。シーズン終盤のクライマックスに向けて、想定外のことがあれこれ起こるのは、楽しいではないか。世の中も、クライマックスへ、盛り上がってきている。夏の甲子園はベスト4が出そろった。いよいよ頂点が見えてきた。連覇なのか? 長い髪なのか? 日大なのか? 鹿児島勢で初の夏制覇なのか?そして、この話題が出るということは、タイガースが甲子園に戻る日も、刻一刻と近づいてきていることになる。まだちょっと先だが。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
64414 0.610
(↑0.004)
M27
(↑1)
34419
(+6)
335
(+2)
55
(+1)
57
(-)
0.247
(↑0.001
2.750
(↑0.01)
2
(-)
広島
58493 0.542
(↑0.004)
7
(-)
33384
(+6)
387
(+3)
71
(+2)
64
(+1)
0.245
(↑0.001)
3.180
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
54513 0.514
(↓0.005)
10
(↓1)
35394
(+2)
386
(+6)
77
(-)
21
(-)
0.248
(-)
3.290
(↓0.02)
4
(-)
巨人
53531 0.500
(↓0.005)
11.5
(↓1)
36410
(+3)
391
(+6)
129
(+1)
38
(-)
0.256
(-)
3.510
(↓0.02)
5
(-)
ヤクルト
46602 0.434
(↑0.005)
18.5
(-)
35402
(+3)
429
(+2)
94
(-)
55
(-)
0.239
(↓0.001)
3.710
(↑0.01)
6
(-)
中日
41643 0.390
(↓0.004)
23
(↓1)
35311
(+2)
377
(+3)
49
(+1)
30
(-)
0.241
(↓0.001)
3.170
(↑0.01)