広島(★3対5☆)阪神 =リーグ戦17回戦(2023.08.16)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:大竹 耕太郎(8勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝1敗25S))
敗戦投手:九里 亜蓮(6勝5敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う2回表に木浪、近本、中野の適時打などで4点を挙げ、逆転に成功する。1点差とされて迎えた9回には、代打・原口の適時打で貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・大竹が6回途中3失点で今季8勝目。敗れた広島は、先発・九里が試合をつくれなかった。

◆阪神西純矢投手(21)が出場選手登録を抹消された。前日15日の広島戦(マツダスタジアム)では先発として、5回6安打4失点で降板。勝ち負けはつかなかったが、先発として2戦2敗だった広島から、三度目の正直を果たすことはできなかった。この日は帰阪し、鳴尾浜での残留練習に参加。また、西純に代わって、大竹耕太郎投手(28)が出場選手登録された。

◆前夜に連勝が「10」で止まった阪神のスタメンが発表された。佐藤輝明内野手(24)がスタメンから外れ、代わって小野寺暖外野手(25)が1軍で初めて三塁で先発する。打順は今季3度目の3番。今季は打席数こそ少ないが、打率4割と好成績。前日15日広島戦でも代打安打を放っていた。小野寺は今季、ウエスタン・リーグでは10試合で三塁でスタメン出場している。プロ1年目の20年から本職の外野と並行して内野にも取り組んで来た。昨季2軍では遊撃でのスタメン経験もあり、器用さはピカイチ。この日の試合前練習ではサードで守備練習を行った。準備してきた三塁守備を1軍の舞台でも発揮する。佐藤輝は後半戦初のスタメン落ち。前夜は今季12個目となる失策を犯し、2点を追う8回無死二、三塁では空振り三振に倒れていた。岡田監督も「ノーアウト二塁、三塁で、内野後ろ下がっとって。内野ゴロ打ったらええねん。何をしにいってるんかなあ」と指摘していた。打線にテコ入れし、勝てば優勝へのマジック29が点灯する一戦に臨む。

◆阪神近本光司外野手(28)が、新人から5年目までの安打で後藤次男氏に並ぶ球団トップタイの740本目をマークした。初回に先発九里から右前打を放ち、並んでいた赤星憲広氏の739本を抜いた。同記録の球界トップは巨人長野久義の767で、残り「27」となった。

◆阪神近本光司外野手(28)が新人から5年目までの安打で、元監督の後藤次男氏を抜き、球団単独トップの741本目をマークした。1点ビハインドの2回に木浪が左前適時打を放ち、同点に追いついた直後の2死一、三塁。広島九里の変化球を右前に落とし、三塁走者ミエセスが生還。球団を通じ「追い込まれていましたが、ランナーをかえすバッティングができてよかったです。みんなが作った良い流れに自分も乗ることができました」とコメントした。勝ち越し打で2試合連続マルチ安打とした。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が目測を誤って1点を献上した。3点リードの2回に遊撃木浪の失策で出塁を許した無死一塁。坂倉の打球が左翼ポール際の高々と上がった。ミエセスは落下点へ懸命にダッシュしたが、到達できずに打球はポトリ(記録は適時二塁打)。その間に一塁走者上本が本塁を踏んだ。ミエセスが「左翼」でのスタメン出場は6月28日の中日戦(甲子園)以来だった。

◆阪神が広島に勝ち、優勝マジック29が点灯した。2位以下で唯一自力Vが残っていた広島は残り全勝で92勝48敗3分け、勝率6割5分7厘。阪神は残り37試合のうち広島戦8試合に敗れても他カードで29勝すれば92勝47敗4分け、勝率6割6分2厘で上回る。2位以下の5球団に自力Vがなくなり、M29が出た。00年以降、セ・リーグで最初にマジックが出て優勝を逃したのは07年中日、08年阪神、10年阪神の3度あり、阪神は「M点灯→V逸」を2度続けているが、今季は逃げ切れるか。なお、現日程の最短Vは9月5日。

◆広島が阪神の優勝マジック点灯を許した。先発九里亜蓮投手が5回まで8安打4失点で5敗目。首位との直接対決で競り負けてゲーム差が再び8に広がり、107試合目にして自力優勝が消滅した。2回の大量失点が最後まで大きく響いた。1点を先制した直後。先頭森下から連打などで1死二、三塁とすると、木浪の左前適時打で追いつかれた。2死後は近本の右翼へのライナー性の打球を野間がグラブに当てながらつかみ切れずに後逸。2点の勝ち越しを許すと、さらに中野にも右前適時打を浴びた。この回、味方のミスもあったが、5安打を集中されてビッグイニングをつくった。打線は今季4度対戦して0勝3敗だった阪神大竹に対して、1回に4月19日以来24イニングぶり得点となる先制点を奪い、中盤まで3得点した。反発力は見せたが、あと1歩届かなかった。新井監督は自力V消滅に「あくまで数字上のことで、可能性はまだあるわけだし、どうってことないです」と前を向いた。▽広島新井監督(阪神大山の好守に)「最後(9回先頭)もそうだし、(6回無死一、二塁から西川)龍馬の当たりも抜けたと思った。素晴らしいプレーで勢いが途切れた。前回の甲子園でもたくさんあった」

◆阪神近本光司外野手(28)が、優勝へのマジック「29」を点灯させるV打を決めた。木浪の適時打で同点となった直後の2回2死一、三塁。フルカウントから広島九里の外角127キロの縦変化を前でさばいた。右前適時打で勝ち越すと、右翼野間の失策の間に一塁走者も生還(打点は1)。自らも二塁に到達した。「ランナーをかえすバッティングができてよかった。みんながつくった良い流れに乗ることができた」初回には右前打を放ち、リーグトップ21個目の盗塁となる二盗も決めた。9回には左前打で今季8度目の猛打賞。プロ5年間で通算742安打。新人から5年目までの安打で「739」の赤星憲広、「740」の後藤次男を抜いて球団歴代トップだ。令和の安打製造機が意外な記録で猛虎史に名前を刻んだ。得点圏打率は3割後半で、このままいけばキャリアハイ。46打点は21年にマークした自己最多50打点に迫る。プロ入り後、4年間連続で3番を経験してきた男は、今季1度もクリーンアップに座っていない。それでも、打点を稼ぐ。「自分が打って、チームが勝ったらそりゃうれしいし、気持ちいいものやろ」1番でも、その欲がある。8番木浪を中心に下位打線で流れをつくり、1番近本、2番中野でかえす。23年岡田阪神の「黄金得点パターン」で、節目の一戦も2回に一挙4点を挙げた。ゲーム差なしの2位に終わった21年は、シーズン終盤に右ハムストリングの張りで万全ではなかった。昨季はCSファイナルステージでヤクルトに敗れ、神宮の取材エリアで涙した。だからマジック点灯にも「なんとか、なんとかっていう気持ちです。別に気にしてない。ただなんとかするだけ」と強調。「しんどい試合が続いているんで、しっかり水分とってミネラルとって頑張ります」。強い虎を勝負強い近本が引っ張り続ける。【中野椋】

◆阪神原口文仁内野手がダメ押しの一打で試合を決めた。1点リードのまま、追加点が遠かった9回2死三塁。代打で出場し、カウント1-1から右腕矢崎の146キロ直球をはじき返した。二遊間をしぶとく抜く中前適時打で、7イニングぶりの得点。7回以降、無失点リレーでつないだ救援陣に応える一打。ヒーローに選出され、「なんとかブルペン陣のためにも1点という気持ちでした」とかみしめた。

◆阪神が接戦を制し、優勝へのマジック29を初点灯させた。試合後、岡田監督は「まだまだそらあれよ、全然関係ないよ」とマジック点灯についてコメント。「優勝争いの中、普通のプレーが難しくなってくることもあるか」と振られると「え、どこと優勝争いしてるの? 分からんけど、俺らは1つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」と、"岡田節"であらためて平常心を強調した。現日程での最短Vは9月5日。先発大竹耕太郎投手(28)が初回に先制点を献上したが、直後2回の攻撃で打線が奮起。木浪聖也内野手(29)の左前適時打で同点に追いつくと、近本、中野の連続適時打で勝ち越し。5安打4得点と、相手先発九里を攻め立てた。大竹はその後、2回に1失点。6回2死二塁から上本に3失点目の適時打を浴びた所で降板となった。7月26日巨人戦(甲子園)以来、中20日で臨んだマウンド。追い上げを許しながらも、6回途中7安打3失点と粘りを見せた。その後は2番手桐敷が回またぎで1回1/3を無失点。8回、9回と救援陣が無つなぎ、リードを守り切った。勝てばマジック点灯の前日15日の同戦では、連勝が「10」で止まる失点で逆転負け。一夜明け、佐藤輝をスタメンから外すなど打線テコ入れして臨んだ一戦だった。18年ぶりの「アレ」へ、一日遅れのマジック点灯を決めた。阪神が広島に勝ち、優勝マジック29が点灯した。2位以下で唯一自力Vが残っていた広島は残り全勝で92勝48敗3分け、勝率6割5分7厘。阪神は残り37試合のうち広島戦8試合に敗れても他カードで29勝すれば92勝47敗4分け、勝率6割6分2厘で上回る。2位以下の5球団に自力Vがなくなり、M29が出た。00年以降、セ・リーグで最初にマジックが出て優勝を逃したのは07年中日、08年阪神、10年阪神の3度あり、阪神は「M点灯→V逸」を2度続けているが、今季は逃げ切れるか。なお、現日程の最短Vは9月5日。

◆阪神に優勝へのマジック29が初点灯した。試合後、岡田彰布監督(65)は「まだまだそらあれよ、全然関係ないよ」と強調。「優勝争いの中、普通のプレーが難しくなってくることも」と振られると「え、どこと優勝争いしてるの? 分からんけど、俺らは1つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」と"岡田節"であらためて平常心を強調した。

◆広島が首位阪神に競り負けて自力優勝の可能性が消滅し、阪神に優勝へのマジックナンバー点灯を許した。先発九里は1点の援護点をもらった直後の2回。5安打と味方のミスも重なり、一挙4点を失った。打線は阪神大竹から1回に4月19日以来24イニングぶり得点となる先制点を奪うと、中盤まで3得点したが、最後まで2回の大量失点が大きく響いた。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-先制した直後に九里投手が逆転を許した新井監督 少し不運もあったけどね。粘って投げてくれたと思います。-打線は大竹投手から3得点を奪ったが新井監督 対策的にはいいものが出たんじゃないかと。今までずっとやられていたので、打撃コーチもいろいろ考えてくれて、選手もそれを実行してくれた。いい当たりも多かったし、攻撃陣、良かったと思います。-前日に続き、この日もビハインドでも勝ちパターンを投入新井監督 そこはもう「行ってもらうよ」と事前に言っていた。やっぱりどうしても追加点を与えたくない場面だったので、行ってもらいました。-今季初めて坂倉選手を一塁で先発起用新井監督 彼には「ファーストのスタメンはあるよ」というのは、秋のキャンプから言っていたからね。-秋山選手が不在での打線構成も考えてか新井監督 もちろんそれもあるし、残り試合が少なくなっていく中で全員で行くぞという形を見せないといけない。-前日死球を受けた上本選手が先発出場新井監督 今日も腫れもあるし、痛さもあるけど、彼が「行きます」と言ってくれたので、今日も行ってもらいました。-数字上、自力優勝が消滅新井監督 それはあくまで数字上のことだけであって、まだ可能性はあるので、どうってことないです。

◆阪神に優勝マジック29が初点灯した。その裏で、佐藤輝明内野手(24)が後半戦初の欠場となった。ベンチスタートから最後まで出番がなかった。小野寺をプロ初の三塁で起用した岡田監督は「いやもう、昨日お前、帰って決めとったよ、そんなもん。そんなんもう昨日の夜からの話で」と説明。佐藤輝は15日広島戦で今季12個目の失策、8回の好機では三振に倒れていた。「負けたから代えやすかったよ。勝ってるとあんま、代えづらいけどな、ずっと勝ってたから。昨日の負けが良かったよ」と指揮官。「そんなん試合出られへんようなるよ、そら。あんなことしてたらなあ。今日も最後なあ、小野寺のとこ行くつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな。そういうことやろ?」と話した。

◆阪神中野拓夢内野手が中押し打を含む、5試合連続のマルチ安打を決めた。2回2死二塁。右腕九里の126キロフォークを右翼へ引っ張り込んだ。打線がつながり、近本の適時打で2点リードとした直後の打席。「チカさんがチームに勢いをつけてくれたので、自分も後ろへつなぐ意識でスイングすることを心がけてました。良い形で追加点が取れてよかった」。4回にも一塁強襲の内野安打を放ち、今季39度目の複数安打を決めた。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手が7月13日DeNA戦以来の先発起用にマルチ安打で応えた。「6番左翼」で出場。5安打4得点を挙げた2回の第1打席。遊撃手のグラブをはじく内野安打でチャンスを拡大した。「このスタメンに向けてしっかり準備していた。自分としては満足しています」。5回にも左翼への二塁打で今季5度目のマルチ安打を達成。だが、2回の守備ではフェンス際大飛球に対して目測を誤り適時打とする"ミス"も生まれた。

◆阪神岩崎優投手が無失点リレーの救援陣を締めた。2点リードの9回に登板。先頭坂倉を一ゴロに仕留めると、続くデビッドソンを空振り三振。最後は会沢を再び一ゴロで抑え、危なげなく3者凡退。「3人で久しぶりに終わったので。まあそういうのを続けていきたいと思います」と、今季25セーブ目を振り返った。マジック点灯について問われると、「あ、そうなんですか? ちょっと知らなかったですけど」と、冗談ぽく笑った。

◆阪神に優勝へのマジック29が初点灯した。岡田監督やナインの試合後の主なコメントは以下の通り。岡田監督「まだまだそらあれよ、全然関係ないよ。そこまで先は見てないからなあ、今週なんとかな、一番苦しいところやな、外でなあ。まあだから、明日の雨予想して広島もあんなピッチャー来たんかなと思ったけど、こっちも普通にやったらええと思ったからなあ。(優勝争いの中普通のことが難しくなってくるか)え、どこと優勝争いしてるの? 分からんけど、俺らは1つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」近本(2回に決勝打)「(マジック点灯したが)なんとか、なんとかって気持ちです、はい。別に気にしないです。ただなんとか、後半戦はなんとかだと思うので、なんとかするだけです。しんどい試合続いているので、しっかり水分とってミネラルとって頑張ります」原口(9回に代打で2点差に広げる適時打)「選手はなんとか目の前の1勝をコツコツできることを積み重ねてやっていくだけなので。(マジックは)あまり気にせず、目の前の1勝をしっかりファンの皆さんと戦いたいと思います」木浪(2回に同点打)「自分らのやることが変わらないので、しっかり準備して戦うだけだと思います」大山(好守で貢献)「ファーストで出ている以上は、そこでしっかり貢献しようと思っていますし。少し助けられたのかなと思いますし。チーム全員で1点を取るというところで、もっともっと、いい仕事ができるようにやっていきたいなと思います」小野寺(プロ初の三塁で先発)「どこを守っても結果を出さないといけないと思う。5打席あって結果を出せなかったのは悔しいです」大竹(6回途中3失点で8勝目)「次は自分の力で投げ切って、チームを負けないようにしていくっていうのが大事なことだと思う。次回以降は立上がりからしっかり投げられるように準備したいなと思います」桐敷(2番手で登板し好リリーフ)「自分は任されたところをゼロで抑えるだけ。積み重ねだと思うので、まだまだだと思ってるので、1つずつ積み重ねていきたい」岩貞(3番手で登板し1回無失点)「10年目で初めてのマジックですけど、関係ないですね。1試合1試合、楽しんでというか、任されたところをしっかり投げていきたいです」岩崎(9回を締め25セーブ目)「(マジック点灯に)あ、そうなんですか? まあ、ちょっと知らなかったですけど(笑い)。まあ1試合1試合頑張りたい」

◆阪神が接戦を制し、優勝マジック29を点灯させた。前日15日の広島戦で攻守に精彩を欠いた佐藤輝明内野手(24)をスタメンから外し、小野寺暖外野手(25)を「3番三塁」に抜てきするなど、岡田彰布監督(65)が鬼と化して、大型連勝ストップ翌日に節目の勝利をつかんだ。一問一答は以下の通り。-最後はリリーフ陣がよく守った「そうやなあ。2点差でなあ、あそこは乗り切ってくれたらよかったけどなあ。大竹がな」-桐敷が流れを変えた「そうよ。ちょっと(間隔が)あいていたしな。打順が回ってきたら交代される予定だったけどな。加治屋行くつもりだったけど。回ってこんかったからな、うーん」-桐敷はイニングをまたげるのが強み「いやいや、なんかなあ、ずっとなあ、いいピッチングをしているし、ちょっとはまっているよな。そういう意味では」-大竹は久々の登板「最初はちょっとな、やっぱりなあ、大体初球、ポーンとストライクを取るのに。まあ実戦ちょっと離れとったから。まあでも3回ぐらいからはポンポンいけたし。まああの回までやったんやけどな、100ぐらいいっとったから2点で乗り切って欲しかったよな。せっかくええゲッツー取ったからな」-打線は1、2番が得点に絡んで「ずっとそらもう初回からな、チャンス作れるんやから。2人とも調子ええからな」-佐藤輝に替えて小野寺を三塁に「「いやいや。負けたから代えやすかったよ。勝ってるとあんまり代えずらいけどな、ずっと勝ってたから。昨日の負けが良かったよ」-佐藤輝を外して小野寺を使うのは想定通りだったか「いやもう昨日お前、帰って決めとったよ、そんなもん。そんなんもう昨日の夜からの話で」-優勝を狙うチームは昨日のようなふがいないプレーは...「そんなん試合出られへんようなるよ、そら。あんなことしてたらなあ。今日も最後なあ、小野寺のとこ行くつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな(笑)。そういうことやろ?」-残り試合が少なくなってくる中、そういうミスをしたら下げたりも「いやミスっていうか、ミスっていうかお前、そら今日みたいになあ、当たり前のことを当たり前にやったらええ結果が出るだけやんか。自分らでくずれていくのはそらきんわな、そら。こんなお前、勝ってるチームでな」-ズルズルいかずに勝ちきったのは大きい「まあズルズルというか、普通にやったらズルズルいけへんよ。そういうことやろ、別に。変なことするから負けるやんか、変なことせんといたらええねん」-マジック点灯。以前『まだ関係ない』と話していたが、1つの節目に「まだまだそらあれよ、全然関係ないよ」-目指す指標ができた「いやいや、そこまで先は見てないからなあ、今週なんとかな、一番苦しいところやな、外でなあ。まあだから、明日の雨予想して広島もあんなピッチャー来たんかなと思ったけど、こっちも普通にやったらええと思ったからなあ」-優勝争いの中、普通のことが難しくなってくることもありそう「え、どこと優勝争いしてるの? 分からんけど、俺らは1つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで(笑い)」

◆久しぶりでもコイキラーぶり発揮! 阪神大竹耕太郎投手(28)が中20日の登板で5回2/3 7安打3失点(自責2)と力投。8勝目を挙げた。7月30日に体調不良により「特例2023」で出場選手登録を抹消され、2軍で再調整。「時間をもらった分、自分なりに良い調整を心がけた」。万全な状態で今季、無傷の3勝と相性抜群の広島へ臨んだ。初回2死二塁で西川に先制右翼線適時打を許すも、2回に4点の援護を受けた。2回の守備では味方の失策がつながり、坂倉の適時打で1点を返されるも、無死一、二塁で会沢を直球で遊併殺打。6回に1点差に迫られるも、リリーフ陣の好投もあって、白星をゲットした。「逆転してもらった野手の皆さんに感謝です。序盤は球が浮いてしまう場面が多かった。その中でどう勝負していくのかを考えながら、3回以降に修正が利いて、悪い中でも持ち味を出して粘れました」岡田監督は「まあ実戦ちょっと離れとったから」と言いつつ「でも3回ぐらいからはポンポンいけた」と及第点だ。これで同チームとの登板では無傷の4勝目だ。「次は自分の力で投げきってチームを負けないようするのが大事」。実戦登板は7月26日の巨人戦(甲子園)以来も、しっかりとコイ料理。マジック点灯に貢献した。【三宅ひとみ】

◆阪神大山悠輔が、ここ一番での好プレーを見せた。2点リードした6回の守備だ。無死一、二塁の場面から、4番西川の低いライナーをキャッチ。そのままヘッドスライディングで一塁ベースに飛び込んだ。一塁走者小園も戻りきれず、間一髪の"ヘッスラ併殺"。9回も一塁線の鋭い打球を難なく一ゴロに仕留め、無安打ながら守りでの貢献が光った。「バッティングの方でチームに貢献できていなかった。ああいう所で少し助けられたのかなと思います」と振り返った。

◆阪神に優勝マジック29が初点灯した。その裏で、佐藤輝明内野手(24)が後半戦初の欠場となった。ベンチスタートから最後まで出番がなかった。試合前には室内で控え組の打撃練習に加わり、グラウンドではノック→フリー打撃→ノックと守備練習をおかわりした。前日15日の広島戦は今季12個目の失策に8回の好機で空振り三振に終わっていた。試合前には「打てなかったんで、打てるように頑張るだけです」と話し、前を向いていたが出番はなかった。小野寺をプロ初の三塁で起用した岡田監督は「いやもう、昨日お前、帰って決めとったよ、そんなもん。そんなんもう昨日の夜からの話で」と説明。「(15日に)負けたから代えやすかったよ。勝ってるとあんま、代えづらいけどな、ずっと勝ってたから。昨日の負けが良かったよ」と指揮官。「そんなん試合出られへんようなるよ、そら。あんなことしてたらなあ。今日も最後なあ、小野寺のとこ行くつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな。そういうことやろ?」と話した。▽阪神小野寺(プロ初の三塁でスタメン。糸原から以前にもらったグラブを使用)「昨日、サードの練習もしとけと言われて。今日来てからサードでスタメンっていうことは知りました。(3番で5打数無安打に)どこを守っても結果を出さないといけないと思う。5打席あって結果出せなかったのは悔しいです」

◆阪神近本光司外野手(28)が、優勝へのマジック「29」を点灯させるV打を決めた。木浪の適時打で同点となった直後の2回2死一、三塁。フルカウントから広島九里の外角127キロの縦変化を前でさばいた。右前適時打で勝ち越すと、右翼野間の失策の間に一塁走者も生還(打点は1)。自らも二塁に到達した。「何を投げてくるか分からない投手。真っすぐ、ツーシーム、カット、スライダー、フォーク...。まあ、打てるボールが来たら打つって感じでした。なんとか打ててよかったです」初回には右前打を放ち、リーグトップ21個目の盗塁となる二盗も決めた。9回には左前打で今季8度目の猛打賞。通算742安打は、新人から5年目までの安打で「739」の赤星憲広、「740」の後藤次男を抜いて球団歴代トップだ。令和の安打製造機は「それは、球団記録はそんなに」とクールだった。得点圏打率は3割9分7厘で、このままいけばキャリアハイ。46打点は21年にマークした自己最多50打点に迫る。プロ入り後、4年間連続で3番を経験してきた男は、今季1度もクリーンアップに座っていない。それでも、打点を稼ぐ。「自分が打って、チームが勝ったらそりゃうれしいし、気持ちいいものやろ」1番でも、その欲がある。8番木浪を中心に下位打線で流れを作り、1番近本、2番中野でかえす。23年岡田阪神の「黄金得点パターン」で、節目の一戦も2回に一挙4点を挙げた。ゲーム差なしの2位に終わった21年は、シーズン終盤に右ハムストリングの張りで万全ではなかった。昨季はCSファイナルステージでヤクルトに敗れ、神宮の取材エリアで涙した。だからマジック点灯にも「なんとか、なんとかっていう気持ちです。別に気にしてない。ただなんとかするだけ」と強調。「しんどい試合が続いているんで、水分とってミネラルとって、頑張ります」。強い虎を勝負強い近本が引っ張り続ける。【中野椋】

◆阪神が接戦を制し、優勝マジック29を点灯させた。前日15日に悔しい敗戦を喫した岡田彰布監督(65)が、鬼になった。苦言を呈していた佐藤輝明内野手(24)をスタメンから外し、小野寺暖外野手(25)を初めて三塁で起用。試合前から激しく動いた。2回には近本光司外野手(28)の適時打などで4点を奪取。粘る広島を振り切った。6年ぶりに夏の長期ロード勝ち越しも確定させた。18年ぶりの「アレ」へのカウントダウンが、ついに始まった。9回2死、守護神岩崎が会沢を一ゴロに封じ、ゲームセット。その瞬間、阪神に10年以来13年ぶりとなる優勝マジック「29」が点灯した。節目の勝利にも岡田監督は「まだまだそらあれよ、全然関係ないよ。そこまで先は見てないからなあ」と涼しい顔で一喜一憂しなかった。指揮官は鬼と化し、非情采配に打って出た。佐藤輝をスタメンから外し、好調小野寺を1軍では初の三塁に抜てきした。背番号8は前日15日の同戦で2点を追う8回の無死二、三塁から3球で空振り三振。守備でも4回1死から失策をするなど攻守で精彩を欠いた。指揮官は「負けたから代えやすかったよ。昨日(宿舎に)帰って決めとったよ」と明かし「あんなことしてたら試合出られへんようになるよ」とくぎを刺した。佐藤輝は7月上旬の1軍再昇格後では初のベンチスタートで、出場機会もなかった。指揮官は「今日も最後なあ、小野寺の(打順の)とこ行くつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな。そういうことやろ?」。9回2死一、二塁で2番中野が空振り三振に倒れ、目前で名誉挽回のチャンスを逃した。小野寺は今季ウエスタン・リーグで38試合中13試合で三塁で出場していたが、1軍での起用にも役割を全うした。糸原の練習用グラブを拝借し、4回まで三塁に就いた。4回先頭上本の三塁線寄りのゴロを捕球し、持ち前の強肩を発動して一塁へ鋭い送球でアウトに仕留めた。打席では5打数無安打に終わったが、1度の守備機会で堅守で貢献してみせた。大型連勝の勢いは1度途絶えたが、接戦をモノにし、夏の長期ロードは12勝2敗で17年以来6年ぶりとなる勝ち越しを確定させた。指揮官は報道陣の「優勝争いの中、普通のプレーが難しくなってくるか?」との問いに「え、どこと優勝争いしてるの? 分からんけど。俺らは1つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」と白い歯をこぼし、帰りのバスに乗り込んだ。このまま着実に勝利を重ね「アレ」へとまっしぐらに突き進む。【古財稜明】阪神が広島に勝ち、優勝マジック29が点灯した。2位以下で自力Vが残っていた広島は残り全勝で92勝48敗3分け、勝率6割5分7厘。阪神は残り37試合のうち広島戦8試合に敗れても29勝すれば92勝47敗4分け、勝率6割6分2厘で上回る。00年以降、セ・リーグで最初にマジックが出て優勝を逃したのは07年中日、08年阪神、10年阪神。2度続けている阪神は今季逃げ切れるか。なお、現日程の最短Vは9月5日。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は大幅に先発を入れ替えた。佐藤輝明内野手(24)が今季6度目、後半戦に入ってからは初のスタメン落ち。佐藤輝は15日の同戦で八回無死二、三塁の好機で3球三振に倒れ、岡田監督から「無死二、三塁で内野後ろ下がっとって、何を打ったらええの。なあ。セカンドゴロ打ったら1死三塁やで、1点差で。そういう状況の打ち方もできないいうことはこれはもうちょっとあかんわな、そらな」と苦言を呈されていた。代わって「3番・三塁」に小野寺暖外野手(25)が入った。小野寺が1軍戦で三塁を守るのはプロ初。13日のヤクルト戦(京セラ)ではプロ初の決勝打、15日の広島戦(マツダ)は代打出場でヒットを放つなど結果を残し続けてきた小野寺に再びチャンスが巡ってきた。また、「6番・左翼」にミエセスが入り、再昇格後初スタメン。先発は体調不良で2軍調整していた大竹が復活登板に臨む。

◆阪神が逆転した。一回に1点を先行された直後の二回。先頭の森下が右前打を放つと、7月13日のDeNA戦(甲子園)以来のスタメン出場となったミエセスが遊撃内野安打で無死一、二塁。坂本がしっかりと犠打を決め、1死二、三塁の好機を作った。木浪が打席へ。九里の143キロのツーシームをはじき返した。6試合ぶりの打点をあげる左前打で三走が生還した。「先制された後だったので、まずはなんとか追いつきたいと思っていました。みんながつないでくれましたし、自分も後ろにつなぐ気持ちでしっかり振り切ることができたと思います」。2死後、一、三塁で近本が打席へ。フルカウントから九里の127キロを振り抜いた。右前に運ぶ一打に右翼手・野間の後逸も絡んで走者2人が生還(記録は右前打で1打点)。「打ったのはフォーク。追い込まれていましたが、ランナーを還すバッティングができてよかったです。みんなが作った良い流れに自分も乗ることができました」。〝キナチカ〟が試合をひっくり返すと、なおも2死二塁から中野が右前適時打を放って4-1とした。

◆〝鯉キラー〟の出端をくじいた。敗れれば阪神に優勝マジックを点灯させる一戦。広島・西川龍馬が先制打で4番の役割を果たした。「打ったのはストレート。点につながって良かったです。引き続き頑張ります」一回1死から野間が右翼線にヒットを放ち、小園の内野ゴロの間に二進。西川が内角140キロに対して腕を折りたたみながら右前にはじき返した。相手先発の大竹には前回対戦の7月5日にマツダで完封負け。試合前時点で今季7勝のうち3勝を献上している難敵から先制点をもぎ取った。「8月中旬」を勝負と位置づける新井監督はこの試合で〝禁じ手〟を解禁した。昨オフから内野兼任をやめ、捕手に専念していた坂倉の打力を生かすために今季107試合目で初めて一塁でスタメン起用。ベテラン捕手の会沢と同時起用するための措置だ。その坂倉は1─4と逆転を許した後の二回無死一塁で左翼線に適時二塁打を放って「つなぐ気持ちでいきました。まずは1点を返すことができて良かったです」と汗をぬぐった。2位のチームは15日の1戦目は7─6の逆転勝ちで1分けを挟んだ連敗を6で止めた。指揮官は「私たちは相手がどこであろうが、一戦一戦全力で戦っていく気持ち」と力強く語る。阪神との直接対決はこの日を含め残り9試合もあり、最後まで食らいついていく。(柏村翔)

◆阪神が大ピンチでリードを守り切った。4-2の六回。先発の大竹が先頭・野間に右前打を許すと、小園に12球粘られて四球。無死一、二塁のピンチで4番・西川を迎えた。その初球。痛烈な打球は一塁線へ。何とか白球をミットに収めた大山は飛び出した一走を見て、一塁ベースへ飛んだ。ベースをタッチし、判定はアウト。ダブルプレーを奪う好守で大竹を救った。大竹は2死二塁から上本に中前適時打を許し、5回2/3を7安打3失点(自責2)で降板。体調不良で離脱し、7月26日の巨人戦(甲子園)以来のマウンドとなったが、粘りの投球で今季7勝目の権利を持って、中継ぎ陣に後を託した。2番手でマウンドに上がった桐敷は坂倉に左前打を浴び、一、二塁とされるもデビッドソンを見逃し三振に抑え、リードを守った。

◆序盤に逆転した阪神が逃げ切り、優勝へのマジックナンバー29が点灯した。打線は0-1の二回、木浪が左前適時打を放って同点に追いつくと、近本の右前適時打に相手失策が絡んで2点を勝ち越し。中野にも適時打が飛び出し、4-1と逆転した。4-3で迎えた九回は代打・原口が中前適時打を放って再び突き放した。先発の大竹は体調不良で離脱し、この試合が復帰登板。一回に先制点を奪われ、味方が逆転した直後の二回も失点したが踏ん張った。5回2/3を3失点(自責2)と粘り、チームトップの8勝目をマークした。その後は、桐敷、岩貞、岩崎とつなぎ逃げ切った。

◆阪神が優勝へのマジックナンバー29を点灯させた。4-3で迎えた九回、代打で中前適時打を放って突き放した原口文仁捕手(31)が試合後、ヒーローインタビューに登場。以下、一問一答。--しびれる接戦を制しての白星「きのうの初戦が残念な結果だったので、なんとかきょう全員で1つ取り返そうという気持ちでいきました」--ゲーム前のベンチの雰囲気は「全然悲壮感とかはなく、いつもどおりやれることをやってきょうも1つ取ろうという、いい雰囲気でした」--出番は九回、熊谷の出塁後の場面だった「(熊谷)タカヒロも今シーズン初ヒットで、そこからいい流れを作ってくれて、(坂本)誠志郎もいいバントをしましたし、(木浪)聖也もいい進塁をさせてもらったので。なんとかブルペン陣のためにも、もう1点という気持ちでした」--しぶとくショートの横を抜けた「なんとか抜けてくれという思いながら走りましたね、はい」--先日(10日の巨人戦)は代打本塁打も。打撃の状態は「あまり状態というのは気にしないで、限られた出番の中で結果を出すことがチームのプラスになるので、もう毎日必死です、はい」--8月の好調は原口選手の声出しから「いえいえあの、特にそんなに大したことはないんですけど、前日のね出来事とかね、きょうのチームが盛り上がるようなひと言を心がけて言っています」--きょうの勝利でアレへのマジックが点灯「そうですね、選手はね、なんとか目の前の一勝をね、コツコツできることを積み重ねてやっていくだけなので、あまり気にせず、目の前の一勝をしっかりファンの皆さんと戦いたいと思います」--ファンへひと言「毎日長い試合を遅くまで応援ありがとうございます。選手も皆さんに喜んでもらうためにね、目の前の試合を必死に頑張っていますので。熱い応援よろしくお願いします」

◆阪神に優勝マジック「29」が点灯した。佐藤輝明内野手(24)をスタメンから外した打線が1点を追う二回、木浪聖也内野手(29)、近本光司外野手(28)、中野拓夢内野手(27)の適時打で4点を奪って逆転。九回、代打・原口文仁内野手(31)の中前適時打でダメを押した。6回途中3失点の大竹耕太郎投手(28)は7月5日の広島戦(マツダ)以来の白星で8勝目(1敗)。2番手の桐敷拓馬投手(24)が1回1/3をしのぎ、岩崎優投手(32)が自己最長を更新する20試合連続無失点で25セーブ目を挙げた。1軍で初めて「三塁」に入った小野寺暖外野手(25)は「3番」で無安打。今季6度目で後半戦初のベンチスタートの佐藤輝の出番はなかった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=63勝39敗4分、観衆=3万492人)。ーーリリーフ陣がよく守った「そうやなあ。2点差でなあ、あそこは乗り切ってくれたらよかったけどなあ。大竹がな」ーー桐敷が流れを変えた「そうよ。ちょっと(間隔が)あいていたしな。打順が回ってきたら交代される予定だったけどな。加治屋行くつもりだったけど。回ってこんかったからな」ーー桐敷はイニングをまたげるのが強み「ずっと、いいピッチングをしているし、ハマっているよな。そういう意味では」ーー大竹は久々の登板「最初はやっぱりなあ。だいたい初球、ポーンとストライクを取るのに。実戦離れとったから。でも三回ぐらいからはポンポン行けたし。あの回までやったんやけどな、100ぐらい、行っとったから、2点で乗り切って欲しかったよな。エエゲッツー取ったからな」ーー打線は1、2番が得点に絡んで「初回からチャンス作れるんやから。2人とも調子エエからな」ーー佐藤輝に代えて小野寺を三塁に「負けたから代えやすかったよ。勝ってるとあんま代えづらいけどな。ずっと勝ってたから。昨日の負けが良かったよ」ーー佐藤輝を外して小野寺を使うのは想定通り「昨日、お前、帰って決めとったよ、そんなもん。そんなんもう昨日の夜からの話で」ーー優勝を狙うチームは15日のような不甲斐ないプレーは...「そんなん試合出られへんようなるよ、そら。あんなことしてたらなあ。今日も最後なあ、小野寺のとこ行くつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな(笑)。そういうことやろ?」ーー残り試合が少なくなってくる中、ミスをすれば下げることも「ミスっていうか。今日みたいに当たり前のことを当たり前にやったらエエ結果が出るだけやんか。自分らで崩れていくのは...こんな勝ってるチームでな」ーーズルズル行かずに勝ちきったのは大きい「まあズルズルというか、普通にやったらズルズル行けへんよ。そういうことやろ、別に。変なことするから負けるやんか、変なことせんといたらエエねん」ーーマジック点灯。ひとつの節目「そらアレよ、全然関係ないよ」ーー目指す指標ができた「そこまで先は見てないからなあ、今週何とか、一番苦しいところやな、外でな。明日の雨予想して広島もあんなピッチャー来たんかなと思ったけど、こっちも普通にやったらエエと思ったからなあ」ーー優勝争いの中、普通のことが難しくなってくることも「どこと優勝争いしてるの? 分からんけど、俺らは一つずつ勝って行くだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」

◆広島は1点を追う展開で八回に島内、九回に矢崎と勝ち継投の投手をつぎ込んだが、逆転にはつながらなかった。阪神にマジックナンバーの点灯を許した。新井監督は「あくまで数字上のこと。可能性はまだあるのでどうってことはない」と話した。二回に先発の九里が4失点。近本が打った右翼へのライナー性の当たりを野間が捕球し損ねるミスもあった。監督は「不運もあったけど、粘って投げてくれたとは思う」と責めなかった。(マツダ)

◆阪神に優勝マジック「29」が点灯した。中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めた田尾安志氏(65)は、佐藤輝明内野手(24)をスタメンから外した岡田彰布監督(65)の采配を評価。ただ、3番を動かしたことには、疑問を呈した。目の前の試合を勝つために、最終的には優勝するために、その時点でのベストメンバーをスタメン表に並べるのが監督の仕事。岡田監督が佐藤輝を外した布陣を組んだことは評価したい。15日の佐藤輝が体の横で打球を処理する姿を見せられると、辛い。体を張ってくれたら、使ってあげようという気持ちになるが、今の佐藤輝なら、外されても全く不思議ではない。ただ、3番・小野寺は大失敗。なぜ、3番・森下でいい流れが生まれて白星を重ねてきたのに、そこを動かしたのか。1、2番が絶好調で、最もチャンスが巡ってくる打順が3番。そこに好調な森下がいて得点してきたのだ。あえて動かした意味が理解しにくい。もし、負けていたら、「3番・小野寺」が最大のチェックポイントになっていた。とはいえ、九回の好機で、佐藤輝でもなく、ノイジーでもなく、原口を代打に選んだ判断は、さすが岡田監督だった。打線の組み方ミスがあっても、勝ってしまうところが今の阪神の強さ。打つ方の貢献はできなかった4番・大山が守備で見せた2つの美技(六回の西川の一直、九回の坂倉の一ゴロ)は素晴らしかった。岩貞、岩崎の後ろを締めくくる2人も完ぺきだった。それぞれが自分の仕事をこなしている。攻撃では、二回に4点を取って以降、なかなか追加点が奪えなかった。が、四球をいくつも選んで、三者凡退のイニングが1度もなかった。一見、拙攻のように映るが、広島の攻撃陣からみたら、守りの時間がどんどん長くなって、攻めに集中できないまま、イニングが進んでしまった。これは、広島投手陣のミスであり、同時に阪神の攻撃陣の小さな努力が実った結果ともいえる。ことしの阪神は四球が圧倒的に多いのが特長。各打者が粘り、見極めて、相手投手を苦しめてきた。点が入らなくても、ボディーブローのように効いて、この試合のような展開にも持ち込めるのだ。(本紙専属評論家)

◆体調不良から復帰した阪神・大竹耕太郎投手がチームトップの8勝目を挙げた。六回途中を3失点。二回の4得点に助けられ「野手の皆さんに感謝」と振り返った。一、二回は失点したが、緩急をうまく使いながらしのいだ。六回は上本の適時打で1点差に迫られて降板。「悪い中でどうにかしようと粘れたが、最後は自分の力で乗り切っていくのが大事」と反省していた。(マツダ)

◆広島は一回に西川の適時打で先制したが、逆転負けで自力優勝の可能性が消滅した。この日優勝マジックが点灯した首位・阪神とのゲーム差は再び8に。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。──先発の九里投手は5回8安打4失点(自責2)で5敗目(6勝)「少し不運もあった。粘って投げてくれたと思います」──終盤からはビハインドで栗林、島内、矢崎の勝ちパターン投入「いってもらうよ、と事前に言っていた。どうしても追加点を与えたくない場面だった」──打線はこの日を含め今季8勝のうち4勝を献上した阪神・大竹に対して5回2/3を7安打3得点「対策的にはいいものが出た。今までずっとやられていたので、打撃コーチもいろいろ考えてくれて、選手もそれを実行してくれた。いい当たりも多かったし、攻撃陣、良かったと思います」──今季初めて坂倉が一塁でスタメン「彼にファーストのスタメンはあるよ、というのは(昨年)秋のキャンプから言っていた。残り試合少なくなっていく中で、全員でいくぞという形を見せないといけない」─―自力優勝の可能性がなくなった「あくまで数字上のことだけ。まだ可能性はある。どうってことないですよ」(続けて)「(阪神一塁)大山がナイスプレーだった。龍馬(西川)の当たり(2点を六回無死一、二塁で一直で併殺)は抜けたと思った。彼の素晴らしいプレーで勢いが途切れた。前回の甲子園のカードもそうだった。でも、選手全員、気持ちが出ていたと思う。どこが相手だろうが一戦一戦、全員野球で戦っていく」

◆粘り切れずも、チーム最多8つ目の白星をつかんだ。中20日での先発となった大竹は、自身の投球を反省した。「全体的に(球が)上ずっているところは感じていて、悪い中でもどうにかしようとできたんですけど...」体調不良での離脱から復帰し、7月26日の巨人戦(甲子園)以来の実戦登板。過去4戦でわずか1失点の広島を相手に苦しい投球が続いた。二回までに2点を失い、4―2の六回無死一、二塁のピンチでは西川のライナー性の打球を大山がミットを伸ばしてキャッチ。併殺に取るファインプレーも、続く上本に中前適時打を浴び、1点差とされて降板。後を受けた桐敷に助けられた。「助けられるんじゃなくて、自分の力で乗り切っていくことが大事。次回以降、立ち上がりからしっかり投げられるように準備したい」マジック点灯に貢献したが、課題を残す一戦。次こそ納得の投球で、アレへ欠かせない戦力として駆け抜ける。(邨田直人)

◆阪神は広島に5―3で勝ち、優勝へのマジックナンバー「29」が点灯した。?阪神に優勝へのマジックナンバー29が点灯した。マジック対象球団は広島で、残り36試合に全勝で勝率・657(92勝48敗3分け)。阪神は広島との残りの直接対決8試合に負けても、他の29試合に勝てば勝率・662(92勝47敗4分け)で上回る。現日程での最短優勝決定日は9月5日。?阪神に優勝マジックが点灯したのは2010年(9月26日、優勝マジック8、同年の優勝は中日、阪神は2位)以来13年ぶり。?近本が3安打を放って通算742安打。プロ1年目から5年目までの通算安打数で、後藤次男の740安打を抜いて球団記録を更新した。プロ野球最多は巨人・長野久義の767安打。

◆低く鋭く放たれた白球が外野芝生で弾む。近本が5年間で積み重ねてきた741安打目。マジックナンバー「29」の点灯につながる球団新記録を樹立した瞬間だ。「何を投げてくるか分からない投手なので、打てるボールが来たら打つという感じ。同点に追いついた後だったので、何とか打ててよかったです」木浪の一打で1-1の同点に追いついた二回、なおも2死一、三塁の好機。九里の127キロフォークを捉えた。打球は右翼・野間の手前で弾み、グラブをすり抜け、外野を転々。記録上は右前打で1打点。それでも、走者2人をかえす勝ち越し打でマツダを黄色く染めた虎党を沸かせた。一回の右前打は通算740安打目。新人年から5年間の通算安打数で後藤次男の球団記録に並ぶと、殊勲の勝ち越し打で一気に抜き去り、球団史にまた名を刻んだ。九回にも左前打を放ち、今季8度目の猛打賞で742本目。NPB記録である長野(巨人)の767安打の更新も視野に入る。「シーズン最後で(打率)3割に乗ったからOKという考えはあまり好きじゃないです。コンスタントに打つ人の方が僕は大事だと思っていて、そっちのほうが計算もできるし、安定した成績だから、チームとしての信頼もある」もちろん大台の打率3割を狙っていないわけではない。ただ、それよりも意識するのは調子の波をなくし、日々ヒットを積み重ねること。それが、チームの勝利に直結し、〝アレ〟へとつながる。球団新記録には「特にそれは、球団記録なので」とサラリ。それでも、近本が5年間でコツコツ積み重ねてきた結晶が確実に虎を強くしてきた。プロ入り後、初めてともした優勝へのマジックナンバー。「別に気にしないです。後半戦は〝何とか〟という気持ちでやっています」とぬか喜びはしなかった。「しんどい試合が続いているので、しっかり水分をとって、ミネラルをとって頑張ります」ゴールが見え始めた2023年シーズン。〝アレ〟へのマジックはコツコツ、〝何とか〟減らしていく。(原田遼太郎)

◆ついに出た!! 阪神は広島に5―3で勝ち、優勝へのマジックナンバー「29」が点灯した。現日程での最短優勝決定日は9月5日。18年ぶりの〝アレ〟へのカウントダウンがいよいよ始まったが、岡田彰布監督(65)は「全然関係ないよ」と冷静。前回指揮を執った2008年は7度のマジック消滅の末にV逸を経験しているが、今度は絶対にこのまま頂点まで突っ走る。開幕から106試合目。ついに岡田虎にマジック29が点灯した。2位広島との直接対決で勝利。歓喜に沸くナインとは違って、岡田監督に笑顔はなかった。いや、あえて浮かれた素振りを見せなかった。「まだまだそらアレよ。全然関係ないよ」マジック点灯の質問には多くは語らず。それよりも「普通にやったらズルズルいけへんよ。そういうことやろ」と連敗をしなかったことに胸を張った。0-1の二回に木浪の同点打、近本の勝ち越し打などで4点を奪って逆転。六回に大竹が1点差に詰め寄られて途中降板するも桐敷、岩貞が無失点リレー。九回に代打・原口が2点差に突き放す適時打。最後は守護神の岩崎も無失点で切り抜けた。僅差を粘って勝つのが岡田野球。「そらきょうみたいになあ、当たり前のことを当たり前にやったらええ結果が出るだけやんか」と大きくうなずいた。ただ、マジック点灯による気の緩みだけは防がなければならない。前日15日、守備の失策に加え、2点差の八回無死二、三塁で三球三振に倒れた佐藤輝をスタメンから外す〝鬼采配〟でチーム内を引き締めにかかった。

◆代打の切り札が大きな仕事を果たした。原口の貴重なダメ押し適時打で、食らいつく広島に引導を渡した。「(熊谷)敬宥も今シーズン初ヒットでいい流れを作ってくれて、(坂本)誠志郎もいいバントをしましたし、(木浪)聖也もいい進塁をさせてもらったので。なんとかブルペン陣のためにも、もう1点という気持ちでした」4―3と1点差で迎えた九回。一丸となって作った2死三塁の仕上げを任されたのは代打・原口だった。広島の守護神・矢崎の3球目の直球を二遊間にはじき返し、「なんとか抜けてくれという思いながら走った」と見届けた打球は遊撃・小園のグラブが追いつくよりもわずかに早く中前へ。5点目をたたき出した。チームにとって原口の存在は大きい。代打での出場が続くが準備を怠らず、試合前には必ず若手に交じって、元気に声を出して一塁の守備練習に取り組む姿がある。10連勝が始まった3日から試合前の声出しも担当。前夜に連勝は止まったが、「きのう、チームとして久しぶりに悔しさを味わったので、まずきょう一つ勝って明日からの試合につなげていきたいと思います。追いバモスよろしくお願いします。バモス!」と士気を高め、連敗阻止&マジック点灯に貢献した。「チームが攻守で粘って、勝ててよかったと思います」と満足げに振り返った。虎の〝代打の神様〟が悲願の〝アレ〟へ勝負強さを発揮していく。(中屋友那)

◆全国の阪神ファンの皆さーん、勝ちました!! アレに向けてのマジック点灯でーす!! それではヒーローの原口選手とともに皆さん、ご一緒にマジック点灯の掛け声をどうぞー! 3、2、1、バモ~ス!!(大拍手)3週間ぶりの登板となった大竹は、ちょっとハラハラの5回?を7安打3失点だったけど、打線の援護もあり(特に九回、代打でタイムリーのバモスの...いや失礼、原口の一打が大きかったァ!!)。粘投の8勝目、ありがとう!! そして無失点リレーの3人の救援陣、バモ~ス!!マジック点灯に浮かれる一方、この試合は岡田監督の『勝つために自分の信念を貫く強さ』をまじまじと見せられたのだ!! 前日の5番打者、佐藤輝をスタメンから外したのがそれである。前日、2点を追う八回無死二、三塁で強引に、自分の打撃をして三振を喫した佐藤輝...。岡田さんは、解説者としてマイクの前に座っているときから、ずっーと同じ状況で「犠牲フライもいらんねん! 内野ゴロで点入るやろ!!」と言い続けてきたのだ。だから、岡田阪神は強いのである!!

◆五山の送り火が古都の夜空を照らした。大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形。毎年、8月16日にお盆の精霊を送る千年の都の伝統行事だ。午後8時、トップを切って東山の如意ケ嶽に「大」の文字が灯されて、「妙」が灯され、「法」が灯され...。順番に西へ。そして、京の夜空のショーが終わって約1時間半後。広島の夜に灯されたのは「29」。ついに、阪神にマジックが点灯した。メモリアルな夜に、久しぶりに〝大好きな方〟の名前も表舞台に登場した。近本がルーキーイヤーから5年間の安打数で元監督・後藤次男さんに並び、そして一気に超えた。あれはキャンプ地・安芸での出来事だった。「おい、頼みがある。練習メニューをもらってきてくれ。受付に行ったら、女の子に『一般の人はダメです』と断られたんや」俺は元監督や!と怒鳴ればいいのに?そう思いつつ、「クマさん」の愛称がピッタリのあの優し気な風貌では元監督に見えないか、と納得して、〝おつかい〟を果たすことに。1997年。3度目の指揮官復帰を果たした吉田監督に頼まれ、母校・熊本工高の50年以上後輩・田中秀太(現2軍コーチ)を臨時で指導。すると、わが社のトラ番の後輩が報告してきた。「知らないおじいさんがグラウンドに入って指導してます」-。どいつも、こいつも。2度も阪神の監督を務めた方に、実に失礼な話だった。ただ、すごく庶民的なのだ。オーラを消して、ファンの中に溶け込んでしまうのだ。

◆中野の打撃が止まらない。チームが3点を奪った二回、なおも2死二塁で右前適時打。4点目を加えると、四回は一塁内野安打で5試合連続のマルチ安打。八回の中前打で猛打賞をマークし、中日・岡林(130安打)に迫る129安打とした。打率も・304まで上げ「好調かどうかはわからないですけど、自分の中で、自分の思うようなスイングができている」と手応えを口にした。

◆岩崎が危なげなく九回を締めた。登板8試合ぶりの三者凡退に「3人で久々に終われたので、そういうのを続けられるように頑張ります」。自己最長を再び更新する20試合連続無失点で今季25セーブ目をあげた守護神は、マジック点灯にも「そうなんですか? 知らなかったですけど。一試合一試合頑張ります」と冷静だった。

◆大山が好守でチームを救った。六回無死一、二塁のピンチで、西川のライナーをミットを伸ばしてキャッチ。飛び出した一塁走者もアウトにする併殺で、最大の危機を乗り切った。「ファーストで出ている以上、そこでしっかり貢献しようと思っていますし、ああいうところで少し助けられた」。打撃では4打数無安打だったが、きっちり役割を果たした。

◆小野寺が「3番・三塁」でプロ入り後、初めての三塁手として1軍のグラウンドに立った。四回先頭・上本の打球は逆シングルで好捕し、一塁へストライク送球。三塁での守備機会はこの一度も「サードを守れたら自分の幅、可能性も広がる。練習して、信頼してもらえるような守備ができたら」と手応えはあった。ただ、打席では5打数無安打と音なし。「結果を出せなかったのは悔しい」と唇をかんだ。

◆桐敷が1点差に迫られた直後の六回2死一塁で登板。安打で一、二塁とされたが、デビッドソンを148キロ直球で見逃し三振に抑え、力強くガッツポーズした。「思いっきり内に攻めていこうという気で投げました」。七回も無失点で抑え、登板4試合連続で回またぎ。岡田監督は「ずっといいピッチングをしているし、ちょっとハマっているよな」と絶大の信頼を寄せた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
63394 0.618
(↑0.004)
M29
(-)
37412
(+5)
325
(+3)
54
(-)
57
(+2)
0.246
(-)
2.750
(↑0.01)
2
(-)
広島
56483 0.538
(↓0.006)
8
(↓1)
36368
(+3)
379
(+5)
69
(-)
62
(-)
0.244
(-)
3.200
(-)
3
(-)
DeNA
52503 0.510
(↓0.005)
11
(↓1)
38385
(+6)
376
(+8)
74
(-)
21
(-)
0.249
(↑0.001)
3.290
(↓0.05)
4
(-)
巨人
51521 0.495
(↓0.005)
12.5
(↓1)
39400
(+1)
381
(+2)
127
(-)
38
(+1)
0.255
(-)
3.530
(↑0.02)
5
(-)
ヤクルト
44592 0.427
(↑0.005)
19.5
(-)
38386
(+8)
420
(+6)
90
(+3)
55
(+1)
0.239
(↑0.001)
3.760
(↓0.03)
6
(-)
中日
41613 0.402
(↑0.006)
22
(-)
38307
(+2)
362
(+1)
48
(-)
30
(+1)
0.242
(-)
3.120
(↑0.02)