ロッテ(☆3対2★)西武 =リーグ戦17回戦(2023.08.13)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
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ロッテ
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勝利投手:小島 和哉(6勝4敗0S)
(セーブ:益田 直也(2勝3敗29S))
敗戦投手:青山 美夏人(0勝1敗2S)

本塁打
【西武】栗山 巧(6号・9回表ソロ)

  DAZN
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◆ロッテが接戦を制した。ロッテは2回裏、安田の適時打で先制に成功する。2-0となって迎えた4回には、荻野の適時三塁打で1点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・小島が6回無失点8奪三振の好投で今季6勝目。敗れた西武は、終盤に1点差まで追い上げるも、あと一歩及ばなかった。

◆ロッテ安田尚憲内野手(24)が2回1死二塁のチャンスに西武先発の青山から中前適時打で先制し、「積極的に振りにいきました」。2-0で迎えた4回2死二塁には、荻野も右中間を破る適時三塁打を放ち「外野の守備位置が前に来ていたのがわかったので、思いっきり振り抜きました。追加点がほしかったところで打てて良かったです」と続いた。先発小島は6回106球を投げ、5安打8奪三振無失点の好投を見せた。

◆西武のドラフト4位右腕、青山美夏人投手(23)のプロ初先発は、2回2安打1失点で敗戦投手となった。亜大時代は先発完投型だったが、プロ入り後はリリーフで28試合に登板。高橋の特例2023抹消を受けたローテ再編でブルペンデーとなり、急きょ白羽の矢が立った。初回は先頭に四球を与えるも後続を断ち、打者4人で0点に抑えた。2回1死からロッテ中村奨に二塁打、続く安田に中前適時打と連打を許して、先制点を献上。球数は2回43球だった。「初先発できたことに関してはよかった。力みすぎて最初ストライクが入らなくて、やばいと思って...。もっと工夫できたというか、球のチョイスが違う部分があったかな」と、課題を見つけた。また先発したいかとの問いには「チャンスがあれば」と笑った。▽西武松井監督(9回の栗山6号ソロなどで1点差に詰め寄るも惜敗。2連敗)「あの1発から最後までよくつないでくれた。ホームに戻りますし、切り替えて全員でやっていきたい」

◆8試合連続未勝利だったロッテ小島和哉投手が6回無失点の好投で、5月24日西武戦以来となる6勝目を挙げた。4回1死満塁のピンチでは、中村に全球変化球で空振り三振を奪うなど、課題だった走者を置いての右打者への投球には手応えを得た。だが「6回で代わっているようじゃ話にならない」と球数を含めた投球内容は反省。佐々木朗が離脱する中、「種市とかと若い選手が押し上げていかないといけない。僕もしっかり中心になれるように」と気持ちを込めた。▽ロッテ吉井監督(4カードぶりの勝ち越しに)「向こうはブルペンデーだったので、イニングで投手が代わって難しかったと思うけれど、点を取ってくれて良かった。(小島の投球には)5回で100球近くいくっていうのはノックアウトと一緒」▽ロッテ安田(自身のサヨナラ打で発進したブラックサマーウイークの最終戦で、2回1死二塁から先制の中前適時打)「良い時も悪い時もあった1カ月だったが、このユニホームを着て最後勝てたので、この勢いで来週からまた頑張っていきたい」

◆ロッテの沢村拓一投手(35)が13日、「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」と診断を受けたから初めて、自身のインスタグラムを更新した。「Back to Work.」と言葉を記し、笑顔のTシャツ短パン姿で歩いている姿を投稿した。フォロワーなどからは「野球は逃げないですから。今は治療に豪速球で!」「皆さん気長に待っています! あなたがメジャーからロッテに帰ってきた時のように」「沢村選手の堂々と生き生きした姿をみると元気が出ます。またマウンドに立つ沢村選手を楽しみにしています」などのコメントが寄せられている。沢村は7月下旬から頭痛の症状を感じ、8月2日に出場選手登録を抹消された。都内の病院に検査入院後、7日に退院。ロッテからは10日に「可逆性脳血管攣縮症候群」と診断されことが発表。8月末まで高強度の運動が禁止されており、現在はジョギングやキャッチボールなど軽めの運動を再開。その後に問題がなければ通常練習を再開する予定だ。

◆ロッテ小島和哉投手(27)が6回無失点の好投を見せ、5月24日の西武戦以来となる6勝目を挙げた。8試合連続未勝利だったため、81日ぶりにつかんだ白星。小島にとっては結果で喜んでほしい2人の恩人がいた。試合後、小島が「3、4試合前くらいに1回、監督室に行って話した時に」と口を開いた。1人は開幕投手に抜てきし、期待を寄せてくれている吉井理人監督(58)だ。「いろいろ申し訳ない気持ちが強かったので、話す機会をくださったので、僕から行った」。7月中旬、ZOZOマリンの監督室で1対1で対話したことを明かした。「『初回からどんどん飛ばしていって、体力尽きたら代えるから。気にせずどんどん行け』と話をしていただいた。初心にかえってじゃないですけれど、1回1回、1人1人の積み重ねだと思うので」。それまでは5失点、6失点の連続だった。だが、吉井監督の言葉を受け、失点も少なくなった。前回登板の6日楽天戦では7回2失点でも負け投手に。それでも「1回、1日」を積み重ねる気持ちでつかんだ、この日の1勝だった。投げても勝てず。吉井監督は今季だけでなく、将来的にもロッテを背負う期待の大きさから佐々木朗希投手、種市篤暉投手を含めた3人の評価は、ひときわ厳しい。直接ではなく、報道を通じて伝わる声が、発奮材料の1つでもあった。「ずっと良くなくて、ここ2、3試合は投げ終わった後のコメントもいつもと違うので。僕はあんまり、なんか...。なんかちょっと気を使われているなって。監督に。僕自身もまったく満足していないので、もっともっと高い目標を持って頑張りたいなと思います」。この日、初回先頭から2者連続空振り三振でスタートした。だが、4回は1死満塁。5回は無死一、二塁のピンチを背負った。いずれも後続を三振などで封じてゼロを並べた。だが、5回を終えて、99球。自身が課題としていたのは、得点圏に走者を置いた時の右打者への対峙(たいじ)だ。前日12日に本塁打を放っている長距離砲の中村に対し、4回には全球変化球で空振り三振。6回にも内角スライダーで2打席連続三振に斬った。「結果的に抑えられて良かったと思います。同じ失敗をずっと繰り返してきたので、いつもとは違うようには攻められたかなと。久しぶりに勝てたので、ちょっとホッとはしてもすけれど...。でも6回で代わっているようでは話にならないと思うので、反省するところはしっかり反省していきたい」。小島がふがいなかった中で、先月末に佐々木朗希投手が左脇腹肉離れにより離脱した。種市は好投を続け、オールスターに初選出され、今月11日のオリックス戦ではプロ初の「中5日」で起用され、結果を出した。「ずっと悪かったので、その間、種市が良い投球をして、僕的にはうれしい半面、悔しい部分もすごいありますし、中5日で投げているのとかも見て、歯がゆい気持ちがあるのは正直なところですけれど、朗希とか種(種市)とか、若い選手はチームを押し上げていかないといけないとい思っているので、僕もしっかり先発の中心になれるように。まだ、(吉井監督に)期待とかはまったくされていないから代えられるとかもあると思うので、何も言わず次の回(この日であれば7回)も投げられるような期待を勝ち取れるように、頑張っていきたいと思っています」。一方、吉井監督は、この日の投球内容も厳しい評価を並べた。「いやあ、ボール先行でもっとスイスイ投げなきゃいけない。6回まで頑張ってくれましたけれど、まだまだ」。チーム全体の課題を問われても、矛先は小島に向かった。「四球は出ちゃうのしょうがないんですけど。そこをストライク先行していったら、改善できると思うので。今日の小島なんて典型的です。5回で100球近くいくっていうのは、ノックアウトも一緒なので。あんなことしてたら、ローテーションを任せられないです。今日も攻めているつもりだったと思うんですけど、見ているとそうは見えないですよね。厳しすぎる?」。さらに助言も忘れないのが吉井流だ。「勝ちたいという気持ちが強すぎて、良いところを狙い過ぎている感じがするので。良いボールを投げていると思うので、大胆に攻めていってほしいなと。走者が出たらああいうふうになるのはしょうがないんですけど。走者がいない状態からピンチのような感じで投げているので。ちょっと悲壮感漂っているので。もっと張り切って投げてほしいなと思います」。表情は緩やかだった。もう1人。この白星を捧げたい人がいた。浦和学院(埼玉)2年時からコーチとして指導を受け、7月24日に直腸がんのため45歳で亡くなった三浦貴さんだ。同30日の告別式当日は福岡でソフトバンク戦があったため参列出来ず、生花を供えた。30日に試合後も「本当は今日勝って、喜んでほしかった」と悔しい表情もみせていた。「三浦さんの最初の担任が僕らの代だった。僕がセンバツで優勝した時に『まだ上には上がいるぞ。プロの世界は本当に厳しい』という話をしてくださって、常に上を目指してやっていく姿というか、僕のモチベーションを高くいつも持ち上げてくれた。すごく感謝しているし、すごく残念。タイミングが良ければお通夜とか行きたかったが、ちょうど福岡に行っているタイミングだったので行けなかった。『まだまだだぞ』って言われている気がするので、しっかり結果で喜んでもらえるように頑張りたい」。吉井監督と浦和学院の三浦コーチ。2人の師に、さらなる飛躍を誓う貴重な白星となった。【鎌田直秀】

◆西武のドラフト4位・青山美夏人投手(23)=亜大=がプロ初先発し、2回2安打1失点。リードを許した状態でマウンドを降りた。今季ここまで28試合の登板は全て救援。前夜の試合前に先発を告げられ「予告先発に名前が出るのを見て、不思議な感じがある。あんまり先発ということを考えずに、中継ぎの1番最初というつもりの気持ちで投げていきたい」と力を込めた。大学時代は主に先発投手を務めていたルーキー右腕。立ち上がりは無失点に抑えたが二回に連打で先制を許した。先頭の山口を空振り三振に仕留めるも、6番・中村奨の右中間二塁打で1死二塁。続く安田に2ボールから146キロの直球を中前へはじき返された。失点こそ喫したが自身の強みも発揮した。「持っている球を全部使って自分の持ち味を出せれば」との宣言通り、最速148キロの直球に加え、100キロ台のカーブ、スプリット、カットボールを投げ分けた。二回1死一、二塁では1番・荻野から落差の大きい136キロのスプリットで空振り三振を奪い、最少失点で切り抜けた。前日12日、松井監督は起用法について「(青山は)長い回はなかなか投げないと思います。小刻み継投で行きたい」と語っていた。全43球を投げ、2番手・田村にマウンドを譲った。

◆しとしとと降り続ける雨にも、集中力を切らすことなく、淡々と左腕を振った。ロッテ・小島和哉投手(27)が6回5安打無失点、8奪三振。力強い投球で久々の6勝目(4敗)をつかんだ。「四回、五回のピンチの場面で相手に流れを渡さないで、ゼロに抑えられたところが良かったところかなと思います」走者を背負っても動じない。多彩な変化球を駆使して、西武打線に的を絞らせなかった。最初のピンチは四回だ。源田、ペイトンの連打と四球で1死満塁とされ、ベテランの中村と対戦。内、外角の低めに丁寧に制球し、投げた全5球のうち一度も直球を使わずに空振り三振に斬った。続く平沼は一ゴロに抑えた。五回には無死一、二塁のピンチを招いたが、早大の後輩にあたる1番の蛭間はスライダー、続く源田は内角直球で2者連続三振。最後はペイトンを中飛で打ち取り、自らを鼓舞するように「しゃあ」と雄たけびを挙げ、何度も左拳を握った。昨季は24試合に登板し、防御率3・14と好投を続けたが、3勝11敗。勝ち星に恵まれず、自宅の清掃などゲン担ぎを行っていたが、今年はやらなくなった。試合前時点で5月24日の西武戦を最後に8試合連続で白星がついていない中、自らの投球と向き合い、本来の調子を取り戻した。「球数(106球)を多くしてしまって、七回までいけなかったので、そこは悔しい」。小島は反省も忘れなかった。佐々木朗が離脱する中、ファンが待ち望んだ小島の復活星。チームは貯金を2桁「10」に戻した。

◆西武は八、九回に1点ずつ返したが、一歩及ばなかった。1―3の九回は代打栗山がソロ本塁打を放ち、その後2死一、二塁と攻め立てたが、源田がフルカウントから見逃し三振でゲームセット。それでも松井監督は「あの一発から本当に最後の最後まで、よくつないでくれた」と粘りを評価した。先発の小島に対しては再三の好機を生かせず、6回を無得点に抑えられた。監督は「低めに丁寧に投げていた。スライダーが非常に良かった」と話した。(ZOZOマリン)

◆西武は2試合連続の1点差負けで2カードぶりの負け越しが決まった。この日はブルペンデーで、救援投手のD4位・青山美夏人投手(23)=亜大=がプロ初先発。2回1失点で初黒星を喫したが「課題とか(もっと)できるなと思ったところもあった。今後につなげていきたい」と前を向いた。松井監督は「最少失点でよく投げ抜いてくれた」と話した。

◆壁をぶち破った。ロッテ・小島和哉投手(27)が6回5安打無失点で6勝目。5月24日の西武戦以来、自身9登板ぶりに白星をつかみ、安堵の表情を浮かべた。「久しぶりに勝てたのでほっとしています」。2-0の四回に1死満塁で通算465本塁打の中村と対戦。「得点圏(に走者がいる際)の右打者はずっと失敗していた」と苦手意識がある中、迷わず攻めた。追い込んでから膝元に食い込むカットボールで空振り三振。勢いに乗ると、8奪三振の好投でスコアボードに0を並べた。勝ち星が遠ざかる中、開幕投手を務めた左腕は「申し訳ない気持ちが強かった」と監督室の扉をたたいた。吉井監督と2人で話す時間をつくってもらい「初回からどんどん飛ばしていって、体力が尽きたら代えるから。気にせずどんどんいけ」と背中を押された。初心に返り〝一球入魂〟を徹底。結果につなげた。埼玉・浦和学院高時代の2013年に2年生エースとして選抜大会を制覇。同校で指導を受けていた三浦貴さんが7月に死去してから初の勝利となった。「選抜で優勝したとき、『上には上がいるぞ。プロの世界は本当に厳しいぞ』と話してくださった。『まだまだだぞ』と言われている気がする。結果で喜んでもらえるように頑張りたい」と飛躍を誓った。(武田千怜)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
60392 0.606
(↑0.004)
-
(-)
42381
(+1)
319
(-)
86
(-)
31
(-)
0.256
(-)
2.960
(↑0.03)
2
(-)
ロッテ
52424 0.553
(↑0.005)
5.5
(-)
45354
(+3)
353
(+2)
68
(-)
55
(+2)
0.236
(↓0.001)
3.340
(↑0.02)
3
(-)
ソフトバンク
50482 0.510
(↓0.005)
9.5
(↓1)
43373
(+3)
360
(+5)
71
(+1)
48
(-)
0.247
(↓0.001)
3.340
(↓0.02)
4
(-)
楽天
48521 0.480
(↓0.005)
12.5
(↓1)
42357
(-)
395
(+1)
86
(-)
72
(-)
0.240
(↓0.001)
3.520
(↑0.03)
5
(-)
西武
45551 0.450
(↓0.005)
15.5
(↓1)
42295
(+2)
329
(+3)
68
(+1)
61
(-)
0.234
(-)
2.900
(-)
6
(-)
日本ハム
44610 0.419
(↑0.006)
19
(-)
38351
(+5)
370
(+3)
80
(+2)
59
(+1)
0.233
(-)
3.130
(-)