ロッテ(★2対8☆)西武 =リーグ戦15回戦(2023.08.11)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
20202020081412
ロッテ
1100000002530
勝利投手:平良 海馬(7勝5敗0S)
敗戦投手:菊地 吏玖(0勝1敗0S)

本塁打
【西武】ペイトン(4号・1回表ソロ),栗山 巧(5号・5回表2ラン)

  DAZN
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◆投打のかみ合った西武が快勝。西武は2-2で迎えた3回表、佐藤龍の適時打などで2点を加え、勝ち越しに成功する。そのまま迎えた5回には、栗山が2ランを放ちリードを広げた。投げては、先発・平良が8回2失点の力投で今季7勝目。敗れたロッテは、守備の乱れが失点に響いた。

◆ロッテの先発はプロ初登板のルーキー菊地吏玖。ロッテの新人が初登板初勝利を記録すれば17年4月6日佐々木以来、6年ぶり13人目になる。佐々木はZOZOマリンの日本ハム戦で記録したが、本拠地を千葉に移した92年以降、ZOZOマリンで初登板初勝利を記録したロッテの新人は佐々木のみ。菊地は本拠地デビューを白星で飾れるか。

◆西武マーク・ペイトン外野手(31)が先制4号ソロで勢いづけた。ロッテ先発はプロ初登板のルーキー菊地。初回、1番蛭間と2番源田があっけなく凡退したところで、打席へ。カウント2-1からの高め145キロ直球を豪快に右翼席に運んだ。試合中、球団広報を通じて「良いカウントだったし、1打席目からいい結果が出てうれしいよ」とコメントした。コンディション不良もあって5月~7月中旬は2軍生活をしていた助っ人にとって、本塁打は4月18日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来となった。ペイトンは3回の第2打席でもいい当たりの右飛。試合前に「アツイ...」と日本語で苦笑いしていたナイスガイが、熱い1発で相手攻略への突破口を開いた。その後3回まででチームは4得点した。

◆西武栗山巧外野手(39)が中押しとなる5号2ランを放った。5回無死一塁。代わったばかりのロッテの2番手東妻に対し、カウント1-1からの141キロシュートを完璧にインパクト。頭を越されると思ったロッテの右翼岡が捕球するふりをして走者をかく乱したが、打球はライトオーバーどころか、フェンス直撃どころか、フェンスオーバー。一、二塁間の中間まで全力で走っていた栗山も、そこでサク越えに気付き、ようやくスピードを緩めた。通算2217試合目に放った通算2105本目の安打、通算125本目の本塁打は、トリックプレーさえ超えていった。試合中、球団広報を通じ「風にも乗ってくれたと思いますが、いい追加点になって良かったです」とコメントした

◆お笑いコンビ、千鳥の大悟(43)が始球式にサプライズ登場した。佐々木朗希投手(21)の背番号17のユニホームでマウンドに上がると、手に握っていたのは白球ではなく、鉄板ネタの「いか2貫」。場内アナウンス担当の谷保恵美さんが高らかに「いか、2貫~」と美声を響かせた。振りかぶると帽子が落ち、かつらの頭頂部にさらに「いか2貫」が乗っかっていた。ロッテ吉井監督らを笑顔にさせたが、投球はというと、野球経験者には悔しいワンバウンド。球団を通じて「あの1球のために何十球も投げ込んだんですけど、やっぱり緊張でマウンドに上がった瞬間、野球をやっていた9年間すべて忘れてしまいました。ただ本当に素晴らしいマウンドで、素晴らしい球場で、何よりもお客さまがあたたかかった。ストライクが入らなかったのはちょっと悔しいですね。また機会があれば是非! マリーンズも後半戦、優勝目指して頑張ってください!」とコメントした。

◆ロッテのドラフト1位、菊地吏玖投手(23)のプロ初登板初先発は、4回7安打4失点(自責1)で終わった。記念すべき最初のアウトは、大学時代から親交のある西武のドラ1蛭間から奪った。全球直球勝負。2球で追い込み、3球目で遊ゴロに。ドラ1が投げ、ドラ1が打ち、同期のドラ2友杉が打球を処理するという流れに思わず笑みがこぼれた。だが直後、プロの洗礼が待っていた。2死走者なしから高めへの真っすぐをペイトンに痛打され、右翼席まで運ばれた。初回はこのソロから4連打を許し、味方の失策も絡んで2点の先行を許した。同点に追いついてもらった直後の3回は四球から失点した。最速は147キロだった。マリンスタジアムで初登板初勝利を挙げれば、ロッテの新人では17年の佐々木千隼以来、2人目の快挙だった。5回もたず、2点ビハインドでの降板に「まだまだだなとは自分で感じつつも、粘って投げられた場面もあった。悪いなりに投げることはできたかなと思います」。初めての収穫と反省を胸に、ベンチに下がって声を張った。

◆西武のベテラン栗山巧外野手が貴重な中押し5号2ランを放った。手ごたえは「そこそこ芯に当たったんで、どうかな~っていうくらい」としながら、ロッテの右翼岡がフェンス直撃に備え、本塁側を向いてフェイントした。「うそや~ん、って。余裕で捕られるくらいの勢いじゃないのに」と思いながら走り、結局フェンスオーバー。今年初のお立ち台でファンに感謝を伝えた。

◆ロッテ中村奨吾内野手(31)がベンチスタートとなり、最後まで出場しなかった。中村奨は6日の楽天戦も体調不良で欠場したが、ベンチ入りしながらのスタメン落ちは今季初めて。昨季も新型コロナウイルス陽性の時期以外は先発出場していた。西武の先発平良からは今季2本塁打するなど、相性はよかった。吉井理人監督は試合後、体調面を考慮したのかとの問いに「そうですね。荻野もずっと試合出てたんで、おじさん2人はそうです」と説明。前日までのスタメンでは荻野貴司の他、山口も出番がなかった。こちらも休養日だと言い「明日からは3人とも試合に出てもらいます」と話した。

◆ロッテのドラフト1位、菊地吏玖投手のプロ初登板は4回7安打4失点(自責1)で黒星が付いた。1回2死から西武ペイトンにソロを被弾。最速は147キロだった。援護に恵まれなかったが、堂々たる投球を披露した。吉井監督からは「数字が付いたな」との言葉をもらった。菊地は「1軍で投げられずに引退する選手もいる中で、成績が付くのはありがたいこと。次はもっといい数字を」。1度登録を抹消し、再び2軍で好機を待つ。

◆西武の西川愛也外野手(24)がまた、目尻を下げながらヒットを喜んだ。チームが北海道から戻ったこの日、1軍に昇格。7回から左翼守備につき、9回に回ってきた打席でロッテ中村稔のカーブをセンターへライナーで運んだ。「いやぁ、めちゃめちゃデカいですね」若獅子の言葉に情感がこもる。4月30日、63打席ぶりにヒットを放った。野手としてのプロ野球ワースト記録(60打席連続無安打)を作りながらも、久しぶりの安打に涙した。しかしその後、安打は3本のみ。5月10日に出場選手登録を抹消され、この日までの3カ月間、ずっと2軍にいた。「時間、かかりました」と振り返る。5月は2軍でも上位打線を任されたが、7月には7番や9番といった打順も増えた。ようやく少し安打が増えてきた中で、1軍に呼ばれた。試合前には松井稼頭央監督(47)とマンツーマンでスイングをチェックする姿もあった。「やっぱり僕の特徴として、上からかぶせてしまうのが強いので。そこをいかに押さえて、センターにしっかり打ち返していけるか。それができたらある程度打てる率は高くなると思うんで、それをいま練習でも意識して。今日もカーブ来て、その分粘れてセンターに打てたと思います」金子、愛斗と守備力の高い外野手が現在1軍に不在で、西川には守備面での期待も大きい。「途中出場でもしっかり自分のプレーを出せるようにやりたいです」。3カ月間でチームの形や流れも変わってきた。限られたチャンスを最大限に生かしたい。【金子真仁】

◆西武平良海馬投手(23)が自己最長の8回を投げ、今季7勝目を挙げた。8回を終え2失点、106球。松井稼頭央監督(47)ともベンチで話し、ここで役目を終えた。「球数も球数ですし、来週も試合があるので備えないといけないので。無理に行かずにという感じですね。疲れましたし」平良らしく振り返った。チームは4週連続6連戦のまっただ中にある。序盤は制球がなかなか落ち着かなかったものの、価値ある白星へと導いた。志願して先発転向し、初めての夏を迎える。少しでも疲労を取る-。そのために目を閉じた。DeNAバウアーからの金言だった。同じYouTuber同士...というわけではないが、もともと興味津々だったこともあり、球宴で会話が弾んだ。「睡眠がリカバリーで大事でけっこう寝てるって聞いたので、ちょっと早めに寝るようにします。バウアーは9時間とか10時間寝るって言ってました。僕はこれまでは6時間とか7時間っすね」これまで大きく負け越しているロッテ相手に、3連戦の頭を取った。先発投手として価値の大きな白星になった。またゆっくり寝て、翌週に備える。防御率も1点台突入が近づき、先発投手としても頼もしさを増している。【金子真仁】

◆プロ22年目を過ごす西武栗山巧外野手(39)にとって、今年初めてのヒーローインタビューだった。「初めてなんすよ~」着替えて帰路へ向かう表情にも幸福感があふれる。ひと言ひと言しっかりと。明るく優しく強く伝える。左翼席を中心に西武ファンもわいていた。「千葉はライオンズファンもけっこう詰めかけてくれて盛り上がる球場なんで、うれしかったです。次いつ(お立ち台に)立てるか分からへんから、しっかりファンの皆さんに気持ち届けたいなと思って」プロ初先発のロッテ菊地から安打を放った。栗山が公式戦で安打を放ったのは、これで通算513人目になる。「あまりこう、初先発とかルーキーの選手とかは気にしないようにして、しっかりボールの勢いとタイミングだけを図れたらなと思って試合に臨みました」やることはいつも同じ。誰よりも先にベンチに入り、バットを2本並べ、ヘルメットやグラブも丁寧に置く。毎試合そうする。打撃フォームに微調整を加えることはあるものの、意識までは変えない。いつもと同じことを、しっかりと。5回にはロッテ東妻から中押し5号2ランを放った。公式戦で本塁打を打った相手としては通算107人目になる。9月には40歳になる。それでもしっかり打つ。しっかり走る。「そこそこ芯に当たったんで」という本塁打の場面も、一塁を全力疾走で回った。頭を越されることを想定したロッテ右翼岡が、走塁を緩ませようと、捕球体勢に見せかけるフェイントをしたからだ。しかし打球はライトオーバーどころか、フェンス直撃どころか、フェンスオーバーに。「ウソや~ん、って。あんな余裕で捕られる勢いじゃないのにって。でもマリンの風に戻されることも経験してはいるので、あぁ...と思いながら」それだけにうれしい5号弾。チームではマキノン、中村、外崎に続く4位だ。不惑が近づいても、バットマンはまだまだ元気だ。「本当に、皆さんの応援の力はいただいています。僕たちもしっかり頑張って、いい力を皆さんに感じてもらえるように頑張りますんで、応援よろしくお願いします」汗吹き出る中で声をからした獅子党たち。その心のど真ん中にぶっ刺さりそうな、背番号1の言葉と声色だった。【金子真仁】

◆「3番・左翼」で先発した西武のマーク・ペイトン外野手(31)が4号先制アーチを放った。一回2死。ロッテ・菊池の高めに来た真っすぐを完璧に捉え、右中間スタンドに豪快な一発を叩き込んだ。4月18日以来、約4カ月ぶりの嬉しい一発となりペイトンは「いいいカウントだったし自分の得意なコースを狙っていたんだ。1打席目からいい結果がでてうれしいよ」と笑顔で振り返った。

◆12日の西武戦にロッテ・メルセデス投手(29)が先発する。本拠地でダッシュなどを行って調整した助っ人左腕は「自分の持っているすべての力を出し切ってチームの勝利に貢献したいです」と力を込めた。前回1日の日本ハム戦は6回1失点の好投も勝敗はつかず。6月16日のDeNA戦以来、約2カ月ぶりの4勝目(6敗)を目指す。

◆お笑いコンビ、千鳥の大悟が始球式に登場し、球場の笑いを誘った。投球の構えをつくり、投げると見せかけ、グラブに忍ばせていた「イカ2貫」をひょっこり。続けて大きく振りかぶった際に帽子が脱げると、帽子の下にも「イカ2貫」。千鳥の鉄板ネタで吉井監督や選手らも笑わせた。投球はワンバウンドとなり「緊張でマウンドに上がった瞬間、野球をやっていた9年間を全て忘れてしまいました」と悔しがった。

◆「6番・DH」で先発した西武の栗山巧外野手(39)が5号2ランを放った。 2点リードの五回無死一塁。2番手・東妻の高め速球にうまくバットを合わせて右中間ホームランラグーン叩き込み「風にも乗ってくれたと思いますが、いい追加点になってよかったです」と振り返った。

◆先発した西武・平良海馬投手(23)は苦しい立ち上がりとなったが、味方打線の援護を得て徐々に調子を上げた。「前回登板から疲れもなく状態はいい。ロッテとは対戦回数を重ねているので、的を絞られないように対策を練っていきたい」そう語って臨んだ中6日でのロッテとの今季4度目の対戦。前回対戦となった7月5日(ZOZOマリン)は7回2失点の好投も敗戦投手となった。味方から2点をもらって上がった一回のマウンドは先頭・友杉に四球を与えると、続く角中の三塁方向への打球を自ら処理に行った際に一塁へ悪送球。いきなり無死二、三塁のピンチを迎えた。ブロッソーは空振り三振に仕留めたが、ポランコの二ゴロの際に1点を失った。2-1の二回にも先頭から連打を浴び犠打で1死二、三塁とされると、藤原の内野ゴロで同点とされた。先発に転向した今季は前半戦13試合の登板で6勝4敗、防御率2・22をマーク。中継ぎ時代から3年連続で球宴にも選出された。後半戦はこの日まで2試合で白星こそないが、前回4日のオリックス戦では7回3安打無失点の好投を見せた。打線は同点の四回に2点を追加して勝ち越すと五回には栗山の2ランが飛び出し、右腕を援護。それを受け平良も四、五回と三者凡退で切り抜け、本来の姿を取り戻した。(石井孝尚)

◆鮮烈なデビューとはならなかった。ロッテ・菊地吏玖(りく)投手(23)=専大=が先発でプロ初登板し、4回7安打4失点(自責点1)で降板。球団では2017年の佐々木千以来となるプロ初登板勝利を狙ったが、かなわなかった。「まだまだだなとは自分で感じつつも、粘って投げられた場面もあったので、悪いなりに投げることはできたかなと思います」いきなりプロの洗礼を浴びた。一回、テンポよく2死を奪った後、3番・ペイトンに先制ソロを被弾。真ん中高めの直球を右翼へ豪快に運ばれ、悔しそうに顔をしかめた。4番・マキノンに右前打を浴び、失策が絡んで2死二塁に。続く外崎は飛球で打ち取ったかに思われたが、ふらふらと上がった打球は遊撃手と左翼手の間にぽとりと落ち、適時二塁打となった。三回は四球をきっかけに味方の失策がからんで2失点。四回は1死一、二塁のピンチを招きながら、後続を断って4回84球でマウンドを降りた。札幌大谷高、専大を経てドラフト1位で入団。4月に左脇腹を痛めて出遅れた中、同期入団のD2位・友杉(天理大)が1軍で活躍する姿を見て刺激を受けた。「絶対、1軍にいったらあいつよりも目立ってやる」。対抗心を燃やして練習を積み、めぐってきた出番で粘投。プロの一歩を踏み出した右腕が、さらなる飛躍を期す。(武田千怜)

◆西武が14安打8得点で快勝した。一回にペイトンのソロと外崎の適時二塁打で2点を先行し、着実に加点して突き放した。平良は尻上がりに調子を上げ、自己最長の8回を5安打2失点で7勝目。ロッテは投打で振るわなかった。

◆今季から先発に転向した西武・平良海馬投手(23)が、8回5安打2失点(自責点1)で7勝目(5敗)。自己最長の8回を106球で投げ切り「徐々に先発に慣れてきているなという手応えがあった」とうなずいた。序盤こそ苦しんで失点したが、味方打線の大量援護とともに尻上がりに調子を上げた。三回以降は2安打に抑え、相手に二塁すら踏ませなかった。リーグトップの防御率2・90を誇るチームの投手陣は、今季ここまで高橋の2度を含む今井、与座、隅田が完封勝利を達成。自身もあと1イニングで初完投となったが平良は「球数も球数だったし、来週も試合があるので無理にいかずに」とあくまでマイペースを貫く。そんな右腕を松井監督は「先発で八回まで投げてくれるのはチームにとって非常に大きい」とたたえた。(石井孝尚)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
59392 0.602
(↓0.006)
-
(-)
43380
(-)
319
(+5)
86
(-)
31
(-)
0.256
(↓0.001)
2.990
(↓0.03)
2
(-)
ロッテ
50424 0.543
(↓0.006)
6
(-)
47348
(+2)
349
(+8)
68
(-)
53
(-)
0.237
(-)
3.370
(-)
3
(-)
ソフトバンク
50462 0.521
(↑0.005)
8
(↑1)
45370
(+7)
346
(+4)
70
(+1)
48
(+2)
0.248
(↑0.001)
3.270
(↓0.01)
4
(-)
楽天
48511 0.485
(↑0.005)
11.5
(↑1)
43357
(+5)
394
(-)
86
(+2)
72
(+1)
0.241
(-)
3.550
(↑0.03)
5
(-)
西武
45531 0.459
(↑0.005)
14
(↑1)
44291
(+8)
323
(+2)
66
(+2)
61
(-)
0.235
(↑0.002
2.900
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
42610 0.408
(↓0.004)
19.5
(-)
40337
(+4)
367
(+7)
75
(-)
58
(+1)
0.232
(↑0.001)
3.160
(↓0.03)