巨人(★2対5☆)阪神 =リーグ戦17回戦(2023.08.10)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:才木 浩人(6勝5敗0S)
(セーブ:ケラー(1勝0敗1S))
敗戦投手:戸郷 翔征(10勝3敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(6号・7回表2ラン),原口 文仁(2号・9回表2ラン)
【巨人】坂本 勇人(13号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う7回表、近本の2ランなどで3点を挙げ、逆転に成功する。3-2となって迎えた9回には、代打・原口の2ランが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・才木が8回途中2失点の力投で今季6勝目。敗れた巨人は守備の乱れが失点につながり、打線も好機を生かしきれなかった。

◆巨人坂本勇人内野手(34)が、グラウンドでの練習を再開した。外野で右太もも裏を気にしながらも、軽めのランニングで状態を確認。守備練習では逆シングルから右足で踏ん張っての送球を確認し、ティー打撃、フリー打撃も通常通り行った。8日の同戦では、守備の際に6月に肉離れで約1カ月離脱していた右太もも裏を気にするそぶりを見せ、3回1死一塁の打席で代打を送られていた。前日9日の同戦の試合前練習ではグラウンドに姿を見せずに調整。3点を追う延長11回2死一塁に代打で出場するも、空振り三振に倒れて最後の打者となった。

◆阪神の守護神岩崎優投手(32)が、休養のため試合前練習に参加せず、一足早く帰阪した。岡田彰布監督(65)が練習前に「岩崎は帰したよ」と説明した。長期ロード3カードで5試合に登板しすべてセーブを挙げている絶対的守護神は、7日の月曜を挟み3連投していた。現在、ブルペン陣の左腕は岩崎、岩貞、島本、桐敷、及川と左腕が5人いる。疲れを考慮してこれまでもブルペン陣を毎日1人ベンチ入りから外していた。11日からは京セラドーム大阪でヤクルト3連戦。守護神を先に帰阪させ、しっかり休養させた。岩崎は今季途中から湯浅の代わりとしてクローザーとなり、ここまで42試合、3勝1敗、22セーブ、10ホールド、防御率0・90、16試合無失点と抜群の安定感を見せている。

◆体調不良による「特例2023」で出場選手登録を抹消されている阪神大竹耕太郎投手(28)が10日、16日広島戦(マツダスタジアム)で先発することが濃厚となった。前日9日の巨人戦で5回無失点と好投したジェレミー・ビーズリー投手(27)が出場選手登録を抹消された。岡田監督は「1回間隔開ける」と明言しており、助っ人に代わって同戦を任されるとみられる。大竹はこの日鳴尾浜で行われたシート打撃に登板。変化球を交えながら打者10人と対戦し、安打性の打球は4つ。1つの見逃し三振を奪い、復帰へ向けた調整を進めていた。また、この日先発の才木浩人投手(24)が出場選手登録された。

◆巨人坂本勇人内野手(34)が、2試合ぶりにスタメンに復帰した。8日の同戦では、守備の際に6月に肉離れで約1カ月離脱していた右太もも裏を気にするそぶりを見せ、3回1死一塁の打席で代打を送られていた。前日9日の同戦の試合前練習ではグラウンドに姿を見せずに調整。3点を追う延長11回2死一塁に代打で出場するも、空振り三振に倒れた。この日からグラウンドでの練習を再開していた。前日に代打で一時逆転の13号2ランを放った中田翔が12試合ぶりにスタメンに入った。8月は打率1割1分5厘、0本塁打と苦しむ秋広は「7番左翼」で5月24日DeNA以来、2カ月半ぶりにクリーンアップを外れた。

◆俳優の尾野真千子(41)が始球式を行った。背番号31に「MACHIKO」と名前が入ったユニホームで登場した。セットポジションから投球。惜しくもショートバウンドとなったが、ボールはホームベースの上を通過した。美しい笑顔を振りまき、両手を上げて大喜びで、歓声に応えた。「最高です! 想定よりよく飛んだので自己採点は90点です。球場では客席からしか見たことがなかったので、マウンドに立つことができて夢みたいでした」と声を弾ませた。この日は「奈良県五條市 柿ナイター」として開催。尾野は奈良・西吉野村(現五條市)の出身で、五條市名誉市民を務めている。「奈良県五條市のPRに貢献できたらうれしいです。同郷の岡本(和)選手と一緒に写真も撮れました。母がジャイアンツファンなので、一緒に応援します。最後まで100パーセントで頑張ってください。私も100パーセントで頑張ります」と地元をアピールした。

◆阪神先発才木浩人投手(24)が先制点を献上し、チームの連続先制点が6試合でストップした。3回、巨人先頭の長野に左翼線二塁打を許すと、戸郷の三塁方向へのバントを才木が処理できず無死一、三塁のピンチに。続く吉川の二併殺打の間に三塁走者が生還して先制点を許した。その後、坂本の打席では三塁手・佐藤輝明内野手(24)がまさかのトンネル。嫌な空気が漂ったが、最後は梶谷を空振り三振でこの回1失点で食い止めた。

◆リーグ単独トップの11勝目を狙う巨人戸郷翔征投手(23)がアクシデントに見舞われた。2回1死、阪神梅野の強烈な投ゴロがワンバウンドで左のすね付近を直撃した。打球は一塁・中田翔の前に転がって一ゴロに。戸郷は笑みを浮かべながらも、痛みのあまりその場に座り込んだ。トレーナーや阿波野投手チーフコーチが慌ててマウンドに駆け寄り、左足を引きずりながらベンチ裏に治療に下がった。2分間の治療を終えると、ダッシュで軽快な足取りでマウンドに戻って続投。2死から木浪に中前打を浴びるも、球速は150キロを計測し、続く才木を右邪飛に打ち取って無失点で切り抜けた。

◆巨人戸郷翔征投手(23)が手中に収めかけたリーグ単独トップ11勝目を逃した。1点リードの7回だった。先頭ノイジーにあと10センチで柵越えという右中間への二塁打を浴びると、続く梅野の投ゴロで三塁へ送球もわずかにそれて野選に。無死一、三塁のピンチで一塁けん制球を投じるも、一塁・中田翔が見ていなかったのか捕球ミスで三塁走者が本塁に生還し、同点に追い付かれた。その後は2者連続三振で2死一塁とするも、近本に148キロ直球を右翼席に運ばれ、勝ち越し2ランを被弾。投手交代がコールされ、悔しそうな表情を浮かべながらベンチへ下がり「先制点をいただいたのに、粘り切れなかったことが全てです」と反省した。149球完投勝利で2ケタ10勝目を挙げた3日ヤクルト戦から中6日。2回1死、梅野の強烈な投ゴロがワンバウンドで左のすね付近を直撃するアクシデントにも動じず粘投を続けた。勝てばリーグ単独トップの11勝目だったが、129球で6回2/3を6安打3失点7奪三振の熱投も白星には結び付かなかった。

◆途中出場した阪神島田海吏外野手(27)が左翼スタンドの虎党が大声援を送って鼓舞された。7回に代走として送られ、7回の守備から「6番左翼」で出場。7回1死での代打中山の打球が左中間へ高々と舞い上がり、島田が無事に捕球した。前夜、終盤に落球して巨人に追いつかれ、「ほんとに...しょうもないミスをしてしまったのをみんながカバーしてくれたんで、僕はもうみんなに感謝しかないです」と、涙を流しながら取材陣に応じていた。虎党もこのニューズを見たのか、捕球した瞬間に背番号53に大声援。島田も帽子に手を添えて声援に感謝していた。

◆2試合ぶりにスタメン復帰した巨人坂本勇人内野手(34)が反撃の13号ソロを放った。2点を追う8回先頭、阪神才木の真ん中148キロ直球を左翼席に運んだ。両手に残る感触で確信。ゆっくりとダイヤモンドを1周した。「一振りで仕留められました。追い越せるように頑張ります」と振り返った。5回の中前打に続く、2安打目。1点差とし、反撃ムードを高めた。8日の阪神戦では守備の際に6月に肉離れで約1カ月離脱していた右太もも裏を気にするそぶりを見せ、3回1死一塁の打席で代打を送られて交代。前日9日の試合前練習ではグラウンドに姿を見せずに調整し、3点を追う延長11回2死一塁に代打で出場するも、空振り三振に倒れていた。スタメン復帰で存在感を発揮した。【本塁打詳細】飛距離=123メートル打球速度=168キロ角度=23度

◆/ポイントゲッターとしても機能する1番\好投手を捉えた近本光司勝ち越しホームランに岡田監督もこの表情???プロ野球(2023/8/10)??巨人×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/t1B41yKRpW

◆前夜に怠慢走塁の失態を犯した巨人ルイス・ブリンソン外野手が、決死の猛ダッシュで内野安打を記録した。8回先頭の坂本の13号ソロで1点差とした後の打席。カウント2-2から遊撃への打球に、全力疾走した。バットを折りながら、ボテボテの当たりに走り抜けるとセーフ判定。スタンドは大歓声に包まれ、ブリンソンもガッツポーズ、ベンチも沸いた。前日の試合では、0-0の5回に中越えへの大きな当たりに自ら本塁打と確信歩き。わずか数十センチ届かずフェンス直撃すると、慌てて走り出すも単打にとどまった。今季走塁ミスを何度も重ね、いっこうに改善が見られないブリンソンに、原辰徳監督は「野球を志す少年たちにも、すべての野球人に対して私自身の指導不足ということですね。非常に恥ずかしいプレーでした」と怒りを押し殺していた。走塁ミスを懸念したためか、出塁したブリンソンには、代走・増田大が送られた。

◆阪神近本光司外野手(28)が勝ち越しとなる6号2ランを放った。1点ビハインドから、巨人のミスが重なり1点を返した直後の7回2死一塁。巨人戸郷の148キロ直球を捉え、右翼席へ豪快に放り込んだ。岡田監督も値千金の1発に万歳ポーズ。今季、戸郷から勝てていない虎打線が一気に飲み込んだ。近本の打席の前から、みんなで流れを作っていた。阪神シェルドン・ノイジー外野手(27)があと数センチで本塁打となる二塁打を放ち、チャンスメークすると、続く梅野の投ゴロの打球を戸郷が三塁へ送球するも、島田が足を入れて判定がセーフに。無死一、三塁となった。そして、木浪の打席で戸郷の不意を突いたけん制に、投手から目を切っていた中田が投げられてから気づいて捕球ミス。その間に島田が生還し、同点に追いついていた。勢いが止まらない阪神打線が7連勝に向け、ギアを上げた。

◆巨人高梨雄平投手(31)の登場で、またしても東京ドームに怒号と声援が混じり合った。1点を負う9回1死一塁、鈴木康に代わって5番手で高梨がコールされると、左翼席の阪神ファンから怒号のようなブーイングが起こった。これに呼応するように巨人ファンから高梨コールで応戦。8日の同戦と同じような異様な光景となった。高梨は代打原口に初球スライダーを左中間席に運ばれて2ランを被弾。続く近本の打席で6番手堀岡がコールされ、1球で降板した。近本との対決はなかった。高梨は7月2日の阪神戦(東京ドーム)の7回先頭、初球で近本の右脇腹付近に死球を当て、右肋骨(ろっこつ)を骨折させていた。試合後には社会人野球ENEOS時代の同学年の同僚だった阪神糸原を介して謝罪の連絡を入れ、同25日の試合前にも甲子園で直接謝罪に訪れていた。

◆巨人が今季初の東京ドームでの同一カード3連敗を喫した。首位阪神とは11ゲーム差で、今季の対阪神の勝ち越しは消滅し、7月27日以来14日ぶりの借金1となった。先発戸郷は2回に打球が左すね付近を直撃するアクシデントにも動じずに、無失点投球を続けたが、7回に逆転を許した。先頭ノイジーにあと10センチで柵越えという右中間への二塁打を浴びると、続く梅野の投ゴロで三塁へ送球もわずかにそれて野選に。無死一、三塁のピンチで一塁けん制球を投じるも、一塁・中田翔が見ていなかったのか、捕球ミスで三塁走者が本塁に生還し、同点に追い付かれた。その後は2者連続三振で2死一塁とするも、近本に148キロ直球を右翼席に運ばれ、勝ち越し2ランを被弾。投手交代がコールされ、悔しそうな表情を浮かべながらベンチへ下がった。149球完投勝利で2ケタ10勝目を挙げた3日ヤクルト戦から中6日、129球で6回2/3を6安打3失点7奪三振の熱投も白星には結び付かなかった。打線は3回に吉川の二ゴロ併殺の間に1点を先制するも、以降は才木の前に封じられた。2点を追う8回には、8日の阪神戦で守備の際に6月に肉離れで約1カ月離脱していた右太もも裏を気にするそぶりを見せ、途中交代していた坂本が13号ソロを放った。2試合ぶりスタメンで結果を残して反撃ムードを醸し出すと、ブリンソンの内野安打、大城卓の左前打で1死一、三塁と同点のチャンスを作ったが、あと1点が遠かった。

◆阪神が2試合連続の逆転勝利で破竹の7連勝を飾った。ロード期間中の7連勝は、68年の8連勝以来55年ぶりの快挙だ。貯金は今季最多の21まで増加。今季巨人戦はこれで12勝4敗1分け。残り8ゲームを残し、負け越しの可能性はなくなった。3回にチームとして7試合ぶりの先制点を奪われ、劣勢ムードでゲームが進む中、相手守備のミスから流れが一気に傾いた。1点を追う7回、1死一、三塁での木浪の打席だった。戸郷が不意を突く形で一塁へのけん制を試みるも、一塁手中田が投手から目を切り、けん制球を投げられてから気づき、ファンブル。ボールが転々とする間に三塁走者が本塁へ突入し、同点のホームを踏んだ。とどめは近本光司の一撃だ。なおも2死一塁から戸郷の内角148キロを捉え、右越えの6号2ランで勝ち越しに成功。その後8回に坂本のソロで1点差まで迫られたが、リリーフ陣が踏ん張りそのまま逃げ切った。長期ロード期間中の東京ドームでの巨人3連戦は2年連続で3連勝。「大阪タイガース」の復刻ユニホームでの試合は今季6戦全勝を成し遂げた。先発した才木浩人投手(24)は8回途中8安打2失点、7奪三振の力投で、約2カ月ぶり、自身6試合ぶりの勝ち星となる自己最多タイの6勝目をもぎ取った。

◆阪神原口文仁内野手(31)が2号2ランを放ち、巨人高梨を1球でKOした。1点リードの9回1死一塁で巨人高梨の131キロスライダーを初球打ち。左中間スタンドへ放り込んだ。1点差に迫られたが、原口の1発で貴重な追加点をあげた。

◆阪神才木浩人投手(24)が約2週間ぶりのマウンドで、117球の粘投を見せた。3回無死一、三塁の場面で、併殺の間に先制点を許した。だが最少失点で抑え、味方の3点援護を呼び込んだ。2点リードの8回に坂本にソロ本塁打を被弾。1点リードのまま1死一、三塁のピンチを招いた場面でマウンドを託した。だが直後加治屋、島本の救援陣が無失点に切り抜けた。8回途中8安打2失点7奪三振。6月11日日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約2カ月ぶり6勝目の権利を手にした。

◆巨人長野久義外野手(38)が巨人復帰後では初の猛打賞をマークした。3回先頭では阪神才木から左翼線への二塁打をマークし、先制のホームを踏んだ。7回1死からは中前打で出塁し、9回先頭でも左前打で続き、3安打の活躍だった。長野の猛打賞は今季初で、広島時代の昨年7月16日巨人戦以来、約1年1カ月ぶり。7月は打率3割7分5厘、8月は3割1分3厘&2本塁打と夏男ぶりを発揮する。7月1日に2割1分2厘だった打率は、2割8分1厘まで上昇してきた。

◆阪神近本光司外野手(28)が6号勝ち越し2ランで試合を決めた。7連勝を導いた男は、15試合連続安打と絶好調だ。近本は年下からすれば"近所の優しい兄ちゃん"のような存在だ。あれは右肋骨(ろっこつ)骨折から復帰して間もないころ。7月23日のヤクルト戦(神宮)前、「近本さん!」とヤクルト武岡に声をかけられた。ライバルチームでありながら、昨年末に故郷淡路島で自主トレをともにした後輩。何やら話し込むと、1人三塁側ベンチでごそごそ...。「このバットで12の1しか打ってないけど、大丈夫?(笑い)」。笑いを交え、愛用するヤナセ社の試合用バットを手渡した。武岡は「近本さんのバットの型を参考にしたくて。骨折も『大丈夫』って言ってましたね。すごすぎます...」とリスペクト。プロ5年目。今や他球団の選手からも憧れられ、目指すべき存在になった。「武岡、最近出てるん? まあ、哲人さんが帰ってきたなら、しゃあないなあ」と、山田の戦列復帰でスタメン機会を減らしている武岡を気にかける兄貴分的キャラクターも垣間見える。ちなみに、武岡にバットをプレゼントしてから厄払い? できたのか、7月25日から15試合連続安打だ。【阪神担当 中野椋】

◆阪神が2試合連続の逆転勝利で破竹の7連勝を飾った。ロード期間中の7連勝は、68年の8連勝以来55年ぶりの快挙だ。貯金は今季最多の21まで増加。今季巨人戦はこれで12勝4敗1分け。残り8ゲームを残し、負け越しの可能性はなくなった。阪神が3日中日戦から7連勝。夏の長期ロード期間中(高校野球開催中の甲子園以外での試合が対象)最長は68年8月18日中日戦~27日広島戦の8連勝で、あと1勝と迫った。なおこの期間の東京ドーム巨人戦での同一カード3連勝は、22年8月19~21日に続き2度目。この球場での長期ロード期間の巨人戦は、昨季から6連勝。88年の開場以降、21年まで長期ロード中は通算30勝79敗6分けの勝率2割7分5厘と大苦戦していたが、鬼門返上に成功した。阪神の7連勝以上は今季3度目だが、今回はすべて敵地での白星。52年のフランチャイズ制以降、阪神にとってオールビジターの7連勝は68年8月20~27日、02年3月30日~4月6日(開幕戦から)に次いで3度目のタイ記録。68年は今年と同じ夏の高校野球(決勝は8月22日)02年はセンバツ(決勝は4月5日)で甲子園球場を使えない期間に記録している。これで今季の阪神はビジターで27勝21敗1分け、勝率5割6分3厘。セ・リーグでビジターゲームに勝ち越しているのは阪神だけだ。

◆巨人は連日ミスが致命傷となり勝機を失った。1点リードの7回無死一、三塁、阪神木浪の打席。投手・戸郷のけん制球を一塁・中田翔が捕球ミスして同点に追い付かれた。原監督が「なんとか攻撃中心に」と12試合ぶりに先発した中田翔が、戸郷を視線から外し捕り損ねた。原監督は「生涯しないでしょう、そういうミスを、彼はね」。阪神に本拠地での同一カード3連敗は1年ぶり。首位と今季最大11ゲーム差となった。

◆巨人戸郷翔征投手が129球の熱投で6回2/3を6安打3失点も、リーグトップの11勝目はならなかった。2回に打球が左すね付近を直撃しながら好投を続けたが、7回に逆転された。2死一塁から近本に勝ち越し2ランを浴び「先制点をいただいたのに、粘り切れなかったことが全てです」と悔しさをにじませた。今季は4戦3勝と無敗だった阪神に初黒星を喫した。

◆/連敗脱出へここでスターの一発\坂本勇人が反撃のホームラン??万全でなくともチームのために全力で!?プロ野球(2023/8/10)??巨人×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/RjQcspVryN

◆手負いの巨人坂本勇人内野手が2試合ぶりのスタメン復帰で、一矢報いる13号ソロを放った。2点を追う8回、才木の直球を左翼席へ運んだ。「一振りで仕留められました」と1ボールからの2球目を捉えた。5回も中前打で2安打をマーク。試合前練習では痛めていた右太もも裏を入念に確認していたが、不安を感じさせないプレーで存在感を放った。

◆阪神原口文仁内野手がダメ押しの2号2ランを放ち、巨人高梨を1球でKOした。1点リードの9回1死一塁で巨人高梨の131キロスライダーを初球打ち。左中間スタンドへ放り込んだ。1点差に迫られ、緊迫した展開で大きな1発を放った。開幕カード以来のアーチに本人は「糸原の代打の打席だったので、2人分と思っていました。入ってよかったなと思います」とほっとした様子だった。原口の代打本塁打は今季2本目で、4月2日DeNA戦でエスコバーから打って以来。自身通算5本目。なお今季チームで代打本塁打を記録しているのは原口のみ。阪神の巨人戦での代打本塁打は、20年8月6日(甲子園)中谷将大の満塁本塁打以来。東京ドームに限ると、関本賢太郎が14年7月13日に満塁本塁打を放って以来。なお関本は、これが現役最後の本塁打となった。

◆阪神島田海吏外野手(27)が激走で同点のホームに滑り込んだ。7回にノイジーの二塁打から代走を送られ出場。そして、無死一、三塁の木浪の打席で戸郷の不意を突いたけん制に、中田が投げられてから気づいて捕球ミス。その間に激走し、一時同点とした。前日9日に自らの捕球ミスに号泣したが「冷静に判断していけたと思います。本当にチームが勝ててよかったです」と胸をなで下ろして球場を後にした。

◆阪神木浪聖也内野手が巨人戸郷からマルチ安打を放った。2回2死から戸郷のフォークを捉え中前打。5回1死でも追い込まれながらも右腕のスライダーを強振し、左前打を放った。戸郷との対戦打率は5割7分1厘と、今季チームが苦戦している相手と相性抜群。背番号0は「合う感じはあります。理由は分からないです。でも、たまたまです」と謙虚な姿勢を貫いた。

◆巨人が今季初の東京ドームでの同一カード3連敗を喫した。首位阪神とは11ゲーム差で、今季の対阪神の勝ち越しは消滅し、7月27日以来14日ぶりの借金1となった。先発戸郷は2回に打球が左すね付近を直撃するアクシデントにも動じずに、無失点投球を続けたが、7回に逆転を許した。先頭ノイジーにあと10センチで柵越えという右中間への二塁打を浴びると、続く梅野の投ゴロで三塁へ送球もわずかにそれて野選に。無死一、三塁のピンチで一塁けん制球を投じるも、一塁・中田翔が見ていなかったのか、捕球ミスで三塁走者が本塁に生還し、同点に追い付かれた。原監督は「生涯しないでしょう。そういうミスを彼はね」と振り返った。その後は2者連続三振で2死一塁とするも、近本に148キロ直球を右翼席に運ばれ、勝ち越し2ランを被弾。投手交代がコールされ、悔しそうな表情を浮かべながらベンチへ下がった。149球完投勝利で2ケタ10勝目を挙げた3日ヤクルト戦から中6日、129球で6回2/3を6安打3失点7奪三振の熱投も白星には結び付かなかった。打線は3回に吉川の二ゴロ併殺の間に1点を先制するも、以降は才木の前に封じられた。2点を追う8回には、8日の阪神戦で守備の際に6月に肉離れで約1カ月離脱していた右太もも裏を気にするそぶりを見せ、途中交代していた坂本が13号ソロを放った。2試合ぶりスタメンで結果を残して反撃ムードを醸し出すと、ブリンソンの内野安打、大城卓の左前打で1死一、三塁と同点のチャンスを作ったが、あと1点が遠かった。原監督は「接戦だけど、1本出るか出ないっていうところですね。相手チームはいいところで1本出てる。わが軍はもう1本っていうところ。3戦ともそうでしたね」と悔やんだ。

◆阪神が7連勝を飾った。ロード期間中の7連勝は、68年の8連勝以来55年ぶりの快挙だ。貯金は今季最多の21まで増加した。守護神岩崎を休養のためベンチ外で一足先に帰阪させた中で、最後は細かい継投で逃げ切った。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。 (テレビ)-9回に代打の代打原口が2ランと大きな仕事「そうですね。まあ1点よりも3点のほうが楽になるのはわかっているんでね。あそこで左(投手)が来たら。まあ1、2番が左なんで、(左投手が)来るかなあと思って。まあ、それは用意してたんで」-昨日は中野、今日は近本。日替わりでヒーローが出る「ホームラン出ると思ってないから才木にバントさせたわけやからね。(走者を)セカンド行ってタイムリーというね。でもいいところで、昨日、今日はホームランが出てますね」-先発才木は2カ月ぶりに勝ちがついた「もう8回までね、ちょっと打順が回ってくるところでね。球数とかで、8回を乗り切ってくれたらなと思っていたんですけどね。まあ『追い越されるまでは、お前に任す』って、(安藤)投手コーチに言いに行かせたんだけど、もうちょっとしんどかった。やっぱりねえ」-岩崎がいない中の継投「あまり無理ささんように一人一殺でな。最後はケラーで行くつもりやった」-7連勝で明日(11日)は村上、どんな投球を期待しているか「普通通りよ。普通に投げてくれたら。打つ方も反発力というか点を取れてるし、村上も普通に投げてくれたら」(囲み)-岩崎がいない中、才木が踏ん張った「そうやな。打順的にも(8回を)投げきってほしかったけどな」-球はよかった。「おーん。よかったな。まっすぐで押してたしな」-直球がよかった。「いや、良かった、最初ね。どんどんまっすぐで押してたから、だからいい時に(5月21日の)広島の甲子園でな、まっすぐばっかりいっとった時あったやろ、その、いっぱいなあ、球が走ってる時ね、今日もそういう感じかなあというのはあったよなあ」-8回は加治屋、島本がいい仕事をした「いやいや、もう、まあ、今日はあんま無理ささんようにね、うん、今日はもうあれや、ジグザグやったから、(巨人)打順が。だから一人一殺というあれで、あんま負担かからん、でもなあ、あの場面じゃ負担かかるけど球数とかいろんな面でな、ちょっと楽かなあと思ってねえ」-巨人先発の戸郷は球数がかさんでいた。終盤になれば攻略できるという考えはあったか「5回で(球数が)90いったから、まあ、これ6回か7回やでと、それはもう言うてた。7回ぐらいでつかまるみたいなことをね」-7回は巨人の守りのミスで追いついた「いやいや、まあ、そらミスもしてくれんと」-そういうところで一気につけ込める「だから、(才木の)バント失敗のあとの(近本の)ホームランやからな、結局は。うん。まあ、こっちがな、セカンドに送って、3点目じゃなしにな、まずは勝ち越しを、タイムリーで勝ち越しいうあれやったけど、才木はちょっとバント(練習)やらなあかんな。カッコも悪いもんな。オープン戦の時から言うてたけども、(決めれば)自分が楽やからなあ。あれなあ」-岩崎不在の中で勝てると、バリエーションも増える「まあ、でも別にあれよ。ずっとケラーもよかって。」-最初の遠征をいいリズムで終えられた手応えは「出来過ぎやろ。そら、出来過ぎやろ。ここで今週な六つ勝つと思えへんかった。今週って、DeNAと巨人で」-この復刻ユニホームでは6連勝で終えた「薄いからええよ」

◆マウンドを降りる阪神才木浩人投手(24)には、球場の虎党から温かい拍手が送られた。8回途中まで8安打を浴びながら2失点。117球を投げ7三振を奪った。粘投を見せながら8回1死一、三塁を招いた時点で降板となったが、救援陣がきっちり火消しに成功。真っ先にベンチを飛び出し、大きな拍手で出迎えた。仲間のサポートも受けながら、6月11日日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約2カ月ぶりの6勝目。右腕は感謝しきりだ。「梅野さんとか中継ぎの方に助けてもらえた。次からは任せられたイニングを最後まで投げ切れるようにできたら」前回7月27日の巨人戦で自己ワーストとなる7失点(自責点3)を喫し、翌28日に出場選手登録を抹消。約2週間の2軍調整を経たマウンドだった。岡田監督はブルペン投球で再調整させる方針を立てていたが、「ブルペンとバッターがいる試合の雰囲気は全然違う」と3日の2軍中日戦(バンテリンドーム)に志願登板。変化球の精度などを重点的に確かめた。自らテーマを課しながらも3回を6奪三振完全投球。「確かめたいことはできた」と手応えをつかみ、中6日で臨んだ一戦だった。この日、投球の5割以上を占めた直球。指揮官は「(8回を)投げきって欲しかったけどな」としながらも「いい時に広島の甲子園でな、真っすぐばかりいっとった時あったやろ。球が走ってる時ね。今日もそういう感じはあったよなあ」と評価した。調整を経た威力抜群の1球が、伝統の一戦3連勝に一役買った。【波部俊之介】

◆阪神岡田彰布監督(65)が守護神不在の中、一人一殺継投で逃げ切った。この日の練習前に「もう岩崎は帰したよ」と、休養のためチームより先に帰阪させたことを明かした。7日の休みを挟み3試合連続登板。22セーブ、防御率0・90、16試合連続無失点中の絶対的守護神を、今後を見据え外して挑んだ一戦だった。完投を期待した先発才木が、1点差の8回1死一、三塁のピンチをつくると継投を決断。中田翔相手に加治屋を投入。直球とフォークでカウント2-2とし、最後はカーブでタイミングを外し空振り三振。続く左の秋広には島本をマウンドへ。右の代打岸田が登場し、2球目に盗塁を決められ2死二、三塁とピンチ拡大も冷静に内角低めフォークで三ゴロに仕留めた。指揮官は「今日はあんま無理ささんようにね。(巨人打線が)ジグザグやったから。一人一殺で。でもなあ、あの場面じゃ負担かかるけど、球数とかいろんな面でちょっと楽かなと思って」と、加治屋、島本には打者1人に集中させた。3点差となった9回は、ケラーに任せると決めていた。先頭長野に左安で出塁を許したが、後続を落ち着いて3人で片付け今季初セーブ。これまで安定感に欠けていたが、打者に集中できる場面を選んで起用し、状態を上げてきた。この日の練習前には「ケラーもな、新外国人が来るからな」と、新外国人右腕コルテン・ブルワー投手(30=ヤンキース3A)の存在でライバル心をあおっていた。1936年の復刻ユニホームを着用する企画では6戦全勝。ユニホームの感想を問われると「薄いからええよ」と周囲を笑わせた。首位をがっちりキープし、残りは42試合。05年優勝時のJFK(ウィリアムス、藤川、久保田)のような鉄壁の勝ちパターンはないが、就任時から無理な連投は避け、5人ほどで勝ちパターンをつくるという構想を貫く。1人を酷使させることなく力を残しながら終盤戦を迎える。【石橋隆雄】▽阪神K・ケラー(1回を1安打無失点で今季初セーブ)「あの場面で投げられることは投手として光栄ですし、これから厳しい場面がきても仕事を果たし続けていきたいです」▽阪神加治屋(8回1死一、三塁で巨人中田を空振り三振)「ブルペンで一丸となって、ザキ(岩崎)がいなくて負けたっていうのが一番いやだった。みんなでもぎとった勝ちだと思います」▽阪神島本(8回2死二、三塁から巨人岸田を三ゴロ)「才木の勝ちを消さないように、加治屋さんからつないでもらったので、しっかりゼロでつなぐことだけを考えました。みんなで勝ててよかったです」阪神の優勝マジック点灯は最短で15日。複数の条件があるが、阪神が11日からの4試合で4勝または3勝1分けのとき、広島とDeNAの結果次第でM28~30がつく。

◆もう、コレ独走よ。阪神が宿敵巨人から同一カード3連勝を挙げた。終盤7回に粘り腰で同点に追いつくと、近本光司外野手(28)が決勝の6号2ランを放った。恒例の真夏ロードでの7連勝は68年の8連勝以来55年ぶり。2位広島には後半戦最大の5・5ゲーム差、貯金も今季最多「21」とした。最短で15日の優勝マジック点灯は変わらず。もう、岡田虎の勢いが止まらん。近本は振り抜いた打棒を高々と天に掲げ、ゆっくりと歩みを進めた。同点に追いついた直後の7回2死一塁。「(1発を)狙ってました」。巨人戸郷の内角148キロ直球を腕をたたんで強振。打球は大歓声と悲鳴が交錯したドームの右翼席へ。ベンチの岡田監督は両手を突き上げて立ち上がり、喜びの声を発した瞬間に口の中のパインアメがキラリと光った。7連勝をたぐり寄せる値千金の一撃だ。「追いついた直後で、チームもいい雰囲気でしたし、緊張感のある展開の中で才木も頑張ってくれていたので打てて良かった」1度つかんだ流れを手放さなかった。1点を追う7回無死一、三塁での木浪の打席。戸郷が不意を突く形で一塁へのけん制を試みるも、一塁手中田が投手から目を切っていたためファンブル。その間に三塁走者島田が本塁へ突入し同点。流れが阪神に傾き、近本はその波に乗った。難敵戸郷を打ち崩した。昨季までは通算で39打数6安打の打率1割5分4厘、0本塁打と苦戦。だが、この日は5回にも15試合連続ヒットとなる右前打を放っており、今季は18打数8安打、打率4割4分4厘、2本塁打と攻略している。戸郷撃ちで2年連続の8月の敵地巨人戦3タテに一役買った。真夏のロード期間中の7連勝は、68年の8連勝以来55年ぶりの快挙だ。岡田監督は8月の好発進に「出来すぎやろ。今週6つ勝つと思えへんかった」と驚きを隠さなかった。貯金は今季最多の21。2位広島には5・5ゲーム差をつけた。「大阪タイガース」の復刻ユニホームでの試合は今季6戦全勝。今季巨人戦は12勝4敗1分けで、残り8ゲームを残して早くも負け越しの可能性はなくなった。8月の月間打率は3割6分6厘と好調をキープした近本は、ヒーローインタビューで「夏のロード長いですけど、しっかり水分補給して、疲れをとって頑張ります!」と叫んだ。最短今月15日のマジック点灯は変わらず。独走態勢に入った虎のスーパーリードオフマンが、チームをてっぺんまで押し上げる。【古財稜明】阪神が3日中日戦から7連勝。夏の長期ロード期間中(高校野球開催中の甲子園以外での試合が対象)最長は68年8月18日中日戦~27日広島戦の8連勝で、あと1勝と迫った。なおこの期間の東京ドーム巨人戦での同一カード3連勝は、22年8月19~21日に続き2度目。この球場での長期ロード期間の巨人戦は、昨季から6連勝。88年の開場以降、21年まで長期ロード中は通算30勝79敗6分けの勝率2割7分5厘と大苦戦していたが、鬼門返上に成功した。阪神の7連勝以上は今季3度目だが、今回はすべて敵地での白星。52年のフランチャイズ制以降、阪神にとってオールビジターの7連勝は68年8月20~27日、02年3月30日~4月6日(開幕戦から)に次いで3度目。68年は今年と同じ夏の高校野球(決勝は8月22日)02年はセンバツ(決勝は4月5日)で甲子園を使えない期間に記録している。これで今季の阪神はビジターで27勝21敗1分け、勝率5割6分3厘。セ・リーグでビジターゲームに勝ち越しは阪神だけ。阪神の優勝マジック点灯は最短で15日。複数の条件があるが、阪神が11日からの4試合で4勝または3勝1分けのとき、広島とDeNAの結果次第でM28~30がつく。

◆68年の長期ロードで阪神は初戦に黒星の後7連勝、1敗を挟んで8連勝と勝ち進んだ。全17試合中、完投試合が13試合。村山5勝、バッキーと江夏が各4勝を荒稼ぎした。打っては助っ人カークランドが9本塁打と大爆発し、投打がかみ合っての横綱相撲を続けた。ロード突入前9・5あった首位巨人とのゲーム差も、この快進撃で2差まで肉薄した。もっともシーズン後半戦に息切れし、優勝した巨人に5差の2位に終わっている。なお02年にシーズン開幕7連勝した際、東京ドーム(巨人戦○○)横浜(横浜戦○○○)神宮(ヤクルト戦○○)とすべてアウェーだった例がある。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は才木浩人投手(24)が先発する。前回登板した7月27日の巨人戦(甲子園)では4回2/3を7安打7失点(自責3)で今季5敗目。今季3度目の2軍降格を告げられた。再調整して戻ってきたマウンドでリベンジを果たす。打線は今季5度目となる戸郷との対戦。過去4戦では0勝3敗といずれも打ち崩すことができず、巨人戦の今季4敗はすべて戸郷が先発した試合で喫している。6連勝中の勢いそのままに、今度こそ戸郷に土をつける。

◆巨人・坂本勇人内野手(34)が「2番・遊撃」で先発出場する。7月28日に右太もも裏肉離れから復帰した坂本は、8月8日に「2番・遊撃」で出場したが、三回の守備中に右太もも裏を気にするしぐさを見せ、ベンチに戻ってトレーナーらと相談。その裏に代打を送られ、途中交代していた。9日の試合前練習ではグラウンドに姿を見せていなかったが、この日は通常メニューを消化し、2試合ぶりにスタメンに名を連ねた。

◆阪神の先発・才木浩人投手(24)が三回に先制点を献上した。先頭の長野に左翼線へ二塁打を浴びると、続く戸郷は犠打の構え。打球処理に走った才木の逆を突く、絶妙なバントで内野安打とされ、無死一、三塁のピンチを背負った。打順は1番にかえり、吉川の二ゴロ併殺の間に三走が生還して先制点を献上。2日の中日戦(バンテリンドーム)以来、7試合ぶりに先手を奪われた。続く坂本は三塁・佐藤輝の失策で2死一塁とした才木だったが、梶谷は空振り三振に斬り、最少失点でとどめた。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が右中間最深部に大飛球を放った。0-1で迎えた七回先頭。戸郷の147キロを捉えた。打球はフェンス上段に直撃。二塁打の判定も岡田監督はたまらずリプレー検証を要求した。判定は変わらず二塁打。ここで代走・島田を投入する。9日の一戦では落球のミスで涙を流していた島田は、梅野の打球で果敢に三塁へ。間一髪セーフをもぎ取り(記録は投手野選)、無死一、三塁の絶好機を作った。打席には2安打の木浪。カウント1-1としたところで戸郷が一塁へけん制球。これを一塁・中田翔が捕球できず(記録は中田翔の失策)、同点に追いついた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が勝ち越しの6号2ランを放った。0-1で迎えた七回。相手のミスで同点に追いつくと、2死一塁で近本が打席へ。戸郷の148キロ直球を鋭く振り抜いた。高々と舞い上がった白球はドームの天井をなぞるように右翼席へ。8月2日の中日戦(バンテリンドーム)以来の6号は勝ち越しの2ラン。大歓声の中、さっそうとダイヤモンドを一周した。阪神は今季戸郷と5度目の対戦。過去4戦は0勝3敗と一度も負けをつけられていない。試合前の時点で、戸郷に対して今季対戦打率・429、1本塁打と抜群の相性を誇っていたリードオフマンが、難敵を撃ち、マウンドから引きずり下ろした。近本は「打ったのはストレート。追いついた直後で、チームも良い雰囲気でしたし、緊張感のある展開の中で才木も頑張ってくれていたので、打てて良かったです」とコメントした。

◆これ以上、離されるわけにはいかない。連敗ストップへ、リーグトップの10勝を挙げている巨人・戸郷翔征投手(23)がマウンドに上がったが...。「一試合一試合、自分の投球をすることが僕の使命。そこで勝ちをつけることがチームにとって一番良いこと。毎回ですけど、それを意識していければ」投手陣の柱としての覚悟を示した。前回3日のヤクルト戦(東京ドーム)では自己最多の149球の熱投で1失点完投勝利。2年連続の2桁勝利となる10勝目をマークした。球数が多かったこともあり、1週間の調整はコンディションの回復を重視。「ある程度は100%の力で投げられるくらいまでは来ている。良い状態になっていると思う」と万全を期して首位・阪神との一戦に備えた。今季の阪神戦は4試合で3勝。相性の良さを序盤から見せつけた。立ち上がりから150キロ超の直球を外角低めに制球し、決め球のフォークボール、スライダーで翻弄した。二回には梅野が放った打球が左足に当たり、治療で一時ベンチに下がるアクシデントもあったが、前回登板の疲労すら感じさせない投球で、六回まで三塁を踏ませなかった。「良いイメージはありますけど、いつやられるかわからない。選手の状態も毎回変わってくると思うので、それに応じて(配球を)変えていければ」と気を引き締めていが、七回無死一、三塁から、一塁への牽制(けんせい)球を中田翔がはじいて同点。その後、近本に勝ち越しの2ランを浴び、船迫と交代した。(樋口航)

◆巨人・坂本勇人内野手(34)が13号ソロを放った。2点を追う八回先頭。カウント1-0から才木が投じた148キロの直球を一閃。マルチ本塁打を記録した2日のヤクルト戦(東京ドーム)以来の一発を左中間席にたたき込んだ。2試合ぶりにスタメン復帰した正遊撃手が反撃ののろしを上げた。

◆阪神が絶体絶命のピンチを小刻みな継投でしのいだ。3-1の八回。先発の才木が先頭の坂本にソロを浴び1点差とされると、続くブリンソンに遊撃内野安打、代走・増田大に二盗を決められ無死二塁のピンチを背負う。岡本和は遊ゴロで1死。しかし、大城に左前打を浴び、1死一、三塁となったところで降板した。マウンドを託されたのは加治屋。打席には中田翔を迎えた。カウント2-2から6球目、131キロカーブで空振り三振に斬った。続く左打者・秋広に対し、岡田監督は動く。左腕・島本をマウンドへ。巨人・原監督は代打・岸田を送った。ここを島本が三ゴロに仕留めてしのぎ、1点差のリードを守り切った。

◆阪神が逆転勝ち。同点に追いついた七回に近本光司外野手(28)が勝ち越しの6号2ランを放った。七回は先頭のノイジーが二塁打。代走・島田が送られると、島田の快足が野選と、失策を誘い、同点に追いついた。勢いそのままに選手会長がひと振りで決めた。1点差に迫られた九回は代打・糸原の代打・原口が2号2ランでとどめをさした。 先発の才木は7回1/3を8安打2失点で、自己最多に並ぶ6勝目をマークした。三回に連打で無死一、三塁とされると、吉川のニゴロ併殺の間に先制点を献上。3-1の八回は坂本にソロ浴び、1点差。なおも無死二塁のピンチを背負い、岡本和を遊ゴロ、大城に左前打で1死一、三塁とされたところで、降板した。それでもこのピンチを加治屋、島本のリレーでしのいだ。阪神は7連勝で貯金は21となった。

◆阪神が7連勝。DeNAに続いて巨人に同一カード3連勝を飾り、最多貯金を「21」に更新した。敵失で追いついた七回2死一塁、近本光司外野手(28)の6号2ランで勝ち越し。八回に1点差に詰め寄られたが加治屋蓮投手(31)、島本浩也投手(30)の継投でしのいだ。九回1死一塁で代打の代打として登場した原口文仁内野手(31)の2号2ランで突き放した。〝休養帰阪〟の岩崎優投手(32)に代わって、九回はカイル・ケラー投手(30)が締めて、昨年8月31日の広島戦(甲子園)以来のセーブを挙げた。才木浩人投手(24)は自己最多に並ぶ6勝目(5敗)。今季7度目のカード3連勝で2位広島に5・5差とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=59勝38敗4分、観衆=4万952人)。ーー岩崎不在で才木が踏ん張った「そうやな。打順的にも(八回を)投げきってほしかったけどな」ーー球は良かった「良かったな。真っすぐで押してたしな」ーー真っすぐがよかった「良かった。最初、真っすぐで押してたから。広島の甲子園で、真っすぐばっかり行っとった時あったやろ。今日もそういう感じかなあというのはあったよな」ーー八回は加治屋、島本がいい仕事をした「今日はあんま無理ささんようにね。今日はもうアレや、ジグザグやったから、打順が。だから一人一殺というアレで、あんま負担かからん...でも、あの場面じゃ負担かかるけど球数とかいろんな面でな、ちょっと楽かなあと思ってねえ」ーー戸郷は球数がかさんでいた。終盤になれば攻略できるという考えは「5回で90行ったから、これ六回か七回やで、言うてた。七回ぐらいでつかまるみたいなことをね」ーー七回は巨人の守りのミスで追いついた(一塁・中田翔が投手からのけん制に気づかず、後逸する間に三走が同点のホームイン)「いやいや、まあ、そらミスもしてくれんと」ーーそういうところで一気につけ込める「(七回の近本の2ランは)バント失敗の後のホームランやからな、結局は。こっちがセカンドに送って、3点目じゃなしにな、まずは勝ち越しを、タイムリーで勝ち越しいうアレやったけど、才木はちょっとバント(練習)やらなアカンな。恰好も悪いもんな。オープン戦の時から言うてたけども、(決めれば)自分が楽やからな」ーー最初の遠征をいいリズムで終えられた手応えは「出来過ぎやろ。そら、出来過ぎやろ。ここで今週な6つ勝つと思えへんかった。今週って、DeNAと巨人で」ーー復刻ユニホームでは6連勝で終えた「薄いからエエよ」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は阪神・岡田彰布監督(65)の采配を絶賛した。戸郷と才木の投げ合いを見ていて、「必ず阪神打線が援護するだろう」と確信を持った。戸郷が球数が多く、テンポも悪いため、野手が攻撃に専念できない状態だったのに対して、才木はリズムも良く、球数も少なかったからだ。打線というのは正直。味方の投手によって、元気になる。才木のリズムが報われたのが七回だった。阪神が無死一、三塁で戸郷の一塁けん制を捕球できなかったシーン。中田翔はホームに投げるものだと思い込んで、けん制が来るとは思っていなかった。リズムが狂うというのは恐ろしい。集中力を欠いていた。この試合は岡田監督の采配が的中した。奇をてらった采配はひとつもない。八回1死一、三塁から加治屋を投入。中田翔との対決を空振り三振に仕留めると、ワンポイントで今度は島本を投入。代打・岸田を三ゴロに打ち取ってピンチをしのいだ。岩崎がベンチから外れた状況で、九回に誰を投げさせるか? ということに頭がいきそうだが、最大のピンチに全力を注ぐ継投は大正解だ。九回は代打・糸原に原口を送って、試合を決める2ランが飛び出した。岡田監督が披露したのは、持ち駒を使い切る采配。自分に与えられている駒がどれだけあって、どこでどう使い切るか。それを実行しているだけなのだ。岡田監督が普通に駒を使っていくだけで、相手が采配ミスをしてくれる。今の阪神はこんな試合が続いている。強いチームの勝ち方だ。

◆巨人は首位・阪神に同一カード3連敗を喫し、ゲーム差は今季最大の11に広がった。痛恨だったのは1点リードで迎えた七回の守備。無死一、三塁のピンチでマウンドの戸郷から視線を外していた中田翔が、一塁への牽制(けんせい)球を捕り損ねた失策の間に同点に追いつかれた。戸郷は2死までこぎつけたものの、近本に決勝2ランを許した。原監督は中田翔の名手らしからぬ守りに「生涯しないでしょう。そういうミスは」と指摘した。

◆巨人・長野久義外野手(38)が約1年1カ月ぶりの猛打賞をマークした。三回の第1打席で左翼線への二塁打でチャンスメーク。七回には中前打、九回に左前打を放った。3安打を記録するのは、広島時代の昨年7月16日の巨人戦以来、約1年1カ月ぶり。チームは首位・阪神に3連敗を喫したが、2試合ぶりにスタメン起用されたベテランが存在感を放った。

◆難敵攻略! 阪神は巨人に5-2で勝ち、夏の長期ロードで1968年以来55年ぶりの7連勝を飾った。近本光司外野手(28)が1-1に追いついた七回2死一塁から勝ち越しの6号2ラン。セ・リーグトップ10勝の巨人・戸郷翔征投手(23)から今季初めて白星を挙げた。2位広島と5・5ゲーム差に拡大。18年ぶりのアレへ、独走態勢や!ドームの天井をなぞるように、白球は美しい放物線を描き、右翼席に吸い込まれた。首位独走を象徴する決勝アーチは、虎が経験したことのない夏の長期ロード最高のスタートをもたらす。近本が難敵・戸郷を撃ち、ついに土をつけた。「後ろにつなぐ気持ち。インコースに来ると思って、しっかり振り切りました」1-1の同点に追いついた直後、七回2死一塁。内角に投じられた148キロ直球を振り抜いた。高く舞い上がった打球に、虎党がスタンドインを確信する。2日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる一発は、決勝の6号2ラン。「東京ドームだったから」と珍しく〝確信歩き〟で始まり、ダイヤモンドを一周した。この一撃で戸郷をマウンドから引きずり下ろし、宿敵のエースから昨年8月3日(東京ドーム)以来7試合ぶりの白星。今季は0勝3敗だったが、5度目の対戦で初めて勝った。散々、苦汁をなめさせられてきた右腕だが、近本自身は今季対戦打率・444(18打数8安打)、4打点、2本塁打と好相性を誇っている。

◆岡田監督の采配がズバリ的中した。クローザーの岩崎を完全休養させた中、1点差に迫られた八回に登板した加治屋&島本が〝一人一殺〟でピンチをしのぎ、必死の継投で7連勝をたぐり寄せた。「きょうは、(八回は)あんまり無理ささんように。だから一人一殺というアレでな。負担はかかるけど球数とかで、ちょっと楽かなあと思ってねえ」岡田監督が振り返った。七回まで1失点と好投していた才木が八回、坂本に一発を浴び、さらに1死一、三塁。ここで迷うことなく指名した加治屋は、前日に本塁打を放った右打者の中田翔をカーブで空振り三振に。続いて左打者の秋広を迎えてマウンドに上がった島本が代打・岸田を三ゴロに打ち取ると、岡田監督はベンチで手をたたいて喜んだ。加治屋は「きょうはザキ(岩崎)がいなくて負けたと言われるのが一番嫌だった。ブルペン一丸でみんなで、もぎとった1勝」と胸を張れば、島本は「加治屋さんにつないでもらったので。しっかり次のピッチャーにゼロでつなぐことを考えていた」とうなずいた。疲れがないといったら?になる。加治屋は岩崎(42試合)に次いでチーム2位の41試合に登板して防御率2・30。8日からの巨人3連戦(東京ドーム)は3連投だ。島本は23試合に登板し、防御率1・86。最近は、得点圏に走者を置いた場面の登板が多い。「また明日以降、ザキが戻ってきて、フル回転してくれると思うので、きょうはいい1勝になったと思います」と加治屋。さらに結束力の高まった投手陣が、虎を支えていく。(三木建次)

◆これぞ切り札という、でっかいでっかい仕事をこなし、原口が代打の代打で起用したベンチの期待に応えた。守護神・岩崎不在を乗り越えようとするナインの思いを結集した2号2ランで、貴重な追加点をもたらした。「ホームランは、いくかどうかっていう感覚はちょっとなくて。入ってくれて、本当によかったです。岩崎が、きょうはいなかったので、1点でも多くという気持ちはありました」3-2の九回1死から木浪が四球で出塁。ここで阪神ベンチは代打・糸原をコールし、巨人ベンチも右投げの鈴木康から左投げの高梨へスイッチ。そして、岡田監督から代打の代打として送り出された原口が、初球131キロのスライダーを迷いのないスイングで捉え、白球を左中間スタンドへ運び去った。4月2日のDeNA戦(京セラ)以来の一発で采配的中の岡田監督もベンチで両手をたたいて喜び、「1点よりも3点のほうが楽になるのはわかっているんでね」と声を弾ませ、「1、2番が左なんで、(左投手が)来るかなあと思って。まあ、それは用意してたんで」と巨人ベンチの采配を読んだ上での万全の準備と結果にうなずいた。球場に足を踏み入れると、この日のように勝負どころに合わせて臨戦態勢を整える原口も家に帰れば妻と子供たちを支えるパパの顔になる。自宅では、家事の〝切り札〟になろうと努力を重ねている。「家では使い物にならないので(笑)。日本中の主婦の方から怒られるレベルなんですけど...。食べたあとの食器を片付けたりしてます。家族との時間は本当にありがたいです」家族もでっかい結果で笑顔にし、〝黒子〟の働きでもチームを盛り上げる。試合前のベンチでの円陣で声出しを担当後、チームは7連勝を飾った。準備の大切さ、勝利への執念を説いてナインの気合を入れ直し、最後は「バモス!!」(スペイン語でさあ、行こう)と声を張り上げてきた。「糸原の代打の代打だったので、2人分の、何とかしようっていう気持ちで打ててよかったと思います」ここぞの場面で打ち続ける原口がいれば、独走態勢の虎はさらに勝利をもぎ取れる。(新里公章)

◆自慢の直球で巨人打線をねじ伏せていった。才木が八回途中2失点の好投で、6月11日の日本ハム戦(エスコン)以来2カ月ぶりの白星。2018年の自己最多に並ぶ6勝目を挙げた。「きょうは本当に真っすぐが良かったから、ゲームを作って投げられたという感じ」立ち上がりから直球を多投し、吉川、坂本を連続三振に取るスタートを切った。三回は無死一、三塁とされたが、吉川を二ゴロ併殺に仕留め最少失点で切り抜ける。3―1の八回に坂本にソロ本塁打を浴び、なおも2本の安打で1死一、三塁とされたところで降板となった。「イニング(八回)を投げ切れなかったというのは悔しかったですけど、梅野さんとか中継ぎの方に助けてもらえた。次から任せられたイニングを最後まで投げ切れるように」。7連勝を呼び込む快投を見せた右腕は反省も忘れなかった。(中屋友那)

◆痛恨の失策が勝負の分かれ目となった。巨人は首位を走る阪神に同一カード3連敗を喫し、ゲーム差は今季最大の11に広がった。原辰徳監督(65)が「生涯しないでしょう。そういうミスは」と指摘したのは、1点リードで迎えた七回の中田翔の守りだ。無死二塁で投ゴロをさばいた戸郷の三塁送球が本塁側にそれて野選となり、一、三塁とピンチが拡大。さらに戸郷から目線を切っていた中田翔が一塁へのけん制をはじいた間に同点に追いつかれ、2死までこぎつけたものの決勝2ランを許した。延長戦で競り負けた前夜は、ブリンソンがフェンス直撃の当たりを本塁打と決めつけて走らず、一塁止まりで先制機を逃していた。連夜のミスが響き、8試合の直接対決を残して阪神戦の勝ち越しがなくなった。(鈴木智紘)

◆柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺正岡子規の超有名な一句です。「直球」「打者」「走者」...。子規が日本語訳したといわれるベースボール用語が、今も使われ続けている。野球殿堂入りも果たした、野球界の恩人だ。東京ドームは「奈良県五條市 柿ナイター」。全国屈指の柿の産地が、ドームに先着したファンに柿をプレゼントしていた。「報道陣にもおすそ分けはあった?」。記者席のトラ番・原田遼太郎に尋ねたら「残念ながら、ありません」。昔は、こういう時は必ず報道陣にも配られたもんだけれど。ずいぶん、ケチだなぁ。セコイ話だから、これ以上は辞めておく。五條市名誉市民の女優・尾野真千子さんが始球式。41歳、何であんなにかわいいのか? 巨人の主砲・岡本和真は五條市の観光大使。最近、絶好調。柿パワーで打った! な~んてストーリーはマズイ。抑えろ! 願いは通じた。いろいろ、どうでもいいことばかり考えていたら、冒頭の一句にたどり着いたわけです。柿の産地1位は和歌山県、2位は奈良県。関西だ。柿ナイター、阪神が負けるわけにはいかない。でも、試合前からあまり負ける気がしなかったのも事実だ。そして、戸郷が相手だから苦労するかなぁと思っていたが、結局は勝ってしまう、この強さ。最近、ネット記事で15年前の悲劇を書いているトラ番記者が複数いた。歴史的大逆転でV逸した、あの年...。はっきり言って、そんなこと、誰だって覚えている。一番分かっているのが岡田監督だ。

◆いれば使ってしまうかも...。ならば最終目的のアレ(優勝)のために連投を避け守護神・岩崎をベンチから外す岡田はんの徹底ぶり!! そして八回、それに応え1点差に詰め寄られ、なお1死一、三塁のピンチに、マウンドに上がり一人一殺の必殺仕事人を果たした加治屋、島本にビリビリしびれた~! ハーラートップの戸郷に真っ向勝負で投げ勝った才木。そして、その戸郷から決勝2ランを放った近本。さらには代打の代打でアーチの原口(岡田マジックお見事)。首位でもなお飢えて牙をむく虎がいたー!!その全ては負け虎(2008年13ゲームを逆転されVを逃す)の監督だった岡田はんの気鬱がチームを強くしているのでは!?「ライバル巨人に3つ勝って7連勝? 今季最多貯金の21? 2位とのゲーム差が5・5に広がった? 知らんわ、そんなもん!! 優勝狙えるときでも、終盤に2桁連敗近くしよるやんか!! そうなったとき、オロオロうろたえるための準備をしとるだけやんけ!!」そんな心配症のおジイちゃん(失礼)を見ていられない猛虎軍団の優しさが、勝利につながってるんじゃねーか!?

◆痛恨の失策が勝負の分かれ目となった。巨人は首位を走る阪神に同一カード3連敗を喫し、ゲーム差は今季最大の11に広がった。1点リードで迎えた七回無死二塁で投ゴロをさばいた戸郷の三塁送球が本塁側にそれて野選となり一、三塁とピンチが拡大。さらに戸郷から目線を切っていた中田翔が一塁へのけん制をはじいた間に同点に追いつかれ、2死までこぎつけたものの決勝2ランを許した。元巨人監督の堀内恒夫氏(75)は11日、自身のブログで「野選というけれどサードへいいボールが行っていればアウトにできるタイミングではあった。ファーストへの牽制は中田が見切っていたからね。戸郷の守備はレベルが高い」と指摘。「『上手の手から水が漏れる』ということわざが頭に浮かんだがエースとしての自覚が芽生え絶対に抑えなきゃという気負いとでも言うのかな。それが邪魔したように感じたよ」と解説していた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
59384 0.608
(↑0.004)
-
(-)
42390
(+5)
308
(+2)
53
(+2)
51
(-)
0.243
(-)
2.740
(↑0.01)
2
(-)
広島
55452 0.550
(↓0.006)
5.5
(↓1)
41352
(+3)
360
(+13)
64
(+1)
56
(+2)
0.247
(-)
3.200
(↓0.09)
3
(-)
DeNA
50473 0.515
(↑0.005)
9
(-)
43364
(+5)
350
(+1)
66
(-)
21
(-)
0.250
(-)
3.200
(↑0.02)
4
(-)
巨人
49501 0.495
(↓0.005)
11
(↓1)
43384
(+2)
373
(+5)
122
(+1)
35
(+2)
0.254
(-)
3.590
(-)
5
(-)
ヤクルト
43552 0.439
(↑0.006)
16.5
(-)
43368
(+13)
394
(+3)
84
(+2)
52
(-)
0.239
(↑0.003)
3.690
(↑0.01)
6
(-)
中日
38612 0.384
(↓0.004)
22
(↓1)
42297
(+1)
355
(+5)
45
(-)
29
(-)
0.243
(↓0.001)
3.190
(↓0.02)