◆楽天は初回、小郷の適時打で幸先良く1点を先制する。そのまま迎えた5回裏には、2死二塁から阿部の適時打が飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・則本が8回1失点の快投で今季6勝目。敗れたロッテは、先発・小島が好投するも、打線が援護できなかった。

◆楽天則本昂大が8月初めての先発登板。同投手はここまで通算111勝87敗を残すが、勝敗数を月別に出すと、3、4月16勝15敗、5月21勝11敗、6月18勝13敗、7月16勝15敗、8月13勝17敗、9月19勝11敗、10月以降8勝5敗。8月だけ負け越しており、昨年の8月も1勝3敗と苦しんだ。現在4連勝中の則本は苦手の8月に入っても連勝を続けられるか。

◆楽天阿部寿樹内野手（33）が、初めて本拠地のお立ち台に上がった。1点リードの5回2死二塁で、カウント1－1から小島の低め129キロフォークを、体勢を崩されながらも左前へ運んだ。二塁走者の小深田が一気に本塁生還。7月17日ロッテ戦以来の打点となった。中日から移籍1年目の今季は打率2割0分2厘、0本塁打、9打点と不調。「なかなか打てず。これを機にどんどん打てるように頑張ります」と闘志を燃やした。岩手・一関市出身。打席に入るたびに、スタンドから愛称の「マスター」コールで沸く。地元出身選手として、ファンから愛されている存在。ようやく、その恩返しを直接伝えることができた。「だいぶ長い時間かかってしまいましたけど、（お立ち台は）すごくいい景色なので、また上れるように頑張ります」とファンへ宣言した。

◆楽天則本昂大投手（32）が、暑さ対策万全でチームトップタイの6勝目を挙げた。初回から快調に飛ばし、1点を失った6回には2死三塁のピンチでこの日最速の152キロをマーク。「自分がしっかりと投げられればという感じではいた」と、最後は内角130キロスライダーでポランコから空振り三振を奪った。8回4安打1失点。カード勝ち越しに貢献した。6月6日の阪神戦から9試合負けなしで自身5連勝。"夏男"っぷりを見せているが、その裏には「夏場はどうしても得意ではない」という本音がある。昨季は7月5日ソフトバンク戦から5連敗。対策のため、今年は5月から長袖を着ての練習を実施し、交代浴やサウナで暑熱順化に励んできた。「今のところ対応はできている」と対策が実った。3・5ゲーム差を追う3位ソフトバンクとは、8日から直接対決を控える。則本は「チームとしても沈みやすい時期。ここが本当に勝負の月だと思ってやっていかないと」と表情を引き締める。苦手だった夏を逆襲の夏へ－。勝利を積み重ねるため、次回も熱投を目指す。【湯本勝大】▽楽天石井監督（則本の投球に）「ノリらしいピッチングというか、球を投げてくれていた。彼らは長い回を投げることが使命。しっかりと自分の仕事をしてくれた」▽楽天小郷（1回1死二塁で右翼へ先制打）「今日は8月6日ということで、平和に野球ができることに感謝しながら打席に入りました」

◆ロッテ小島和哉投手が今季最多123球を投げて7回5安打2失点の粘投も、打線の援護なく4敗目を喫した。5月24日の西武戦で5勝目を挙げた後、8試合白星なし。「初回にバタついて内容的には苦しかったが自分の仕事は出来たかなと思う。気持ちでしっかり投げるんだというファイトスタイルを最後まで出来るようにすることが今は大事」。試合途中から直球を主体に替え、7回にも浅村ら主軸を3者凡退に抑えるなど意地は見せた。

◆楽天が接戦を制した。一回に小郷の適時打で先制し、五回に阿部の適時打で加点。則本が制球良く８回４安打１失点で６勝目を挙げた。九回は松井裕が締めて２５セーブ目。ロッテは小島が好投したが、打線が援護できなかった。

◆楽天・則本昂大投手（３２）が先発し、８回５三振１失点で、自身５連勝となる６勝目を挙げた。試合後、報道陣の取材に応じた石井一久監督（４９）の一問一答は以下の通り。ーー則本の投球内容について「ノリ（則本）らしい投球というか、球を投げてくれた。今後も自分の球を投げれば、しっかりといい投球をしてくれると思います」ーーロッテ先発の小島を相手に少ないチャンスをものにした「それもこれも、則本がしっかりと得点を与えずに踏ん張ってくれたので、そういう展開になったと思います」ーー上位相手にカードを勝ち越した「相手チームはどこでもいい。そんなことよりも、自分たちの目の前の一戦をしっかりと戦うことが大事だと思います。ファンの方も結構、多く入ってくれた。いいところを見せることがすごく大事かなと思います」

◆エースの意地をみせた！　楽天・則本昂大投手（３２）が先発し、８回４安打５三振１失点で、自身５連勝となる６勝目を挙げた。「先週は八回を投げ切れずに悔しかったのでホッとしています。ブルペンから状態がよくて、一回から飛ばしていった」五回まで散発２安打に抑えた。最速１５２キロの直球を軸に１１１球の熱投。六回は荻野に左越え適時二塁打を許したが、リードを守って松井裕に勝利のバトンを渡した。７月１６日のロッテ戦（ＺＯＺＯマリン）で２本塁打を被弾したポランコとは、３度対戦し遊ゴロ、二ゴロ、空振り三振に。最後の打者を打ち取ると、観衆１万８０１８人の前で、拳を突き上げてほえた。チーム全体で５月から暑熱順化に取り組んできた。右腕は「今のところうまく効いている。基本的な水分補給に、交代浴やサウナに入ったり、さまざまなことを行っている」と徹底した体調管理でスタミナを発揮した。右腕の力投で同一カード勝ち越し。石井監督は「素晴らしい投球で仕事を果たした」と絶賛。８日から３位・ソフトバンクとの３連戦に弾みをつけた。（広岡浩二）