DeNA(★2対3☆)阪神 =リーグ戦17回戦(2023.08.06)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0100020003610
DeNA
0000020002800
勝利投手:伊藤 将司(6勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝1敗20S))
敗戦投手:石田 健大(3勝6敗0S)
  DAZN
チケットぴあ DeNA戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神が4連勝。阪神は2回表、梅野の適時二塁打で1点を先制する。そのまま迎えた6回には、2死一三塁の好機から佐藤輝の適時二塁打で2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・伊藤将が6回2失点の好投で今季6勝目。敗れたDeNAは、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆DeNA宮国椋丞投手(31)が6日、阪神戦に臨む1軍に合流した。チームは1分けを挟み3連敗中。リリーフ陣も登板が増える中、ファームで好調を維持する経験豊富な右腕が加わる。今季は4月27日に初昇格し、1試合に登板し、0勝0敗、防御率4・50。5月18日に抹消された。イースタン・リーグでは24試合に登板し、3勝1敗、防御率2・67。また、打撃不振で2軍調整中だったネフタリ・ソト内野手(34)も1軍に合流した。

◆なかやまきんに君が、DeNA-阪神17回戦で始球式を務めた。背番号「29」のユニホームを着用し、グラウンドに登場。あめをコップで取るゲームの持ちネタを上茶谷大河投手と披露し、爆笑を誘った。ネタを披露した後には、上茶谷がマウンドの近くで見守る中、ノーバウンド投球し、「パワー!」とポーズを決めた。芸能人最速を目指した球速はまさかの「71キロ」。「そんなに遅かったですか? 171キロじゃないですか? あめを投げた時の速度じゃないですか?」と苦笑した。グラウンドを引き揚げる時には、ベンチの三浦大輔監督(49)からの視線を感じたそうで「筋肉を見てたんですよ。もしかしたら、この筋肉が戦力になるという構想を考えられてるのかなっていう目はしてました」と笑わせた。あめ取りゲームに参加した上茶谷の動きには「今までの挑戦者の中では、見たことのない動きでした。スキがなかったです。これは取られるんじゃないかと最後の最後まで思ってましたが、僕の筋肉が一枚上手でした」と胸を張った。なかやまきんに君は、横浜DeNAベイスターズのオフィシャルスポンサーである株式会社ジェイコム湘南・神奈川のベイスターズを応援するプロジェクト「GIMME YOUR POWER PROJECT Presented by J:COM」のアンバサダー(応援大使)で登場した。

◆先手の虎! 阪神梅野隆太郎捕手(32)が先制打を放った。2回2死一塁、DeNA左腕の石田から左中間へ適時二塁打。四球で出塁した一塁走者の佐藤輝が長駆ホームインし、1点をもぎ取った。これで阪神は4試合連続で先制に成功。3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった背番号2が、石田の立ち上がりを襲った。

◆/8月に入って絶好調\梅野隆太郎が先制タイムリー2ベース8月は出場3試合全てで安打&打点?プロ野球(2023/8/6)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/vct0c2T0Uq

◆止まらん! 阪神近本光司外野手(28)が、今季最長を更新する12試合連続安打を放った。3回に左腕石田から左前打。前日に4安打を放った勢いそのまま、快音を響かせた。これでプロ1年目から5年連続となるシーズン100安打に到達した。球団では吉田義男(53~60年の8年連続)以来。後藤次男(48~52年の5年連続)と並ぶ、球団2位タイの記録となった。右肋骨(ろっこつ)骨折から復帰後、最初のカードとなった7月22、23日のヤクルト戦(神宮)こそノーヒットだったが、その後は安打を重ねている。ただ、2死一塁となった3番森下の打席で、石田のけん制に引っかかりタッチアウトとなった。

◆/完全に逆\ピンチの芽を事前に摘んだ石田健大のピックオフ?プロ野球(2023/8/6)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars pic.twitter.com/xETD2EkfGN

◆DeNA伊藤光捕手(34)が、阪神17回戦(横浜)で通算1000試合出場を達成した。この日は「8番捕手」でスタメン出場。5回終了後、記念のボード、花束を贈られ、両チームの選手、スタンドのファンから大きな拍手を浴びた。伊藤は明徳義塾から07年高校生ドラフト3巡目でオリックスに入団。18年シーズン途中にDeNAにトレード移籍した。プロ初出場は08年9月13日の日本ハム戦。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、自身3試合ぶりのタイムリーでDeNAを突き放した。1点リードの6回2死一、三塁。左腕石田の真ん中付近に入ってきた143キロを打ち返し、左中間への2点適時二塁打とした。これで石田は降板。前日までのDeNA戦2試合で9打数1安打と静かだった男が、貴重な2点をチームにもたらせた。

◆/座り込む姿に癒やされる\佐藤輝明のタイムリー2ベース大山悠輔が激走?プロ野球(2023/8/6)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/NkUDk0DgLo

◆阪神伊藤将司投手(27)が踏ん張った。6回に2失点。ただ、最後は2死一、二塁からDeNA大田を捕邪飛に仕留め、同点のホームは許さなかった。紙一重のプレーが続いた。3点リードの2死一、二塁、牧の強烈な三塁への打球に佐藤輝がグラブを出したが、打球はその上を通過した(記録は左翼への適時打)。2点差に迫られ、なおも2死一、三塁。今度はソトの投手へのライナーが、伊藤将のグラブに直撃。グラブをはがされた伊藤将は、必死にボールを追いかけ一塁へ転送したが、わずかにそれて内野安打とされた。これで1点差となったが、後続を断ちリードは保った。

◆阪神がミスを一丸でカバーした。1点差の7回、2番手浜地が登板。無死一塁からDeNA伊藤の一塁側への犠打を捕球すると、一塁へまさかの悪送球。一塁ベースカバーに入った中野の頭上に送球が浮き、無死二、三塁となった。ただ、ここから踏ん張った。9番桑原を空振り三振。DeNA三浦監督が1番佐野に代打楠本の勝負手を繰り出したが、3番手島本が遊飛に仕留めた。三塁後方への飛球を遊撃小幡が好捕してみせた。さらに2番関根は146キロ直球で空振り三振。経験豊富な左腕が、一打出れば逆転の可能性もあったピンチをしのいだ。

◆DeNA三浦大輔監督(49)が、キャプテン佐野恵太外野手に「代打の切り札」の楠本泰史外野手を起用する勝負手を打ったが、無得点に終わった。1点ビハインドの7回1死二、三塁、阪神浜地に対し、楠本を起用。岡田監督は左腕の島本にスイッチし、楠本は遊飛に倒れ、2番関根は空振り三振に倒れた。佐野が代打を送られるのは、19年9月16日の中日戦で7点ビハインドの9回に代打中井を起用された以来だった。代打を送られたキャプテン佐野は、ベンチの最前列から声を出し、ナインの背中を押したが、思いは届かなかった。

◆阪神が接戦を制し、今季4度目の4連勝で貯金を今季最多タイの18に伸ばした。島本浩也投手(30)が見事な火消しを見せた。1点リードの7回に2番手浜地が自らの失策も絡み、無死二、三塁のピンチを背負った。なおも1死二、三塁となると、岡田監督は左腕を投入。代打楠本を遊飛、関根を空振り三振で見事な火消しを披露し、チームもそのまま逃げ切った。打線は2回、梅野隆太郎捕手(32)が先制の左中間適時二塁打放った。チームは4試合連続で先制に成功。6回2死一、三塁では佐藤輝明内野手(24)が2点適時二塁打を放った。また、近本光司外野手(28)が今季最長を更新する12試合連続安打を記録し、球団史上3人目となるルーキーイヤーから5年連続100安打も達成した。先発伊藤将司投手(27)は6回6安打2失点で6勝目。敵地横浜スタジアムでの同一カード3連戦3連勝は21年4月9~11日以来となった。

◆DeNAが、1分けを挟み4連敗を喫し、今季97試合目で自力優勝が消滅した。首位阪神とは今季最大の9ゲーム差に広げられ、貯金も消滅した。先発石田が6回途中3失点で降板。打線は6回に牧、ソトの連続適時打で1点差に迫ったが、7回以降は好機であと1本が出なかった。三浦大輔監督は次々と勝負手を打った。1点ビハインドの7回1死二、三塁、キャプテン佐野に「代打の切り札」の楠本を起用。左腕の島本にスイッチされ、得点には結びつかなかったが、8回には1点ビハインドの中でセットアッパーのウェンデルケン、9回には守護神森原を起用した。佐野が代打を送られるのは、19年9月16日の中日戦で7点ビハインドの9回に代打中井を起用された以来だった。8回にも無死一、二塁の好機をつくったが、ソトが中飛、1死一、三塁から代打蝦名が空振り三振に倒れ、大和も中飛に凡退し、スタンドがため息に包まれた。三浦監督は「あと1本というところでしたけどね...。勝負に出て、取れなかったのは自分の責任です」と悔しさをにじませた。

◆阪神岡田監督の起用に、助っ人がなんとか応えてみせた。1点リードの8回に送り出したのは、これまでビハインドの展開で投げることが多かったカイル・ケラー投手(30)だった。先頭宮崎に右前打を浴びると暴投、四球で無死一、二塁のピンチをつくった。ソトの中飛で二塁走者がタッチアップし1死一、三塁。ここから代打蝦名を空振り三振、7番大和を中飛に仕留めた。150キロ超の速球で押し、しびれる場面をゼロで抑えた。これで8試合連続無失点。前夜は4点リードの8回に登板しており、2試合連続で「8回の男」を全うした。ヒヤヒヤだったが、9回にバトンをつないだ。

◆阪神岩崎優投手(32)が大雨にも動じず、1点差を守り抜き、2年連続の20セーブに到達した。1点リードの9回から登板。突如大雨が降る中、ポーカーフェースを貫いた。1死からDeNA桑原に死球を与えたが、楠本をスライダーで二飛、最後は関根を捕邪飛に仕留めた。左腕はこれで7年連続で40試合登板に到達した。経験豊富なリリーバーが試合を締めた。

◆DeNAが、首位阪神に同一カード3連敗を喫し、4月15日以来となる4位に転落した。チームは、今季97試合目で自力優勝が消滅するとともに、最大12まで積み上げた貯金も消えた。本拠地横浜スタジアムでは、7月15日の広島戦からまさかの8連敗。1分けを挟み今季6度目の4連敗を喫した。三浦大輔監督(49)は「選手たちは必死にやってくれてますからね。それを何とか勝ちにつなげないといけないです」と声を絞り出した。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、好救援の島本浩也投手(30)を称賛した。1点リードの7回1死二、三塁で登板。一打逆転の可能性があったピンチを無失点で切り抜け、起用に応えた。「そらお前、島本様様よ。そんなのお前。いてなかったら、負けとるよ。今日も」と指揮官。4日のDeNAとの初戦でも満塁機でリリーフして無失点。左腕に対する信頼は厚い。

◆阪神島本浩也投手(30)が、またも見事な火消しで勝利に導いた。1点リードの7回1死二、三塁で登板。一打逆転の可能性もあるピンチを無失点で切り抜けた。4日のDeNAとの初戦でも満塁機でリリーフし、ゼロで切り抜けていた。ピンチで島本を起用している理由を問われた岡田監督は「こっちが見極めて、こういう時には島本やと思って、投げさせているわけやから。それはお前、それは秘密よ。お前、何がええか言うのは。そんなん」とけむに巻いた。

◆阪神近本光司外野手(28)に特別な感情はなかった。3回に12試合連続安打となる左前打を放ち、今季100安打。4連勝を決めた試合後、チームバスへと続く道を歩きながら、あっけらかんと言った。「特に思うことはないっすけど。まあ、はい、100本目打てたと」53~60年にかけて8年連続でマークした吉田義男以来、球団3人目となる新人からの5年連続100安打だ。虎で半世紀以上出ていなかった記録に到達しても、ヒットマンにとっては通過点でしかない。節目の1本が飛び出した打席には、らしさが垣間見えた。左腕石田に対し、1ボール2ストライク。5球目の内角114キロカーブをファウルに。「審判に聞いたらボールと言ってたので、ああ、ボールかと」。すぐさま頭を整理した。「どうしようかなという感じでしたね。真っすぐかな、フォークかな、スライダーかな、カットかなって」。捉えたのは144キロ直球。追い込まれれば、より一層思考をめぐらせる。今季の三振数「49」はチームの規定打席到達者の中で最少だ。プロ5年目。磨いてきた対応力が、安打量産の根底にある。6回先頭では二塁打。今季30度目のマルチ安打で出塁し、追加点のホームを踏んだ。グラウンド整備直後のイニング。「6回のイニングで3打席目が回ってくるって、僕の中では大事な試合の流れだと思っている」と集中力をぶつけた。「結果的に二塁打でしたけど、塁に出られたことが大きかった。それが得点につながったのはよかったと思います」。リードオフマンの仕事を果たし、納得顔だ。右肋骨(ろっこつ)骨折から復帰後、打率3割4分4厘でチームは10勝3敗1分け。「接戦もありましたし、逆転もあったし、チームとしては勝てたのでよかったです」。背番号5が生み出した流れに、虎が乗っている。【中野椋】

◆阪神が1点差で逃げ切り、今季4度目の4連勝で貯金を今季最多タイの18に伸ばした。島本浩也投手(30)が見事な火消しを見せた。1点リードの7回1死二、三塁で登板し、佐野の代打楠本を遊飛、関根を空振り三振に仕留めた。13連敗で乗り込んだ横浜スタジアムで同一カード3連勝。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-7回は島本がピンチをしのいだが「昨日も今日もそんなん、6回にしても(三塁手の佐藤輝が牧の正面の打球を止められず適時打にするなど)ミスばっかりで。自分らでそんなん苦しめとるんやからなあ。考えられへんよ、あんなん。わざわざ、しんどい展開に持っていっとるんよ、なあ」-そんな中で島本が最近、走者がいる場面で結果を出している「そらお前、島本さまさまよ。そんなのお前。(島本が)いてなかったら、おととい負けとるよ。今日も」-島本のどのあたりをみて、そういう場面で起用しているのか「いや、それは、こっちが見極めて、こういう時には島本やと思って、投げさせているわけやから。うーん。それはお前、それは秘密よ。お前、なにがええか言うのは。そんなん」-佐野のままでも島本に代えたか「え? 代えてたよ」-島本の交代を告げる前に、DeNAが先に楠本に代えてきてどう思ったか「いやラッキーやと思ったよ。そらお前、佐野を代えるんやからな。代打ってなかったから待っとったんや、だから。楠本が出てきたからなあ」-島本はああいう形でピンチに投入「いやいや、あんなんあったらアカンっていうことや、だから。あんな展開あったらアカンっていうことやんか。えー、しかし、ひどいよな」-8回もKケラーがなんとかしのいだ「なんとかな。だからもう、失投というか、甘い球なんかいける場面じゃないわけやからさ。そこでもし、ね、投げるんやったら、そういうことを考えて、な。(宮崎に)ワンストライクツーボールからでも、なあ。浜地にしてもなあ、(大和に対して)あんなインコースの甘い球がいくこと自体が、そら、もう力がないってことやからな。はっきり言って。そういうことやからな」-岩貞、加治屋は状態が落ちている「いやいや、状態が落ちてるから使わんじゃないよ。ベストの状態で、やから使うただけやんか。これ、また延長なったら使わなあかんのやから、そら。そんなんは、こっちの、お前な、考えていることであって、それが成功するか成功せんかだけやんか。たまたま成功しただけやで。でも。そんな100%の決まりごとはないわけやからな。なあ」

◆阪神佐藤輝明内野手(24)の大飛球が終盤の接戦で効いた。1点リードの6回表2死一、三塁。左腕石田の真っすぐに狙いを絞った。カウント1-1から143キロ直球を振り抜き、左中間を破る2点適時二塁打を決めた。「チャンスだったので、一振りで打つことができて良かったです」。この一打で石田は降板。走者2人の生還を見届けると、塁上でゆっくりとうなずいた。前日5日のDeNA戦は14安打7得点で大勝。つながった打線の中、自身は内野安打1本に終わっていた。「そらまあ、打ってなかったので、打ちたかったですし。今日は良かったです」。前日の悔しさも晴らす一打となった。だが守備面では反省も口にした。「捕りたかったですけど...」。適時打を放った直後の守備だ。6回裏2死一、二塁から4番牧のゴロが三塁へ飛ぶ。三塁周辺の土の部分で跳ねた打球。後方で体勢を変えながら捕球を試みたが、後逸した。記録は安打となったが、二塁走者の生還を許し、2点差に迫られた。前日記録した悪送球に続く、2日連続の"ミス"。岡田彰布監督は「自分らでそんなん苦しめとるんやからなあ。考えられへんよ、あんなん。わざわざ、しんどい展開に持っていっとるんよ」と怒りを隠さなかった。もちろん、一番悔いているのは当の本人に違いない。「次、出さないためにどうやるかが大事。しっかり練習してやっていきたい」。打撃面では鬼門ハマスタ3連勝に一役買った。反省を生かし、次は攻守で貢献する。【波部俊之介】

◆DeNA三浦大輔監督(49)が、キャプテン佐野恵太外野手に「代打の切り札」の楠本泰史外野手を起用する勝負手を打ったが、結果に結びつかず、1分けを挟み4連敗を喫した。1点ビハインドの7回1死二、三塁、阪神浜地に対し、楠本を起用。岡田監督は左腕の島本にスイッチし、楠本は遊飛に倒れ、2番関根大気外野手は空振り三振に倒れた。佐野が代打を送られるのは、19年9月16日の中日戦で7点ビハインドの9回に代打中井を起用された以来だった。代打を送られたキャプテン佐野は、目に涙を浮かべながら、ベンチの最前列から声を出したが、思いは届かなかった。試合後、佐野は報道陣の前でしっかり足を止め「監督の判断に従うしかないですし、打者として、悔しいという思いが一番です。悔しいっていう思いしかないです」と話した。チームは今季97試合目で自力優勝が消滅。首位阪神とは今季最大の9ゲーム差に広げられ、最大12まで積み上げた貯金も消え、4位に転落した。佐野は「自分の成績がなかなかふるわずに、こういう状況になってしまってると思うので、しっかりと受け止めて、来週も自分のできること、最大の準備を怠らずにこれまで通り、試合に入っていきたいです」と前を向いた。

◆DeNAは今季6度目の4連敗を喫し、97試合目で自力優勝が消滅した。首位阪神とは今季最大の9ゲーム差に広げられ、最大12あった貯金も消滅。4月15日以来の4位に転落した。1点を追う7回1死二、三塁で佐野に「代打の切り札」の楠本を起用。勝負手は実らず、本拠地ハマスタで8連敗を喫した。三浦監督は「勝負をかけて、取れなかったのは監督の責任です」とコメント。8日の中日戦(横浜)からルーキー林が1軍に合流する可能性が浮上した。▽DeNA佐野(19年9月16日の中日戦以来の代打を送られ、ベンチで目に涙を浮かべ)「監督の判断に従うしかないですし、打者として、悔しいという思いが一番です」

◆そんなん、火消しは島本よ-。阪神がDeNAとの息詰まる接戦を制し、今季4度目の4連勝で貯金を今季最多タイの18まで増やした。13連敗で乗り込んだ敵地横浜スタジアムでカード3連勝の立役者は島本浩也投手(30)だ。この日は1点リードの7回1死二、三塁で投入され、後続2人を無失点でピシャリ。岡田彰布監督(65)も「島本さまさまよ」と大絶賛するしかない。2位広島が敗れ、ゲーム差は2・5に膨らんだ。真夏の虎が、強い!島本が中1日で再び燃えさかる"火"を消した。1点リードの7回、2番手浜地が投手前の犠打で一塁に悪送球した。無死二、三塁からなんとか桑原から三振を奪ったが、なおも1死二、三塁。左打者の1番佐野に対して岡田監督がベンチを出ようとすると、DeNA三浦監督が先に代打楠本を球審に告げた。虎の指揮官は「ラッキーやと思ったよ。そら、佐野を代えるんやから」とニヤリ。満を持して、当初の予定通り島本を投入した。不敵な左腕は初球から強気に内角に直球を投げ込み、最後は3球目の高めスライダーで遊飛に仕留めた。さらに続く関根も外角高め146キロで空振り三振に斬った。満員の横浜スタジアムにDeNAファンのため息と三塁側の虎党の大歓声が交ざり合う。ザワついた雰囲気の中、島本は少し笑みを見せながらベンチに足を進めた。「浜地の後を絶対カバーしようと思った。(佐野に代打は)予想していなかったけど、全力で1球1球投げることだけ考えた」。黙々と梅野のミットだけに集中した左腕を、指揮官は手放しで褒めたたえた。「そらお前、島本さまさまよ。いてなかったら、おととい負けとるよ。今日も」。4日のDeNA戦でも3点リードの8回2死満塁で佐野を空振り三振に仕留めていた。敵地でのDeNA戦3連勝の主役を大絶賛した。育成出身のプロ13年目。左肘のトミージョン手術から昨季、3年ぶりに復活した。今季は5月23日に昇格し、ここまで21試合に登板。5試合連続無失点で5ホールド目だ。「今日みたいにしっかり抑えていけば信頼もしてもらえる。とにかくゼロを継続したい」。帰りのバスに向かう表情からも充実感が漂う。指揮官は島本の良さについて「こういう時には島本やと思って投げさせているわけやから。それは秘密よ。何がええか言うのは」と笑顔ではぐらかした。負ければ自力優勝が消滅するDeNA三浦監督の気迫の采配も綱渡りでかわし、13連敗で乗り込んだ敵地で、21年4月9~11日以来の横浜スタジアム同一カード3連戦3連勝。チームは今季4度目の4連勝だ。2位広島が敗れ、ゲーム差は2・5に広がった。苦労人左腕の活躍で、がっちり首位固めに入った。【石橋隆雄】

◆阪神K・ケラーがヒヤヒヤ投球で1回を1安打無失点に抑えた。ビハインドでの登板が多かったが、前日5日の4点リードに続き、1点リードで「8回の男」を務めた。先頭の宮崎に右前打の後、暴投、四球で無死一、二塁を招いた。ソトの中飛で進塁を許したが、代打蝦名、大和を仕留めて6ホールド目。岡田監督は「なんとかな」と苦笑いし、右腕も「最後の最後でゼロに抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。■梅野、攻守で奮闘梅野が先制打を放つなど攻守で奮闘した。2回2死一塁、左腕石田から左中間へ適時二塁打。チーム4試合連続となる先制点で打線を勢いづけた。3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった守備では、しびれる展開が続く中継ぎ陣を無失点に導いた。「投手が頑張って僅差のゲームを取れたことがシーズンでも、すごく大事。チーム全員で粘れた結果かな」と喜んだ。

◆阪神岩崎が大雨にも動じず、球団5人目となる2年連続20セーブに到達した。1点リードの9回に登板。1死から桑原に死球を与えた直後、突然の大雨に見舞われた。それでも、経験豊富な左腕は「集中できたと思います」とポーカーフェースを貫いた。楠本をスライダーでバットをへし折り二飛に仕留めると、最後は関根を捕邪飛。好投を続けたリリーフ陣のバトンをしっかりつなぎ、ナインと勝利を分かち合った。岩崎が昨年の28セーブに続き、2年連続20セーブ以上となった。スアレス2年(20~21年)以来、5人目。最長は藤川球児の6年(07~12年)。なお阪神の左腕に限れば、山本和行が82年26、84年24セーブと2度クリアした例があるが、2年連続となると岩崎が初となった。岩崎は17年から7年連続で登板40試合以上。球団最長は江夏豊の9年連続(67~75年)。なお救援登板のみでとなると、藤川球児8年(05~12年)以来チーム2人目だ。

◆阪神は二回、梅野隆太郎捕手(32)の適時二塁打で1点を先制した。この回1死から佐藤輝が四球を選んでチーム最初の出塁。続くノイジーは二飛に倒れ、2死一塁で梅野に最初の打席が回った。石田の3球目チェンジアップを捉え、打球は左中間を破る長打。佐藤輝が一塁から一気に生還した。チームはDeNAとの3連戦で3戦連続の先制。カード3連勝に向けて好発進した。

◆YOKOHAMAを愛するファンの思いをひとつに横浜DeNAベイスターズを応援するプロジェクト「GIMME YOUR POWER PROJECT Presented by J:COM」のアンバサダー(応援大使)を務める、芸人「なかやまきんに君」が始球式に登場した。投球前にはサプライズで上茶谷が登場。右腕は昨秋のファンフェスティバルで大田と見せたきんに君のコンビ芸「あめ取りゲーム」を、まさかの〝ご本人〟との共演で披露。あめを取ることはできなかったが、きんに君は「これまでの挑戦者の中で一番、あんな動きは見たことがない。取られるかと思ったが、僕の筋肉が一枚上手だった」と振り返った。芸能人最速(142キロ)を目標に掲げていた投球では、71キロに終わり「そんなに遅かった? あめの速度じゃなくて?」と苦笑い。それでも、親交のある三浦監督の前を通って退場した際に「筋肉を見ていたので、もしかしたら戦力として構想を考えている目をしていました」と胸を張った。

◆阪神・近本光司外野手(28)が三回に左前打を放ち、ルーキーイヤーから5年連続の100安打を達成した。1死走者なしで迎えた第2打席で、石田が6球目に投じた低めの直球にうまくバットを合わせた。打球はふらふらと上がって左翼手の前へポトリ。阪神で新人から5年連続の100安打は後藤次男(1948年~52年)、吉田義男(1953年~60年)に次いで3人目の快挙となった。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が四回に好守を披露した。1死で打席に入った宮崎が伊藤将の143キロ直球を捉え、打球は左翼方向へ。ノイジーは自身の前に落ちるかという当たりに猛チャージし、勢いよくスライディングして左手を伸ばした。打球はグラブにすっぽり収まるファインプレー。美技で出塁を許さなかった。

◆阪神は1ー0の六回、佐藤輝明内野手(24)の適時二塁打で2点を追加した。この回先頭の近本が右翼線へ二塁打を放ち、中野の犠打で1死三塁。3番・森下は右飛に倒れたが、続く大山が四球を選んで一、三塁と好機が拡大した。石田とこの日3打席目の対戦となった佐藤輝は、真ん中付近に入ってきた3球目の143キロ直球を強振。打球は左中間を破り、一塁走者の大山も生還して2点二塁打となった。3日の中日戦(バンテリンドーム)以来3試合ぶりの適時打で伊藤将を援護した。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が3―0の六回に2点を失った。この回の先頭で打席に入った代打・桑原が右前打を放ち、1死から関根の中前打で一、二塁とこの日初めて得点圏にランナーを進められた。宮崎は142キロ直球で見逃し三振に打ち取り、2死で4番・牧とこの日3度目の対戦。外角のチェンジアップを捉えた打球は三塁手・佐藤輝がグラブを構えたその上を通過し、左前適時打となって1点を失った。なおも一、三塁でソトの打球は伊藤将のグラブを直撃。一瞬よろめいた伊藤将は打球を拾い上げて一塁へ送球したが、このボールがそれて適時内野安打となった。1点差に迫られたが、続く大田を捕邪飛に打ち取ってなんとかリードを守った。七回に代打・糸原を送られ、6回6安打2失点でマウンドを降りた。

◆阪神は3―2の七回、手痛いミスでピンチを広げたが、島本浩也投手(30)の好リリーフで無失点で切り抜けた。2番手でマウンドに上がった浜地が先頭の大和に左前打を許すと、続く伊藤光の犠打を一塁に悪送球。無死二、三塁とピンチを招いた。桑原を空振り三振に打ち取ったところでDeNAが代打・楠本を告げると、岡田監督は左腕の島本にスイッチ。楠本を遊飛に打ち取り、関根も146キロ直球で空振り三振に切った。1点のリードを守り切る救援で虎を救った。

◆強打のカリビアンが帰ってきた。DeNA・ソトが1軍に復帰し、「5番・一塁」で即スタメン出場。六回に痛烈な投手強襲の適時内野安打を放ち起用に応えた。「ファーストストライクから積極的に打ちにいこうと準備していた。適時打になってよかった」3点を追う六回、4番・牧の適時打で1点を返し、なお2死一、三塁の好機で巡ってきた第3打席。ソトは阪神・伊藤将の初球、144キロ直球を迷わず振り抜いた。鋭い打球は瞬く間に伊藤将のグラブを弾いた。後方へ転がった打球を左腕が素手で処理し、何とか一塁へ送球したが、ソトが懸命に一塁を駆け抜けセーフ。三塁走者が生還し、1点差に追い上げた。来日6年目の今季は開幕前の3月に母国、プエルトリコの代表に選出され、名だたるメジャーリーガーとともにWBCに出場した。本塁打王に輝いた来日1年目(2018年)の原点に返る意味も含め、2月の早い段階から志願して実戦出場を重ねた。強い覚悟を持って臨んだシーズンだったが、7月までわずか6本塁打。持ち前の打棒を発揮できず、7月18日に2軍再調整となった。イースタン・リーグで34打席に立ち、再び訪れた1軍の舞台。意地の一打を放った。打線は1点を追う八回に1死一、三塁のチャンスを作るも後続が断たれた。チームはその後も得点できず、手痛い同一カード3連戦3連敗を喫した。(浜浦日向)

◆阪神は敵地でDeNAに3連勝した。 3試合続けて先制に成功し、流れに乗った。二回2死一塁で梅野隆太郎捕手(32)が放った打球は左中間へ。適時二塁打で1点を先行すると、六回には2死一、三塁で佐藤輝明内野手(24)が左中間へ大きな飛球。走者2人が生還する適時二塁打でリードを広げた。 先発の伊藤将司投手(27)は五回まで二塁も踏ませない投球を続けていたが、六回に捕まった。2死一、二塁で4番・牧の打球は三塁手・佐藤輝のグラブの上を抜けて左前へ。1点を返されると、続くソトにも伊藤将を強襲する適時内野安打を許して2失点目。後続を断った伊藤将はこの回でマウンドを降りた。 七回は2番手・浜地が二、三塁のピンチを招き、1死を奪ったところで島本浩也投手(30)にスイッチ。続く打者を遊飛、空振り三振に打ち取りリードを死守した。八回からはK・ケラー、岩崎が無失点に抑えて白星を守り切った。この勝利でDeNAとのゲーム差は「9」に広がり、貯金は最多タイの18。DeNAの自力優勝の可能性が消滅した。

◆DeNAは引き分けを挟んで4連敗。本拠地8連敗で最大12あった貯金がついに0になった。首位阪神に同一カード3連戦3連敗を喫し、ゲーム差は「9」。今季97試合目で自力優勝の可能性が消滅した。1点差まで追い上げた七回1死二、三塁の好機で不振の1番、主将の佐野に代打・楠本を送るも遊飛に倒れるなど無得点。八回1死一、三塁も得点できずに終わった。

◆阪神が6度目の同一カード3連勝。DeNAの自力優勝の可能性が消滅した。二回の梅野隆太郎捕手(32)の先制打、六回の佐藤輝明内野手(24)の二塁打で2点を追加。1点差に詰め寄られたが七回、八回の窮地を島本浩也投手(30)、カイル・ケラー投手(30)がしのぎ、九回を締めた岩崎優投手(32)が20セーブ目を挙げた。近本光司外野手(28)は後藤次男(48ー52年=5年)、吉田義男(53ー60年=8年)に次いで球団3人目の入団から5年連続100安打。ハマスタでのカード3連勝は21年4月以来。貯金「18」は今季5度目で最多タイ。2位広島と2・5差とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(56勝38敗4分、観衆=3万3228人)。ーー七回は島本がピンチをしのいだ「昨日も今日も、そんなん、六回にしてもミスばっかりで。自分らでそんなん苦しめとるんやからなあ。考えられへんよ。わざわざ、しんどい展開に持って行っとるんよ」ーーその中でも島本が結果を出した「そらお前、島本サマサマよ。そんなのお前。いてなかったら、負けとるよ。今日も」ーー島本のどのあたりを見て起用しているのか「いや、彼っていうか、こっちが見極めて、こういう時には島本やと思って、投げさせているわけやから。うーん。それはお前、それは秘密よ。お前、何がエエかいうのは。そんなん」ーー佐野のままでも島本に代えたか「え? 代えてたよ」ーー島本を告げる前に先に楠本に代えてきてどう思ったか「いやラッキーやと思ったよ。そらお前、佐野を代えるんやからな。代打ってなかったから待っとったんや、だから。楠本が出てきたからなあ」ーー島本はああいう形でピンチに(2番手・浜地が先頭に安打を許し、次打者の犠打を一塁悪送球で無死二、三塁のピンチ招く)「あんな展開あったらアカンっていうことやんか。しかし、ひどいよな」ーー八回もケラーがしのいだ「何とかな。だからもう、失投というか、甘い球なんか行ける場面じゃないわけやからさ。そこでもし、投げるんやったら、そういうことを考えて、ワンストライクツーボールからでも、浜地にしてもなあ、あんなインコースの甘い球が行くこと自体が力がないってことやからな。はっきり言って。そういうことやからな」ーー岩貞、加治屋は状態が落ちている「状態が落ちてるから使わんじゃないよ。ベストの状態で、やから使うただけやんか。また延長なったら使わなアカンのやから。そんなんは、こっちの考えていることであって、それが成功するか成功せんかだけやんか。たまたま成功しただけやで。でも。そんな100%の決まりごとはないわけやからな。なあ」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は1点差の場面での浜地真澄投手(25)、カイル・ケラー投手(30)の登板に疑問を呈しながらも、粘勝を高く評価した。なぜ1点差の七、八回で浜地、ケラーを起用したのか。疑問だ。勝ちパターンの投手は5日の試合でも休ませていた。移動日の7日を合わせれば3日間休養できるという考え方もあるが、僕が勝ちパターンの選手であれば「なぜ休んでいるんだろう」と思ってしまう。浜地も寂しい投球だったし、ケラーはやっぱり安定していない。1点リードの場面で投げる投手ではない、ということを岡田監督も感じたと思う。失策や四球、暴投がありながら七、八回に逆転されなかったのは幸運。島本には助けられた。プレッシャーもあったなかで、よくしのいでくれた。内容はどうであれ、負けてもおかしくなかった試合を勝てたことは大きい。13連敗を喫していた横浜で同一カード3連勝し、DeNAとのゲーム差は「9」に開いた。3連敗でもしていれば優勝争いの中で、まだ意識を置かないといけない存在だったが、これだけ差が開けば広島だけを見て戦っていける。阪神としては、これから先が非常に戦いやすくなる意味のある3連勝だった。

◆不振に苦しむDeNAの主将、佐野恵太外野手(28)は、1点差まで追い上げた七回1死二、三塁の好機で代打を送られた。三浦監督も「難しかった」と明かした大きな決断について、佐野は「チームが勝つ可能性が高いものを選択して采配する監督の決断だったので、打者として悔しいという思いが一番です」と語った。チームも引き分けを挟み4連敗で、自力優勝の可能性が消滅。主将は「自分の成績がなかなか振るわずにこういう状況になってしまっているのはしっかり受け止めて、来週も自分ができること、最大の準備は怠らずに試合に入っていきたい」と前を向いた。

◆阪神・梅野が貴重な先制打を放った。二回2死一塁で石田のチェンジアップを捉え、左中間を破る適時二塁打。「先制点だったので、もちろん打点がついたのはいいこと」。守っては5投手をリードし、再三のピンチをしのいで1点差の勝利に貢献。「こういうゲームを取るのがシーズンは大事。1点差というので、ピッチャー陣というかチーム全員が頑張った結果かな」と充実の汗を拭った。

◆阪神はDeNAに3―2で競り勝って今季4度目の4連勝を飾った。佐藤輝明内野手(24)が6月に2軍降格を経験した横浜で雪辱の適時2点打。このカード前まで13連敗中だった鬼門での同一カード3連勝に導いた。貯金は今季最多タイの18とし、2位広島とのゲーム差は2・5差。夏の長期ロードでも強さを示す猛虎に死角なしだ。 耳で、肌で、全身で感じる応援が、佐藤輝を奮い立たせた。力強く振り抜いたバットに乗せた打球が左中間を貫く。打席にも立てず横浜を去ったあの日の屈辱も、一振りで吹き飛ばした。試合を決める2点二塁打で、今季3度目となるDeNA戦の同一カード3連勝をつかんだ。「しっかり狙い球を絞って。チャンスだったので、一振りで打つことができてよかったです」虎党の期待に応えたのは1―0の六回だ。先頭の近本が右翼線へ二塁打を放ち、中野の犠打で1死三塁。3番・森下は右飛に倒れたが、続く大山が四球を選んで一、三塁と好機が拡大した。左腕石田の外角変化球を自信を持って見送り、真ん中に入ってきた3球目の143キロ直球を強振。鋭い当たりで左中間の深くまで運び、一走の大山までホームに迎え入れた。前日までの2戦は内野安打のみで9打数1安打。「打ってなかったんでね、打ちたかったですし。今日は良かったです」。背番号8は二塁ベース上で3度、納得するように手をたたいた。悔しさを味わった横浜で、再起を告げる一打を放った。6月23日から行われた前回の横浜スタジアム3連戦。「自分を見つめ直し、初心に立ち返る」ことを課され、カード2戦目後に2軍落ちとなった。25日はナゴヤ球場でのウエスタン戦に出場。「やることをやるしかない。前だけ向いてしっかり頑張ります」と語った。10日間で練習試合を含む2軍戦7試合に出場。再昇格前の最終戦となった7月4日のウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)では3安打1本塁打4打点と打ちまくり、試合後は集まったファンへサインと写真撮影に応じた。最後のスタッフがバスに乗り込むまで交流し、全員が乗るのを確認すると「もう時間や」と手を振って筑後のファンに別れを告げた。敵地での2軍戦でも自らのタオルを持って応援してくれる温かさを肌で感じた。「あれはすごかったですね。ありがたいです」。声援を再昇格後の力に変えて、〝リベンジ〟の適時打を放ってみせた。

◆魂のこもった直球でバットに空を切らせ、ベンチに戻りながら控えめに笑った。絶体絶命のピンチを断ったその姿には、神々しさすら漂う。虎の守り神、島本が大仕事をやってのけた。「もう全力で一球一球投げると考えていた。最後はちょっと甘くなったけど、気持ちで抑えられて良かった」後輩が招いた嫌な流れを振り払った。3―2で迎えた七回。2番手・浜地が安打と犠打失策などで1死二、三塁とされたところで、島本がマウンドに降り立った。まずは代打・楠本をスライダーで遊飛に仕留めると、続く関根は外角高めの146キロで空振り三振に斬って危機を脱した。「浜地の後で、カバーしようと思ったので、ゼロで抑えられてよかったです」1点リードの八回2死満塁で登板し、4球でピンチを切り抜けた4日のDeNA戦に続く見事な火消し。岡田監督は「島本さまさまよ。(島本が)いてなかったら、きょうも、おとといも負けとるよ」とべた褒めした。

◆切り込み隊長のクリーンヒットが勝利につながった。近本が2安打の活躍だ。「六回で3打席目が回ってくるって、僕の中では大事な試合の流れだと思っている。結果的に二塁打でしたけど、塁に出られたというのが大きかった」まずは三回に12試合連続安打となる左前打。後藤次男(1948―52年の5年連続)、吉田義男(1953―60年の8年連続)に次いで球団3人目となる入団から5年連続のシーズン100安打に到達した。「特に思うことはないですけど」とクールだったが、1番打者の復調は頼もしい限り。六回の先頭では右翼への二塁打でチャンスメークし、佐藤輝の左中間二塁打で2点目のホームを踏んだ。「接戦もありましたし、逆転もあったし、チームとしては勝てたので良かったですよね」。この3連戦は打率・500(14打数7安打)の大暴れだった。(須藤佳裕)

◆鬼の形相だった。DeNAに同一カード3連勝で貯金を今季最多タイの18としても、岡田監督に笑顔はない。守りの〝ミス〟を黙って見過ごすわけにはいかなかったからだ。「自分らで、そんなん苦しめとるんやからなあ。考えられへんよ、あんなん。わざわざ、しんどい展開に持っていっとるんよ、なあ。おーん」まずやり玉に挙がったのは、3-2の七回に登板した浜地だ。先頭の大和に左前打。続く伊藤の犠打を処理した際に一塁へ悪送球し、無死二、三塁とされた。1死後に代打・楠本が告げられると、岡田監督は怒りをにじませながら交代指令。島本がピンチを切り抜けたが、結果オーライとは思えなかった。「あんな展開あったらアカンっていうことやんか。えー。しかし、ひどいよな」さらに指揮官が指摘したのは、3-0の六回2死一、二塁で牧が放った打球に対する佐藤輝の〝及び腰〟だ。三塁のアンツーカー部分で少しバウンドが変化し、差し出したグラブの右横を抜ける2点打となった。「きのうも、きょうも、六回にしてもミスばっかり...」。5日も六回の佐藤輝の一塁悪送球をきっかけに2点を奪われた。体に当てて止めるくらいの姿勢を見せてくれ―。六回の2点打で勝利に貢献した主砲に対しても、険しい表情で苦言を呈した。八回にはケラーが安打、暴投、四球などで1死一、三塁の大ピンチを招いた。相手の拙攻に助けられたが、「甘い球なんかいける(投げる)場面じゃないわけやからさ」と、最後まで怒りっぱなしだ。2位広島が敗れて2・5ゲーム差に広がった。頭一つ抜け出しそうな勢いだが、これからが本当の勝負。百戦錬磨の指揮官はかぶとの緒を締めた。(三木建次)

◆3―2の八回を任されたケラーがヒヤヒヤながら無失点。先頭への安打と暴投、四球で無死一、二塁のピンチを招いた。だが、ソトを中飛、代打・蝦名を空振り三振、大和は中飛に斬ってリードを守った。「(1点リードの場面を)託してもらったからには結果を残さないと駄目だと思った。ゼロに抑えられたので良かった」と、胸をなで下ろす今季6ホールド目だった。

◆先発の伊藤将は6回6安打2失点で6勝目。五回まで2安打無失点も、六回に牧に適時打を許す。ソトには自身のグラブと体を直撃する強烈な当たりを浴び、一塁への送球もそれて(記録は適時内野安打)1点差に迫られた。それでも、9試合連続のクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以下)で試合を作った左腕は「浜地、島本さん、KK(ケラー)とザキさん(岩崎)が抑えてくれたので良かった。チーム一丸で勝てた」と無失点で抑えた救援陣に感謝した。

◆DeNAは1分けを挟んで4連敗。本拠地8連敗で最大12あった貯金が消え、4月15日以来のBクラスとなる4位に転落した。97試合目で自力優勝の可能性が消滅し、三浦大輔監督(49)は「選手たちは必死にやっている中で、それを何とか勝ちにつなげないと。そこは監督の責任」と言葉を絞り出した。大きな決断も、勝利に結びつかなかった。1点差に追い上げ七回1死二、三塁の好機。この日も3打数無安打と不振に苦しむ主将の佐野に代打・楠本を送ったが、遊飛に倒れた。続く関根も空振り三振で無得点に終わり、指揮官は「(決断は)もちろん難しかったけど、あそこはクス(楠本)に任せて、結果が出なかったのはこっちの責任」と語った。首位阪神に同一カード3連戦3連敗を喫し、ゲーム差は今季最大の9。佐野は「打者として悔しいという思いが一番。自分の成績がなかなか振るわずにこういう状況になってしまっている」と責任を受けとめ「自分ができること、最大の準備は怠らずに試合に入っていきたい」と悔しさを糧に前を向いた。(浜浦日向)

◆ウェ~ン! ダンカンおじさん、この伊藤将の一勝に涙があふれて止まらんやないかー!! アレ(優勝)に絶対に必要なものは?「そんなもん決まっとるやないか~、最終的には猛虎軍団の『心』以外にあるかいな!!」と阪神大OBの川藤幸三さんチックになっちまったけど、好投した伊藤将の白星の灯があー消える!! と誰もがうなだれた七回1死二、三塁を島本が見事に切り抜ければ、八回にケラーがまたもや乱調で無死一、二塁の大ピンチ。今度こそ伊藤将の勝ちはなくなるわ...と絶望しかけたその時、梅野が神リードをしてくれたのだ!! 八回を抑えたのはケラーではなく100%梅野のリードなのだ!! 本日の梅ちゃんは先制のツーベースも打っているし、梅神様まではいかないけど、梅アマビエ様くらいであがめさせてもらいますわー!!連日くどいけど、愛のムチ!! サトテルちゃんの六回のツーベースには大拍手を送るけど、六回の牧の三塁横を抜く打球は正面に入ればアウト取れたわー!! 令和のミスタータイガースのため、精進やー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
56384 0.596
(↑0.005)
-
(-)
45373
(+3)
298
(+2)
49
(-)
51
(-)
0.242
(↓0.001)
2.750
(-)
2
(-)
広島
55422 0.567
(↓0.006)
2.5
(↓1)
44340
(-)
331
(+13)
60
(-)
54
(-)
0.247
(↓0.001)
3.020
(↓0.11)
3
(1↑)
巨人
49471 0.510
(↑0.005)
8
(-)
46374
(+13)
356
(-)
118
(+5)
32
(-)
0.255
(↑0.002)
3.550
(↑0.04)
4
(1↓)
DeNA
47473 0.500
(↓0.005)
9
(↓1)
46344
(+2)
343
(+3)
64
(-)
20
(-)
0.248
(↓0.001)
3.220
(↑0.01)
5
(-)
ヤクルト
40552 0.421
(↑0.006)
16.5
(-)
46339
(+3)
382
(+1)
79
(-)
52
(-)
0.234
(-)
3.680
(↑0.03)
6
(-)
中日
38582 0.396
(↓0.004)
19
(↓1)
45290
(+1)
335
(+3)
45
(-)
28
(-)
0.244
(-)
3.090
(↑0.01)