広島(☆4対3★)巨人 =リーグ戦16回戦(2023.08.04)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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巨人
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広島
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勝利投手:大道 温貴(2勝0敗0S)
敗戦投手:中川 皓太(1勝2敗3S)

本塁打
【広島】デビッドソン(10号・2回裏2ラン)

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◆広島は2回裏、デビッドソンの2ランで先制する。その後2-3となって迎えた9回には、小園の適時打で同点とすると、なおも続く好機で代打・松山が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・大道が今季2勝目。敗れた巨人は、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。

◆巨人が今季2度目のサヨナラ負けを喫し、Aクラス返り咲きとはならなかった。1点リードの9回に中川が登板も、連打と自らの犠打野選で無死満塁。1死としてから広島小園に同点適時打を浴びると、続く代打松山に一塁へのサヨナラ内野安打を許した。中川は「何も言うことないです。実力不足。明日投げる機会があればやり返したい」と猛省した。先発左腕の横川は1カ月ぶりの1軍マウンドだったが、勝ち投手目前の5回2死満塁で代打が送られ、4回3安打2失点で降板。「もうちょっと強さが出てくればよかった」と悔しさをかみしめた。DeNAが阪神に敗れたため、勝てば6月24日以来の3位浮上だったが、痛恨のサヨナラ負けで3位DeNAとゲーム差なしで4位のままとなった。

◆巨人の41日ぶりのAクラス浮上が、スルリとこぼれ落ちた。敵地マツダスタジアムで今季チーム2度目のサヨナラ負け。1点リードで継投に入った5回以降無安打リレーも9回に左腕の中川皓太投手がつかまった。原監督は「うちの(勝ち)パターンの中でこういう結果になった。もう1点を取っておけばというところはあるでしょうけど。(敗因は)そういうところですね」。3回に逆転も、もう1点が遠かった。1点リードの5回2死満塁で勝負に出た。投手の横川の打席。約1カ月半ぶりの先発登板で4回3安打2失点と粘投する中、代打中田翔を送り、捕邪飛に打ち取られた。原監督は「(横川は)粘っこく投げてくれたと思います。リリーフ陣もいるわけですし」。前夜に戸郷の完投劇でフレッシュな救援陣5投手を駆使した。勝てば6月24日以来の3位返り咲きだったが、DeNAとゲーム差なしの4位のまま再び浮上を狙う。

◆広島が9回に1点差をひっくり返した。先頭菊池からの連打などで1死満塁とし、小園、松山の連打で今季4度目のサヨナラ勝利となった。5回8安打3失点(自責ゼロ)の先発野村から、6回以降は中崎、ターリー、大道が無失点。8回から2イニングを投げた大道が2勝目を手にした。引き分けを挟み連勝で、1・5ゲーム差で追う首位阪神を追走する。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-9回は連打から好機をつくり、小園選手と松山選手が連続適時打新井監督 本当によく打ってくれました。小園もそうですし、最後の"松山さん"も。先頭のキクが出て、野間、そしてアキ(秋山)もしっかり送ってくれて。みんなで勝ち取った最後だったと思います。-9回無死一塁から野間選手には犠打ではなく任せた新井監督 あそこで送るという選択肢もあったと思うんですけど、仮に送っても相手が中川くんといういい投手なので。送ったとしても、選手が打つのを待つだけになる。それが嫌だった。野間は四球も選べますし、あそこは野間に賭けました。-中継ぎ陣が追加点を許さなかった新井監督 本当に頑張ってくれました。みんな強力で調子のいいジャイアンツ打線を相手に、本当によく粘ってくれました。特に大道。イニングをまたいで、本当によく投げてくれました。-先発復帰したデビッドソンにも1発が出た新井監督 だいぶ状態が良くなって来ましたので(先発起用したが)、すぐ結果を出してくれるあたり頼もしいですね。ホームランっていいですね。-先発野村投手は粘った新井監督 調子がいいジャイアンツ打線によく粘って投げてくれたと思います。-5回に会沢選手が死球で途中交代新井監督 トレーナーから経過を聞いても大丈夫ということなので、そこはホッとしています。裏で見たときにすごく腫れていて、すごく心配だったけど、報告では大丈夫だと。安心しました。-巨人戦の四球は16試合目で13個目新井監督 率直な意見で、少し多いかなというのは思いますけど、向こうも当てようと思って当ててるわけじゃないんで、そこは分かっています。

◆4イニング連続無安打から土壇場に「逆転のカープ」が発動した。1点ビハインドの9回。広島菊池から連打と野選で満塁。1死後に小園が初球をたたいて同点に追いつくと、最後はチーム最年長の松山竜平外野手が決めた。「打てるところは全部振ってやろうと。それくらいの気持ちじゃないと多分いい結果は出ない」。初球をとらえ一塁岡本和が倒れ込みながら止めるが精いっぱいの決勝内野安打。自身代打通算100安打で、球団最多タイの4本目の代打サヨナラ打となった高ぶる理由は、5回にあった。先頭の会沢が2球内角球が続いた後の4球目を左腕に死球を受けて激高した。今季、巨人戦の死球は16試合で13個目。他4球団からの死球数と比べてダントツで、7月11日には右腕に死球を受けた菊池が翌日から2試合先発から外れたこともあった。無死一塁から無得点に終わるも、会沢の姿と代打攻勢が士気を上げた。「アツ(会沢)の力も借りました」。チームメートと喜びを爆発させた松山の手首には会沢のリストバンドが着けられていた。引き分けを挟み連勝で、首位阪神に1・5ゲーム差で追走する。松山は、チームの成長に確かな手応えを感じている。「先頭のキクが出てから、これはあるなと思った。僕まで回ってくると。今のチームはすごく楽しいし、強い。このままいけると思います」。新井監督が「家族」と表現するチームは試合を重ねながら強く、戦う集団となっている。【前原淳】松山が9回に代打でサヨナラ安打。松山のサヨナラ安打は22年8月17日中日戦以来5本目で、5本のうち4本を代打で記録。代打サヨナラ安打を通算4本はセ・リーグ2位タイで、広島では浅井に並ぶ球団最多となった。また、5本のうち3本を巨人戦でマーク。巨人戦で3本のサヨナラ安打は球団史上初めて。▽広島新井監督(サヨナラ勝利に)「本当によく打ってくれましたね。小園もそうですし、最後の松山さんも。みんなで勝ち取った最後だったと思います」▽広島小園(9回1死満塁で同点打)「(前打者上本に)粘ってもらえたので、いろいろ配球も見られました。何とか前に飛ばして、何でもいいからことを起こすしかなかった」▽広島大道(8回から2イニング無失点で2勝目)「回またぎが久々で(点を)取られているイメージがあったので、集中しなおして1球目からしっかり投げていこうと意識しました」

◆広島・玉村昇悟投手巨人戦前の練習に参加し、5月以来の登板となる5日の17回戦に向けキャッチボールなどで調整した。1月にインフルエンサーのきららさんと入籍し7月に男児が誕生した左腕は「すごく打線が良いチーム。最少失点でいけるようにガンガン攻めていきたい」と闘志を燃やした。福井・丹生高を経て、2020年にドラフト6位で入団し今季は5試合で1勝0敗、防御率6・08。右手中指にマメができた影響で離脱した森下の代役のチャンスをつかみとりたい。

◆巨人・横川凱投手(22)が6月16日の楽天戦(東京ドーム)以来、約1カ月半ぶりの先発で4回を3安打2失点。何とか踏ん張った。「結果を残せないと(1軍の)マウンドに立てない立場なので、まずは結果だけを意識して投げたい」。覚悟を決めて上がったマウンド。二回にデビッドソンに右越えの先制2ランを被弾したが、そこから崩れなかった。好調の広島打線を相手に、三回以外は毎回走者を背負う投球だったが、打者の手元で小さく曲がるカットボールなどを駆使し、的を絞らせなかった。3-2で迎えた四回1死三塁のピンチでは、小園をフォークボールで空振り三振に。続く本塁打を浴びているデビッドソンも遊ゴロに仕留め、リードを守った。その裏の打席が、2死満塁の絶好機で回ってきたこともあり、勝負どころと見た原監督が交代を決断。代打・中田翔を送られ、4回60球でお役御免となった。今季は開幕ローテーション入りを果たすなど、ここまで10試合に先発してきたが、チーム事情もあり6月末から中継ぎに配置転換されていた。1軍での登板も7月1日の阪神戦から離れており「ずっと投げたい気持ちがあった」と闘志を燃やしていた。打っては2安打をマーク。成長著しい大型左腕は勝ち星こそつかめなかったが、投打で次につながるプレーを示した。しかし、五回以降の小刻みなリレーも、3―2の九回に暗転する。6番手の中川が、連打と自らの野選で無死満塁のピンチを招く。1死後、小園の右前適時打で同点、さらに松山の一塁内野安打で逆転サヨナラ負け。痛い星を落とした。

◆広島が逆転サヨナラ勝ちした。2―3の九回1死満塁から小園の右前打で追い付き、代打松山がサヨナラの内野安打を放った。六回から救援陣が無失点でつなぎ、4番手の大道が2勝目。中川が誤算だった巨人は3連勝を逃した。

◆巨人は2位・広島に痛恨の逆転サヨナラ負けを喫した。3-2の九回。離脱中の大勢に代わって守護神を任されている中川が、連打と野選でピンチを招くと、1死満塁で小園に同点の右前適時打を許した。続く代打・松山が放った打球を一塁・岡本和がダイビングキャッチで好捕するも、本塁へ送球できず三走が生還。1点のリードを守れず3連勝を逃した。原監督は「(投手陣が)よくつないで、うちのパターンの中でこういう結果になった。(打線が)もう1点をとっておけばというところはあるでしょうけど。そういうところ」と神妙な面持ちで振り返った。

◆仲のいい菊池の〝飛び蹴り〟を合図に、ナインから大量の水をぶっかけられた。広島が逆転でサヨナラ勝ち。ずぶぬれのユニホームのままお立ち台に上がった松山は、ほっと胸をなでおろした。「本当に、今年一番緊張しました。若い投手陣が頑張っているんで最年長が頑張らないといけない。当たりはよくなかったけど気持ちが勝った」1点を追う九回に逆転のカープが発動した。小園の適時打で3─3に追い付き、なお1死満塁で代打松山が打席へ。中川の初球を振り抜くと痛烈なゴロが一塁手のグラブを弾き、その間に三走が生還。本拠地を真っ赤に染めた3万348人の大歓声を一身に浴び、右手を天に突き上げた。チームは今季4度目のサヨナラ勝ちで、首位阪神とゲーム差1・5のまま追走。この試合で代打通算100安打に到達した〝神様〟に、新井監督は「松山さん」と敬意を払いつつ「選手全員の力でサヨナラ勝ちができた」とうなずいた。松山にとって、天国から見守る「じいちゃん」にささげる一本となった。昨秋に祖父・末吉政雄さんが88歳で亡くなった。九州国際大時代には飼育する牛を売って学費をサポートしてくれた恩人だ。今年1月に鹿児島に帰省した際は墓前で恩返しを約束。今季は代打成績・438(32打数14安打)と神懸かり的な活躍を見せている。この日はお立ち台では定番の「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、俺、やったよ」を封印。その理由は「久しぶりなので。次は期待してほしい」。9月に38歳になるチーム最年長はまだまだ元気いっぱいだ。(柏村翔)

◆巨人はあと一歩で逃げ切れなかった。1点リードの九回に6番手で登板した中川皓太投手(29)が4安打を浴び、痛恨の逆転サヨナラ負け。3位浮上を逃し、首位阪神とのゲーム差が7に開いた。左腕は「ただ単に実力不足」と潔かった。守護神の大勢が6月末に右上肢のコンディション不良で離脱してから抑えを担う左腕は先頭から連打を許し、バントを処理した自らの野選も絡んで試合をひっくり返された。五回から継投した中継ぎ陣は八回まで無安打無失点。原監督は「うちのパターンの中でこういう結果になった」と中川を責めなかった。中川は試合前時点で防御率1・42。5月末から7月中旬にかけて15試合連続無失点を記録するなど救援陣を支えてきた。「明日も投げることがあればやり返せたら」と雪辱を誓った。(鈴木智紘)

◆端的に、AクラスとBクラスの差だね。3日のヤクルト戦で、エースが抑えて4番が打つという、いい勝ち方をしてきたからといって、そうそう簡単に連勝の波に乗れるものではありませんよ、巨人サン...。そんな戒めでもあるかな。九回を締めるために登板した中川が、アッという間に絶体絶命のピンチを招いても、取って代われる投手がいない。そもそも、ベンチの計算通りに1点を守り切れるリリーフ陣でもない。広島には、その人材が豊富。まずは、そこが違う。監督采配に応えられる選手が、どれだけいるかも問われる。広島は無死一塁で、バントかと思われた2番・野間が強攻。安打でチャンスを拡大した。送るの? 送らないの?! 相手を悩ませ、プレッシャーを与えられる駒が随所にいる。その差も小さくない。要するに、それらが今の巨人に足りないもの。この敗戦を糧にして、浮き彫りとなった課題を一つ一つ、克服していくしかないね。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
54384 0.587
(↑0.005)
-
(-)
47363
(+5)
293
(+2)
48
(-)
48
(+2)
0.241
(↑0.001)
2.770
(↑0.01)
2
(-)
広島
54412 0.568
(↑0.004)
1.5
(-)
46333
(+4)
315
(+3)
58
(+1)
54
(-)
0.247
(-)
2.910
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
47453 0.511
(↓0.006)
7
(↓1)
48339
(+2)
333
(+5)
63
(+1)
20
(-)
0.249
(-)
3.200
(-)
4
(-)
巨人
48461 0.511
(↓0.005)
7
(↓1)
48358
(+3)
349
(+4)
112
(-)
32
(-)
0.253
(-)
3.540
(-)
5
(-)
ヤクルト
39542 0.419
(↓0.005)
15.5
(↓1)
48334
(+1)
377
(+11)
79
(-)
52
(+2)
0.234
(↓0.001)
3.730
(↓0.09)
6
(-)
中日
37572 0.394
(↑0.007)
18
(-)
47285
(+11)
330
(+1)
45
(+3)
28
(-)
0.244
(↑0.001)
3.110
(↑0.02)