DeNA(★2対5☆)阪神 =リーグ戦15回戦(2023.08.04)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
0000020002841
勝利投手:浜地 真澄(3勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝1敗19S))
敗戦投手:伊勢 大夢(2勝5敗2S)

本塁打
【DeNA】牧 秀悟(18号・6回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神が逆転勝利。阪神は4回表、坂本の適時打で1点を先制する。その後1-2となって迎えた8回には、ノイジー、木浪、糸原の適時打で4点を挙げ、試合をひっくり返した。投げては、2番手・浜地が今季3勝目。敗れたDeNAは、2番手・伊勢が誤算だった。

◆阪神は横浜スタジアムで昨年6月28日から13連敗中。この13試合は22得点、62失点で得失点差がマイナス40。連敗中のチーム打率は2割3厘で、1試合平均得点が1・7点しかない。阪神は76~92年に札幌円山球場でヤクルトと大洋相手に2分けを挟んで16連敗を記録しているが、セ・リーグの本拠地球場で13連敗は99~00年ナゴヤドームに並びワースト。今日も敗れると、本拠地球場では球団初の14連敗になってしまう。

◆DeNAの首脳陣、選手が、阪神戦の試合前練習で「キッズSTAR☆NIGHT 2023 Supported by J:COM」のオリジナルチームウエアで汗を流した。同イベントの特別企画で「第3回オリジナルチームウエアデザイン募集」を実施。最優秀賞として、小学5年生の女の子が描いたデザインが選ばれた。三浦大輔監督(49)は「子どもたちが一生懸命デザインしてくれたんでね、こういうコミュニケーションが取れるのは非常にいいことだと思います」と笑顔で話した。オリジナルチームウエアは、阪神戦の3日間、選手や監督、コーチが着用し、試合前練習に臨む。

◆阪神近本光司外野手(28)が"トリック"を決めた。3回に10試合連続安打となる左前打で出塁。続く2番中野の打席でスタートを切る構えを見せ、数メートル走ったところでとりやめた。これに"だまされた"DeNA捕手の山本は二塁へ送球。しかし二塁のベースカバーが間に合わず、ボールはセンター桑原のもとへ。近本は難なく二塁へ進塁した。得点には結びつかなかったが、相手のミスを誘うプレーだった。

◆/スーパーキャンセルがミスを誘発\近本光司の足への警戒が強いからこそ生まれたプレー?#プロ野球(2023/8/4)??DeNA×阪神??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/Reke8y83D7

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、値千金の適時打を放った。4回2死二塁、DeNA東の144キロを捉え、左前打。二塁走者大山が生還し、先制点を挙げた。坂本は6月17日ソフトバンク戦以来の適時打となった。東には前回6月24日の対戦で9回完封負けを食らっていた。今季13イニング目で、「虎キラー」の左腕から初得点。昨年から13連敗中の横浜スタジアムで、まずは主導権を握った。

◆阪神村上頌樹投手(25)が5回まで無失点投球を続けている。2回から5回までは毎回安打を許しているが、味方の好守にも助けられ、要所を締めている。チームは敵地横浜スタジアムで昨季から13連敗中。4回に挙げた1点を守り切れるか。

◆/牧が好きだと叫びたい\打った瞬間、確信の一発牧秀悟のバットフリップもかっこいい?#プロ野球(2023/8/4)??DeNA×阪神??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/QZQWPLsSTH

◆阪神村上頌樹投手(25)が痛恨の1発を浴びた。1点リードの6回2死一塁。DeNAの4番牧に逆転2ランを許した。同学年のハマの大砲に、2ボールから高めの139キロを捉えられた。球数は90球を超え、勝負どころだったが一振りで仕留められた。直後の7回に代打を送られ、6回6安打、3奪三振、2失点で降板した。「結果的にあのホームランでという投球になってしまいました。みんなで取ってくれたリードを守り切ることができずに申し訳ないです」とコメントした。チームは敵地横浜スタジアムで昨季から13連敗中。ハマスタはやはり「鬼門」なのか...。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)が、値千金の同点打を放った。13連敗中の「鬼門」敵地横浜で、7回終了時点で1点ビハインドだった。8回先頭、森下が内野安打で出塁。ただ、4番大山、5番佐藤輝が連続三振に倒れ、ノイジーに打席が回ってきた。2死三塁。DeNA2番手伊勢から右翼への飛球を放つと、右翼蝦名がグラブを伸ばしてダイビングキャッチも、及ばず。しぶとい右前打で試合を振り出しに戻した。チームはこれで今季最長タイとなる4試合連続2桁安打となった。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が、勝ち越しの一打を決めた。8回、ノイジーの適時打で同点に追いつき、なおも2死一、二塁。DeNA伊勢から右中間フェンス直撃の2点適時二塁打を放ち、2点リードを奪った。相手のミスの間に三塁を陥れると、三塁側ベンチに向けてガッツポーズを繰り出した。さらに2死三塁から代打糸原も適時打で続いた。8回に5安打で一挙4得点の逆転劇。昨季から13連敗中の敵地横浜で、終盤に猛攻に出た。

◆阪神島本浩也投手(30)が満塁のピンチを乗り越えた。3点リードの8回2死満塁。DeNA5番佐野を迎えるところで、5番手でマウンドに上がった。変化球、直球の2球で追い込むと、最後は1ボール2ストライクから、低めの変化球で空振り三振を奪った。見事にワンポイントリリーフを決め、グラブをバシッとたたいてみせた。今季20試合目の登板。プロ通算140試合目の登板となった百戦錬磨のサウスポーが、敵地横浜で13連敗中の虎の危機を救った。

◆ついに止まった!! 阪神がDeNAに逆転勝利を飾り、ハマスタの連敗を「13」でストップさせた。負ければセ・リーグの本拠地では球団ワースト記録となる14連敗だったが、土壇場の逆転劇で悪夢を阻止。2連勝で首位をガッチリキープした。4回2死二塁から坂本の左前適時打で先制。先発村上頌樹投手(25)は5回まで無失点と好投を続けるも、1点リードの6回2死一塁から4番牧に失投を捉えられ、左越えの特大の一時逆転2ランを許し、6回2失点で降板した。1点を追う8回2死三塁からシェルドン・ノイジー外野手(28)が右翼手前への飛球を放ち、右翼手蝦名が猛チャージするもグラブに当ててボールをこぼし、同点に追いついた。坂本が右前打でつなぎ、2死一、二塁から木浪聖也内野手(29)が値千金の右中間フェンス直撃三塁打で2点の勝ち越しに成功。続く代打糸原健斗内野手(30)も中前適時打を放ち、この回で一気に4点を奪い、DeNAを突き放した。昨年6月28日から1年以上続いた悪夢をついに振りほどいた。

◆DeNAが、首位阪神に痛すぎる逆転負けを喫した。横浜スタジアムでの阪神戦は昨年6月28日から13連勝中だったが、それも止まった。1点リードの8回にセットアッパー伊勢を投入。逃げ切りを図ったが、2死三塁からノイジーに同点の適時打を浴び、さらに2死一、二塁から木浪に勝ち越しの2点適時二塁打を浴びた。代わった入江も代打糸原に適時打を浴び、この回一挙4点を失って、試合を決められた。8回のヒットはアンラッキーな打球が多かったが、捕手の山本の悪送球、右翼の蝦名の失策も絡むなど、ミスが大量失点につながった。1点を追いかける6回に牧秀悟内野手(25)が、チームでは6月23日の阪神戦のソト以来となる一時逆転の18号2ランを放ったが、逆転負けで空砲。先発東は7回1失点の好投も9勝目は次戦に持ち越された。今カードは「キッズSTAR☆NIGHT 2023 Supported by J:COM」を開催。勝利を届けられず、三浦大輔監督(49)は「最後まで熱い声援を送ってくれましたし、子どもたちも声援を送ってくれたんですけど、勝てなくて申し訳なかったです」と頭を下げた。ゲーム差なしの4位巨人がサヨナラ負けしたため、Bクラス転落はまぬがれたが、首位阪神と今季最大の7ゲーム差、2位広島との差が5・5ゲームに広がった。

◆DeNA斎藤隆チーフ投手コーチ(53)が、体調不良を訴え、阪神15回戦(横浜)のベンチから外れた。

◆阪神島本浩也投手(30)が満塁のピンチを乗り越えた。3点リードの8回2死満塁。DeNA5番佐野を迎えるところで、5番手でマウンドに上がった。変化球、直球の2球で追い込むと、最後は1ボール2ストライクから、低めの変化球で空振り三振を奪った。見事にワンポイントリリーフを決め、グラブをバシッとたたいてみせた。今季20試合目の登板。プロ通算140試合目の登板となった百戦錬磨のサウスポーが、敵地横浜で13連敗中だった虎の危機を救った。岡田監督は「そんなもん、島本やろ。ランナーおったら島本よ」と経験値の高い左腕に絶大な信頼を置いていた。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が8回に逆転の2点適時二塁打を放った。岡田監督は「まあええところで、木浪は目立つよな...、打率下がってきとるけど、ええ時に打つからな」と勝負強い男をたたえた。7月30日広島戦を欠場させ、休養日を設けた。以降は打率3割超。「あれもうだから与えんねん、休みを。ずーっとそういうのあったからな、休ました方がなあ、また元気になって戻ってくる感じがあるからなあ」と、指揮官は夏休み効果を実感していた。

◆阪神がDeNAに逆転勝利を飾り、ハマスタの連敗を「13」でストップさせた。1点を追う8回にノイジーの同点適時打、木浪の勝ち越し2点適時二塁打、代打糸原の中前適時打で一気に4点を奪った。8回の守りでは1発出れば逆転の2死満塁で左の佐野に対し左腕島本を投入し封じた。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。岡田監督まとめ-8回の攻撃で、一塁走者森下に代走植田を送った「久しぶりに競ったゲームの、あんな負けゲームの展開やからな。いや、別に、足の速いのいくやろう。なんで。そりゃいくやろう。そんなん普通やんか。1点差やからのう」-DeNA伊勢もけん制球を3球投げた「いや、それはプレッシャーを感じるやろ。森下よりは。だから出しているんやんか。そんなもん」-今日は試合を通じて、そういうことがあった「まあ、あのままでは終わらんと思ったけどな。打たれ過ぎよなあの2人にはな。ホンマにもう、いつもいつも。なあ。宮崎と牧にはな。ちょっとは考えやなあかん。まだ試合があるから、攻め(方)とか言われへんけど。ホンマに打たれ過ぎよな」-木浪はいいところで最近打っている。「ああいうところで回ってくるからな。同点になったあとやったからな、だいぶ気分的には楽やったと思うし、あんなに外野も前に来とったからな。ある程度シンに当たったら、風も外野に吹いてたから、まあええところで、木浪は目立つよな...。打率下がってきとるけど、ええ時に打つからな」-休みを与えてからよくなった。「ずうっとそういうのあったからな、休ました方がなあ、また元気になって戻ってくる感じがあるからなあ」-8回は攻撃が噛み合ってないから「はっきり言うたら昨日もそうやわな。ヒットの割にそんなもん点取んのもちょっとな、遅かったし、今日もあそこで誰かがポンと出とったらパッと崩れそうやのになあ、なかなかチャンスは作れるけどいうのがあって」-そういうのもあって積極的に動いた。「まあ、ああいう展開久しぶりやったからなあ。1点差負けで終盤行くていうのはなあ。ほんま久しぶりやで。なかなか植田とか足使うのをなんかいけんかったからな。そういうゲーム展開ならんかったいうことやけどな。もう、本当は島田まではいきとなかったけどな。(延長を考えて)ノイジーは1枚残しとかないかんかなと思ったけど、もうなあ。今日は、(打順)7、8でようヒット出とったからな。坂本とかもなあ。今日はちょっと勝負と思った。外野手2人を代えるのはな1イニングでな、なかなか難しいけど」-島田を二塁から代走に「だから、今言うたやんけ。外野手2人代えるのは、だから勝負かけたいうことやんか。それは今日は7番、8番が当たってるって言うたやんか」-序盤(走者)大山のとこでランエンドヒット「今日はしかし、何回かあんまっり打つだけじゃ点数が入らんから動いたよ。はっきり言って。まあ、だから、そうやな。大山、あれはスチールよ。(佐藤輝が)勝手に三振しとんよ。そんな。あんなところでエンドラン出すかいな。あれはスチールや。ボール球振ってそういうふうに見えているだけであって、あれはスチールやで。大山の」-横浜では点取れない試合が多かった。ひとつきっかけに「まあ、ひとつきっかけ言うても俺は去年知らんて、だから、なんかなぁ。(13)連敗とかいうけども。(今季)5回やって、勝てんかって今日勝つだけやんか。それだけやろ。そんなこと、俺は何にも思うてないけど」-8回2死満塁で島本を出したところは宮崎、牧を避けてという「ちゃうちゃうちゃう、そんなもん、島本やろ」-よく抑えた「うん、だから、ランナーおったら島本よ。あんなもん。ブルペンではお前、岩貞準備させとったけど、岩貞あかんっていう」-島本の制球力が今がいいから「いやだから、ランナーいてる時の状況やろなあ。一発食ろうても、同点までやねんから、お前。何を逃げてるんや。(加治屋は)逃げたらあかんて」

◆DeNAが首位阪神に痛すぎる逆転負けを喫し、横浜スタジアムでの阪神戦の連勝が13で止まった。6回に牧がハマスタでは6月23日の阪神戦のソト以来となる1発を放ったが、1点リードの8回に伊勢が4失点と乱調。アンラッキーな打球とミスも絡んだが、三浦監督は「内容というよりも結果なんでね」と指摘した。首位阪神と今季最大の7差、2位広島との差が5・5ゲームに広がった。

◆敵地横浜での14連敗阻止に、阪神岡田彰布監督(65)の積極采配は欠かせなかった。「久しぶりに競ったゲームの、負けゲームの展開やからな。足の速いの(代走で)いくやろう。そんなん普通やんか。1点差やからのう」。勝利を呼んだずばりタクトにご満悦だ。1点を追う8回。先頭の森下が内野安打で出塁すると、迷わず代走で俊足の植田を投入した。「そらプレッシャー感じるやろ。森下よりは」。この回から登板した2番手伊勢から3度けん制(1度はプレート外すだけ)を誘った。大山の5球目に植田がスタート。見逃し三振となったが、二盗成功の上、捕手の二塁悪送球で植田は一気に三塁へ。2死三塁からノイジーが右前に同点打を右前に運び、ついに流れを引き寄せた。それでも指揮官は満足せず、動き続けた。続く坂本の安打で2死一、二塁とすると、二塁走者をノイジーから俊足の島田に代えた。「本当は島田まではいきとうなかったけどな。(延長も考えて)ノイジーは1枚残しとかなあかんと思ったけどな。7、8番がようヒット打っとったから。今日はちょっと勝負と思った。外野手2人を代えるのはな、1イニングで、なかなか難しいけどな」3番森下と6番ノイジーが打線から消える攻撃力低下のリスクを背負ってまで勝負に出た。代走島田でDeNAの外野陣を前進守備におびき出し、木浪が右翼の頭上を越す勝ち越しの2点タイムリー二塁打で即答。代打糸原も的中の中前適時打で一挙4点を奪った。それまではチャンスはつくってもあと1本が出なかった。「あんまり打つだけじゃ点数入らんから動いたよ」。3回は2死一塁から近本を走らせ、途中で止まったが捕手の悪送球で二塁を奪った。4回も大山に盗塁させるなど、前回完封された東を揺さぶり続けた。横浜での連敗を止めたが、気に止める様子はなかった。「オレは去年は知らん。(今年)5回やって勝てんかって、今日勝つだけやんか。オレは何にも思うてない」。打てなければ策を打つ。就任時から「ベンチで点を取る」を自負してきた采配力で逆転劇を導いた。泰然自若のタクトで首位戦線を走る。【石橋隆雄】■しぶとく右前に同点打阪神ノイジーが値千金の同点打を放った。1点を追う8回2死三塁。DeNA伊勢から右翼へのライナーを放つと、蝦名がグラブを伸ばしたダイビングキャッチをくぐり抜けて打球は転々。しぶとい一撃で試合を振り出しに戻した。「落ちてくれて良かった。みんながつないでくれて、木浪選手が勝ち越しのヒットを打って。役割をこなせて良かった」。6回にも東から左前打を放つマルチ安打で気を吐いた。

◆木浪が止めた! 阪神が横浜スタジアムでの連敗を13でストップさせ、首位をがっちり守った。1点を追う8回2死から追いつき、木浪聖也内野手(29)が決勝の2点タイムリー二塁打を放って再逆転。昨年6月から勝てなかった鬼門でついに白星をつかんだ。高校球児に甲子園を明け渡す夏の長期ロードは3勝1敗の好スタート。この日逆転サヨナラ勝ちし、1・5差で追う2位広島とマッチレースの様相だ。泥だらけの男の白い歯が輝いた。木浪は藤本三塁コーチャーと、バシッと右手でハイタッチした。8回、値千金の勝ち越し打。「ハマスタの呪縛」から虎を解き放った。「もういくだけだと。思いっきり振りにいった結果、あれだけ、あそこまで飛んでくれた」覚悟を決めていた。ノイジーの適時打で同点に追いつき、なおも2死一、二塁。DeNAのセットアッパー、2番手伊勢の134キロフォークをすくった。高々と上がった打球に「越えろ!」と祈った。右中間フェンス直撃の2点適時二塁打。相手のミスの間に激走し三塁へヘッドスライディング。ベンチを見ると、みんなが喜んでいた。「ずっと勝てなかったので、みんなと一緒に『なんとか勝とう』って、試合前に臨んでいた。そうなってよかったです」昨年6月28日から1年以上続いた横浜スタジアムでの連敗を「13」で止める値千金の一撃。4回の中前打と合わせマルチ安打で、8月は打率4割。今季DeNA戦は打率3割5分3厘と好相性の「恐怖の8番」が、決着をつけた。ファン投票で初出場した球宴で、土産を持って帰ってきた。自主トレをともにしたソフトバンク近藤と再会。下半身の重要性を説かれてきたヒットメーカーに「1つ聞いたことに対して、10でかえってきた」と聞き魔になった。「引き出しが増えた。後半戦につながれば」。この日の一振りも、強靱(きょうじん)な下半身で粘り、飛距離を生み出した。夢の時間は原点回帰の時間でもあった。負ければセ・リーグの本拠地では球団ワースト記録となる「ハマスタ14連敗」だったが、8回に5安打4得点の集中打で逆転。2連勝で首位をキープだ。岡田監督は「木浪が目立つよな、打率下がってきとるけど、ええ時に打つからな」と勝負強い男を称賛。休養日にあてさせた7月30日広島戦後は打率4割と好調で「休ました方がなあ、元気になって戻ってくる感じがあるから」と、指揮官の作戦は的中だ。長いトンネルは抜けた。「明日も絶対勝ちます」と誓った背番号0が長期ロード序盤、虎に勢いを与えた。【中野椋】阪神木浪が2安打2打点の活躍。今季の木浪はDeNAと横浜に強い。DeNA戦は今季打率3割5分3厘、横浜では同3割5分7厘と打っている。昨季までの4シーズンは、DeNA戦は通算2割4分2厘、横浜でも同2割3分5厘。セの本拠地別では東京ドームの2割7厘に次いで苦手とする球場だったが、今季は得意球場に変えている。阪神が横浜で今季初勝利。昨年6月28日からの同球場での連敗を13で止めた。セ・リーグの本拠地球場では99~00年にナゴヤドーム(現バンテリンドーム)で喫した13連敗を超える球団初の不名誉を阻止。なお地方球場では76~92年に札幌円山球場で2分けをはさみ16連敗。

◆阪神岩崎が今季19セーブ目を挙げ、通算50セーブに到達した。3点リードの9回。代打大和に安打を許したが後続を断ち無失点。「負けと勝ちでは全然違うので大きかった」と冷静に語り、自身の記録については「特にないですけど、1個1個、積み重ねていければ」と次の戦いを見据えた。これで13試合連続無失点と安定感抜群だ。■悔やむ痛恨被弾阪神村上が痛恨の被弾を悔やんだ。序盤5回までは無失点。4回には出場2試合連続安打となる中前打も放った。だが1点リードの6回2死一塁。試合前から警戒していた同学年の牧に左翼席へ一時勝ち越しの特大2ランを浴びた。「結果的にあのホームランで、という投球になってしまった。リードを守り切ることができずに申し訳ない」。プロ入り初の横浜スタジアムは6回6安打2失点に終わった。■8回2死満塁で登板、救い投げ阪神島本浩也投手(30)が絶体絶命の窮地を救った。3点リードの8回に3番手加治屋が2死から満塁として降板。「(マウンドで)安藤コーチに『任した』って言われたので、絶対抑えようと思って投げました」。5番佐野を2球で追い込み、1ボールを挟んで4球目、外角低めのフォークを振らせ、空振り三振。1発出れば逆転のピンチを切り抜け、左腕はマウンド上で左拳で会心のガッツポーズを決めた。「1球1球、全部勝負球を投げるつもりで、(坂本)誠志郎がいい配球をしてくれました」と好リードに感謝した。わずか4球で、チームのハマスタ13連敗ストップに大きく貢献した。佐野に対し「あそこは厳しいところを攻めていく場面なので」と徹底して外角低めを攻め続けた。岡田監督は「ランナーおったら島本よ。ブルペンで岩貞準備させとったけど、岩貞あかんっていう」と説明した。背番号46の左腕が渋い働きをみせた。

◆ルーキーが故郷でビッグイニングの口火を切った。悪夢の14連敗も頭によぎった1点ビハインドの8回。流れを変えたのは、阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)の一振りだった。この回から登板したセットアッパーの2番手伊勢に対し、1ストライクの2球目から3球連続ファウル。「何とか先頭で塁に出たいと思っていた。インコース詰まって落とすとか、何でもよかった」。5球目の132キロ、外角への変化球に食らいついた。三塁線に弾んだゴロに全力疾走で一塁を駆け抜け、内野安打をゲット。ノイジーの同点打、木浪の勝ち越し打を呼び込む機運をつくった。5回にも中前打を放ち、今季7度目のマルチ安打で勝利に貢献だ。「自分が出ることによって点にからむのは理想でもあるので。しっかり点にからめたのはよかったです」横浜市出身のハマっ子にとって、横浜スタジアムは東海大相模時代に活躍した思い出の球場だ。だが、プロでは苦い思い出が先行していた。4月16日に3三振して20打席無安打に陥ると、翌17日に初の2軍降格。この日の試合前まで13打数2安打で、いいところを見せられていなかった。祖父母や両親もスタンドに招き、初めて3番で里帰りした一戦。14連敗阻止に貢献した働きに充実感が漂った。「普段見られない人たちも来てくれる機会でもあるので、打てたのはよかったです」。3番成績は9試合で打率3割1分1厘。悔しさも経験した地元で、大きく成長した姿を見せた。【波部俊之介】■DeNA東撃ち適時打阪神坂本が先制打を放った。4回2死二塁、DeNA東の144キロを捉え、左前打。6月17日ソフトバンク戦以来の適時打となり「先に点を取ることができてよかった」と胸を張った。東には前回6月24日の対戦で9回完封負けを食らっており、今季13イニング目で「虎キラー」の左腕からチーム初得点。「強い真っすぐを投げる投手なので負けないようにと考えていた」と対策が生きた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は村上頌樹投手(25)が先発する。前回対戦した7月13日のDeNA戦(甲子園)は6回3失点で黒星。DeNAに対し、今季は2試合(救援1試合)で0勝1敗、防御率3・86。チームは昨年6月28日から13連敗中の鬼門・ハマスタで1年ぶりの勝利を目指す。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が試合前練習に参加し、先発する5日の16回戦に向けてダッシュなどで調整した。「素晴らしい選手が多いですし、球場もすぐに(ホームランが)入りそうな球場なので、1、2点は取られるかもしれないですけど、最少失点で、つながれないように切れたらいいかなと思います」。今季のDeNA戦成績は4試合に登板して3勝1敗、防御率4・01。7月11日(倉敷)の前回対戦では7回6安打2失点で、2軍調整期間を経て2カ月ぶりとなる白星をつかんだ。DeNAは広島との前カード3連戦(8月1~3日、マツダ)で、得点は5→2→0と多くはないものの、安打は15→11→5とコンスタントに出ている。それだけに青柳は「間違えれば大量点になると思う。逆に言えば、他チームみたいにヒットが出ても最少失点で切り抜けられたら」。ピンチになっても粘りきり、チームに勝利をもたらす。

◆セ・パ両リーグは4日、5日の予告先発投手を発表した。セ・リーグDeNA・大貫―阪神・青柳(横浜)中日・高橋宏―ヤクルト・小川(バンテリンドームナゴヤ)広島・玉村―巨人・山崎伊(マツダスタジアム)パ・リーグ日本ハム・伊藤―ソフトバンク・大関(エスコンフィールド北海道)楽天・辛島―ロッテ・森(楽天モバイルパーク宮城)西武・今井―オリックス・山下(ベルーナドーム)

◆阪神・坂本誠志郎捕手(29)が先制タイムリーを放った。四回に試合が動いた。4番・大山の左前打と二盗で2死二塁のチャンスを作り、打席に立った坂本がDeNA先発の東の2球目、甘く入った144キロ直球を左前へはじき返し、先制点をもたらした。東には6月24日(横浜)に完封されていただけに、リベンジに燃えるナインが奮起した。坂本の適時打の後も木浪、村上も単打でつないで満塁機を迎えたが、近本が空振り三振に倒れて追加点を奪うことはできなかった。

◆阪神・村上頌樹投手(25)が痛恨の一発を食らった。1―0の六回だ。2死から宮崎に右前打。ここで4番・牧を打席に向かえると3球目の高めのツーシームを左翼席に運ばれた。打たれた村上は腰に手を当てながら愕然とした表情を浮かべた。二回以降は毎回走者を出しながらも無失点で粘っていたが、中盤に入った六回に試合をひっくり返された。七回の攻撃で代打が送られて6回6安打2失点で降板となった。

◆DeNAの4番・牧秀悟内野手(25)が0-1の六回2死1塁、阪神先発の村上頌樹投手(25)から左翼席上段へ18号逆転2ランを放った。打った瞬間の一打に、牧はバットを放り投げて感情を爆発させた。チームは7月、本拠地で本塁打が生まれず、これが6月23日以来の本塁打となった。

◆阪神は終盤に相手のミスから好機を作り、シェルドン・ノイジー外野手(28)のタイムリーで同点に追いつき、木浪聖也内野手(29)の2点二塁打で勝ち越しに成功した。八回、先頭の森下が三塁内野安打で出塁。ここで植田を代走に送り、大山の見逃し三振の間に二盗を敢行。捕手のミスも絡んで1死三塁とチャンスを迎える。佐藤輝は空振り三振に倒れたが、続くノイジーが右翼へ飛球を放つ。打球は右翼手のグラブに当たって、芝生に弾み、三走が生還した。直後の坂本も安打で続いて好機を広げると、木浪がDeNAの2番手・伊勢のフォークを右翼へはじき返し、2点打で勝ち越しに成功した。さらに代打・糸原にも中前へのタイムリーで続いてリードを3点に広げた。

◆阪神が逆転勝ちで、昨年6月28日から続いた横浜スタジアムでの連敗を「13」で止めた。1点を追う八回2死三塁でシェルドン・ノイジー外野手(28)の右前打で同点。さらに坂本誠志郎捕手(29)が右前打で好機を広げ、木浪聖也内野手(29)の2点打、糸原健斗内野手(30)の適時打で一気に勝ち越した。その裏、加治屋蓮投手(31)が招いた2死満塁の窮地を島本浩也投手(30)が断ち切った。1999年から2000年にかけてナゴヤドーム(現バンテリンドーム)で喫した13連敗を更新する球団ワーストのセ本拠地連敗を阻止した。

◆現状を打破するには時間を要しそうだ。DeNA打線がなかなか火をおこせない。3日の広島戦(マツダ)でバウアー(前ドジャース)が10回4安打無失点の快投を見せたが、延長十二回で得点を奪えず、広島から移動し迎えたこの日の阪神戦(横浜)でも5回までゼロが続いた。8勝13敗と負け越した7月は22試合でチーム打率・208、10本塁打、1試合平均2・45と打線が苦戦。8月に入り三浦監督は「安打は出てきている。もうひと押しできるかどうか」と話してきたが、残り試合は十分にあるとはいえない。機動力の発揮においても苦戦している。試合前時点でセ・リーグワーストの20盗塁で、盗塁死が21と成功数を上回ってしまっている。この現象が起きているのは12球団でDeNAだけだ。今季は盗塁以外の走塁によってどれだけ得点を増やしたかを示す指標「UBR」でリーグトップを目標に掲げていたが、あるデータサイトでは同数値が12球団ワーストという算出もされている。六回には待望のアーチが飛び出した。1―2の2死一塁から牧が左翼席へ18号2ラン。本拠地でのチームの本塁打は6月23日以来となった。「キッズSTAR☆NIGHT」とした開催される今カード。夏休みに訪れるちびっこに飛び交う白球を見せたい。しかし、2―1の八回に救援陣がつかまる。伊勢がノイジーに同点打、木浪に勝ち越しの2点二塁打を許した。入江も糸原に適時打を浴びて、この回4失点で2―5に。打線に終盤の3点差を跳ね返す元気はなかった。

◆阪神が逆転勝ちで、昨年6月28日から続いた横浜スタジアムでの連敗を「13」で止めた。1点を追う八回2死三塁でシェルドン・ノイジー外野手(28)の右前打で同点。さらに坂本誠志郎捕手(29)が右前打で好機を広げ、木浪聖也内野手(29)の2点打、糸原健斗内野手(30)の適時打で一気に勝ち越した。その裏、加治屋蓮投手(31)が招いた2死満塁の窮地を島本浩也投手(30)が断ち切った。1999年から2000年にかけてナゴヤドーム(現バンテリンドーム)で喫した13連敗を更新する球団ワーストのセ本拠地連敗を阻止した岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=54勝38敗4分、観衆=3万3239人)。ーー八回、森下に代走・植田「久しぶりに競ったゲームの、負けゲームの展開やからな。足の速いの行くやろう。そんなん普通やんか。1点差やからの」ーー試合を通じて、そういうことがあった「あのままでは終わらんと思ったけどな。打たれ過ぎよな、あの2人にはな。ホンマにいつも。なあ。宮崎と牧にな。ちょっとは考えやなアカン。まだ試合があるから、攻めとか言われへんけど。ホンマに打たれ過ぎよな」ーー木浪はいい場面で最近打つ「ああいうところで回ってくるからな。同点になった後やったからな。気分的には楽やったと思うし、あんなに外野も前に来とったからな。ある程度、芯に当たったら、風も外野に吹いてたから、エエところで、木浪は目立つよな。打率下がって来とるけど、エエ時に打つからな」ーー休みを与えてから良くなった「だから与えんねん、休みを。また元気になって戻ってくる感じがあるからなあ」ーー積極的に動いた「ああいう展開久しぶりやったからなあ。1点差負けで終盤行くていうのは、久しぶりやで。なかなか植田とか足使うのを行けんかったからな。今日は7、8(番)でようヒット出とったからな。坂本とかもなあ」ーー一走大山で佐藤輝とのエンドラン「打つだけじゃ点数が入らんから動いたよ。はっきり言って。大山はスチールよ。(佐藤輝が)勝手に三振しとんよ。あんなところでエンドラン出すかいな。あれはスチールや。ボール球振ってそういうふうに見えているだけであって、あれはスチールやで。大山の」ーー横浜では点取れない試合が多かった。きっかけに「きっかけ言うても俺は去年知らんて。連敗とか言うけども。5回やってお前、勝てんかって今日勝つだけやんか。それだけやろ。それ言うんやったら、向こう、もっと言うたれ、6回も負けてるのに、甲子園(実際は甲子園で1勝4敗、京セラで3戦3敗、倉敷で1敗)で。そんなこと、俺は何にも思うてないけど」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は八回2死満塁の窮地をしのいだ島本浩也投手(30)を絶賛すると同時に岡田彰布監督(65)の采配と堅守を高く評価した。八回2死満塁のピンチで、島本投入という選択ができることろに、今の阪神の強さを感じた。加治屋で投げ切って欲しかったがヒット、暴投、連続四球では交代はやむなし。岩貞か? 岩崎のイニングまたぎか? 二択を予測した中での島本。ワンポイント登板で確実に抑えきれると岡田監督が確信しているのだろう。九回は岩崎だが、八回を固定せず、臨機応変の起用で乗り切ろうとしている点に、岡田采配の冴えを感じる。岩貞、加治屋の2枚に、島本という強力な1枚を加えることで、より盤石で多彩な勝ちパターンができあがった。四回無死一塁から牧の三塁線のゴロを佐藤輝がうまく処理して二封した。打球への反応、さらには二封した判断ともに素晴らしい。相手に傾きかけた流れを止めたプレーだった。八回の蛯名の打球を好捕した植田。九回の山本の三遊間への打球を好捕した木浪も見事。DeNAが守備のミスを重ねたのに対して、阪神が完全に守り勝った試合といえる。去年までは見られなかったことだ。1-2で負けていたら、村上が一球の失投に泣く試合だった。牧に一発を浴びた以外は文句なしの快投。攻撃で、守備で救ったわけで、チームの流れとしても最高だ。シーズンを振り返ったとき、ポイントになる試合になったのではないか。

◆DeNA・牧秀悟内野手(25)が六回、一時逆転となる18号2ランを左翼席上段に運んだ。打球速度171キロで131メートルの飛距離をたたき出し「甘いボールをひと振りで仕留めることができた」と好投を続けていた村上を消沈させた。本拠地では6月23日にソトが放って以来、14試合ぶりの本塁打だった。

◆首位チームの背中がかすむ。阪神に逆転負けを喫したDeNA・三浦大輔監督(49)は「牧の久しぶりの本塁打で点は取れましたけど...。もうちょっとですね」と言葉少なだった。得点は六回に牧が放った18号2ランだけ。2―1の八回は森下の打ち取った打球が高く弾んで内野安打に。二盗を阻止しようとした捕手・山本の悪送球で2死三塁となり、右翼手・蝦名がノイジーの飛球に飛び込んだが...。白球はグラブからこぼれて追い付かれ、木浪には前進守備を敷いていた外野手を越えられる決勝の2点二塁打を浴びた。逆転優勝へ望みをつなぎたい首位・阪神との3連戦初戦で4失策。昨年6月から続いていた横浜スタジアムでの同カードの連勝が13で止まり、阪神とは7ゲーム差。最大で12あった貯金は2まで減った。「細かいところをやっていかないといけない」と三浦監督。3位を守ったが、順位以上にチーム状態が気がかりとなってきた。(横山尚杜)?DeNA・牧が今季18号本塁打。プロ1年目からの通算本塁打数は64本(22→24→18)となった。DeNA(前身を含む)の選手の入団3年目(外国人選手を除く)までの通算本塁打数で村田修一(25→15→24)と並ぶ歴代2位となった。最多は桑田武の72本(31→16→25)。?DeNAが本拠地の横浜スタジアムで阪神に敗れたのは昨年5月15日(●1-8)以来で、同6月28日(○6-2)から続いていた勝利が13で止まった。

◆森下が逆転へのきっかけとなる一打を放った。「得点に絡めたのは良かった」。八回先頭で2番手・伊勢の変化球を引っ張り、三塁内野安打で出塁。代走が送られてベンチに下がったが、その後4連打が生まれてチームは勝ち越した。横浜市出身のルーキーは祖父母や両親が観戦に訪れた中で存在感を示し「打ててよかった」と笑顔で振り返った。

◆ついに止まった! 木浪が止めた!! 阪神はDeNAに5-2で逆転勝ちし、昨年6月28日から続いた横浜スタジアムでの連敗を「13」で止めた。同点に追いついた八回、木浪聖也内野手(29)が放った〝ハマスタでのチーム109打者ぶり〟となる長打が決勝2点二塁打に。鬼門の呪縛からも、単打&拙攻地獄からも一気に脱け出した。力強く振り抜き、虎にかかった負の呪縛を解き放った。打球の行方を視界に入れ、木浪は夢中で三塁まで走る。横浜スタジアムで実に1年以上、13試合に渡って遠ざかっていた白星をもぎ取る一打。沸き上がるベンチに向かい、三塁ベース上から歓喜の右手を掲げた。「ライトのポジションを見て、越えるなと思った。あそこに打球が飛んでくれてよかった」八回2死三塁でノイジーが右前適時打を放ち、2―2の同点に。坂本も右前打で続き、一、二塁で木浪に打席が巡った。2番手・伊勢の4球目フォークを一閃すると、右中間フェンス直撃の二塁打となり、悪送球も重なって三塁までヘッドスライディングで到達した。昨年6月28日から13連敗中だった横浜で、チームはこの日も拙攻、単打ばかりを繰り返し、金縛りにあっていた。四回も坂本の先制打から3連打したが2死満塁で近本が三振に倒れ3者残塁...。五、六回は先頭打者が安打で出塁したが、2イニング連続で併殺打で攻撃が終わった。そして、六回に村上が逆転被弾。誰もが鬼門の呪いに震えたが、8番打者がひと振りですべてを変えた。木浪の二塁打は6月23日の九回に放った大山の本塁打以来、ハマスタでチームが放った実に109打者ぶりの長打だった。岡田監督は「目立つよな。打率下がってきとるけど、ええ時に打つからな」とたたえた。

◆近本が今季最長を更新する10試合連続安打をマークした。三回2死で東の144キロ直球に反応し、鋭いライナー性の打球で左前へ。6月24日(横浜)の前回対戦で4打数無安打、この日の第1打席でも空振り三振に抑えられていた左腕からは今季6度目の対戦で初安打。この日全体の結果は5打数1安打だったが、好調男が暴れれば虎打線はさらに勢いづく。

◆自分を信じて腕を振り、バットが空を切ると、左こぶしを握った。阪神・島本が華麗な火消しで嫌な流れを振り払った。「一球一球、全部勝負球を投げるつもりで。(坂本)誠志郎がいい配球をしてくれた」勝ち越しに成功した直後の八回だ。3番手・加治屋が2死から安打と連続四球で満塁のピンチを招き、島本がマウンドを引き継いだ。「安藤さん(コーチ)に『任せた』と言ってもらったので絶対抑えようと思った」。佐野に対し、初球のフォークで空振りを奪うと、2球目は外角直球を決めて2ストライクに追い込む。最後は再びフォークで空振り三振に仕留めた。「厳しいところを攻めていく場面だったので、しっかりとストライク取れたのは大きい」。3日の中日戦(バンテリンドーム)から2試合連続で走者を置いた場面で登板し役割をまっとうした。「勝ったことが一番うれしい。明日もしっかり抑えられるように頑張りたい」ピンチの時ほど頼りになる左腕がこれからもゼロを並べていく。(織原祥平)

◆岩崎が3点リードの九回を無難に締め、今季19セーブ目を挙げた。2死から代打・大和に左前打を浴びたが、最後は蝦名を見逃し三振斬り。めまぐるしく展開が変わる一戦で勝ち切り「負けで終わるのと勝ちで終わるのでは全然違う。大きかったんじゃないかと思います」とうなずいた。これが節目となる通算50セーブ目。「(感想は)特にないですけど。1個ずつ積み重ねられたら」とクールだった。

◆積極采配で木浪の逆転打を呼び込み、虎のハマスタでの連敗を「13」で止めた。岡田監督が動きに動いたのは、1-2の八回だ。まずは先頭の森下が三塁内野安打で出塁すると、迷うことなく植田を代走に送った。「いや、それは(相手投手は)プレッシャーを感じるやろ。森下よりは(足が速い)。だから出しているんやんか。そんなもん」DeNA・伊勢は、続く大山の打席の中で一塁へ3度けん制を投じた。虎将の思惑通りだった。伊勢は大山を見逃し三振に仕留めるも、植田が二塁へスタート。ここで捕手の山本が焦って悪送球。植田は三塁へ進み、2死からノイジーが右前打を放って、同点のホームを踏んだ。「ああいう展開。久しぶりやったからなあ。1点差負けで、終盤にいくっていうのはなあ。なかなか植田とか、足使うのをいけんかったからな。そういうゲーム展開ならんかったいうことやけどな」岡田采配の妙は、それだけで終わらなかった。坂本も右前打で続き、2死一、二塁。ここで二走・ノイジーに代わって、島田を代走に指名。DeNAサイドにすれば、絶対に1点も奪われたくない場面で、右翼の蝦名は守備位置をさらに前にした。ここで木浪に右翼手の頭上を大きく越える2点二塁打が飛び出し、岡田監督は「あんなに外野も前にきとったからな」とベンチでしてやったりの表情だった。「ほんとは島田まで(代走で)いきとうなかったけどな。外野手2人代えるのは...。ノイジーは1枚残しとかないかんかなと思ったけど」と振り返りながらも「だから勝負かけたいうことやんか」と胸を張った。

◆横浜スタジアムは「キッズSTAR☆NIGHT」だった。星が輝く夏の夜、子供たちが思い出を作ってくれたら...。虎ソナもお気に入りのイベントだ。以前は試合後、グラウンド一面にテントがいっぱい張られて、親子がそこで一晩を過ごす企画が実施されたことも。今まで選手が戦っていた舞台で、お父さんと一緒に星空を眺めながらおやすみなさい! 取材を終えて、記者席で原稿を書いていたら、このほほえましい光景がよく見えた。ハマスタのイベント企画のセンスは実にいい。甲子園でもテントを張って...。そんな企画があったら、ぜひ申し込みたい。甲子園のグラウンドで寝れるんだから...。阪神園芸が許可してくれないか?!ハマスタはスコアボードの選手名の表記も子供向けでひらがなだった。これは、こどもの日の甲子園球場でもおなじみ。ただ、佐藤輝は「さとうてる」だった。甲子園開催では「さとうて」。どっちがいいか? どう考えても「さとうてる」だろう。絶対にそう思う。「でも、体内時計が完全に狂ってしまってます。ずっと変な気分ですよ」試合前からボヤいていたのがトラ番・織原祥平。理由は試合開始時間だった。午後5時45分。子供たち向けのイベントだから、プレーボールも15分前倒しだ。たかが15分。されど15分。長年の経験で、ナイターの試合開始は6時に決まっていると思い込んでいる担当記者は、確かに実に妙な気分になる。練習開始時間も変われば、スタメン発表時間も変わる。だから、食事の時間まで変わってしまう。〝織原時計〟は崩壊したらしい。5日、6日はさらに早まって5時開始予定。

◆まるでテレビ番組で神業の鍵師が、開かずの金庫を開けるかのように、横浜スタジアム13連敗という開かずのDeNAを、鍵師・岡田彰布がこじ開けたのだ!!四回無死一塁、佐藤輝の打席で今季わずか1盗塁の大山を走らせ、そこから坂本のタイムリーで先制点をもぎ取る! さらに1点を追う八回、先頭の森下が内野安打で出塁すると、最近ラッキーボーイ的な存在の森下にあっさり代走植田を送り、次の大山の打席で、またもや盗塁を成功! その結果、相手のエラーも絡んで一気に4得点の逆転イニングを作ったのだ。野球という生き物を知り尽くした岡田采配には、時として恐ろしいものを感じるのだ...。その力はピンチを幸運にさえしてしまう。八回の加治屋は2死一、三塁から4番・牧にストレートの四球を与え、島本と交代した。確かに満塁はピンチだが制球を乱していなかったら、牧に本日2本目の同点アーチを浴びていた(と思う)。次打者の佐野を三振に斬った島本もお見事!! 3三振と併殺打で、一人蚊帳の外だった佐藤輝も2戦目以降のために、あえて打たせない岡田マジック!?

◆先発した村上は6回6安打2失点で勝ち負けはつかなかった。「最終的に逆転して勝ってくれたのは良かったが、申し訳ないという気持ち」。1―0の六回2死一塁で牧に高めへ抜けたツーシームを捉えられ、一時逆転となる特大の左翼2ランを被弾。「ホームランを怖がってボール、ボールと先行したのがよくなかった。切り替えてやっていきたい」とリベンジを誓った。

◆木浪が勝ち越し2点打で加速させた勢いに、代打・糸原が乗った。4―2の八回2死三塁で、代わったばかりの入江のカーブをとらえて中前適時打。「みんなが作ってくれたのもあるし、木浪が楽に打たせてくれた。どさくさに紛れてよかった」と上機嫌だった。この一打が昨年8月25日のDeNA戦(京セラ)以来で、今季初となるタイムリー。ここからさらに勝負強さを光らせる。

◆2番手・浜地は三者凡退に封じ、直後にチームは勝ち越しに成功。今季3勝目を挙げた。「野手も調子がいいのでゼロでつなげば、と思ってやっています」。先頭の大田を左飛、山本を一邪飛に打ち取り、最後は京田を左飛に料理して攻撃に流れを作った。ビハインドでの起用が続くが「今の仕事はこういうところ。ゼロで(抑える)とはずっと思っている」と話した。

◆坂本が2安打1打点で勝利に貢献した。まずは四回2死二塁で「強い真っすぐを投げる投手。振り負けないように」と東の144キロを左前に運ぶ先制打。同点に追いついた直後の八回2死一塁では右前に落とし、木浪のV打をお膳立てした。「何でもいいから貢献したい。それが打つ方でもできたら最高。守る方が一番大事だと思うので、また勝ちにつながる野球をしたい」とこれからも攻守でけん引していく。

◆ノイジーが八回に同点打を放った。2死三塁で伊勢の内角151キロをフルスイング。右翼へ飛んだ打球は右翼・蝦名のグラブをかすめて芝生で弾み、植田をホームに迎え入れた。「落ちてくれて良かった。みんながつないでくれて、木浪選手が勝ち越しのヒットを打ったので、自分の役割をこなせて良かった」。出場7試合ぶりのマルチ安打で打点も挙げ、ポイントゲッターともなる6番打者としての仕事に胸を張った。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
54384 0.587
(↑0.005)
-
(-)
47363
(+5)
293
(+2)
48
(-)
48
(+2)
0.241
(↑0.001
2.770
(↑0.01)
2
(-)
広島
54412 0.568
(↑0.004)
1.5
(-)
46333
(+4)
315
(+3)
58
(+1)
54
(-)
0.247
(-)
2.910
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
47453 0.511
(↓0.006)
7
(↓1)
48339
(+2)
333
(+5)
63
(+1)
20
(-)
0.249
(-)
3.200
(-)
4
(-)
巨人
48461 0.511
(↓0.005)
7
(↓1)
48358
(+3)
349
(+4)
112
(-)
32
(-)
0.253
(-)
3.540
(-)
5
(-)
ヤクルト
39542 0.419
(↓0.005)
15.5
(↓1)
48334
(+1)
377
(+11)
79
(-)
52
(+2)
0.234
(↓0.001)
3.730
(↓0.09)
6
(-)
中日
37572 0.394
(↑0.007)
18
(-)
47285
(+11)
330
(+1)
45
(+3)
28
(-)
0.244
(↑0.001)
3.110
(↑0.02)