巨人(★0対1☆)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2023.08.01)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:山野 太一(1勝0敗0S)
(セーブ:田口 麗斗(1勝2敗25S))
敗戦投手:菅野 智之(2勝4敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトが3連勝。ヤクルトは0-0で迎えた7回表、長岡の内野ゴロの間に1点を奪い、先制に成功する。投げては、先発・山野が7回4安打無失点の好投。その後は2人の継投でリードを守り、山野はうれしいプロ初勝利を挙げた。敗れた巨人は先発・菅野が力投するも、打線が沈黙した。

◆ヤクルト村上宗隆は8月によく打つ。村上の8月通算成績は86試合で298打数100安打、33本塁打、64打点、打率3割3分6厘。月間打率が3割を切ったのは2割3分2厘だった19年の1度だけで、20~22年は3割以上をマーク。特に昨年は75打数33安打、打率4割4分のハイアベレージだった。本塁打も多く、8月の33本は昨年まで月別最多。5本未満のシーズンは1度もなく、19年に11本、22年に12本と、月間2桁本塁打を2度記録している。

◆下半身のコンディション不良で離脱中だったヤクルト山田哲人内野手(31)が1軍復帰し、2番二塁でスタメン出場した。5回2死で巨人門脇の一、二塁間を抜けそうな当たりを好捕し、先発山野を助ける軽快な守備を見せた。7月3日に離脱して以来の1軍にキャプテンは「勝てるように1戦1戦やっていくしかない。それに貢献したいと思っている」と熱く語った。山田は同2日に行われた広島戦(神宮)の5回無死一、三塁、投ゴロで全力疾走した際に下半身を痛め、翌3日に出場選手登録を抹消された。4月にも同理由で約2週間、離脱していた。約1カ月、ファームで痛めていた下半身を中心に鍛え直し「しっかりトレーニングしてきたので痛いところはない。思い切りプレーしたい。ただ勝ちたいだけです」と気合の表情を見せた。

◆巨人が10度目の0封負けで、連勝が4でストップした。原辰徳監督(65)はこれが監督通算1000敗目となった。打線が沈黙した。プロ初先発の山野に7回まで4安打と打ちあぐねた。6回は2死一、二塁の好機も、得点につなげられなかった。初物左腕から三塁を踏めず、プロ初勝利を献上した、8回は清水、9回は田口に封じられた。先発菅野は8回6安打1失点の好投も3勝目はならなかった。7回1死一、三塁から長岡の二ゴロで均衡を破られた。この1点が最後まで重かった。原監督が監督通算1000敗を記録した。初黒星は1試合目の02年3月30日阪神戦で、通算成績は1266勝1000敗90分け。監督の敗戦数は野村監督(楽天)の1563敗が最多で、1000敗以上は11人目。13人いる1000勝監督より1000敗監督の方が少ない。巨人監督で通算1000敗は初めてで、1球団で1000敗以上は南海(グレートリング含む)で1140敗の鶴岡監督に次いで2人目。

◆7月14日に支配下登録されたばかりのヤクルト山野太一投手がプロ2戦目の先発で、巨人菅野に投げ勝って初勝利を挙げた。7回4安打無失点と好投。6回2死一、二塁のピンチで巨人4番の岡本和を迎えたが右邪飛に打ち取った。ドラフト2位入団で1年目の21年4月1日DeNA戦(横浜)に先発したものの1回1/3で7失点。その後は上半身のコンディション不良で1軍登板はなく、昨季終了後に育成契約となっていた。山野太一(やまの・たいち)1999年(平11)3月24日生まれ、山口市出身。高川学園で3年夏に甲子園出場。東北福祉大では3年春MVP。リーグ戦通算32試合22勝0敗、防御率1・40。20年ドラフト2位でヤクルト入団。21年4月1日DeNA戦で初登板初先発も2回途中7失点。22年オフに育成契約し、今年7月に支配下復帰。今季推定年俸750万円。172センチ、77キロ。左投げ左打ち。

◆/プロ初勝利は痺れるロースコアゲーム\菅野智之に投げ勝った山野太一が7回被安打4無失点で初勝利???プロ野球(2023/8/1)??巨人×ヤクルト??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/aqgNseZJjH

◆巨人菅野智之投手(33)は8回6安打1失点の好投も3勝目はならなかった。直球、スライダー、カーブ、ツーシーム、カットボール、フォークと多彩な球種を自在に操り、ヤクルト打線に的を絞らせなかった。唯一の失点は7回。1死一、三塁から長岡に二ゴロを許し、均衡を破られた。この先制点が決勝点になった。7月17日ヤクルト戦では自己ワースト1/3回を6失点でマウンドを去っていた。「前回のヤクルト戦でほぼファーストストライクやられていたので、今までにない配球をしないといけないと思っていました。スコアラー、大城(卓)の組み立て通り、投げられた。次も今日みたいなピッチングを続けられるようにやっていくだけ」と手応えの中で、次を見据えた。

◆巨人が今季10度目の完封負けで連勝が4で止まった。監督通算1000敗目となった原監督は「見ての通りだね。9イニングあるわけだからね。9イニングの中で、何とかしなきゃいけないですよね」と沈黙した打線を敗因に挙げた。通算1266勝で"貯金266"を積み上げてきた指揮官の前で試合は淡々と進んでいった。先発菅野は今季最長の8回1失点、108球を投げきった。大城卓とのバッテリーで7月17日の前回対戦で1/3回を6失点と打ち込まれた相手打線を最少失点にとどめた。原監督は「いろいろ工夫しながら投げていた」と改善を評価した。攻守のコントラストが色濃く浮き彫りになった。ヤクルト山野の前に7回まで4安打と攻め手を欠いた。初対戦の左腕にプロ初勝利を献上し「初打席でしょみんな、そういう意味ではね。必死にマウンドで投げたわけだし、我々もそれを何とかしなきゃいけないっていうところが今日はできなかった」と言った。7月は10勝10敗1分けで踏ん張った。反撃を期す8月は黒星から始まった。【為田聡史】原監督が監督通算1000敗を記録した。初黒星は1試合目の02年3月30日阪神戦で、通算成績は1266勝1000敗90分け。監督の敗戦数は野村監督(楽天)の1563敗が最多で、1000敗以上は11人目。13人いる1000勝監督より1000敗監督の方が少ない。巨人監督で通算1000敗は初めてで、1球団で1000敗以上は南海(グレートリング含む)で1140敗の鶴岡監督に次いで2人目。

◆やっと、うれし涙を流せた。先月14日に支配下登録されたばかりのプロ3年目、ヤクルト山野太一投手(24)が初勝利を挙げた。巨人エース菅野との投げ合いに真っ向勝負し、7回4安打無失点。2年前、ルーキーで開幕6戦目の先発を任されるも1回1/3で7失点してから、上半身のケガでこの日まで1軍登板はゼロ。昨季オフに育成契約となり、悔し涙に明け暮れた日々を乗り越えての1勝だった。チームは8月初戦を1-0で勝利し、3連勝と勢いに乗った。悪夢を塗り替えた。山野自身がよみがえらせた左肩で、過去の自分と決別した。初めてのヒーローインタビュー。守護神田口から受け取ったウイニングボールがポケットの中で温かい。「野球をやりたくない日々もあった...」。こらえきれなかった涙に敵地だが、ファンも温かい声援をくれた。相手は巨人のエース菅野だが1歩も引く気はなかった。互いに0行進を続けて迎えた6回。2死一、二塁で本塁打ランキング1位の岡本和を迎える。「腕は振れている。自分の出せるモノを出せば大丈夫」と左肩を信じた。低めに沈む136キロのカットボールで右邪飛に打ち取り、1番のピンチを切り抜けた。東北福祉大から20年ドラフト2位で入団。21年4月1日のDeNA戦(横浜)に先発も1回1/3、49球を投げ5安打3四死球7失点と炎上し、その後はケガの影響で1軍登板はなかった。「あの映像は見ないようにして今日まで来た」。トラウマだった。大好きだった野球が「嫌いになった」。ネガティブが頭を支配。試合中のマウンドでも泣いた。「なんとか肩が痛くないフォームで投げよう」と、サイドスロー転向をコーチや球団に泣きながら願い出たこともある。支えは右肘痛でともにファーム調整中の奥川だった。年齢は3つ下だが、入団は1年先輩の戦友。ともに寮生活だった頃は奥川にボディーソープを冷凍庫に入れられ、凍らされたりもした仲良し。「奥川が近くにいて『山野さんはすごいから』とずっと言ってくれていた」。両親からも「太一は大丈夫」と何度も励まされ「本来の自分を取り戻せれば、必ず投げられる日が来る」と信じ続けた。トラウマのプロ初先発から「今日、自分の殻をちょっと破れたような気がします」。悪夢の49球を、記憶のかなたに封じ込んだ。【三須一紀】

◆下半身のコンディション不良で離脱中だったヤクルトのキャプテン山田哲人内野手が1軍復帰し、2番二塁でスタメン出場した。4打数無安打だったが、5回2死で巨人門脇の一、二塁間を抜けそうな当たりを好捕し、先発山野を助ける軽快な守備を見せた。7月3日に離脱して以来の1軍に「山野のテンポも良く守備もしっかりこなせた。バットは振れている。明日は打ちたい」と次に向かった。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(31)が1軍に合流した。試合前練習に姿を現して、村上やオスナらと談笑する姿が見られた。山田は今季4月中旬に下半身のコンディション不良を発症。約2週間で1軍復帰したが状態が上がらず、7月2日の広島戦(神宮)で再び下半身を痛めて、同3日に出場選手登録を外れていた。地道なリハビリを経て、同28日のイースタン・リーグ巨人戦で実戦復帰。同29日の同戦では二塁の守備にも就いてプレーし、計3試合で7打数1安打の成績だった。

◆巨人のフォスター・グリフィン投手(28)が2日のヤクルト戦に先発する。5月20日以来の白星となる5勝目を目指す左腕はキャッチボールなどで調整し「チームが勝てるように最善を尽くす。それしかできることはない」と意気込んだ。前回6月28日のヤクルト戦(盛岡)は6回8安打6失点で敗れており「いい打線。しっかり緩急を使いたい」と警戒した。

◆ヤクルト・山野太一投手(24)が二回1死で打席に入り、中前へプロ初安打を放った。巨人先発、菅野の127キロの低めカーブをうまくはじき返した。山野は東北福祉大から21年にドラフト2位で入団。同年4月1日のDeNA戦でプロ初登板先発したが、その後は上半身のコンディション不良で1軍での登板機会はなく、昨季終了後に育成契約を結んでいた。今季再び2軍で結果を残して7月14日に支配下登録。852日ぶりの1軍登板で、球界を代表する投手から記念の一打を放った。

◆2日の巨人戦に先発するヤクルト・高橋奎二投手(26)はダッシュなどで調整した。前回7月26日の広島戦(マツダ)では四球から失点を重ね5回5失点。試合後の高津監督の厳しいコメントを目にしたといい「打者と勝負できていない感じがしていた。そういうところをもう一回意識して練習してきましたし、同じミスを繰り返さないように」と意気込んだ。

◆こんがりと焼けた肌と共に強くなって帰ってきた。ヤクルト・山野太一投手(24)がプロ初登板先発となった2021年4月1日のDeNA戦以来、852日ぶりの1軍マウンドで7回4安打無失点。「全部よかったです」。うれしい初勝利を挙げた。「正直、今年中に支配下になれるとは思ってもいなかった。今までやってきたことを出せるようにしたい」実力を存分に発揮した。斜め上から左腕を振るスリークオーターのフォームで打たせて取る投球。最速146キロの直球とカーブ、スライダーなどをコースに制球していき、四回は梶谷、岡本和を遊ゴロ、秋広を二ゴロと中軸を仕留めた。バットでもみせた。二回1死で打席に入り、巨人先発、菅野の見逃せばボールとなる127キロの低めカーブをうまくはじき返して中前へプロ初安打を記録。一塁に到達すると笑みを浮かべた。東北福祉大から2021年にドラフト2位で入団。開幕2カード目のDeNA戦でデビューしたが、二回途中を7失点で降板。その後は上半身のコンディション不良で1軍での登板機会はなく、昨季終了後に育成契約を結んでいた。「野球をやりたくないと考えたこともあった」とリハビリの期間を振り返るが、それでももう一度、1軍の舞台に帰ってきたいと奮起。投球フォームから見直すと今季は2軍で結果を残して7月15日に再び支配下登録された。「いろいろな人に支えてもらった。やっと恩返しができたと思います。これからもスワローズの力になりたい」。新たな背番号26をつけ、第2の野球人生が始まった。(森祥太郎)

◆育成契約から7月14日に支配下登録され852日ぶりの1軍登板となったヤクルト・山野太一投手(24)が7回4安打無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。以下、山野のヒーローインタビュー。--ファンからの大声援「すごく嬉しいです」--7回4安打無失点の好投「スタンドに来てくれた応援団の方々と、 バックで必死に守ってくれた野手のおかげだと思います」--自身のよさをどの様に表現した「投球に関しては特にないんですけど...。今日は久々の登板だったのにとにかく気持ちを出して投げようと思いました--よかった点は「なんだろうな...。全部よかったです」--復帰まではどんな日々だった「野球をやりたくない日々も...。(涙を浮かべながら)でも多くの方々に支えてもらて今日勝てたので、やっと恩返しができたと思います」--いろんなことが報われた「頑張ってよかったです」--これからどんな投手になりたい「これからもチームに勝利に貢献できるように、そんなピッチャーになりたいです」--ファンに向けて「応援ありがとうございました。またスワローズの力になれるように頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします」

◆巨人・菅野智之投手(33)が先発し、8回6安打1失点で4敗目(2勝)を喫した。好投が報われなかったが「野球は持ちつ持たれつだと思う。一喜一憂している場合ではないので、次も今日みたいなピッチングを続けられるようにやっていくだけ」と振り返った。前回7月17日に1死しか奪えず6安打6失点を許し、プロ11年目で最短降板を喫したヤクルトとの再戦。初球から細心の注意を払い、丁寧にコーナーを突いた。内野ゴロの間に決勝点を献上したが、今季自己最長の8回を投げ切り、「前回はほぼファーストストライクをやられていたので、今までにない配球をしないといけないと思っていた。(捕手の)大城がうまく引き出してくれた。組み立て通りに投げられた」とうなずいた。意地を見せた右腕は「怖さを持つということはピッチャーにとってすごく大事なこと。(最短降板は)野球をやめるまで教訓として頭の片隅にある」と自らに言い聞かせた。

◆ヤクルトは、7月に支配下復帰を果たした山野太一投手(24)が7回4安打無失点と好投。1年目で開幕ローテーション入りした2021年4月1日のDeNA戦(横浜)以来、2度目の1軍マウンドでプロ初勝利を挙げた。打線には下半身のコンディション不良で離脱していた山田哲人内野手(31)、体調不良を訴えて特例2023で抹消されていたドミンゴ・サンタナ外野手(30)が復帰した。高津臣吾監督(54)の主なコメントは以下の通り。――山野が好投してプロ初勝利を挙げた「もちろんチームが勝つために、『頑張ってくれ』と思って送り出したんですけど、あそこまでやるとは思わなかったというのが正直なところです。期待して送り出して、その期待以上のピッチングをしてくれたんじゃないかなと思います」――1四球。安定感もあった「きょう久しぶりに会ったときに、まず『支配下おめでとう』と言った次に『打たれてもいいから、フォアボール出すなよ。ストライクを投げろ』と言いました。低めにいろいろな変化球を使いながら、(内山)壮真とのバッテリーで内野ゴロを打たせられたというのは、1軍離れていましたけど、育成にもなってつらい時期を過ごしたかもしれないですけど、それが全然無駄じゃなかったんじゃないかなと。こうして大きな1勝をチームにもたらしてくれたのでね、本当にナイスピッチングだったと思います」――2年前の横浜スタジアムでの投球とは、フォームも内容も違った「これはね、小野寺2軍ピッチングコーチをはじめね、みんなで作り上げたきょうの山野だったんじゃないかなと。本人が努力したのが一番だと思いますけど、いろいろ苦労もあったでしょうし、つらいこともあったでしょうし、本当に報われた8月のスタートだったんじゃないかなと思いますね」――「ストライクを投げろ」という声掛けは2年前の投球からきた言葉「そこはあんまり関係なく、しっかり勝負しなさいという意味です。打たれてもいいので、相手も菅野投手ですし、そんなに簡単な試合になると思っていなかったので、どんどん攻める気持ちをもって投げなさいという意味です」――ファームで頑張ってきた選手が投げて勝つことはチームにとっても大きい「いやあ、表現難しいですけど、非常に大きいですね。こういう人がいるからこそ、チームがまた新たなスタートを切れる。こういう人がいるから、またやる気がでる。すごく大事な存在だと思いますね。こういう人はね」――山田が1軍復帰「やっぱりいるといないとでは、違いますね。僕の気分的にもそうですし、相手も嫌でしょうし、あの守備力というのもそうでしょうし、100%の体調じゃないかもしれないですけど、状態を見ながら今後も起用していきたいと思いますね」――途中交代したが「絶対繰り返しちゃいけないと思って、無理させちゃいけないと思って代えました」――サンタナも戻ってきた「本当は登録するつもりなかったんですけど、一回練習見て、状態見て決めようと思ったんですけど、本人が『いける、行きたい、行かせてくれ』と言ってきたので、その言葉に甘えました」――七回に二塁打とヘッドスライディング。それが唯一の得点につながった「オスナもそうですけど、うちの外国人は本当にチームの勝利のために、1点のために全力プレーを出し惜しみをしない選手なので、その気持ちが出た一打、スライディングだったんじゃないかなと思いますね」――新戦力で菅野に勝った。普通の1勝とは違う「1勝は1勝だと思いますけど、でも、大きいですね。はい。大きいと思います」

◆下半身のコンディション不良を訴え、7月3日に出場選手登録を外れた山田哲人内野手(31)が1軍に昇格し、「2番・二塁」で先発出場。4打数無安打と復帰戦で快音は響かなかったが、守備では軽快なプレーを見せるなど勝利に貢献した。「とにかく勝てたことがよかったです」一回1死では三ゴロ、三回2死二塁でも三ゴロ、六回無死一塁では二飛、八回無死一塁では中飛に倒れた。ただ、第4打席は中堅の深部まで飛んだ飛球。次戦以降に希望が見える一打となっただけに「バットはしっかり振れているので、明日は打ちたいなと、結果出したいなと思います」と前を向いた。この日は支配下復帰した左腕・山野がプロ初勝利。六回には吉川の打球を二ゴロ併殺打にするなどもり立てた主将は「めちゃくちゃテンポもよかったし、後ろから見ていて、すごい守りやすかった。『頑張ってくれ』と思っていたんですけど、すらすら、すらすら投げていたので。本当に守りやすくて、すごくいいピッチングだなと思いました」とたたえた。

◆体調不良を訴えて特例2023で出場選手登録を外れていたヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(30)が昇格し、「5番・右翼」で先発出場。両軍無得点の七回先頭で左翼線への二塁打を放ち、二塁ベースにヘッドスライディングした。その後、1死一、三塁から長岡の二ゴロで生還。その貴重な1点を守り切り、勝利した。「自分の状態もいいと思いますし、そういう場面で、チームのために何とかしたいなという強い気持ちで打席に立って、結果が良くてうれしかった」志願の出場だった。高津監督は試合後、「本当は登録するつもりなかったんですけど、一回練習を見て、状態を見て決めようと思ったんですけど、本人が『いける、いきたい、いかせてくれ』と言ってきたので、その言葉に甘えました」と説明。戦列に戻りたいという助っ人の気持ちが前面に出た。サンタナは「最初から一日でも早く復帰したいという気持ちが強かった。練習中、体の状態はいいなと思って、そこから自分から首脳陣に伝えて、きょう起用していただいてとてもうれしい。とにかく一試合一試合集中して戦って、全力を尽くすしかない」と明かした。頼もしい男の復帰で3連勝を飾った。

◆リーグ4位からの逆襲を狙う8月の初戦は、今季10度目の零封負け。連勝が4で止まり、巨人・原辰徳監督(65)は初対戦の左腕、山野に7回4安打と苦戦した攻撃を嘆いた。「初打席(対戦)でしょう、みんなね。向こうは必死で投げたわけだし、われわれも何とかしなきゃいけない。今日はできなかった」山野に喫した三振は2個だけで、ことごとく凡打を誘われた。六回は2死から一、二塁の先制機をつくったが、岡本和が右邪飛。4~8番打者が無安打で、8回1失点と好投した菅野を援護できなかった。指揮を執って17年目、通算1266勝(90分け)を誇る原監督は史上11人目の通算1000敗を喫した。同一球団での1000敗は鶴岡一人(グレートリング・南海、1140敗、1773勝81分け)に次いで2人目。これまで同様、敗戦の悔しさを次戦への糧とする。(谷川直之)

◆下半身のコンディション不良で2軍調整中だったヤクルト・山田哲人内野手(31)と、体調不良を訴えて特例2023で抹消されていたドミンゴ・サンタナ外野手(30)が1軍に昇格。ともにスタメンに名を連ねた。ベストメンバーがそろいつつある。「2番・二塁」で先発した山田は4打数無安打も、第4打席に中堅深部への飛球を放ち「バットはしっかり振れているので、明日は打ちたい。結果を出したい」と前を向いた。志願して出場したサンタナは七回先頭で左翼線への二塁打を放ち、気迫のヘッドスライディング。1死一、三塁となった後に代走・丸山和が長岡の二ゴロの間に生還した。サンタナは「チームのために何とかしたいと強い気持ちで打席に立った」と笑顔を見せた。

◆苦労人が涙の初勝利-。ヤクルト・山野太一投手(24)が1日、巨人14回戦(東京ドーム)で7回4安打無失点と好投し、プロ初勝利を挙げた。昨季終了後に左肩痛の影響で育成契約となり、今年7月14日に再び支配下契約を勝ち取った左腕が、プロ初登板先発した1年目の2021年4月1日のDeNA戦以来、852日ぶりのマウンドで躍動。勝負の8月を1-0での白星スタートに導き、チームは3連勝を飾った。夢にまで見た最高の景色に声を震わせた。大好きだった野球をやめたいとさえ思った852日。苦労が報われると、山野の目から大粒の涙がこぼれた。「野球をやりたくない日々もあったのですが、多くの人に支えてもらって勝つことができた。やっと恩返しができました。自分の殻を破れた」通算119勝を誇る菅野との白熱した投手戦を制した。2年ぶり2度目の登板で7回4安打無失点。緊張のあまり、一回の第1球は捕手のはるか前でバウンドしたが、スリークオーターからテンポよく低めを突いて四回は梶谷、岡本和を遊ゴロ、秋広を二ゴロと中軸を打たせて取った。三回には中前打を放ち、プロ初安打も記録した。

◆育成契約から7月14日に支配下登録され852日ぶりの1軍登板となったヤクルト・山野太一投手(24)が7回4安打無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。以下、山野とチームのデータ。?3年目のヤクルト・山野がプロ初勝利。ヤクルトで今季初勝利を挙げたのは4月30日の吉村貢司郎(先発、対阪神、1年目)、6月20日の山本大貴(救援、対楽天、6年目)に次いで3人目。?巨人相手にプロ初勝利をマークしたのは2016年の原樹理(5月1日=先発6回2失点、1年目)以来7年ぶり。先発で7回以上に限れば12年の八木亮祐(10月1日、7回無失点、4年目)以来11年ぶり。?ヤクルトが1-0で勝利したのは5月9日の阪神戦(吉村-石山-清水-田口、甲子園)に次いで今季4度目。対巨人は21年10月7日(原-今野-清水-マクガフ、神宮)以来2年ぶり。東京ドームでマークしたのは17年5月18日(石川-近藤-ルーキ-石山-秋吉)以来6年ぶり。

◆山野には正直、驚かされた。ストレートがそれほど速くない分、豊富な変化球を持つ。ボールは適度に荒れながら、コントロールも適度によい。珍しいタイプだ。巨人打線からすると、差し込まれたり、詰まらされたり、バットの先っぽだったりと、ジャストミートが少なかった。ストレートも打者の手元で伸びるのか、あるいは微妙に動くのか。グラウンドレベルにいないとわからない特長が、あるのかもしれない。それは、高津監督を見ていても感じた。六回無死一塁で、送りバントを失敗させて併殺。そこから連打されて2死一、二塁と再びピンチを招き、打席に岡本和。左腕vs右の大砲。流れは行ったり来たりで、そろそろ打たれ頃...。そう考えておかしくない場面で、高津監督はベンチに座ったまま微動だにしなかった。抑えるという計算が立たないと、できることではない。なにより、山野自身が動じなかった。岡本和に対してアウトローへ変化球を絶妙に決め、右邪飛。表情を変えず、ひょうひょうと仕留めた。実は自信満々で、プロ2戦目のマウンドに上がっていた? そう思えるくらい、おもしろい先発が出現したものだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ヤクルトは競り負けて2連敗。先発のピーターズが6回7安打1失点と粘投をみせたが、1―1の八回に3番手の清水が、先制弾の岡本和に決勝弾を浴びた。打線も戸郷の前に149球で完投され、高津臣吾監督(54)は「対策がうまくいかなかった」と唇をかんだ。指揮官の主な一問一答は以下の通り。――ピーターズは何とか粘った「そうですね。正確なコントロールがいったかというと、そうでもないんですけど。球の力と変化球のキレと非常によかったと思います」――山田が復帰後初安打(五回に二塁打)「どこかで1本打ってほしいなと思っていたので、いいところで1本打ってくれたと思います」――そこからオスナで同点(中前適時打)。徐々に状態は上がってきている「そうですね。結構、芯に当たる打球が増えてきたのかなと思います」――オスナは塁に出て交代。ちょっと右脚に不安がある「下半身ですね」――明日以降は「分からないですね、ちょっと今は」――その後は戸郷に苦しんだ「対策がうまくいかなかったですね。甘い球を見逃して、ボール球を振らされました」――戸郷に完投を許した「いいところまでいったんですけどね。結果は何でもよかったですけど、やっぱりあそこ(九回無死一、二塁)でバットを振ってほしかったなあ、サンタナ(3球全て見逃しで三振)にね」――3球連続同じ球「ねえ、真っすぐ、フォアボールの後で、打つかなと思ったんですけど。バットを出してほしかったなと。色々考えがあってのことだと思います」――最後(九回2死二、三塁)は川端ではなく宮本でいったのは一塁が空いているから「まあ、色々なあれがあって」――昨日に続いてホームランで敗れた「気持ちは分からなくはないですが。結果こうなってしまうと、やっぱりリリーフピッチャーとしては、ちょっと残念な結果ですね」――昨日、今日と岡本にやられた「そうですね。2試合で4本なんで、岡本選手にやられましたね」

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
52374 0.584
(↑0.004)
-
(-)
50352
(+10)
286
(+2)
47
(+1)
46
(-)
0.240
(↑0.001)
2.780
(↑0.01)
2
(-)
広島
52411 0.559
(↓0.006)
2
(↓1)
49325
(+3)
310
(+5)
57
(+1)
53
(+1)
0.248
(-)
3.000
(↓0.03)
3
(-)
DeNA
47432 0.522
(↑0.005)
5.5
(-)
51335
(+5)
324
(+3)
62
(-)
20
(-)
0.250
(↑0.003)
3.230
(↑0.01)
4
(-)
巨人
46451 0.505
(↓0.006)
7
(↓1)
51344
(-)
342
(+1)
105
(-)
31
(-)
0.252
(↓0.001)
3.600
(↑0.03)
5
(-)
ヤクルト
39512 0.433
(↑0.006)
13.5
(-)
51330
(+1)
355
(-)
79
(-)
50
(-)
0.236
(↓0.001)
3.590
(↑0.04)
6
(-)
中日
35562 0.385
(↓0.004)
18
(↓1)
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26
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3.130
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