1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 7 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | X | 4 | 7 | 1 | 1 |
勝利投手:伊藤 将司(5勝4敗0S) (セーブ:岩崎 優(3勝1敗17S)) 敗戦投手:大瀬良 大地(4勝8敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は3回裏、中野の内野ゴロの間に1点を先制する。その後同点とされるも、6回には森下の2ランとノイジーの適時打で3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・伊藤将が8回途中2失点の力投で今季5勝目。敗れた広島は、先発・大瀬良が6回に崩れた。
◆阪神大竹耕太郎投手(28)が体調不良のため「特例2023」で出場選手登録を抹消された。この日の試合前練習には姿をみせなかった。前回先発した26日の巨人戦(甲子園)では6回途中5失点でKOされていた。次戦は8月2日の中日戦(バンテリンドーム)で先発予定だったが、岡田監督は「熱があるみたい。しゃーない。(2日は)他に誰か探さんといかん。想定しとかなアカンわ」と登板を見送る可能性も出てきた。
◆阪神小幡竜平内野手(22)が、6月25日DeNA戦(横浜)以来35日ぶりとなる「8番遊撃」でスタメン入りした。途中出場した26日巨人戦(甲子園)では1点を勝ち越した直後の7回2死一、三塁、左中間を破るダメ押しの2点適時打を放ち、猛アピールに成功していた。また、シェルドン・ノイジー外野手(28)、梅野隆太郎捕手(32)がともに3試合ぶりにスタメンに入った。
◆阪神近本光司外野手(28)が初回からいきなり美技を披露した。初回1死から広島菊池の中堅への打球を中堅手近本がチャージ。手前に落ちそうな打球の落下地点に入り込み、そのままスライディングキャッチして、先発伊藤将を助けた。この日は夏の長期ロード前での甲子園最後の試合。広島との首位攻防戦だ。
◆「ウル虎の夏2023」が最終日を迎え、お笑いコンビ空気階段の鈴木もぐら(36)と水川かたまり(33)が来場した。試合前からスタメン選手の呼び込みなどを務め、甲子園を盛り上げた。野球のイベント出演はコンビ初。千葉県出身のもぐらは「やっぱり、これが阪神かと。12球団で一番熱い」と球場の熱気を振り返った。元々プロ野球ファンかと問われると、「一応生まれが千葉県なので、どこ好きなのと言われたら、ロッテに頑張って欲しいとか言ってたんですけど。やっぱり心は阪神でしたね。今日気づきました」と、笑顔で語った。かたまりは背番号「315」のユニホームで登場し、観客へ「最高!」3連発のギャグも披露。もぐら同様、虎党で埋まる球場には驚きを見せ「生き方を間違えました。阪神の選手になれば良かったです」と、笑いを誘った。25日から6日間続いた同イベントは、すでに3勝1分け1敗と勝ち越しが決定している。もぐらは「やっぱりホームラン打ちまくりの、三振取りまくりって感じで。最高な熱い試合を見たいですね」と、最終日の熱戦に期待をこめた。
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◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が勝ち越しの3号2ランを放った。1-1の6回1死一塁。広島大瀬良の内角145キロ直球を左翼へ113メートル弾で飛ばした。値千金の1発に本人もガッツポーズを決めた。「先頭でチカ(近本)さんが出塁してくれて、この回は絶対に点が取れるイニングだと思ったので、流れに乗って、思い切って積極的に初球からスイングしにいった結果が良い結果につながったと思います」と試合中にコメントした。首位攻防の第3ラウンド。大事な試合で背番号1が期待に応えた。
◆/大歓声を独り占め\追いつかれても突き放す森下翔太が勝ち越し2ラン?プロ野球(2023/7/30)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/QNbGrEIpC6
◆ルーキーが打線に火を付けた。6回の一挙4安打3得点で勝利を決定付けた。3回、1死二、三塁から中野の二ゴロの間に先制。だがその後は先発大瀬良の前に、5回まで無安打と沈黙した。流れを変えたのは6回、阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)だ。1死一塁で打席が回ると、初球を強振。左翼席へ高弾道で上がった3号2ランで、2点を勝ち越した。その後、5番佐藤輝にもフェンス直撃の左翼越え三塁打。直後6番ノイジーが適時内野安打を決め、さらに1点を追加した。先発の伊藤将司投手(27)は8回途中7安打2失点と粘投。広島からは21年以来2年ぶりの白星となった。今季初の2戦連続白星で5勝目を手にした。1位広島との1ゲーム差を追う展開で始まった、首位攻防3連戦。長期ロード前最後の甲子園3連戦で、首位奪還に成功した。
◆阪神加治屋蓮投手(31)がわずか1球で打者1人を打ち取った。先発伊藤将が8回、1死二、三塁の場面で交代。菊池に対し、初球141キロの変化球を投じ、二飛に仕留めた。直後、左打者の3番秋山を迎えた場面で左腕島本にスイッチ。加治屋はこの試合で3連投となった。
◆広島が首位再奪取を逃した。9試合ぶりに先発復帰した菊池涼介が6回表に同点打。直後の6回裏、大瀬良大地が森下に痛恨の決勝2ランを浴びた。21年から阪神に4連敗となった右腕は「甘く入ってしまった。見逃してくれなかった」と猛省。新井監督は「大地が一番悔しいんじゃないかなと思います」と8敗目のエースを気遣った上で「ピッチャーもいいし、守りもいい、強いチームだと思いました」と今カード2敗1分けと苦しんだ阪神をたたえた。▽広島中村奨(広陵時代に準優勝した甲子園で初スタメンで初安打)「こういうチャンスをいただけるのはすごいありがたいんで、しっかり結果を出せるようにやっていきたい」
◆首位阪神が2位広島に勝ちゲーム差を1に広げた。1-1同点の6回、3番森下翔太外野手(22)が、決勝打となる3号2ランを放った。投げては先発の伊藤将司投手(27)が8回途中2失点と好投し5勝目を挙げた。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。(囲み)-先発伊藤将は「久しぶりによかったね、故障明けの4月ぐらいよかったんちゃう、今日は」-8回も任せた「そうやな、球数でなあ、だからピッチングコーチと、伊藤(将)と岩崎2人で今日はいけたらいいなあとは言うてたんだけどな」-加治屋と島本は一人一殺「まあ、あそこも結局ねえ、あの(ノイジーの適時打の)4点目が大きかったんやな、3点差になったんでね、あの1点はホント大きいよ、あれ2点差でいっとったらね。(1点返されなお無死)一、二塁で(1番小園が)ちゃんとバントしてきてくれたからね、よかったよな、おーん。オレやったら打たしとったけどな(笑い)。いやいや、そらそうや。まあひとつ、分からんわけやから。小園の方が怖かったね。打たれた方が怖かった」-加治屋は菊池の1人だけの予定「そうそう、1人。今日は(広島打線が)ジグザグやからな。昨日みたいに左ばっかりやなしに、右、左ジグザグだったから。もう一殺で。(秋山に)フォアボールでも、島本はいってたよ。今日は。上本でも。松山を出したくなかったからね」-そういう意味では28日金曜の1戦目に岩崎を使わなかったことが「そうやな。(1戦目の)最後、加治屋いったからね。まあ、それも点差よ。うん、点差があったからやね。まあ、3連投というか、この暑いのに3連投だけは、ささんとこうと思ってたから。1日空けれたからね。よかったよね」-7月は月間勝ち越し。近本の故障などがあったが、よくしのいだ「そうやなあ。まあ、オールスター明けね。だいぶいい感じになってきたよな。この、外ばっかりのゲームでな。いや、そらだいぶ違うと思うよ」-今日は遊撃手に小幡を起用「いや、今日は1日ちょっと、ベテラン休ますって言ったらベテラン違うかったんやな、あれ(笑い)。自分でも言ってたけど。『次の名古屋から頑張れ』と言うたけど」-小幡は大瀬良との相性も考慮して「相性とか、今年初対決やから分かれへん。別に去年なんかのあれは、見てないよ。全然、見てない。そんなん見だしたら、出る選手、いてないようになる可能性あるやん。それはまた、今年は今年や」-改めて、広島は「どうなんやろなあ。なあ、あんまりわからんかったなあ」-1点目の守備も前進したり、下げたり「おん。ようわからんかったな、だから。そういうことやん」-8回のリレーは相手が広島って言うのもあったか「今日は岩貞を入れてなかったからな。岩貞やったら、そのままいってたかもわからんな」
◆/大歓声を独り占め\追いつかれても突き放す森下翔太が勝ち越し2ラン?プロ野球(2023/7/30)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/QNbGrEIpC6
◆プロ6年目の広島中村奨成外野手(24)が、広陵(広島)3年の17年夏に準優勝した甲子園で初めてスタメン出場した。「7番右翼」で1打席目は空振り三振、2打席目は二ゴロ。8回は阪神伊藤将から遊撃内野安打を放ち、反撃の口火を切った。今季出場5試合目での初安打。25日ヤクルト戦では「1番右翼」で先発出場も、ここまで4試合出場で6打数無安打だった。「1回スタメンで使ってもらって、なかなかいい結果が出なくて。代打でもヒットが出なくて、自分の中ですごい焦りがありました。今日も1打席目、2打席目と思うような結果が出なかったので、なんとか食らいついてヒット。とりあえず1本打つことができて良かったです」。試合後は追い込まれていた心情を明かした。17年夏の甲子園では6本塁打をマークし、85年のPL学園(大阪)・清原和博が残した大会最多5本塁打を更新。球史に残る記録を作った甲子園での安打に「どこでもいいんで、試合に出るしかないんで。こういうチャンスをいただけるのはすごくありがたい。しっかり結果を出せるようにやっていきたい」ときっぱり。「(甲子園は)思い出の地ではありますけど、プロとアマチュアは違うので、そこはあまり意識せず。またマツダに帰ってから結果出せるようにしっかりやっていきたいです」。貪欲に結果を求めていく。
◆首位阪神が2位広島に勝ちゲーム差を1に広げた。1-1同点の6回、3番の森下翔太外野手(22)が、決勝打となる3号2ランを放った。投げては先発の伊藤将司投手(27)が8回途中2失点と好投し5勝目を挙げた。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-ロード前の6連戦を4勝1敗1分け「先発陣の踏ん張りが大きかったですね」伊藤将がよく投げた「いや、まああそこ(7回に)打席回ったんですけどね、球数とかいろいろ。昨日もね、(延長)12回やってるんで、もう1回と思ったんですけどね。あとのピッチャーもね、ほんとよく投げたですね」-この1週間は、加治屋と島本が5試合登板「そんなに球数多くなかったんでね。まあ、いま調子いいピッチャーいうかね、あの2人を今日も選択したんですけどね」-今日も森下が目立った「同点に追いつかれた後なんでね、非常に大きいホームランですね」-3番森下が定着「まあちょっとね、昨日はだめだった、波がありますけど、ほんと、いいとこでね、打ってるんでね。よく目立ちますね」-点差を考えると、ノイジーの4点目も「まあノイジーも曲がりなりにもというかね、とにかく足下、センターに打て、センターに打てといっていたのがね、まあ、ラッキーだったけど本当に大きな1点だったですね」-首位を固めて長期ロードに出る。「まあ、最初名古屋ですけど、久しぶりに涼しいところでできるんで、それが一番ですね」-8月はドームが多い「ずっとね、ここ3週間くらいかな? オールスター前からでしょ。ずっと外だったんでね、そういう意味で、ちょっとは選手が楽になるかな。練習を含めて」-8月はどんな戦いを描いているか。「今みたいに先発陣がある程度投げて、打つ方もだいぶいい点の取り方というか反発力もだいぶ出てきたんで、まだまだ普通に、ロードを戦ってきます」-勝負は9月「そうですね。それまでにはある程度、形を作っとかないといけないんで、それがこのロードになると思いますけど」
◆近本さん、さすガっス! 阪神のリードオフマン近本光司外野手(28)が、走攻守で輝きを放った。まずは守備だ。初回、1死から広島の2番菊池が中堅手前ややライト寄りに飛ばした打球に、猛ダッシュで前進。体勢を崩しながらスライディングしてキャッチし、甲子園の虎党をドッと沸かせた。7月初旬の右肋骨(ろっこつ)骨折の影響を感じさせない体を張ったプレーで相手に流れを渡さなかった。「怖さがあるのかないのかわからないですけど、痛くなったら痛くなったでいいと思う。別に今は気にしている段階ではないです」攻撃では先制劇を演出した。3回、1死二塁から大瀬良の148キロ直球を捉え、6試合連続安打となる中前打で一、三塁と好機を拡大。中野の打席の初球にリーグ1位の15盗塁目となる二盗を決め、中野の内野ゴロの間に三塁走者の小幡が生還した。持ち味の打力と足を生かして3試合連続で先制点に絡む働きをみせた。「イメージした打球が打てている」と、同点の6回には先頭で右前打を放ち、4試合連続のマルチ安打を記録。直後の森下の勝ち越し2ランにつなげた。近本は7月22日のヤクルト戦で約3週間ぶりに復帰後、走攻守にわたる奮闘ぶりも光り、チームは後半戦序盤の8試合で5勝2敗1分けと再び上昇気流に乗った。2カード連続勝ち越しに貢献し、「勝つことはすごい大きい。相手がどこだろうが勝つことが大事だと思う。勝ち越したのは大きいです」と胸を張った。この日は近本が社会人時代に所属していた大阪ガスが冠協賛の「さすガっス! ナイター」として実施され、試合前には同チームの後輩、広島末包とともに同社からの花束を受け取った。見事な活躍で勝利で飾り、恩返しに成功した。帰ってきた背番号5が、「さすが」のプレーを連発し、"火付け役"としてチームに勢いをもたらしている。【古財稜明】
◆小幡が8番遊撃として6月25日DeNA戦以来、10度目のスタメン起用された。3回先頭の第1打席では右安で出塁し、中野の二ゴロで先制のホームを踏んだ。「最初の打席はすごく意識した。点につながってよかった」。守りでは8回先頭の中村奨のゴロを捕球も一塁へ悪送球し、無死二塁のピンチを招いた。「(伊藤)将司さんが完投できるチャンスもつぶしたので、反省しています」と、気持ちを引き締めた。
◆阪神は5、6月に続いて7月も首位で通過。00年以降、セ・リーグの7月首位通過チームを見ると、開幕が遅れた20年を含め23チームのうち17チームが優勝。V確率は74%だが、阪神は03、05年に優勝したものの、最近は08、10、15、21年と4度続けてV逸。今年は逃げ切れるか。なお阪神が夏の長期ロード前最終戦時点で首位は、矢野燿大監督時代の21年以来、2年ぶり9度目(甲子園で30試合以上を行うようになった56年以降)。
◆阪神岡田監督が珍しい「1人1殺」継投を見せた。2点差に迫られた8回1死二、三塁、右打者の菊池を迎えると先発伊藤将から右の加治屋にスイッチ。1球で二飛に仕留めると、3番秋山には左の島本を投入。フルカウントからの遊飛に導いた。指揮官は「今日は(広島打線が)ジグザグやからな。もう1殺で。(秋山に)四球でも島本は行ってたよ(4番右打者の)上本でも。(代打で)松山を出したくなかったからね」と意図を明かした。この日は岩貞をベンチから外していた。この6連戦のうち5試合で加治屋、島本を起用。「今調子のいい投手を選択した。今日も」と、信頼して送り出した。加治屋を出す直前、無死一、二塁から1番小園が犠打で送ったことに「オレなら打たしとったけどな。小園の方が怖かったね」と振り返った。前日29日に3安打で、そのうち2度も同点打を許していただけに、正直な思いだった。長期ロード23試合のうち14試合をドーム球場で戦う。8月1日からは中日3連戦(バンテリンドーム)。「久しぶりに涼しいところでできるのが一番。ずっと外だったんで、ちょっと選手が楽になるかな。練習を含めて」。20試合屋外球場が続いただけに、プラスとなりそうだ。【石橋隆雄】阪神加治屋(8回一打同点の場面で菊池を1球で二飛に)「(伊藤)将司の勝ちを何回か消してる試合があったんで、より強い気持ちで(マウンドに)上がりました」阪神島本(2点リードの8回2死二、三塁で登板し、秋山を遊飛に仕留め)「絶対ゼロで抑えようと思って投げた。最後の球だけちょっと甘かったけど、なんとか(遊撃手が)捕ってくれてよかった」
◆阪神伊藤将が8回途中7安打2失点で5勝目を挙げ、広島から21年以来2年ぶりの白星となった。「強さもあった」と振り返る真っすぐを生かし、4連続を含む8奪三振。8回1死二、三塁のピンチで降板したが、救援陣がきっちり火消し。「リリーフのピッチャーに助けられました」と、振り返った。対広島戦は昨季4試合で1敗。今季初対戦でいきなりの2年ぶり勝利に「いいスタートが切れたと思います」。岡田監督も「久しぶりに良かったね。故障で明けた4月ぐらい良かったんちゃう、今日は。故障明けよりもね」とニンマリだった。
◆佐藤輝が迫力満点の左越え三塁打を放ち、勝利に貢献した。4回1死では中堅フェンス際への大飛球を広島秋山に好捕されたが、2点リードの6回2死では大瀬良の外角直球を捉え、左翼フェンスに直撃させた。クッションボールが転々とする間に一気に三塁へ。「入ってほしかった」と残念がったが、ノイジーの適時打で貴重な追加点のホームを踏み「そこはよかったです」。7月は3本塁打を放つも打率1割9分1厘。「全然ダメだった。ここからどんどん大事な試合が増えていくので頑張ります」と引き締めた。ノイジーが貴重な適時内野安打を放った。2点リードの6回2死三塁、広島大瀬良のカットボールを強振。二遊間に転がる内野安打で三走の佐藤輝が生還し、追加点をたたき出した。今カード初の先発出場で4試合ぶりの打点を記録。「チームに点を与えることができてよかった」と安堵(あんど)した。
◆2連投の岩崎が9回を3人で締め、17セーブ目を挙げた。2点リードの場面で登板し、4番上本からの3人を完全投球でピシャリ。前日29日も9回に登場し、4番松山から3者連続三振に仕留めていた。首位攻防3連戦の無敗に貢献。「本当に苦しいところで(伊藤)将司も投げて、カジ(加治屋)とシマ(島本)がよく粘ってくれた。素晴らしいピッチングでした」と投手陣全体をねぎらった。通算セーブ数は48で、久保田、ウィリアムスを超え球団単独8位に浮上した。
◆価値ある男やで! 阪神森下翔太外野手(22)が決勝の3号2ランを放った。1-1と同点に追いつかれた6回に広島のエース大瀬良から高々と舞い上がるアーチ。1、2号ともに「肩書付きアーチ」を放ったドラ1ルーキーが、またもプラチナ級の劇弾だ。チームは広島との首位攻防戦を2勝1分けで首位を堅守。さあ、ペナントレース独走へ。真夏の長期ロードに出発だ。打球がフェンスを越えた瞬間、森下が叫んだ。1-1の6回1死一塁。広島大瀬良の内角145キロ直球を左翼へ飛距離113メートル弾を運んだ。一塁ベースを蹴ると右手人さし指を突き上げるパフォーマンス。「初回からやられていたので、直球は1球は来ると思っていた。相手の投手をしっかり研究した中で風に乗ってくれて良かった」。初回で見逃し三振とやられた内角直球を狙いすましてガツン。タイミングを合わせた値千金の1発だ。記念すべきプロ1号は7月9日ヤクルト戦で放った先制の決勝アーチ。2号は同12日DeNA戦でサイ・ヤング賞右腕バウアーから放った同点弾だった。そしてこの日も決勝のアーチ。すべての本塁打が7月で、さらに肩書付きだ。勝負強い価値ある1発を放つ男は「勝負どころで点を取るところに自分は重きを置いている。人より、そこに対して執着は強い気持ちが結果につながっている」と胸を張る。幸運を呼ぶバットだ。23日ヤクルト戦の8回攻撃のベンチ。佐藤輝から「ちょっとこれでいくわ」と言われて自身と同じモデルのバットを先輩に貸すと、背番号8に大ハマり。そこから上昇気配が漂ってきた。この日も佐藤輝は6回2死で左翼フェンス直撃の三塁打を放つなど、ドラ1コンビが躍動した。ウル虎の夏は6戦4勝1敗1分けと勝ち越しに成功した。なかでも今季広島戦、打率2割9分6厘の3番森下の活躍が光る。岡田監督も背番号1の価値ある1発に「非常に大きいホームラン。波がありますけど、ほんといいとこで打ってよく目立つ」とたたえた。首位攻防戦第3ラウンドを白星で締め、チームは引き分けを挟んで2連勝。2カード連続で勝ち越しを決め、2位広島とは1ゲーム差とした。森下は「ビジターが多くなるので、しっかり勝てるようにしていきたい」と表情を引き締める。勝負強いルーキーが、真夏のロードでも打ちまくる。【三宅ひとみ】新人の森下が勝ち越し2ラン。森下のV打点は今季4度目で、そのうち7月は9日ヤクルト戦、12日DeNA戦に次いで3度目。ドラフト制後、阪神の新人で月間3V打点は69年5、6、10月の田淵、98年8月の坪井に次いで3人目。岡田や佐藤輝は月間3度をやっていない。
◆阪神・大竹耕太郎投手(28)が30日、体調不良のため、「特例2023」により出場選手登録を抹消された。大竹は、26日の巨人戦(甲子園)では今季ワーストの六回途中5失点で降板していた。ソフトバンクから現役ドラフトで移籍した今季は開幕から先発ローテを守り、14試合で7勝1敗、防御率1・89。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(29)が4年ぶり5度目の夏の甲子園出場を決めた母校の履正社を祝福した。「決勝で(大阪桐蔭の)前田くんというすごい投手がいる中で勝って、本当に僕らもうれしい。甲子園でも勝ってほしいなと思います」。履正社はノーシードから決勝まで勝ち上がり、大阪桐蔭を3ー0で下して激戦の大阪大会の頂点に立った。母校の活躍に坂本も「いつも気にしてみています。勝ってたらうれしいし、負けたら残念と悔しくなる」と刺激。普段は本拠地とする甲子園で、後輩たちが躍動する姿を想像し、「甲子園でも思い切って野球をやってほしい」とエールを送った。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は「8番・遊撃」で小幡竜平内野手(22)が6月25日のDeNA戦(横浜)以来の先発出場する。7月26日の巨人戦(甲子園)では、途中出場から貴重な2点打を放った若虎がチャンスをつかむ。先発は伊藤将司投手(27)。広島とは今季初対戦。新人だった2021年は4試合で3勝0敗、防御率1・09と好相性だったが、昨季は対戦防御率8・66と打ち込まれた。好調の鯉打線を抑え、首位攻防戦の勝ち越しを導く。打線ではノイジーが「6番・左翼」で3試合ぶりにスタメン復帰。代打で出場した29日の一戦でも安打をマークした助っ人が勝負強さを見せる。
◆広島の森下が30日、右手中指にできたまめのため出場選手登録を外れた。29日の阪神戦に先発し、六回途中で降板していた。新井監督は「回復状況を見ながら、次の登板機会を探っていく」と説明した。今季はここまで登板12試合で6勝2敗、防御率1・84。
◆「8番・遊撃」で6月25日のDeNA戦(横浜)以来の先発出場を果たした阪神・小幡竜平内野手(22)が三回先頭の第1打席で右前打を放った。カウント2-2から大瀬良の147キロ直球を引っ張った。一、二塁間を破る右前打。途中出場だった26日の巨人戦(甲子園)に続く出場2試合連続安打で起用に応えた。チーム初安打で勢いをつけた小幡は、続く伊藤将の犠打で二進。近本が中前打で1死一、三塁の好機を作った。近本が今季15個目となる盗塁を決め、二、三塁とすると、中野の二ゴロの間に、小幡が先制のホームへ。若虎が鯉倒の口火を切った。
◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が2打席連続で好守に阻まれた。二回無死一塁で迎えた第1打席は、大瀬良の低め148キロ直球に快音。捉えた打球が左中間方向を襲ったが、広島の中堅・秋山が間一髪でグラブに白球をおさめた。続いて四回1死の第2打席。今度は低め140キロフォークを右手一本ですくい上げる。バックスクリーンに一直線へと向かっていった打球だが、フェンス手前で再び秋山がジャンプ。またも好守備に阻まれ、甲子園は大きなため息に包まれた。
◆阪神・森下翔太外野手(22)が勝ち越しの3号2ランを放った。1-1の同点に追いつかれた直後の六回だった。先頭の近本が右前打で出塁するも、中野が見逃し三振で1死一塁。森下が打席に向かった。対峙した大瀬良はまずはけん制球。続いて投じた初球だった。145キロ直球を振り抜くと、高々と舞い上がった白球は浜風に乗って左翼スタンドへ。歓喜に沸く甲子園を背に、一塁ベースを蹴った森下は大きく右手を突き上げた。7月12日のDeNA戦(甲子園)以来となる3号。頼もしさを増すルーキーが値千金の一発を放った。「打ったのはストレート。先頭でチカ(近本)さんが出塁してくれて、この回は絶対に点が取れるイニングだと思ったので、流れに乗って、思い切って積極的に初球からスイングしにいった結果が良い結果につながったと思います。(伊藤)将司さんも凄く良い投球をしてくれているので、援護することができて良かったです」とコメントした
◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が2点を勝ち越して迎えた六回に左翼フェンス直撃の三塁打を放った。カウント3-1から大瀬良の148キロ直球を捉えた。鋭く放たれた打球は左翼フェンスに直撃。ボールが外野芝生を転々とする間に、一気に三塁まで進んだ。第1打席、第2打席はともにとらえた打球も広島の中堅・秋山の好守に阻まれて中飛。秋山をかわすかのごとく放った打球で追加点の好機を作ると、ノイジーの内野安打で4点目のホームを踏んだ。
◆先発した阪神・伊藤将司投手(27)は7回1/3を7安打2失点(自責1)で降板した。序盤から中盤にかけては安定感抜群の投球で凡打の山を築いた。1-0の六回に2死から小園に安打と盗塁、菊池に中前に運ばれて同点。それでも直後に味方が勝ち越すと、七回は三者凡退に斬った。しかし、八回。先頭の中村奨に三遊間最深部に転がされると、これを小幡が悪送球(記録は安打と失策)。無死二塁のピンチで末包に中前打。代打・会沢に中前打を浴び、1点を失い4-2とされると、小園は犠打で1死二、三塁。右打者・菊池を迎えたところで交代が告げられた。伊藤将の後を受けた加治屋は1死二、三塁のピンチで菊池を1球で二飛に料理。ここで岡田監督が動く。3番・秋山に左腕・島本を投入。執念の起用に島本が遊飛で応え、阪神がリードを守った。
◆阪神が首位攻防戦を勝ち越し。1-1の六回1死で、森下翔太外野手(22)が3号2ランを放ち、試合を決めた。三回には6月25日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン出場だった小幡がチーム初安打の右前打を放って先制のホームへ。2000年生まれの同世代コンビが躍動した。 先発した伊藤将司投手(27)は7回1/3を7安打2失点(自責1)で今季5勝目(4敗)。安定感抜群の投球で凡打の山を築いた。4-2の八回1死二、三塁のピンチでバトンを受けた加治屋は菊池を二飛、そして島本が秋山を遊飛と、ワンポイント継投でしのいだ。 阪神は広島との首位攻防戦を2勝1分で勝ち越し、ゲーム差は1に拡大。夏の長期ロード前の一戦を勝利で締め、7月を終えた。
◆阪神が広島との首位攻防3連戦を2勝1分で制し、セ界トップの座を守った。同点の六回無死一塁、D1位・森下翔太外野手(22)=中大=の3号2ランで勝ち越し。さらに佐藤輝明内野手(24)の三塁打、シェルドン・ノイジー外野手(28)の適時内野安打で4点目を加えた。8回途中2失点(自責1)の伊藤将司投手(28)は5勝目(4敗)。広島に1差をつけたチームは8月1日から8カード23試合の夏の長期ロードに向かう。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=51勝37敗4分、観衆=4万2622人)。★テレビインタビュー編ーー今日も森下が目立った「同点に追いつかれた後なんでね、非常に大きいホームランですね、やっぱりね」ーー長期ロードに出る「最初、名古屋ですけど、久しぶりに涼しいところでできるんで、それが一番ですね」ーー8月はドームが多い「ずっとね、ここ3週間くらいかな? オールスター前からでしょ。ずっと外だったんでね、そういう意味で、ちょっとは選手が楽になるかな。練習を含めて」★囲み編ーー伊藤将は「久しぶりに良かったね、故障で明けた、4月ぐらい良かったんちゃう、今日は。故障明けよりもね、おーん」ーー八回も任せた「球数でな。ピッチングコーチと、伊藤と岩崎2人で今日は行けたらいいなとは言うてたんだけどな」ーー加治屋と島本は一人一殺(八回1死二、三塁で加治屋が菊池を二飛、2死となり島本が秋山を遊飛)「あそこも結局ね、あの4点目が大きかったんやな。3点差になったんでね。あの1点はホント大きいよ、2点差で行っとったらねぇ。一、二塁でちゃんとバント(無死一、二塁から小園が犠打)してきてくれたからね、良かったよな、おーん。俺やったら打たしとったけどな(笑い)。そらそうや。小園の方が怖かったね。打たれた方が怖かった」ーー加治屋は菊池の1人だけの予定「そうそう、1人。今日は(広島打線が)ジグザグやからな。昨日みたいに左ばっかりやなしに、右、左ジグザグだったから。もう一殺で。(秋山に)フォアボールでも、島本は行ってたよ。今日は。上本でも。松山を出したくなかったからね」ーー第1戦で岩崎を使わなかったことが効いている「そうやな。(1戦目の)最後、加治屋行ったからね。それも点差よ。点差があったからやね。この暑いのに3連投だけは、ささんとこうと思ってたから。1日空けられて、よかったよね」ーー7月は月間勝ち越し。近本の故障などがあったが、よくしのいだ「オールスター明け、だいぶいい感じになってきたよな。この外ばっかりのゲームでな。そらだいぶ違うと思うよ」ーー遊撃手に小幡を起用「今日は一日ベテラン休ますって言ったらベテラン違うかったんやな、あれ(笑い)。自分でも言ってたけど。『次の名古屋から頑張れ』と言うたけど」ーー大瀬良との相性も考慮して「相性とか、今年初対決やからわかれへん。別に去年のアレは、見てないよ。全然、見てない。そんなん見だしたら、出る選手、いてないようになる可能性あるやん。今年は今年や」ーー改めて、広島は「どうなんやろなあ。なあ、あんまりわからんかったなあ」ーー1点目の守備も前進したり、下げたり(三回1死二、三塁で中野の二ゴロでの先制場面)「おん。ようわからんかったな、だから。そういうことやん」ーー八回のリレーは相手が広島ということも「今日は岩貞を入れてなかったからな。岩貞やったら、そのまま行ってたかもわからんな」
◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は八回1死二、三塁での伊藤将司投手(28)から加治屋蓮投手(31)、2死後に島本浩也投手(30)への継投に触れ、期待に応えた2人と岡田彰布監督(65)の采配を絶賛した。一番大きな疑問は、なぜお立ち台に加治屋の姿がなかったのか? 島本も大仕事だが、加治屋も同じぐらいに価値がある。立たせてあげてほしかった。ワンポイント登板して抑えた2人がヒーローであり、起用した岡田監督の絶妙な采配が光った試合だ。八回1死二、三塁で菊池を迎えた場面。継投に注目していたが、加治屋を投入し、二飛に抑えると、続く秋山には島本を当てた。久しぶりに勝負どころのワンポイント継投を満喫させてもらった。岡田監督の采配は、試合前から始まっていたともいえる。岩貞をベンチ入りメンバーから外した。29日に打たれたこと、酷暑の中での疲れ。いろんな意味合いがあるだろう。この決断をできるのは救援陣の充実が他球団を圧倒しているから。勝利の方程式が確立しているチームはあっても、その中の1人を外しても力が落ちない球団は、そうはない。勝ち進む上での大きなアドバンテージだ。伊藤将も安定感は抜群だ。先発陣は力を持ったメンバーがそろっているが「味方が点を取ってくれるまで踏ん張れる」という点ではピカイチ。160キロを投げ込まないし、魔球のような変化球も投げないが、抜群の制球で絶対に崩れない。玄人好みする投手なのだ。伊藤将、加治屋、島本、そして岩崎。阪神の強さを見せつけた継投だった。
◆観客席を埋め尽くす虎党からの大歓声を浴び、白い歯がこぼれた。阪神・伊藤将が「土用の丑の日」に力投を演じ、鰻の代わりに鯉を料理してペロリと平らげた。「全体的によかった。しっかりインサイドにストレートを投げられたことがでかかった」4―1の八回に最大のピンチを迎えた。2本の安打と失策が絡んで無死一、三塁とされ、代打・会沢に直球を中前へ運ばれて2点差に。続く小園に犠打で二、三塁と進塁を許したところで交代が告げられた。「自分が作ったピンチの場面で(中継ぎ陣をマウンドに)いかせてしまったので、そこは課題」それでも後を継いだリリーフ陣による火消しに助けられて、伊藤将は7回?、7安打2失点(自責1)で5勝目をゲット。2点こそ献上したが、「強さがあった」という直球がコースに決まり、二回2死で迎えた中村奨から4者連続三振をマークするなど持ち味を発揮した。岡田監督も「久しぶりに良かったね。故障で明けた、4月ぐらい良かったんちゃう」と賛辞を贈った。今季初対戦の難敵・広島から白星をマーク。昨季、4試合の登板で0勝1敗、防御率8・66と辛酸を舐めさせられた相手にリベンジに成功した。ルーキーイヤーのの2021年10月24日(マツダ)以来、実に644日ぶりに手にした鯉戦での勝利の喜びに浸りながら「去年は勝てなかったので。初めてのカープ戦で(勝利できて後半戦で)良いスタートが切れたんじゃないかな」と充実感をにじませた。7月ラストの試合で勝利に貢献した伊藤将は「夏場は全体的に疲れてくると思うので、なんとか粘ってチームに貢献できたら」と力を込めた。過酷な長期ロードも、このタフな男の投球が頼りになる。(織原祥平)
◆阪神・小幡は「8番・遊撃」で6月25日のDeNA戦(横浜)以来、25試合ぶりに先発出場。三回先頭の第1打席はチーム初安打となる右前打で先制点を演出し「最初の打席はすごく意識していた。点につながってよかった」とうなずいた。ただ、守備では八回先頭の中村奨の打球に追いつきながらも悪送球。「(伊藤)将司さんの完投チャンスをつぶしてしまった」と反省も忘れなかった。
◆阪神・佐藤輝は第1打席、第2打席で捉えた打球を放つも中堅・秋山の好守に阻まれた。思わず「(秋山は)えぐいっす。やばすぎでしょ」と舌を巻いた。それでも、六回2死から左翼フェンス直撃の三塁打を放ち、ノイジーの内野安打で貴重な4点目のホームを踏んだ。7月は月間打率・191、3本塁打、9打点。「(7月は)全然ダメだった。ここから、終盤になるにつれて大事になってくるので頑張ります」と逆襲を誓った。
◆「6番・左翼」で出場した阪神・ノイジーが、六回に遊撃への適時内野安打。「打点につながって、チームに点が取れてよかった」とうなずき、3試合ぶりのスタメン起用に応えた。岡田監督も「とにかく(投手の)足元、センターに打て、と言っていたのがね。ラッキーだったけど本当に大きな1点だったですね」と貴重な追加点を生んだ助っ人の一打を評価した。
◆阪神・岡田監督が執念のタクトで強力投手陣を操り、カープ打線の反撃をはね返した。首位攻防戦は第3Rも接戦となったが、加治屋、島本の〝一人一殺〟の継投策がズバズバッとはまって虎が首位堅守を果たした。「そんなに球数多くなかったんでね。まあ、いま調子いいピッチャーというかね、あの2人もね、きょうも選択したんですけどね」粘投していた伊藤将が1点を失った直後、4-2の八回1死二、三塁で加治屋にスイッチ。「僕が何回か(伊藤)将司の勝ちを消してしまったので、より強い気持ちを持って上がった」という右腕は、1球で初球141キロカットボールで菊池を二飛に打ち取った。そして、続く秋山に対し将は島本をぶつける。6球目のスライダーで遊飛に片付けた左腕は「最後の球は少し甘かったけど、抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。指揮官はこの試合、岩貞に休養を与えベンチから外す決断を下していた。加治屋、島本はこの6連戦で5試合目の登板だったが見事起用に応えチームを救った。岡田監督は「この暑いのに(各投手に)3連投だけは、ささんとこうと思ってたから。1日開けれたからね。よかったよね」と、支え合うブルペン陣の働きにうなずいた。(新里公章)
◆阪神・岩崎が今季17セーブ目。上本を見逃し三振、坂倉を左飛、最後は堂林を136キロチェンジアップで空振り三振に仕留めた。圧巻の投球で最後を締めた守護神は「本当に苦しいところで(伊藤)将司も投げて、カジ(加治屋)とシマ(島本)がよく粘ってくれた。素晴らしいピッチングでした!」とリレーをつないでくれた仲間をねぎらった。
◆帰ってきた〝ウル虎マン〟が真夏の甲子園を熱くした。快音は止まることなく、連日連夜、響き渡る。右肋骨(ろっこつ)骨折の影響をみじんも感じさせず、阪神・近本が躍動した。「イメージした打球が打てているかな。そんな感じです」まずは三回1死二塁の好機。大瀬良の147キロ直球にバットを合わせた。中前に運ぶ一打で好機拡大。リーグトップを走る今季15個目の盗塁も決め、先制点をお膳立てした。六回先頭の第3打席はスライダーを引っ張って右前打。森下のV弾で勝ち越しのホームを踏んだ。復帰後初ヒットをマークした25日の巨人戦(甲子園)から、近未来的なデザインがあしらわれたサードユニホームを身にまとって6試合連続安打&4試合連続マルチ安打。「ウル虎の夏2023」の6連戦は、まさに〝ウルトラ〟級の活躍だった。
◆阪神が広島に4-2で勝利し、首位攻防3連戦を2勝1分けの無敗で制した。同点の六回1死一塁で森下翔太外野手(22)が3号2ラン。7月だけでプロ1号の1-0決勝弾、バウアー撃ちの同点弾、またV弾と勝負強さが止まらない! 広島を振り払い1ゲーム差とした虎は、勢いをつけ8月1日から8カード23試合の夏の長期ロードに挑む。甲子園の浜風に乗った打球が左翼スタンドに弾むのを確認し、森下は人さし指を高々と掲げる。背番号1が28日に続く決勝打となる3号2ラン。ゆっくりとダイヤモンドを一周すると、大きく咆哮(ほうこう)した。「昨日の試合で全然打てなかった。それが悔しかったので、相手の投手をしっかり研究した中で今日は風に乗ってくれたので良かった。ウル虎の夏、最高です!」4時間56分に渡る熱戦の末、2-2ドローに終わった29日の広島戦では6打数ノーヒット。延長十一回に放った大きな飛球も左翼手のグラブに収まって連続試合安打を7で止められ「結果が出なかった」と唇をかんだ。だが、この男が非凡なのは悔しさを短期間で、最高の形で晴らせるところだ。第1打席こそ初対戦の大瀬良に手も出せず三振に倒れたが「開く傾向にあったので、左目だけでボールを見るような感覚で」とゲームの中で修正。第2打席の三直で兆しを見せると、1―1と同点に追いつかれた六回1死一塁の第3打席だった。初球の直球を振り抜き、前夜の弾道を〝上書き〟するような修正弾を放ってみせた。
◆土用の丑だからいって、あっちでもこっちでも、鰻を売り過ぎでしょう?! 百貨店の地下食品街では、漬物店で鰻を勧めてきた。と文句言いながらも虎ソナは大好物なのでうな重を食べた。夏バテ阻止が大事です!「ボクは29日が28歳の誕生日だったので、一足早く、とある人と一緒に、鰻の白焼きを食べてお祝いしました。北條史也さんが1学年上、石井大智クンが2学年下の7月29日生まれです」トラ番・織原祥平が〝鰻とバースデー〟のプチ情報をぶち込んできた。読者の興味を引くネタかは微妙だが。誰と食べたんだろうか? それより、プライベートは詮索しないでおく。トラ番の最前線で取材していた頃、「いよいよだなぁ」と感じるタイミングが2つあった。1つ目は開幕前。シーズンを迎える胸の高鳴りは、イチ担当記者でも強く感じたものだった。期待しかなかった。もう1つが、夏のこの時期。高校野球に甲子園を明け渡す。次に、この舞台で試合をするのは、約1カ月先。その頃、われらがタイガースはどうなっているんだろうか? こちらは、不安しかなかった。たとえば、1998年。8月3日に出発して、横浜、神宮、ナゴヤ(現バンテリン)ドーム、東京ドーム、倉敷マスカット、旧広島市民...。5カード連続のビジター。しかも、昔は「死のロード」と呼ばれるほどによく負けた。本拠地を離れたトラは、キバをもがれたように弱くなり、黒星を重ねる。前述の98年は、4カード連続3連敗の12連敗を喫している。
◆本日世間は『土用の丑の日』でウナギを食した方も多かったでしょうが、全国の虎党は『日曜の虎の日』で鯉(カープ)をペロリとおいしくいただきましたァ!!広島との首位攻防戦は終わってみれば2勝1分け。岡田阪神、横綱相撲お見事!!本日の虎の勝因は先発・伊藤将だけど、森下、加治屋、島本の『一殺トリオ』もしびれたね~!!同点の六回1死一塁から2ランで広島・大瀬良を一殺! 八回1死二、三塁のピンチでマウンドに上がり、くせ者菊池を1球で二飛に仕留めた加治屋の一殺! さらに続くピンチで秋山を遊飛に打ち取る島本の一殺! やれることを精いっぱいやる!! その先にアレ(優勝)があると感じた試合だったのだ。それにしても、岡田さんの中に共存している『大胆と繊細』は実に面白れ~!!前日、九回無死一塁で近本にバントをさせず...本日も同点の六回無死一塁で中野に送らせず三振(でも次のルーキー森下が2ランだから強運なのは間違いない)。その大胆さの一方、八回のピンチでは一人一殺で右と左の投手を起用する繊細さ...岡田野球は、いや人間岡田彰布は魅力あるでェ!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
51 | 37 | 4 | 0.580 (↑0.005) | - (-) |
51 | 342 (+4) | 284 (+2) | 46 (+1) | 46 (+1) |
0.239 (-) | 2.790 (↑0.02) |
2 (-) |
広島 |
52 | 40 | 1 | 0.565 (↓0.006) | 1 (↓1) |
50 | 322 (+2) | 305 (+4) | 56 (-) | 52 (+1) |
0.248 (-) | 2.970 (↓0.01) |
3 (-) |
DeNA |
46 | 43 | 2 | 0.517 (↓0.006) | 5.5 (↓1) |
52 | 330 (+4) | 321 (+7) | 62 (+1) | 20 (-) |
0.247 (↓0.001) | 3.240 (↓0.04) |
4 (-) |
巨人 |
46 | 44 | 1 | 0.511 (↑0.005) | 6 (-) |
52 | 344 (+4) | 341 (-) | 105 (-) | 31 (-) |
0.253 (-) | 3.630 (↑0.04) |
5 (-) |
ヤクルト |
38 | 51 | 2 | 0.427 (↑0.007) | 13.5 (-) |
52 | 329 (+7) | 355 (+4) | 79 (+1) | 50 (+1) |
0.237 (↑0.001) | 3.630 (↑0.03) |
6 (-) |
中日 |
35 | 55 | 2 | 0.389 (↓0.004) | 17 (↓1) |
51 | 267 (-) | 313 (+4) | 41 (-) | 26 (-) |
0.243 (-) | 3.060 (↓0.02) |
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