阪神(★6対9☆)巨人 =リーグ戦14回戦(2023.07.27)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:戸郷 翔征(9勝2敗0S)
(セーブ:中川 皓太(1勝1敗2S))
敗戦投手:才木 浩人(5勝5敗0S)

本塁打
【巨人】梶谷 隆幸(2号・5回表ソロ)
【阪神】大山 悠輔(12号・4回裏ソロ),佐藤 輝明(11号・8回裏ソロ)

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◆巨人は3回表、秋広の2点適時打で先制する。その後同点となって迎えた5回には、梶谷のソロで勝ち越しに成功。さらに中田翔の適時打などでこの回一挙6点を加え、試合を優位に進めた。投げては、先発・戸郷が今季9勝目。敗れた阪神は、先発・才木が7失点と振るわなかった。

◆巨人戸郷翔征が球宴後初登板。過去2年、戸郷の球宴までの前半戦と後半戦の成績を出すと、21年は前半戦8勝4敗→後半戦1勝4敗、22年が前半戦9勝4敗→後半戦3勝4敗。前半戦は21年がリーグ2位の8勝、22年もリーグ2位の9勝を挙げながら、後半戦は2年連続負け越しで最多勝争いから脱落。今季も前半戦はリーグトップタイの8勝と好調だった戸郷が、苦手の後半戦を白星スタートできるか。

◆阪神近本光司外野手(28)が、高校野球兵庫県大会を制し、3季連続の甲子園出場を決めた母校・社の後輩たちを祝福した。この日の巨人戦のベンチ入り前に取材に応じ「おめでたいです」とコメント。9回サヨナラ勝利を決めた劇的な展開は映像でチェックしていたようで、同じ兵庫の公立校、須磨翔風出身の才木と「すごいなあと言ってました」。虎の本拠地甲子園で戦う選手たちへは「しっかり社らしい野球をするだけだと思う。結果は後からついてくるものなんで、しっかり思い切ってやってほしいと思います」とエールを送った。

◆NMB48の川上千尋(24)が始球式を務めた。「ウル虎の夏2023」仕様のユニホームに黒の短パン姿で登場。大きくお辞儀してから臨み、捕手梅野にノーバウンド投球を決めてみせた。スタンドからは「頑張れ!」の声も飛んでいた。「けっこう何回か立たせていただいているんですけど、4万人の中で立つのは全然違う感覚で、すごい緊張しました」と始球式直後も体は震えていた。「前回1軍で投げさせてもらった時も左バッターの後ろにそれるボールを投げて、『今回こそストライクを』と思っていたけど、同じ投球をしてしまいました(笑い)。でも、すごい甲子園のマウンドに立てるだけですごいことなので、また夢がかなったなという気持ちです」と笑顔だった。川上は大の虎党としてしられ、試合前には自身のSNSで「大事な3連戦の最後をバシッと決められるように全力で楽しみます!! 皆さんのパワー たっっくさんください」と虎の絵文字を添え、意気込んでいた。今試合は上新電機株式会社協賛「Joshinプレゼントナイター」として開催され、同社のCMキャラクターを務める縁で川上が始球式に登場した。

◆NMB48の川上千尋(24)が始球式を務めた。「ウル虎の夏2023」仕様のユニホームに黒の短パン姿で登場。大きくお辞儀してから臨んだ。巨人吉川の背中へそれるも、捕手梅野のミットにノーバウンド投球を決めてみせた。大の虎党として知られる川上は、グラブにも阪神愛を込めていた。イエローとグレーを基調としたグラブに、黄色で「A.R.E.」と刺しゅうを施したオーダーグラブを用意。「期待をグローブにも込めていまして『A.R.E.』と。今日のためにオーダーしたグローブで挑ませていただきました」と笑顔で、こだわりを明かした。

◆NMB48の川上千尋(24)が始球式を務めた。「ウル虎の夏2023」仕様のユニホームに黒の短パン姿で登場。大きくお辞儀してから臨んだ。巨人吉川の背中へそれるも、捕手梅野のミットにノーバウンド投球を決めてみせた。大の虎党として知られる川上。投球後の取材で岡田監督の印象を問われると「監督に就任される前はすごい、威厳のあるというか、かたい方なのかなと思いましたけど、試合中の表情を見てるとすごく笑顔が多かったりとか、喜怒哀楽を出す監督だなというイメージに変わって、『一番の阪神ファンの監督』だなって思います」とコメント。自身の始球式については「甲子園のマウンドに立てるだけですごいことなので、また夢がかなったなという気持ちです」と感謝した。

◆「ウル虎の夏2023」のイベント企画として、お笑いコンビ・ニッポンの社長の辻(36)とケツ(33)が来場した。スタメン呼び込みなどを行い、試合前から球場を盛り上げた。呼び込みの際には「プチ情報として悪くないかなと思いました」と、選手の出身チームもアレンジで紹介した。昨年に続き、2年連続の来場。辻は首位を走るチームの熱気を「今年は首位ということで一層、去年よりファンの方の熱気、倍以上あるなという。プレッシャーも感じましたね」と振り返った。プレッシャーの理由を具体的に問われると「コロコロチキペッパーズのナダルが一昨年ぐらいに、なんか結構大差で負けて、ナダルがなぜか炎上したと聞いたんで(笑い)」と、明かした。この日で3日目を迎えた同イベント。28日はさや香。29日はコロコロチキチキペッパーズ。30日は空気階段が出演予定となっている。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が21試合ぶりの適時打で、巨人戸郷から反撃の一打を放った。2点ビハインドの3回2死三塁。1ボール1ストライクからの148キロ直球を左中間に運び、適時二塁打を決めた。今季0勝2敗と苦戦している戸郷に対して、まずは1点を返した。

◆/夕闇に消える放物線\高々と上がった打球はそのままスタンドへ大山悠輔、確信の一発は同点弾???#プロ野球(2023/7/27)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/0HcN7saqGD

◆阪神大山悠輔内野手(28)が同点弾となる12号ソロを放った。1点ビハインドの4回、先頭で巨人戸郷の初球146キロ直球を狙い打ち。高々と舞い上がった打球で飛距離121メートルの確信弾を決めた。「才木が頑張ってくれているので、なんとか援護したい気持ちでした。甘い球をしっかり1球でしとめることができたと思います」試合前まで戸郷との今季対戦成績は8打数1安打。苦手としていた右腕を攻略し、試合を振り出しに戻した。

◆阪神才木浩人投手(24)が巨人打線に一気にのみ込まれ、5回途中を自己ワーストの7失点(自責3)でKOされた。4回に大山が一時同点弾となる12号ソロを放った直後の5回1死、梶谷の右翼越えソロで勝ち越しを許した。さらに2死走者なしから岡本和の遊撃後方へフラフラと上がった飛球を木浪が落球(記録は失策)。大城に四球を与えて2死一、二塁とされると、中田には中前適時打を浴びた。なおも2死一、二塁、今度は長野に右中間2点二塁打を献上。たまらず岡田監督から降板を告げられた。2番手の馬場も2点二塁打を浴び、才木の失点は7に。自己ワーストを甲子園で更新してしまった。

◆巨人戸郷翔征投手(23)がプロ初のマルチ安打をマークした。3回先頭では阪神才木の148キロ直球を捉え、中前打で出塁。好機を演出し、秋広の先制のホームを踏んだ。さらに5回2死一、二塁では阪神馬場の外角148キロ直球に逆らわずバットを出した。打球はゴロで一、二塁間を抜けた。満塁にチャンスを拡大させ、一塁ベース上で笑顔で右手を上げた。追加点に貢献。バットで自らを援護する「ジエンゴ」に成功した。

◆/浜風を切り裂く一発\弾丸ライナーでポール際へ??梶谷隆幸の2号勝ち越し弾?#プロ野球(2023/7/27)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #giants pic.twitter.com/xqygGL6bZy

◆巨人梶谷隆幸外野手(34)が2号勝ち越しソロを放った。5回1死、阪神才木の136キロ真ん中フォークを引っ張りこんだ。打球は弾丸ライナーで右翼ポール際に飛び込んだ。6月2日日本ハム戦以来の1発。同点に追いつかれた直後に勝ち越し点をもたらした。梶谷は「うまく反応できたので、思い切っていきました。勝ち越すことができてよかったです」と喜んだ。

◆阪神は、巨人14回戦の観客4万2631人動員で、今季の主催公式戦入場者数が200万人を突破したことを発表した。総動員数は201万364人で、甲子園は187万1979人、地方球場は13万8385人。49試合(甲子園45試合、地方4試合)での到達となった。過去最速は04年7月1日の39試合での200万2000人。実数発表後の最速は07年7月31日に46試合で202万9265人を動員している。

◆/ウル虎の夏はまだまだわからない\佐藤輝明が豪快に振り抜いた一発??反撃の11号ソロは大山とのアベック弾?#プロ野球(2023/7/27)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/3j76jU4SZF

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、11号ソロアーチをかっ飛ばした。4点差の8回先頭、巨人2番手ビーディから中堅左への一撃。内角寄りの148キロを仕留め、センター方向へはじき返す、らしさあふれる一振りだった。「まだまだ諦めていないですし、この後も逆転目指してチーム全員で頑張ります!」とコメントした。後半戦初、7月は2本目の本塁打。これで今季最長タイとなる6試合連続安打とした。後半戦が開幕して5試合目。5番が調子を取り戻してきた。

◆巨人が甲子園での連敗を6で止めた。前夜は94年以来29年ぶりとなるシーズン中の甲子園6連敗を味わったが、7連敗は阻止。借金を1に減らした。同点に追いつかれた直後の5回に打者一巡6得点で主導権をつかんだ。梶谷の2号ソロで勝ち越すと、2死から岡本和の飛球を遊撃木浪が落球した。相手のミスに一気にたたみかけた。大城卓が四球を選び、中田翔が中前適時打でつないだ。2死一、二塁から長野が右中間に2点適時二塁打、門脇が四球を選び、戸郷も右前打で続いた。2死満塁から吉川が2点中前適時打を放ち、打者11人の猛攻でビッグイニングを作った。3点差に詰め寄られた8回は2死三塁から岡本和が左越えの適時二塁打で再び突き放した。打線が奮起し、甲子園での負の連鎖を食い止めた。投げては先発戸郷が7回9安打5失点。6月14日西武戦以来の白星でハーラートップタイの9勝目をマークした。8回はビーディが佐藤輝にソロを浴びて詰め寄られたが、追加点は許さなかった。9回は中川がリードを守り切った。

◆ベテランの巨人長野久義外野手が連夜、甲子園で存在感を放った。2点勝ち越した5回、なおも2死一、二塁で、右中間への2点適時二塁打で畳みかけた。7回にも右前打を放ち1四球含む3出塁。前夜も一時勝ち越しの2点適時打を放っており、原監督は「若返ったね」と称賛した。今季、甲子園では打率3割8分5厘、7打点、出塁率4割2分9厘を誇る長野は「みんながつないでくれたチャンス。かえすことができてよかった」と汗を拭った。

◆阪神森下翔太外野手が自己最長の6試合連続安打を放った。7回2死二、三塁で巨人戸郷の速球を左前に運んで2人をかえした。「1本出たのでよかったかなと思います。打点ていうところでは少しこだわっているので、あそこでしっかり取れたのは次につながるかなと思います」。28日からの広島との首位攻防3連戦に向け「今日はジャイアンツに負けましたけど、勝ち越せたので、また広島戦も勝ち越せるようにしたいなと思います」と前を向いた。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)は諦めていなかった。中堅左への放物線に思いを込めた。スタンドインに甲子園が沸く。8回裏先頭の11号ソロは、チームを勇気づける1発だった。「まだまだ諦めていないです」。試合中、球団広報を通じて発信した。熱い思いが心にあった。7回に3点を挙げ3点差としたが、直後の8回表に1点を失い、4点差に広がっていた。何度でも食い下がればいい。そんなメッセージを快音に乗せた。捉えたのは右腕ビーディの148キロ。内角寄りの速球を、センター左方向へはじき返した。5試合ぶりの本塁打は7月2本目。今季最長タイとなる6試合連続安打、4試合連続打点と勝負強さもある。「1年目でそれを打てるのは、エグいわ」。プロ1年目の球宴で、憧れのソフトバンク柳田に言われた。楽天生命パーク(当時)でフリー打撃を観察し合った後、左中間への打球を「鷹の超人」から褒められた。左中間方向へグングン伸びる打球は持ち味でもあり、好調時の証明でもある。岡田監督も「ずっと調子上がってる言うてるやんか」と認めた。直近6試合は打率3割3分3厘、2本塁打、7打点。首位を奪われた広島との28日からの3連戦に向け、佐藤輝は「10連勝ですか? 勝つしかないんで、チームとして頑張っていきたい。ホームランは流れを変えると思うので」。前を向いてコイとの戦いに臨む。【中野椋】

◆焦る必要ないやんか! 阪神がついに首位から陥落した。巨人との「伝統の一戦」は先発の才木浩人投手(24)が5回途中を自己ワーストの7失点と大炎上。同点の5回、痛恨の落球失策も絡んでの一挙6失点が響き、44年ぶりの甲子園巨人戦7連勝を逃した。6月26日以来、31日ぶりに2位に転落した虎。それでも岡田彰布監督(65)は「普通にやるだけやんか。まだ7月やで」と泰然自若を貫き、28日から10連勝中の首位新井カープとの甲子園3連戦に臨む。痛恨の落球となった。梶谷の2号ソロで1点を勝ち越された5回2死、岡本和が高々と打ち上げた飛球を落下地点に入っていた遊撃手木浪が落球。浜風に流された白球は芝生の上にポトリと落ちた。動揺したのだろうか。先発才木は続く大城卓を歩かせると中田、長野に連続適時打を浴びKOされた。2番手馬場も流れを止められず、この回2死から5点を失った。1つの失策が試合の流れを大きく変えてしまった。6回にも森下が今季53個目の失策を喫し、チーム失策数は最下位中日の55個に次いでワースト2位だ。岡田監督は「まあ、助けられることもあるからな」と木浪のプレーを責めなかった。一方で「そういう時はピッチャーが頑張ったらええだけの話やんか」とも言った。「昨日、おとといのゲーム見とってな。先発が6回くらいまでしのいだらっていうのを見てるはずやからな。戸郷で6点(差)はきついで」。4回に大山のソロで追いついてもらった直後、先発才木が踏ん張れなかった面を嘆いた。甲子園での巨人戦連勝は6でストップ。とはいえ、4万2631人と超満員の「伝統の一戦」で最後まで食らいついたのも事実だ。巨人先発戸郷には今季4戦で負けなしの3勝目を献上したが、打線は今季戸郷から最多の9安打5得点を奪った。8回には2番手ビーディーから佐藤輝が5戦ぶりの11号ソロ。指揮官の言う通り、この3連戦は6回以降に3点、5点、4点と終盤に反発力を見せている。6月26日以来の首位陥落。28日からは10連勝と絶好調の1位広島と首位攻防3連戦を迎える。それでも百戦錬磨の指揮官は冷静だ。「普通にやるだけやんか。まだ順位なんか。何試合あるの。まだ7月やで。広島が勝ってるか負けてるかも知らんわ」。すぐに自力で奪い返す舞台となる甲子園のチケットは3戦とも完売している。ウル虎ユニホームで、再び首位を奪い返す。【石橋隆雄】▽阪神木浪(5回の落球に)「あれは反省しないといけない。しっかり練習します」

◆阪神大山悠輔内野手が一時同点弾となる12号ソロを放った。1点ビハインドの4回、先頭で巨人戸郷の初球146キロ直球をガツンと狙い打ち。高々と舞い上がった打球で飛距離121メートルの確信弾を決め、満員のファンを沸かせた。「甘い球をしっかり1球で仕留めることができた」と納得顔だった。試合前まで戸郷との今季対戦成績は8打数1安打、チームも0勝2敗。今カード2本目となるアーチで、苦手としていた右腕を攻略した。「才木が頑張ってくれているので、なんとか援護したい気持ちでした」。懸命に腕を振る同期入団右腕をバットで鼓舞した。これで甲子園での本塁打は今季7本目。「負けてしまったので、なんとか勝ちにつなげられるようにというか...。最終的にチームが勝つように、勢いをつけられるようにこれからもしていきたい」。本拠地に強い男が勝利のため、仕事を全うし続ける。

◆阪神才木浩人投手が自己ワーストの7失点(自責点3)で5敗目を喫した。3回1死二、三塁から3番秋広の中前適時打で先制の2点を献上。その後、味方が追いついてもらったが、直後に5失点。105球で7安打を浴び、5回途中で降板した。「真っすぐは別に悪くないと思った。後で自分の投球を見返します。点を取ってもらった後に取られたのがもったいなかった」と、悔やんだ。

◆阪神大山悠輔内野手と佐藤輝明外野手がそろって本塁打を放ったのは9度目。これらの試合でのチーム成績は通算6勝3敗。21年6月12日楽天戦から今季5月5日広島戦まで5連勝していたが、前回の5月19日広島戦に続いての黒星で初の"連敗"となった。

◆巨人戸郷翔征投手が完全アウェーの甲子園で、苦しみながら通算40勝に到達した。120球の粘投で7回9安打5失点。高卒5年目以内では、17年大谷(日本ハム)以来、球団では89年桑田以来の通算40勝となった。ピンチでは4万人を超える大観衆に「あの声援がだいぶ力になったりもする。ファンの声援が戻ってきてから気持ちいい。どでかい声量、好きですね。甲子園はいい」と敵軍応援歌さえも活力にする。母校の聖心ウルスラ学園(宮崎)の後輩の分まで味わった。登板2日前の25日に、戸郷が2年夏に出場した17年以来6年ぶりの甲子園に王手をかけながら、延長タイブレークで惜敗。「(後輩が)踏めなかったマウンドを踏めた。次はもっと勇気を与えられるような投球をできれば」。7回に中野、森下に適時打を浴び今季ワーストタイ5失点も、バットでプロ初のマルチ安打をマーク。打たれた分、打ち返した。自身4試合ぶりの白星でリーグ最多タイ9勝目を挙げ、チームの甲子園での連敗を6で食い止めた。「7回ちょっとへばってたんで、またトレーニングし直して頑張りたい。200勝を目指して、先輩たちに1歩でも近づけるようにしたい」と、反省とともに大記録を見据えた。【小早川宗一郎】▽巨人原監督(阪神守備陣の失策を突き、甲子園での連敗を6でストップ)「今日は勝たせてもらったようなもの。がっぷり四つに組んで、勝てるようにしたいですね」戸郷が今季9勝目。プロ1年目からの勝利数が1→9→9→12→9となり、通算40勝に到達。高卒5年目以内に40勝到達は17年大谷(日本ハム)以来で、巨人では4年目の89年に記録した桑田以来になる。ドラフト制後に巨人へ入団した高卒投手としては3年目の68年に到達の堀内、桑田に次ぎ3人目で、6年目の槙原や7年目の斎藤雅より早く40勝を記録した。

◆阪神近本光司外野手が戦列復帰後初のマルチ安打をマークした。2日巨人戦の死球で右肋骨(ろっこつ)を骨折し、22日ヤクルト戦から1軍戦へ。初回に巨人戸郷の149キロ速球を捉えて三遊間を破り、7回は右前打でこの回3得点に貢献した。「ミスから点を取られていたんで、このままというよりかは、とみんな思ってたんじゃないですか」。28日からは広島との3連戦。「カープであろうがどこであろうが、勝たないといけない」と次戦を見据えた。

◆阪神・村上頌樹投手(25)が先発予定の28日の広島戦(甲子園)に向けてキャッチボールやダッシュなどで調整した。「もう1回リセットして、開幕した時のような感じで、またイチからしっかりやっていければなと思います。(首位攻防戦にも)そんな風に思わず、気負わず、自分のピッチングができるように、どんどん攻めていければなと思います」。前半戦では4月22日の中日戦(バンテリンD)でプロ初勝利を挙げるなど、13試合に登板して6勝5敗、防御率1・97と大ブレーク。「マイナビオールスターゲーム2023」では初めてノミネート外からファン投票で選出された。広島戦での登板は7月6日(マツダ)以来、今季2度目。前回登板は7回3失点で黒星を喫した。「1発もあるんですけど、それよりは繋がれるイメージが強いので、 そこはしっかり止められるように。左バッターはほとんど警戒してやっていこうかなと思っています」。自身まだ勝ち星のない広島からの勝利を目指し、夏のロード前の最後の甲子園3連戦の初戦で勢いをつける。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発する。今季ここまでは13試合に登板して5勝4敗、防御率2・01。巨人との対戦は今季3度目で、「クリーンアップとか、秋広くんとかに走者がいる場面で回さないようにとかできたらいいかなと思う。とりあえずいつも通り、自分がその日にできる投球をしっかりやるというのと、攻めの気持ちでいけたら」と自らのスタイルを貫いて激突する。打線での注目は「5番・三塁」の佐藤輝明内野手(24)。26日には七回の同点打を含めて2試合連続となる複数安打を放ち、5試合連続安打&3試合連続打点と絶好調な主砲が、引き続き勝利に向けて牙をむく。勝てば1979年以来の甲子園での巨人戦7連勝となる。

◆阪神・才木浩人投手(24)が三回に先制の2点を許した。一、二回はゼロを刻んだが、三回は先頭の戸郷に148キロをとらえて二遊間を破られた。回の先頭に安打を浴びるのは3イニング連続とリズムに乗れず、続く吉川には四球を与え、梶谷の犠打で二、三塁。秋広には高めに浮いた149キロを中前にはじき返され、走者2人の生還を許した。今季、秋広にはここまで5打数2安打で、安打はともに本塁打と悔しい結果が続いており、「秋広くんとかに走者がいる場面で回さないようにとかできたら」と警戒していたなかでの悔しい結果となってしまった。

◆巨人・秋広優人内野手(20)が先制の2点打を放った。三回1死二、三塁。阪神先発・才木が投じた149キロの直球を捉え、中前にはじき返した。後半戦5試合中4試合で打点を記録。後半戦開幕前には「勝負打点とかを増やしていきたい」と意気込んでいた大砲が、勝負強さを発揮した。首位・阪神相手に2連敗中と嫌な空気が漂う中、赤丸急上昇中のスラッガーが一振りでチームを鼓舞した。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が「2番・二塁」で出場し、三回に1点差に迫る左中間への適時二塁打を放った。2点を先制された直後だった。まずは先頭の木浪が初球を捉えて左翼フェンス直撃の二塁打で出塁すると、続く才木はスリーバントを決めて1死三塁。続く近本は二飛に倒れたが中野が意地を見せた。1ボールからの2球目、巨人先発・戸郷の149キロの直球を逆方向にはじき返し、木浪をホームに迎え入れた。中野が打点を挙げるのは6月27日の中日戦(甲子園)以来、21試合ぶり。複数安打を放って今カード勝ち越しを決めた26日の同戦後には「こういう勝ち方が一番チームとして勢いに乗れる勝ち方だと思う。明日(27日)の試合が大事になってくると思うので、明日もしっかりと自分たちの野球をして、良い野球ができるように頑張っていきたい」と話していた男が、快音を響かせた。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が「4番・一塁」で出場し、四回に左翼へ同点12号ソロを放った。「打ったのはストレート。才木が頑張ってくれているので、なんとか援護したい気持ちでした。甘い球をしっかり1球で仕留めることができたと思います」.。0―2の三回に中野の適時二塁打で1点差に追り、次の攻撃で4番が仕事をした。回の先頭で打席に入り、戸郷が真ん中付近に投じた初球146㌔直球を一閃。打った瞬間という快音を響かせて描いた放物線はそのまま左翼席に突き刺さり、スタンドの虎党が大喝采をあげた。大山は今カード初戦の25日にも1点を追う六回に菅野から逆転2ランを放っており、2試合ぶりの一発となる今季12号。またしても好右腕から価値あるアーチを描いてみせた。

◆巨人・梶谷隆幸外野手(34)が勝ち越しの2号ソロを放った。「うまく反応できたので思い切っていった。勝ち越すことができてよかった」。2-2とされた直後の五回。阪神・才木が投じた2球目のスライダーを捉え、右翼ポール際まで運んだ。6月2日の日本ハム戦(東京ドーム)以来の一発で先発の戸郷を援護した。

◆巨人・長野久義外野手(38)が2試合連続の2点二塁打を放った。梶谷のソロ、中田翔の適時打で4-2とリードを広げた五回2死一、二塁。カウント0-2から才木の投じた146キロの直球を右中間にはじき返した。先発出場した26日に続く2試合連続の2点二塁打。ベテランの一振りもあり、この回で阪神先発・才木をKO。その後も2死満塁で吉川の5試合連続安打となる中前2点打など、打者一巡の猛攻で一挙6点を奪った。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、五回途中で7安打を浴び、自己ワーストとなる7失点(自責3)でKOされた。大山の12号ソロで2―2の同点に追いついた直後の五回だった。1死走者なしで梶谷に投じた2球目のスライダーは甘く入り、とらえられた打球はライナーで右翼ポール際に吸い込まれた。これには才木も膝に手をついて悔しがった。さらに、不運にも直面した。2死後、岡本和の遊撃後方への飛球を木浪が落球(記録は失策)。チェンジだったはずの展開が続く大城卓に四球を与えて一、二塁となり、中田翔の中前適時打で2点差。さらに長野には右翼・森下の頭上を越える2点二塁打を打たれ、ここで交代が告げられた。代わった馬場も流れを止められず、この回は打者11人攻撃で6点を奪われ、2―8とされた。才木は6月11日の日本ハム戦(エスコン)を最後に白星から遠ざかっており、これで登板5試合で勝ちなしとなった。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が七回に守備で魅せた。1死二塁で打席には、この試合で2打数2安打だった戸郷。桐敷のスライダーにバットを当てた打球は右翼方向にフラフラと打ち上がる飛球となった。この当たりに、二塁・中野は猛然と背走し、懸命に伸ばしたグラブにボールを収めた。すぐさま体を反転させて、二塁へ送球。フェアゾーンに落ちると判断してスタートしていた二走・重信は戻ることができず、併殺でピンチを断ち切った。2―8と大量ビハインドと苦しい状況の中で飛び出したビッグプレー。スタンドの虎党からは大きな「中野コール」が沸き起こった。

◆阪神は4万2631人を集めた巨人戦で、今季の公式戦入場者数200万人を達成したと発表した。内訳は甲子園45試合で187万1979人、地方開催(京セラ含む)4試合で13万8385人。5月27日には主催25試合で100万人を達成。過去の最速200万人到達は2004年7月1日の39試合。05年の実数発表後の最速は07年7月31日の46試合。昨年は56試合目(甲子園47、地方9)での到達だった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が「5番・三塁」で出場。5―9の八回に左中間ソロを放った。この回に代わった2番手・ビーディからの一発だった。とらえたのは内角にきた2球目の148㌔直球。高々と舞い上がった打球は風にも乗ってグングンと伸び、そのまま左中間席に消えていった。これで6試合連続安打&4試合連続打点となり、本塁打は17日の中日戦(甲子園)で涌井から放った3ラン以来、24打席ぶり。劣勢の中でみせた意地の11号だった。

◆信念を表すような打球だった。巨人・秋広優人内野手(20)が三回1死二、三塁で先制の2点中前打を放った。持ち前の柔らかなスイングで、才木の直球を中前に転がした。「高めのストレートにコンパクトに対応できました。早く先制したかったので打ててよかったです」相手バッテリーの攻めは5球中4球が高めの直球。身長202センチの左打者は、カウント1―2と追い込まれた状況で胸元に来た149キロを軽打するように、コンパクトに打ち返した。この試合を含め、最近7試合中6試合で打点を記録。味方が作った好機で決定打を放つクリーンアップの務めを堂々と果たしている。5月下旬から3番に定着した20歳が繰り返す言葉がある。「センター方向(中心の打撃)は絶対に変えないように意識しています」。この2点打が出た時点で、秋広が放った計73安打の打球方向の内訳は、左・21本、中・27本、右26本。基本に忠実なセンター返しの意識が、広角に打ち分ける安定した打撃を支える。「一打席、一打席必死です。いつ打てなくなるか分からないので、危機感を持ってやっています」という秋広。原点の意識がブレない限り、打撃が崩れることはなさそうだ。打線はこのあと、五回に6得点のビッグイニングなど 締めて計15安打9得点と打ちまくった。連敗を2で止め、甲子園での連敗も6でストップした。

◆阪神は大敗を喫し、連勝が「3」でストップ。甲子園での巨人戦連勝も「6」で止まった。 2点を先制された三回に中野の左中間二塁打、続く四回には大山が左翼ソロを放ち、同点に追いついた。しかし、五回に才木が梶谷に右翼ポール際への勝ち越しソロを浴びると、味方の失策をきっかけに崩れ、自責3ながら自己ワーストとなる7失点でこの回途中で降板。代わった馬場も流れを止められず、この回に6点差をつけられた。 七回には中野の右中間二塁打、森下の左前2点打で5―9と詰め寄るも、八回に島本、K・ケラーの継投で1点を失い、再び4点差。直後に佐藤輝に左中間ソロが飛び出し、さらにストレートの四球で1死一塁とさらなる追い上げへの期待感で球場のボルテージは上がったが、木浪が痛恨の二ゴロ併殺に倒れるなど、流れをつかみきることができなかった。阪神は首位から陥落し、28日から広島との3連戦に挑む。

◆巨人は戸郷が7回9安打5失点でリーグトップに並ぶ9勝目を挙げた。打線は三回に秋広の2点打で先制。2―2の五回に打者11人の猛攻で6点を奪った。阪神は才木が五回途中7失点と崩れた。連勝が3でストップ。2位に後退した。

◆阪神が6月27日から守り続けた首位の座を、10連勝を飾った広島に明け渡した。才木浩人投手(24)が五回、梶谷隆幸外野手(34)に勝ち越しソロを許すと、2死後の木浪聖也内野手(29)の飛球落球を機に一気に崩れ、馬場皐輔投手(28)も流れを止められず、一気に6点を失った。八回に佐藤輝明内野手(24)の11号ソロなどで3点差まで反撃したが、今季ワーストタイの1イニング6失点が響いた。28日から広島との首位攻防3連戦に向かう岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=49勝37敗3分、観衆=4万2631人)。ーー五回は追いついた後だけに「まあ、その通りや」ーー岡本和の飛球を木浪が落球したのが痛い「助けられることもあるわけやから。そういう時はピッチャーが頑張ったらエエだけの話やんか」ーーピッチャーに打たれて四球という最悪の展開「あの誰や、先頭か(三回中前打を放った戸郷)。考えられんよな。真っすぐばっかり行って」ーー才木の次回は「まだ終わったばっかりやから、そんなん分からん。昨日、一昨日ののゲーム見とって、先発ピッチャーが六回くらいまでしのいだらっていうのを見てるはずやからな」ーー終盤、打線は追い上げた「だから、それは言うてるやん。その通りやんか。そら戸郷で6点はきついで、はっきり言うて。だから昨日、一昨日のゲーム見とったら、先発ピッチャーの役割いうの分かるやんか。三者凡退なしやろ? もうフォアボール全部絡んでな。うん」ーー佐藤輝の打球が上がってきた「だからずっと調子上がってる言うてるやんか、別に」ーー28日からロード前最後の3連戦「どういう感じって、普通にやるだけやんか。ピッチャーはあないしてな、ある程度六回くらいまで頑張ったらエエいうことよ。見たら分かるやん。そういうことやん」ーー広島と順位が入れ替わった「まだ順位なんか。何試合あるの、まだ7月やで、今。大丈夫もクソもないわ。広島が勝ってるか負けてるかも知らんわ」

◆右太もも裏の肉離れで戦線離脱していた巨人・坂本勇人内野手(34)が、28日の中日戦(東京ドーム)で1軍合流することが決まった。原辰徳監督(65)が試合後に明かした。坂本は6月23日の広島戦(マツダ)で走塁中に負傷。7月25日のイースタン・リーグ西武戦(ジャイアンツ球場)にDHで実戦復帰した。この日は「3番・遊撃」として故障後初の守備に就き、2打席に立って適時打もマーク。「確認することはできたのでよかった」と話していた。8月上旬の1軍復帰を見込んでいたが、予想以上の回復ぶりでGOサインが出た。ファーム調整していた丸佳浩外野手(34)、左手首痛のルイス・ブリンソン外野手(29)も同時に1軍へ。代わって中島、岡田、ウォーカーが2軍に合流する。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は阪神・才木浩人投手(24)へ反省を求め、一流投手になるためには野手の失策後の投球が大事だと力説した。才木は球自体はそう悪くなかったのだが、反省すべき点が多すぎる投球内容だった。まず回の先頭打者を出しすぎ。一回から3イニング連続で安打を許した。しかも三回、戸郷に浴びた中前打は、2球連続して真っすぐを投げて打たれたもので、ちょっと考えにくい配球だった。バッテリーの問題でもある。この不用意な出塁を許したあと、四球を出して傷口を広げ、中前適時打で2失点してしまった。五回の梶谷の本塁打はフォークが高めに浮いてしまった。フォークという球種は、絶対に高めに投げてはいけない。細心の注意を払って投げたのだろうか。疑問が残った。直後に木浪の失策があった。一流の投手になっていくには、味方のミスが出た時こそ、ゼロに抑えなければいけない。痛かったのは続く大城を歩かせたこと。三回の失点同様、四球でピンチを大きくしてしまった。中田翔、長野ら右打者がセンターから右方向を意識していたは、試合全体を見て、感じ取ることができたはず。そういう意味では、攻め方にも反省点がある。ここでも細心の注意が必要だった。大量失点は絶対に避けて欲しかったのだが。この試合を振り返っても分かるように、阪神打線は非常に反発力が出てきている。最少失点で乗り切っていけば、逆転してもらえるのだ。繰り返すが、投げている球は悪くない。次回は野手にお返しする投球を期待したい。

◆巨人の梶谷が2―2の五回に2号ソロを放ち、この回6得点の起点になった。才木の変化球を捉えて低い弾道で右翼ポール際に突き刺し「強く振ることを考えて思い切りいった」とうなずいた。さらに失策に乗じて好機をつくり、中田翔、長野の連続適時打など打者一巡の猛攻で優位に立った。原監督は「今日はどちらかというと勝たせてもらった。がっぷり四つに組んで勝てるように戦っていきたい」と満足していなかった。

◆みすみす打たれ、相手に白星を手渡した。阪神・岡田監督が怒りの矛先を向けたのは、先発して4回?を7安打7失点(自責3)、4四球と背信投球をした才木と女房役の梅野だった。「あの誰や、先頭か。なあ、考えられんよな。真っすぐばっかりいって...」0-0の三回。先頭の投手の戸郷に1ストライクからの2球目、148キロ直球を簡単に中前にはじきかえされたシーンだ。1球目は146キロの外角高めの直球でストライク。2球目も同じ球種、高さだったことに首をかしげた。続く吉川を四球で歩かせ、バントで1死二、三塁とされて秋広に中前へ、先制の2点打を浴びた。「昨日、おとといのゲーム見とったら、先発ピッチャーの役割いうの分かるやんか、そら。まあな。三者凡退なしやろ? もうフォアボール全部絡んでな。うん」25日は西純、26日は大竹と、ともに勝利投手になれなかったが、試合をぶち壊しはしなかった。才木は大山の同点弾が飛び出した直後の五回1死から梶谷に勝ち越し弾を被弾。2死から木浪が飛球を落球(記録は失策)したとはいえ、四球をはさんで中田翔、長野に連続適時打を浴びたところで、指揮官も堪忍袋の緒が切れ交代を告げた。

◆阪神・中野が2本の適時二塁打で存在感を放った。「チャンスで打てるようにこだわった結果、いいタイムリーだったのでよかった」。戸郷を相手に三回は左中間へ、七回は右中間へ打ち分けて2打点。打点を挙げたのは6月27日の中日戦(甲子園)以来だった。守備でも七回、二塁後方の飛球を好捕し併殺に。「なんとか広島の勢いを止められるように、初戦を大事にやっていきたい」。後半戦は打率・429(21打数9安打)と好調の男が、首位攻防戦へ力を込めた。

◆虎の〝新3番〟が、世界を知る好投手、戸郷に食らいついた。阪神・森下が3番起用3試合目で初打点となる適時打。6試合連続安打で得点に絡んだ。「打点というところにはこだわっている部分もあるので、そこでしっかり取れたというのは次につながると思います」2―8の七回、中野の適時二塁打で1点を返し、なおも2死二、三塁で打席に立った。1ボールからの148キロ直球を、力負けすることなくはじき返す。しぶとく左前に落として2者が生還。3点差に詰め寄る意地の適時打だった。これで森下は、8日のヤクルト戦(甲子園)から13試合連続先発出場。初めて3番に据えた25日に岡田監督は「いいとこでヒットが出るので、得点に絡む機会が多い」と評価しており、この試合でもその真価を発揮した。「負けてしまったが勝ち越してはいるので、また広島戦もしっかり勝ち越せるようにやりたい」首位を譲った広島を甲子園に迎えての3連戦。鯉の先発予想は野村、森下、大瀬良と右投手が3人続くが、対右などもう関係ない。新3番を務める若虎のバットで首位を奪還する。(中屋友那)

◆阪神は巨人に6-9で敗れ、6月27日から守り続けた首位の座を10連勝を飾った広島に明け渡した。それでも八回に佐藤輝明内野手(24)が11号ソロを放ち、四回に12号ソロを放った大山悠輔内野手(28)とともにアベックアーチをマークした。28日からは広島を甲子園に迎えて首位攻防3連戦。上向きの主砲2人が引っ張り、すぐさま首位に返り咲く!!両軍合わせて25安打の乱打戦の末に敗れ、6月5日に最大9ゲーム差つけていた広島に首位をさらわれた。突きつけられた、31日ぶりの首位陥落という現実-。それでも虎が誇る〝OS砲〟のアベックアーチが再奪首への希望だ。いざ、甲子園首位決戦へ! 佐藤輝は前を向き、必ずや鯉を打ち負かすと誓った。「(カープは)10連勝っすか? 勝つしかないので。チームとして頑張ってやっていきたいと思います」試合後のクラブハウスまでの通路で、すぐさま気持ちを切り替えた。最後まで勝利を目指し、ファイティングポーズをとり続けた。5-9の八回先頭。代わったばかりのビーディに対し、1ストライクから2球続けられた直球を一閃。飛距離127メートルの中越え11号ソロで、虎党の大歓声を巻き起こした。「真っすぐを捉えることは基本なので。できてよかった」とうなずけば、岡田監督も「いやいや、だからずっと調子上がってるいうてるやんか」と評価した。6試合連続安打、4試合連続打点。なにより17日の中日戦(甲子園)以来5試合ぶりの一発をきっかけに、28日からの首位広島との3連戦へ臨む。

◆巨人には、ある種のきっかけになる白星だ。既に書いた通り、エモトは26日の試合前、原監督から「ウチにもきっと、いい巡りが来ます」などと「巻き返し宣言」を聞かされた。強気の姿勢は自然とチームにも伝わる。あるいは直接、選手にそうハッパをかけているかもしれない。先発・戸郷がまがりなりにも後半までマウンドを守り、その間に打線がビッグイニング。展開的には上々だ。しかも梶谷や長野が、主力と若手のはざまで渋い働きをみせた。たまに...でいいから起用されたとき、実績あるベテランらしさを発揮する。チーム全体に、ゆとりをもたらすよね。実はエモトは、原監督の深層心理を裏読みする。強気発言を繰り出せるのは、目標設定を変えたからではないか。つまり、まず狙いを3位に絞り、クライマックスシリーズからの日本シリーズを目指す。監督自身がそれを言っちゃあ、おしまいよ...だから、代わりに言う。一歩下がることで、逆に余裕が生まれる。それこそが、巻き返しへの秘策かな。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ガーン! ついにわが阪神が首位から陥落してもうた~(涙)いや、まだまだペナントレースはここからやー!! と、叫ぶ俺の脳裏には(もしかするとオールドファンも同じこと思ってる?)『一つのエラーが優勝をのがす』のあの場面...。昭和48(1973)年8月5日、甲子園の阪神-巨人でマウンドには黄金の左腕江夏豊。阪神が2-1と1点リードの九回2死一、三塁、センターフライでゲームセットと思った次の瞬間、センターの池田が芝生のディボットに足をとられ転倒。打球は後方に転がり、その間に二塁走者がかえり、巨人逆転の球史に残る大エラー(記録は三塁打)。その1敗が明暗を分け、阪神は巨人との最終戦に敗れ、九分九厘手中におさめていたはずのVをポロリ...。それとこの日1点を追う五回、2死無走者から木浪が何でもない遊飛を落球。そこから巨人の猛攻を浴び、その回に6点を取られ、試合が決まってしまった...。だからといって木浪を責める気は一切ない!!ただ、アレ(優勝)を果たせなかったとき、後々トラウマにしたくないから、広島との直接対決で、まずはそれを大勝で消し去ってくれ!!

◆あぁ、首位陥落...。広島が全然負けてくれない。DeNAも勝っている。第三者なら、面白い展開。でも、当事者は大変だ。しんどい夏がまだまだ続くんだろうなぁ。しんどい夏、といえば、試合前のこと。えっ、もう終わり?! 阪神が全体練習を終えたのが午後3時5分だった。ウン十年、プロ野球を見てきたが、おそらく最速の終了時刻だ(遠い昔に近鉄・仰木監督が練習を一切行わなかったのを見たことはあるが)。通常、6時開始の場合はホームチームの練習時間は2時過ぎから4時前まで。ビジターが4時から5時20分ぐらいまで。つまり、選手は1時間弱も早くクラブハウスに引き揚げてしまった。「連戦続きの中、炎天下の練習ですから。しかも、原口クン、前川クンらが鳴尾浜球場の2軍戦に出場しているから、打撃練習を行う人数も少なかったんです」記者席にいたトラ番サブキャップ・新里公章が〝しんどい夏〟対策の舞台裏を説明してくれた。各球団、暑さ対策には工夫を凝らしているが、阪神の練習時間の短さには驚かされた。これでチームが弱かったら「もっと練習しろ!」とざわつくのかもしれないが、貯金をいっぱい抱えて戦う岡田阪神に、文句なんて誰も言わない。新里サブキャップとグラウンドを眺めていたら、やがて巨人の選手が登場。こちらも暑さ対策で、いかにも動きやすそうな黒っぽい練習着だった。ただ、背番号が付いていない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
52380 0.578
(↑0.005)
-
(-)
53316
(+4)
292
(+1)
56
(-)
48
(-)
0.249
(↑0.001)
2.950
(↑0.03)
2
(1↓)
阪神
49373 0.570
(↓0.006)
1
(↓1)
54329
(+6)
278
(+9)
44
(+2)
44
(-)
0.238
(-)
2.840
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
45412 0.523
(↑0.005)
5
(-)
55318
(+2)
305
(+1)
59
(+1)
20
(-)
0.247
(↓0.001)
3.180
(↑0.02)
4
(-)
巨人
43441 0.494
(↑0.006)
7.5
(-)
55323
(+9)
333
(+6)
102
(+1)
29
(+1)
0.250
(↑0.002
3.670
(↓0.03)
5
(-)
ヤクルト
36502 0.419
(↓0.005)
14
(↓1)
55313
(+1)
343
(+4)
74
(-)
46
(-)
0.235
(↓0.001)
3.660
(↓0.01)
6
(-)
中日
35522 0.402
(↓0.005)
15.5
(↓1)
54259
(+1)
292
(+2)
40
(-)
26
(-)
0.243
(-)
2.930
(↑0.02)