全セ(★1対6☆)全パ =オールスター2回戦(2023.07.20)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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全パ
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全セ
0000100001510
勝利投手:山下 舜平大(1勝0敗0S)
敗戦投手:九里 亜蓮(0勝1敗0S)

本塁打
【全パ】万波 中正(2号・4回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ
◆全パがオールスター2連勝。全パは2回表、若月の犠飛で先制に成功する。そのまま迎えた4回には、万波のソロなどで2点を加え、リードを広げた。投げては、先発・山下をはじめ、7投手の継投で相手を1失点に抑えた。敗れた全セは、打線が5安打1得点と振るわなかった。

◆広島出身の全セの巨人中田翔内野手(34)が、地元凱旋(がいせん)オールスターで"中田節"をさく裂させた。試合前に取材応対した中田翔は、めったにない故郷での球宴出場の巡り合わせに「まあ地元でね、できるというのは個人的にはうれしいことではありますし...」と前置きした上で「できればドームが良かったけど...」と猛暑の屋外球場にチクリ。狙うは日本ハム時代に全パの一員として出場した17年以来の本塁打か、と問われると「しっかりと自分のスイングができればいいかなと思いますけど。あとは本当に倒れないように気をつけたい。本当に、冗談抜きで」と暑さ対策を第一に掲げた。19日の球宴第1戦(バンテリンドーム)は7回の守備から途中出場し、1打数無安打だった。9回に対戦したのは古巣日本ハムの後輩、加藤貴之投手(31)で、ストレート3球勝負で左飛に倒れた。「なんか打ちたかったな昨日...加藤。ど会心やったのに、こすってもうた。ま、シーズンだったら、まずあんな"マン振り"はしないけどね」と勝手知る後輩から1発を狙いながら仕留められなかったことを悔やんだ。さらに、第1戦で印象に残った選手を問われると、絶好調の中田節はテンションもMAXに。「印象に残った選手...コンちゃん(ソフトバンク近藤)かなぁ。コンちゃん、やっぱすごくいいバッティングしていたし、外野の守備も、なんか変に必死に捕りに行ってたし...面白くないなと思いながら」と苦笑い。全セのメンバーの守備を引き合いにして「こっちはね、ちょっと佐野とかは左中間あたりの(打球を)、あえて捕らないようにゆっくり走ったりとかしてやっていたのに、あいつ必死に捕ったりして。あれは、あかんで。誰の当たりやったかな...誰が打ったやつやった...あ、そうそう梅ちゃん、梅ちゃん(阪神梅野)。あれは、あかんで、あれ。必死にやりすぎやろ、あいつ」と、こちらも古巣日本ハム時代の同僚で旧知の後輩、ソフトバンク近藤に強烈なダメ出しをするなど、地元広島での球宴にリラックスムードで試合に備えていた。

◆楽天は20日、代表取締役社長最高執行役員オーナー代行の米田陽介氏(39)が、7月末日をもって退任すると発表した。8月1日付で森井誠之氏(48)が就任する。米田氏は、22年1月1日に球団社長に就任。1年7カ月にわたって球団を支えてきた。球団と通してコメントを発表した。「いつも楽天イーグルスへの温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます。このたび、10年ぶりの日本一に向けて、地域・ファンの皆さまにますます愛される球団になることを目指し、東北の復興そしてプロスポーツ業界に長く携わってきた森井誠之氏を社長に迎え、さらなる組織の強化を図ることとなりました。私自身は引き続き株式会社楽天野球団の副社長として球団と楽天グループとの連携・シナジーの強化に努め、持続的な強いチーム作りと健全な球団経営を支えて参る所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」今後は副社長に就任し、引き続き球団を支えていく。森井氏は、07年に株式会社楽天野球団に入社。13年からは同執行役員営業部長に就任した。18年2月からは楽天ヴィッセル神戸株式会社に着任。19年7月からは、取締役副社長執行役員事業本部長を務めた。22年からは株式会社仙台89ERSの代表取締役会長を務めていた。森井氏は球団を通してコメントを発表した。「このたび、株式会社楽天野球団の代表取締役社長に就任することになりました。2007年1月に株式会社楽天野球団に入社し球団初のリーグ優勝、日本シリーズ優勝を経験させていただきました。その後もヴィッセル神戸、仙台89ERSとこれまで16年に渡りプロスポーツ業界に長く携わって参りましたが、このたび代表取締役社長を拝命いただき大変光栄に思うと同時に身の引き締まる思いです。『東北を熱く』という言葉のもと、東北全土の力が結集した2013年。あの時のように、心震える、熱い空間を皆で作っていきたいと強く思っております。そのためには、楽天イーグルスに関わる、全てのファン、スポンサーの皆さまと共に、監督・選手・チームスタッフ・職員が、一致団結する必要があります。皆さまの熱い応援が必要です。どうぞよろしくお願いいたします」

◆全セの阪神梅野隆太郎捕手(32)が、アスレチックスからオリオールズへ移籍が決まった元同僚の藤浪晋太郎投手(29)にエールを送った。阪神時代に幾度とバッテリーを組んだ後輩右腕に「向こうの1位ですよね。ということは期待されてのあれだと思う。いい意味で"ダメだった晋太郎"を見返すような形を期待しているし、また『男藤浪』をまた見たいなという思いで、応援したいです」と話した。

◆「由伸朗希親衛隊」結成? 全セの巨人岡本和がホームランダービーに臨む際、球拾いのためマツダスタジアムの外野に飛び出した全パのロッテ佐々木朗希投手(21)とオリックス山本由伸投手(24)を、杉本裕太郎外野手(32)、西武源田壮亮内野手(30)、ソフトバンク栗原陵矢外野手(27)が打球から守るように囲む様子がみられた。球界の至宝の両右腕を、5年連続ゴールデン・グラブ賞を誇る鉄壁の源田を中心に守る構図。ホームランダービーに臨む強打者たちの打球が直撃しないよう? 和気あいあいとした様子だった。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、中日細川成也外野手(24)を連日となる"全面応援"した。ホームランダービー決勝戦に出場した細川のタオルを掲げながら、ベンチ前で笑顔を見せた。ただ、細川はまさかの0本で終了。後攻の巨人岡本和が1本放ち、細川は準優勝に終わった。5月27日の中日戦で細川から2本のソロ本塁打を浴びたバウアーは前日19日、「ずっと会いたいと思っていた。ホームラン2本、打たれている相手でもありますので。そのことについて、ちょっと冗談を言ったりしました。ホームランダービー、君のことを応援しているよと話をしました」と語っていた。

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が、ホームランダービーでまさかの? 連続空振りで初戦敗退した。ピッチャー役は同僚の中村晃が務め、1球目、2球目と空振り。柳田はフルスイングで応えたが当たらず、投げた中村晃も思わず苦笑いだった。11スイング目で右翼席にアーチを描いたが、全セの巨人岡本和真内野手(26)に1-2で敗れた。試合前練習ではリハーサルを行い「いいね~いいね~! 」と中村晃の投げるボールを称賛するなど明るい表情を見せていた。柳田は広島県出身。故郷でのオールスターは15年以来2度目で「ま1本。1本目標に頑張ります。けがなくやりたいですね」と話していた。

◆初の球宴を満喫する全セのDeNAトレバー・バウアー投手(32)が、2日目も選手を突撃しまくった。まず全セの練習中には、巨人の戸郷翔征投手(23)にフォークの握りを質問。戸郷は「フォークを教えました。フォークはどうやって握ってんのとか、フォークの離し方とか教えてました。教えられる立場じゃない(笑い)。めっちゃ教えて、僕も教えてもらいました」と振り返った。広島九里亜蓮投手(31)も「ぼくの投げているイメージを話した上で、フォーム的なところのイメージとかは話しました」と、フォームについて談議したようだ。全セの試合前練習が終わった後も、グラウンドに残って今度は全パの選手たちを直撃。まずは西武平良海馬投手(23)とオリックス山本由伸投手(24)のもとへ。山本は「フォームの話から、変化球の話とか睡眠の話とか、オフシーズンの過ごし方の話とか、たくさん話をしてもらいました」と楽しんだようで、平良も「通訳もいましたし、優しい分かりやすい言葉で話してくれました」と振り返った。その後はロッテ佐々木朗希投手(21)、種市篤暉投手(24)とも談笑。種市は「めちゃくちゃ面白かったです」と絶賛。「個人的には投げ方の話が一番面白かった。あと中3日、中4日で行けると言っているくらいなので、その調整の仕方とかを聞けたのが一番面白かったなと思います」と充実した時間になった様子だった。バウアーは全パの練習が終わる約40分、グラウンドに滞在。その後はファンへサインするなど、"フル稼働"していた。

◆ファーストピッチセレモニーで、競泳のリオ五輪男子400メートル個人メドレー金メダリスト萩野公介氏(28)がマウンドに上がった。「緊張しました。合格点をあげたい」と自己評価した投球は、ベース付近でワンバウンドして捕手を務めたオリックス杉本裕太郎外野手(32)のグラブに収まった。「純粋にデカイと思いました。さすがラオウだと。手が大きかったです」と握手し、記念撮影した。始球式は初体験だが、幼少期から球場にも足を運ぶなどの野球好きだ。「人生で2度とない日で貴重なこと。お祭り感を味わえましたし、野球ファンとしてありがたかったです」。東京ドームの観戦の際には巨人菅野にチケットをお願いしたこともあるほど、プロ野球選手との親交もある。今年は野球のWBCに始まり、現在は世界水泳が福岡で開催中。女子サッカー、ラグビー、バスケットボールなどW杯開催が続く。「いろいろなスポーツそれぞれにファンがいらっしゃる。スポーツ好きの方たちの持つパワーはすごい。コロナでなかなか試合に行けなかったり、久しぶりの有観客だったり。水泳も東京五輪は無観客だった。熱感、盛り上がりは選手が一番感じるので、選手たちに熱を感じてほしい」。各競技でファンの熱い応援を願った。【鎌田直秀】

◆巨人の岡本和真内野手(27)がホームランダービーを制し、優勝賞金100万円をゲットした。決勝戦は、19日に決勝進出を決めていた先攻の中日細川が、まさかの0本。後攻の岡本も序盤は苦戦したが、左中間に1本たたき込んだ時点で、優勝が決まった。"キング"岡本は「最高で~す。本当にみなさんが...喜んでもらってたか分からないですけど、歓声もらっていたのですごくうれしかった。ありがとうございます」と喜んだ。インタビューではTシャツを1枚めくり、下に着ていたDeNA牧の顔が大きくプリントされたTシャツを披露。「牧、牧秀悟くんです。すごく内側からパワーが出ました」と感謝した。2日間通じて、ホームランダービー1試合中に一番多く打った選手に与えられる「日産EV No.1賞」は、この日の初戦で6本本打ったDeNA宮崎が獲得。宮崎には日産の自動車「リーフ」「アリア」「サクラ」のいずれか1台が贈られる。

◆最多の9人が選ばれている阪神勢は、球宴2戦目はスタメンに誰も名を連ねなかった。前日19日の第1戦は1番中野、3番ノイジー、4番大山、6番佐藤輝、8番梅野、9番木浪と全6人の野手が先発。先発投手も村上だった。この日は大竹が中継ぎで登板予定。他の野手陣も途中出場となりそうだ。

◆デビュー12年目を迎えたシンガー・ソングライターの家入レオ(28)が君が代を歌唱した。セ・パ両チームの選手らがベンチ前に整列する前で、白とグレー2色の衣装を着て登場。ゆっくりとしたテンポで歌い上げた。

◆第2戦の初球から乱闘騒ぎ? となった。全パ1番のオリックス杉本裕太郎外野手(32)がいきなりセーフティーバントの構えを見せると、全セ先発の広島九里亜蓮(31)は、杉本の背中へ大暴投。怒った? 杉本はマウンドへ。九里もマウンドから降りてきて応戦かと思いきや、がっちりハグ。いきなりの名演技? にスタンドは驚きと笑いに包まれた。2球目143キロ直球を打って左飛に終わった。2人は同学年で杉本は青学大、九里は亜大出身。東都仲間の友情だった。13年7月20の球宴第2戦(神宮)では阪神藤浪と日本ハム中田の大阪桐蔭先輩後輩で同様のコント? 的なやりとりを行っている。10年ぶりの一触即発? 劇で、今年の第2戦は幕を開けた。

◆全パの先発オリックス山下舜平大投手(21)が、初の球宴で自慢のストレートを披露した。登板前に「もともとストレートしかないみたいなものなんで」と話していた通り、立ち上がりから直球勝負。自己最速159キロは出なかったが、最速152キロのストレートで関根を中飛、佐野を一ゴロ、秋山を左飛に打ち取った。2回は先頭の岡本和に左前打されたが、続く牧を150キロ直球で空振り三振。中田翔は三ゴロ併殺打に仕留め、2イニングを1安打1奪三振無失点。笑顔でマウンドを降りた。18球のうち変化球は牧に投じたカーブ1球のみ。持ち味の直球で押し切った。降板後のテレビインタビューでは「(若月)健矢さんのサイン通りに投げました。すごいバッターしかいないので、ホームランだけは打たれないように気をつけました」と振り返った。球宴ではロッテ佐々木朗に、フォークの握りについて聞いたり、逆に佐々木朗にはカーブについて教えたという。山下は高卒3年目の今季、開幕投手に抜てきされ1軍デビュー。ここまで12試合に登板し、先輩の山本の9勝に次ぐリーグ2位の8勝を挙げている。規定不足ながら防御率は1・49と抜群の安定感を見せている。初めての大舞台で、その大器ぶりを全国のファンに印象づけた。

◆全セのDeNAトレバー・バウアー投手(32)の"球種予告投球"が打ち砕かれた。111球を投げた17日広島戦(横浜)から中2日で4回から登板。全ての投球前、ブルペン投球のようにグラブで球種を予告して投げ込んだ。しかし、先頭の全パ・日本ハム万波を追い込みながらも7球目の131キロスライダーを捉えられ、左中間席に運ばれた。その後もオリックス紅林、ロッテ安田の連打で1死一、三塁とされ、オリックス若月の三ゴロの間に2点目を献上した。1回3安打2失点で降板。三振は奪えず、ソードセレブレーションはお披露目できなかったが「楽しかったです。お客さんの雰囲気も楽しかったです。みんなのプレーを楽しみたいですけど、万波選手にソード(セレブレーション)をやって欲しいと思います」と1発を被弾した万波に、自身のパフォーマンスを託した。

◆日本ハム万波中正外野手(23)が、球宴2戦連続本塁打を放った。1点リードで迎えた4回先頭での第2打席。カウント2-2から、サイ・ヤング賞投手のDeNAバウアーの131キロスライダーを捉え、左中間スタンドに運んだ。19日の第1戦は、7点リードの7回1死、ヤクルト清水から右翼ポール直撃の豪快な1発を披露。史上18人目の球宴初打席初本塁打を放った。この日は初のホームランダービー出場もあり、試合前は「めちゃめちゃホームラン競走用の練習してたんですが、あんまりよろしくないですね」と控えめ。結果は1回戦で本塁打3本に終わり、6本放ったDeNA宮崎に敗れたが、本番でしっかり結果を出した。本塁打後のテレビインタビューでは横浜高の先輩、松坂大輔氏から「お疲れさまです」と声をかけられ「先輩お疲れさまです!」。バウアーは投球前にグラブで球種を"予告"してから投げており、松坂氏から「球種教えられてどう」と問われた万波は「なんか慣れないので最初力んじゃったんですけど、何球か続く中で最後スライダーだったので肩口からきたのを思いっきりいこうと。そんな気持ちでいったのが最高の結果になったかなと思います」とうれしそうに話した。さらに6回先頭で、巨人戸郷の148キロの初球ストレートを捉え、右越え二塁打。初のマルチ安打も記録し、初出場でのMVP獲得へ猛アピールした。

◆全パのロッテ種市篤暉投手がわずか6球で3者凡退に封じた。4回に登板し、関根を中飛、佐野を右飛、秋山を左飛にそれぞれ2球ずつ投げ、3方向に打たせて料理。試合前にはバウアーに話しかけ、中4日で先発登板する秘訣(ひけつ)を聞き「1番は寝るっていうこと。当たり前ですけど。それ以外はちょっと言えないです」と、企業秘密にしつつ参考にしていく。

◆楽天田中将大投手(34)が、DeNAバウアーをたたえた。4回表に、テレビ中継の解説席に座った。そのタイミングでバウアーが3番手としてマウンドに上がった。同じ大リーグ経験者として、今季の投球を分析。「投球はタフさを存分に見せているなと思います。短い間隔でもそうですし、登板すれば深いイニングまで投げて、本当に素晴らしいと思います」と称賛した。ヤンキース時代に投げ合いは「多分なかったと思います」と話すが、当時からよく知る投手。「変わらないパフォーマンス」と話した。

◆全セのヤクルト高津臣吾監督(54)が満を持してリクエストし、見事に成功で判定を覆した。全セの5回無死一塁の攻撃で巨人中田翔が三ゴロ併殺打も、一塁の判定に高津監督が笑顔でリクエスト。リプレー検証の結果、セーフ判定に変わり、高津監督も満面の笑みを見せた。19日の第1戦(バンテリンドーム)では、コーチとしてベンチ入りしている阪神岡田監督がリクエストする珍場面があった。全パの2回2死の攻撃でソフトバンク近藤が左翼フェンス直撃の当たりで二塁を狙うも、全セ左翼の阪神ノイジーが二塁へ好返球。判定はセーフも微妙なクロスプレーに全セのベンチではみんなが高津監督を探したが見当たらず、たまりかねた岡田監督が苦笑いでリクエスト。見事に判定を覆して、ノイジーの好プレーをアシストしていた。

◆DeNA今永昇太投手(29)がオール直球勝負で1イニングを3者凡退に抑えた。3回に2番手で登板すると、杉本を遊ゴロ、中村晃を左飛、近藤を空振り三振。計10球でサッと料理した。自身2度目の球宴出場。「初出場の時はオールストレート勝負が出来なかったので、今年オールストレート勝負ができて良かったです! とにかく楽しむことができました!」と晴れやかな表情を見せた。

◆オールスターを阪神勢が一気に占めた。7回表の守備から投手大竹、捕手梅野、一塁大山、二塁中野、三塁佐藤輝、遊撃木浪、左翼ノイジーと7人が同時に途中出場。中堅細川、右翼関根以外は虎の選手となった。この日、阪神勢は誰もスタメンに名を連ねていなかった。これにはSNSでも「ほぼ阪神」「阪神だらけ」「阪神戦始まった?」など、話題となっていた。

◆全パが第2戦も制し、21年第2戦から5連勝を決めた。これで全パは通算成績を90勝80敗11分けとし、節目の90勝に到達させた。直近12戦は10勝2敗と全セを圧倒している。2回にオリックス若月の犠飛で先制。4回には全セのDeNAバウアーから、日本ハム万波が2試合連発となるソロアーチを放ち突き放した。7回にはソフトバンク栗原が犠飛を放ち追加点。8回には日本ハムの捕手マルティネスが2点適時三塁打を放ち、6点目を挙げた。守りでは、先発のオリックス山下が球宴デビュー。直球を軸に投げ込み、2回1安打、1奪三振無失点で大器を証明した。その後は1イニングずつの継投で試合を運び、全セ打線を寄せ付けなかった。全セは5回にDeNA牧の適時打で1点を返したものの、全パの強力投手陣に封じ込められた。これで球宴5連敗となった。MVPには日本ハム万波、敢闘賞にはオリックス山下、日本ハムマルティネス、巨人岡本和が選ばれた。▽全パ・ソフトバンク・オスナ(1回3者凡退。先頭ノイジーに113キロ遅球)「真っすぐのサインだったが、とっさにスローボールを投げ、イメージ通りにタイミングをずらして打ち取ることができた。オールスターならではの投球だよ」21歳0カ月の山下が球宴初登板初先発で勝利投手。21歳0カ月以下の勝利投手は、20歳0カ月の14年<2>戦大谷(日本ハム)以来で、先発勝利では5番目の年少記録。上位4人は勝利を挙げる前に登板があり、「初登板初先発」では山下が最年少勝利だ。<1>戦の勝利投手が21歳8カ月の佐々木朗(ロッテ)で、全パは21歳コンビの白星で21年<2>戦から5連勝となった。

◆日本ハム万波中正外野手(23)が、球宴初出場でMVPを獲得した。日本ハムからの球宴MVPは、昨年の清宮幸太郎に続き2年連続となった。19日の第1戦、7点リードの7回1死、ヤクルト清水から右翼ポール直撃の豪快な1発を披露。史上18人目の球宴初打席初本塁打を放ち、この日の4回の第2打席では、サイ・ヤング賞右腕のDeNAバウアーから球宴2戦連続となる本塁打を放った。さらに6回先頭で、巨人戸郷の148キロの初球ストレートを捉え、右越え二塁打。初のマルチ安打も記録しアピールした。初めて出場したホームランダービーは、硬さもあり1回戦で本塁打3本。6本放ったDeNA宮崎に敗れたが、第1戦では敢闘選手賞で賞金100万円をゲット。さらに第2戦はMVPで賞金300万円に加えて試合を通じて野球キッズに夢を届けた選手に送られる賞金100万円の「マイナビドリーム賞」もゲット。初出場の夢舞台で、推定年俸2000万円の万波が年俸の4分の1にあたる計500万円を荒稼ぎ。華々しく、球宴史に名を刻んだ。23歳3カ月の万波が、前日に続いて2試合連続アーチ。球宴での2戦連発は19年原口(阪神)以来だが、初出場から2試合続けて本塁打は万波が球宴史上初めてだ。前日は途中出場だったが、この日は4番で先発。23歳で本塁打を打った4番は97年<2>戦松井(巨人=23歳1カ月)以来で、史上4位の年少記録。4番初出場での1発は、90年<1>戦清原(西武)の22歳11カ月に次ぐ年少2位。

◆全パはロッテ・ペルドモ投手(30)と日本ハムのマルティネス捕手(27)が球宴史上初の外国人バッテリーを組み、出場した。ペルドモ、マルティネスともに6回裏から出場。先頭の巨人大城をチェンジアップで空振り三振、続くヤクルト長岡はスライダーで空振り三振、DeNA関根をチェンジアップで捕ゴロに打ち取り、最後はマルティネスが一塁へ落ち着いて送球し、3者凡退で終えた。

◆【球宴】巨人岡本和真は2本! @ABEMA で視聴中 https://t.co/Mvf3YhoY9K #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/TomN57Hn0V【球宴】ソフトバンク柳田悠岐は1本! @ABEMA で視聴中 https://t.co/Mvf3YhoY9K #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/5w9dZKS8qX【球宴】岡本和真がホームランダービー優勝! @ABEMA で視聴中 https://t.co/Mvf3YhoY9K #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/FXcaiX9eqy動画は下記ツイッターロゴをクリックすると見られます[速報] まさかの乱闘!?!???/初出場となった #九里亜蓮 選手(広島)の暴投に #杉本裕太郎 選手(オリックス)とまさかの乱闘!? かと思いきや....\#マイナビオールスター2023#ABEMA で無料生中継??#NPB #オールスター【球宴】バウアーがついに登板も万波にホームラン打たれる! @ABEMA で視聴中 https://t.co/Mvf3YhoY9K #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/zDhw9ULBlb動画は下記ツイッターロゴをクリックすると見られます[速報] #バウアー 球宴初登板!!全球種教えた上で全奪三振宣言!!/全球予告投球に #万波中正 選手がフルスイングで捉えた打球は瞬く間にレフトスタンドへ!!\#万波中正 選手は2日連続のアーチ!!#マイナビオールスター2023#ABEMA で無料生中継??#NPB #オールスター

◆前代未聞の全球種予告勝負をオールスターで実行した。全セのDeNAトレバー・バウアー投手(32)が「マイナビオールスターゲーム2023」で4回から登板。球宴前に打者に全球種を伝えた上での奪三振を宣言していたが、いきなり先頭の万波に1発を浴びた。それでも全24球で「ガラス張りのピッチング」を継続。1回3安打2失点で三振は奪えなかったが、両軍とファンを驚かせた。今球宴はパが2勝し、22日から後半戦が始まる。"世界一のバッティングピッチャー"が球宴のマウンドに現れた。バウアーが身ぶり手ぶりで捕手の巨人大城卓にサインを送り、球種を全部予告してから投げた。ただ打撃投手と決定的に違うのは、打者を全力で抑えにかかってきたことだった。4回に3番手としてリリーフ。先頭は前夜に1発を放った全パの4番日本ハム万波だった。グラブをスライダー方向に傾けたり、ボールを持つ右手で回転をかける方向を表現したり。万波は笑みを浮かべながら粘り、7球目だった。スライダーを投げるしぐさをし"宣言通り"投じた131キロを左中間席に運ばれた。2戦連発の若武者に拍手を送り笑顔。最速は柳田に投じた155キロだった。1イニングで打者6人に対し、24球を投げて全球で公開サインを送った理由を明かした。「楽しむためが1番。何が来るか分かっていればそれに合わせた1番強いスイングができる。自分のベストと打者のベストがぶつかり合うのが1番面白い。それが野球の勝負だと思う」試合前からバウアー劇場だった。神出鬼没。全セの打撃練習中に遊撃手に入り守備練習し、鋭い当たりを捕球した。今度は外野スタンドのファンたちに即席サイン会。縦横無尽にマツダスタジアムを歩き回った。極め付きは自身のYouTubeチャンネルのカメラを携えながらの「ピッチング教室」だった。バウアーが"生徒"となり全セの練習時間が終わってもグラウンドに居残り。全パの練習に乗り込みロッテ佐々木朗ら、日本を代表する投手陣に教えを請うた。佐々木朗には「どうしたら165キロが投げられるんだ?」と話しかけ、オリックス山本には足を上げない投法の意図を聞き「実際に試合中に試した」。巨人戸郷にはフォークの握りについてレクチャーを受けた。予告投球の成果を「みんな良い反応で、狙い通り非常に大きなスイングをしてくれた」と満足げ。「時間の許す限りサインもできた。ファンの皆さんに楽しんでもらえたら良かったと思う」。サイ・ヤング賞投手は日本の球宴を心の底から楽しんだ。【三須一紀】▽全セ・ヤクルト高津監督(DeNAバウアーの全球予告投球に)「(シーズンでも)教えてくれたら良いのにね(笑い)。でも、どの球種もトップレベル。面白いと思いましたね。楽しめました」▽全セ巨人大城卓(バウアーとバッテリーを組み捕邪飛を落球し)「最初見失っちゃってそこから見つけたんですけど捕れなくて。(バウアーから)言われないです、言われてないです、大丈夫です。ナイスキャッチャーって言われました」▽全パ・オリックス若月(バウアーの予告スライダーを三ゴロ)「力が入ってしまって全然ダメだった。分かっていたら打てるってわけではないんだなと。面白かったです」▽全パ・オリックス紅林(バウアーの予告直球を中前打)「なんとかヒットになって良かった。今までしたことのない対戦だったので、すごい"世界"を感じた」▽全パ・ロッテ安田(バウアーから左前打)「球種を教えてくれたんで思い切り振っていきました。記事通りだったんでビックリはしましたけど楽しかったです」▽全パ楽天小深田(バウアーの球種予告に)「球種を教えてもらっているのに打てなかったのでちょっと...(笑い)。打ちたかったですね」バウアー全投球【先頭・日本ハム万波】<1>153キロ直球 空振り<2>131キロスライダー 空振り<3>132キロナックルカーブ ボール<4>153キロ直球 ファウル<5>144キロチェンジアップ ボール<6>154キロ直球 ファウル<7>131キロスライダー 左中間席へのソロ本塁打(ストライク)【無死走者なし・ソフトバンク柳田】<1>155キロ直球 ファウル<2>143キロカットボール ボール<3>141キロカットボール ファウル<4>141キロチェンジアップ ボール<5>155キロ直球 二ゴロ(ストライク)【1死・オリックス紅林】<1>139キロカットボール ボール<2>139キロカットボール ボール<3>153キロ直球 ボール<4>152キロ直球 中前打(ストライク)【1死一塁・ロッテ安田】<1>151キロ直球 左前打(ストライク)【1死一、三塁・オリックス若月】<1>141キロカットボール ファウル<2>129キロスライダー 三ゴロ(ストライク)【2死二塁・楽天小深田】<1>138キロカットボール 見逃しストライク<2>128キロナックルカーブ ボール<3>143キロチェンジアップ ボール<4>152キロ直球 ボール<5>153キロ直球 一飛(ストライク)

◆全パが第2戦も制し、21年第2戦から5連勝を決めた。これで全パは通算成績を90勝80敗11分けとし、節目の90勝に到達させた。直近12戦は10勝2敗と全セを圧倒している。昨年も全パの指揮を執ったオリックス中嶋聡監督(54)は、これで4連勝。リーグ2連覇を果たした指揮官が、お祭りでもチームを勝利に導いた。監督インタビューの一問一答は以下の通り。-全パが2連勝「本当に強いパ・リーグ見せられてよかったです」-打線は効果的に「誰が出ても打つなと思ってベンチで見てました」-4番万波が2戦連発「今年入って長打をすごく打ってますので、伸び盛りのすごく素晴らしい選手だと思います」-投手陣の継投は「どの選手もテンポがよく非常にマウンドを支配していたと思います」-2年連続2連勝負けなし。中島監督4連勝「選手がやってますのであまり関係ないと思います」-ファンへ「セ・リーグもパ・リーグもどんどんどんどん熱い戦いをしますので、みなさん応援してください」

◆WBCでも共闘した全セの巨人岡本和真内野手(27)とDeNA牧秀悟内野手(25)が、そろってテレビ解説席に登場した。試合前のホームランダービーで優勝した岡本和は、インナーシャツに牧の顔が大きくプリントされたTシャツを着用。「すごくパワーが出ました」と感謝した。2人の関係性について岡本和は「結構仲良くさせてもらってます」と笑顔で明かした。ともにチームで不動の4番を務める。セ・リーグ屈指の強打者として、互いの実力を認め合う。岡本和は2学年後輩の牧について「勝手に似ている部分あると思って見ている。肩が入らないですし、コンタクト能力もあるし、チャンスにも強いし、すごいバッターだと思います」と絶賛。牧も岡本和に「自分も勝手に共通点があると思っていた。4番打たれていますし、どういう心境で打っているか、対戦しながら見て学んでいます」と教材にしていると明かした。

◆プロ野球選手は球種が分かっていれば打てる-。そんな定説を証明するかのようだった。漫画の世界かと思わせるような全パ日本ハム万波中正外野手(23)の球宴史上初の初出場からの2戦連発。「マジっすか。すごい諸先輩方がいらした中での記録なのでうれしいっす」。MVPも獲得し「取るつもりではありました。本当に最高です」。お立ち台で大歓声を浴びた。4回先頭。目の前にはDeNAバウアー。宣言通りの全球球種予告に、打席内で笑いをこらえきれなかった。過去の球宴で全球直球勝負は何度も名勝負を生んだが、直球、スライダー、ナックルカーブなど全球予告は極めて異例。「なんか慣れないので最初は力んじゃった。ホームランを一発で仕留めたい欲もあったので」。2球連続空振り。4球目の153キロ直球はフルスイングも捕邪飛...。だが大城卓が捕球できずにファウルとなり"実証実験"が続いた。2-2からの7球目。バウアーがグラブを横に振った。スライダーだ。「狙ってました。何球か続く中で肩口から来たのを思いっきりいこうと。そんな気持ちでいったのが最高の結果に。完璧な当たり」。高め131キロを捉え、左中間スタンドに運んだ。苦笑いの相手と対照的に、万波は申し訳なさそうに笑った。前日19日の第1戦は、7回に右翼ポール直撃の豪快な1発。史上18人目の球宴初打席初本塁打を放った。多くの祝福が届き、返信に時間を費やすのも喜びだった。「試合を純粋に楽しめる機会ってなかなかないので。すごい新鮮な野球をやっている感じ」と意気揚々だった。ホームランダービーとの"2冠"は逃したが、交流戦に続くバウアーからの2発目に「大満喫ですね」と充実の表情。球種が分かれば打てるのかと問われ「そうは思わないですね。難しい。意外と簡単ではないと思います」。プロ野球選手のすごさを教えてくれた一発だったことは間違いない。【鎌田直秀】▽全パ日本ハム松本剛(万波の2戦連発に)「野球はホームランです。やっぱり。生まれ変わるならホームランバッター。(後半戦は)まんちゅうがホームラン打ったら勝てるんじゃないですか」

◆全パの西武平良海馬投手(23)がオール直球で球宴を締めた。8回に登板し、わずか4球で3者凡退に。9回は全セ阪神木浪に安打を許したものの、無失点に。2回無失点で、19球全てが150キロ以上の直球だった。今季から先発転向し、すでに6勝を挙げている。普段は6種類の球種を器用に操っているが、この日は直球のみで、最速は155キロをマークした。「去年よりスピードが落ちてるので、その分空振りを奪うのが難しくてきつかったですね」としつつ「真っすぐ全球投げれるチャンスですし、出力も試合の時より出てた気がするので、いい調整じゃないですけど、いい試しになったかなと思います」と喜んでいた。

◆6回の守備から途中出場した全パの日本ハム・アリエル・マルティネス捕手が2安打2打点と気を吐いた。守備でも3投手を無失点リードし、初出場で敢闘賞。6回はロッテ・ペルドモと球宴史上初の外国人バッテリーを組み、3者凡退に抑えた。選出時は「祭典というイメージ。自分が出られて光栄」と意気込んでいた通り、2試合連続でマスクをかぶり2連勝に貢献。2戦計3安打2打点と躍動した。

◆全セのコーチを務めた阪神岡田彰布監督(65)が、前回阪神の指揮を執った08年以来の参戦となった球宴を振り返った。阪神からは12球団で最多人数となる9選手が出場。「それが一番よかった」と、2試合でケガ人を出すことなく終えてホッとした表情。15年ぶりの球宴には「そんなん、何もないよ」とベテラン監督らしく、クールに振り返っていた。

◆全パの日本ハム上沢直之(29)が2番手で登板し1回無失点と好投した。前回出場の21年は2回6安打4失点。「この前は打たれけど今回は抑えられた。調子崩さないように。シーズンに影響ないようにしっかり。いろんな人と話もできた。(後半戦は)長いイニング投げてチームの勝利に貢献したい」と先を見据えた。第1戦で2回無安打無失点の加藤貴に続き日本ハム先発陣2人とも完全投球だった。

◆全セの巨人大城卓三捕手が、捕邪飛落球の理由を明かした。4回から登板したDeNAバウアーとバッテリー組み、先頭の日本ハム万波の打席。カウント1-2からの4球目を捕邪飛に打ち取ったはずが、打球はミットをかすめながら落球した。大城卓は「最初見失っちゃってそこから見つけたんですけど捕れなくて」と説明。直後に本塁打を被弾した。シーズンではDeNAで、味方守備に激高したバウアーだが、満面の笑みでおとがめなし。「(バウアーから)いわれないです、いわれてないです、大丈夫です。ナイスキャッチャーっていわれました」と、全球予告する異例のマウンドを最後まで受け止め女房役をまっとうした。

◆全セの巨人岡本和真がホームランダービーを初制覇した。第2戦の試合前に計8本たたき込み柳田、宮崎、細川に競り勝ち初優勝した。セ・リーグTシャツの下には、DeNA牧の顔が全面にプリントされたシャツを着用。賞金100万円を獲得したヒーローインタビューで披露し「最高で~す。歓声もらっていたのですごくうれしかった」と定番のセリフで沸かせた。勢いそのままに、無安打だった前日の第1戦とは打って変わって第2戦は2打数2安打で敢闘賞を受賞した。2学年後輩の牧との共演は、グラウンド外でも続いた。試合中にテレビ実況席に肩を並べて登場。右打者として認め合う牧に対し「勝手に似ている部分があると思って見ている。肩が入らないし、コンタクト能力もあるし、チャンスにも強い。すごいバッターだと思います」と4度目の球宴を満喫した。▽DeNA牧(5回、ソフトバンク津森から中前打で今球宴初安打) まず1本打てて安心してます。いろんな選手と会話できて本当に楽しいです。

◆全セの阪神佐藤輝明内野手は7回の三塁守備から途中出場し、1打数無安打だった。7回の打席でソフトバンク・オスナの前に三邪飛に倒れた。第1戦ではオリックス山本から二塁打を放つなどマルチ安打をマーク。「しっかり楽しかったので、そういう気持ちも忘れずに思い切ってプレーしたいと思います」と後半戦へ視線を向けた。大山、ノイジー、梅野も途中出場で、それぞれ無安打に終わった。

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が故郷広島から再スタートだ。「5番DH」で先発し、2回に右中間へ二塁打を放って3打数1安打。地元の友人も駆け付けた一戦で、「元気な姿を見せられたらいいかな。けがなくやりたいです」という意気込み通りの打撃を披露した。第1戦では1本塁打を含む2安打2打点で2年連続のMVP。2試合で6打数3安打の打率5割で終え、「もうはい、良かったです」とご機嫌で帰路についた。チームは9連敗中と苦しいが、オールスターでリフレッシュ。後半戦が再開する22日の敵地ロッテ戦に向けては「頑張ります。連敗を止めるしかないでしょ!」と力強い言葉も飛び出した。打率3割5厘、14本塁打とチーム2冠の主砲が頼もしい。ホームランダービーではまさかの連続空振りで初戦敗退だった。ピッチャー役は同僚の中村晃が務め、1球目、2球目と空振り。柳田はフルスイングで応えたが当たらず、投げた中村晃も思わず苦笑いだった。11スイング目で右翼席にアーチを描いたが、全セの巨人岡本和に1-2で敗れた。試合前にはリハーサルを行い「いいね~いいね~!」と中村晃の投げるボールを称賛。ギータは終始ご機嫌だった。ソフトバンクは栗原が1安打1打点、オスナが1回完全投球など存在感を出した。ベンチで見守った藤本博史監督(59)も「みんな良かったよ」とご満悦。オールスターブレークで、苦しむ鷹が仕切り直した。【只松憲】

◆全パのオリックス紅林弘太郎内野手が唯一の猛打賞と存在感を見せた。2回に広島九里から左前打を放つと、4回は直球を予告したDeNAバウアーから中前打をマーク。「今までしたことない対戦だったので。世界を感じました」。8回にも広島ターリーから中前打を放つ活躍も、敢闘選手賞の受賞はならず。「悔しかったです。賞がなにか欲しかったです」とぽろり。それでも「ペーター(山下)すごかったので満足です」と後輩をたたえた。

◆本拠地登板となった広島九里亜蓮投手(31)とニック・ターリー投手(33)がそろって失点した。初出場初先発となった九里は1回を無失点で滑り出すも、2回は先頭からの連打でピンチを招き、犠飛で先制を許した。8回に登板したターリーは2死一、二塁から日本ハムのマルティネスに右翼線へ2点三塁打を浴びて2失点。それでも日本での球宴初出場に「非常にいい経験ができたので、十分楽しめたと思います」と笑顔で振り返った。

◆2戦連続で先発したオリックス若月健矢捕手は2打点を挙げた。2回に先制の中犠飛を放つと、4回はスライダーを予告したDeNAバウアーと対戦し、三ゴロの間に三塁走者が生還した。「力入っちゃって、もう全然だめでしたね(笑い)。面白かったです」と珍しい対戦を楽しんだ様子。「敢闘賞だと思ってたんですけど、勝利打点だったんで、舜平大(山下)にとられてショックです」。ジョークとともに充実感をにじませた。

◆全セのヤクルト・サイスニード投手(30)が5回にバウアーから継投し、1回1安打無失点と好投した。初球宴に「まずはオールスターに選出していただけたこと、光栄に思っております。初めてのオールスターを楽しむことができましたし、無失点で抑えることができて良かったです」と満足げに語った。他球団との交流について「ターリー選手やノイジー選手と野球についていろいろな話ができましたし、日本人選手では小笠原選手や九里選手などたくさんの選手と交流できて良かったです」と振り返った。後半戦に向け「2日間は味方でしたが、これからは戦う相手になるので、しっかりと準備をして後半戦、チームの勝利に貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。

◆大竹の球宴初マウンドは7回に訪れた。全セの6番手で登板。三塁側ベンチ最前列では師匠の和田も見守っていた。第1戦で全15球直球勝負をした大先輩のように、ストレート主体で投げ込んだ。「楽しむ余裕もなく安打を打たれたけど、(サインに)いっぱい首を振って投げました」。140キロ台前半でも抑えられることを示したいと意気込み、全14球中、直球を9球投じる真っ向勝負を挑んだ。先頭の日本ハムのマルティネスには真っすぐを3球続け、中前に運ばれた。その後1死一、三塁となり、対戦を熱望していた古巣ソフトバンクの栗原と対戦。2球目のツーシームで右犠飛を運ばれ、1点を失った。「ちょうどいいんじゃないですか。打ち取ってるけど1点あげて」。最後は西武外崎を初球139キロの直球で中飛に仕留め、拍手を浴びてマウンドを降りた。1イニングを2安打1失点。阪神勢は村上、岩崎に続いて3投手が全員失点する形になったが、得た収穫は大きい。「パフォーマンスより、いろいろな選手としゃべれたことが自分の中ではデカいので。すごいボールをランナーコーチ(の位置から)から見たり」。第1戦ではキャッチボールしたバウアーにカーブをほめられ、スライダーの極意を学んだ。「球種のバリエーションも増やしていきたい」とセ・パ関係なく積極的に交流。オリックス山崎福には自身が得意なカーブを質問。「どういう感じで投げているのか気になったので」。後半戦に向けヒントを探す2日間だった。スタンドには熊本から両親も駆けつけた。昨年まで2年間未勝利だったが、新天地の阪神で自己最多7勝を挙げ、夢の球宴の一員となった。「野球をやっている以上は、また出たい」。濃密な2日間で、決意を新たにした。【石橋隆雄】

◆初出場した球宴2日間でMVPなど計500万円の賞金をゲットした日本ハム万波中正外野手(23)が、自身のインスタグラムで意外な事実を明かした。ストーリーズでオリックスの公式インスタグラムで投稿されていた、山本由伸投手(24)と頓宮裕真捕手(26)に挟まれて真ん中に立つ万波の3ショットの写真を引用してストーリーズを投稿。その写真に「実は僕も岡山県備前市生まれです」とコメントし、特産品の桃の絵文字をあしらった。万波は東京・練馬区出身として知られるが、生まれはご近所同士で有名な山本&頓宮と同じ...という意外すぎる事実を初告白した。さらに、万波は4回にホームランを見舞ったDeNAバウアーから送られたとみられるソード・セレブレーションをモチーフとしたグッズ「バウアーソード」を手にガッツポーズ。登板直後にテレビ中継に登場したバウアーが「万波選手にソード(セレブレーション)をやって欲しいと思います」と話していたが、しっかりと試合後に交流できたようだ。

◆「マイナビオールスター2023」にプロ6年目で初出場した阪神大竹耕太郎投手(28)が、日刊スポーツに独占手記を寄せた。昨オフの現役ドラフトでソフトバンクから新加入した左腕はここまでチーム最多の7勝(1敗)を挙げ、リーグトップの防御率1・48が評価されて監督選抜。試合は全セの6番手で登板し、感謝の1回2安打1失点。球宴では師と仰ぐソフトバンク和田毅投手(42)との"競演"も実現し、夢のような時間となった。小さいころからの憧れだったオールスターは、本当に充実した2日間になりました。僕をここまで導いていただいたソフトバンク和田さんと一緒に出られたことが、いまだに現実っぽくない感じというか。42歳で現役でいるということ自体が普通じゃないので。第1戦の和田さんの投球は、ベンチの最前列から凝視しました。15球すべて直球勝負で3者凡退。すごいとしか言いようがありません。試合後にはテレビでも共演させていただき、本当に夢のような時間でした。球宴前に和田さんから「楽しむことができればそれがすべて。普段話さない人たちと話すことでいろんな発見がある」と、アドバイスをいただきました。積極的に話すのはあまり得意じゃないし、いけないタイプだけど、もう28歳なんで(笑い)。怖いかなと思っていたDeNAバウアー投手とキャッチボールしました。1年前の球宴休みは、奥日田温泉(大分)で夜は星を眺めて、朝5時半から露天風呂で日の出を見ていました。まさか(移籍して)阪神で球宴に出ているなんて、1年前には思ってもみませんでした。諦めずに頑張っていれば、そういうこともあるんだなと。どういう境遇でもちゃんと1日1日、やらなきゃいけないと思いますし、それが一番大事だと改めて思いました。子どものころから、パワプロ(テレビゲームの実況パワフルプロ野球)でもオールスターチームを使っていました。その一員になれて本当に夢のようです。全セの高津監督に選抜していただいたのは、今年ヤクルト戦で2試合抑えている(2戦2勝。防御率0・00)こともあるのかな。ファン投票でも、マークシートに入っていなかったのに、4位で18万以上も入れていただきました。ファンの方には「阪神に来てくれてありがとう」ばかり言われてうれしいですし、そうあり続けたいですね。選手間投票での2位も本当にうれしかったです。実際に打席に立った選手たちの目線で選んでもらったので。阪神に移籍してからも、投球のことなどで相談に乗ってくれる和田さんとは、自主トレも一緒にさせてもらい、今も多くのことを学ばせてもらっています。もっとマウンドで感情を出せと言ってもらったのも和田さんです。そもそも、野球をやりたいと思わせてくれたプロ野球選手でした。小学2年生の時、熊本から福岡ドーム(現ペイペイドーム)に初めて観戦に行った試合の先発が和田さんでした。和田さんが勝って、ヒーローインタビューを受けて、花火を見て、ドームの屋根が開いて...。こんなところで野球している人がいるんだって思ったのが最初で、めっちゃ覚えています。この前、和田さんと一緒にどの試合か探しました。和田さんがルーキーの03年4月23日の日本ハム戦で6回2失点。本拠地でのデビュー戦で、3勝目を挙げた試合でした。そんな和田より、僕が先に引退したくない。負けちゃいけない気持ちになりました。まだまだ(和田さんより)能力は足りないですが、追い越していきたいと、今回改めて思いました。前半戦は自己最多の7勝を挙げることができました。阪神に来てよかったことはたくさんあります。これから大事な後半戦。ここまで抑えてきた成功体験にしがみつくのではなく、相手としっかりと向き合って対策をしていきたい。ある程度数字も出てきて、ちょっと守りに入る部分が出てきているとも思います。長いイニングを2、3点で抑えようと数字を考えると逃げになってしまう。新しいチームで生き残ろうと必死だった2月、3月の感覚でいこうと思います。(阪神タイガース投手)阪神大竹とソフトバンク和田 ソフトバンクで初めて0勝に終わったプロ4年目のオフ、和田に志願して22年1月の自主トレに初参加した。チームのエース格で早大の大先輩。遠い存在だったが野球人生の危機を感じ、勇気を振り絞った。和田は結果を出そうと迷走していた大竹に、体幹から鍛え直すようにアドバイス。大竹は助言のおかげで球速がアップし、緩急にも幅が出るようになった。今季の大活躍の下地に、師匠和田存在は欠かせなかった。大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)1995年(平7)6月29日生まれ、熊本県出身。済々黌では2年夏と3年春に甲子園出場。早大を経て17年育成ドラフト4位でソフトバンクへ入団し、1年目の18年に支配下に昇格。同年8月1日西武戦で挙げた初登板勝利は、育成出身の新人では初となった。22年オフ、現役ドラフトで阪神に移籍。今季4月8日ヤクルト戦で、早大出身者では阪神初の1軍公式戦登板を果たした。184センチ、87キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸2000万円。

◆全セの阪神中野拓夢内野手(27)が、2試合連続安打で存在感を出した。7回表の守備から途中出場。8回に西武平良から左前打を放った。前日19日の第1戦では、球宴通算10打席目で初安打をマーク。22日から始まる後半戦へはずみをつけた。「打てれば良いかなくらいの感じだったので、とりあえずけがなく、楽しくやるのを大事にしたかったので、その結果ヒットが出たのは良かったと思います」と笑顔でうなずいた。2日間を通し、広島秋山に打撃について質問するタイミングもあった。「内容は、どうとは言えませんが、自分自身いろいろ試しながらやっていければ」。リーグ屈指のヒットマンから得た球宴土産を手に、チームのV戦線を引っ張る。

◆全セの阪神木浪聖也が球宴初安打を放った。7回の守備から途中出場。9回1死から西武平良の151キロ直球をミート。プロ5年目での球宴初ヒットを中前に運んだ。「1本打ちたかったので、本当に出てよかったです」。今オフ自主トレを行ったソフトバンク近藤ともコミュニケーション。「すごく引き出しが増えましたし、つながればいいなと思います。結果が恩返しになると思うので、後半戦が楽しみです」と笑顔だった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全パ・中村剛也内野手(39)=西武=が体調不良のため欠場すると発表された。19日の第1戦は「5番・DH」でフル出場し、5打数1安打だった。六回の左前打で出塁後は次打者の安田(ロッテ)の右前打で一気に三塁へ進み、その後、頓宮(オリックス)の右飛でタッチアップし、生還するなど走塁でファンを沸かせていた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)全パ・万波中正外野手(23)=日本ハム=が、初出場となるホームランダービーでの優勝を誓った。1回戦で宮崎(DeNA)と対戦し、勝ち上がれば準決勝で柳田(ソフトバンク)と岡本和(巨人)の勝者と激突。決勝戦は、すでに細川(中日)が進出を決めており、万波は最大で3ラウンドをこなす。第1戦で途中出場ながら球宴初打席で本塁打を放ったパ・リーグの本塁打王は「絶対優勝したいです。3試合ある。(合計で)30本打ちたい。10、10、10で」と力強く語った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全パ・柳田悠岐外野手(34)=ソフトバンク=が地元・広島での球宴へ向けて意気込みを語った。友人らが来場する予定で「いい姿を見せられるよう、一生懸命やりたいです」と笑顔。全セの先発、九里(広島)については「コントロールがいいイメージある。積極的に振っていきたい」と語った。広島商高、広島経大を経てソフトバンクに入団したスラッガーは「活躍できればいい。最終日ですし、一生懸命やって、けがなく終えたい」と控え目に語った。昨年の第2戦、前日19日の第1戦でMVPを獲得。史上初の3試合連続MVPに向けては「そんなうまいこといかないと思う」と苦笑した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全パ・源田壮亮内野手(30)=西武=が中継の解説で訪れていた古田敦也氏から激励を受けた。「(社会人の)トヨタ自動車の先輩です。WBCの話とか、前からずっと頑張ってこいよ、(優勝できて)よかったな、と。トヨタの大先輩なのでいつもあいさつに行っています。笑顔で話してくださる優しい方です」また、4年ぶりに声出し応援が解禁された球宴について「応援もあって楽しいです。みんな打撃練習とかすごい」とオールスターの雰囲気を楽しんでいた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=は、試合前練習で戸郷(巨人)と身ぶり手ぶりを交えて変化球談議を行い、セ・リーグの練習後も一人残ってパ・リーグの投手陣を待ち、山本(オリックス)、佐々木朗、種市(ともにロッテ)らとも交流した。2020年に米大リーグでサイ・ヤング賞に輝いた右腕は、オールスター出場が決まった際に「投手ではスプリット(フォーク)の投げ方をいろんな人に聞いてみたい」と語っており、日本球界のフォークボールの使い手を続々と〝直撃取材〟した。3月のWBC決勝で米国打線を相手にも力を発揮したフォークボールの使い手である戸郷は、練習後に報道陣の取材に応じ「フォークは落ち幅が安定しないという話を聞いたので、僕は縫い目にかけずにいろんな落ち方を探りながらやっているという話をして、バウアーは僕の中では一定の落ち方しかしない握りをしていたので、こういう握りもどうかという話をしました」と明かした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全パ・安田尚憲内野手(24)=ロッテ=が試合前練習中に、近藤健介外野手(29)=ソフトバンク=と打撃について談議した。「見ていてもすごく技術が詰まっていると思いますし、本当にリーグを代表する、日本を代表するバッターなので、同じ左バッターとして勉強させてもらっています」近藤は3月に行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも日本代表の2番打者として3大会ぶりの世界一に貢献。ここまでリーグ4位の打率・289、同トップの出塁率・416を誇る球界を代表する好打者だ。内容に関しては「僕からは何とも。ちょっと秘密にしておきます」と笑みを浮かべた安田。多くの知識を吸収し、今後に生かす。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)第1戦でMVPに輝いた全パ・柳田悠岐外野手(34)=ソフトバンク=が「5番・DH」で先発メンバーに名を連ねた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)2016年リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介さん(28)が試合前のファーストピッチセレモニーを行った。「ラオウ」の愛称で親しまれる全パ・杉本裕太郎外野手(32)=オリックス=が捕手を務める中、大きく振りかぶってワンバウンドで投球した。野球好きで球場に観戦にいくこともあるといい、「大きいスタジアムでお客さんもいっぱい入っていて緊張しました」と笑顔。「合格点はあげたい」と振り返った。投球後には杉本とがっちり握手。177センチの萩野さんは、190センチ、104キロの杉本の体格に驚いた様子で、「純粋に『でかっ』って思いました。さすが、ラオウさんだ、と」と目を輝かせた。現在、福岡で世界水泳が開催されている。競泳競技は23日から始まる予定。萩野さんは「野球界のエネルギーをもらって、水泳を盛り上げていけたらなと思います」と力を込めた。

◆楽天は20日、森井誠之氏が8月1日付で球団社長に就任すると発表した。米田陽介現球団社長は7月末で退任し、球団副社長に就く予定。48歳の森井氏は楽天球団の営業部長やサッカーJ1神戸の副社長を歴任。「『東北を熱く』という言葉のもと、東北全土の力が結集した2013年のように、心震える、熱い空間を皆で作っていきたいと強く思っております」とコメントした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)試合前に行われたホームランダービーで、全セ・岡本和真内野手(27)=巨人=が優勝。賞金100万円をゲットした。「本当に最高です。(ファンが)喜んでくれたのかは分かりませんが、歓声をいただいたのでうれしかったです」1回戦では2分間で柵越え2本だったが、後攻の柳田(ソフトバンク)が1本に終わり準決勝へ。先攻の岡本和は12スイングで5本を放ち、4本だった宮崎(DeNA)を退けた。決勝は19日の第1戦(バンテリンドーム)で勝ち上がっていた細川(中日)と対戦。先攻の細川がまさかの0本に終わり、岡本和は8スイング目で左中間スタンドへ豪快に運び、優勝を決めた。球宴仕様のプラクティスウェアの下に、牧(DeNA)の叫ぶ顔がプリントされたTシャツを着こんでおり、「牧秀悟君です。すごく内側からパワー出ました」と場内を笑わせた。

◆巨人・秋広優人内野手(20)が20日、川崎市のジャイアンツ球場で全体練習に参加し、後半戦の目標に全試合出場(残り60試合)を掲げた。3年目にして3番に座り、前半戦は打率・299、8本塁打、25打点と飛躍の足がかりを築いた。当初の目標だった規定打席には到達間近。「出始めの頃を考えたら想像以上だけど、出させてもらっている。勝利打点や試合を決める一打を増やしていけるように頑張りたい。ホームランは2桁打ちたい」と決意を新たにした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全セ・佐野恵太外野手(28)=DeNA=が「2番・左翼」で出場。広陵高時代を過ごした広島で、一回に好守備を見せた。一回2死一塁。全パの4番・万波(日本ハム)が捉えた打球はライナーで左中間へ飛んだ。左翼手・佐野は猛ダッシュで背走し、そのままランニングキャッチする好プレーを披露。全セの先発、九里(広島)も両手をたたいて喜び、マツダスタジアムのファンの温かい拍手に包まれた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)第1戦に続き、全パが先制した。二回、先頭の全パ・柳田悠岐外野手(34)=ソフトバンク=が1ボールからの2球目、105キロを捉えて右中間への二塁打としてチャンスメーク。最優秀選手賞を獲得した前夜19日に続く活躍で見せ場をつくると、続く紅林弘太郎内野手(21)=オリックス=の左前打で無死一、三塁。さらに1死から、若月健矢捕手(27)=オリックス=の中犠飛で柳田が本塁に生還。1点を先制した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)4年ぶり2度目の出場となった全セ・今永昇太投手(29)=DeNA=が三回に2番手で登板。1回わずか10球、全て直球勝負で全パの上位打線を相手に完全投球を見せた。先頭の杉本(オリックス)は147キロで遊ゴロ、続く中村晃(ソフトバンク)も147キロで左飛に仕留め、最後は近藤(ソフトバンク)を外角低めへの147キロでハーフスイングを奪い、安定した投球で1回を投げ終えた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)日本で初出場のオールスターで「バウアー劇場」を見せた。全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=が四回に3番手で登板。投球前にグラブでサインを送り、打者に事前に球種を知らせてから投球する超異例の勝負を挑んだ。先頭の万波(日本ハム)もバウアーに応えてフルスイング。捕邪飛を大城(巨人)が落球する一幕もあり、カウント2―2からの7球目、予告通りの131キロスライダーを万波が左翼席へと運ぶと、バウアーは笑顔で拍手を送った。そのまま予告投球を続け、柳田(ソフトバンク)は155キロで二ゴロ。紅林(オリックス)は152キロで詰まらせるも中前へポトリと落とされ、安田(ロッテ)にも左前打を許した。1死一、三塁から若月(オリックス)の三ゴロの間に1点を失ったが、小深田(楽天)を一飛に打ち取り、1回24球の「バウアーショー」を終えた。米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)にも輝いた右腕は、日本で初の球宴を「すごく楽しかったし、マウンドも素晴らしかった。お客さんの雰囲気も最高でした」と振り返った。本塁打を許した万波には「ソード(セレブレーション)をやってもらいたい」と自身のポーズをおねだりした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全パ-全セ、マツダ)1-0の四回、先頭で打席に入った全パ・万波中正外野手(23)=日本ハム=が、2試合連続となるアーチをかけた。サイヤング賞右腕の全セ・バウアー(DeNA)との対戦。バウアーが球種を示してから投球する中、直球、スライダーを空振りし、2球で追い込まれたが、粘った。カウント1-2から153キロの直球を打ち上げ、捕邪飛に倒れたかに思われたが、捕手の大城が落球し、〝打ち直し〟に。7球目の予告されたスライダーを左中間へ運び、笑顔でダイヤモンドを一周した。バンテリンドームナゴヤで行われた第1戦では、途中出場して球宴初打席で本塁打。この日は「4番・中堅」で先発し、存在感を放った。

◆ヤクルトの新外国人、エルビン・ロドリゲス投手(25)=前レイズ=が20日、神宮外苑で1軍の全体練習に初めて参加した。球宴期間を使ってナインにあいさつするなど交流するのが目的で「チームメートは明るくて、みんな生き生きしていました。すごい(1軍で)練習もしたかったので、本当にワクワクが止まらなかった」と楽しんだ。前日19日の2軍練習では来日後初のブルペン入りして座った捕手に36球を投げた。身長195センチの長身右腕は「ブルペンは思ったよりも意外といい感じで投げられた。翌日の張りもそんなになくて、すごくいい感じの疲れがある」とうなずいた。この日は今季から加入したピーターズと話したりリラックスした様子でキャッチボールや走り込みなどをこなして「時差ボケもとれましたし、リズムよく生活も出来ている。これからどんどんといい体調にもっていきたい」と先を見据えた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)全セのサイスニード投手(30)=ヤクルト=が、バウアー(DeNA)の後を受けて五回に4番手で登板。自身初の球宴で1回1安打無失点と好投した。「オールスターはレベル、リーグ関わらず本当に光栄なことですし、しっかり楽しみながらプレーできればと思います」監督推薦で選出された際には、そう喜びの気持ちを表現していたサイスニード。先頭・杉本(オリックス)を三塁内野安打で出塁させたが、続く中村晃(ソフトバンク)を一直に抑えて併殺に。最後は近藤を一ゴロに仕留めた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)全セ・高津臣吾監督(54)=ヤクルト=が、この日は自らリクエスト要求した。五回裏の攻撃で無死一塁から、中田(巨人)が三ゴロを放ち二塁はアウトに。全パが併殺を狙い一塁は微妙なタイミングで判定はアウトとなったが、すぐにベンチを飛び出してリプレー検証を求め、判定が覆った。前日19日の第1戦(バンテリンドーム)では、二回2死で全パ・近藤(ソフトバンク)が左翼フェンス直撃の打球を放ち、二塁へ。ベース上でクロスプレーとなりセーフの判定となったが、コーチとしてベンチ入りした阪神・岡田監督がリクエストを要求し、リプレー検証の結果、判定が覆っていた。第1戦終了後に「言い訳じゃないけど、いいピッチャーがいっぱいいるので、ブルペンに見に行っていた。そうしたら岡田さんが出てきて、モニターを見たら何かやっているから、あれ?って。俺の仕事だと思って(笑)」と真相を告白していた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全セ・牧秀悟内野手(25)=DeNA=が「5番・二塁」で先発出場し、3点を追う五回無死二塁で中前適時打を放った。この回先頭で右中間二塁打を放った4番・岡本和(巨人)に続き、甘く入った全パ・津森(ソフトバンク)の直球を逃さず、コンパクトにはじき返した。牧と岡本和は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でともに日の丸を背負い、世界一に貢献した。岡本和はこの日の試合前に行われたホームランダービーで牧の叫ぶ顔がプリントされたTシャツを着用し、見事に優勝を飾っていた。

◆巨人のドラフト1位・浅野翔吾外野手(18)=香川・高松商高=が20日、川崎市のジャイアンツ球場で全体練習に参加し「1軍にいさせてもらっている。浅野翔吾という一人の選手として戦力になれるように頑張る」と表情を引き締めた。7日に初の1軍昇格を果たし、8日のデビュー後は3打席連続三振。初安打が持ち越しとなる一方、18日のフレッシュオールスターでは適時打を含む2安打を放った。「フレッシュオールスターでも打てているので、調子が悪いとかじゃなくて、1軍の雰囲気に慣れていないだけだと思う」と冷静に語った。全体練習後は居残りで本塁近くから外野方向へ飛ばすロングティーに励んだ。「時間がたてば(結果は)ついてくると思うので、落ち着いて焦らずにいきたい」と汗を拭った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ―全パ、マツダ)全セ・大竹耕太郎投手(28)=阪神=が6番手で1―3の七回に登板し、1回2安打1失点の球宴デビューだった。先頭のマルティネス(日本ハム)に中前打を打たれると、松本剛(同)にも中前に運ばれて1死一、三塁。ここで「交流戦でヒットを打たれてしまったので、リベンジしたい」と話していた古巣ソフトバンクの栗原との対戦が巡り、ツーシームを引っ張られて右犠飛とされた。それでも最後は外崎(西武)を直球で中飛に抑えて締めくくった。マツダは5日の広島戦で、無四球5安打でプロ初完封勝利を挙げた思い出の舞台。尊敬する和田(ソフトバンク)が三塁ベンチ最前列から見守るなか、元気に腕を振った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)全セ・岡本和真内野手=巨人=が牧秀悟内野手=DeNA=とともに放送席に登場。軽快なトークを繰り広げ、岡本は優勝を果たしたホームランダービーで着用していた〝牧Tシャツ〟の裏話を明かした。「ハマスタの中継を見ているときにファンの方が着ていて『あれが欲しい』となって、牧くんにお願いして、もらいました」岡本にとって牧は2学年下ながら、WBCでも共闘するなど親しい間柄。牧のムードメーカーっぷりに岡本が「最高に面白いです。最高です」と笑顔を見せると、牧も「岡本さんに気に入ってもらえてすごくうれしいです」と息の合った掛け合いを見せていた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ-全パ、マツダ)全セ・田口麗斗投手=ヤクルト=が九回に登板し、1安打無失点とした。ヤクルトに移籍後初選出となった球宴で、地元広島に雄姿を届けた。先頭の松本剛(日本ハム)は空振り三振。1死から栗原(ソフトバンク)に右前打を許したが、続く外崎(西武)を遊ゴロ併殺に仕留め、無失点とした。球宴仕様で約6時間かけて染めたレインボーヘアで好投。回転数700台のパームを投じるなど、緩急自在に投球した。

◆JR東海は20日、日本野球機構(NPB)と共同で、元プロ野球選手による野球教室とリニア中央新幹線の体験乗車に参加できるイベントを9月16日に開催すると発表した。対象は小学1、2年の計40人で、参加費は無料。静岡県三島市にあるJR東海の総合研修センターで、元ロッテの里崎智也さんらによるバッティング指導などを行った後、山梨実験センター(山梨県都留市)へ移動し、元選手らと一緒にリニア改良型試験車に試乗する。同社は「子どもたちの夢を見つける企画にしたい」としている。インターネット上の専用フォームで8月1日から10日まで申し込みを受け付ける。保護者の付き添いが必要。応募多数の場合は抽選となる。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)全パ・万波中正外野手(23)=日本ハム=が2試合連発のソロを含む2安打1打点と活躍し、最優秀選手賞(MVP)に輝き300万円をゲットした。有言実行を果たした殊勲者は「取るつもりは満々でした。最高です」と声を弾ませた。敢闘選手賞(100万円)に2安打の全セ・岡本和真内野手(27)=巨人、2回無失点の全パ・山下舜平大投手(21)=オリックス、2安打2打点のアリエル・マルティネス捕手(27)=日本ハム=が選ばれた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1ー6全パ、全パ2勝、マツダ)阪神勢は大竹耕太郎投手(28)が6番手として七回に登板し、1回1失点だった。第1戦で2回4失点の村上頌樹投手(25)、1回2失点の岩崎優投手(32)に続いて、出場3投手全員が点を奪われた。途中出場の大山悠輔内野手(28)、佐藤輝明内野手(24)、シェルドン・ノイジー外野手(28)らは無安打で、木浪聖也内野手(29)が左前打、中野拓夢内野手(27)は2試合連続のヒットを左前に運んだ。チームは22日のヤクルト戦(神宮)から後半戦に突入する。試合後、岡田彰布監督(65)はアクシデントなく2試合を終えたことについて「それが一番、よかった」とコメント。久しぶりの球宴については「そんなん何もないよ(笑)」と話すだけだった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)190センチ、98キロの体格から繰り出す剛球がうなりをあげた。今月16日に21歳になった〝ペーター〟が球宴デビュー。全パ・山下舜平大投手(オリックス)が第2戦先発の大役を全うした。「とても楽しかったです。本塁打だけは打たれないように気を付けた。本当に野球の楽しさを改めて実感できる場と思いました」150キロ前後の直球で押しまくり、二塁すら踏ませず2回1安打無失点に抑えた。全18球中、変化球は1球のみ。登板後のテレビ中継では解説席の古田敦也氏から「もっとカーブが見たかった」と言われ、「(捕手の)若月さんのサイン通りに投げました」と初々しく振り返った。一回は9球で三者凡退と最高のスタートを切った。1点の援護を受けた二回は先頭・岡本和(巨人)に左前打を打たれたが、牧(DeNA)を直球とカーブの投げ分けで空振り三振。中田翔(巨人)を三ゴロ併殺に仕留めスコアボードにゼロを並べた。福岡大大濠高から2021年ドラフト1位でプロ入り。3年目の今季は開幕戦で1軍デビューを飾り、ここまで12試合で8勝2敗、防御率1・49。選手間投票で初めて夢舞台の切符をつかんだ。この2日間は〝令和の怪物〟同士のコラボが実現した。1学年上の佐々木朗(ロッテ)にフォークのコツを教わり、「いろんなことを勉強させてもらいました」と感謝しきり。敢闘賞で100万円もゲット。パ・リーグ首位を走るオリックスの若き剛腕が一段とスケールアップして後半戦に向かう。(柏村翔)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=が四回に3番手で登板。日本での球宴初登板は、全投球前に打者へ球種を伝える前代未聞の〝予告投球〟で挑んだ。1回3安打2失点(自責0)。「何がくるか分かれば、それに合わせた一番強いスイングをしてくる。自分のベストと相手のベストがぶつかるのが一番面白い野球の勝負。そのために予告した」と明かした。さらに、試合前の交流で本人から聞いたばかりの、山本由伸(オリックス)が挑戦した左足をほとんど上げないクイック投法にも挑戦。「どうやって投げるのかを聞いて、きょうの試合で試した。2、3回やって、けっこうよかったと思う。ストライクを投げることができたし、違いを感じました」と語った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)ロッテの種市がわずか6球で1回を完璧に抑えた。四回に登板し、全球速球で打たせて取り「全て(ストライク)ゾーンで勝負することができた。本当にいい経験をさせてもらった」と満面の笑みを浮かべた。バウアー(DeNA)や憧れの存在だった和田(ソフトバンク)らからアドバイスをもらい、初出場の球宴で多くの収穫を手にした。「聞ける人には聞くことができた。今後に生かすことができる」と満足げに話した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)巨人の戸郷が六回に登板し、威力のある直球主体で攻めて1回1安打無失点だった。先頭の万波(日本ハム)には二塁打されたが、続く柳田(ソフトバンク)は高めの速球で左飛に仕留め、「いい感じで打ち取れた。日本を代表する打者と対戦できて良かった」と手応えを口にした。米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたバウアー(DeNA)と初めて会話したという。「野球に対する考えとかを学べた。僕ももっと考えて野球をしないと」と刺激を受けていた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)オリックスの紅林が、球宴初ヒットを含む3安打の固め打ちを見せた。ただ、敢闘選手賞はチームの後輩、山下に譲り「(意識は)めちゃくちゃありました。悔しかったです」と苦笑した。四回1死ではバウアー(DeNA)から中前打を放った。相手が球種を伝えてくる中、152キロの外角速球をはじき返した。球宴ならではの対戦に「来ると分かっていても想像を超えるような球を投げてくる。何とかヒットになって良かった」と安堵した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)全セ・岡本和真内野手(27)=巨人=が2安打を放ち敢闘選手賞(賞金100万円)に選ばれた。試合前に行われたホームランダービーでは頂点に立った。試合後の一問一答は以下の通り。--ホームランダービー制覇「うれしいですし、DeNAの(打撃投手の)中村さんが投げてくれたのでありがたかったです」--敢闘賞に輝いた「取れると思わなかったし、呼ばれてびっくりしましたけど、よかったです」--ホームランダービーで牧のTシャツを着用「最高に欲しかったのでうれしかったです」--牧との連打で1点を取った「明後日からも戦うので頑張りたいです」--後半戦にどうつなげる「しっかり打てるように一試合一試合大事にしていきたいです」--賞金の使い道は「特にないので、しっかり考えていきたいです」--球宴の2日間通して「いいリフレッシュになったし、後半戦も頑張りたいです」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)全パ・万波中正外野手(23)=日本ハム=が2試合連発のソロを含む2安打1打点。最優秀選手賞(MVP、賞金300万円)に輝いた。試合後の一問一答は以下の通り。――バウアーの球種予告「そういえばそんなことを言っていたなと思って。でも、チャンスだったのは間違いないので思い切りいきました」――記事とかで見ていた「はい。何かで見ました」―-初出場での2試合連発は史上初「本当ですか? うれしいですね」―-球種がわかっていれば打てるものか「そうは思わないです。難しいですし、変な力みも出ます。意外と簡単ではないと思います」―ホームラン競争で優勝を逃した悔しさがあった「あったっすね。取りたかったので。悔しかったです」―-後半戦が始まる「体的にはなかなか休めなかったですけど、気持ち的にすごくリフレッシュできました」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=が四回から3番手で登板し、1回3安打2失点だった。全球種を予告して投じ注目を集めた。試合後の一問一答は以下の通り。――全球種予告した「全球予定通り予告して投げることができました。万波選手に(本塁打を)打たれてしまったんですけど、あのボール、スライダーは低く投げていれば三振を取るチャンスもあったんじゃないかなと思っています」――意図は「楽しむためというのが一番です。何が来るかがわかっていれば、それに合わせた一番強いスイングをしてくると思う。自分のベストと相手のベストがぶつかることが一番面白い野球の勝負なんじゃないかと思ったので、そのために全球予告しました」――打者の反応は「いい反応だったと思います。大きいスイングをしてくれていましたし、初球なんかは『この方は何をやっているのかな』と混乱した様子もあったんですけど、みんな力いっぱい振ってきてくれたので、僕自身楽しかったですし、野手の皆さんも楽しんでくれていたならよかったなと思います」――佐々木朗希と話していた「どうやったら160キロを投げられるのか聞きました。素晴らしい才能を持っていますし、投げているのを見ていてすごく楽しい選手」――選手との交流で学んだことや刺激を受けたことは「たくさん学ぶことがありました。(オリックスの)山本選手、(ロッテの)佐々木選手、(西武の)平良選手、いろんな人と話すことができました。こういう機会があるときは、やっぱりみんな素晴らしい選手たちなので、いい話ができます。ここで得たものを後半戦に生かしていけたらと思います」――一番得られたものは「一番大きかったのは山本投手の投球フォーム。足をあまり上げないフォームなんですけど、それをどうやってやるのか、どうやって投げるのかを聞いて今日の試合で試しました」――やってみてどうだった「結構よかったと思います。ストライクを投げることができたと思いますし、違いを感じました」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)全セ・高津臣吾監督(54)=ヤクルト=は故郷の広島に凱旋(がいせん)して采配を振るった。球場では母・光恵さんら家族も観戦。五回裏の攻撃では、無死一塁で中田の三ゴロが一時は併殺打となったが、一塁の判定をめぐってリクエストを要求し、リプレー検証の結果、判定が覆った。今年も全パに勝利することはできなかったが、プロ野球ファンを沸かせる2日間を演出した。高津監督の主なコメントは以下の通り。――オールスター2試合終えて「生まれ育ったね、広島で勝てはしなかったけど、まさかオールスターのセ・リーグの監督としてね、ここに帰ってこられるとも思っていなかったので。ここに連れてきてくれたのは選手たちなのでね、選手たちに感謝するとともに、また頑張らないといけないなと思いました」――ご家族が来ていた中で指揮を執れた。特別な思いもあった「そうですね、まさか、まさかばっかりで、僕がここにいていいのか、監督として戻ってきてというとおかしいですけど、一塁側のベンチに座ることもなかなかね、広島ではないですし。ちょっと、そういうところも楽しませてもらいましたけど」――今日は自らリクエストを要求した「そう。中田翔は迷惑しているみたいだったけど(笑)。はい、しっかり見ていましたから」――監督としてバウアーを見ての印象「彼だけじゃなくて、いろいろな選手がたくさん投げて、いろいろ思うところはありました。こういうことをやっているから、こうなんだとか。まあうちの選手もそうですけど。いろいろ特徴があって、ここで生き残るために考えながらピッチングをしているんだな、バッティングをしているんだなっていうのがわかるメンバーでしたね」――2日間で印象に残ったシーンはあるか「残り60試合をみんなで盛り上げてね。プロ野球って楽しいんだというプレーを見せられたらと思いますけど。そういう話は最後させてもらいました」――みんなでリーグを盛り上げる「『みんなでガチンコ勝負しましょう。6球団でね、ガチンコ勝負をしましょう』という話をしました」――岡田監督や三浦監督と話して「詳しいことはあれですけど、日ごろから会話ができるわけではないので、他球団の監督さんとは。すごく気さくにいろんな話をさせてもらいました。野球に関係ないことも。野球であったり、野球の違いだったりとか、われわれの頃はこうだったとか、すごく楽しい時間でした」――一回には九里がハグをして、バウアーも球種を予告しての投球。オールスターならではのことだった「ファンの人が楽しんでくれれば、それでいいかなと思います」――バウアーの凄さは「体が強いね、たぶん。たぶんって言ったらあれだけど、大きいのはもちろんだけど、そこに強さがあるから、ああいう球が投げられるんだろうなと思います。こればかりは答えは一つではないと思うし、これが正解じゃないかもしれないけど、芯の強さとか、考える頭だったりとか、いろいろ考えているんだろうなと思いました」――過密日程について「預かったままで各球団に返すことが一番の仕事だと思っているので、けがのないように、無理のないように。明後日には後半戦が始まるわけですから、そこにベストな状態でできる限り挑んでほしいと。それはなかなかね、2試合やると、期間も短いですし。気を使っても難しいことはたくさんあるんですけど、今回集まった選手は本当に全力でプレーしてくれて、元気な体で球団に帰ってくれると思うので良かったと思います。そういった気はたくさん使ったつもりですけど」――バウアーの球種予告については「何も聞いていなかったですけど」――感想は「教えてくれたらいいのにね(笑)。球種もたくさんあるし、どの球種をとってもトップレベルの球だし、ちょっと今日はコントロールできない部分もありましたけど、コントロールで乱れる選手でもないので、さすがだなと思いました」――リクエスト時は笑顔もあった。やり取りは「特にないよ。あのときファーストコーチャーだれだったっけ」――小笠原(中日)「一番最初に反応したから、じゃあリクエストしようと」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)西武の平良が全球150キロ台の速球で押し、2回を2安打無得点に抑えた。八、九回とも走者を許したがしっかり後続を抑え「全て真っすぐを投げられるチャンスだった。出力はいつもよりも出ていた気がする」と明るい表情で話した。3年連続の出場。今季から先発に転向し、救援時代ほど球速が出ないのではという不安があったというが「何とかゼロで抑えることができて良かった」と安堵した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1―6全パ、全パ2勝、マツダ)来日3年目で初の球宴出場となった全セ・サイスニード投手(30)=ヤクルト=が充実の2日間を振り返った。「初めてのオールスターを楽しむことができましたし、無失点で抑えることができて良かったです。各球団を代表するピッチャーたちの投球が見れたことが刺激になりました」。五回に4番手として登板。先頭の杉本(オリックス)に三塁内野安打を許したが、続く中村晃を一直併殺に仕留めると最後は近藤を一ゴロに。1回を無失点とした。球宴ならではの他球団選手との交流も積極的に行った右腕。「ターリー選手(広島)やノイジー選手(阪神)と野球についていろいろな話ができましたし、日本人選手では小笠原選手(中日)や九里選手(広島)らたくさんの選手と交流できて良かったです」と明かした。今季は先発ローテーションの中心として14試合に登板し、5勝5敗、防御率3・43としている。後半戦に向けて「しっかりと準備をして後半戦チームの勝利に貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)2年連続2度目の球宴出場となった全セ・大山(阪神)は七回の守備から途中出場。八回無死一塁で打席に立ったが平良の153キロ直球をとらえきれず、痛恨の遊ゴロ併殺に倒れた。球宴では通算8打席で無安打。待望のオールスター初ヒットは2024年に持ち越しとなった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)全セ・中野拓夢内野手(27)=阪神=が八回に2試合連続安打となる左前打、木浪聖也内野手(29)=同=も九回に球宴初安打となる中前打を放った。後半戦も虎のセンターラインを支える2人が、祭りのクライマックスに〝アレ〟へと続く頼もしい輝きを放った。クライマックスが迫る、第2夜を迎えた祭りの最終盤。中野が2日連続のHランプをともし、スターだらけの舞台でスポットライトを実力で引き寄せた。特別な2日間の経験を詰め込んだ一打が、すぐそこに待つ後半戦にもきっとつながる。そんな予感まで抱かせてくれる一夜になった。「ベンチから見る野球も良かったなと感じましたし、1打席に集中して打席に入ることができたので、良かった」ファン投票で選出された野手6人が先発した第1戦とはがらりと変わって、虎戦士はスタメンに0人。大竹の登板に合わせて七回から二塁守備に就くと、すぐに見せ場を作った。八回に迎えた最初で最後の打席。平良(西武)が初球に投じた151キロ直球を捉え、しぶとく三遊間に転がす左前打。球宴10打席目で初安打をマークした第1戦に続き、2戦連続の安打で出塁した。刺激されたかのように、九回には同じく途中出場で遊撃に入った木浪が球宴初安打となる中前打。虎戦士が球宴で二遊間を守り、ともに安打を放つのは2012年の鳥谷敬-平野恵一以来、実に11年ぶりだった。2023年の虎をセンターラインで支える2人が、祭りを終わらせまいと、後半戦までつながっていくような躍動を見せた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)全セ・梅野(阪神)は七回の守備からマスクをかぶり、同僚の大竹から、ターリー、田口の3投手をリード。九回先頭で巡った打席では平良からオール直球勝負を挑まれ、二ゴロに倒れたものの、9球に及ぶ激突を楽しんだ。19日の第1戦後に話していた「あしたは勝ちたい」との願いはかなわなかったが、充実した2日間を過ごした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)夢舞台を堪能できた。全セ・佐藤輝(阪神)は途中出場で1打数無安打に終わったものの、〝土産〟をたんまり抱え込んで虎に帰還する。「しっかり楽しめたので、そういう気持ちを忘れずにもう1度プレーしたいと思います」試合後のミックスゾーンで声を弾ませた。七回表から三塁を守り、バットでは1-4の七回2死から16セーブをあげている全パ・オスナ(ソフトバンク)の初球151キロ直球を打ち上げ、三邪飛に倒れた。「真っすぐを狙っていたんですけど、だめでした。それは悔しいっす」と振り返ったが、19日の第1戦(バンテリンドーム)では2打数2安打でお祭りを盛り上げた。この日の練習終了後には自主トレで〝弟子入り〟した全パ・柳田(ソフトバンク)や、安田(ロッテ)らと写真撮影を行うなど、リフレッシュした。阪神で打率・214、10本塁打、42打点の数字を残すが、後半戦初戦となる22日のヤクルト戦(神宮)から、もっともっと暴れまわる。佐藤輝は「野球は楽しい。そういう気持ちはこの先も忘れずに持っておきたい。(後半戦へのきっかけに)なればいい」と活躍を誓った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)何度、壁にぶつかっても雑草魂ではい上がってきた。陽の目を浴びずとも必死にもがき続けた全セ・大竹(阪神)が、晴れ舞台でようやく花を咲かせた。憧れの球宴のマウンドに立つと、万感の思いがあふれた。「パフォーマンスよりもいろんな選手としゃべれたというのが大きい。すごいボールをランナーコーチとしてみたり、実際にしゃべらせてもらったりした」待ちに待った出番は七回だ。2本の安打で1死一、三塁のピンチを招くと、元同僚の全パ・栗原(ソフトバンク)の右犠飛で失点。それでも戦友との対決に「(結果は)ちょうどいいんじゃないですか。打ち取ってるけど、1点取られて」と笑った。「なんか楽しむ余裕もなく、ヒットを打たれちゃったので」1回2安打1失点で無失点投球はできなかったが、全14球中9球は直球で勝負し、「首を振ってストレートをいっぱい投げた」と充実感をにじませた。この夢舞台にたどり着くまでいくつもの試練を乗り越え、苦労を重ねてきた。2018年に育成D4位で早大からソフトバンクに入団。1年目の7月に支配下契約を勝ち取り、プロ初白星もマーク。翌年には17試合で5勝(4敗)を挙げたが、以降は常勝軍団の厚い選手層に埋もれる形となり、登板期間も減少していった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=が四回に3番手で登板し「バウアー劇場」を演じた。2020年に米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いた右腕は、日本の球宴初登板で1球ごとに打者へ球種を伝える〝予告投球〟で臨み、1回3安打2失点(自責点0)。全パ・山本由伸投手(24)=オリックス=のクイック投法にも挑戦するなど「プラスワン投票」で出場した夢舞台でファンを沸かせた。「バウアー劇場」が3万925人の大観衆、テレビ越しに見つめた野球ファンを魅了した。18日のファンクラブイベントで宣言していた通り、バウアーは1球ごとにグラブを上下左右に動かし、多彩な球種を投球前に打者へ伝えた。「楽しむためが一番。何が来るか分かれば、それに合わせた一番強いスイングをしてくる。自分のベストと相手のベストがぶつかるのが一番面白い野球の勝負。そのために予告しました」球宴だから許される正真正銘の力勝負。先頭の万波が打ち上げた捕邪飛の打球を大城卓が落球する一幕にも「三振を取るチャンスが残り、本心ではよかった」と笑みを浮かべた。カウント2―2からの7球目、131キロのスライダーを左翼席へ運ばれると「低く投げていれば三振を取るチャンスもあったと思うけど、楽しかった」と笑顔で拍手を送った。〝演目〟はそれだけではなかった。試合前に山本に投げ方を聞いたばかりの、左足をほとんど上げないクイック投法にも挑戦。「2、3回やってけっこうよかったと思う。ストライクを投げることができたし、違いを感じた」。カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)出身で機械工学を専攻した〝投げる科学者〟は夢舞台さえも研究に費やした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)全パが全セに6―1で勝ち、2021年の第2戦から5連勝。通算成績を90勝80敗11分けとした。全パ・万波中正外野手(23)=日本ハム=は四回、全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=から左中間へソロ本塁打を放った。オールスター初打席アーチを記録した第1戦に続く一発で、球宴初出場から2試合連続本塁打は史上初。六回には右中間二塁打で勝利に貢献し、最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。異例の〝予告投球〟でざわつく観客の視線をかっさらった。四回、全パの4番・万波がサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)右腕、バウアーのスライダーを捉え、左中間席中段に突き刺さるソロ本塁打。真夏の祭典で2試合連続となるアーチを描き、満面の笑みでダイヤモンドを一周した。「本当に完璧な当たりでした。球種を教えてもらって打つなんて、慣れないことでしたけど、最高の結果になりました」交流戦で一発を放っていたバウアーとの対戦。右打席に入ると球種を予告された。23歳の若き主砲は驚きのスタイルに触れ「一発で仕留めたい」。本塁打への強い思いから「変な力みが出た」と直球、スライダーと続けて空振り。2球で追い込まれて苦笑いした。カウント1-2からの4球目、153キロの直球を打ち上げ、捕邪飛に倒れたかに思われたが、捕手の大城卓が落球し「ラッキー」。気持ちを整理し、7球目の〝予告スライダー〟を仕留めた。途中出場して球宴初打席で本塁打を放った第1戦に続く2試合連発。球種が分かっていても「なかなか簡単ではなかった」と胸を張った。六回には右中間への二塁打をマークし、最優秀選手賞(賞金300万円)とマイナビドリーム賞(同100万円)を受賞。第1戦の敢闘選手賞(同100万円)と合わせ、2日で500万をゲットした。「(MVPを)取るつもり〝満々〟でした。大満喫しました」と笑った。昨年の球宴では初選出された同僚の清宮が第1戦でMVPを受賞しており、「〝清さん〟に続きたい気持ちがあった」とうなずいた。柳田に打撃論を聞くなど充実の2日間を過ごした。最下位のチームは10連敗中。前半戦で自己最多だった昨季を1本上回るリーグ2位の15本塁打を放った伸び盛りのスラッガーは「なんとか打って、まずは連敗を止めたい」。祭典を盛り上げた〝お祭り男〟がチームを引っ張る。(武田千怜)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)剛球でねじ伏せた。今月16日に21歳になった〝ペーター〟がマツダスタジアムで球宴初登板先発に臨み初勝利。敢闘選手賞で賞金100万円をゲットした全パ・山下(オリックス)は大感激だ。「絶対に取れないと思っていました。選んでいただいて光栄です。(賞金は)貯金しようと思います」190センチ、98キロの体格を生かした150キロ前後の直球で押しまくり、二塁すら踏ませず2回1安打無失点に抑えた。全18球中、変化球はカーブの1球のみ。登板後のテレビ中継では解説席の古田敦也氏から「もっとカーブが見たかった」と言われ、「(捕手の)若月さんのサイン通りに投げました」と初々しく振り返った。一回を9球で三者凡退に抑えた。1点の援護をもらった二回先頭で岡本和(巨人)に左前打を浴び走者を背負ったが、牧(DeNA)を直球とカーブで空振り三振。中田翔(巨人)を三ゴロ併殺に仕留め、先発の大役を全うした。福岡大大濠高から2021年ドラフト1位で入団。3年目の今季は開幕戦で1軍デビューを飾り、ここまで12試合に先発し8勝2敗、防御率1・49。選手間投票で初めてつかんだ夢舞台でいきなりスポットライトを浴びた。この2日間で超一流を味わった。1学年上の佐々木朗(ロッテ)からフォークを、メジャーでセーブ王のタイトルを獲得したオスナ(ソフトバンク)からはカットボールを教わった。「本当に野球の楽しさを改めて実感することができました」パ・リーグ首位を走るオリックスの若き剛腕。一段とスケールアップした投球でスターの階段を駆け上がる。(柏村翔)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)両リーグトップの20本塁打を誇るキング、全セ・岡本和真内野手(27)=巨人=が、お祭りの舞台で存在感を発揮した。「取れると思っていなかったので、名前を呼ばれてびっくりしました」「4番・三塁」として先発。二回の第1打席で山下から左前打を放つと、五回の2打席目は津森から右中間二塁打を放ち、続く牧の中前打でチーム唯一の得点。2安打も岡本和だけ。堂々の敢闘選手賞で賞金100万円をゲットした。試合前にも100万円を獲得していた。ホームランダービーに出場し、初戦の準々決勝で柳田を破り、準決勝では12スイングで5本塁打を放ち、宮崎に勝利。決勝では先攻の細川がまさかの0本に終わったため、8スイング目で左中間スタンドへ豪快に運んだ瞬間に初優勝を確定させ、この日最初の賞金を手にした。練習着の下には咆哮している牧の顔面が大きくプリントされているTシャツを着用し「内側からパワーが出ました」と本塁打を連発。試合中には放送席に牧とともに登場し「中継を見ているときにファンの方が着ていて、あれが欲しいとなって、牧君にお願いしてもらいました」と明かした。21日の移動日を挟み、22日からは後半戦がスタートする。「(球宴は)いいリフレッシュになったし、後半戦も頑張りたい」。正念場の夏。元気な主砲が4位に低迷するチームを押し上げる。(湯浅大)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(20日、全セ1-6全パ、全パ2勝、マツダ)監督選抜で巨人時代の2017年以来、6年ぶり2度目の選出となった全セ・田口麗斗投手(27)=ヤクルト=が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。20日の第2戦(マツダスタジアム)で九回に8番手で登板。地元・広島で1回1安打無失点と好投した。今季は守護神を任され、リーグ2位の21セーブ。目標とする今永昇太投手(29)=DeNA=との交流を明かし、クローザーとしてのシーズン完走を誓った。素晴らしい選手がたくさんいる中でプレーできて、思い出に残る投球になりました。シーズン中には投げないパームを投げると決めていたので、最後に決まって併殺打をとれてよかったです。オールスターは日本の野球ファンがその1試合に集中する特別な日ですし、誰もが経験できる晴れ舞台ではないので、選んでいただいた高津監督には本当に感謝したいです。スキルアップのために今永さんに体の使い方やトレーニングの仕方、カットボールのことも聞くことができました。何度か侍ジャパンでも一緒にプレーさせていただいて、昔から目標としている勝てる左投手です。今年、直球は抜群にいいですし、年々すごくなっている印象があります。自分もずっと200勝という目標を持っているので、今永さんみたいになるにはどうすればいいのか、もっともっと深堀りして、学びたいと思っていたので、自分のものにできればと思います。

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