全セ(★1対8☆)全パ =オールスター1回戦(2023.07.19)・バンテリンドーム=
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全パ
40100210081502
全セ
0000001001601
勝利投手:佐々木 朗希(1勝0敗0S)
敗戦投手:村上 頌樹(0勝1敗0S)

本塁打
【全セ】宮﨑 敏郎(1号・7回裏ソロ), 【全パ】柳田 悠岐(1号・3回表ソロ),万波 中正(1号・7回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ
◆全パが快勝。全パは初回、3本の適時打などで4点を先制する。その後は、3回表に柳田がソロを放つと、7点リードで迎えた7回には万波にも一発が飛び出した。投げては、先発・佐々木朗をはじめ、8投手の継投で相手を1失点に抑えた。敗れた全セは、終盤に宮崎のソロで一矢を報いるも、反撃はそこまでだった。

◆試合前からスター選手の交流で華やいだ。試合前練習のためグランドに出てきたDeNA牧秀悟内野手は、阪神佐藤輝明内野手、村上頌樹投手、中日細川成也外野手とともに動画を撮影? 佐藤輝が大爆笑するなど和気あいあいだった。プラスワン投票で選ばれたDeNAトレバー・バウアー投手は、阪神大竹耕太郎投手とキャッチボール。その後2人でじっくり話し合っている様子だった。パ・リーグでは、この日先発のロッテ佐々木朗希投手が、ネット越しに小さい子供を見つけると、歩み寄ってサイン。この日も温かい光景が見られた。初の球宴となったオリックス山下舜平大投手は、チームメートの山崎颯一郎投手とともに、ソフトバンクのロベルト・オスナ投手、ロッテ種市篤暉投手とともに座り込んで談笑。オスナのボールの握りを興味深そうに見つめるなど、野球談議に花を咲かせていた様子。それぞれが思い思いに交流を楽しんでいた。

◆試合前に野球殿堂入り表彰が行われた。今年1月に殿堂入りした3人で、プレーヤー表彰の前DeNA監督アレックス・ラミレス氏(48)、エキスパート表彰の元阪神ランディ・バース氏(69)、特別表彰の「闘魂こめて」や「六甲おろし」などを手がけた作曲家、古関裕而氏(故人)の長男・正裕氏が登場した。ラミレス氏は、まず「皆さんこんにちは。殿堂入りのラミちゃんです」と日本語であいさつ。スタンドを沸かせた後、英語で「神様にこのような場を設けてくれたことを感謝したい。次に私の故郷ベネズエラに感謝したい。そして、日本の妻、子どもたち、家族に感謝したい。私を日本に呼んでくれたヤクルトスワローズ、読売ジャイアンツ、DeNAベイスターズ、私をブレークする機会を与えてくださり感謝します。最後に、ここにいる皆さまのおかげで殿堂入りする機会を得ました。ありがとうございます」と感謝の言葉を並べた。さらに「僕のネタをやっていいですか。3、2、1、喜んでー、ゲッツ!」と、おなじみのネタを披露し、さらにスタンドを沸かせた。

◆全セは先発村上頌樹投手、4番大山悠輔内野手ら阪神勢が7選手がスタメンに名を連ねた。全パは9度目の出場となった柳田悠岐外野手が4番に入った。

◆試合前に野球殿堂入り表彰が行われた。今年1月に殿堂入りした3人で、プレーヤー表彰の前DeNA監督アレックス・ラミレス氏(48)、エキスパート表彰の元阪神ランディ・バース氏(69)、特別表彰の「闘魂こめて」や「六甲おろし」などを手がけた作曲家、古関裕而氏(故人)の長男・正裕氏が登場した。あいさつしたバース氏の口から出たのは、阪神のチームメートたちの名前だった。「まず最初に殿堂入りをすることができて、本当に感謝しています。そして、阪神タイガースの球団が私に日本でプレーする機会を与えてくれて、全てが始まりました。本当に感謝しています。そして、阪神のチームメート、掛布さん、真弓さん、岡田さん、そして川藤さん、よくしてくれて、いい経験をすることができました。阪神のみで6年間プレーできましたが、いい体験ができました。全ての野球ファンの皆さま、殿堂入りできたおは皆さまのおかげです。本当にありがとうございました」温かい拍手に包まれた。

◆試合前に野球殿堂入り表彰が行われた。今年1月に殿堂入りした3人で、プレーヤー表彰の前DeNA監督アレックス・ラミレス氏(48)、エキスパート表彰の元阪神ランディ・バース氏(69)、特別表彰の「闘魂こめて」や「六甲おろし」などを手がけた作曲家、古関裕而氏(故人)の長男・正裕氏が登場した。古関正裕氏はあいさつで父親の思い出を語った。「私の父は全く運動がダメでした。ですので、野球の殿堂入りをとても驚いていると思います。しかし、父ほどいろいろな、野球に限らずスポーツの応援歌を作曲した作曲家はいないと思います。スポーツが苦手だったにもかかわらず、選手を応援する応援歌を作ることができたのは、本人も子どもの頃からスポーツではないですが、音楽にどっぷりとつかって過ごしました。この世界で一流になるために日々努力している皆さんと、父の音楽にかけた情熱は通じるものがあったと思います。これからも父の作った応援歌を皆さんがずっと歌い続けていただくことを切に願っています」

◆ヤクルト田口麗斗投手(27)が、オールスター特別仕様の"レインボーヘア"で登場した。2日に分け、計6時間半かけて完成させたド派手ヘアー。「12球団のなんとなくのイメージカラーを入れたいですと伝えて。今しかないなと」と髪色から盛り上げる。同時にこの日、国内FA権の資格取得条件を満たした左腕は「若い時から頑張ってこられて良かったなと思ってます。まだまだ今はチームの事しか考えてないので」とシーズンに集中していく。

◆マイナビオールスターゲーム2023(19日=バンテリンドーム、20日=マツダスタジアム)の試合前にホームランダービーが開催され、巨人岡本和真内野手が決勝で中日細川を下し優勝した。全セの出場者は中日細川、DeNA牧、巨人岡本和、DeNA宮崎。全パは西武中村、オリックス杉本、ソフトバンク柳田、日本ハム万波。

◆巨人岡本和真内野手(27)が全セのキャプテンに就任した。試合前の円陣の声出し役を任せられると、セ・リーグを代表するスターたちへ「小さくなって~」と集合の声かけ。輪の中心でかがむと「みなさん、集結しましたね。いつもは敵で憎い相手もいるかもしれないですけど、今日明日だけは仲良くして、思い切ってケガなくプレーしていきましょう。さあいこう!」と声を張り上げた。ゆるい雰囲気の声出しに全セのチームメートも爆笑。SNSでは「他球団からも愛されキャラ」「岡本キャプテンさすが!愛される存在感」などのツイートが見られた。

◆試合前にホームランダービー第1戦の準々決勝2試合と準決勝1試合が行われ、全セの中日細川成也外野手(24)が20日の決勝に進んだ。準々決勝第1試合では細川と西武中村剛也内野手(39)が対決し、2本放った細川が勝利。第2試合ではDeNA牧秀悟内野手(25)とオリックス杉本裕太郎外野手(32)が対戦し、ともに5本の柵越えで1分間の延長戦へ。2本を追加した牧が勝ち上がり、準決勝第1試合は細川対牧の"元同僚対決"に。4本塁打ずつで再び延長戦へもつれ、3-0で細川が勝利した。ホームランダービーはセ・パ両リーグからファン投票で選出された各4選手が出場。20日には巨人岡本和真内野手(27)、昨年覇者のソフトバンク柳田悠岐外野手(34)、DeNA宮崎敏郎内野手(34)、日本ハム万波中正外野手(23)が登場する。

◆巨人戸郷翔征投手(23)がヤクルト田口麗斗投手(27)の"変化"に驚きを隠せなかった。練習で巨人で同僚だった田口と再会し、キャッチボールした。「僕とトレーナーさんがキャッチボールしていたら田口さんが急に入ってきて、そこから最後までキャッチボールしました」と経緯を説明した。田口はオールスター特別仕様の"レインボーヘア"で登場。前所属の巨人は髪染め禁止ということもあり「オールスターカラーでだいぶ奇抜で、ジャイアンツでは見られない(笑い)。だいぶ(田口が)ヤクルトカラーになっているので、ジャイアンツに本当にいたのかなぁって思うくらい溶け込んでますね」と変わりように目を丸くした。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、中日細川成也外野手(24)を"全面応援"した。ホームランダービーに出場した細川のタオルを掲げながら、ベンチ前に座って放物線を見届けた。バウアーの応援効果もあって? 細川は西武中村、DeNA牧を破って決勝進出を決めた。SNSでは「細川のタオル」がトレンド入り。「細川のタオル持っててわろた」「細川のタオル持ってるのかわいすぎるでしょ」などのツイートが相次いだ。5月27日の中日戦で細川から2本のソロ本塁打を浴びたバウアーは試合前、「ずっと会いたいと思っていた。ホームラン2本、打たれている相手でもありますので。そのことについて、ちょっと冗談を言ったりしました。ホームランダービー、君のことを応援しているよと話をしました」と念願の交流を果たしたことを明かしていた。

◆直近の10試合は全パ8勝、全セ2勝とパ・リーグが優勢を保っている。さらに昨年までで全パが3連勝中と全セを圧倒。通算ではパ・リーグ88勝、セ・リーグ80勝、引き分け11となっている。選手としての通算出場回数は野村克也の21回が最多。連続出場は秋山幸二の18年連続が最多。連続フル出場記録はイチローの17試合。投手と野手両方でのファン投票出場の"二刀流"は関根潤三と大谷翔平の2人だけ。最年少本塁打&最年少MVPは清原和博の18歳11カ月。最年少敗戦投手は田中将大の18歳8カ月。プロ野球の夢の祭典。今年はどんなドラマが待ち受けているのか。

◆全パでスタメン出場したソフトバンク柳田悠岐外野手(34)、近藤健介外野手(29)、栗原陵矢外野手(27)のタカ勢3人がそれぞれ快音を響かせた。近藤は1回無死一塁で右前打、柳田は無死一、二塁で中前適時打、栗原は1死一、三塁で中前適時打を放った。チームでも打線をけん引する主軸3人がオールスターの大舞台でも存在感を発揮。SNS上では「ソフトバンク勢元気やなぁーーーw」「後半開幕に向けてソフトバンク勢ホカホカなんやが、ロッテ大丈夫か?」などの声が上がった。

◆Netflixオリジナルシリーズ「FirstLove 初恋」にも出演した俳優木戸大聖(26)が、ファーストピッチでワンバン投球を披露した。捕手を務めた全セ大城卓へ、ワインドアップでワンバウンド投球。悔しそうに天を仰いで頭を抱えながらも、爽やかな笑顔で場内にあいさつした。木戸は球宴の冠スポンサーを務める「マイナビ」の新CMに出演しており、ユニホームの背番号はマイナビの創業50周年にちなんで「50th」だった。

◆全パの日本ハム松本剛外野手(29)が、球宴初出場初打席で先制適時打を放った。昨季のパ首位打者が、持ち前の巧打で打線を勢いづけた。1回無死一、二塁から、外角へ沈む球に泳ぎながらもバットの先で捉え、右前へ。全セ先発の阪神村上頌樹投手(25)に先制パンチを食らわせた。

◆【オールスター】ソフトバンク柳田悠岐が豪快ホームラン! @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/oE8xMiyJCq

◆全パのロッテ安田尚憲内野手(24)が、ベンチ内から"好守"を披露した。2回2死、ソフトバンク近藤のファウルボールがフライで三塁側ベンチへ。グラブをはめて準備万全だった安田がベンチ内からノーバウンドで捕球。自分でも驚いたような表情を見せながらも、両手を掲げてガッツポーズ。味方の全パナインからも拍手で"ファインプレー"をたたえられた。

◆全セのコーチを務める阪神岡田彰布監督(65)が代打でリクエストを要求する珍しい場面があった。2回2死で全パの2番近藤が左翼フェンス直撃の当たりで二塁を狙うも、全セ左翼の阪神ノイジーが二塁へ好返球。微妙なクロスプレーとなったが塁審の判定はセーフとなった。ここでベンチになぜか全セ監督のヤクルト高津臣吾監督(54)がいない。このまま試合が続いてしまうのかというタイミングで、岡田監督が笑いながら両手でテレビ画面を描き、リクエストを要求。珍しい場面に満員のバンテリンドームはどよめき、マウンド上の全セ先発村上は大爆笑していた。リクエストの結果、判定は覆りアウトに。"監督代行"の臨機応変の判断で全セを救った。

◆全セ先発の村上頌樹投手が半世紀ぶりの"フルボッコ"を食らった。1回先頭の外崎、近藤、松本剛、柳田に4者安打を許した。プレーボールから4者連続被安打は1970年の巨人渡辺秀武の5者連続被安打以来。渡辺秀は巨人移籍した金田正一とキャンプで同部屋となり「メリーちゃん」の愛称で同僚、ファンから親しまれた。

◆球界のスターたちがオールスターならではの交流をした。DeNAバウアーは阪神大竹とキャッチボールし、大竹のデニム生地のグラブに興味津々。「初めて見たグラブだったので。それについて話をしました。変化球について少し話しました」と交流した。令和の怪物はモテモテだった。ロッテ佐々木朗はオリックス山下、山崎福、ロッテ種市らに囲まれて握りを質問された。侍ジャパン組も再会した。巨人岡本和は同学年の阪神中野と顔を合わせて張り手された。DeNA牧、ロッテ佐々木朗、オリックス山本らとも言葉を交わした。元同僚との再会もあった。日本ハム田中正は古巣ソフトバンクナインと隣で記念撮影。戸郷は元巨人のヤクルト田口とキャッチボールし、オールスター特別仕様の"レインボーヘア"に驚いていた。巨人中田翔、ソフトバンク近藤は古巣日本ハムの松本剛、万波、加藤貴らにあいさつを受けた。DeNA牧はおどけながらも、小型カメラを片手に同学年の阪神佐藤輝、中日細川らと談笑。それ以外にも、球宴スターたちが多様なつながりから交流し、コミュニケーションをとった。

◆今年の球宴第1号はギータ! 全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が、3回に特大アーチを描いた。「4番右翼」でスタメン出場。1死走者なしで全セの中日小笠原の初球を右翼スタンドへ。フルスイングでバットを振りぬき、柳田は確信歩きだった。柳田がオールスターで本塁打を放つのは、14年、22年の続き3度目。22年7月27日の第2戦(松山・坊ちゃん)から"2試合連発"となった。

◆全パのオリックス山本由伸投手(24)が、先発のロッテ佐々木朗の後を受けて1イニングを無失点に抑えた。2回にマウンドへ上がると、先頭の巨人岡本を154キロ直球で右飛。続く阪神佐藤輝に152キロ直球を捉えられ、フェンス直撃の中越え二塁打を許した。それでも、DeNA細川をカーブで空振り三振、阪神梅野を152キロ直球で一邪飛に仕留めて無失点。ベンチに戻る前には、佐藤輝へ向かって両手をたたいてたたえる場面もあった。「本当に楽しく投げられたので、よかったです。サトテルにヒットを打たれたところは悔しいので...また練習をがんばります!(笑い)」とちゃめっ気たっぷりにコメント。「(この後は)野球観戦ではありませんが...素晴らしい選手達のパフォーマンスを見て、応援したいと思います」と心から球宴を楽しんでいるようだ。

◆全パの楽天田中将大投手(34)が、"88対決"を制した。5点リードの3回に3番手として登板。先頭阪神木浪を遊ゴロ、阪神中野を遊直で打ち取った。続く打席には広島秋山が入り、88年生まれの同学年対決が実現。「同学年なのでとにかく頑張って投げます」と意気込んでいた。カウント2-2から、外角132キロスライダーで見逃し三振を奪った。球宴でのマウンドは13年以来10年ぶりのマウンド。3者凡退と好投し、笑顔を見せながらベンチへと引き揚げた。

◆全パの豪華リレーにファンも沸き立った。第1戦の先発マウンドに上がったのはロッテ佐々木朗希投手(21)。オリックス若月とのバッテリーで初回を1安打無失点に抑えた。2番手は佐々木朗と今年のWBCをともに戦ったオリックス山本由伸投手(24)。こちらも2回の1イニングを1安打無失点に抑えた。3番手で3回に登板したのは楽天田中将大投手(34)。さすがの投球で3者凡退で終わらせた。日本を代表する3投手のリレーに、SNSも大盛り上がり。「佐々木朗希→山本由伸→田中将大 豪華すぎて...やば...」「これぞオールスターだよ!」「日本代表かよw」日本を代表する投手陣の無失点リレーに、ファンも熱狂している様子だった。

◆先発登板を終えた全パのロッテ佐々木朗希投手(21)がオールスターで話したい相手は...オリックス山下舜平大投手(21)だった。先頭から阪神中野、広島秋山と連続空振り三振。3番のノイジーには中前打を打たれたが、続く阪神大山を三ゴロ。1回1安打無失点、2奪三振で終えた。他球団の選手との交流もオールスターならでは。降板後、誰とどんな話をしたか問われると「先発だったので、あまり話せていないので、これからたくさん話したいと思います」と答えた。話したい選手は「山下選手。すごいですね。カーブとか特にすごいので、聞けたらなと思います」と、オリックス山下に興味津々の様子だった。

◆全セの阪神佐藤輝明内野手(24)が、2回に全パのオリックス山本由伸投手(24)から左中間フェンス直撃の二塁打を放った。同い年対決は佐藤輝に軍配が上がり、イニングを終えた山本は両手をたたいてたたえた。5回にはオリックス山崎福也投手(30)から右前打。3度目の球宴で初のマルチ安打となった。テレビ朝日の中継では、選手紹介の欄に「世界の"SATO"」と異名がつけられている。出どころ不明? な異名にSNSでは「世界のKOBAYASHIみたいになってて草」「いつから世界のSATOになったの」など困惑の声が相次いだ一方、「後半戦で正真正銘世界のSATOになってくれ!」と便乗してエールを送る声もみられた。

◆全セの先発を務めた阪神村上頌樹投手(25)が、不名誉な? トレンド入りを果たした。2回6安打4失点で降板すると「村上ボコボコ」がTwitterでトレンド入りした。登板後は「すごいバッターと対戦して、めちゃめちゃ打たれたんですけど、それはそれで、いい経験になったのでよかったです」とすがすがしい表情。マウンドでは笑顔もみられ「なかなかアウトがとれなかったので笑っちゃいました」と頭をかいた。

◆チアガールも全セ、全パに分かれ白熱した試合を見せつけた。4回開始前、バンテリンドームの外野で両軍の12球団チアによるリレー大会が実施された。最後はDeNAのチアリーディングチームdianaのアンカーが俊足を見せ、大差で全セが勝利した。

◆全パの西武中村剛也内野手(39)が、激走で1点をもぎ取った。6回先頭、全セの阪神岩崎から左前打を放つと、一塁走者としてロッテ安田の右前打にダッシュで三塁に到達した。さらに無死一、三塁からオリックス頓宮の右犠飛で、三塁からタッチアップ。体重102キロの大きな体を揺らして本塁にすべり込んだ。右翼手の中日細川の返球はショートバウンドとなって、捕手の梅野が捕球できず。"足"を駆使して本塁に生還した。西武のスローガン「走魂」を体現。SNSでは「おかわりくんの激走かわいかった~」「走塁とスライディングのうまさ見れてうれしいです!」「おかわり君 #走り方 #激走」などのツイートが見られた。

◆全パの先発としてマウンドに上がったロッテ佐々木朗希投手(21)が、球宴で初めての三振を奪った。1回打者4人に1安打2奪三振の無失点。この日の最速は161キロで、球宴記録163キロの更新こそならなかったが、2年連続でのファン投票選出に応える快投だった。佐々木朗が球宴初の三振を奪った。WBCで一緒に世界一を果たした阪神中野に156キロの直球で初球を投じると、3球連続フォークで空振り三振。歯を見せない程度に口角を上げ、少しだけうなずいた。続く秋山にはフルカウントから138キロの内角スライダーで連続空振り三振。メジャー経験者の粘りには、WBCでメジャー屈指の変化球を操るパドレス・ダルビッシュに学んだ新たな武器を。「三振とれましたし、良いボールだったなと思います」。全国のプロ野球ファンに披露した。連続三振-。当然、すごい。でも、これは佐々木朗の日常でしかない。球場もテレビの前のファンも、なんだか物足りない。スタンドが一番湧いたのは3番ノイジーへの5球目。この日、15球目だった。バンテリンドームの電光掲示に「161キロ」。始めて大観衆がどよめいた。続く161キロ直球は中前に安打を許し「三振をとりにいったんですけれど...。良い選手です」。首をひねり右腕で顔の汗は拭った。無失点の最低目標は果たしたものの、今季は日常になりつつある164キロ以上の球宴最速記録更新は持ち越した。今年と同じファン投票1位で初出場した昨年は、162キロをマーク。14年に日本ハム大谷翔平(現エンゼルス)が記録した球宴での日本人最速タイを記録した。23球中、21球が直球。3安打を浴び、阪神佐藤輝の左犠飛で1失点。今年はペナントレース同様にフォーク、スライダーも交えて、無失点にこだわる投球を誓ってのマウンドだった。試合前には昨年までチームメートだったソフトバンクのオスナやオリックス山下と記念撮影する程度で交流はほとんどなし。「先発だったのでまだ(他の選手と)話せていないので、これからたくさん話したい。(話したいのは)山下選手。カーブとか特にすごいので。聞けたらいいなと思います」。選手間投票1位選手の若手有望株から、さらなる吸収を図り、自身の球宴土産も持ちかえる。【鎌田直秀】

◆【オールスター】日本ハム万波中正が流し打ち弾! @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/8DalAKgQzQ

◆阪神投手陣が6回終了時点で全セが奪われた7失点中、6失点を喫した。全セ先発の阪神村上は初回から集中打を浴び、2回6安打4失点。6回には4番手岩崎が源田の適時打など、1回3安打2失点となった。2人合わせて"3回9安打6失点"。パ・リーグの強打者に対し、苦戦を強いられている。

◆全セの広島秋山翔吾外野手(35)が「2番中堅」で先発出場した6回、無死一塁からオリックス山崎颯の147キロ直球を左翼前に打ち返した。NBPの球宴出場は西武時代の19年以来6度目。球宴安打は18年7月14日第2戦(リブワーク藤崎台)で9回に左前打を放って以来、5年ぶりとなった。1回の1打席目はロッテ佐々木の前に空振り三振、3回は同学年の楽天田中に見逃し三振に倒れていた。

◆【オールスター】DeNA宮崎敏郎弾にバウアーも興奮 @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/AtgJ6l3fTs

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、初の球宴を満喫した。4回の攻撃時には三塁コーチャーボックスに入り、7回にはテレビ中継席へ。プラスワン投票での選出を「ほんとにファンのみなさんに選んでいただいて、うれしいですし。ほんとにありがたいと思っています」あらためてファンに感謝した。7回裏には同僚の宮崎敏郎内野手が右翼席にソロ本塁打を放ち、「本当に信じられない。どうやって右方向にあれだけ打球を飛ばすのか。本当に彼が味方で良かったと思っています」。5月27日の対戦で2本塁打を浴びた中日細川の打席では「本当に素晴らしい打者。僕のキャリアの中でもスライダーを右方向に打たれことはなかった」と振り返った。解説席の松坂大輔氏に対しては「初めてマツザカがアメリカに来た時のことを覚えている。早くプレーを見たいと思っていた。その後、同じチームでプレーして、今はこのブースで隣で話をしている。野球は狭い世界だなと」としみじみ。エンゼルスで活躍中の大谷翔平ついては「おそらく野球界の中で一番。今までいなかった選手。マウンドや打席で彼と同じことをできた選手はいないので。そういう存在かなと思います」と称賛した。

◆全パのオリックス頓宮裕真捕手(26)が「左大腿(だいたい)二頭筋筋損傷」で球宴辞退した森友哉捕手(27)の応援歌で打席に立った。6回無死一、三塁の第3打席、阪神岩崎との場面だった。左翼席のファンから森友哉の応援歌「RED」が歌われた。頓宮はその応援歌に応えるべく、追い込まれながらも143キロ直球を右犠飛として1点を追加した。SNSでは「マジで粋やんけ。応援団ええぞ」「激アツすぎて泣いた」「頓宮で森友哉の応援歌は泣く」「明日学校でいろんな人に言う!」と感激するファンが続出した。

◆全パの日本ハム万波中正外野手(23)が、球宴初打席で右翼ポール直撃の初本塁打を放った。6回裏の守備から途中出場。7回1死、カウント1-2からヤクルト清水の147キロ外角直球を振り抜いた。打球はぐんぐん伸び、バンテリンドームの右翼ポールに当たる、豪快な1発となった。現在、パ・リーグ2位の15本塁打と好調。初の晴れ舞台でも、パワフルなスイングを披露し、ガッツポーズして喜んだ。20日の第2戦前に出場する本塁打競争にも、しっかり弾みをつけた。

◆中日の球団公式マスコットのドアラが球宴でバク転を披露した。7回裏攻撃前にセ6球団のチア、マスコットらが自球団の応援歌に合わせてパフォーマンス。大トリで流れた「燃えよ ドラゴンズ!」に合わせ、右翼で球団旗を振りながら歩みを進めると、急きょ助走をつけてバク転を披露し、ファンを盛り上げた。22年2月にバク転封印を公表。原則として封印してきたが、今年5月のチームの逆転勝利時などには披露していた。「バク転タイム」は、97年のナゴヤドーム(当時)開場から開始。7回終了時、一塁側ファウルグラウンドでドアラがバク転に挑戦。成功しても失敗してもファンを喜ばせてきた。ドアラのパフォーマンスは、他の11球団のマスコットらにも大きな影響を与えた。

◆全パの日本ハム、アリエル・マルティネス捕手(27)が6回1死二塁から代打で途中出場し、その裏からマスクを被った。マルティネスは昨季まで中日でプレーしており、古巣の本拠地で球宴初出場。第1打席は一ゴロに倒れたが、6回裏から外国人捕手としては68年ぶりにマスクを被った。1955年の球宴では、全パの毎日(現ロッテ)チャーリー・ルイス、全セの巨人広田順と、ともに外国籍の2人がマスクを被って出場。広田は米ハワイ出身の日系人だった。

◆7回裏終了後、第2戦の先発が発表された。全パはオリックス山下舜平大投手(21)。全セは広島九里亜蓮投手(31)。試合はマツダスタジアムで午後6時半から。

◆初のオールスターで第2戦の先発を任された山下舜平大投手(21)が直球勝負を誓った。第1戦の試合前練習を終えて「ストレートで押していけたら」と意気込み。「もともとストレートしかないみたいなものなんで」と笑いながらも、武器の剛速球にこだわるつもりだ。この日の試合前には、ロッテ佐々木朗や種市らたくさんの選手たちと交流。「すごい選手がいるんで、いろんな話ができてめちゃくちゃうれしいです」。ソフトバンクのオスナからはカットボールの握りを教えてもらうなど、交流を満喫。一塁コーチャーも務めるなど1日目から楽しんでいる様子だった。7回終わりに予告先発が発表され、山下の名前がコールされると、球場からは大歓声が上がった。

◆【オールスター】第1戦MVPはソフトバンク柳田悠岐 @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/wyWlU0swju

◆全パのロッテ佐々木朗希投手(21)が「ろうたん」に照れ笑いした。オリックス山本由伸投手(24)とともに、中継の解説席に座った。山本が佐々木朗をどう呼んでいるか問われると「ろうたん。朗希のあだ名がろうたん」と説明。思わぬ"暴露"に佐々木朗は「恥ずかしいです」と照れくさそうに笑った。普段からコミュニケーションを頻繁に取る仲。佐々木朗は「(山本の)変化球は何を投げてもすごいので、聞くんですけど、やっぱり難しいなと。かなりクオリティーが高くて」と明かした。シーズン中はタイトルを争うライバルだが、山本は惜しみなく伝える。「野球の話は、自分も話した方が話してもらえるかなというのはある。隠すことはほぼないです」と力を込めた。先輩の助言を胸に、タイトル獲得へ。佐々木朗は「1つでもいいので取れたらと思っています」と、2年連続投手4冠の山本の前で、奪還宣言をした。

◆7回の全パは、日本ハム田中正義投手(29)が投げ、アリエル・マルティネス捕手(27)が受け、中堅の万波中正外野手(23)が捕球と、3アウトすべて、日本ハムの初出場トリオでつかんだ。田中正はこの日が29歳の誕生日。DeNA宮崎に右越えソロを浴びるも、シーズン中同様、笑顔で投げ続け、後続をすべて中飛に打ち取り、1回1安打1失点で、初の球宴を堪能した。

◆全パで球宴初出場となった日本ハム田中正義投手(29)と加藤貴之投手(31)は、明暗が分かれた。田中正は、この日が誕生日。7回に出番はやってきたが、先頭の全セDeNA宮崎敏郎内野手(34)に150キロ直球を右翼席へ運ばれた。一方の加藤貴は8回からマウンドへ。2イニングを完璧に封じた。

◆全パの打線がつながり、全セに快勝した。これで21年第2戦から全パが4連勝。全パは通算成績を89勝80敗11分けとした。全パは初回無死一、二塁で日本ハム松本剛の適時打で先制。ソフトバンク柳田、栗原も続くなど、一挙4得点を挙げ、全セ先発の阪神村上も苦笑いだった。3回には柳田が右翼席中断に飛び込むソロアーチ。全パの4番を務めた柳田は、3打数2安打、1ホーマー2打点で存在感を示した。6回にはオリックス頓宮の犠飛、西武源田のタイムリーが飛び出した。7回には球宴初出場の日本ハム万波がダメ押しのソロアーチ。広いバンテリンドームの右翼ポールに直撃させる1発で、この日8点目を挙げた。守りでは、豪華投手リレーで全セ打線を寄せつけなかった。先発のロッテ佐々木朗は、最速161キロをマークするなど実力を見せつけ1回2奪三振無失点。オリックス山本→楽天田中将→ソフトバンク和田→オリックス山崎福→オリックス山崎颯→日本ハム田中正→日本ハム加藤貴→とつなぎ、勝利を演出した。MVPは柳田悠岐が獲得した。柳田が14年1戦、22年2戦に次いで3度目のMVP。2年連続MVPは18年1戦、19年1戦の森(西武)以来で、2試合連続MVPは98年2戦→99年1戦の松井(巨人)に次いで2人目だ(51~59年はシリーズを通したMVP)。MVPの最多回数は西武と巨人で7度の清原だが、ソフトバンクで3度は野村に並び最多。全パは初回、1番外崎から4番柳田まで4連打。初回先頭から4者以上の連続安打は70年1戦の全パが1番長池から張本、アルトマン、大杉、野村、山崎、有藤と7者連続安打して以来、53年ぶり2度目。

◆全パの柳田悠岐外野手がMVPを獲得した。1本塁打を含む2安打2打点で賞金300万円をゲット。2年連続の受賞に「うれしいです。運がいいなと思います」と話した。「マイナビドリーム賞」として賞金100万円も手にした。1回無死一、二塁からの中前適時打には「みんな打っていたので続かないといけないなと集中してバッティングした」と納得の表情。3回1死から小笠原からの特大アーチには「奇跡です。いいバッティングができました」と振り返った。ソフトバンクは9連敗中で前半戦を終えているだけに「久々の勝ちなのでうれしいです。勝ちゲームを見せられたのが良かったので明日もいいゲームができるように頑張ります」とやや自虐的に笑いを誘った。敢闘賞には近藤健介外野手、万波中正外野手、宮崎敏郎内野手が選ばれ賞金100万円が贈呈された。柳田が14年1戦、22年2戦に次いで3度目のMVP。2年連続MVPは18年1戦、19年1戦の森(西武)以来で、2試合連続MVPは98年2戦→99年1戦の松井(巨人)に次いで2人目だ(51~59年はシリーズを通したMVP)。MVPの最多回数は西武と巨人で7度の清原だが、ソフトバンクで3度は野村に並び最多。全パは初回、1番外崎から4番柳田まで4連打。初回先頭から4者以上の連続安打は70年1戦の全パが1番長池から張本、アルトマン、大杉、野村、山崎、有藤と7者連続安打して以来、53年ぶり2度目。

◆全セのDeNA山崎康晃投手(30)が"帝京リレー"を無失点でつないだ。8回に帝京(東東京)の後輩・ヤクルト清水の後を受けて6番手で登板した。先頭オリックス頓宮は99キロのナックルボールで三邪飛。続くオリックス紅林は101キロのナックルボールで三ゴロ。2死から日本ハム・マルティネスに右前打を浴びるも、楽天小深田を初球104キロのナックルボールで二ゴロに打ち取った。全6球でナックルボールを投げ、1回を無失点。「楽しむことだけ考えて投球しました。なかなかシーズン中だと交流できない選手とベンチで会話出来たので良かったです。全球ナックルで好リードしてくれた大城選手に感謝したいです!」と振り返った。21年の球宴でも多投しており、今年も「投げたいと思います」と予告していた通りのピッチングだった。

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が、2年連続3度目の球宴MVPを獲得した。4-0の3回1死走者なしで、全セ・中日小笠原から右翼スタンドにソロアーチ。フルスイングでの確信歩きで「奇跡です。良いバッティングができました」。オールスターで本塁打を放つのは、14、22年の続き3度目。22年7月27日の第2戦(松山・坊ちゃん)から「2試合連発」で、この日は2安打2打点の活躍だった。ソフトバンクで3度のMVP受賞は初の快挙。「あの...運が良いなと思います。選んでいただいた方のおかげです」とおどけるが、度肝を抜く特大アーチで文句なしの勲章だ。チームは前半戦を9連敗で終えたことを引き合いに「久々の勝ちなのでうれしいです。勝ちゲームを見せられて良かったので、明日も良いゲームできるように頑張ります」。リーグ戦再開に向けて、弾みの1発となった。20日の第2戦は、柳田の故郷広島で行われる。マツダスタジアムでも今季の交流戦でホームランを放っており、「3試合連発」にも期待できそうだ。「お好み焼き食います」。ホームランダービーにも出場予定。ギータはもっと暴れる。【只松憲】柳田が14年1戦、22年2戦に次いで3度目のMVP。2年連続MVPは18年1戦、19年1戦の森(西武)以来で、2試合連続MVPは98年2戦→99年1戦の松井(巨人)に次いで2人目だ(51~59年はシリーズを通したMVP)。MVPの最多回数は西武と巨人で7度の清原だが、ソフトバンクで3度は野村に並び最多。全パは初回、1番外崎から4番柳田まで4連打。初回先頭から4者以上の連続安打は70年1戦の全パが1番長池から張本、アルトマン、大杉、野村、山崎、有藤と7者連続安打して以来、53年ぶり2度目。

◆ソフトバンク和田毅投手(42)が「マイナビオールスターゲーム2023」第1戦(バンテリンドーム)で、全パの最年長登板を果たした。4回から4番手で登板し、1回をパーフェクト投球。全15球をオール直球勝負で挑み、全セ・巨人の岡本和真内野手(27)からは145キロで空振り三振を奪った。7年ぶり出場のベテラン左腕が、全パ勝利に貢献した。42歳和田がオールスターの歴史に名を残した。4回。楽天田中将からバトンを受け、全パ4番手でマウンドへ。「もしかしたら最後のオールスターになるかもしれないので、楽しみたいなと。そういう気持ちで投げました」。全パでは06年第1戦吉井(オリックス)の41歳3カ月を抜いて、最年長登板。1回を3者凡退に抑えて自身の記録に花を添えた。真っ向勝負で球場を沸かせた。「1番の年寄りが真っすぐだけ投げたらどうなるのかなと思ったので、打たれても抑えてもそれはそれで思い出に残るので。いけるところまで、迷惑かからないところまでは真っすぐでいきたいなと思ってました」。思惑通りに全15球をオール直球勝負。ノイジーを右飛、大山を捕邪飛、岡本和からは145キロで空振り三振を奪い、バンテリンドームは拍手喝采だ。「(捕手の)若月君となるべくまっすぐで行きたいと言ってて。それを感じ取ってくれて、真っすぐのサインを出し続けてくれたので本当に感謝してます」。1イニング勝負を楽しんだ。鷹党を安心させた。前半戦の最終登板だった7月4日の日本ハム戦(ペイペイドーム)では、左前腕の張りを訴えて4回途中で緊急降板。オールスターは"ぶっつけ本番"のマウンドだったが、この日は最速146キロを計測した。「前半の最後の方はけがをしてしまったので。今日は本当にいい状態で投げることができました」。すがすがしく汗をぬぐい、後半戦に向けて万全をアピールした。監督選抜で選ばれ、16年以来7年ぶり6度目の球宴出場だった。「ありがたいです」と感謝をする和田には、20日の第2戦まで宿題がある。「オールスターに出ている選手は素晴らしい選手ばかり。いろんな球種やどういうイメージで投げているのか気になる。自分は年上で話しかけづらいと思うので、自分の方から話していきたい」。和田の探求心は尽きない。【只松憲】42歳4カ月の和田毅投手が16年1戦以来、7年ぶりに球宴で登板。42歳4カ月は18年2戦上原(巨人)の43歳3カ月に次ぐ年長登板となり、全パでは06年1戦吉井(オリックス)の41歳3カ月を抜いて最年長。岡本和を空振り三振に仕留め、05年2戦工藤(巨人)の42歳2カ月を抜く球宴の最年長奪三振記録をつくった。

◆オリックス ラオウ杉本が追いついた! @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/pb6JEpJj28

◆【オールスター ホームランダービー】第1日、決勝進出を決めたのは中日細川成也 @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/npuAlesHEQ

◆【オールスター ホームランダービー】DeNA牧秀悟が5発! @ABEMA で視聴中 https://t.co/KqsS6qceVt #アベマでマイナビオールスター #オールスター pic.twitter.com/4txdjYkvwN

◆全セのDeNA宮崎敏郎内野手(34)が、ソロ本塁打を放ち、敢闘賞を獲得した。0-7の7回先頭、全パの日本ハム田中に対し、カウント1-1からの3球目、150キロ外角直球に逆らわず、右翼席最前列へ。「ストレートをしっかり捉えることができましたが、少し上がり過ぎたので入るかわかりませんでした。最後はファンの方々の声援がスタンドまで届かせてくれました!」と振り返った。テレビ解説席に座っていたトレバー・バウアー投手(32)も「本当に信じられない。どうやって右方向にあれだけ打球を飛ばすのか。本当に彼が味方で良かったと思っています」と絶賛の1発だった。

◆これが朗希の成長した姿だ-。「マイナビオールスターゲーム2023」に2年連続ファン投票1位で選出されたロッテ佐々木朗希投手(21)が、球宴初の奪三振。侍ジャパンで一緒に戦ったパドレス・ダルビッシュ直伝のスライダーなど変化球を駆使し、昨年失点した悔しさを晴らす予告通りの無失点に封じた。期待の球宴最速163キロ超えはならずも、WBC世界一で熱狂した野球ファンに「ドクターK」だけでなく「ミスターゼロ」の存在感も示した。佐々木朗が歯を見せない程度に口角を上げ、少しだけうなずいた。WBCで一緒に世界を制した阪神中野に156キロの直球で入ると、3球連続フォークで空振り三振。「フォークは頼りにしているボールなので」。続く秋山にはダルビッシュから学んだスライダーで連続空振り三振。球速も曲がり幅も自在になった新たな武器を「本当に安定してきて曲がり幅も曲がるようになって。すごい良いボールになってきているかな」と珍しく自画自賛した。連続奪三振-。当然、すごい。でも、これは佐々木朗の日常でしかない。球場もテレビの前のファンも、なんだか物足りない。やはり一番沸いたのは3番ノイジーへの、この日初の160キロ超え。「161キロ」。続く161キロ直球は中安を許し「三振をとりにいったんですけれど...」。それでも「声援の中で投げられて良かったです」。12球団のファンの大歓声を浴びる本来の形の祭典を味わった。初出場だった昨年は、球速への期待も感じる中で全23球中21球が直球。日本ハム大谷(現エンゼルス)に並ぶ球宴最速の162キロをマークも1失点が悔しかった。WBC準決勝メキシコ戦で3ランを喫して悔し涙を流した思い。球速よりも「0」へのこだわりは、より強くなった。ペナントレース同様にフォーク、スライダーも交えて直球は18球中8球。直球の平均球速も158・1キロで、今季公式戦ではもっとも遅い。レギュラーシーズンでは最速161キロ止まりも1度しかないが「僕の限界です」と苦笑い。変化球主体で無失点にこだわる投球を貫いた。「先発だったのでまだ(他の選手と)話せていないので、これからたくさん話したい。山下選手。カーブとか特にすごいので。僕も投げたい。聞けたらいい。投げていない軌道や球速差が出来て、いろいろな面で幅が広がると思う」。選手間投票1位選出の若手有望株からも吸収し、自身のオールスター土産も持ちかえる。【鎌田直秀】

◆由伸打ちで弾みついたで! 阪神佐藤輝明内野手(24)が「マイナビオールスターゲーム2023」で球宴初のマルチ安打を記録した。「6番三塁」で先発し、2回に同学年のオリックス山本から左中間フェンス直撃の二塁打。5回にもオリックス山崎福から右前打を決めてニヤリだ。3年連続のお祭り舞台で、虎戦士8人出場の第1戦から早速の快音連発。こりゃあ、後半戦が楽しみや!笑顔で両手をたたいた。球宴仕様の水色のアームガードを装着した右腕が映える。3年連続3度目の夢舞台。2回1死、佐藤輝が全パ2番手のオリックス山本から快音を響かせ、二塁ベース上で破顔した。「いやもう、いい球を打てたんで、良かったです。思い切って振りました」同学年の右腕とは、球宴に限れば昨年の第2戦以来の対決。球宴は過去2度の対戦でいずれも空振り三振に終わっていたが、この日の第1打席でリベンジを果たした。カウント1-1から外角152キロを捉えると、打球は左中間フェンス直撃。21年第2戦の第1打席以来、球宴2年ぶりの「Hランプ」をともした。さらに5回は先頭でオリックス山崎福の内角高め速球をしばいて右前打。2打席連続安打で球宴初のマルチ安打を記録した。本人は「ヒット2本打てたんで、大満足です」と充実感たっぷり。岡田監督は「オールスターやからな。配球とか何もなしでくるわけやから」と「打って当然」を強調したが、一振りで仕留めた事実は大きな収穫だ。先輩のお手本も目に焼き付けた。ソフトバンク柳田が本塁打を含む3打数2安打2打点でMVPを獲得。オフに自主トレに参加した師匠の打撃が何よりの刺激になった。「いや~えぐいっすね。さすがっすね」と脱帽。自身も20日の2戦目に向け「明日は何打席あるか分からないけど頑張ります」。少ないチャンスをモノにし、21年の第2戦以来となる球宴アーチを狙う。プロ3年目の前半戦は苦しみ抜いた。3年連続で2桁に到達したとはいえ、10本塁打、42打点は前半戦終了時点では3年目でワースト。6月下旬に出場選手登録を抹消され、ファン投票での球宴出場が確定したのも2軍再調整期間中だった。何も悩まなくていい。ただただ、野球を楽しめばいい。そんな球宴が、復調へのきっかけになる可能性は決して低くない。試合前には中日細川、DeNA牧ら同じリーグのパワーヒッターと談笑し「いろいろしゃべったんで良かったです」とニッコリ。佐藤輝が、お祭り舞台で吹っ切れた。【中野椋】

◆えっ!? 監督は高津さんじゃ...。全セのコーチを務めた阪神岡田彰布監督(65)が、まさかの"越権行為"でリクエストを要求し、見事に成功させた。2回2死。全パの2番近藤が左翼フェンス直撃の当たりで二塁を狙うも、全セ左翼の阪神ノイジーが二塁へノーバウンドの好返球。微妙なクロスプレーとなったが判定はセーフ。高津監督がベンチに不在だと知った虎の指揮官はとっさに動いた。「高津が(ベンチに)おらんかったんよ。何かしてたんちゃうかな。みんなが『アウトアウト』言うから。いてなかったから俺がしょうがなしに(笑い)」岡田監督は笑いながら球審に両手でテレビ画面を描き、リクエストを要求。珍しい場面に満員のバンテリンドームはどよめいた。結果、判定は覆ってアウトに。急造の"監督代行"による臨機応変の好判断で、全セの窮地を救った。前回阪神の指揮を執った08年以来15年ぶりに参戦した球宴。「コーチやから、余計に楽やしなあ。何も考えんでいいし」と本音ものぞかせた。殿堂入りの表彰に訪れた盟友バースとも今季開幕戦以来の言葉を交わし「メール送ってんのに返ってこんかったから怒ったよ。ちゃんと返事せえって」とニンマリ。本職ではない「コーチ」として、お祭り舞台を堪能した。【古財稜明】

◆あちゃ~。全セ先発の阪神村上頌樹投手(25)が53年ぶりのメッタ打ちに頭をかいた。ファン投票と選手間投票で1位に輝き、球宴初出場で1戦目に先発。全パ先頭の西武外崎への1球目、有言実行のスローボールを投じた。金色グラブからいきなり超山なり球を投じるも、計測不能の魔球はボール判定。「何か印象に残ることをやりたくて、事前に決めていました。少し盛り上がってくれたのは良かったです」。満員の観客をドッと沸かせた。ただ、投球内容はホロ苦かった。外崎に左前打を浴びると、「打ち取りたい」と意気込んでいた2番ソフトバンク近藤には右前打を許した。3番日本ハム松本に右前適時打、4番ソフトバンク柳田にも中前適時打を献上した。この日のスタメン内野陣はすべて阪神勢。景色は普段とさほど変わらなかったはずだが、まさかの大炎上だ。70年に巨人渡辺秀武が5者連続被安打を記録して以来の「プレーボールから4者連続被安打」。予想外のフルボッコを食らい、ベンチ前でナインの出迎えに苦笑いした。「めちゃめちゃ緊張しました。正直...しんどかったです(笑い)。一番は楽しむということでしたけど、なかなかアウトが取れなくて笑っちゃいました」そんな右腕に釣られるように、岡田監督も思わず苦笑い。「もうちょっと抑えてくれよと思ったけど。2イニング持つかなと心配したわ」と"親心"をのぞかせたが、もちろん収穫だってゼロではない。2回6安打4失点の球宴デビュー。初回は柳田の打席で自己最速タイの150キロも計測した。登板後にはDeNAバウアーから身ぶり手ぶりを交えながらスライダーの極意も学んだ。「変化球の投げ方とか、どう意識しているのかを聞きました。スライダーを聞いたので、また明日にでも試してみたい」。目いっぱい楽しんだ野球の祭典。最後は少しだけ目をギラつかせた。【三宅ひとみ】全セ先発の村上が、試合開始直後の1回表先頭外崎から4者連続で安打を許した。これは70年第1戦で全セ先発の渡辺秀武(巨人)が1番の長池徳二(阪急)から連続5人に安打されて以来、53年ぶり。渡辺は5番野村克也(南海)に右越え二塁打され、1死も取れず降板。救援した鬼頭洋(大洋)も山崎裕之、有藤通世(ともにロッテ)に連続本塁打され、初回先頭からの連続被安打は7人に達した。

◆球宴初出場の日本ハム万波中正外野手(23)が初打席初本塁打を放った。全パが7点リードの7回1死、ヤクルト清水から豪快な1発を右翼ポールにたたき込んだ。初打席にも「不思議と緊張感はなかった」という大物ぶりを史上18人目の快挙として発揮。パ・リーグ本塁打ランキングで2位の15本と長距離砲として頭角を現している若きホープがオールスターの場で、堂々と存在感を見せつけた。どでかいバンテリンドームに、美しい放物線を描いた。万波にとって華々しい球宴の初打席。「何か緊張はなくて、すごく楽しめた」。自分でも信じられないほどに落ち着いていた。7回1死。ヤクルト清水が4球続けたカーブ。「直球を待っていた。カーブがあんなに来るとは予想していなかった」と1球はボール、3球をファウルでかわした。カウント1-2。「そろそろストレートが来るかな」と予測を立てた5球目だった。外角高めに来た147キロ直球を逆方向に押し込んだ。「自分でも今までに経験がないホームランだった」。野球人生で「記憶にない」というポール直撃弾に、満面の笑みでダイヤモンドを回った。「後で映像を見返したら、自分でも見たことのない笑顔だった」とミックスゾーンで恥ずかしそうに笑った。初球宴での本塁打は想像以上にうれしかった。今季、アーチストへの進化を遂げてきた。交流戦の2試合目。その真価を見せる。5月30日ヤクルト戦(エスコンフィールド)、今季初の2打席連発を披露した。成長著しい若手アーチストにとって、記念すべき初球宴での1発が今後のヒントになりそうだ。「何か外側のボールを押し込んだ感覚...、というよりボールの外側を打ったというか」。まだ自分でも分析し切れていないが「ちょっと新しい感覚だった。その感覚を、もっとものにできればホームラン数はまだまだ伸ばせると思う。本当に、いいきっかけじゃないですけど、そういう風につなげていきたい」とオールスターの場で学びを得た。「本塁打王は狙って行くか」と問われ「もちろん」と断言。12球団のスーパースターとファンたちに囲まれ、万波はまた一皮むけた。【三須一紀】

◆全セのヤクルトの面々が"空中くるりんぱ"に挑戦も、軒並み失敗に終わった。つば九郎が本拠地神宮でイニング間にヘルメットを宙に投げてかぶることを狙う"空中くるりんぱ"を清水、田口、長岡が挑戦した。高く宙に投げるも、3人ともかぶるのに失敗。その後、つば九郎がトライするも、頭にコツンと当たって地面に落ちて失敗に終わった。つば九郎が長年苦しむ、空中くるりんぱの難易度の高さが改めて浮き彫りになる形となった。

◆全パのオリックス杉本裕太郎外野手はホームランダービーで全セのDeNA牧に惜敗した。5本だった牧に対し、杉本は最終スイングで5つ目のスタンドイン。土壇場で追いつき、自身のホームランパフォーマンスである「昇天ポーズ」を決めた。延長戦で敗れたが「気持ちよかったです。楽しかったので、投票してくれた人ありがとうございます」。試合でも2安打を放ち「シーズン中に打てるように頑張ります」と引き締めた。

◆虎と鷹の師弟コンビが、そろってテレビ出演した。球宴第1戦の試合後、全セの阪神大竹耕太郎投手(28)と、全パのソフトバンク和田毅投手(42)が、テレビ朝日「報道ステーション」に生出演した。大竹はソフトバンク時代から和田の自主トレに参加し、その才能を磨いてきた。この日はその師匠が全パの4番手で登板し1回無失点。直球で押しまくった姿をベンチ最前列で観察していたという。大竹は「ベンチの最前列で勉強してたんで、明日の自分の登板に生かしたい」と目を輝かせた。キャスターを務める松坂大輔氏から「大竹投手のことをどう見てるか」と問われた和田は「ちょっと変わったところというか、抜けてるところもある。真面目だけど、最近はじけるようにもなってきてるので、良い方向に変わってるなと思っています」とコメント。「感情を出した方がいいとアドバイスを受けたこともあると聞いた」と振られた大竹は「(和田と)一緒におすしを食べながら、そういう話をしていただいたこともありました」と明かした。さらに「前半戦も、抑えたら感情を出していって、野手も奮起してくれたことがあると思う。後半も続けていきたい」と見据えた。これには師匠和田も「こんなに(気持ちを)出す子だったかなと、すごく頼もしく映っています」とうなずいた。大竹は20日の第2戦に登板する予定。「自分の持ち味を出していいピッチングできるように」と意気込むと、和田は「最前列でしっかり(見ます)」とニッコリ。弟子の大竹は「師匠がストレート勝負だったので、僕も強いストレートを投げられるように頑張ります」と前を向いた。

◆全パのオリックス山崎福也投手(30)が、親交のあった阪神OB横田慎太郎さんをしのんだ。この日は初のオールスターで5回に登板。先頭の佐藤輝に右前打を浴びるも、後続3人を打ち取り無失点でつないだ。試合後、前日18日に脳腫瘍のため28歳でこの世を去った阪神OB横田慎太郎さんへの思いを語った。「信じられない。連絡も取っていた仲なんで。最近、連絡を取っていなかったんで、大丈夫かなというのは思ってたんですが。本当に、相当苦しかったと思う。何と言ったらいいか分からない」。山崎福も中学3年の時に脳腫瘍を患い、手術を受けた過去がある。横田さんが脳腫瘍になった時に、阪神坂本を通して連絡先を教えてもらい、プライベートでも会うなど親交があった。「何かあったら相談に乗るよと。その時は元気で『今は全然大丈夫なんで』みたいな。それで『何かあったらお願いします』と言っていたんですけど」同じ苦しみを知るからこそ、簡単には言葉にできない。それでも、同じ病気の人への思いを強くする。「そういう子どもたちが、たくさんいると思う。大人もですけど。自分はこうやって治って今できているので、何とか少しでも力になれればと思って今後やっていきます」野球が大好きだった横田さんの分も、懸命に自分のできることと向き合うつもりだ。【磯綾乃】

◆「マイナビオールスターゲーム2023」の第1戦が19日、バンテリンドームで開催された。ファン投票と選手間投票で全パの外野手部門に選出された日本ハム松本剛外野手(29)は、プロ12年目で念願の初出場。「3番センター」でスタメン出場し、初打席で先制適時打を放った。「一区切り」というオールスターへの思いや、後半戦への意気込みを聞いた。【取材・構成=中島宙恵】昨年、初めてファン投票でオールスターに選出されながら、直前に左膝を骨折し、無念の出場辞退。パ首位打者のタイトルホルダーとなって臨んだ今年、再びファン投票で選ばれ、念願の夢舞台に立った。松本剛 去年は自分でも胸を張れる数字を残せていて、自信を持ってオールスターに出られるという気持ちがあった。でも、今年は全力で走れていないとか、満足のいくパフォーマンスを見せられていない時期もあったので。もどかしかったし、それでも試合に出ていて、申し訳なさもあった。いい成績を残せているとは言えないのに、ファン投票で選ばれたのはうれしかったし、感謝して自信につなげたい。1年前は、悔しくて、まともに見られなかったオールスター。歩くことさえままならず、自宅で何げなくつけたテレビを、ぼんやりと眺めていた。松本剛 「うわ、ここ出たかったな」っていう気持ちが、こみ上げてきて...。テレビはついているけど、自分のことを考えていた。「出られたのにな」「来年こそは必ず出たい」とか。埼玉県川口市出身で、幼いころから「祭り」には格別な思いがある。松本剛 お祭り大好き。祭りと言ったら屋台でしょ。「たたら祭り」っていうのが夏に川口オートレース場であるんですけど、それには絶対に行ってました。必ず買っていたのはチョコバナナ! とにかく屋台のために、お小遣いをためていましたもん、僕。しかし、球界の「祭り」は遠い存在だった。ドラフト2位で帝京から日本ハムに入団して12年目。高卒同期の上沢やソフトバンク近藤と一緒に初めて「祭典」の舞台に立てたことを今、誇りに思う。松本剛 3人同時に出ると聞いても、ピンと来なかった。慎吾(ロッテ石川)も含めて同期4人の中で、僕が一番後れを取っていたので。スタートから出遅れて、ドラフト2位に見合う成績をずっと残せなかった。だから(同時出場は)誇りに思う。「苦労人」って書いておいて下さい(笑い)しかも、今年は帝京OBが4人出場! 自分で言うのもなんですけど、僕がオールスターに出るなんて、正直思ってなかったです。ようやく、一流の世界に足を踏み入れたばかり。「昨年、良い成績を残したおかげで、今まで話せなかった人と、話を出来るようになった」と、肌で感じる場面もぐっと増えた。松本剛 交流戦でも青木さん(ヤクルト)が「どうやって打ってるの」と聞いてきてくれたり、坂本さん(巨人)が声をかけてくれたり...。憧れだった選手が、声をかけてくれるのは、やっぱりうれしい。そういう選手に少しでも近づきたくて、追い越したくて、やってきたから。チームは10連敗中で最下位に転落と元気がない。22日から再開するリーグ戦で、先頭に立って若いチームを引っ張る覚悟は出来ている。松本剛 僕も開幕から状態が良くなく、我慢が続きました。オールスターはいい区切り。6月後半から、ようやく首位打者を取った昨年の映像を見返すようになりました。昨年より良い成績を残す自信があったから、それまでは封印していたんです。良い感覚を取り戻しつつあるので、後半戦で一気に爆発したい。自分自身に期待しています。

◆全セの阪神ノイジーはバットでも快音を響かせた。初回、ロッテ佐々木朗の161キロ直球を中前にはじき返し、球宴初打席で初安打。「すごくいい投手なので、ヒットを打つのが難しい中で打てたのはよかった」。2回の強肩補殺については「自分の守備を見せられてよかった」と振り返り、岡田"監督代行"によるリクエストについては「リクエストをかけてくれたのは最高でした」と喜んだ。■通算10打席目初安打全セの阪神中野が3年目の球宴で初安打を決めた。「1番二塁」で出場し、2打数無安打で迎えた6回先頭の3打席目。WBCで同僚だったオリックス山崎颯の変化球を捉え、右前打を放った。入団した21年から3年連続の出場だが、通算10打席目での初安打。「なんとかヒット打ちたいという気持ちはあったので良かった」。2戦目に向けて「次は盗塁も狙いたい」と意気込んだ。■初安打次戦持ち越し全セの阪神大山の球宴初安打はお預けとなった。「4番一塁」で出場したが、3打数無安打だった。球宴自体は2年連続出場だが、ファン投票では初選出。昨年は無安打に終わっており、初のHランプは次戦に持ち越しとなった。他球団の選手と交流できる貴重な期間を「普段聞けない話も聞けましたし、ためになる。あと1日あるのでいい時間にしたい」とかみしめた。■無安打も会話充実プロ5年目で球宴初出場となった全セの阪神木浪は「9番遊撃」で初先発した。遊ゴロと左飛で2打数無安打に終わったが、守備では3度の遊ゴロを処理。他球団のあらゆる選手と会話することができたと言い、「みんな忙しいのでゆっくりする時間はなかったけど、すごいいい経験になりました」と振り返った。■無安打も感謝感謝全セ「8番捕手」で先発出場した阪神梅野だが、2打数無安打に終わった。山本、山崎福のオリックス投手陣の前に凡退した。37万1551票を集めてファン投票1位で2年ぶり4度目の球宴出場。「ファンの方に楽しめたという報告が一番。感謝しながらプレーできた」と振り返った。前回の21年出場時は日本ハム上沢から右翼への三塁打を放っており2年ぶりの安打は第2戦に持ち越しとなった。■1回3安打2失点全セ4番手として登板した阪神岩崎が2失点した。5点を追う6回に登板。連打で無死一、三塁を招くと、オリックス頓宮の右犠飛、西武源田の適時打など1イニングで3安打2失点を喫した。球宴出場は3年連続3度目。昨夏は同点の6回にソフトバンク柳田に被弾しており、2年連続の失点となった。それでも年に1度のイベントに「また明日もあるので楽しみたい」と球場を後にした。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が「マイナビオールスターゲーム2023」で球宴初のマルチ安打を記録した。「6番三塁」で先発し、2回に同学年のオリックス山本由伸投手から左中間フェンス直撃の二塁打。5回にもオリックス山崎福から右前打を決めた。全パのオリックス山本は、5年連続の球宴を心から楽しんだ。「すごく楽しんで投げられたのでそれが一番良かったです」。ロッテ佐々木朗の後を受け2回にマウンドへ。1死から阪神佐藤輝に、フェンス直撃の中越え二塁打を許した。「年に何回かしか対戦できない中で、今年も対戦できたので良かった。打たれましたけど全然気持ちいいっす」と爽やかに振り返った。それでも後続2人を抑えて無失点。WBC以来の佐々木朗との継投に「投げ終わった後にそれに気づいて、すごく懐かしい気持ちになりました」としみじみ。楽天田中将につなぐ豪華リレーでファンを沸かせ「なかなかオールスターでしか1イニングずつというのはないと思いますし。本当にいい試合だったなと思います」と満足げだった。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)ヤクルト・田口麗斗投手(26)が球宴の2日間限定となるレインボーの特別ヘアスタイルを披露した。誰よりも目立つ髪形で姿を現し「レインボーにしたのは初めて。なかなかないタイミングなので思い切って。12球団のイメージカラーみたいのをちょっと入れたいですと伝えました」と笑みを浮かべた。準備にかかった時間は合計2日間で6時間超えの大作となっている。他球団の選手からは思わず「スゲーな」と声が漏れたという。球宴だけの特別仕様で、試合が終わったら「ちょっと暗めにします」と明かした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)阪神・大竹耕太郎投手(28)が試合前練習でDeNAのトレバー・バウアー投手(32)とキャッチボール。変化球談議に花を咲かせた。キャッチボール相手を探していたバウアーを見て、大竹は「これ、チャンスやな」とアタック。サイ・ヤング賞投手のボールを体感し、終了後はお互いの変化球の握りを確認しながら言葉を交わした。「何球かカーブを投げさせてもらって、『カーブいいね』みたいに言ってもらって、どうやって投げてんのと聞かれたので話をさせてもらって。僕はスライダーが苦手なので、スライダーがすごいので、どういう感覚なんですかと聞きました」。バウアーからは「カーブがいいから、カーブの感覚で、親指を変えるだけでいい」とアドバイスをもらったことを明かし、「ちょっと明日投げてみようかな」と笑顔だった。初出場の球宴の雰囲気を「クラス替え初日みたいな感じです」と語った大竹は、バウアーの球を受けて「やっぱり変化球が、どの方向にもすごく投げられるし、同じスライダーの曲がりでもいろいろ変えて投げていたりして、やっぱりすごいなと思いました」と刺激を受けたようだ。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)2年連続2度目の球宴出場となる全セ・長岡秀樹内野手(21)=ヤクルト=がハツラツと試合前練習に参加した。「スター選手しかいないので緊張しますけど頑張ります。去年はヤクルトの野手の先輩もいたんですけど、今年はいないので心細い感じはあります」ヤクルトの野手でただ一人の球宴選出。阪神・木浪と野球談議をし、「そうやって守ってるんだなとか、そうやって打っているんだなとかは思いました」と笑顔。目標には「ヒット打ちたいです」と語った。長岡は巨人・坂本、広島・西川がけがで出場を辞退した影響で選抜された。全セの指揮をとる高津監督からは「けがなく頑張ろう」と声をかけられたという。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)巨人・戸郷翔征投手(23)が3年連続3回目の球宴に「打者の反応を間近で見られるので楽しみ」と胸を躍らせた。試合前には、全セに選出された投手陣と交流。広島・九里とフォークボールやシュートについての意見交換をしたという。かつて同僚だったヤクルト・田口と久々にキャッチボールも行い「久しぶりに受けてめっちゃいい球だった。(髪形も)オールスターカラーでだいぶ奇抜なね。ほんとジャイアンツにいたのかと思うくらい」と笑顔を見せた。

◆プロ野球の「マイナビオールスターゲーム2023」は19日、名古屋市のバンテリンドームナゴヤで第1戦が行われる。先発投手は全パが佐々木朗希(ロッテ)、全セは村上頌樹(阪神)。佐々木朗は初出場だった昨年、2014年に日本ハム時代の大谷翔平(エンゼルス)が記録した日本選手の球宴最速に並ぶ162キロをマークした。第2戦は20日に広島市のマツダスタジアムで行われる。シーズン後半戦はセ、パ両リーグともに22日にスタートする。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)試合前に審判員がアナウンスされ、右翼の線審に白井一行審判員の名前がコールされると、スタンドが大きくざわついた。全パの先発を務める佐々木朗(ロッテ)は、昨年4月24日のオリックス戦で、ストライク判定を巡り白井球審に詰め寄られて物議をかもした〝過去〟があった。この日は白井審判員は球審ではないが、球宴の大舞台での〝共演〟が実現した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)全パ・松本剛外野手(29)が帝京高OB同士の〝帝京魂対決〟を心待ちにした。3学年後輩の清水(ヤクルト)に対しては「もし対戦したら全部まっすぐでくると思うので、そのときホームラン狙ってみようかな」と先輩らしく〝直球勝負〟を要求した。いっぽうで1学年先輩の山崎(DeNA)との対戦機会へ向けては「胸を借りて真っ向勝負したい」と謙虚に語った。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、セ-全パ、バンテリンD)両リーグのスタメンが発表され、全パの先発はロッテ・佐々木朗希投手(21)、全セの先発は阪神・村上頌樹投手(25)が務める。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)試合前にはホームランダービーが行われた。2分間球数無制限で競われ、1回戦第1試合では全セ・細川成也外野手(24)=中日=が12スイング中2本の柵越え、全パ・中村剛也内野手(39)=西武=が15スイング中1本の柵越えで、細川が勝利した。1回戦第2試合では、全セ・牧秀悟内野手(25)=DeNA=と全パ・杉本裕太郎外野手(32)=オリックス=がともに14スイング中5本の柵越えで、1分間の延長戦に。延長戦で牧は9スイング中2本の柵越え、杉本は9スイング中柵越えはなく、牧が勝利した。第3試合となった準決勝は、全セ同士の対決となり、細川が14スイング中4本の柵越え、牧は13スイング中4本の柵越えで、この日2度目の延長戦へ。細川が3連発を放つなど9スイング中3本の柵越え、牧が8スイング中0本で細川が勝利し、20日にマツダスタジアムで行われる決勝に進出した。20日は1回戦第1試合で全セ・岡本和(巨人)と全パ・柳田(ソフトバンク)、全セ・宮崎(DeNA)と全パ・万波(日本ハム)が対戦する。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)初出場の超大物新外国人、全セのトレバー・バウアー投手(32)=DeNA=は、試合前の練習で大竹(阪神)とキャッチボールし、野球談議を交わすなど交流を楽しみ「たくさんの才能を持った選手が集まる場で話すことができて楽しい」と語った。5月27日の対戦で2本塁打を浴びた細川(中日)とも交流。「もちろん、ずっと会いたかった。2本打たれている相手でもあるので、そのことについて冗談を言ったり、ホームランダービーは君のことを応援しているよと話しました」と明かした。予告通り、ホームランダービーでは細川の名前入りタオルを掲げて一塁側から応援。バウアー効果(?)で細川は準々決勝で中村(西武)、準決勝で牧(DeNA)に勝利し、20日の決勝進出を果たした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)思わぬ人物の登場にバンテリンドームが沸いた。全パ、二回の攻撃。2死から近藤(ソフトバンク)が左越えの一打を放った。この打球に、全セの左翼・ノイジー(阪神)が完璧なクッション処理から素手で捕球し、強肩で二塁へ。タッチアウトかと思われたが判定はセーフだった。全セの二塁手・中野(阪神)はベンチに向かってリプレー検証を要求。場内に「オールセントラル高津監督よりリプレー検証の要求がありました」とコールされたが、実はベンチからリクエストを要求していたのはコーチとしてベンチ入りしていた阪神・岡田監督。虎将の必死のアピールも実り、判定は覆ってタッチアウト。ノイジーも意気揚々とベンチへと引き揚げた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)球宴初出場の村上頌樹投手(25)=阪神=が全セの先発を務め、2回6安打4失点だった。まずは一回、先頭の外崎(西武)への初球で〝計測不能〟のスローカーブを投じ、球場にどよめきを巻き起こした。この外崎から4連打の猛攻を浴びて2失点。中村(西武)を149㌔直球で空振り三振に抑えて1死を奪ったあとには栗原(ソフトバンク)の中前適時打、頓宮(オリックス)の併殺崩れの遊ゴロの間の1点でさらに2点を失った。それでも最後は源田(西武)を低めへのツーシームで空振り三振に斬ってチェンジ。二回は若月(オリックス)を二ゴロ、外崎は91キロのスローカーブで左飛に抑え、対戦を熱望していた近藤(ソフトバンク)には左翼フェンス直撃の当たりを打たれたが、チームメートの左翼・ノイジー(阪神)の、二塁ベース上で近藤をタッチアウトにする強肩に助けられ、3人攻撃で終わらせた。一回での4番・柳田(ソフトバンク)との対戦では150キロを3度計測するなど、力で押すところも見せた。ファン投票はノミネート外ながら28万1990票、選手間投票でも151票を集め、ともにセ先発部門でトップ選出されて踏みしめた夢舞台だった。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)全セの指揮をとる高津臣吾監督=ヤクルト=が、執念の采配をふるった。0-4で迎えた二回2死、左翼フェンス直撃の当たりで二塁を狙った近藤(ソフトバンク)は二塁ベース上でクロスプレー。二塁塁審はセーフの判定を下したが、高津監督はすかさずビデオ判定をリクエスト。その結果、アウトに覆りチェンジに。お祭りとはいえ、レギュラーシーズンさながらの勝利にこだわった采配で、観客からは大きな拍手が起こっていた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)全パは先発の佐々木朗希投手(21)=ロッテ=から、2番手・山本由伸投手(24)=オリックス=へと継投。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のメキシコ戦の侍リレーを再現し、二回まで無失点に抑えた。佐々木朗は最速161キロをマークし、1回1安打無失点、2奪三振。山本も佐藤輝に二塁打を浴びたが、1回無失点、1奪三振と好投した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)全セの「3番・左翼」で先発したシェルドン・ノイジー外野手(28)=阪神=が一回に中前打を放った。「三振を全部取りにいった」とオール三振を狙っていた全パの先発・佐々木朗(ロッテ)と対戦。フルカウントから161キロ直球を中前にはじき返した。渾身の直球を捉えられ、佐々木朗も「三振とりにいったんですけど、いい選手です」と脱帽。令和の怪物も認めた虎の助っ人が初出場の球宴で躍動した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)球宴初出場の村上頌樹投手(25)=阪神=が全セの先発を務め、2回6安打4失点だった。「緊張しました。パ・リーグのすごいバッターたちと対戦できたのは本当に楽しかったです」最初の一回には先頭・外崎(西武)を起点にいきなり4連打を浴びて2失点。1死後にもタイムリーと内野ゴロの間の1点で計4点を失うなどし、「一番は楽しむということでやっていたんですけど、なかなかアウトが取れなかったので、それでちょっと笑ってしまいました」とグラウンド上で苦笑いを浮かべた理由を明かした。それでも普段のチームメートでもある左翼・ノイジーの強肩に助けられる場面もあり、二回は結果的に3人で終わらせ、意地も見せた。他球団のスターが集結する夢舞台。「投手でいろんな方々がセ・リーグにいる。いろんな人に話を聞けたらなと思います」と収穫ある2日間にする。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)球宴で声出し応援が4年ぶりに解禁となり、両軍のファンは応援歌やチャンステーマなどで思い切り声を張り上げた。新型コロナウイルス禍で2020年は中止。21年は観客の人数制限があり、22年は人数制限は解除されたが、声出し応援は禁止されていた。規制のない夏の祭典がようやく戻った。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)全パ・近藤健介外野手(29)=ソフトバンク=が「2番・左翼」で先発し、猛打賞(1試合3安打以上)を記録した。一回無死一塁で右前打を放ち好機を広げると、柳田の中前適時打で生還。二回は左翼フェンス直撃の打球を放ち、二塁のクロスプレーで一時はセーフの判定だったが、全セ・高津監督(ヤクルト)がリクエストした結果、判定が覆ってアウトとなった。五回1死の第3打席では二塁内野安打を放った。守備では五回1死一塁で、左翼ポール際への打球を激走して好捕。攻守で魅せた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)新人時代の2018年以来、5年ぶりに出場した全セ・東克樹投手(27)=DeNA=が五回に3番手で登板。愛工大名電高時代を過ごした名古屋で、家族や友人も多く見守る中、1回1安打無失点の投球を見せた。先頭の外崎(西武)をチェンジアップで空振り三振斬り。近藤(ソフトバンク)には二塁内野安打を許すも、松本(日本ハム)を右飛、柳田(ソフトバンク)を遊ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)ソフトバンクの柳田が三回に豪快なソロ本塁打を放った。小笠原(中日)が投げ込んできた初球の速球を、代名詞のフルスイングで右翼席へ突き刺し「いいスイングだけしようと思っていた。完璧」と胸を張った。チームが9連敗で前半戦を終えたとあって「久々に勝ちたい」と臨んだ中、一回は村上(阪神)の外角球を捉えて中前へ適時打を運ぶなど、パワーに加えて巧みなバット操作も披露した。試合前には田中将(楽天)をはじめ、秋山(広島)、宮崎(DeNA)ら同学年の選手と記念撮影するなどして交流し「記念が一つ、フォルダーに増えた。それだけでも来て良かった」と満足げだった。

◆全パ・中村剛也内野手(39)=西武=が走塁でファンを魅了した。5-0の六回、左前打で出塁し、続く代打・安田(ロッテ)の右前打で一気に三塁へ進むと、頓宮(オリックス)の右飛でタッチアップ。強肩の細川(中日)との〝競争〟となったが、本塁へスライディングして生還。中村自身もセーフのジェスチャーを披露。体重102キロのベテランが華麗な走塁で歓声を浴びた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)ソフトバンクの和田が四回に4番手で登板した。42歳4カ月で全パの最年長登板記録を塗り替え、1回を三者凡退。全15球が直球の真っ向勝負で「一番の年寄りが真っすぐばっかり投げたらどうなるかなと。全部力を込めて投げた」と充実の笑みをみせた。ノイジーと大山(ともに阪神)は詰まらせて飛球に仕留めると、岡本和(巨人)は145キロで空振り三振とした。セ、パを通じた最年長登板記録は上原(巨人)の43歳3カ月で「野球をやっていればチャンスはある。それはまた挑戦していきたい」と意欲を語った。7年ぶりで、もしかしたら最後のオールスターになるかも。楽しみたいなという気持ちで投げた」とさわやかに話した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)全セ・清水昇投手(26)=ヤクルト=が七回に5番手で登板。先頭で帝京高の7学年先輩の全パ・中村晃(ソフトバンク)を打席に迎え、いきなり夢に見た〝帝京魂〟対決が実現した。球宴前に「〝帝京魂〟対決がしたいですね。お二人(ソフトバンク・中村晃、日本ハム・松本剛)とも実績のある打者ですし、オールスターで対戦できるというのは数少ないチャンスしかないので対戦したいです」初球は146キロの直球を投げ込み、ファウルに。カーブ、フォークでカウントを1―2と整えた4球目、内角高めの直球で一ゴロに抑えた。その後は、万波(日本ハム)に右越えソロを浴びて1点を失ったが、中村剛(西武)を空振り三振に抑えるなどマウンドで躍動した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ-全パ、バンテリンD)全パの日本ハム・万波中正外野手(23)が、自身初出場となった球宴の初打席で右越え本塁打を放った。六回の守備から登場した万波は、七回1死の第1打席で清水(ヤクルト)の外角への143キロの直球をとらえ、右翼ポール直撃のソロとした。今季15本塁打でパ・リーグの本塁打王を視野に入れる若き大砲が球宴の大舞台で存在感を発揮した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)全セ・宮崎敏郎内野手(34)=DeNA=が途中出場し、七回先頭の1打席目で逆方向となる右翼席へ一発を放った。セ・リーグ三塁手部門で2018年以来、5年ぶりの球宴出場。前回は第2戦で本塁打を放ち敢闘賞を受賞しており「もう一回、本塁打を打ちたい」と意気込んでいた。宣言通りの一打に、テレビ解説席にいた同僚のバウアーも「あれだけ飛ばすのは信じられない」と目を丸くした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ―全パ、バンテリンD)球宴で〝帝京高リレー〟が実現だ!! 全セは七回に清水昇投手(26)=ヤクルト、八回に山崎康晃投手(30)=DeNA=が登板した。2人はともに帝京高出身で4学年差。オフには大先輩であるお笑いコンビ、とんねるず・石橋貴明(61)と食事をともにするなど親交が深い。清水は万波に右越えソロを浴びるなど1回2安打1失点、1奪三振。山崎は1回1安打無失点に抑えた。母校はこの日、夏の高校野球東東京大会4回戦で開成に13―3(五回コールド)で大勝。2011年以来、12年ぶりとなる夏の甲子園出場を目指す。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)全パが一回から打線が爆発した。全セの先発、阪神・村上を攻め5安打で4得点。三回にはソフトバンク・柳田が右越えのソロ本塁打を放つなど15安打8得点と大勝した。全セは七回、DENA・宮崎のソロ弾で1点を返すのがやっとだった。MVPは柳田が獲得した。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)監督選抜で2年ぶり7度目のオールスター出場となった全セ・山崎康晃投手(30)=DeNA=が八回に6番手で登板。球場全体が一体となった大応援「ヤスアキジャンプ」に迎えられ、1回を1安打無失点に抑えた。オールスター限定の変化球「ナックル」で全球勝負。亜大の後輩、頓宮(オリックス)を三邪飛に打ち取り、紅林(オリックス)も三ゴロ。マルティネス(日本ハム)には右前に運ばれたが、小深田(楽天)を二ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)タテジマで埋まった野球の祭典。虎戦士たちが佐々木朗(ロッテ)や山本(オリックス)ら、全パの強力投手陣との対戦を楽しんだ。右肋骨(ろっこつ)の骨折で出場を辞退した近本を除き、ファン投票で球宴に選出された阪神の野手6人が先発。まず魅せたのが、3番のシェルドン・ノイジー外野手(28)だ。一回2死から佐々木朗の161キロ直球を捉えて中前打を放ち、得点こそ奪えなかったが見せ場を作った。守備でも持ち味を披露した。二回2死で近藤(ソフトバンク)が放った左翼フェンス直撃の当たりを、素手でつかんで二塁へダイレクト返球。微妙なタイミングのプレーは一度はセーフ判定に。ノイジーは頭を抱えて崩れ落ち、岡田監督が笑顔でリクエストを要求した。仕切り直しの判定は一転、アウト! 攻守で一流のプレーを見せた。二回には代わってマウンドに上がった山本に対し、3年連続出場の6番・佐藤輝明内野手(25)が魅せた。152キロ直球をフルスイングし、打球は中堅フェンスへ一直線。全セ初の長打となる二塁打で球場を沸かせた。試合前練習ではコミュニケーションを熱望していた細川(中日)や、牧(DeNA)らと交流。三塁守備の練習中には柳田(ソフトバンク)がやってきて言葉を交わすなど、年に一度の祭典で他球団の選手と交流を深め、多くの刺激を受け取った。さらに、五回には先頭で山崎福(オリックス)から右前打。球宴5試合目で初のマルチ安打をマークした。試合前には野球殿堂入り表彰を実施。阪神で1985年の日本一に貢献するなど伝説的な活躍をしたランディ・バース氏が表彰を受けた。そのバース氏も注目の選手に佐藤輝を指名。「期待通りの結果はまだ出ていないですけど、非常に高い能力があって、間違いなく将来スーパースターになるポテンシャルはある」と激励の言葉を残していた。17日の中日戦(甲子園)で47打席ぶりの本塁打を放った佐藤輝。全セは全パに完敗したが、球宴で勢いを加速させ、後半戦につなげていく。(邨田直人)

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)白球はゆっくりと大きな弧を描き、ミットに収まる。年に1度の祭典の開幕を告げる〝超遅球〟にバンテリンドームがどよめいた。前半戦のプロ野球を華やかに彩った投手だけが立つことを許される球宴の先発マウンドを、全セ・村上頌樹投手(25)=阪神=は存分に満喫した。「めちゃめちゃ緊張しました。パ・リーグのすごいバッターたちと対戦できたので楽しかったです」一回、全パ・外崎(西武)への記念すべき第1球目は球場にも表示されないスローボール。惜しくもストライクゾーンよりも高めのコースでボールの判定となったが、全国のプロ野球ファンにインパクトを残した。しかし、先頭打者に左前打を許すと、そこから近藤(ソフトバンク)、松本剛(日本ハム)、柳田(ソフトバンク)に4連打を食らうなどしていきなり4失点。バッテリーを組んだ同僚の梅野に声をかけられ、思わず苦笑いを浮かべた。「なかなかアウトが取れなかったので、それで笑っちゃいました」名刺代わりのスローボールには伏線があった。球宴への出場が決まる前から「スローボールを投げたい」と意欲を示していた右腕は18日に名古屋市内で行われた前日イベント後に「投げるかどうかは明日のお楽しみ」とあえて宣言はせず。そんな中で迎えた本番ではプレーボール直後にいきなり遅球を披露して見せ場を作った。「何か印象に残ることをやろうと思っていたので、初球からやりました」イベントでのトークショーでは全パ・佐々木朗との投げ合いについて聞かれ「佐々木朗希が投げた後は、ちょっと恥ずかしいので嫌です」と本音をポロリ。それでも「自分は160、150キロは出ないけど、140キロ台でも抑えられるところをみなさんに見てほしい」と対抗心を燃やしていたが...。二回はノイジーの好守備に助けられて無失点で切り抜け、2回6安打4失点で降板。ホロ苦い球宴デビューとなった。大卒3年目の今季はここまで13試合で6勝5敗、防御率1・97。初先発となった4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回完全投球を見せると、同22日の中日戦(バンテリンドーム)では9回無四球完封でプロ初勝利を挙げるなど、目覚ましい活躍を続け、セ・リーグの先発投手部門のファン投票1位を獲得。ノミネート外から初出場となった。「きょうはたくさん打たれてしまったけど、後半戦はこういった投球にならないように、しっかりやっていきたい」球宴では連打を許したが、リーグ戦では同じ轍は踏まない。首位の虎の原動力となった右腕は、後半戦も勢いそのままに突っ走る。(織原祥平)

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1ー8全パ、全パ1勝、バンテリンD)阪神勢は8人が出場。「6番・三塁」佐藤輝明内野手(24)が山本由伸投手(24)、山崎福也投手(30)のオリックス勢から右中間二塁打と右前打を放ち、2打数2安打。中野拓夢内野手(27)、シェルドン・ノイジー外野手(28)はともに1安打。先発の村上頌樹投手(25)は一回に4連打などで4点を失い、2回4失点。岩崎優投手(32)が4番手で六回に登板し、1回2失点だった。コーチとして参加した全セ・岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(観衆=3万5437人)。ーーリクエストはシーズンさながら(二回、左越え安打を放った全パ・近藤が二進を狙い、打球を捕球したノイジーが二塁へ送球。判定はセーフだったが、全セ・高津監督に代わって、岡田監督がリクエスト。リプレー検証の結果、アウトに)「高津がおらんかったんや。インタビューかなんかしてたんちゃうかな」ーーアウトだと確信が「そりゃあ、みんながお前、アウト、アウト言うから、おーん。(高津監督が)ベンチいてなかったんや。それで俺がしようがなしに」ーーノイジーはいつも通りのプレー「そうやんな。いつも通りやんな」ーー久々の球宴は楽しかった「別に。コーチやから、余計に楽やしな。何にも考えんでいいし。もうちょっと抑えてくれとは思ったけどな」ーー佐藤輝も右前打もよかった「最初、村上2イニングやったから、お前、2イニング持つかな思ったわ。心配したわ、ほんま」ーー佐藤輝の引っ張った当たりは監督がいつも言っていること「オールスターやん。配球とか何にもなしでな、どんどん来るわけやから。それは、まあ、分からんよ」ーー改めて球宴に阪神の選手が出て「それは前半の活躍やろうな。ちゃんと数字とかね、投票の数字やけどな。そういうこと違うかな」ーーバースさんが殿堂入りで来ていた。言葉はかわされた「メール送ってんのに、お前、返ってけえへんから、怒ったわ」

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)楽天の田中将が三回に登板し、10年ぶりに日本の球宴に出場した。同学年の秋山(広島)からスライダーで見逃し三振を奪うなど、巧みな投球術で打者3人を完璧に抑え「しっかりといろんなところに投げられたのが良かった。楽しかった」と笑顔だった。前半戦は好不調の波が激しく、5勝5敗で防御率4・43。日米通算200勝に残り5勝で迎える後半戦に向けて弾みをつけ「先発する試合に向けて、調整していきたい」と意気込んだ。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、バンテリンD)全セを率いた高津臣吾監督(54)=ヤクルト=が「リクエスト時不在」の真相を明かした。二回2死で全パ・近藤(ソフトバンク)が左翼フェンス直撃の打球を放ち二塁へ。ベース上でクロスプレーとなり、一時はセーフの判定となったが、全セベンチからリクエストが要求され、リプレー検証の結果、アウトに覆った。この際、場内には「高津監督からリクエストの要求がありました」とアナウンスされたが、実際にはコーチとしてベンチ入りした阪神・岡田監督が審判団に要求していた。高津監督は「言い訳じゃないけど、いいピッチャーがいっぱいいるので、ブルペンに見に行っていた。そしたら、岡田さんが出てきて、モニターを見たら何かやっているから、あれ?って。俺の仕事だと思って(笑)」と真相を告白。ブルペンで2番手の小笠原(中日)の投球を見ていたといい「いまのちょっとセーフ臭いなとか、アウト臭いなと話しながら見ていたら、岡田さんが出てきたから、いや、すみませんって」とブルペンでの様子も明かした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)日本ハムの万波が史上18人目となる初打席本塁打を放ち、敢闘選手賞を受賞した。守備から途中出場し、七回に迎えた打席で147キロを捉え、右翼ポールを直撃する大きな当たり。笑顔でダイヤモンドを一周し「楽しめていた。落ち着いて周りが見えている感じがした」とうれしそうに話した。今季は前半戦だけで自己最多の15本塁打をマークし、リーグトップの浅村(楽天)を3本差で追う。「本塁打数はまだまだ伸ばせると思う」と目標の本塁打王へ気持ちを新たにした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)全パの田中将大投手(34)=楽天=が三回に3番手として登板。2013年以来、10年ぶりの球宴の舞台で1回無失点の好投を見せ「ちょっと特別でした。すべてにおいて独特。しっかりといろんなところにすべての球種を投げられたのはよかった」とうなずいた。七回には三塁コーチャーを務め、万波(日本ハム)の右翼ポール直撃のソロをコーチスボックスから見届けた。「日頃のあの角度で見ることはできないので、気楽な気持ちで見れたので楽しかった」と10年ぶりの球宴を楽しんだ。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)全セのヤクルト・高津臣吾監督(54)は敗戦に「勝って終わりたかった」と悔しさをにじませた。二回のリクエストの場面は、ブルペンで中日・小笠原の投球を見守っており「あれ?俺の仕事だと。(リクエストは)ブルペンでしてた」と真相を明かし「明日はずっとベンチに座っています。我慢します」と〝約束〟した。指揮官の主な一問一答は以下の通り――2年連続球宴での指揮「もう勝つ気満々だったんだけどね。やっぱりトッププレーヤーが、みんな集まって、お客さんとしてはすごくいいゲームを見せられたのかなと思います。本当はセ・リーグが勝って終わりたかったですけど、いいゲームだったんじゃないかと思っています」――二回のリクエストの場面は別の場所にいた「言い訳じゃないけど、いいピッチャーがいっぱいいるので、ブルペンに見に行っていた。そしたら、岡田さんが出てきて、モニターを見たら何かやっているから、あれ?、俺の仕事だと思って」――タイムラグがあって高津監督を探した「俺、ブルペンにいた。だから、小笠原のピッチングを見ていたの」――リクエストの場面はブルペンのモニターで見ていた「そうそう。いまのちょっとセーフ臭いなとか、アウト臭いなと話しながら見ていたら、岡田さんが出てきたから、いや、すみませんって」――岡田監督に「頼みます」と頼んで去った「いやいや、全然。普通にブルペンに行っていた」――場内アナウンスでは「高津監督から」とあったが「してたしてた。ブルペンでしてた」――パ・リーグの打者のスイングの強さ「こういうゲームになると、真っすぐ勝負であったり、そういうのを楽しみにしているお客さんもたくさんいるので、その期待に応えようと投げるので。多少バッター有利になるのかなと思うところもあるんですけど、たしかにスイング強いなと思いますし、体もこのクラスになるとしっかりしているなと思いました。まだまだスワローズの選手を鍛えないといけないなと思いましたね」――セ・リーグの選手も長打が出た「やっぱりすごいね。ライトにホームランを打つ右バッターがいるというのは。なかなかあそこまで飛ばせる右バッターはいないのかなと」

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)侍リレーの再現だ!! 全パ・佐々木朗希投手(21)=ロッテ=が先発し、最速161キロで1回を1安打無失点、2奪三振だった。2番手で山本由伸投手(24)=オリックス=が登板し、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメキシコとの準決勝のリレーが再現された。試合は全パが8-1で快勝し、2021年の第2戦から4連勝で、通算成績を89勝80敗11分けとした。第2戦は20日にマツダスタジアムで行われる。オールスター最速記録163キロの更新が注目された球速は度外視した。佐々木朗は打者との真剣勝負にこだわり、3者連続三振を狙いにいったが、惜しくもかなわなかった。1、2番を空振り三振に斬って迎えた3番・ノイジーにこの日最速タイ、161キロの直球を中前にはじき返され、苦笑いした。「三振を全部取りにいったんですけど、最後の一人でうまくいかなくて悔しい。(ノイジーは)いい選手です」3万5437人をのみ込んだ球場が〝令和の怪物〟の登場に大きく沸き上がる。注目を集めるマウンドで1番・中野は決め球のフォークボールで空振り三振に斬った。これが球宴では初となる奪三振。今季12球団トップの121奪三振を誇る実力を示すと、続く秋山からはスライダーで空振り三振を奪った。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)「1番・二塁」で先発した中野(阪神)が、六回に山崎颯(オリックス)の119キロカーブを捉えて、右前打を放った。「何とかヒットを打ちたいという気持ちがあったので、打ててよかった」。3年連続3度目の出場を果たし、10打席目にして待望の球宴初ヒット。「あした(20日)もヒットを打って、次は盗塁を狙いたい」と意気込んだ。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)全パ・山本(オリックス)は佐々木朗からのバトンを受けて二回から登板。WBC準決勝を連想させる継投に、バンテリンドームは沸いた。「ファンの方が喜んでくれていたと思う。うれしいですね」1死から佐藤輝に中越え二塁打を許したが細川を空振り三振、梅野を一邪飛で1回1安打無失点。マウンドを降りる際には佐藤輝に拍手を送り「打たれましたけど、全然、気持ちいい」と球宴を満喫した。降板後に佐々木朗とのWBCリレーに気づいたといい「すごく懐かしい気持ちになった」と笑みを浮かべた。全パの指揮を執る中嶋監督が体調面を配慮し、監督選抜から外れたが、最後の一人を決めるプラスワン投票で〝滑り込み選出〟。山本は「いろんなパターンを想定して監督が(継投の順番を)考えてくれた。素晴らしい試合でした」とすがすがしい笑みを浮かべていた。(湯浅大)

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)「3番・左翼」で先発出場したノイジー(阪神)が攻守でアピールだ。まずは一回、佐々木朗(ロッテ)の161キロ直球を中前へ。「ヒットを打つのが難しい投手から打ててうれしかった」。二回の守備では近藤(ソフトバンク)の左翼フェンス直撃の打球を処理し、二塁に矢のような送球。リクエストで判定が覆って打者走者をアウトに。シーズン中、肩で何度もチームを救ったが「こういう(球宴出場)機会をいただき、守備でも見せることができてよかった」と納得の表情で球場を後にした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1-8全パ、全パ1勝、バンテリンD)オールスターゲームを取材にいくと、なんだか不思議な気持ちになる。というのも、試合前のグラウンドは報道陣であふれかえり、選手が練習を終えるとテレビのインタビューが突然、始まる。新聞記者たちも、ソレイケーッとペンとノートを取り出し、輪に入る。全国から記者が集まっているため、名刺交換すらしたことがない記者ともコメントを共有したりする。ドタバタするけど、何となく、われわれも〝選出〟されたような誇らしさがあるのだ。「こんなに人が多いのかとビックリしました。人が多すぎて、スマホの電波が途切れるときがありますから。取材が次々と発生するし...」試合前、全パを取材するために三塁側のベンチ付近にいたオリックス担当・北池良輔は汗だくなっていた。あっちもこっちも人、人、人、人...。すると...。「き・た・い・け・く・ん?」黄色い声。北池は首を振った。僕に声をかける女性なんて、いるわけがない。きっと疲れているんだ。「き・た・い・け・く・ん?」確かに言われた。北池クン、と。声がした方に振り向いて、驚いた。阿佐有子さん。コアな読者なら覚えているかもしれない。昨秋までレイアウトを担当する整理部でアルバイトとして働き、今は別の会社に就職したため、東京に住んでいる。とにかくよく気がつく女性で、明るく元気に編集局を盛り上げてくれていた。阿佐さんがいるとき~♪ いないとき~♪ 「551の蓬莱」のCMに当てはめてもらえるとわかりやすい。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)「4番・一塁」で出場した阪神・大山は3打数無安打だったが、「楽しかった。普段の試合とは違う雰囲気だったし、また違う(試合への)入り方ができたので、良かった」と満喫した。他球団の選手と交流を深め、「普段聞けない話とかも聞けたし、タメになる話もある。あと1日あるので、いい時間にしたい」と明るかった。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)4度目球宴の阪神・梅野は「8番・捕手」で出場。先発の村上(阪神)をはじめ、六回まで4投手をリードした。「ピッチャーもいい意味で思い切って投げてくれた」。打撃では五回にいい当たりの打球を放つも左翼・近藤(ソフトバンク)の好守に阻まれ、2打数無安打。それでも「楽しめたという報告が一番だと思う。感謝しながらプレーできた」とファンのために全力を尽くした。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)プロ5年目で球宴初出場を果たした阪神・木浪は「いつもと違う雰囲気ですごく楽しかったです」と夢舞台を振り返った。「9番・遊撃」で先発し2打数無安打。試合前は今年1月の合同自主トレで打撃論を学んだ近藤(ソフトバンク)のもとへあいさつに行くなど他球団の選手と積極的に交流した。「すごくいい経験になりました」と貴重な時間を過ごしたようだ。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)阪神・岩崎は六回に4番手で登板し、1回3安打2失点だった。捕手・梅野(阪神)も含めて内野を虎戦士が固めた布陣に「何か、せっかくなのにな、と思いながら...」と苦笑いだった。18日に脳腫瘍のため亡くなった横田慎太郎さんは2014年同期入団。天国の元チームメートに、懸命に投げる姿を見せていく。

◆マイナビオールスターゲーム第1戦(19日、全セ1―8全パ、全パ1勝、バンテリンD)第1戦では出番のなかった阪神・大竹は試合後、和田(ソフトバンク)とともにテレビ朝日系列「報道ステーション」に生出演した。同じ早大出身、自主トレもともにする師匠との共演に笑顔。第1戦で登板した和田の投球を振り返りながら「ベンチの最前列で勉強していたので、あしたの登板に生かしたいと思います」。プロ6年目で初選出された球宴で、師匠顔負けの快投をみせる。

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