阪神(☆4対1★)中日 =リーグ戦15回戦(2023.07.17)・阪神甲子園球場=
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中日
00100000011110
阪神
31000000X41101
勝利投手:西 純矢(3勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝1敗13S))
敗戦投手:涌井 秀章(3勝10敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(10号・1回裏3ラン)

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◆阪神は初回、佐藤輝の3ランで幸先良く先制する。続く2回裏には西純の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・西純が7回1失点の粘投で今季3勝目。敗れた中日は、先発・涌井が試合をつくれず、打線も11安打でわずか1得点とつながりを欠いた。

◆阪神の前半戦ラストゲームのスタメンが発表された。6番起用が続いていた佐藤輝明内野手(24)が、4試合ぶりに「5番三塁」で先発する。坂本誠志郎捕手(29)が2試合連続スタメンマスク。西純矢投手(21)とは今季初の先発バッテリーとなる。

◆/みんな待っていた\悩める主砲佐藤輝明が先制3ラン?プロ野球(2023/7/17)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/SdKch3t5pn

◆「虎の二刀流」が今季初タイムリーを決めた。阪神西純矢投手(21)が3点リー後の2回1死二塁、中日涌井から中前適時打を放った。自身出場試合2試合連続安打で、今季3本目の安打。貴重な追加点を生み出し、一塁ベース上でガッツポーズを決めた。西純の適時安打は昨年6月19日DeNA戦以来、約1年ぶりだ。直前には無死一塁から8番木浪が犠打を決め、めぐってきたチャンス。岡田監督の采配も的中した。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が10号本塁打を放ち、球団史上3人目となる新人から3年連続2桁連続本塁打を達成した。両軍無得点の初回2死一、二塁、、中日涌井から右中間への3ランを放ち、先制点を挙げた。「打ったのはストレート。初回でしたし、なんとかランナーをかえして先制点がほしい場面だったので、思い切ってスイングしました。いい感触でしたし、久しぶりのホームランで気持ち良かったです」とコメントした。阪神で新人からの3年連続2桁本塁打は3人目。田淵幸一の10年(69~78年)、岡田彰布の12年(80~91年)に続いた。7月は今試合前までわずか3安打、打率1割台と苦しむ男が、47打席ぶりのアーチ。前半戦ラストゲームで息を吹き返した。

◆/強打の"投手"\U18 侍ジャパンでは1試合2発8打点の経験あり?西純矢がタイムリーヒット?プロ野球(2023/7/17)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/4uEZFbJIFg

◆阪神佐藤輝明内野手(24)に、ヒヤリとするシーンがあった。3点リードの7回の守備。中日代打福永の三塁へのゴロが、捕球直前にイレギュラーバウンドではねた。これが胸に直撃。佐藤輝は打球を処理することができず、その場に倒れ込んだ。ただ、すぐさまグラブを挙げ、無事をアピール。起き上がり、そのままプレーを続行した。記録は内野安打となった。

◆阪神西純矢投手(21)が、7回9安打1失点と好投した。今季7戦目の先発で、初めて坂本とバッテリーを組んだ一戦。初回にいきなり無死一、二塁のピンチを招くも、後続を断ち無失点。4点リードの3回は1死一、三塁から宇佐見に左翼線へのポテンヒットを浴び1点を返されたが、4から6回までは危なげなく無失点に抑えた。7回は2死一、三塁のピンチを背負ったが、細川を遊ゴロに打ち取り難を逃れ、この回でマウンドを降りた。持ち前の打撃力でも能力の高さを示した。3点リードの2回、1死二塁から中日涌井の変化球を捉え、中前にはじき返す今季初タイムリーで追加点をたたき出した。右腕は中継ぎから先発再転向後、6月30日の巨人戦で7回無失点、7月9日のヤクルト戦で7回1失点と好投を続けるも、打線の援護なく勝ち星はお預けとなっていた。このまま勝てば、約2カ月ぶりの勝ち星となる3勝目をゲットする。

◆阪神が前半戦最終戦に快勝し、連敗を3で止めた。中日のベテラン涌井の立ち上がりをつかまえた。先頭の森下が左前打で出塁。1死からノイジーが四球で一、二塁。大山が倒れ2死となって、打席には佐藤輝明内野手(24)。1軍復帰後の打率が1割を切る打撃不振に苦しんでいたスラッガーは、右中間席へ目の覚めるような豪快な先制10号3ランをたたき込んだ。佐藤輝にとって、6月16日ソフトバンク戦で和田から打って以来となる1発だった。これで21年のルーキーイヤーから、3年連続2ケタ本塁打。球団で新人から3年連続2ケタ本塁打は、田淵幸一、岡田彰布に続き3人目の快挙だ。先発の西純矢投手(21)は、7回9安打1失点。毎回のように安打を許し、苦しいピッチングが続いたが、粘って3回の1失点だけにとどめた。2回には適時打を放ち自らを助け、5月14日DeNA戦以来、約2カ月ぶりの3勝目を挙げた。

◆中日先発の涌井秀章投手(37)が今季最短2回1/3で6安打4失点KOされ、両リーグワーストの10敗目を喫した。初回は佐藤輝に3ラン。2回は西純に適時打を許して4点目を奪われ、3回1死一、三塁で佐藤輝を迎えたところで砂田に交代した。被弾を「単純な投げミスだと思う。佐藤君の打てるところに投げてしまった。失投です」と悔やんだ。チームは3連勝で前半ラストゲームを迎え、甲子園では98年以来となる3連戦3連勝もかかっていた。涌井は5月3日も甲子園で5回10安打4失点で降板。自身13年ぶりの聖地勝利の灯火も早々と消した。プロ19年目の今季は初めてセ・リーグで開幕を迎え、序盤は打線の援護にも恵まれず黒星が先行した。7月の3試合は苦しい投球が続き、3連敗。3勝10敗と自身の成績も借金がかさむ。「先発としての仕事はやっぱり勝つこと。借金がこれだけあるとチームも乗っていけないと思うので。後半取り返すようにやっていきたい」と巻き返しを誓った。【安藤宏樹】

◆輝のお目覚め弾で前半快勝締めだ! 阪神佐藤輝明内野手(24)がチームの連敗を3で止める先制決勝の10号3ランを放ち、2年ぶりの2桁貯金&首位ターンを導いた。2軍落ちを経て再昇格後も不振が続いていたが、初回に中日涌井から放った47打席ぶりの1発が値千金弾。球団で新人から3年連続2桁弾は田淵幸一、岡田彰布に次ぐ3人目の快挙だ。猛虎のレジェンドに肩を並べた背番号8に後半逆襲の期待が高まる。まだ空は青かった。白球が西日に照らされ、甲子園に舞った。そのまま右中間席へ着弾。虎党が、仲間が、誰よりも佐藤輝が、この瞬間を待っていた。「久しぶりだったので、どういう表情で走ったらいいか分からなかった」。照れ笑いを隠し、ダイヤモンドを1周した。0-0の初回2死一、二塁。中日涌井の147キロをしばき、右中間席に運んだ。6月16日のソフトバンク戦以来、約1カ月47打席ぶりの先制&決勝の3ランは、今季10号。新人から3年連続の2桁弾は田淵、岡田に次ぐ球団3人目の快挙だった。「うれしいけど、もっと積み重ねていけるように」と満足しない。試合前には先発西純に「母の日を思い出して、ホームラン打ってください」とねだられていた。後輩が前回勝利した「母の日」の5月14日DeNA戦で2発。またも頼もしい先輩の姿を見せた。記録よりも仲間の笑顔がうれしい。6月下旬には、不振で2シーズンぶりの2軍降格も味わった。再昇格後も打率1割台と苦しむ。状態が上がらない時、岡田監督から「ポイントを前に」と声が飛ぶ。時にコーチを介し、時に記事を目にし、課題を認識してきた。なぜ、前で捉えることが重要なのか-。「力が伝わりやすいポイントだから」という前提を挙げた上で、感じていることがある。「引っ張って強い打球がいけば、相手が怖がってくれると思うんです」豪快なスイングで振り抜けば、ファウルでも凡打でも、相手に恐怖心を植え付けることができる。長距離砲の特権を理解し、試行錯誤した結晶を豪快アーチで示した。本塁打後の3打席は、いずれも得点圏に走者を置いて凡退。岡田監督は「そんな期待できひんよ。絶対良くなるっていう保証を俺はよう言わん」。4試合ぶりに6番から5番に上げた理由も「相性というかな」と、試合前まで通算6の3の涌井キラーだったから。楽観視はしていない。とはいえ、背番号8の1発で連敗を3で止め、2年ぶりの2桁貯金&首位ターンを導いたことは間違いない。「前半戦でチームにすごく迷惑かけてしまったので、ここから巻き返していけるように」。若き主砲が、前半戦の最後の最後にきっかけをつかみ、勝負の後半戦へ向かう。【中野椋】阪神が46勝35敗3分け、貯金11の勝率5割6分8厘で前半戦を終えた。既に単独首位ターンは決定していたが、球宴前の最後の試合を勝っての首位ターンは、08年7月29日ヤクルト戦以来、15年ぶり。この年は岡田監督が最大13ゲーム差を覆され、原巨人に優勝をさらわれたが、今年はどうか。佐藤輝が新人年の21年から3年連続の2桁本塁打を達成した。球団では現監督の岡田彰布の12年、田淵幸一の10年に続き3人目。今季の佐藤輝は143試合換算で17本塁打ペースで、入団からの3年間の合計は61本塁打ペースだ。これは田淵の61本(22、21、18)と並び、岡田の52本(18、20、14)を超える勢い。

◆中日先発の涌井秀章投手(37)が今季最短2回1/3で6安打4失点KOされ、両リーグワーストの10敗目を喫した。涌井がロッテ時代の17年以来となるシーズン10敗目。前半戦までに10敗は自身初で、中日の投手では97年前田以来26年ぶりだ。涌井の10敗は西武時代に3度、ロッテ時代に2度あり、3球団以上で2桁黒星は、パウエル(近鉄、オリックス、巨人)以来16人目。日本人投手ではロッテ、日本ハム、大洋、阪神の4球団で記録した野村収以来。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が約1カ月ぶりの10号3ランで前半戦ラストゲームの勝利を導いた。試合後、岡田彰布監督(65)は「あのホームランはそら大きかったよ。いつから打ってないの? 記憶にないな」と主砲の久々の1発についてコメント。ただ、その後はチャンスで3打席凡退したことについて「その後が。ちょっとは変わるかなと思ったけどな」と残念がった。1本出たものの、指揮官は楽観視していない。「今、そんな期待できひんよ、今のバッティングの調子で。絶対良くなるていう保証を俺はよう言わんよ、はっきり言うて」。状態アップは本人次第か、と問われ「そういうことやろ、おーん。新聞も書いとったやん、本人次第て。そんなもん」と続けた。

◆阪神が前半戦最終戦で快勝し、連敗を3でストップさせた。悩める若き主砲佐藤輝明外野手(24)が、初回に13試合47打席ぶりの1発となる決勝の10号3ラン。先発西純矢投手(21)は投打二刀流の活躍で、2カ月ぶりの勝ち星となる3勝目を挙げた。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。試合前に前半戦総括-前半戦を単独首位ターンした「いい時と悪い時の差が激しい前半戦で、現状は、チーム状態はよくないんだけど。総合的に見ると、いい前半戦だったかなあと」-5月は9連勝を含む19勝で阪神球団の月間最多タイ記録「あの時も言ったんだけど、これはもう全然でき過ぎでね。あんなうまくいくことは、1年間でもそんなない5月だった。その反動やないけど、これは絶対ね、流れの悪くなる、そういうのが来ると思ってたんで」-近本、湯浅の離脱で苦しい状況もあった「なかなか、ベストなメンバーで(いけなかった)。ほんまに全部の選手がそろったことはなかったし。もうちょっとベストメンバーというか、そういう形で後半はどっしり戦っていきたいと思いますけどね」-前半戦の投打のMVPは「打つ方はね。5月ぐらいまでは、本当に1、2番が機能してね、それが一番の得点力かなと思ってたんですけどね。まあ(近本の)ケガとかでね、なかなか打つ方はあんまりそれ以降はね、あまりにも調子が悪かったんで、いないですけど。ピッチャーは、新しい力というか、大竹と村上でしょうね、やっぱりね」-後半戦のキーマンは「打つ方は、普通は夏場にピッチャーが1回落ちてくるというかね、夏場は打線が奮起してもらわないないと困るんですけど。奮起という意味では、これはもう全員なんで、キーマンというかね。また(後半戦の)開幕は青柳でいくつもりなんで。青柳に、また後半はずっとローテーションで、先頭に立って引っ張っていってもらいたいと思いますね」-アレ(優勝)に向けた後半戦の意気込み「まあ、まだそんな意識するようなね(時期じゃない)。後半っていっても、夏のロードとかもありますけど、そこを乗り切って、勝負はもう(8月末に)甲子園に帰ってからと思ってるんで。打の方はやっぱり個々の調子を上げていくのが大事ですけど、そういう意味では投打とももう1回、1からじゃないけど、いい時の感じを思い出すような感じで。しのぐ、しのぐと言ったら本当にそんなしんどい試合ばっかりになるんでね、まあ自分らの今の力が普通に出せるようにね、こっちもバックアップしていって。まあ、いい時もあったわけですから。そういう感じでゲームできるように、みんなでやっていきたいと思いますね」試合後(テレビインタビュー)-2桁安打の勝利で前半をしめくくった「初回のね、久しぶりの3点が大きかったですね、やっぱり」-2回は木浪がバントで送り西純がタイムリー「バッティングいいんでね。西純もあるんですけど、次の森下までね、考えてのバントだったんですけど」-9回は心配されていた岩崎が3人で抑えた「普通に投げたらああいうピッチングすると思いますけど」-貯金11で後半戦へ「まあ、トータル的に考えるとね。数字的にはまあよかった前半戦と思いますけどね」(記者囲み)-佐藤輝はまだまだと「そらそうやろ(笑い)。いつから打ってないの? 記憶にないな」-1カ月前です「1カ月? 」-株主総会の日ですね「だから覚えてんやな」-課題の真っすぐを打ったのは大きい「いやいやまあ、大きいてその後がの。それ。ちょっとは変わるかなと思ったけどな」-普通は勢いに乗るが「まあ、普通はな」-この2試合は捕手坂本と決めていたと「初戦の後半があまりにも(中日打線が)合いすぎとったからよ。だからそれは梅野にも言うたよ。昨日今日は最初から梅野に『お前もう使えへんから』って言うといたからな」-試合前に前半戦を振り返り、いい時と悪い時の差が激しいと話していた。どちらかといえば、悪い時期の方が長いのでは「いや、そんなことないやろ。悪い時期の方が長かったら、貯金そんな作られへんやん」-悪い時期もあった中で、この位置に「まあ悪い言うても長いシーズンな、いい時も悪い時もあるから。そんなん平均してなあ、1カ月に5つずつ貯金を作れたとか、そんなんはないわけやから」

◆輝のお目覚め弾で前半快勝締めだ!阪神佐藤輝明内野手(24)がチームの連敗を3で止める先制決勝の10号3ランを放ち、2年ぶりの2桁貯金&首位ターンを導いた。 2軍落ちを経て再昇格後も不振が続いていたが、初回に中日涌井から放った47打席ぶりの1発が値千金弾。球団で新人から3年連続2桁弾は田淵幸一、岡田彰布に次ぐ3人目の快挙だ。猛虎のレジェンドに肩を並べた背番号8に後半逆襲の期待が高まる。佐藤輝は不振で6月25日に2軍落ちした。同27日は金沢で、翌28日は富山で独立リーグのチームと練習試合に出場。本来、行くはずのなかった遠征だったかもしれない。ただ、そこで元気をもらったことがある。普段、プロ野球選手を間近で見る機会が少ない子どもたちが"門限"ギリギリの午後9時までボールボーイをしてくれた。ファウルボールを追いかけた少年に「めっちゃいい走りしてる!」とベンチ内で盛り上がり、手をたたいて応援した。「子ども、好きですね」と言う24歳は、2人の弟がいる佐藤家の長男。打撃用手袋をプレゼントすると、大喜びしてくれた。プロ野球選手の仕事は、子どもたちに夢を与えること-。苦悩の日々の裏に、そんな原点を再確認した2日間があった。「打ってない時も球場に足を運んでいただいて、タオルを掲げていただいて、その応援のおかげで打てたと思います」。復活弾の夜、お立ち台で感謝を込めた。【阪神担当 中野椋】

◆阪神岡田彰布監督(65)が快勝で前半戦を締めた。連敗を3で止め、貯金11で堂々の首位ターンだ。「(6月以降は)あまり調子よくなかったんで(18あった貯金が)減った感じはするけど、2桁あるのは選手の頑張り」とナインをたたえた。打っては不振が続いていた佐藤輝が1回に約1カ月ぶりの先制3ラン。投げては期待の西純が7回1失点で2カ月ぶりの3勝目。投打がっちりの理想形で「最後にこういうゲームができたんで継続できるように。また新たな気持ちで頑張りたい」と笑みがはじけた。総括では「いい時と悪い時の差が激しい前半戦だった」と振り返った。5月は球団記録の月間19勝で2位に最大6・5ゲーム差をつけたが、6、7月は守護神湯浅が不調、1番近本が故障離脱するなど苦しい戦いが続いた。チーム打率2割3分6厘はヤクルトと並びリーグ最低。だが、両リーグ1位の防御率2・79を誇る投手陣でしのいできた。その投手陣も先発陣は伊藤将、青柳、西勇らが出遅れるなど盤石ではなかった。救ったのは大竹と村上の新戦力だった。前半戦MVPを聞かれると、迷わず2人を挙げた。「大竹はここまで勝つとは思ってなかった」。現役ドラフトで加入し、先発で7勝の左腕を絶賛。「村上は第2先発的な感じで開幕スタートして、チャンスをモノにした。すごい戦力になってくれている。一番助かった」。入団2年間未勝利だったが今季初先発した4月の巨人戦で見せた7回完全投球から6勝を挙げて大車輪の右腕をたたえた。昨季は開幕9連敗から、何とか勝率5割ターン。今季15年ぶりに指揮官に復帰した岡田監督はチームを再建し、2桁貯金で堂々の首位ターン。「(近本、湯浅ら)戦力が戻ってきてくれると思う」と明かす後半戦。22日の敵地ヤクルト戦の先発先陣も明言した。「開幕は青柳でいくつもり。後半は先発で引っ張ってもらいたい」。前半3勝止まりの右腕にかける期待は大きい。2位広島とは1差で、3位DeNAも3差。18年ぶりの「アレ」へ「勝負は(8月末に)甲子園に帰ってから」。手応えは、十分ある。【石橋隆雄】

◆阪神西純矢投手(21)が、投打二刀流の大活躍で2カ月ぶりの3勝目をもぎ取った。投げては9安打を浴びるなど4度ピンチを背負ったが、最速153キロの直球を軸に7回1失点。打っては3点リードの2回1死二塁から中前に中押しの今季初タイムリー。大車輪で連敗ストップに貢献した。「中継ぎも経験したりして、ようやくここに戻って来れたかなと。(歓声は)最高に気持ちいいです」師匠の復活星に背中を押された。今オフに初めて合同自主トレを実施したツインズ前田健太が右肘のトミー・ジョン手術から復活し、6月23日(日本時間24日)のタイガース戦で678日ぶりの勝利投手になった。「全部見てました。手術して大変だった話も聞かせてもらっていたので、うれしかったです」。5回途中に志願の続投でつかんだ1勝で「マエケンさんらしい熱い投球をされていた」。熟練の投球術に感じる部分も多かった。序盤は変化球中心に空振りを奪い、中盤以降は真っすぐで押し込む組み立てだった。「球速以上に打者が速く感じているから、見逃しが取れる。スピードだけじゃないところを再確認できました。僕もストライク先行で入っていきたい」。先発再転向後の6月30日巨人戦、今月9日のヤクルト戦、そしてこの日もゾーンにボールを集めてゲームメーク。3戦21回2失点と状態を上げ、憧れの先輩と同じ熱い投球で勝利をたぐり寄せた。「前半でチームにすごい迷惑かけてしまった。ここから巻き返していけるように頑張ります」。2軍再調整、中継ぎ転向を経て、背番号15が強さを増して帰ってきた。【古財稜明】

◆阪神・岡田彰布監督(65)が試合前に前半戦総括会見を行った。15年ぶりに阪神監督に復帰。7月16日現在、45勝35敗3分けで、前半戦は首位ターンは確定させている現状について語った。「いいときと悪いときのね、差が激しい前半戦だった。現状はね、チーム状態はよくないんだけど。きょうの(試合前の)段階では10個の貯金があるということは、総合的にみるといい前半戦だったかなあと」開幕4連勝と最高のスタート。先発では大卒3年目の村上、現役ドラフトで加入した大竹らが先発ローテで奮闘。投打の歯車がかみあって5月は月間勝利の球団記録に並ぶ19勝(5敗)した。岡田監督は「新しい力というかね、大竹と村上でしょうね、やっぱりね」と前半戦MVPに2人の名前を挙げた。一時は2位に最大6・5ゲーム差で独走状態を固めつつあったが、6月に入って暗転。打撃陣の不振。エース青柳やクローザーの湯浅も不調で2軍降格。7月に入ってからは攻守でチームを引っ張ってきた近本が試合中に死球を受けて、右肋骨骨折で離脱するなど、厳しい戦いが続いている。岡田監督は「ファームで、後半戦へ向けて調整してる近本しかりですけど、(選手が)戻ってきてくれると思うんで」と後半に向けて期待を寄せるとともに、球宴明けの後半戦開幕となる22日のヤクルト戦(神宮)の先発には「先頭に立って引っ張っていってもらいたい」とここまで3勝と、期待を裏切った青柳を指名したことを明かした。試合前の時点で2位広島、3位DeNAが、ともに1ゲーム差に迫ってきている。目標は05年以来となるアレ。岡田監督は「勝負はもう(夏のロードが終わって)甲子園に帰ってからと思っているんで。投打ともう一回、一からじゃないんだけど、いいときの感じを思い出すような感じでゲームができるように」とナインに奮起を求めた。

◆阪神・岡田彰布監督(65)が甲子園球場で前半戦の総括会見。月間19勝の5月を経て、45勝35敗3分で単独首位ターンを決めたが、6月以降は苦戦。打者は個々の調子を上げることを求め、後半戦スタートの22日のヤクルト戦(神宮)で青柳晃洋投手(29)の先発を明言した。主な一問一答は以下の通り。ーーここまでを振り返って「いい時と悪い時の差が激しい前半戦だったけど。現状はチーム状態はよくないんだけど、今日の段階では10個の貯金があるということは、総合的にみると、いい前半戦だったかなあと思ってますけど」ーー手応えを感じる部分は「手応えはあんまり感じてないです(笑)。今の状況ではね」ーー5月は9連勝を含む19勝で月間最多タイ記録だった「あの時も終わって言ったんだけど、出来過ぎでね。あんなうまくいくことは、1年間でも、そんなにない5月だったんですけど。その反動やないですけど、絶対、流れの悪くなる、そういうのが来ると思ってたんで。本当に辛抱して、なるべく貯金を減らさないように、そういう気持ちで行かないといけないと、あの時点で思ってましたね」ーー近本、湯浅の離脱で苦しい状況もあった「なかなかベストメンバーで...開幕からいくとローテーションで伊藤が出遅れたんで、全部の選手が揃ったことはなかったしね。青柳にしろ、今の西(勇)にしろですけど。ファームで後半戦へ向けて調整してると思いますけど。後半はそういう選手が戻ってきて、近本しかりですけど、ある程度の戦力が戻ってきてくれると思う。今調子の悪い選手もいますけど、当然個々で上げて行かないといけない。ベストメンバーというか、そういう形で後半はどっしり戦って行きたいと思います」ーー前半戦の投打のMVPは?「打つ方は5月ぐらいまでは、1、2番が機能して、一番の得点力かなと思ってたんですけどね。けがとかそんなんでね、それ以降は、あまりにも調子が悪かったんでいないですけど、ピッチャーは大竹と村上でしょうね」ーー予想以上の活躍か「大竹に関しては、ある程度開幕からローテーション入れるつもりでいてたんですけど、ここまで勝つとは思ってなかった。1年間ローテーション守ったことないんでね。これからは間隔あけたり、しないといけないと思う。村上に関しては第2先発的な感じで、開幕スタートしたんですけど、青柳とか西(勇)の調子とか、そういうのがあって、村上に関しては1つのチャンスをモノにしたのが最初の東京ドーム(7回完全投球を見せた4月21日の巨人戦)。打線の援護で勝ち星は取れてないですけど、勝ち星、負け数関係なしに、戦力になってくれているので、一番助かりましたね」ーー後半戦のキーマンは「普通は夏場にピッチャーが1回落ちてくる。夏場は打線が奮起してもらわないと困るんですけど。もう全員なんで、キーマンというか。(後半戦の)開幕は青柳で行くつもりなんで、後半はずっとローテーションで、先頭に立って引っ張って行ってもらいたいと思いますね」ーー課題は「簡単なことで、まずヒットを打つ。ランナーがセカンドに行けば、その次の選手がヒットを打って返す。そういう積み重ねで本当にシンプルな、もう一度形をつくれるような、活発なゲームにしたいですね」ーーアレに向けた意気込みを「まだそんな意識するようなね(時期じゃない)。夏のロードとかもありますけど、乗り切って、勝負はもう甲子園に帰ってからと思ってるんで。打の方は個々の調子を上げて行くのが大事ですけど。投打でもう一回、イチからじゃないんだけど、いい時を思い出すような感じで。しのぐと言ったら本当にしんどい試合ばっかになるんでね。今の力が普通に出せるように、バックアップしていって。いい時もあったわけですからね。みんなでやっていきたいと思いますね」

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は西純矢投手(21)が5月14日のDeNA戦(甲子園)以来、2カ月ぶりの白星を目指して先発する。打線は7月の打率・097と不振に苦しむ佐藤輝明内野手(24)が「5番・三塁」で出場。また、島田海吏外野手(27)が「6番・中堅」で、7月6日の広島戦(マツダ)以来、出場6試合ぶりに先発する。

◆阪神・佐藤輝内野手(24)が先制の10号3ランを放った。一回、先頭のドラフト1位・森下(中大)が左前打で出塁。その後、四球などで2死一、二塁で打席に立つと、先発・涌井の3球目、低めの147キロに反応し、右中間席へと運んだ。6月16日のソフトバンク戦(甲子園)以来、47打席ぶりの一発に甲子園は六甲おろしの大合唱が響き渡った。これで今季10号に到達し、3年連続2桁本塁打を達成。新人から3年連続2桁を記録したのは1980ー91年の岡田彰布以来、41年ぶりとなった。

◆阪神・西純矢投手(21)が二回にタイムリーを放ち、自らを援護した。二回、坂本の左前打から1死二塁のチャンスで打席へ。中日先発・涌井の2球目、甘く入ったスライダーを中前にはじき返し、追加点を挙げた。これで西純は前回登板の9日のヤクルト戦(甲子園)から2試合連続で安打を記録。一塁ベース上ではバンザイして喜びを爆発させた。投球では一回に2死満塁のピンチを招いたが、ビシエドを三ゴロに仕留め、粘りを見せた。

◆阪神・西純矢投手(21)が先発し、7回9安打1失点と粘投した。序盤は打ち取った当たりが芝生で弾む不運な形で安打とされるシーンが続いた。一回は1番・大島、2番・岡林をともに詰まらせながらアウトにできず、連打。そこに四球を与えて2死満塁を招いた。しかし、ビシエドはフォークで三ゴロに打ち取り、しっかりと無失点で発進した。直後に佐藤輝の右中間3ランで大きな援護点をもらうと、二回1死二塁で巡った第1打席では自らを助ける中前適時打も放った。三回は岡林&石川昂の同学年に安打を浴びて1死一、三塁を背負い、宇佐見に打たせた飛球は左翼線ギリギリに落ちて1点を返されたが、ここで気持ちを入れ直し、後続を断って最少失点で脱出した。中盤に3つのゼロを並べると、迎えた最大のピンチは4―1の七回。2安打で1死一、二塁とされ、この日3安打を許していた岡林との対戦を迎えたが、フォークを打たせて二ゴロに斬った。なおも2死一、三塁で一発を許せばたちまち同点という場面で、16日の前戦でソロ本塁打を放っている細川が打席に入り、気の抜けない勝負が続いたが、ここは渾身の152㌔直球を投げて1球で遊ゴロに仕留めた。力のある直球と、カウント球としても利用したフォークを軸とした投球がさえ渡り、7回1失点以下は3試合連続。迫りくるピンチを何度も断ち切り、ガッツポーズを連発した。

◆阪神が連敗を3で止めた。一回に佐藤輝の3ランで先制すると、二回は西純の適時打で1点を加えた。西純は7回9安打1失点で3勝目。中日は涌井が三回途中まで4失点で10敗目。打線も再三の好機を生かせなかった。

◆阪神は不振に苦しんでいた佐藤輝の一発でシーズン前半の最終戦を白星で締めくくった。一回に試合は動いた。D1位・森下(中大)の左前打から2死一、二塁の好機を作り、佐藤輝が先発・涌井の低めの直球をとらえ、右中間に運ぶ10号3ランで先制に成功した。これで1年目から3年連続2桁本塁打をマーク。球団では1980-91年の岡田彰布監督以来、41年ぶりの記録となった。先発の西純は粘りの投球で7回9安打1失点の好投で今季3勝目。5月14日のDeNA戦(甲子園)以来の白星を挙げた。チームは単独首位で前半戦を終えた。月曜日開催の試合では2020年9月21日のDeNA戦(甲子園)に勝利して以来、2分けを含めて8戦負けなしとなった。

◆阪神が前半戦最終試合で連敗を「3」で止めた。一回2死一、二塁からの佐藤輝明内野手(24)の47打席ぶりの本塁打で先制。入団から3年連続2桁弾は田淵幸一(1969ー78年=10年)、岡田彰布(80ー91年=12年)に次いで、球団3人目。7回1失点で5月14日のDeNA戦(甲子園)以来の白星を飾った西純矢投手(21)は二回に4点目となる適時打を中前に運んだ。三回以降は無得点で11安打11残塁だった。チームは19日(バンテリン)、20日(マツダ)の球宴を経て、2位広島と1差、3位DeNAと3差の状況で、22日のヤクルト戦(神宮)から59試合を残す後半戦に向かう。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=46勝35敗3分、観衆=4万2619人)。ーー佐藤輝は良い流れを作った「あのホームランは、そら大きかったよ」ーーまだまだと言う中で10本目「そらそうやろ(笑い)。いつから打ってないの? 記憶にないな」ーー1カ月前です(6月16日のソフトバンク戦以来)「1カ月?」ーー株主総会の日です「だから覚えてんやな」ーー課題の真っすぐを打ったのが大きい「大きいて、その後がの(三回1死一、三塁、五回2死二塁、七回無死一、二塁で凡退)。ちょっとは変わるかなと思ったけどな」ーー普通は勢いに乗る「まあ、普通はな」ーー後半は引っ張ってほしい「そら打てるかどうか。今そんな期待できひんよ。今のバッティングの調子で、絶対良くなるていう保証を俺はよう言わんよ、はっきり言うて」ーー打撃コーチの指導も受けていると思うが、消化できない「知らん、それは。そんなん本人に聞いてくれよ。消化とかは、俺食えへんからお前、分かれへんよ。本人が食うてることやから」ーー本人次第か「そういうことやろ。新聞も書いとったやん、本人次第て。そんなもん」ーー5番が打つと得点になる「一応クリーンアップいうなあ。まあ今日は涌井は打ってたからな、相性というかな、対戦はあったから、5番にしたけどな」ーー西純は9安打だったが内容は良かった「半分ぐらい変な当たりばっかやろ。前回も良かったし、アレやわ、後半はホント、このまま、今日は7回100球行かかんかったけど、この夏場やったら十分。7回投げきって、最後もあそこで力振り絞って、ひとりで七回を抑えたのは大きい」ーーこの2試合は捕手坂本と決めていたと「初戦があんまりにも合い過ぎとったからよ。初戦の後半な。だからそれは梅野にも言うたよ。昨日今日は最初から梅野、お前もう使えへんからって言うといたからな」ーー試合前に前半戦を振り返ったが悪い時期の方が長いのでは「そんなことないやろ。悪い時期の方が長かったら、貯金そんな作られへんやん」ーー悪い時期もあった中で、この位置に「長いシーズン、いい時も悪い時もあるから。そんなん平均して、1カ月に5つずつ貯金を作れたとか、そんなんはないわけやから。3人良かったら3人悪いとかで、それで補うとかな。そんなうまいことは行けへん。これはしょうがない」

◆阪神が前半戦最終試合で連敗を3で止めた。7回1失点で5月14日以来の3勝目を飾った西純矢投手(21)と、一回に47打席ぶりの本塁打となる先制の10号3ランを放った佐藤輝明内野手(24)がお立ち台に上がった。2人の一問一答は以下の通り。(まずは西純)――2カ月ぶり3勝目、いまの気持ちは「久しぶりに、中継ぎも経験したりして、ようやくここに戻ってこられたかなと思っています」――この超満員の甲子園の歓声を聞いて「本当に、初回からすごい応援をいただいて、最高に気持ちいいです」――9安打も1失点、何がよかったか「立ち上がりからすごく不安定でしたけど、捕手の(坂本)誠志郎さんに声をかけてもらったり、他の野手の方に声をかけてもらったおかげかなと思います」――佐藤輝のホームランはどう見ていたか「試合前から『母の日を思い出してホームランを打ってください』言っていたので、本当に打ってくださって、すごくうれしいです」――母の日(2勝目を挙げた5月14日のDeNA戦)でも佐藤輝が2発。どんな存在か「本当にすごく頼もしい先輩というか、いつも助けてくださっているので頭が上がらないです」――自分でもタイムリーを打った。二刀流の活躍と言っていいか「おまけみたいなものなので、そこまでは言えないですけど、また打てるように頑張ります」――後半戦に向けて「前半戦ですごくチームに迷惑をかけてしまったので、ここからしっかりと巻き返していけるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」(続いて佐藤輝)――この大声援を聞いてどうか「もう、本当にありがたいですね」――ホームランを打った瞬間の手応えは「打った瞬間、いい手応えだったので。久しぶりだったのでどういう表情で走っていいか分からなかったですけど、とにかくうれしいです」――打って歓声はどう届いていたか「もう本当に、打っていないときもこうして球場に足を運んで、タオルを掲げていただいて、その応援のおかげで打てたと思います」――新人から3年連続2桁本塁打は球団3人目「うれしいですけど、もっともっと積み重ねていけるように頑張ります」――打って勝てたのはチームにとっても大きな1勝になったか「前半をいい形で締めくくれたので、後半も頑張っていきたいです」――最後にファンへ後半戦の意気込みを「いつも応援ありがとうございます。後半戦も頑張っていきます。応援よろしくお願いします」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は前半戦最終戦でみせたバッテリーの安定感と、それとは対照的に中盤以降のつながりに欠ける打線を指摘した。西純の先発時には今季一度もバッテリーを組んでいなかった捕手・坂本誠志郎(29)のリードが光った。特に感心したのは五回。西純に勝ち投手の権利が懸かったイニングで先頭の岡林にヒットを許した。ここで一発のあるクリーンアップ。どう攻めるのか注目したが、細川にはフォークの3連投。3球勝負で空振り三振に仕留めた。石川昂には、今度は3球連続の真っすぐ勝負。最後は遊ゴロ併殺打に打ち取った。打者のその日の傾向を見極めての大胆な選択。捕手ならでは発想で、嫌な流れを断ったシーンだった。余分な球を投げさせないリードにより、西純の球数が抑えられ、結果、七回まで投げることができた。西純は一回にいきなり真っすぐを連打されて、大ピンチだったが、ここでも坂本のリードだろうが、フォーク主体に切り替えて、それがうまくはまった。シュート回転して打たれるケースが目立ったフォークが、この日はしっかり縦に落ちていたこともあり、要所を押さえる投球ができていた。

◆阪神D1位の森下(中大)が1番打者として打線を勢いづけた。一回に涌井の直球を捉える左前打で出塁し、その後の佐藤輝の3ランにつなげた。この日は15~20グラム重い880グラムのバットに変更し、快音を響かせた。「(戦線離脱中の)近本さんが帰ってきて、どこの打順になっても頑張りたい」と力を込めた。プロ1年目の前半戦は36試合出場で打率・183、2本塁打、12打点。「自分的にはまだまだ」。後半戦は定位置をがっちりつかむ。

◆前半戦のラストゲームを白星で締め、連敗を3で止めた岡田監督は胸をなでおろした。「最後、良い形のゲームができたんで。継続できるようにしたい」佐藤輝が1カ月ぶりの本塁打となる先制3ランを放ち、投げては西純が2カ月ぶりの勝利投手。完勝だった。6月7日に最大で18あった貯金は、打撃陣の不振などで11に減った。それでも、前半戦を首位でターンしたことには納得の表情だ。「多い時期があったから減った感じはするけど、トータル的には良かったと思う。2桁あるのは前半の選手の頑張りじゃないですか」2位広島とは1ゲーム差。来季も続投の方針が固まった岡田監督は「オールスターに選手がみんな(9人)出るんでね。でも、また新たな気持ちで頑張りたい」と力を込めた。?...阪神は1位で前半戦終了。2021年以来2年ぶり10度目。Aクラスで前半戦を折り返すのは、球宴が開催されなかった20年を挟んで6季連続?...阪神は月曜日開催のゲームで2020年9月21日のDeNA戦(甲子園)に勝利して以来、2分けを含め8試合負けがない

◆阪神・中野が今季5度目の猛打賞と11盗塁目を決めた。得点には結びつかなかったものの、相手投手にダメージを与え続ける好結果で前半戦を終え、「いい締めくくりができた」と胸を張った。前半戦は全84試合出場で打率・286。「(一番良かったのは)フォアボールじゃないですか。よく増えた数」。昨年の18からすでに自己最多の37と成長を示した。

◆押し寄せるピンチにも敢然と立ち向かい、堂々とマウンドに仁王立ちした。竜打線をねじ伏せるたびに繰り出したガッツポーズ。その右腕で2カ月ぶりの勝利を手にした西純は、お立ち台で声を弾ませた。「初回からすごい応援をいただいて、最高に気持ちいいです!!」力のある真っすぐとフォークを基本とした配球で攻めた。詰まらせた当たりが芝生で弾む不運が重なった序盤を粘り、二回には中前適時打を放って自らを援護。4―0の三回に失点するも、1点でしのいで突き進んだ。最大のピンチは七回。2安打を許し、1死一、二塁でこの日3安打を浴びていた岡林、一発同点の危険性がある細川を迎えた。「球数的にもそろそろ(降板)かなというところ。もう一回ギアを入れ直すことを意識した」。力を振り絞り、岡林はフォークで二ゴロ、細川は渾身(こんしん)の152キロ直球で遊ゴロに仕留め、ほえながら力強く右拳を握った。9安打を浴びながら、7回1失点で3勝目。先発に復帰した6月30日の巨人戦(東京ドーム)から3戦連続で7回1失点以下と頼もしい。岡田監督も「7回100球いかんかったけど、まあ、この夏場やったら十分。7回投げ切って、最後もあそこで力振り絞って、ひとりで7回を抑えたいうのは大きいと思うよ」とたたえた。「前半戦ですごくチームに迷惑をかけてしまったので、ここからしっかりと巻き返していけるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!!」西純は虎党に誓った。プレーボールから歓声を浴びられるこのポジションを、もう手放しはしない。後半戦での逆襲につながる1勝だ。(須藤佳裕)

◆暗いトンネルから抜け出した先には、甲子園の大歓声と万雷の拍手が待っていた。佐藤輝は両手に確かに残る感触を握りしめながら、ダイヤモンドを一周した。前半戦の白星フィニッシュに導く3ランを放ち、ようやく曇りのない笑顔が戻った。「打った瞬間、いい手応えだった。久しぶりだったのでどういう表情で走っていいか分からなかったけど、とにかくうれしい」一回、D1位の森下(中大)の左前打から2死一、二塁とチャンスが広がり、打席に入った。先発・涌井の3球目、低めの直球を強振すると、打球は右中間席に一直線に吸い込まれた。「ずっと打てなかったので、いろいろ試して一つ結果が出たのでよかった」6月16日のソフトバンク戦(甲子園)以来、1カ月、47打席ぶりの一発に笑顔がはじけた。2本塁打7打点の大活躍だった、母の日の5月14日のDeNA戦(甲子園)のときも先発は西純。試合前にはシャワールームで後輩右腕から「母の日を思い出してホームランを打ってください」と冗談交じりにおねだりされて、奮い立った。チームを勢いづける先制弾で今季10号に到達。1年目から3年連続2桁本塁打を記録したのは、田淵幸一、岡田彰布以来、球団史上3人目の快挙だ。悩める若き大砲にようやく本塁打が飛び出したが、岡田監督は「10本目でしょ。まだまだですわ。(状態が)絶対良くなるていう保証をオレはよう言わんよ」と辛口だった。それは欠かせない戦力だからこそ。あえて厳しい言葉でハッパをかけた。試合前の時点で7月の打率は・097。3打数無安打に終わった16日には指揮官は「振れてないの。どうすんのよ」と突き放せば、今月10日には「(先発から外したら選手として)終わってしまうやんか」とも。ここで踏ん張れなければ、佐藤輝も、チームの未来も暗くなる。暗中模索しながら、ようやく一本を出した24歳は「まだまだなので」と現状に満足はしない。「打てない時期が続いたので、後半は打てるように頑張ります」佐藤輝が味わってきた苦しみも悔しさも、すべてバットで晴らし、挽回の後半戦にする。(織原祥平)?...佐藤輝が10号3ランを放ち、ルーキーイヤーから3年連続で2桁本塁打に到達。阪神で入団1年目から達成したのは、田淵幸一(1969―84年、79年からは西武所属)、岡田彰布(80―91年)に次ぐ3人目

◆阪神・岩崎がビシっと締めて前半戦最後の一戦で13セーブ目を挙げた。4-1の九回先頭で代打・石橋を直球で二ゴロ、大島は変化球で遊飛、最後は岡林をスライダーでバットに空を切らせた。コンディション不良で15日の中日戦(甲子園)は登板しなかったが、この日は安定感を披露。「良かったです」と声を弾ませ、岡田監督も「普通に投げたらああいうピッチングすると思いますけど」とうなずいた。

◆阪急阪神ホールディングス(HD)代表取締役会長兼グループCEOの角和夫氏(74)が17日までに本紙の取材に応じ、今季が2年契約の1年目となる阪神・岡田彰布監督(65)の来季続投の方針を明言した。阪神・杉山健博オーナー(64)も揺るぎない信頼を口にした。18年ぶりのリーグ制覇へ、グループ一丸で岡田虎を支える。阪神は4―1で中日に勝ち、前半戦を首位で折り返した。猛虎が2024年シーズンも岡田体制で臨む方針を固めた。阪急阪神HD、阪神電鉄本社、球団内で意見が一致していることが判明。兵庫県内で本紙の取材に応じた阪急阪神HDの角会長は「(監督人事は)杉山オーナーに全部任せている」と前置きしたうえで、岡田監督の続投について言及した。「去年から彼に任せるという段階でね、当然、複数年ですから。(優勝した実績もあり)単年とかで契約するわけがないんで」岡田監督は、昨季限りで退団した矢野燿大前監督に代わって15年ぶりに〝再登板〟した。前回時の2005年にリーグ制覇。それ以降は遠ざかっている優勝に向けて、卓越した野球理論や指導力、巧みな選手起用などを見込まれて白羽の矢が立った。チームは開幕4連勝と最高のスタートを切り、5月は月間勝利の球団記録に並ぶ19勝(5敗)。一時は2位に6・5ゲーム差をつける独走状態だった。だが、6月に入って失速。2年ぶりの前半戦首位ターンは決めたものの、広島、DeNAが猛追してきている。角会長は「今は故障者も出て、決してチーム状態は良くないが、前半を振り返って、非常にいい戦いぶりだったと思いますね。私はファンの方も満足していただいているように思いますけどね」と評した。

◆「どうも~、佐藤輝明(てるあき)のソックリ芸人の佐藤ニテルアキで~す! 前日まで1カ月、佐藤選手の代わりに試合出てたの気付きました? 気付いてない? よっしゃァ!! ソックリ冥利(みょうり)につきるわー!!」やっぱりかー!! 6月16日を最後にホームランを打たへんから、どーもおかしいと思っとったら...。で、本日ホンモノに戻って試合を決める10号3ラン!! もう二度とニテルアキにならないなら全て許しちゃ~う!!前半戦を終わってのわが阪神の評価? う~ん、先頭を走り続けた岡田カーだったけど、セントラルロードは追い越し禁止。まして、このご時世だからあおり運転なんてもってのほか!! てな感じで厳しい追い上げもしてこない、不思議な首位死守だったのだ。打線は助っ人外国人の不振もあり、苦しい試合の連続だったけど猛虎軍団、総出の夢の球宴で必ずアレへの大きなヒントをつかんでくると信じとるでェ!!

◆阪神・坂本は二回の先頭で左前打を放ち、西純の適時打で貴重な追加点のホームを踏んだ。「9番にいいバッターがいるので。聖也(木浪)もしっかり送ってくれて、(西)純矢さまさま」と声を弾ませた。2安打に加え、今季初バッテリーの西純も好リードで勝利に導いた。後半戦に向けて「みんなでまとまってもう一回スタートダッシュというか、いい準備をしたい」と、チーム一丸での再加速を誓った。

◆最後に1つ勝って前半戦を終えた。なんて気分がいいんだ。負けていれば「4連敗ターン」。それを思えば...。あぁ、気持ちがいい。あのソフトバンクが9連敗で前半戦をターンした。日本ハムからFA移籍した近藤を筆頭に「巨大」とか「反則」とまで称された大補強をしながら、まさかの展開だ。セ・リーグではDeNAが今永、東、バウアーで3連敗ターン。気分の悪いオールスター期間になるんだろうなぁ。ちょっと励ましてあげましょうか。1995年のタイガースも8連敗で前半戦をフィニッシュ(後半開幕戦も負けて結局9連敗に)。8試合中6試合が零封負け。接戦すらない。当然、最下位。悲惨を通り越していた。で、何が起きたかといえば、当時のオーナーが中村勝広監督を「スカタン」と呼んでしまい、責任を感じた指揮官は前半戦終了と同時に休養。開幕から陣頭指揮してきた監督がいなくなったわけで、チームとしては最悪、真っ暗闇だった。監督代行に昇格が決まった藤田平2軍監督があの日、どこで何をしていたか、といえば、鳴尾浜球場の炎天下に、新庄剛志(現日本ハム監督)と亀山努(現解説者)を衆人環視の中、正座させて、延々と叱っていた。まあ、夢も希望もなく、近い将来、強くなりそうな気配など皆無の前半戦ターンの日だった。それに比べれば、ソフトバンクも、DeNAも、戦力は十分過ぎるほどある。昔の阪神と現状を比較して、「どうってことない」気分になってもらえれば。おっと、他球団の心配をしている場合ではなかった。何でライバルを励ますんだ!と叱られそうだ。虎が1つ勝って、浮かれてしまいました。すみません。われらがタイガースの折り返しをどう分析すべきか。今年4月にレース部から運動部に舞い戻った、新鮮な目を持つ当番デスク・川端亮平に聞いてみた。「5月に快進撃があったでしょう。こんなにうまくいくもんかなぁ?と不思議に思っていたんです。だって、ボクは2008年のトラ番記者ですから。あの大逆転V逸を間近で見ていますから。手記とか、優勝紙面の準備をして、すべて吹っ飛んだ経験を持っています。7月のペースダウンは『こういうこともあるさ』程度です」さすが百戦錬磨だ。出社するなり、昨年のターンの日の紙面を引っ張り出していた。昨年は開幕9連敗、1つ勝って6連敗というプロ野球史に残る開幕逆噴射の年だったが...。「意外にも、折り返しの時点で5割で2位なんです。よく盛り返しましたよ。とはいえ貯金はゼロ。それに比べたら、今年は貯金が11個もあるんですよ。欲張ったらいけません。十分でしょう」その通りだ。28年前の、95年のタイガースの悲劇を知ったら、どんな成績でも文句など言ってはいけない。ついでに後半戦のキーマンを川端Dに尋ねてみた。「う~ん。悩みますが、やっぱり佐藤輝でしょうね。彼がこれだけ打てなくて、この位置。彼が打ったら一気にいくでしょう」その通りだ。サトテルのひと振りの威力を改めて知らされた前半の最終戦だった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
46353 0.568
(↑0.005)
-
(-)
59304
(+4)
254
(+1)
41
(+1)
42
(+2)
0.236
(↑0.001
2.790
(↑0.02)
2
(-)
広島
47380 0.553
(↑0.005)
1
(-)
58293
(+2)
281
(+1)
54
(-)
47
(+2)
0.245
(↓0.001)
3.050
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
43382 0.531
(↓0.007)
3
(↓1)
60308
(+1)
286
(+2)
57
(-)
19
(-)
0.252
(↓0.001)
3.150
(↑0.02)
4
(-)
巨人
40421 0.488
(↓0.006)
6.5
(↓1)
60299
(+10)
313
(+11)
95
(+2)
27
(-)
0.248
(↑0.001)
3.640
(↓0.09)
5
(-)
ヤクルト
35462 0.432
(↑0.007)
11
(-)
60298
(+11)
321
(+10)
71
(+3)
44
(-)
0.236
(↑0.002)
3.610
(↓0.08)
6
(-)
中日
34482 0.415
(↓0.005)
12.5
(↓1)
59244
(+1)
276
(+4)
39
(-)
25
(-)
0.242
(↑0.001
2.920
(↓0.01)