1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 6 | 14 | 1 | 0 |
阪神 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 7 | 2 | 0 |
勝利投手:清水 達也(3勝1敗0S) (セーブ:マルティネス(1勝1敗22S)) 敗戦投手:島本 浩也(2勝2敗0S) |
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◆中日は2点を追う9回表、1死二三塁から岡林が適時打を放ち、土壇場で試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長10回には、大島の適時打に相手失策が絡み、2点の勝ち越しに成功した。投げては、5番手・清水が今季3勝目。敗れた阪神は、終盤に守備の乱れから手痛い失点を喫した。
◆阪神は和製オーダーで中日戦に臨む。1番には6試合連続で森下翔太外野手(22)が入り、3番には前川右京外野手(20)が2試合ぶりにスタメン入り。5番には売り出し中の小野寺暖外野手(25)が名を連ねた。コンディション不良で13日DeNA戦(甲子園)を欠場したノイジーは、試合前練習に姿をみせ、フリー打撃、守備練習を通常通りこなしたが、この日もベンチを外れた。
◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が13日DeNA戦に続き2試合連続で欠場した。下半身のコンディション不良とみられる影響で、14日に行われた全体練習でも室内練習場で別メニュー調整をしていた。この日は試合前練習に姿をみせ、フリー打撃、守備練習を通常通りこなしたが、ベンチ外となった。助っ人は「状態はいいですね」と説明。練習後は岡田監督と会話する場面もあった。
◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が、勝ち越し適時打となる「超ラッキーヒット」を放った。2-2の同点の4回、2死一、二塁から中日高橋宏の外角低め変化球に食らいつき、打球はゴロで二塁右側へ。二塁手村松が正面に入り、二ゴロで3アウトチェンジ...と思われたが、二塁右手前に穴があったのか、イレギュラーバウンドでボールは村松の頭上を越え、センター前に転がった。その間に二塁走者の大山が生還し、1点勝ち越しを決めた。梅野は「(佐藤)テルがフォアボールを取ったり、みんながつないでくれた勝ち越しのチャンスの打席だったので、"事"が起こってくれたらと思い必死に打ちにいきました。形はどうあれ最高の結果になってくれました」とコメント。この一打が梅野にとっては、出場21試合ぶりのタイムリーヒットとなった。
◆阪神が「Z世代」コンビの活躍で先制点を奪取した。初回、先頭森下翔太外野手(22)が中日高橋宏の152キロ直球を捉え、自己最長5試合連続安打となる左翼線への二塁打で出塁。中野が初球で犠打を決め、1死三塁に。3番前川右京外野手(20)が追い込まれてから154キロ直球を強振し、右前前進守備の一、二塁間を突破するタイムリー。効果的な先制パンチを食らわした。前川は「森下さん、中野さんといい流れを作ってくれたので楽な気持ちで打席に入る事ができました。追い込まれて詰まらされてしまいましたが、しっかり振り切れたので抜けてくれました」とコメントした。
◆11試合連続無失点中だった阪神岩貞祐太投手(31)が、まさかの救援失敗で試合を振り出しに戻された。4-2と2点リードの9回セーブシチュエーションで登板。先頭の代打福田に四球を許すと、福永に中前打を許し無死一、二塁。大島の一ゴロでそれぞれ進塁を許し、1死二、三塁から岡林に右前への同点となる2点適時打を浴びた。まさか形で最終盤に追いつかれた。
◆阪神岡田監督(試合後の会見は行わず。ぶらさがる報道陣に)「(会見は)なしや言うてんねん」
◆/ここで打つのがさすがです\2000安打にもっとも近い男大島洋平がタイムリーヒット?プロ野球(2023/7/15)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球#dragons pic.twitter.com/pkrU62PE9E
◆/鮮やかで見事な逆転劇\最後はもちろんマルティネス攻撃で送球が当たった大島洋平も元気です?プロ野球(2023/7/15)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球#dragons pic.twitter.com/71iXRi9w80
◆阪神が終盤の失点で追いつかれ、延長線の末、中日に敗れた。中日の右腕高橋宏を初回から攻略。先頭の森下翔太外野手(22)が二塁打で出ると、中野拓夢内野手(27)が送った1死三塁から、前川右京外野手(20)が右適時打を放ちあっという間に先制した。3回に逆転されたが、4回に小野寺暖外野手(25)の内野ゴロの間に同点とし、梅野隆太郎捕手(32)の二ゴロがイレギュラーバウンドでセンターに抜ける適時打となり勝ち越し。8回にも佐藤輝明内野手(24)の内野ゴロの間に1点を追加し、2点リードで9回を迎えた。しかし、9回に悪夢が待っていた。本来なら9回のマウンドに上がる守護神の岩崎優投手(32)が、コンディション不良のため登板を回避。代わって岩貞祐太投手(31)が登板した。岩貞は直近11試合連続無失点と安定した投球を見せていたが、この日は苦しんだ。先頭を歩かせると安打と内野ゴロで1死二、三塁のピンチ。ここで岡林に右翼線へ同点打を浴び、セーブに失敗。肩を落とした。安藤投手コーチは「(岩貞は)ずっといいピッチングをしてくれていたから」と左腕をかばった。悪夢は続く。延長10回は4番手島本浩也投手(30)が1死三塁のピンチを迎え、馬場皐輔投手(28)にスイッチ。馬場は福田を一ゴロに仕留め、三塁走者の本塁突入もリクエストの末、アウトの判定。2死一塁となって切り抜けられるかと思われたが、福永の二ゴロを中野が失策。この日3安打と当たっていた1番大島に4本目となる右適時打を浴び勝ち越され、さらに右翼に入っていた熊谷宥敬内野手(27)の返球が打者走者に当たるエラーで6点目を許した。チームは6月末から14試合連続無失策と守備が安定していたが、勝負どころで痛いミスが連続してしまった。試合後の岡田彰布監督(65)は、逆転負けのショックの大きさを表すように「ない言うてんねん」とだけ話し、甲子園では初めて試合後の取材対応を拒否した。阪神はオールスター前の前半戦首位が決定した。阪神の首位ターンは21年以来10度目。セ・リーグの前半戦首位回数は巨人の34度が最多で、阪神の10度は中日と並び2番目に多い。巨人は34度のうち29度優勝しているのに対し、阪神は過去9度のうち優勝が62、03、05年の3度だけ。前々回の08年、前回の21年と、2度連続して大逆転で優勝を逃している。これまでのV確率は33%だが、今年はどうなるか。なお16、17日の前半戦残り2試合で、阪神●●かつDeNA○○の場合のみ、両軍が同率で首位ターンとなる。
◆"リフレッシュ期間"を経た阪神才木浩人投手(24)が、試合を作る力投も、チームが終盤9回に追いつかれて今季6勝目がスルリと消えた。1点リードの7回2死一、三塁。岡林に投じた148キロ直球はライナーで木浪のグラブに吸い込まれると、右拳をかたく握った。7イニング中4イニングで先頭打者の出塁を許しながらも7回8安打2失点。「抑えるところは抑えてというのができたので。7回まで行けたんで良かった」と、2日巨人戦(東京ドーム)以来、中12日の登板で復活を示した。勝てば18年以来、自己最多タイとなる今季6勝目。昨季7月30日ヤクルト戦から続いている甲子園6連勝も目の前だった。だが、2点リードの9回に3番手岩貞がまさかの同点打を許し、勝ち星は消え、球場からはため息が漏れた。疲労を考慮され、3日に今季2度目の出場選手登録抹消。前回抹消時は回復に重点を置いたが、今回はトレーニングをしながらコンディションを調整してきた。「体の中心部分が知らないうちに動かなくなってきている感じがあったので、もう1回刺激入れて動きにつなげるイメージ」。特に見直したのは、おなか周りや股関節などの体幹部分。行った練習の1つが階段を使った「ランジウオーク」だ。甲子園一塁側のアルプスを使い、1歩1歩体の軸を意識して上る。オフはほぼ毎日行うが、強度が高いためシーズン中は頻繁に行わない練習だという。お尻やハム、内転筋に刺激を加え、「体の軸を立てる」と意識づけした。この期間を経て、キャッチボールでも「(体の)中から動いてる感じがある」と手応えを実感。この試合でも「良かったんじゃないですかね。まっすぐは自分の中で感触的に良かった」と明かした。勝ち星は逃したが、4万2620の観客へ復活を示した101球の熱投。「また切り替えて。次いいまっすぐが投げられるように調整しながら、しっかり7イニング以上投げられるようにやっていけたら」。後半戦に向け、頼れる剛腕が帰ってきた。【波部俊之介】
◆阪神が終盤の失点で追いつかれ、延長線の末、中日に敗れた。阪神はオールスター前の前半戦首位が決定した。阪神の首位ターンは21年以来10度目。セ・リーグの前半戦首位回数は巨人の34度が最多で、阪神の10度は中日と並び2番目に多い。巨人は34度のうち29度優勝しているのに対し、阪神は過去9度のうち優勝が62、03、05年の3度だけ。前々回の08年、前回の21年と、2度連続して大逆転で優勝を逃している。これまでのV確率は33%だが、今年はどうなるか。なお16、17日の前半戦残り2試合で、阪神●●かつDeNA○○の場合のみ、両軍が同率で首位ターンとなる。
◆中日大島洋平外野手(37)が延長10回に決勝打を放った。2死一、二塁で阪神5番手馬場のフォークに反応。右翼線へ引っ張る適時打で1点を返し、送球が自らの背中に当たって転がる間に一走の福永まで生還した。「(打球が一、二塁など)間じゃ(走者が)かえってこれない。右翼線か左翼線と思っていた。あれ(送球直撃)のおかげでもう1点入って良かった」。昨年4月13日の阪神戦以来となる決勝打に、背中の痛みも快感に変わっていた。今季初となる4安打固め打ち。「いいきっかけになってくれればいいかな」。大学、社会人を経ては過去3人しかいない通算2000安打まで残り32安打と近づいた。今季から守備位置が中堅から左翼に変わった。「左翼が多く、走る量が減っているので、ランニングの量を増やした」。チーム野手最年長の37歳は頭をひねり、1カ月前から試合前のトレーニングを増やした。その成果もあって、7月の月間打率は3割4分1厘と上昇曲線を描いている。立浪監督は「フォークボールにうまく反応して、引っかけてくれた」と、ベテランの技が詰まった一打を称賛した。昨年は1勝しかできなかった甲子園で、19年以来のシーズン3勝目をゲット。指揮官は「何とか首位チームに必死になって連勝できるように。あと2つ勝てるようにやっていきたい」と力を込めた。【伊東大介】
◆阪神のドラフト1位森下翔太外野手(22)と前川右京外野手(20)のフレッシュな「Z世代」コンビが、電光石火の先制劇を演出した。初回、1番森下が中日高橋宏の152キロ直球を捉え、左翼線への二塁打で出塁。中野の犠打を挟み、1死三塁から「しっかり振り切れたので、抜けてくれました」と3番前川が154キロ直球を引っ張り、打球は前進守備の一、二塁間を突破。出場11試合、31打席ぶりの適時打となり、わずか8球で先制点を奪取した。この日は今季4度目の生え抜き和製オーダーが組まれた。下半身のコンディション不良でノイジーが2試合連続でベンチ外となり、1番から9番まで日本人選手がズラリ。指揮官は前日14日に「戦力として使えるっていうメドが立った」と話し、1番森下、3番前川、好調小野寺をプロ初の5番に抜てき。小野寺は2打数無安打だったが、1点を追う4回1死一、三塁から一時同点となる遊撃へのボテボテの内野ゴロを放ち、最低限の仕事を果たした。不動のリードオフマン近本が故障離脱している中、森下は6試合連続で「1番」で出場。初回のヒットで自己最長を更新する5試合連続安打とした。前川も8回1死から得点につながる四球を選ぶなど、仕事を全うした。試合は延長戦の末に力尽く悔しい結末が待っていたが、敗戦の中でフレッシュマンの奮闘が光った。若く勢いのあるバットマン2人の打棒で、16日はスカッと勝利を収めたい。【古財稜明】7番梅野が秘打で1点をもぎ取った。2-2で同点の4回、2死一、二塁。中日高橋宏の外角低め変化球に食らいつき、全力疾走。打球は二塁手村松の手前で跳ね上がり、頭上を越えて中前に転がった。梅野は「みんながつないでくれた勝ち越しチャンスだったので、『事』が起こってくれたらと思い必死に打ちにいきました」。全力プレーが21試合ぶりの適時打につながった。
◆アレ!? 岩崎じゃないの? 岡田虎が今季10度目の延長戦を落とした。4-2と2点をリードした9回に岩貞祐太投手(31)が同点打を浴びると、延長10回に馬場皐輔投手(28)が勝ち越し打を許した。この日はクローザー岩崎優投手(32)がコンディション不良で登板を回避。「守護神不在」で喫した激痛の1敗に岡田彰布監督(65)も会見を拒否した。2年ぶり前半戦首位ターン確定も、指揮官は怒り心頭だ。悪夢の逆転負けに岡田監督の怒りは収まらなかった。甲子園では今季初の会見拒否。ベンチ裏から引き揚げる背番号80を、報道陣が追いかけたが「(会見は)なしや言うてんねん!」と一言残し球場からクラブハウスへと続く階段を上がっていった。2点リードの9回、リリーフカーで登場したのは12セーブを挙げている岩崎ではなく岩貞だった。ベンチ入りメンバーに岩崎は入っていた。安藤コーチは「コンディション的に今日は投げられなかった。くわしいことは言えない」と説明。岩崎は試合前の練習を早めに切り上げていた。肩や肘などに故障が起きたのではなく、この日が投げられる状態ではなかったようだ。岩貞は先頭の代打福田に四球、続く福永に中前安打を浴び、1死二、三塁から岡林に右前へ同点の2点適時打を許した。試合前から代役守護神を伝えられていた岩貞は「そういうことだと思って準備していたんですけど、結果が出なくて申し訳ない」と試合後、肩を落とした。延長10回2死一塁から福永の二塁への正面のゴロがイレギュラーし、中野がポロリ。続く1番大島に右前適時打で勝ち越された。さらに右翼手熊谷の本塁への返球が打者走者大島に当たり、ボールが転々とする間に一塁走者の生還も許した。ベンチで苦笑いする岡田監督の目は笑っていなかった。13日のDeNA戦まで14試合連続で無失策を続けていたが、大事な場面で2つも失策が出た。中野は「自分のミスで負けたみたいなもんです」と、言葉を絞り出した。今季延長戦は4勝3敗3分けとなった。連敗だが2位DeNAが敗れ、2試合を残し前半戦の首位ターンが決まった。和製オーダーは今季4度目で4連敗となった。守護神岩崎が投げられ"たら"の悔しい敗戦となったが、前半残り2戦ともチケットは完売。切り替えて連敗を止め、気持ちよく折り返したい。【石橋隆雄】阪神はオールスター前の前半戦首位が決定した。阪神の首位ターンは21年以来10度目。セ・リーグの前半戦首位回数は巨人の34度が最多で、阪神の10度は中日と並び2番目に多い。巨人は34度のうち29度優勝しているのに対し、阪神は過去9度のうち優勝が62、03、05年の3度だけ。前々回の08年、前回の21年と、2度連続して大逆転で優勝を逃している。これまでのV確率は33%だが、今年はどうなるか。なお16、17日の前半戦残り2試合で、阪神●●かつDeNA○○の場合のみ、両軍が同率で首位ターンとなる。
◆負傷のため別メニュー調整が続いていた阪神の新助っ人、シェルドン・ノイジー外野手(28)が15日、甲子園で試合前練習に参加。フリー打撃や守備練習を行うなど全体練習に合流した。 「状態はいいよ」 。13日のDeNA戦(甲子園)の試合前練習で負傷。同日のゲームではベンチ外となり、14日の全体練習でも別メニューで調整していた。試合に臨めるかとの問いには「そうですね」と問題なしを強調。練習後は岡田監督と会話を重ね「状態はどうだという形で話して、特に明日のことやこれからのことは話していないですね」と説明した。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神はドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が「1番・左翼」、前川右京外野手(20)が「3番・右翼」、小野寺暖外野手(25)が「5番・中堅」と入団3年目以内の若虎が外野スタメンを占拠した。外国人のいない和製スタメンは6月25日のDeNA戦(横浜)以来、今季4度目。前半戦最後の3連戦の初戦で若虎トリオが躍動する。
◆阪神が先制。「3番・右翼」で先発した前川右京外野手(20)が右前適時打を放った。「打ったのはストレート。森下さん、中野さんといい流れを作ってくれたので楽な気持ちで打席に入る事ができました。追い込まれて詰まらされてしまいましたが、しっかり振り切れたので抜けてくれました」。一回先頭のドラフト1位・森下(中大)が三塁線を破る二塁打を放って口火を切ると、中野が犠打で1死三塁の好機。前川が打席に向かった。カウント1-2から4球目。高橋宏の154キロ直球を捉えると、打球は前進守備の内野を抜け、右前に弾んだ。前川は6月29日の中日戦(甲子園)以来、出場11試合ぶりの打点だった。岡田監督は1番に森下、3番に前川、そして5番に小野寺と入団3年目以内の若虎を外野で起用。期待を込めるフレッシュな選手がさっそく結果で応えた。
◆阪神の先発・才木浩人投手(24)が1-0で迎えた三回に逆転を許した。先頭の村松に中前打を浴びると、龍空に右前に運ばれて無死一、三塁のピンチ。投手の高橋宏にスクイズを決められ同点とされた。さらに1死二塁から大島に左前打を浴びて一、三塁と再びピンチを背負うと、岡林に中犠飛を許してあっさり逆転。何とか後続は断ったが、先行逃げ切りムードが一転、追いかける展開となった。
◆阪神が逆転に成功した。1-2で迎えた四回。中野と大山のヒットで1死一、三塁の好機を作ると、小野寺がしぶとく遊ゴロを放って、三走・中野が同点のホームへ。2死二塁から佐藤輝が四球でつなぎ、梅野が打席に向かった。「打ったのはカーブ。(佐藤)テルがフォアボールを取ったり、みんなが繋いでくれた勝ち越しのチャンスの打席だったので、事が起こってくれたらと思い必死に打ちにいきました。形はどうあれ最高の結果になってくれました」カウント2-2から5球目。高橋宏の134キロ変化球に食らいつくも、二塁・村松が打球の正面へ。二ゴロかと思われたが、グラブにおさまる前に打球はイレギュラーバウンドし、中前に弾んだ。結果は勝ち越しの中前適時打。運にも恵まれ、阪神が試合をひっくり返した。
◆先発した阪神・才木浩人投手(24)は7回8安打2失点の粘投。今季6勝目の権利を持って降板した。一回は大島を一ゴロ、岡林を遊ゴロ、そして細川を152キロ直球で見逃し三振と完璧な立ち上がり。1-0の三回にスクイズと犠飛で逆転されたが、踏ん張った。四回は無死二塁から後続を断って無失点。味方が逆転した直後の五回は、先頭の大島にヒットを許すも、岡林を右飛、細川を遊ゴロ併殺に仕留めた。1点リードのまま迎えた七回は2死一、三塁のピンチ。それでも岡林を遊直に仕留め、グッと右手を突き上げた。101球の力投で試合をまとめ、七回の打席で代打を送られ交代。リリーフ陣に後を託した。
◆中日が逆転勝ち。2―4の九回に岡林の2点打で追い付き、延長十回に大島の適時打などで2点を勝ち越した。九回を抑えた5番手の清水が3勝目。阪神は九回に登板の岩貞がリードを守れず、最後は5番手の馬場が打たれた。
◆阪神が逆転負け。延長十回2死から2失策がからみ、2点を失った。2点差の九回に登板した11試合連続無失点の岩貞祐太投手(31)がリードを守り切れず、痛い黒星を喫した。チームの延長戦成績は4勝3敗3分。八回1死満塁で佐藤輝明内野手(24)が二ゴロで、復帰後初打点をマークした。残り2試合で2位DeNAとは2差となり首位ターンは決まった。
◆中日・髙橋宏斗投手は6回3失点。試合はつくったものの「先制点を取られた後、すぐに逆転してもらったのに、粘り切ることができなかった」と肩を落とした。1点をリードした四回にピンチを迎え、小野寺の遊ゴロの間に同点。さらに2死一、二塁から、梅野に打たせたゴロが二塁手の手前でイレギュラーバウンドする不運もあって勝ち越しを許した。七回の攻撃で代打を送られて降板。150キロ台の直球は相変わらずの威力だったが、6安打3四球とやや不安定だった。(甲子園)
◆阪神は九回に2点差を追いつかれ、延長十回2死から2失策がからんで2点を失った。最下位の中日に痛恨の逆転負け。岡田彰布監督(65)は試合後の会見を拒否し、ぶら下がる報道陣を「(会見は)なしや言うてんねん」と制して、ロッカーへ引き揚げた。
◆阪神・岩貞が4-2の九回に登板。コンディション不良で登板を回避した岩崎に代わってクローザーを任されたが、四球などで一死二、三塁のピンチを背負い、岡林に右翼へ2点打を浴びた。「そういう(九回に登板する)つもりで準備はしていた。申し訳ないです」。12試合ぶりの失点で、プロ初セーブも逃した。それでも、安藤1軍投手コーチは「ずっといい投球をしてくれていたから」とかばった。
◆白球が強烈な音を立てながら一、二塁を勢いよく破る。阪神・前川のバットが先制点を生み出した。延長の末、敗れたチームで希望の光となったのは、無限の可能性を秘めた若虎たちの躍動だった。「森下さん、中野さんといい流れを作ってくれたので楽な気持ちで打席に入ることができた。追い込まれて詰まらされてしまいましたが、しっかり振り切れたので抜けてくれました」一回に電光石火の攻撃だった。先頭のD1位・森下(中大)が左翼線二塁打で出塁し、中野が1球で犠打を成功させて1死三塁。ここで打席に立つと、先発・高橋宏の4球目の内角直球を迷いなく引っ張り、右前に運んだ。「なんとかランナーをかえそうと思って打席に立った結果がいい結果につながった。価値のある一打だった」ともに外野を守る森下が好機を演出すれば、2試合ぶりに先発出場した前川も負けじと先制打。若きタテジマ戦士が共鳴した。今季、森下は開幕を1軍で迎えたが、前川はけがの影響もあって2軍スタート。小野寺も含め、ファームで結果を残し、昇格を勝ち取った〝新戦力〟がこれから本格化する優勝争いで、鍵を握る存在になる。岡田監督は今年1月に「オールスター以降くらいがチームとして一番、円熟の強い時期になる可能性はある」と予見していたように、平均年齢が若いチームはまだ成長過程にある。この日は、勝利目前で延長に持ち込まれて敗れたが、これから接戦を制していくには前川や森下をはじめとした若手の飛躍が不可欠だ。「毎回が勝負だと思うので、明日は明日でしっかり切り替えてもう一回、一からスタートしていきたい」戦いながらその才能をさらに開花させ、虎を勢いづけていく。
◆阪神・中野は延長十回2死一塁の守備で、イレギュラーバウンドした福永の打球をファンブル。直後に大島の決勝打が出たため、痛恨の失策となった。九回に細川の痛烈な当たりをダイビングキャッチで二ゴロに仕留めるなど、再三の好守もみせていただけに、ミスは責められない。それでも、「自分のミスで負けたみたいなものです」と敗戦の責任を一身に背負い、唇をかんで球場を後にした。延長十回に右翼からの返球が悪送球となり6点目を許した阪神・熊谷 「あれが点につながってしまったので、僕が悪い。しっかり投げておけばよかった」
◆阪神・佐藤輝が出場11試合ぶりの打点を挙げた。3-2の八回1死満塁の第4打席で二ゴロに倒れるも、三走が生還。5日の1軍再昇格後初打点だった。ただ、直後の九回に投手陣が2点のリードを守り切れず延長戦の末に敗戦。振り返れば、1点でも多く得点をあげたかった場面となっただけに「最低限はできたんですけど...」と言葉少なにクラブハウスへと引き揚げた。
◆悪夢の中の朗報だ! 阪神は中日に4-6で逆転負け。2点リードの九回に同点とされ、延長十回に2失策が絡んで勝ち越しを許した。だが、昼間に鳴尾浜で行われた残留練習では、右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱中の近本光司外野手(28)が負傷後初の実戦形式でシート打撃を敢行。安打性の当たりも放った。中日戦の試合前、岡田彰布監督(65)は球宴期間中の19日にも1軍合流するプランがあることを明かした。激痛が走ったあの日から、2週間足らず-。早くも近本は、勇ましく打席に立った。チームが勝てるはずだった中日戦をナイターで落とした、その約12時間前。猛烈な暑さの鳴尾浜で鋭いスイングを見せる、リードオフマンの姿があった。右肋骨の骨折からの復帰を目指し、シート打撃に参加。安打性の当たりを放つなど、1軍復帰へ回復ぶりをアピールした。「ボールもしっかり見えていたので、それに対して、今やっていること(タイミングとか立ち方とか)ができていたのでよかった」ティー打撃や外野ノックで体を動かした後、負傷後初めて屋外でフリー打撃を行い41スイング。間もなくシート打撃が始まり、湯浅と対戦した。1打席目はカウント2―2からの6球目の直球に反応し、左前打。その後の2打席は凡退し、D4位・茨木(帝京長岡高)に投手が代わった後の2打席はいずれも二ゴロだったが、充実の5打席で安打性1本だった。視察に訪れた平田ヘッドコーチも「実戦でこうやって打っているのを見て順調に来ている」とうなずいた。報告を受けた岡田監督は、中日戦の試合前に取材に応じ「まあまあ(バットを)振れていたっていうしな。オールスターのときのこっち(甲子園)の練習に来るみたいやけどな」とプランを明かした。
◆下半身のコンディション不良で別メニュー調整が続いていた阪神・ノイジーが試合前練習で全体メニューに合流。フリー打撃や左翼での守備練習を行った。「状態はいいですね」。13日のDeNA戦(甲子園)の試合前練習で負傷し、同日はベンチ外に。14日の全体練習も別メニューで行った。この日の練習後は岡田監督と会話し「状態はどうだという形で話した。特にこれからについては話していないよ」と説明したが、2試合連続でベンチ入りメンバーから外れた。
◆阪神・馬場は十回1死三塁のピンチで島本の後を受け、5番手で登板。福田を一ゴロに打ち取り2死一塁としたが、続く福永を打ち取った二塁へのゴロが中野のエラーで一、二塁とされると、大島に勝ち越し打を許した。痛恨の救援失敗に、「高さと自分の球を投げることだけを大事にしましたが...また次やり返せるように」と言葉を絞り出した。
◆阪神・梅野は攻守で奮闘した。延長十回1死三塁のピンチでは、福田の打球を処理した一塁・大山から送球を受け、三走・溝脇を体を張ってタッチアウトに仕留めた。中日ベンチはリクエストを要求も判定は変わらず。四回にはラッキーな形ではあるが一時勝ち越しとなる適時打を放った。出場21試合ぶりの打点を挙げ、「事が起こってくれたらと思い必死に打ちにいった」と執念をみせた。
◆中12日で先発した阪神・才木は7回2失点と力投した。「真っすぐがよかった。フォークが(コースに)決まらなかったので真っすぐでメリハリをつけた」。1-0の三回に高橋宏のスクイズと岡林の犠飛で2点を失うも、四回以降は追加点を与えず。救援陣が打たれて6月11日の日本ハム戦(エスコン)以来の勝利は幻となったが「切り替えて。しっかり長いイニングを投げられるようにやっていきたい」と話した。
◆阪神はわずかなリードを死守し、投手陣がバトンをつないできたが、勝利への算段はガラガラと音を立てて崩れ去った。ラッキーなタイムリーで勝ち越したものの、九、十回に打ち込まれ、最下位の中日相手に痛すぎる逆転負け。岡田彰布監督(65)は試合後の囲みを拒否。怒りのボルテージは振り切れていた。「なしや言うてんねん」試合後のクラブハウスまでの通路で発したコメントに、はらわたが煮えくり返っている様がにじんだ。一回の攻撃は、虎にとっては申し分ない滑り出しだった。先頭の森下の長打、続く中野が送り、売り出し中の前川の右前適時打で先制。さらに、同点に追いついた四回には、梅野の打球がイレギュラーして中前適時打になる〝幸運〟も重なった。1時間早い午後5時に始まっていたDeNAが、横浜で広島に敗れただけに、前半戦2試合を残して、単独での首位ターン確定は目前だったのだが...。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックスなどを渡り歩いて日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家・藪恵壹氏(54)は、2点リードの九回に同点とされ、延長十回に2失策が絡んで勝ち越しを許した阪神の戦いを「後味の悪い敗戦」と語り、いくつもの疑問点を挙げた。勝てる試合を落とした。継投に、守備に、ボタンの掛け違い、チグハグが目立つ、寂しい内容だった。守護神・岩崎が投げられなかった理由に関しては、推察するしかないが、投げられないのなら、なぜベンチ入りさせたのか。現代野球は「隠す」時代ではない。特に継投は隠す必要など全くない。投げられないのなら、ベンチ入りメンバーから外すべき。オリックスなどは、登板しない守護神は絶対にベンチ入りさせない。それにより、他の選手に「きょうは自分たちがやらないと」の覚悟が生まれる。
◆グゾー!! 分別のある大人の自分を放棄して荒くれたるわー!岩貞、何年プロ野球のピッチャーをやっとんねん!! クローザーの岩崎の代理で立った2点リードの九回のマウンド。守り切ればプロ初セーブだったのに、先頭の福田に一番駄目な四球を与えてから同点を許す投球...。先発の才木が二-五回は全て先頭打者を出しても、耐えに耐えた7回2失点。その白星を消滅させるかァ!?もう1人、5番手で登板した馬場も同じやー!! 延長十回、あっさり得点を与えるって...。猛虎ナインが外国人抜きの和製軍団で臨み、4得点のうち、2点が内野ゴロという泥臭い野球で立ち向かっていた必死さを見ていなかったんかい!!岩貞も馬場もドラフト1位やないか~。そのプライドを見せつけたらんかい。負けたけど1番・森下、3番・前川、5番・小野寺の若虎タイガースには夢がある!! 岡田さ~ん、せめてオールスター戦までの2試合は、若虎オーダーでチャレンジしたってーな!!
◆所用で実家のある京都市内に戻ったら、すっかり祇園祭モード。クライマックスの山鉾巡行(17日)に向けて、メインストリートの四条通は大混雑だった。乗車した市バスの運転手が「四条烏丸は祇園祭準備のため通過します。お気を付けください」と何度もアナウンスしていた。四条烏丸といえば、阪急電車や市営地下鉄の駅がある屈指のターミナル。交通の要衝へ停車するよりも、1000年以上続くお祭りのほうが優先される-。駅へ行きたければ、前後のバス停で降りて歩こう! 古都の恐ろしさだ。子供の頃から、祇園祭の前後は、オールスターの時期でもあった。プロ野球史にさん然と輝く江夏豊(当時阪神)の9者連続奪三振は1971年7月17日。有藤通世(ロッテ)、長池徳二(阪急)、江藤慎一(ロッテ)、土井正博(近鉄)...。居並ぶパ・リーグの中軸打者相手に9人すべて奪三振ショー。昼、山鉾巡行を見に行って、帰宅後に真夏の伝説をテレビで目撃した。野球のスゴさを教えてもらった夜だった。一生の思い出だ。当番デスク・長友孝輔は「やっぱり2019年の原口のオールスターが忘れられません」と言う。7月12日に東京ドームで代打ホームラン。翌13日に甲子園でスタメン出場し、第1打席にドカン。2試合にわたっての2打席連続ホームランだった。この年の1月に大腸がんを公表し、闘病しながらのプレー。夢の球宴はプラスワンでの選出だった。実はこの年、原口がシーズンで放ったホームランは1本だけ。それがオールスターで2本。野球の神様が、病魔と闘いながらプレーする背番号94に、最高のプレゼントをしてくれたのかと思える、夢の時間だった。感動の物語を記憶している虎党は多いでしょう。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
45 | 34 | 3 | 0.570 (↓0.007) | - (-) |
61 | 300 (+4) | 250 (+6) | 40 (-) | 40 (-) |
0.237 (-) | 2.810 (↓0.01) |
2 (-) |
DeNA |
43 | 36 | 2 | 0.544 (↓0.007) | 2 (-) |
62 | 305 (+1) | 281 (+2) | 57 (-) | 18 (-) |
0.252 (↓0.002) | 3.190 (↑0.01) |
3 (-) |
広島 |
45 | 38 | 0 | 0.542 (↑0.005) | 2 (↑1) |
60 | 288 (+2) | 278 (+1) | 53 (+1) | 42 (+1) |
0.246 (-) | 3.090 (↑0.02) |
4 (-) |
巨人 |
40 | 40 | 1 | 0.500 (↓0.006) | 5.5 (-) |
62 | 286 (+1) | 292 (+3) | 91 (+1) | 26 (+1) |
0.247 (↓0.001) | 3.460 (-) |
5 (-) |
ヤクルト |
33 | 46 | 2 | 0.418 (↑0.008) | 12 (↑1) |
62 | 277 (+3) | 308 (+1) | 67 (+1) | 43 (-) |
0.233 (↑0.001) | 3.540 (↑0.03) |
6 (-) |
中日 |
33 | 47 | 2 | 0.413 (↑0.008) | 12.5 (↑1) |
61 | 240 (+6) | 272 (+4) | 38 (-) | 25 (+1) |
0.241 (↑0.001) | 2.940 (↓0.01) |
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