1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | X | 7 | 10 | 0 | 0 |
勝利投手:青柳 晃洋(3勝3敗0S) 敗戦投手:笠原 祥太郎(0勝2敗0S) |
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◆阪神は3回裏、2死満塁から木浪が走者一掃の適時二塁打を放ち、3点を先制する。3-2となって迎えた5回には、木浪と森下の適時打で3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・青柳が7回2失点の好投で今季3勝目。敗れたDeNAは先発・笠原が試合をつくれなかった。
◆DeNA藤田一也内野手(41)、梶原昂希外野手(23)が11日、阪神戦(倉敷)に臨む1軍に合流した。プロ19年目の藤田は今季初昇格。イースタン・リーグでは、打率3割8厘をマークする。梶原は今季2度目の昇格となる。三浦大輔監督(49)は「梶原もそうですけど、藤田もね、ずっと調子がいいと聞いてたんですけど、タイミング的に合わず、この時期になりましたけども、ベテランの経験のある選手ですから、チームにいいものを持ってきてくれると思いますし、楽しみにしてます」と期待を込めた。
◆DeNA三浦大輔監督(49)が11日、阪神戦の試合前取材に応じ、10日に抹消した大田泰示外野手(33)、神里和毅外野手(29)について、ファームでの復調に期待した。ともに、今季は途中出場が多く、大田は34試合に出場し、打率1割2分7厘、1本塁打、3打点。神里は60試合に出場し、打率1割4分6厘、0本塁打、3打点だった。三浦大輔監督(49)は「シーズン長いですからね。なかなか出場機会というところも少なくなってきたところで、状態を上げるのもなかなか難しいので、この時期にファームでしっかり試合に出て、打席にも立って、また後半戦に向けてね。2人は絶対に必要な戦力ですから、後半に向けて、状態を上げて、準備してくれという話をした」と説明した。
◆阪神OBで、現在は岡山県内のスポーツ用品小売りの「ヒマラヤ」で働く桑原謙太朗氏(37)が虎ナインの激励に訪れた。21年に現役を引退した桑原氏は、岡山・倉敷マスカットスタジアムに隣接するサブグラウンドで練習を行っていた投手陣のもとに訪れ、コーチ陣、後輩らと旧交を深め、チームには差し入れを贈った。現役時代からよく食事に連れていってもらうなど交友のあった島本は、2年ぶりの再会に「『頑張ってるな』みたいな感じで、久々だったので、お顔を見られてよかったです」と喜んだ。倉敷での阪神主催試合は4年ぶりということもあり、チケットはすでに完売。阪神選手がバスで球場に到着した際には、多くのファンが入り待ちに駆けつけた。サブグラウンドから球場への導線にもファンが殺到し、投手陣はそれぞれ1つずつ子どもたちを中心にサインボールをプレゼント。グッズ売り場には地元創志学園出身の西純のユニホームが多く売り出されるなど、久々の開催に盛り上がりをみせている。
◆阪神青柳晃洋投手(29)が約2カ月ぶりに1軍で先発を務める。5月19日の広島戦で5回7失点を喫し、2軍降格。再調整して1軍での3勝目を狙う。
◆阪神木浪聖也内野手(29)が先制の3点二塁打を含む猛打賞と大暴れだ。3回1死で大山が中前打、佐藤輝が失策で出塁。さらに、ミエセスが四球を選択するなど2死満塁。カウント2-2からDeNA笠原のチェンジアップをとらえ、中越え二塁打で走者を一掃。均衡を破った。「ヤギさん(青柳)が久しぶりの登板でしたし、楽に投げて欲しいと思っていました。満塁だったので、どんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでしたし、タイムリーになって良かったです」とコメントした。さらに、1点リードの5回1死二、三塁。2番手上茶谷の初球の149キロ内角直球を引っ張って、右前2点適時打。2回1死の第1打席でも左前打を放っており、今季8度目の猛打賞と躍動している。
◆リベンジはならなかった。DeNA笠原祥太郎投手(28)が、またもや3回に3点を先制され、3回3失点でマウンドを降りた。3回、1死から大山に左前打を浴び、佐野の失策で一、二塁とされ、ミエセスは四球で満塁。2死満塁から木浪に走者一掃の適時二塁打を浴びた。1回は2死満塁、2回にも2死一、二塁のピンチを踏ん張ったが、3度目のピンチで失点した。移籍後初先発だった4月2日の阪神戦でも、1、2回と得点圏に走者を背負いながら、無失点と粘ったが、3回に大山の適時打、森下の適時打、梅野の犠飛で3点を失った。
◆阪神青柳晃洋投手(29)が味方が先制した直後に2点を献上した。3点リードの4回2死からDeNA佐野に左前打、牧にも左前打を打たれた2死一、二塁。昨季、4打数無安打に抑えていた宮崎に120キロスライダーを捉えられて、右中間を破る2点二塁打を打たれた。右腕は約2カ月ぶりの1軍登板。試合前まで2位DeNAとの1ゲーム差で迎えた首位攻防戦の初戦を任されている。
◆阪神佐藤輝明内野手(24)が1軍昇格後、2本目の安打を放った。1点リードの5回。先頭打席で2番手上茶谷の高め直球を左前打。そして、木浪の右前打で本塁に生還した。1軍復帰後の打率が試合前時点で6分7厘と苦戦。復調の兆しとなる一打になるのか、今後の打席に注目だ。
◆/今日のキーマン 5打点の活躍??\木浪聖也が前の打席に続いてタイムリー??タイガースがリードを広げる?プロ野球(2023/7/11)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/vbB77JDJUx
◆4点リードで前半戦を折り返した5回終了時、19年以来4年ぶりの開催となった倉敷マスカットスタジアムで、花火が打ち上がった。色鮮やかな約300発の花火に、集まった観客からは拍手がわき起こった。
◆DeNA三浦大輔監督(49)が、「代打藤田」で勝負をかけたが、結果には結びつかなかった。1点を追いかける5回1死二、三塁でこの日から昇格した藤田一也を起用。ベテランの勝負強さに期待したが、一ゴロに凡退した。後続の関根も三邪飛に倒れ、絶好のチャンスを逃し、その裏に上茶谷が木浪に2点適時打、森下に適時打を浴び、3点を失った。藤田は5回裏の守備についたが、8回の打席では阪神が左腕岩貞にスイッチし、代打ソトを送られた。
◆DeNAは、首位阪神との「首位攻防戦」第1ラウンドに敗れ、ゲーム差を2に広げられた。先発した笠原祥太郎投手(28)が、3回3失点でKO。4回に宮崎の2点適時二塁打で1点差に迫ったが、2番手上茶谷が5回に3点を追加された。1点を追いかける5回1死二、三塁では、「代打藤田」で勝負をかけたが、一ゴロに凡退し、次打者の関根も三邪飛に倒れた。今季2敗目を喫した笠原は「ボール先行、四球でリズムの悪い投球になってしまいました。3回のランナーを置いた場面で粘りきれず、悔しいです」とコメントした。▽DeNA宮崎(4回に一時1点差に迫る2点適時二塁打)「しっかり自分のスイングで捉えることができた。とにかく後ろにつなぐ気持ちで打席に向かいました」
◆7月初の連勝や! 阪神が首位攻防戦の初戦を制し、2ゲーム差に広げた。投打がかみ合った。約2カ月ぶりに1軍戦に先発した青柳晃洋投手(29)が7回6安打2失点の好投でゲームをつくった。3回まで"完全投球"。3点リードの4回にDeNA佐野、牧、宮崎の3連打で2点を献上したが、落ち着き払っていた。7回80球で先発の役割を全うした。打っては木浪聖也内野手(29)が先制点と貴重なタイムリーを含む3安打猛打賞、プロ最多の5打点で勝利に貢献した。チームは1カ月ぶりの2連勝。DeNAには今季の主催試合で7連勝。12日は本拠地甲子園に戻り、連勝を伸ばしていく。
◆阪神が2位DeNAとの首位攻防初戦を制し、ゲーム差を2に広げた。連勝は6月3日、4日のロッテ戦以来。1カ月半ぶりに先発した青柳晃洋投手(29)が7回2失点と好投し3勝目を挙げた。打っては8番木浪聖也内野手(29)が5打点の活躍を見せた。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。【テレビインタビュー】-復帰登板の青柳の印象は「いやいや、3回まではね、完璧で。まあ、コントロールが、よかったですね。ボールも低くいってね、ちょっと、あの打順(2巡目の1番から)のときにね、ちょっと2点とられたですけど、あとはしのいで、5回も、ちょっと、逆にコントロールがよすぎるから、ね。みんな低めを何かね、上から、戸柱なんか叩きつけてやるから。でね、『高めいけ』言うたんですよね。関根のときは、うまいこと高めでアウトがとれたんで、それはまあ、ひとつ収穫、これからのね、登板で、収穫かなあと思いますね」-球宴以降に向けても、青柳の復活は大きい「いやいや、もう、ちょっとね、あまりにもなんかこう、切羽詰まったじゃないけど、きょうの登板をね、気にしてるようだったから。だから『そんなん関係ない』って言うたんよね。試合前に。『今日どんなピッチングしようがお前、後半戦はね、ローテーションで投げなアカンわけやからって。楽にいけ』と。今日は。はい」-打つ方は木浪デー「そうですね。やっぱりツーアウトからね。やっぱりフォアボールがうまく絡んでいるというかね。1点ずつ取るというのもあるけど、フォアボールが絡むと2点、3点となるんで。今日は大きかったですね」-5回は梅野がおそらくヒットエンドラン「おそらくじゃなしにヒットエンドランですよ」-いい流れで点はが入った「いや、動かないとね。点がずっと入らないからね。その前も結構、ランエンドヒットみたいな形で走ってたけど、なかなかかみ合わなかったから。あそこはね、スチールじゃなしにね。だいたいみんな初球ね、ストライクゾーンに来取ったからね。あの(梅野の三塁手の頭上を超える)打球も良かったですね」-1番森下が活躍「あの、まあね、右(上茶谷)の時にね。あれ(右前適時打)はいいかどうか分からないけど2アウト(走者)セカンドで結果的にはすごく大きなね、試合決める1点なったし、まあ、ね、これから徐々にそういう形でね、まあ近本がいない間ね、1番でもいいかなという気にはなりますね、やっぱりね、はい」-4得点以上も2桁安打も9試合ぶり「(6月29日の)中日以来ですかね。それはね、計算してましたよ、7回くらいで。ちゃんと計算してましたね、おーん(笑い)」-打線は上向きと捉えていいか「まあ久しぶりに初戦をね、それも甲子園の(6月27日の)中日戦以来だと思うんだけど、いい形で取れたんでね、明日甲子園帰って、(バウアーは)前回負けてるピッチャーなんでね、また、みんなでつないで点取るというか、そういう形でね、明日もやっていきたいですね」-4年ぶりの倉敷で快勝。連勝も6月3、4日ロッテ戦以来「いやいや連勝は、それはあんまり意識してなかったですけど。前回はね、横浜で向こうの相手のホームでやられてるんで、ちょっと極端になるんだけどね、DeNA戦はね、ホームとビジターで。そういう意味でも明日ね、明日とれば大きいと思うし、このいい流れで明日もね、ほんとね、今日まではいかないけれど、ある程度点取っていきたいですね」【ペン囲み楽】-青柳はカウント負けせず投げていけば「今日はコントロールがよかったよな。それも低めでな、けっこういっとったしね。まあ、そんな逆球もなかった。宮崎の打席ぐらいかな。宮崎のスライダーくらいやんか、インコースが逆に来たのは」-球数80で降板は今後を見越して「まあ、そら後半戦ね、ある程度ピッチングしとったら、今日なんか完投をね、そういう球数だけど、久しぶりにね、最初から7回投げてくれたらいいわと思うてたから」-青柳は自分で結構、追い込んでいる感じがした「うん。だから、ずっと、何て言うのかな。それは新聞のコメントよ。ほんとのコメントかどうかオレは知らんけどな。青柳が言うたかどうか。何かなあ、ちょっと、こう、切羽詰まったみたいなな、ああいうのを言うとったから。試合前に呼んだんよ。マッサージ終わってから、もう試合寸前にな。『そんな気にすることない』っていうのを」-青柳も1カ月半2軍で調整してきた「いや、そら、もうな。やっぱり、そんだけ離れたら。やっぱり、そら心配だろうし、いくら昨年も一昨年も2桁勝ってるピッチャーでもな。こんだけ離れることはなかっただろうし。おーん。まあ、離れてる間も、最初はやっぱり、そんな内容的にもよくなかったからな。最後は良かったけどね。最後は。本当は雨で今日なったけど、日曜日にいくっていうのはそれの最終登板である程度、ピッチングできとったからね。ブルペン見たけど、ちょっと戻ってきている。今日は良かったらしいよ。試合前はブルペン。だからある程度はいけるかなと思ったけどね。いい形でね。1点とかじゃなしに3点が大きかったんじゃないかな。あそこの木浪の3点が大きかったと思うけどね」-佐藤は逆方向のヒットは出た「どう見るの? あれを。初球の真っすぐをどう見るの。真ん中ぐらいちゃうの? 甘かったやろう。こっちからは分からへんけど、あのコースにいくということは甘いボールやろうなと思ったけどな。相当、さされてるけどな」-DeNAにやり返せて良かった「まだ今日1試合やん、まだ明日、明後日あるんやから、それはまだ」
◆阪神が2位DeNAとの首位攻防初戦を制し、ゲーム差を2に広げた。連勝は6月3日、4日のロッテ戦以来。1カ月半ぶりに先発した青柳晃洋投手(29)が7回2失点と好投し3勝目を挙げた。青柳は胸の内をすべて吐き出すかのように、お立ち台で第一声を発した。「やっと帰ってこれました~」。倉敷での阪神主催試合では過去最多の3万268人がスタンドを埋めた中、4試合連続で失点中だった初回を3人斬り。内角を突き、今季初めてカーブを交えた投球で打たせて取った。7回6安打2失点の好投。5月12日DeNA戦以来60日ぶりの勝ち星となる3勝目を手にし、チームを6月4日以来の2連勝に導いた。「プレッシャーだったりいろいろあったので、一発目がしっかり投げられたのは大きい。プラスでチームが勝てたのが一番大きい」2軍で過ごした約1カ月半は、自分自身を見つめ直す貴重な時間となった。同じ変則の岡留、岩田を始め、ルーキーの門別、茨木らと技術論、配球、考え方を話し込む機会が多かった。試合を一緒に見ながら意見交換することもあった。これまでの経験を伝えていく中で「(1軍では)いざ試合になった時にそこまで考えられてなかった」。アウトの取り方、絶対に三振を取らないといけない場面など「後輩にはこうやって言ってるんだから、自分もこうやってやった方がいいなって、再確認できたことが結構ありましたね」。長い2軍生活で、原点に立ち返ることができた。もともと持ち味の1つだが、課題だった左打者への内角攻めを自己流で克服した。昨季まで「狙って投げられていた」というが、今季は「投げきれなかったのが多かった。何でだろうと思って練習しました」。要因について「投げなきゃと思って内を見過ぎた時に、体が開きやすかったりしていた」と分析。改善策として「見過ぎない。見るところをちょっと変えてみたりしました」。試行錯誤を重ね、勝利に直結させた。試合前のマッサージ終わりに岡田監督から「そんな切羽詰まった試合じゃない。今日どんなピッチングしようが、後半戦はローテーションで投げなアカンわけやから、楽にいけ」と声をかけられ、肩の荷が下りた。チーム、ファンの誰もが待ち望んだエースの復活星は、勝負の後半戦に向けて大きな価値のある1勝となった。【古財稜明】
◆阪神が2位DeNAとの首位攻防初戦を制し、ゲーム差を2に広げた。連勝は6月3日、4日のロッテ戦以来。1カ月半ぶりに先発した青柳晃洋投手(29)が7回2失点と好投し3勝目を挙げた。青柳の自宅には、"野球のない世界"が広がっている。「家族の中では僕がファームに行ったからって、何かが変わるわけでもないですね」。1軍戦で好投しようが、打ち込まれようが、2軍に落ちようが、家に帰れば「平和な日常」が待っている。19年に結婚した夫人について、「奥さんあんまり野球知らないので(笑い)。『忙しかった』って、試合見てない時もあるので。活躍してても、しなくても野球の話はしないですね」と明かす。だからこそ、「職場と家族とのオン、オフの切り替えがしっかりできる環境というのはいいかなと思います」。家に帰ればリセットできる。そんな家族の存在が、青柳のプロ野球生活を支えている。【阪神担当 古財稜明】
◆DeNAは首位阪神との「首位攻防」第1ラウンドに敗れ、ゲーム差が2に開いた。先発笠原は開幕カード3戦目でKOされた阪神相手にリベンジに燃えたが、4四球と制球難で3回3失点でKO。1点を追う5回1死二、三塁では代打藤田の勝負手も、一ゴロに凡退した。三浦大輔監督は「勝負をかけたが、ダメでした」と無念の表情。ビジターでの阪神戦は7戦全敗と苦しむ。
◆阪神森下翔太外野手(22)が2戦連続打点&マルチ安打で1番定着をアピールした。4年ぶり開催となった倉敷で2安打1打点と躍動。「前のヤクルト戦も、積極的にいっていい結果が出た。今回もストライクボールはどんどん振りにいこうと思って打席に入りました」。初回、先発青柳が3人で締めた直後の攻撃。カウント2ボールから左腕笠原の139キロ直球を強振した。打球は三塁線を鋭く抜く二塁打。岡山の虎党の歓声を浴びながら、悠々と二塁に到達した。近本が4日から死球による「右肋骨(ろっこつ)骨折」で離脱。左腕が先発の直近3試合で「1番中堅」を務め、9日ヤクルト戦ではプロ初本塁打も放った。3点リードの5回2死二塁では上茶谷から右前に運ぶ適時打も放った。右投手からも結果を残し、岡田監督も「まあね、右の時にね。近本がいない間ね、1番でもいいかなという気にはなりますね」と、今後も1番起用することを示唆した。試合前には中大の2学年先輩にあたる牧と談笑。プロ1号を放った9日には牧も延長12回の決勝弾を放っており、この日も3安打猛打賞。「改めていいバッターだと思ったので、盗めるところは盗んでいきたい」と吸収する。倉敷の虎党へ見せたドラフト1位ルーキーの実力。「普段甲子園まで足を運べない人もいる。タイガースとして、いい結果が出て良かった」。新たな「1番中堅」が、打線を引っ張る。【波部俊之介】
◆満塁男の勢いが止まらん! 阪神木浪聖也内野手(29)が自己最多の5打点&猛打賞で勝利に貢献した。3回1死で大山が左前打、佐藤輝が失策で出塁。さらに、ミエセスが四球を選ぶなど2死満塁。カウント2-2からDeNA笠原のチェンジアップをとらえ、中越え二塁打で走者を一掃。均衡を破った。「ヤギさん(青柳)が久しぶりの登板でしたし、楽に投げて欲しいと思っていました。打った瞬間抜けると思ったので、3点先制できて楽に投げさせることができました」恐怖の8番打者だ。満塁での打率がこれで9打数5安打で5割5分6厘と勝負強さが光る。先発青柳が約2カ月ぶりの登板。右腕からネクスト・バッタースボックスで「頼むぞ」と託されていた。打席でヒットを量産し、復活の勝利を強力に援護した。木浪の勢いは止まらない。1点差に詰め寄られた5回1死二、三塁。2番手上茶谷の初球149キロ内角直球を引っ張って、右前2点適時打で今季8度目の猛打賞。さらに、プロ5年目で、自己最多の5打点を記録した。「初球からいこうと決めていたので、ああいう結果になって良かった。本当にできすぎだなって思います」と照れくさく笑った。チームも9試合ぶりの2桁安打。貧打からも脱出した。岡山の虎党もとりこにした木浪。お立ち台では、同期入団で負傷離脱した近本のリストバンドを着けてプレーしていることを聞かれ、その思いも口にした。「野球は全員で戦うスポーツなので、皆のために。そしてファンのためにこれからも頑張っていきます!」。頼もしい8番打者が、強気のプレーでチームを鼓舞する。【三宅ひとみ】
◆阪神梅野隆太郎が攻守で勝利に貢献した。受けては先発青柳を好リード。右腕持ち味のゴロアウトを量産させ、リズムをつくった。打っては5回に左への二塁打でチャンスメーク。木浪の中押し適時打をお膳立てした。「昨日の夜からヤギをどうやって引っ張っていくかを考えていた。結果、良いピッチングをしてくれて、粘り強く投げてくれてよかった」と笑顔だった。
◆阪神岩貞祐太が1回を1安打無失点に抑え、5月27日巨人戦(甲子園)から11試合連続の無失点となった。7回2失点の先発青柳の後を受けた、4点リードの8回に登板。知野、ソトと代打攻勢を仕掛けた相手打線を封じた。「ヤギがようやく帰ってきてくれたので。ヤギがチームに戻ってきたというのが非常に大きいかなと思います」と、仲間の1軍復活星を喜んだ。
◆DeNA・三浦大輔監督(49)が試合前に慣例の報道陣の囲み取材に対応。10日に出場選手登録を抹消された大田泰示(33)、神里和毅(29)両外野手について「シーズンは長いので。出場機会も少なくなった中で状態を上げるのも難しい。ファームで試合に出て、打席に立って、状態を上げてまた後半戦に向けて準備をしてくれと話をした。2人とも絶対に必要な戦力ですから」と語った。大田は移籍2年目の今季、34試合に出場し打率・127、3打点、1本塁打。神里は60試合で打率・146、3打点、0本塁打と打撃で結果を残せず、出場機会が限られていた。代わって、藤田一也内野手、梶原昂希外野手が1軍に昇格。指揮官は「状態もいいと聞いている。藤田もずっと状態はいい中でこの時期になりましたが、経験のある選手ですから、チームにいいものを持ってきてくれると思います」と期待をこめた。
◆現役時代はオリックスや阪神などで投手として活躍し、現在は岡山県内のスポーツ用品店に勤務する桑原謙太朗氏(37)が倉敷マスカットスタジアムを訪れ、阪神の選手らに挨拶した。投手の練習が行われたサブグラウンドでは、岩崎や岩貞ら後輩たちと談笑。2017年のオフに合同自主トレを行うなど親交が深かった島本浩也投手(30)は2年ぶりとなる先輩との再会に「『頑張ってるな』みたいな感じで(言われた)。久々だったので、お顔を見られてよかった」と笑顔を見せ、「優しかったですし、よくご飯にも連れていってもらっていたので」と当時を懐かしんだ。桑原氏は2008年に大学・社会人ドラフト3位で横浜(当時、現DeNA)に入団し、オリックスを経て、15年に阪神に移籍。金本監督政権の2017年に中継ぎとして才能を開花させ、67試合の登板で4勝2敗、39ホールド、防御率1・51とブレーク。その後もブルペンの一角としてチームに貢献し、21年限りで現役を引退した。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神・青柳晃洋投手(29)が5月19日の広島戦(甲子園)以来、約2カ月ぶりに1軍で先発する。自身初の開幕投手を務めた今季は7試合で2勝3敗、防御率5・63と不振に苦しみ、5月20日に再調整のため登録抹消。以降は2軍で実戦登板を重ね、再びチャンスをつかんだ。打線では9日のヤクルト戦(甲子園)で決勝打となるプロ1号本塁打を放った森下翔太外野手(22)が「1番・中堅」で出場する。
◆岡山出身のDeNA・佐野恵太外野手(28)が、プロ入り後初の故郷での公式戦に「3番・一塁」で出場。関係者最大150人を招待し、スタンドには家族や小中学校時代の野球チームの恩師、子どもたちが総出で詰めかけた。佐野のタオルを大量購入して掲げるなど大応援団をつくった。佐野の小学校時代を含め40年以上指導を続ける彦崎野球スポーツ少年団の板倉正亘団長兼監督は「当時から好打者で小学生なのに何回も敬遠されていた。約80メートルぐらいのグラウンドの奥にある体育館の上段まで飛ばして強化ガラスを割ったこともある」と秘話を明かした。プロとしてプレーする教え子に「卒団式のときに、サインをもらうんじゃなくてお前がサインをする立場になれと言って、本当にそうなった。誇らしいの一言に尽きる」と思いをはせた。中学時代に所属した倉敷ビガーズで当時コーチだった池内保裕現監督は「人の何倍もバットを振っていた。選球眼、一球で仕留める集中力はすごかった」と述懐。監督だった本池義人現コーチは「言葉にできないくらいの感覚。とにかく息の長い選手になってほしい」と感無量だった。
◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)が三回までDeNA打線を完璧に抑えた。5月20日に2軍落ちを喫したエースの復活登板。一回は梶原を一ゴロ、関根を三ゴロに仕留めると、佐野を124キロスライダーで空振り三振に斬った。二回は牧、宮崎、桑原と強力な打者を危なげなく三者凡退。三回も打者3人で抑え、三回まで一人の走者も許さないパーフェクト投球を続けている。
◆阪神・木浪聖也内野手(29)が、先制の3点二塁打を放った。0-0の三回、1死から大山が左前打、佐藤輝が一失、ミエセスが四球で満塁の好機を迎えた。梅野はボテボテの三ゴロで三走がホーム封殺されたが、2死満塁で木浪が打席へ。カウント2-2からの6球目。笠原のチェンジアップを捉えると、打球は中堅・桑原の頭上を越える走者一掃の二塁打。欲しかった先制点をもぎ取った。一回は先頭のD1位・森下(中大)が二塁打を放つなどし、2死満塁もミエセスが左飛。二回も2死一、二塁の好機を作ったが、中野が投ゴロと、あと一本が出ていなかった打線を〝恐怖の8番打者〟が救った。木浪 「打ったのはチェンジアップ。ヤギさんが久しぶりの登板だったので、楽に投げてもらいたいと思っていました。満塁だったので、とにかくどんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでしたし、タイムリーになってくれてよかったです」
◆阪神・木浪聖也内野手(29)が、3-2の五回に2点打を放ってリードを広げた。先頭の佐藤輝が左前打。1死後、梅野の打席でエンドランを仕掛けると、梅野が左前に運んで二、三塁の好機を作った。続く木浪が上茶谷の初球149キロを引っ張り、右前に弾む2点打。三回に先制の3点打を放っていた木浪は、これでこの日5打点と倉敷で躍動している。阪神打線はさらに2死二塁から、D1位・森下(中大)が右前適時打を放って6-2とした。
◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)は7回6安打2失点で降板した。三回までは一人の走者すら許さない完璧な投球。四回に宮崎に2点打を許したが、リードを守り切った。五回は無死一、三塁のピンチも代打・藤田、関根を抑えて無失点。5月20日に2軍降格してから、1軍復帰登板となったマウンドで、今季3勝目の権利を手にした。
◆阪神が快勝。「8番・遊撃」で出場した木浪聖也内野手(29)が、三回2死満塁で走者一掃の二塁打、五回1死二、三塁で2点右前打を放つなど、5打点と躍動した。5月20日に2軍降格してから、1軍復帰マウンドとなった青柳は7回6安打2失点と好投。強力DeNA打線を相手に復活を印象づけ、今季3勝目をマークした。阪神は6月3、4日のロッテ戦(甲子園)以来の連勝で2位・DeNAとの差を2ゲームに。4年ぶりとなった倉敷での公式戦で、岡山のファンに勝利を届けた。
◆薄暮の倉敷の空に、勢いよく打球が上がる。風の力も借りながら白球はグングンと伸び、中堅手の頭を越えた。阪神・木浪は二塁ベースを悠々と踏み、安堵の笑みを浮かべた。六甲おろしの大合唱が響き渡る超満員のスタンドはお祭り騒ぎとなった。「満塁だったので、とにかくどんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでしたし、タイムリーになってくれてよかったです」一回、二回と塁に走者を置きながらも先発・笠原を攻略しきれずに無得点で迎えた三回だ。1死から大山が左前打を放つと、続く佐藤輝の一ゴロは敵失となり、一、二塁。その後、2死満塁と好機を広げて〝満塁男〟の木浪が打席に立った。カウント2―2からの5球目のチェンジアップを強振。中堅手の頭上を越える走者一掃の3点二塁打で2カ月ぶりに先発した青柳を援護した。「ヤギ(青柳)さんが久しぶりの登板だったので、楽に投げてもらいたいと思っていました」木浪は今季、試合前時点で満塁打率5割(8打数4安打)と勝負強さが光る。以前には「(走者を)かえすというか、つなぐ意識の方が強い。そういう気持ちがいい方向にいっている」と話していたように、〝つなぎ〟の意識が得点を呼び込んだ。梅雨入りとともに湿っていた虎打線の中で、8番打者の木浪が輝いた。試合前まで6試合連続2得点以下と〝火力不足〟が否めなかったが、7試合ぶりに3得点以上を記録した。久しぶりの地方球場での主催試合だった。新型コロナウイルスの影響もあり、倉敷で阪神の公式戦が最後に行われたのは2019年。4年ぶりの開催とあって、球場には多くのファンが詰めかけ、試合前時点で前売り券は完売。満員のファンの応援に応えるようにナインがグラウンドで躍動した。3―2の五回には佐藤輝が左前打で12打席ぶりに「H」のランプを灯した。観戦に訪れた倉敷市在住の母方の祖父母の目の前で快音を奏でると、その後もチャンスが広がり、1死二、三塁。ここで再び木浪が2番手・上茶谷からリードを広げる2点打を放ち、計5打点。「ヤギさんのために、という思いしかなかったです。初球から思い切ってスイングしていく気持ちがいい結果につながったと思います」と喜んだ。さらにD1位・森下(中大)にもタイムリーが飛び出し、「(木浪)聖也さんがランナーをかえしてくれたので、自分は思い切って打ちにいくだけでした」とうなずいた。八回にも1点を加え、2位DeNAに快勝。倉敷の虎党へ5年ぶりに勝利を届けた。(織原祥平)
◆いま持てる力を出し切った。4年ぶりとなる倉敷での虎の公式戦で、復活をかけて1軍マウンドへ上がった阪神のエース青柳が気迫の投球で、破壊力ではリーグナンバーワンのDeNA打線に挑んだ。「僕のことよりチーム的にも大事な一戦。緊張はすると思うけど、チームに勝つ可能性が残るような投球ができたら」2位DeNAに1ゲーム差に迫られたオールスター前最後の首位攻防3連戦。その初戦を任された右腕は課題だった一回。梶原を一ゴロ。関根を三ゴロ。そして、佐野を低めのスライダーで空振り三振に仕留めると、少しはにかんだ。序盤は変化球も低めにコントロールされ、三回まで走者を1人も許さなかった。「前半は本当によくないシーズンを送っているので。後半に生き残るには、まず頑張らないといけない。先発ローテの中で一番下だと思っていますから」前回の1軍登板は5月19日の広島戦(甲子園)。5回7失点と結果を残せず、翌20日に出場選手登録を外れた。課題の直球の切れを取り戻すこととカーブ、シンカーなどを制球アップすべく、鳴尾浜のプルペンで投げ込んだ。「大竹や村上が頑張ったから首位にいる。僕もチームの勝利に少しでも貢献したい」と復活を誓った。2022年から2年連続最多勝。昨季は最優秀防御率、最高勝率も加わり、投手三冠に輝いたプライドがある。木浪の3点二塁打で先制してもらった直後の四回2死から佐野、牧、宮崎に3連打を浴びて1点差に迫られたが、五回1死二、三塁のピンチ。青柳はギアチェンジすると、代打・藤田を一ゴロ。続く関根を高めの直球で三邪飛に打ち取る。80球で7回2失点にまとめ、救援陣に託した。岡田監督は前日10日、岡山入りする前の新神戸駅で、DeNAとの直接対決の感想を求められると「まず青柳が後半戦に向けて、ローテーションでいけるかどうか、そっちの方が第一やろ」と熱く語っていた。100点満点の回答とはいかなかったが、勝負となる夏本番に向けて、青柳にとってもチームにとっても大きな1勝となった。(三木建次)
◆阪神・青柳がどの程度調子を取り戻しているかが焦点だったが、2軍落ちした時点に比べると格段に良くなっていた。いかにゴロを打たせてアウトに取れるかがバロメーターの投手。七回まで投げて21のアウトのうち15個のゴロアウト(犠打をのぞく)は、復活の兆しと見ていい。1個だった奪三振が増えてくれば、完全復活に近づく。抜けた球がほとんどなく、抜群の制球で与四球はゼロ。余分な走者を出さないから、常に余裕を持って投球ができていた。思ったコース、サイン通りのコースにテンポよく投げているから、バックも集中して守りやすい。守備で好プレーが生まれたのも、青柳の制球の良さが影響したから、といえる。四回に3連打された場面は、佐野に初安打を打たれて、続く牧との相性の悪さを気にしてしまった感じがする。同じ打者に徹底的に打たれてしまう傾向があるのは、青柳の気持ちの弱さ。それが出てしまったので、まだ昨年までの絶好調時に戻ったとまでは言えない。それでも、この先の先発ローテは守ってくれそうな安定感だった。今季はDeNAにのみ3勝で他球団には勝てていないが、いま、セ・リーグで一番怖いDeNA打線に対して7回2失点。この投球ができるのなら、他球団を怖がる必要もない。首位攻防の初戦を取れたことも大きい。2戦目以降に先発する投手のプレッシャーがかなり軽減された。投手陣が苦しい夏場に、最高の戦力が戻ったといえる。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆阪神が首位攻防3連戦の初戦を制した。7回6安打2失点の青柳晃洋投手(29)が5月12日のDeNA戦(甲子園)以来、60日ぶり白星で3勝目(3敗)。攻撃では木浪聖也内野手(29)が三回2死からの3点二塁打、五回1死二、三塁での右前打で自身初の1試合5打点をマークした。3試合連続で「1番・中堅」D1位・森下翔太外野手(22)=中大=の五回の右前打で挙げた6点目がダメ押しとなった。五回に12打席ぶり安打を放った佐藤輝明内野手(24)の復帰5試合は19打数2安打で打点0。チームの連続無失策は「12試合」。6月3、4日以来の連勝で、DeNAと2差にした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=44勝32敗3分、観衆=3万268人)。★テレビインタビューーー青柳の印象は「コントロールがよかったですね。ボールも低く行ってね、逆にコントロールがよすぎるから、低めを上から、(五回、二塁内野安打の)戸柱なんか叩きつけてやるから。高め行け言うたんですよ。(五回2死二、三塁で三邪飛に仕留めた)関根の時は高めでアウトが取れたんで、これからの収穫かなと思います」ーー球宴後に向けて青柳の復活は大きい「あまりにも何か切羽詰まったじゃないけど、今日の登板を気にしてるようだったから。そんなん関係ないって言うたんよね。試合前に。どんなピッチングしようが後半戦はローテーションで投げなアカンわけやからって。楽に行けと」ーー森下が活躍「(五回の6点目は)2アウトからセカンドで結果的には、すごく大きな試合を決める1点になった。これから徐々にそういう形でね、近本がいない間、1番でもいいかなという気にはなりますね、やっぱりね、はい」ーー4得点以上も2桁安打も9試合ぶり(6月29日の中日戦以来)「計算してましたよ、七回くらいで、おーん。ちゃんと計算してましたね、おーん(笑)」★ペン囲み編ーー球数80で青柳の降板は今後を見越して「今日なんか完投をね、そういう球数だけど、最初から7回投げてくれたらいいわと思うてたから」ーー青柳は自分で追い込んでいる感じがした「何て言うのかな。それは新聞のコメントよ。ホントのコメントかどうか俺は知らんけどな。青柳が言うたかどうか。切羽詰まったみたいなことを言うとったから。試合前に呼んだんよ。マッサージ終わってから、もう試合寸前にな。『そんな気にすることない』っていうのを」ーー青柳も2軍で調整してきた「そんだけ離れたら。心配だろうし、昨年も一昨年も2桁勝ってるピッチャーでもな。こんだけ離れることはなかっただろうし。今日は良かったらしいよ。試合前はブルペン。だからある程度は行けるかなと思ったけどね。いい形でね。1点とかじゃなしに3点が大きかったんじゃないかな。木浪の3点が大きかったと思うけどね」ーー佐藤は逆方向のヒットは出た「どう見るの? アレを。初球の真っすぐをどう見るの。真ん中ぐらいちゃうの? 甘かったやろう。こっちからは分からへんけど、あのコースに行くということは甘いボールやろうなと思ったけどな。相当、差されてるけどな」ーーDeNAにやり返した「まだ今日1試合やん、まだ明日、明後日あるんやから、それはまだ」
◆〝恐怖の8番打者〟が、エースの復活星と首位攻防の初戦を制する原動力になった。木浪がチャンスで打ちまくって自己最多となる5打点を挙げ、4年ぶりに阪神主催試合を行った倉敷で打の主役になった。「つなぐイメージでいったんですけど、打った瞬間、絶対抜けると思った。3点先制できて、ヤギさん(青柳)に楽に投げさせることができました。(5打点は)ほんとに出来すぎかな」お立ち台では「最高でーす!」と声を弾ませ、虎党と喜びを共有した。三回2死満塁で笠原の外角へのチェンジアップを捉え、走者一掃の中越え二塁打。3点の先制点をもたらした。次打者席の青柳から「聖也、頼むよ」と声をかけられ、「任せて」と宣言。見事に期待に応える勝負強さだ。満塁機は打率・556(9打数5安打)、10打点と絶好調だ。3-2の五回1死二、三塁では上茶谷の初球149キロ直球を右前に弾き返し、貴重な2点打をマーク。「初球から行くと決めてた。1球で捉えられてよかった」と胸を張った。3安打5打点とバットで大暴れし、守備でも岡田虎に貢献し続ける木浪の力の源は地元・青森で大人気の「スタミナ源たれ」だ。「めちゃくちゃうまいんすよ。今の家にも実家にもあります」。青森県産大豆・小麦を使用したしょうゆをベースに同県産のりんごやにんにくが入った故郷の味。29歳のお気に入りの調理法は野菜炒めと、肉丼の肉と絡める食べ方だ。「時間があるとき、(自宅で)使ってますね」。家族が外出中は自らキッチンに立ち、フライパンの上の材料にかけてジュワッとニンニク風味の匂いを立ち上がらせ、モリモリ食べて食欲を満たす。食が細くなりがちな真夏も〝魔法の調味料〟で軽々と乗り越える。岡田監督からも「木浪の3点が大きかった」とたたえられ、「流れに乗って3連勝したい」と力を込めた。正遊撃手に返り咲いた今季は、8番打者としても、驚異の勝負強さで首位堅守の主役になる。(新里公章)
◆やっと帰ってこれました! 阪神は4年ぶりの倉敷開催で2位DeNAに7-2と快勝。1軍に再昇格して先発した青柳晃洋投手(29)が7回2失点に抑え、自身2カ月ぶりの白星を挙げた。エースの復調で首位攻防3連戦の初戦を取り、6月4日以来となる連勝。DeNAとのゲーム差を2に広げた。忘れられない倉敷の夜となった。5月19日以来の1軍マウンド。青柳は7回6安打2失点の好投で、2カ月ぶりとなる今季3勝目を手にした。勝利の瞬間をベンチで見届けると、とびっきりの笑顔を弾けさせた。「やっと帰ってこれました! 甲子園に負けない声援をありがとうございました。今年一番うれしい1勝になったと思います」マスカットスタジアムを埋めた3万268人の観衆に感謝の思いを伝えた。三回までは走者を1人も許さず。3点先制してもらった直後の四回は佐野、牧、宮崎の3連打で1点差に迫られ、五回には1死二、三塁のピンチを招いたが、「梅野さんを信じて投げ切ることができた」と切り抜けるとガッツポーズが飛び出した。試合直前、岡田監督は顔をこわばらせていた青柳を「ちょっと来い」と呼びだした。告げたのは「きょう、どんなピッチングをしようが、後半戦はローテーションで投げなアカンわけやから。楽に行け」。その言葉で「よくなりました」と重圧から解放された。「そんな切羽詰まった試合じゃない。後半戦に向けて投げる試合だから、そんなに意識せずに、自分の投球ができるように、楽に投げろと言ってもらいました」と感謝した。今季は初めて開幕投手を務めたが、3連敗を喫するなど調子は上がらず。5月19日の広島戦(甲子園)では5回7失点と打ち込まれ、翌20日に2軍降格を通達された。鳴尾浜では、直球の切れを取り戻すこと、カーブ、シンカーなどの制球を上げるべく、プルペンで投げ込んだ。
◆阪神2番手の岩貞が八回を無失点でつないだ。「ヤギ(青柳)がようやく帰ってきてくれたんで。うん、遅いぐらいね。ヤギがチームに戻ってきたっていうことが非常に大きい」。自身はこれで11試合連続無失点。勝ちパターンとして抜群の安定感を継続しているが、「僕なんてもう。本当にヤギのピッチングが全てです」と帰ってきたエースをたたえた。
◆どうしても結果が欲しかった。阪神・佐藤輝は母方の祖父母、上田公一さん(84)と祥子さん(80)が見つめる中、快音を響かせた。「初球から積極的にいこうと思って結果が出た。(祖父母の)目の前で打ててよかったです」五回先頭の第3打席で上茶谷の直球を左前へ。3試合ぶり、5日の1軍再昇格後2本目の安打で追加点を演出した。倉敷市に住む母方の祖父母が観戦に訪れた一戦だった。佐藤輝にとって岡山といえば「桃!」。加えて、岡山では「ゲタ」と呼ばれる魚、シタビラメが大好きだった。そんな孫を思い返しながら、公一さんは願っていた。「輝のおかげで今まで野球を見ていなかった友達もテレビを見て応援してくれる。今日も打ってくれるんじゃないかな」。期待に応えて、〝孝行孫〟は意地の「H」ランプをともした。「いい流れで攻撃できたと思います」打撃不振が続いても岡田監督は佐藤輝のスタメン外しを否定し、「それやったら、終わってしまうやんか」と叱咤していた。倉敷の虎党の前で打ったヒットを上昇のきっかけにしてみせる。(原田遼太郎)
◆最後までバットを振り抜いた分、白球に力が乗り、右翼手前にポトリと落ちた。阪神・森下が中大の先輩である牧の頭上を越えるダメ押しのタイムリー。一塁上では両手を挙げて、喜びを表現した。「前に(木浪)聖也さんがタイムリーでしっかり(走者を)かえしてくれていたので、自分もなんとか追加点を取れるように積極的にいきました」3―2の五回、木浪の2点打でリードが広がると、その勢いにルーキーも乗じた。なおも2死二塁で2番手・上茶谷の外角低めのスライダーに食らいついた。白球は高く舞い上がり、右翼と二塁の間に落ちる適時打になった。前の試合の勢いは健在だった。9日のヤクルト戦(甲子園)では決勝のプロ初本塁打をマーク。この日も「1番・中堅」で出場すると、一回に左翼線二塁打でチャンスメークし、2安打2四球の計4出塁と存在感は高まるばかり。岡田監督も「結果的にはすごく大きな試合を決める1点になった。近本がいない間、1番でもいいかなという気にはなりますね」と1番打者として継続的に起用する方針を明かした。目の前でハツラツとプレーする先輩の存在も発奮材料だった。入団前から常々「目標」と口にしているDeNA・牧には練習中にあいさつ。3安打して貫禄が漂うハマの4番を目のあたりにして「改めていいバッターだと思ったし、どんどん盗んでいきたい」と、どこまでも意欲的だ。地方球場でプレーするのは今回が初めて。球場に駆け付けた倉敷の虎党に名刺代わりの活躍を見せた。「普段、甲子園まで足を運べない人もいたと思うので。タイガースとしていい結果が出たのはよかった」マスカットスタジアムのファンもスカッとする勝利に貢献したのは、1番打者として輝く虎のドライチだ。(織原祥平)
◆7回2失点の好投で2カ月ぶりに白星を挙げた阪神・青柳晃洋投手(29)の励みとなったのは、今春の選抜高校野球に21世紀枠で出場した城東高(徳島)だった。部員12人の公立高校が、東海大菅生(東京)に善戦。女子マネジャーがノッカーを務めたことでも話題となった。「大学時代(帝京大)の野球部の同級生がコーチをやっていて。楽しんで野球をしている姿を見て、僕が忘れかけていたことを思い出した」。選抜大会直前には鳴尾浜の近くで練習していた城東ナインに公式球10ダースをプレゼントしたという。順当なら、城東高の徳島県大会での初戦は16日。青柳は「母校(神奈川・川崎工科高)と同じぐらい応援していますよ。僕の復帰星を届けて、勇気づけたいですね」と語っていたが、その願いがかなった。
◆バッテリーを組んだ梅野が青柳をたたえた。「しっかり試合を作ってくれたし、いい投球をしてくれた。あの場面(五回のピンチ)で粘り強く投げてくれたのが大きい」。打撃でも、五回1死一塁の場面でヒットエンドランを成功させる二塁打を放って追加点をお膳立て。「ヤギ(青柳)がその前にしっかり粘ってくれて、いいきっかけ、流れがあったから」とエースの力投に攻守で応えた。
◆故郷に白星を届けることはできなかった。岡山市出身のDeNA・佐野恵太外野手(28)はプロ入り後初の地元、岡山県での公式戦で凱旋安打をマークするも、失点につながる守備のミスもあり、阪神との首位攻防第1Rに敗戦。「また岡山で試合があるときは、もっといい選手になって戻ってきたい」と成長を誓った。小、中学で所属した少年野球チームの子供たちや恩師、家族ら約150人の関係者を招待。彦崎野球スポーツ少年団で小学生だった佐野を指導した板倉正亘団長兼監督(80)は、教え子の姿に「誇らしいの一言に尽きる」と胸を張った。阪神戦は本拠地では13連勝中だが、ビジターでは7戦全敗の〝内弁慶〟状態が続く。ゲーム差は2に広がり、12日からは甲子園で2連戦。主将は故郷で受けた大応援に「明日以降も頑張れるエネルギーになった」と感謝し、巻き返しを図る。(浜浦日向)
◆阪神が4年ぶりに倉敷マスカットスタジアムに帰ってきた。地方球場開催というけれど、岡山県は甲子園のある兵庫県のお隣。実はそう遠くない。結びつきも深い。今でこそ、開幕カードを京セラドーム大阪で実施するのは当たり前になっている。3月下旬から4月上旬に選抜高校野球が甲子園で開催されているためだ。京セラドーム誕生以前は、開幕権を持っていても、甲子園を使えないから返上するケースが何度もあった。さらに以前。1968年と74年の2度、阪神は岡山県営球場でシーズンの開幕戦を戦っている。甲子園が使えないなら、まぁお隣の岡山でいいんじゃないか! という感覚だったらしい。困ったときは岡山で-。意外な事実も、阪神が岡山県へ抱く親近感の証し。ただ、ファンは昔から熱狂的だ。県営球場は客席との間のフェンスが低く、試合終了と同時に360度全方向から大量のファンがグラウンドに乱入。日本でたった2カ所だけ存在した、〝試合後の阪神のヒーローインタビューができなかったことがある球場〟の1つだった。95年に誕生したマスカットスタジアムは、プロ野球の本拠地になっても不思議ではないスケールを誇る。収容3万494席。フェンスは高く、ファンも乱入できない。トラ番記者も毎年のように足を運ぶから「地方感」は少ない。正面入口を入ってすぐに、岡山ゆかりの名プレーヤーの品々が展示されている。「いきなり星野仙一さんの阪神と楽天のユニホームが飾られています。郷土の誇りなんでしょうね。昨年までサンスポの評論家だった八木裕さん(日本ハム打撃コーチ)の阪神時代の背番号3のユニホームも燦然と輝いています」トラ番・原田遼太郎が伝えてきた。この球場に来たのは西純矢が創志学園高3年の夏の岡山大会決勝以来。阪神の未来のエース候補が、甲子園への夢を断たれた一戦だ。
◆よっしゃァ!! 雨ヤギさんが快晴の晴れヤギさんで復活! オメデトウ!! そりゃそーよ、●(天気記号の雨)より、○(快晴)の方がええに決まっとるやん!! そして、その快晴(白星)がやっと、やっと6月4日以来、○○と2つ続いたのだー!!ちゅ~か、1カ月以上連勝がなかったのに、首位を死守する阪神って、スゴクねぇ!? 青柳晃洋投手、2カ月ぶりのマウンドで本物の『プロの調整』を見させていただきました!! ホラ、調整で2軍に行ったはいーけど短期間で1軍に戻ってきて、やっぱり変わってない選手っているじゃないですか...。そこー! ただきた球を力一杯振ってる左打者の君!! ひょっとしたら打撃練習より、青柳さんにプロとしてやるべきことの教えを請う方が大切なんじゃねーのか!?本日の青柳投手、2年連続で最多勝を獲得した曲げる、かわす、沈めるの投球から力強いボールをズバズバ放るスタイルに変えていた。悩み、苦しみ、たどり着いた復活勝利はキラキラ輝いていたのだ!! 近本欠場の中、同期の木浪が5打点の大仕事!! 虎は真夏に牙をむく!! そんなプロローグの一節なのだ!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
44 | 32 | 3 | 0.579 (↑0.006) | - (-) |
64 | 291 (+7) | 236 (+2) | 39 (-) | 39 (-) |
0.237 (↑0.001) | 2.770 (↑0.01) |
2 (-) |
DeNA |
42 | 34 | 2 | 0.553 (↓0.007) | 2 (↓1) |
65 | 296 (+2) | 274 (+7) | 54 (-) | 17 (-) |
0.253 (-) | 3.230 (↓0.01) |
3 (-) |
広島 |
42 | 38 | 0 | 0.525 (↓0.007) | 4 (↓1) |
63 | 278 (-) | 276 (+4) | 51 (-) | 40 (+1) |
0.247 (-) | 3.190 (↓0.02) |
4 (-) |
巨人 |
40 | 37 | 1 | 0.519 (↑0.006) | 4.5 (-) |
65 | 284 (+4) | 281 (-) | 90 (+3) | 24 (-) |
0.249 (↓0.001) | 3.460 (↑0.05) |
5 (-) |
ヤクルト |
31 | 45 | 2 | 0.408 (↓0.005) | 13 (↓1) |
65 | 264 (+2) | 298 (+5) | 61 (-) | 41 (-) |
0.232 (-) | 3.570 (↓0.01) |
6 (-) |
中日 |
31 | 46 | 2 | 0.403 (↑0.008) | 13.5 (-) |
64 | 225 (+5) | 258 (+2) | 36 (+3) | 22 (-) |
0.238 (↓0.001) | 2.880 (↑0.01) |
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