1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0 | 1 |
広島 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | X | 9 | 13 | 0 | 2 |
勝利投手:床田 寛樹(7勝1敗0S) 敗戦投手:西 勇輝(5勝5敗0S) 本塁打 |
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◆広島は初回、西川の適時打と田中の3ランで一挙5点を奪い、幸先良く先制する。6-1で迎えた7回裏には、西川の3ランでリードを広げた。投げては、先発・床田が7回1失点7奪三振の力投で今季7勝目。敗れた阪神は先発・西勇が振るわず、打線もつながりを欠いた。
◆阪神島田海吏外野手(27)が、試合前練習で中堅守備に就いた。ノックを受け、マツダスタジアムの日差しや芝生の状態などを確認した。ドラフト1位森下翔太外野手(22)は右翼でノックを受けた後、中堅でもノックを受けた。試合直前のシートノックでは島田と森下が中堅に入った。この日、近本光司外野手(28)が「右肋骨(ろっこつ)骨折」のため、出場選手登録を抹消された。今季全73試合に中堅でフルイニング出場している要だけに、代役で中堅を守る選手に注目が集まる。
◆近本光司外野手(28)を欠く阪神のスタメンが発表された。代役中堅には島田海吏外野手(27)が入り、8番でスタメン出場する。島田は今季11試合で先発しているが、そのうちわけは右翼9試合、左翼2試合。中堅での出場は今季初で、昨季10月2日ヤクルト戦(甲子園)で、近本に代わって守備から起用されて以来となる。スタメンに限れば同年8月21日巨人戦(東京ドーム)以来だ。近本が担ってきた1番には中野拓夢内野手(27)が入った。木浪聖内野手(28)は20年11月11日DeNA戦(甲子園)以来、3シーズンぶりに2番で起用される。2日巨人戦(東京ドーム)で死球を受けた影響で「右肋骨(ろっこつ)骨折」で離脱した近本の不在をカバーできるか。
◆今季2度目の「1番二塁」で出場した阪神中野拓夢内野手(27)が、いきなり先頭打者の仕事を果たした。初回、ショートへのゴロを放つと、全力でダッシュ。間一髪のタイミングで内野安打をもぎとった。この日、1番打者で出場してきた近本が、2日の巨人戦で受けた死球による右肋骨(ろっこつ)の骨折で出場選手登録抹消。代わりに入った1番で、初回から役割を果たした。
◆阪神先発西勇輝投手(32)が初回からまさかの5失点を喫した。安打と犠打で1死一、二塁とされると、4番西川に右翼への2点適時打で先制点を献上。その後も四球などで2死一、二塁を招くと、7番田中広輔から右翼越え3ランを被弾した。この日、近本光司外野手(28)が「右肋骨(ろっこつ)骨折」で出場選手登録を抹消。攻守の要を欠く中、初回から痛い5点ビハインドを背負った。
◆阪神西勇輝投手(32)が今季ワーストタイの6失点を喫し、3回で降板した。初回から西川の右前2点打、田中の右越え3ランで5失点。3回にも坂倉に中前適時打を浴びるなど、広島打線の勢いを止められなかった。3回を7安打6失点で投げ終え、4回からは2番手馬場皐輔投手(28)が投入された。
◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)がラッキーセブンで反撃の1発を放った。6点を追う7回無死走者なし。無失点投球を続けてきた床田の131キロ変化球を捉え、左中間席へ運んだ。5月23日ヤクルト戦以来、120打席ぶりの今季5号ソロとなった。初回から5点を追う苦しい展開の中で、2番手馬場皐輔投手(28)は4回から3イニング無失点。好投に応えるアーチを放った。
◆阪神は広島打線の勢いを止められず、痛い大敗となった。「1番中堅」で出場を続けてきた近本光司外野手(28)が「右肋骨(ろっこつ)骨折」で試合前に出場選手登録を抹消。「1番二塁」に中野、「8番中堅」では島田が名前を連ねるなど、攻守の要を欠いて迎えた一戦だった。だが、先発西勇がまさかの乱調で初回から4安打5失点。3回で今季自己ワーストとなる6失点を喫し、降板となった。7回にも3番手加治屋が西川に3ランを浴びるなど、広島打線の勢いに飲みこまれた。打線も7回にノイジーの5号ソロで一矢報いたが、追加点は奪えなかった。この敗戦で3位広島とのゲーム差は「2・5」に縮まった。今季全試合で出場してきたリードオフマン離脱のショックを払拭することはできなかった。
◆2年目の変則右腕、阪神岡留英貴投手(23)がプロ初登板を果たし、1イニングを無失点に抑えた。8点ビハインドの8回に登板。先頭の大盛に左前打で出塁を許したが、遊ゴロ併殺で2死を奪った。最後はここまで2安打の2番野間を一ゴロに打ち取り、白い歯をこぼした。昨季は2度、1軍昇格を果たしたが登板機会はなかった。今季はファームで21試合で防御率1・59を記録。6月23日に1軍昇格となったが、その後はブルペンでの待機が続いていた。
◆阪神が3位広島に大敗し2・5ゲーム差に迫られた。この日、近本光司外野手(28)が右の肋骨骨折のため出場選手登録を抹消された。打線を引っ張ってきたリードオフマン離脱のショックは大きい。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-先発の西勇は初回の5失点が重すぎた「2点でなあ、抑えといたらええのに。ずうっと悪かったからな。打線の援護があったからな、西のときは」-才木は1回抹消したが、西勇は「抹消するよ、そんなもん。投げさせられへんやん」-近本いない中、打順も組むのも苦労「そら、もうしゃあないやんかそれは。デッドボールやからな。それは。そこまでは想定してないけど」-近本も広島に来ていた。本人は出たいと「昨日よりもええ言うとったからな。昨日で(肋骨)骨折は分かっとったけどな。でも、まだちょっと動けるみたいで、もう1回様子見い言うたんやけどなあ、今日はもうあかんかったなあ」-悪化させないたという意味も。「悪化させないて、骨折や言うたやん、悪化とかじゃなしに。骨折やねんから普通は無理やん」-復帰に時間はかかるか。「それは分からんて。そんな別に心配してもしゃあないやんか、骨折やねんから」-現状いるメンバーならこの打順で「いや、そら分からんって、そら。だから。今日、左ピッチャー(床田)やからな。明日、あさっては右なわけやから。そら、わからん。打順は。そら、いてるメンバーで打順は組まないけんのやから」-同時刻の2軍ソフトバンク戦(タマホームスタジアム筑後)のナイターで佐藤輝が3安打4打点。明日から1軍に上げることもできるが「うん、いや明日から4人来るよ。そんなん、お前、全部こっちでやってるんやから。明日来たらわかるよ。試合前から来るの分かってるから、張り切って3本打ったんやんか」
◆広島先発床田寛樹投手(28)が7回1失点で7勝目を手にした。1回1死一、二塁を切り抜けると、大量援護もありテンポを上げた。「点差を気にすることなく、先頭をしっかり取ろうと思って投げた」。蒸し暑い中、ベンチでは明治製菓の「ガルボつぶ練り苺」をモグモグ。エネルギー補給し、7回に浴びたソロによる1点にしのいだ。目標とする、後半戦離脱した昨季と同じ前半戦8勝まであと1勝とした。
◆広島田中広輔内野手(34)が前日の自身34回目の誕生日を祝うメモリアル弾を放った。2点を先制した1回2死一、二塁。フルカウントから阪神西勇の浮いたスライダーを引っ張り、右翼席に突き刺した。「いい反応が出来ました」。今季早くも5本塁打に新井監督は「新しい広輔を見せてくれているような感じがしますね」と絶賛。20年9月25日DeNA戦から田中が本塁打を打った試合は10連勝となった。
◆1回に西川の先制2点打などで5得点を奪った広島が阪神に快勝した。3回に1点を加えて、阪神先発の西勇をKO。7回には西川のセンターバックスクリーンへの3ランで突き放した。先発床田は7回1失点で7勝目を手にした。連敗を止め、首位阪神に2・5ゲーム差とした。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-打線が初回からつながった新井監督 いい攻撃だったと思いますね。-初回は連打後、3番秋山に犠打新井監督 バントは基本的に初回からやらないと言っているけど、「絶対にやらない」といってないからね。-西勇投手は対右打者の被打率の方が高かったが、左打者を並べた新井監督 もちろん被打率は分かっているけど、うちの左バッターはレベルが高い。一概に数字だけでは当てはまらない。-4番西川が3安打5打点新井監督 先制打といい、ホームランといい、本当に4番のバッティング。勝負強い、4番のバッティングをしてくれていますよね。本当に頼りになります。-田中選手も3ラン新井監督 今日も強く引っ張った、彼の持ち味というか、いいホームランでしたね。復活というより、新しい広輔を見せてくれているような感じがしますね。-小園選手が再登録即先発新井監督 久しぶりの1軍、先発。緊張したんじゃないかな。ヒットは出てないけど、しっかりと守備で足も動いているし、まずまずいい内容だと。あとは試合に出て慣れていけば上がってくると見ています。足はよく動いていたし、いい表情をしていたと思います。-床田投手は危なげない投球新井監督 さすがのピッチングですね。今日もナイスピッチングでした。
◆阪神佐藤輝明内野手(24)、小野寺暖外野手(25)、浜地真澄投手(25)、及川雅貴投手(22)が5日、出場選手登録された。4選手ともマツダスタジアムに合流した。佐藤輝は当初、7日の甲子園ヤクルト戦から復帰予定だったが、近本光司外野手(28)が右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱する緊急事態を受け、2日前倒しでの1軍昇格となった。代わって西勇輝投手(32)、加治屋蓮投手(31)が出場選手登録を抹消された。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。右肋骨骨折で出場選手登録を抹消された阪神・近本光司外野手(28)に代わって、「8番・中堅」で島田海吏外野手(27)が先発に名を連ねた。また、1番には中野拓夢内野手(27)が入り、今季2度目のリードオフマンを任された。主に中野が務めていた2番には、8番から木浪聖也内野手(29)が昇格。〝近本離脱〟という大きな試練をチーム一丸となって乗り越えていく。
◆5日の11回戦に先発する広島・森下暢仁投手(25)が試合前にキャッチボールなどで汗を流した。「1、2番が出塁して得点するというケースが多いと思う。先頭バッターからしっかりやりたい」。前回登板6月27日のDeNA戦(マツダ)は7回9安打2失点に加え、バットでもプロ1号3ランを放って今季4勝目を挙げた。打撃での貢献が光る男は「点が入る場面では打ちにいきたい」と意欲をみせた。
◆阪神の先発・西勇輝投手(32)が一回から広島打線に捕まった。先頭の菊池に初球を中前に運ばれると、野間に粘られて7球目を右前へ。秋山の犠打で1死二、三塁のピンチを背負い、4番・西川を迎えた。前進守備を引いた内野陣に対して、西川は2球目を強振。一、二塁間を破る右前打を許し、あっさりと2点を献上した。松山を右飛に仕留めた西勇だったが、坂倉に四球で再び2死一、二塁のピンチ。田中に右翼スタンドへ痛恨の3ランを浴びた。一回で4安打5失点と出鼻をくじかれた。直前の阪神打線は1死一、二塁の好機を作りながらも、大山の打球は相手のファインプレーに阻まれて中飛。ノイジーは右飛に倒れた。一回の攻防で両チームの明暗がくっきりと分かれた。
◆阪神の先発・西勇輝投手(32)は3回7安打6失点で降板した。一回に4本の安打でいきなり5失点を喫すると、三回にも坂倉に中前適時打を許した。今季ワーストタイとなる6失点で降板。試合を作ることができなかった。
◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が0-6の七回に5号ソロを放った。先頭で打席に向かうと、床田の131キロツーシームを一閃。打った瞬間、スタンドインを確信した打球は左中間スタンドで弾んだ。ノイジーは5月23日のヤクルト戦(神宮)でマークして以来の一発。大差で迎えた終盤で反撃ののろしとなる一撃を浴びせた。
◆2番手で四回から登板した阪神・馬場皐輔投手(28)が3回1安打無失点とロングリリーフに成功した。0―6の四回から西勇の後を受けてマウンドに上がると、1死一塁で野間を一ゴロ併殺打。五回は2死から二塁打を浴びたが、坂倉を見逃し三振に斬った。六回は三者凡退。今季最長の3イニングを投げて無失点と1軍定着へアピールした。
◆広島は3・5ゲーム差でリーグ首位を走る阪神をマツダスタジアムで迎え撃った。つなぐ4番、西川が技ありの2点打で一回5得点の猛攻を呼び込んだ。「何とか間を抜けてくれてよかった」。一回に先頭の菊池が中前打、さらに野間が右前打、秋山の送りバントで1死二、三塁とし、西川が打席へ。西勇の2球目の外角のチェンジアップに合わせると一、二塁間に転がった打球は右前へ抜けた。4番の一打で2点を先取すると、その後2死一、二塁で田中が右越えに5号3ランを放り込んだ。田中は右翼方向に強く引っ張った一発に「打ったのはスライダー。良い反応ができた。追加点につながって良かった」とコメント。自身が本塁打を放った試合は2020年9月25日のDeNA戦(マツダ)から今年6月9日の日本ハム(エスコン)までチームは9連勝中。4シーズンに渡って不敗神話が続いている。打線は三回にも追加点を挙げた。先頭の西川が右前打で出て、松山の四球で一、二塁とし、坂倉が中前適時打で加点。今季2度の対戦で1勝を許している西勇を3回7安打6得点でマウンドから引きずり下ろした。首位との3連戦初戦ですんなりと主導権を握った。
◆大卒2年目の阪神・岡留英貴投手(23)が1-9の八回にプロ初登板を果たした。先頭の大盛には133キロ変化球を拾われて左前打。それでも菊池を147キロ直球で遊ゴロ併殺に仕留めると、野間は一ゴロに抑えた。1回を投げて1安打無失点。上々の1軍デビューを飾った。岡留は6月23日に1軍昇格。ウエスタン・リーグでは21試合の登板で1勝1敗、防御率1・59の好成績を残していた。
◆阪神は広島に完敗。先発した西勇輝投手(32)が、一回に5失点するなど、試合を作れなかった。西勇は今季ワーストタイの6失点。七回には3番手の加治屋が、西川に3ランを浴びるなどし試合を決められた。 右肋骨骨折で離脱した近本を欠いた打線は、1番に中野、2番に木浪を置き、島田をセンターに起用する新オーダーで臨んだ。しかし、得点は七回にノイジーが放った5号ソロによる1点のみ。リードオフマンの不在が響いた。
◆広島が13安打9得点で快勝した。一回に西川の2点打と田中の3ランで5点を先制。三回は坂倉が適時打を放ち、終盤も加点した。先発の床田は7回1失点の好投で7勝目を挙げた。阪神は3回6失点の西勇が誤算だった。
◆阪神は近本が抜けた穴はあまりにも大きいので、正直、簡単に埋まるはずがない。ただ、やり繰り上手な岡田監督の腕の見せどころではある。相手先発が左腕(床田)なので、(右打ちの)中堅・森下の布陣で臨むのかと思ってみていたら、(左打ちの)島田だった。ベンチの思惑もあるのだろう。5日の相手先発は右腕(森下)。ここはぜひ、「3番・前川」で勝負してもらいたい。前川、森下ら若い外野手の勢いに託したほうが面白いのではないか。特にこの先も前川はドンドン、スタメン起用してもらいたい。降格中の佐藤輝の昇格も期待だ。若い力を信じる時期だ。近本不在の戦いが苦しくなるのは誰の目にも明らか。だからこそ、細かなミスは減らしたいし、点が取れるときには絶対に取らなければいけない。この試合でいえば一回。1死二塁から渡辺諒の遊撃内野安打で二走・中野には三進してもらいたかった。中野のセンスなら三塁手が捕れなかった時点でスタートしても三塁は奪えたはず。そうしていれば、大山の中飛で1点を先制できた。先制していれば、展開は違っていた可能性もある。先発・西勇は相変わらず状態が悪すぎ。あれだけ真っすぐが走っていなかったら、広島打線は許してくれない。先手先手で動く岡田監督だから、2軍に降格させると思っていたが、さすがだ。1週間後の相手は強打のDeNA。広島以上に許してくれない。今の西勇では通用しない。その一方で初登板の岡留は期待の星。球に勢いがあった。戦力として十分に計算できる投手がまた1人現れた。夏場に向けて朗報だ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆7日に昇格予定だった阪神の佐藤輝が、予定を前倒しして5日から1軍に上がることになった。近本の離脱で打線が手薄になっており、この日はノイジーのソロによる1点のみ。岡田監督は「(2軍戦で)張り切って3本打った」と不振の主砲に期待を寄せた。(マツダ)
◆阪神の岡留がプロ初登板を果たした。八回にマウンドに上がり、安打を許したが、併殺で切り抜けて無失点。「ちょっと力んで抜けたけど、思ったよりしっかり投げられた」と汗をぬぐった。沖縄尚学高から亜大を経て入団した2年目右腕。6月23日に昇格してからチャンスがなかったが「いつでも投げるとイメージしていた。ここからが勝負」と力強かった。
◆広島の床田が7安打を許しながらも7回1失点の好投でチームトップの7勝目を挙げた。一回のピンチで大山の大飛球に対して中堅手秋山が好捕。直後の攻撃で5点の援護を受け「楽に投げられた。(秋山には)今日も助けられてうれしかった」と感謝した。二回以降は左打者への内角攻めや鋭く沈むツーシームを低めに制球した。ただ、七回にノイジーに一発を浴びて失点。「ああいうところを本当になくさないといけない」と反省した。
◆阪神・木浪聖也内野手(29)が8番から2番に打順を上げ、先発出場した。2打数無安打だったが、左腕には、この日朝に帰阪した近本のリストバンドをつけて懸命にプレーした。「(自分から)貸してって。(近本離脱も)自分のやることは変わらない。それを継続してできるようにというだけです」。右肋骨(ろっこつ)骨折で無念の離脱となった同期の思いを背負い、チームの窮地を救う。
◆見舞われた先制パンチによるダメージはあまりにも大きく、立ち直ることができなかった。西勇が一回にいきなり5点を失うなど、7安打を浴びて今季ワーストタイとなる6失点の炎上。わずか3回でKOとなり、2軍降格が決まった。「(チームの)力になれへんかったことが全てかな」申し訳なさを胸に抱え、言葉少なに帰りのバスへと乗り込んだ。立ち上がりに菊池&野間の連打と犠打で招いた1死二、三塁で、4番・西川に浮いたチェンジアップを右前に運ばれて先制の2点を献上。この一打だけで耐えておきたかったが、2死後に四球を与えて再び走者を2人背負うと、田中には右翼への3ランを被弾した。試合の形勢は鯉に大きく傾き、三回にも1失点...。四回以降のマウンドに上がることはできなかった。今季5敗目(5勝)を喫し、自身の連勝と、昨年7月6日(甲子園)から続いていた広島戦での連勝が、ともに「3」でストップ。岡田監督は「ずうっと悪かったからな。打線の援護があったからな、西のときは」と首をかしげると、右腕の今後については「抹消するよ、そんなもん。投げさせられへんやん」と明言した。交流戦後のローテ再編では先発陣の軸となる6連戦の初戦となる火曜の先発を任せたが、今回の炎上劇で腹を決めた。右肋骨の骨折でこの日に登録を抹消された攻撃の柱の近本に続き、チーム最年長で投手陣の精神的な支柱でもある西勇も戦列を離れる事態。代役はこの日のウエスタン・ソフトバンク戦で7回2失点だった秋山や、D6位・富田(三菱自動車岡崎)らが候補になる。9日のヤクルト戦(甲子園)では青柳が1軍復帰する予定ではあるが、チームのために投げ続ける決意を明かす西勇の存在も欠かせない。再び信頼を得るために、「アレ」への力となるために、32歳のベテランは汗を流す。(須藤佳裕)
◆非常事態や! 阪神は敵地で広島に1-9と大敗。試合前、近本光司外野手(28)が右肋骨(ろっこつ)骨折のため出場選手登録を外れた。走攻守でのキーマンの離脱は大きな痛手で、岡田彰布監督(65)は予定を早めて5日に佐藤輝明内野手(24)を1軍へ昇格させることを決断。苦境の打破へ、投打で大幅な入れ替えを敢行する。頼りになりすぎる男がいなくなり、虎は広島で見るも無残な大敗を喫した。試合前には近本が右肋骨の骨折で登録抹消という衝撃がチームに走り、暗雲が垂れ込めた。岡田監督も最後まで出場の可能性を模索したが断念。こんなとき光を灯せるのは佐藤輝しかいない。緊急昇格で苦境を吹き飛ばす。「そらもう、しゃあないやんか、それは。デッドボールやからな。そこまで(骨折)は想定してないけど」主に1番を務めてきた虎のヒットメーカーは、2日の巨人戦(東京ドーム)の七回、左腕・高梨から右脇腹付近に死球を受け、その場に倒れ込んで苦悶(くもん)の表情を浮かべた。その後プレーを続けてフル出場したが、痛みをこらえるような場面もあった。3日に兵庫県内の病院で診察を受け、出場の望みをかけて新幹線で広島入り。状態を見極めたが、無念の離脱となった。岡田監督は「昨日(3日)で骨折は分かっとったけどな。でも、まだちょっと動けるみたいで、もう一回様子見い言うたんやけどなあ、今日はもうあかんかったなあ」と抹消までの経緯を明かした。球場入りの際には「骨折やから、しゃあない」と変えようのない事実を受け止めていた。近本は試合前に1軍本隊を離れ、帰阪した。オールスターのファン投票で両リーグ最多票を獲得したチームの顔-。今季は2日までの全73試合にフル出場し、打率・275、4本塁打、35打点、12盗塁をマークし、得点圏打率・404(57打数23安打)という勝負強さも発揮。堅実な中堅守備も加えて走攻守で虎をけん引してきたが、痛すぎるアクシデントだ。
◆マツダスタジアムに足を運んだ虎党を代弁して本日は叫ばせてもらうわ。「西勇輝、入場料返せー!!」。ヨーイドンの一回、いきなりサンドバッグの5失点。30分でジ・エンドはないやろー!!ちゅ~か、こんなもん数学やろー!! 『ほとんど変化球しか投げない投手西勇』+『ほとんどアウトコースしか要求しない捕手梅野』=『外角に的を絞り、踏み込んでコンパクトに打ち返してヒット』。ただそれだけのことやんかー!なぜ、西勇はそこまでストレートを放らんのや!? 年齢的に限界? 変化球の放り過ぎで直球を投げるのが怖くなった? 野球界には『困ったときのストレート』という言葉があるのを忘れてるんとちゃうかー!! それでも、ローテーションを守ってくれるのは腐っても西勇(スマン!)。貴重なのだ!! それより...、ハ~ア、近本骨折ってそんな殺生な...。かくなる上は猛虎打線一丸となってだけど、その力はないし...。スマン、阪神投手陣、残り69試合無失点でお願いするわー!
◆こんな日だから、西勇の快投を期待していたんだけれどなぁ。「それはないよ!」の一回いきなり5失点。悲しい知らせで、ただでさえ元気をなくしているのに、傷口に塩を塗るような大乱調だった。それにしても...。岡田阪神にとって最悪のニュースだ。叱られるのを承知で書くなら、エースがいなくなるより、守護神がいなくなるより、4番打者がいなくなるより、近本の不在は痛い。考えたくない。試合前、編集局に電話をしたら、デスク長友孝輔が出てきた。「社内でも不安そうな声が飛び交ってますよ。まず、誰がセンターを守るんだろうと話題になってます」そうなのだ。単に近本という選手が不在になるだけではない。1番打者の代役は誰なんだろうか? 扇の要として外野のリーダーを務めるのは誰なんだろうか? なにより、先頭に立ってチームを引っ張ってくれるのは誰なんだろうか?中野とともに開幕から73試合目まで、フルイニング出場を続けてきた「令和の鉄人」でもある。過去にコロナ禍で休んだ時期はあったが、入団以来、ほとんど休みなくプレーし続けてきたスピードスター。言ってみれば、2003、05年の優勝に最も貢献した「鉄人・金本知憲」がある日突然、いなくなったようなものだ。「アレ」を目指してひた走ってきた岡田阪神にとって、このシナリオは想定外では済まされない。08年。優勝へ向かってひた走っていた岡田阪神を襲ったのが、今やカープの指揮官となっている主砲・新井の故障離脱だった。まさかの失速。そして悪夢のV逸。試合前のメンバー表交換で新井監督の姿を見つけて、悔しすぎるあの年とダブらせた虎党も多かったのでは。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
41 | 30 | 3 | 0.577 (↓0.009) | - (-) |
69 | 279 (+1) | 227 (+9) | 37 (+1) | 39 (-) |
0.239 (↑0.001) | 2.830 (↓0.09) |
2 (-) |
DeNA |
39 | 31 | 2 | 0.557 (↓0.008) | 1.5 (-) |
71 | 284 (+3) | 253 (+4) | 52 (-) | 17 (-) |
0.258 (-) | 3.300 (↓0.01) |
3 (-) |
広島 |
40 | 34 | 0 | 0.541 (↑0.007) | 2.5 (↑1) |
69 | 270 (+9) | 255 (+1) | 49 (+2) | 37 (-) |
0.250 (↑0.002) | 3.160 (↑0.03) |
4 (-) |
巨人 |
37 | 35 | 1 | 0.514 (↑0.007) | 4.5 (↑1) |
70 | 266 (+5) | 272 (+1) | 84 (+2) | 22 (-) |
0.250 (-) | 3.610 (↑0.04) |
5 (-) |
ヤクルト |
29 | 42 | 2 | 0.408 (↑0.008) | 12 (↑1) |
70 | 252 (+4) | 283 (+3) | 61 (-) | 34 (+1) |
0.233 (↑0.001) | 3.660 (↑0.03) |
6 (-) |
中日 |
28 | 44 | 2 | 0.389 (↓0.005) | 13.5 (-) |
69 | 199 (+1) | 245 (+5) | 31 (-) | 22 (-) |
0.235 (↓0.001) | 2.910 (↓0.03) |
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