巨人(2対2)阪神 =リーグ戦11回戦(2023.07.02)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【巨人】ブリンソン(6号・1回裏ソロ),秋広 優人(5号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点ビハインドで迎えた4回表、ミエセスの押し出し死球と木浪の適時打で2点を挙げ、逆転に成功する。対する巨人はその裏、秋広のソロが飛び出し、同点とした。その後は両軍の投手陣が延長12回まで相手に得点を許さず、試合は規定により引き分けに終わった。

◆巨人梶谷隆幸外野手(34)が1軍に昇格した。6月は15日西武戦でサヨナラ打を放つなど打率3割3分3厘をマークしていたが、交流戦後の同21日に出場選手登録を抹消され、ファームで再調整していた。前日1日イースタン・リーグ日本ハム戦は3打数1安打だった。増田大輝外野手(29)が出場選手登録を抹消された。

◆スタメンが発表され、阪神前川右京外野手(20)が7試合ぶりにスタメンから外れた。「5番三塁」で渡辺諒、「6番右翼」ではミエセスが出場。相手先発の左腕メンデスに対し、3番ノイジーから7番梅野まで右打者の野手が5人並ぶオーダーとなった。

◆巨人梶谷隆幸外野手(34)が1軍昇格即「6番左翼」でスタメンに名を連ねた。6月は15日西武戦でサヨナラ打を放つなど打率3割3分3厘をマークしていた。同21日に出場選手登録を抹消され、ファームで再調整を経て、1軍復帰した。「3番一塁」には秋広優人内野手(20)が起用され、中田翔内野手(34)は6月3日日本ハム戦以来、1カ月ぶりのベンチスタートになった。

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(29)が来日後初の1番起用に初球から満点回答した。1回先頭の初球、阪神才木の149キロ外角直球を捉えた。右翼席ギリギリに飛び込む約1カ月ぶりの6号ソロ。「1番打者としてチームに勢いをつけようと思い、積極的にいきました。最高の結果になって興奮しているよ」という初球先頭打者本塁打で先制に成功した。ベンチに戻ると、ナインとハイテンションでハイタッチし、ウォーカーと定番の"バスケパフォ"を披露。喜びを爆発させた。6月には不振の影響で一時は2軍生活を送ったが、昇格後は3試合連続安打。前日1日の同戦では完封負けを喫した巨人打線に勢いをもたらし、リードオフマン起用に応えた。【本塁打詳細】飛距離=109メートル打球速度=161キロ角度=39度

◆阪神先発の才木浩人投手(24)をナインが好守でもり立てた。初回先頭の巨人ブリンソンに初球を先頭打者弾にされた。その直後だ。2番丸の左前打を左翼ノイジーが素早く処理。二塁へノーバウンドのストライク送球を決め、二塁を狙った丸をタッチアウトに仕留めた。さらに1死から、3番秋広の打球は二塁ベース右へ。中前に抜けそうな当たりを二塁中野が逆シングルでキャッチし、一塁送球。一塁大山は腕を伸ばしてすくい上げ、アウトをもぎ取った。先制点を献上した直後、隙のない守備で虎が立て直した。

◆阪神がヨハン・ミエセス外野手(27)の押し出し死球で同点に追いついた。1点ビハインドの4回1死満塁。2ストライクと追い込まれてから、巨人メンデスの変化球が左足のつま先付近に直撃した。そのまま本塁に倒れ込むと、三塁側ベンチの岡田彰布監督(65)は思わず苦笑い。すぐさま起き上がり、一塁へと向かった。ミエセスが体を張り試合を振り出しに戻した。試合後は「自分でコントロールできるところではないけど、1点入るってことはいいこと。結果としてはよかった」と胸を張った。

◆巨人秋広優人内野手(20)が同点の5号ソロを放った。1点を追う4回先頭、阪神才木の2球目150キロ直球を芯で捉えた。打球角度20度のライナーで右翼席に運んだ。逆転された直後、一振りで試合を振り出しに戻した。5月28日阪神戦以来、約1カ月ぶりとなる本塁打。この時も相手投手は才木だった。同じ右腕からアーチを描いた。「打ったのは真っすぐです。早いカウントから積極的に仕掛けていく事ができました。最高の結果になってよかったです」と喜んだ。【本塁打詳細】飛距離=122メートル打球速度=170キロ角度=20度

◆/若手のホープから背負う男へ\完全に3番に定着した秋広優人が第5号同点ホームラン?プロ野球(2023/7/2)??巨人×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#giants pic.twitter.com/VS0yQCKp1S

◆阪神近本光司外野手(28)への死球に東京ドームの虎党が騒然とした。同点の7回1死一、三塁。代わったばかりの巨人2番手高梨の初球、146キロが右脇腹付近に直撃した。近本はうずくまり、場内がざわついた。トレーナーが駆け寄るも、そのまま一塁へと向かった。チームは1死満塁の好機を生かせず、無得点に終わった。試合後は死球について多くは語らなかったものの、フル出場を果たしてみせた。直後の7回裏の守備では、フェンスに激突しながらの好捕でチームを救った。「(死球と好捕は)それは関係ないんで」と、影響を感じさせずにプレーし続けた。

◆"フェンス際の魔術師"がチームを救った。阪神近本光司外野手(28)が中堅守備でファインプレーを決めた。同点の7回1死、巨人吉川の左中間への飛球に猛ダッシュ。最後はグラブを伸ばし、小さくジャンプしながらキャッチ。フェンスに激突してもボールは離さなかった。直前の7回の攻撃では右脇腹付近に死球を受け、もん絶していた。その影響を感じさせない軽やかなプレー。Twitterでは「近本さん大丈夫か」「近本史上一番やばいプレー」など、心配と絶賛の声が相次いだ。

◆巨人が延長12回の熱戦の末、今季初の引き分けに終わった。「伝統の一戦」での今季初のカード勝ち越しとはならなかった。来日後初の1番起用となったブリンソン外野手の初球先頭打者本塁打から幕を開けた。4回に先発のメンデスが押し出し死球と適時打で2点を失って逆転されるも、直後の4回だった。先頭の秋広が阪神才木から1カ月ぶりとなる5号ソロを右中間席に運び、試合を振り出しに戻した。7回には1死満塁のピンチを招くも、高梨、鈴木康が無失点でしのいだ。8回をビーディ、9回と延長10回を中川、延長11回を三上、延長12回を大江でつなぎ、阪神打線を封じるも打線が5安打に封じられた。1点が遠いまま痛み分けで3連戦は1勝1敗1分となった。

◆/延長12回の熱戦はドロー\2死一、二塁のピンチを招くも最後は岩崎優が締めゲームセット?プロ野球(2023/7/2)??巨人×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/OQs5CKIUpl

◆/恒例のジャンプシュートも決まった\これで3試合連続ヒットブリンソンが先頭打者ホームラン?プロ野球(2023/7/2)??巨人×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#giants pic.twitter.com/OfyXXZkfde

◆巨人ヨアンデル・メンデス投手(28)は来日最多の107球も2勝目はならなかった。ブリンソンの先頭打者弾で援護をもらい、初回から152キロを計測するなど飛ばした。力強いストレートを軸に低めにスライダーを集めた。悔やむのは4回。先頭中野に一塁線を破られる二塁打を許すと、3四死球と制球が乱れ、さらに右前適時打を許した。それでも6月13日西武戦の96球を上回る107球。7回途中まで4安打8奪三振の2失点で試合を作った。「何とか粘りの投球はできたと思います。欲を言えば、リードを保って、リリーフにバトンを渡したかったですが、最低限の仕事はできたと思います」と先発の役目は果たした。

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(29)が来日後初の1番起用に初球から満点回答した。1回先頭の初球、阪神才木の149キロ外角直球を捉えた。右翼席ギリギリに飛び込む約1カ月ぶりの6号ソロ。「1番打者としてチームに勢いをつけようと思い、積極的にいきました。最高の結果になって興奮しているよ」という初球先頭打者本塁打で先制に成功した。ブリンソンが来日初の先頭打者アーチ。これで今季の巨人で先頭打者本塁打を打ったのはオコエ、広岡、丸、坂本に次いで5人目。シーズンにチームの5人が先頭打者本塁打を打つのは最多タイで、89年ロッテ(高橋、高沢、西村、佐藤健、横田)と14年広島(丸、天谷、堂林、ロサリオ、鈴木誠)に次ぎ3度目。

◆巨人がド派手な幕開けも、最後は痛み分けのドローに終わった。初めて1番起用したブリンソンが、初球先頭打者本塁打の立ち上がり。1点勝ち越された4回には、3番秋広が約1カ月ぶりの5号ソロで追い付いた。一進一退の攻防もソロ2発2得点止まり。延長12回引き分けで、伝統の一戦を1勝1敗1分けで終え、原監督は「タイガースの投手陣を、相変わらずなかなか打てていないというところですね」と、勝ちきれず悔しさをにじませた。負けがなくなった延長12回、1死一、二塁からウォーカー、中田翔の代打攻勢も2者連続空振り三振。2日前に続くサヨナラ劇とはならなかった。相手の継投策を打ち崩せず、7回以降は無安打の0行進。「タイガース、それにカープ。もう少し1人1人がしっかり対応するところを見せていかないと」。今季それぞれ4つ負け越している阪神、広島の攻略策を模索した。坂本が負傷離脱後は、1番起用はブリンソンが4人目だった。原監督は「1番バッターというのはウチの課題でもある。(坂本)勇人が固まりつつあったので彼(ブリンソン)が救世主になってくれればいいですね」と試行錯誤しながら勝ちに結び付けていく。【栗田成芳】○...中川が2回をパーフェクト投球で封じた。9回から5番手で登板。先頭木浪を空振り三振に仕留めるなど3者凡退に抑えると、続投した10回も走者を許さず。「次につなぐ気持ちでマウンドに上がった。先頭打者を特に意識して投球できている事が、結果につながっていると思う」と11試合連続無失点となった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合後、5回2失点だった先発才木浩人投手(24)を、リフレッシュのため2軍再調整させることを示唆した。「ちょっと1回飛ばすかも分からんな。ちょっと1回間隔を空けて。まあずっと中6投げとったからな」。出場選手登録を1度抹消し、登板間隔を空けるとみられる。交流戦後のローテーション再編で他の先発陣は6日以上の登板間隔が空いたが、才木は変わらず日曜日の登板を継続。5月21日広島戦(甲子園)から中6日の先発登板が続いていた。この日は初回から1番ブリンソンの先頭弾で先制を許すと、4回には3番秋広に1発を浴びた。いずれのイニングも最少失点で抑えたが、5回4安打2失点で降板となった。

◆阪神石井大智投手(25)が、キャリアハイをさらに更新する今季20試合目の登板を無失点で終えた。同点の8回に3番手で登板。代打若林、1番ブリンソン、2番丸を3人で片付けた。これで4試合連続無失点。防御率は0・84に良化した。「本当に1発のあるバッター、1発のある球場なので。慎重に投げた結果がよかったかなと思います」と、冷静に分析した。5月中旬に「腰痛」のため2軍再調整となったが、6月17日のソフトバンク戦で1軍復帰登板してからはフル回転している。

◆阪神が延長12回までもつれた巨人との伝統の一戦を執念のドローに持ち込んだ。6回から継投したリリーフ陣6人が無失点リレーでつなぎ、守備陣も好守連発で相手に流れを渡さなかった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-リリーフ陣が6回から踏ん張った「そやなあ、まあ明日試合ないからな。そういう意味ではつぎ込めたけどな」-最後の岩崎の四球は以前に言ったような慎重な投球「そうやな、あれはな。『やばい』と思ったらあいつは歩かせとる。うまいこと。まあそういうゲーム展開やからな。絶対に1点もやれんっていう、展開が展開やもんな」-K・ケラー、馬場は久々の登板で抑えた。「ずっとな、1回ちょっと間隔が空いたから変なピッチングがあったけど、これからはどんどんこれを使っていかなあかんと思うよ」-才木は内容を見て交代「いやーあんまり良くないよな。ボールも甘いしな。ちょっと1回飛ばすかもわからんな。ちょっと1回間隔を空けて。まあずっと中6投げとったからな」-疲れも出てきている「うん、ちょっとあるかも分からんなあ。そんなストレートも走ってないよな、やっぱりなあ」-ストレートが走ってたらフォークも「そうやけどなあ。やっぱり150とか数字は出てるけど、バッターからしたらそれほどでもないんやろなあ、あれなあ、打席の中でなあ。ちょっと間隔空けてもええよなあ」-初回の守備が大きかった「いやいや、大きかった、大きかった。もうなあ、いきなりお前ヒット、ヒットやもんなあ。ヒット、ヒット、ヒットまでいくとこやったもんなあ」-守りも引き締まって中継ぎも踏ん張った。いい試合だった「いやいや、そらええ試合やろ。そらなあ、ええ試合やわ。もったいないなあ、こんなゲームはなかなか見れへんと思うで」-引き分け以上の価値はあった「まあ、どうやろ。まあ、序盤はようしのいだけどな。まあ、ちょっと中盤ぐらいで今度はこっちがチャンスあったけどのう。そこで点を取れんかったっていうのもあるし、まあ、五分五分か。しゃあない、五分五分で」-逆に、相手のリリーフも踏ん張った「そらなあ、負けられないいうのはなあ、そらヒシヒシと感じとったし、まあ、いいゲームやったんちゃう、ほんとに。見応えのあるな」-3日間、原監督と接戦を「最後は疲れたわぁ。もうちょい早よ終わるはずやったのになあ(笑い)」

◆満塁男や! 阪神木浪が一時勝ち越しの一打を放った。ミエセスの押し出し死球で同点に追いついた4回2死満塁。左腕メンデスの外角スライダーを捉え、右前適時打とした。「みんなでつないだチャンスだったので、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていた。うまく打つことができたと思う」。自画自賛の一打は、結果的にドローとなった一戦に欠かせなかった。これで、満塁機では今季8打数4安打7打点。犠飛も1度あり、勝負強さが際立つ。「(走者を)かえすというより、つなぐ方が強いですね、気持ち的には」とフォア・ザ・チームの精神を徹底。「その気持ちがいい方向にいっているので、これからもそういう感じでいきたい」。恐怖の8番は、これからもしぶとい一撃を繰り出すつもりだ。この一打が7月初安打にもなった。4、5月は打率3割をクリア。6月は打率2割6分6厘と下降気味だったが、また再スタートを切った。

◆阪神が延長12回までもつれた巨人との伝統の一戦を執念のドローに持ち込んだ。6回から継投したリリーフ陣6人が無失点リレーでつなぎ、守備陣も好守連発で相手に流れを渡さなかった。カード勝ち越しならずもナインの戦いぶりに岡田彰布監督(65)も「ええ試合やろ。こんなゲームなかなか見れへん」とご満悦だ。球宴前の前半戦は勝率5割以上でターンすることが確定した。耐えて、踏ん張って、負けなかった。序盤で点を取り合い2-2のまま延長戦に突入。両軍譲らず無失策で、中継ぎ陣が0行進の継投を続け、今季3度目のドローに持ち込んだ。約1カ月ぶりの連勝とはならなかったが、最後まで引き締まったゲームに岡田監督は「いやいや、そらええ試合やろ。こんなゲームはなかなか見れへんと思うで」と、白い歯をこぼした。美守連発で流れを引き渡さなかった。先発才木が初回にブリンソンに右中間への先頭打者弾を浴び、2番丸に左中間へのヒットを浴びたが、左翼手ノイジーが二塁へノーバウンドのレーザービームで補殺。1死から秋広の二遊間へのゴロは二塁手中野が逆シングルで捕球し、すかさず一塁へ送球。出塁を許さなかった。指揮官は「ヒット、ヒット、ヒットまでいくとこやったもんなあ。大きかった、大きかった」と絶賛。7回にも中堅近本が、吉川の打球をフェンス激突で捕球する好プレーが飛び出した。リリーフ陣も必死のパッチで無失点でつないだ。6回島本は2回1安打無失点。その後石井、岩貞、K・ケラー、馬場が1イニング無失点で抑え込んだ。延長12回は守護神岩崎が登板。「ホームランでも終わってしまう」と1発警戒で低めにボールを集め2つの四球を与えたが、1死一、二塁から代打ウォーカー、中田翔を空振り三振に斬り、最後を締めた。指揮官は「(岩崎は)ヤバイと思ったら歩かせとる、うまいこと。絶対に1点もやれんっていうゲーム展開やからな」と熟練の技にうなずいた。巨人の中継ぎ陣も踏ん張っただけに「負けられないいうのはそらヒシヒシと感じとったし、まあ、いいゲームやったんちゃう、ほんとに。見応えのあるな」とニヤリ。原巨人との3連戦は接戦続きの1勝1敗1分けで終え、「最後は疲れたわあ。もうちょい早よ終わるはずやったのになあ」と苦笑いで引き揚げた。総力戦による執念ドローで、球宴前の前半戦は勝率5割以上でのターンが確定した。1日休みを挟んで4日からは敵地広島3連戦に向かう。久々の連勝街道といきたい。【古財稜明】▽阪神島本(6回から2番手で登板し2イニング無失点) いつも次のリリーフにつなぐっていう気持ちでやっているので、ゼロでつなげてよかったです。▽阪神石井(7回から3番手で登板し1イニング無失点) 3人で終われたのはよかったし、1発のある球場なので、慎重に投げた結果がよかった。▽阪神岩貞(9回から4番手で登板し1イニング無失点) 勝ちたかったけど、これからにつながるような戦い方だったと思います。▽阪神K・ケラー(延長10回から5番手で登板し1イニング無失点) ブルペンみんなが良い仕事してくれたので、流れに乗って攻撃にリズムを持ってこられるような投球を心掛けたよ。▽阪神馬場(延長11回から6番手で登板し1イニング無失点) 丁寧に低めに投げられた。今年から緩急を使った投球を意識している。それが出せたのか大きかった。

◆ミエちゃんが指揮官を笑顔にした。「6番右翼」で出場した阪神ヨハン・ミエセス外野手(27)が、押し出し死球を含む3打数2安打1打点とハッスルプレーで存在感を見せた。1点を追う4回1死満塁。先発左腕メンデスに2球で追い込まれた3球目だった。134キロの低め変化球が自身へ向かって鋭く曲がる。必死によけるも左足のつま先に当たる押し出し死球となった。「自分でコントロールできるところではないですけど、1点入ることはいいことだった」。岡田監督はグラウンドに一時うつぶせ状態となった助っ人に苦笑い。その後、自力で一塁へ走って向かった。バットでも笑顔を呼んだ。2回の第1打席で中前打を放つと、8回には右中間真っ二つの安打で出塁した。深い打球に大きなオーバーランで二塁を狙おうとしたが、返球を見て帰塁。単打となったが、果敢に進塁を狙った助っ人の姿勢に、ここでも指揮官の白い歯がこぼれた。6月28日中日戦(甲子園)以来、4試合ぶりとなる先発出場。6月7日楽天戦(楽天モバイルパーク)以来、今季3度目となるマルチ安打となった。チームが放った5安打のうち2安打を記録。「毎日やっていくだけ。その中で結果が出てくれたらいいですけど、準備している段階で結果が出る。引き続き準備していきたい」。陽気な助っ人の全力プレーが、チームの雰囲気をさらに盛り上げる。【波部俊之介】○...近本が死球の痛みに耐えファインプレーを決めた。同点の7回1死一、三塁。代わったばかりの巨人高梨の146キロが右脇腹付近に直撃した。うずくまりトレーナーが駆け寄るも、そのまま一塁へと向かった。直後の守備では吉川の左中間への打球をフェンスに激突しながら好捕。試合後は死球について多くは語らなかったもののフル出場を果たし、問題なしを強調した。「(死球と好捕は)それは関係ないんで」と、影響を感じさせずにプレーし続けた。

◆阪神才木浩人投手(24)は5回4安打2失点で勝ち負けつかず降板となった。初回、ブリンソンに初球をたたかれ先制先頭打者弾を被弾。勝ち越した直後の4回には前回対戦時に被弾している3番秋広に同点ソロを浴びた。「点を取ってもらった後に同点にされたのは、先発としてもったいないというか、防がないといけないところだった」と、秋広の1発を悔やんだ。1試合2被弾は今季初。6月18日ソフトバンク戦(甲子園)から、3戦連続の5回降板となった。今後は一度出場選手登録を抹消される方針。安藤投手コーチは「リフレッシュさせるつもり」と話した。〇...阪神ノイジーが強肩で先発才木を救った。初回、2番丸の左前打を素早く処理。二塁へノーバウンドのストライク送球を決め、丸をタッチアウトに仕留めた。「外野手としての仕事をやっただけです」と冷静。「いつでも捕った瞬間にランナーをアウトにする意識でやっています」と明かした。7回2死満塁で空振り三振に倒れるなど、打撃では4打数無安打。9日ぶりに3番でスタメンだったが振るわなかった。〇...阪神中野が好守&4試合連続安打で存在感を示した。初回に秋広のセンターへ抜けそうな当たりを逆シングルでキャッチし、素早く一塁送球。ブリンソンに先頭打者弾を浴びた先発才木を救った。「流れがあまりよくなかった中でいいプレーができたのはよかった」とうなずいた。4回先頭では一塁線を破る二塁打。この回2得点の起点となった。一方で7回1死満塁では遊飛に倒れ「チャンスで打てなかったので、そこは反省」と唇をかんだ。

◆巨人の新外国人、ルイス・ブリンソン外野手(29)が来日初の1番に名を連ねた。出場選手登録された梶谷隆幸外野手(34)が6番に入り、中田翔内野手(34)が先発を外れた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は才木浩人投手(24)が先発する。6月11日の日本ハム戦(エスコン)以来、自己最多タイとなる6勝目を目指す。野手ではノイジー、ミエセスの両外国人が6月16日のソフトバンク戦(甲子園)以来の同時先発になった。

◆阪神の先発・才木浩人投手(24)が一回、先頭の巨人・ブリンソンに初球を右翼スタンドに運ばれた。外角に投じた149キロ直球を捉えられ、打球はふらふらと伸びてスタンドの最前列に届いた。わずか1球で先制を許したが、後続はバックの好守備で断った。続く丸の打球は左前に落ちたが、ノイジーが二塁を狙う打者走者を好返球でアウトに。1死から秋広が二遊間に放った打球は中野が追いつき、こちらもアウトを取った。才木は4番・岡本和を空振り三振に抑え、なんとか最少失点で初回を乗り切った。

◆巨人の新外国人、ルイス・ブリンソン外野手(29)が来日初の1番に名を連ね、一回に先頭打者本塁打となる先制の6号ソロを放った。才木が外角に投じた初球、149キロの直球を捉え、右翼席に運んだ。「1番打者としてチームに勢いをつけようと思い積極的にいった。最高の結果になって興奮している」と声を弾ませた。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)が勝ち越し打を放った。0―1の四回、中野の右翼線二塁打と2四球で1死満塁と好機を迎え、ミエセスが打席に立った。巨人先発・メンデスの3球目が左足つま先に直撃し、押し出し死球で同点に追いついた。なおも満塁で梅野は三ゴロの本塁併殺崩れに倒れたが、続く木浪はカウント1―1からの変化球を右前へ運び、勝ち越しに成功した。試合前の時点で巨人戦打率・333(33打数11安打)と好相性の木浪が勝負強さを発揮し、逆転に貢献した。

◆阪神の先発・才木浩人投手(24)は2―1の四回、巨人・秋広に同点ソロ本塁打を浴びた。味方が逆転した直後の四回、先頭打者にすぐさま同点弾を喫した。2球目に投じた外角の150キロ直球をフルスイングされ、打球はライナーで右翼スタンドへ。才木は打球の行方を見届け、マウンド上で悔しがった。秋広には5月28日の試合(甲子園)でも本塁打を許しており、相性の悪い相手にまたも捉えられた。さらに1死から大城卓が左前打、梶谷が死球で一、二塁のピンチを招くも、続く吉川尚のライナー性の打球を大山がジャンピングキャッチ。飛び出した一走もアウトになり、なんとか1失点で切り抜けた。

◆巨人・秋広優人内野手(20)が1点を追う五回先頭で右中間席へ同点の5号ソロを放った。1ストライクから外寄り150キロの直球を捉え、5月28日の阪神戦(甲子園)以来94打席ぶりの一発。「早いカウントから積極的に仕掛けていくことができた。最高の結果になってよかった」と振り返った。

◆阪神は満塁機を生かせず、勝ち越しできなかった。2―2の七回、四球と安打などで1死一、三塁と好機を作る。ここで巨人ベンチは先発のメンデスに代えて、高梨にスイッチ。近本は初球のシュートが右脇腹に直撃し、死球。その場でしゃがみ込んでもん絶し、トレーナーが駆け寄ったが、プレーを続行した。満塁で打席を迎えた中野は遊飛に打ち取られ、相手は2番手・高梨から鈴木に投手交代した。ここでこの日、2打数無安打のノイジーが打席へ。しかし、153キロに空振り三振に倒れてチャンスを生かすことはできなかった。死球を受けた近本はプレー続行し、中堅の守備に就いた。

◆巨人のタイラー・ビーディ投手(30)が同点の八回に4番手で登板し、無失点に封じた。これでリリーフ転向後は6試合連続無失点(すべて1回無失点)と安定感を見せている。最速155キロを計測した直球とカーブ、チェンジアップで緩急をつけ、先頭の大山を左飛、代打・前川を空振り三振。続くミエセスに右前打を許すも、梅野を遊ゴロに仕留めた。ビーディは来日1年目の助っ人としては球団史上初の開幕投手を務めたが、0勝4敗と振るわず2軍降格。心機一転、救援に転向し、6月9日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)以来まだ失点許しておらず、『八回の男』として好投を続けている。

◆阪神は巨人と引き分け、カード勝ち越しを逃した。先発した才木浩人投手(24)は一回、先頭のブリンソンに初球を右翼スタンドまで運ばれて失点。味方が2点を取って逆転した直後の四回も秋広にソロ本塁打を浴び、5回2失点でマウンドを降りた。島本、石井、岩貞が六回から九回を無失点でつないだ。打線は0-1の四回、1死満塁でミエセスが死球を受けて同点。なおも2死満塁で木浪が変化球を右前へ運び、勝ち越しに成功した。2-2の七回も満塁のチャンスを作ったが得点はならず。試合は延長に突入した。 十回のK・ケラー、十一回の馬場も無失点に抑えたが、打線は延長に入ってノーヒットで無得点。十二回は岩崎が窮地をしのいで今季3度目の引き分けとなった。

◆打線が決め手を欠いて引き分けた。阪神は1点を追う四回に押し出し死球と木浪の適時打で逆転した。巨人は四回に秋広のソロで追い付いた。阪神は七回の好機を生かせず、巨人も五回以降は1安打と本塁が遠かった。

◆巨人は7投手を起用し、引き分けに持ち込んだ。同点の九回から登板した中川皓太投手(29)は2回を打者6人でシャットアウト。最速148キロの直球と切れ味鋭いスライダーで付け入る隙を与えず、「先頭打者は特に意識して投球できていることが結果につながっている」と振り返った。守護神の大勢がコンディション不良で不在の中、存在感を放った。「任されているところで自分の投球をするだけ」と頼もしかった。

◆巨人は今季初のドロー。今カードは1勝1敗1分けに終わった。1日の第2戦で零封負けを喫した打線は、この日も五回以降は1安打無得点。原辰徳監督(64)は悔しそうな表情で振り返った。「タイガースの投手陣を相変わらず、なかなか打てていないというところ。タイガース、カープ。この辺はしっかりと、もう少し一人ひとりが対応する。そういうものを見せないといけない」今季は負け越している2チーム(対阪神3勝7敗1分け、対広島4勝8敗)の名を挙げ、課題を挙げた。好投手がそろう阪神を相手に苦戦が続いており、阪神戦のチーム打率は・199と2割を切る事態となった。

◆阪神が今季3度目の延長十二回ドロー。四回、ヨハン・ミエセス外野手(27)の押し出し死球と木浪聖也内野手(29)の適時打で逆転したものの、直後に同点に追いつかれて、延長戦に突入。5安打に終わった打線は十回以降、ノーヒットだった。最終回は7番手の岩崎優投手(32)が1死一、二塁の窮地を招いたが、無失点に抑えた。阪神の延長戦成績は4勝2敗3分。2位DeNAが勝ったため、1・5差となった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=41勝29敗3分、観衆=4万1034人)。ーーリリーフ陣が六回から踏ん張った「明日試合ないからな。そういう意味では注ぎ込めたけどな」ーー最後の岩崎の四球は以前に言ったような慎重な投球(延長十二回1死二塁で長野に四球)「アレはな。ヤバいと思ったら、アイツは歩かせとる。うまいこと。そういうゲーム展開やからな。絶対に1点もやれんっていう展開が展開やもんな」ーーK・ケラー、馬場も抑えた(十回、十一回に登板)「ずっとな、1回ちょっと間隔が空いたから変なピッチングがあったけど、どんどんこれを使っていかなアカンと思うよ」ーー才木は内容を見て交代(5回76球2失点降板)「あんまり良くないよな。ボールも甘いしな。1回飛ばすかもわからんな。間隔を空けて。ずっと中6投げとったからな」ーー疲れも「ちょっとあるかも分からんなあ。そんなストレートも走ってないよな、やっぱりなあ」ーーストレートが走っていたらフォークも「やっぱり150とか数字は出てるけど、バッターからしたら、それほどでもないんやろな。打席の中で。間隔空けてもエエよな」ーー一回の守備が大きかった(先頭打者本塁打後、ノイジーが左前打を放った2番・丸の二進阻止。中野も3番・秋広の二遊間よりのゴロを好捕)「大きかった、大きかった。いきなりお前ヒット、ヒットやもんなあ。ヒット、ヒット、ヒットまで行くとこやったもんな」ーー守りも引き締まって中継ぎも踏ん張った。いい試合だった「そらエエ試合やろ。そらなあ、エエ試合やわ。もったいないなあ、こんなゲームはなかなか見れへんと思うで」ーー引き分け以上の価値はあった「どうやろ。序盤はようしのいだけどな。中盤ぐらいで今度はこっちがチャンスあったけどのう。そこで点を取れんかったっていうのもあるし、五分五分か。しゃあない、五分五分で」ーー逆に、相手のリリーフも踏ん張った「そらなあ、負けられない、いうのはな、ヒシヒシと感じとったし、いいゲームやったんちゃう? ホントに。見応えのあるな」ーー3日間、原監督と接戦を「最後は疲れたわぁ。もうちょい早よ終わるはずやったのになあ(笑)」

◆巨人・原辰徳監督(64)が試合後、新外国人のアルベルト・バルドナード投手(30)に「リリーバーとして一角を担ってくれたら。そのために彼は来ている」と期待を寄せた。米大リーグ、ナショナルズ傘下でプレーしたバルドナードは、196センチの救援左腕。パナマ代表として3月のWBCに出場し、2試合に登板した。この日の試合前に東京ドームで入団会見に臨み、その後1軍練習でキャッチボールなどを行った。週明けにもファームでシート打撃に登板する予定。「一日でも早く1軍で投げられるように」と決意を込めた。

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は5回67球で才木浩人投手(24)に交代を命じた岡田彰布監督(65)の心中を推察。理由は、巨人の強さを感じたからーとした。岡田監督の継投に入る決断力は見事というしかない。先発の才木を五回であっさりと交代させた。投球数は67。数字の上では、まだまだ投げられた。ただ2本の本塁打はいずれも真っすぐ。才木の調子を判断する上で目安になる球種であり、最も得意とする球を打たれたことは大きいと見たのではないか。四回、本塁打で追いつかれて、なお1死一、二塁のピンチ。吉川の一直が併殺となり勝ち越しは許さなかったが、打球コースが少しでも、ズレていれば適時打になっていても不思議ではない当たりだった。より近い位置、ベンチから見てみないと分からない「球のキレのなさ」があったのかもしれない。ローテの軸になる投手を同点の五回で交代させるのは勇気がいる。長いシーズンを考えて、少しでも引っ張りたくなるのが監督だ。決断できる背景には自慢の救援陣の存在がある。六回から島本が2イニング、3番手以降は5人が1イニングを投げて引き分けに持ち込んだ。改めて、阪神のストロングポイントが救援陣であることを証明した試合だ。〝総動員〟の理由の1つに、岡田監督が巨人の強さを感じたのではないか。この3連戦は結局1勝1敗1分。上位の阪神からすれば御の字の3連戦になった。3試合すべてが投手戦になり、エース菅野が戻って投手陣の整備ができてきたことを肌で感じたのが岡田監督だ。だからこそ継投に踏み切った。とはいえ、毎回、こんな起用はできない。特に7月は残り20試合すべてが屋外の球場。梅雨が明けておらず、投手には辛い時期。さらに雨天中止が予想され、飛び飛びの日程や、9月以降の過密日程などを考えると、救援陣は特に大事に使う必要がある。上位の差が縮まっており、岡田監督の手腕が問われる夏場の戦いになる。

◆阪神・近本光司外野手(28)が堅守で巨人の攻撃を阻んだ。走りながら打球の位置を測り、フェンス際で迷いなく飛びつく。激突しながらキャッチし、何食わぬ顔でボールを返した。「左バッターなので、基本は切れる打球。最後は(打球が)流れたので、それは雰囲気で(カバーした)」2―2の七回1死で、左中間を襲った吉川の打球に快足を飛ばした。左翼のノイジーの位置も確認して交錯も避け、捕球する好プレー。1点を争う展開で失点の芽を摘んだ。直前の七回1死一、三塁の打席では、右脇腹付近に死球を受けてうずくまった。試合終了までプレーしたが、試合後は影響について「ノーコメントで」と多くを語らず。ここまで全試合フル出場中のリードオフマンの無事が望まれる。(邨田直人)

◆「6番・右翼」で4試合ぶりに出場した阪神のヨハン・ミエセス外野手(27)が価値ある死球と2安打で気を吐いた。四回一死満塁でメンデスの変化球が左足のつま先に当たり、同点の押し出し死球。「自分でコントロールできることではないですけど、1点入ることはいいことなのでよかった」と振り返った。二回2死から中前打を放つと、八回2死でも中前打を放って起用に応えた。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が一回に好守を見せた。才木がブリンソンに先頭打者本塁打を許した直後、丸の打球が左前へ。一気に二塁を狙った丸を、素早い処理とノーバウンド送球でアウトに仕留めた。「外野手としての仕事を果たしただけ。いつでも捕った瞬間に、アウトにする意識でやっている」と涼しい顔。七回2死満塁で空振り三振に倒れるなど打撃では4打数無安打と苦しんだが、守備でチームを助けた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)は一回に好守で才木をもり立てた。1死から秋広が放った二遊間寄りの打球に追いつくと、外野方向に体を流されながらも一塁へワンバウンド送球。アウトを奪い、この回の最少失点に貢献した。「先頭打者ホームランを打たれて流れが良くなかったので、いいプレーで断ち切れたことは良かった」。打撃では四回に右翼へ二塁打を放って一時同点のホームを踏んだが、七回1死満塁では遊飛で凡退。「しっかりとチャンスで打てるようにやっていきたい」と唇をかんだ。

◆阪神・岩貞祐太投手(31)が同点の九回に4番手で登板し、執念の守備でピンチを切り抜けた。2死二塁で代打・長野の打球をグラブで一度弾いたが、すぐさまつかみ直すとワンバウンドで一塁へ投げてアウトにした。高めに投げた場合の〝暴投〟を防ぐ考えで「下に投げてセーフだったらまだ次があるので、そういう思いでした。勝ちたかったですけど、これからにつながるような戦い方だった」とうなずいた。

◆守護神の大勢がコンディション不良で離脱する中、中川が存在感を放った。同点の九回から登板し、2回を打者6人でピシャリ。「任されているところで自分の投球をするだけ」と頼もしかった。最速148キロの直球と切れ味鋭いスライダーを軸に付け入る隙を与えず、「先頭打者は特に意識して投球できていることが結果につながっている」とうなずいた。

◆エースが帰ってくる! 阪神は巨人と延長十二回の末、2-2で引き分けた。2被弾した先発の才木浩人投手(24)を、岡田彰布監督(65)は疲労も考慮し抹消することを示唆。代わって、この日のウエスタン・オリックス戦(甲子園)で5回無失点の好投を見せた青柳晃洋投手(29)が1軍復帰する運びとなった。2位のDeNAとは1・5ゲーム差。はい上がってきた男が、チームにもう一度勢いを与える。勝てなかったが、負けなかった。リリーフ陣が踏ん張り延長十二回ドロー。岡田監督は「ええ試合やわ。こんなゲームはなかなか見られへんと思うで」と振り返ると、5回2失点で降板させた先発・才木を出場選手登録から抹消するプランを明かした。「ボールも甘いしな。1回、飛ばすかもわからんな。ちょっと間隔を空けて。ずっと中6(日)で投げとったからな」一回にはブリンソンに先頭打者弾を、味方が逆転した直後の四回には秋広に同点弾を浴びた。五回を終え2-2の同点で投球数も67球だったが、虎将はベンチを立った。そして、試合後には5月上旬に続き今季2度目の〝リフレッシュ抹消〟の検討に入った。才木を一旦外しても、と指揮官が思えたのは、不調で2軍降格中のエース、青柳のことが頭にあったからだ。デーゲームだった巨人戦の試合前、自ら切り出し「きょうは青柳がどんなピッチングをするかやな」と期待を語っていた。そして「ボコボコだったら(1軍に)上げへんよ、そんなん」とも話していた。そしてナイターの2軍戦で、青柳が降格後5度目の登板でウエスタン・オリックス戦(甲子園)に先発。結果はボコボコにされるどころか、5回を投げて2安打無失点。虎将を納得させる投球でノルマをクリアし、9日のヤクルト戦(甲子園)の先発として、約2カ月ぶりに1軍復帰することが決定的となった。

◆阪神・近本光司外野手(28)が2日、巨人戦(東京ドーム)の七回に右脇腹付近へ死球を受けた。その後もプレーを続けフル出場したが、3日にも検査を受けるとみられ、重傷と診断される可能性も出てきた。2-2の七回1死一、三塁で左腕の高梨が投じた初球、146キロが近本を襲った。右脇腹付近への死球となり、倒れ込んで悶絶した。何とか起き上がって一塁へ向かい、その後も出場したが、試合後は死球の影響について「ノーコメントで」と多くを語らなかった。死球を受けた後の七回1死の中堅守備では、左中間を襲った吉川の打球に快足を飛ばし、フェンスに激突しながらキャッチする場面もあった。九回の打席では二ゴロ、延長十二回の第6打席では四球を選び、計4打数無安打だった。4日からの広島3連戦(マツダ)への移動日となる3日にも検査を受けるとみられるが、ここまで全試合にフル出場し打率・275、4本塁打、35打点、リーグトップの12盗塁の活躍で虎を引っ張ってきたリードオフマンだけに、離脱につながるような重傷と診断されれば一大事だ。

◆虎退治のヒントが見つからない。リーグ4位の巨人は今季初の引き分け。原辰徳監督(64)は、五回以降に無得点だった打線に苦い顔を浮かべた。「タイガースの投手陣を相変わらず、なかなか打てていない。タイガース、カープ。この辺(との対戦)はもう少し、一人一人が対応する。そういうものを見せないといけない」1日に零封負けを喫した打線は、序盤に2本のソロ本塁打が出たが、五回以降は1安打。延長十二回に四球などでつくった1死一、二塁のサヨナラ機ではウォーカー、中田翔の代打勢が凡退し、救援6投手の無失点継投に応えられなかった。指揮官の言葉通り、好投手がそろう阪神戦でのチーム打率は「・199」と2割を切る。明るい兆しは積極性が光る切り込み隊長、ブリンソンだ。来日初の1番で起用され、一回に初球をいきなり右翼席に運ぶ6号ソロ。三回には来日初盗塁も決めた助っ人に、指揮官は「勇人(負傷離脱した坂本)が固まりつつあった1番打者がうちの課題。彼が何とか救世主になってくればいい」と期待した。(谷川直之)

◆秋広が1-2と逆転された直後の四回先頭で同点の5号ソロを放った。カウント0-1から外寄り150キロの直球を捉えた打球は、右中間席へ一直線に伸びた。同じく才木から放った5月28日の阪神戦以来、94打席ぶりの一発。「早いカウントから積極的に仕掛けていくことができた。最高の結果になって良かった」と汗を拭った。

◆絶体絶命のピンチでも岩崎は一切、顔色を変えない。最後は代打・中田翔を空振り三振に仕留め、小さく拳を握った。一枚岩となったブルペン陣による「炎の無失点リレー」で、伝統の一戦をドローに持ち込んだ。「また続けていきたいと思います」岩崎は試合後、短い言葉に力を込めた。全員で耐えて、しのいできて、最後に投げる男がもうひと踏ん張りしないわけにはいかなかった。この日も才木が2被弾したように、巨人のチーム本塁打数は両リーグ最多の82本塁打となっていた。ただでさえ狭い東京ドームで、細心の注意を払う必要がある試合終盤だったが、セ・リーグトップの救援防御率2・54を誇る虎の鉄壁救援陣は、黙々とゼロを並べていった。六回に登板した2番手・島本から6投手で、延長十二回まで見事につないだ。七回以降はなんと1本の安打も許さなかった。

◆夏の甲子園の地方大会が全国各地で始まっている。昨日スタートした兵庫県大会では、元朝日放送アナウンサー・清水次郎監督率いる西宮甲山(かぶとやま)高の初戦敗退が注目を集めた。プロ野球、高校野球を実況していた立場からの異色の転身が話題となっていた。夏の大会は今回が初采配。涙の初陣になったようだ。今から15年前の2008年は、第1次岡田政権のラストイヤー。開幕から快調に勝ち進んで、勢いが止まらない7月戦線は、誰もが優勝できると確信していた時期。実際、7月22日には早々とマジック46が点灯するのだから。そんな、虎党が笑顔らんまん真っただ中の、ちょうど15年前の7月2日。阪神は甲子園で中日相手にサヨナラ勝ちする。プロ初のサヨナ打を放って試合を決めたのが葛城育郎だった。もちろん、お立ち台は葛城だ。そして、インタビュアーは清水監督...ではなく清水アナ。インタビューの締めくくりに、「では、勝利の雄たけびを!」と即興で葛城にムチャ振りをした。一瞬びっくりしたヒーローだったが、すぐに反応。両手を天に掲げて...「ウォ~~」いま、当時の光景を思い浮かべながら書いていても意味不明だが、これが阪神ファンに大ウケ。その後、大活躍する葛城が再びお立ち台に。すると、またも清水アナが「育郎さん、お願いします」とマイクを手渡す。「イチ、ニ、サン、ウォ~~」スタンドも一緒に大合唱。〝ウォ~~進化型〟まで誕生して、葛城の代名詞になってしまうのだ。

◆延長十二回。マウンド上で苦しむ岩崎が中田翔を空振り三振に封じ、2-2の引き分けに持ち込んだ、わが阪神。その瞬間、俺の目頭にはジワ~ッと熱いものがにじんでいた。勝てなかったが、あえてこの試合を『美しき引き分け』と表現させてもらうのだ。先発の才木が5回、わずか67球で想定外の降板。それを継いだ2番手以降の島本-石井-岩貞-K・ケラー-馬場、そして岩崎と6投手の中継ぎ劇場に、大拍手を送らせていただきます!! 自分の仕事を全うするその姿は、まさにプロなのだ!!そして、今季の岡田丸はアレ(優勝)を実現するだろう。極端な話、日本一になると生涯、野球界で生活できるのだ(1985年のV戦士がそうでしょう)。だから猛虎ナインは全員、船に乗り遅れんなよー!!3連戦は岸田の一発で巨人勝利、大山のアーチで阪神勝ち、本日は2ホーマーの巨人が負けず...。ホームランの重要さが身に染みました。巨人さんは新外国人を発表したけど、わが阪神に必要な、ホームランを打てる助っ人獲得の発表はまだですかー!?

◆こういう勝負を望んでいた。エモトは早い時期から、原VS岡田の監督対決が楽しみだとぶち上げ、キャンプでは両監督を直撃。伝統の一戦を、あおりにあおってきた。やっと、がっぷり四つで互いに譲らないゲームを見せてくれたね。岡田監督は、先発・才木の調子がいまひとつで危ないと見るや、5回限りでスパッと代えた。あとは自慢のリリーフ陣をイニングの頭から投入。終わってみれば、青写真通りのリレーを完成させている。原監督は、先発のメンデスを七回まで引っ張った。リリーフの台所事情が阪神とは違うからね。そのメンデスが四球、バント、右前打でピンチを招くと一転、高梨と鈴木を細かくつぎ込み、この回を乗り切った。集中すべきポイントの見極めがハマったね。一手でも指し間違えたらガタガタと崩れそうな、緊迫感あふれる展開をしのぎあう。スコアや安打数は地味ながら、監督勝負を堪能させてもらった。エモトもたまには、ベンチをほめるよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
41293 0.586
(-)
-
(-)
70278
(+2)
218
(+2)
36
(-)
39
(-)
0.238
(↓0.002)
2.740
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
39302 0.565
(↑0.006)
1.5
(↑0.5)
72281
(+3)
249
(+2)
52
(-)
17
(-)
0.258
(↓0.001)
3.290
(↑0.02)
3
(-)
広島
39340 0.534
(↓0.008)
3.5
(↓0.5)
70261
(+2)
254
(+4)
47
(-)
37
(-)
0.248
(↓0.001)
3.190
(↓0.02)
4
(-)
巨人
36351 0.507
(-)
5.5
(-)
71261
(+2)
271
(+2)
82
(+2)
22
(+1)
0.250
(↓0.002)
3.650
(↑0.04)
5
(1↑)
ヤクルト
28422 0.400
(↑0.009)
13
(↑0.5)
71248
(+4)
280
(+2)
61
(+1)
33
(-)
0.232
(-)
3.690
(↑0.02)
6
(1↓)
中日
28432 0.394
(↓0.006)
13.5
(↓0.5)
70198
(+2)
240
(+3)
31
(+1)
22
(-)
0.236
(-)
2.880
(↓0.01)