阪神(★2対4☆)中日 =リーグ戦11回戦(2023.06.28)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:勝野 昌慶(4勝1敗0S)
(セーブ:マルティネス(1勝1敗17S))
敗戦投手:島本 浩也(2勝1敗0S)
  DAZN
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◆中日が延長戦を制した。中日は2回表、1死二三塁から石橋の適時打で2点を先制する。その後同点とされるも、延長10回に岡林とビシエドの連続適時打で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、3番手・勝野が今季4勝目。敗れた阪神は、4番手・島本が誤算だった。

◆今月の中日高橋宏斗は3試合先発して1完封含む2勝0敗で、22回2/3を投げて自責点0(失点2)の防御率0・00。2リーグ制後、月間投球30回以上で防御率0・00を記録したのは、63年9月中井(阪神)70年10月村山(阪神)01年6月石井一(ヤクルト)16年4月菅野(巨人)の4人だけ。中日では1リーグ時代を含め記録した選手がおらず、高橋宏が球団では初となる月間防御率0・00をマークできるか。

◆試合前の豪雨により、甲子園外周で予定されていた台湾プロ野球チームのチアガールとTigersGirlsによるコラボパフォーマンスは中止となった。この日は台湾の魅力を伝えることを目的として16年から行う「台湾デー」として開催。ダンスパフォーマンスは中止となったが、台湾チアガールとの写真撮影会などは開催された。

◆高橋宏撃ちだ! 阪神前川右京外野手(20)が中日先発の高橋宏から中前打を放った。初回2死で迎えた第1打席。カウント0-1から右腕の154キロをとらえ、投手の足元を抜いて二遊間を破った。2人は、コロナ禍で全国高校野球選手権が中止となった20年、8月の甲子園交流試合で智弁学園の主砲、中京大中京のエースとして対戦。結果は右前打、見逃し三振を含む3打数1安打だった。背番号58は、これで3番で先発した全6試合でヒットを放っている。

◆/粘って最後は詰まりながらも\石橋康太が8球目をレフト前にタイムリー ??好投手同士の投げ合いでドラゴンズが2点先制?プロ野球(2023/6/28)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/sGxP69SkAw

◆「新・雨男」効果抜群!?阪神大竹耕太郎投手(27)の登板日となるこの日、試合前に突然の雷雨が発生した。試合前練習開始の午後1時ごろは太陽も出ていたが、午後3時をまわると突然、激しい雨が甲子園の空に降った。阪神移籍後、先発登板が何度も雨で流れている左腕は、青柳ばりの雨男ぶりにSNSなどで「大雨さん」「大雨降太郎」などと"異名"がつく事態に。阪神も公認となり、「大雨降太郎さん」フェースタオルも発売中だ。大竹は今日が登板。外で当日登板の調整をしていたが、室内に移動し再び調整を再開していた。阪神園芸は試合前練習前から、内野部分全面にシートをかぶせており、対策は万全だった。

◆中日高橋宏斗投手(20)が大記録を逃した。6月月間防御率0・00で4試合目の先発マウンドに上がったが、2点リードの7回2死二塁で木浪に二塁強襲の内野安打を許し1失点。さらに2死一、二塁から近本に左前同点適時打を許した。7回7安打2失点で降板。月間防御率0フィニッシュに失敗し、今季5勝目も逃した。2リーグ制後、月間投球30回以上で防御率0・00を記録したのは、63年9月中井(阪神)70年10月村山(阪神)01年6月石井一(ヤクルト)16年4月菅野(巨人)の4人。高橋宏は残り2アウトだった。中日では1リーグ制時代を含め達成者がおらず、球団史上初の快挙は先送りになった。甲子園はプロ入り初登板。新型コロナウイルス感染拡大により出場が決まっていた20年センバツが中止された。同年夏に代替大会としての甲子園交流試合での智弁学園戦以来の登板。「(甲子園は)あんまりイメージがない」高校球児の聖地で、苦い記憶を刻んでしまった。

◆台湾の魅力を伝えることを目的とした「台湾デー」として開催され、台湾プロ野球チーム5球団のチアガールが来場した。試合前に予定されていたタイガースガールズとのコラボダンスパフォーマンスは降雨で中止となったが、日本のファンとの写真撮影会などで交流した。富邦ガーディアンズの秀秀子(ショウショウツ)は「阪神のチアガールの皆さんとのパフォーマンスがあったけど、天気の原因で披露することができなかったのがすごく残念。今後機会があれば、いろんな交流、もっともっと大きなパフォーマンスができればと思います」と、今後の交流に期待を込めた。16年から行われ、新型コロナウイルスの影響で19年以来4年ぶり5回目の開催となった同イベント。中信兄弟の貴貴(グィグィ)は「来年で100周年の歴史ある球場に来れて光栄に思います。この交流がすごくうれしい」と、来場を喜んでいた。

◆阪神が延長戦で力尽き、2連勝を逃した。2点を追う7回。木浪聖也内野手(29)のタイムリーで1点差に迫ると、近本光司外野手(28)が左翼線への適時打を放ち、一時同点とした。先発大竹耕太郎投手(27)は4試合連続で白星はないが、7回2失点の好投で試合をつくった。しかし、延長10回にリリーフ左腕の島本浩也投手(30)が2死二塁から中日岡林に右越えのタイムリー三塁打を許し、万事休す。島本は入団から128試合目でプロ初黒星を喫した。2位DeNAも敗れたため、阪神は首位を守ったが、1・5ゲーム差に広げるチャンスを逸した。

◆阪神島本浩也投手(30)が、登板128試合目にしてプロ初黒星を喫した。2-2同点の10回から登板し、2死二塁から、中日岡林に右翼線への勝ち越し適時三塁打を浴びた。ここで降板したが、代わった加治屋もビシエドに適時打を浴びて2失点。島本が今季8試合目で初めて喫した失点がプロ初黒星につながった。島本は15年のデビュー以来、通算127試合連続で負けがなかったが、手痛い黒星となった。

◆/虎のリードオフマンがとらえた\髙橋宏斗から同点タイムリーは近本光司見事な流し打ち???プロ野球(2023/6/28)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/qGzyTMNLzo

◆中日高橋宏斗投手(20)が大記録を逃した。2点リードの7回2死二塁で木浪に二塁強襲の適時打を許し失点。さらに近本に同点適時打を許し7回7安打2失点で降板した。4勝目を逃し6月月間防御率0・00フィニッシュに失敗。「2点を守り切りたかった。粘りたかった」とがっくりだ。2リーグ制後、月間投球30回以上で防御率0・00を記録したのは過去4人。達成すれば中日では1リーグ制時代を含め球団初の快挙だった。プロ初の甲子園登板で悔しさが残った。

◆中日が延長戦を制し、阪神戦連敗を6で止めた。2-2で迎えた10回2死二塁。岡林が阪神4番手島本から前進守備の右翼手の頭上を越える三塁打を決め、ビシエドも適時打で続き逃げ切った。敗れれば自力V消滅の危機も回避。立浪和義監督(53)は「甲子園で1個しか勝っていなかった。どこの球場でも苦手意識があってはいけない。粘って勝てたのは大きかった」と敵地甲子園2勝目にひと息をついた。先発高橋宏が6回まで5安打無失点と好投。2点リードの7回2死二塁から木浪、近本に適時打を許し同点に。7回7安打2失点で降板し4勝目を逃した。7回1/3を無失点なら、球団史上初の月間投球30回以上で防御率0・00の大記録も霧散。20歳の若竜は「2点を守り切りたかった。粘りたかった」ともプロ初甲子園デビュー戦に唇をかんだ。それでも指揮官は、高橋宏の投球内容を称賛した。「(高橋宏に)勝ちがつけられなかったのは残念。前回登板よりストライクが先行できたのは良かった。球にも力があった。どこの球場でも力で抑えられる。今日のような投球を続けてくれれば、勝ちがついてくる」。この日10奪三振を奪いリーグトップ85奪三振を刻んだエース候補生の成長に目を細めた。【伊東大介】

◆防御率0・00男から御礼打もぎ取った! 阪神木浪聖也内野手(29)と近本光司外野手(28)が適時打を放った。2点ビハインドの7回2死二塁。木浪が中日高橋宏の152キロ直球を強振。打球は中日福永のグラブをはじき、こぼれた間に二走熊谷が生還。二塁手強襲の中前適時打で1点を返した。なおも続く2死一、二塁の場面で近本が左翼線適時打を放ち、同点に追いついた。中日高橋宏は試合前まで6月の防御率0・00。好投手から得点を奪った。この日は球宴のファン投票最終結果が発表され、外野手部門で近本が、遊撃部門で木浪が1位に選ばれ選出されており、甲子園で御礼打を放った。

◆阪神木浪聖也内野手が6月の防御率0・00の中日高橋宏斗から中前タイムリーを放ち、今月初失点をつけた。2点を追う7回2死二塁。二塁強襲の一打で反撃ムードを演出した。「2アウトでランナーいたんで、積極的に開き直って初球からいった。結果、ああいう形になってよかった。受け身になるよりは攻めていこうと思った」。これで2戦連続安打&打点。球宴ファン投票では遊撃部門で選出され、バットに感謝を込めた。

◆虎が球宴ジャックだ。マイナビオールスターゲーム2023(第1戦=7月19日・バンテリンドーム、第2戦=同20日・マツダスタジアム)のファン投票の最終結果が28日に発表され、前半戦好調の阪神勢が全9部門で1位を独占し、史上最多の10選手が選ばれた。歴代最多だった03年阪神の7部門9選手を上回る空前の大躍進。この日の中日戦は惜しくも敗れたが、先発部門1位の村上頌樹投手(25)が登板する今夜こそ、御礼の快勝を届けてや!セ・リーグ全11選手のうち史上最多10選手を阪神勢が占めた。岡田監督は「まあな。時期がよかったからなあ。一番ええ時や」と分析する。5月中旬に始まった投票期間中に9連勝するなど、5月は球団月間最多タイの19勝(5敗)の快進撃。2位に最大6・5差をつけるなど、首位を快走していた絶好調なチーム状況が空前の投票結果につながった。プロ初勝利から5勝を挙げるなど大ブレーク中の3年目右腕村上は、DeNAバウアー、巨人戸郷ら各球団のエースを抑えて先発投手部門トップで選ばれた。それも「ノミネート外」から異例の選出だ。投票はマークシート方式。ノミネート選手への投票は氏名の1カ所だが、ノミネート外選手への投票は球団名、守備位置、背番号の3カ所をマークする必要がある。それでも28万1990票を集め、期待の大きさをうかがわせた。夢の初舞台に「まさかって感じです。ノミネートされてなかったので、ファンの皆さんに手間をかけていただいて選ばれたので、本当に感謝したいです」と喜びをかみしめた。阪神から大量10人が選出されたことで、普段通りの投球ができると前向きだ。「周りを見てもいつも通りだなと(笑い)。オールスターって感じがしないです」とぶっちゃけ。「あまり緊張せずにいけるかもしれないです」と笑った。この日、チームはナイターで中日に延長10回惜敗。2位DeNAが敗れてからくも首位を守ったが、村上自身も6月未勝利。先発予定の29日に向け「ランナーを出さないようにテンポよく」と3試合ぶり勝利の御礼快投で応える意気込みだ。4度目選出の近本は76万9587票で、初の両リーグ最多得票を獲得した。「僕も正直びっくりしています。阪神ファン、すごいですね」とこちらも仰天。「これだけ多くの人に支えてもらって、逆に力をもらっている。初球からしっかりフルスイングしていきたいです」。選手会長がファンへの感謝を代弁した。球史に新たな1ページを記す猛虎球宴を、最高の結果でジャックする。【中野椋】

◆阪神大竹耕太郎投手が7回5安打2失点と粘りの投球で試合を作った。0-0の2回に7番石橋に先制の2点適時打を許したが、そこからは「どうやって抑えていくか切り替えた」。立て直して再び0を並べた。試合前には甲子園が豪雨に見舞われ、愛称「大雨降太郎」の本領発揮した? が心を乱さず投げきった。16日ソフトバンク戦(甲子園)では、尊敬するソフトバンク和田が先発。「生で見て雰囲気みたいなものを感じたかった」とスタンドの間から観戦し、自身の刺激にした。規定投球回に到達し、防御率は1・27でセ界トップに浮上。師匠からの学びを次戦は勝ち星につなげたい。

◆阪神中野拓夢内野手は27歳の誕生日を白星で祝えなかった。1回の打席に入るときには、スタンドから「ハッピー・バースデー」の曲でお祝いされた。7回に同点に追いついてなお2死一、二塁の勝ち越しチャンスに、中日高橋宏の前に二ゴロ。「捉えきれなかった? そうですね」と振り返った。球宴にもファン選出されバットでファンの声援に応えたかったが4打数無安打。切り替えて、次戦に備える。

◆高橋宏も撃った! 敗戦の中、またも阪神前川右京外野手(20)が光り輝いた。高校時代からのライバルで、1学年上の中日先発高橋宏からマルチ安打を決めた。初回2死の第1打席で154キロをとらえ、投手の頭上を越えて二遊間を破った。6回1死一、二塁でも右腕の152キロを中前に運び、甲子園を沸かせた。「2本打てたのは良かったかなと思います。高校の時からすごかったので、プロの1軍で対戦できてうれしかった。対戦できたのがよかったなと思います」プロ入り前からからしのぎを削ってきた。コロナ禍で春夏の全国大会が中止された20年。8月12日の甲子園交流試合で対戦した。前川は智弁学園の中軸で、高橋宏は中京大中京のエース。前川が右前打を放てば、高橋宏も見逃し三振を奪うなど、3打数1安打1三振と互角の戦いを演じた。プロ入り後は昨年3月の教育リーグで対戦し、高橋宏に無安打に抑えられた。その時、プロでの再会を喜び「頑張ろうね」と声をかけ合った。もちろん今回は前川がリベンジする番だった。試合前から高橋宏に「いい3番打者。全力で打ち取りたい」と言わしめ、誰よりも本人同士が楽しみにしていた真剣勝負。右腕は試合後「マジで、いいバッターでした。えぐい。すごいバッターやった」と脱帽し、新たな竜虎ライバル対決の始まりを予感させた。前川は3番で先発した全6試合で安打を放ち、打率も3割1分4厘まで上げた。だが、敗戦が何よりも悔しい。「チームが負けたので勝たないと意味がない。明日また、頑張ります」。新たな刺激を胸に勝利の一撃を放つ。【三宅ひとみ】高校時代の前川VS高橋宏 新型コロナウイルス流行のため中止になった、夏の甲子園に代わる交流試合で対戦した。中京大中京のエース高橋宏は、抜群のスタミナで11奪三振。9回2死から、この試合最速の153キロをたたき出した。智弁学園の4番前川は、高橋宏と4打席対戦し3打数1安打、1死球。8回に右前に安打を放った。試合後に前川は「最後の夏ということで、すごい球を投げているなと。自分も負けないって、真剣勝負を楽しめました」と充実の表情。一方の高橋宏も「変化球で打たれたら、悔いしか残らないなと思っていたので、一番自信のある直球中心でいきました」と満足げだった。

◆岡田阪神が延長の果てに競り負け、下位に低迷する中日相手に痛恨の1敗を喫した。2-2同点の10回に4番手で登板した島本浩也投手(30)がプロ13年目、球団最遅の登板128試合目にしてついに初黒星。6カードぶり勝ち越しもお預けで苦すぎる夜になった。2死二塁で、岡林に投じた低めのフォークをうまく拾われた。打球が右翼前川の頭上を越えると、甲子園に悲鳴とため息が交錯した。15年のデビュー以来、負け知らずだった左腕は「死球がもったいなかった。高くいっちゃったのでもったいなかった」とくちびるをかんだ。決勝三塁打以上に1死走者なしから代打福田に与えた死球を悔やんだ。岡田監督も残念無念だ。「死球やろ、そら。痛いどころちゃうやん。外(角に)外しといたらいいのに」。簡単に2球で追い込んだ後の3球目、高めのつり球が内角に入りすぎ、当ててしまった。外で1球、様子を見ておけば...。島本本人と同じく、それほどもったいない投球と感じていた。高橋宏に0封されてきた打線は7回、木浪と近本の適時打で2点を奪い、同点に追いついた。指揮官も「よう追いついたと思うよ。今日の(高橋宏の)投球を見たら」と納得顔だった。投手陣も先発大竹が2回に2失点したが、その後追加点は許さず粘りの投球。8回は岩貞、9回は岩崎と0のバトンをつないだ。だが10回に悪夢が待っていた。岡田監督は「9回で(勝ちパターンは)終わってるやんか」と厳しい表情で言った。勝ち越し打を浴びた島本を救援した5番手加治屋も、ビシエドに適時打を浴びて追加点を献上。チームは今季延長7試合目で初黒星を喫した。2位DeNAも敗れて首位陥落は免れたが、3位広島が3差に大接近。4位巨人も5差で迫るなど痛い1敗になった。交流戦を借金3で終え、リーグ再開後も1勝4敗と苦境が続く。球宴まで残り16試合は文字通り踏ん張りどころだ。島本は「次は絶対やり返したい」とリベンジを誓った。初めて味わった悔しさをバネにフル回転してほしい。【石橋隆雄】

◆阪神近本光司外野手がファン投票両リーグ最多得票の実力を見せた。1点を追う7回2死一、二塁。高橋宏の外角直球を流し打ち、左翼線へ一時同点の適時打を運んだ。「アウトコースいっぱいかなと思っていたので、あそこに飛んでよかった」。試合前には「オールスターだけじゃなく、ペナントでもしっかり頑張っていかないと、と思っています」と話しており、ファンに感謝の気持ちを届けた。

◆阪神・村上頌樹投手(25)が29日の中日戦(甲子園)に先発する。この日はキャッチボールなどで調整した。「なるべく走者を出さないように、テンポよくやっていきたい」今季の中日戦は2戦2勝。4月22日(バンテリンドーム)には無四球2安打完封でプロ初勝利を飾るなど、好相性の相手だ。それでも「つながったら本当にしんどい打線」と油断はしない。27日の今カード初戦でも左翼2ランを放った細川を警戒し、「一発であったり、その前に走者をためないように、意識してやっていきたい」と気を引き締めた。この日は「マイナビオールスターゲーム2023」ファン投票の最終結果が発表され、ノミネート外ながらセ・リーグ先発投手部門で28万1990票を集めてトップ選出と、吉報も届いた。ファンへの感謝を示す登板にもなる。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、今季、甲子園で4勝0敗、防御率0・80と相性の良い大竹耕太郎投手(27)が先発のマウンドに上がる。打線は、前夜にプロ初の3安打の活躍を見せた前川右京外野手(20)が「3番・右翼」で出場。3番での打率は5割(20打数10安打)と勝負強さが光る。

◆阪神打線は元気なく、無得点のまま五回を終了した。一回に2死走者なしから前川が中前でチーム初安打を放つも、4番・大山は遊ゴロに凡退。0―2の二回は1死で糸原のボテボテのゴロを投手・高橋宏がグラブではじく形となり、内野安打に。しかし、後続が打ち取られてチャンスを作ることができなかった。先発の大竹は二回に4番・細川に許した左翼フェンス直撃の二塁打から1死二、三塁のピンチを招き、石橋に2点打を打たれた。力投する左腕を援護したいところだったが、中日の先発・高橋宏の前に五回まで得点圏に走者を置くことができないまま、試合は後半に突入した。

◆阪神は上位打線でつないで絶好機を作ったが、4番の大山がバットで期待に応えることができなかった。2点を追う六回だ。1死走者なしで近本は一塁へゴロを放ち、ベースカバーに入った投手・高橋宏よりも先に一塁を駆け抜けて内野安打。チームとして4イニングぶりに出塁すると、続く中野は冷静に四球を選んで無死一、二塁とし、この日初めてチャンスを迎えた。3番・前川も中前打で続いて満塁となったが、大山が外角低めのスプリットを引っ掛けて遊ゴロ併殺。またも無得点に終わり、甲子園は大きな悲鳴に包まれた。大山は今季、試合前時点で併殺打はわずか3本だったが、得点のほしいところで悔しい結果に終わった。

◆阪神が終盤に巻き返した。木浪聖也内野手(29)のタイムリーで1点差すると、近本光司外野手(28)が同点打。同期入団の2人で試合を振り出しに戻した。七回1死から糸原が三遊間を破る左前打で出塁すると、代走・熊谷が直後に二盗を成功させた。坂本は見逃し三振に倒れたが、木浪が甘く入った初球の真っすぐをとらえて打球は二塁へ。黒土にバウンドした白球は二塁手・福永の足に当たって方向が変わり、二遊間を転々。その間に二走が生還した。なおも2死一塁で代打・ノイジーは四球を選んで一、二塁と同点のチャンスを広げ、近本が打席へ。中日・高橋宏の外角直球を逆らわずに流し打ちし、三塁線を破る同点打とした。近本は6月17日のソフトバンク戦(甲子園)以来の適時打を記録した。

◆セ・リーグ、阪神2―4中日、11回戦、阪神7勝4敗、28日、甲子園)阪神は延長十回に勝ち越され、連勝を逃した。先発の大竹耕太郎投手(27)は7回5安打2失点の力投だった。二回先頭の細川に二塁打を浴び、1死二、三塁から石橋に2点適時打を浴びて失点。その後は立ち直り、六回、七回といずれも得点圏に走者を進められたが、得点は許さなかった。打線は七回に中日の先発・高橋宏を捕まえる。1死二塁で木浪聖也内野手(29)が放った当たりが二塁手を強襲し、打球は転々と中堅手の前へ。これが適時打となって1点を返すと、なお2死一、二塁で近本光司外野手(28)が三塁線を破る適時打で試合を振り出しに戻した。十回にプロ入り以来127試合無敗を続けていた島本浩也投手(30)が2死二塁から岡林に適時三塁打を許し、勝ち越された。代わった加治屋蓮投手(31)もビシエドに適時打を浴び、2点差とされ敗戦を喫した。

◆中日が競り勝った。2―2の延長十回、岡林勇希外野手の適時三塁打とビシエドの適時打で2点を勝ち越した。高橋宏は7回2失点。3番手の勝野が4勝目。阪神は七回に2点差を追い付いたが、十回に島本が崩れてプロ初黒星を喫した。

◆阪神が今季7度目の延長戦で初黒星(4勝2分)。十回に登板した4番手の島本浩也投手(30)が2死二塁から岡林勇希外野手(21)に適時三塁打を浴び、加治屋蓮投手(31)も流れを止められず、2点を奪われた。島本は2015年の初登板から128試合目にして初黒星を喫した。七回に木浪聖也内野手(29)、近本光司外野手(28)の適時打で追いついたが、競り負けた。DeNAも敗れたため、0・5差のまま首位は守った。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=39勝28敗2分、観衆=3万9436人)。ーー島本は死球が痛かった(延長十回一死無走者、福田に2ストライクと追い込みながら、3球目が死球)「そらデッドボールやろ。痛いどころちゃうよ。外に外したらエエのに」ーー島本は大事なところで起用する投手「大事といっても九回で終わっているやん」ーー2点リードされて、よく追いついた「よう追いついたと思うよ。きょうの相手(高橋宏)のピッチングを見たら」ーー大竹はよく粘った(7回2失点)「そらな」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は大竹耕太郎投手(27)、島本浩也投手(30)に共通する与四死球からの失点を指摘した。27日の10回戦で2桁得点を挙げたとはいえ、現状の阪神打線は明らかに得点力不足。ロースコアの試合をどう白星に結びつけるか。いかに無駄な走者を出さないかがポイント。この試合は2四死球の走者が2人とも生還してしまった。二回の2失点も四球がらみだったが、特に延長十回1死から、島本が福田に与えた死球が痛かった。2球で2ストライクと追い込みながら、当たってしまった。長打警戒、甘く入ってはいけない気持ちが強かったのだろうが、もったいなかった。阪神がシーズン序盤から好調を維持できた理由の一つに、選んだ四球の多さがある。相手が無駄な走者を出し、得点力がアップした。この試合は逆パターンだった。打線が低調な時期が、続く可能性はある。それでも優勝に近づいていくには、この日のような試合は落としてはいけない。十分に頑張っている投手陣だが、もうひと踏んばり、「無駄な走者厳禁」を徹底してもらいたい。攻撃面では六回1死満塁から、フルベースに強い大山の遊ゴロ併殺に尽きる。予想していないスライダー気味の球がバットの先に当たってしまったという感じ。最低でも外野フライ、4番の仕事を果たして欲しい場面であった。打線は3番の前川が好調を維持し、5番のミエセスも凡退の内容は悪くない。クリーンアップが調子を上げて、得点力をアップしてもらいたい。

◆中10日で先発した阪神・大竹は7回5安打2失点で勝ち負けはつかず。「立ち上がりから球威もコントロールも思うような状態ではなかった。ヒットを打たれ、四球を出して、一番良くない形で失点してしまった」と二回の失点を反省したが、緩急を駆使し、粘ってゲームメークした。再び規定投球回に到達し、防御率1・27でリーグトップに返り咲いた。

◆同点の延長十回を任された阪神の左腕・島本だったが、決勝点を献上した。1死から代打・福田に与えた死球をきっかけに、岡林には内角低めのフォークを拾われ、右翼への勝ち越し三塁打とされた。プロ13年目で初黒星を喫し、初登板から続けてきた球団記録の連続無敗試合は「127」でストップ。「死球がもったいなかった。次は絶対にやり返したい」と言葉を絞り出した。

◆阪神・加治屋は1点を勝ち越された延長十回2死三塁で島本を救援したが、相手の流れを食い止めきれなかった。ビシエドに投じた149キロを右前にはじき返して2点差とされ、「できれば打たれずに、三走を返さずに、というのがよかった。シマ(島本)に申し訳ない」。与えてしまった最終盤での大きな1点を悔やんだ。

◆いつも声をからして応援してくれるファンの思いに応えたい―。より一層、感謝の気持ちがバットに乗った。最多得票となる76万9587票で球宴出場が決まった近本が終盤に一時同点の適時打を放ち、甲子園を沸かせた。「みんながつないでくれたチャンスだったので、なんとか1本出したいと思っていた。タイムリーになってくれてよかった」中日先発・高橋宏を打ちあぐね、無得点で迎えた七回だ。同期入団の木浪の適時打で1点差とし、なおも2死一、二塁で打席が回ってきた。スプリットを2球続けられ、カウントは1―1。3球目の外角直球を逆らわずにスイングし、三塁線を破る適時打とした。1、2打席目はスプリットで空振り三振に倒れていたことを踏まえ、打席の中で「意識を変えてみた」ことが奏功した。早めにタイミングを取り、一塁内野安打を記録した3打席目のイメージで4打席目も臨み、生まれた同点打に「アウトコースいっぱいかなと思っていたので、あそこに飛んでよかった」と手応えをにじませた。チームは敗れ、虎党に白星をプレゼントすることができなかったが、岡田監督も「よう追いついたと思うよ。きょうの相手(高橋宏)のピッチングを見たら」と近本の一打をたたえた。この日の響かせた2本の快音が、虎党への感謝の印だ。オールスターのファン投票の最終結果が発表され、両リーグ最多得票で4度目の出場が決定。「最多得票は初めてで、たくさんの人に(票を)入れていただいたので、普段とは違う何かで返さないといけない。責任を感じます」と決意をにじませた。1年目の2019年に初出場した夢舞台では本拠地甲子園で史上2人目となるサイクル安打を達成。すっかり〝常連〟となった近本にとって球宴はシーズンとは違った刺激に出会える場所だ。「オールスターの1試合はシーズンとはまた全然違う刺激になる。その刺激を入れることで、自分の中で幅が少し広がる。しっかり多くのファンの人に見せられるプレーを、全力でやっていきたい」ファンが投じてくれた清き一票は無駄にしない。虎でも球宴でも自分らしくプレーし、勝利と感動を届ける。(織原祥平)

◆延長戦は今季7度目で初黒星を喫した。中日・高橋宏から七回に木浪と近本の適時打で2得点。だが延長十回、島本が1死から代打・福田に死球を与え、岡林に決勝三塁打を浴びた。阪神・岡田監督は「そらデッドボールやろ。痛いどころちゃうよ。外に外したらええのに」とため息。救いは2位DeNAも敗れて、0・5ゲーム差で首位を死守したことだった。

◆阪神は延長の末に2-4で中日に惜敗したが、オールスターのファン投票では史上最多の10選手が選ばれた。大卒3年目の村上頌樹投手(25)は先発投手部門で〝ノミネート外〟ながら各チームのエースを抑えて初選出。29日の中日戦(甲子園)に先発し、御礼の白星を届ける!〝名もなき大投手〟が栄光の球宴ファン投票選出だ。ノミネート外から28万1990票を獲得した村上は、時に驚きの表情を浮かべながら、笑顔で投票してくれたファンへの感謝を語った。「まさか選ばれると思っていなかった。ノミネートされていなかったので、そこからの選出はファンのみなさんに手間をかけていただいて選ばれたので、本当に感謝したいです」大卒3年目の今季は先発ローテの一角に定着。初先発の4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回完全投球を果たしてブレークすると、同22日の中日戦(バンテリンドーム)では無四球完封でプロ初勝利を挙げるなど、特大のインパクトを与え続けてきた。ここまで10試合で5勝3敗、防御率1・75と圧巻の数字だが、投票用紙の先発投手の一覧には村上の名はなく、ファンが投票するにはひと手間をかける必要があった。NPBによると、ノミネート外の選手がファン投票で選出されるのは記録のある2000年以降で初めて。わずか数カ月で、一気にセ界一の先発投手へと名乗りを上げた。

◆阪神・前川は連日の3番出場で、中日・高橋宏と1軍で初対戦して2安打。一回2死で外角の直球を拾って中前に飛ばし、六回の第3打席は1死一、二塁の好機で、高めの直球に合わせて中前に落とした。奈良・智弁学園高2年時、コロナ禍の2020年8月の交流試合で愛知・中京大中京3年だった高橋宏と対戦し、3打数1安打だった。「高校のときからすごかったので、プロの1軍で対戦できてうれしかったというか、また対戦できたのがよかった」。十回2死では遊飛に倒れ、最後の打者に。「勝たないと意味がないと思うので、あした頑張ります」と足早に球場を後にした。

◆2点を追う七回2死二塁で、阪神・木浪が反撃の適時打を放った。高橋宏の初球152キロ直球を捉え、打球は二塁手を強襲して中堅手の前へ。「ランナーがいたので積極的にいこうと開き直って初球からいった。ああいう形になってよかった」とうなずいた。ファン投票でプロ5年目にして初の球宴出場が決定。「まさか選ばれると思っていなかった」と驚きを口にした〝恐怖の8番〟がチームを引っ張っていく。

◆28日の阪神-中日(甲子園)は「台湾デー」として開催され、台湾プロ野球チームのチアガールが来場。試合前のタイガースガールズとのダンスパフォーマンスは残念ながら降雨のため中止となったが、ファンとの写真撮影などを実施し、花束贈呈も行った。「台湾デー」は2016年に初開催し、コロナ禍による中止を経て、19年以来4年ぶり5度目の開催。始球式は台湾観光協会大阪事務所の洪維良所長、タイガーエア台湾の陳漢銘チェアマンが行った。球場内では、台湾観光局が制作した新たな観光PR映像を上映。またタイガーエア台湾・台湾観光協会大阪事務所によるオリジナルグッズがもらえるキャンペーンや、台湾にちなんだ写真撮影ができるフォトスポットが設けられたほか、抽選で台湾への航空チケットが当たるキャンペーンなど、イベントが盛りだくさんとなった。参加したチアガールのひとり、中信兄弟の貴貴(グィグィ)さんは「来年で100周年の歴史ある球場に来られてすごく光栄です。台湾のファンが日本の試合に来たり、日本のファンが台湾に来て試合を見たりできる交流がすごくうれしいです」と喜んだ。

◆♪トゥルルトゥルルルルトゥル~...皆さんプロ野球版ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の主役に阪神の大竹耕太郎投手が決定しましたー!! ワーパチパチパチ(大拍手)大竹投手はソフトバンク時代、能力があるにもかかわらず埋もれていた鬼の世界を経験しました。しかし、現役ドラフトで阪神に移った途端にその実力を発揮してキャリアハイの6勝を挙げ、そのまま白星量産と思いきや、不運が重なりました。交流戦では12球団から勝ち星を挙げる偉業達成の夢が最後に消え去り、そして本日7回を2点に抑えて規定投球回に達し、防御率1・27でトップ! 先頭! ナンバーワンに躍り出たのに勝ち星つかず...♪トゥルルトゥルルルルトゥル~ね、渡る世間の主役が務まるのは大竹さん以外にいますかいなー!!(涙)中継ぎ陣の問題もあるけど、全く助っ人の役目を果たしていない外国人を使う意味はなに!? ならば小野寺や井上、思い切って前川の〝2匹目の虎〟で高卒ルーキーの井坪(D3位・関東第一高)を起用した方がミスしても将来への投資と思って虎党は期待できるってもんよ!!

◆広島方面から電話が入った。声の主はカープ番・柏村翔。オールスターファン投票で選出された秋山翔吾の会見の様子を教えてくれた。「4割超だった打率が3割を割りそうなところまで急降下して、そんな時期での会見だから機嫌を心配していたんですが、メチャクチャうれしそうでした。ファン選出は格別のようですね」セ・リーグでただ1人、阪神以外からファン投票で選ばれた男は、素直に喜んでいたらしい。ひとりぼっちを逆に楽しんでいる感じだったとか。半世紀前の1973年。セ・リーグのファン投票で選ばれたのは巨人勢が8人。ただ1人の巨人以外は捕手部門の阪神・田淵幸一だった。ひとりぼっちの事実を知らされた田淵は「えっ、なんで? タイラ(藤田平)は? タイラは選ばれてないの?」。タテジマのもう1人の野手のスター・藤田平の落選に、いつまでも納得いかない表情を見せた。太陽のように明るいスーパースターは、寂しがり屋でもあったらしい。オールスターの〝たった1人〟にも、いろんなドラマがある。広島からの1人だけ、他の4球団は選出ゼロに追い込んだ、史上空前の球宴ジャック。トラ番たちは大変だった。新米トラ番・邨田直人はお疲れ気味だ。「選出選手が次々と現れて、流れ作業のような会見でした。ことし、初めてプロ野球の担当になったんですが、阪神ファンは改めてすごいと思いました。ただ、これが当たり前と思ったらダメなんですね」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
39282 0.582
(↓0.009)
-
(-)
74264
(+2)
214
(+4)
33
(-)
38
(+1)
0.240
(-)
2.860
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
38281 0.576
(↓0.009)
0.5
(-)
76272
(+2)
238
(+6)
51
(+1)
15
(-)
0.261
(-)
3.350
(↓0.05)
3
(-)
広島
37320 0.536
(↑0.007)
3
(↑1)
74244
(+6)
244
(+2)
45
(+2)
34
(-)
0.246
(-)
3.240
(↑0.02)
4
(-)
巨人
35340 0.507
(↓0.008)
5
(-)
74257
(-)
265
(+6)
79
(-)
21
(-)
0.255
(↓0.001)
3.760
(↓0.05)
5
(-)
中日
27411 0.397
(↑0.009)
12.5
(↑1)
74192
(+4)
226
(+2)
30
(-)
22
(-)
0.238
(-)
2.880
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
26412 0.388
(↑0.009)
13
(↑1)
74241
(+6)
268
(-)
59
(+2)
33
(-)
0.234
(↑0.001)
3.670
(↑0.04)