DeNA(☆5対3★)阪神 =リーグ戦11回戦(2023.06.25)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
01201100X51100
勝利投手:バウアー(5勝2敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(0勝4敗17S))
敗戦投手:才木 浩人(5勝4敗0S)
  DAZN
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◆DeNAは2回裏、伊藤の犠飛で先制に成功する。続く3回に佐野の適時打などで2点を加えると、1点差に迫られた5回には宮崎の適時打で追加点を奪った。投げては、先発・バウアーが7回途中3失点の好投で今季5勝目。敗れた阪神は、先発・才木が振るわなかった。

◆DeNA先発のバウアーは今月の登板成績が3試合で3勝0敗、防御率1・50の好成績。DeNAで月間4勝以上すると、22年8月に5勝した今永以来で、外国人投手では03年9月のドミンゴに次いで20年ぶり2人目になる。また、今月3試合の奪三振数は10→9→12と、2試合で10奪三振以上。月間3度以上の2桁奪三振を記録したのは、22年4月の佐々木朗(ロッテ)がいるが、球団では57年8月の秋山(4度)と権藤、83年9月の遠藤、96年4月の斎藤隆の4人だけ。今日も10三振以上奪うと、球団27年ぶりになる。

◆阪神が大幅な打線テコ入れを敢行した。糸原健斗内野手(30)を今季初めて「5番三塁」で先発起用。また、今季初めて近本、中野の1、2番コンビを入れ替え。右翼、左翼には若手の前川、森下を起用した。2位DeNAとは0・5差。負ければ首位陥落となる一戦で大幅に打線を組み替えた。

◆DeNAが、阪神戦(横浜)の試合前に「日本生命セ・パ交流戦2023」優勝を記念し、『交流戦優勝球団表彰式』を開催した。交流戦優勝球団トロフィーと賞金ボード(3000万円)が贈呈された。また、牧秀悟内野手(25)の『日本生命 優秀選手賞表彰式』も開催され、賞金ボード(100万円)と「セカパカおやすみクッション」が贈られ、スタンドから大きな拍手を浴びた。

◆DeNA桑原将志外野手(29)が、阪神戦で1軍昇格即「2番中堅」でスタメンに名を連ねた。14日に抹消されたが、23日のイースタン・リーグの日本ハム戦で実戦復帰し、24日の同戦にも代打で出場し、この日から1軍に合流した。「7番遊撃」には森敬斗内野手(21)が入った。

◆横浜スタジアム13連敗となるのか...。阪神才木浩人投手(24)が先制点を許し、4試合ぶりに失点した。2回1死からDeNA宮崎に右翼フェンス直撃の二塁打を打たれ、ソトにも左前打と連打を浴びた。続く森には四球を与え、1死満塁のピンチを背負い、伊藤の右犠飛を許した。右腕の失点は5月28日巨人戦以来、4試合ぶりの失点だった。阪神はハマスタ12連敗中と苦しい状況だ。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、守備妨害を取られ、2死一塁で試合が再開した。3点リードの4回1死一塁、バントのサインで一塁線に転がし、一塁へ走ったが、投手才木の送球が体に直撃。ボールが外野に転がる間に一塁走者の伊藤は三塁に向かったが、守備妨害と判定された。

◆高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)が反撃ののろしとなる適時右前打を放った。3点ビハインドの2死一、二塁でDeNAバウアーの142キロチェンジアップを引っ張り右前打に運んだ。背番号58も一塁上でガッツポーズを決めた。「1打席目にやられてしまっていたのでやり返したいと思っていました。好投手から打つことができてよかったです」とコメントした。さらに、続く大山悠輔内野手(28)も、詰まらせながらも適時中前打を放ち、2点目を追加。「当たりは良くなかったのですが、どんな形でもよかった。いい所に落ちてくれました」と試合中に振り返った。

◆/大きく手を叩いた\前川右京がタイムリー大山悠輔も続き1点差に詰め寄る?プロ野球(2023/6/25)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/TTDpKGae3O

◆阪神才木浩人投手(24)が今季ワーストとなる5回7安打4失点で降板した。2回1死からDeNA宮崎に右翼フェンス直撃の二塁打を打たれ、ソトにも左前打と連打を浴びた。続く森には四球を与え、1死満塁のピンチを背負い、伊藤に右犠飛を許した。失点は5月28日巨人戦以来、4試合ぶりの失点だった。味方も奮起し、前川、大山の適時打で5回に2点を返したが、直後の守備で捕まった。2死から牧、宮崎に2本連続で二塁打を食らい2点差となり、ここまで。クオリティースタート(6回以上、自責3以内)も失敗となった。チームはDeNAとのゲーム差が0・5へと迫られ、負ければ首位陥落となる。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、失敗を生かし、犠打を決めた。2点リードの6回無死一塁、2ストライクから一塁線に転がし、線上から大きく離れ、一塁へ走った。3点リードの4回1死一塁では、バントのサインで一塁線に転がし、一塁へ走ったが、投手才木の送球が体に直撃。ボールが外野に転がる間に一塁走者の伊藤は三塁に向かったが、守備妨害と判定された。両手を広げ、悔しそうな表情を浮かべながら、ベンチに引き揚げたが、反省を生かし、守備妨害を取られないように気をつけた。

◆/勢いが止まらない\佐野恵太がタイムリー氷嚢を頭上に乗せたバウアーも拍手?プロ野球(2023/6/25)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars pic.twitter.com/zl5JMo34eG

◆2試合連続でスタメン落ちしたシェルドン・ノイジー外野手(28)が代打で8打席ぶりの安打を放った。2点ビハインドの7回の先頭打席で石井に代わって代打で登場。フルカウントからDeNAトレバー・バウアー投手(32)の151キロ直球を中前に運んでチャンスメークした。続く中野拓夢内野手(26)も右翼への二塁打を放ち、つなぐと近本の遊ゴロの間に三走・ノイジーが生還した。前川も四球を選ぶと、サイ・ヤング賞右腕バウアーは交代を告げられた。

◆DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、来日最多の114球を投げ、7回途中3失点でマウンドを降りた。3点リードの5回に2年目の前川に適時打、大山に適時打を浴びたが、要所を締める投球で勝ち投手の権利を持ったまま、降板した。1軍初登板から7試合連続で被本塁打を許したが、この日は自身初のノーアーチに抑えた。

◆阪神がDeNAに敗れ、同一カード3連敗。先発の才木浩人投手(24)は先制点を与えるなど5回4失点で降板。打線も相手先発で20年サイ・ヤング賞右腕のバウアーを打ち崩せず。5月12日以来、44日ぶりに首位陥落となった。さらに、昨年6月28日から続く横浜スタジアムでの連敗も13に伸びた。阪神がDeNAに敗れ、5月12日以来44日ぶりに首位陥落となった。横浜スタジアムでは今季5戦5敗。昨年6月28日から続く同球場での連敗は13に伸び、同一球場での連敗はナゴヤドーム13連敗(99~00年)と並び、球団ワースト2位タイとなった。なお、球団ワーストは札幌円山で76~92年にかけての16連敗(2分け含む)。阪神は横浜スタジアムでの通算成績が251勝252敗12分けとなり、負け越しが1つとなった。同球場は1978年(昭53)に開場。かつては「横浜銀行」と称されるほど得意としていたが、昨年は2勝11敗で借金9。今年も0勝5敗と苦戦が続いている。阪神の5連敗は今季最長で、昨年8月9日DeNA戦~同17日ヤクルト戦にかけての8連敗以来。阪神はDeNAバウアーと初対戦。今季セ・リーグの相手先発と初顔合わせの試合では7勝1分けだったが、初めて黒星を喫した。

◆DeNAが、阪神に競り勝ち、同一カード3連勝を達成し、5月13日以来の首位に浮上した。先発トレバー・バウアー投手(32)が、来日最多の114球を投げ、7回途中3失点で自身5勝目を挙げた。バウアーは今月4勝目で、球団で月間4勝以上は22年8月に5勝した今永以来。外国人投手では、03年9月のドミンゴに次いで20年ぶり2人目だった。打線は2回に伊藤の犠飛で先制。3回には佐野の適時打、牧の犠飛でリードを広げた。1点差に迫られた直後の5回には宮崎の適時二塁打、6回には佐野の適時打で効果的に追加点を挙げた。昨年から続く、横浜スタジアムでの阪神戦の連勝は13に伸びた。また、今季、ハマスタでのデーゲームは12勝無敗1分けで、貯金は日本一を達成した98年10月12日以来の12とした。首位浮上に、三浦大輔監督(49)は「ファンの方とか、みなさんに喜んでもらえるのはいいこと。まだ先は長いし、やるべきことを頭に入れて、1試合1試合やるだけ」と話した。

◆阪神は鬼門横浜スタジアムで今季初の同一カード3連敗を喫し、首位陥落となった。糸原を「5番三塁」で起用するなど、大幅に打線を組み替えて臨んだ一戦。3点を追う5回2死一、二塁、3番前川、4番大山の連続タイムリーで2点を返上。17日ソフトバンク戦以来、4試合ぶりに複数得点を挙げた。再び3点差となった7回にも無死二、三塁から近本の遊ゴロの間に1点を追加。その後、2死満塁まで追い上げたが、逆転することはできなかった。先発の才木浩人投手(24)は2回に8番伊藤の右犠飛で、4試合ぶりの失点となる先制点を献上。3回にも3番佐野、4番牧の連続打点を許し、5回には5番宮崎の適時二塁打で今季自己ワースト4失点目。交流戦3試合無失点の右腕でも勢いを止められなかった。5月12日以来、44日ぶりの首位陥落。他球団の本拠地では最多タイとなる、横浜スタジアム13連敗となった。

◆//3連勝で首位奪取\二軍戦から中4日も何のそのバウアーが自身4連勝本日の投球内容回数:6回1/3球数:114安打:7三振:7四球:3死球:1失点:3?プロ野球(2023/6/25)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars pic.twitter.com/Zndj1c6nY6

◆DeNAが、阪神に競り勝ち、同一カード3連勝を達成し、5月13日以来の首位に浮上した。DeNAが5月13日以来の首位。貯金は今季最多の12に増え、DeNAの貯金12以上は優勝した98年以来、25年ぶり。98年の最終貯金は23で、最初に貯金12を記録したのは68試合目の7月11日。今季は98年より早い65試合目で、DeNAが65試合目以内に貯金12は64試合目に到達した64年以来のスピードになる。6月7日には首位阪神から6・5ゲーム差。DeNAが6・5ゲーム差をひっくり返して首位に立つのは60年以来、63年ぶり2度目。同球団にとっては60年に並ぶ最大差逆転首位で、60年は55試合目の6月18日時点であった首位中日からの6・5ゲーム差を逆転して球団初優勝した。バウアーが6月3日西武戦から4連勝。5月終了時のDeNAは先発投手の成績が17勝15敗、防御率3・70だったが、6月の先発投手は11勝4敗、防御率2・52。チーム打率は5月終了時より下がっており、バウアー、今永ら先発陣の頑張りが首位浮上の原動力。

◆阪神大山悠輔内野手が、一時1点差に迫る執念の中前適時打を放った。2点を追う5回2死一、三塁。相手先発バウアーの外角134キロスライダーを拾った打球は、遊撃、中堅、左翼のちょうど中間に落ちる適時打となった。「当たりは良くなかったのですが、どんな形でもよかった。いい所に落ちてくれました」。同カードでは3試合で3得点と打線が苦しむ中、5戦連続安打と気を吐いている。

◆2戦連続でスタメン外となった阪神シェルドン・ノイジー外野手が、代打で意地を見せた。3点を追う7回の先頭で、石井に代わって登場。フルカウントからサイ・ヤング賞投手バウアーの151キロ直球を捉えた中前打を放った。「一本出たのは本当に良かった。いい形で、いい感触で打つことができたので、このまま継続していければ」と好感触を明かした。17日ソフトバンク戦以来8打席ぶりの安打となった。

◆「交流戦無失点男」でも負の連鎖を止められなかった。阪神先発才木浩人投手(24)が4試合ぶりの失点を喫し、今季自己ワースト4失点で4敗目を喫した。交流戦では3試合連続無失点で、史上4人目の防御率0・00を達成。5月28日巨人戦から22回2/3連続で無失点を継続させてきた中の2回1死満塁。8番伊藤の先制右犠飛で神話が崩れた。その後3回に2失点、味方が点差を1点に縮めた直後の5回に4点目を奪われた。「真っすぐがしっかり打たれていた。点取ってもらった後の1点が1番もったいなかった」と、唇をかんだ。チームは横浜スタジアム13連敗で、同一カード3連敗は今季初となった。「いつか止まるというよりは、ここで止めるという気持ちで行ったんですけど。自分の実力不足かなと思うので、しっかり次はやり返せるようにやっていきたい」と悔しさを次戦にぶつける。

◆サイ・ヤング賞右腕が、チームを5月13日以来の首位に浮上させた。DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、6回1/3を3失点の粘投で5勝目。今月4勝目で、球団の外国人投手では03年9月のドミンゴ以来20年ぶり2人目の記録を達成した。今季、横浜スタジアムでのデーゲームは12勝無敗1分けと無双。阪神3連戦3連勝で、昨年から続くハマスタでの同戦の連勝も13に伸ばし、貯金は日本一を達成した98年10月12日以来となる12とした。マウンドでも、お立ち台でも期待に応えるのが、バウアー流だった。4度目で恒例と化したヒーローインタビューでのネタ披露。「今の気持ちは?」と聞かれ「ハッシュタグ、ヨコハマユウショウ」とDeNAが勝利した時にツイッターでトレンド入りする「#横浜優勝」を叫んだ。ファンへのメッセージでは、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二のギャグ「はぁ~い」を披露し、スタンドを沸かせた。25年ぶりの「横浜優勝」に向け、5月13日以来の首位浮上へと導いた。「あまり調子は良くなかった」と振り返る中、心掛けたのは精神面のコントロールだった。「自分でコントロールできる部分にフォーカスすることが大事」。ストライク先行を意識しながら、4四死球と苦しんだが、イニングの先頭に出塁を許したのは失点した5回と7回の2度。来日最多の114球の熱投で流れを渡さず、打線の援護を呼んだ。打席でも、自分がやるべき仕事に徹した。4回1死一塁では、バントで一塁線に転がしたが、阪神才木の送球が体に直撃。ラインの内側を走ったとされ、守備妨害と判定された。リベンジに燃えた6回無死一塁では、2ストライクから一塁線に犠打を成功。「真っすぐ走ったつもりだったが、2つ目はしっかりと距離を取って走った」と反省を生かし、追加点につなげた。来日8試合目で初めて被本塁打がなく、球団の外国人投手では史上2人目の月間4勝を挙げた。「今日のような内容よりは9回を投げて、ソロ1本の方がいいなと思うんですけど、今日のような試合で本塁打を打たれていたら、複数点になっていたと思うので、そういった意味では本塁打がなくて良かった」と笑った。阪神戦のハマスタでの連勝を13に伸ばし、貯金は98年10月12日以来の12。試合後、「横浜優勝」とともに「バウアーさん」がトレンド入りした。【久保賢吾】○...伊藤が、攻守で勝利に貢献した。0-0の2回1死満塁から、右翼へ先制の犠飛。6回には先頭で安打を放ち、佐野の適時打で本塁に生還した。守備ではバウアーの粘りの投球をリードし、リリーフ陣も好投に導いた。「(三塁走者の宮崎)敏郎さんがダッシュでホームを駆け抜けてくれたので、敏郎さんのおかげです」と感謝した。○...宮崎が、今季7度目となる3安打猛打賞を飾った。2回に二塁打で出塁し、伊藤の浅めの右犠飛に全力疾走で生還。5回には2死二塁から右中間への適時二塁打をマークした。「貴重な追加点を取ることができて、うれしいです」とコメント。5、6回ともに2死から追加点を挙げ、三浦監督は「大きかった」と評価した。○...キャプテン佐野が、2安打2打点でバウアーを援護した。1点リードの3回無死一、二塁から右前適時打。2点リードの6回2死一、三塁では左前適時打を放った。お立ち台では「試合後に野球教室があると聞いていたので、絶対に打たないといけないと思った」と繰り返し、笑いを誘った。

◆進化のバウアー撃ち!高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)が反撃ののろしとなる適時右前打を放った。3点ビハインドの5回。2死一、二塁の場面でDeNAバウアーの浮いたチェンジアップを引っ張り右前打。一塁上でガッツポーズを決めた。「試合前から楽しみで、打てたら自信になるし、打てなかったら『もっとやらないといけない』と思っていた。少しゾーンを上げて、打つべき球を一発で仕留められたので良かった」続く大山も適時中前打を放ち、チームも徐々にリズムを作った。第1打席は内角低めのスライダーにバットが空を切ったが、修正。3回の2打席目は死球だったが、5回の3打席目にクリーンヒット。7回には四球を選び3出塁だった。背番号58は練習から常に全力で臨んでいる。水口打撃コーチもその姿を22年の高知・安芸での秋季キャンプから感じていた。「熱心に練習する姿勢の良さがこの結果につながっている。練習で打つ時、全部全力で振って打っているんです。抜くところがない。なかなか、全部のボールに対して考えながら、打つことはできない」と非凡な集中力が成長材料だと言う。100%練習からを出し切る理由に本人は「1軍で結果を残さないといけないからです」ときっぱり。サイ・ヤング賞右腕から打てた結果は、日頃からの積み重ねが結果に反映している証しだった。この試合は「3番右翼」が20歳前川、「6番左翼」が22歳森下と次世代を担う両翼が初めて同時にスタメン出場した。最終打者となった前川は「自分の経験値になったかなと思うので、生かしていきたい。新たに結果を求めていきたいと思います」とさらなる成長を誓った。今季4度目となる3番起用だが、全試合でヒットを記録。勝負強い若虎が屈辱の試合でも光った。【三宅ひとみ】

◆岡田虎が首位陥落した。DeNAに今季初の同一カード3連敗で、5月12日以来44日ぶりに2位となった。岡田彰布監督(65)は、この日佐藤輝の出場選手登録を抹消し、打線を大幅改造し、サイ・ヤング賞右腕バウアーから3点を奪った。だが、交流戦防御率0・00の先発才木が今季自己ワーストの4失点。チームは今季初の5連敗で、敵地横浜での連敗も13まで伸びた。ついに首位の座から転がり落ちた。試合中はベンチで不敵な笑みも見せていた岡田監督も前川が見逃し三振し敗戦が決まった瞬間、厳しい表情でベンチをあとにした。この日佐藤輝の出場選手登録を抹消。6月の打率は1割7分9厘と苦しむ大砲を2軍がいる名古屋へ合流させた。試合前には、このまま1軍で出続けても状態は上がってこないかと問われ「そうやろ」とバッサリ。鬼になって勝負の試合に臨んだが、屈辱の敗戦だ。打線の大幅改造も実らなかった。2試合でわずか1点と湿り続ける打線は、67試合目で初めて近本を2番、1番に中野と入れ替えた。3番には前川を入れ、佐藤輝の定位置、「5番三塁」には糸原を、遊撃には小幡を使った。初対戦のバウアーについては「(制球が)アバウトやからな。ある程度高めのゾーン来るやろ。甘い球な」と話していた。5回2死一、二塁から3番前川が浮いたチェンジアップをとらえ右前適時打。続く4番大山も真ん中から逃げるスライダーに食らいつき中前へ連続適時打で一時1点差まで詰め寄った。7回にも近本の内野ゴロで3点目を奪い、7回途中でマウンドから降ろした。だが、リリーフ陣に無安打に封じられ、交流戦防御率0・00の先発才木の4失点は誤算だった。敵地横浜へ乗り込む前に「まずひとつ勝てばいい」と指揮官は話していたが、交流戦優勝のDeNAを止められず、今季初の同一カード3連敗。横浜では13連敗となりセの敵地では99年~00年のナゴヤドーム(現バンテリンドーム)でのワーストに並んだ。今季初の5連敗。試合後、岡田監督は何も話さず球場をあとにした。27日からの本拠地甲子園での中日3連戦の先発は西勇、大竹、村上と強力な3枚が並ぶ。佐藤輝、湯浅、青柳と主力が2軍再調整で苦しい状況が続くが、岡田虎にとってはまさに正念場。球宴までの残り18試合をDeNAとピタリ並走しながら、勝負の後半戦に向けてチームを立て直していくしかない。【石橋隆雄】○...小幡が反撃の口火を切った。3点を追う5回に先頭打者で打席に立ち、DeNAバウアーから右前打。2得点につなげた。「ちっちゃな力かもしれないですけど。まあなんとか変わればなと思いました。負けたのは残念です」。1安打だけだったが、8日楽天戦以来の先発起用で意地を見せた。○...糸原が今季初めて「三塁」で先発出場したが、3打数無安打に終わった。交流戦では2度、指名打者でスタメン起用されたが、佐藤輝の2軍降格で出番が巡ってきた。5番に座ったのも昨年8月11日DeNA戦以来。しかし5回2死一、三塁で遊ゴロに倒れるなど結果を残せず。「与えられたところで頑張るだけなので、また火曜日から頑張ります」と話した。

◆阪神森下翔太外野手がプロ初の左翼でスタメン出場した。6回に佐野の打球処理を誤り失策を記録も、2つの飛球は無難にさばいた。打っては3打数無安打1四球。2点差に迫った7回2死満塁では2番手ウェンデルケンの152キロ外角直球に見逃し三振。悔しそうに打席でしゃがみ込んだ。「(左翼で)守る機会があれば、経験にしてきたい。打撃は張った球で仕留めきれないのが課題」と振り返った。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、横浜スタジアム12連敗中で負ければ首位陥落の阪神が打線のてこ入れに踏み切った。この日佐藤輝明内野手(24)が出場選手登録を抹消され、糸原健斗内野手(30)が「5番・三塁」で出場。近本光司外野手(28)が今季初めて1番を外れ、「2番・中堅」で出場する。ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=は今季初めて左翼で先発出場するなど、DeNAの先発・バウアー打ちに向け打線を大幅に組み替えた。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、二回に先制点を許した。1死から宮崎に右翼フェンス最上部に直撃する二塁打で出塁されると、続くソトには高めに浮いた148キロ直球をとらえて三遊間を破られ、さらに森に四球を与えてピンチは満塁。ここで伊藤に右犠飛を打たれた。飛球を捕球した右翼・前川からの返球は中継プレーで本塁に送られたが、三走・宮崎がわずかに早くホームにすべり込んだ。才木は交流戦で全3試合、計21イニングを無失点で防御率0・00と好投を続け、失点は七回に秋広に右翼ソロを許した5月28日の巨人戦(甲子園)以来、4試合ぶり。チームにとっては4試合連続での先制点献上となった。

◆阪神先発の才木浩人投手(24)が三回に追加点を許した。二回に先制点を許すと、三回は先頭の1番・関根にしぶとく一、二塁間を破って出塁され、桑原には四球を与えて無死一、二塁。ここで佐野には高めに浮いた147キロ直球を右前に弾き返して2点目を刻まれた。さらに、なおも無死一、三塁で牧には左犠飛を打たれてもう1点。今回登板に向けて、DeNA打線に対して「打つべきときに打つべき人が打っている」と警戒していたなかで、中心打者に痛打を許すイニングとなってしまった。才木の1試合複数失点は、4月30日のヤクルト戦(神宮)での、今季ワーストとなる3失点以来、6試合ぶり。0・5ゲーム差で、敗れれば首位陥落となる2位DeNAとの直接対決は序盤に3点を追う苦しい展開となった。

◆阪神・前川右京外野手(20)が0―3の五回、右前適時打を放って1点を返した。この回先頭の小幡が右前打で出塁し、才木が犠打を決めて1死二塁。1番に入った中野は空振り三振に倒れたが、続く近本が四球を選んで2死一、二塁で回った前川の第3打席だった。DeNA・バウアーが3球目に投じた142キロのチェンジアップを捉え、打球は一、二塁間を破る。打った前川はガッツポーズで喜んだ。4連敗中のチームが37イニングぶりの適時打で1点を返すと、なお一、三塁で続く大山悠輔内野手(28)が放った打球はふらふらと上がって、中堅手の前に落ちた。この当たりで三走が生還し、1点差に迫った。

◆阪神先発の才木浩人投手(24)が2―3の五回に失点した。2死から牧に高めの直球をとらえて中越え二塁打を浴びると、宮崎にも高めの直球をはじき返された。打球は鋭いライナーで右中間を破り、二走・牧が生還。打線が2点を返して1点差に追い上げた直後だっただけに、痛い失点となった。才木の1試合4失点は昨年8月11日のDeNA戦(横浜、自責3)以来で、今季ワーストだ。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、5回7安打4失点と崩れた。力のある真っすぐで押すスタイルで攻め、一回を三者凡退で切り抜けた。しかし、二回は1死から連打と四球で満塁のピンチを招き、DeNA・伊藤の右犠飛で先制点を献上。続く三回も佐野の右前打と牧の左犠飛で2点を失い、流れを渡した。打線がバウアーから2点を返して1点差に詰め寄った五回も2死から牧、宮崎に連続二塁打を浴びて、失点。中軸3人に打点を挙げられるなどした1試合4失点は今季ワーストと、敗れれば首位陥落となる2位DeNA相手の大事な一戦で悔しい投球となってしまった。

◆阪神は2―4の六回に2番手・石井大智投手(25)が登板したが、佐野の適時打で1点を失った。この回先頭の伊藤光に右前打を許すと、続くバウアーが犠打を成功。関根にも右前打を浴び、1死一、三塁とピンチを招いた。桑原は初球をバントするも打ち上げ、捕邪飛に倒れて2死にこぎつけたが、続く佐野には3球目の変化球を捉えられて打球は左前へ運ばれた。打線が0―3の五回に2点を返したものの、五回、六回と1点ずつ失点し再び3点差とされた。

◆阪神は2―5の七回、近本光司外野手(28)の内野ゴロの間に1点を返すも、逆転のチャンスを逃した。代打で打席に入ったノイジーが中前打で出塁すると、続く中野も右前打。ノイジーは三塁へ激走し、送球の間に中野も二塁へ進んで無死二、三塁の絶好機を迎えた。打席に入ったのはこの日2番で出場した近本。5球目の157キロ直球を打ち、遊ゴロの間に三走が生還して1点を返した。続く前川が四球を選び、1死一、二塁となったところで先発のバウアーが交代。2番手でマウンドに上がったウェンデルケンに対し、大山はフルカウントまで粘るも遊直で2死。この日5番で出場の糸原は一度もバットを振ることなく四球を選び、満塁とした。ここでドラフト1位・森下(中大)が打席に入ったが、見逃し三振に倒れて逆転とはならなかった。

◆DeNAはこの日の来場者数を3万3178人と発表した。今季、主催試合(新潟開催含む)32試合目での通算100万人到達は、コロナ禍前の2019年に並び球団最速。

◆セ・リーグ2位のDeNAが阪神に競り勝ち、首位に浮上した。これで、本拠地での阪神戦は13連勝。同一カードの球団連勝記録をさらに伸ばした。先発のバウアーが6回1/3を7安打3失点で5勝目(2敗)。打線は二回に伊藤の右犠飛で先制。三回は佐野の右前打と牧の左犠飛で2点を奪い、主導権を握った。

◆阪神は2位DeNAに3連敗で公式戦5連敗。横浜スタジアムでは昨年6月から13連敗となり、首位陥落となった。打線はDeNAの先発・バウアーを攻め切れず、後続にも抑え込まれた。0―3の五回に前川右京外野手(20)が反撃の右前適時打を放ち、続く大山悠輔内野手(28)も中前適時打で1点差に迫ったが後が続かず。2―5の七回は近本の内野ゴロの間に1点を返し、バウアーを降板させてなお2死満塁の好機を作ったが、2番手ウェンデルケンの前にD1位・森下翔太外野手(22)=中大=が見逃し三振に倒れた。先発の才木浩人投手(24)は5回7安打4失点と崩れた。二回は1死満塁から犠飛で先制点を献上すると、続く三回も佐野の右前打と牧の左犠飛で2失点。打線がバウアーから2点を返して1点差に詰め寄った五回も2死から牧、宮崎に連続二塁打を浴び、今季ワーストの4失点となった。チームは今季初の同一カード3連敗で、今月7日に最大6・5ゲーム差あったDeNAとの順位が逆転した。

◆DeNAが3連勝で首位に浮上。先発のトレバー・バウアー投手(32)が6回1/3を3失点に抑え、5勝目(2敗)を挙げた。三浦大輔監督(49)の試合後の一問一答は以下の通り。ーー3連勝「いい形で昨日、一昨日と勝てましたし、今日もみんなつないで、いい流れでとれてよかったです」ーーバウアーについて「しっかりとゲームを作ってくれてましたし、ボールもコントロールできていたし、気持ちの部分もコントロールしながら一球一球投げてくれました」ーー打撃はどこからでも点が取れる雰囲気「みんなが後ろにつないでつないでというところでしたし、きょうも追い上げられたすぐ裏にというところで2アウトからでも1点取れたというのが非常に大きな点数だと思います」ーー横浜スタジアムでタイガース戦に強い「ホームでたくさんのファンの方の声援のおかげです」ーー首位に浮上した「1個ずつ1試合ずつですね。まだまだ先は長いので、しっかりやっていきます」

◆セ・リーグ2位のDeNAが阪神に競り勝ち、首位に浮上した。これで、本拠地での阪神戦は13連勝。同一カードの球団連勝記録をさらに伸ばした。先発のトレバー・バウアー投手(32)が6回1/3を7安打3失点で5勝目(2敗)を挙げた。トレバー・バウアー投手の試合後インタビューは以下の通り。――重要な試合での勝ち投手となりました。いまの気持ちから「ハッシュタグ!ヨコハマ、ユウショウ!」――きょうは誰から一言を教えてもらったんですか?「チームメートからです」――中4日での登板となりました。首位タイガースとの一戦、どんな思いでマウンドに上がった?「とても楽しみにしていました。この2日間、先発投手がほんとに素晴らしいピッチングしていたので、それに続きたいと思って。そして伊藤(光)選手に完投(勝利)をプレゼントしたかったんですけど、少し足りませんでした。でもチームが勝ったので本当によかったと思います」――きょうの投球内容を振り返って「あまり調子がいいとはいえなかったと思うんですけど、チームメートが助けてくれて、なんとか試合をつくることができたんじゃないかなと思ってます」――代わったウェンデルケン投手もいいピッチングをしてくれたJB(ウェンデルケン投手)が本当に助けてくれました。ヒット1本で同点にされてしまうような場面でしたが、彼が本当にいい仕事をしてくれて助けてくれました」――100万人の観客動員達成、リーグ優勝以来の貯金12。ファンの皆さんにメッセージを「(山崎康晃投手から伝授された言葉で)ハーーーイ!」

◆セ・リーグ2位のDeNAが阪神に競り勝ち、首位に再浮上した。これで、本拠地での阪神戦は13連勝。同一カードの球団連勝記録をさらに伸ばした。?DeNAが勝利し、6月7日に最大6・5あったゲーム差をはね返して5月13日(阪神と同率)以来の首位に返り咲いた(単独首位は同12日以来)。DeNA(前身を含む)が6・5ゲーム差を逆転し首位に立ったのは、1960年(6月18日に最大6・5差)と並ぶ最大差。6ゲーム差以上を逆転したのは、60年と98年(5月13日などの6差)に次いで25年ぶり3度目。DeNAが優勝した60年と98年のいずれも6ゲーム差以上を逆転し、リーグ優勝している。?チーム65試合以降での首位は2015年7月15-19日(チーム85試合=42勝42敗1分け、前半戦終了から球宴期間)以来8年ぶり。?貯金12(38勝26敗1分け)は98年(シーズン最終貯金は23、最多は27=球団記録)以来25年ぶり。同年は6月終了時点で貯金10。7月以降の貯金は13。DeNAとなった15年以降の貯金12は15年(5月16日=26勝15敗)、22年(8月24日=58勝47敗2分け)の貯金11を抜く最多となった。

◆ついに大きな壁を越えた!! DeNAは25日、阪神11回戦(横浜)に5―3で勝利。2・5ゲーム差で迎えた首位攻防3連戦で3連勝を飾り、最大6・5ゲーム差を逆転し、5月12日以来の単独首位に浮上した。主将の佐野恵太外野手(28)が2本の適時打で打線を引っ張り、本拠地では対阪神13連勝。前回リーグ優勝、日本一に輝いた1998年以来となる貯金「12」に到達した。球団初の交流戦優勝の勢いに乗り、悲願の頂点へと突き進む。本拠地の鳴りやまない拍手、声援に主将は胸を熱くした。2・5ゲーム差で迎えた阪神との首位攻防3連戦で3連勝。大一番を制しての首位浮上に佐野は「シーズンまだまだ長いけど、重要な3連戦だったと思う。いい形で勝てて、素直にうれしい」と口にした。1―0の三回は1、2番がつくった無死一、二塁の好機で詰まりながらも右前適時打。六回も2死一、三塁からしぶとく左前適時打を放った。不調時に「自分が打てばもっとすごい打線になる」と語っていた通り、11安打の強力打線を演出した3番打者は「チャンスで打てない時期も続いたので、きょうのように走者をかえす仕事をこれからも意識していきたい」とうなずいた。初代の石川雄洋とも、前任の筒香嘉智とも違う、気配りの主将だ。2020年の就任後、コロナ禍で従来のようなコミュニケーションが難しい中でも、新加入の選手とグラウンドで積極的に話し、誰もがプレーしやすい環境を目指した。制限が緩和された今季は横浜で野手会を開くなど、着実に高めてきた一体感をさらに強めている。

◆近本は今季初めて2番で出場。一回にバウアーの150キロ直球を捉えて右翼フェンス直撃の当たりで出塁し、五回には自身のシーズン最多に並ぶ41個目の四球を選んだ。「監督が気分転換と言っていたので、気分転換しながら。普段考えないこと、やらないこととか(をした)。しっかり打ちにいかないと、どんどんストライクを投げてくるので、もう少し打ちたいと思います」と語った。

◆先発を外れたノイジーは2戦続けて代打出場。七回の先頭で中前打を放ち、続く中野の右前打で三塁へ激走した。近本の遊ゴロで生還し、敗戦の中でも必死な姿を示した。「1本出たのは本当によかった。いい形で、いい感触で打つことができたたので。このまま継続していければ」と手応えを感じた様子だった。

◆中野は今季初めて1番を任されたが、5打数1安打に反省が口をついた。「(回の)先頭も3回くらいあったと思うので、塁に出られなかったのは1番として物足りない」。一、三回に続いてイニングの先頭だった九回は守護神・山崎の前に遊ゴロで凡退。27日からの中日3連戦(甲子園)に向け「どういう打順になるか分からないが、任されたところでしっかりと準備してやりたい」と前を向いた。

◆2軍落ちの佐藤輝に代わり、5番・三塁には糸原が入ったが、3打数無安打1四球。1点差に迫った五回2死一、三塁のチャンスでは遊ゴロに倒れた。5番での出場は昨年8月11日のDeNA戦(横浜)以来。「与えられたところで頑張るだけなので、また火曜日から頑張ります」と結んだ。

◆8番・遊撃で12試合ぶりにスタメン出場の小幡は4打数1安打。五回にバウアーの151キロを捉えて一、二塁間を破り、反撃の2得点の起点となった。「(回の)先頭で(塁に)出たことで点につながった。それに関しては良かった。次(の試合)はどんどんくるので、しっかりと準備して臨みたい」と表情を引き締めた。

◆サイ・ヤング賞右腕の熱投で奪首に成功!! DeNAの新外国人、トレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=が25日、阪神11回戦(横浜)に先発し、七回途中7安打3失点で5勝目(2敗)を挙げた。再三ピンチを招きながらもしのぎ、来日後最多となる114球を投げ、自身4連勝。6月は4戦4勝と勢いに乗る大物助っ人が、首位攻防3連戦を3連勝に導き、首位浮上の立役者となった。大一番で勝つ。これがバウアーだ。「重要な試合であるほど力を発揮できる」という登板前日の予告通り、0・5ゲーム差で迎えた阪神との首位攻防戦で白星。お立ち台でチームメートから教わった日本語「ハッシュタグ(#)横浜優勝」と叫ぶと、ハマスタは大きな拍手に包まれた。四、六回以外は毎回走者を背負うも、要所でギアを上げる持ち前の投球を披露。五回2死一、三塁で、糸原を157キロの直球で遊ゴロに打ち取った。今季最多の114球を投げ、「調子自体は良いとは言えなかったが、仲間に助けられ、試合をつくることができた」と打線の援護に感謝した。阪神を2・5ゲーム差で追う2位で迎えた3連戦。23日の第1戦で今永が完投勝利、24日の第2戦で東が無四球完封勝利を挙げて巡ってきたマウンド。「ノーヒットノーランをしないといけないんじゃないかって、いいプレッシャーがあった」と冗談めかしながらも、バトンをきっちりとつないだ。四回1死一塁では送りバントを成功させるも、「真っすぐ走ったつもり」がフェアゾーンを走り守備妨害を取られアウトに。流れを失う〝珍プレー〟も、六回無死一塁で再び犠打を決め、今度ははっきりとファウルゾーンを走り、場内を沸かせた。「ナイスバント2つだった」と来日後から本格的に練習しているバントに胸を張った。日本特有の梅雨時期の湿気が多い暑さも「球速がいつも以上に軽く出て、自分にとっていい天候だった」とケロリ。7登板連続で浴びていた本塁打も許さず、囲み取材の最後には「ノーホームラン!」とガッツポーズして喜んだ。着実に日本の野球に順応し、6月は4戦4勝。月間4勝は球団の外国人では2003年9月のドミンゴ以来2人目で、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)右腕が月間MVPの有力候補に躍り出た。優勝争いにも「重要なことは自分たちのやるべきことに集中すること」とバウアー。25年ぶりの優勝へ、最強のピースとなる。(浜浦日向)

◆才木は5回7安打、今季ワーストの4失点で4敗目を喫した。交流戦では21回無失点だったが、二回に5月28日の巨人戦(甲子園)以来の失点。援護をもらって1点差に迫った五回には、2死から連続二塁打を許してリードを広げられた。「味方が追い上げてくれた次のイニングを抑えることができず、悔しい。次はやり返せるようにやっていきたい」と誓った。

◆重苦しい同一カード3連敗で、虎を不穏な空気が包み込んだ。ただ、希望もある。前川がバウアーを撃った。チームとして久々に刻んだタイムリーに若虎は塁上でパンッと両手をたたき、自信を深めた。「試合が始まる前から、打てたら自信になる、打てなかったらもっとやらないといけないと思って(打席に)入った。一つ、自分の中でいい経験値になった」0-3で迎えた五回2死一、二塁の好機だった。142キロチェンジアップを振り抜く。鋭い打球は瞬く間に一、二塁間を抜け外野芝生を転々。二走・小幡の生還を見届けると、左手を突き上げた。これがチームにとって17日のソフトバンク戦(甲子園)の四回以来、実に37イニングぶりのタイムリーヒット。深刻な得点力不足にあえぐ阪神打線の中、リーグ戦再開後初のスタメンで、3番で起用された前川が意地をみせた。「1打席目は1軍に上がってきたときと同じような三振の仕方だった。このままズルズルいってはいけないと思って、低めをしっかり捨てた」20歳の若武者は試合に出るたびに頼もしさが増している。第1打席は低めボール球に手を出し、空振り三振。そこから死球、そして右前適時打とたった2打席で修正してみせた。しかも、相手は2020年に米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を獲得した右腕。プロとして、また一つ上のステージへとステップを踏むことができた。それでも生粋の負けず嫌いは、チームが敗れた現状に満足するはずがない。幼い頃、兄・夏輝さん(21)に対する口癖は「けんかでは負けても、野球では絶対に負けへん」。自らは結果を出したが、「1打席目からしっかり合わせていけるようにならないといけない」とさらに上を見た。「また1週間が始まる。気持ちをリフレッシュして、もう一度、新たに結果を求めて、やっていきたいと思います」佐藤輝が2軍降格し、虎党はひと振りで流れを変えることができる存在を求めている。その希望が前川だ。負の連鎖を断ち切り、虎をまた首位へと押し上げていく。(原田遼太郎)

◆もう30年以上前のお話。日米野球のMLB選抜の一員として、ロジャー・クレメンスというすごい投手が来日した。「サイ・ヤング賞投手が日本で投げるなんて、まずあり得ないことだ。世界最高の投手と対戦できたことを、しっかり聞いて原稿を書け!」当時のデスクから命じられた。舞台は甲子園。当時レッドソックスに在籍していた「世界最高」と対戦した亀山努や新庄剛志(なぜかこの2人が全日本に入っていた)に「どうやった?」と必死で尋ねたもんだ。以来、サイ・ヤング賞投手が日本で投げるはずがない...という変な先入観を抱いて記者生活を送ってしまった。令和の時代、バウアーという正真正銘のサイ・ヤング賞投手が、阪神相手に投げる姿を見て、ちょっと興奮してしまった。今回の3連戦を前に、佐藤輝が「バウアーのユーチューブもチェックしてますよ」と話している記事を読んで、遅ればせながら、さかのぼって視聴した。これが面白い(今頃気付いたの?と笑われそうだが)。街中で、日本文化に触れて、次々とつづる感想は、野球選手にしておくのがもったいないような鋭さだ。大阪・道頓堀でたこ焼きを食べながら「僕はタコがもっと入っている方がいい」と主張していた。その意見、大賛成だ。「来日直後からずっと見てますよ。野球をしに来たのか? 何のために日本に来たんだ!という意見がネットにあふれるぐらいに楽しいですよね。ちなみに、僕の弟は野球に特に興味がないのに、なぜかバウアーのユーチューブに感銘して、DeNA戦を見たいと言い出してます。野球界のファン拡大に貢献していますね」そう教えてくれたのはトラ番・原田遼太郎。ライバル球団の助っ人の動画をホメまくるのはどうかとは思うけれど、野球界が盛り上がってくれるのなら、いいことだ。

◆交流戦明けのわが阪神はDeNAに3連敗で首位陥落、アレアレアレ...(優勝のじゃなくて)。俺、連日の猛暑に熱中症にかかって幻覚の中をさまよってるのか!?いや、これが現実!! てか、虎党はいつかこんな日が来ることを心のどこかで覚悟していたろうから、むしろこれが優勝争いの山場の夏の終わりや秋口でなかったことが幸い。『塞翁が虎』と良い方に考えちゃいましょう!!さあ、面白くなってきました~!! ここからが野球翁(おきな)岡田彰布の2023年第2章のはじまりはじまり~!! 不振の佐藤輝をついに2軍へ落とし、スタメンサードに糸原を起用。「監督就任直後から佐藤輝はサードで固定。糸原には代打(控え)に徹してもらうと語ってたやんけ~。岡田はん、あんたプライドないんか~!!」と言う者もあろう! その声も分からないでもないが、65歳の野球を知り尽くした男が発言を撤回しての方針転換というのは「プライド? 何が何でも勝つのがプライドやんけー!!」と言ってるように俺には聞こえるのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
DeNA
38261 0.594
(↑0.007)
-
(↓0.5)
78268
(+5)
229
(+3)
50
(-)
15
(-)
0.261
(↑0.001
3.300
(↑0.01)
2
(1↓)
阪神
38272 0.585
(↓0.009)
0.5
(↑0.5)
76251
(+3)
207
(+5)
32
(-)
36
(-)
0.239
(-)
2.850
(↓0.04)
3
(1↑)
広島
35320 0.522
(↑0.007)
4.5
(↑0.5)
76235
(+3)
240
(+2)
43
(+1)
34
(-)
0.246
(↑0.001)
3.270
(↑0.02)
4
(1↓)
巨人
35330 0.515
(↓0.007)
5
(↓0.5)
75257
(+2)
259
(+3)
79
(-)
21
(-)
0.256
(↑0.001)
3.710
(-)
5
(-)
中日
26401 0.394
(↑0.009)
13
(↑0.5)
76185
(+5)
213
(+1)
29
(-)
22
(+1)
0.238
(↑0.002)
2.780
(↑0.03)
6
(1↓)
ヤクルト
25412 0.379
(↓0.006)
14
(↓0.5)
75235
(+1)
268
(+5)
57
(+1)
33
(-)
0.233
(-)
3.710
(↓0.03)