阪神(★0対2☆)オリックス =交流戦1回戦(2023.06.13)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ORIX
0001001002411
阪神
0000000000230
勝利投手:山本 由伸(6勝2敗0S)
(セーブ:山﨑 颯一郎(0勝0敗2S))
敗戦投手:村上 頌樹(5勝3敗0S)

本塁打
【オリックス】ゴンザレス(8号・7回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 ORIX戦チケット予約
◆オリックスは4回表、無死満塁の好機から中川圭が適時打を放ち、先制に成功する。そのまま迎えた7回にはゴンザレスのソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・山本が8回無失点11奪三振の快投で今季6勝目。敗れた阪神は先発・村上が力投するも、打線が2安打無得点と沈黙した。

◆オリックス山本由伸は今季交流戦で2戦2勝。同投手は21年の交流戦で3勝をマーク。交流戦でシーズン3勝以上の回数は杉内(巨人)田中将(楽天)和田(ソフトバンク)涌井(中日)の5度が最多だが、18試合制となった15年以降に複数回記録したのは16、18年石川(ロッテ)17、21年秋山(阪神)の2人だけ。山本が勝てば3人目の記録となる。

◆オリックス中嶋聡監督(54)が体調不良で欠場し、水本勝己ヘッドコーチ(54)が監督代行で指揮を執った。欠場期間は未定。中嶋監督は昨年8月に新型コロナウイルスに感染し、その際も水本ヘッドが監督代行を務めた。水本代行の通算成績はこの日の勝利も含めて7試合で4勝3敗となった。

◆演歌歌手丘みどり(38)が始球式に登場した。「演歌歌手なので着物で」と言うように、着物姿に、ファンからもらったという特製のグラブを持ってマウンドへ。ワンバウンド送球で投球を終えた。「人生の中で一番緊張しました。確実に紅白(歌合戦)よりも緊張しました」と独特の緊張感を笑顔で振り返った。兵庫・姫路市出身で小さい頃から家族で阪神ファンという生粋の虎党。満員の甲子園の景色を見て「熱気もすごくて、とても興奮しています」と感無量の様子だった。

◆/"無敵"の馳名はセ界にも\中川圭太が無死満塁からタイムリー東洋大OB対決を制して先制??#プロ野球(2023/6/13)??阪神×オリックス??Live on #DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 #無敵の中川 pic.twitter.com/O8jf0tFAOe

◆阪神が1イニング2失策と守乱から、オリックスに先制点を許した。4回オリックス先頭宗の一塁への打球を大山悠輔内野手(28)が跳ねた打球が体に当たり打球がそれて、失策で出塁を許した。続く杉本の右中間への安打で無死一、三塁とすると、続く頓宮の三塁への当たりを三塁手渡辺諒内野手(28)が二塁へ送球するも、送球がそれてセーフに。無死満塁となり、中川圭に右前適時打を打たれて、先制点を献上した。その後は阪神先発村上が打者を抑えて、1失点のみと最少失点にとどめた。

◆/虎の新星の気迫??\村上頌樹はこの回二者連続三振に仕留めるパ首位打者にも動じない好投?#プロ野球(2023/6/13)??阪神×オリックス??Live on #DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/pXgUiZ8Jnf

◆阪神村上頌樹投手(24)8回4安打2失点(自責1)、9奪三振で力投も、3敗目を喫した。初回から3回まで、1安打のみに抑える。4回も味方の守備の乱れで無死満塁のピンチも、オリックス中川圭の右前適時打のみと最小失点にとどめた。だが、1点ビハインドの7回1死でゴンザレスに右翼越え8号ソロを被弾し、自身も2試合連続の被本塁打と痛恨の追加点を献上した。だが、5回から8回は毎回三振を奪う力投。だが、打線がオリックス山本由伸(24)から得点を奪えず、援護なしで黒星を喫した。

◆/守備範囲はムゲン??\近本光司が好捕で魅せたサヨナラ呼び込む1プレーとなるか?#プロ野球(2023/6/13)??阪神×オリックス??Live on #DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/kcEbifEDF0

◆/主役は日本のエース\山本由伸は関西ダービー初勝利交流戦球団通算200勝達成?回数:8失点:0安打:2三振:11死四球:2球数:112※これで対セ未勝利はDeNAのみ?#プロ野球(2023/6/13)??阪神×オリックス??Live on #DAZN#DAZNプロ野球#Bs2023 pic.twitter.com/vjGNJT2oiY

◆阪神がオリックス山本由伸を打ち崩せず、わずか2安打で今季6度目の完封負けを食らった。1イニング2失策から決勝点を許し、1試合3失策は今季ワースト。セ・リーグ2位DeNAとのゲーム差は3・5まで縮まった。痛恨のミスが出たのは両チーム無得点で迎えた4回表だ。オリックス先頭2番宗の一ゴロがイレギュラーし、一塁手の大山悠輔内野手(28)が体で止めきれず失策。さらに3番杉本の中前打で無死一、三塁とされると、4番頓宮の三ゴロを三塁手の渡辺諒内野手(28)が二塁へ悪送球。2つの失策から無死満塁のピンチを招くと、先発村上頌樹投手(24)が5番中川圭に先制の右前適時打を献上した。打線はオリックス山本の前に5回2死までノーヒット。2点を追う7回2死から死球、一ゴロ失策、三塁強襲の内野安打で満塁としたが、8番木浪聖也内野手(28)が遊ゴロに倒れた。山本には8回無失点で今季6勝目を献上。9回裏は2番手山崎颯から2四球で1死一、二塁としたが、代打佐藤輝明内野手(24)、代打原口文仁内野手(31)が2者連続凡退に倒れた。先発村上は7回にも6番ゴンザレスに右越えソロを浴び、8回2失点(自責1)で自身2連敗となる今季3敗目(5勝)。阪神、オリックスの監督を経験し、11年ぶりに「関西ダービー」で指揮を執った岡田彰布監督(65)の復帰星はお預け。今季甲子園最多観衆4万2625人に白星を届けられなかった。阪神の完封負けは6月9日日本ハム戦以来、今季6度目。交流戦では5月31日西武戦と合わせて3度目で、日本ハムと並んで12球団最多タイ。阪神の2安打は今季最少。4月6日広島戦と同7日ヤクルト戦での3安打が今季の最少だった。

◆阪神高卒2年目の前川右京外野手(20)は山本由伸の一流の球を見て経験値を上げた。「5番右翼」で甲子園で初先発。2回のは157キロの直球をフルスイングし、痛烈な一ゴロでファンを沸かせた。その後は見逃し三振と死球。「ストレートの質もすごかったです」と右腕の球質に驚きつつ「もっともっと、1日1日を頑張りたいなと思います」と気を引き締めた。

◆阪神はオリックス山本由伸投手(24)に8回2安打無得点に抑えられ、11三振を喫し、今季6度目の完封負けを喫した。村上頌樹投手(24)も8回2失点(自責1)と粘ったが、援護できなかった。失策も今季最多の3と攻守で苦戦した。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-最後の大山の打球が抜けていたら「まあ、なあ。それを言うなら、そうやけどさあ。(中川圭が)よう捕ったよなあ。あれなあ」-山本は想定以上だった「そうやなあ。やっぱり。なんというか、初回から飛ばしていたからなあ。おーん。まあ7回、そのぐらいかなあと思っていたけど。(球威が)落ちんかったよなあ、ほんまに」-村上もよく投げた「よう投げたよ。そら。エラー絡みで最初の1点は痛かったよなあ。先の点はなあ。まあ、よう1点でしのいだけどなあ」-1イニングにエラーが2つ絡むと「まあそら、点はでるやろ」-こういう投手戦となるのは分かっている中で、逆にもらったチャンス(7回)で点を取りたかった。「ああ。まあそら、追い上げる方やからな。7回は2点差になっているときやから」-打線は近本に元気がない。「いやいやもう、ずっとなあ。おーん。この9連戦の途中から。塁に出ても今日は2アウトからばっかりやったから。なかなかな、何にもできんかったな、やっぱりな」-山本対策は?「いやいや、まあ、低めをな。低めを捨てるのはいつものことやから、特別なことは別にやってない。普通のミーティングやったから」-エラーが最近多い、原因は疲れも?「いや、そら分からんけどな(笑い)。今日は重なったからな、おーん」-ああいうところでエラーから失点してしまう「いやいや、そらエラーで失点もするよ、お前。百何試合もしたら。そんなんお前、それをなんかバットで取り返せばええやん。チームとして機能すればええんや」-佐藤輝の代打「おーん、山本やったらいかんかったけどな、おーん。まあ山崎に代わったからな」-最後は原口「おーん、いやいや、もうそらなあ、悔い残らんように、まあなあ、2本打ってたけどな、坂本も。まあ山本からやったし。なかなかなあ、あのぐらいの回じゃないとキャッチャー代えられへんからの、結局いま2人やから」-佐藤輝はまだ時間かかりそうか「おお、時間かかるていうか、いやいや、だから、悪いから外してるんやから。だから、シーズンやから、お前、なあ。ゲームの中で、よくなるいうのは全然、今の見とったらないもんなあ、はっきり言うて」-今日の代打のようないいところで打ってくれればまた違った「うーん、だから、なあ、十何打席、14か15くらい(安打が)出てないけど、真っすぐのヒット言うたら、何打席出てないと思う? なあ、あの、楽天(戦)でもあれ、両方とも変化球やで、三塁打な。真っすぐをはじき飛ばされへんからなあ。今日も変化球やろ。そういうことやん。やっぱり真っすぐ、そらのお。おーん。やっぱり捉える、ねえ、打球いかんと、なかなかなあ。まあ、交流戦、パ・リーグ相手はピッチャーもストレート速いからな」-練習するしかない「練習いうても...打ち込みやってるやろ...おん」-打線が1、3、5、6と機能してない「1と3と?」-5、6「2もちゃうのん...フフフ(笑い)。いやいや、そら、機能せん、打てんときもあるからな。そら、ずっとあのまま1、2番がなあ、ずっと良かったら、そらもっと点になってるよ。そら、今日でも。そら、早い打順やねんから、お前。もっとノーアウトとか、ワンアウトで出るわけやから。そういうことやんか。そら、打てんときもあるよ、シーズン。それを何とかするなあ、おーん。そういうことやろ。そら、10回に3回打ったら、すごい選手やねんから」

◆オリックス先発の山本由伸投手(24)が"救い投げ"を決めた。中嶋聡監督(54)が体調不良で欠場したピンチで、セ界首位の阪神を8回2安打、毎回の11奪三振で0封し、トップタイの6勝目を挙げた。規定投球回にも到達し、防御率1・59、勝率7割5分でリーグ3冠に浮上。プロ7年目の甲子園初先発で、自身5連勝&交流戦3戦3勝の無双モードに入り、首位ロッテにゲーム差なしに迫った。オリックス山本が今季交流戦で広島戦、巨人戦に次ぐ勝利を挙げ3戦3勝。21年以来2度目の交流戦3勝をマークした。交流戦がシーズン18試合制となった15年以降、3勝以上を複数回記録したのは16、18年石川(ロッテ)17、21年秋山(阪神)に次いで3人目。山本は勝利、防御率、勝率でリーグトップに立ち、奪三振もロッテ佐々木朗に次ぐ2位。21、22年に史上初めて2度の投手4冠に輝いているが、今季はどうか。

◆打撃不振で2試合連続スタメン落ちとなった阪神佐藤輝明内野手(24)が、2試合ぶりに出場した。9回1死一、二塁の場面で渡辺諒の代打で登場すると、球場のボルテージは一気に上がったが、オリックス山崎颯の変化球に二ゴロに倒れ、好機を広げることはできなかった。佐藤輝は「なんとかしたかったんですけど...」とぽつり。これで2本の三塁打を放った7日楽天戦の4打席目から15打席連続でノーヒットとなった。岡田監督は「真っすぐのヒット言うたら、何打席出てないと思う? 楽天(戦)でもあれ、両方とも変化球やで、三塁打な。真っすぐをはじきとばされへんからなあ。今日も変化球やろ。そういうことやん」と指摘。直近では5月26日の巨人戦で鈴木康から打った左前打が151キロの直球だったが、交流戦ではほとんど直球を仕留められていない。「次、頑張ります」。佐藤輝は、悔しさをかみしめながらリベンジを誓った。

◆オリックスは中嶋聡監督(54)が体調不良で欠場し、水本勝己ヘッドコーチ(54)が監督代行で指揮を執った。試合は先発の山本由伸投手(24)がセ界首位の阪神打線を8回2安打、11奪三振で0封するなど圧倒。水本代行は「急やったから(勝って)ひと安心やね。(山本は)本当にナイスピッチングです。本当に頑張ってくれたと思うし、内容も良かったと思います。(勝利球は)もらってないよ。由伸に渡したよ」とエースの奮闘をたたえた。中嶋監督は昨年8月に新型コロナウイルスに感染し、その際も水本ヘッドが監督代行を務めた。水本代行の通算成績はこの日も含めて7試合で4勝3敗となった。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神対オリックス戦に先発したオリックス山本由伸は、甲子園で初先発。同学年の村上と対決に勝ち、交流戦3戦3勝で6勝目。勝利数、防御率、勝率の3冠です。

◆オリックス中川圭太が東洋大の後輩、阪神村上から先制打を放った。4回、敵失からつくった無死満塁で、村上の146キロ速球を右前へ。売り出し中の後輩右腕相手に先輩の貫禄を見せたが、「いい投手と知っていたけど、打席に立ったら本当にいい投手でした」と目を丸くした。9回1死の中堅守備では、阪神大山のフェンスぎりぎりの大飛球を好捕。超美技で救援の山崎颯を救った。オリックス山崎颯(9回に甲子園プロ初登板。2セーブ目)「1球ごとにすごい歓声だった。この雰囲気を味わえたのはすごく大きいと思うので、次はぴしゃっと抑えられれば」

◆オリックス先発の山本由伸投手(24)が"救い投げ"を決めた。「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦は中嶋聡監督(54)が体調不良で欠場したピンチで、セ界首位を8回2安打、毎回の11奪三振で0封し、トップタイの6勝目を挙げた。規定投球回にも到達し、防御率1・59、勝率7割5分でリーグ3冠に浮上。プロ7年目の甲子園初先発で、自身5連勝&交流戦3戦3勝の無双モードに入り、首位ロッテにゲーム差なしに迫った。山本が、定位置に戻ってきた。プロ初先発の甲子園で、阪神打線から毎回の2桁三振を奪い、8回2安打無失点。中嶋監督離脱の危機にエースが力投し、交流戦チーム200勝を挙げた。「相手も好投手だったので、立ち上がりから丁寧に投げられました。もう本当に、1点もあげられない気持ちだったので。気を引き締めて最後まで投げられたので、それがいい結果につながった」。満員御礼の甲子園を熱投で沸かせ、ヒーローインタビューで締めた。同じ98年生まれの阪神村上と、同じ5勝2敗で初めて投げ合った。相手の力量が高ければ高いほど、球場のボルテージが上がれば上がるほど、山本の投球はすごみを増す。2死からの与死球、味方の失策などで7回2死満塁。この試合最大のピンチで「とにかく盛り上がっていたので、雰囲気にのまれないように冷静に投げました」。木浪を153キロ快速球で遊ゴロに打ち取り、ガッツポーズを作った熱い姿とは裏腹に、しっかりと気持ちをコントロールした。「2ボールくらいになっただけで(球場が)ワーッみたいな。でも、動じない」と女房役の若月も"由伸無双"に舌を巻いた。シーズン序盤には連敗があった。発熱で戦列離脱の時期もあった。それでも必ず本来の立ち位置に戻ってくるのは、基本に忠実な練習を続けているから。その1つが遠投。試合前、少しずつ距離を伸ばし、最後は左翼から右翼にいる相手まで投げて軌道を見極め、体のバランスを確認する。この夜は「しっかり下半身使って投げられたんで、上半身まで力が伝わっていいボールは多かったかなと思います」と明かした。さらに「もっともっと良くなると思います」と力強くうなずいた。まだまだすごい山本を、見ることができる。【堀まどか】■中嶋監督、体調不良で欠場オリックス中嶋聡監督(54)が体調不良で13日の阪神1回戦(甲子園)を欠場し、水本勝己ヘッドコーチ(54)が監督代行で指揮を執った。欠場期間は未定。中嶋監督は昨年8月に新型コロナに感染し、水本ヘッドが監督代行を務めた。オリックス水本監督代行(中嶋監督の体調不良で代行を務め、昨季の代行も含めた通算成績は4勝3敗に)「やっぱり急やったから、(勝って)ひと安心やね。(山本は)本当にナイスピッチングです。本当に頑張ってくれたと思うし、内容も良かったと思いますよ。(勝利球は)もらってないよ。由伸に渡したよ」オリックス山本が今季交流戦で広島戦、巨人戦に次ぐ勝利を挙げ3戦3勝。21年以来2度目の交流戦3勝をマークした。交流戦が18試合制となった15年以降、3勝以上を複数回記録したのは16、18年石川(ロッテ)17、21年秋山(阪神)に次いで3人目。山本は勝利、防御率、勝率でリーグトップに立ち、奪三振もロッテ佐々木朗に次ぐ2位。21、22年に史上初めて2度の投手4冠に輝いているが、今季はどうか。

◆あぁ打てず守れず...。阪神打線が「日本生命セ・パ交流戦」オリックス戦で山本由伸投手(24)の前に沈黙した。5回2死まで無安打に抑え込まれるなど8回無得点。今季最少2安打とお手上げ状態だった。守備でも今季1試合ワーストの3失策。今季最多4万2625人の甲子園はため息に包まれた。阪神が今季最少2安打で6度目の0封負けを食らった。オリックス先発山本が想定以上だったかと問われた岡田監督は「そうやなあ。初回から飛ばしていたからなあ。まあ7回ぐらいかなあと思っていたけど、(球威が)落ちんかったよなあ、ほんまに」と、相手エースをたたえるしかなかった。7回に死球や相手失策などで2死満塁とこの日初めて三塁を踏んだが、木浪が155キロ直球で遊ゴロに仕留められた。山本から走者を出したのは3度とも2死から。指揮官は「2死からばっかりやったから、なかなかな、何もできんかったな」と、動こうにも動けなかった。ここまで打線を引っ張ってきた1、2番の不振が深刻だ。近本は6日楽天戦から25打数1安打、6日は猛打賞の中野も7日楽天戦から25打数3安打。この日は2人とも4打数無安打。指揮官も「(近本は)もう、ずっとなあ。2番もちゃうのん...ふふふ、そら機能せん、打てん時もあるからなあ」と、苦笑いだ。守りでも今季最多の3失策と乱れた。「エラーがらみでの最初の1点は痛かったよなあ」と話すように、4回先頭の宗の打球を一塁大山がはじき出塁。さらに一、三塁から頓宮の三ゴロで渡辺諒が二塁へ悪送球し、先制点を許した。不振の佐藤輝に代わって2戦連続スタメンの渡辺諒は8回にも茶野の飛球を落球し、この日2失策。「出ている以上は難しいとか言っていられない。チームに迷惑をかけて申し訳ない」と肩を落とした。交流戦は借金2となり、残り5試合で4勝1敗でいかないと、勝率5割以上にはならない。セ・リーグでは2位DeNAが勝ち、3・5差まで迫られた。岡田監督は「そらエラーで失点もするよ。百何試合もしたら。それをバットで取り返せばええやん」と切り替えることを求めた。まだシーズンは84試合もある。【石橋隆雄】阪神の完封負けは6月9日の日本ハム戦以来、今季6度目。交流戦では5月31日西武戦と合わせて3度目で、日本ハムと並んで12球団最多タイ。阪神の2安打は今季最少。4月6日広島戦と同7日ヤクルト戦での3安打が今季の最少だった。○...近本が山本と4打席対戦し、無安打と完敗した。4回は155キロ直球、8回は124キロのカーブでともに見逃し三振と手が出なかった。8日楽天戦の第2打席から21打席連続無安打で、自己最長にあと1と迫った。2年連続の沢村賞投手に対し「チャンスも打てるボールもなかった。それでも粘ってということすらできなかった」とお手上げだった。

◆ロッカールームを出た阪神村上頌樹投手(24)に、いつもの笑顔はなかった。今季3敗目を喫した右腕は「粘れなかったというのが悪いですし、ホームランもダメだった。(エラーの後は)絶対粘らないといけない場面だった。自分の実力ですし。ダメですね」。8回4安打2失点、無四球の好投も、語ったのは自身への反省。悔しさを押し殺し、球場を後にした。4回に失策や安打で無死満塁のピンチを招き、5番中川圭の右前適時打で先制点を献上。7回には6番ゴンザレスから2戦連続被弾となる1発で2点目を許した。それでも大量得点は許さず、今季7度目のクオリティースタート(6回以上自責点3以内)を達成。9つの三振を奪った。相手先発山本は、98年生まれの同学年。この試合までの成績はともに5勝2敗。防御率も山本の1・82に対して1・83と、互角の成績を残していた。前評判通りの投手戦を演じたが、「その差」はあった。2年連続の沢村賞投手のボールを打席でも体感し「まっすぐの質であったり、変化のキレは体感できた。ああいうボールを投げられるようにやっていきたい」と、刺激にも変えた。粘投実らずも岡田監督は「よう投げたよ。そら。エラー絡みで最初の1点は痛かったよなあ。よう1点でしのいだけどなあ」とたたえた。「これを次に生かしていきたいと思います」。週頭を任される「火曜日の男」。悔しさをバネにステップアップする。【波部俊之介】

◆先発マスクをかぶった阪神坂本誠志郎がオリックス山本から2安打を放った。5回2死では152キロカットボールを中前にはじき返してチーム初安打。7回2死一、二塁でも155キロを捉え、ライナーで三塁強襲の内野安打。ただ、完封負けで8回2失点の村上を援護できず「いい投手だから負けたと言いたくはない。いい投手にも勝てる投手だと思っているので」と気遣った。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神・前川右京外野手(20)が「5番・右翼」で先発。プロ初ヒットをマークした6日の楽天戦(楽天モバイル)から出場5試合連続安打中と好調の若虎が1軍での甲子園初安打に向け、球界のエース、オリックス・山本に挑む。また「6番・三塁」には渡辺諒が座り、2試合連続でスタメン出場。佐藤輝は2試合連続でベンチスタートとなった。

◆オリックスは中嶋聡監督(54)が体調不良のため、水本勝己一軍ヘッドコーチ(54)が監督代行として指揮を執ることを発表した。復帰の期間については未定としている。昨年8月下旬にも中嶋監督が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、水本ヘッドが監督代行を務めた。

◆オリックスのD1位・曽谷龍平投手(22)=白?大=が14日の2回戦にプロ2度目の先発。敵地でキャッチボールなどで体を動かし、登板に備えた。「1回先発で登板させてもらって、少しは心の余裕があると思う。入りからしっかり自分の投球ができたらと思う」。前回、7日の巨人戦(京セラ)では、田嶋の代役として初先発も五回途中2失点で初黒星を喫した。再び巡ってきた先発のマウンド。3月のオープン戦でも甲子園での阪神戦は登板があり、球場全体が黄色に染まる光景は体験済み。「阪神の応援はすごいので、飲み込まれないようにやっていきたい」と力を込めた。

◆阪神が守備のミスから先制点を献上した。0-0で迎えた四回。先頭の宗が放った打球を一塁手・大山がファンブル。失策で走者を許すと、先発の村上が続く杉本に中前打を浴び、無死一、三塁のピンチを背負った。さらに続く頓宮の打球は平凡な三ゴロ。捕球した渡辺諒は三走を気にしつつ、二塁封殺を狙ったが、これが悪送球となり満塁。中川に右前打を許し、先制点を献上した。中川の一打で、二塁を飛び出した一走・頓宮の隙を大山が見逃さず、タッチアウトで1死二、三塁。ゴンザレスの打球は前進守備の二塁・中野が華麗にさばいて、三走をホームでタッチアウトとし、2死一、三塁。最後は紅林を右飛に仕留め、何とか最少失点で切り抜けたが、三回まで一人の走者も出せず、完璧に抑えられているオリックス・山本の前に1点が重くのしかかった。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(24)が痛恨の一発を浴びた。0-1で迎えた七回。1死からゴンザレスに投じた5球目だった。147キロ直球を完璧にとらえられると、打球は無情にも右翼スタンドへ。8号ソロで点差を2点に広げられると、マウンドでがっくりとうなだれた。阪神打線はオリックスの先発・山本の前にわずか1安打と沈黙。苦しい状況が続いている。

◆阪神が絶好機を逃した。七回、2死から前川が死球で出塁すると、渡辺諒の打球を一塁・頓宮がファンブルし、一、二塁と初めて得点圏に走者を進める。続く坂本が三塁強襲の内野安打。オリックスがリプレー検証を要求も判定は覆らず、満塁の絶好機を作った。打席には8番・木浪。しかし、力のない打球は遊ゴロとなりこの回も無得点に終わった。

◆阪神がまた守備のミスだ。0-2の八回。1死から茶野の打球は甲子園の上空へ。高々と舞い上がった白球は完璧に打ち取った打球だったが、これを三塁・渡辺諒がまさかの落球。1死二塁とピンチを招いた。渡辺諒は四回にも悪送球で先制点につながる守備のミス。先発の村上が何とか後続を断って追加点を与えなかったが、チームとしても今季初の1試合3失策と守備のミスが目立っている。

◆阪神が完敗。打線がオリックスの先発・山本の前に屈した。四回まで無安打1四球に抑えられ、五回に坂本が中前打でようやくチーム初安打。七回は2死から満塁の好機を作ったが木浪が遊ゴロに倒れた。 阪神の先発・村上は8回4安打2失点(自責1)と好投も今季3敗目。四回に2つの失策も絡んで先制点を献上すると、七回はゴンザレスに痛恨の一発を浴びた。 4試合連続で3得点以下と、深刻な得点力不足に加えて、今季最多の1試合3失策と守備のミスも響いた。

◆オリックス・山本由伸投手(24)が8回2安打11三振2四死球無失点で甲子園先発で白星を飾った。「関西対決にもなりますし、阪神ファンの方もすごく熱いですし。阪神もすごく強いですし、そのあたりは楽しみですね」投げ合うのは同学年の村上。2年連続沢村賞の実績から負けるわけにはいかなかった。一回から150キロ超の速球を軸に三回まで一人の走者を許さず、完全投球だった。宮崎・都城高の3年間は聖地のマウンドに一度も足を踏み入れられなかった。オリックスに入団後、中継ぎとして、18年に2イニングで登板したのみ。「球場の気持ちよさというか、そういうのをすごく感じたような記憶があります」と話すが、今回、先発として甲子園に足を踏み入れ、雰囲気を堪能した。1-0の四回は2死から3番・ノイジーに四球を与えた、完全試合の目はつぶれ、五回にも2死から坂本に中前打で無安打無得点試合がなくなった。それでも後続をしっかり封じ込め、エースの風格を相手に見せつけた。交流戦が始まった2005年以降、関西を本拠地とする2チームの対戦成績は、31勝31敗3分けと五分。人気では、水をあけられているが、奮闘している。DH制がないため、9番として打席に入るも、安打は出ず、初ヒットはプロ7年目でもお預けになった。それでも持ち前の投球で六回まで二塁すら踏ませなかった。七回は2死満塁のピンチを招いたが、木浪を遊ゴロ。九回は山崎に託して、自身は5連勝を飾った。(北池良輔)

◆阪神が今季最多4万2625人を集めた関西ダービーの初戦を今季6度目の完封負けで落とした。オリックス・山本由伸投手(24)には八回まで坂本誠志郎捕手(29)の2安打のみ。九回は山﨑颯一郎投手(24)から2死一、三塁の得点機を作ったが、代打・原口文仁内野手(31)が空振り三振に倒れた。8回2失点(自責1)の村上頌樹投手(24)は3敗目(5勝)を喫した。2試合連続スタメン落ちの佐藤輝明内野手(24)は九回1死一、二塁で代打で二ゴロに倒れ、15打席連続無安打。4打数無安打の近本光司外野手(28)は21打席連続ノーヒート。「5番・右翼」の前川右京外野手(20)は2打数無安打2四死球だった。チームは四回に大山悠輔内野手(28)、渡辺諒内野手(28)、八回にも渡辺が飛球を落球し、1試合3失策だった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=36勝21敗2分、観衆=4万2625人)。ーー最後の大山の打球が抜けていたら(九回無死一塁で中堅への飛球を好捕される)「それを言うなら、そうやけどさあ。よう捕ったよなあ。あれなあ」ーー山本は想定以上だった「初回から飛ばしていたからなあ。まあ七回ぐらいかなあと思っていたけど。(球威が)落ちんかったよなあ、ホンマに」ーー村上もよく投げた「よう投げたよ。エラーがらみで最初の1点は痛かったよなあ。先の点はなあ。まあ、よう1点でしのいだけどなあ」ーー1イニングに2失策「そら、点は出るやろ」ーー近本に元気がない「この9連戦の途中から。塁に出ても今日は2アウトからばっかりやったから。なかなかな、何にもできんかったな、やっぱりな」ーーエラーが最近多い。原因は疲れも?「そら分からんけどな(笑)。今日は重なったからな、おーん」ーーエラーから失点してしまう「エラーで失点もするよ、お前。百何試合もしたら。そんなんお前、バットで取り返せばエエやん。チームとして機能すればエエんや」ーー佐藤輝の代打「おーん、山本やったら行かんかったけどな、おーん。まあ山崎に代わったからな」ーー最後は坂本に代打・原口「悔い残らんように。2本打ってたけどな、坂本も。まあ山本からやったし。あのぐらいの回じゃないとキャッチャー代えられへんからの。結局今2人やから」ーー佐藤輝はまだ時間かかりそうか「おお、時間かかるて言うか、だから、悪いから外してるんやから。時間かかるて言うか。シーズンやから。ゲームの中で、よくなるいうのは全然、見とったらないもんなあ、はっきり言うて」ーー代打で打てばまた違った「十何打席、14か15くらい(安打が)出てないけど、真っすぐのヒット言うたら、何打席出てないと思う? 楽天(戦)でもあれ、両方とも変化球やで、三塁打な。真っすぐを弾き飛ばされへんからなあ。今日も変化球やろ。そういうことやん。やっぱり真っすぐ。打球行かんと。パ・リーグ相手はピッチャーもストレート速いからな」ーー練習するしかない「練習言うても...打ち込みやってるやろ...おん」ーー打線が機能してない「1(番)と3(番)と?」ーー5番、6番「2もちゃうのん...フフフ(笑い)。そら、機能せん、打てん時もあるからな。1、2番がずっと良かったら、もっと点になってるよ。そういうことやろ。10回に3回打ったら、すごい選手やねんから」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)はオリックス・山本由伸投手(24)の前に沈黙だった打線よりも四回の渡辺諒内野手(28)の二塁悪送球を指摘。原点に戻って守備からの流れをーと訴えた。山本がキレのある真っすぐにカーブをまじえた緩急の投球をすれば、そう簡単に攻略できない。こうすれば点が取れる、と安易には言えない。ならば、どうすればいいか? 阪神自身が今季、示している。ロッテ・佐々木朗が先発した試合(6月4日)で勝利した、あのパターンだ。つまり、先に点を与えない。そのためには守りのミス、投手の与四球は厳禁。だから痛かったのは四回の失策だ。宗の打球はイレギュラーしており、大山を責めるのは気の毒な部分もある。ただ四回無死一、三塁からの頓宮の三ゴロで二塁悪送球した渡辺諒のプレーは痛恨だった。うまくいけば併殺も奪えていた。相手の胸元に投げるのは基本中の基本。岡田阪神は、この基本がキッチリと徹底されてきたから、首位を走ってきたのだ。もう一度原点に戻って、守備から流れを、という岡田野球を各選手が思い出してもらいたい。チームとしては同一カード3連敗はしていない。慌てる必要はなく、今までどおり落ち着いて戦えばいい。まだ80試合以上残っている。2位との差は気にする必要はない。周囲の声に惑わされず、ドッシリ戦ってもらいたい。

◆阪神・村上頌樹投手は8回4安打2失点。援護に恵まれず3敗目を喫した。同学年の山本と堂々と投げ合い「(山本相手に)なかなか点は入らないと分かっていた。それで感覚よく投げられたのはある」と相乗効果を実感していた。持ち前の制球力が光り、無四球で9奪三振。ただ、要所であと一歩粘れなかった。四回は2失策が絡んで無死満塁となり、中川圭に先制打を浴びた。七回はゴンザレスに甘く入った直球を右翼席へ運ばれた。「粘れなかったのは実力不足」と唇をかんだ。

◆オリックス・山本由伸投手(24)が8回2安打11三振2四死球無失点で甲子園初先発で白星を飾った。山本は今季6勝目。?オリックス・山本がリーグトップタイの今季6勝目(2敗)。交流戦は今季3試合に先発し3勝をマークした。交流戦シーズン3勝は2021年(3勝)以来2年ぶり2度目。交流戦が18試合制となった15年以降、交流戦でシーズン3勝以上を複数回記録したのは、ロッテ・石川歩(16年3勝、18年4勝)、阪神・秋山拓巳(17、21年に各3勝)に次いで2年ぶり3人目。?オリックスはこの日の勝利で交流戦通算200勝(192敗11分け)に到達。ソフトバンク(235勝)、ロッテ、日本ハム(各207勝)、巨人(204勝)に次いで5球団目となった。

◆阪神・村上頌樹投手は8回を投げ、112球で4安打9奪三振2失点(自責1)。「味方のエラーをカバーできなかったこと、相手が好投手で次の1点を与えてはいけない展開の中で、最少失点(1失点)で粘り切れなかったことが悔しい」とコメントした。オリックス・山本由伸投手(24)が打線を封じ込めたなら、村上も負けじとゼロを並べ、三回終了時点で37分というハイペースだった。四回に2失策と安打で無死満塁のピンチを背負い、東洋大の先輩・中川圭に一、二塁間を破られて先制打を献上。だが、ピンチが連続しようとも攻めの姿勢を崩さず、ここを最少失点でしのぐ。1点ビハインドを保ち続けた先の七回にゴンザレスにソロを被弾して再び表情をゆがめたが、三塁・渡辺諒が飛球を落球して訪れた八回1死二塁のピンチも、宗、杉本をねじ伏せて追加点を許さず。無四球で日本のエース相手に演じた投手戦は、決して〝助演〟に成り下がる投球ではない。岡田監督も「エラー絡みで最初の1点は痛かったよなあ。まあ、よう1点でしのいだけどなあ」と責めることはなかった。「パ・リーグ相手に投げさせてもらって、打者は真っすぐ系にも強い、スイングが強い、というのはあった。セ・リーグ(との対戦)に戻っても、いろいろと投げられたらと思います」2試合連続で敗戦投手となったが、得たものも大きかった。山本の剛球を打席で見られたことも、ひとつの収穫だった。今年の交流戦は1勝2敗。強打者たちとの勝負を通して積んだ経験は、再開が近づくリーグ戦での結果につなげる。(須藤佳裕)

◆2戦連続スタメン落ちの阪神・佐藤輝明内野手(24)が2点を追う九回1死一、二塁で代打で登場。しかしオリックス2番手の山﨑颯一郎投手(24)の前に二ゴロに倒れ、今季最多の4万2625人の大歓声もむなしく、天を仰いだ。「なんとかしたかったんですけど...」6月の月間打率は・108と落ち込み、15打席連続無安打と再び長いトンネルに突入。岡田監督は「悪いから外してるんやから。ゲームの中でよくなるいうのは全然、今の見とったら、ないもんなあ、はっきり言うて」とキッパリ。続けて「真っすぐをヒットいうたら、何打席出てないと思う?」と直球を捉えることを課題に挙げた。試合後、佐藤輝は「頑張ります」と言葉も少なかった。残り5試合となった交流戦。なんとかきっかけをつかむしかない。(原田遼太郎)

◆完敗です。阪神は0-2でオリックスに敗れ、今季6度目の零封負け。2位DeNAに3・5ゲーム差に迫られた。球界を代表するエース・山本由伸投手(24)に今季最少の2安打に抑えられ、今季ワーストの3失策を犯しては、そりゃ勝てませんわ。いいとこなしの敗戦も、岡田彰布監督(65)は「バットで取り返せばええやん」。やられたら、やり返すしかないんやで!難敵・山本攻略どころか、今季ワーストの2安打で6度目の零封負け&今季ワーストの3失策。負けるべくして負けた。選手の実力を引き出すため、試合後に怒りをあらわにすることも多かった岡田監督だが、この日は違った。先を見据えて、ナインに求めたのは、反発力だった。「そら、エラーで失点もするよ、百何試合もしたら。それを、バットで取り返せばええやん。チームとして機能すればええんや」先発の村上が、山本に負けず劣らず奮闘。だからこそ、守備陣が盛り上げなければいけなかったが...四回だ。先頭の宗の放った打球を一塁の大山が弾いたのが痛かった。杉本に中前打を浴び、無死一、三塁。続く頓宮の平凡な三ゴロで二塁封殺を狙った渡辺諒が悪送球し、無死満塁。直後、中川圭に先制の右前適時打を許してしまった。「(1イニングで2失策に)まあそら、点は出るやろ。今日は(失策が)重なったからな、おーん」0-2の八回1死では茶野の高々と舞い上がった飛球を、またも渡辺諒がポロリ。失点にはつながらなかったが、これで失策数はリーグワーストの中日(40失策)に1差に迫る「39」となった。昨年まで5年連続リーグワーストの失策数だったことから、岡田監督はミス撲滅を目指してキャンプから守備練習に重点を置いた。その効果もあって「守備力は確実に向上した」と周囲からは絶賛されたが、交流戦に入って13試合で12球団ワーストの13失策と、踏ん張りどころだ。

◆「6番・三塁」で2試合連続の先発出場を果たした渡辺諒は、四回無死一、三塁で二塁封殺を狙うも、悪送球。これが先制点につながるミスとなった。八回は風に流されたフライを落球し、2失策。守備で精彩を欠いた。「全然難しい打球じゃなかった。チームに迷惑をかけて、申し訳ない」と猛省。馬場1軍内野守備走塁コーチは「本人が一番ショック受けているだろう」と巻き返しに期待した。

◆「5番・右翼」でスタメン出場した前川は2打数無安打。楽しみにしていた山本との対戦で一ゴロ、見逃し三振、死球と快音は響かせられず、「直球の質もすごかったですし、もっとスイングスピードをつけて自分もレベルアップしていかないと」と向上心を刺激された。連続試合安打は5で止まったが、「一日一日を頑張りたいなと思います」と前を向いた。

◆今季最多4万2625人が集まった甲子園の、地鳴りのような歓声。中嶋監督が体調不良でベンチを外れるアクシデント-。並の選手では力を発揮するのが難しい状況でも、エースは落ち着き払っていた。オリックス・山本由伸投手(24)が8回をわずか2安打、無失点でリーグトップに並ぶ今季6勝目。〝関西ダービー〟で2年ぶりの勝利をもたらした。「本当に1点もあげられない気持ちだったので。最後まで接戦でしたし、気を引き締めて最後まで投げられたので、それがいい結果につながったと思います」150キロ超の速球を軸に、三回まで一人の走者も許さない完全投球。四回、ノイジーへの四球で初めて走者を出し、五回には坂本に初安打を許したが、後続をきっちり仕留めた。七回には失策も絡んで2死満塁のピンチを背負ったが、反撃ムードに沸く敵地にあっても「雰囲気にのまれないように」と冷静だった。木浪を速球で遊ゴロに仕留め、派手にガッツポーズを決めた。宮崎・都城高時代は足を踏み入れることもできなかった。甲子園での登板はプロ2年目の2018年以来、5年ぶり。過去2試合は中継ぎ(計2回無失点)で、この日が人生初の甲子園の先発マウンドだった。新進気鋭の同学年の村上との息詰まる投手戦を制し、球界が誇るエースとなった男が待望の聖地初白星。今季最多で、村上と同じ112球を投じ、毎回の11奪三振も今季最多だった。そのうち6つが見逃しだったように、厳しいコースを攻め続けた。

◆坂本は山本からチームでただ一人、快音を響かせた。五回にチーム初安打となる中前打を放つと、七回には三塁強襲の内野安打。「追い込まれたらキツいなと思ったので、早めに打てると思った球を打ちに行こうと思いました」と積極性が生きた。捕手としてリードした村上が相手に投げ負ける形となり、「負けたことは今日は悔しい」と唇をかんだ。

◆大山は4打数ノーヒットで、打率・295と3割を割った。山本に対しては2三振を喫するなど圧倒されたが、2点を追った九回無死一塁の第4打席では惜しい当たりを放った。山崎颯の外角直球をたたいて中堅頭上を襲った大飛球は、中川圭がフェンスに激突しながらもスーパーキャッチ。これには岡田監督も「(中川圭が)よう捕ったよなあ...。あれなあ」とうなるしかなかった。

◆野球じゃなくて腕相撲やんかー!! 本日の関西ダービーの先発は阪神が村神様。一方、オリックスが世界一に輝いたWBCの主力投手、山本由伸だったのだ。対戦結果を事前に両チームのファン以外の野球ファンに予想してもらったら? おそらく9割以上が山本に軍配を上げたと思うのだ(オ~イ! 神様よりWBCの方が上かよ~)。だけど、これまでの実績を踏まえたら、うなずけないことではないのだ...。しかし、「これは野球やでェ!! 腕相撲と違って投手の力だけで決まるかー!! 猛虎打線の読みや駆け引きをみせたろやないかー!!」と、心の奥でメラメラと闘志を燃やしていたのに...。山本に対して坂本の2安打だけって、打線は束になって負けとるやんかー(涙)打線は近本が21打席ヒットなし。中野は打撃下降気味。ノイジー、佐藤輝も不振で、高卒2年目の前川に頼らざるを得ない状況なのだ。でもピンチはチャンス。この最悪の状況で勝ったら、とてつもなく強く、たくましくなり、アレに近づくんだよー!!

◆現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍してきた大竹耕太郎が5月に4試合の先発で、3勝0敗、防御率0・33(27回、自責点1)で月間MVPを初めて受賞した。13日現在、9試合、6勝1敗、防御率1・24(58回、自責点8)と新天地で目覚ましい活躍を見せている。10日の日本ハム戦(エスコン)で移籍後初黒星を喫したが、セ・リーグ球団相手には7試合の登板で、6勝0敗、防御率0・40(44回?、自責点2)。ソフトバンク在籍時を含めると、10試合の登板で9勝0敗、防御率1・37(65回?、自責点10)と〝セ・リーグキラー〟ぶりを発揮している。セ・リーグ打者を中心に手を焼いているのがチェンジアップだ。今季の球種構成比率(全858球)は直球の47・4%(407球)に次ぐ2番目の18・6%(160球)を占め、直球と同じ腕の振りから投げられる平均球速119キロの〝遅球〟は直球と約20キロ(直球の平均球速141キロ)の緩急差で打者を幻惑している。ここまでチェンジアップの結果球の被打率は・118(51打数6安打)と抜群の安定感を示している。右打者に対しては直球に近い軌道から外に緩く曲がりながら落ちるため、タイミングを外され、結果球の被打率は・119(42打数5安打)と効果的で、ボールゾーンを含めた外角(10マス)に手を出させれば、24打数1安打、被打率・042とほぼ完璧に抑えている。(記録担当・小川真幸)

◆代打・佐藤輝が登場したのは九回1死。二ゴロだった。対峙したのは日本一の投手・山本由伸ではなく、山崎颯一郎...。覚えていますか、約1年前のあの日の出来事を? 2022年6月11日の交流戦、オリックス-阪神(京セラドーム)。マウンドには山本が立っていた。阪神からすれば、難攻不落。それは今も1年前も変わらない。白星を奪い取るのは至難の業...と誰もが思った。案の定、チャンスは作るが、あと一本が出ない。そこが東京五輪金メダルの剛腕の底力。あの日の4番・サトテルも力でねじ伏せられた。四回の第2打席。サトテルは思い切り振った。が、バットはへし折られ、折れた部分は一塁側のスタンドまで飛んでいった。へし折られた事実は〝置いといて〟-。「あそこまで飛ぶなんて...。力では負けていなかった」よくやった! そんな負け原稿を書かなくてはいけないんだろうなぁと、トラ番記者たちに重たい空気が漂ったものだ。確かに折れたバットをスタンドへ運ぶパワーはすごいんだけれど、打球を前に飛ばせよ...と心の中でつぶやきながら。覚悟して、トラ番たちがデスクとの打ち合わせをほぼ完了した八回だった。2点ビハインドの2死一塁。へし折られた4番が意地を見せた。打球は右前へ。相手が後ろにそらして(記録は三塁打)、さらに捕逸が重なって同点に追いついた。さらに延長になって、相手のミスで勝ち越し点を奪う。実は、一番書きたかったのは、ここから...。勝って5位に。そうなんのだ。開幕9連敗に始まった地獄の4月、5月を過ごしたタイガースが、初めて「6位」以外の順位を体験した日でもあった。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
850 0.615
(↑0.032)
-
(-)
557
(+5)
47
(+3)
6
(-)
3
(+1)
0.257
(↑0.006)
3.170
(↑0.01)
1
(-)
巨人
850 0.615
(↑0.032)
0
(-)
554
(+3)
43
(-)
19
(+1)
6
(-)
0.266
(-)
3.340
(↑0.28)
3
(5↑)
楽天
650 0.545
(↑0.045)
1
(-)
740
(+6)
52
(+3)
7
(+1)
6
(-)
0.271
(↑0.004)
4.080
(↑0.11)
4
(-)
ソフトバンク
760 0.538
(↑0.038)
1
(-)
558
(+5)
48
(+1)
13
(+3)
6
(-)
0.262
(↑0.003)
3.490
(↑0.21)
4
(-)
ORIX
760 0.538
(↑0.038)
1
(-)
542
(+2)
40
(-)
8
(+1)
5
(-)
0.223
(↓0.009)
2.630
(↑0.22)
6
(3↓)
ヤクルト
660 0.500
(↓0.045)
1.5
(↓1)
641
(+1)
35
(+5)
7
(+1)
2
(-)
0.243
(↓0.004)
2.970
(↓0.19)
6
(3↑)
中日
660 0.500
(↑0.045)
1.5
(-)
643
(+7)
41
(-)
8
(+2)
10
(+1)
0.256
(↑0.006)
3.050
(↑0.28)
8
(4↓)
日本ハム
670 0.462
(↓0.038)
2
(↓1)
542
(+3)
36
(+5)
15
(+1)
4
(-)
0.249
(↑0.005)
2.480
(↓0.23)
8
(4↓)
広島
670 0.462
(↓0.038)
2
(↓1)
538
(+3)
47
(+6)
5
(-)
8
(-)
0.218
(↑0.003)
3.650
(↓0.2)
10
(1↓)
阪神
571 0.417
(↓0.038)
2.5
(↓1)
540
(-)
44
(+2)
4
(-)
10
(-)
0.202
(↓0.01)
3.010
(↑0.17)
10
(1↓)
ロッテ
571 0.417
(↓0.038)
2.5
(↓1)
545
(-)
57
(+7)
12
(-)
8
(-)
0.227
(↓0.005)
4.220
(↓0.26)
12
(-)
西武
580 0.385
(↓0.032)
3
(↓1)
530
(-)
40
(+3)
7
(-)
7
(-)
0.206
(↓0.003)
2.760
(↓0.04)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
36212 0.632
(↓0.011)
-
(-)
84229
(-)
175
(+2)
30
(-)
33
(-)
0.242
(↓0.002)
2.720
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
32241 0.571
(↑0.007)
3.5
(↑1)
86235
(+5)
213
(+3)
47
(-)
11
(+1)
0.261
(↑0.001)
3.500
(-)
3
(1↑)
巨人
31290 0.517
(↑0.009)
6.5
(↑1)
83231
(+3)
238
(-)
71
(+1)
17
(-)
0.253
(-)
3.860
(↑0.07)
4
(1↓)
広島
30290 0.508
(↓0.009)
7
(-)
84203
(+3)
203
(+6)
38
(-)
28
(-)
0.242
(-)
3.210
(↓0.05)
5
(-)
ヤクルト
23342 0.404
(↓0.007)
13
(-)
84201
(+1)
230
(+5)
50
(+1)
29
(-)
0.232
(-)
3.660
(↓0.03)
6
(-)
中日
23350 0.397
(↑0.011)
13.5
(↑1)
85166
(+7)
190
(-)
26
(+2)
20
(+1)
0.243
(↑0.002)
2.870
(↑0.05)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ロッテ
30223 0.577
(↓0.011)
-
(-)
88198
(-)
176
(+7)
36
(-)
33
(-)
0.235
(↓0.001)
3.050
(↓0.08)
2
(-)
ORIX
33252 0.569
(↑0.008)
0
(↓1)
83225
(+2)
191
(-)
46
(+1)
23
(-)
0.255
(↓0.002)
2.950
(↑0.05)
3
(-)
ソフトバンク
30242 0.556
(↑0.009)
1
(↑1)
87205
(+5)
190
(+1)
40
(+3)
27
(-)
0.245
(↑0.001)
3.210
(↑0.04)
4
(-)
日本ハム
27340 0.443
(↓0.007)
7.5
(-)
82197
(+3)
197
(+5)
47
(+1)
30
(-)
0.227
(↑0.002)
2.850
(↓0.04)
5
(1↑)
楽天
23311 0.426
(↑0.011)
8
(↑1)
88169
(+6)
219
(+3)
44
(+1)
42
(-)
0.222
(↑0.002)
3.440
(↑0.01)
6
(1↓)
西武
24341 0.414
(↓0.007)
9
(-)
84161
(-)
198
(+3)
39
(-)
35
(-)
0.228
(↓0.001)
3.040
(-)