日本ハム(★0対1☆)阪神 =交流戦3回戦(2023.06.11)・エスコンフィールド北海道=
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阪神
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日本ハム
0000000000500
勝利投手:才木 浩人(5勝3敗0S)
(セーブ:湯浅 京己(0勝1敗8S))
敗戦投手:北山 亘基(3勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2回表、渡邉諒が適時打を放ち、先制に成功する。投げては、先発・才木が7回無失点の好投。その後は岩崎、湯浅とつないで虎の子の1点を守り抜き、才木は今季5勝目を挙げた。敗れた日本ハムは、最終回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆日本ハムはセ・リーグ首位阪神相手に2連勝。日本ハムがこのカードでシーズン3連勝すれば、4勝0敗だった12年以来、11年ぶり。12年は3連戦が行われず、ホーム、ビジターが2試合ずつの開催。今年のような3連戦で3連勝すると、阪神相手には初めてになる。前回登板で12三振を奪って完封勝利を挙げた才木を攻略して、同一カード3連戦3連勝となるか。

◆今季初となる3連敗中の阪神が、スタメンを入れ替えた。佐藤輝明内野手(24)が、4月14日DeNA戦以来、約2カ月ぶりに今季3度目のスタメン落ちとなった。佐藤輝は6月の月間打率1割1分1厘と低調だった。代わって三塁には渡辺諒内野手(28)が入り、6番に座った。佐藤輝が務めていた5番には、4試合連続安打と好調の前川右京外野手(20)が初めて入った。

◆TEAM NACSの戸次重幸(49)が渾身(こんしん)の1球を投じた。試合前の始球式に登場。大きく振りかぶる豪快なフォームからの1球は、ストライクゾーンからは外れたが、ノーバウンド投球を披露してスタンドを沸かせた。投球後はマウンドに駆け寄り、マルティネスから球を受け取った。試合は「ローソンデー」として開催。戸次はローソンが番組提供しているHTB放送の「おにぎりあたためますか」に出演している。

◆阪神岡田彰布監督(65)の打順変更がズバリとハマった。両軍無得点の2回1死。プロ初の5番で起用された前川右京外野手(20)が、日本ハム北山からプロ初の三塁打で出塁。右翼フェンス直撃の一打でチャンスを作った。直後、6番三塁で先発した渡辺諒内野手(28)が、古巣日本ハムから初安打となる中前適時打で先制。「強い打球を打つ意識でスイングしました。(前川)右京が三塁までいってくれたので内野も前に出ていましたし、抜けてくれてよかったです」とコメントした。佐藤輝明内野手(24)が今季3度目となるベンチスタートの一戦で、代わりに「5番」と「三塁」を務める2人が結果を残した。

◆/キャッチ後も表情は崩さず\フェンス際の大飛球近本光司がファインプレー?プロ野球(2023/6/11)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/j8iV55adV6

◆阪神近本光司外野手(28)が、ファインプレーで先発才木を救った。1点リードの5回2死。日本ハム・アルカンタラの打球は中堅右の最深部へ。背走する近本は落下地点に入ると、最後はジャンプし、フェンスに激突しながらボールをつかんだ。接戦の中、長打を防ぐ好プレー。2年連続ゴールデン・グラブ賞の実力を見せつけた。

◆飛球併殺は幻となった。7回無死一塁、阪神大山が放った右翼への打球を、万波がフェンス際で好捕し、一塁走者の植田がつまずいて帰塁が送れているのを見た万波は一塁へ送球。当初は併殺とみられたが、万波が捕球直後に、二塁のハンソンと一塁走者の植田が接触したため、走塁妨害とされた。一塁塁審が「一塁に走者を戻し、プレーを再開します」とアナウンスし、1死一塁で試合が再開された。

◆阪神先発才木浩人投手(24)が規定投球回に復帰し、防御率1・53でリーグ2位につけた。7回4安打無失点、106球の快投。1点リードを保ったまま、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。これで完封勝利した前回4日のロッテ戦から16イニング連続無失点となった。好フィールディングが光った。3回無死一、二塁で犠打を試みた日本ハム郡の投手前の飛球を、腕を伸ばしてキャッチ。6回無死一塁では、同じく犠打を狙った細川の飛球にダッシュし、スライディングでノーバウンドキャッチしてみせた。189センチの体を機敏に動かし、自らピンチ拡大を防いでみせた。

◆阪神が日本ハム戦の同一カード3連敗を阻止し、連敗を「3」で止めた。先発才木浩人投手(24)が7回無失点の好投で、今季5勝目を挙げた。完封勝利を挙げた4日ロッテ戦(甲子園)から、16回連続無失点となった。打線は2回にプロ初の5番起用となった前川右京外野手(20)が、日本ハム北山からプロ初の三塁打で出塁。6番三塁で先発した渡辺諒内野手(28)が、中前適時打で先制した。昨オフにトレード加入。古巣戦初安打が初タイムリーとなった。1点リードの9回裏は湯浅京己投手(23)を投入。8日楽天戦で9回に逆転サヨナラ3ランを浴びた右腕に再び守護神を託すと、湯浅は1回無失点で今季8セーブ目を記録した。阪神時代に同僚だった岡田彰布監督(65)と新庄剛志監督(51)の対決も注目されたが、3戦目は岡田阪神が意地を見せた。

◆/連敗を3でストップ\湯浅京己がピンチ招くも1回無失点9連戦は4勝4敗1分?プロ野球(2023/6/11)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/Zxc7W2a2OL

◆阪神湯浅京己投手(23)がリベンジのセーブを挙げた。1点リードの9回に登板。無失点で今季8セーブ目を挙げた。8日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で9回に逆転サヨナラ3ランを被弾し、今季初黒星。苦く、悔しい思いをしてから中2日、守護神として今度は仕事を果たした。事前の調整も生きた。9日から2日連続で試合前にブルペン入り。捕手を座らせて約10分間の投球練習で感覚を取り戻そうと必死だった。前日10日には「全てにおいてバランスが崩れているので、投げながら、そこを取り戻せるように」と意図を説明していた。最後は四球と安打で2死一、三塁のピンチを招いたが、なんとか1点リードを守り抜いた。

◆日本ハム新庄剛志監督(51)は敗戦が決まっても、珍しくベンチにとどまった。ネットでは「どうしたの??」など、普段は負けるとすぐにベンチ裏へ引き揚げる新庄監督の動向に困惑する声も挙がったが、指揮官の視線は三塁側の阪神ベンチへ注がれていた。そう、新庄監督は岡田監督を始めとした古巣の首脳陣らにあいさつをするため、ベンチ内にとどまっていた。この試合が阪神との3連戦の最終戦。阪神側の勝利のハイタッチが終わるまで待ちながら、敬礼ポーズをするなど、旧知の関係者へ別れのあいさつをしてからベンチ裏へ引き揚げた。悔しい完封負けにもかかわらず、律義な対応に、ネットでは「新庄さすがやね。応援したくなるわ」「新庄監督、古巣のタイガースの選手と首脳陣を見送っているのも良かったです」「新庄監督はいいOBですね!」などのコメントがあった。

◆阪神才木浩人投手(24)が自らにツッコミを入れた。7回無失点で5勝目。3回、6回の2度、犠打を試みた相手の飛球を猛ダッシュでキャッチする好フィールディングがあった。特に6回は、細川の飛球を滑り込んでキャッチするナイスプレーだった。「2つ目(6回)に関しては、スライディングいるかって言われたら、いらんかったかなって感じですけど...(笑い)。まあまあでも、ああいうところで送られたら流れがいっちゃう。1本打たれて同点にされるところだったので、そこをアウトにできたのはよかった」と笑顔。「自分で突っ込みました。(スライディングは)いらんかったぞって」と、ちゃめっ気たっぷりに言った。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、今季58試合目で初めて欠場となった。岡田監督は試合後「状態悪いからやん。連戦は関係ないやん」と説明。佐藤輝は「いや、まあ、やるだけです。頑張ります」と話した。佐藤輝は14打席連続無安打中。前日10日の日本ハム戦は4打数無安打2三振に倒れていた。リーグ5位タイ34打点を稼いでいる5番の復調が待たれる。

◆阪神近本光司外野手(28)が、ファインプレーで先発才木を救った。1点リードの5回2死。日本ハム・アルカンタラの打球は中堅右の最深部へ。背走する近本は落下地点に入ると、最後はジャンプし、フェンスに激突しながらボールをつかんだ。試合後、「いや、もう(ボールがスタンドまで)いったやろっと思ったけど...。んで、『いける』『いや、いったわ』『いや、フェンスあるやん』『あ~いけたわ』という感じ」と、好プレーのシーンを振り返った。接戦の中、長打を防ぐ好プレー。2年連続ゴールデン・グラブ賞の実力を見せつけた。また、今季初の1試合2盗塁もマーク。入団から5年連続2桁盗塁にも「そうなんですか。走れって言われたら走ります」と冷静だった。

◆日本ハム新庄剛志監督(51)が試合後に、左脇腹を痛めて戦列を離れていた清宮幸太郎内野手(24)の1軍復帰を明言した。「シュッとしていたね。横浜から上げようと思っています」と13日DeNA戦(横浜)から合流させることを明かした。清宮は4月20日ロッテ戦(エスコンフィールド)で患部を痛め、同22日に登録抹消されていた。約1カ月半のリハビリ期間を経て、4日のイースタン・リーグ巨人戦(鎌ケ谷)で実戦復帰。その試合をチェックした新庄監督は「もうシルエットがね。『デブじゃね?』ってなった」と独特な言い回しでハッパをかけていた。その後、10日の同ヤクルト戦(鎌ケ谷)で清宮は1本目が右翼場外へのソロ、2本目が右翼の防球ネットに直撃する3ランと2打席連続本塁打を放つなど、実戦復帰後4試合目で初めてフル出場。1軍復帰へ向けて、状態を上げていた。

◆阪神が日本ハム戦の同一カード3連敗を阻止し、連敗を「3」で止めた。先発才木浩人投手(24)が7回無失点の好投で今季5勝目を挙げた。不振の佐藤輝明内野手(24)に代わりプロ初の5番起用となった前川右京外野手(20)が、日本ハム北山からプロ初の三塁打で出塁。6番三塁で先発した渡辺諒内野手(28)が、V打となる中前適時打で先制した。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-最後は湯浅が締めた「いやいやもう、な。(登板が)2日空いたし、投げささんとおまえ、しょうがないやん。はっきり言うて」-先発の才木も7回まで投げられた「いやいや、まあ、まだそらな、昨日の大竹に比べたら余力があったかもわからんけど、今日は勝ちゲームやからな。1点勝ってたからな。昨日は同点やったけどな、まあ、この2日間な、2人投げてないから、もう9連戦でおまえな、最後やし。そんなんもう、2人に任すしかないやんか」-才木はバント処理も素早く「うん。いやいや、ずうっとな、1回2軍に落ちて、帰ってからはね、今日も途中でまたちょっとな、もう反るようなアレ(投球フォーム)で高めいっとったけど、それは試合中でも修正しよるからなあ。その辺がやっぱりええピッチングにね、最低7回、そないして投げれる要素じゃないかなあ」-打つ方ではスタメン起用した渡辺諒が適時打「まあ、(5番前川が)ちょっとラッキーな三塁打で。そら他にチャンスいっぱいなあ、どっかで1本出たら楽になるんやけど、まあ負けてる時というかなあ、負けてる時言うてもそんな負けてないんやけど、何かまあ、バットもそんななあ、中野とか近本もそんなにもうバットも振れてないしなあ。なかなかそのタイムリーというか、9連戦の最後で出んような感じで、どっかでなあ。四球絡みでもなあ、追加点あったら楽やったけどな。そんなもんやろ、はっきり言うて」-スタメンから外した佐藤輝は連戦の疲れが出ていた「状態悪いからやん。連戦は関係ないやん(笑い)」-日本ハムからトレードで加入した渡辺諒が結果を残した「ずっと先、点取られとったからな、久しぶりに、こっちが先に先制点取れたので、あの段階ではあのままで終わるとは思ってなかったけど、なあ」-9連戦の最後はいい形で「まあいい形でというかな、4勝4敗で御の字ちゃうん。なあ。湯浅がちゃんとしてたら首位におるのにな。ふふふ、ホンマやで、計算上は」-打線は四死球を10個も選んだ「あっそう。選べ言うたんや、昨日ゼロやからなあ」

◆阪神湯浅京己投手(23)がヒヤヒヤながらも復活セーブを挙げた。1点リードの9回に登板。無失点で今季8セーブ目を挙げた。2死走者なしからマルティネスに四球を出すと、続く打率0割8分9厘のハンソンに詰まりながらも中前へ運ばれ、一、三塁のピンチを作った。「ここ2回やられている中で、また行かせてもらえることに感謝して、絶対にゼロに抑えようと」。嫌なムードの中、強い気持ちで最後は奈良間を投ゴロに仕留めた。8日の敵地楽天戦で9回に逆転サヨナラ3ランを被弾し、今季初黒星を喫した。3日ロッテ戦でも9回に3点リードを追いつかれるなど、2回連続でセーブシチュエーションで失敗し、岡田監督は配置転換をにおわせていた。それでも指揮官は「(登板が)2日空いたし、投げささんとしょうがないやん。2人に任すしかないやんか」と説明。8回は岩崎、9回は湯浅と、開幕時の勝ちパターンと同じ流れで2人をマウンドに送り出した。湯浅は登板のなかった2日間、試合前にブルペン入りしていた。この日も平地でブルペン捕手を座らせて投球。異例の投げ込みで修正を重ねた。「バランスとか、ブルペンでも崩れているところがたくさんあったので」。この日も四球を出した。まだまだ本来の姿ではないが「それでもしっかりゼロで帰ってこられたのは、自分の中でも何かのきっかけになる」。自信と信頼を取り戻すセーブにしたい。【石橋隆雄】

◆阪神渡辺諒内野手が古巣相手に決勝打を放った。「6番三塁」で今季5度目の先発出場。2回1死三塁、日本ハム北山の直球を中前にはじき返した。「せっかく北海道まで阪神ファンの方が見に来てくれたので、3連敗はできないと思いましたし、いい形で先制点を取れたのはよかった」。この試合唯一の得点をたたき出し、連敗ストップに貢献した。昨オフに交換トレードで日本ハムから加入。その相手となった江越が1、2戦で活躍。渡辺諒も古巣への恩返しというトレンドに乗った。9日初戦の試合前には新庄監督と再会。「積極的にいくことが重要だから」と声をかけられた。「ファイターズ時代から言われているようにね」と心に刻んだ。2回の打席は1ストライクからの2球目。得意の直球を見逃さなかった。「帰ってから気を引き締めてやっていけたら」。数少ないチャンスを生かし、レギュラー陣に刺激を与えた。

◆午後7時前に北海道地方で発生した地震の影響で、日本ハム-阪神3回戦が行われたエスコンフィールドも大きく揺れた。3万人超の観客はすでにほとんどが帰路についていた。記者席では各社の記者陣が作業中で、大きな揺れに騒然とした。阪神の首脳陣、選手、スタッフはすでに宿舎へ到着し、問題のない模様だ。

◆阪神才木浩人投手(24)が7回4安打無失点と快投し、1軍再昇格後4連勝で今季5勝目を飾った。最速153キロでキレ味抜群の直球を軸に、要所で変化球を散らした。緩急を使って的を絞らせず、日本ハム打線を圧倒。わずか1点のリードを死守して今季初の3連敗を喫していたチームを救い、記念すべき阪神のエスコンフィールド初勝利投手となった。「先に点を取ってもらいましたし、梅野さんにも引っ張ってもらいながら、7回まで投げ切ることができたのは収穫です」「慣れるまで時間がかかった」という初のマウンドに悪戦苦闘した。初回から3イニング連続で先頭打者を出塁させるなど、不安定な立ち上がり。他球場と比べてマウンドが少し高く感じ「目線も上がって真っすぐもフォークも浮いてしまった」。4回以降は上がり気味だった重心を下げて修正。岡田監督から「試合中でも修正しよるからなあ。その辺が最低7回、そないして投げられる要素じゃないかな」とたたえられた。3、6回と自らの好フィールディングでバントを処理し、相手のチャンスの芽をつんだ。3回無死一、二塁から郡のバントフライに全力疾走して地面スレスレでキャッチ。6回の細川のバントには足から滑り込んで捕球したが「(スライディング)いらんかったぞ」とセルフ突っ込みした。調整にも"緩急"をつけた。前回4日のロッテ戦では初めて9回を投げきっての完封勝利。「長いイニング、球数をしっかり投げた時は、できるだけ疲労を残さないように結構心がけています」。この1週間は練習量、トレーニング量を減らす工夫を凝らし、快投連発につなげた。前回完封の勢いそのままに16回2/3連続で無失点。再び規定投球回に到達し、防御率1・53で阪神大竹に次ぐ2位に浮上した。「次回もまたいいピッチングができるように頑張ります」。若き剛腕の頼もしさが、日に日に増している。【古財稜明】○...阪神梅野隆太郎捕手が先発才木の粘りをたたえた。4安打2四球と走者を許しながらも7回無失点。6回1死一、二塁のピンチでは日本ハムの4番万波を併殺に仕留めた。「6回のピンチはボール先行でもゾーンに投げ込んだ。悪いなりにしっかり投げてくれた」。自身も好リードで無失点リレーを演出。8回には左前打を放ち、2戦連続安打で相手に重圧をかけた。

◆阪神近本光司外野手が好守で先発才木を救った。5回2死、日本ハム・アルカンタラの打球は中堅右の最深部へ。落下地点に入ると、最後はフェンスに激突しながらジャンプしてボールをつかんだ。「(ボールがスタンドまで)いったやろ、と思ったけど...。『いける』『いや、いったわ』『いや、フェンスあるやん』『あ~いけたわ』という感じ」と、好プレーのシーンを独特の表現で振り返った。自身17打席連続無安打も、2四球を選び今季初の1試合2盗塁。入団から5年連続2桁盗塁にも「そうなんですか。走れって言われたら走ります」と冷静だった。

◆日本ハムは交流戦4度目の1点差負け。阪神戦初の3連勝を逃した新庄剛志監督だったが「いい3連戦でしたね。楽しかったです」と笑顔だ。相手は現役時代にプレーした阪神。敵将は先輩の岡田監督で「勉強しながら『このケースは、どういう風にするんだろう』という楽しみもあったし、こっちも何か仕かけたい気持ちはあった」。セ首位を追い詰め「向こうは断トツ1位のチーム。十分じゃないですか」と、うなずいた。▽日本ハム八木打撃コーチ(2度の犠打失敗に)「送りバントができなかった。送れてプレッシャーをかけれたら違う展開になった」▽日本ハム北山(5回途中108球の1失点で3敗目)「体の開きが早くて、自分の投球を苦しめた。リズムとテンポを野手に持っていくような投球ができなかった」

◆日本ハム新庄剛志監督(51)が、この日の打線の意図を明かした。この日は昨季首位打者の松本剛外野手(29)や野村佑希内野手(22)がベンチスタート。代わって、1番郡拓也捕手(25)、2番細川凌平内野手(21)、7番奈良間大己内野手(23)、8番福田光輝内野手(25)と、1軍当落線上の選手がスタメンに名を連ねた。新庄監督は「超満員のグラウンドで、若い選手たちにプレーをさせておきたいなと。慣れさせるというか。あとは、疲れが出てきている選手を休ませるというところで、今日はこういうオーダーになった。控えの選手たちが、こういう場所で『さあやったろう』という気持ちになるというところがポイント」と説明した。結果は3度の犠打失敗などもあって攻めきれず、今季6度目の完封負け。10四死球の投手陣に「多いね。四球が野手のリズムを狂わせたというところもある。バントの失敗にもつながっているのかなと」と、苦言を呈した。○...日本ハム加藤豪将内野手が華麗なセーフティーバントを決めた。6回1死一塁、「サードを見たらすごい後ろにいた」と絶妙なゴロを転がした。新庄監督が出したセーフティーバントのサイン通りに遂行。「2ランを打っても流れは変わらないと思っていた。振ってほしいと言われて、サインが出た。僕の考えと一致して気持ちが良かった」。新庄監督は「うまく決めましたね、本当に」と大絶賛だった。○...日本ハム郡拓也捕手が今季初のマルチ安打を記録した。「1番一塁」で先発出場。チームは4安打に抑えられた阪神才木から2安打を広角に打ち分けた。「1番で起用してもらったので、積極的にいこうというのは決めていた」。3回無死一、二塁で試みた犠打が投飛になるなど課題も残った。「最初のチャンスだった。次はそういう仕事もしっかりとできるように」と気を引き締めていた。

◆テルを外して右京が打った!阪神は「日本生命セ・パ交流戦」の敵地日本ハム戦に1-0で勝利し、今季初の4連敗を阻止した。高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)がプロ初の5番でスタメン出場。2回にプロ初三塁打を放ち、6番渡辺諒の決勝打を演出した。不調の佐藤輝をオーダーから外し、若武者を抜てきした岡田彰布監督(65)の采配がズバリ的中。2度の移動を挟んだ9連戦を4勝4敗1分けで終え、交流戦最下位から脱出した。エスコンフィールドの虎党が白球の行方を見守った。前川の放物線が、右翼ポール際のフェンスに直撃する。二塁ベースを蹴ると、歓声は大きくなった。2回1死、第1打席でプロ初三塁打。渡辺諒の適時打で生還し、ベンチで先輩たちとパータッチだ。「クリーンアップは長打がいるのかなと。その中で長打が出たのは良かった」プロ初の5番。それも佐藤輝に代わっての起用だった。すでに3番を経験済みとはいえ、力が入ってもおかしくない状況で、いきなり快音を響かせて5試合連続安打。初安打を放って以降は18打数7安打、打率3割8分9厘と打ちまくる。右翼万波が打球処理にもたつくシーンもあり、岡田監督は「ラッキーな三塁打」と表現したが、結果を残したのも事実。「状態が悪いからやん」と6月打率1割台の佐藤輝を外し、4番大山の後ろに若武者を据えた決断がズバリとハマった形だ。それでも20歳は満塁機で左飛に倒れた3回を「あそこを自分で仕掛けていけるように」と反省。貪欲な姿勢が末恐ろしい。左投げ左打ち。左利きであることに困ったこともある。「習字とかですね...」。奈良・智弁学園時代は2週間に1度あった習字の授業に苦戦した。左手では筆をうまく扱えない。ドラフトで阪神に指名された直後、「好きな文字を書く」というお題では、懸命に左手で「虎」と書いた。猛虎魂を秘める男は右利きの「作られた左打ち」ではない。「左手の押し込みは強いと言われるんです」。生まれながらの左利きだからリストは強い。私生活では「メリットを感じない」と苦笑いするが、野球では武器だ。この日の三塁打も、北山の内角151キロに肘をたたみ体を回転させ、最後は左手で押し込んだ。若虎が演出した虎の子の1点を守り抜き、チームは連敗を3で止めた。関西→仙台、仙台→北海道と移動した9連戦を4勝4敗1分けの5分で終え、指揮官は「まあいい形でというかな、4勝4敗で御の字ちゃうん」。耐えた分、13日からの交流戦ラストウイークで爆発する。【中野椋】

◆日本ハムの道産子左腕、福田俊(26)が5回2死満塁のピンチで今季初登板し、無失点に抑えた。9日に1軍昇格したばかり。緊迫した場面でのマウンドも、この日決勝打を放った昨季までチームメートの"直球破壊王子"渡辺諒に、3ボールから3球続けてストレートを投げ、最後は空振り三振に切って取った。しびれる場面で踏ん張った。「いきなりツーアウト満塁で緊張したんですけど3ボールになって、もう開き直った感じはありました」。3ボール2ストライクから最後は、145キロの内角低め直球に渡辺諒が反応。微妙だったが審判の判定はスイングで、新庄監督は「あれ振ってる? ふっふ。まあいいじゃない」。抑えはしたが、福田俊は「次はストライク先攻で投げられるように」と次戦への宿題にした。大学時代4年間を過ごした星槎道都大最寄りの新球場での実戦初登板。大学から球場に上がる坂道の入り口までがランニングコースだったこともあり「坂の奥まであまり入ったことがなかった。ここに球場があることが不思議。来るまでの道も人がとても増えていた」と驚きを隠せない。この日は札幌市内に住む両親もスタンド観戦。「押し出しと三振では大違い。とにかく良かった。これからも緊迫した場面で投げることになる。もっといい投球ができるようにしないと」。生まれ変わった"故郷"での濃密な6球を糧に、自身も、さらなる進化を遂げていく。【永野高輔】

◆阪神岩崎優投手が1回無失点で7ホールド目を挙げた。1点リードの8回に登板。先頭の代打松本剛の投手へのゴロを自らの捕球ミスで出塁させ、犠打で送られ1死二塁のピンチを招いた。続く郡の遊ゴロを遊撃手木浪の好判断で三塁送球し、二塁走者を挟殺プレーでタッチアウト。代打野村を三ゴロに封じ、ゼロで切り抜けた。左腕は「木浪さん、ありがとうございます」と感謝。完封リレーに「なんとかみんなでつなげてよかった」と胸をなで下ろした。。

◆今季5度目の先発出場となった阪神・渡辺諒外野手(28)が首脳陣の期待に応える一打を放ち、先制点を挙げた。二回だ。1死で前川が日本ハムの先発・北山の内角直球をとらえて右翼線へプロ初の三塁打で出塁。ここで渡辺が打席に立つと、2球目の150キロに手を伸ばし、二遊間を抜ける先制の適時打とした。昨季、トレードで日本ハムから阪神に移籍した男が古巣を相手にいきなり結果を残した。〝直球破壊王子〟の異名をとる新戦力がその名の通りの活躍で3連敗中のチームに勢いを与えた。

◆阪神打線の拙攻が続いた。三回は3四球で2死満塁の好機を作るも、前の打席で三塁打を放った前川が左飛に倒れて無得点。五回にも3四球で再び2死満塁とし、日本ハムベンチは先発の北山から2番手・福田俊にスイッチ。ここで渡辺諒が打席へ。カウント3―0と優位に立ったが、そこからフルカウントに追いまれ、最後は低めの直球をハーフスイングし、空振り三振に終わった。二回に連打で幸先よく先制点を奪ったが、以降は好機を作りながらもなかなか追加点を奪えず。2点目のホームが遠い。

◆本拠地今季初先発の北山亘基投手(24)は五回途中3安打1失点。リードを許した状態でマウンドを降り、4勝目(2敗)はお預けとなった。「先発として長いイニングを投げられなかったことが悔しいです」一回は三者凡退と上々の立ち上がりを見せたが二回に先制点を奪われた。1死から5番・前川に右翼線への三塁打を許すと、続く渡辺諒に適時打を浴びた。昨季まで日本ハムでプレーしていた元同僚に1ストライクから直球を中前へ、はじき返された。五回は2死一塁から、この試合6つ目の四球を与え、2死一、二塁。ピンチの場面で2番手・福田俊にマウンドを譲り「リリーフ陣の方々に負担をかけてしまい申し訳ないです」と肩を落とした。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、7回4安打無失点と好投した。序盤3イニングはいずれも先頭打者を出塁させる展開だったが、粘った。1番・郡に右前打を浴びた一回は細川、万波から空振り三振を奪うなどして後続を断ち、無失点発進。マルティネスを四球で出した二回は、1死からD5位・奈良間(立正大)を二直に抑え、二塁・中野が一塁に送球。スタートを切っていた一走・マルティネスもアウトにして乗り越えた。三回は福田光を四球で出塁させ、アルカンタラが三遊間を破って無死一、二塁のピンチ。それでも、郡が試みた送りバントが小フライとなると果敢にグラブを伸ばしてノーバンドキャッチし、進塁を阻止。続く細川をフォークで空振り三振に斬ると、D3位・加藤豪(メッツ3A)は一邪飛に打ち取り、断ち切った。四、五回は仲間の守備にも助けられながら、ともに三者凡退。2安打で招いた六回1死一、二塁のピンチでは4番・万波を注文通りの遊ゴロ併殺に仕留め、雄たけびをあげた。七回は三者凡退。後半に入っても威力のある直球を投げ込み、二回にもらったわずか1点のリードを守って残りのイニングを救援陣に託した。

◆阪神は虎の子の1点を守り切り、辛勝。連敗は「3」で止めた。 打線は二回に1死から前川のプロ初三塁打でチャンスを作り、今季5度目のスタメン出場となった渡辺諒が先発・北山から中前へ先制打を放った。 先発の才木は再三、得点圏に走者を置きながらも踏ん張り、7回無失点でゲームメーク。その後は岩崎、湯浅とつないで試合終了。3戦目でエスコンフィールドで初勝利となった。

◆阪神が連敗を「3」で止めた。スタメンから外れた佐藤輝明内野手(24)に代わって、「5番・右翼」で出場した前川右京外野手(20)が二回、三塁打で出塁し、渡辺諒内野手(28)の中前打で挙げた1点を継投で守り抜いた。才木浩人投手(24)は7回無失点で連続イニング無失点を「16」とし、八回は岩崎優投手(31)、九回は2死一、三塁をしのいだ湯浅京己投手(23)が5月30日の西武戦(ベルーナD)以来のセーブを挙げた(1敗8S)。今季9度目の完封勝利で、1ー0勝利は3度目。今季3度目のスタメン落ちの佐藤輝は出番なし。9連戦を4勝4敗1分で終えた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=36勝20敗2分、観衆=3万2087人)。ーー最後は湯浅が締めた「もう、な。(逆転サヨナラ3ランを浴びた8日の楽天戦から)2日空いたし、投げささんとお前、しょうがないやん。はっきり言うて」ーー才木も7回まで投げた「昨日の大竹に比べたら余力があったかもわからんけど、今日は勝ちゲームやからな。1点勝ってたからな。昨日は同点やったけどな。9連戦でお前な、最後やし、2人に任すしかないやんか」ーー才木はバント処理も素早く(バント飛球を2度好捕)「一回、2軍に落ちて、帰ってからはね、今日も途中でまた反るようなアレで高め行っとったけど、試合中でも修正しよるからなあ。その辺がやっぱり、エエピッチングにね。最低7回、投げれる要素じゃないかなあ」ーー打つ方では渡辺諒「ちょっとラッキーな三塁打で、そら他にチャンスいっぱいなあ、どっかで一本出たら楽になるんやけど、負けてる時というかな。負けてる時言うてもそんな負けてないんやけど。中野とか近本もそんなにバットも振れてないしな。タイムリーというか、9連戦の最後で出んような感じで、どっかで四球絡みでも追加点あったら楽やったけどな。そんなもんやろ、はっきり言うて」ーー佐藤輝は連戦の疲れ「状態悪いからやん。連戦は関係ないやん(笑い)」ーートレードできた渡辺諒が結果を残した「ずっと先に点取られとったからな、久しぶりに先制点取れたので、あの段階で、あのままで終わるとは思ってなかったけど、なあ」ーー9連戦の最後はいい形で「まあいい形でというかな、4勝4敗(1分)で御の字ちゃうん。なあ。湯浅がちゃんとしてたら首位におるのにな。ふふふ、ホンマやで、計算上は」ーー9四球を選んだ「あっそう。選べ言うたんや、昨日ゼロやからなあ」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は、辛くも勝利し連敗を止めた阪神の戦いを「〝ピッチャーさまさま〟」と表現。前回救援に失敗した湯浅京己投手(23)が1点差でセーブに成功したことに「これでいい流れが来る」と期待した。先発の才木はチームの悪い流れに負けず、よく七回まで投げ抜いた。角度が良い高めの真っすぐが、やはりストライクに見えるのだろう。非常に武器になっていた。二、三回の四球など先頭打者を出塁させる場面は多く、制球的には決して良くはなかった。それでも自身のフィールディングでバントを失敗させて、いいアウトの取り方で立ち直った。チームが連敗中だっただけに、先に点をやりたくないという思いも強かったはずだ。打線がチャンスを生かせず、見ている誰もが「どこかで日本ハム側に流れが行くんじゃないか」と思うような展開だったが、4番の万波も三振と併殺で完璧に封じ、バッテリーでうまく対応していった。本当に〝ピッチャーさまさま〟という試合だった。1-0で湯浅にセーブが付いたことも大きい。九回2死から四球と安打でピンチを背負い、前回セーブに失敗した流れもあって嫌な感じはあっただろうが、立ち直っていくには結果しかない。ベンチとしては3点差で送り出してやりたい気持ちもあったと思うが、1点差を耐えた湯浅にもこれでいい流れが来るはずだ。

◆阪神・湯浅京己投手(23)が1点リードの九回に登板。2死一、三塁の窮地を招いたものの、何とかしのいで、5月30日の西武戦(ベルーナD)以来のセーブ(1敗8S)を挙げた。「ここ最近2回やられているなかで、また行かせてもらえることに感謝しながら、絶対にゼロで抑えて試合を締めるという強い気持ちだった」3日のロッテ戦(甲子園)では九回に3失点してセーブ失敗。8日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では2点リードの九回に逆転サヨナラ3ランを被弾しただけに「ゼロで一試合、一試合帰ってこられるように頑張ります」と話していた。

◆「3番・DH」で先発出場した日本ハムのドラフト3位・加藤豪将内野手(28)=メッツ3A=が六回、相手の意表を突く、セーフティーバントを決めた。「サードを見たら、すごく後ろにいてバントがいいかなと思った。(セーフティーバントの)サインが出たので僕が考えていたことと(ベンチの考えが)一致してすごく気持ちよかった」この回先頭の1番・郡が左前打で出塁。続く2番・細川の犠打が投飛となり1死一塁で加藤豪が左打席に立った。1ボールからの高めの直球を三塁線へ、セーフティーバント。絶妙なゴロを転がし、全力疾走で一塁を駆け抜けた。〝逆輸入ルーキー〟は「向こう(米国)では、どっちかと言うと、そういうバントする(タイプ)とかだったので慣れている」。新庄監督は「アメリカでもセーフティーバントはしてきていると思う。うまく決めましたね。本当に」と目を細めた。

◆八回に登板した阪神・岩崎優投手(31)は走者を背負いながらも、無失点で今季7ホールド目を挙げた。「なんとかみんなでつなげてよかった」。七回先頭の代打・松本剛のボテボテのゴロを捕球できずに後逸(記録は失策)。犠打で1死二塁とされたが、続く郡の遊ゴロを処理した木浪が三塁へ送球して挟殺にすると、代打・野村を三ゴロに仕留めて乗り切り、「木浪さん、ありがとうございます」と味方の守備に感謝した。

◆阪神・近本光司外野手(28)が接戦の中、守備で才木を助けた。1-0の五回2死からアルカンタラの右中間方向への大飛球にジャンプしてタイミングを合わせ、最後は外野フェンスにぶつかりながらグラブにおさめた。「いや、『もう行ったやろ』と思って。それで行ける、行ったやん、いやフェンスあるわ、行けたわ、って」。2盗塁を決めて今季10盗塁に到達し、球団では赤星憲広以来となる1年目から5年連続2桁盗塁も記録。「走れ、と言われたら走ります。ただそれだけです」と話した。

◆阪神・前川右京外野手(20)が不振の佐藤輝明内野手(24)に代わって、プロ初の「5番」(右翼)で出場。連敗ストップに貢献した。0-0の二回1死から日本ハム・北山亘基投手'24)の内角151キロ直球を捉え、右翼へプロ初の三塁打。続く渡辺諒内野手(28)の中前適時打につなげた。「しっかりと引っ張れたのがよかった。クリーンアップは長打がいるのかなと。その中で長打が出たのは良かった」5月30日の西武戦(ベルーナ)で1軍デビューを飾り、交流戦期間でプロ初安打、プロ初打点をマークするなど、〝初モノ尽くし〟で成長を示している。「2打席目の満塁では初球のストライクを見逃している。自分で仕掛けていけるように」と反省も忘れない。13日からの6連戦に向けて「体のコンディショニングを整えて、6連戦に入っていきたい」と力を込めた。(新里公章)

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)は才木浩人投手(24)を好リード。「悪いなりにしっかり、粘り強く投げてくれた」とたたえた。六回1死一、二塁のピンチで万波を遊ゴロ併殺に打ち取った場面がターニングポイントだったとし、「ボール先行からでもしっかりとゾーンの中に投げ込んでいけたし、ダブルプレーを取ったところもしっかりと押し込んでいけた」と話した。

◆14打席連続無安打の阪神・佐藤輝明内野手(24)は4月14日のDeNA戦(横浜)以来となる今季3度目のスタメン落ち。昨季は143試合に全出場しており、2021年10月20日のヤクルト戦(甲子園)以来の出場機会なしに終わった。「(13日から)普通にやるだけです。頑張ります」と巻き返しを誓った。スタメンから外した理由について、岡田監督は「状態悪いからやん。連戦は関係ないやん」と話した。

◆阪神・渡辺諒内野手(28)が「6番・三塁」で今季5度目のスタメン。二回、三塁打を放った前川右京外野手(20)をホームに招き入れる先制打が決勝点となった。昨年、江越大賀外野手(30)らとのトレードで移籍。かつて所属した日本ハム相手に存在感を示した。試合後のヒーローインタビューは以下の通り。ーー渡辺諒選手です「ありがとうございます!」(帽子をとって2度一礼)ーー球場全体から拍手が「本当素直に嬉しいです」ーーエスコンフィールドで決勝タイムリー。どんな気持ちで打席へ「江越さんが昨日、一昨日とね、打っていたのですごいプレッシャー感じながら打席に立ちました」ーー打球が抜けた瞬間は「安心したのが一番です」ーー去年まで在籍していたチームと違うユニホームで戦うことは「楽しみにしていた試合でしたし、本当楽しく試合ができました」ーートレードが決まった時は、交流戦で溌剌としたプレーをしたいと言っていた「まだまだだと思っているので。あと二回チャンスをくれましたし、そこで打てるようにまた練習して頑張りたいなと思います」(五回2死満塁で空振り三振、七回2死二塁で右飛)ーー昨年、10月のトレードではファンに言えなかったと思うが、この場でメッセージを「北海道で9年間やらせてもらって、すごい成長させくれた場所なので感謝していますし、大阪という拠点が変わりましたけど、また北海道から応援してくれれば、ありがたいなと思います」ーー阪神ファンへメッセージを「元気溌剌としたプレーを見せられるように頑張りたいなと思います!」

◆思い切り腕を伸ばし、白球を捉えにかかる。気持ちを込めた阪神・渡辺諒の打球は、しぶとく二遊間を破った。スコアボードに刻んだ「1」は、白星を運ぶ決勝点。ヒーローインタビューでスタンドを見渡し、阪神と古巣・日本ハムのファンに向けお辞儀した。「ありがとうございます! 本当に、素直にうれしいです。本当に楽しく試合ができました」二回1死から5番・前川が右翼線への三塁打。「6番・三塁」で出場した渡辺諒はこの日最初の打席で、先発・北山の150キロ直球をはじき返した。〝直球破壊王子〟の異名に恥じない一打で、この3連戦初めて先制。14打席連続無安打の佐藤輝が4月14日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン落ちとなるなど、3連敗を経て組み替えられた打線の中で結果を出した。「江越さんがきのう、おとといと打っていたので。すごいプレッシャーを感じながら打席に立ちました」運命が交差した両選手が、お互いの新天地で輝いた。渡辺諒は昨年10月にトレードで日本ハムから阪神に加入。そのトレード相手で日本ハムに渡った江越が、9日にソロ本塁打を放ってヒーローになった。江越は10日も決勝打を呼び込む二塁打を放ち、連勝に貢献。3連戦の最後に満を持してスタメン入りした渡辺諒も、活躍して見事〝ヒーロー返し〟に成功した。

◆ゆっくりと息を吐き、心を落ち着かせる。最後はフォークで打ち取り、安堵した。湯浅はヒヤヒヤの展開を招きながらも試合を締めて、前回のリベンジを果たした。「ここ最近2回やられているなかで、また(マウンドに)いかせてもらえることに感謝しながら、絶対にゼロで抑えて試合を締めるという強い気持ちだった」八回の攻撃中に首脳陣から登板を告げられ、奮い立った。腹をくくって九回のマウンドに上がると、7球で2死としたが、ここから正念場を迎えた。四球と安打で一、三塁。一打出れば同点の場面でD5位・奈良間(立正大)を投ゴロに仕留めてゲームセットとした。汚名返上の機会だった。3日のロッテ戦(甲子園)では九回に3失点で同点とされてセーブ失敗。前回登板の8日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では1点リードの九回に逆転サヨナラ3ランを打たれた。岡田監督が「しんどいやろ」と話し、守護神?奪の可能性もあった。それでも、この日も九回のマウンドを託した指揮官は「(間隔が)2日空いたし、投げささんとしようがないやん」と説明。右腕は苦しみながらも今季8セーブ目を挙げて起用に応えた。前日10日まで試合前の練習で2日続けて異例のブルペン投球。終了後にはタブレットで過去の自分の映像と今を見比べた。「バランスとかいろいろ崩れている部分もあったので一から確認しながらやっていた」。どん底の状態はもう終わった。あとは試行錯誤しながら調子を上げていく。「徐々に感覚がいいボールも増えてきているので、状態を上げていけるように。しっかりゼロで一試合、一試合帰ってこられるように頑張ります」気温の上昇とともに〝アツアツ〟な湯浅も蘇る。(織原祥平)

◆ほえた! 止めた!! 阪神は日本ハムに1-0で今季9度目の零封勝ちを収め、連敗を3でストップした。先発の才木浩人投手(24)が7回4安打無失点で5勝目。プロ入り初の9回完封勝利を挙げた前回4日のロッテ戦(甲子園)に続く好投で自身4連勝とした。試練の9連戦を白星で終えた虎が、ここから再び加速する。もうこれ以上負けられない。奮い立った才木がマウンドに君臨し、虎を救った。気迫の投球と好フィールディングでホームを踏ませず、7回4安打無失点。チームの連敗を3で止め、笑顔でエスコン初勝利の輪に加わった。「3イニング目ぐらいまで、マウンドに慣れなくて四球で先頭を出したりとか、フルカウントになる投球をしたけど、後半に修正して、何とか七回まで投げ切ったので良かった」序盤は初めて立つマウンドの高さに適応するのに苦労し、球の浮くシーンが目立ち、三回まで毎回先頭を出塁させた。それでもゼロを並べると「重心が上がっているのを下げるイメージで投げた」と直球の感覚を修正。四、五回を三者凡退で終え、1点リードの六回は2死一、二塁でパ・リーグ本塁打トップの万波を迎えたが、内角への149キロ直球で遊ゴロ併殺に斬り、ほえながらガッツポーズを作った。三回と六回には、ともに送りバントを小フライにさせて果敢な前進でノーバウンドキャッチ。華麗な守備で自らも助けた。これで完封勝利した前回4日のロッテ戦から自己最長の16イニング連続無失点。規定投球回にも再び到達し、防御率は1・24の大竹に次ぐリーグ2位の1・53だ。

◆せっかくのきらびやかな新球場でのゲームなのに、同一カード3連敗を喫したらイヤ~な記憶になってしまうなぁと勝手に心配していた。だがゲームが始まると、あら不思議。前日までと打って変わって、日本ハムの攻撃がことごとくうまくいかないではないか(阪神の得点も入らなかったけれど...)。何か大きな力に背中を押されているかのように、そのまま勝ってしまった!エスコン史上最多の観客動員数を記録したという10日に続いて、この日も多くの虎党がギッシリとスタンドを埋め尽くした。サブキャップの新里公章も「札幌ではちょうど『YOSAKOIソーラン祭り』も開催されていましたが、ソーランの格好をしている方と虎党の方、どちらも同じくらい多くの方を街で見かけましたよ」と言う。そう聞くと、この1勝、この連敗ストップは、北の大地まで詰めかけた虎党のパワーによるものかもしれないと思えてくる。5月30日からの西武3連戦(ベルーナ)でもスタンドの半分以上が黄色く染まっていた。今季の交流戦のビジターゲーム(ベルーナ、楽天モバイルパーク、エスコン)はいずれもカード負け越しとなってしまったが、全国のファンの熱気を受け取ることができるのも交流戦ならでは。なんとか白星で遠征を締めくくって、虎ナインは今週からまた甲子園で大暴れしてくれるはずだ。エスコンフィールドがある北広島市から約1000キロ離れた、その甲子園ではこの日、阪神甲子園球場100周年記念事業として「甲子園ブラスバンドフェスティバル2023」が開催されていた。高校生吹奏楽部が聖地に集結し総勢約800人で圧巻のパフォーマンスを繰り広げるイベントの取材に向かったのは、サンスポ記者の中で最も「スタンドからの応援が選手にもたらす影響」を知っている男、ルーキー記者の中屋友那だ。「習志野高校の『レッツゴー習志野』はやっぱりすごかったです。鳥肌が立ちました...!」と興奮気味に伝えてきた。

◆たかが1勝、されど1勝...。この白星は阪神にとってこの先大事な意味を持つ1勝になるはずなのだ!!3連敗で止めたこともそうだけど、ある意味それ以上に、今季岡田阪神がアレを目指している最中に、最後までグラウンドに立つことのなかった佐藤輝は何を思ったか?打線は再三のチャンスをモノにできない。そんな嫌なムードの漂う九回、一打出れば同点、逆転の2死一、三塁で湯浅が耐えて、命からがら猛虎ナインがつかみとった1勝の風景に何を感じたか? それ次第で虎のアレ、いや数十年先の未来まで大きく変わりかねないのだ!! サトテル、信じとるでェ!!虎の子の1点をたたき出したのが、日本ハムから来た渡辺諒で、終わってみれば前日まで大活躍の江越との『恩返しシリーズ』って野球の神様も粋なことしてくれるじゃないのさ!!そして、もちろん投手のヒーローは7回4安打無失点に封じた才木だけど、もう一人...普段は文句タラタラ言うことが多い梅ちゃんだけど、才木とのこの2試合はストレートを生かすカーブやストライクを取るフォークなど、緩急のあるリードお見事でした!!

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
750 0.583
(↑0.038)
-
(-)
652
(+8)
44
(+4)
6
(+3)
2
(-)
0.251
(↓0.004)
3.180
(↓0.08)
1
(-)
巨人
750 0.583
(↑0.038)
0
(-)
651
(+4)
43
(+2)
18
(+2)
6
(+2)
0.266
(↓0.003)
3.620
(↑0.15)
3
(4↑)
ヤクルト
650 0.545
(↑0.045)
0.5
(-)
740
(+3)
30
(+2)
6
(-)
2
(-)
0.247
(↓0.001)
2.780
(↑0.08)
4
(3↓)
ソフトバンク
660 0.500
(↓0.045)
1
(↓1)
653
(+2)
47
(+4)
10
(-)
6
(+1)
0.259
(↓0.006)
3.700
(↓0.03)
4
(3↓)
ORIX
660 0.500
(↓0.045)
1
(↓1)
640
(+4)
40
(+8)
7
(+2)
5
(-)
0.232
(↓0.002)
2.850
(↓0.46)
4
(3↓)
日本ハム
660 0.500
(↓0.045)
1
(↓1)
639
(-)
31
(+1)
14
(-)
4
(+1)
0.244
(↓0.006)
2.250
(↑0.11)
4
(3↓)
広島
660 0.500
(↓0.045)
1
(↓1)
635
(+5)
41
(+6)
5
(-)
8
(+1)
0.215
(↑0.005)
3.450
(↓0.27)
8
(1↓)
楽天
550 0.500
(-)
1
(↓0.5)
834
(-)
49
(-)
6
(-)
6
(-)
0.267
(-)
4.190
(-)
9
(2↑)
阪神
561 0.455
(↑0.055)
1.5
(-)
640
(+1)
42
(-)
4
(-)
10
(+4)
0.212
(↓0.006)
3.180
(↑0.29)
9
(2↑)
ロッテ
561 0.455
(↑0.055)
1.5
(-)
645
(+6)
50
(+5)
12
(+1)
8
(-)
0.232
(↑0.003)
3.960
(↓0.09)
9
(-)
中日
560 0.455
(-)
1.5
(↓0.5)
736
(-)
41
(-)
6
(-)
9
(-)
0.250
(-)
3.330
(-)
12
(3↓)
西武
570 0.417
(↓0.038)
2
(↓1)
630
(+2)
37
(+3)
7
(-)
7
(-)
0.209
(↑0.004)
2.720
(↑0.06)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
36202 0.643
(↑0.007)
-
(-)
85229
(+1)
173
(-)
30
(-)
33
(+4)
0.244
(↓0.002)
2.750
(↑0.05)
2
(-)
DeNA
31241 0.564
(↑0.008)
4.5
(-)
87230
(+8)
210
(+4)
47
(+3)
10
(-)
0.260
(↓0.001)
3.500
(-)
3
(-)
広島
30280 0.517
(↓0.009)
7
(↓1)
85200
(+5)
197
(+6)
38
(-)
28
(+1)
0.242
(↑0.001)
3.160
(↓0.06)
4
(-)
巨人
30290 0.508
(↑0.008)
7.5
(-)
84228
(+4)
238
(+2)
70
(+2)
17
(+2)
0.253
(-)
3.930
(↑0.03)
5
(-)
ヤクルト
23332 0.411
(↑0.011)
13
(-)
85200
(+3)
225
(+2)
49
(-)
29
(-)
0.232
(-)
3.630
(↑0.03)
6
(-)
中日
22350 0.386
(-)
14.5
(↓0.5)
86159
(-)
190
(-)
24
(-)
19
(-)
0.241
(-)
2.920
(-)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ロッテ
30213 0.588
(↑0.008)
-
(-)
89198
(+6)
169
(+5)
36
(+1)
33
(-)
0.236
(↑0.001)
2.970
(↓0.04)
2
(-)
ORIX
32252 0.561
(↓0.01)
1
(↓1)
84223
(+4)
191
(+8)
45
(+2)
23
(-)
0.257
(↓0.001)
3.000
(↓0.09)
3
(-)
ソフトバンク
29242 0.547
(↓0.011)
2
(↓1)
88200
(+2)
189
(+4)
37
(-)
27
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.250
(↓0.01)
4
(-)
日本ハム
27330 0.450
(↓0.008)
7.5
(↓1)
83194
(-)
192
(+1)
46
(-)
30
(+1)
0.225
(↓0.001)
2.810
(↑0.03)
5
(-)
西武
24331 0.421
(↓0.008)
9
(↓1)
85161
(+2)
195
(+3)
39
(-)
35
(-)
0.229
(↑0.001)
3.040
(↑0.02)
6
(-)
楽天
22311 0.415
(-)
9
(↓0.5)
89163
(-)
216
(-)
43
(-)
42
(-)
0.220
(-)
3.450
(-)