楽天(☆4対1★)阪神 =交流戦1回戦(2023.06.06)・楽天モバイルパーク宮城=
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阪神
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楽天
02010001X4701
勝利投手:則本 昂大(2勝4敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝1敗9S))
敗戦投手:村上 頌樹(5勝2敗0S)

本塁打
【楽天】辰己 涼介(3号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆楽天は1点を追う2回裏、太田が2点適時打を放ち、逆転に成功する。その後は、4回に再び太田が適時打を放つと、8回には辰己のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・則本が6回4安打1失点の好投で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が初回の1得点のみと精彩を欠いた。

◆前夜に甲子園でロッテとの5時間超えの長時間ゲームの末、引き分けとなった阪神が、午前中に空路で仙台入りした。疲労を考慮し、練習時間短縮された。宿舎でのミーティングも練習に合わせて遅らせ、通常のビジターゲームより約30分遅い午後4時過ぎに練習がスタート。野手は試合前の屋外でのフリー打撃は行わず、希望者のみが室内で打撃練習を実施した。投手陣に加え、一部野手陣がキャッチボールやノックでグラウンドの感触を確かめ、約30分で練習を切り上げた。その後、シートノックが行われた。阪神はこの日の楽天戦が9連戦の4戦目。仙台での楽天3連戦の後は、北海道での日本ハム3連戦を控えている。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が4試合連続適時打となる先制打を放った。初回1死から中野拓夢内野手(26)が右翼フェンス直撃の三塁打でチャンスを拡大すると、続く2死三塁の打席で大山が楽天先発則本の直球を初球打ち。中前打に運び、仕事を果たした。「上位打線が初回からチャンスメークをして流れを作ってくれたので、積極的にスイングしました。先に点を取ることができてよかったです」と試合中にコメントした。試合前まで背番号3はDeNA牧と並んで、セリーグ・トップの36打点。虎の主砲が交流戦で存在感を示している。

◆高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)がプロ初安打を放った。2点ビハインドの7回先頭の打席。楽天2番手宋の139キロチェンジアップを捉え、右前打に運んでHランプをともした。11打席目でのヒットに背番号58も手をたたいて喜んだ。前川は5月30日に1軍初昇格。3三振に倒れた試合もあるなど、苦戦したが、一塁上で安堵(あんど)の表情を見せた。

◆阪神が楽天に敗れ連勝は2でストップ。交流戦は3勝3敗1分けで、交流戦の勝率は5割となった。阪神が1回2死三塁から4番大山悠輔内野手(28)の中前安打で先制したが、先発の村上頌樹投手(24)が2回2死満塁から9番太田光捕手(26)に逆転2点左前適時打を浴びた。4回にも2死2塁から、またも太田に左翼線へ適時二塁打を許した。村上は8回に辰己涼介外野手(26)に3号ソロを許したが、8回を4失点でひとりで投げきった。前日5日に甲子園でロッテとナイターで5時間7分の死闘を戦い、この日仙台への移動ゲームだった。疲労を考慮し練習を短縮してゲームに臨んだが、打線は初回の1点だけしか奪えなかった。

◆阪神村上頌樹投手(24)が8回7安打、自己ワーストタイ4失点で1カ月ぶりとなる2敗目を喫した。今季最多の116球を投げたが、6勝目はお預けとなった。0-1の2回に2死満塁のピンチを招き、太田に左前に逆転の2点打を浴びた。4回も2死二塁から太田に初球の138キロ変化球を打たれ、左翼線へ二塁打を運ばれて3点目を献上。8回は途中出場の辰巳に中越えソロを浴びた。村上の敗戦投手は5月9日ヤクルト戦(甲子園)以来。それでも、防御率1・83でリーグ1位に再浮上した。

◆阪神が楽天に敗れ連勝は2でストップ。交流戦は3勝3敗1分けで、交流戦の勝率は5割となった。阪神は1回2死三塁から4番大山悠輔内野手(28)の中前安打で先制したが、先発の村上頌樹投手(24)が2回2死満塁から9番太田光捕手(26)に逆転2点左前適時打を浴びた。村上は8回を4失点でひとりで投げきった。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-先発村上の状態は悪くないようにみえたが「悪うないよ、別に。なんでよ。完投させてんのに、なにも悪うないやんか。そんなん」-昨日は5時間7分の長い試合だっただけに村上は価値がある投球だった「いや、昨日は関係ないやんか。村上はあれぐらいは投げれる、ということやろ。そんなんのお前。(4日に投げた)才木でも一緒やんか。(DH制で)打順回ってけえへんのやから、そんなん。別にお前、勝ってたら、そらブルペン投げさせているよ」-いい形で1回に先制点が入った「いやいや、もう。だから、今日なんかも、ちょうどええなあ、そら、ちゃんとストライクを打つ人間ともうボールを打ってる人間と。もう俺も辛抱できひんからな。はっきりいうてな。まあ、最後でもそうやんか。ちょうど、明日、明後日また松井裕投げるかもわからんけど、な。ちゃんとストライク打ってるのは前へ飛ぶんやから。そういうことやろ。それが分からんかったら、ちょっとしんどいわな」-初回のノイジーも全部ボール球「(ふふふと笑い)立っといたら全部フォアボールやんか。そんなんお前、何十回目よ。おん」-コンディション的にも「そんなん関係ないよ。そんなん関係ないやんか。そんなんコンディション良かったらみんな勝てるんか? そんなん関係あらへん。周りがそう思てるだけで、お前、試合はお前、勝つと思てやってるわけやから、そんなもん」-7回には前川に初ヒットが出た。「まあ、出そうやったからのお。1打席目もなあ、おーん」-よく振れているか。「いや、だから、振れてるとか、振れてないんじゃなしに、やっぱり最初(2試合目の5月31日西武戦)なあ、低めのボールを振って、あないして三振3つもして、それがだんだん低めを振らんようになる、ストライクゾーンをちゃんとしっかりスイングできたらやっぱりいい結果出るやんか。そういうことやんか。それをね、同じことの繰り返しをやってるから、ずっーと打てへんいうことやんか。はっきり見とったら分かるやんか」-前川は打席を重ねていく中でしっかりと成長「いやいや、そら成長してんちゃう。だから。うん」-やるべきことをやっての1本が出た「いや、そら、もう徐々に1軍のピッチャーに慣れてな。で、やっぱり2軍よりも低めの変化球がすごいのを、そら直に感じてな、それを最初振ってたけど、それがだんだん振らんようになったら、ピッチャーもストライクゾーンに投げてこなあかんわけやんか。それで、ね、その球を仕留められるようになったら、そら、な、段々成長している過程と思うよ」-1軍に上がってきた時よりもリラックスしているようにも見える「いやいや、そうでもないで。そんなん、ヒット1本打ちたいいう気持ちはずっと一緒と思うよ。でも、リラックスいうのはバッターボックスで、ボールをな、ボール球を見送れる余裕ができたいうことやろな。そういうふうに見えるいうことはな。そら、な、1ボール2ストライクになるのと2ボール1ストライクになってピッチャーのボールも違うし、次の投げてくるな、4球目が違う訳やんか。やっぱりストライクゾーンになげなアカンってなってくると、やっぱり自分のスイングできて、なあ、いい結果出るいうことやん。そんなん」-自分でカウントをうまくつくって「そうそうそう。そんなん、ミーティングでもうみんなに何回も言うてるんやけどな。それはできるもんと、でけへんものの違いやわな。それはもう数字にきっちり表れてるやんか。数字っていうか確率がな。確率言うのは打率やんか。率な訳やからさ。打点とかホームランとか減れへんけど。そういうことやんな」-今後打順をいじったりする可能性は「そんなこと言われへんよ。今の段階では言われへんけど」

◆楽天則本昂大投手(32)が、連敗を3で止めた。1回2死三塁で大山に適時中前打を浴びて、先制を許したが、回を重ねるごとに直球がコースを突けるように。6回4安打1失点で今季2勝目を挙げた。セ・リーグ首位の阪神とのカード頭で白星。チームに勢いをもたらした。幼少期は阪神ファン。「星野さんが監督のときが一番見ていた。全体的に好きでした。井川さんも好きでしたし、僕が見ていた頃はJFKが出てきた頃。桧山さんも好きでした」と挙げる。友達と野球で遊ぶ時は、矢野の応援歌を歌いながらプレーしていた。憧れていた球団との対戦。今回で通算5度目となった。「阪神戦になるとチャンステーマを歌いながらマウンドに上がっている」と笑う。だが、今の自身の仕事は阪神を倒すこと。「チャンステーマは聞かないように頑張ります」と意気込んでいた。楽天の本拠地ながら、阪神ファンが右翼スタンドを埋めた。5回2死一、三塁のピンチを招くと、阪神のチャンステーマが球場に響いた。「あまり聞きたくなかったですけど」と、相手の応援を逆に力に変え、ギアチェンジ。カウント2-2から、ノイジーを外角高めの132キロスライダーで二ゴロに打ち取ると、感情を爆発させ、雄たけびをあげた。直近3試合では、滝中、早川、荘司と先発投手が3回保たず。エースとして、試合を作った。「若手がここまで頑張ってきて、ここらへんで疲れが出るところではあるので、それが重なったのかなと思っている。こういう苦しい状況はある程度やってきた人間が頑張らないと」と踏ん張った。互いに支えながら、勝っていく。チーム最下位からの浮上へ、少しずつ感じてきた手応え。「相手のピッチャーも今シーズンかなりいい中で、タイムリーも出るし長打も出てきている。打線はいい方向に向いていると思う。あとはピッチャーが頑張るだけ。そこの歯車がしっかりかみ合えば、勝っていける」。巻き返しへ、仕事を果たすことに集中していく。【湯本勝大】▽楽天石井監督(則本の投球に)「序盤に苦しんでいたけど、ある程度ゲームをまとめてくれて。イニングを追うごとにラインのあるボールが出始めた。しっかりというか、6イニング投げてくれました」▽楽天太田(2安打3打点で先発則本を援護し)「受け身にならずに。今江さん(打撃コーチ)からも思い切っていけと言われていたので、打席の中で迷わずいきました」

◆楽天辰己涼介外野手(26)が、徐々に状態を上げてきた。ベンチスタートも、1点リードの8回の中堅守備から出場。直後、先頭で打席に入ると、カウント1-1から村上の甘く入った143キロ直球をバックスクリーン右へと運んだ。3号ソロで勝利を大きく引き寄せ、「結果として打球が上がってきた」と手応えをつかんでいた。今季は打率1割台と低迷。昨季まで不動の中堅手だったが、先発を外れることも出てきた。6月4日ヤクルト戦(神宮)では、代打で出場し、左中間へ二塁打。2打席連続で長打を放ち、状態は少しずつ上向いてきた。「あとはしっかり(試合に)出続けられるように。スタメンに戻らないと。チームが浮上するための1つのピースにならないといけない立場」と表情を引き締める。石井監督からも「去年経験を積んだので、それが無駄にならないように、今年向き合ってほしい」とエールを送られた。巻き返しのキーマンとなるため、結果を残していく。

◆杜(もり)の都の"焼き肉"パワー! 楽天が交流戦阪神戦でセ首位チームを撃破した。太田光捕手(26)が、先発則本をバットで援護した。1点を追う2回2死満塁で、左前へ逆転となる2点適時打。続く4回2死二塁の第2打席では、左翼へ適時二塁打を放った。2安打3打点で先発則本を援護した。3日に田中将が呼びかけてくれ、複数人で焼き肉に行った。スタミナ満点で、勝利に貢献した。「則本さんは連れていってくれないんですけど、田中さんは連れて行ってくれる。(田中将に)『そのパワーを絶対出せよ』って言われてたので、今日出せて良かったです」と笑顔だった。試合後は"夫婦げんか"が発生? 則本は「あんなこと言うやつにはおごらないです。すし行こうかな。な!」と太田に口撃。年下の太田は「肉がいいかな」とかわした。チームの雰囲気はいい。扇の要として、攻守で巻き返しをけん引していく。太田は「気持ちだけは引かないようにと意識しています」と胸に刻む。反撃態勢へ、歩みは止まらない。【湯本勝大】

◆阪神佐藤輝明内野手が祖父母の前で不発に終わった。4打数無安打と反発力なく、6月は20打数2安打、打率1割だ。宮城・村田町に住む祖父勲さん(84)、祖母美智恵さん(84)がスタンドで観戦した一戦。昼前には「今、仙台入ったよ」と連絡を入れていた優しい孫が、このまま終わるはずがない。7日の楽天先発田中将は2年前の交流戦で1発を見舞った相手。その時も祖父母は現地観戦してくれた。豪快な一打を再現してみせる。

◆疲労困敗!? セ界首位の阪神が「日本生命セ・パ交流戦」でパ最下位の楽天に完敗した。甲子園で延長12回5時間超えドローを演じたロッテ戦一夜明けは、仙台での移動ゲーム。攻撃陣は疲労もあったのか、先発則本らに1得点に抑えられた。岡田彰布監督(65)は不振が続くシェルドン・ノイジー外野手(28)に「もう辛抱できひん」と先発外しを明言。仙台、北海道と続く敵地6連戦初戦は黒星発進となったが、ムチを入れて再進撃を期す。5時間超えの激闘ナイター一夜明け、阪神はほぼ見せ場なく半分の2時間38分でゲームが終わった。苦手の則本を打ち崩せず、右腕先発時はこれで通算1勝4敗。パ・リーグ最下位の楽天に屈し、仙台、北海道と続く6連戦の初戦を落とした。連勝は2でストップ。岡田監督は一切言い訳せず、はっきりと断言した。「疲労? そんなん関係ないやんか。そんなんコンディション良かったらみんな勝てるんか? そんなん関係あらへん。周りがそう思てるだけで、試合はお前、勝つと思てやってるわけやから、そんなもん」実際は疲労困憊(こんぱい)で敵地に乗り込むナインが多かったのも確かか。日をまたいで帰宅した選手も多くいる中、午前10時発の便に乗るため、伊丹空港に集合。「寝たのは2時過ぎてからかな...」とつぶやく選手もいた。先発マスクをかぶった坂本は、機内でも楽天打線の研究のため、タブレットを片手にしていた。同11時15分ごろ、あっという間に仙台空港に着陸。時は待ってくれない。疲労を考慮し、試合前の練習時間が短縮された。宿舎でのミーティングも練習に合わせて遅らせ、通常のビジターより約30分遅い午後4時過ぎに練習開始。野手は屋外でのフリー打撃は行わず、希望者のみが室内で打撃を行った。投手陣に加え、一部野手陣がキャッチボールやノックで2年ぶりに訪れたグラウンドを確認。約半分の30分で通常練習を切り上げ、そのままシートノックに入った。初回に先制打を放った大山の話題となると、指揮官は「ちゃんとストライクを打つ人間と、もうボールを打ってる人間と(いる)」と厳しく指摘。「もう俺も辛抱できひんからな。はっきり言うてな」と険しい表情で言った。ボール球に手を出し続けていたノイジーについて「立っといたら全部フォアボールやんか。そんなんお前、何十回目よ」とばっさり。「辛抱できひん=ノイジー」とみられ、スタメン外しは決定的だ。2日のロッテ戦(甲子園)が天候不良で5日に振替試合が組まれたことで始まった試練の9連戦。"岡田のカツ"投入で、7日はスカッと勝ちたい。【古財稜明】

◆ついに出た! 敗戦の中で阪神の左の大砲候補、前川右京外野手(20)がプロ初安打で輝きを放った。2点ビハインドの7回先頭。楽天の2番手右腕、宋家豪の139キロチェンジアップを右前にクリーンヒット。11打席目で待望のHランプをともした。「うれしかったです。全く打ててなかったのでその分、今日打ててよかった」。記念球は「家族かおじいちゃんに渡したい」と笑顔で明かした。続く無安打地獄で、生き残りに必死だった。5月30日に1軍初昇格。即スタメン起用されたが、同31日の西武戦で3三振するなど、苦しい日々を送った。打開へ向け、水口打撃コーチから、上からたたくイメージの打撃フォームに修正する助言を受け、5日から微調整。結果につなげた。「初めは自分の間合いで入っていけなかったけど、練習から余裕が出てきました」。岡田監督も「ストライクゾーンをしっかりスイングできたらいい結果出るやんか。だんだん成長している過程やと思う」とたたえた。もどかしい日々が続いていた。1年目の昨季は3月の巨人とのオープン戦(甲子園)でマルチ安打の鮮烈デビュー。だが、開幕1軍も見えた3月末に上半身のコンディション不良で長期離脱した。復帰と離脱を繰り返し、今季も1軍キャンプ招集直前に故障離脱するなどケガに泣かされた。「もう最悪や...。終わった」。だが、失意のどん底でもウエートトレーニングに力を入れるなど、体づくりは怠らなかった。睡眠の質や体の仕組みも勉強。日々の精進を怠らずはい上がった。岡田監督から「そらもうドラフトで取った時から『コイツはええなあ』思っとったよ」とホレられた逸材。前川は笑顔をしまった。「ちょっとほっとしたけど活躍して結果を残さないと。気を引き締めて頑張ります」。本領発揮はここからだ。【三宅ひとみ】前川の父栄二さん(51)も息子のプロ初安打を静かに喜んだ。三重県の自宅でテレビ観戦。「1軍に上がってからも本人が苦しんでいたのを見ていたから、本当に感無量です」と安堵(あんど)していた。父は、途中出場で甲子園デビュー戦となった5日ロッテ戦は現地観戦。陰から欠かさず応援してきた。「ヒットは出なかったけど、実際に甲子園の打席に立っている姿を見ているだけで、感動していました。今日はファーストストライクから振っていた打席もあったから、どうかなって思っていた。本当によかったです。苦しい状況でもチャンスを与えて出してくださった岡田監督に感謝しかありません」。三重から活躍を見守っていく。

◆阪神大山悠輔が1回に先制適時打を放ち、37打点でリーグ単独トップに立った。初回2死三塁で「上位打線が初回からチャンスメークをして流れを作ってくれたので、積極的にスイングしました」と、楽天則本の初球150キロ直球を中前へはじきかえした。4試合連続打点で、交流戦8打点は巨人岡本和らと並びトップ。打率3割7分5厘、2本塁打とパ投手陣を打ち砕いている。

◆投げ切ったけど...。阪神村上頌樹投手(24)が自身プロ初の完投負けで2敗目を喫した。8回4失点。規定投球回に再び到達し、防御率1・83でリーグトップに立ったが、プロ初の楽天戦は悔しさで胸があふれた。「打たれた球は全部甘いんで、そこだと思います」。大山の先制適時打で1点リードをもらったが、2回に太田に逆転の2点打を浴びた。反省したのは、その後だ。4回に再び太田に追加点の適時二塁打を浴び、8回には辰己にソロを許した。「3、4点目が無駄。粘れなかったのが、こういう結果になった」。6奪三振の力投も7安打を浴び、自身4連勝も逃した。援護にも恵まれなかったが先発の役割は十分果たした。前夜は延長12回の末、引き分け。7人の救援陣をつぎ込んだだけに、この完投が持つ意味は決して小さくない。「後ろはいい投手がいる。何も考えなくて、自分のピッチングをしたいと思っていた」。2試合連続で8イニングを消化。開幕時はロングリリーフとしてブルペン待機した男が、今や立派なイニングイーターになっている。則本に投げ負けたが岡田監督も「悪うないよ、別に。完投させてんのに、何も悪うないやんか、そんなん」と責めることはなかった。「(延長戦の)昨日は関係ないやんか」とした上で「村上はあれぐらいは投げられる、ということやろ。そんなんお前」と不変の信頼を口にした。背番号41は「しっかり投げ切ること、コントロールを意識してやっていきたい」と引き締め直した。ツメの甘さを痛感した夜を、次への糧にする。【中野椋】村上が規定投球回に復帰し、防御率1・83で再びリーグ1位に立った。阪神投手の完投負けは西純が4月6日の敵地広島戦で5イニングを投げ、降雨コールドで敗れて以来。フルイニングを戦っての完投負けは今季チーム初となった。村上の完投は4月22日の敵地中日戦でプロ初完封して以来2度目。これは戸郷(巨人)と並びリーグ最多。

◆山形県出身の阪神中野拓夢が東北福祉大時代を過ごした仙台で今季3度目の猛打賞をマークした。初回1死走者なしでは楽天則本の内角低め132キロスライダーをとらえた。打球は右翼フェンス上部を直撃。快足を飛ばし三塁打とした。今季4本目で、ルーキー時代の21年に並んで早くも自己最多。「反応で内角を打つことができたので、その後も気持ちよく(打席に)入れた」と2、3打席目も安打を重ねた。前日5日ロッテ戦は5時間7分の長時間ナイター。この日は仙台への移動ゲームで「体が思うように動かなかったりとか、重い部分はあったので、なるべく力を入れて振らないように」と、脱力打法がハマった。「両親も3日間来ると言っていたので、元気にプレーして勝利を届けられるように」。関係者、知り合い含め東北で世話になった人々に7日こそ白星を届ける。

◆阪神は試合前練習で、屋外での打撃練習を行わなかった。5日に試合時間5時間7分で延長十二回を戦い、移動ゲームの疲労を考慮して、練習時間も短縮。野手陣は室内で個別に練習した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は前川右京外野手(20)が「7番・DH」でスタメンに名を連ねた。5月30日に1軍デビュー以降、8打席で未だ無安打の左の大砲候補から待望の1本が飛び出すか期待が懸かる。先発の村上頌樹投手(24)は自身4連勝が懸かるマウンドに上がる。楽天は則本昂大投手(32)が先発。

◆阪神・西勇輝投手(32)が7日の2回戦に向けてキャッチボールやショートダッシュなどで調整した。楽天モバイルパークでの登板は阪神移籍後初。オリックス時代にプロ初登板した球場で「屋外というのは好きだし、いいイメージで入れるんじゃないかな」と意気込んだ。通算17試合6勝3敗、防御率2・70だ。投げ合う楽天・田中将とは通算3試合で1勝1敗1分けと対戦成績は五分。西勇自身は5月17日の中日戦(バンテリンドーム)で白星を挙げて以来、2試合勝利から遠ざかっているが、「感情の浮き沈みなく、自分の投球をするだけ。年間で打ってくれる試合もあれば、なかなか取りづらい展開もある。自分の投球を心掛けて、粘り負けしないように」と泰然自若で登板に臨むことを誓った。」

◆激闘の疲れを見せない先制劇だった。阪神・中野拓夢内野手(26)が一回1死から右中間フェンス直撃の三塁打。則本の132キロ変化球を捉えた。仙台は東北福祉大時代の4年間を過ごした地。凱旋三塁打で仙台の虎党を沸かせると、2死から大山悠輔内野手(28)が4試合連続打点となる中前打を放った。阪神は5日のロッテ戦(甲子園)で延長十二回、5時間7分にも及んだ激闘を終え、仙台入りしたばかり。疲れを吹き飛ばす先制劇だった。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が一回2死三塁の好機で、則本の150キロ直球を捉え、先制の中前打を放った。「上位打線が初回からチャンスメイクをして流れを作ってくれたので、積極的にスイングしました。先に点を取ることができてよかったです」。大山は3日のロッテ戦(甲子園)から4試合連続打点。絶好調の虎の4番が打線をけん引している。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(24)が二回に逆転を許した。1死から岡島に右前打を浴びると鈴木大にも右前打で一、三塁のピンチ。フランコを四球で歩かせ、満塁となった。8番・山崎は150キロ直球で空振り三振に斬ったが、9番・太田に141キロカットボールをはじき返されて、2失点。逆転を許した。

◆「7番・DH」で出場した阪神・前川右京外野手(20)が七回の第3打席に待望のプロ初ヒットを放った。2番手・宋の139キロチェンジアップを一閃。鋭い打球は一、二塁間を抜け、右前打となった。プロ11打席目で放った待望の一打に、一塁ベンチへ記念球が。未来の大砲候補がついに一歩目を踏み出した。

◆阪神は逆転負けを喫した。打線は一回1死から中野が三塁打を放つと、大山が中前適時打を放って幸先よく先制した。 しかし、先発の村上が、二回に連打と四球で満塁のピンチを背負うと、太田に逆転の二塁打。四回にも太田に適時打、八回は途中出場の辰巳にソロを浴びた。八回まで一人で投げ切るも、7安打4失点。今季2敗目を喫した。 5日のロッテ戦(甲子園)で5時間を超える激闘を繰り広げ、この日仙台へと入った選手たち。その疲労があったのか、二回からは得点することができず、連勝は2でストップした。

◆楽天が連敗を3で止めた。太田が0―1の二回に2点打、2―1の四回に適時二塁打を放ち、八回に辰己の3号ソロで加点した。則本が6回1失点で2勝目。阪神は一回の1得点のみと打線が振るわず、村上が8回4失点で2敗目。

◆楽天が試合の流れを一気に引き寄せた。0-1の二回2死満塁、太田光捕手(26)が〝虎の村神様〟こと、阪神・村上の2球目を仕留め、左前に逆転2点打を放った。「打ったのはカットボールです。田中(将大)さんの〝焼き肉パワー〟ですね」。競馬を愛する田中将が、くしくも5月28日の日本ダービーの夜に、発起人となって決起集会を開いた。太田は、その際に食べた焼き肉に〝感謝〟し、マー君を持ち上げた。2-1の四回2死二塁。またも、村上から左翼線に適時二塁打を放って、貴重な追加点を挙げた。「打ったのはフォークボール。田中さんの〝焼き肉パワー〟パート2です」と調子に乗った。5日時点で得点圏打率・000(12打数無安打)の男が異彩を放った。今江打撃コーチは「どんどん投げ込んでくる相手投手に、しっかり打ちにいけている」とたたえた。試合前の段階でチームは3連敗中で、今季ワーストの借金12。石井監督は「負けて悔しくない人はいないと思う。これ以上、悔しい思いをしたくないとか、自分がしっかりプロ野球選手として、チームの代表として(グラウンドに)立っているプライドをみせてほしい」と奮起を促していた。(広岡浩二)

◆両リーグ最長の5時間7分の激闘ドローから一夜明け、阪神は2時間38分で逆転負けを喫した。一回、大山悠輔内野手(28)の中前打で先制したものの、村上頌樹投手(24)が二、四回に失点し、八回にはソロを浴びて、自身の連勝が「3」で止まり、2敗目(5勝)を喫した。「7番・DH」の前川右京外野手(20)が七回、11打目にしてプロ初安打を右前に運んだ。大山は4試合連続打点、近本光司外野手(28)の連続安打は8試合で止まった。シェルドン・ノイジー外野手(28)、佐藤輝明内野手(24)はいずれも4打数無安打だった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=34勝17敗1分、観衆=1万6028人)。ーー村上の状態は悪くないようにみえたが(8回4失点)「悪うないよ。何でよ。完投させてんのに、何も悪うないやんか」ーー5日の試合を思えば価値のある投球だった「昨日は関係ないやんか。村上はアレぐらいは投げれる、ということやろ。そんなんのお前。(DH制で)打順回ってけえへんのやから、別にお前、勝ってたら、ブルペン投げさせているよ」ーーいい形で先制点が入って「今日なんかも、ちょうどエエなあ。ちゃんとストライクを打つ人間ともうボールを打ってる人間と。もう俺も辛抱できひんからな。はっきり言うてな。明日、明後日また、松井投げるかもわからんけど。ちゃんとストライク打ってるのは前へ飛ぶんやから。そういうことやろ。それが分からんかったら、ちょっとしんどいわな」ーー一回のノイジーも全部ボール球(1死三塁で空振り三振)「立っといたら全部フォアボールやんか。そんなんお前、何十回目よ。おん」ーーコンディション的にも「そんなん関係ないよ。そんなん関係ないやんか。そんなんコンディション良かったら、みんな勝てるんか? そんなん関係あらへん。周りがそう思てるだけで、お前、試合はお前、勝つと思てやってるわけやから、そんなもん」ーー前川に初ヒットが出た「まあ、出そうやったからのお。1打席目もなあ」ーーよく振れている「振れてるとか、振れてないんじゃなしに、最初(5月31日の西武戦)なあ、低めのボールを振って、三振3つもして、だんだん低めを振らんようになる、ストライクゾーンをしっかりスイングできたら、いい結果出るやんか。そういうことやんか。同じことの繰り返しをやってるから、ずっーと打てへんいうことやんか。見とったら分かるやんか」ーー前川は打席を重ねる中で成長「そら成長してんちゃう?」ーーやるべきことをやっての一本が出た「徐々に1軍のピッチャーに慣れてな。2軍よりも低めの変化球がすごいのを直に感じてな。それを最初振ってたけど、振らんようになったら、ピッチャーもストライクゾーンに投げてこなアカンわけやんか。その球を仕留められるようになったら、成長している過程と思うよ」ーー上がってきた時よりもリラックスしているように見える「そうでもないで。そんなん、ヒット一本打ちたい気持ちはずっと一緒と思うよ。リラックスいうのはバッターボックスで、ボール球を見送れる余裕ができたいうことやろな。1ボール2ストライクになるのと、2ボール1ストライクになってピッチャーのボールも違うし、4球目が違うわけやんか」ーーカウントをうまく作って「そんなん、ミーティングで皆に何回も言うてるんやけどな。それはできるもんと、でけへんものの違いやわな。数字にきっちり表れてるやんか。数字っていうか確率がな。確率言うのは打率やんか。打点とかホームランとか減れへんけど。そういうことやんな」ーー打順をいじる可能性は「そんなこと言われへんよ。今の段階では言われへんけど」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は8回4失点の阪神・村上頌樹投手(24)に〝及第点〟を与える一方で、7日の2回戦に先発する西勇輝投手(32)に言及。実績豊富の右腕の奮起を求めた。村上は指にかかったボールでコントロールもできていた。ただ太田に打たれた2本のタイムリーは変化球でコースが高かった。ミーティングで変化球に弱い、というデータがあったのかもしれない。真っすぐ待ちでタイミングが合ってしまったような感じだった。9番打者で安心したわけではないだろうが、ともに二死からの失点だった。それでも8回4失点。先発ローテーションを担っていれば、これくらい点を取られることもある。5日に延長十二回を戦って、当日移動で臨んだ試合で8回を投げ切った。雨天中止による日程変更で9連戦の4戦目。リリーフ陣を使わずにすんだことは良かった。だからこそ、7日先発の西勇が頑張らないといけない。村上でカードの初戦を落としたが実績がある西勇がここで復調して勝てれば、またいい流れになる。ここ4試合で2度の延長戦があって、移動ゲーム。7日以降も野手陣の疲れは気になるところだ。こういうときは先発投手が頑張らないといけない。気になったのはノイジーだ。則本は6回で降板したように、本人も満足のいく内容ではなかっただろう。一回は中野に三塁打を打たれて、続くノイジーにもカウント2─0になった。そこから3球続けて明らかにボールの変化球を振って三振。今は真っすぐにしか合いそうにない。直後に好調な大山のタイムリーで先制しただけに、あの場面でつなげていれば違っていた。1番の近本が安定していて、前後を打つ中野と大山の調子がいい。3番のところでのつながりをどうするか、だ。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が、3ランを放った前夜5日の勢いそのままに先制打を放った。「上位打線が初回からチャンスメークをして流れを作ってくれたので、積極的にスイングした」。一回2死三塁で則本の初球150キロを中前にはじき返し、37打点でリーグ単独トップに立った。八回にも中前打で2安打。交流戦7試合で打率・375、2本塁打、8打点と絶好調。「しっかり明日も準備して頑張ります」と力を込めた。

◆投げ切っても表情は晴れず、悔しさばかりが心に残った。阪神・村上頌樹投手(24)は自己最多の116球を投げ、8回4失点の完投も6勝目ならず2敗目を喫した。「打たれた球が全部甘いので、そこ(が敗因)だと思う」一回に1点先制してもらったが、二回2死満塁で高めに浮いたカットボールを太田にとらえられて逆転の2点打とされると、四回に適時打、八回にはソロを浴びてリードを広げられた。「3、4点目が無駄だった。粘れなかったのがこういう結果になった」。今季最多の2四球を与え、勝負どころでも球が甘く入って痛打された。それでも、チームが5日のロッテ戦(甲子園)で7人のリリーフを投入し、延長十二回の末、引き分けたことを考えれば、この試合を1人で投げ切った右腕の貢献度は大きい。岡田監督も「完投させてんのに、なにも悪ないやんか」と責めることはせず。村上は「しっかりコントロールを意識してやっていきたい」と次戦へ切り替えた。(織原祥平)

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)は3度走者を置いて打席を迎えたが、4打数無安打だった。一回2死一塁では初球を振って中飛に倒れ、八回2死一塁でも初球が一ゴロになった。これで6月の打率は・100(20打数2安打)と調子は下降気味。宮城県在住の祖父母が球場へ応援に駆け付けた一戦だったが、快音を残すことはできなかった。

◆思い出がつまった杜の都で、阪神・中野拓夢内野手(26)が快音を連発した。力強く捉えた打球はすっと伸び、右翼フェンス上段の網に当たってはね返る。もう少しでスタンドインという打球で先制点を呼び込んだ。「反応でしっかりインコースのボールを打つことができた。1打席目がああいう感じで打席に入れたので、その後も気持ちよく打席に入れました」一回1死で迎えた第1打席。則本のスライダーに体が自然と動いた。右越えの打球を見て軽やかにベースを駆け、悠々と三塁に到達。大山の中前打で生還した。勢いに乗って三回の第2打席はフォークを中前打。五回の第3打席は2死一塁から好機を拡大する右前打を放ち、今季3度目の猛打賞を達成した。「疲れてくると、力を入れようとしてバットが出てこないことが結構ある。逆に力を抜くくらいの気持ちでバットを振ろうと思っていました」5日のロッテ戦(甲子園)は5時間を超える死闘の末、延長十二回引き分け。仙台に移動して即試合のこの日は、先制打の大山とともに外野を何度もダッシュして体を温め、疲労に対応して結果を残した。山形出身の中野にとって、仙台は東北福祉大時代の4年間を過ごした大切な場所。新人だった2021年は3試合で14打数3安打2打点だった。この3連戦は地元から両親が応援に駆け付け、大勢の知り合いがスタンドから声援を送った。お世話になった多くの顔を思い浮かべながら、残り2戦で逆襲することを誓った。「自分の結果もそうですけど、両親の前で元気にプレーしてチームの勝ちを届けられるように。関係者や知り合いも見に来てくださっている。しっかり勝利を届けられるように、気持ちを切り替えて頑張りたい」。次こそ活躍を勝利につなげ、恩返しの白星を届けてみせる。(邨田直人)

◆ついに出た! 阪神は楽天に1-4で逆転負けしたが、高卒2年目の前川右京外野手(20)が七回に右前打を放ち、プロ11打席目で待望の初安打をマークした。仙台移動即試合となったハードな日程の中、奈良・智弁学園高時代から将来を嘱望されてきた大砲候補にとって記念すべき一日となった。自慢のフルスイングが白球を捉える。火の出るような打球はあっという間に一、二塁間を突き破った。未来の虎を背負って立つ大砲は、一塁ベースに到達し、両手をパンッとたたく。敗戦の中に光あり-。前川がプロ野球選手として、待望の第一歩を踏み出した。「うれしかったです。ようやく。長かったですね。少しホッとしたけど、活躍して結果を残さないといけないので、また切り替えて、気を引き締めて頑張ります」七回先頭、初打席から数えて11打席目だった。宋家豪の139キロチェンジアップを引っ張った。右前に弾むプロ初ヒット。記念球が一塁ベンチへとかえってくる。「両親に渡すか、おじいちゃんに渡すか迷っています」。20歳の笑顔が弾けた。「悔しいというよりも情けない...ですね。ばかじゃねーのって」高卒で飛び込んだプロの世界。ここまで決して順風満帆に来たわけではない。今年2月は1軍キャンプ参加を確定させていながら、直前に左上肢のコンディショニング不良で離脱。振り返れば1年目も、1軍昇格は秒読みとしたタイミングで故障し、シーズンを棒に振った。

◆チームの連敗を3で止めた。楽天・則本昂大投手(32)が6回を4安打1失点、3奪三振で2勝目を挙げた。「勝ってほっとしています。ビジターかなと思うぐらい阪神ファンの声援がすごく大きかったので、負けないようにと思って頑張りました」セ・リーグ首位の阪神で、5勝を挙げている村上との投げ合いを制した。一回こそ2長短打で先制されたが、回を追うごとに本来の直球の制球力を取り戻し、最速151キロをマーク。五回2死一、三塁のピンチは、二塁・浅村の好捕で切り抜けた。右腕の力投に打線も呼応し、試合前まで得点圏打率・000の太田が3打点と活躍。一緒に臨んだヒーローインタビューで則本は「明日は雨が降ると思うので、球場に来る人はカッパを持ってきてください」と、打のヒーローをいじって舌も滑らかだった。コロナ禍で自粛してきた大好きな釣りも、ようやく釣行計画を立てられるようになった。「早く大物を釣って食べたい」。気持ちは募る一方で、今季10勝を挙げるまでロッド(竿)を握らないと固く誓っている。石井監督は「則本は序盤に苦しんだが、試合をしっかりまとめてくれた」と評価した。チームの借金は11。投打がかみ合った白星を機に、巻き返しを図る。(広岡浩二)

◆今季最長5時間7分でドローに終わった前夜の疲れを倍増させた。阪神・岡田彰布監督(65)の怒りはヒートアップ。もう我慢できない。好機で三振の山を築く、3番・ノイジーのスタメン?奪をぶちまけた。「ちゃんとストライクを打つ人間ともうボールを打ってる人間と。もう俺も辛抱できひんからな、はっきり言うてな」一回1死で中野が右中間フェンスを直撃する三塁打。続くノイジーはカウント2-0からボール球に手を出し続け、最後はワンバウンドのフォークを空振りした。大山が先制打を放ってフォローしたが、二回以降も同じ失敗の繰り返し。虎将も「(バットを振らずに)立っといたら全部フォアボールやんか。何十回目よ、おん」と斬り捨てた。ノイジーは交流戦に入ってからの7試合で打率・071(28打数2安打)と不振。これまで岡田監督は何度も悩めるノイジーに手を差し伸べ、2日の練習中には「(スイングの)最短距離で打てるように」とバットが遠回りしていることを指摘。ノイジーに感謝されたが、結果がすべて。我慢の限界を超えた。指揮官の怒りには伏線があった。雨天中止の影響で月曜日に組み込まれたロッテ戦が終わったのは午後11時すぎ。日付が変わってから甲子園球場を後にした選手も多かったが、阪神ナインは早起きして、この日の午前10時伊丹発の航空機で仙台に向かった。疲れを考慮して球場入りを遅らせ、試合前の屋外での打撃練習を行わなかった。異例の対応だった。

◆コロナ禍をへて、数年ぶりの仙台出張。久しぶりアレを食べて、アレをお土産に買って...。本来なら目をギラつかせながら乗り込むはずが、虎番キャップの三木建次は仙台空港でしきりに目をこすっていた。それもそのはずだ。前日5日のロッテ戦は、延長十二回で今季最長5時間7分のドローゲーム。原稿を書き終えて甲子園球場を出たのは午前1時だった。なかなかタクシーがつかまらず、家に着いたのは1時30分を過ぎていた。当初の日程通りなら、5日は仙台への移動日だった。だが、2日のロッテ戦が雨天中止になったため、5日に代替試合が組み込まれた。そのため、6日の楽天戦に臨む阪神は試合当日に杜の都へ空路移動して戦うことになった。チームに帯同する担当記者も同じスケジュールになる。それに急な日程変更だったので、三木がチケットを手にできたのは午前9時15分伊丹発の便だった。「最近は手荷物を預けるのが自動式になって、テンパることがあるんや。だから早めに空港に行っとかなアカンのやわ」とビヤ樽。そんなこんなで7時前に自宅を出発せざるを得なかったのだから、眠いわけだ。さらに、楽天モバイルパーク宮城に到着すると、58歳のベテランに追い打ちをかけるような光景が...。球場の案内どおりにたどり着いた記者席は5階観客席の一角にあり、吹きさらしで、机はドリンクホルダー付きのものだった。スコアブックを置くと、パソコンを開けないのだ。「これはさすがに厳しいで...」。ビヤ樽から写真付きの速報が社内に届くと、運動部長・堀啓介も驚いた。

◆そらそうよ...。前日はロッテ相手に延長十二回、5時間7分の引き分けの死闘を繰り広げ、その疲れも抜けないまま仙台へ移動して試合...。プロ野球選手だって超人ばかりじゃないんだから、本日の黒星は寛大な心で許しま~す!! だってそーでしょ? 楽天は前日休みだよ! 自宅でキレイな奥さんとヌイグルミみたいにかわいいトイプードルなんか散歩させちゃったりしてさ...。あー! 夜は仙台名物の牛タンを地元でも人気の『司』で食っちゃってさ...。クソー、そーなるとあのうめぇ~『阿部蒲鉾店』の笹かまぼこムシャムシャほうばってやがんな~(仙台名物案内かあー!!)。それじゃあ、心身ともリラックスして勝つわな~、人間だものニコニコ...。負けたけど仙台の牛タンと同じくらいうれしかったのは、高卒2年目の前川右京のプロ初安打、オメデトウ!! 名前が大人気ドラマ『相棒』の右京さん(水谷豊)と同じだから、これから阪神勝利のための難問題を、次々と解決してくれるでしょう(強引だなあ!)。そして、虎の村神様が敗れても、完投して中継ぎ陣を休ませてくれたこと...。やっぱり神様やねぇ...。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神・前川右京外野手(20)が「3番・DH」に入った。プロ2年目の前川は6日の楽天戦(楽天モバイル)で七回にプロ初安打を放ったばかり。3番を務めていたノイジーの不振で、左の大砲候補がクリーンアップ入りを果たした。右翼にヨハン・ミエセス外野手(27)が入り、遊撃は小幡竜平内野手(22)が4月7日のヤクルト戦(甲子園)以来となるスタメン出場を果たすなど、前日から野手3人が入れ替わった。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
520 0.714
(↑0.047)
-
(-)
1127
(+2)
9
(+1)
2
(-)
3
(-)
0.238
(↓0.011)
1.110
(↑0.02)
2
(2↑)
ヤクルト
420 0.667
(↑0.067)
0.5
(-)
1232
(+10)
17
(+3)
5
(+1)
1
(-)
0.291
(↓0.002)
2.940
(↓0.01)
3
(3↑)
ソフトバンク
430 0.571
(↑0.071)
1
(-)
1131
(+2)
26
(+1)
3
(+1)
2
(-)
0.255
(↓0.021)
3.480
(↑0.6)
3
(2↓)
DeNA
430 0.571
(↓0.096)
1
(↓1)
1131
(+1)
22
(+2)
3
(-)
1
(-)
0.278
(↓0.012)
2.770
(↑0.12)
3
(2↓)
日本ハム
430 0.571
(↓0.096)
1
(↓1)
1129
(+2)
19
(+3)
11
(+1)
3
(-)
0.279
(↓0.003)
2.570
(↓0.07)
3
(3↑)
中日
430 0.571
(↑0.071)
1
(-)
1123
(+2)
31
(+1)
4
(-)
2
(-)
0.242
(-)
3.800
(↑0.45)
7
(3↓)
阪神
331 0.500
(↓0.1)
1.5
(↓1)
1121
(+1)
25
(+4)
3
(-)
4
(-)
0.204
(↓0.004)
3.180
(↓0.18)
8
(2↓)
西武
340 0.429
(↓0.071)
2
(↓1)
1122
(+1)
22
(+2)
4
(-)
7
(-)
0.217
(↓0.006)
2.660
(↑0.11)
8
(2↓)
巨人
340 0.429
(↓0.071)
2
(↓1)
1120
(+1)
30
(+2)
8
(-)
3
(-)
0.254
(↓0.016)
4.350
(↑0.32)
8
(2↑)
広島
340 0.429
(↑0.096)
2
(-)
1115
(+3)
26
(+2)
2
(-)
4
(-)
0.212
(↑0.009)
3.690
(↑0.29)
11
(-)
楽天
240 0.333
(↑0.133)
2.5
(-)
1219
(+4)
30
(+1)
3
(+1)
3
(-)
0.241
(↓0.001)
4.670
(↑0.77)
12
(1↓)
ロッテ
151 0.167
(↓0.033)
3.5
(↓1)
1123
(+3)
36
(+10)
8
(+1)
4
(-)
0.212
(↓0.002)
4.750
(↓0.83)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
34172 0.667
(↓0.013)
-
(-)
90210
(+1)
156
(+4)
29
(-)
27
(-)
0.246
(↓0.002)
2.720
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
28221 0.560
(↓0.011)
5.5
(-)
92209
(+1)
188
(+2)
44
(-)
9
(-)
0.265
(↓0.001)
3.480
(↑0.03)
3
(-)
広島
27260 0.509
(↑0.009)
8
(↑1)
90180
(+3)
182
(+2)
35
(-)
24
(-)
0.244
(-)
3.160
(↑0.03)
4
(-)
巨人
26280 0.481
(↓0.01)
9.5
(-)
89197
(+1)
225
(+2)
60
(-)
14
(-)
0.250
(↓0.002)
4.050
(↑0.04)
5
(-)
ヤクルト
21302 0.412
(↑0.012)
13
(↑1)
90192
(+10)
212
(+3)
48
(+1)
28
(-)
0.236
(↑0.001)
3.730
(↑0.01)
6
(-)
中日
21320 0.396
(↑0.011)
14
(↑1)
90146
(+2)
180
(+1)
22
(-)
12
(-)
0.240
(-)
2.960
(↑0.03)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
31212 0.596
(↑0.008)
-
(-)
89210
(+2)
160
(+1)
40
(-)
21
(-)
0.260
(↓0.001)
2.780
(↑0.04)
2
(-)
ロッテ
26203 0.565
(↓0.013)
2
(↓1)
94176
(+3)
155
(+10)
32
(+1)
29
(-)
0.233
(↓0.001)
2.980
(↓0.14)
3
(-)
ソフトバンク
27212 0.563
(↑0.01)
2
(-)
93178
(+2)
168
(+1)
30
(+1)
23
(-)
0.242
(↓0.003)
3.180
(↑0.06)
4
(-)
日本ハム
25300 0.455
(↓0.008)
7.5
(↓1)
88184
(+2)
180
(+3)
43
(+1)
29
(-)
0.228
(-)
2.900
(-)
5
(-)
西武
22301 0.423
(↓0.008)
9
(↓1)
90153
(+1)
180
(+2)
36
(-)
35
(-)
0.231
(↓0.001)
3.060
(↑0.02)
6
(-)
楽天
19301 0.388
(↑0.013)
10.5
(-)
93148
(+4)
197
(+1)
40
(+1)
39
(-)
0.213
(-)
3.450
(↑0.05)