阪神(7対7)ロッテ =交流戦3回戦(2023.06.05)・阪神甲子園球場=
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ロッテ
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阪神
10113001000071321
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【ロッテ】山口 航輝(3号・7回表3ラン)
【阪神】大山 悠輔(7号・5回裏3ラン)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う5回裏、大山の3ランで逆転に成功する。対するロッテは7回に山口の3ランが飛び出し、試合をひっくり返した。その後は8回に阪神が相手のフィルダースチョイスの間に同点とすると、以降は両軍の救援陣が踏ん張り、5時間を超えるシーソーゲームは7-7の引き分けに終わった。

◆阪神西純矢投手(21)が、出場選手登録された。首の張りのため前日4日に登録を抹消された岩貞祐太投手(31)に代わり、この日1軍に合流した。5月中旬に先発から中継ぎへ配置転換された右腕は、同26日に2軍降格後、ウエスタン・リーグでは中継ぎとして4試合に登板し、計4イニング無失点と好投。最短10日間の抹消で再昇格のチャンスをつかんだ。ファームではフォームの修正に取り組んできたという西純は「こんなに早く戻ってこれると思ってなかったので、少し運がいいというか...。チャンスをいただけたわけなので、それに応えられるように、結果を残していけるように頑張ります」と力を込めた。

◆阪神木浪聖也内野手(28)がいきなり美技を披露した。初回、ロッテ先頭岡の打席。詰まりながら遊撃後方にフラフラと上がった飛球に背走しながらグラブを伸ばし、華麗にキャッチした。先頭打者の出塁を許さず、守備でリズムを作るビッグプレーとなった。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)がリベンジの適時打を放った。1点リードの3回2死二塁。1ボール2ストライクから左腕小島の外角チェンジアップに食らいつき、右前に運んだ。「得点圏の打席でチームにいい流れをと思っていた。チェンジアップに少しタイミングを外されてしまったけど、なんとか打つことができてよかった」と試合中にコメントした。初回無死一、三塁では三ゴロ併殺打で悔しさをあらわにしていたが、次打席できっちり仕事を果たした。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が、値千金の逆転7号3ランを放った。1点を追う5回1死一、三塁、ロッテ小島の内角144キロ直球をコンパクトなスイングで振り抜き、左翼スタンドに放り込んだ。「逆転されてしまった裏の攻撃で、チカ(近本)の出塁(先頭で二塁打)が雰囲気をつくってくれました。打球も上がってくれましたし、スタンドまで届いてくれてよかったです」前日4日の同戦で佐々木朗から放った決勝打に続く2試合連続打点で今季36打点。この時点でDeNA牧と並んでセ・リーグ1位に浮上した。

◆阪神前川右京外野手(20)が代打で甲子園デビューしたが、プロ初安打はおあずけとなった。2点リードの1死二塁で代打登場。ロッテ岩下との対決で、4球目のフォークに空を切って三振に倒れた。プロ通算8打席目でもHランプをともすことはできなかった。

◆天候不良のため中止となった2日のロッテ戦(甲子園)の振替試合として実施されたゲームで、3万6780人と多くの観客が甲子園に訪れた。今季甲子園でのゲームでは最少となったが、前売り券が発売された3、4日と当日券だけでも3万人を超えるファンが駆けつけた。球団関係者は「前売りは2日間しかなかったですが、いっぱい入ってくれましたね」と喜んだ。左翼ビジター席は熱狂的な応援で知られるロッテファンで、ほぼ満席となった。

◆ロッテが16イニングぶりの得点だ。0-3の5回1死一、三塁。阪神先発の桐敷から、岡大海外野手が中前適時打で口火をきった。「チャンスだったので、まずは1点ずつ返そうと思い打席に入りました」。さらに2死満塁からポランコが、ファウルで粘った末に、押し出し四球を選んで加点。山口も1-1から詰まりながらも右前にしぶとく運んだ逆転の2点適時打で、一挙4得点を挙げた。先発の小島は浦和学院(埼玉)時代以来3586日ぶりの甲子園マウンドに立った。2年春は優勝。同夏は初戦の仙台育英(宮城)戦で9回途中10失点以来だ。本来は2日に先発予定も雨天中止で中11日。「登板間隔が空いて、投げたい気持ちがウズウズしているので、この気持ちを明日ぶつけられるように頑張ります」と臨んだが、序盤から毎回先頭打者を出して苦しんだ。

◆浜地真澄投手(24)が痛恨の1発を浴びた。2点リードの7回に登板。内野安打と四球などで1死一、二塁のピンチで、この日2打点の6番山口を迎えた。カウント1-1から4球粘られた後の7球目。150キロ直球を左中間席にたたき込まれ、逆転の3ランを許した。今季5本目となる悔しい被弾。直後、浜地はマウンド前方でしゃがみこみ、しばらく動くことができなかった。

◆今季2戦目の先発マウンドとなった桐敷拓馬投手は5回を投げきれなかった。4回まで走者を出しながらも無失点。だが5回に4安打や押し出し四球などで4失点し、4回2/3で降板した。「2ストライクに追い込んでから決めきれず、粘ることができなかった。野手の方々に援護していただいた中で、逆転を許す展開になり申し訳ない」。前回登板の5月26日巨人戦ではプロ初勝利。この日は初安打も記録したが、2勝目はつかめなかった。

◆阪神西純矢投手が1軍復帰し、7回1死走者なしから4番手として登板した。ロッテ山口の逆転3ランの直後にマウンドへ上がり、2三振で流れを止めた。8回も無失点でその裏の同点劇を呼んだ。1回2/3で課題の四球は3個も無失点だった。4日に首の張りで登録抹消した岩貞に代わっての昇格。試合前には「こんなに早く戻ってこれると思ってなかった。少し運がいいというか」と話していたが、しっかり結果で応えた。

◆ロッテ山口航輝外野手(22)が22打席ぶりとなる1発を放った。4-6の7回1死一、二塁。バットを少し短く持ち、阪神浜地の150キロ直球を振り抜いた左中間への一時逆転3ラン。甲子園で大歓声を続ける阪神ファンを沈黙させた。「チームに迷惑をかけていたので、なんとかしたいと思った。真っすぐを狙っていました。(秋田・明桜)高校時代にも出場した特別感のある甲子園で打つのは、特別な1本になると思う。それで勝てたら良かったですけれど、また明日からチャンスでまわってきたらホームランの数というより打点を稼げるようにしたい」。着弾後は左翼席後方のロッテファンの大歓声を浴びた。ホームイン後もベンチ前でも仲間から手荒いハイタッチの祝福。それでも喜びと興奮が収まらず、ベンチ内でもバットを右手に持ったままガッツポーズを繰り返した。5回の打席でも一時逆転となる右前2点適時打を放った。「なんとかランナーをかえそうと食らいついていきました。いいところに飛んでくれて良かったです」。詰まりながらもしぶとく運んだ一打が「ラッキーなヒットの運を使って」と、不振に悩んでいた心を少し解消してくれていた。左太もも裏痛のリハビリ後の2軍では、春季キャンプ中にも寄り添ってくれていたサブロー2軍監督のひと言が背中を押してくれた。「サブローさんが『振り回せ』って言ってくれていたんです。なんか気持ちも少し楽になりました。ボールを見すぎていたなあって、自分を再確認出来た言葉でした。1度リセット出来ました」。膨らませた風船をくわえながら打撃練習を行うなどの技術的なルーティンもやめ、新たな気持ちで再発進している。1軍復帰初戦の5月28日ソフトバンク戦初打席で中前安打を放ち、2戦目の同30日巨人戦では中越えに復帰後初本塁打。以降は22打席で柵越えはなく、7三振を喫し、再び悩みかけていた中での一発。2安打5打点とチームを救った。「1つのきっかけになる交流戦にしたいです」。若き長距離砲の完全復活は間近だ。【鎌田直秀】▽ロッテ吉井監督(5時間7分の激闘に)「山口のホームランもポテンヒットの打点も大きかった。自信にしてほしい。勝てれば良かったけれど、若いリリーバーが頑張ってくれた」▽ロッテ小島(浦和学院2年夏以来3586日ぶり甲子園マウンドで5回6失点)「ホームランの球も失投ではなかったですが、相手の方が上手でした。悔しいです」

◆最後は湯浅が何とか踏ん張った。延長12回2死一、三塁。3番中村奨の投手前やや三塁側への高いバウンドをつかみ一塁へ。ショートバウンドを一塁手大山が巧みにすくい上げ、ピンチを切り抜けた。2日前の3日はロッテ打線につかまり9回に3点を奪われたが、2試合続けて同じ轍(てつ)は踏まなかった。「前回より真っすぐもいい感じで投げられました。もっと状態をあげて貢献できるように頑張ります」。湯浅はホッと胸をなで下ろした。5時間7分の死闘は今季2度目のドロー。打線は延長10回裏から8者連続三振を喫しており、負けなかっただけでも良しとも考えられる。だが、岡田監督は「勝てなかった。ゲーム展開的にはそりゃ勝ちゲーム、勝ちパターンやろ」と悔しがった。この日は投手陣が今季最多の9四球(申告1)と乱れた。「多いなあ。ほとんど点になっとるやんな、四球な。結局、ビッグイニングになるからの。そういうことやん」。3点リードの5回は先発桐敷が1点奪われた直後、中村奨を申告敬遠して満塁策を選びながら、4番ポランコに押し出し四球。ここから5番山口に逆転2点打を浴びていた。5回に4番大山の3ランでひっくり返したにもかかわらず、今度は浜地が7回に安打、四球でピンチを広げてから山口に逆転3ランを献上。指揮官は「あそこで一番あかんこと(本塁打)をやるわけやからな。結局は。四球からなんかな。あれも」と嘆いた。浜地の今後を問われると「分からん。今、終わったばかりで」と話すにとどめた。9連戦の3戦目で今季最多タイの8投手をつぎ込んだ。翌6日の楽天戦は仙台への移動ゲームとなる。投手陣には負担がかかるが「そら頑張らな、しゃあない。そら、投げるのが仕事やから」とさらなる奮闘を期待した。交流戦は3勝2敗1分け。セ・リーグでは2位DeNAが西武に敗れ、ゲーム差は5・5に広がった。悔いは残った。一方で総力戦で引き分けに持ち込み、半歩差を広げた事実も力に変えたい。【石橋隆雄】阪神は今季両リーグ最長の5時間7分を戦い、2度目の引き分け。延長戦では6試合で4勝2分けと、無敗を維持した。

◆阪神が今季最長5時間7分の試合で、延長12回の末に引き分けた。両チーム譲らず逆転に次ぐ逆転のゲームで、8回1死二、三塁から代打渡辺諒の遊撃への内野ゴロで生還した島田の好走塁も光り、同点に追いついた。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-終盤は両チームとも中継ぎが踏ん張った「そうなんかなあ。まあピッチャーはそうやろなあ」-勝てなかったと、負けなかったのどちらですか「勝てなかったやろ」-投手が珍しく四球が多かった「多いなあ。ほとんど点になっとるやんな。フォアボールな。結局、ビッグイニングになるからの。そういうことやん」-疲れがどうこうではない「そんな投げてないやろ。え? 何試合投げてる?」-浜地も足に当たったのが影響したか「いや、そんなことないやろ。影響したら投げられへんやろ」-前回はいいボールだったが「だから、あそこで一番あかんことをやるわけやからな、結局は。フォアボールからなんかな、あれも」-大山がよく打った「そらあそこでなあ、逆転したわけやからなあ」-9連戦続く中、投手陣に頑張ってもらわないと「まあ、そら頑張らなしゃあないやろ。そんなの。頑張ってもらうって仕事やから、そら投げるのが仕事やから、お前。オレが頑張ってくれとは言えへんけど。そんなん仕事やん。しゃあないやんかそんなもん。チームとしてはそうなってもうたわけやからさ」-ノイジーは右の方に打って復調してる感じ「いや、そうでもないんちゃう。1本右打ったら復調やないよ。そういう風には見えへんけどなぁ」-勝てたゲームだった「そりゃゲーム展開的にはそりゃ勝ちゲーム、勝ちパターンやろ。そりゃ」-逆転3ランを被弾した浜地は投げながら復活を目指していくか「そりゃ分からんて。今終わったばっかりで。その前に桐敷のこと聞けよ。なぁ」【動画】いや~疲れた 5時間超ゲーム終えた阪神岡田監督らの表情は?

◆甲子園の虎党を一斉に立ち上がらせた。阪神大山悠輔内野手(28)が一時は逆転弾となる7号3ランで激戦を演出した。3点リードを逆転され、1点を追う展開となった5回1死一、三塁。ロッテ小島の内角低め144キロ直球をコンパクトに振り抜いた。夜空に高々と打ち上げ、左翼席の飛距離121メートル弾。沈滞ムードを一瞬で振り払った。「逆転されてしまった裏の攻撃で、チカ(先頭で二塁打の近本)の出塁が雰囲気をつくってくれました。打球も上がってくれましたし、スタンドまで届いてくれてよかったです」今カードのロッテ3連戦初戦はバックスクリーンに先制3ラン。2戦目は佐々木朗から決勝打を放った。3試合連続打点で今季36打点まで増やし、DeNA牧に並んでセ・リーグトップに浮上した。岡田監督も値千金の1発に「そらあそこでなあ、逆転したわけやからなあ」と納得顔だ。開幕から不動の4番。覚悟を胸に打席に向かっている。5番は佐藤輝、6番にはルーキー森下、来日1年目のミエセスらが並ぶ打線。「5、6番を打つ選手は僕より年齢も経験も下になる。まずは自分でしっかり打てるように。逆に僕が引っ張っていけるくらいじゃないといけない。(仲間を)頼りにしていますけど、一緒に頑張りながらも、自分でしっかりやっていきたい」。強い責任感が日々体を突き動かしている。チームは今季初の9連戦の3分の1を消化。仙台で楽天との3連戦を終えると今週末には北海道で昨季1試合3本塁打を放った、日本ハム戦が控える。この日は9回裏にも左越え二塁打を放つなど好調をキープ。「明日からも試合があるので、しっかり反省して、いい準備をして頑張ります」。毎年インパクトを残す交流戦。23年も再び無双の予感が漂う。【三宅ひとみ】■ノイジー20打席ぶりヒット阪神ノイジーが長いトンネルを抜けた。1点リードの3回2死二塁。ロッテ小島から右前打を放ち、二塁走者を生還させた。5月30日西武戦以来、20打席ぶりの安打となった。「得点圏の打席でチームにいい流れを、と思っていた。少しタイミングを外されてしまったけど、なんとか打つことができてよかった」。この試合まで直近10試合で40打数4安打。2日の練習前には岡田監督直々に、クラブハウスで指導を行った。長くなっていたスイング軌道を指摘し、最短距離での打撃を伝えたという。ノイジー本人も「そっちの方がシンプルに考えられて、自分のスイングができると思う」と感謝していた。だが、6打席で安打はこの1本のみ。試合後に指揮官は「1本右打ったら復調やないよ。そういうふうには見えへんけどなぁ」と、より高いレベルを求めた。

◆阪神島田海吏外野手(27)が「神走塁」でチームを救った。6-7と1点を追う8回先頭で代打で出場。「何が何でも出てやろう」と、左前打で出塁。1死から木浪が左翼線二塁打でつないだ。1死二、三塁で代打渡辺諒が初球をたたき、打球は遊撃左へ。ロッテ友杉が飛びつき、懸命に本塁送球。三塁から迷わずスタートした島田は快足を飛ばし、捕手田村のタッチをギリギリでかいくぐった。左手で同点のホームを触れた。記録は野選。間一髪の神業で敗戦危機を救った。「絶対ホームにかえろうと思ってたんで。ナベ(渡辺諒)がいいとこに打ってくれたんで、その分セーフになったのかなと」瞬時の判断だった。猛ダッシュ中に田村の動きを見て、「僕と反対側(一塁側)にちょっとそれていきそうな捕り方に見えて、ちょっとかわせそうな形を取れたんで。そこを見られたのが大きかった。意外と冷静に入れましたし、しっかり見て判断できたと思います」と胸を張った。岡田監督就任直後の昨年11月秋季キャンプから実施していた、本塁ベースの大半をタオルで隠し、下方の一部を目指してスライディングする練習が生きた形となった。途中出場から抜群の集中力と判断力をみせ、劣勢ムードを一転させた。島田は「負けないことは本当に非常に大きいものだと思うので。そこはチームにとっても良かったと思います。次につながる試合になったんじゃないかなと思います」と前を向き、充実の表情でロッカールームへ引き揚げた。【古財稜明】■渡辺諒、代打遊ゴ同点劇渡辺諒が同点劇を完成させた。1点ビハインドの8回1死二、三塁で代打登場。ペルドモの変化球を強振し、三遊間への痛烈なゴロで野選を誘った。「カイリ(島田)が良い走塁をしてくれた。ゴロを打てば、なんとかなると思っていた。ヒットを打ちたかったけれど、結果的には同点になったので良かった」。■佐藤輝、初三塁打も3K佐藤輝が今季初の三塁打を放った。4回先頭でロッテ小島のスライダーを捉え、中堅フェンスに直撃させた。中堅手岡が打球処理にもたつく間に二塁ベースを蹴った。だが、その後は快音とはならず3三振。守備でも2回と延長10回に失策を喫し、悔しさが残る1日となった。■梅野、復調気配マルチ梅野が今季3度目のマルチ安打を放った。2点リードの4回1死三塁から右翼へ適時打を放つと、6回には左前打。5打数2安打1打点で3試合連続安打。5月21日広島戦以来の複数安打となった。前日4日に今季1号を放っており、打点も2試合連続。今季は一時0割9分4厘と不調に陥った中、復調気配だ。■浜地、痛恨被弾動けず浜地が痛恨の1発で一時逆転を許した。2点リードの7回に登板。内野安打と四球などで1死一、二塁のピンチを招くと、ロッテ山口に150キロ直球を捉えられ、左中間席への勝ち越し3ランを許した。「勝てなかったのは完全に自分の責任。すごく責任を感じてますし、批判されるべき投球だったと思う」。今季5本目の悔しい被弾。直後にはマウンド前方でしゃがみこみ、しばらく動くことができなかった。<コメント>島本(2番手で1回1/3を無失点)「久々の登板でしたけど、これ以上追加点を取られてはいけない状況だったので、なんとか0で切り抜けることができて良かった」岩崎(9回に登板し3者凡退の無失点)「0点に抑えることができて良かったです」加治屋(延長10回に登板し、2死二塁のピンチも無失点)「みんな粘って投げ続けてくれていましたし、なんとか0で戻ってくることができて良かった」

◆ロッテのサヨナラ負けを阻止したのは、若き救援陣だった。7-7で迎えた延長10回、右腕の東妻勇輔投手(27)が先頭の阪神梅野を133キロのスライダーで見逃し三振。続く木浪はフォークで、代打ミエセスはスライダーで空振り三振に斬った。11回は左腕の坂本光士郎投手(28)だ。近本を内角スライダーで見逃し三振。中野は外角スライダーで空振り三振。ノイジーも150キロ超の直球で追い込むと、最後はスライダーで見逃し三振を奪った。12回は右サイド横山陸人投手(21)がマウンドを託された。5回に左越え本塁打を放っている大山、4回に中越え三塁打の佐藤輝を連続で空振り三振。3人で8者連続奪三振。森下は投ゴロで5時間7分の熱戦を締めた。吉井理人監督(58)も「勝てれば良かったんですけれど、若いリリーバーが頑張ってくれました」と感謝した。【鎌田直秀】

◆阪神桐敷拓馬投手(23)が、6日にも出場選手登録を抹消される見込みとなった。5日ロッテ戦に先発したが4回2/3、4失点と期待に応えられなかった。この日は鳴尾浜での2軍練習に合流し、ジョギングなどで汗を流した。「追い込むまでの投球と追い込んでからの投球が同じなので、追い込んでからはワンバウンドさせるところはワンバウンドさせるなど、はっきりと分けられるようにやっていきたい」と、課題の追い込んでからの投球に磨きをかけて再び先発ローテーション入りを目指す。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発する6日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)に向け、甲子園でキャッチボールやショートダッシュなどで調整した。楽天戦は自身初対戦ということもあり「挑戦者というか、どんどん自分の良さを出していければ」と気合を入れた。村上はここまで8試合登板し(1試合は救援)、リーグ3位の5勝(1敗)、同2位の防御率1・41と先発陣を支えている(成績は試合前時点)。先発予定の楽天・則本との投げ合いには「自分は捨て身で攻めていくしかない。挑戦者なので。投げ合うことを楽しみにしてやっていきたい」と力を込めた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は桐敷拓馬投手(23)が今季2度目の先発マウンドに臨む。今季初登板だった5月26日の巨人戦(甲子園)でプロ初勝利をあげ、勢いに乗り自身連勝を狙う。ロッテ先発の小島和哉投手(26)は中学時代に在籍した埼玉・行田リトルシニアの先輩。初めての投げ合いを前に桐敷は「いい試合にしたいですし、投げるからには勝ちたい。強い気持ちで臨みたいと思います」と気合をみなぎらせた。

◆阪神が1、2番コンビの活躍で1点を先制した。一回、先頭の近本が中前打で出塁すると、続く中野の打球は遊撃の深部へのゴロ。ロッテの遊撃手、D2位・友杉(天理大)が逆シングルで反転しながら二塁へ送球したが、ボールは逸れて右翼方向へ転々。その間に近本が三進して無死一、三塁と好機を作った。ノイジーは先発・小島のフォークを引っ掛けて三ゴロ併殺打に倒れるも、三走・近本が悠々と先制のホームを踏んだ。チームは一回に先制点を挙げれば7連勝中。幸先よく先取点を奪った。

◆阪神・桐敷拓馬投手(23)が先発し、3回まで無失点で発進した。力のある直球を中心に勝負。一回は三者凡退とし、快調に滑りだした。1点先制後の二回は先頭のポランコを四球で出すと、山口は三塁・佐藤輝が後逸するエラーで一、二塁。さらに安田にも四球を与え、無死満塁のピンチを招いた。しかし、ここで左腕は慌てず茶谷を二直に抑え、田村を遊ゴロ併殺打に仕留めて切り抜けた。三回も小島と友杉から三振を奪って三者凡退。7回1失点でプロ初勝利を挙げた5月26日の巨人戦(甲子園)では三回に先制点を許していたが、今回は序盤を無難に立ち上がった。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)がタイムリーを放ち、追加点を挙げた。三回、先頭の投手・桐敷が三塁線へボテボテのゴロを転がして内野安打で出塁。近本のニゴロで走者が入れ替わると、中野はニゴロで2死二塁と得点圏に走者を進めた。ノイジーは先発・小島の外角のチェンジアップを右前へはじき返して二走の近本が一気に生還した。試合前時点では6月は3試合で13打席に立ち、無安打。この日も一回無死一、三塁で迎えた第1打席で三ゴロ併殺に倒れており、2打席目でようやく快音を響かせた。5月30日の西武戦(ベルーナ)以来、5試合ぶりに適時打を記録した。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)が適時打を放ち、3試合連続安打&2試合連続打点とした。2―0の四回、先頭の佐藤輝が中堅フェンス直撃の三塁打で出塁。D1位・森下(中大)は三ゴロに倒れ、梅野が先発・小島の外角の直球を右前へはじき返した。前日4日にはソロ本塁打を記録した梅野が2試合連続で打点をマークし、連続試合安打も今季最長の「3」とした。

◆四回までゼロを並べていた阪神の先発・桐敷拓馬投手(23)が五回に崩れ、相手打線の反撃を許した。3-0で迎えた五回。先頭の茶谷に左前打を許すと、続く田村には中前打を打たれて一、三塁と走者を背負う。小島から三振を奪った後の1死一、三塁で、岡に2ストライクから真ん中に入ったスライダーを中前にはじき返されて1点を返された。さらに友杉の右飛と岡の二盗、中村奨の申告敬遠で2死満塁を迎え、ポランコにフルカウントから痛恨の押し出し四球を与えて2-3。1点差に詰められると続く山口には1-1からフォークボールをすくわれ、右翼・森下の前に落ちる右前打を許した。2者が生還し、3-4と逆転を喫した。直後に2番手島本への交代を告げられ、降板。7回1失点と好投した5月26日の巨人戦(甲子園)に続く2勝目を狙ったマウンドは、無念のKOとなった。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が五回に起死回生の7号3ランを放ち、逆転に成功した。3点差を逆転された直後の五回、先頭の近本が左中間二塁打で好機を作り、その後、暴投や四球などもあり1死一、三塁。ここでロッテ先発・小島の4球目、内角低めの直球に反応し、左翼席に運んだ。大山は試合前時点で5月の打率・444(9打数4安打)、1本塁打、4打点と絶好調。この日は2打席連続三振と当たりがなかったが、劣勢の場面で値千金の一発で試合をひっくり返した。

◆3番手で登板した阪神・浜地真澄投手(25)が逆転3ランを浴び、グラウンドでしゃがみ込み、呆然とした。七回、先頭のD2位・友杉(天理大)に投手強襲の安打を許すと、続く中村奨に四球。4番・ポランコは遊飛に仕留めた。しかし、山口にファウルで粘られた後、7球目の低めの150キロを左中間席に運ばれて逆転を許した。打たれた浜地は悔しさのあまり、数秒間グラウンドでしゃがみ込んだまま動けず。その後、起き上がり、マウンドへ戻ったが、ここで交代が告げられた。浜地は開幕を1軍で迎えたが、4月12日に不振のため登録抹消され、ファームで実戦を重ねて5月12日に再昇格。以降は安定した投球を見せていたが、この日はリードを守れきれなかった。

◆決めにいったボールがコースを外れ、打ち取ったかに思えた当たりが芝生で弾む。粘りの投球を続けていた阪神・桐敷に待っていた悪夢。3点リードをひっくり返され、タオルを投げ込まれた。「2ストライクに追い込んでから決め切れず、粘ることができませんでした。野手の方々に援護していただいた中で、逆転を許す展開になってしまい申し訳ないです」あとアウト3つで勝ち投手の権利が手に入る五回に、落とし穴に落ちていった。1死一、三塁から岡の中前適時打で1点を返され、2死後には中村奨を3ボールとなってから申告敬遠で歩かせて満塁策。ポランコとの勝負を選んだ。しかし、フルカウントから押し出し四球を与え1点差に。続く山口はフォークで右中間への浅い飛球に打ち取ったかに思えたが、フラフラと打ち上がった打球に右翼のD1位・森下(中大)が猛チャージをかけて滑り込むも、捕球できず...。この間に2者が生還して逆転され、岡田監督はベンチを出た。2四球と味方の失策で背負った二回無死満塁を二直と遊ゴロ併殺で無得点にしのぐなど、序盤から順調にゼロを並べていただけに、悔やまれるイニングとなった。今季1軍初登板となった5月26日の巨人戦(甲子園)では、7回5安打10奪三振1失点でプロ初勝利を手にしていた。2日のロッテ戦の先発予定が雨で流れたが、3戦目へ回り、中学時代に所属した行田リトルシニアの3学年先輩であるロッテ・小島との初の投げ合いも実現した。三回の第1打席では、その先輩から三前内野安打でのプロ初安打もマーク。4回?で5安打4失点も、大山の逆転3ランで負けは消えた。悔しさにまみれたマウンドとなったが、必ず次回以降へつなげる。

◆阪神がで6-7と1点ビハインドで迎えた八回、ロッテ4番手のぺルドモを攻めて粘りの攻撃をみせ、試合を振りだしに戻した。まず先頭の代打・島田が左前打で出塁。1死後に木浪が左翼線への二塁打を放って二、三塁とチャンスを広げ、代打・渡辺諒の遊撃へのゴロ。友杉が本塁へ送球したが、三走・島田の本塁へのスライディングが一足早く、生還。野選で7-7の同点に追いついた。

◆埼玉・浦和学院高時代の2013年に2年生エースとして選抜大会を制した〝甲子園V腕〟が聖地に凱旋した。ロッテ・小島和哉投手(26)がプロ入り後、初めて甲子園で登板。約10年ぶりに立った黒土のマウンドで力強く左腕を振ったが、虎の勢いは止められなかった。一回、1番・近本、2番・中野の連打と遊撃の失策が絡んで無死一、三塁。3番・ノイジーの三ゴロ併殺打の間にいきなり1点を失った。三回には2死二塁からノイジーに右前適時打を浴び、四回には梅野に適時打を許した。4-3の五回には大山に3ランを被弾。5回8安打6失点(自責点5)。ここまで7試合連続でクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以下)していた左腕が崩れた。「高校生の時以来の甲子園での登板なのですごく楽しみです」と意気込んでいた背番号14。小島にとって甲子園は、甘い記憶も苦い思い出もある舞台だ。2年生エースとして臨んだ13年春の選抜大会では全5試合をほぼ一人で投げ抜き、合計3失点。愛媛・済美高との決勝では1失点で完投して胴上げ投手となった。春夏連覇を狙った同年夏は1回戦で宮城・仙台育英高と対戦。10-10の九回途中に左脚がつり、監督から交代を提案されたが、マウンド上で首を大きく横に振って続投を志願した。それでも、182球を投げ、九回2死で降板。ベンチでサヨナラ負けを見届け、泣きじゃくった。3年時は甲子園大会の出場がかなわず、この日は悔しさの残る2年夏以来の甲子園。打線が七回に逆転したことで2敗目は免れたが、6勝目もならず、うれしい記憶に塗り替えることはできなかった。

◆これぞ4番の仕事だ。ひと振りで試合をひっくり返し、虎を窮地から救い出した。阪神・大山が五回に逆転3ランをかっ飛ばし、首位を快走するチームの勢いを証明してみせた。月曜開催となった甲子園のファンも大歓声で主砲の一撃をたたえた。「逆転されてしまった裏の攻撃で、チカ(近本)の出塁が雰囲気を作ってくれました。打球も上がってくれましたし、スタンドまで届いてくれてよかったです」先発の桐敷が4失点と崩れて逆転された直後、五回の攻撃だった。追う展開になったが、先頭の近本が左中間への二塁打で出塁し、暴投で三進。1死後にノイジーは四球を選んで一、三塁とすると、ここで千両役者がロッテ先発・小島の144キロ直球を左翼席にたたき込み、121メートルの今季7号3ランで逆転に成功した。4日は佐々木朗からタイムリーを放って勝利へ導き「きょうはきょうで終わり。また新しい一日が始まりますし、いいところを続けて。しっかり気を引き締めてまた明日から頑張りたい」と気合を入れ直していた。どんなときでも隙をみせない大山の集中力が、この日も存分に発揮された。主砲も元気だが、悩める助っ人、ノイジーも復調の兆しをみせた。1-0の三回2死二塁で右前適時打をマークし、じわりと点差を広げた。「チェンジアップに少しタイミングを外されてしまったけど、なんとか打つことができてよかった」と声を弾ませた。一回の無死一、三塁のチャンスでN砲が三ゴロ併殺に倒れる間に三走・近本が生還して先制したが、今度はきっちりと快音を響かせ、実に5試合、20打席ぶりにHマークを灯した。打率1割台と苦しむ梅野も2-0の四回1死三塁で右前適時打をマークし、岡田阪神に3点目をもたらした。岡田監督は「甲子園に帰ってくると、投手が打席に入った方がみんなうまく回るのかなというのはありますよね」と語っていた。打線全体でも5月25日のヤクルト戦(神宮)以来、9試合ぶりの2桁安打となった。9連戦の頭、3戦を取って勢いよく仙台、北海道への遠征に飛び出せるかに思えたが...。2点リードの七回に登板した浜地が、山口に逆転3ランを被弾。月曜の夜にまっていたのは、まさかの乱打戦だった。

◆阪神は8投手を注ぎ込む接戦の末、今季2度目のドロー。1点を追う八回1死二、三塁、代打渡辺諒内野手(28)の遊ゴロが野選を誘い、同点。延長戦では8者連続三振を喫するなど、決め手に欠け、今季6度目の同一カード3連勝を逃した。シェルドン・ノイジー外野手(28)の20打席ぶりの安打や大山悠輔内野手(28)の7号3ランなど、チームは5月14日のDeNA戦(甲子園)以来、18試合ぶりの2桁安打。9連戦の第1カードを2勝1分で終え、6日から楽天、日本ハムとの遠征6試合に向かう。

◆阪神は今季6度目の延長戦となり5時間7分の末、今季2度目のドロー。引き分けは今季2度目となった。阪神は一回、無死一、三塁からノイジーの併殺打の間に1点を先制した。三回には2死二塁からノイジーが右前打を放って1点を追加。四回は1死三塁から梅野の右前打で3ー0とリードを広げた。 先発の桐敷拓馬投手(23)は四回までゼロを並べたが、五回に押し出し四球や山口の2点打などで五回表に3ー4と逆転を許し、この回途中で降板した。 しかし打線はその裏の攻撃で1死一、三塁とチャンスをつくると、大山悠輔内野手(28)が左越えへの逆転3ランを放って6ー4と試合をひっくり返した。 だが七回、3番手の浜地真澄投手(25)がつかまり、1死一、二塁から山口に逆転3ランを浴びて6ー7と逆転される。 シーソーゲームはさらにもつれた。八回に阪神は1死二、三塁で代打・渡辺諒の遊撃へのゴロが野選となり、試合を振り出しに戻す粘りの攻撃をみせた。 勝ち越しを狙った九回以降は快音が響かず、3連勝とはならなかった。6日から楽天、日本ハムとの遠征6試合を行う。

◆阪神は8投手を注ぎ込む両リーグ最長の5時間7分の接戦の末、今季2度目のドロー。1点を追う八回1死二、三塁、代打渡辺諒内野手(28)の遊ゴロが野選を誘い、同点。延長戦では8者連続三振を喫するなど、決め手に欠け、今季6度目の同一カード3連勝を逃した。3点の援護を受けた桐敷拓馬投手(23)は4回2/3を投げ4失点で降板した。シェルドン・ノイジー外野手(28)の20打席ぶりの安打や大山悠輔内野手(28)の7号3ランなど、チームは5月14日のDeNA戦(甲子園)以来、18試合ぶりの2桁安打。9連戦の第1カードを2勝1分で終え、6日から楽天、日本ハムとの遠征6試合に向かう。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=34勝16敗2分、観衆=3万6780人)。ーー終盤は両チームとも中継ぎが踏ん張った「そうなんかなあ。まあピッチャーはそうやろなあ」ーー勝てなかったか、負けなかったか「勝てなかったやろ」ーー珍しく四球が多かった「多いなあ。ほとんど点になっとるやんな。フォアボールな。結局、ビッグイニングになるからの。そういうことやん」ーー疲れではない「そんな投げてないやろ。え? 何試合投げてる?」ーー浜地も足に当たったのが影響(3ランを浴びた七回先頭が投手強襲安打)「いや、そんなことないやろ。影響したら投げられへんやろ」ーー前回はいいボールだったが「あそこで一番アカンことをやるわけやからな、結局は。フォアボールからなんかな、アレも」ーー大山がよく打った「そらあそこでなあ、逆転したわけやからなあ」ーー9連戦、投手陣に頑張ってもらわないと「そら頑張らなしゃあないやろ。そんなの。頑張ってもらうって仕事やから、そら投げるのが仕事やから、お前。俺が頑張ってくれとは言えへんけど。そんなん仕事やん。しゃあないやんかそんなもん。チームとしてはそうなってもうたわけやからさ」ーーノイジーは右の方に打って復調してる「そうでもないんちゃう。1本右打ったら復調やないよ。うーん。そういう風には見えへんけどなぁ」ーー勝てたゲーム「そりゃゲーム展開的には、そりゃ勝ちゲーム、勝ちパターンやろ。そりゃ」ーー浜地は投げながら「そりゃ分からんて。今終わったばっかりで。その前に桐敷のこと聞けよ。なぁ」

◆6-7から同点とした立役者は阪神・島田だった。八回先頭で代打に立つと、ペルドモから左前打。木浪の二塁打で三進し、1死二、三塁から代打・渡辺諒の遊撃への当たりで本塁へ突っ込んだ。際どいタイミングだったが、捕手のタッチをかいくぐって生還した。「ヒットは何が何でも出てやろうという気持ちで打った。(走塁は)絶対にホームにかえろうと思っていた」。強い思いが結果に結びつき、胸を張った。

◆甲子園強力ブルペン陣が必死にバトンをつなぎ、執念ドローに持ち込んだ。九回を投げた阪神・岩崎は、浜地から一時逆転の3ランを放った先頭の山口を初球141キロ直球で左飛に仕留め、その後も三者凡退に料理した。「ゼロ点に抑えることができてよかったです」いつも通り何事もなかったかのように振り返ったが、どちらに転んでもおかしくない流れの中、任務をこなし、自身17試合連続無失点とした。延長十回は加治屋が2死から佐藤輝の悪送球で得点圏に走者を背負い、さらに暴投で三塁まで進めるたが、最後は友杉を146キロで投ゴロだ。「みんな粘って投げ続けてくれていた。なんとかゼロで戻ってくることができてよかった」今季登板を21試合連続無失点と抜群の安定感で窮地を乗り切り、延長十一回はケラーも無失点投球。そして、延長十二回は湯浅が、先頭の田村、続く佐藤都をこの日最速タイの153キロ直球で2者連続三振。その後は2死一、三塁の危機も訪れたが、最後は中村奨を150キロでボテボテの投ゴロに打ち取り、負けを消し去った。3日の同戦で3点リードの九回に1回3安打3失点(自責2)とつかまり、今季初失点を喫したばかりだったが「前回より真っすぐもいい感じで投げられた」とうなずいた。乱戦をドローでつなぎ止めたのは、頼もしい救援陣だった。

◆阪神・浜地は痛恨被弾にしばらく立ち上がれず。2点リードの七回に3番手で登板するも、1死一、二塁で山口に左中間へ逆転3ランを浴びた。「勝てなかったっていうのは、完全に自分のせい。うーん...。すごく責任を感じていますし、批判されるべき投球だったと思います」と受け止めた。今季は2軍落ちも経験したが、状態は上がらず。防御率は「8・78」となった。

◆負けなかった。だが、岡田監督はこれまで見せたことがないほどの怒りをにじませた。「勝てなかったやろ。ゲーム展開的にはそりゃ勝ちゲーム、勝ちパターンやろ。そりゃ」今季ワーストの9四球。打たれることを恐れるあまり、ストライク勝負ができなかった桐敷&浜地をやり玉に挙げた。「多いなあ。ほとんど点になっとるやんな。フォアボールな。結局、ビッグイニングになるからの。そういうことやん」一回に敵失が絡んで先制すると、三回にはノイジーが適時打。四回には梅野の適時打で3点をリードしたが...。先発の桐敷は3-0の五回に突如乱れ4失点で降板。岡に中前適時打を許し、満塁からポランコに押し出しの四球を与えた。1点差に詰め寄られてもベンチを立たなかったが、さらに山口に右前2点打を浴び、桐敷は力尽きた。

◆阪神は今季最長5時間7分の死闘の末、ロッテと7-7で引き分けた。1点を追う五回に大山悠輔内野手(28)が一時逆転の7号3ラン。昨季も交流戦を絶好調で駆け抜けた主砲は、延長戦では一塁守備でも何度も好捕をみせるなどチームを救った。今季2度目のドローで、2位のDeNAとのゲーム差を5・5に拡大。大山が引っ張る虎の勢いは止まらない。振り抜いた瞬間、誰もがスタンドインを確信した。4番らしい見事な軌道を描き、大山はゆっくりと走り出した。ゲームを一変させる逆転3ランで白球をすくい上げただけでなく、延長戦の何度も訪れた危機ではファーストミットでチームの危機を〝すくった〟。今季最長5時間7分の死闘ドローの中で、主砲の存在感が際立った。「逆転されてしまった裏の攻撃で、チカ(近本)の出塁が雰囲気を作ってくれました。打球も上がってくれましたし、スタンドまで届いてくれてよかったです」3―0の五回に先発の桐敷がつかまり、4失点で逆転を許した直後だった。先頭の近本が左中間二塁打、ノイジーも四球で1死一、三塁の好機。先発・小島の4球目、外角低めの144キロに反応し、左翼席へ7号3ランを運び去った。これで36打点となり、牧(DeNA)に並びリーグトップに立った。

◆〝幕張のロマン砲〟が甲子園で意地の大活躍だ。セ・リーグ首位の阪神を相手に、今季3度目の引き分けとなった熱戦で、ロッテ・山口航輝外野手(22)が5打数2安打5打点と躍動した。「チャンスで2回も回してもらったので、なんとかしたいという思いだった」取られたら取り返す。何度も試合をひっくり返した。まずは五回。0-3から2点を返し、なおも2死満塁。変化球に食らいつき、右前に落とす2点適時打を放った。4-6の七回1死一、二塁では、150キロの直球を捉えた。甲子園の夜空に舞い上がった白球は左中間席へ。聖地初アーチとなる3号3ランで一時勝ち越しに成功し、「バットを短く持っていたおかげでヘッドが立った。甲子園の一本は特別」とうなずいた。4連敗で迎えた一戦はドローで、阪神との3連戦は2敗1分け。9連戦の最初のカードで2度も延長となり、吉井監督は「先発がへばってきている。このままだとリリーバーもへばっちゃうので、立て直していきたい」。6日からはZOZOマリンでヤクルトとの3連戦。舞台を本拠地に移し、連敗を止める。(武田千怜)

◆悩める助っ人、阪神・ノイジーに久々の快音だ。1-0の三回2死二塁で小島から右前適時打を放った。「チェンジアップに少しタイミングを外されてしまったけど、なんとか打つことができてよかった」。一回の無死一、三塁のチャンスではN砲が三ゴロ併殺に倒れる間に三走・近本が生還して先制。2打席目はきっちりととらえ、実に5試合、20打席ぶりにHマークを灯した。

◆ロッテのチョコ大好き~? ロッテのガム大好き~? そうロッテは『お口の恋人』と思っていたら延長十二回。その間先制したり、逆転されたり、ひっくり返したと思ったら、また追い越されて、それでも追いついて...。終わってみれば仲良く引き分けって...。ロッテはお口の恋人じゃなくて『オカダの恋人』かー!?前半3点リードしていたのに勝てなかったのはウ~ン...。だけど、勝ち投手の権利が生まれる五回にマウンドに沈められた桐敷や七回に山口に逆転3ランを浴びた浜地には、実はロッテのお菓子は甘いモノだけじゃなくて、ホロ苦味のパイの実やココアのクッキーサンドなどがあるんでーす! と教えてくれた...と思いましょう!ま、これも3連戦前はパ・リーグ首位だったロッテに2勝1分けの余裕だったりするんだけどね! にしてもヒイヒイ、フウフウ、5時間7分の試合は見ているこっちも疲れたけど、やってる方(猛虎ナイン)はヘロヘロやろうね!?で、6日は仙台へ移動で試合ってキツイー!! 前半は猛虎打線眠っててええよー!! で、後半お目覚めで打線爆発、勝利としたれー!!

◆死闘ドローも、4番のアーチが出た試合は勝たないと...。中日、西武、阪神で活躍し、楽天の初代監督を務めた田尾安志氏(69)=サンケイスポーツ専属評論家=は6-4の七回、阪神ベンチの浜地真澄投手(25)の起用を疑問視。大山の逆転弾でリードしていただけに、残りの3イニングは「勝ちパターンの投手でいくべきだった」と指摘した。一番気になったのは、6―4でリードしている七回から浜地を3番手で起用したところだ。勝ちパターンで残りの3回をいくべきだった。貯金が「18」あったからこういう投手起用になったんだろうけれど、少し余裕をかましたなと思う。今年の浜地の成績を考えれば(試合前時点で防御率6・92)、ちょっとどうなのかなと。貯金がこれほどなければ、違った継投策になったはずだ。岡田監督の頭の中には、長いシーズンを見据えて、できる限り疲れをためないように、全員の力を借りながら戦っていこうという考えがあると思う。でも、4日に才木が完封勝利を挙げたことで、ブルペン陣は完全に休むことができていた。だから、この日は中継ぎをどんどん使っていける、いくべき試合だった。浜地が逆転を許した後、4番手が西純だったのも...。阪神は1点でもリードを許すと、あまりいい投手を使わない傾向がある。無得点に抑えたものの、3四球を与えて綱渡りのような投球だった。内容的にはほめられたものではない。4番の大山が逆転本塁打を放ったこういう試合は、しっかり勝たないといけない。リードしている状況はもちろん、逆転されたところでも、七回の投手起用は攻めていくべきだ。梅野の状態が上がってきて、今は点を取れる打線になっている。八回に1点を取って追い付いて、結局は九回に岩崎、延長十回に加治屋を投入することになった。それならば、七回から勝ちパターンの加治屋でいけばよかった。そこから後手後手に回ってしまって、9連戦の3戦目で延長十二回までもつれる試合になってしまった。勝てそうなゲームを勝ち切る。結果論ではなく、湯浅を含めた3人が七、八、九回を投げるべきだった。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
420 0.667
(↓0.133)
-
(-)
1230
(+4)
20
(+6)
3
(-)
1
(-)
0.290
(↓0.007)
2.890
(↓0.64)
1
(1↑)
ORIX
420 0.667
(-)
0
(↓0.5)
1225
(-)
8
(-)
2
(-)
3
(-)
0.249
(-)
1.130
(-)
1
(1↑)
日本ハム
420 0.667
(-)
0
(↓0.5)
1227
(-)
16
(-)
10
(-)
3
(-)
0.282
(-)
2.500
(-)
4
(-)
ヤクルト
320 0.600
(-)
0.5
(↓0.5)
1322
(-)
14
(-)
4
(-)
1
(-)
0.293
(-)
2.930
(-)
4
(-)
阪神
321 0.600
(-)
0.5
(↓0.5)
1220
(+7)
21
(+7)
3
(+1)
4
(-)
0.208
(↑0.019
3.000
(↓0.6)
6
(-)
ソフトバンク
330 0.500
(-)
1
(↑0.5)
1229
(-)
25
(-)
2
(-)
2
(-)
0.276
(-)
4.080
(-)
6
(3↑)
西武
330 0.500
(↑0.1)
1
(↑1)
1221
(+6)
20
(+4)
4
(-)
7
(+2)
0.223
(↑0.019)
2.770
(↓0.26)
6
(-)
巨人
330 0.500
(-)
1
(↑0.5)
1219
(-)
28
(-)
8
(-)
3
(-)
0.270
(-)
4.670
(-)
6
(-)
中日
330 0.500
(-)
1
(↑0.5)
1221
(-)
30
(-)
4
(-)
2
(-)
0.242
(-)
4.250
(-)
10
(-)
広島
240 0.333
(-)
2
(↑0.5)
1212
(-)
24
(-)
2
(-)
4
(-)
0.203
(-)
3.980
(-)
11
(-)
ロッテ
141 0.200
(-)
2.5
(↑0.5)
1220
(+7)
26
(+7)
7
(+1)
4
(+2)
0.214
(↑0.004
3.920
(↓0.15)
11
(-)
楽天
140 0.200
(-)
2.5
(↑0.5)
1315
(-)
29
(-)
2
(-)
3
(-)
0.242
(-)
5.440
(-)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
34162 0.680
(-)
-
(-)
91209
(+7)
152
(+7)
29
(+1)
27
(-)
0.248
(↑0.001
2.690
(↓0.07)
2
(-)
DeNA
28211 0.571
(↓0.012)
5.5
(↓0.5)
93208
(+4)
186
(+6)
44
(-)
9
(-)
0.266
(-)
3.510
(↓0.05)
3
(-)
広島
26260 0.500
(-)
9
(-)
91177
(-)
180
(-)
35
(-)
24
(-)
0.244
(-)
3.190
(-)
4
(-)
巨人
26270 0.491
(-)
9.5
(-)
90196
(-)
223
(-)
60
(-)
14
(-)
0.252
(-)
4.090
(-)
5
(-)
ヤクルト
20302 0.400
(-)
14
(-)
91182
(-)
209
(-)
47
(-)
28
(-)
0.235
(-)
3.740
(-)
6
(-)
中日
20320 0.385
(-)
15
(-)
91144
(-)
179
(-)
22
(-)
12
(-)
0.240
(-)
2.990
(-)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
30212 0.588
(-)
-
(-)
90208
(-)
159
(-)
40
(-)
21
(-)
0.261
(-)
2.820
(-)
2
(-)
ロッテ
26193 0.578
(-)
1
(-)
95173
(+7)
145
(+7)
31
(+1)
29
(+2)
0.234
(-)
2.840
(↓0.05)
3
(-)
ソフトバンク
26212 0.553
(-)
2
(-)
94176
(-)
167
(-)
29
(-)
23
(-)
0.245
(-)
3.240
(-)
4
(-)
日本ハム
25290 0.463
(-)
6.5
(-)
89182
(-)
177
(-)
42
(-)
29
(-)
0.228
(-)
2.900
(-)
5
(-)
西武
22291 0.431
(↑0.011)
8
(↑0.5)
91152
(+6)
178
(+4)
36
(-)
35
(+2)
0.232
(↑0.001)
3.080
(↓0.02)
6
(-)
楽天
18301 0.375
(-)
10.5
(-)
94144
(-)
196
(-)
39
(-)
39
(-)
0.213
(-)
3.500
(-)