西武(☆4対0★)阪神 =交流戦2回戦(2023.05.31)・ベルーナドーム=
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阪神
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西武
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勝利投手:森脇 亮介(1勝1敗2S)
敗戦投手:西 勇輝(2勝4敗0S)

本塁打
【西武】栗山 巧(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆西武は初回、渡部の適時打が飛び出し、幸先良く先制する。その後は4回裏に栗山のソロ、7回には外崎の適時打で2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・本田が4回無失点。2番手・森脇が今季初勝利を挙げた。敗れた阪神は、打線が再三の好機を生かせなかった。

◆阪神西勇が31日の西武戦(ベルーナドーム)に先発する。昨季まで阪神在籍4年間で同球場の登板はなくオリックス時代では先発全4試合で勝ち星はついていない。ただ、今季のオープン戦では5回1安打無失点。「オープン戦より、1人1人の状態も自分たちの状態も全く別物。数少ない対戦なので、当日キャッチャーと話して、納得いくものにしていきたいです」と気を引き締めた。

◆交流戦ならではの交流が、この日の試合前でもみられた。阪神近本光司外野手(28)は、歩み寄ってきた西武与座海人投手(27)にあいさつされた。昨秋の侍ジャパン強化試合のチームメート。近本は前夜、先発与座から初回の初球を捉え、右翼への三塁打を放っていた。クイックモーションで投げ込んできた1球を完璧にはじき返した一打だった。与座は近本に意見を求めるように、クイックモーションの動きを交え、近本も打撃フォームを作って会話していた。対戦から一夜明け、興味深い対話が行われていた。

◆セ・リーグ首位阪神が、歴史的な1勝を目指す。勝てば16年ぶり10連勝、球団新記録となる月間20勝となる。5月最終ゲームの先発は西勇輝投手(32)。昨季まで阪神在籍4年間でベルーナドームでの登板はなく、オリックス時代は先発全4試合で勝ち星はついていない。今季のオープン戦では5回1安打無失点で、その再現なるか。高卒2年目の前川右京外野手(20)が「7番DH」で2試合連続スタメン出場する。ヨハン・ミエセス外野手(27)は「6番右翼」でスタメンとなった。

◆球団新記録となる月間20勝を目指す阪神を、埼玉の虎党が全力で後押しする。前夜同様、ビジターながら試合前からホームグラウンドのような大歓声が右翼スタンドを中心に広がっている。開始20分前、スタメン戦選手の応援歌演奏の際には、ベルーナドームに"出張"している球団マスコット「トラッキー」が、選手の打撃フォームのモノマネで球場を盛り上げた。

◆西武渡部健人内野手(24)が先制適時打を放った。5月27日に登録抹消された中村に代わり4試合連続の「4番一塁」で先発。1回2死三塁、中村の登場曲で右打席に立つと、西勇の外角低め132キロチェンジアップをしぶとく中前に落とした。「チームのみんなから、中村さんの(曲に)に変えちゃえよ! と言われて。試合前に中村さんに連絡を入れて許可もいただきました(笑い)。中村さんのパワーをもらえました!!」と振り返った。

◆西武栗山巧外野手(39)が、1号ソロを放った。1-0の4回先頭、阪神西勇に対しカウント1-1からの3球目、内角136キロスライダーを右翼ポール際に運んだ。5月27日に右外腹斜筋損傷で登録抹消となった盟友の中村剛也内野手(39)が不在となる中、同学年のベテランが存在感を発揮。「自分としてももちろんうれしいですが、(先発の)本田がピンチをしのいで帰ってきましたので、その直後に打てて良かったです」と振り返った。チームの左打者としては4月18日ソフトバンク戦(東京ドーム)でペイトンが放って以来、久々となる左打者の本塁打となった。

◆阪神近本光司外野手(28)にヒヤリとするシーンがあった。四球で出塁した5回2死一塁。西武森脇のけん制球で、右手から一塁へ戻ったタイミングだった。一塁手渡部健人と接触。近本は首付近を気にするそぶりを見せ、一瞬うずくまったが、その後プレーを再開した。中野の打席の間には、すかさず二盗に成功。リーグトップ単独トップとなる今季7盗塁目となった。その後は中堅守備にそのまま就き、問題ない様子だった。

◆「佐藤対決」の結果は...。阪神佐藤輝明内野手(24)と西武佐藤隼輔投手(23)が、8回無死一塁で対決した。カウント2-2から、最後は高め150キロで佐藤輝が空振り三振に倒れた。昨季は3度対戦し、佐藤輝が1安打を放っていた。「名字由来net」よると、「佐藤姓」は全国1位の184万2000人。プロ野球の世界でも計12人の「佐藤さん」がプレーしている。

◆阪神高卒2年目の前川右京外野手(20)が、3打席連続空振り三振を喫した。前日30日の同戦で1軍デビューを果たし、2試合連続でスタメン出場。西武先発の本田の低めに集められた変化球に苦戦し、2回、4回と空振り三振。6回は2死二塁のチャンスだったが、150キロ台後半の直球を投げるティノコの抑え込まれ、快音を鳴らすことはできず。8回2死一塁からの第4打席は代打に渡部諒が送られた。プロ初ヒットはまたしてもお預けとなった。

◆首位阪神の連勝が、ついに「9」でストップした。勝てば球団新記録となる月間20勝だったが、達成することはできなかった。打線が沈黙した。前日の初回に三塁打で先制機をつくった近本が、この日も初回に二塁打でチャンスメークしたが、得点につなげられず。1年8カ月ぶりに先発した西武本田に4回無失点に封じられ、リリーフ陣相手にも再三のチャンスをつくりながら、攻略することができなかった。2試合連続でスタメン出場した高卒2年目の前川右京外野手(20)は、3打席連続の空振り三振と苦戦。プロ初ヒットはまたしてもお預けとなった。先発した西勇輝投手(32)は、鬼門を突破できなかった。初回2死三塁から4番渡部に外角低めのフォークを拾われ、中前への適時打で先制点を献上。4回には先頭栗山に右翼ポール際への1発を被弾した。7回途中4失点(自責3)で先発の役割を全う。しかし、オリックス時代から含めて西武の本拠地での先発時は5戦目で勝ちなしの4連敗となり、プロ通算100敗目を喫した。通算100敗=西勇輝(阪神) 31日の西武2回戦(ベルーナドーム)で今季4敗目を喫して記録。プロ野球122人目。初黒星はオリックス時代の11年5月15日の日本ハム8回戦(函館)。

◆首位阪神の連勝が、ついに「9」でストップした。勝てば球団新記録となる月間20勝だったが、達成することはできなかった。阪神は5月19勝5敗で月間新の勝利数更新はならなかった。過去に2度記録した19勝(64年8月、68年8月)とタイで終了した。連勝は9でストップ。球団で過去10度あった2桁連勝に届かなかった。直近の2桁連勝は、前回の岡田監督時代の07年8月30日広島戦~9月9日巨人戦の10連勝。最長は14連勝で、1リーグ時代の37年と46年の計2度。2リーグ分立後最長は11連勝で、63、72、76、82年の4度ある。月間貯金は14。これは球団3位で、68年8月の17、46年7月の15に次ぐ。

◆おかわり君、待ってるぞ!!西武栗山巧外野手(39)が1号ソロを放ち、交流戦初勝利に貢献した。1-0の4回先頭、西勇の内角スライダーを右翼ポール際へ。同学年の中村が5月27日に右外腹斜筋損傷で登録抹消となった中で、入団4年目から19年連続となる本塁打で存在感を発揮。「(本塁打の)おかわり、いったろうかなと思ったんですけど、おかわり行けるだけあいつはよっぽどすごいんですよね」と振り返った。▽西武松井監督(継投で阪神打線を無失点に抑え、監督として交流戦初白星)「ナイスゲームでしたね。ランナー出しながら本当に粘り強く、守備も含めて頑張ってくれたと思います」

◆阪神の連勝は9でストップとなったが、先発投手が10試合連続でクオリティースタート(6回以上自責3以内)と盤石さを見せた。この日は西勇輝投手(32)が先発。6回2/3、8安打4失点(自責点3)と粘りの投球で最後まで死力を尽くした。これで、20日広島戦で先発した大竹耕太郎投手(27)の7回6安打無失点から連続して先発陣が役割を果たし続けている。

◆阪神前川右京外野手(20)が3打席連続空振り三振に倒れた。2度、好機で打席が回ってきたが、結果を残すことができなかった。岡田監督は試合後、「いやー、そんなんもう最初から打てると思ってないよ。そんなん。ボールを振るわけやからしょうがないわ」と話した。高卒2年目の左のスラッガーは「悔しいです」と感情を押し殺し、球場を後にした。チームは得点圏に走者を進めるも、あと1本が出ず連勝は9で止まった。

◆阪神の連勝が9で止まった。試合後、岡田彰布監督(65)は、次の戦いへ向け切り替えていた。「2回までは負けられるやろう。まだ猶予あるやろう。でもまあ、明日勝たなあかんわなあ」と語った。選手会長の近本光司外野手(28)は「変に気にすることもなくなったので、楽にいけるんじゃないですか」と言い残し、バスへと乗り込んだ。大型連勝が止まったとはいえ、安定した投手陣に打率3割台の1、2番を誇るチームだ。5月が終了。次の勝利をつかむため、また再スタートを切る。

◆おかわり君、待ってるぞ! 西武栗山巧外野手(39)が今季1号ソロを放ち、チームを交流戦初勝利に導いた。同学年の中村剛也内野手(39)が、5月27日に右外腹斜筋損傷で登録抹消となった中で存在感を示した。「6番DH」で5月7日オリックス戦以来の先発出場。1-0の4回先頭、阪神西勇の3球目、内角136キロスライダーを右翼ポール際に突き刺した。直前の2球目も同じく内寄りのスライダーを捉えたが、同じく右翼ポール際への打球は惜しくもファウル。"打ち直し"での貴重な1発に「自分としてももちろんうれしいですが、(先発の)本田がピンチをしのいで帰ってきましたので、その直後に打てて良かったです」と喜んだ。これで入団4年目の05年から19年連続となる本塁打をマーク。"打ち直し弾"については「たまたまですかね。こちらは必死にバットを振るだけ。それだけです」と冷静に振り返った。中村が不在の中での活躍に「(本塁打の)おかわり、いったろうかなと思ったんですけど、おかわりいけるだけ、あいつはよっぽどすごいんですよね」と、盟友を思いやった。チームの左打者としては4月18日ソフトバンク戦(東京ドーム)の5回にペイトンが3号2ランを放って以来、久々となる左打者の本塁打。ベテランの活躍に松井稼頭央監督も「大きかったですね、あそこの追加点。本当に頼りになるバッターですからね。あそこの1発はほんとに大きかった」と納得の表情だった。

◆首位阪神が今季4度目のゼロ封負けで、連勝はついに「9」でストップした。球団新記録となる月間20勝は逃した。2試合連続でスタメン出場した高卒2年目の前川右京外野手(20)は、3打席連続の空振り三振と苦戦。プロ初ヒットはまたしてもお預け。先発した西勇輝投手(32)は、7回途中4失点(自責3)で4敗目となり、プロ通算100敗目を喫した。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-チャンスはあった「ええーっ。チャンスはあったなあ」-昨日もそうだが、ちょっと変わった投手も多かった「おーん。今日もお前、そろそろかなあと思ったら5回から(投手が)1人ずつやからなあ」-そのへんは交流戦ならでは「まあ、そうやろうなあ。うーん」-タイプの違う投手が出てきた「それはもう分かっているからなあ。でも、なかなかなあ。すぐバッターボックスの中では、なかなか対応は難しいわなあ」-初回、近本が二塁打。昨日の再現かと思ったが、あそこで先取点がほしかった「なあ。先取点...。あれや。引っ張る、右打ちやってたけど、外ばっかりやったからなあ。普通に『打て』にしたんよ。うまいこと打ったけどな外のボールをな。そんなんはもう、あの当たりはもう結果論やわ」-前川は1本打てばヒーローになれそうな場面が何度かあった「そらやっぱり、ボールを振るわけやからしょうがないわ」-この2日間のプレーを振り返って「いやー、そんなんもう最初から打てると思ってないよ。そんなん」-1軍レベルを見てまた今後に「1軍レベルて、1軍のピッチャーにそんなん初めてやから。それはみんなが踏む第1歩やんか。別に最初から打てなんか言うてないやんか」-西勇も粘った「そうやなあ、2点じゃのう、2点でいったらなあ、ちょっと分からんかったと思うけどなあ、まあまあ、変な内野安打からなんかなあ」-大山の守備はセンスが光った「あれでなあ、だから、まあ、どうやろ、DHちごたら(西勇は)変えてたかも分からんけどなあ。左に代えてもどっちみちお前、あれやんか、愛斗とかあのへんが出てくるなあ思てたけど。まあこのDHのあそこまで、2点ではやっぱ代えれんわなあ。負け完投もあるしなあ、DHの時はなあ、あと1点取られたら代えよう思てたけどなあ。あれ最終的には2点になったけど、2点ではなかなか代えれんよ、やっぱりな、先発は」-あらためて5月を振り返って「いやそれは良かったんちゃう、そら振り返っても悪いことはないやろ」(少し間が空き)「いや、そら負けるよ(笑い)。まあ、誰かが1本打って、どっかで出たら言うてもゲームやからなあ、おーん。まあ出んかったらこういう展開になるわなやっぱりなあ」-5月の交流戦前は戦力を整える時期と話していた。それでこれだけ勝利を収められた「いや、それは楽な戦いはできると思うよ、貯金があるわけやからなあ。(勝率)5割行ったり来たりする展開やったら、やっぱり思い切った選手の起用も、若いやつもできひんと思うけどなあ。そら5割ぐらいやったら前川、上げてないで。そら上げていない」-チームの輪郭が思った以上に早くできているのか「そら結果がこないしてなあ。いい結果につながっているからなあ。このあいだも言うたけど、そらできすぎや思うよ。ここまでそらもう全然できすぎよ。こんなんなあ」-連勝の後の連敗を気にされていたが、明日か「2回までは負けられるやろう。まだ猶予あるやろう。でもまあ明日勝たなあかんわなあ。まあでも久しぶりのゼロ(得点)やからあな。9回では3回目やなあ。雨(でコールドゲーム)があったけど」-ランナーは出ている「なあ。まあそらチャンスでなあ1人打てんかってもええけど、2人打てへんかったらきついわなあ。点入らん時はなあ」

◆阪神近本光司外野手(28)に、ヒヤリとするシーンがあった。四球で出塁した5回2死一塁。西武森脇のけん制球で、右手から一塁へ戻ったタイミングだった。一塁手渡部と接触。近本は首付近を抑え、一瞬うずくまった後、プレーを再開した。すかさず二盗成功。リーグ単独トップとなる今季7盗塁となった。近本は試合後、痛めた箇所を「首の方」と説明。6月1日以降の出場については「(明日)起きてからしか分からないと思います」としたものの、「大丈夫ちゃう? 大丈夫大丈夫」と強調した。テーピングなどもしておらず、表情は決して暗くなかった。月間打率3割2分7厘と好数字を残した5月も振り返った。「個人的なことを言うと、5月も5月で、いいデータも取れた。明日から6月、どう入っていくか。今日も明日も変わることはないですけど、6月のデータも取りながら。(打撃の)方向性も固まってきてるので」この日は今季20度目のマルチ安打。2四球を含めて4出塁と気を吐いた。ただ、3回は好機で空振り三振に倒れた。「ランナーいるとこで打てなかったので、そういうところ」と反省。「もうちょっと冷静になった方が良かったのと...、(安打を)狙っていたからこそ、いっちゃったって感じかな。難しいね。そういうところの余裕も持てた方が良かったって感じかな」と冷静に語った。チームは9連勝でストップ。「変に気にすることもなくなったので、楽にいけるんじゃないですか」。近本は最後まで丁寧な口調で、帰りのバスへと乗り込んだ。【中野椋】

◆首位阪神の連勝が、ついに「9」でストップした。勝てば球団新記録となる月間20勝だったが、達成することはできなかった。日刊スポーツ阪神取材班のTwitterには「いい方に考えれば9連勝 月間19勝 阪神凄い...」「7連勝→1敗→9連勝→1敗→???連勝」「6月以降も大爆進していけるぞ」「ちょっと勝ちすぎて感覚おかしくなってたかな」など、比較的前向きなコメントが多く見られた。

◆阪神の守備にヒヤリとするシーンがあった。8回無死の守備。西武マキノンの右翼手前へのフライに、右翼手ヨハン・ミエセス外野手(27)と二塁手中野拓夢内野手(26)がチャージ。軽く接触し、中野のグラブがミエセスの顔付近に当たりながらも、ミエセスはボールを離さずにキャッチした。ミエセスは一瞬、下を向くシーンがあったが、すぐに顔を上げてサムアップ。周囲を安心させた。

◆完敗の中で、阪神近本光司外野手(28)が今季20度目のマルチ安打を含む4出塁で気を吐いた。初回に二塁打、7回に内野安打で出塁した。ただ、1点を追う3回1死二塁は空振り三振に倒れ「もうちょっと冷静になった方がよかったかな。狙っていたからこそ、いっちゃったって感じ。難しいね。そういうところで余裕も持てたら」と振り返った。四球で出塁した5回2死一塁では、西武森脇からけん制球をもらい、帰塁の際に一塁手渡部と接触。首付近を押さえて一瞬うずくまったが、プレーを再開した。直後、すかさず二盗成功。リーグ単独トップの7盗塁目を決めた。フル出場後、痛めた箇所は「首の方」と説明。状態は「(明日)起きてからしか分からないと思います」としたが、「大丈夫ちゃう? 大丈夫大丈夫」と問題なしを強調した。5月は月間打率3割2分7厘。連勝は9で止まったが「変に気にすることもなくなったので、楽にいけるんじゃないですか」と前を向いた。

◆セ界首位を走る阪神の連勝が9で止まった。「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦は打線が振るわず4度目の完封負け。勝てば16年ぶりの10連勝で球団月間新記録の20勝に到達したが、小休止となった。岡田彰布監督(65)は「そら(いつかは)負けるよ。ここまでができ過ぎよ」と余裕の1敗モード。敗れた2位DeNAとの6ゲーム差は変わらず、月を替えて再進撃する。連勝は9でストップしたが、岡田監督は「そら(いつかは)負けるよ」と笑った。12日ぶりの敗戦は今季4度目の完封負け。残塁は11で、8イニングで塁上をにぎわせた。「まあ、誰かが(適時打を)1本打って、どこかで出たらいうゲームやから」とあと1本が出なかったと冷静に話した。初回に先頭近本が二塁打で出て、この日も先制点ゲットかと思わせた。だが後続の3人が凡退。1年7カ月ぶり先発の本田に4回を0封されると、2番手森脇以下の1イニング継投を打ちあぐねた。「そろそろかなあと思ったら5回から(投手が)ひとりずつやからな」。映像などを見て対策してきたが、左右やタイプの違う投手に対応するのは難しかった。得点圏に6度進めたが要所を締められ、あと1本が出なかった。左の大砲候補も不発だった。高卒2年目の前川を2試合連続DHで起用したが。4回と6回の好機でいずれも落ちる球に空振り三振。だが、責めることはなかった。「そらやっぱり、ボール球を振るわけやからしょうがないわ。1軍の投手に初めてやから。みんなが踏む第1歩やんか。別に最初から打てなんか言うてない」。デビュー2戦目は3打席3三振でプロ初安打はまたお預けとなったが、多くが通る道と位置づけた。勝てば前回チームを率いた07年以来16年ぶりの10連勝で、球団新の月間最多20勝だったが小休止。だが、5月は19勝5敗で14個もの貯金をつくった。この日敗れた2位DeNAとの6差は変わらず、貯金17でセ界首位を独走している。「できすぎや思うよ。楽な戦いはできている。(勝率)5割くらいやったら前川(1軍に)上げてないで」。痛くもかゆくもない"余裕の1敗"モードだった。今季は12球団で唯一、3連敗が1度もない。「(あと)2回までは負けられるやろう。まだ猶予ある。でもまあ、明日は勝たなあかんわな」。2連敗までなら大丈夫と言わんばかりのコメントを残して帰りのバスに乗り込んだ。それだけ手応えのあるチームがつくれている。動じることなく、まずは交流戦カード勝ち越し発進を決めにいく。【石橋隆雄】阪神は5月19勝5敗で月間新の勝利数更新はならなかった。過去に2度記録した19勝(64年8月、68年8月)とタイで終了した。連勝は9でストップ。球団で過去10度あった2桁連勝に届かなかった。直近の2桁連勝は、前回の岡田監督時代の07年8月30日広島戦~9月9日巨人戦の10連勝。最長は14連勝で、1リーグ時代の37年と46年の計2度。2リーグ分立後最長は11連勝で、63、72、76、82年の4度ある。月間貯金は14。これは球団3位で、68年8月の17、46年7月の15に次ぐ。

◆高卒2年目の阪神前川が、3打席連続空振り三振で1軍の洗礼を浴びた。プロデビュー戦の前日5月30日に続き、2試合連続DHでスタメン。2回2死の第1打席で西武本田の低めのフォークを振らされ初三振。4回2死一、二塁の好機でも空を切り、6回は2死二塁もティノコに振らされた。8回2死一塁の第4打席で代打が送られ、プロ初ヒットはお預け。「悔しかった。結果を残せるようにしたい」と力を込めた。

◆阪神の一塁大山が好プレーで追加点を阻止した。2点ビハインドの7回。1死一、三塁から西武源田が一塁へセーフティースクイズを敢行してきた。やや強めの打球にプレスをかけ、バックトスで本塁へ送球。間一髪のタイミングで三塁走者をアウトにした。3回には川越が放ったゴロをはじき今季3つ目の失策を喫したが、すぐに挽回した。打撃面では2四球を選んだが、2打数無安打に終わった。

◆やはりベルーナドームは鬼門なのか。阪神西勇輝投手(32)がまたも西武の本拠地で勝てなかった。7回途中8安打4失点(自責点3)で4敗目。「何とか抑えたい、何とか抑えたいという気持ちの連続だった。僕の粘り負けですよね」。チームの連勝を9で止めてしまい、苦い夜になった。ベルーナドームはオリックス時代から先発4試合で未勝利。阪神移籍後も昨年まで4年間登板がなく、この日を迎えた。だが、今春のオープン戦では同球場で5回を1安打無失点に抑えており、プラス思考で西武打線に立ち向かった。「今年のオープン戦も、甲子園で投げた去年の交流戦でもイメージは悪くない。いつも通り投げられれば」。だが、この日は活発だった打線が沈黙し、援護に恵まれない不運もあった。栗山に浴びた"打ち直し弾"も痛かった。1点ビハインドの4回先頭。2球目の134キロのスライダーを右翼ポール際に特大ファウルを飛ばされた。ほっとしたのもつかの間、直後の3球目、136キロのスライダーを今度はフェアゾーンの右翼ポール際に運ばれた。同じ球種でそっくりな放物線を描かれた「打ち直し弾」で2点差に拡大。7回にも2点を失い、力尽きた。勝てば未登板のエスコンフィールドを除くセパ12球団の本拠地勝利だったが、通算100敗目(112勝)を食らった。だが、4試合連続クオリティースタート(6回以上自責3以内)で先発の役割は果たした。岡田監督は「そうやなあ、2点じゃのう。2点でいったらなあ、ちょっと分からんかったと思うけどなあ」と振り返った。背番号16も満足していなかった。「全体的に自分の試合に対してリズムがきていない。こういう経験もずっとしてきたけど、チームの流れがいい時に、自分の苦しい展開が多い。もう1個、抜けていい流れに自分も加われるようにしていきたい」。表情を引き締め、次回快投を誓った。【三宅ひとみ】西勇はベルーナドームでの初勝利はならなかった。オリックス時代の10年6月25日に救援で初登板。11年7月31日も救援で登板も、6回に逆転を許し初黒星。2度目の先発13年7月26日には、6回10安打5失点。以来、今回も含めてベルーナドームでの先発4戦ですべて敗戦投手となり、通算5敗目。通算防御率も6・19と苦しんでいる。通算100敗=西勇(阪神) 31日の西武2回戦(ベルーナドーム)で今季4敗目を喫して記録。プロ野球122人目。初黒星はオリックス時代の11年5月15日の日本ハム8回戦(函館)。

◆6月1日の西武戦に先発する阪神・伊藤将司投手(27)がキャッチボールなどで調整、「どんどんつないでくるイメージが強いので、ランナーをためずに一人一人抑えられたら」と意気込んだ。ベルーナドーム(前名称はメットライフドーム)では1年目の2021年5月29日に先発し、5回2/3を投げ5安打3失点で黒星。前日30日にはマウンドの感触を確かめた左腕は「あまり試合するところ(球場)ではないので、(マウンドに)早めに対応できるようにしていけたら」と話した。今季は左肩の違和感で開幕には間に合わなかったが、ここまでの5試合すべてでクオリティースタート(先発で6回以上を投げて自責3以内)をクリアしており、安定感は抜群。伊藤将は「(失点は)最低でも2点まで。そこから粘って投げられたらいいなと思う」と力を込めた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は西勇輝投手(32)が先発する。ベルーナドームではオリックス時代を含め、通算7試合(救援含む)に登板し、0勝4敗、防御率6・75も「前(3月)のオープン戦、甲子園で投げた去年の交流戦(対西武)もイメージは悪くないのでいつも通り投げられたら」とベルーナドーム初白星に期待がかかる。チームは9連勝で、5月は球団タイ記録となる19勝をマーク。月締めの一戦で勝利を飾り、球団史に新たな歴史を刻む。前川右京外野手(20)は「7番・DH」で2試合連続スタメン出場となった。

◆阪神が一回の好機を逃した。先頭の近本光司外野手(28)が右越えの二塁打を放って出塁。しかし、2番・中野はとらえた打球も三塁手の正面に打球が飛び、三直。ノイジーが右飛、大山が左飛に倒れた。一方で阪神の先発・西勇は先頭の源田に左翼前にポトリと落ちる不運なヒット。この打球を左翼手・ノイジーが後逸してしまい、無死二塁とピンチを背負った(記録は安打と失策)。川越は犠打で1死三塁。打席に3番・外崎を迎えた。ここはフルカウントから一邪飛に仕留め2死を奪うも、4番・渡部に中前適時打を浴びて先制点を献上した。

◆「4番・一塁」で先発した西武・渡部健人内野手(24)が先制適時打を放った。0-0の一回2死三塁、阪神・西勇のチェンジアップを中前に運び「ランナー三塁だったので何が何でもホームにかえそうと打席に向かいました。タイムリーになってうれしかったです」とコメントした。桐蔭横浜大から2021年にドラフト1位で入団。右外腹斜筋損傷のため登録抹消になった中村に代わって27日に1軍昇格し、「4番」を任されている。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が華麗な守備で魅せた。0-1の三回。先頭・川越の打球を一塁手・大山がファンブル。無死一塁とし3番・外崎を迎えた。カウント2-2から6球目、打球はセンター方向へ。これを二塁手・中野が素早い動きで捕球し、一連の流れで二塁ベースを踏む。そして素早く一塁へ送球。一人でゲッツーを完成させ、チャンスの芽を摘んだ。

◆阪神が痛い失点を喫した。先発の西勇輝投手(32)は0-1で迎えた四回。先頭の栗山と対峙する。カウント1-0から2球目、内角にスライダーを投じると、これが右翼ポール際への大飛球。ヒヤリとするシーンだったが、続く3球目だった。再びスライダーを投じるも、同じような軌道を描いた打球は、今度はポールの内側に吸い込まれ、右翼席へズドン。大きな2点目を奪われた。

◆ヒヤリとするシーンに虎党が騒然となった。0-2で迎えた五回2死。阪神不動のリードオフマン・近本光司外野手(28)が四球で出塁した。盗塁を警戒する西武バッテリーは一度、けん制。さらに続けてけん制したが、この送球を一塁手・渡部が後ろにこぼす。慌ててボールを拾いにいった渡部の腰付近に、帰塁した近本の頭が直撃した。倒れ込んでしばらく動けなかった近本だが、立ち上がってプレーを続行。直後に今季7個目の盗塁を決めるなど、変わらず躍動する姿にスタンドから大きな拍手が送られた。

◆「6番・DH」で先発した西武・栗山巧外野手(39)が1号ソロを放った。1点リードの4回先頭で、阪神・西のスライダーを捉えて右翼ポール際のスタンドに運び「自分としてももちろんうれしいですが、(先発の)本田がピンチをしのいで帰ってきましたのでその直後に打ててよかった」とコメントした。

◆阪神打線が再三の好機を逸した。七回1死から梅野が今季初長打となる二塁打を放つと、近本の遊撃内野安打で1死一、二塁。中野の投ゴロで2死一、三塁としたが、ノイジーが三ゴロに倒れた。阪神打線は一回無死二塁の好機など、この日は七回までのうち6イニングで、得点圏に走者を進めながら無得点。あと一本が出ない状況が続いている。

◆阪神の連勝は9でストップ。打線が再三の好機を生かせなかった。一回は先頭の近本が二塁打を放つも後続がつながらずに無得点。9回の内、6イニングで得点圏に走者を進めながら決定打に欠いた。西武先発の本田が4回、以降はリリーフ陣の前に打線が沈黙し、今季4度目のゼロ封負けを喫した。先発の西勇は6回2/3を投げ、8安打4失点(自責3)で4敗目。味方の失策も絡んで一回に先制点を献上すると、七回は外崎に2点打を浴びて無念の降板となった。阪神は20日の広島戦(甲子園)から続いていた連勝は9でストップ。球団新記録の月間20勝とはならず、5月を19勝5敗で終えた。

◆西武は一回に渡部の適時打で先制し、四回は栗山の1号ソロ、七回は外崎の2点適時打で加点した。6投手で無失点リレーし、2番手の森脇が今季初勝利。阪神は打線が再三の好機を生かせなかった。連勝は9でストップ。

◆阪神の連勝が「9」で止まり、球団新記録の月間20勝を逃した。西勇輝投手(32)が一回に1点を失い、四回には栗山巧外野手(39)にソロ本塁打を浴び、七回に2点を奪われ、力尽きた。打線は再三、得点圏に走者を進めながら、11残塁で今季4度目の完封負け。「7番・DH」の前川右京外野手(20)は四回2死一、二塁、六回2死二塁で凡退するなど、3打席3三振だった。西勇はベルーナD通算未勝利で今季4敗目(2勝)。19日の広島戦(甲子園、●7ー10)以来の黒星を喫した岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=32勝15敗1分、観衆=1万7479人)。ーーチャンスはあった「チャンスはあったなあ。今日もお前、そろそろかなあと思ったら五回から(投手が)一人ずつやからなあ(先発・本田の四回降板後は5人の継投)」ーー近本の二塁打が出た一回に点がほしかった「先取点...。アレや。(中野には)引っ張る、右打ちやってたけど、外ばっかりやったからなあ。普通に打てにしたんよ。うまいこと打ったけどな外のボールを(結果は三直)。もう結果論やわ」ーー前川は一本打てば「そらやっぱり、ボールを振るわけやから、しょうがないわ」ーー2日間のプレーを振り返って「最初から打てると思ってないよ。そんなん」ーー1軍レベルを見てまた今後に「1軍レベルて、1軍のピッチャーに初めてやから。みんなが踏む第一歩やんか。別に最初から打てなんか言うてないやんか」ーー西勇も粘ったが「2点で行ったらなあ、分からんかったと思うけどなあ。変な内野安打からなんかなあ(先頭鈴木の投手内野安打)」ーー大山の守備はセンスが光った(七回1死一、三塁で源田のバンドを処理し本塁へのトスで失点阻止)「DH違ったら代えてたかも分からんけどなあ、左に代えても愛斗とか出てくるなあ思てたけど。2点では代えれんわ。負け完投もあるしなあ、DHの時はな。あと1点取られたら、代えよう思てた」ーー5月を振り返って「それはよかったんちゃう? そら振り返っても悪いことはないやろ。(少し間が空き)いや、そら負けるよ(笑い)。まあ、誰かが一本打って、どっかで出たら言うてもゲームやからなあ、おーん。まあ出んかったら、こういう展開になるわな、やっぱりなあ」ーー交流戦前は戦力を整える時期と話していた「楽な戦いは、できると思うよ、貯金があるわけやから。5割行ったり来たりする展開やったら、思い切った選手の起用も、若いヤツもできひんと思うけどなあ。そら5割ぐらいやったら前川、上げてないで。そら上げていない」ーーチームの輪郭が思った以上に早くできているのか「いい結果につながっているからなあ。この間も言うたけど、そらできすぎや思うよ。ここまでそらもう全然できすぎよ」ーー連勝の後の連敗を気にされていたが「まだ猶予あるやろう。でもまあ明日勝たなアカンわな」

◆西武は2年ぶりに先発した本田から計6人の継投で阪神打線を無得点に封じた。4回2安打無失点でバトンタッチした本田は「何とかゼロで次のピッチャーにつなぐことができたのでよかった」と安堵(あんど)の表情だった。昨季は中継ぎで45試合に登板し、防御率1・97。起用に応えた30歳右腕を松井監督は「久しぶりであれだけ投げてくれたのは大きかった」とたたえた。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は再三のチャンスを生かせなかった打線に「危険信号」が出ていたと案じた。七回までの6イニングで走者を二塁に置いておきながら、1点も奪えなかった。先発の西勇も踏ん張り切れなかったが、この試合に関しては打線がすべてだったと思う。西武はローテの谷間で、必死でつないできた。5安打と6四球で塁上をにぎわせたが、いい時であれば5、6点は取っていただろう。つながりを欠いての完敗で、ズルズルといってしまう危険信号を感じる。「連勝があれば必ず反動がある」は我々の時代から言われている。長いシーズンの中では必ず、つながりが悪くなる時がある。決めるべきところを決められなかった試合を機に一変することも多い。9連勝後のただの1敗で終わればいいが、負け方が気になる1敗だっただけに、岡田監督がもう一度引き締め直してくれると願いたい。連勝が止まった一方、佐藤輝には4試合ぶりの安打が出た(六回1死で左翼線二塁打)。だが、当てたヒットだった。彼のいい形は右翼線へ引っ張る打球。今の形が悪いとは言わないが、投手は「ヒット狙いでくるのならオッケーだな」という心理にもなり、割り切って投げることができる。シフトの頭を越えていくような打球を打ってくれることを願っているし、そういった打撃が彼の一番の魅力だと思う。

◆日本生命セ・パ交流戦、西武4-0阪神、2回戦、1勝1敗、31日、ベルーナD)阪神・佐藤輝は0-2の六回1死走者なしでティノコの外角低めの136キロカーブを左翼線へ落とす二塁打をマーク。15打席ぶりのヒットに「飛んだところがよかった」と振り返ったが、得点にはつながらず。四回1死一塁でに二直に倒れた後はヘルメットをたたきつける場面もあった。5月は5本塁打、22打点を稼いだが、最後はストレスがたまったか。「あした(1日)勝てば(カード)勝ち越しなので、頑張ります」と力を込めた。

◆阪神・浜地は0-4の七回2死一、二塁で登板し、渡部を132キロのカットボールで中飛に仕留めた。今季初のイニングまたぎとなった八回も無失点で「僕はゼロを並べていくしかない。チームが負けている状況だったので、ゼロでつなげられたことはよかったです」と胸を張った。勝ちパターンで起用されるためにも、好投でアピールし続ける。

◆K、K、K-。自分への歯がゆさを包み隠さなかった。「7番・DH」で出場した阪神の高卒2年目、前川は全3打席で三振。2試合連続でスタメン出場を果たすも、プロ初安打はならなかった。「悔しかったです」1軍投手の変化球に翻弄された。0-1の二回2死。右腕・本田のチェンジアップにバットが空を切った。四回2死一、二塁。一打同点の好機では外角低めのボール球のチェンジアップにバットが止まらず。さらに、2点を追う六回2死二塁でティノコのスライダーに空振り三振。八回2死一塁では代打・渡辺諒を告げられ、打席に立たせてもらえなかった。ウエスタンで打率・360、2本塁打、15打点と結果を残したことが評価され、5月30日に初の1軍昇格。20歳の大砲候補は「今までやってきたことを信じて、自分の打撃スタイルを変えずにしっかり挑んでいきたい」と意気込んでいたが、現実を思い知らされた。岡田監督は「そんなん(1軍は)初めてやから。みんなが踏む第一歩やんか。別に、最初から打てなんか、言うてないやんか」といいつつ、実力ではなく1軍を経験させるためだったと明かした。「(勝率)5割をいったり来たりする展開やったら、思い切った選手の起用も、若いやつも(1軍で)できひんと思うけどなあ。5割ぐらいやったら、前川(を1軍に)上げてないで。そら上げていない」カード勝ち越しがかかる1日もDH制が敷かれる。プロ初安打を打ってもらいたいというのが虎将の本音だろう。前川は「難しいけど、結果を残さないといけないと思うので。結果を残せるようにしたい」と気持ちを切り替えた。きょうこそ、岡田監督の期待に応えてみせる。(三木建次)

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が冷静な判断と素早い守備で失点を防いだ。0-2の七回1死一、三塁で源田がセーフティースクイズを仕掛けたが、猛ダッシュで捕球するとバックトスで本塁への生還を防いだ。「グラブトスできる距離ではないですし、あそこは1点とられてしまったらいけない場面。シミュレーションはもちろんしていた」と胸を張った。三回には川越のゴロをファンブルし失策となったが、「先頭打者だったので、あの場面は西(勇)さんに助けてもらいました」と先輩に感謝した。

◆おかわりパワーで意地を見せた。「4番・一塁」で先発した西武・渡部(わたなべ)健人内野手(24)が貴重な先制適時打。一回2死三塁から、阪神・西勇のチェンジアップを中前に運び「ランナー三塁だったので何が何でもホームにかえそうと打席に向かった」とうなずいた。5月27日に右外腹斜筋損傷のため、出場選手登録を外れた4番の中村に代わり、2年ぶりに1軍昇格。その後、4番に座る。その縁もあって、この日から登場曲として中村が愛用するヒップホップグループ、HOME MADE 家族の名曲「ムカイカゼ」を使用。「チームのみんなから『(登場曲を)中村さんのに変えちゃえよ』といわれて」。昇格後4試合で早くも2度目のお立ち台に立った通称「よくばり君」は、「中村さんのパワーをもらえました」と飛び切りの笑顔を見せた。渡部の16歳上にあたる22年目の栗山もバットで見せた。18試合ぶりの先発で迎えた四回、先頭で右翼ポール際へ今季1号ソロ。プロ初本塁打を記録した2005年から19シーズン連続で一発をマークし「しっかり振りに行く。それだけです」と言葉少なに振り返った。116キロの大砲とベテランの活躍で、阪神の連勝を9で止めた。7勝16敗1分けと大きく負け越した5月を、勝利で締めくくった。(石井孝尚)

◆体重115キロに吹っ飛ばされても、71キロの阪神・近本はド根性で立ち上がった。連勝は9でストップしたが、これぐらいの衝撃で動じるほど、虎は弱くない。ベルーナドーム名物の階段を駆け上がり、バスへと向かった選手会長は前向きだった。「まあ、変に気にすること(連勝)もなくなったと思うので、明日からも楽にいけるんじゃないですかね」全国の虎党がヒヤリとしたシーンがあった。五回2死で迎えた第3打席。四球で出塁した近本がアクシデントに襲われる。けん制球に帰塁した際に西武の巨漢一塁手・渡部と交錯。捕球し損ねた球を拾いにいこうと、体を反転した渡部の膝と近本の首がぶつかった。グラウンドに倒れ込んだ近本を見て、ベルーナドーム、そしてテレビの前の虎党が悲鳴をあげた。それでも、苦悶(くもん)の表情を浮かべて立ち上がった。さらに、心配をかき消すように走った。直後にセ・リーグトップの7盗塁目を成功。患部の状態については「(明日)起きてからしか分からないと思いますけど、まあ、大丈夫。大丈夫、大丈夫」と問題なしを強調した。打線は再三の好機を生かせず、今季4度目の零封負け。ただ、リードオフマンは元気いっぱいだった。一回先頭では本田の142キロを捉えて右越えの二塁打。4試合連続安打でチャンスメークすると、七回1死二塁の場面は遊撃へのゴロに再び全力疾走。源田の〝たまらん守備〟をかいくぐり、内野安打で2試合連続、チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。「でも、走者がいるところで打てなかった。もうちょっと冷静になった方がよかったかな。狙っていたからこそ、(打ちに)いっちゃったという感じ。難しいね。そういう余裕も、持てた方がよかった」

◆味方を信じ、援護を待ち続けながらマウンドで踏ん張ったが、4点目のホームを踏まれると表情をゆがめた。阪神・西勇は〝魔の所沢〟で今季4敗目。あともうひと踏ん張りが足りず、チームの連勝も止めてしまった。「何とか抑えたい、抑えたいと、その気持ちの連続だった。味方が取ってくれるまで粘りたかった」一回、先頭の源田に左翼手前に落とされ、ノイジーの失策も絡んでいきなり無死二塁。その後、4番・渡部に中前へはじき返されて先制点を奪われると、四回には試合前時点で通算打率・385だった難敵・栗山に3球続けたスライダーを右翼席に運ばれて2点差とされた。七回には一塁線際のボテボテの内野安打から2死満塁のピンチを招き、外崎に甘く入った初球のスライダーをとらえられてさらに2点を失い、交代が告げられた。「最後(七回は)、攻めた結果だったので仕方ないことやし、僕の粘り負け」三者凡退は六回のみ。それ以外は毎回走者を背負いながらも粘ったが、球数が100球を超えた七回の正念場で痛打を食らった。6回?を投げ、8安打4失点(自責3)。ベルーナドームではオリックス時代を含めて通算8試合で0勝5敗、防御率6・19と15年間でいまだ白星なし。かつて「(雰囲気に)飲まれることもあった」と話していた苦手の球場で自身通算100敗目を喫した。

◆虎番キャップのビヤ樽こと三木建次は、サブキャップの新里公章と前夜から綿密な打ち合わせを繰り返していた。「今回の遠征は、とにかくあそこへ行きたいんや。一緒に行くか...?」ツートップがひそひそと話し込んでいたのは、残念ながら仕事の話ではなかった。目指したのはベルーナドームでの試合の際に多くの記者が宿泊する立川駅の近辺にある老舗中華料理店「四つ角飯店」。そこの「豚の角煮定食」を食べるため、昼間になんと2人で40分も行列に並んだらしい!10連勝が懸かっていたナイターを前に、なんとものんきな話だが...。チームの快進撃とともに担当記者もバタバタと駆け抜けた5月だっただろうし、自分たちへのご褒美でもあったのかもしれない。約600グラムもある特大でフワフワの極上の角煮で「1700円くらいだった」そうだ。食べきれない分は包んでもらって持ち帰ることもでき、ビヤ樽も新里もそろってベルーナドームへ引っさげてきた。ビヤ樽は「晩ご飯にもなったから『850円+850円』と考えたら決して高くはない」とご満悦。虎番の後輩、織原祥平からは「いつも風船のようにパンパンのおなかが、さらにはち切れそうでしたよ」という報告もあった。交流戦で普段なかなか行くことができない遠征先へ行けるのは楽しみの一つとはいえ、夏にはもう59歳になるというし食べ過ぎには気を付けてほしいところだ...。ビヤ樽自身も「最近ちょっと疲れが出てきた。だからこそ角煮で栄養を、というのもあったんや。季節の変わり目やし、眠るときに冷房をどのくらいの強さにしようか、どうしたら一番疲れが取れるのか頭を悩ませてる」と体調管理の難しさを感じ始めているという。そして「その点でも岡田監督はエネルギッシュやし、すごい」と実感を込めて語るのだった。

◆月間勝利数20の球団新記録、そして10連勝に届かなかったのはウ~ン、残念!!零封負けはいただけないけど、この敗戦はアレのためには『上質の黒星』だったと思うのだ!だって、このままず~っと勝ち続けるってことはさすがにあり得ないわけだし...。だったら、本人には申し訳ないけど、極力連勝を止めてしまった精神的影響が尾を引かないチームの投手最年長、西勇で良かった...のかも?いや、いやベテランとはいえ、アレのためには黒星に関しては厳しく言わなければ!! 一回、不運なポテンヒットが続いたけど、そもそもバットで拾われるのに問題があるし...。何で本日も先制点を許したり、四回に栗山に一発を浴びるかなぁ? 自分が極めたさらにその上を目指す西勇を俺は見てみたーい!! と声を大にするのだ!!猛虎の連勝は止まったけど実はちょっとニンマリ...。昼間、ファーム調整中の青柳が8回4安打1失点の吉報が届いたのだ!! 敗れたけど、着々とアレに近づいている熱い風を感じた5月最後の日でした。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
200 1.000
(-)
-
(-)
167
(+5)
3
(+2)
5
(+3)
0
(-)
0.262
(↓0.028)
1.500
(↓0.5)
2
(1↓)
阪神
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
163
(-)
5
(+4)
0
(-)
2
(+1)
0.172
(↓0.016)
2.120
(↓1.12)
2
(1↓)
ロッテ
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
166
(+4)
8
(+7)
5
(+3)
0
(-)
0.217
(↓0.024)
4.000
(↓3)
2
(1↓)
ソフトバンク
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1614
(+1)
12
(+7)
1
(-)
0
(-)
0.273
(↓0.105)
6.000
(↓1)
2
(5↑)
西武
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
165
(+4)
3
(-)
1
(+1)
1
(-)
0.203
(↑0.07
1.500
(↑1.5)
2
(1↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
164
(+1)
5
(+3)
2
(+1)
1
(+1)
0.239
(↓0.085)
2.650
(↓0.65)
2
(5↑)
楽天
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
165
(+3)
4
(+1)
2
(-)
2
(+2)
0.237
(↑0.07)
1.000
(-)
2
(1↓)
ORIX
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
165
(+1)
3
(+3)
0
(-)
1
(-)
0.193
(↓0.093)
1.500
(↓1.5)
2
(5↑)
巨人
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
168
(+7)
6
(+4)
4
(+4)
1
(-)
0.194
(↑0.038)
3.180
(↓0.93)
2
(5↑)
中日
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1612
(+7)
14
(+1)
3
(+1)
1
(+1)
0.307
(↓0.035)
5.820
(↑5.43)
2
(5↑)
広島
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
163
(+3)
5
(+1)
1
(+1)
1
(-)
0.148
(↑0.079)
2.650
(↑1.85)
12
(5↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
163
(+2)
7
(+5)
0
(-)
1
(-)
0.231
(↓0.019)
3.940
(↓1.69)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
32151 0.681
(↓0.015)
-
(-)
95192
(-)
136
(+4)
26
(-)
25
(+1)
0.250
(↓0.002)
2.620
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
25201 0.556
(↓0.012)
6
(-)
97182
(+1)
171
(+3)
43
(+1)
9
(+1)
0.262
(↓0.002)
3.550
(↑0.01)
3
(-)
広島
25230 0.521
(↑0.01)
7.5
(↑1)
95168
(+3)
161
(+1)
34
(+1)
21
(-)
0.245
(-)
3.070
(↑0.04)
4
(-)
巨人
24250 0.490
(↑0.011)
9
(↑1)
94185
(+7)
201
(+4)
56
(+4)
12
(-)
0.247
(-)
3.980
(-)
5
(1↑)
中日
18300 0.375
(↑0.013)
14.5
(↑1)
95135
(+7)
163
(+1)
21
(+1)
11
(+1)
0.242
(-)
2.940
(↑0.05)
6
(1↓)
ヤクルト
17302 0.362
(↓0.008)
15
(-)
94163
(+2)
202
(+5)
43
(-)
28
(-)
0.229
(-)
3.830
(↓0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ロッテ
26162 0.619
(↓0.015)
-
(-)
99159
(+4)
127
(+7)
29
(+3)
25
(-)
0.236
(↓0.001)
2.740
(↓0.1)
2
(-)
ORIX
27202 0.574
(↓0.013)
1.5
(-)
94188
(+1)
154
(+3)
38
(-)
19
(-)
0.261
(↓0.002)
2.970
(-)
3
(-)
ソフトバンク
24192 0.558
(↓0.013)
2.5
(-)
98161
(+1)
154
(+7)
28
(-)
21
(-)
0.241
(↓0.002)
3.260
(↓0.09)
4
(-)
日本ハム
23270 0.460
(↑0.011)
7
(↑1)
93162
(+5)
164
(+2)
37
(+3)
26
(-)
0.222
(-)
2.890
(↑0.02)
5
(-)
西武
20271 0.426
(↑0.013)
8.5
(↑1)
95136
(+4)
161
(-)
33
(+1)
29
(-)
0.232
(↑0.001
3.050
(↑0.07)
6
(-)
楽天
18271 0.400
(↑0.014)
9.5
(↑1)
97134
(+3)
171
(+1)
39
(-)
38
(+2)
0.210
(↑0.002)
3.180
(↑0.05)