阪神(☆3対2★)巨人 =リーグ戦7回戦(2023.05.27)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
00000030X3510
勝利投手:大竹 耕太郎(6勝0敗0S)
(セーブ:加治屋 蓮(0勝0敗1S))
敗戦投手:グリフィン(4勝2敗0S)

本塁打
【巨人】ブリンソン(5号・9回表2ラン)

  DAZN
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◆阪神が7連勝。阪神は両軍無得点で迎えた7回裏、近本と中野の連続適時打で3点を先制する。投げては、先発・大竹が7回無失点の好投。その後は4人の継投でリードを守り、大竹は今季6勝目を挙げた。敗れた巨人は、最終回にブリンソンの2ランで1点差に迫るも及ばなかった。

◆巨人が6連勝中の好調阪神を止めるべく、打線を組み替えた。長野を4月8日の広島戦以来、今季3度目のスタメンに据えた。甲子園では同26日の阪神戦で代打で3ランを放ち、復帰後初アーチを放っていた。右ハムストリングの肉離れから復帰したばかりの中田翔はベンチスタート。岡本和は左翼ではなく一塁でスタメン出場する。

◆26日からの阪神巨人3連戦は「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」として開催されており、この日は試合前に「レジェンドOB対決」が実施された。阪神OBは能見篤史氏(43)が背番号14でマウンドへ。巨人OBは高橋由伸氏(48)が背番号24でバッターボックスに入った。能見氏は現役時代と変わらない美しいワインドアップから投げ込んだ。2ボール1ストライクとすると、124キロを高橋氏が打ち返した。右翼後方へのフライをスタッフがキャッチ。甲子園はどよめきと拍手に包まれた。能見氏は「久々に投げるので不安もあるが、楽しみ」。高橋氏は「まさかユニホームを着て甲子園の打席に立つとは思わなかった。楽しみです」と語っていた。両軍のレジェンドはファンの歓声を浴び、久しぶりの勝負を楽しんだ。この日も、前日に引き続き両軍が「伝統の一戦」の起源とされる、1リーグ初年度1936年(昭11)のユニホームをモデルにした復刻ユニホームを着用する。昨年は阪神がグレーのビジター用、巨人がホームの白だったが、今季は逆。阪神は白地に薄いタテジマが入った「大阪タイガース」のホーム用で戦い、巨人はグレー基調になる。同プロジェクトは16年から両球団で実施しているもの。8月8日からの東京ドーム3連戦でも着用する。

◆阪神中野拓夢内野手(26)が、3年連続2桁犠打となる送りバントを決めた。初回、近本が中前打を放ち無死一塁とすると、1ボール1ストライクから、きっちりと投手前に転がした。1年目は20犠打、2年目は19犠打を決めているが、過去2年を上回るペース。近本が出て中野がつなぎ、クリーンアップでかえす。その好循環の中で、2番中野のしぶい働きが光っている。【プロ野球 スコア速報】はこちら

◆女優藤間爽子(28)が始球式に登場した。末広がりの意味をこめて、自ら選択した背番号8のユニホームを身につけてマウンドへ。ワンバウンド投球で人生初の始球式を終えた。藤間は「本当に緊張しました。4万人超えの中で試合をする野球選手の皆さんをすごい尊敬します。伝統のある甲子園球場で始球式をやらせていただけることはありがたいですし、ちゃんと(球を)おうちに持って帰りたい。楽しかったです」と感無量の表情だった。藤間は、漫画誌「グランドジャンプ」で連載中の、クロマツテツロウ氏の野球漫画を実写化した、WOWOWの連続ドラマW-30「ドラフトキング」(土曜午後10時)に出演。フリーライター美嶋瞳を演じている。【プロ野球 スコア速報】はこちら

◆巨人坂本勇人内野手(34)が浜風に"先制弾"を阻まれた。6回1死で迎えた第3打席。初球を思い切りよく振り抜き打球は高く舞い上がった。左翼席に入るかと思われた打球は、左翼方向へ吹く強風に流され、わずかに左翼ポールを切れた。審判のファウル判定に、虎党は大歓声。仕切り直しの2球目も打ちにいったが右飛に打ち取られ、手をたたいて悔しがった。

◆今季3度目のスタメン出場となった巨人長野久義外野手(38)がアクシデントに見舞われた。両軍無得点の7回無死一塁、阪神大竹の3球目、内角寄りのカットボールを強振。しかし、遊ゴロ併殺打となった。スイング後、フォロースルーでバランスを崩し、一塁まで走ることが出来ず、ホームベース付近にとどまった。阿部ヘッド兼バッテリーコーチや大久保打撃チーフコーチ、トレーナーらが慌ててベンチから駆け寄り状態をチェック。長野は立ったまま、両ふくらはぎを揺らして自ら状態を確認した。大久保コーチとトレーナーが肩をかそうとしたが、それを制して自らの足で歩いてベンチ裏へ。7回の守備から退いた。

◆巨人フォスター・グリフィン投手(27)が来日後最多の115球の粘投も踏ん張りきれず、5勝目はお預けとなった。立ち上がりの1回、初の甲子園のマウンドで安打と2四球で1死満塁のピンチを招くも、阪神佐藤輝、森下を連続三振に仕留めて無失点で切り抜けた。2回先頭で坂本に安打を浴びるも、以降は力強い直球と得意球のカットボールなど変化球を織り交ぜ、6回終了まで安打を許さなかった。しかし、7回に2四球で2死一、二塁とすると、近本に中前へ先制適時打を許した。続く中野を迎えた2死二、三塁の場面で2番手大江に託すも、大江も中前へ2点適時打を浴びてこの回3失点。グリフィンは6回2/3を投げて3安打3失点(自責2)で5勝目には結び付かなかった。

◆巨人が3週間ぶりの連敗を喫し、4位転落で最大2あった貯金は0となった。先発グリフィンは来日後最多の115球の粘投も踏ん張りきれなかった。立ち上がりの1回、初の甲子園のマウンドで安打と2四球で1死満塁のピンチを招くも、阪神佐藤輝、森下を連続三振に仕留めて無失点で切り抜けた。2回先頭で坂本に安打を浴びるも、以降は力強い直球と得意球のカットボールなど変化球を織り交ぜ、6回終了まで安打を許さなかった。しかし、7回に2四球で2死一、二塁とすると、近本に中前へ先制適時打を許した。続く中野を迎えた2死二、三塁の場面で2番手大江に託すも、大江も中前へ2点適時打を浴びてこの回3失点。グリフィンは6回2/3を投げて3安打3失点(自責2)で5勝目には結び付かなかった。広島がヤクルトに勝利したため、5月20日以来、1週間ぶりに4位に逆戻りとなった。

◆阪神が今季ここまで無敗の土曜日の接戦を制し、今季最長タイの7連勝を飾った。試合前半は阪神大竹耕太郎(27)、巨人フォスター・グリフィン(27)と、両先発が好投。大竹は初回1死一、二塁、グリフィンは初回1死満塁のピンチをともに無失点で切り抜け、2回以降は投手戦となった。阪神は7回1死から好機をつくる。坂本誠志郎捕手(29)が四球で出塁し、木浪聖也内野手(28)が送って2死二塁。代打の渡辺諒内野手(28)も四球を選んで2死一、二塁と好機を広げた。この場面で近本光司外野手(28)が中前に適時打を放ち、決勝点をたたき出した。さらに中野拓夢内野手(26)も、代わった巨人大江竜聖投手(24)から中前への適時打を放って、2点を追加。勝負を決めた。阪神は貯金を今季最大の16に増やし、5カード連続勝ち越し。土曜日は7戦全勝で、デーゲームも7連勝となった。7回無失点と好投の大竹は、キャリアハイの6勝を挙げた。

◆涙の勝ち星だ。阪神大竹耕太郎投手(27)が、2試合連続7回無失点の好投で、キャリアハイとなる6勝目を挙げた。巨人打線を寄せ付けず、6安打、7奪三振。無四球で球数は90球だった。まだ余力はあったはずだ。両軍無得点の7回2死二塁の好機。次打者席に控えていたが、代打を送られた。その後、近本の適時打で先制に成功。大竹はベンチで号泣し、喜びをかみしめていた。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した左腕は、開幕から5戦5勝。前回20日の広島戦も、勝ち星こそつかなかったものの7回無失点の快投だった。巨人との対戦はプロ初だが「伝統の一戦」でも気後れせずストライクゾーンへ投げ込み、凡打の山を築いた。規定投球回にわずか1/3回届かなかったものの、到達していればリーグ断トツの防御率0・40。次回登板からは、古巣ソフトバンクとの対戦可能性もある交流戦に入る。

◆阪神はこの日、今季最多の4万2620人の観客が集まり、京セラドーム大阪と甲子園での主催試合で12球団最速の100万人動員を突破した。阪神は連日、4万人超を集客。今カードの巨人戦でもチケットは3試合ともすべて完売だった。

◆これがオカダの勝負手よ! 阪神岡田彰布監督(65)が、少ない好機で動いた。両軍無得点の7回1死一塁。7回無失点の好投を見せていた先発大竹が次打者席に控える中、8番木浪に送りバントを命じた。木浪はきっちりと決め、2死二塁に。ここで大竹に代打渡辺諒を投入した。渡辺は四球でつないだ。すると2死一、二塁から1番近本が中前適時打で先制。2番中野も2点適時打で続き、大竹に勝利投手の権利が舞い込んだ。前日の試合後、指揮官は「まあ今日は1、2番がな。最後、中野が打ったけど1、2番が全然塁に出なかったから。あんまりそのチャンスを作れんかったいうのはあるけど、まあ、明日は打つやろな、1、2番はな、おーん」と予言していた。ズバリ的中の1、2番の躍動。今季最長タイ7連勝へ前進した。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、2試合連続7回無失点の好投で、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。巨人打線を寄せ付けず、6安打、7奪三振。無四球で球数は90球に到達していた。7回2死二塁の好機で代打を送られると、その後、近本の適時打で先制に成功した。大竹はベンチで涙を浮かべるようなシーンもあった。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した左腕は、開幕から5戦5勝。前回20日の広島戦も、勝ち星こそつかなかったものの7回無失点の快投だった。巨人との対戦はプロ初だが「伝統の一戦」でも臆せずストライクゾーンへ投げ込み、凡打の山を築いた。また、今試合が終了すればチームは45試合を消化。防御率0・40の大竹の投球回は44回2/3で、規定投球回にわずか1/3届かないことになる。

◆阪神加治屋蓮投手(32)がプロ10年目で初セーブを挙げた。1点差に迫られた9回2死走者なしでマウンドへ。打者は代打中田。対右打者の被打率1割台の"右打者殺し"の右腕は「思い切って自分のいつも通りの仕事をやるだけだなと。1発だけ気をつけて、自分はゴロピッチャーなので、自分のボールと誠志郎のサインを信じて、思い切っていきました」。最後は142キロフォークで空振り三振に仕留め試合を締めた。急きょ準備した。3点リードの9回は浜地が1死一塁のところで降板。直後、及川がブリンソンに2ランを浴びていた。加治屋は、及川がマウンドに行った時点でブルペンで準備開始。「中田翔さんに回ったら、いくよってことで」。狙い通りに仕留めた。ソフトバンク時代の同僚でもある大竹の6勝目も守った。「大竹があれだけ、点が入っていた時に喜んでいたのはブルペンのモニターにも映っていた。なんとかチームにも大竹にも絶対勝ちが必要だと思ったので、思い切りいきました」。今季18試合で防御率0・00。頼れる右腕にセーブが舞い込んだ。

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、バッテリーを組み6勝目を導いた大竹耕太郎投手(27)について「淡々と投げているように見えますけど、気持ちはすっごい熱い」と、キャラクターを紹介した。「抑えたい、勝ちたいって欲をすごい感じるので、そこはこっちも責任持って応えないといけないと思うし、その中で点を取って勝ちたいと野手の方も思ってくれるような人間でもあると思う」大竹はこの日、7回無失点。代打を送られた7回裏にチームが先制に成功すると、ベンチで涙を流していた。クールに見えて、熱いやつ-。坂本が言うように、内に闘志を秘めていた。背番号12は「これからも、どれだけ打たれようが抑えようが、そういう熱い気持ちを持って投げてくれることが大事なことだと思うので、それは今後も変わらず、僕もやっていきたいと思います」と語り、クラブハウスへと向かった。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、涙の6勝目を飾った。7回無失点。代打を送られた7回裏、近本光司外野手(28)が先制打を放つと、ベンチで号泣。ヒーローインタビューでは涙の理由を告白した。大竹のお立ち台での一問一答は以下の通り。-無失点投球、何がよかったか「正直、調子は良くなかったんですけど、立ち上がりにヒットを打たれる中で、そこで動じずに後半、尻上がりに投げられたので、そのへんが良かったと思います」-キャリアハイの6勝目「はい。全く意識はないんですけど、今日もいいところで打っていただいた。そのおかげなので僕の力ではないと思っています」-0-0のラッキーセブンに、隣の近本が先制タイムリー「まず、自分のところで代打を送るということで、悔しさもあったんですけど、(代打の)渡辺に頼んだぞ、ということを伝えて、しっかりつないでくれて、それで近本さんが打ってくれて。すごく感動しました」-感動したと。先制点が入った瞬間、涙を流していた「いやなんか。もう、何でしょう。1人はみんなのために。みんなは1人のために。そういうチームプレーを感じたので、思わず出ました」-前回は好投しながら勝ちがつかなかった。今回はうれしかった「そうですね。とにかくチームが勝つことが一番なので。前回も今回もチームが勝ったので、それが一番です」-これからも大竹の男泣きは「横にいる2人がしっかり打ってくれると思うので、また泣きたいと思います」

◆阪神岡田彰布監督(65)が、巨人先発のフォスター・グリフィン投手(27)を絶賛した。7回に近本が先制打を放つまで、助っ人左腕に無失点に封じられていた。「いやいや、もうスコアラーに今日は0点やなと言うてた。あれは打てんよ。いいボール投げるもんな。今日は点、取れんと、スコアラーに言うた。練習前に言うたわ。その通りやん。そらええピッチャーは打てんよ。簡単に取られへんよ」と指揮官。ただ、少ないチャンスをものにし、7連勝を飾った。

◆阪神が今季ここまで無敗の土曜日の接戦を制し、今季最長タイの7連勝を飾った。先発した阪神大竹耕太郎投手(27)が7回無失点の好投で、キャリアハイとなる6勝目を挙げた。打っては近本光司外野手(28)が値千金の中前に決勝の適時打、さらに中野拓夢内野手(26)もダメ押しの2点タイムリーを放った。3投手を投入した9回は、加治屋蓮投手(31)が2死から中田を封じ、プロ初セーブを手にした。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-試合終盤まで息詰まる接戦をものにした「そうね、接戦にしてしまったんだけど(笑い)。最後ね」-7回は両指揮官の思惑が交錯した。昨日、明日は1、2番が打つと話していた近本、中野が打点をあげた「もうね、打ちそうな感じはしたんで、勝負かけるというか、初回ね、チャンスを逃がしたんで。それから全然ね、チャンスらしいチャンスなかったんで。まああそこ、バントでね、渡辺(諒)ね。まあ、ピッチングコーチは大竹をそのままいかせたかったみたいやけどね。まあ、あそこしか勝負かけるとこなかったんで。チャンスがなかったんでね」-大竹は6勝目。どう見ていた「巨人初めて、初対決というか、まあそういう意味で、向こうもね、初めてだけど対策練ってて、初球からどんどん打ってきたりね、そういうのもね、序盤でわかったんで。坂本がうまくね、かわすというかね。持ち味のね、ピッチングで、ヒットは打たれるけどね、点やらないというか。すごくいいピッチングやったですね。あそこ0点で終わってたら勝ち投手なかったんだけど、何とかね。昨日もそうだけど、みんなあそこで点が入ると大竹は勝ち投手つくとわかるんで、そのへんでね、いいところで打ってくれたですね。1、2番がね、やっぱりね」-ゲームセットの後に大竹にどんな声をかけたか「ああ、『良かった』って言うて。『良かった』って。1点やったらね、もう今日は2人を投げさせるつもりはなかったんで、後ろは。なんとか、1人一殺だけど、1点だったら1人一殺だけどね、3点あったから2人ずついってしまったからね」-9回はセーブ経験がない3人が登板した。浜地、及川の継投の意図は?「いやいや、まあ、3点あったんでね、だいぶ楽には、ランナー1人までは思い切って投げられるんで。まあでも、今日の風で最後のホームランだけは予想していなかったね、あれね。あそこになかなか、外国人じゃなかったらいかないかなと、ちょっと思ったんだけどね」-1点差に迫られて加治屋をマウンドに「向こうの代打の順番もね、だいたい分かっていたから。そこはもうね、とにかく1点差でも2点差でも勝てばいいんで、それは最後、中田のところは加治屋を最初から用意していました」-岩崎を使わなかった意図は?「いやいやもう最初から、練習の時から投げさせるつもりはなかったんで。岩崎も今日はグラウンドでゆっくりしてたんじゃないかな。明日は投げさせますよ。明後日(試合)がないんで」-7連勝で貯金16。明日は才木が先発「いやいやもう、才木はね、いいピッチングしてくれると思うんで。ちょっと打つ方がね、それはなかなかね、向こう(の投手)も今日はすごい良かったしね、初めてだったけど、点取れないなというのはビデオ見とって、今日は点を取れんてね。明日は何とか、明日も初めてのピッチャーなんでね、相手も。またね、序盤に1点でも2点でも取れて、後は才木に頑張ってもらいます、はい」(ペン囲み)-7回は近本で勝負になると想定していた「いやいや、それは、おーん、まあ(渡辺諒に)申告敬遠はないかなと思たけど、まあカウント悪なったら歩かされるやろなと思っとったけどな」-読み通りか「まあ、向こうも左ね、1、2番が左やから、左(投手)くるのは分かってるけど、別に左を苦にしないから。だからあそこ、ピッチャーコーチいなかったんよ。代えるつもりやったのに。だからまあ、ねえ、だから、まあ大竹の勝ち星とかもあるけど、ゲーム展開的にはあそこで、そんなチャンスもないしね、あれ逃すとね、向こうも中川とか大勢とかあの辺で来るわけやから、うーん。その前にね、仕掛けないとなかなか点を取れるような状況じゃなかったから、はっきり言うて」-大竹も点が入って感極まってた「そら大竹が一番うれしかったんやろ、祈っとったんじゃない、うーん」-大竹はキャリアハイ「ああそう、おーん。そらまだまだ勝つんちゃう? 6勝どころというかな」-初対戦でも四球なく、ゾーンで勝負できていた「いやいや、初回いきなり初球をな、吉川にあないして打たれて、そら相手も初めてだけど、もう5勝してるわけだから、ずっと抑えてる防御率も0点台のピッチャーだから、その辺は研究をね、当たるのは初めてだけど、それはスコアラーから話で研究してると思うから、そういう意味では、早く(手の内を)見せてくれてよかった。初回から早くに初球からどんどんね、坂本も初球打ってくれたから。そういうことが早くから分かって良かった」-中野のタイムリーも大きい「1点やったら1人一殺やったな。さっきも言ったけど。うーん。やっぱり3点は大きいよ。ピッチャーもな」-浜地は四球を出してなかったら「うん、(最後まで)いってた。いってたよ」-走者を出したから「うん、あれ(梶谷)がファウルやったけど、ホームランでも代えとったけどな。1人出たら代えるつもりやった。ホームランでもまだ1点勝ってるからな」-映像見ている段階からグリフィンはいい投手だと「いやいや、もうスコアラーに『今日は0点やな』と言うてた。あれは打てんよ。いいボール投げるもんな。『今日は点取れん』と、スコアラーに言うた。練習前に言うたわ。その通りやん。そらええピッチャーは打てんよ。簡単に取られへんよ」-先に点を取られると厳しい「そらやばいやばい、球数投げさす言うてもこの間も120球ぐらい投げとるからなあ」

◆今季3度目のスタメン出場となった巨人長野久義外野手(38)がアクシデントに見舞われた。両軍無得点の7回無死一塁、阪神大竹の3球目、内角寄りのカットボールを強振。しかし、遊ゴロ併殺打となった。スイング後、フォロースルーでバランスを崩し、一塁まで走ることが出来ず、ホームベース付近にとどまった。阿部ヘッドコーチや大久保打撃チーフコーチ、トレーナーらが慌ててベンチから駆け寄り状態をチェック。長野は立ったまま、両ふくらはぎをゆらして自ら状態を確認した。そのまま大久保コーチとトレーナーが肩をかそうとするも、それを制して自らの足で歩いてベンチ裏へ。7回の守備からベンチに退いた。試合後、長野は「チームに迷惑をかけてしまい申し訳ないです」と話しながら、しっかりとした足取りで球場を後にした。

◆巨人が甲子園3連敗を喫し、1週間ぶりに4位転落した。3点を追う9回2死一塁の土壇場で、ブリンソンが5号2ランを放つも、あと1点が届かなかった。阪神先発の大竹の前にゼロ行進に抑えられ、攻め手を欠いた。原辰徳監督(64)はブリンソンの1発に「この逆風の中であそこまで入れるんだから並じゃないよね」としつつ、打線全体に「もう少し援護してあげないとね」と発奮を促した。息をのむような投手戦の展開だった。先発のグリフィンが、初回こそ不安定だったが3回以降は3度の3者凡退に抑えるなど修正。ここまで戸郷に次ぐ4勝を挙げている左腕が粘投した。しかし7回に四球絡みでピンチを招き3失点。原監督は左腕を「ナイスピッチングでした」とたたえるも、終盤に均衡が破れ、そのまま逃げ切られた。甲子園での直近3試合では0点、1点、2点と1試合平均1点に封じ込まれた。3週間ぶりの2連敗で、蓄えた貯金はなくなった。「もう少し打線が投手陣を守るようにしないと。今は投手陣が守ってくれているから。そういうゲーム運びにしたいと思います」と原監督。交流戦前最後のゲームで伝統の一戦を制し、弾みをつける。【栗田成芳】

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(29)が"汚名返上打"を決めた。3点を追う9回2死一塁、あと1アウトで試合終了の場面で、阪神及川の148キロ直球を捉えた。逆風を切り裂き、逆方向の右中間席に飛び込む5号2ラン。1点差に迫る1発で意地を見せた。7回の守備では両軍無得点の2死一、二塁、近本の中前の先制適時打をブリンソンが三塁へ悪送球。打者走者の近本の二塁進塁を許し、直後の中野の2点適時打につながった。汚名返上の一打に「風が吹いていたので、センターフライかと思った。なんとか塁に出て走者になれればという意識だった」と振り返った。原監督は「この逆風の中でね、あそこに入れるんだから並じゃないよね。もう少しコンスタントに力を出してくれるとありがたいですね」と安定感のある活躍を期待した。【ブリンソンの汚名返上打まとめ】4月6日DeNA戦(横浜) 2回1死一塁、左中間を真っ二つに割る長打を放つも、一塁走者の岡本和が三塁を回ったところでストップしたのを見ておらず暴走。岡本和は本塁憤死となり、さらに三塁に進塁したブリンソンはチェンジと勘違いしてベースを離れてタッチアウトで"左中間ゲッツー"となった。完封負けを喫したが、チーム最多タイのマルチ安打を放った。5月3日のヤクルト戦(東京ドーム) 5点を追う3回1死、二塁走者としてアウトカウントを間違えて走塁ミスも、4安打2本塁打5打点で勝利に貢献。ヒーローインタビューで「ファンの皆さん愛してる!」と日本語で叫んだ。5月13日の広島戦(東京ドーム) 延長11回に四球で出塁も、塁を飛び出し盗塁死。凡ミスで追い上げムードに水を差したが、同点の延長12回1死満塁、中越え適時打でサヨナラ勝利をもたらした。

◆阪神近本光司外野手(28)が、先制&決勝の適時打を放った。先発大竹に代打を送った7回に勝負を決めた。その瞬間、大竹はベンチで号泣していた。大竹とヒーローインタビューに選ばれた近本は「大竹選手を泣かせましたね」と振られると「そうなんですか?」ときょとん。「全然知らなかったです」と照れ笑いしていた。

◆阪神が「1投手1アウト継投」で試合を締め、今季最長タイの7連勝を飾った。1点リードの9回、まずは浜地真澄投手(25)が登板。先頭の岡本和を遊ゴロに打ち取り、続く代打梶谷に四球を与え降板した。1死一塁で及川雅貴投手(22)にスイッチ。代打丸を二ゴロに打ち取るも、続くブリンソンに2ランを浴び、1点差に迫られた。最後は加治屋蓮投手(31)が登板。2死走者なし、本塁打を浴びれば同点の場面で代打中田翔が登場。それでも「思い切っていく」と、最後はフォークで見逃し三振に仕留めた。チームは湯浅が前日26日に中継ぎで復帰したばかり。代役守護神の岩崎は大型連勝で登板過多となっている。岡田監督には「最初から、練習の時から投げさせるつもりはなかったんで。岩崎も今日はグラウンドでゆっくりしてたんじゃないかな」と、岩崎に休養を与える意図があった。浜地については四球がなければ「(最後まで)いってた、いってたよ」。1点差で加治屋を投入した場面は「向こうの代打の順番もね、だいたい分かっていたから。そこはもうね、とにかく1点差でも2点差でも勝てばいいんで。それは最後、中田のところは加治屋を最初から用意していました」と話した。リリーフが一丸となって接戦を制した。

◆涙を流す後輩をよそに、阪神近本光司外野手(28)は冷静だった。両軍無得点の7回2死一、二塁。巨人グリフィンから先制の中前適時打を決めた。相手失策で二塁に到達しても、表情は変わらない。ヒーローインタビューで大竹がベンチで号泣していたことを聞かされると、ようやく満面の笑みを浮かべて言った。「全然知らなかったです」。岡田監督の勝負手に応えた。7回無失点に抑えた大竹に、直後の攻撃で代打渡辺諒を投入。2死二塁から渡辺諒が四球でつなぎ、回ってきたチャンスだった。岡田監督 あそこしか勝負かけるとこなかったんで。大竹の勝ち星とかもあるけど、ゲーム展開的には中川とか大勢とか、あのへんで来るわけやから。1点を争うゲーム。巨人の終盤の継投を見据え、好投していた先発左腕を切った。そして、選手会長が値千金の一打で報いた。中野も2点適時打で続いた。前日の試合後に「明日は打つやろな、1、2番はな」と、指揮官が予言していた通りの連打が飛び出した。1番打者ながら26打点はリーグ5位タイ。勝利打点「4」で、得点圏打率は両リーグトップの5割だ。勝負強さの要因を問われた背番号5は「不思議ですねえ」と笑うが、心の余裕が背中を押した。近本 (カウント)3-2になった瞬間、楽になりましたね。シングル(単打)でいいやって。4球で追い込まれても、ファウル3つでフルカウントまで持っていった。2死の場面、2人の走者は自動的にスタートを切る。単打でも生還の確率は上がる。「イメージ通りですね」と、自らの粘りで生み出した流れを味方につけた。「そんな簡単じゃないよ...! でも、イメージしていたボールを打てるかどうかだと思うんで」。この日は、それを打ってみせた。クールな顔に戻り取材エリアを後にした男が、頼もしかった。【中野椋】

◆阪神加治屋蓮投手(31)が、通算176試合目の登板でプロ初セーブを手にした。1点差に迫られた9回2死から代打中田の場面で登場。追い込んでからの5球目、内角へ食い込むフォークで見逃し三振を奪取した。今季18試合で防御率0・00の右腕が、プロ入り後から中継ぎ一筋の職人技で、接戦となったゲームに終止符を打った。「(初セーブは)実感はないけど、ああいう形で9回を任せてもらえたことはうれしかった。いつも通り(右封じの)自分の仕事ができてホッとしています」旧知の後輩の姿に心を揺さぶられた。ソフトバンク時代にもチームメートだった先発大竹が、7回の攻撃で近本の先制打で得点が入った際にベンチ前に出て喜びを爆発させていたことをブルペンのモニターで見ていたという。「チームにも大竹にも絶対勝ちが必要だと思ったので、思い切りいきました」と振り返った。最終盤で執念の継投策だった。今週4試合中3試合に登板していた抑え岩崎と、前日26日に1軍復帰登板ばかりの湯浅の2人を温存。代役として浜地を抜てきしたが、1死から代打梶谷に四球を許し、岡田監督は「1人出たら代えるつもりやった」と及川にスイッチ。左腕は2死一塁からブリンソンに右中間への痛恨の2ランを被弾したが「中田(翔)のところは加治屋を最初から用意していた」と、先読みで準備を進めたことが功を奏した。岡田監督は「(7回の得点が)1点やったら(継投は)1人一殺やった」と明かした。また、岩崎については「練習の時から投げさせるつもりはなかった。今日はグラウンドでゆっくりしてたんじゃないかな。明日(28日)は投げさすよ。明後日(試合)がないんで」と笑顔で宣言。強力なブルペン陣が、連勝街道をさらにけん引していく。【古財稜明】▽阪神及川(9回1死一塁から登板し、ブリンソンに右中間への2ランを被弾)「悪かったわけではないですし、しっかりやれることをやった結果かなと今は思っています」

◆阪神中野拓夢内野手(26)が連続試合安打を「15」に伸ばした。7回2死二、三塁から、中前へ2点適時打。「自分の前で近本さんが打ってくれたので、楽な気持ちで打席に入れましたし、後ろにつなぐって気持ちだけを持って打席に立ったんで、その結果いいタイムリーが打てたかなと思います」。自己最長の連続試合ヒットをさらに更新。終盤に貴重な2点をたたき出した。出塁だけではなく、打点も稼ぐ。21打点として佐藤輝、大山、近本、ノイジーに続いて20点台をクリアした。チャンスをつくり、チャンスを実らせる1、2番だ。「狙い球をしっかりと絞れている結果が、今年に関しては得点圏で打てる要因かなと思っています。下位から上位にチャンスがとても多く回ってくるので、近本さんと一緒に走者をかえせれば」。打撃上位10人中、6~8位が近本、中野、8番を打つ木浪で、10位に4番の大山がランクイン。相手に息つく暇を与えない攻撃力で、切れ目なく打ってかえせる打線を形成している。【堀まどか】○...坂本が先発大竹と7度目のバッテリーで6勝目を導いた。6回2死一塁ではオール直球で巨人岡本和を中飛に仕留め「変化球を狙ってるんじゃないかという大竹の考えもあって。そういうのをすごい見てくれる」とたたえた。左腕の涙については「淡々と投げているように見えますけど、気持ちはすっごい熱い」とキャラクターを語った。自身は7回に四球で出塁し先制のホームイン。10打席ぶりの安打を含む今季4度目のマルチ安打を放った。○...木浪が犠打で先制点をアシストした。7回1死一塁で、巨人グリフィンの1ストライクからの2球目をしっかり転がし、2死二塁に。代打渡辺諒も四球で続き、近本の先制打につなげた。「(グリフィンに)すごくいいピッチングで抑えられていたんで。渡辺の四球もすごく大きかった。上位の2人がすごく打ってくれているので、そこにどう回すかっていうのを考えてやっています」と近本ら上位打線への信頼を語った。○...渡辺諒が四球で好機を広げた。7回2死二塁で、大竹の代打で登場。グリフィンから四球を選び、近本の先制打につなげた。中堅・ブリンソンの悪送球もからんで一気に三塁を陥れ、中野の適時打で2点目のホームへ。「外野も前進していたので、普通のヒットではかえれないと思いますし、チカさん(近本)にいい形でつなげられればと思って打席に立ちました」と役割を果たした。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、2試合連続7回無失点の好投で、キャリアハイとなる6勝目を挙げた。巨人打線を寄せ付けず、6安打、7奪三振。無四球で球数は90球だった。両親も泣いていた。阪神大竹の父紳一郎さん(63)と母和子さん(61)は移籍後、2度目の甲子園現地観戦をした。7回の劇的な場面に涙した息子の姿を見て、2人も思わずつられた。「私たちも、この時は涙がジワリと出てきました」。母は「冷静というかクールだけど、心の中は感受性が豊か」と息子の内面を語る。見た目では静かに見える印象だが、うれしい時、楽しい時、悲しい時もハートの熱さからか、感情があふれる。ソフトバンク時代では、マウンドで力を発揮できない日々も。「自分たちも、その姿を見てつらかった」。人前ではあまり泣かない大竹が、裏で悔し涙を流す姿を何度も見てきた。移籍後、大竹は歯車がかみ合うように、成績を着実に積み上げてきた。家族はその姿が何よりもうれしい。「お天気も雨が降らなくてよかったです。いい試合を現地で見られてとてもうれしい」と和子さん。孝行息子とともに勝利を分かち合った。【阪神担当=三宅ひとみ】

◆涙のキャリアハイ到達! 阪神大竹耕太郎投手(27)が、プロ初となる巨人戦で7回6安打無失点で12球団トップの6勝目を挙げた。降板後、7回の攻撃で近本、中野の適時打で得点を挙げると、ベンチの左腕は感極まった。昨年の現役ドラフトで加入し、前回登板に引き続き、17イニング連続無失点と無双状態が止まらない。今季最多観客の甲子園で、シーズン主催100万人も突破。破竹の7連勝で、12球団最速の30勝に一番乗りした。ベンチから見つめるグラウンドがぼやけた。7回2死一、二塁、欲しかった先制点が入り、ベンチから飛び出して喜んだ後、目から涙がこぼれ落ちた。自然と、仲間の奮闘に心を揺さぶられた。大竹は「1人はみんなのために。みんなは1人のために。そういうチームプレーを感じたので思わず出ました」。これまで経験したことのないうれし涙を、タオルで懸命にぬぐった。文句なしの力投だった。プロ初の巨人との伝統の一戦。「相手どうこうというより、まずは自分の投球を」と貫いた。初回に得点圏に走者を進めるも大城卓を2球で追い込み最後はチェンジアップで空振り三振。3回は吉川、坂本を含む3者連続三振とつけいる隙を与えなかった。「調子が悪いながら、しっかり低めに投げられた」。これで17イニング連続無失点。規定投球回に1/3イニング届かなかったが、防御率0・40と"隠れ1位"だ。ヒーローインタビューでは泣かされた近本、中野にもっと泣かせてと要求。「次も2人がしっかり打ってくれると思うので、また泣きたいと思います」と笑った。岡田監督も無傷の6勝目を挙げた左腕に「すごくいいピッチングやった。そらまだまだ勝つんちゃう? 6勝どころというか」と期待大。今季最多4万2620人の観客が集まり、12球団最速の100万人動員を突破した試合に花を添えた。チームは今季最長タイの7連勝で貯金は16。5カード連続の勝ち越しで12球団最速で30勝に到達した。土曜7戦全勝。2位DeNAとの差を今季最大6ゲーム差とした。ハッピーサタデーの立役者である背番号49は「1年間投げることが先発として大事。一気に火がバッとついて消えるような投手にはなりたくない」。現役ドラフトで虎の一員になった左腕が、涙のストーリーを紡いだ。【三宅ひとみ】

◆阪神が7連勝で両リーグ30勝一番乗り。阪神にとって開幕45試合目で30勝到達は37年秋の36試合目、39年春の39試合目、47年の43試合目に次ぎ、03年に並び4番目のスピード。両リーグ30勝一番乗りは03、21年に次いで3度目になる。これで阪神は11日から7連勝→●→7連勝。月間2度の7連勝以上は16年5月のソフトバンク(8連勝を2度)以来だが、セ・リーグでは68年8月の阪神以来、55年ぶり2度目。68年阪神は7日から7連勝→●→9連勝と、18日中日戦の黒星を挟み17試合で16勝した。

◆阪神が今季最多観客の甲子園で破竹の7連勝。12球団最速の30勝に一番乗りした。阪神は今季デーゲームで11勝2敗1分け、勝率8割4分6厘。5月3日中日戦からの連勝を7に伸ばした。また土曜日の試合では7戦全勝である。今月の阪神は17勝目。月間17勝以上は、球団では21年4月の17勝以来9度目。チーム最多は19勝で64年8月と68年8月の2度。残り3試合に全勝すれば更新だ。セ・リーグ最多は21勝で53年9月の巨人、54年8月の中日。プロ野球最多はソフトバンクが20年10月に記録した22勝。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は大竹耕太郎投手(27)が開幕6連勝を懸けて先発する。ここまで規定投球回数未到達ながら防御率0・48と抜群の安定感を誇る左腕が、チームの7連勝と両リーグ最速の30勝を導く。

◆巨人は長野久義外野手(38)が「6番・右翼」で今季3度目の先発となった。広島から復帰した長野は4月26日の阪神戦(甲子園)の八回に代打で1号3ランを放った。今シリーズは「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」として、1936年のデザインをモデルとした復刻ユニホームを着用してプレーする。

◆プレーボールに先立ち、「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~ supported byほけん見直し本舗」の特別イベントとして阪神OBの能見篤史氏(43)と巨人OBの高橋由伸氏(48)による1打席対決が行われた。2人は「伝統の一戦」の起源とされる1936年の復刻ユニホームを着て登場。2人の名前がコールされると、球場中から大きな拍手が起こった。対決は2ボールの後、3球目を高橋が打つもファウル。続く4球目を捉え、打球は右翼を守っていたボールボーイにキャッチされた。高橋は「能見くんとは現役時代も何度も対戦していて、楽しかったです。左投手をどう打つのかというところを見せられた」と笑顔。能見は「完璧に打たれました」と振り返った。

◆巨人OBの高橋由伸氏(48)と阪神OBの能見篤史(43)が始球式に登場し、1打席対戦で甲子園を盛り上げた。「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」として開催される今シリーズの企画として実施され、両氏も選手たちと同様に復刻盤ユニホームで登場した。高橋氏は左翼席の巨人応援団から現役時代のヒッティングマーチでエールを送られ、能見氏の4球目、124キロを捉えて右翼深部へライナーで運んだ。これが勝利の判定となり、高橋氏は「本当に楽しかった」とニッコリ。打たれた能見氏は「完璧に打たれました」とうなった。

◆阪神・大竹耕太郎投手(27)が先発し、一回のピンチを脱出した。先頭の吉川に初球を右前に運ばれると、1死後には3番・秋広に変化球を軽打され、中前打で一、二塁のピンチを招いた。それでも試合前時点で防御率0・47の左腕は落ち着いていた。一発のある4番・岡本和を142㌔で右飛に仕留めると、大城卓は142㌔直球をストライクゾーンに通して2球で追い込み、最後はチェンジアップを選択。外角低めに沈めて力ないスイングをさせ、空振り三振に抑えて無失点で発進した。

◆阪神が一回の好機を逃した。先頭の近本が中前打を放つと、中野が犠打で手堅く送って1死二塁。ノイジー、大山が連続四球で満塁とした。しかし、5番・佐藤輝が空振り三振に倒れると、D1位・森下(中大)も連続で空振り三振。巨人の先発・グリフィンを初回から打ち崩すことはできなかった。

◆プレーボールに先立ち、女優の藤間爽子(28)が始球式を行った。「本当に緊張しました。こんなに伝統のある甲子園球場で始球式させていただいて、楽しかったです」藤間は「末広がりなので」と自ら選んだ背番号「8」のユニホームを着用してマウンドへ。セットポジションから投じた1球は、ワンバウンドしてミットに収まった。「結構距離が、思っていたよりもあるんだなというところで。ワンバウンドしてしまったんですけど、気持ちよく投げられたかなと思います」と笑顔で振り返った。藤間はクロマツテツロウ氏の野球漫画を実写化した、WOWOWの連続ドラマW-30「ドラフトキング」(土曜午後10時)に出演中。女優業と並行して日本舞踊の紫派藤間流家元を襲名し、3代目藤間紫としても活動している。「次はバウンドしないで投げられたら」とリベンジを誓った。

◆巨人・長野久義外野手(38)が0-0の七回無死一塁の打席でスイング後にバランスを崩して転倒した。下半身にアクシデントがあったとみられ、立ち上がっても一塁へ走り出せなかった。遊ゴロ併殺打となって歩いてベンチに引き揚げたが、直後の守備で交代した。

◆阪神・大竹耕太郎投手(27)が先発し、7回無四球6安打無失点と好投した。2安打で招いた一回1死一、二塁のピンチで岡本和と大城卓を打ち取ると、続けて先頭に安打を許した二回も門脇を二ゴロ併殺に仕留める立ち上がり。グリフィン、吉川、坂本から三者連続三振を奪った三回からは3イニング続けて無安打投球を続けた。2死から秋広に左前打を浴びた六回はフルカウントから岡本和を141㌔直球で中飛に打ち取ってガッツポーズ。先頭の大城卓に右前打を浴び、相手が代走・増田大を繰り出して仕掛けてきた七回も、長野を遊ゴロ併殺を打たせるなどして7個目のゼロを刻んだ。速球で厳しく内角を突き、ツーシームやブレーキの効いたチェンジアップなどもテンポよく投げて凡打の山を築いた。無四球で、奪った三振もソフトバンク時代の2019年7月15日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)に並ぶ自己最多の7つ。七回の攻撃で2死二塁のチャンスが生まれて代打・渡辺諒が送られたが、四球で一、二塁となってから近本が中前へ先制打を放つと大喜び。ベンチに戻ると、号泣した。ここまで開幕から6試合登板で5勝無敗。今回も好投し、勝ち投手の権利が発生した。

◆阪神が0-0の七回、近本光司外野手(28)、中野拓夢内野手(26)の適時打で3点を先制した。1死から坂本が四球で出塁し、続く木浪が犠打を成功させて2死二塁。岡田監督は7回無失点の先発・大竹の打順で、代打・渡辺諒を送った。渡辺諒は一度もバットを振ることなく四球を選び、打順は1番・近本へ。追い込まれたあとファウルで3球粘り、巨人・グリフィンの9球目を中前へ運んだ。「打ったのはツーシーム。四球や送りバント、みんなが繋いでくれた打席だったので自分もなんとか後ろにという思いでした。先制のタイムリーになってくれてよかったです」。試合前まで得点圏打率・500(36打数18安打)だった近本は、二回2死二塁の場面では一ゴロに倒れていたが、ラッキーセブンの一打で再び得点圏打率・500に戻した。勝負強いリードオフマンの一打で均衡を破ると、続く中野も2死二、三塁で中前打を放ち、走者2人が生還した。「打ったのはストレート。2アウト満塁だったら...と思いながらネクストで準備していました。近本さんがランナーを返してくれたので楽な気持ちで思い切って打ちにいくことができました」。一気にリードを3点に広げ、7連勝に前進した。

◆阪神が白熱の投手戦を制した。阪神の先発・大竹耕太郎投手(27)は7回6安打無失点の力投。一回1死一、三塁のピンチは岡本和を右飛、大城卓を空振り三振に仕留め、立ち上がりを無失点に抑えると、テンポ良く投げ込み、スコアボードにゼロを並べた。七回は先頭の大城卓に右前打を浴びるも、長野を遊ゴロ併殺に仕留め、味方の援護を待った。打線は0-0の七回1死から坂本が四球で出塁。木浪が犠打で2死二塁の好機を作ると、大竹に代打・渡辺諒が送られた。渡辺諒は四球で一、二塁。1番・近本が中前適時打を放って、大竹に勝ち投手の権利をもたらすと、中野が2点中前打を放ってリードを広げた。大竹は今季6勝目をマーク。九回は浜地、及川で2点を失うも、最後は加治屋がなんとか試合を締めた。チームは今季2度目の7連勝で、両リーグ最速の30勝に到達。貯金は16となった。

◆7連勝で貯金「16」とした阪神が両リーグ最速の30勝到達。七回2死一、二塁、近本光司外野手(28)が均衡を破る中前適時打、さらに中野拓夢内野手(26)も中前に2点打を運んだ。7回無失点の大竹耕太郎投手(27)は無傷の6連勝でハーラー単独トップに浮上した。九回は岩崎優投手(31)を温存し、小刻みな継投。浜地真澄投手(25)が1死から四球を与えれば、及川雅貴投手(22)にスイッチ。2死後にルイス・ブリンソン外野手(29)に2ランを浴びると、最後は加治屋蓮投手(31)が締めて初セーブを挙げた。観衆は4試合連続で今季最多を更新。クリーンアップ無安打でも、チームは5カード連続勝ち越し。月間17勝の岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=30勝14敗1分、観衆=4万2620人)。★テレビインタビュー編(抜粋)ーー息詰まる接戦をモノにした「そうね、接戦にしてしまったんだけど(笑)最後ね」ーー岩崎を使わなかった「最初から、練習の時から投げさせるつもりはなかったんで。岩崎も今日はグラウンドでゆっくりしてたんじゃないかな。明日は投げさせますよ。明後日がないんで」★囲み編ーー七回は近本で勝負になると想定していた「まあ(渡辺諒に)申告敬遠はないかなと思たけど、おーん、まあカウント悪なったら歩かされるやろなと思っとったけどな(七回2死二塁で渡辺諒は四球)」ーー読み通り「1、2番が左やから、左(投手)くるのは分かってるけど、別に左を苦にしないから。大竹の勝ち星とかもあるけど、ゲーム展開的にはあそこで、そんなチャンスもないしね、アレ逃すとね、向こうも中川とか大勢とか来るわけやから。その前にね、仕掛けないと点を取れるような状況じゃなかったから、はっきり言うて」ーー大竹も点が入って感極まってた「そら大竹が一番、嬉しかったんやろ。祈っとったんじゃない? うーん」ーー大竹はキャリアハイ「ああそう、まだまだ勝つんちゃう?」ーー初対戦でも四球なく、ゾーンで勝負できていた「初回いきなり初球をな、吉川にあないして打たれて(右前打)。相手も初めてだけど、もう5勝してるわけだから、ずっと抑えてる防御率も0点台のピッチャーだから。当たるのは初めてだけど、スコアラーから話で研究してると思うから、そういう意味では、早く(手の内を)見せてくれてよかった。初回から坂本も初球打ってくれたから。そういうことが早くから分かって良かった」ーー中野のタイムリーも大きい「1点やったら、(九回は)一人一殺やったな。さっきも言ったけど。やっぱり3点は大きいよ」ーー浜地は四球を出してなかったら「行ってたよ」ーー走者を出したから「アレ(梶谷)がファウルやったけど、ホームランでも代えとったけどな(結果は四球)。1人出たら代えるつもりやった。ホームランでも、まだ1点勝ってるからな」ーー映像見ている段階からグリフィンはいい投手だと「もうスコアラーに今日は0点やなと言うてた。アレは打てんよ。いいボール投げるもんな。今日は点取れんと、スコアラーに言うた。練習前に言うたわ。その通りやん。エエピッチャーは打てんよ。簡単に取られへんよ」

◆巨人・長野久義外野手(38)が七回無死一塁の打席で打球を放った後にバランスを崩して転倒し、一塁へ走り出せず遊ゴロ併殺打を喫した。直後の守備で退けた原監督は「交代はやむを得ないところだろうけど大丈夫。(脚を)つったみたい」と説明し、長野は「大丈夫です」と話した。

◆巨人の新外国人、ルイス・ブリンソン外野手(29)が5号2ランで零敗を阻止した。3点を追う九回2死一塁で甘く入った直球を捉え、風に乗った打球は中堅右に吸い込まれた。「中飛だと思っていた。入ってよかった」と安堵(あんど)。最近は頭が動かないようにノーステップ打法を取り入れており「球をしっかり見ることを意識している」と狙いを語った。

◆阪神が7連勝で貯金を今季最多の16とし、両リーグ最速の30勝に到達した。7回無失点の大竹耕太郎投手(27)は無傷の6連勝でハーラー単独トップに浮上。試合後、七回に先制打を放った近本、2点打を放った中野とお立ち台に上がった大竹の一問一答は以下の通り。--ナイスピッチング「ありがとうございます」--無失点投球、何がよかった「正直調子はすごい良くなかったんですけど、立ち上がり、ちょっとヒット打たれる中で、そこで動じずに後半尻上がりに投げられたので、そのへんが良かったと思います」--キャリアハイの6勝目です。そのあたりの意識は「はい。全く意識はないんですけど、今日もいいところで打って頂いた。そのおかげなので僕の力ではないと思っています」--0-0のラッキーセブンに隣の近本選手が先制タイムリー「まず自分のところで代打を送るということで、悔しさもあったんですけど、渡辺(諒)に頼んだぞというところを伝えてしっかりつないでくれて、それで近本さんが打ってくれて。すごく感動しました」--感動したと。先制点が入った瞬間、ベンチで涙を流していた「いやなんか。もう、何でしょう。1人はみんなのために。みんなは1人のために。そういうチームプレーを感じたので、思わず出ました」--前回は好投しながら勝ちがつかなかった。今回はうれしかった「そうですね。とにかくチームが勝つことが一番なので。前回も今回もチームが勝ったので、それが一番です」--これから大竹の男泣き「横にいる2人がしっかり打ってくれると思うので、また泣きたいと思います」※隣の近本は「大竹選手を泣かせた」とインタビュアーに振られ、「そうなんですね。いや、全然知らなかったです」と苦笑い。

◆〝中田翔を抑える〟とイメージし、準備を進めた。だからこそ、緊迫した場面、突然の登板にも動じない。1イニングで3投手をつぎ込んだ継投を阪神・加治屋が締め、うれしいプロ初セーブだ。「(初セーブの)実感はあまりないですけど、九回のあの場面を任せてもらえたのはうれしかった。自分の仕事ができてほっとしています」3-0で迎えた九回。勝利をほぼ確信していた虎党が不安に襲われる。イニングの頭を任された浜地が1死から四球で交代。続く及川は二ゴロで2死一塁とした後、ブリンソンの2ランで1点差にまで迫られた。岡田監督がベンチを出る。この回、3度目の投手交代。祈る虎党から声援を受け、加治屋がマウンドに向かった。「(準備は)及川が登板してから。『中田翔に回ったらいくよ、あと一人任せた』と」。想定通り、打席には代打・中田翔。同点の一発は許さないと腕を振った。最後は胸元に142キロフォークをズドン。見逃し三振に斬り、プロ10年目で初めてセーブをあげた。前回登板の25日、ヤクルト戦(神宮)は、1点リードの八回2死一、三塁を任されるも、ボークでまさかの失点。そんな悪夢を一発で払拭した。何より、先発の大竹はともにソフトバンクから虎にやってきた盟友だ。「点が入ったときに大竹があれだけ喜んでいたのはブルペンのモニターにも映っていた。チームにも大竹にも、絶対に勝ちが必要な場面だったので思い切りいきました」18試合の登板で防御率0・00と頼もしい。どんな場面でも託せる右腕が、虎ブルペンを支えている。(原田遼太郎)

◆大竹の涙を無駄にはしない。阪神・中野が2点中前打で勝利をグッと手繰り寄せた。「近本さんが先制点をとってくれたので、楽な気持ちで打席に入れた」近本の一打で先制した直後の七回2死二、三塁の好機。大江の139キロ直球をはじき返した。中前に弾む2点打で大竹の涙腺はさらに崩壊。虎の先発左腕にしっかりと勝ち星を届けた。15試合連続安打で今季21打点とし、チームとしては5人目の打点20点台に到達。「狙い球を絞れている結果が得点圏で打てている要因」とうなずいた。「連勝をとめずに交流戦に入れれば、もっともっといい状態でいける。あしたもこういう接戦をモノにできるようにやっていきたい」チャンスメークもできる。走者もかえせる。近本と形成する最強1、2番コンビが、これからも虎党に歓喜の涙をもたらしていく。(原田遼太郎)

◆鋭い眼光を向けた投手の足元へ、白球を弾き返した。その勝負強さで大竹の涙まで呼び込んだ。阪神・近本がイメージ通りの粘り打ちで、試合の均衡を破る先制打。得点圏の鬼がまた大仕事だ。「なんとか3―2までいって、ヒットになったら、なんとか1点入るなと。楽な気持ちで(打席に)入りました」1点を奪うため、カウントの進め方まで計算して打つ離れ業を見せた。0―0の七回2死一、二塁。4球で2―2になった後、ファウルで3球粘った。「3―2まで持っていかないと、シングル(ヒット)では外野も前にいたので」。走者がスタートを切るカウントになれば、単打でも1点を奪える。8球目がボールになり、心に余裕が生まれた。「じゃあシングルでいいや」と続くツーシームを捉えて中前へ。二走が狙い通り生還した。この回で代打を送られた先発の大竹は、近本の奮起に涙。対照的に、今季最多4万2620人が歓喜の声を挙げた。また得点圏で結果を残し、得点圏打率は両リーグトップの・500(38打数19安打)をキープ。七回以降なら得点圏打率・615(13打数8安打)と、試合を左右する終盤ではさらに頼もしい。チャンスに動じない勝負強さは、日々の準備のたまものだ。試合前練習では、野手でひとり中堅の最後方に向かってストレッチし、外野をダッシュ。フリー打撃では必ず緩いボールを打ち始め、途中で球速を変える。これらを近本は「ルーティンではなく準備」と話した。「意味がなくてもやるルーティンと違って、野球の中でやる所作や動作は、全て準備に入る」と徹底し、積み重ね、今の近本を形作った。「あしたもまだまだ...。えー、あしたも...何言おう。頑張ります!」ヒーローインタビューの最後は、少しモゴモゴと言葉を詰まらせて誓った。同じタテジマの背番号「5」を背負った先輩、新庄剛志(現日本ハム監督)がかつて言った〝2文字〟を、寸前で回避した。「〝あれ〟は、口にしない方がいいと思った。『あっ、ダメ』って思いました。僕のせいじゃないです」笑顔で振り返り、球場を後にした。どこまでも気が回る選手会長に導かれ、2度目の7連勝。こんなに勝負強いリードオフマンがいれば、きっと「あしたも勝つ」。(邨田直人)

◆相手ベンチの思惑を読みとり、自軍の戦力を見極めて-。すべては阪神・岡田監督の手の中にあった。七回に仕掛けた采配がズバっとハマり、両リーグ最速で30勝に到達だ。ロースコアの展開になるのも想定通り。あとはもう勝負手を繰り出し、活路を切り開くだけだった。「大竹の勝ち星とかもあるけど、ゲーム展開的にはあそこ(七回)で、そんなチャンスもないしね。あれ逃すとね。向こうも(リリーフの)中川とか大勢とかあのへんで来るわけやから。その前にね、仕掛けないとなかなか点を取れるような状況じゃなかったから、はっきり言うて」0-0の七回1死で坂本が四球を選び、木浪がバント成功。2死二塁とし、無失点投球の大竹に代打・渡辺諒を送った。「ピッチングコーチは大竹をそのままいかせたかったみたいやけどね。まあ、あそこしか勝負かけるとこなかったんで」。迷わず動いた。四球で一、二塁とチャンスが拡大し近本、中野が決めた。26日の試合後に4タコの近本、2安打を放つも得点に絡まなかった中野について、「明日(27日)は打つやろな、1、2番はな」。指揮官が口にしていた〝予言〟もズバッと的中した。巨人先発のグリフィンは、打ちあぐねると読んでいた。「あれは打てんよ。いいボール投げるもんな。『きょうは点取れん』とスコアラーに言うた。練習前に言うたわ」。そんなゲームだからこそ、ここだと見れば思い切って攻める。そうして白星をつかませた大竹には、勝利の整列後「よかったな」と優しくほほえんで声をかけた。ギリギリの状況でこそ勝負師としての勘がさえわたる。眼光鋭く流れを見極める指揮官が、ベンチの奥から快進撃を導く。(新里公章)

◆七回2死二塁の場面で大竹の代打として登場した阪神・渡辺諒が四球をもぎ取り、先制点につなげた。「本当に大竹も頑張っていたので。チカさん(近本)にいい形でつなげられればと思って打席に立ちました」。大竹も「しっかりと代わった代打がつないでくれて。単純に気持ちの面ですごく感じるものがありました」と感謝する。渡辺諒の〝目〟が、大竹の目に光るモノをもたらした。

◆2試合ぶりに先発マスクをかぶった阪神・坂本が大竹を好リードで導いた。「(大竹は)あまり調子よくなかったけど、よくない中でゲームを作ってゼロに抑えるのが長所。良さをまず出していこうとやっていた」。今季4度目の複数安打と打棒でも魅せると、七回の第3打席は四球を奪って先制劇をお膳立て。「淡々と投げているように見えて気持ちはすごく熱い。そこは責任を持って応えないといけない」と攻守で大竹の力投に報いた。

◆大竹の後を受けた阪神・岩貞が、八回を無失点で投げ抜いた。先頭の代打・ウォーカーをスライダーで空振り三振に抑え、1番・吉川は二ゴロであっという間に2死。坂本には四球を与えたが、秋広も二ゴロに打ち取って巨人の上位打線を封じた。今月13試合目の登板できっちり役割を果たし、「点を取った後の大事なイニングで、しっかり抑えられてよかった。大竹がナイスピッチでした」と先発をたたえた。

◆26日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた阪神・桐敷が一夜明け、「そんなに寝られなかった。野球を今まで見ていなかった人たちからも連絡がきた」と声を弾ませた。7回5安打1失点と好投し、祝福の連絡は100件以上届いた。「今までそういうことはなかった。チームの一員になった、ではないですけど、そういう実感が湧きましたね」。節目の1勝を飛躍につなげる。

◆阪神は巨人に3-2で勝利し、5月2度目の7連勝で今季最多の貯金「16」とした。両リーグ最速、球団最速タイの45試合目で30勝に到達。立役者の大竹耕太郎投手(27)は、近本光司外野手(28)のV打が飛び出した直後、ベンチで思わず号泣し、7回無失点でハーラー単独トップに立つ無傷の6連勝をつかんだ。2位のDeNAが敗れ6ゲーム差。泣けるほど強い! 強すぎる!!二遊間を破っていった勝利への軌道に、大竹は大はしゃぎでベンチ前へ飛び出した。ひと呼吸置き腰を下ろすと、今度は両目からあふれ出る熱いモノを止められなくなった。代打を送られて、信じ、願って声を張った七回。頼もしい仲間たちが勝ち投手にしてくれた。チームを両リーグ最速の30勝に到達させる、自己最多&リーグ単独トップの6勝目だ。「立ち上がりにヒットを打たれる中で動じずに、後半は尻上がりに投げられたので、そのへんが良かったと思います」果敢に振ってくる巨人打線の意図を感じ取り、「抑えようという気持ちが強すぎたので、やる気を削ぐ感じで」と逆手に取った。グリフィンとの投手戦にも一歩も引かない。七回、先頭・大城卓に安打され代走の増田大を送られた勝負どころも、落ち着き払って長野を遊ゴロ併殺に斬った。

◆巨人は2連敗で貯金を使い果たし、4位に転落した。原辰徳監督(64)は前日に続いて拙攻が重なった攻撃を嘆いた。「もう少し打線が投手陣を守るようにしないと。今は投手陣が守ってくれているから。なかなか援護できないところですね」一、二、七回に先頭打者が出塁したが、全て強攻策で無得点。七回は代走の切り札・増田大を投入して勝負に出たが、長野が遊ゴロ併殺に倒れた。反撃は九回2死でブリンソンが放った5号2ランのみ。七回に2失点を許した先発のグリフィンは責められない。停滞気味の打線に〝起爆剤〟を投入する。この日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦(ジャイアンツ球場)で4号ソロを含む2安打をマークし、40試合でリーグトップの打率・361と絶好調のD2位・萩尾(慶大)が、28日にプロ初昇格することが判明した。さらに同打率・292、出塁率・458の北村拓、同打率・305の香月も今季初昇格する。新たな風を吹かせ、交流戦前のラストゲームを勝利で飾る。(谷川直之)

◆分かりやすく采配に「吉凶」が出た。七回の攻防が明暗を分けたね。原監督は先頭の大城卓が右前打で出ると、代走に増田大。続く長野に打たせて遊ゴロ併殺となった。普通の強攻策なら、まず代走という細工をする必要はない。それ以前に前半ならいざしらず、0-0の終盤。常識的に送りバントだ。右打ちに徹したり、小技の利いたりする打者ならいざしらず、どう見ても送りバントだ。その裏の阪神・岡田監督は、1死から坂本が四球で出ると3割打者の木浪に送りバントをさせた。代打・渡辺諒は四球でチャンスに強い近本に回ると巨人のバッテリー、内野陣、コーチがマウンドにわさわさ集合。この時点で重圧にさいなまれて勝負アリだったね。相手にいかにプレッシャーを与えるか。1点を争うゲームとなれば、なおさらそのシチュエーションづくりは必須。阪神に大きく離され、何とかしようという原監督の気持ちも分からないではないけど、チームが上昇するまではオーソドックスにいくべきだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神タイガース、7連勝のおかわりやー!! この15試合は○○○○○○○●○○○○○○○。大相撲ならアレ(優勝)やんか~、ドスコイ!!ソフトバンクから現役ドラフトで縦ジマのユニホームを着た先発大竹が、キャリアハイの6勝目に思わず涙をビエ~ン。今の阪神は強いだけじゃなくて『愛』にあふれているのだ。だって、先発投手を見殺しにしないも~ん!!七回まで巨人打線を無失点に抑えた大竹にその裏、白星をつける3得点。前日も若虎左腕、桐敷が7回1失点の快投を演じていたのに援護なし...なんてさせるかいなと、2点を奪ってプロ初勝利をプレゼントする猛虎愛が美しい~!! 大竹同様、全国の虎党も涙、涙の連勝なのだ。プロ10年目で初セーブの加治屋も玄人好みの職人でお見事!! さ、交流戦まで1試合、原監督は前日好投の横川を、そして本日も好投グリフィンの女房役、大城卓を交代させてくれたし、第3戦もいただきまっせ~!!

◆伝統の一戦、第2ラウンド。午後2時の試合開始に合わせて読売テレビにチャンネルを合わせると、Bリーグプレーオフ決勝の中継が延長されていた。おいおい、と思いながらも、手に汗握る熱戦にすぐに引き込まれた。千葉ジェッツ─琉球ゴールデンキングス。互いにリードを許しては追い付く展開で77─77でタイムアップし、延長戦に突入した。5分間の延長でも一進一退の攻防が続き...というところで中継が終了。阪神─巨人が25分遅れで始まった。いやいや、それはないで...。ようやく待っていた放送内容になったのにもかかわらず、フラストレーションが爆発してしまった。ただ、本来の番組編成を考えれば、これ以上開始を遅らせるわけにはいかなかったのだろう。バスケットボール中継の最後に誘導があった、YouTubeでの生配信に切り替えて、2度目の延長戦の末に琉球の勝利を見届けられたのは良かった。今年の天皇杯決勝の再戦となった千葉J─琉球。2016年開始とBリーグの歴史はまだ浅いけれど、今後、伝統の一戦になっていきそうだ。〝本家〟の方も試合開始前から盛り上がっていた。『伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~』と銘打たれた中での第2戦では、能見篤史氏と高橋由伸氏による「OB一打席対決」が行われた。ともに復刻版ユニホームに袖を通して登場。結果は、ボール、ボール、ファウルからの4球目を捉えられたが、右翼を守っていたボールボーイがキャッチした。能見氏は「完璧に打たれました」と振り返ったが、トラ番・須藤佳裕はその投球術にうなっていた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
30141 0.682
(↑0.008)
-
(-)
98185
(+3)
130
(+2)
25
(-)
23
(-)
0.253
(↓0.001)
2.680
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
23191 0.548
(↓0.013)
6
(↓1)
100175
(+2)
165
(+3)
41
(-)
8
(-)
0.264
(-)
3.650
(↑0.01)
3
(1↑)
広島
23220 0.511
(↑0.011)
7.5
(-)
98162
(+4)
155
(+1)
32
(-)
19
(-)
0.249
(-)
3.130
(↑0.05)
4
(1↓)
巨人
23230 0.500
(↓0.011)
8
(↓1)
97176
(+2)
191
(+3)
51
(+1)
11
(-)
0.251
(↓0.001)
4.020
(↑0.04)
5
(-)
ヤクルト
17272 0.386
(↓0.009)
13
(↓1)
97159
(+1)
192
(+4)
42
(-)
27
(-)
0.230
(-)
3.830
(↓0.01)
6
(-)
中日
17280 0.378
(↑0.014)
13.5
(-)
98122
(+3)
146
(+2)
18
(+2)
10
(-)
0.241
(↑0.002)
2.890
(↑0.02)