1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 4 | 7 | 10 | 0 | 3 |
ヤクルト | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | 7 | 0 | 1 |
勝利投手:及川 雅貴(2勝1敗0S) 敗戦投手:星 知弥(1勝1敗0S) 本塁打 |
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◆延長戦を制した阪神が5連勝。阪神は2-2の8回表、近本のソロで1点を勝ち越す。その後同点とされて迎えた延長10回には、大山の押し出し四球と佐藤輝の適時二塁打で4点を挙げ、試合を決めた。投げては、3番手・及川が今季2勝目。敗れたヤクルトは、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。
◆阪神西純矢投手(21)が試合前からブルペン投球を行い、調整を行った。捕手を座らせ、変化球を交えて37球。その後は膝をつきながらの投球などで感触を確かめ、最後はもう1度捕手を座らせ最終調整。安藤投手コーチ付き添いのもと、約45分間の熱投となった。中継ぎに配置転換後2戦目となった前日25日の同戦では、1点リードの7回に登板。1死を奪ったが、直後に2連続四球を与えたところで降板となっていた。
◆阪神大山悠輔内野手(28)が5号ソロを放った。2点ビハインドの4回1死の第2打席。ヤクルト・サイスニードの134キロスライダーをとらえ、左中間へ放物線を描いた。「浮いてきた甘い球に対して、しっかりと強いスイングをすることができました。逆転できるように頑張ります」と試合中にコメント。主砲の5試合ぶりアーチで、反撃ののろしをあげた。
◆阪神伊藤将司投手(27)が、プロ初の2者連続死球で1点を献上した。2回1死二、三塁でヤクルト中村の左足のつま先付近に死球を与え、1死満塁に。続く、長岡秀樹の打席では、3球目に投じた球が肘付近を通過し、長岡が球審に死球をアピール。そのまま認められ、押し出し死球で先制点を献上した。1試合での2死球はプロ初。その後、1死満塁の場面でサイスニードの二ゴロの間に三走が生還し、2点目を与えた。
◆阪神木浪聖也内野手(28)が好守備を見せた。6回1死一、二塁でヤクルト塩見の打席。二遊間への打球を木浪が飛び込みながらキャッチし、間髪入れずに二塁へ送球。抜けていれば二塁走者が本塁に生還する打球で、ビッグプレーだった。続くオスナは先発伊藤将が右飛に仕留め、失点を阻止。ビハインドの状況ながら、守備でリズムをつくっている。【動画】阪神木浪聖也のファインプレー 美技ダイビングキャッチ
◆阪神近本光司外野手(28)が勝ち越しとなる3号ソロを放った。2-2で迎えた8回の先頭打席。この回から変わった2番手清水の直球を強振し、右翼席の最前列へ運んだ。値千金となる1発にナインも大盛り上がり。近本もベンチでハイタッチを交わした後、夜空へ向かって合掌ポーズ。ビハインドスタートも、大山、ミエセス、近本の1発で試合の主導権を徐々に握った。
◆阪神が、まさかの形で同点に追いつかれた。1点リードを奪った直後の8回2死一、三塁。ピンチで2番手加治屋蓮投手(31)がマウンドに上がった。カウント2-2、打者塩見の場面。ここで加治屋が、一塁へけん制するそぶりを見せる「偽投」を試みるも、これがボークととられた。三塁走者はホームへ生還、一塁走者は二塁へ進塁。岡田監督は戦況を見つめていたが、抗議には出なかった。今季最多113球の熱投を見せていた先発伊藤将司投手(27)の勝ち星がするりと消えた。公認野球規則6・02 投手の反則行為 (a)ボーク (2)投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。【注】投手が投手板に触れているとき(中略)一塁または三塁への偽投は許されない。投手が軸足を投手板の後方へ外せば、走者のいるどの塁へもステップしないで偽投してもよい。(抜粋)
◆阪神が延長戦で押し出し四球で勝ち越した。延長10回2死から近本光司外野手(28)が中前打で出塁。中野は申告敬遠、続くシェルドン・ノイジー外野手(28)が右前打を放ち、2死満塁での大山悠輔内野手(28)が打席で四球を選択。三走の近本が生還し、貴重な追加点を挙げた。直後、なおも続く2死満塁の場面で佐藤輝明内野手(24)が左中間への3点二塁打でダメ押し。一気に4点を奪った。チームはビハインドスタートも大山、ミエセス、近本の本塁打で追い上げムードを展開。束になってヤクルト投手陣を飲み込んだ。
◆首位阪神が接戦をものにし、今季2度目の5連勝を決めた。同一カード3連勝は今季4度目。直近13戦を12勝1敗と無双状態で、貯金は今季最多の14だ。2位DeNAとのゲーム差を今季最大となる「4」に広げた。2回に先発伊藤将司投手(27)が2点を失った。安打と死球で1死満塁のピンチを招き、8番長岡にも死球を与え押し出しで先制点を献上。続くサイスニードの二ゴロの間に追加点を奪われた。打線は1発攻勢で反撃に出た。4回に4番大山悠輔内野手(28)が5試合ぶりとなる5号ソロ。7回には5試合ぶりに「6番右翼」で先発したヨハン・ミエセス外野手(27)が左中間への同点の2号ソロ。5日の広島戦(マツダスタジアム)以来、20日ぶりの1発で追いついた。2-2の8回には、先頭近本光司外野手(28)が右翼席最前列へ勝ち越しソロ。22試合ぶりの3号アーチでリードを奪った。ソロ3発で流れを渡さなかった。その後、8回2死一、三塁で2番手加治屋蓮投手(31)のボークで1点を失ったが、勝利は離さなかった。延長10回。2死満塁で4番大山が押し出しの四球を選んだ。右手で体をたたき、喜びをかみしめた。さらに満塁機で佐藤輝明内野手(24)が走者一掃の3点適時二塁打。試合を決めた。勢いに乗り聖地に帰る。26日からの巨人3連戦は交流戦前最後のカード。首位独走への雰囲気が出てきた。阪神が勝ち、DeNAが敗れた結果、阪神の交流戦前リーグ1位が確定した。阪神がリーグ首位で交流戦を迎えるのは08、21年に次ぎ3度目。
◆ヤクルトは延長戦を落とし、泥沼の7連敗(引き分け挟む)となった。8回にボークで同点に追い付く幸運も、延長10回は2死無走者から首位阪神打線の底力に救援陣が屈した。打線は最後に村上が8号ソロで一矢報いたが、決定打を欠いた。これで5月は6勝12敗1分けで5試合を残して負け越しが決定。高津監督は「リリーフは全体的に疲れている感じは見受けられる。打線はつながりや打順は、もう1回見直さないといけない。我々は技術勝負をしていますけど、気持ちの部分は強く持って戦いたい」と話した。ヤクルト27日に自力V消滅も ヤクルトは早ければ27日にも自力Vが消滅する。27日に消えるケースは、ヤクルトが広島戦に●●、阪神が巨人戦に○○の場合。▽ヤクルト村上(4点を追う延長10回2死無走者で意地の8号ソロ)「最後まで応援してくれるお客さんがいるので、集中して打席に立ちました」
◆延長戦に敗れて今季2度目の7連敗(引き分けを挟む)となったヤクルト高津臣吾監督(54)が、打線に対して、阪神打線を引き合いに奮起を促した。延長10回に村上の8号ソロが飛び出したが、打線は9回まで6安打で3得点。内訳は2回の好機で長岡の押し出し死球とサイスニードの内野ゴロの間の2得点と8回は相手のボークによる得点だった。高津監督は「なかなかね、いい投手(阪神先発の伊藤将)から得点するのは難しいだろうなと思っていたんですけども、デッドボールなどもあって先に点取れたんですけどね。2点では勝てないとは思っていた。先制した後、もう1人ランナーが出なかったりとか、もう1点取れなかったりとか...。次の1本、次の1人、次の1点というところができないですね。チャンスになってもバットが出ない、2球で追い込まれる、振りにいけない、というような状況が続いてるかなという気がします」と振り返った。さらに、延長10回に2死無走者からつながった阪神打線を例に出して「(好機で)1本出るか、出ないか。今日みたいにタイガースはつながりや集中打というのが素晴らしいので。こっちは1本出て、次がアウトになったりしてしまっている。打線のつながりは、もう1回考え直さないといけないでしょうね、打順も含めて。いろんなことを各打者がつなぐために考えていかなきゃいけない。バッティングコーチも含めて、考えていかなきゃいけない部分だと思いますね」と話した。
◆阪神加治屋蓮投手(31)が、ボークで同点に追いつかれた場面を猛省した。1点リードを奪った直後の8回2死一、三塁。ピンチでマウンドに上がった。カウント2-2、打者塩見の場面。ここで一塁へけん制するそぶりを見せる「偽投」を試みるも、これがボークととられた。「捕手からのサインでけん制が出たので、投げるか投げないか、中途半端な感じになってしまったので、自分の反省、単純に自分のミスでした」三塁走者はホームへ生還、一塁走者は二塁へ進塁。岡田監督は戦況を見つめていたが、抗議には出なかった。今季最多113球の熱投を見せていた先発伊藤将司投手(27)の勝ち星がするりと消えた。ベンチに帰り「ごめん...」と頭を下げると、伊藤将からは「大丈夫ですよ」。加治屋は「次、あいつが投げる時に助けるというか、そういう場面があればそうしたい」と前を向いた。公認野球規則6・02 投手の反則行為 (a)ボーク (2)投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。【注】投手が投手板に触れているとき(中略)一塁または三塁への偽投は許されない。投手が軸足を投手板の後方へ外せば、走者のいるどの塁へもステップしないで偽投してもよい。(抜粋)
◆阪神が延長10回に4点を奪いヤクルトに同一カード3連勝、今季2度目の5連勝で貯金を最多14とした。岡田彰布監督(65)は1点リードの8回2死一、三塁で登板した加治屋蓮投手(31)のボークで同点とされた場面を「全然予想してなかった」と苦笑い。試合後の一問一答は以下の通り。-今日も2死から最後、得点が入った「なあ。なんでピッチャー代えたんやろうなあ」-2死一、二塁からノイジーもうまくつないだ「そうや。当然、近本やから走るケースやで。まあ(申告)敬遠はちょっと予想してなかったけどな」-大山が押し出しの四球、佐藤輝の走者一掃の3点適時二塁打が出たが「いやいや、一番ええところに回ってきたわけやから。まあ、なあ。(大山の打席は)ボール2ぐらいになったらなあ。これはまあ押し出しやなあと思ったけどな」-大山、佐藤輝がチャンスで打点「チャンスで回ってくるからな。そらまあ1、2番があんだけ出塁率いいから、そらもう当然あれや、たまにノイジーでな止まる時あるけど、あいつでつながったらそらな、打点なるわな、そら」-今年は2アウトからの得点が多いが「おう、多いなあ。まあなあ、1人出たら、後ろがうまいことつないで打っているから。もうきょうはボークだけ余分だったわ」-プレートを外してない「そうや、オレも分からんかったわ、その。普通にちょっとタイミング外すぐらいでな、ちょっと一呼吸置いたんかなあ思てたけど」-嫌な流れだったが、その後、加治屋も及川も抑えた「まあなあ、嫌な流れもクソもボークが嫌な流れやないか、同点なるんやから何もせんと。初めてやオレもボークで同点とか。ホンマそれは全然予想してなかったけどなあ」-最初に2点取られたが、守備も含めて。「いやいや変な当たりばっかり行ったからなあ、死球、死球てなんかなあ、おーん、全然ええ当たりなしでなあ、取られたけど、まあ(伊藤将は)そんなに調子悪くないと思ってたし、7回ぐらいまで行ったらなんとかなるかなという感じはあったよ。まあ、あそこまでやったんやけどな8回」-今日、できれば岩崎は投げさせたくなかった「いやいや、もう1点差やったら使わなあかんようなったけどな。まあ、最後は4点なったからな。まあ、使わんで。まあ、ボークがなかったら使てたかもわからんけど(笑い)。でも、まあまあそれはもう分からへんもんな。あの時点では分からへんからさ。なあ。まあ、でも、1日休めたから。岩崎(本人)は行くつもりやったからなあ」-ミエセスも1発の魅力が「おお、1発だけ、いつも1発だけやな、あいつなあ(笑い)ほんま」-1発攻勢で「そうやなあ。まあ、ストレートが高めに来るからな。ホームランていうか、今日は風もよかったしな。そういう意味では1発はあるかなあと思てたけどな」-大山、佐藤輝がチャンスで打点「チャンスで回ってくるからな。そらまあ1、2番があんだけ出塁率いいから、そらもう当然あれや、たまにノイジーでな止まる時あるけど、あいつでつながったらそらな、打点なるわな、そら」-3連戦はすごい勝ち方「まあでも、別に変わったこともやってないしな、ちゃんと、ね、逆転されたり、そんなんもあるわけやからな、投手もそらそんなず~っと抑えられへんから。なんとか追いかける時にはみんながな。ちょっと代打攻勢っていうかな。なんかみんなでやるっていうそういう雰囲気をちょっとな生み出さなあかんしと思って。だから、代打代打でみんないったけどな。昨日、今日とな。それはみんなうまいことな、みんなつないだりしてるからな、仕事してるからな」
◆劇勝は最強の1、2番コンビから-。阪神は同点の延長10回、一挙4得点で勝ち越しに成功した。4番大山悠輔内野手(28)の押し出し四球、5番佐藤輝明内野手(24)の3点適時二塁打が得点を生んだが、1、2番の出塁も見逃せない。2死走者なしからチャンスを作ったのが近本光司外野手(28)だ。ヤクルト星から中前打で出塁。すかさず二盗を決めると、2番中野拓夢内野手(26)は申告敬遠となった。近本が二塁に進塁せず、一塁が空いていなかったら...。申告敬遠はなく無得点に終わっていた可能性もある。岡田監督は「当然、近本やから走るケースやで。まあ(申告)敬遠はちょっと予想してなかったけどな」と説明。「1、2番があんだけ出塁率いいから、そらもう当然あれや、たまにノイジーでな、止まる時あるけど。あいつでつながったらそらな、打点なるわな、そら」。指揮官の読み通り、2死一、二塁から3番ノイジーが右前打で満塁とし、左右の主砲につなげた。近本は出塁率4割2分6厘でリーグ2位。中野は3割8分4厘で7位だ。塁に出てかき回すことができる俊足コンビが、得点の源となっている。
◆阪神近本光司外野手(28)は8回にソロアーチを放った直後、ベンチ前で手を合わせた。目をつぶり、天に向かって感謝しているように見えた。試合後には「あれは風っていうことで。自分(の力)じゃない」と明かした。決してパワーヒッターではない男が、珍しくスタンドに視線を向けていた。2-2の同点の場面だった。「その打席、狙っていたので。打球を上げることを意識して入っていた」。思い通り、右翼席最前列へ勝ち越しソロを決めた。「まさか入るとは。うまく風に乗ってくれたかな」。 そんな心境だったからこそ、ベンチ前で"儀式"を行った。22試合ぶりの3号で一時勝ち越し。延長10回にも勝ち越し劇につながる中前打で出塁していた。好調のリードオフマンは風も味方につけている。
◆阪神近本光司外野手(28)が今季2度目の5連勝を導いた。3-3の延長10回2死無走者から中安打で出塁して二盗を決め、大山の押し出し四球で決勝のホームイン。同点の8回にも一時勝ち越しの3号ソロを放ってユニークな"合掌ポーズ"を決めるなど、東都の虎党を沸かせ続けた。チームは直近12勝1敗の無双状態で貯金は今季最多の14。DeNAとのゲーム差を最大の4に広げ、首位&2桁貯金での交流戦突入を決めた。ダイヤモンドを1周した近本が、天に向かって感謝した。ベンチ前で手を合わせ、目をつぶる。「あれは風っていうことで。自分(の力)じゃない」。決してパワーヒッターではない男が、珍しくスタンドに視線を向けていた。2-2の8回。「その打席、狙っていたので。打球を上げることを意識して入っていた」。思い通り、右翼席最前列へ勝ち越しソロ。「まさか入るとは。うまく風に乗ってくれたかな」。だからこその"合掌ポーズ"。22試合ぶりの3号で一時勝ち越しだ。執念の勝ち越し劇を呼び込んだのも近本だった。3-3の同点で迎えた延長10回2死走者なし。ヤクルト星から中前打で出塁した。「いつも通り余裕を持って、三振はないと思っていた。自分のスイングをできるようにと」すかさず二盗に成功。「当然、近本やから走るケースやで。まあ(申告)敬遠は予想してなかったけどな」と岡田監督。続く中野は指揮官も予期しない申告敬遠でつないだ。ノイジーの右前打で満塁となり、4番大山が押し出し四球。近本が勝ち越しのホームを踏み、前日の逆転サヨナラ勝ちに続く"2死走者なしからの劇的勝利"を演出した。神宮は悔しさを味わった場所だ。昨年のCSファイナルステージ。ヤクルトに敗れ、矢野前監督のラストゲームとなった夜。「悔しいです...」と涙を流した。同時に、左翼席から応援してくれる関東の虎党に、あらためて感謝した。今季から声出し応援が解禁され、ありがたみは一層強い。この日も本塁打を放てば、「近本コール」が響き、中堅から帽子を取った。先制されても、ソロ3発で流れを呼び戻した打線に岡田監督は「今日は風もよかったしな。1発はあるかなあと思ってたけどな」とにんまり。2度目の5連勝で貯金は今季最多14にまで増えた。今季4度目の同一カード3連勝で、2位DeNAとは今季最大4ゲーム差。交流戦前のリーグ1位も確定した。26日からの巨人3連戦は交流戦前最後のカード。甲子園のチケットは3日間とも、完売が発表された。勢いに乗って聖地に帰る。【中野椋】今季の阪神の5連勝は、5月11日ヤクルト戦~18日中日戦7連勝に次ぎ2度目。また、神宮のヤクルト戦での同一カード3連戦3連勝は、21年の開幕カード3月26~28日以来。阪神が勝ち、DeNAが敗れた結果、阪神の交流戦前リーグ1位が確定した。阪神がリーグ首位で交流戦を迎えるのは08、21年に次ぎ3度目。阪神のリーグ戦中断時の最多貯金は21年の16(28勝12敗2分け)。今季は現在貯金14。26日からの巨人戦3連戦で更新なるか。阪神は5月に入り15勝4敗の好成績だ。今月は残り5試合。球団の月間最多は19勝で、64年8月と68年8月の2度。残り試合全勝なら更新だ。阪神は今季延長戦4試合で3勝1分けで勝率10割。
◆阪神及川雅貴が2勝目を挙げた。同点の9回に3番手で登板。先頭オスナに左前打を許したものの、最後は2死一、二塁のピンチで代打西田を遊ゴロに仕留め、ガッツポーズを見せた。「いや~、今までで一番緊張しましたね。でも先頭打たれても気負わずに、腕振っていけたのでよかった」と胸をなで下ろした。チームが直後の延長10回に勝ち越し、勝ち星が転がり込むと「野手のみなさんのおかげ」と感謝した。
◆阪神伊藤将司が8回途中5安打3失点の粘投で、5連勝に一役買った。2回1死二、三塁の場面で2連続死球を与えるなど2失点。1試合2死球以上は初めてだった。だがその後は7回まで無失点の快投。1点リードの8回2死一、三塁で2番手加治屋に託したが、ボークで三塁走者の生還を許し、3勝目が逃げた。「(8回を)投げ切れなかったのは悔しかったですけど、最初の2点で抑えられて、粘って投げ切ることができてよかったです」。神宮は過去も3戦2敗でセ・リーグの本拠地で唯一白星がなかった。次回こそ6球場制覇を目指す。
◆5試合ぶりにスタメン出場した阪神6番ミエセスが、一時同点の2号ソロを放った。1点を追う7回の第3打席。カウント2-2からサイスニードの直球を左中間席にたたき込んだ。「前の打席まで(2打席)抑えられていたし、チームのために何とか打ちたいと思っていたよ。力のあるボールだったけど、最高のスイングができたね」と"ギャルピース"で喜びを表現。5日広島戦以来の1発で勝利を引き寄せた。
◆テルの勢いが止まらん! 阪神佐藤輝明内野手(24)がダメ押しの3点二塁打でリーグトップの30打点に躍り出た。大山の押し出し四球で1点を勝ち越した延長10回なお2死満塁。「大山さんが1点取ってくれたので、すごい楽な気持ちで打席に立てました」。ヤクルト木沢の外角変化球に反応。左中間を破る二塁打で勝利を決定づけた。左翼席を黄色に染めた虎党は「テール!! テール!!」の大合唱。前日24日の逆転V打に続き、2夜連続でテルコールを響かせた。5番の仕事を果たせていることに「チームに流れが打たせてくれていると思う。よかったです」と仲間への感謝を忘れない。今回のヤクルト3連戦は計6打点でスイープに貢献。5月の月間22打点はプロ入り最多で、月間打率も3割1分5厘と絶好調だ。御礼の一撃でもあった。この日の球宴ファン投票の中間発表で、三塁手部門で1位だったDeNA宮崎を抜き、4万9534票でトップに立った。「よかったです」。ファンの清き1票に応え、ミエセスの代名詞になっている"ギャルピース"で感謝を伝えた。10回のヤクルトの攻撃は2死から、村上が特大のソロを放った。もし、背番号8の一打がなければ...。チームにとっても大きい3点で岡田監督を喜ばせた。10回裏の守備は三塁線を襲った塩見の打球を華麗にさばき、自ら試合を締めた。ヒーローインタビューは2日連続。「まだまだ、シーズン長いので頑張ります!」。18年ぶりVを目指し、もっともっと打ちまくる。【三宅ひとみ】4番大山が反撃の5号ソロを含む2打点で勝利に貢献した。0-2の4回。1安打に抑えられていた相手先発サイスニードが高めに投じた134キロスライダーを完ぺきにとらえ、虎党の待つ左中間席に放り込んだ。同点の延長10回は2死満塁の好機で打席が回り、5番手木沢からストレートの押し出し四球で勝ち越し点をゲット。「相手ピッチャーを気持ちよく投げさせないように、そういう工夫はしました」。貫禄の勝利打点で主砲の役割を果たした。
◆阪神ノイジーが攻守にハッスルした。8回に近本が一時勝ち越しソロを放った直後の守備。並木の左翼への飛球に頭から飛び込んで好捕した。延長10回2死一、二塁の打席では、ヤクルト木沢の変化球を右前に運んでチャンスを広げ、続く大山の押し出し四球につなげた。「打撃ではしっかりつなぐ、守備ではいい流れをつくる。それだけでした」と笑顔で振り返った。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は佐藤輝明内野手(24)に注目が集まる。今季神宮では打率・368、7打点、2本塁打と好相性。24日の一戦では九回2死一、三塁で逆転の2点二塁打を放った。マイナビオールスターゲーム2023の中間発表では、セ・リーグ三塁手部門でDeNA・宮崎を抜き、4万9534票でトップに浮上。乗りに乗る虎の大砲が投票してくれたファンのために、お礼の一打を放つ。
◆阪神が一回の好機を逃した。先頭の近本が四球で出塁。中野が自己最長を更新する13試合連続安打となる中前打でつなぎ、無死一、二塁とした。ノイジーは中飛で近本が三進。中野も一塁から二塁へ好判断で進み、1死二、三塁としたが、大山が痛恨の投ゴロ。佐藤輝も空振り三振に倒れ、先制点を奪えなかった。
◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が二回に失点した。先頭の村上に中前打を許すと、塩見にも中前打で無死一、二塁のピンチ。オスナは投ゴロに仕留めたが、これが進塁打となり、1死二、三塁となった。中村には死球で満塁。打席に長岡を迎えた。カウント1-1から3球目、内角に投じた球は長岡の肘付近にあたった判定となり、押し出し死球で先制点を献上。続くサイスニードの投ゴロの間に、さらにもう1点を失い、0-2とリードされた。
◆阪神・大山悠輔内野手(28)が0-2の四回に左中間へ5号ソロを放った。カウント1-2から4球目、サイスニードの高めに浮いたスライダーを振り抜いた。高々と舞い上がった打球は、左中間スタンドへズドン。「打ったのはスライダー。浮いてきた甘い球に対して、しっかりと強いスイングをすることができました。逆転できるように頑張ります」19日の広島戦(甲子園)以来の5号ソロで反撃の機運を高めた。
◆阪神・木浪聖也内野手(28)が守備でビッグプレーだ。1-2とロースコアで迎えた六回。先発の伊藤将が先頭のサンタナに二塁打を浴びると、1死から村上に四球で一、二塁のピンチ。続く塩見の打席だった。二遊間を襲った痛烈な打球に、遊撃手・木浪がダイビングキャッチ。倒れ込みながら二塁手・中野に正確なトスで一走を二塁封殺に仕留めた。伊藤将は続くオスナを右飛に仕留めてこの回、無失点。終盤への逆転勝利へ望みをつないだ。
◆「6番・右翼」で5試合ぶりにスタメン出場した阪神のヨハン・ミエセス外野手(27)=レッドソックス3A=が1-2の七回に同点の2号ソロを放った。カウント2-2からサイスニードの高め直球を一閃した。打球は左中間スタンドに弾む同点弾。ミエセスは19日の広島戦(甲子園)以来、5試合ぶりのスタメン起用。5日の広島戦(マツダ)以来の一発で岡田監督の起用に応えると、代名詞となった〝ギャルピース〟ポーズをしながら、笑顔でダイヤモンドを一周した。
◆阪神・近本光司外野手(28)が2-2の八回に勝ち越しの3号ソロを放った。ヤクルトは先発・サイスニードに代わって、セットアッパーの清水をマウンドへ。カウント2-1から4球目だった。直球を振り抜くと、高々と舞い上がった白球は風に乗る。長い滞空時間を経て、そのまま右翼席ギリギリへズドン。4月27日の巨人戦(甲子園)以来の一発を放つと、ベンチに戻ったリードオフマンは上空を見上げて風に感謝した。阪神は0-2の四回に大山が5号ソロ、七回にミエセスが2号ソロを放って同点とすると、近本の一発で勝ち越し。3本のソロを神宮の空にかけ、試合をひっくり返した。
◆2番手で八回途中からマウンドに上がった加治屋蓮投手(31)がまさかの形で同点を許した。3-2と勝ち越して迎えた八回。先発の伊藤将が2死を奪うも、山田、村上に連打で一、三塁のピンチを背負った。この場面で加治屋がマウンドへ。24日の同戦でも対戦した塩見と対峙した。カウント2-2としたところで、一塁へけん制球の姿勢を示したが、これがまさかのボークの判定。思わぬ形で、同点となった。
◆ヤクルト・サイスニード投手(30)が7回6安打2失点。好投を見せたが、同点のまま降板し4勝目とはならなかった。「内容自体は悪くなかった。守備にも助けられて投げることができました。ホームラン2本がすごく悔しい」粘り強く投げた。一回はいきなり2死二、三塁のピンチを背負ったが佐藤輝を空振り三振に。四回は大山、七回はミエセスにソロを浴びたが、身長193センチから繰り出される力強い直球を軸にテンポよく投げ込んだ。
◆阪神が今季4度目の延長戦に入った。0-2で迎えた四回に4番・大山が5号ソロを放って反撃ののろしを上げると、七回には5試合ぶりにスタメン出場したミエセスが2号ソロを放って同点。八回は近本がヤクルト・清水の直球を捉えて、右翼席へ3号ソロ。3本のアーチで得点を奪った。先発した伊藤将は、二回に2安打2死球で2点を失うも、回を追うごとに安定感を増す粘りの投球。四回には二塁手・中野が、六回には遊撃手・木浪が、そして八回は左翼手・ノイジーがファインプレーと野手陣も守備で盛り立て、7回2/3を投げ、5安打2失点。今季最多の113球の力投だった。しかし、後を託された加治屋がボークでまさかの同点。九回はヤクルトの田口の前に無失点。その裏の攻撃は及川が無失点でしのぎ、阪神は今季4度目(過去2勝1分)の延長戦に突入した。--
◆阪神が延長戦を制して逆転勝利。延長十回2死満塁で、大山が勝ち越しの押し出し四球を選んだ。なおも満塁で佐藤輝が、走者一掃の3点二塁打を放って試合を決めた。0-2で迎えた四回に4番・大山が5号ソロを放って反撃ののろしを上げると、七回には5試合ぶりにスタメン出場したミエセスが2号ソロを放って同点。八回は近本がヤクルト・清水の直球を捉えて、右翼席へ3号ソロ。3本のアーチで得点を奪った。 先発した伊藤将は、二回に2安打2死球で2点を失うも、回を追うごとに安定感を増す粘りの投球。四回には二塁手・中野が、六回には遊撃手・木浪が、そして八回は左翼手・ノイジーがファインプレーと野手陣も守備で盛り立て、7回2/3を投げ、5安打2失点。今季最多の113球の力投だった。九回は及川、延長十回は岩貞が締め、阪神は今季2度目の5連勝。貯金は14となり、2位・DeNAが敗れたため、ゲーム差を4に広げた。阪神はこれで、交流戦をセ・リーグ首位で突入することが決まった。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手が一矢報いた。3―7の延長十回2死、岩貞の変化球を右翼席上段にたたきこむ8号ソロ。「最後まで応援してくれるお客さんがいるので、集中して打席に入った」と笑顔なく塁を回った。チームは引き分けを挟んで7連敗とどん底だが、村上は今季2度目の3安打。試合後は、いい感触を覚え込ませるようにベンチで構えを確認。「次、また勝てるように頑張る」と前向きに話した。
◆阪神が5連勝で今季最多貯金を「14」に更新し、首位での交流戦突入を決めた。延長十回、2死無走者から満塁とし、大山悠輔内野手(28)の押し出し四球と佐藤輝明内野手(24)の3点二塁打で一挙4点を奪った。2点を追う四回の大山、七回のヨハン・ミエセス外野手(27)、八回の近本光司外野手(28)の3本のソロ本塁打で逆転したが、八回1死一、三塁で登板した2番手・加治屋蓮投手(31)の一塁へのけん制行為がボークと取られ、延長戦に突入した。チームは今季4度目の同一カード3連勝。DeNAとの4差は今季最大。延長戦は3勝1分。直近13戦12勝1敗の岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=28勝14敗1分、観衆=2万7724人)。ーー2死から得点した「なんでピッチャー代えたんやろうなあ(延長十回2死一、二塁でヤクルトは星から木沢にスイッチ)。うーん」ーーノイジーも右前打でつないだ「近本から走るケースやで。敬遠は予想してなかったけどなあ」(2死無走者から中前打の近本が二盗成功。中野申告敬遠後にノイジーが右前打)ーー押し出し四球と3点二塁打「一番エエところに回ってきたわけやから。ボール2ぐらいになったら、押し出しやなあと思ったけどなあ」ーー今年は2死からの得点が多い「多いなあ。1人出たら、後ろがうまいことつないで打っているから。今日はボークだけ余分だったわ」ーー大山、佐藤輝がチャンスで打点「チャンスで回ってくるからな。1、2番が出塁率いいから、当然アレや、たまにノイジーで止まる時あるけど、アイツでつながったら打点なるわな」ーー3連戦はすごい勝ち方「別に変わったこともやってないしな、逆転されたりもあるわけやからな。投手もずっと抑えられへんから。追いかける時にはみんながな。代打攻勢っていうかな、みんながやるっていう雰囲気を生み出さなアカンと思って。代打代打で行ったけどな。昨日、今日とな。今日はボークだけ余分やったわ。まさかあんなとこでボークするとは思わんかったよな」ーープレートを外してない「俺も分からんかったわ。普通にちょっとタイミング外すぐらいでな。ひと呼吸置いたんかなあ思てたけど」ーー嫌な流れだった「嫌な流れもクソもボークが嫌な流れやないかお前。同点なるんやから何もせんと。初めてや俺もボークで同点とか。ホンマ全然予想してなかったけどな」ーー最初に2点取られたが、守備も含めて「変な当たりばっかり行ったからなあ、死球、死球てなんかなあ(二回の伊藤将の失点)。全然エエ当たりなしで取られたけど、そんなに調子悪くないと思ってたしねえ、七回くらいまで行ったら、何とかなるという感じはあったよ」ーー岩崎は投げさせたくなかった「1点差やったら使わなアカンようになったけどな。最後は4点なったからな。まあ、使わんで。ボークがなかったら使てたかもわからんけど(笑い)。1日休めたから。岩崎は行くつもりやったからなあ」ーーミエセスも一発の魅力が「一発だけ、いつも一発だけやな、アイツなあ(笑い)。ホンマ」ーー一発攻勢で「ストレートが高めに来るからな。ホームランていうか、今日は風もよかったしな。そういう意味では一発はあるかなあと思てたけどな」
◆リーグ2連覇中のヤクルトが早くも今季2度目の7連敗。延長十回2死無走者から星と木沢が崩れて4失点。高津監督は「これまでの疲労でリリーフは全体的に疲れている。ただこれが仕事」と奮起を求めた。二回は押し出し死球と、サイスニードの二ゴロの間に渋く2点を先制。2―3の八回はボークで点をもらったが、決め手となる一打が出なかった。高津監督は「打線のつながりは、打順も含めて考え直さないといけない」と悩ましげだった。(神宮)
◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は木浪聖也内野手(28)とシェルドン・ノイジー外野手(28)の好守に代表されるように守り勝った点を高く評価した。勝因としてヤクルトに3点目を許さなかったことを挙げたい。粘り強い戦いができている理由の1つに無駄な追加点を与えないことがある。伊藤将の粘りの投球も大きい。二回に連続死球で押し出しで先制を許したときは心配したが、その後は彼本来の投球ができていた。特筆すべきは守備。特に六回1死一、二塁から塩見の中前へ抜けそうな打球をダイビングキャッチして二封した木浪は超ファインプレー。抜けていれば3点目を奪われて、試合展開も大きく変わっていただろう。八回の並木の打球を好捕したノイジーのプレーも見事だった。攻める守備ができていた。守備で勝った試合と言ってもいい。阪神が昨年までと大きく違っているのは、試合を左右するミスが少ないこと。失策は出るのだが、痛恨の失策はほとんどない。ここ一番ではしっかり守れている。本当なら、近本の本塁打が決勝点になって勝っている試合だった。加治屋のボークは「まさか」だったが、これは野球では稀に起きること。責める気にはならない。その後に及川が九回の緊張するイニングをゼロで抑えて自信を付けたこと、延長十回2死からの4点などもホメたい試合だ。戦力があるチームが、ミスが少なくなって、接戦に強くなれば、勝つのは当たり前。当分、この勢いは続くのではないか。
◆1点リードの八回1死一、三塁で登板した阪神・加治屋蓮投手(31)の一塁へのけん制行為がボークと取られ、同点となった。試合後、加治屋は「自分の完全に。キャッチャーからのサインで牽制出たんで、投げるか投げないか迷って中途半端な形になってしまったので、自分の反省というか、自分のミスでした」とコメント。伊藤将の勝ち星を消したものの「『ゴメン、将司』と言ったら『大丈夫ですよ』と言ってくれたんで、次アイツが投げた時に助けられるというか、そういう場面があればそうしたいなと思います」と話していた。
◆燕党の歓声は、すぐにため息へと変わった。ヤクルトは4点を追う延長十回2死に、村上宗隆内野手(23)が右翼席上段への8号ソロ。ただ、主砲の一撃も空砲となり、1分けを挟んで今季ワーストタイの7連敗。借金は8に膨れた。「次の1本、次の1人、次の1点というところができない。打線のつながりはもう一回考え直さないといけないでしょうね、打順も含めて」高津監督は競り勝てない現状に頭を抱えた。先制しても追い越され、再び追いついても追い越せない。負の連鎖が続き、3―3の延長十回には星と木沢で計4失点。疲労のたまった救援陣は責められないが、投打ともに踏ん張りどころだ。交流戦前最後のカードとなる26日からの広島戦へ「勝ちたい気持ちだけでは勝てないけど、勝ちたい気持ちがないと勝てないのは間違いない」と高津監督。状況を好転させ、昨年王者となった交流戦に突入したい。(赤尾裕希)
◆阪神・中野が一回無死一塁から中前打を放って、自己最長の連続試合安打を「13」に伸ばした。六回先頭からも中前へ運んでマルチ安打。「状態としては悪くはない。いまの積み重ねを明日もやれるようにしたい」。同点の延長十回2死一塁の打席では近本が二盗。申告敬遠で一塁に歩いて、この日は3出塁となった。
◆阪神・木浪がビッグプレーで伊藤将を助けた。1点ビハインドの六回1死一、二塁で、塩見の鋭い打球は二遊間へ。ここで背番号0が素早くダイブ。バウンドにうまくグラブを合わせて白球をもぎ取ると、体を伏せたまま二塁ベース上の中野にトスし、2死目を奪った。抜けていればリードを広げられていた中での好守に「集中して守れたのでよかった」と胸を張った。
◆阪神・ノイジーが守備で魅せた。八回先頭の並木の打球にダイビングキャッチ。「(飛び込むのに)迷いはなかった。しっかり捕るだけだと思っていたよ」とうなずいた。延長十回2死一、二塁の第5打席は、木沢から右前打を放って大山の押し出し四球をお膳立て。「しっかりつないで、それだけ」。24日の同戦は1点ビハインドの九回2死から三塁打と崖っぷちに強い助っ人が2夜連続の劇的勝利に貢献した。
◆先発した阪神・伊藤将は7回?を投げて5安打3失点と粘投した。二回に2点を先制されるも、1点ビハインドの六回2死一、三塁はオスナを抑えてピンチ脱出。八回に2死から連打を許して交代を告げられ「投げ切れなかったのがちょっと悔しかった」と漏らしたが、「粘って投げることができてよかった」と胸を張った。2番手・加治屋のボークで同点とされ、セ・リーグ本拠地全制覇となる神宮初勝利はお預けとなった。
◆及川が緊迫する同点の九回を任され、1回無失点。直後に打線が勝ち越し、今季2勝目を手にした。「いままでで一番緊張した。先頭に打たれても気負わずにしっかりと腕を振っていけた。それがよかったと思う」。先頭・オスナの左前打と犠打でサヨナラ負けのピンチを招くも、長岡を左飛、代打・川端を申告敬遠で歩かせたあとには代打・西田を遊ゴロに斬り、ほえた。
◆また2死から虎劇場!! 阪神はヤクルトに7-4で競り勝ち、今季2度目の5連勝を飾った。3-3の延長十回、2死走者なしから近本光司外野手(28)が中前打で出塁し、押し出し四球で勝ち越しのホームイン。チームは九回2死から逆転した前日24日に続く劇的勝利で、首位での交流戦突入を決めた。ナインも、虎党も誰一人としてあきらめていなかった。三日月が夜空に輝く神宮は2死からでも何かが起こる―。そんな期待感が膨らむ中、近本が華麗なセンター返しで2夜連続の〝劇場〟を開演させた。「いつも通り、別に出塁とか、そういうのを考えるんじゃなくて、ただ自分のスイングができるようにと思っていた」緊迫した戦いは今季4度目の延長戦にまでもつれた。そして迎えた十回、木浪、代打・糸原が凡退して2死走者なし。ただ、ここから〝奇跡〟を生むのが今の岡田阪神だ。近本は4番手・星にカウント2―2と追い込まれるも、6球目の低めのフォークをすくい上げるようにしてとらえると、白球は中堅の芝生を弾んだ。直後に二盗に成功。失敗すれば相手に流れを渡しかねない場面で積極的に走り、チームに勇気を与えた。そして、打線がつながり、満塁から大山の押し出し四球で勝ち越しのホームを踏むなど4得点を呼び込んだ。
◆ちょこんとバットに合わせた白球は、ぐんぐん伸びて外野芝生で弾む。佐藤輝がとどめを刺した。劇的勝利の立役者として2夜連続で任されたヒーローインタビュー。球界の打点王はちょっぴり驚きつつも、勝利の余韻に浸った。「(ヒーローインタビューは)大山さんかと思ったんですけど...はい。チームの流れが打たせてくれていると思うのでよかったです」延長十回2死満塁で、大山が押し出し四球を選び、1点を勝ち越して迎えた第5打席だった。カウント2-2から木沢の143キロスプリットを軽打。それでも自慢のパワーで白球をかっ飛ばした。左中間に運ぶ走者一掃の3点二塁打。最終盤の九回に決勝の2点打を放った24日と同じように、二塁ベース上で右手をグッと突き上げ喜びを爆発させた。これで3試合連続打点と神宮で荒稼ぎし、打点王に再浮上。12球団最速の30打点に乗せた大砲は「まだまだシーズンは長いので。これからも頑張ります」とうなずいた。そして、トップに躍り出たモノはもう一つ。球宴の中間発表だ。これまではDeNA・宮崎に次ぐ2位だったが、ついにセ・リーグ三塁手部門で1位の4万9534票を集めた。「よかったです」。ヤクルト・村上、巨人・岡本和ら強力なライバルがひしめく群雄割拠のホットコーナー。首位に立たせてくれた虎党へ、バットで感謝を示した。何より、佐藤輝のとどめ打で4点差をつけ、5試合連続登板に向け準備を進めていた守護神・岩崎を温存できた。岡田監督は「1点差やったら(岩崎を)使わなあかん。まあ、最後は4点(差)なったからな。使わんで、1日休めたから」と振り返る。チームの今後につながる価値ある一打だった。延長十回の守備では2死から塩見の打球を好捕し、素早く一塁に送球してゲームセット。佐藤輝は2日続けてヒーローインタビューで「最高です!」とほえた。そして、絶好調で突き進む虎を代表し、誓った。「ほんとにいい流れできていると思います。明日も、勝ちます!」この勢いは止まらない。佐藤輝が率いる最強の猛虎打線が、巨人を迎え撃つ26日からの甲子園でも連勝街道を爆走する。(原田遼太郎)
◆大山が3-3の延長十回2死満塁から勝ち越しとなる押し出し四球を選んだ。「ヒットもあるし、四球も、デッドボールもある。力む場面ですけど、いい意味でリラックスしたことで、あのフォアボールになった」と自画自賛だ。木沢のボール球に手を出さず、最後は内角シュートを見極めてストレートの四球。直後に、佐藤輝の左中間を破る打球で、決勝のホームを踏んだ前日に続き、一塁から激走して生還した。0-2の四回1死からは左中間に5試合ぶりとなる5号ソロ。岡田監督の現役時代の〝4番通算52号〟に並ぶアーチで反撃ムードをつくった。それでも大山は「勝っていることが一番。でも初回のチャンスで点数を入れてあげられなかったのが反省点」。一回1死二、三塁の好機で投ゴロに倒れ、得点できなかったシーンを振り返り、浮かれることはなかった。(三木建次)
◆ドミニカンパワーを両腕にため込み、余すことなく振り抜いた。闇夜にかかる一筋の放物線を見送り、ゆっくり歩き出す確信弾。「6番・右翼」で5試合ぶりスタメン出場のミエセスが同点ソロを放ち、笑顔でピースマークを作った。「前の打席まで抑えられていたし、チームのためになんとか打ちたいと思っていたよ。力のあるボールだったけど、自分も最高のスイングができたね」伊藤将が六回2死一、三塁の大ピンチを粘り切り、1点差で迎えた直後の七回1死で、カウント2―2から高めにきたサイスニードの直球をフルスイング。打った瞬間という弾道を左中間に突き刺して試合を振り出しに戻し、虎党を熱狂させた。来日デビュー戦となった5日の広島戦(マツダ)での初アーチ以来、32打席ぶりに飛び出した一発。チームメートからはすっかり定着した、Vサインを横にして顔の前でスライドさせるピースポーズを作ってお出迎えされ、再び笑顔が弾けた。D1位・森下(中大)が19日に1軍に復帰し、右翼のスタメンを争う存在は入れ代わり立ち代わり現れる。ミエセスにとってはこの日が19日の広島戦(甲子園)以来、5試合ぶりの出場。与えられた出番で見事に長打力で応えるところが、頼もしい。「どの状況で(出番が)きてもしっかりと準備するだけだと思っていたから、よかったよ」逆転勝利への道筋を照らし出したM砲の活躍。ベンチを一層明るくし、ライバルには刺激も与える大アーチだった。(須藤佳裕)
◆阪神・加治屋が3―2の八回2死一、三塁で伊藤将のあとを受けて2番手で登板したが、痛恨のボークを犯した。「捕手からけん制のサインが出たので、投げるか投げないか迷って、中途半端な形になってしまった。自分のミス」。プレートを外さず一塁に向けて偽投し、下されたボーク宣告。三走の生還を許して同点とされ、伊藤将の勝ちを消してしまった。岡田監督は「きょうはもうボークだけ余分やったわ。まさかあんなとこでボークするとは思わんかったよなあ。初めてや俺も。ボークで同点とか」と首をかしげた。
◆この春開店した『定食・岡田』は本日も行列が出来る大繁盛や!!人気メニューはズバリ日替わり定食!! 例えば土曜日は『ルーキーサヨナラかつ定食』(D1位森下のサヨナラ打)、日曜日は『才木の戻り鰹定食』(才木が復活勝利)、月曜日は定休日、火曜日は『村神様燕料理定食』(村上4勝目)、そして水曜日は九回二死走者なしまでハラハラさせておいてから勝ちを取った『ハラハラとり定食』ときたもんだ!!さあ、本日も定食・岡田でいただきま~す!!「へい、いらっしゃい!!」「今日の定食は何?」「そりゃアレや! アレをアレしてアレやでェ!!」「メニュー見るわ! え~と...おお豪華な3発丼(大山・ミエセス・近本の3ホーマー)、それに何? 昨日好評だったからおまけで『ハラハラとり』の小皿付けてくれるって~!! ということで本日も猛虎は3アーチと延長十回2死走者なしから大山の決勝四球と連日のヒーロー佐藤輝の満塁一掃ツーベースで5連勝!! 定食・岡田は美味い(勝つ)だけじゃなくて毎日メニューが楽しみや!!さ、金曜日はどんな巨人料理が出てくるんやろね~♪
◆チーム状態が違うと、なおさら、あちらこちらで差が見えてくるね。台所事情の苦しいヤクルトは、八回の清水以降、計算できていた投手をつぎこみながら負けた。阪神は先発で7~8回をまかない、残り少ないイニングで盤石リレー。途中、加治屋のボークによる失点があったにせよ、投手陣のバランスが絶妙だよ。そこへもってきて、打線だ。阪神は大山、佐藤輝が、主軸としての働きを存分に見せている。おかげで、1~2番がかきまわし、3~5番がかえし、7~8番がまた上位に回すという、3ブロックで切れ目のない打線になっている。建物の三層構造というか、ピアノの3連弾楽譜というか...。ヤクルトだけでなく、他チームには、うらやましい限りの状態だろうね。さて次は甲子園で「伝統の一戦」。巨人も上昇機運で乗り込んでくる。これは見逃せない! ということでエモトも、行きまっせ!!(サンケイスポーツ専属評論家)
◆「解説者・清原和博」のファンが多いらしい。風貌から想像が付かないほど「ホメまくるから」らしい。神宮球場の阪神戦テレビ中継を楽しみにしていたら、まさかの〝欠場〟。強い、強すぎる阪神を、どんなふうにホメてくれるのか、聞きたかった。中継アナの発表は発熱。ニュースは突然、飛び込んでくる。どうかお大事に。昼過ぎに飛び込んできたのは、スーパースターの退団だった。といっても、野球ではなくサッカーのお話。J1神戸のイニエスタが出場機会を求めて、大好きな神戸を去るという。イニエスタといえば、母国スペインが、いや世界が誇るファンタジスタ。2010年ワールドカップ優勝の瞬間は、野球記者だって必死で見たもんだ。神戸入団の一報が流れたときも「何しに来るんや?」と信じられなかった。晩年にJリーグにやってくるスターはいたが、現役バリバリの世界的プレーヤーの来日は衝撃だった。サッカーの話題は、昨年までサッカー担当だったトラ番・邨田直人に聞くしかない。「ボクがサッカー担当になったときには、すでに神戸に入団していました。世界のイニエスタですから、『きょうは質問は〇個だけ』という感じで取材規制が厳しかったです。クラブ側はすごく気を使っていました。ところが本人は『きょうは勝ったんだから、もっと質問していいよ』と、マスコミに対してもすごくしゃべろうとしてくれる。スーパースターなのに、壁を感じさせない、ホントにフランクな選手でした」神戸の大学を卒業した邨田記者にとって、神戸はよく訪れる街。ウロウロしていると...「イニエスタがうちの店に来たんですよ」服を探したり、寿司屋を訪れたり。リアルで神戸の街を楽しんでくれている情報がいっぱい入ってきたそうだ。だからこそ、退団を発表した際に涙があふれたのだろう。会見を伝えるニュースを見ながら、心打たれた。そこに神戸愛を感じたから。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
28 | 14 | 1 | 0.667 (↑0.008) | - (-) |
100 | 180 (+7) | 127 (+4) | 25 (+3) | 23 (+1) |
0.254 (-) | 2.740 (↓0.03) |
2 (-) |
DeNA |
23 | 17 | 1 | 0.575 (↓0.015) | 4 (↓1) |
102 | 173 (+4) | 161 (+5) | 41 (+2) | 8 (-) |
0.267 (-) | 3.720 (↓0.04) |
3 (-) |
巨人 |
23 | 21 | 0 | 0.523 (↑0.011) | 6 (-) |
99 | 173 (+5) | 186 (+4) | 50 (+1) | 10 (-) |
0.253 (↑0.003) | 4.100 (-) |
4 (-) |
広島 |
21 | 22 | 0 | 0.488 (↓0.012) | 7.5 (↓1) |
100 | 152 (+2) | 150 (+8) | 31 (-) | 18 (+1) |
0.248 (-) | 3.160 (↓0.04) |
5 (-) |
ヤクルト |
17 | 25 | 2 | 0.405 (↓0.01) | 11 (↓1) |
99 | 154 (+4) | 182 (+7) | 42 (+1) | 27 (-) |
0.228 (↓0.001) | 3.760 (↓0.07) |
6 (-) |
中日 |
15 | 28 | 0 | 0.349 (↑0.016) | 13.5 (-) |
100 | 118 (+8) | 144 (+2) | 15 (+2) | 9 (-) |
0.240 (↑0.001) | 2.980 (↑0.02) |
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