◆オリックスが劇的なサヨナラ勝利。オリックスは3点ビハインドの8回裏、中川圭の2ランで1点差まで迫る。続く9回には、1死一塁から紅林の2ランが飛び出し、試合を決めた。投げては、5番手・ワゲスパックが今季2勝目。敗れた楽天は、救援陣がリードを守れなかった。

◆／12年で積み上げた100本塁打＼不振脱却の糸口となるか島内宏明のメモリアル弾で2点先制?プロ野球(2023/5/24)??オリックス×楽天??Live on DAZN#DAZNプロ野球#rakuteneagles pic.twitter.com/WVBowOPzPO

◆楽天島内宏明外野手（33）が、"生え抜き"初となる通算100本塁打を達成した。4回2死一塁、オリックス田島から右翼スタンドへ先制3号2ランで節目に到達。三塁側ベンチ前で記念プレートを掲げた。球団を通じて「打ったのはカットボール。100本も打てると思っていなかったのでうれしいです。99本目はランニングだったので、今日は入って良かったです（真顔で）」と、コメントした。島内のプロ初本塁打は、12年8月24日の日本ハム戦（Kスタ宮城）。3回2死、吉川の初球を右翼席中段へ運んだ。「しっかりスイングをすることを意識していました。ホームランを打ったという実感はないですが、打ててとてもうれしい」とコメント。現在はホームラン後のひょうひょうとした"島内語録"が味わい深いが、当時は語録がまだ生まれていなかった。ダイヤモンドを1周した後にマスコット人形を受け取り、草野大輔から人形をスタンドへ投げ入れることを教えられたが、スタンドにうまく投げ入れられず。フェンスに上って両手で投げ直すなど、初々しさが出た。星稜（石川）から明大をへて、11年ドラフト6位で楽天に入団。21年に打点王、22年は最多安打とベストナインに輝き、主軸打者として成長した。楽天で100本塁打以上は山崎武191本、浅村117本、ウィーラー106本の3人のみ。移籍してきた2人と外国人選手で、ドラフトで楽天に入団した選手の100本は初めてとなった。通算100本塁打＝島内（楽天）　24日のオリックス10回戦（ほっともっと神戸）の4回、田嶋から今季3号を放って達成。プロ野球307人目。楽天では4人目だが、ドラフトで入団した選手では球団史上初めて。初本塁打は12年8月24日の日本ハム19回戦（Kスタ宮城）で吉川から。

◆オリックスは21歳3カ月の紅林弘太郎（21）が逆転サヨナラ2ラン。紅林のサヨナラ打は22年4月21日ソフトバンク戦以来2度目。前回は2－2からの左安打で、サヨナラ弾は自身初めてだ。サヨナラ本塁打の年少記録は19年8月12日DeNA戦の村上（ヤクルト）の19歳6カ月だが、オリックスでは阪急時代の62年4月14日近鉄戦の矢野がマークした21歳9カ月を抜いて、球団最年少となった。

◆オリックスが、若武者・紅林弘太郎内野手（21）の劇的な一撃で楽天を土俵際でうっちゃった。1点を追う9回1死1塁。紅林はいつもの登場曲と違う曲に送られて打席に入った。通常なら「ジャンボリミッキー！」かチャンス時には「紅」だが、なぜかこの日は人気アニメ「Dr．スランプ　アラレちゃん」のテーマ曲「ワイワイワールド」だった。先輩の宗からは試合前に「今日は楽しみにしとけよ」と言われていた。内緒で変更した曲は、紅林は聞いたことのない曲だったが「盛り上がったんでよかったと思います」とちゃっかり乗っかった。カウント2－1から松井裕の4球目を捉えた打球は、あっという間に左翼席上段に飛び込む自身初の逆転サヨナラ2ラン。大喜びでベースを1周すると、ナインから水をかけられ、中嶋監督からは愛のヘッドロックをかけられた。顔をくしゃくしゃにして、紅林は「気持ちよかったです。打った瞬間行ったと思いました」と振り返った。21歳になった今季、目標を21本塁打に定めた。だが、状態が上がらず、開幕1軍を外れた。4月半ばに昇格したが、ここまで打率2割3分程度と低迷。この日も試合前に指揮官から「手首を返さないように」などの指導を受けていた。試合後にも「本当なら代打だったぞ」と言われた。だからこそ「勝ちに貢献できてよかった」という言葉に実感がこもる。チームは3連勝で首位ロッテを追う。大砲候補が「Dr．スランプ」でスランプ脱出のきっかけをつかんだ。【高垣誠】▽オリックス中嶋監督（サヨナラ2ランの紅林に）「期待はしたんですけどね。最高の仕事で終わりました。（成長ぶりは）バーンって来るのかと思ったけど、超スローペースでくるし。なかなか、我慢が必要な選手でございますよ」

◆楽天島内は自分に言い聞かせるように言った。4回に通算100本塁打となる先制3号2ラン。打率1割台と苦しんでいるプロ12年目で到達した節目に「思うようにいかないシーズンなんですけど、ここを乗り越えれば、もっといい選手になれると思う。ここからがすごい大事になる...自分にとって。なんとか一花咲かせられるように」と言って、前を向いた。楽天にドラフトで入団した選手では初めての快挙となった。「誰かしら結局、打つとは思うんで」と前置きしながらも「なんとか目標でもあったんで、打てて良かったです」。チームはメモリアルアーチから勝利目前までいったが、最後は悪夢の逆転サヨナラ負け。「苦しい時に成長できると思っている。なんとか苦しい時を乗り越えられるような選手になりたい」と島内。5連敗で借金10と苦境が続くチームへ向けた言葉にも聞こえた。通算100本塁打＝島内（楽天）　24日のオリックス10回戦（ほっともっと神戸）の4回、田嶋から今季3号を放って達成。プロ野球307人目。楽天では4人目だが、ドラフトで入団した選手では球団史上初めて。初本塁打は12年8月24日の日本ハム19回戦（Kスタ宮城）で吉川から。

◆オリックス広岡が巨人から移籍後初のスタメン出場で移籍初安打を放った。同点に追いついた4回2死二塁で、左腕早川から三塁強襲の内野安打。広岡は「とりあえず1本出てよかったです」とコメント。オリックス移籍後は代打で2打席に立っていたが、スタメン出場でこの日は4打数1安打。結果を出し、中嶋監督の期待に応えた。オリックス中川圭（8回に6号2ラン）「いつもと同じように1打席1打席に集中して打席に入ることを心がけていましたし、それがいい結果につながってくれたと思います」オリックス田嶋（10連勝中の楽天戦で6回2失点。勝敗つかず）「先制点を許してしまったことは反省しなければいけませんが、野手の皆さんがすぐに同点に追いついてくれましたし、これ以上は点を与えないようにという気持ちで、しっかりと打者に向かって投げられていたところはよかったと思います」

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】オリックス・バファローズ紅林弘太郎が１点を追う９回に逆転サヨナラ２ラン！劇的勝利に選手も中嶋聡監督も大興奮。みんな笑顔の幕切れとなりました。

◆楽天・島内宏明外野手（３３）が「７番・左翼」で先発出場し、通算１００本塁打となる先制３号２ランを放った。０－０の四回２死一塁。相手先発、田嶋の２球目を捉えて、右翼ポール付近に運んだ。球団広報を通じて「打ったのはカットボール。１００本も打てると思っていなかったので、うれしいです。９９本目は（左翼への）ランニング（・ホームラン、４月２９日の西武戦＝ベルーナドーム）だったので、今日は（スタンドに）入ってよかったです」とコメントした。

◆巨人からトレードで移籍したオリックス・広岡大志内野手（２６）が移籍後、初安打をマークした。「７番・二塁」で移籍後、初スタメン。二回の第１打席では、三ゴロに倒れていたが、２－２の四回２死二塁。先発・早川との２度目の対戦で、カウント０－１からの２球目、１４０キロの速球を振りぬくと、三塁への痛烈な当たりに。三塁手・伊藤裕のグラブを弾き、内野安打となった。「とりあえず１本出て良かったです。このあともしっかり頑張りたいと思います」と声を弾ませた。巨人・鈴木康平投手（２９）と自身２度目のトレードで１９日に入団。２１日の日本ハム戦（京セラ）では代打で登場し、空振り三振。２３日の楽天戦（ほっと神戸）でも代打で登場し、四球だった。１８３センチとパンチ力のある右の大型内野手。新たな背番号「３０」を背負った猛牛戦士が新たなスタートを切った。

◆オリックスが逆転サヨナラ勝ちで３連勝を飾った。４―５の九回１死一塁で紅林が２号２ランを放った。九回を無得点に抑えたワゲスパックが２勝目を挙げた。楽天は抑えの松井裕がリードを守れず、連敗が５に伸びた。

◆神戸の夜空に、一番どデカいアーチを打ち上げた。両軍合わせ〝３発〟の花火が舞ったが、最後にオリックス・紅林がプロ初のサヨナラ弾ですべてを持っていった。肌寒さが残る中、ナインが待つ歓喜のウオーターシャワーに飛び込んだ。「気持ちよかったです。打った瞬間いい感触だったので、いったかなと思いました」４－５の九回、マウンドには防御率０・００の守護神、松井裕－。ここまでかと思われたが、１死から大城が三失で出塁して球場の雰囲気が一変した。割れんばかりの歓声に背中を押され、打席に入る。４球目、真ん中の１４３キロのフォークを強振し、漆黒の空へ運び去った。ダイヤモンドを一周しすると、中嶋監督からはヘッドロック。「愛を感じました」と、手荒すぎる祝福を満面の笑みで受け止めた。この日は宗の仕掛けにより、登場曲が「Ｄｒ．スランプ　アラレちゃん」の主題歌に。いつもは東京ディズニーランドで使用される「ジャンボリミッキー！」で、愉快なポップ調で打席に向かうが、戸惑った。一世を風靡（ふうび）したアニメも知らない２１歳だが「盛り上がってたんで良かったかなと思います」と気にはせず。この日の第３打席まで１０打数無安打と〝スランプ〟の先に、最高の結果が待っていた。プロ２年目の２０１９年から、主に遊撃手として２年連続で１３０試合以上に出場してきた。今季はオープン戦から不振に陥り、開幕は２軍スタート。４月１８日の１軍合流から、この日の劇弾を含めても打率・２３１、２本塁打、１１打点だ。ヘッドロックをかけた中嶋監督も「なかなか、我慢が必要な選手でございますよ」と話す。この一発から、変わっていく。「やっぱりそこの目標は変わんないですし、はい、頑張ります」今季の目標は年齢と同じ２１本以上。チームも４連敗の後に３連勝と息を吹き返した。これからも球場の渦を視線を独り占めにする。（北池良輔）