阪神(☆1対0★)広島 =リーグ戦8回戦(2023.05.20)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:岩崎 優(2勝0敗5S)
敗戦投手:森下 暢仁(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神がサヨナラ勝利。阪神は両軍無得点のまま迎えた9回裏、2死一二塁から森下の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・大竹が7回無失点の好投。3番手・岩崎が今季2勝目を挙げた。敗れた広島は先発・森下が快投を見せるも、打線が好機を生かせなかった。

◆阪神大竹が球団記録の6戦6勝に挑戦する。20日広島戦に先発。勝てば37年秋の御園生の記録に並ぶ。「並ぶなら全然いい。更新ならちょっとあれですけど、関係ない」と力まず登板する。今季広島には2戦2勝。「相手も3回やられないように何かを徹底してきたりされると思う。(捕手の)坂本さんと臨機応変に幅をもってやりたい」と力を込めた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、試合前練習時に外野フェンス沿いまで出向き、西純矢投手(21)と約5分の"青空面談"を行った。中継ぎに転向した西純は、前日19日の広島戦で1点を追う7回から登板。2イニング目の8回に試合の流れを決める1点を失っていた。直立不動で話を聞いた西純は「野球観の話です。『おい、問題児』と声をかけられて。初めて(1対1で)お話しさせていただき、監督の考えであったり、アドバイスをいただいて、(今後への)ヒントになると思います」と、話した。8回は先頭の松山に四球を出し、代走羽月に二盗を許し、捕手梅野の悪送球で一気に三塁へ進めてしまっての失点だった。西純は「松山さんをどんな形でもいいから抑えていれば0点だった」と反省。状況をしっかり頭に入れて投球するようにアドバイスを受けた。岡田監督も「一番あかんのが四球。松山を出すと絶対に代走がでるんやから、出したらいかんバッター」と、西純へのアドバイスの一部を明かした。04年から08年までの第1次政権ではほとんど見られることのなかった選手への直接指導。それだけ西純への期待は大きい。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が4月16日DeNA戦以来、約1カ月ぶりの「6番右翼」でスタメン出場する。新人ながら開幕右翼の定位置をつかんだが、その後は20打席連続無安打と不振。4月17日に出場選手登録を抹消。ファームでは打率3割2本塁打12打点と結果を残し、前日19日に1軍再昇格していた。

◆球団記録の開幕6戦6勝に挑戦する阪神大竹耕太郎投手(27)が、初回を無失点で発進した。先頭菊池に四球を与えたものの、続く2番上本を空振り三振に仕留めた。さらに、スタートを切っていた菊池の二盗を封じ"三振ゲッツー"で一気に2死。3番秋山を一ゴロに料理し、結果的に3人で立ち上がりを終えた。大竹は勝てば37年秋に御園生が記録した開幕6戦6勝の球団記録に並ぶ。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、プロ通算16打席目で初安打を放った。3回先頭、広島森下から遊撃への内野安打で出塁した。現役ドラフトで阪神に移籍した大竹は、今季13打席目だった。記念の1球は広島内野陣から阪神ベンチに渡された。その後、1番近本のライトへの飛球を広島堂林がキャッチできず。スタートを切っていなかった大竹は二塁フォースアウトとなり、珍しいライトゴロが記録された。

◆球団記録の開幕6戦6勝に挑戦した阪神大竹耕太郎投手(27)が、7回6安打無失点の好投を見せるも、勝ち投手の権利がないまま降板した。勝てば37年秋に御園生が記録した開幕6戦6勝の球団記録に並ぶところだったが偉業を逃した。「正直、そこまで調子は良くなかったです。その中で何ができるか考えながら投げることができました。今日で言うと、いつもと風が逆だったので長打をケアして丁寧に投げることだったり、少し間合いを変えてみたり工夫して投げることができたと思います。あとはしっかりベンチから応援します」とコメントした。最大のピンチは7回2死一、二塁。投手森下を打席に迎えても冷静だった。3球全てチェンジアップ。打ち気にはやる森下をかわし、二ゴロに仕留めた。無失点投球を続けたが、打線の援護がなかった。両軍0-0のまま、8回からは2番手岩貞にバトンタッチした。

◆阪神がサヨナラ勝ちを決めた。0-0で迎えた9回2死一、二塁。スタメン起用されたドラフト1位森下翔太外野手(22)が劇的な一打を放った。ウオーターシャワーを浴び、甲子園の大歓声を全身に浴びたルーキーはヒーローインタビューで「ほんと泣きそうで...ありがとうございますって気持ちでした」と万感の思いを吐露した。ルーキーのサヨナラ打は今季12球団で初めて。阪神では19年7月20日ヤクルト戦(甲子園)での近本の犠飛以来。前日21日は両軍合計17得点の打ち合いだったが一転、阪神大竹耕太郎投手(27)と広島森下暢仁投手(25)の投げ合いで0-0の投手戦。延長寸前で、ドラフト1位ルーキーが殊勲打を放ち、甲子園は歓喜の六甲おろしがこだました。1937年(昭12)秋の御園生崇男以来の開幕6戦6勝がかかっていた大竹は、打たせて取る投球が光り、7回6安打無失点。勝ち負けはつかなかったが、防御率を0・48まで下げた。

◆広島は快投を続けていた先発森下暢仁投手(25)が9回に力尽き、早くも今季5度目のサヨナラ負けを喫した。右肘手術から復帰した森下は今季3戦目でまたも白星を手にできなかった。0-0で迎えた9回裏2死一、二塁。阪神6番森下への初球、この日108球目の内角147キロ直球がわずかに甘く入り、痛烈な左前適時打で決着をつけられた。8回2/3を6安打2四球1失点で今季初黒星を喫した森下は「最後、甘くなってしまった」と後悔。一方で新井貴浩監督(46)は「本当に素晴らしい投球だった。なんとか森下に勝ちをつけてあげたかった」と右腕の力投をねぎらった。打線は阪神先発大竹に7回で1点も奪えず、今季5度目の完封負け。大竹には今季3試合対戦して20回2/3でわずか1得点と苦しんでおり、新井監督は「いろいろ絞り球とか対策を立ててやっているけど、制球よく四隅に散らされた。また次の対戦に備えたい」と力を込めた。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)のプロ初サヨナラ打の裏に、先輩の好走塁があった。「悠輔のスタートがよかったというのが一番。こっちも回す根拠ができた。あそこでスタートが遅れると止めざるをえないし、いいスタートを切ってくれたから思い切って回せました」興奮冷めやらぬ試合後、三塁コーチャーを務める藤本内野守備走塁コーチが、大山悠輔内野手(28)の走塁をたたえた。大山は9回2死走者なしで、右中間への二塁打で出塁。佐藤輝への申告敬遠で2死一、二塁となり、森下の左前打でホームに生還した。2死なだけに、森下のバットがボールにインパクトした瞬間にスタートできる。快音が響いた瞬間、大山は迷いなく走りだした。さらに、藤本コーチは「打球が速かったので、(左翼の)西川選手がちょっと大事にボールを捕りに行った分、そこで回そうと、捕球体勢を見て」と判断した。代走は出なかった。それでも「悠輔も常に全力疾走してくれるし、常にかえるって気持ちを持ってくれてる子」と藤本コーチの信頼は厚かった。日頃から走塁に高い意識を置く主砲が、サヨナラ劇のもう1人のヒーローだ。

◆9回にプロ入り初のサヨナラ打を放った阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が甲子園初のお立ち台に立ち、喜びをかみしめた。9回の守りを3者凡退に抑えた、岩崎優投手(31)とともに登場した。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り-9回のマウンドはどんな気持ちで上がったか岩崎 「抑えたくて、うずうずしていました」-0点に抑えた。振り返って岩崎 「えー。ワンアウトとって、スリーボールになって、ヒヤヒヤしていました」-ただ、0点岩崎 「0点に抑えることができて良かったです」-11試合連続無失点岩崎 「ありがとうございます」-リリーフ陣の防御率はリーグNO1。リーダーとしてどうか岩崎 「みんな状態がいいので、刺激し合えて、いいピッチングができていると思うので。続けていきたいと思います」-大竹へメッセージ岩崎 「えー。僕の勝ちをあげます」-森下のタイムリーをどう見ていたか岩崎 「いや、初球振れ振れと思って。思い切って行けと思って。本当に振っていい結果になったので。持っているなと思います」-勝ちをつけた森下にもメッセージ岩崎 (目を合わせて笑み)「えー、今から初めてしゃべります(笑い)。冗談です。明日も頼むぞ」森下「はい」-明日に向けて一言岩崎 「明日も勝つばい」-森下へ。歓声を浴びて今の気持ちは森下 「いや本当、上がってきて、上に。悔しい思いしたので、なんとか打ってやろうという思いで打席に入りました」-どんな気持ちで打席に立った森下 「いや、あのツーアウトになっても大山さんが打つって思っていましたし、で、輝さんもつないでくれると思っていたので。打席に入る前から自分が決めてやろうという思いでずっと待っていました」-1軍に上がって即結果。歓声を浴びて改めて森下 「いやもう本当、上がってきてここに立ってヒーローインタビュー受けるっていう一連の流れを頭の中でずっとイメージしていたので。その通りになって本当に良かったです」-タイムリーの後はベンチから選手が駆け寄った。そのときの気持ちは森下 「いや、もう正直泣きそうで(笑い)もう、ありがとうっていう。ありがとうございますっていう感じですね」-甲子園でのお立ち台は初。今見える景色はどうか森下 「最高でーす!」-3連戦最終戦へ一言森下 「本当、チームいい形で来ているので、この流れを途切れることなく、またここから連勝を積み上げていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」

◆阪神がドラフト1位森下翔太外野手(22)のサヨナラ安打で劇的な勝利を挙げた。サヨナラ勝利は今季4度目。試合後の岡田彰布監督(65)の試合後のインタビューは以下の通り。(テレビインタビュー)-9回は森下が一振りで決めた「そうね。まあ最初からね、あの(広島)森下(に対して)、森下で行こうと思っていたから。まあ、ファームでもね、ちょっと鳴尾(浜)でやってたんで。まあ、でも、最初かな。(2回の第1打席の)レフトフライか、あのカーブをいい感じで打ったんで、今日はいくかなと思いましたけど」-森下のどのあたりに期待して久々のスタメン起用したのか「いやいや、ファームで、名古屋で結果も出したし、そろそろだいぶ調子もあがってきたというんで。(昇格した)昨日でも(スタメンは)よかったんですけど、ね。その前にミエちゃんが打つから。昨日はね。今日はそういう意味でも、最後、いいところで回ってきて、本当によく打ちましたね」-お膳立てをしたのは4番の大山だったが「いや、ちょっとね。刺されるというか、スイングも遅れていたんですけど。今日の風だからね。なんか1発いってくれるかなと思っていたんですけど。あの2人は」-9回に登板した岩崎も流れを引き寄せた「まあ、同点でね、勝ち越してが一番いいんですけど、ま、とにかく表で点をやらなかったら何とかなるんじゃないかと思っていたんで」-先発大竹は7回99球。内容をどう見ていたか。「内容というか、結果はゼロに抑えているんで、広島は(今季対戦が)3回目なんでね。相手もそうとう研究して、今日は初回からすごく粘られたり、研究をしてると思うんだけど。調子も普通と思うんだけど、走者を出してもうまく0点に抑えていくというか、そういう投球術というかね、それはさすがですね」-99球での交代は迷わず「いやもう、それは迷わずです」。-連敗しなかった。「今日の勝ちはね、昨日も、どっちに転ぶかわからない展開だったけど、今日もそうだけど、昨日よりも今日の勝ちの方がね、価値のある1勝だと思うし。これで明日も、明日は久しぶりに才木が(先発で)投げるんで、今日の勝ちによって才木もちょっとは楽に投げられるんじゃないかな」(囲み)-森下ですが「どっちの森下? 分からへんやろ、森下て(笑い)」-虎の森下ですけど「虎の森下て(笑い)」-森下をスタメンで出すと決めたのはいつか「いやいや、2戦目(の先発投手が)広島の森下やからや。そらもう鳴尾(浜)でねえ、森下からヒットも打ってるし、名古屋行く前に見てるから、ちょうどねえ、いい感じというか、まあそら1年目やから、初めての投手とも会うわけやけど、2軍でも対戦経験があるわけやから、最初からそらもう森下、うん」-2軍で変わったところは「いやいや、だからバットが出るようなったやんか。最後1軍降りる時、見送り三振ばっかりでバットが出ないいうのがあったけど、まあこの間の名古屋の試合(視察した17日2軍中日戦)でもバットが出るし、今日の1打席目でも紙一重やったと思うよ。捕まえてると思うよ。だから1打席目のレフトフライでもねえ、見て、今日はなあ、タイミング合うなあ思てた」-最後は初球を仕留めた「うん。だから、初球からバットが出るいうことやろな。うん。1軍で悪なってる時は、あれ初球見逃してしまうやんか。打てるボールもな。そういうことや。それは打とうとするんやなしに、自然にね、反応してるんやろな。甘い球ていうかバットが出てヒットになる可能性のあるな、甘いボールに対して」

◆阪神がドラフト1位森下翔太外野手(22)のサヨナラ安打で劇的な勝利を挙げた。サヨナラ勝利は今季4度目。試合後の岡田彰布監督(65)の試合後のインタビューは以下の通り。-大竹は初回に1番菊池に12球粘られて四球を出した。2番上本の三振ゲッツーが大きかった「そうやなあ。おーん。まあ、(カウント)1-1から来そうな感じやったけどな。うん。まあ、けん制とか入れてたけど(1-2で)連続で来るとは思わんかったわ。でも、ある程度そう(予測)して外をいっとったからな」-捕手の坂本が「いや、そらバッテリーやろうな。1-1で失敗して連続ではいかれへんよ。あそこ1球ボール挟んだらなあ。来るかも分からんけど。だから、もう一気にと思ったけどな」-昨日、終わった後に「明日が大事」と「うん。そうやなあ。昨日も今日も、まあどっちが勝ってもな、おかしくないような展開で、まあ1勝1敗やけど。昨日負けたんだから、そういう意味では今日の勝ちはそら、すごく大きいと思うし、なあ。そら、森下も明日気分よく行けるし、一番大きいのはやっぱり才木やで。才木は久しぶりに投げるわけやから、そらなあ。今日負けてなあ、自分で負けたら3連敗とかなると、やっぱりそら、プレッシャーがピッチャーはかかるしな。そういう意味でも、今日勝ったことによって。まあ、明日負けていいわけじゃないけど、気分的にはだいぶ違うよ、そら。別に負けてもいいんやけどな、明日(笑い)。負けてもどうってことないやんか。でも、なあ、今日ひとつ勝ったことによって、気持ち的にはすごく楽になるってことやから」-6番争いでいい悩みに。競争してくれれば「そうやなあ。まだ1人に決められんし。なあ、来週過ぎたら、また交流戦でDHとかもあるからな。そのへんで、1人でも調子のいいバッターがいてるほうがいいよ、そらなDHの時にな」-できたら、大竹が投げてる間に(点を取りたかった)「そうやんな。あの回なあ」-広島の森下は良かった「森下はよかった。久しぶりに良かったよなあ。まあでも、最後、9回は来ると思わんかったけどなあ。9回はくるとは思わんかった。来たから、逆になあ、ひょっとしたらと思うたなあ、やっぱりな」-ちょっと新井監督が「あれは、9回はきついで」

◆9回を任された阪神岩崎優投手(31)が1イニングを10球でピシャリと抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。その裏、森下が試合を決めるとクールな男が珍しく顔を上気させ、興奮を隠さなかった。森下と並んだお立ち台では、7回0封の大竹に向け「僕の勝ちをあげます」と笑顔で申し出た。0-0で任された3番手。「昨日落としていたので」と心は熱く、頭は冷静だった。先頭マクブルームをチェンジアップでタイミングを外して中飛に斬ると、西川は高めのスライダーで泳がせて三邪飛。堂林は外角のチェンジアップで芯を外した右飛に仕留めた。「結果が0でよかったです」。1発のある打者が並ぶ4番からの攻撃で、細心の注意を払った3人斬り。劇的勝利へのムードを高めた。転がり込んだ今季2勝目は通算30勝の節目だった。13年ドラフト6位で国士舘大から入団。最初は先発だったが3年目の16年終盤、金本監督にリリーフ適性を見いだされて転向。勝利の方程式に欠かせない存在となり、今季は離脱した湯浅の代役守護神を務めて首位快走を引っ張っている。「先発に勝ちがつくのが一番ですが、ブルペンで勝ちを拾うのも大事なので」。防御率は驚異の0・69。先発の大竹、村上に負けない安定感で、必勝リレーを完結させている。【松井清員】

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、劇的なプロ初サヨナラ打で復活した。両軍無得点の9回裏2死一、二塁、広島森下から左前適時打を放ちヒーローになった。約1カ月の2軍生活で思い切りの良さを取り戻し、46日ぶりの1軍安打は自身甲子園初安打。固定できていない「6番右翼」奪取へ再び名乗りを上げた。チームは貯金を2桁の10に戻し、21日の同戦でカード勝ち越しを決める。苦しかった分、ウオーターシャワーが身に染みた。森下が先輩たちにもみくちゃにされ、ずぶぬれになった。甲子園の大歓声が胸に響いた。「いや、もう、正直泣きそうで。それぐらい気持ちが入って今日は臨んだので、こみ上げてきたと思います。悔しい思いをずっとしていて、なんとか甲子園で打ってやろうと思っていたので」両軍無得点の9回裏2死一、二塁。4番大山、5番佐藤輝とドラフト1位の先輩2人がつないでくれた。覚悟を決め打席に向かった。「自分が決めてやろう、と」。狙っていた初球。147キロをしばいた。19年日米大学野球でチームメートだった広島森下との「森下対決」を制す左前打。自身甲子園初安打がプロ初サヨナラ打になった。「6番右翼」で開幕スタメンをつかんだが、20打席無安打で4月17日に出場選手登録を抹消。2軍で一から打撃を見直した。すり足気味だったフォームは、足を上げるようになった。思い切りの良さを取り戻すためだった。「自分に求められることを考えたら、長打力が大切だなと。足を上げた方が体の中で勢いが出るし、打球は飛びやすくなる」1軍投手の速球に詰まらないよう、始動も早くした。劇的な一打は足を上げ、森下の直球を捉えたもの。32日間の2軍生活で原点回帰した日々が、ここ一番で背中を押してくれた。2軍合流当初、誰の目にも表情は暗かった。和田2軍監督が「まずは元気を取り戻させること」と言うほど、持ち前の明るさが不足していた。1軍の借りは1軍でしか返せない。46日ぶりとなる「Hランプ」を最高の場面でともし、甲子園で輝いた。「本当にここから。自分の中でも引き締まる。今、6番を固定できていないと思うので、そこの座になんとかいけるように」ミエセス、島田らと争う「6番右翼」のレギュラー奪取へ、堂々の決意表明。19日に再昇格後、即結果を残し、岡田監督からも「本当によく打った」とたたえられた。チームは再びの貯金10。悔しさを糧にはい上がってきた背番号1の強さは、本物だ。【中野椋】〇...岡田監督は森下スタメン起用の理由を「(広島の)森下から鳴尾浜でヒットも打ってるし、対戦経験があるわけやから」と説明した。4月27日の2軍広島戦で森下と2打席対戦し左安を放っていた。降格時にはバットが出ない状態だったが、サヨナラ打は初球を仕留めた。「自然に反応してるんやろうな」と積極性が戻ってきたことを評価。「今日の勝ちはすごく大きい。一番大きいのは才木やで。負けていいわけじゃないけど、別に負けてもいいんやけどな」と笑いながら、3週間ぶりに先発する右腕のプレッシャーを和らげていた。阪神のルーキー森下がサヨナラ安打。新人のサヨナラ安打は昨年9月25日の丸山和郁(ヤクルト)がDeNA戦でリーグ優勝を決める二塁打を放ち、スコア1-0で勝って以来。阪神の「サヨナラ打」は近本が19年7月20日ヤクルト戦(甲子園)で犠飛を放って以来だが、サヨナラ安打では島田の18年10月6日DeNA戦(甲子園)の右安以来。2リーグ制後、阪神の新人では今回の森下で9人目(10度目)。阪神新人のスコア1-0サヨナラ安打は1リーグ時代に2度あり、41年11月2日名古屋戦の松下繁二(延長17回に左二塁打)、46年5月23日セネタース戦の富樫淳(9回に右前安打)に次いで球団77年ぶり3人目。阪神森下が広島森下からプロ入り初のサヨナラ打。2リーグ制後、阪神のサヨナラ勝ちはこれで414度目だが、同姓投手からサヨナラ打を放った打者は球団初。

◆球団タイ記録の快挙は逃しても、勝利に値する快投だった。開幕6戦6勝をかけたマウンドでも、阪神大竹耕太郎投手(27)は冷静だった。「それで気負っていいことは何もない。ただの1試合と思って投げた」。クイックを交えたテンポのいい投球で7回を6安打無失点。「ピンチとか関係なく、やるべきことを1球1球やるだけ。別にそのシチュエーションが10対0だろうが0対0だろうが、僕にとってあまり関係ない」。0-0の投手戦にも、心を乱さなかった。3回にはプロ通算16打席目で初安打となる遊撃への内野安打も放った。対戦した広島森下は早大時代に2打席対戦し、左中間への二塁打を記録。「森下君の軌道は知っているので」とイメージしていた。一方で昨季11安打の「打者森下」の怖さも熟知。7回最後の打者として対戦し、「あそこに飛ぶのが最大限になるようなコースに投げきれた。狙って抑えられた感じ」と二ゴロに仕留めた。広島とは今季3度目の対戦。岡田監督は「初回からすごく粘られたり研究をしてると思うんだけど、ランナーを出してもうまく0点に抑えていく。さすがですね」とたたえた。好調左腕はオフも無駄にしない。前回登板後の休日にはリラックス効果のあるとされる呼吸法のトレーニングを学びに京都へ足を運んだ。道中ではトンカツや大好物のギョーザ、スイーツも堪能。現役ドラフトでソフトバンクから移籍し、福岡から関西へと生活拠点を移した。新たな土地の魅力を満喫し、エネルギーに変えている。大竹に勝敗はつかなかったが、チームは劇的なサヨナラ勝ち。ベンチ裏でインナーマッスルのトレーニング中だったが、「絶対、水をかけるのはやりたかった。森下が打席に行ったくらいから準備を始めて。念願の水掛けができました」と歓喜の輪へ。昨オフ最高の補強となった左腕がこの日も勝利を呼び込んだ。【波部俊之介】阪神大竹は球団タイ記録の開幕6戦6勝とはならなかった。7回無失点で降板したが、味方の援護なく勝敗はつかず。球団記録の37年秋に御園生崇男が記録した6戦6勝に届かなかった。○...2番手岩貞祐太投手が8回を3人で抑え、6ホールド目をマークした。1死から上本に四球を与えるが、3番秋山の強烈なライナーを一塁手大山が好捕。そのままベースに飛び込み、飛び出していた上本は戻れず併殺となった。「大竹があれだけいい投球をしていたので、抑えてよかった」と、笑顔。この日も熊本県人リレーを成功させた。○...先発マスクの坂本誠志郎捕手が、3投手を導き、無失点でサヨナラ勝ちを演出した。今季6度目の先発大竹とのコンビではテンポを意識。「あんまり考えさせないうちに投げたいっていうのはある。大竹も捕ったらすぐ投げるみたいな感じで来てくれる」と意思疎通ができていた。初回は二盗を阻止し、打撃では2回に左中間への二塁打。攻守で存在感を示した。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、プロ初のサヨナラ打を放った。0-0の9回裏2死一、二塁。広島森下暢仁(まさと)投手(25)から左前適時打を決め、サヨナラ勝ちを決めた。森下が森下から打った。阪神のサヨナラ勝ちはこれで2リーグ制後414度目だが、同姓投手からサヨナラ打を放った打者は2リーグ制後、球団で初めてだ。名字由来netによると「森下」という名字は全国で約8万4600人。順位にすると258位と決して高くはないが、それでも全国で8万人を超える森下さんが存在する。その中でもプロ野球に在籍したことがある選手は7人。うち3人は現役で、阪神森下と広島森下、そしてDeNA森下瑠大(りゅうだい)投手(18)といずれもセ・リーグに所属している。DeNA森下は京都国際から22年ドラフト4位で入団したルーキーだ。今回は阪神森下に軍配が上がった。同一リーグに所属する投手と打者なので、阪神森下は広島森下やDeNA森下との「森下対決」が見られる可能性も大いにある。今後、阪神森下には「同姓キラー」としてチームに貢献してほしい。【記録室=林亮佑】

◆阪神大山悠輔内野手が9回2死からサヨナラ劇をお膳立てした。3打席抑えられていた広島森下の外角149キロ直球をとらえ、右中間を破る二塁打。「まずは塁に出ないことには点も入らない。野球はツーアウトからというところもあるので」とチャンスメーク。続く佐藤輝の申告四球で、2死一、二塁。森下が初球を左前に運ぶと、「あとはもう全力で走るだけだった」と全力で本塁を駆け抜けた。三塁コーチャーとして本塁突入を指示した藤本内野守備走塁コーチも「悠輔のスタートがよかったというのが一番。こっちも回す根拠ができた。いいスタートを切ってくれたから思い切って回せました」。打球は速かったが、大山の好スタートと左翼西川の捕球体勢を見て「GO」サインを出した。大山はチームトップの25打点を挙げる得点源だが、5月3日の木浪のサヨナラ安打で勝利した中日戦でも、先頭で二塁打を放ち、突破口を開いた。この日も陰のヒーローとなった4番は「すごくチームとして大きな1勝なんじゃないかなと思う」と笑顔で話した。【石橋隆雄】

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、劇的なプロ初サヨナラ打で復活した。両軍無得点の9回裏2死一、二塁、広島森下から左前適時打を放ちヒーローになった。約1カ月の2軍生活で思い切りの良さを取り戻し、46日ぶりの1軍安打は自身甲子園初安打。固定できていない「6番右翼」奪取へ再び名乗りを上げた。チームは貯金を2桁の10に戻し、21日の同戦でカード勝ち越しを決める。森下の父善文さんは、神奈川の自宅でテレビ観戦していた。サヨナラ打を見届け「いつもより緊張していた表情に見えたけど、甲子園で1本打てたので翔太自身もほっとしているんじゃないかなって思います」と喜んだ。「親心的には、テル、打ってくれ! って思っていました」とにっこり。「でも、学生時代から、勝負のおいしいところで打ってくれていたから、やってくれるかなと予感しながら見ていました。残すところはホームラン。ホームランを1本出せば、気持ち的にも晴れるんじゃないかなって思います。これからもチャンスをものにして欲しいです」とエールを送った。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、プロ初のサヨナラ打を放った。0-0の9回裏2死一、二塁。広島森下暢仁(まさと)投手(25)から左前適時打を決め、サヨナラ勝ちを決めた。森下には、地元横浜に最高の仲間がいる。2歳頃から交流のある幼なじみの諏訪部凌さん(22)だ。この日は自宅でテレビ観戦。ヒーローインタビューで笑顔を見せる森下にテレビ越しでも思わず釣られて笑った。「さすがだなって。これからもたくさんキツいこともあると思うけど頑張って欲しいです」と自分のことのように喜んだ。保育園で出会い、気づけばずっと一緒に遊んでいた。両家は家族ぐるみでの付き合いが今でも続く。諏訪部さんは保育園からサッカーを始め、森下も一緒に遊んだ。「初めは新聞紙を丸めて、それを蹴って、ずっと遊んでいました。地元の友達と遊ぶ時は基本、サッカーばかりしていました」諏訪部さんは振り返る。森下にとって友達とサッカーやゲームをして遊ぶのが大切な時間。諏訪部さんから見た森下は「優しくて、穏やか」。1度もけんかをしたことがないという。それでも、サッカーやゲームなどの勝負事では負けず嫌いが顔をのぞかせ、勝てるまで勝負を挑んできたのが思い出だ。2人は高校から別々の道を歩んだが、定期的に連絡を取った。年末年始の帰省時には必ず集まる。今回は箱根温泉とディズニーランドに行った。同じく新社会人となった諏訪部さんも、野球観戦の頻度が増えてきた。「直接、面と向かって言うのは恥ずかしいんですけど...。どんなに苦しくても僕たち地元の友達はずっと応援している最強のファンと思って欲しいです。翔太が野球でプレーしている姿を見ると、皆が頑張れると言っています。僕もその1人」とエールを送る。高校時代から寮生活の背番号1も「地元の友達は大切で、最高の仲間です」と言い切る。初めての関西での生活でも、「最強のファン」が原動力のひとつになっている。【阪神担当 三宅ひとみ】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神タイガースドラ1新人森下翔太がプロ初サヨナラ打! 1カ月ぶりの1軍でスタメン出場し劇的勝利に導きました。甲子園で新たなヒーローの誕生です!

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、同姓の広島森下暢仁投手(25)からプロ入り初のサヨナラ安打を放った。2リーグ制後、阪神のサヨナラ勝ちはこれで414度目だが、同姓投手からサヨナラ打を放った打者は球団初。※「名字由来net」より引用。森下は258位で全国におよそ8万4600人、DeNAには瑠大が在籍。1位の佐藤は184万2000人、2位の鈴木は177万8000人、10位の加藤は87万8000人、20位の清水は52万6000人、50位の三浦は29万人、100位の菊地は17万9000人、150位の松下は13万5000人、200位の南は10万4000人。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、劇的なプロ初サヨナラ打で復活した。両軍無得点の9回裏2死一、二塁、広島森下から左前適時打を放ちヒーローになった。約1カ月の2軍生活で思い切りの良さを取り戻し、46日ぶりの1軍安打は自身甲子園初安打。固定できていない「6番右翼」奪取へ再び名乗りを上げた。チームは貯金を2桁の10に戻し、21日の同戦でカード勝ち越しを決める。森下翔太(もりした・しょうた)2000年(平12)8月14日生まれ、横浜市出身。東海大相模では1年夏からベンチ入り。甲子園は3年春に4強。高校通算57本塁打。中大ではDeNA牧の2学年後輩、1年春ベストナイン。1、4年時に大学日本代表に選ばれ、1年時は森下暢仁(当時明大4年)とチームメート。4年春に2度目のベストナイン。大学通算9本塁打。22年ドラフト1位で阪神入団。182センチ、90キロ。右投げ右打ち、今季推定年俸1600万円。阪神のルーキー森下がサヨナラ安打。新人のサヨナラ安打は昨年9月25日の丸山和郁(ヤクルト)がDeNA戦でリーグ優勝を決める二塁打を放ち、スコア1-0で勝って以来。阪神の「サヨナラ打」は近本が19年7月20日ヤクルト戦(甲子園)で犠飛を放って以来だが、サヨナラ安打では島田の18年10月6日DeNA戦(甲子園)の右安以来。2リーグ制後、阪神の新人では今回の森下で9人目(10度目)。阪神新人のスコア1-0サヨナラ安打は1リーグ時代に2度あり、41年11月2日名古屋戦の松下繁二(延長17回に左二塁打)、46年5月23日セネタース戦の富樫淳(9回に右前安打)に次いで球団77年ぶり3人目。阪神森下が広島森下からプロ入り初のサヨナラ打。2リーグ制後、阪神のサヨナラ勝ちは414度目だが同姓投手からサヨナラ打を放った打者は球団初。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神はドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が「6番・右翼」で4月16日のDeNA戦(横浜)以来となる出場が決まった。2軍落ちを経て19日に再昇格した背番号1は、「1回(2軍に)落ちて悔しい思いをしたので、あの思いをしないようにしっかりと結果を出していきたい」と活躍に向け意気込んでいた。先発の大竹耕太郎投手(27)は開幕から6戦6勝を目指す。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(27)が三回、遊撃への内野安打でプロ初安打を記録した。広島の先発・森下に対して2球で追い込まれたが、ファウルで粘って6球目を三遊間へ。打球は三塁手のグラブに当たり、遊撃手の後ろへ転がった。プロ通算16打席目で初めてHランプをともした。

◆阪神・大竹耕太郎投手(27)が先発し、99球で7回6安打無失点と粘投したが、スコアレスの展開で交代となり、球団記録に並ぶ開幕から6戦6勝はならなかった。7回全てで走者を背負ったが、崩れなかった。一回は12球の粘り合いで先頭の菊池を四球で出塁させたが、上本の打席でエンドランをかいくぐって三振ゲッツー。三回は先頭の会沢に中前打を許したが、続く森下のバントゴロを素早く処理して二塁に送球して進塁を許さず、後続を断って無失点で切り抜けた。五回は味方の失策で先頭打者を出塁させるも、続く会沢を遊ゴロ併殺に仕留めてガッツポーズ。1死からの安打と犠打で初めて得点圏に走者を背負った六回も、4番・マクブルームにスライダーを引っかけさせて遊ゴロに抑えて力強く左拳を握り、2安打で2死一、二塁を招いた七回も森下を二ゴロに料理し、相手の先制を阻止した。7つのゼロを並べたが援護なく降板し、勝ち投手の権利は得られず。勝てば1937年秋の御園生崇男以来、86年ぶり2人目となる球団最長の開幕6戦6勝だった。それでも、広島・森下との見事な投手戦を演じた。

◆阪神は九回、ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=のサヨナラ安打で勝利した。 先発の大竹耕太郎投手(27)はテンポ良く投げ込んで7回無失点。味方の援護がなく開幕から6戦6勝とはならなかったが、緊迫した試合で最後まで、すきを見せなかった。2番手の岩貞も八回を無失点で締め、九回は岩崎が無失点で締めた。 打線は広島の先発・森下を八回まで打ち崩すことができなかった。得点圏に3度走者を進めたが、あと1本が出ず散発4安打で無得点。この試合まで通算2勝6敗と相性の悪い相手に絶好機を作ったのは九回。2死から大山が中堅への二塁打で出塁すると、佐藤輝が申告敬遠で一、二塁。この日の第4打席に入った森下は、初球を振り抜いて左前へ運ぶサヨナラ打。19日に昇格した黄金ルーキーが一振りで試合を決めた。

◆広島は森下暢仁投手(25)の今季最多108球の熱投も実らずサヨナラ負け。0─0の九回2死から大山に二塁打、佐藤輝を3ボールから申告敬遠で歩かせると、続くD1位・森下(中大)に初球を左前に運ばれ、二塁走者の生還を許した。今季3度目の先発で8回?、6安打1失点と先発の役割を全うしたが、打線の援護なく今季初黒星を喫した。昨年8月16日の中日戦(マツダ)以来の復活星は持ち越しとなったが、ここまでハーラートップの5勝を挙げる阪神・大竹(7回6安打無失点、勝敗付かず)を内容で上回るなど、昨秋に手術を受けた右肘の不安を完全に払しょくした。

◆阪神が今季最多4万2598人の観衆の前で、4度目のサヨナラ勝ち。九回2死一、二塁で、「6番・右翼」でスタメンに復帰したD1位・森下翔太外野手(22)=中大=が広島・森下暢仁投手(25)から、自身24打席ぶりの安打を左前に運んで、決着をつけた。2死無走者から大山悠輔内野手(28)が二塁打、佐藤輝明内野手(24)が申告敬遠で、森下が決めた。球団の新人サヨナラ打は2019年7月20日のヤクルト戦(甲子園)での近本光司外野手(28)の犠飛以来。大竹耕太郎投手(27)は7回無失点ながら、球団記録に並ぶ開幕6連勝は次回に持ち越し。九回に登板した岩崎優投手(31)が2勝目(5セーブ)を挙げた。貯金を再び「10」とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=24勝14敗1分、観衆=4万2598人)。★テレビインタビュー編ーー大竹はどう見ていたか「結果はゼロに抑えているんで、広島は3回目なんでね。相手も相当研究して、今日は初回からすごく粘られたり、研究をしてると思うんだけど。調子も普通と思うんだけど、ランナーを出しても、うまく0点に抑えていく投球術は、さすがですね。やっぱりね」ーー99球での交代「いやもう、それは迷わずです」★囲み編ーー森下ですけど「どっちの森下? 分からへんやろ、森下て(笑)」ーー虎の森下ですけど「虎の森下て」ーースタメンを決めたのは「2戦目、森下。広島の森下やからや。鳴尾で森下からヒットも打ってる(4月27日の2軍戦で1安打)。名古屋行く前に見てるから、いい感じというか、1年目やから、初めてのピッチャーとも合うわけやけど、2軍でも対戦経験があるわけやから、最初からそらもう森下、うん」ーー2軍で変わった部分は「バットが出るようなったやんか。1軍降りる時、見送り三振ばっかりでバットが出ないのがあったけど、名古屋の試合でもバットが出るし、今日の1打席目のレフトフライ見て、タイミング合うなあ思てた」ーー最後は初球を仕留めた「初球からバットが出るいうことやろな。1軍で悪なってる時は、初球見逃してしまうやんか。打とうとするんやなしに、自然に反応してるんやろな。バットが出てヒットになる可能性のある甘いボールに対して」ーー19日の試合後、『明日が大事』と言っていた「昨日も今日も、どっちが勝っても、おかしくない展開で、1勝1敗やけど。昨日負けたんだから、そういう意味では今日の勝ちはそら、すごく大きいと思う。森下も明日気分良く行けるし、一番大きいのは才木やで。久しぶりに投げるわけやから、今日負けてなあ、自分で負けたら3連敗とかなると、プレッシャーはかかるしな。勝ったことによって、明日負けていいわけじゃないけど、気分的にはだいぶ違うよ、別に負けてもいいんやけどな、明日(笑)。負けてもどうってことないやんか。今日ひとつ勝ったことによって、気持ち的にはすごく楽になるってことやから」ーー6番でいい悩み「まだ1人に決められんし。なあ、来週過ぎたら、(30日から)交流戦でDHとかもあるからな。1人でも調子のいいバッターがいてる方がいいよ」ーー森下は良かった「森下は良かった。久しぶりに良かったよなあ。でも九回は来ると思わんかったけどなあ。逆に、ひょっとしたらと思うたなあ、やっぱりな」ーー新井監督が「アレは、九回はきついで。おーん」

◆阪神が今季最多4万2598人の観衆の前で、4度目のサヨナラ勝ち。九回2死一、二塁で、「6番・右翼」でスタメンに復帰したドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が、広島・森下暢仁投手(25)から自身24打席ぶりの安打を左前に運んで、決着をつけた。?阪神の新人・森下がスコア0-0の九回にサヨナラ安打。新人選手のサヨナラ安打は昨季の日本ハム・上川畑大悟(9月17日のロッテ戦、4-4の九回に単打)とヤクルト・丸山和郁(9月25日のDeNA戦、0-0の九回に二塁打)がマーク。?阪神の新人選手のサヨナラ打は、2019年7月20日の近本光司(対ヤクルト、3-3の九回に犠飛)以来4年ぶりで、サヨナラ安打は18年10月6日の島田海吏(対DeNA、3-3の十回に単打)以来5年ぶり。スコア0-0からサヨナラ安打を放ったのは、1946年5月23日の富樫淳(対セネタース、九回に単打)以来77年ぶり。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)がサヨナラ勝ちをお膳立てした。0-0の九回2死から森下の高めの直球を捉え、右中間を破る二塁打を放った。「後ろには頼もしい後輩がいるので、(塁に出れば)何とかしてくれる」。その後、森下の左前打で本塁に激走。サヨナラのホームを踏んだ。三塁コーチャーの藤本内野守備走塁コーチは「いいスタート切ってくれたので思い切って(本塁へ)回せた」と称賛した。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が一回に右前に運んで9試合連続安打をマーク。六回は中前にはじき返し、森下から2安打を放った。ともに得点には絡まなかったが「塁に出ることで(盗塁を)気にして、球数が多くなったところもあったと思う」と胸を張った。打率・307と好調をキープ。これからもバット&脚力で相手投手にプレッシャーをかける。

◆阪神は広島に1―0で今季4度目のサヨナラ勝利。約1カ月ぶりに「6番・右翼」で先発したドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が、九回にプロ初のサヨナラ安打で決着をつけた。開幕スタメンも4月中旬に2軍落ち。悔しさを糧にはい上がってきた若武者が、首位を走る猛虎をさらに勢いづける。――2軍から上がってきてお立ち台でこの歓声を聞いて「上がってきて、ここに立って、ヒーローインタビューを受けるという一連の流れを頭の中でずっとイメージしていたので、その通りになって本当によかったです」――初球からいこうと決めていた?「初球からいこうと思っていました。前の3打席は初球で振り出せなくて、捕手からしても初球振ってこないから、簡単に(ストライクを)取れるだろうというので入ってくれるかなと思ったので、振りにいこうと思いました」――狙いは「前の打席がチェンジアップと真っすぐできていたので、真っすぐに振り負けないように入って、チェンジアップがきても、外野が少し前に来ていたので、泳ぐくらいの気持ちでいいかなと思っていました」――先輩方が駆け寄ってきた「うれしかったですし、悔しい思いもしていたので、何とか甲子園という舞台で打ってやろうと思っていたので。その時はうれしいだけだったんですけど、後々いろんな思いがきました」――お立ち台では「泣きそう」と「気持ちが入って試合に臨んだので。そういう気持ちがこみあげてきたなという感じです」――いろんな思いというのは「打てなくて(2軍に)落とされた悔しさもありますし、自分が打てなかった情けなさもありました。決めてやろうという思いはありましたけど、頭は意外と冷静でした」

◆八回に2番手で登板した阪神・岩貞は走者を出しながらも無失点に抑えた。「大竹がいい投球をしていて、僕らが打たれるわけにはいかない。抑えられてよかった」。1死から上本に四球。秋山を一直に仕留めると、飛び出していた一走が憤死で併殺とした。「出された場面で仕事をするしかないので、思い切って投げた」と汗を拭った。

◆マウンドでもお立ち台でも阪神・岩崎は絶好調だった。九回を三者凡退に封じて今季2勝目。ヒーローインタビューでは先発・大竹を粋な言葉でねぎらった。「抑えたくてうずうずしていました。僕の勝ちを(大竹に)あげます!」4番・マクブルームからのクリーンアップをわずか10球で料理し、その裏に森下がサヨナラ打。一緒に上がったお立ち台でルーキーに対してのコメントを求められると、数秒の沈黙の後に「今から(森下と)初めてしゃべります。冗談です。明日も頼むぞ!」とおどけて虎党の笑いを誘った。これで11試合連続無失点の左腕は「こうやってブルペンで勝ちを拾っていくのも大事なこと」とチーム一丸を強調した。離脱中の湯浅に代わって守護神を務める31歳。ブルペンリーダーとしての存在感が際立っている。(織原祥平)

◆頼もしいルーキーや!! 阪神は広島に1―0で今季4度目のサヨナラ勝利。約1カ月ぶりに「6番・右翼」で先発したドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が、九回にプロ初のサヨナラ安打で決着をつけた。開幕スタメンも4月中旬に2軍落ち。悔しさを糧にはい上がってきた若武者が、首位を走る猛虎をさらに勢いづける。何度も思い描いた歓喜の瞬間を一振りで現実にした。これまでの悔しさをぶつけた森下の打球が、黒土ではねて左翼手の前に転がる。大山がホームを踏むと、背番号1が一塁ベース付近で飛びはねた。甲子園初安打が試合を決めるサヨナラの一打。ベンチから飛び出してきた先輩全員にもみくちゃにされ、顔を真っ赤にして雄たけびをあげた。「最高でーす!! (1軍に)上がってきて、ここに立って、ヒーローインタビューを受ける一連の流れを頭の中でずっとイメージしていたので。その通りになって本当に良かったです」0―0の九回、2死から最高のドラマを完結させた。4番・大山が中堅への二塁打を放ち、佐藤輝は3ボールから申告敬遠で一、二塁に。「大山さんが打つと思っていましたし、輝さんもつないでくれると思っていた。自分が決めてやろうの思いでずっと待っていた」。3打席抑えられていた広島先発・森下の初球を迷いなく振り抜き、最後の最後で攻略した。オープン戦チーム3冠で開幕スタメンを勝ち取り、2戦目でプロ初安打、3戦目で初お立ち台。順風満帆に見えた黄金ルーキーの船出は、間もなく暗雲に覆われた。4月6日から20打席無安打。17日に2軍降格となった。強い気持ちでプレーするタイプが、降格後は和田2軍監督に「心の切れも落ちている」と指摘されるほどだった。「打てないとどうにもならない。相談はせず、自分の中で見直して(フォームを)変えました」何とか結果を出そうと、すり足にしていた左足を高く上げ、勢いをつけて振るフォームを試した。うまくいかなければ、より自分を見失いかねない。それでも、1軍で活躍する2学年上の佐藤輝が指針になった。

◆森下の劇打で、7回零封の粘投は報われた。駆け寄った先のヒーローに浴びせたウオーターシャワー。勝利の輪の中で大竹は満面の笑みだった。「森下が打席に行ったぐらいに準備して、念願の水かけができました」森下と演じたしびれる投手戦がサヨナラを呼んだ。一回先頭の菊池に四球を与えるも、三振ゲッツーに仕留めて無失点発進。6安打などで七回まで毎回走者を出しながらもテンポ良く腕を振って要所を断ち、力強いガッツポーズも作ってみせた。打線の援護なく、7回99球で降板。マウンドを救援陣に託し、球団記録に並ぶ開幕6戦6勝はならなかった。「気負っていいことは何もない。ただの1試合と思って投げている」。邪念なく目の前の勝負に冷静な気持ちで臨むからこそ、好投は続く。今回で3度目の対戦だった広島には計20回?を投げて、失点はわずかに1。研究されている中での投球に、岡田監督は「ランナーを出してもうまく0点に抑えていくというか、そういう投球術というかね、それはさすがですね」とたたえた。「毎日100点(の投球)はできないという割り切りができればいいかなと思います」三回には内野安打でプロ初安打もマークし、勝利のために力を尽くした。規定投球回には1回?届かずも、安定感を示す防御率は0・48に上昇。次は満点投球で勝利の輪に加わる。(須藤佳裕)

◆「いい光景だなぁと思ったわ。岡田監督も変わったというか、今の若い選手のためにやり方を考えているんやろうなぁ」ビヤ樽こと虎番キャップの三木建次が、練習中のグラウンドを見つめてしみじみと語っていた。前夜の試合でリリーフ登板し2回1失点だった西純のもとに指揮官が歩み寄り、バックスクリーン手前の外野フィールドで約5分話し込んだシーンを見ての感想だった。「孫とおじいちゃんくらいの年齢差(21歳と65歳)やし、西純によると一対一で話すのは初めてだったらしい。脱帽して直立で監督の話に聞き入っていたわ」2004~08年に虎で指揮を執っていた頃、岡田監督が選手との間にきっちりと線を引くタイプの指揮官だったことは、よく語られている話だ。当時から将を追いかけてきたビヤ樽も、他の選手やメディアの目があるフィールド上で一人の選手と話し込む岡田監督の姿なんて、当時は見たことがなかった。しかも、西純が明かしたところによると「おい、問題児」という呼びかけから始まったらしいから、若い選手に対しても〝岡田流〟の切れ味がさえ渡っていて、何とも粋だ。「積極的にコミュニケーションを取るし、ベンチでの喜怒哀楽も以前よりすごい。選手が『監督って本当はこんな人なんだ』というのがどんどん分かってきて、これだけの勝ちを積み上げられているのもあるんちゃうかな」とはビヤ樽の〝解説〟だ。ここで「岡田の考え」を注入された西純は、相手をねじ伏せようとする投球からワンランク上を目指していくのだろう。この日から鳴尾浜で再出発する形になった青柳は、1軍にいたときから岡田監督に自ら質問しに行くことも多い選手だった。前夜は「もうええわ、青柳の話は」と厳しいコメントばかり並べられたが、必ずよみがえらなくてはならない男だからこそ、将はあえて突き放したはずだ。

◆ちょっと待てー!! 2軍に落とされた阪神のドラフト1位・森下翔太が1軍にはい上がり、そしてスタメン復帰のその日に、虎の子の1点をたたき出すサヨナラヒットで、ヒーローに輝くというスポ根ストーリーを考えたんは誰や!?野球漫画の重鎮『ドカベン』や『あぶさん』の作者・水島新司先生が生きてたら「わざとらし過ぎるわ! ボツや!!」と絶叫しそうだけど、この漫画さえ超える熱く感動的な現実で勝利しているのが、今季の猛虎軍団なのだ!!とにかく今季の岡田阪神はドラマチックなのだ!! 本日だって開幕から6戦6勝の球団記録を狙う大竹を7回99球で無失点なのに、チームの勝利優先で交代させ(4月12日の対巨人戦では7回パーフェクトの村上を交代)、負けたら非難の雨嵐覚悟の采配で、2試合とも勝利してるってんだから、岡田さんは『あぶさん』ならぬ『アレさん』やー!! 7連勝の反動で連敗が...と心配していたけど、この勝ちが新たなるスポ根超えの令和版猛虎ドラマ誕生のプレーボール!! なのだ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
24141 0.632
(↑0.01)
-
(-)
104157
(+1)
114
(-)
21
(-)
19
(-)
0.252
(↓0.001)
2.720
(↑0.07)
2
(-)
DeNA
22150 0.595
(↑0.012)
1.5
(-)
106160
(+5)
149
(+3)
38
(-)
7
(-)
0.270
(↑0.001)
3.810
(↑0.02)
3
(-)
広島
20190 0.513
(↓0.013)
4.5
(↓1)
104142
(-)
133
(+1)
28
(-)
15
(-)
0.251
(↓0.001)
3.170
(↑0.05)
4
(-)
巨人
20200 0.500
(↑0.013)
5
(-)
103159
(+6)
174
(+2)
44
(+1)
9
(-)
0.251
(↓0.001)
4.210
(↑0.05)
5
(-)
ヤクルト
17221 0.436
(↓0.011)
7.5
(↓1)
103139
(+3)
160
(+5)
38
(+1)
27
(-)
0.227
(↑0.001)
3.650
(↓0.02)
6
(-)
中日
13260 0.333
(↓0.009)
11.5
(↓1)
104103
(+2)
130
(+6)
12
(+1)
9
(-)
0.241
(↓0.001)
2.930
(↓0.09)