ヤクルト(★4対5☆)巨人 =リーグ戦8回戦(2023.05.17)・明治神宮野球場=
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巨人
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ヤクルト
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勝利投手:山﨑 伊織(3勝1敗0S)
(セーブ:大勢(1勝0敗7S))
敗戦投手:市川 悠太(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】秋広 優人(2号・4回表3ラン)
【ヤクルト】塩見 泰隆(3号・8回裏ソロ),内山 壮真(1号・9回裏ソロ)

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◆巨人は初回、丸の適時二塁打で先制する。その後は4回表に秋広の3ランで加点すると、続く5回には岡本和の適時二塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・山崎伊が7回1失点の力投で今季3勝目。敗れたヤクルトは、打線が終盤に追い上げを見せるも、あと一歩及ばなかった。

◆巨人が今季初めて、3試合連続同じラインアップを並べた。前夜は吉川、丸、大城卓、秋広の4人が3安打以上をマーク。特に6番秋広は、チャンスでことごとく打ち、V打点を含む3打点の活躍でヒーローになった。1番から4番岡本和を中心としたクリーンアップ、そして下位にかけて打線が機能。9-8という乱打戦を制した打撃力を継続させる。先発マウンドには、中5日で山崎伊が臨む。

◆巨人中川皓太投手(29)が551日ぶりに1軍に戻ってきた。出場選手登録を抹消された代木に代わって登録され、1軍の試合前練習に合流した。久しぶりのジャイアンツ球場以外への道のり。「久しぶりに1軍の方に会うので、ちょっと緊張しながらという感じはありました」と少しドキドキの合流だった。クラブハウスに入ると、すぐに小林と大城卓を見かけ「席がすぐ近くだったんで、あいさつして、自分の球種のサイン確認をしました(笑い)。久しぶりだったんで」とブランクを埋めるために準備を進めた。満員の観客が入った1軍の球場も久しぶり。「リハビリ期間中もジャイアンツ球場にたくさん見に来ていただいたりした。そういう人だけじゃなくて、復帰して、試合を見に来てくれる人もたくさんいると思う。そういう人の前で、いい投球ができるように頑張りたい」とファンの声援に応える活躍を誓った。

◆巨人がわずか10球で先制点を奪った。ヤクルト先発の市川から、1番吉川が6球目を右中間フェンス直撃の二塁打に仕留めて出塁。2番丸は4球目をとらえ、右翼フェンス直撃の先制適時打で続いた。丸は前日16日ヤクルト戦の第2打席から、5打席連続安打となった。調子を上げてきた吉川、丸の1、2番が、プロ入り初の中5日で先発マウンドに立つ山崎伊に先制点をプレゼントした。

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(29)が左手小指付近に死球を受けた。2回1死の第1打席。ヤクルト市川の138キロシュートが直撃した。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、スタッフも駆け寄った。ブリンソンはベンチに1度退いた。状態が心配された中、元気にベンチから出てくると、小走りで一塁に向かった。球場からは拍手が注がれた。その後、守備に就いた。6回裏の守備からは退いた。

◆メガゴジラが得点圏で、また暴れた。巨人秋広優人内野手(20)が2号3ランを放った。4回無死一、二塁、ヤクルト市川のスライダーをうまく乗せた。当たったのはバットの先だったが、打球は長い滞空時間をへて右翼席に飛び込んだ。前日16日も3安打3打点と活躍した秋広は、リードを4点に広げるアーチを描いた。この時点で、得点圏打率は13打数9安打の6割9分2厘まで上昇した。「打ったのはスライダーです。チャンスだったので積極的にいきました。うまくひろうことができ、最高の結果になってよかったです」とコメントした。

◆巨人岡本和真内野手(26)が、後輩へ惜別の1打を決めた。4点リードの5回2死三塁、右中間フェンス直撃の適時打で、中押しの1点をもたらした。試合前には、智弁学園の1学年後輩・広岡大志内野手(26)のトレードが発表された。兄貴分らしくバットで別れを告げた。接戦を制し2連勝を収めたチームはヤクルトと入れ替わり4位に浮上。原辰徳監督(64)は通算1238勝目を挙げ、歴代単独9位に立った。岡本和が後輩へのエールをバットに込めた。4点リードの5回2死三塁。ヤクルト市川の初球、外角高めのスライダーに全身のパワーをぶつけた。右中間フェンス直撃の適時二塁打。「(先発の山崎)伊織が頑張っていたので、追加点を取りたいと思っていました。得点圏なのでかえせてよかった」。柵越えまであと数十センチという当たりをかっ飛ばした。試合前の午後1時、智弁学園の1学年後輩でもある広岡のオリックスへのトレード移籍が発表された。突然の移籍を驚きとともに受け止めつつ「高校でも一緒で、巨人でもこうやって一緒にやれて楽しかった」と、ともに過ごした2年半を回想した。21年3月、広岡がヤクルトから加入すると、隣で寄り添った。話し相手になることはもちろん、チームに溶け込むために一役買った。2軍と1軍で会う機会がなくても、LINEで連絡。打撃の構えやバットの軌道、精神的なことまで、レギュラーに近づくために聞かれたことは惜しみなく伝える姿に、広岡も「全部答えてくれる。高校の先輩なので少し他の先輩とは違う存在。僕もレギュラーをとれるように頑張って、三遊間を組めるように頑張りたい」と共闘を夢見る後輩に背中を見せ続けた。岡本和は「地元(大阪)ですし、必要とされていくわけなので。持ってるものはすごい。パワーもありますし、肩も強い。後輩として頑張って欲しいなと。ずっと応援してます」。ユニホームが変わっても"智弁コンビ"の絆は変わらない。【小早川宗一郎】

◆今季初先発のヤクルト市川悠太投手が4回2/3でKOされた。プロ初勝利を目指したマウンドで6安打5失点。0-1で迎えた4回、先頭の巨人岡本和にこの日2つ目の死球を与えてから崩れた。その後、無死一、二塁で巨人秋広に2号3ランを被弾。「全体的にストライク先行ではいけたが、ランナーを背負った場面でもっと丁寧に攻めるべきでした」と反省の弁を述べた。

◆腰痛から復帰した巨人中川皓太投手(29)が551日ぶりの1軍登板をした。復帰マウンドは打者4人に3安打2失点と、ほろ苦の11球となった。4点リードの8回から2番手で出番を託された。いきなり先頭のヤクルト塩見に中越え本塁打を浴びた。続く青木には左前打を運ばれた。山田には右翼・梶谷が足を滑らせる不運も重なり、右中間への適時二塁打を浴びた。4番村上は遊飛に打ち取り、マウンドを三上に譲った。中川は昨季、腰痛のため実戦登板機会がなかった。4月28日のイースタン・リーグ日本ハム戦で実戦復帰。12、13日の西武戦で連投もこなし、ここまで同リーグ5試合登板し、5回1失点(自責0)と順調な回復をアピールしていた。15日に支配下に復帰。1軍登板は21年11月12日のCSファイナル・ヤクルト戦以来だった。

◆ヤクルトはチームが2戦連続で1点差ゲームを落とし5位に後退する中、内山壮真捕手に今季1号が飛び出た。2点を追う9回1死、球界を代表するクローザー、巨人大勢の155キロ直球を「感触は良かった」と左翼席へ突き刺した。1点差に迫る1発に「真っすぐ狙いで、その速さに振り遅れないように入った」と納得の表情。今季初本塁打に「少し安心しました」と次につながるアーチとなった。

◆巨人山崎伊織投手(24)がプロ初の中5日のマウンドで先発の仕事を全うした。自己最多の117球で、7回5安打7奪三振の1失点で3勝目をマークした。「1つ1つしっかりアウトを取って、結果的に長いイニングを投げられたらと思っていた。野手の方とみんなで勝ち取れた勝利」と打線の援護とバックの守備に感謝した。

◆巨人中川皓太投手が551日ぶりの1軍登板した。8回から2番手でマウンドへ。先頭塩見に中越え本塁打を浴びるなど打者4人に3安打2失点。21年11月12日のCSファイナル・ヤクルト戦以来の1軍は、ほろ苦い結果となった。15日に支配下復帰した左腕は「そんなに甘くないな。全力でいった結果。また投げる機会があれば、1人ずつ抑えていくしかない」と受け止めた。

◆551日ぶりに1軍登板した左腕・巨人中川皓太投手が、ほろ苦い復帰登板となった。8回から2番手でマウンドへ。先頭塩見に中越え本塁打を浴びるなど打者4人に3安打2失点で奪ったアウトは1つだけだった。21年11月12日のCSファイナル・ヤクルト戦以来の1軍マウンドに「そんなに甘くない。全力でいった結果。また投げる機会があれば、1人ずつ抑えていくしかない」と受け止めた。

◆オリックスへのトレード移籍が決まった広岡大志内野手(26)へ、神宮の巨人ファンから熱い声援が送られた。広岡にとって古巣でもあるヤクルトに勝利後、左翼席スタンドの応援団から広岡の応援歌が演奏された。ファンは「頑張れ頑張れ広岡!」と大きな"広岡コール"で温かいエールを送った。ツイッターでは「応援歌がずっと流れているのは泣ける」「もう聞けないの辛い...」「歌い納めか...」「最後に応援歌歌えて良かった」「現地民マジでうらやましすぎる」などのつぶやきがみられた。

◆巨人三上朋也投手が最高の火消し役を担った。2点差に迫られた8回1死二塁から登板。サンタナに四球を与えるも、続くオスナには徹底した外角低め攻めで、三ゴロの併殺打に打ち取りピンチを脱した。イニング途中でも対右打者での登板を想定し「1発がないように低めに、丁寧に、それだけでした」と見事に右殺しの役割を成し遂げた。

◆巨人原辰徳監督が監督通算1238勝目を挙げ、歴代単独9位に浮上した。先発山崎伊が7回1失点と好投。腰痛から復帰登板の中川は1発を浴びるなど、2失点で降板も「ボールそのものは走っていたし、いろいろ高揚した部分があったのかもしれない。まあでも、非常に期待感は出ると思います」と、次回以降に期待を込めた。

◆551日ぶりに1軍登板した巨人中川皓太投手(30)がほろ苦い復帰登板となった。8回から2番手でマウンドへ。先頭塩見に中越え本塁打を浴びるなど打者4人に3安打2失点で奪ったアウトは1つだけで降板となった。最速は148キロだった。15日に支配下復帰した通算212登板の実績ある左腕について、原監督は「ボールそのものは走っていた。高揚した部分もあるかもしれない。でも非常に期待感は出ると思います」と今後に期待を込めた。

◆支配下復帰した巨人・中川皓太投手(29)が1軍合流。この日、出場選手登録を抹消された2年目左腕、代木に代わって登録され、「ずっと朝方の生活をやっていたので、ちょっとまだ慣れていない感じはある」とはにかんだ。21年11月12日のシーズン最終戦となったクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(CS)のヤクルト戦(神宮)以来、551日ぶりの1軍復帰。「不安が大きかったですし、良くなってもすぐ悪くなってっていうことが何回もあった。今はほとんど問題なくできているので、諦めずにここまでやってきてよかった」と振り返った。昨季は腰痛の影響で1軍登板なし。2019~21年の3年間で中継ぎの中心として計162試合に登板した左腕は、「(復帰後の)1発目っていうのが大事だと思うので、今出せる力を100%出して、しっかり抑えれたら」と気合を入れた。

◆15日に支配下登録された巨人・松井颯投手(22)=明星大=が1軍練習に参加した。支配下登録後は初めて1軍に合流。阿部ヘッドコーチが見守る中、ブルペンでの投球練習を行い「やっとプロ野球選手になれたかなという気持ち」と率直な心境を明かした。育成からはい上がった右腕は「(埼玉・花咲徳栄)高校も3番手か4番手で、大学も最後の一年だけ結果を残せた。全然、有名ではない僕でも1軍の舞台で活躍できることを見せられたら、育成の人や高校生にも希望を与えられるんじゃないかな」と活躍を誓った。

◆巨人・秋広優人内野手(20)が2号3ランを放った。1-0の四回の第1打席。先頭の岡本和が死球、大城卓の右前打でつくった無死一、二塁の好機で、市川が投じた初球の変化球を右手一本ですくい上げた。4月29日の広島戦(東京ドーム)以来の一発に「チャンスだったので積極的にいきました。うまく拾うことができて、最高の結果になってよかった」と胸を張った。前日16日の静岡での同戦でも3安打3打点を記録。身長202センチの大砲が、連夜の活躍で存在感を示した。

◆今季初登板初先発のヤクルト・市川悠太投手(22)は4回2/3を6安打5失点(自責4)でプロ初勝利をつかむことはできなかった。「初勝利を目指して自分のピッチングをしたい」と意気込んで迎えた2022年9月28日の阪神戦(神宮)以来の先発。0―1の四回に秋広に2号3ランを献上するなど、中盤で粘れなかった。高知・明徳義塾高から2019年D3位で入団し、5年目。サイドスロー気味の投球フォームから繰り出す直球、スライダー、シュートなどが魅力の右腕は、今季は春季キャンプを1軍で完走するなど期待の若手の一人だ。開幕1軍はかなわなかったが、2軍で球速アップなどに取り組み、つかんだ登板機会。残念ながら白星とはいかなかった。

◆巨人・山崎伊織投手(24)が先発し、7回5安打1失点で、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。七回には2死から長岡、内山に連打を浴び1点を失ったが、強力打線を最少失点に抑えた。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(29)が2戦連発となる3号ソロを放った。「先頭だったので出塁することを考えて打席に入りました。しっかり自分のスイングができて押し込むことができました」1―5の八回。巨人2番手・中川に対し、カウント1―1から129キロスライダーを捉え、右中間席へ。打った瞬間それとわかる当たりで反撃に出た。塩見は前日16日の巨人戦(草薙)でも七回先頭で8―9に迫る3ラン。連夜のアーチで存在感を放った。

◆15日に支配下選手に復帰した巨人・中川皓太投手(29)が5-1の八回に2番手として起用され、2021年11月12日のシーズン最終戦となったクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージのヤクルト戦(神宮)以来、551日ぶりの1軍マウンドに上がった。先頭の1番・塩見に右中間へソロ本塁打を浴び、青木には左前打、さらに山田に右中間適時二塁打を許した。いきなりの3連打で2失点。村上を遊飛に仕留めたところで右腕・三上との交代を告げられた。この日の直球の最速は148キロだった。その後、三上が1死一、二塁でオスナを三ゴロ併殺に仕留め、5-3とリードを守った。

◆長い手を目いっぱい伸ばし、神宮の夜空に大きな放物線を描いた。1-0の四回。身長202センチの巨人・秋広が2号3ランをたたき込んで、チームの連勝に貢献した。「チャンスだったので積極的にいった。うまく拾うことができて、最高の結果になって良かった」一撃で仕留めた。先頭の岡本和が死球、大城卓が右前打でつないだ無死一、二塁の好機で、ヤクルト先発・市川が投じた初球の変化球を一閃。右手一本ですくい上げた打球は右翼席最前列に着弾した。プロ1号を放った4月29日の広島戦(東京ドーム)以来の一発。16日の3安打3打点に続き、連夜の活躍を見せた。得点圏の鬼と化している。勝利を手繰り寄せる一打で、得点圏打率は・667(12打数8安打)。試合前までの直近3試合では・466(15打数7安打)と打ちまくっている。球団OBの松井秀喜氏がつけた背番号55を継承する大砲の存在感が日に日に増している。師匠も目を細める活躍だ。右太もも裏の肉離れで離脱中の中田翔も連日の活躍を見せるまな弟子に「やっと2メートルが本領を発揮しだした感じですね」と笑顔を見せ、「今は本当にゾーン入っていると思う。ずっと状態がいい選手は正直いないですから。今ゾーンに入っている間にボコスカ打ってもらいたい」とエールを送った。無限の可能性を秘める背番号55の才能が開花し始めた。(樋口航)

◆今季初登板先発のヤクルト・市川は4回?を6安打5失点(自責点4)でプロ初勝利はつかめなかった。「全体的にストライク先行で行けたのですが、ランナーを背負った場面でもっと丁寧に攻めるべきでした」昨年9月28日の阪神戦(神宮)以来の先発マウンド。「初勝利を目指して自分のピッチングをしたい」と意気込んでいた。三回まで1失点としていたが、試合の流れを渡したのは四回だった。無死一、二塁で秋広に初球のスライダーを振り抜かれ、右翼席へ。3ランを献上し、0―4と点差を引き離されてしまった。高知・明徳義塾高から2019年ドラフト3位で入団した5年目右腕。サイドスロー気味の投球フォームから繰り出す直球、スライダー、シュートなどが魅力で、今季は春季キャンプを1軍で完走するなど、成長を期待される若手の一人だ。ファームでは平均球速の向上に取り組み、約3、4キロのアップに成功。「早く(1軍に)上がりたいという気持ちしかなかった」。悔しさを胸に、牙を研いできた。漁師の祖父を持ち、趣味は海釣り。今までには全長1・5メートル、体重20キロ以上にもなるスズキ目ニベ科の最大種・オオニベを釣り上げたこともある腕前を誇る。この日は身長202センチの秋広の一発に泣き、プロ初勝利という〝大物〟を仕留めることはできなかった。(箭内桃子)

◆巨人・原辰徳監督(64)が、2021年11月のCS以来551日ぶりの1軍登板となった8年目左腕の中川皓太投手(29)の復帰登板について「ボールそのものは走っていた。多少、いろいろ高揚した部分があったのかもしれない。でも、非常に期待感は持てる」と振り返った。腰痛など故障に苦しみ、育成契約を乗り越えて復活した中川は、4点リードの八回に起用された。しかし、先頭の塩見に本塁打を許すなど3連打を浴び、1死しか取れず2失点で降板した。それでも2019~21年の3年間で中継ぎの中心として計162試合に登板した実力者の復帰は、救援陣が不安定なチームにとって朗報となった。

◆ヤクルトはいずれも1点差(3日7―8、4日7―8、16日8―9)で対巨人4連敗。七回以降に打線が奮起し4―5まで迫ったが、あと一歩及ばなかった。試合後の高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――終盤、1点差まで追い上げた「そうですね。まあ。よく追い上げはしましたね。ちょっと一方的になりそうなところを中盤で踏ん張って追い上げていくというのはいい姿勢だったと思います」――塩見が2戦連発「動きも非常に良くなってきましたし、バットも良く振れるようになってきましたし、いい状態だとは思います」――九回には内山が大勢から本塁打「すごいね。なかなかあの速い球を右バッターが引っ張るというのはすごく難しいんじゃないかなと。すごくコンパクトのように見えて、非常に飛距離の出るいいスイングだったと思いますね」――こういう攻撃を続けていくことが勝利につながる「優位にゲームを進めたいですね。常に追いかけている、常にあと一歩という感じで、常に劣勢でゲームを追いかけている感じがするので、ゲームをいい形で進めたいなと。優位に進めたいなと思いますね」

◆ヤクルトの高卒3年目・内山壮真捕手(20)が「8番・捕手」で先発出場し、九回1死で巨人・大勢から今季1号となる左越えソロを放った。「真っすぐが速いので、その真っすぐに振り遅れないように。何とか1点が欲しいところで、後ろにつなげてよかったです」3―5の九回1死。1ボールからの2球目、155キロ直球を振り抜き、左翼席へほうり込んだ。相手左翼手が一歩も追わないほどの当たりで、1点差に。後続を断たれて同点に追いつくことはできなかったが、若武者の会心の一撃を高津監督は「なかなかあの速い球を右打者が引っ張るのはすごく難しいんじゃないかと。非常に飛距離の出る、いいスイングだったと思います」と評価した。

◆巨人・山﨑伊織投手が7回1失点で3勝目を手にした。一回2死二、三塁をしのぐと、打線の効果的な援護に助けられ六回まで無失点。「野手の方とみんなで勝ち取れた勝利」と感謝した。救援陣が安定せず苦しい戦いが続く中で、チームの2連勝は自身が2勝目を挙げた11日以来となった。先発陣の中で飛躍が期待される3年目の右投手は「全試合、勝つつもりで頑張る」と威勢が良かった。

◆巨人が今季18勝目を挙げて原監督が通算1238勝とし、大洋(現DeNA)などを率いた別当薫監督を抜いて歴代単独9位となった。8位は王貞治監督の1315勝で最多は鶴岡一人監督の1773勝。

◆巨人は17日、ヤクルト8回戦(神宮)に5-4で勝利。2連勝を飾り、4位に浮上した。身長202センチの秋広優人内野手(20)が四回に値千金の2号3ラン。3安打3打点をマークした前夜に続く活躍で勝利に導いた。得点圏打率は驚異の・692(13打数9安打)。プロ3年目を迎えた大型スラッガーの才能が開花し始めた。202センチの長身、人懐っこい笑顔、豪快な打撃―。敵地・神宮に詰めかけた2万6246人は、秋広の名を覚えて帰ったに違いない。1点リードの四回、2号3ランでチームを勢いに乗せた。「自分のスイングはできなかったけど、スタンドインできたのはうれしかった」市川が投じた初球の変化球を右手一本ですくい上げ、右翼席へほうり込んだ。得点圏打率は・692(13打数9安打)と勝負強さが際立ち、今季68打席ですでに12打点。静岡で3安打3打点を放った前夜に続く活躍で、チームを連勝に導いた。ショッキングな〝洗礼〟を受けた場所で、名前と顔を売った。プロ初スタメンに起用され、初安打と初打点を記録した4月22日。試合に備え、神宮球場の選手用入り口を通過しようとしたとき、警備員がとっさに声をかけてきた。

◆終盤の追い上げもあと一歩及ばなかった。ヤクルトは4―5で敗れ、2連敗で5位に転落。高津臣吾監督(54)は「一方的になりそうなところを中盤に踏ん張って追い上げていくのは、いい姿勢だった」と評価した。打線が0―5の七回から1点差まで詰め寄った。八回には「追い込まれる前に仕留められた」と先頭塩見が2戦連発となる3号ソロ。さらに無死一塁から山田が右越えに適時二塁打を放ち、3―5とした。なおも1死一、二塁としたが、オスナが相手の好守もあり三ゴロ併殺打。九回には七回に適時打を放った内山が1号ソロを運んだだけに、悔やまれた。これで巨人戦はいずれも1点差で4連敗と惜敗が続く。指揮官は「常に追いかけている、あと一歩という感じ。常に劣勢でいる感じがするので、ゲームを優位に進めたい」と先手必勝を掲げた。(箭内桃子)

◆ステップアップというワードで、巨人の若手2人を語ろう。まず先発の山崎伊。昨年の5勝から10勝を目指すのなら、7回1失点くらいで満足したらいかん。この日のように、打線の援護とバックの好守があった展開では、8回...といわず、9回完投するくらいでないと。「魔の八回」。なにも巨人のリリーフ陣に限った話ではない。うしろの投手を信用すると、勝ち星が消える。投手たる者、それくらいの気構えが必要なんだ。そのためには、体力とスタミナはもちろんのこと、精神的なタフさが求められる。そこがステップアップへのポイントだね。打者では秋広。こちらはステップアップを感じさせた。202センチの長身ながら、無理のないスイングで、ミートが巧い。一発を欲しがって大振りしたら、打てない。逆に、ミートすれば打球は飛ぶ。よくわかっている。センスがいいね。クリーンアップはもちろんのこと、6番が定着すれば、打線全体が回り始める。秋広が6番に座ったこの3試合が、それを物語っているよ。いずれにしても、投打の若手のステップアップなしに、巨人の浮上もないということだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
22131 0.629
(↑0.011)
-
(-)
107145
(+3)
103
(+1)
18
(-)
18
(+1)
0.252
(↓0.002)
2.660
(↑0.05)
2
(-)
DeNA
20150 0.571
(↑0.012)
2
(-)
108142
(+7)
143
(+4)
37
(+3)
7
(-)
0.263
(-)
3.860
(↓0.01)
3
(-)
広島
19170 0.528
(↓0.015)
3.5
(↓1)
107129
(+4)
112
(+7)
26
(-)
14
(+2)
0.250
(-)
2.830
(↓0.1)
4
(1↑)
巨人
18200 0.474
(↑0.015)
5.5
(-)
105147
(+5)
169
(+4)
42
(+1)
9
(+1)
0.251
(↓0.002)
4.300
(↑0.01)
5
(1↓)
ヤクルト
17201 0.459
(↓0.013)
6
(↓1)
105133
(+4)
149
(+5)
35
(+2)
26
(-)
0.228
(↑0.001
3.670
(-)
6
(-)
中日
13240 0.351
(↓0.01)
10
(↓1)
106100
(+1)
120
(+3)
11
(+1)
9
(-)
0.242
(↓0.001)
2.810
(↓0.01)