中日(★1対3☆)阪神 =リーグ戦8回戦(2023.05.17)・バンテリンドーム=
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阪神
0001110003600
中日
0000010001721
勝利投手:西 勇輝(2勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝0敗4S))
敗戦投手:涌井 秀章(1勝5敗0S)

本塁打
【中日】細川 成也(2号・6回裏ソロ)

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◆阪神が6連勝。阪神は4回表、島田の押し出し四球で先制する。続く5回にはノイジーの適時打、6回には木浪の犠飛で追加点を挙げた。投げては、先発・西勇が7回1失点の好投で今季2勝目。敗れた中日は、打線が相手を上回る7安打を放つも、つながりを欠いた。

◆「盗塁死」でも塁上に生きるという、めずらしいプレーが記録された。7回の阪神の攻撃。一塁走者の中野拓夢内野手(26)が二盗を試みた。捕手からの二塁送球はノーバウンドのストライク。タイミングはアウトだったが、タッチを急いだ二塁手の中日村松開人内野手(22)がボールをつかみ損ねたため、セーフになった。中野はそのまま二塁に残ってプレー再開。村松が通常通りに処理していればアウトだったとして、記録上は中野に「盗塁死」がつき、村松には「失策」がついた。

◆首位阪神が今季最長の連勝を6に伸ばした。DeNAとは2ゲーム差で変わらない。4回に島田海吏外野手が押し出し四球を選んで1点先制。5回には2死から3連打。1、2番に続いて3番シェルドン・ノイジー外野手(28)が中前打を放ち、2点目を挙げた。ノイジーは5打数2安打。4試合連続のマルチ安打で連続安打は6試合となった。連勝中は全試合で安打をマークし、得点力アップに貢献している。6回には木浪聖也内野手(28)の犠飛で3点目。中日涌井秀章投手(36)をこの回限りで降板させた。先発の西勇輝投手(32)は7回まで5安打1失点と安定した内容で、約1カ月ぶりの2勝目を挙げた。投打がかみ合った試合運びで、貯金を「9」に増やした。

◆中日が今季3度目の4連敗を喫した。この日の2失策を加え、両リーグ最速でチーム失策が「30」に到達。立浪和義監督(53)も「全般的に阪神と同じようなヒット数で、2死から打線つながったか、つながってないか。ミスがあったわけで、そこの差が勝ち負けにつながった」と、抜け出せない連敗に肩を落とした。この日は、ドラフト7位福永裕基内野手(26)を「2番三塁」、石川昂弥内野手(21)を「一塁」に初起用するなど、打順、守備位置をシャッフルしたオーダー。6回無死一塁では佐藤輝の盗塁を封じたタイミングだったが、球をこぼしセーフにした(記録は盗塁死と二塁の失策)。その後、先発涌井が木浪の中犠飛を許し、3点目を献上した。8回には失点には絡まなかったが、石川昂も一ゴロの送球ミスで失策を記録。リーグ2位の8失策目をカウントした。指揮官は「将来的には石川昂は三塁だが、今はそんなに動きが俊敏ではない」と、臨時措置を強調。止まらない失策に「今日のはつまらないミス。若い選手が出てるどうこうの問題ではない。しっかりやっていかないといけない」と続けた。広いバンテリンドームを本拠地にすることで「守り勝つ野球」を掲げてきたが失策は7試合連続で30個の大台に。深いトンネルの出口がなかなか見えない。

◆阪神が昨年6月以来の6連勝を飾り、貯金に9に増やした。3番シェルドン・ノイジー外野手(28)が4回にチーム初安打を放ち、先制のホームを踏んだ。5回には貴重なタイムリーで4戦連続のマルチ安打。先発西勇輝投手(32)が7回1失点で2勝目を挙げた。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(昼にナゴヤ球場の2軍を視察)「暑いなあ」-湯浅が故障後、実戦初登板。1回3安打2失点「腕振れてないもんな。まだもうちょっとな。どんどん投げれる状態やったら、どんどんお前ゲームでやっぱ投げなあかんなな。上がる時には万全でな」-3安打も浴びた「バッターはイメージで構えるからな。やっぱ150キロぐらいのボールが来ると思って、そういう構えで行くから、それで来んかったらやっぱり打たれるわ。思ったよりも来てないな、と思ってな。そんなもんや、バッターは。速い速いと思てるから、あんま来てないなってなるやん。ならやっぱ打てるよな」-湯浅の復帰は交流戦ぐらいからか「いや、まあそんなんそんなん。湯浅次第やな。ゲーム次第や。日にちは決めてない」-森下も2打席見た。2点適時打と3ランで5打点「森下もだいぶようなってきたな。また戻ってきたな」-バットが出るようになったし内容もある。「そんなん何人も(1軍に)上がられん...」-期待の前川も結果を出した「だから枠があるから、そんなもん」-森下は右打者であの右中間にあの本塁打が打てる「元々どっちか言ったら、向こうの方やからな、うん、バットの軌道がな」(試合後)-序盤ピンチがあったが、粘れた「そうやなあ。まあなんか、(涌井の)2段モーションな、ぜんぜんタイミング合わんかったからな。(打順)一回りな。ちょっとなんか、(体を)ひねったというかな」-塁に出たら2段モーションはできない「塁に出たら、ああやってできへんからな。塁に出たらと思ってたけどな」-4回、5回と2死からの得点「うん、まあ、だから、3回まで、みんな振り遅れてるいうか、タイミングが合わんかったから。あの、なんか、2段にひねったようなな、右足な。あんなん前はそこまでひねってなかったけどな」-ノイジーは2打席目で涌井に対応した。状態が上がっている「まあ、塁に出たらああいうことできへんからな。塁に出たら普通にいけると思ったけどな。ああいうタイミングで投げられへんから、フォアボール、ボール多なるもんな」-6回は佐藤輝のヒットから盗塁、進塁打、犠飛といい形で追加点。「そうやなあ。ヒット1本でお前、1点取れるんやからな。」-選手も自分の役割を分かっている。「役割というか、走れ言うたら走って、進塁打打て言うたら進塁打打って、犠牲フライでなあ、最低限で、そういうことやろ」-佐藤輝の足での貢献も大きかった。「あれが一番行けるよ、他全然行かれへんかったんやん。近本も中野もなあ。あれが一番一発でいける。佐藤輝はなあ」-6回の攻撃は8番の木浪が打ってるから、ああいう動かし方ができたのか。「まあ、動かし方て、まあ、なあ、ここはそんな連打ない、続けへんからなあ。まあ、うまいこと点取るしかないよな。そんなの。調子とかなしに、サード行ったら、調子の悪いバッターでも何かバット当てたらどっか飛んでいきよるって。はっきり言って。ヒット打たんでもええやんか。外野まで打てるようなボール来たらええだけやから。それだけのことや」-ノイジーは長打はないが、これが求めていたもの「いやいや、そら広角に打てるっていうか、甲子園でそんな20本も30本も打てへんで。外国人でも。無理やで。そんな外国人いてないわ。日本に来えへんよ。そんな外国人。うん」

◆ほしかったもう一押しは阪神木浪聖也内野手が決めた。6回1死一、三塁で涌井のシンカーをうまく打ち上げて中犠飛。3-0とする大きな1点を加えた。「(前の打者)梅野さんが四球で出てくれたので気持ちが楽になった。落ちるボールが来ると分かっていたので、ひっかけないように考えていました。1点取れてよかった」と納得の表情だった。

◆阪神佐藤輝明外野手が「足」で得点を生んだ。「いいスタートだったと思います。サインが出たら、1球目から思い切って行けるので」と満足そうだった。2-0の6回。先頭で5試合連続安打となる右前打で出塁。けん制のうまい中日涌井の裏をかくように島田の初球に迷わずスタート。巨体をぐんぐん加速させてスライディングした。ユニホームの左太もも裏が破れるほどの迫力だった。効果的な盗塁になった。島田の二ゴロで三塁に進み、木浪の右犠飛で3点目のホームを踏んだ。展開的に貴重すぎる追加点だ。好調の5番打者がポイントゲッターだけでなく、チャンスメークもできれば得点の幅が格段に広がる。「走る」と相手に思わせているだけでも大きな貢献だ。今季4個目の盗塁は中野と並んでリーグ2位。「いいこと。チームがいい感じになっていると思います」とスラッガーはうなずいた。その思い切りの良さを岡田監督も絶賛した。「ヒット1本で点を取れるんやから。佐藤輝が一番行けるよ、ほかは全然行かれへんかったやん。近本も中野も」と、にんまりだった。

◆阪神カイル・ケラー投手(30)が1発出れば逆転のピンチを抑え3ホールド目を挙げた。8回に登板。2死から連打を許し一、二塁。6回に本塁打を放っている細川を迎え、球場が押せ押せムードになる中、低めへフォークを投げ込み空振り三振に仕留めた。「打たれた球は甘く自ら首を絞めたが、最後はいいところにいい球種をいいタイミングで投げられた。何とか抑えられてよかった」とホッとした表情だった。

◆阪神岩崎優投手が登板4戦連続で救援に成功し、4セーブ目を挙げた。先頭を四球で出し、1発出れば同点の場面も、落ち着いていた。木下、代打加藤翔、代打アルモンテと3者連続空振り三振で締めた。「いい内容でつないでいけているので、またやっていきたい。四球を出してしまって、抑えて終われたので、反省していきたい」と、冷静に振り返った。

◆今季7度目のスタメン起用された阪神島田海吏外野手が4回に決勝点となる押し出し四球を選んだ。4回2死満塁でフルカウントからの7球目、涌井の外角149キロ直球をしっかり見送り、押し出し。「何でもいいから走者をかえしたいと思っていた。いい集中力を持って打席に入ることができた」と冷静に見極めた。6回無死二塁では進塁打となる二ゴロで走者を進め、3点目にも貢献した。

◆阪神中野拓夢内野手(26)が3試合連続マルチ安打で貢献した。5回2死一塁から鮮やかな左前打でチャンスを広げ、ノイジーの適時打による2点目を呼び込んだ。7回にも右前打。ここ6試合で5度目のマルチ安打とヒットメーカーのバットが勢いを増してきた。前日に3割台に戻した打率も、3割4厘まで引き上げた。

◆任された7回を投げきり、冷静な表情を崩した。阪神西勇輝投手(32)が、7回5安打1失点で1カ月ぶりの今季2勝目を挙げた。7回2死。この日100球目の135キロ変化球で代打鵜飼を空振り三振で打ち取った。淡々と投げ込んできたが、その瞬間は、グラブをたたいて闘志を見せた。「ピッチャーにしか分からない流れもある。そういう流れを感じながら大事なイニングだと思っていた。あそこのイニングで3人で切り抜けたことも大きかったですし、思ったところに投げきれて、三振だったのがよかった」と心境を明かした。許した失点は、6回に浴びた細川のソロ弾のみ。走者を出しながらも要所を締める投球で、危機を脱出した。「相手にボールを定められなかったことが良かった」と分析した。今季ここまでバッテリーを組む梅野にも、「梅野の配球も良かったし、本当にずっと話し合っていた。そういういい結果がね、結びついてよかった」と感謝した。中日は今季2度目の対戦。前回対戦の3日に2回6失点で降板。4月26日巨人戦に続き、2戦連続で3回以内で5失点以上で降板する試合が続いていた。「早く降板した試合は2試合とも、あっさり自分の中で何もすることなく終わった感じがした」。反省を糧に、この日は「わざとボール投げるとか、いろんなバリエーションを増やしながら投げていた。それが良かったと思う」と工夫し、打者に的を絞らせなかった。完投で今季初勝利をつかんだ4月18日広島戦以来、4試合ぶりの勝利。それでもあくまでチームの勝利が一番。「チームが勝てればいい。別にこう自分の勝ちとか別に。(勝ちが)つくつかないは置いといて、ちゃんと仕事ができたという安堵(あんど)はある。それですね」。チームのために腕を振り、6連勝を呼び込んだ。【波部俊之介】

◆18日の中日戦に先発予定の阪神伊藤将司投手(27)が「二刀流」で今季2勝目を目指す。4日の同戦に続き、横浜高の2学年先輩の柳と再戦。「前回お互いに勝ちがつかなくて、及川が先に勝ったので、勝てるように頑張ります」とニヤリ。ただ、柳に先制打を含む2安打を浴びただけに「2本返したい」とリベンジを誓った。中日戦は新人の21年から自身無傷の4連勝。キラーぶりを発揮し、チームを7連勝に導く。

◆阪神が昨年6月以来の6連勝を飾り、貯金を9に増やした。3番シェルドン・ノイジー外野手(28)が4回にチーム初安打を放ち、先制のホームを踏んだ。5回には貴重なタイムリーで4戦連続のマルチ安打。一時は打撃不振に陥っていたが、完全復活をアピール。打率3割が目前だ。相性の悪いバンテリンドームでも虎の勢いは止まらず、首位を快走だ。ノイジーの打棒が試合を動かした。1点リードの5回2死から近本、中野が連打でつなぎ、一、二塁のチャンスで迎えた第3打席。助っ人は中日涌井の初球、甘く入った146キロツーシームを捉え、中前へ。「しっかりボールを見て打つことができた。ヒットは打てていたけど、タイムリーは久々だったからうれしいね」。3試合14打席ぶりのタイムリーとなり、貴重な追加点をたたき出した。風穴を空けたのも背番号7だった。前日16日まで2試合連続2ケタ安打中の打線が鳴りをひそめ、通算155勝右腕の前に1巡目を完全に抑え込まれていた。4回2死で迎えた第2打席。初球、縦割りの121キロカーブを捉え左前へ。チーム初ヒットを記録すると、その後大山、佐藤輝と連続四球で出塁し、2死満塁から島田が押し出し四球を選んで三塁走者のノイジーが先制の本塁を踏んだ。この日で6試合連続ヒット、4試合連続マルチと絶好調だ。13日のDeNA戦(甲子園)では来日初の決勝打を含む2安打3打点でヒーローとなり、14日の同戦では初の猛打賞、前日16日の中日戦(豊橋)では4安打をマーク。力みが生じていた助っ人に岡田監督が13日に伝えた「遊びながら打席に立て」をきっかけに上昇気流に乗っている。5月上旬に一時は2割5分を切った打率も、2割9分1厘と3割復帰は目前だ。岡田監督は先制点の起点となった4回2死からのヒットに「塁に出ないとああいうことはできへんからな。塁に出たら普通にいけると思ったけどな。ああいう(走者がいない時の)タイミングで投げられへんから、フォアボール、ボールが多なるもんな」。本塁打こそ2本にとどまるが、安打製造機と化している助っ人に「甲子園でそんな20本も30本も打てへんで。無理やで。そんな外国人、日本にけえへんよ」と笑った。これでチームは昨年6月1~7日以来の6連勝を飾り、貯金は最大の9つまで増加。「いい流れに乗って、このままいきたいです」と背番号7。3番に座るバットマンが、攻撃を活性化させている。【古財稜明】

◆阪神が「タイムプレー」で失点を防いだ。8回2死一、二塁。村松開人内野手(22)に左翼線打を打たれると、二塁走者の石川昂弥内野手(21)はスピードをゆるめながらホームに向かった。素早く処理した左翼手の阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)は本塁返球はせず、三塁にワンバウンドの好返球。一塁走者を三塁でアウトにした。中日の得点成立のためには第3アウトより先にホームインしている必要があったが、審判は石川のホームインよりも三塁アウトが早かったと判断。得点は認められなかった。

◆中日は攻守に精彩を欠き、連敗は今季最長の「5」に伸びた。3点を追う8回には痛恨のミスも出た。2死一、二塁で村松が左前打。二走の石川昂弥がホームを踏む前に一走の細川が三塁でアウトになり、得点は認められず。立浪監督は「三塁が余裕でアウトだった。リードオフの問題なのか確認してみないと...。若い選手が出てるので積極的にやっていくしかない」。借金は「12」に膨らみ、首位阪神と11ゲーム差となった。▽中日柳(7回途中4失点で4敗目)「初回からチームの士気を下げる投球をしてしまいました。技術と精神を見つめ直してチームを勝たせられるように頑張ります」

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は西勇輝投手(32)が先発する。前回登板した10日のヤクルト戦(甲子園)は6回2/3を投げ6安打3失点と粘投も打線の援護に恵まれず3敗目を喫した。4月18日の広島戦(甲子園)以来となる今季2勝目へ、コーナーを突く投球で竜打線を封じる。4試合連続打点中と好調の佐藤輝明内野手(24)は「5番・三塁」で先発。5試合連続打点となれば、自己最長タイ。チームとして鬼門のバンテリンドームに快音を響かせる。

◆「6番・右翼」で2試合ぶりに先発出場した阪神・島田海吏外野手(27)が先制の押し出し四球をもぎ取った。三回まで中日の先発・涌井にパーフェクトに抑えられて迎えた四回。近本、中野が凡退し、簡単に2死を奪われた。それでも3番・ノイジーが初球121キロを左前に運び、チーム初安打。大山が四球でつなぐと、2球で追い込まれた佐藤輝が四球をもぎ取り、満塁の好機を作った。打席には2試合ぶりに先発出場の島田。フルカウントから7球目、外角低めに投じられた149キロ直球をしっかりと見極め、価値ある押し出し四球。島田が執念の今季初打点をマークし、阪神が先制した。

◆阪神の新助っ人、シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A=が五回に中前適時打を放った。2死から近本、中野の連打で作った一、二塁の好機。N砲は涌井の初球、146キロを捉えた。中前に弾むタイムリーで2-0。先発の西勇を援護した。ノイジーは四回にもチーム初安打となる左前打で先制点をお膳立て。これで13日のDeNA戦(甲子園)から4試合連続の複数安打と好調を維持している。試合前の時点で打率・287だったが、同・295まで上昇した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が六回先頭の第3打席で5試合連続安打となる右前打を放った。カウント1-1から涌井の144キロを捉えた。12日のDeNA戦(甲子園)から5試合連続となるヒットで出塁すると、続く島田の初球でスタート。4月28日のヤクルト戦(神宮)以来となる今季4個目の盗塁を決めて好機を演出すると、島田の二ゴロで三進。梅野が四球で1死一、三塁となり、木浪の中犠飛で3点目のホームへと生還した。阪神が3イニング連続得点で3ー0とリード。手堅く、着実に勝利へと近づいている。

◆先発した阪神・西勇輝投手(32)は7回5安打1失点。100球の力投で今季2勝目の権利を手にし、中継ぎ陣に後を託した。一回先頭の大島に右前打を浴びたが、福永を空振り三振、岡林を中飛に料理。石川昂に右前打で一、三塁のピンチを背負ったが、細川を一ゴロに仕留め、無失点の立ち上がりとなった。四回は2死一、二塁と得点圏に走者を進められたが、龍空を遊ゴロ。六回、細川に2号ソロを許し、1点こそ失ったものの、回を追うごとにテンポを増し、中日打線を封じた。西勇は八回の攻撃で代打を送られて降板。勝てば4月18日の広島戦(甲子園)以来となる2勝目。久々の勝ち星へ、先発の役目を果たした。

◆投打の噛み合った阪神が逃げ切った。打線は中日先発の涌井に対し、三回まで完全に抑えられるもの、四回2死からノイジーが左前打で出塁。大山、佐藤輝と四球で満塁とすると、2試合ぶりにスタメン出場した島田が押し出し四球をもぎ取り先制した。五回はノイジーが中前適時打、六回は佐藤輝の右前打&盗塁から好機を作り、木浪が中犠飛と効果的に得点をあげた。先発の西勇輝投手(32)は7回5安打1失点で4月18日の広島戦(甲子園)以来となる今季2勝目。最少失点でしのぎ、流れを渡さなかった。八回はK・ケラーがマウンドへ。2死から連打で一、二塁のピンチを背負うも、細川を空振り三振に斬り、渾身のガッツポーズ。最後は岩崎が締めた。阪神は6連勝で貯金は9。苦手とするバンテリンドームでも勢いは止まらず、首位をガッチリキープした。

◆阪神が今季最長の連勝を「6」に更新し、首位を堅持。四回、制球を乱した涌井秀章投手(36)を攻め、2死から1安打2四球で満塁とし、島田海吏外野手(27)の押し出し四球で先制。五回も2死からの連打で一、二塁とし、シェルドン・ノイジー外野手(28)の中前適時打で加点。六回1死一、三塁では木浪聖也内野手(28)の犠飛で3点目を挙げた。先発の西勇輝投手(32)は7回1失点で2勝目(3敗)。九回は岩崎優投手(31)が締めて4セーブ目(1勝)。最多貯金を「9」に伸ばした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=22勝13敗1分、観衆=2万4887人)。ーー序盤は「そうやなあ。まあなんか、(涌井の)二段モーションな、全然タイミング合わんかったから」ーー塁に出たら「塁に出たらと思ってたけどな」ーー2死からの得点「三回まで、みんな振り遅れてるいうか、タイミングが合わんかったから。二段に捻ったようなな、前はそこまで捻ってなかったけどな」ーーノイジーは2打席目で対応。状態が上がっている「塁に出たら、ああいうこと(独特のフォーム)できへんからな。塁に出たら普通に行けると思ったけどな。ああいうタイミングで投げられへんから、フォアボール、ボール多なるもんな」ーー六回は佐藤輝のヒットから盗塁、進塁打、犠飛といい形で追加点「そうやなあ。ヒット一本でお前、1点取れるんやからな」ーー選手は役割を理解している「役割というか、走れ言うたら走って、進塁打打て言うたら進塁打打って、犠牲フライでなあ、最低限で、そういうことやろ」ーー佐藤輝の足での貢献も大きかった。「アレが一番行けるよ、他全然行かれへんかったんやん。近本も中野もなあ。あれが一番、一発でいける。佐藤輝はなあ」ーー六回の攻撃は木浪が打ってるから、ああいう動かし方ができたのか「動かし方て、ここはそんな連打ない。続けへんからなあ。うまいこと点取るしかないよな。そんなの。調子とかなしに、サード行ったら、調子の悪いバッターでも何かバット当てたらどっか飛んで行きよるって。はっきり言って。ヒット打たんでもエエやんか。外野まで打てるようなボール来たらエエだけやから。それだけのことや」ーーノイジーは長打はないが、これが求めていたもの「そら広角に打てるっていうか、甲子園でそんな20本も30本も打てへんで。外国人でも。無理やで。そんな外国人いてないわ。日本に来えへんよ。そんな外国人。うん」

◆つなぎもできる。得点源にもなれる。阪神・ノイジーのバットの勢いが止まらず、虎の快進撃も止まらない。貴重なタイムリーを放って来日後自己最長となる6試合連続安打に更新し、チームの6連勝に貢献した。「打てるボールをしっかり見ていって、いいスイングをと思いました」試合ごとに存在感を増してきたN砲が、勝利の立役者になった。1-0の五回2死から近本、中野が連打で一、二塁とチャンスを作った場面。涌井の内角低めへの初球、146キロを捉え、中前適時打で追加点をあげた。四回2死からはチーム初安打を記録し、押し出し四球で先制のホームを踏んだ。ともに2死から勝負強さをみせつけても「(意識は)一緒ですね」とクールに振り返ったが、11日のヤクルト戦(甲子園)からヒットを打ち続け、16日の中日戦(豊橋)は来日初の4安打で、この日は2安打1打点。バットはホットな状態をキープ中だ。4月の月間打率・247から、5月は同・354と〝5月病〟の心配もない。

◆七回2死で投じたジャスト100球目、この日ラストボールのチェンジアップを膝元に沈め、中日の代打・鵜飼のバットが空を切る。思い描いた軌道でねじ伏せ、阪神・西勇は力強い雄たけびをあげた。見事なゲームメークの7回5安打1失点で、6連勝の力となった。「最少失点で粘って、自分のやりたい投球はできたと思います」一回に2安打で2死一、三塁のピンチを招いたが、細川を内角シュートで詰まらせて一ゴロに仕留めて無失点発進。持ち球を満遍なくコーナーに決めながらリズムよく腕を振り、反撃は六回に許した細川の左翼ソロのみにとどめた。4月26日の巨人戦(甲子園)が3回5失点、5月3日の中日戦(同)では2回6失点と序盤でKOされる悔しい登板もへてつかんだ、1カ月ぶりの白星だった。

◆今や阪神の「九回の男」は岩崎だ。3者連続三振で最後までリードを守り切り、5月4日の中日戦(甲子園)からの登板4試合連続でセーブをマーク。八回をゼロで抑えたK・ケラーとともに、手堅く試合を締めた。岩崎は先頭の村松を四球で出したものの、木下を高め直球、代打・加藤翔は外に落ちるチェンジアップ、代打・アルモンテは低め直球でバットに空を切らせ、鮮やかに締めた。これで9試合連続無失点。左腕は「いい内容でつなげていけているので、またやっていきたい思います」とさらに前を向いた。八回にマウンドに上がったK・ケラーも2死から岡林と石川昂に連打を浴びるも、前の打席で本塁打を打った細川を140キロのスプリットで空振り三振斬り。「何とか抑えられてよかった。最後は良いところに良い球種を良いタイミングで投げられた」と大きく息をついた。開幕から守護神を務めた湯浅は、2軍戦で実戦復帰を果たしたばかり。もう少しの間、その〝留守〟を守る。岩崎に率いられたブルペン陣が、連勝を支えている。(上阪正人)

◆好調の阪神・木浪が勝負強く打点を挙げた。2-0の六回1死一、三塁で、カウント1-1からの沈む変化球をすくい上げるようにセンターへの犠飛を上げた。しぶとく仕事を果たし「絶対に落ちるボールが来ると分かっていた。とにかく引っかけたらゲッツーになると思ったので、引っかけないように、というのをずっと考えていた」と胸を張った。ただ、この日は無安打。「もう一回気を引き締めてやっていきたいです」と反撃を誓った。

◆阪神・島田が選んだ押し出し四球が決勝点となった。0-0の四回2死満塁。涌井がフルカウントから投じた、審判の腕が上がりかけるほど際どい外角球を見極めた。「打席の中で冷静でいられた。いい集中力をもって打席に入れた」。ここまで打率1割台と苦しんでいるが役割を果たし「結果が欲しい、数字は欲しいというのはあるけど、打席で求められていることを全うできるようやっていきたい」と力を込めた。

◆阪神・中野が七回1死から2番手・山本の141キロを捉え、右前打を放った。2死から大山の打席で二盗を敢行。タイミングはアウトも、二塁手のD2位・村松(明大)がボールをこぼし、今季5盗塁目に成功したかに見えたが、記録は盗塁死と失策という珍しい結果となった。ただ、五回にも左前打と6試合連続安打&3試合連続複数安打と打棒は好調。1番・近本は五回に中前打で5試合連続安打と上位打線で塁上をにぎわしている。

◆阪神は中日を3-1で振り切り、今季最長の連勝を6に伸ばした。2-0の六回先頭で安打を放った佐藤輝明内野手(24)が、ユニホームのズボンを破りながらの二盗と、ストッキングが破れるほど激しい犠飛生還で、破竹6連勝に大貢献。好調の大砲がチームトップタイ4盗塁となった足でも引っ張り、貯金も今季最多を更新する9にふくらんだ。虎も佐藤輝も、もう止まらん!首位街道を突き進むチームの勢いに乗り、佐藤輝は走って、走って、また走った。ボロボロになったユニホームとストッキングが誇らしい。自慢のパワーに負けず劣らず輝く脚力で、破竹の6連勝を〝アシ〟ストだ。「サインが出ていたので、はい。思い切って走りました。いいスタートだったと思います」2-0で迎えた六回先頭の第3打席。「先頭だったので塁に出られてよかった」と涌井の144キロ直球を右前に運んで、5試合連続安打をマークすると、激走が始まる。続く島田の打席の初球。果敢にスタートを切った。ものすごい勢いで繰り出したスライディングに、悲鳴をあげたのはユニホームのズボン?! お尻の部分に穴が空くほどの気迫で二盗を決めた。

◆阪神は点の取り方がいい。四回は2死からノイジーの初安打が生まれ、そこから3人がしっかり球を見極めての四球で押し出しで先制。五回も2死からの3連打は見事だった。投手戦を予想して見ていたが、立ち上がりは西勇よりも涌井のほうが調子はよく、点を取るのに苦労しそうな予感があった。それだけに、中盤での1点、1点は効果的。さらに六回の3点目も評価したい。安打で出塁した佐藤輝の二盗が効いた。進塁打、犠牲フライと理想的な形だ。9番に打順が巡る前に点が取れたのが大きい。もともと、中日戦はこういうロースコアの展開が多かった。ただ、その中でうまく試合を運ばれて敗れるケースも多かった。が、ことしは接戦をモノにするしぶとさが阪神にはある。強さを感じる。大量得点のあと、接戦、接戦を勝ち切っての6連勝。大型連勝の気配がする。ちょっと気になったのは岩崎。登板間隔は開いていたのに、立ち上がりは全く球が来ていなかった。湯浅がもう少し時間がかかりそうな状況なので、岩崎に頼る状況は続く。投げている中で球威もアップしたので、大丈夫とは思うのだが...。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ゆでダコのような男がナゴヤドームに到着した。トラ番サブキャップ・新里公章だ。「岡田監督がナゴヤ球場の2軍戦を視察に行ったので、密着マークしたのですが、炎天下でずっと試合を見ていたせいで日焼けしてしまいました。宜野座キャンプ中に真っ白に塗りたくっていた日焼け止めの効果もむなしく、この状態です」電話の向こうのゆでダコは想像するしかない。名古屋にほど近い岐阜県揖斐川町で35・1度を記録し、ことし最初の猛暑日に。ゆでダコも現れるわけだ。他のトラ番たちに確認しても、腫れ上がったサブキャップは、痛々しいらしい。トラ番は大変だ。昨日は豊橋市民球場でナイター取材をして、翌日の昼間にはナゴヤ球場。暑さに強い南国・沖縄出身の「うちなーんちゅ」の声は元気いっぱいだった。が、実際は疲れているはず。3連戦に地方球場が組み入れられると、毎日、荷物をまとめて移動になるから結構きつい。追い打ちを掛けるような太陽光線。先日まで「寒いなぁ」とボヤいていたから、激しい寒暖差も体に堪える。ただ、弱音を吐くわけにはいかない。なぜなら、密着しているのは65歳・岡田監督。新里よりも30歳も年上なのだ。そんな〝高齢〟なお方が、昨夜のうちに豊橋から名古屋に戻り、昼過ぎにはナゴヤ球場。虎の快進撃を加速させる切り札・湯浅の状態をチェックし、さらには2試合連発の森下の打撃にも熱視線。スーパールーキーの〝覚醒予感〟は、指揮官の目にどう映ったんだろうか。森下の取材は、これまた豊橋で山ほど原稿を仕上げて、朝、名古屋に移動してきたトラ番・須藤佳裕。こちらはまだ若いから疲れの色はない。ただし、サブキャップ同様、日焼けが目立つ。

◆ウ~ム...。思わずうなり声を漏らしてしまうくらいに強いわが阪神が6連勝!! 『悪魔のように細心に、天使のように大胆に』(ゲーテ「ファウスト」より)。まさに、その野球を猛虎軍団が演じているのだ!!前日の9得点やその前のDeNA戦の15得点が天使のように大胆になら、本日はまさに中日からしてみれば悪魔でしょう? 四回2死から伏兵・島田の押し出し四球で先制点!! 続く五回も2死からノイジーのタイムリー!! 六回は佐藤輝のヒットに盗塁を絡め、木浪の犠飛で3点目。守っては西勇、K・ケラー、岩崎が悪魔のように細心となり要所をピシャリ!!そーいえば、6連勝の始まりとなった11日のヤクルト戦の決勝点も糸原の内野ゴロで小幡が好走塁でホームインと、相手からしたら悪魔の野球だったぜ、グヒヒヒヒ~!!(て、何で俺が悪魔になってんだ!?) ついでに昨季4勝8敗と鬼門だったバンテリンドームも払拭したみたいだし...。18日は天使か悪魔、どっちで勝っちゃいましょうかねェ!?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
22131 0.629
(↑0.011)
-
(-)
107145
(+3)
103
(+1)
18
(-)
18
(+1)
0.252
(↓0.002)
2.660
(↑0.05)
2
(-)
DeNA
20150 0.571
(↑0.012)
2
(-)
108142
(+7)
143
(+4)
37
(+3)
7
(-)
0.263
(-)
3.860
(↓0.01)
3
(-)
広島
19170 0.528
(↓0.015)
3.5
(↓1)
107129
(+4)
112
(+7)
26
(-)
14
(+2)
0.250
(-)
2.830
(↓0.1)
4
(1↑)
巨人
18200 0.474
(↑0.015)
5.5
(-)
105147
(+5)
169
(+4)
42
(+1)
9
(+1)
0.251
(↓0.002)
4.300
(↑0.01)
5
(1↓)
ヤクルト
17201 0.459
(↓0.013)
6
(↓1)
105133
(+4)
149
(+5)
35
(+2)
26
(-)
0.228
(↑0.001)
3.670
(-)
6
(-)
中日
13240 0.351
(↓0.01)
10
(↓1)
106100
(+1)
120
(+3)
11
(+1)
9
(-)
0.242
(↓0.001)
2.810
(↓0.01)