ヤクルト(★8対9☆)巨人 =リーグ戦7回戦(2023.05.16)・静岡草薙球場=
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巨人
20200140091701
ヤクルト
00103130081102
勝利投手:鍵谷 陽平(2勝0敗1S)
(セーブ:大勢(1勝0敗6S))
敗戦投手:石山 泰稚(3勝2敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(6号・3回表ソロ)
【ヤクルト】川端 慎吾(1号・5回裏3ラン),塩見 泰隆(2号・7回裏3ラン)

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◆巨人が乱打戦を制した。巨人は4-4で迎えた6回表、丸が適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功する。直後に同点とされるも、7回には秋広の適時二塁打などで4点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、2番手・鍵谷が今季2勝目。敗れたヤクルトは、投手陣が振るわなかった。

◆巨人山瀬慎之助捕手(22)が侍ジャパン大谷翔平を"丸パクリ"した爆笑円陣でナインを盛り上げた。ナインの輪の中心で「1つだけいいですか?憧れるのをやめましょう」と3月のWBC決勝前に大谷が発した名言を引用。「キャッチャーをみれば大城卓三がいるし、野手をみれば秋広がいるし、ベンチを見れば俺がいるし(笑い)」と自らを親指で指さすボケを披露した。これには隣で聞いていた坂本や小林も少し間を置いてからクスクスと笑うしか無かった。さらに山瀬は続けて「憧れるのをやめましょう。憧れたら越えられないので。勝ちましょう!さあいこう!」と声を張り上げた。センスあふれる22歳の若武者のかけ声から巨人ナインがリラックスしたムードでヤクルト戦に臨んだ。

◆巨人岡本和真内野手(26)が5試合ぶりの6号ソロを放った。2点リードの3回1死、ヤクルト先発のドラ1右腕・吉村の直球を捉えた。左翼席中段に運ぶ1発でリードを広げた。吉村からは4月23日のヤクルト戦(神宮)でもバックスクリーン右へホームランを放っており、2戦2発目と打ち砕いた。この日の第1打席でも2死三塁から右前への先制適時打を放っており、今季ここまで吉村に5打数4安打、打率8割で2本塁打と得意にしている。岡本和は「しっかりと捉えることが出来ました。追加点になって良かったです」とコメントした。

◆ヤクルトのドラ1ルーキー吉村貢司郎投手(25)が再び巨人打線にKOされた。3回1死から巨人岡本和真内野手(26)に左中間へ6号ソロを浴びるなど、3回9安打4失点と炎上した。「連戦の頭から長いイニングを投げられず、リリーフの方に負担を掛けてしまい申し訳ないです」と肩を落とした。吉村は4月23日巨人戦(神宮)で5回9安打6失点でプロ初黒星。その際も岡本和に被弾していた。

◆"村神様"より前にヤクルトにいた代打の"神様"川端慎吾内野手が放った1発が、乱打戦に臨む号砲だった。3点ビハインドの5回1死一、二塁。代打川端が1ストライクから巨人先発戸郷の142キロ直球をポール際の右翼席に突き刺した。一時同点となる値千金の1号3ランに「まさか入るとは...」と本人も驚きを隠せない。ベテランの1発にベンチが沸く。草薙球場に傘の花が咲くと同時に、燕打線の火がついた。36歳となる年男の今年、期する思いがあった。「21年シーズンの成績に少しでも近づきたい」。代打で打率3割7分2厘と驚異の数字を残し、日本一の原動力になった。そのシーズン前と同様、今オフは体幹、下半身のトレーニングを強化し、年男にして振り込みなどの量を増やして今季に臨んだ。そのかいあって打率4割と好調を維持し、今季1号につなげた。

◆巨人戸郷翔征投手(23)の白星の権利が、またしてもこぼれ落ちた。リーグトップの阪神大竹に並ぶ5勝目を目指したマウンド。序盤に4点のリードを得るも粘りきれなかった。3回1死三塁から二ゴロの間に1点返されると、5回1死一、二塁、代打川端に同点3ランを浴びた。6回に丸の適時二塁打で1点リードとなるも、6回先頭の山田に二塁打を打たれる。村上、サンタナと2者連続三振で2死二塁となったところで2番手鍵谷にマウンドを譲った。しかし、鍵谷がオスナに中前へ同点適時打を浴びて、戸郷の5勝目の権利は消えた。143球を投げて完投勝利した9日DeNA戦(新潟)から中6日の先発マウンドだったが、104球を投げて5回2/3で5安打5失点。「最後は投げ切れず悔しいです。次の登板は頑張ります」と悔しさをにじませた。戸郷は2日ヤクルト戦(東京ドーム)でも勝ち投手の権利を持ちながら降板したが、2番手鍵谷が中村に同点適時打を打たれて勝利とはならなかった。

◆ベーブ・ルースが立った左打席で、秋広が躍動した。1点を奪った初回は一、二塁で中前適時打。3回に中前打、7回二、三塁で左中間2点適時二塁打を放ち量産した。プロ2度目の猛打賞となる3安打3打点。ヒーローインタビューでは、かぶとをかぶりながら「歓声が届いていたので、ファンの皆さまのおかげの勝利だと思ってます」と、ファンが詰めかけた一塁側スタンドを沸かせた。鬼に金棒、得点圏でメガゴジラだった。得点圏打率は12打数8安打7打点で6割6分7厘で、三塁に走者がいれば打率10割。「目の前で先輩方がつないでいる姿を見て無駄にはできないと思い打席に入るようにしてます」と驚異的な数字につなげている。ベーブ・ルースと巨人の大エースだった沢村栄治氏が日米野球で対峙(たいじ)した静岡・草薙で「歴史ある球場で結果を出せたことはうれしいことですし、これからも頑張りたいと思います」と、さらなる活躍を誓った。秋広が7回に勝ち越し二塁打を放ち、プロ入り初のV打点を記録。この日の3安打はすべて得点圏に走者を置いて打った。秋広の走者別打撃成績を出すと走 者 打-安  打率な し 36-9 ・250一 塁 11-4 ・364得点圏 12-8 ・667走者なしでは打率2割5分も、得点圏打率は6割6分7厘。得点圏では4日ヤクルト戦から5打席連続安打中と、抜群の勝負強さを見せている。巨人原監督(3安打3打点の秋広に)「勝負強い、いいバッティングをしてますね。スタートしたばかりだから、経験の中で日々成長というところですね」

◆巨人が紙一重で乱打戦を制した。1回に岡本和と秋広のタイムリーで2点を先取すると、3回には岡本和の6号ソロとブリンソンの犠飛でさらに2点追加。先発の戸郷に4点リードを託した。しかし、粘りきれなかった。3回1死三塁から二ゴロの間に1点返されると、5回1死一、二塁、代打川端に同点3ランを浴びた。6回に丸の適時二塁打で1点リードとなるも、6回先頭の山田に二塁打を打たれる。村上、サンタナと2者連続三振で2死二塁となったところで2番手鍵谷にマウンドを譲った。しかし、鍵谷がオスナに中前へ同点適時打を浴びて、戸郷の5勝目の権利は消えた。104球を投げて5回2/3で5安打5失点で降板した。試合はまだ落ち着かない。7回に秋広の2点適時二塁打と吉川の2点適時二塁打で4点を勝ち越すも、ヤクルト打線が牙をむいた。平内が無死一、二塁のピンチを招くと、4番手田中豊が塩見に3ランを浴びて1点差まで詰め寄られる。それでも三上が8回を無失点で切り抜けて9回はここまで2試合連続セーブに失敗している守護神大勢がマウンドへ。1回無失点に抑えて僅差の勝利を締めくくった。打線は今季最多の17安打を放って打ち勝った。

◆ヤクルトドラ1ルーキー吉村が再び巨人打線にKOされ、チームの連勝が2で止まった。3回1死から巨人岡本和に左中間へ6号ソロを浴びるなど、3回9安打4失点と炎上。「連戦の頭からリリーフの方に負担を掛けてしまい申し訳ないです」と肩を落とした。吉村は4月23日巨人戦(神宮)で5回9安打6失点とプロ初黒星。その際も岡本和に被弾していた。

◆巨人守護神大勢がリベンジの1回0封で試合を締めた。1点差の9回にマウンドに上がると、2死から侍ジャパンで同学年の同僚だったヤクルト村上からフォークで空振り三振を奪った。豪快に1回転したガッツポーズ。12日と13日の広島戦(東京ドーム)で自身初めて2試合連続セーブ失敗を経験した2年目の右腕が、意地を見せた。

◆巨人三上朋也投手(34)が、因縁のマウンドで苦い記憶を拭い去った。1点リードで迎えた「魔の8回」。先頭オスナに中前打を打たれても、動じない。犠打を阻止し、浜田を二飛。さらに中前打を打たれ一、二塁のピンチを背負っても、塩見を最後はスライダーで3球三振に抑え、三上はほえた。無失点で切り抜けて勝利に貢献した新8回の男は1年前、このマウンドで危機に襲われていた。静岡・草薙球場。「去年のオープン戦できたんですよ。でも打球が右足に当たって...。10日間も入院しました。まさかそんなことになるなんて」。DeNAに所属した昨季開幕前の3月11日楽天戦、5回2死から先発東に代わって登板した。小深田の打球が右足脛部に直撃。すぐさま拾い上げ投ゴロに打ち取り、攻守交代してベンチに下がった。2日後、右足に激痛が走る。地面につけることもできず同行予定だったオープン戦を回避。横浜市内の病院で精密検査を受けると、患部からの細菌感染の診断を受けた。即日始まった入院生活は10日間にも及び「処置が遅かったら、全身に回るところでした。足を切断していたかもしれないといわれました」。その年は19試合に登板し、オフには自由契約を言い渡された。激動のシーズンを終え、育成選手として巨人入り。新天地では5月4日に支配下登録され、翌5日にデビューを果たした。背番号69のユニホームも、とりあえず2枚だけ手元に届いた。「投げさせてもらえるだけでもありがたい。なかったはずの1年ですから」。巨人のリリーバーとして、自らの腕で鬼門を払拭(ふっしょく)した。【栗田成芳】

◆巨人の守護神・大勢投手(23)がガチすぎる剛速球を披露した。9回1死一塁、侍ジャパンでも同学年の同僚だったヤクルト村上への2球目、内角直球がテレビ中継画面に「162キロ」と表示された。これまでの自己最速159キロを一気に3キロも更新...と思われたが球場での表示は152キロだった模様。前後では直球が144キロや146キロと表示された球もあり、誤計測だったとみられる。それでも最後は村上をフォークで空振り三振に斬り、6セーブ目を記録。12、13日の広島戦(東京ドーム)で失点し、自身初めて2試合連続セーブ失敗を経験した2年目の右腕が、昨季新人王の意地を見せた。大勢は試合後、「さらに良くなるための新たな壁だと思う。少しどんよりしたけど自分を信じて投げようと。これを乗り越えてさらにいい投手になれるように頑張ります」と話した。

◆試合前に記念品贈呈が行われ、テレビ静岡の「ただいま!テレビ」に出演するMCの高橋正純氏と小倉彩瑛アナウンサーが徳川家康の兜をプレゼントした。江戸幕府を開いたことで知られる徳川家康だが、人生で最も長く暮らしたとあって、静岡はゆかりの地。静岡駅前には徳川家康公の像も立てられている。贈呈にはともに愛知県出身で中京大中京高OBのヤクルト・沢井廉外野手(22)と、巨人・中山礼都内野手(21)が登場。さっそく兜をかぶって記念撮影に収まっていた。

◆巨人・岡本和真内野手(26)が6号ソロを放った。2点リードの三回1死で甘く入った直球を捉えて左中間席へ。「しっかりと捉えることができた」とうなずいた。一回2死三塁では高めの変化球に詰まらされながらも先制の右前適時打。「形はともかくとして、ランナーをかえすことができてよかった」と安堵(あんど)した。

◆先発したヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=は3回9安打4失点で降板し、自身3連勝とはいかなかった。「1人1人しっかりと自分の球を投げるように意識して、ボール先行にならずにストライク先行でどんどん攻めて投げて行ければ」と意気込んで迎えたマウンド。プロ初の地方球場での登板で「早め早めに慣れてマウンドの形状を感じつつ、球場の雰囲気とかを感じつついければ」と話していた。試合前練習ではマウンドに立って確認して備えていたが、一回に岡本の右前適時打、秋広の中前適時打で2点を先制された。さらに三回にも岡本の左中間ソロ、ブリンソンの左犠飛で2点を失い、悔しい自身最短KOとなってしまった。

◆ヤクルト・川端慎吾内野手(35)が2021年6月20日の中日戦以来となる1号本塁打を放った。川端は3点を追う五回、1死一、二塁の場面で代打で登場すると、1ストライクから内角の真っすぐを右スタンドへ運ぶ同点3ラン。「まさか入るとは...」と驚きのコメントをした。この一発にツイッターでは川端慎吾がトレンド入り。「さすが代打の神様」「ヤクルトが誇る最強の代打」「2年ぶりのホームラン来た」と喜びの声が挙がった。

◆〝代打の神様〟が大きな仕事をした。ヤクルト・川端慎吾内野手(35)が3点を追う五回1死一、二塁から代打で出場し、右翼ポール際への1号3ランを放った。巨人先発・戸郷の直球を捉え「まさか入るとは...」と自身も驚きの一発。2021年6月20日の中日戦(神宮)以来、2年ぶりのアーチで一時同点に追いついた。

◆巨人・秋広優人内野手(20)が同点の七回、左中間へ勝ち越しの2点二塁打を放ち、1試合3安打を記録した。身長202センチの左打者は無死二、三塁で外角の直球を逆らわずにはじき返した。1-0の一回には2死一、二塁から中前適時打。「詰まりましたが、いいところに飛んでくれた」と振り返った。

◆巨人・丸佳浩外野手(34)が今季初の4安打をマークし、6試合連続安打とした。同点の六回2死二塁では左翼線へ一時勝ち越しの2点二塁打。右腕・大西の外角へ逃げるシュートに上手くバットを合わせ、「難しいボールだったけど何とか食らいついていきました」と納得のコメント。七回には一塁へのゴロが相手守備のカバーリングミスにより内野安打に。これで今季初の4安打とした。4月終了時点で打率・180だったが、七回の打席の終了時点で5月は打率・370と絶好調。今季通算は・262まで戻った。代名詞だった〝ヒッチ打法〟をやめ、スイング始動までに大きくバットを動かさない打法に変えて以降、調子が上がっている。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(29)が、5―9の七回無死一、二塁で2号3ランを放った。「4点差あったのでとにかく後ろにつなぐ意識で打席に入りました。良い角度であがってくれました」。巨人・田中豊に対し、カウント1―2から136キロフォークを捉えて左翼席へ放り込んだ。4日の巨人戦(東京ドーム)以来の本塁打。8―9と1点差に迫り、試合の流れを引き寄せた。

◆静岡出身のヤクルト・小沢怜史投手(25)が地元凱旋登板を果たした。8―9の八回に6番手で登場した。まずは4番岡本和を7球で遊ゴロに仕留めると、続く大城も遊ゴロに。最後は秋広も遊ゴロに斬り、三者凡退とした。静岡・三島市出身の右腕。日大三島高から2016年D2位でソフトバンクに入団し、20年に戦力外通告を受けて21年からヤクルト入りした。この日は両親と祖父母が応援に駆けつけており「投げる機会があれば、いつも通りの投球をできるようにしたい」と気合を入れていた。

◆令和の巨人を導く主砲が、伝説が宿る球場に名を刻んだ。4番・岡本和真内野手(26)が静岡・草薙球場の左翼席中段に豪快なアーチをかけ、「しっかりと捉えることができました」とりりしい表情を見せた。2点リードの三回1死、ヤクルトのドラフト1位右腕・吉村の甘く入った直球を捉えた6号ソロ。5試合ぶりの一発で攻撃をもり立てた。吉村からは4月23日にも本塁打を放っており、この日の第1打席で放った先制適時打も含め、5打数4安打、2本塁打と好相性が際立つ。草薙球場は1934年11月20日、全日本チームが米大リーグ選抜と対戦し、当時17歳の沢村栄治が1失点と好投した伝説の地。球場前には沢村と『野球の神様』ベーブ・ルースの銅像が建っている。近年では、亀井打撃コーチが現役時代の2017年8月1日のヤクルト戦で、2打席連続本塁打など5安打6打点と大暴れした〝伝説〟もチーム内に浸透している。今季から主将も務める岡本和のバットで勢いに乗った打線は5―5で迎えた七回、4安打に2四球を絡めて4点を勝ち越した。このビッグイニングの口火は、先頭の岡本和が8球粘った末の四球からだった。最後は1点差に追い上げられたが、何とか逃げ切った。5位巨人が4位ヤクルトに0・5ゲーム差に迫った。

◆代打の神様が、野球の神様ゆかりの地で躍動した。ヤクルト・川端慎吾内野手(35)が1―4の五回1死一、二塁で代打で登場し、同点3ランを放った。「まさか入るとは...」打った本人もビックリの一発で、試合を振り出しに戻した。先頭サンタナの左中間二塁打とオスナの四球で作った好機で出番がやってきた。巨人・戸郷に対し、1ストライクからの2球目、142キロ内角高め直球を捉えて右翼ポール際へ。今季1号は値千金の同点弾となった。かつて沢村栄治と〝野球の神様〟ベーブ・ルースが対戦した歴史を持つ静岡・草薙球場。静岡は夫人・今日香さんの地元でもあり、試合前の時点で通算打率・455(22打数10安打)と好相性を誇っていた。ヤクルトの主催試合として前回開催された2021年8月24日の中日戦でも同点の七回に勝ち越し適時打を放っていた〝代打の神様〟。得意の地でまたも勝負強さを発揮してみせた。今季、巨人に対しては2勝4敗と苦戦。この日も先発戸郷に四回まで散発2安打に抑えられており、大松打撃コーチは「テンポも良く投げ込んできているのでしっかりと準備して自分たちの打てるゾーンで勝負してほしい」と分析していた。一丸でようやく作り出したチャンスで、頼れるベテランが輝きを放った。 しかし、六回に1点ずつ取り合い5―5で迎えた七回、4番手の石山が大誤算だった。四球と二塁打のあと、秋広に勝ち越し2点二塁打を許す。さらに四球で無死一、二塁の場面で降板。5番手の梅野も2死後に2点二塁打を浴びた。石山は1死も取れず2安打2四球で4失点。直後の七回裏、塩見の3ランで追い上げたが反撃もここまで。ヤクルトは3連勝ならず。借金返済、勝率5割復帰もならなかった。

◆巨人が今季最多の17安打を放ち9得点で競り勝った。5―5の七回に秋広と吉川の2点二塁打で勝ち越した。鍵谷が2勝目、大勢が6セーブ目を挙げた。ヤクルトは投手陣が崩れ、七回に塩見の3ランで追い上げたが、及ばなかった。

◆巨人が今季最多17安打をマークし、ヤクルトとの乱打戦を制した。原辰徳監督(64)は「やっぱり束でかかんないとね、今はね。また〝何とかゲーム〟って言われちゃうね」と苦笑いした。前回のヤクルトとの3連戦が2戦連続で「ルーズベルト・ゲーム」と呼ばれる8―7での勝利だったことから話題となっていた。ヤクルト戦は乱打戦となるケースが多く、指揮官は「相手チームも多分同じようなことを考えているのではないかなというところですね。それをつなげる、あるいは反省。そこはあると思いますね」と振り返った。指揮官にとっては監督通算1237勝目となり、別当薫に並ぶプロ野球歴代9位に浮上した。

◆巨人は16日、ヤクルト7回戦(静岡)で今季最多17安打を放ち、9-8で競り勝った。秋広優人内野手(20)が七回に勝ち越しの2点左中間二塁打を放ち、3安打3打点で勝利に貢献。江戸幕府を開いた徳川家康が人生で最も長く暮らした地で殊勲者となり、試合前に地元テレビ局から贈呈されたかぶとをかぶって喜びをかみしめた。つかんでは手放し、また手繰り寄せる。振り子のように流れが行き来した乱打戦で、決勝打を放ったのは秋広だった。20歳の若武者は謙虚だ。「目の前で先輩方がつなぐ姿を見せてくださる。無駄にはできないと打席に立っています」5-5の七回無死二、三塁。身長202センチの左打者は外角の直球に長い手を伸ばした。前進守備の左中間を破る2点二塁打。一回の中前適時打を含む3安打、自己最多の1試合3打点の活躍で勝利に貢献し、打率を・356まで伸ばした。激闘が繰り広げられた静岡県は、徳川家康が生涯で最も長く暮らした地として知られる。NHK大河ドラマ「どうする家康」でも話題の偉人にちなみ、チームは試合前に地元テレビ局から、家康が好んだシダの葉を模した「歯朶(しだ)具足」の前立てが付いたかぶとを贈呈された。試合会場となった草薙球場は1934年の日米野球の舞台でもあり、沢村栄治とベーブ・ルースの名勝負は今も語り継がれる。由緒ある地での観戦チケットは完売。2万1521人の観衆が詰めかけた中、爆発した巨人打線は今季最多17安打を放ち、2度追いつかれながら〝草薙合戦〟を制した。打線が練習から心掛ける打球はライナー。起爆剤となった秋広はセンター返しも意識し、好調をキープしている。別当薫に並び歴代9位の通算1237勝目を挙げた原監督は「しぶとい打撃をしている。勝負強い」と背番号55をたたえた。4安打した13日に続く固め打ち。「歴史ある球場で結果を出せてうれしい。これからも頑張りたい」と秋広。本塁打後の大谷(エンゼルス)よろしく、贈呈されたかぶとをかぶって笑った。(鈴木智紘)

◆巨人が今季最多17安打をマークし、ヤクルトとの乱打戦を制した。原辰徳監督(64)は「やっぱり束でかかんないとね、今はね。また〝何とかゲーム〟って言われちゃうね」と苦笑いした。?巨人の静岡・草薙球場での試合は2014年4月15日のヤクルト戦(●4-8)での黒星を最後に、15年6月27日のヤクルト戦(○1-0)から4連勝。?同球場での対ヤクルト(前身を含む)は通算17試合で7勝9敗1分け。1点差勝利は55年10月8日(○3-2)、61年8月9日(○2-1)、15年6月27日(○1-0)に次いで8年ぶり4度目。?秋広が七回に勝ち越しの2点二塁打。殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転、サヨナラ)は4月22日のヤクルト戦(神宮)での同点二塁打、5月13日の広島戦(東京ドーム)での同点単打に次いで3本目で、決勝打となったのは初。?原監督が監督通算1237勝目(975敗89分け)を挙げ、別当薫(大洋など)と並ぶ歴代9位に浮上。歴代最多勝利は鶴岡一人(南海)の1773勝。

◆3時間59分に及ぶ熱戦の最後は、燕党のため息で終わった。ヤクルトは、両軍合わせて28安打の乱打戦の末に敗戦。序盤から追いかける展開に高津臣吾監督(54)の表情は暗かった。「打つ方はね、少し点差が開いても諦めずに出塁したり、ホームランでいい雰囲気になったというのはあったけど。序盤の失点が大きかったかなと思う」主導権を奪い返そうにも、奪い返せなかった。先発のドラフト1位・吉村(東芝)がプロ入り後最短の3回、9安打4失点で降板。その後は救援陣が踏ん張ったが、5―5の七回に体調不良から復帰してこの日登録されたばかりの石山が、2安打2四球で1アウトも取れずに4失点。指揮官は「何とかつないでとは思ったんですけど、うまくいかなかった」と言葉を絞り出した。攻撃陣は劣勢でも懸命に追い上げた。五回、代打・川端が2年ぶりの本塁打となる1号3ランを放って一時同点とし、1点を追う六回にオスナが中前適時打、4点を追う七回には塩見が2号3ランを放った。九回は1死一塁で村上が打席に立った場面で、代走・山崎が盗塁死。村上は三振に倒れ、連勝が2で止まった。「反省するところがすごくたくさんあるので、ゆっくり考えたい」と高津監督。敗戦を糧にするしかない。(赤尾裕希)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
21131 0.618
(↑0.012)
-
(-)
108142
(+9)
102
(+4)
18
(-)
17
(-)
0.254
(↑0.004)
2.710
(↓0.04)
2
(-)
DeNA
19150 0.559
(↓0.017)
2
(↓1)
109135
(+5)
139
(+7)
34
(+2)
7
(-)
0.263
(-)
3.850
(↓0.09)
3
(-)
広島
19160 0.543
(↑0.014)
2.5
(-)
108125
(+7)
105
(+5)
26
(+1)
12
(+1)
0.250
(↑0.002)
2.730
(↓0.04)
4
(-)
ヤクルト
17191 0.472
(↓0.014)
5
(↓1)
106129
(+8)
144
(+9)
33
(+2)
26
(-)
0.227
(↑0.003
3.670
(↓0.15)
5
(-)
巨人
17200 0.459
(↑0.015)
5.5
(-)
106142
(+9)
165
(+8)
41
(+1)
8
(-)
0.253
(↑0.005
4.310
(↓0.11)
6
(-)
中日
13230 0.361
(↓0.01)
9
(↓1)
10799
(+4)
117
(+9)
10
(+1)
9
(-)
0.243
(-)
2.800
(↓0.17)